WO2012056731A1

WO2012056731A1 - リソース管理サーバ、リソース管理方法及びリソース管理プログラムが格納された記憶媒体

Info

Publication number: WO2012056731A1
Application number: PCT/JP2011/051176
Authority: WO
Inventors: 峰義増田; 味松　康行; 菅内　公徳; 香緒里村瀬
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2010-10-27
Filing date: 2011-01-24
Publication date: 2012-05-03
Also published as: JP2014038364A; US20130275975A1; US9477503B2

Abstract

　複数の物理計算機に実装されたリソースを用いて複数の仮想計算機を割り当てるリソース管理サーバであって、前記配備用仮想計算機と前記リソースの使用量とを管理するリソース管理部と、前記リソースの量と空きリソースの量とを管理するプール管理部と、リソースの量の要求仕様を含む仮想計算機の割当要求を受け付ける要求仕様受付部と、前記要求仕様を満たすリソースを有する配備用仮想計算機、及び、前記要求仕様を満たすリソースを有さないが、前記空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たすリソースを確保できる配備用仮想計算機を検索する検索部と、を備える。

Description

リソース管理サーバ、リソース管理方法及びリソース管理プログラムが格納された記憶媒体

参照による取り込み

　本出願は、平成２２年（２０１０年）１０月２７日に出願された日本特許出願特願２０１０－２４０２６１の優先権を主張し、その内容を参照することにより、本出願に取り込む。

　本発明は、プール化された計算機リソースを管理するリソース管理技術に関する。特に、プール化された計算機リソースから利用者の要求に合うリソースを割り当てるリソース割り当て技術に関する。

　計算機リソースをプール化して運用するリソース管理技術がある。計算機リソースとは、例えば、計算機に具備されているＣＰＵ、メモリ、ハードディスクドライブなどである。通常１つの物理計算機に複数の仮想計算機（ＶＭ：Ｖｉｒｔｕａｌ　Ｍａｃｈｉｎｅ）を実行させ、各仮想計算機が物理計算機の計算機リソースの一部を利用する。計算機リソースは、仮想計算機の実行に応じて割り当てられる。例えば、ＣＰＵが４つのコアを有していれば、１コアをある仮想計算機に割り当てる。このとき残りの３コアを他の仮想計算機が実行されるまでの間、計算機プールとして管理する。計算機リソースは、仮想計算機を実装する仮想化ソフトウェアが管理する。仮想化ソフトウェアは、計算機リソースをプール化して管理し、仮想計算機を実行する際に必要に応じてリソースを割り当てている。計算機リソースの利用者は、プール化されたリソースから必要なときに、必要な分量だけリソースを割り当ててもらい、利用が終われば使用していた計算機リソースを計算機プールへ返却する。このように、計算機リソースをプール化することによって、計算機リソースの再利用性を高めることができ、計算機リソースの利用効率を向上できる。

　リソース管理技術の中でも、物理計算機のプール化運用が普及している。物理計算機のプール化運用は、計算機の仮想化技術をベースにしている。リソースの提供者は、計算機の仮想化ソフトウェアを搭載した物理計算機を多数用意する。これらの物理計算機は、計算機プールを構成する。計算機プールの利用者は、計算機プールに、必要な仕様の仮想計算機（ＶＭ：Ｖｉｒｔｕａｌ　Ｍａｃｈｉｎｅ）を生成する。仮想計算機を生成することにより、計算機プールが持つ物理的な計算機リソースが、当該仮想計算機に割り当てられる。利用者は、仮想計算機の利用が終わると、仮想計算機を物理計算機から削除する。仮想計算機を削除することによって、当該仮想計算機に割り当てられていた計算機リソースが計算機プールへ戻される。

　また、仮想計算機の生成は、仮想計算機の配備、仮想計算機の起動、の順に行われる。仮想計算機の配備とは、あらかじめ記憶デバイス（ハードディスクドライブなどの永続的な記憶デバイス）に記憶されている仮想計算機の実行イメージを、当該仮想計算機が動作する物理計算機の記憶デバイスへコピーすることである。また、仮想計算機の起動とは、仮想化ソフトウェアが、仮想計算機の実行イメージから仮想計算機を起動することである。

　仮想計算機の起動は、通常、数分程度の時間で完了する。一方、仮想計算機の配備は、仮想計算機の実行イメージのコピー処理に時間がかかるため、通常、完了までに数十分から数時間程度の時間を要する。多数の仮想計算機を必要とする利用者は、全仮想計算機の配備完了までに、多大な時間を待つ必要がある。そのため、仮想計算機の配備にかかる時間を短縮し、利用者の利便性を向上させる必要がある。

　また、仮想計算機の実行イメージのコピーは、コピー元計算機及びコピー先計算機の双方のＣＰＵ及びメモリを多量に消費する。また、同様に、両計算機間のネットワーク帯域も多量に消費する。そのため、一度に多数の仮想計算機の実行イメージをコピーすることを避ける必要がある。

　仮想計算機の配備にかかる時間を短縮する先行技術として以下の文献がある。なお、以下の先行技術には、物理計算機の配備時間を短縮する技術を含むが、仮想計算機の配備時間短縮にも適用可能である。

　特許文献１には、ホスティング環境として提供されているシステムリソースと、クライアントからのリソース割り当て要求内容に応じて、次に提供されるシステムリソースの構成を最適な構成にすること、が開示されている。

　また、特許文献２には、待機計算機が具備するソフトウェア構成と、業務システムが要求するソフトウェア構成との差異毎に、待機計算機（複数）を動的にグループ分けする機能を情報システムに持たせ、計算機を融通する際に、ソフトウェア構成でグループ分けした待機計算機を検索し、抽出することによって、ソフトウェアの環境構築を迅速に完了させる、ことが開示されている。

特開２００６－１８５６１号公報特開２００７－１１４９８３号公報

　利用者が要求する仮想計算機の仕様は必ずしも一様ではない。従って、如何に利用者が要求する仕様に合致した仮想計算機を早期に配備できるかが課題である。

　特許文献１に記載された発明は、利用者のリソース要求履歴の分析から将来的なリソース要求量を予測してリソース量の過不足を予め調整する。しかし、特許文献１に記載された技術では、要求された時点で仮想計算機を配備するのみで、事前に仮想計算機が配備できるよう準備していない。

　また、特許文献２で記載された発明は、具備するソフトウェア構成で待機計算機をグループで分類し、グループ分けされた待機計算機を検索することによって、要求されたソフトウェアの構成を迅速に構築することが開示されている。特許文献２に記載された技術では、予めソフトウェアを具備した待機計算機を準備することによって、ソフトウェアの構成を迅速化している。しかし、更に個々のアプリケーションを実行する上で必要なリソース量を調整していない。

　このように、ユーザが要求する仮想計算機の仕様、特に仮想計算機に必要なリソースを迅速に配備することが課題である。

　本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数の物理計算機とネットワークを経由して接続され、前記複数の物理計算機に実装されたリソースを用いて複数の仮想計算機を割り当てるリソース管理サーバであって、前記複数の物理計算機に実装された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機が用いるリソースの使用量との対応関係を含むリソース管理情報を管理するリソース管理部と、前記複数の物理計算機と、前記複数の物理計算機に実装されたリソースの総量と、前記複数の物理計算機に実装された前記仮想計算機に割り当てられていない空きリソースの総量との対応関係を含むプール管理情報を管理するプール管理部と、新たな仮想計算機の割当要求を、前記新たに割り当てが要求された仮想計算機で必要とするリソースの量を含む要求仕様と共に受け付ける要求仕様受付部と、前記受け付けた要求仕様に含まれる前記リソースの量を割り当てることが可能な仮想計算機を検索する検索部と、を備え、前記検索部は、前記リソース管理情報に含まれる配備用仮想計算機から、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機、及び、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さないが、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機を検索することを特徴とする。

　本発明の代表的な実施の形態によれば、利用者の要求スペックに応じた仮想計算機の利用開始時間を短縮することができる。

本発明の実施形態１の全体システム構成図である。実施形態１のハイパバイザ構成テーブルを示す説明図である。実施形態１のＶＭプール情報テーブルを示す説明図である。実施形態１の要求仕様処理のフローチャートである。実施形態１の検索結果リスト作成処理のフローチャートである。実施形態１の要求受付処理での入力画面を示す説明図である。実施形態１の検索結果リスト出力画面を示す説明図である。実施形態１の来歴情報テーブルを示す説明図である。実施形態１の利用度情報テーブルを示す説明図である。実施形態１の仮想計算機配備処理のフローチャートである。実施形態１の利用度情報作成処理のフローチャートである。実施形態１の利用度算出処理のフローチャートである。実施形態１の配備用仕様決定処理のフローチャートである。実施形態１の配備用仮想計算機の配備処理のフローチャートである。本発明の実施形態２の来歴情報テーブルを示す説明図である。実施形態２の利用度情報テーブルを示す説明図である。実施形態２の仮想計算機配備処理のフローチャートである。実施形態２の利用度情報作成処理のフローチャートである。実施形態２の利用度情報作成処理のフローチャートである。実施形態２の仮想計算機配備処理のサブフローチャートである。実施形態２のレベルオプション入力画面を示す説明図である。本発明の実施形態３の要求受付処理での入力画面を示す説明図である。実施形態３のハイパバイザ構成テーブルを示す説明図である。実施形態３のＶＭプール情報テーブルを示す説明図である。実施形態３の要求仕様処理のフローチャートである。実施形態３の検索結果リスト見直し処理のフローチャートである。実施形態３の検索結果リスト出力画面における検索結果リストを示す説明図である。実施形態３の検索結果リスト出力画面における検索結果リストを示す説明図である。実施形態３の検索結果リスト出力画面における検索結果リストを示す説明図である。実施形態３の来歴情報テーブルを示す説明図である。実施形態３の利用度情報テーブルを示す説明図である。

　＜実施形態１＞
　本発明の実施形態の一つでは、リソース管理サーバが、利用者からの仮想計算機要求を受け付け、受け付けた要求を満たす仮想計算機を利用者に提示する。リソース管理サーバは、利用者が過去に入力した仮想計算機の要求の履歴を分析して、今後の要求が見込まれる仮想計算機を推測する。リソース管理サーバは、実際の要求が入力される前に、この推測に基づいて、仮想計算機を配備する。実際に、利用者からリソース要求が入力されると、リソース管理サーバは、既に配備された仮想計算機の中から、要求を満たす仮想計算機を検索し、利用者へ提示する。リソース要求で入力された仮想計算機の仕様が既に配備された仮想計算機の仕様と異なる場合には、リソース管理サーバは、配備済仮想計算機の仕様を変更可能かをチェックする。リソース管理サーバは、仕様の変更が可能であれば、この配備済仮想計算機を利用者へ提示する仮想計算機のリストへ加える。このように、リソース管理サーバが、要求頻度が多い仮想計算機を予め配備しておくことによって、利用者は、同仮想計算機を即座に使用することができる。つまり、利用者は、仮想計算機の配備が完了するまで待つ必要がなく、利用者の利便性が向上する。

　図１は、実施形態１の全体システム構成図である。リソース管理サーバ１００は物理計算機であり、ＣＰＵ１０１、メモリ１０２、ネットワークインターフェースカード（ＮＩＣ）１０９、入力インターフェース（Ｉ／Ｆ）１０３、出力インターフェース（Ｉ／Ｆ）１０５、ＨＤＤインターフェース（Ｉ／Ｆ）１０７を具備する。リソース管理サーバ１００の入力Ｉ／Ｆ１０３は、マウスやキーボード１０４等の入力デバイスと接続され、ユーザからの操作を受け付ける。出力Ｉ／Ｆ１０５は、ディスプレイ０１０６等の出力デバイスと接続され、ユーザへ情報を出力する。なお、他の出力デバイス（例えば、プリンタ）も接続可能である。ＨＤＤ　Ｉ／Ｆ１０７はハードディスクドライブ（ＨＤＤ）１０８と接続され、種々のプログラムやＣＰＵ１０１で処理される各種データ及びテーブル等を格納する。ＮＩＣ１０９は、ネットワーク１２０と接続され、ネットワーク１２０を介して他の物理計算機１３０、１４０と接続される。

　メモリ１０２には、リソース管理プログラム１１０が実装されている。リソース管理プログラム１１０は、通常、ＨＤＤ１０８に格納され、ＣＰＵ１０１の要求によりメモリへロードされることによって実装される。リソース管理プログラム１１０は、要求受付処理１１１、リソースの検索処理１１２、仮想計算機の割当処理１１３、仮想計算機の利用状況を算出する計測処理１１４、要求の多い仮想計算機を予め配備するための配備処理１１５、他の物理計算機１３０、１４０で実際にユーザへ割り当てられた仮想計算機や、予め配備された仮想計算機等の情報を各物理計算機１３０、１４０から収集し管理する管理処理１１６を実行するサブプログラムを含む。メモリ１０２は、ユーザの要求に基づいて検索された配備可能な仮想計算機の情報を保持するための検索結果リスト７００、ユーザの要求した仮想計算機の仕様等を格納する来歴情報テーブル（来歴情報ＴＢＬ）８００、来歴情報テーブル８００に格納された来歴情報からユーザの利用傾向を把握するために算出された利用度情報テーブル（利用度情報ＴＢＬ）９００、各物理計算機０１３０、０１４０から収集した仮想計算機の実装状態を保持するハイパバイザ構成テーブル（ハイパバイザ構成ＴＢＬ）２００、各物理計算機０１３０、０１４０に実装されるＣＰＵやメモリ等のリソースのリソース量と、仮想計算機等で使用されていない空きリソース量を保持するＶＭプール情報テーブル（ＶＭプール情報ＴＢＬ）３００等の種々のテーブルを保持しており、リソース管理プログラム１１０が、処理に応じて適宜、これらのテーブルを読み書きする。これらのテーブルは、ＨＤＤ１０８にも格納され、必要に応じてＣＰＵ１０１が、ＨＤＤ１０８から読み出してメモリ１０２へロードしたり、メモリ１０２上の各種テーブルの情報をＨＤＤ１０８へ格納する。

　物理計算機１３０は、リソース管理サーバ１００と同様のハードウエア構成を有した計算機で、ＣＰＵ１３１、メモリ１３２、リソース管理サーバ１００とネットワーク接続するためのＮＩＣ１３３、ＨＤＤ１３８と接続するためのＨＤＤ　Ｉ／Ｆ１３４を実装する。同様に、物理計算機１４０は、リソース管理サーバ１００と同様のハードウエア構成を有した計算機で、ＣＰＵ１４１、メモリ１４２、ＮＩＣ１４３、ＨＤＤ　Ｉ／Ｆ１４４を実装する。図示していないが、リソース管理サーバ１００に実装された他の入力Ｉ／Ｆ１０３、出力Ｉ／Ｆ１０５を実装することもできる。各物理計算機１３０、１４０のメモリ１３２、１４２上にはハイパバイザ１３６、１４６がロードされており、複数の仮想計算機の生成、割当、仕様変更、削除等の様々な管理を行う。図１では、物理計算機１３０のハイパバイザ１３６の識別子をＨＶ１とし、物理計算機１４０のハイパバイザ１４６の識別子をＨＶ２としている。各ハイパバイザ１３６、１４６は、各々の計算機上で複数の仮想計算機を割り当てている。例えば、物理計算機１３０上では、仮想計算機ＶＭ１（１３７）と仮想計算機ＶＭ２（１３８）とが割り当てられている。物理計算機１４０上では、仮想計算機ＶＭ３（１４７）と仮想計算機ＶＭ４（１４８）とが割り当てられている。

　リソース管理サーバ１００のリソース管理プログラムは、各物理計算機１３０、１４０のハイパバイザ１３６、１４６と通信することによって情報の送受信を行うことができ、適宜仮想計算機の割当状態を取得してハイパバイザ構成テーブル２００、ＶＭプール情報テーブル３００を更新する。また、リソース管理サーバ１００は、ユーザから受け付けた要求に対応できる仮想計算機の当該ユーザへの割り当てを指示したり、予め要求の多い仕様を有した仮想計算機の配備を指示したりする。

　また仮想計算機ＶＭ１（１３７）、仮想計算機ＶＭ２（１３８）は、ハイパバイザＨＶ１（１３６）上で動作する仮想的な計算機である。ハイパバイザＨＶ１（１３６）は、物理計算機１３０のリソース、例えば、ＣＰＵ１３１やメモリ１３２を各々の仮想計算機に分割して割り当てる。また、ハイパバイザＨＶ１（１３６）は、各仮想計算機へ割り当てるリソースの量を変更することができる。物理計算機１４０においても同様である。物理計算機１３０、１４０に接続されているＨＤＤ１３５、１４５には、各々ＶＭイメージ１３９、１４９が格納されている。ＶＭイメージとは、仮想計算機のオペレーティングシステム、および、オペレーティングシステムで動作するアプリケーションの動作イメージである。仮想計算機は、仮想的なＨＤＤをマウントし仮想的なＨＤＤに格納されているオペレーティングシステムやアプリケーションをロードして実行する。ＶＭイメージはその仮想的なＨＤＤの実体である。ハイパバイザが仮想計算機で使用するＶＭイメージを制御することによって、仮想計算機が仮想的なＨＤＤとして処理することができる。実体であるＶＭイメージは、ハイパバイザからみれば実際にＨＤＤに格納されている１つのファイルである。従って、１つの仮想計算機に１つ以上のＶＭイメージが必要となる。例えば、物理計算機０１３０上の仮想計算機ＶＭ１（１３７）は、ＨＤＤ１３５に格納されている１つのＶＭイメージ１３９を用いる。

　これらのＶＭイメージをハイパバイザが制御する。またハイパバイザは、新たに別の仮想計算機を生成することが可能で、その際ハイパバイザは、既にＨＤＤに格納されている別のＶＭイメージをコピーすることによって新たな仮想計算機が用いるＶＭイメージを生成する。リモート管理サーバ１００は、ハイパバイザに対して指示することによって、新たな仮想計算機の生成指示、ＶＭイメージのコピー指示等の操作をする。なお、「仮想計算機の配備」とは、リソース管理サーバ１００が、物理計算機０１３０の記憶デバイス（ＨＤＤ１３５）へ、ＶＭイメージ１３９をコピーする操作を指す。

　図２はハイパバイザ構成テーブル２００を示す。ハイパバイザ構成テーブル２００は、ハイパバイザＨＶ１（１３６）、ハイパバイザＨＶ２（１４６）が制御している仮想計算機ＶＭ１（１３７）、ＶＭ２（１３８）、ＶＭ３（１４７）、ＶＭ４（１４８）の割当状態を格納する。割当状態は、ハイパバイザ識別子２０１、ＶＭ識別子２０２、ＣＰＵ２０３、メモリ２０４、ＶＭ状態２０５、ＶＭイメージ２０６、利用者２０６を含む。また、ハイパバイザ構成テーブル２００は、１つの仮想計算機に対して１つの行を割り当てる。ハイパバイザ構成テーブル２００は、各々のハイパバイザ上で稼働する５つの仮想計算機に対する割当状態を記憶している。

　まず、ハイパバイザ構成テーブル２００の各列について説明する。ハイパバイザ識別子欄２０１は、各物理計算機１３０、１４０上で稼働するハイパバイザＨＶ１（１３６）、ハイパバイザＨＶ２（１４６）等を識別するための識別子を格納する。図１には図示していないが、ハイパバイザ構成テーブル２００には、行２１５において別の物理計算機のハイパバイザ（ＨＶ３）も含まれる。ＶＭ識別子欄２０２は、当該ハイパバイザ上で制御される仮想計算機を識別するための識別子を格納する。行２１１には、物理計算機１３０上のハイパバイザＨＶ１：０１３６が制御する仮想計算機ＶＭ１（１３７）を識別するための識別子「ＶＭ１」が格納される。

　ＣＰＵ欄２０３は、当該仮想計算機に割り当てられているＣＰＵの周波数を格納する。即ち、本欄２０３は、当該仮想計算機に割り当てられているリソース量の１つを示すものである。例えば、行２１１の場合、仮想計算機ＶＭ１（１３７）に割り当てられている物理計算機１３０内のＣＰＵ１３１の周波数が２ＧＨｚであることを示している。本実施形態ではＣＰＵ１３１は総容量８ＧＨｚの周波数を有しているので、仮想計算機ＶＭ１（１３７）に割り当てられている周波数は全体の４分の１であることを意味している。本実施形態では、周波数を示しているが、例えば、ＣＰＵのコア数であってもよい。

　メモリ欄２０４は、当該仮想計算機に割り当てられているメモリの容量を格納する。言い換えれば、本欄２０４は、当該仮想計算機に割り当てられているリソースのリソース量の１つを示している。例えば、行２１１の場合、仮想計算機ＶＭ１（１３７）に割り当てられている物理計算機１３０内のメモリ１３２の容量が２ＧＢであることを示している。本実施形態ではメモリ１３２の総容量が８ＧＢであるので、仮想計算機ＶＭ１（１３７）に割り当てられているメモリの容量が全体の４分の１であることを意味している。

　ＶＭ状態欄２０５は、当該仮想計算機の割当状態を示す識別子を格納する。本実施形態では、「割当済」と「配備済」の２種類の割当状態がある。「割当済」とは、既にユーザに対して当該仮想計算機が割り当て済であることを意味する。また「配備済」とは、特定のユーザには割り当てられていないが、仮想計算機を配備済みであることを意味する。

　ＶＭイメージ欄２０６は、当該仮想計算機が使用するＶＭイメージのタイプを格納する。本実施形態では、「ＡＰサーバ」「ＤＢサーバ」「ＷＥＢサーバ」の３種類のＶＭイメージがある。例えば、行２１１の場合、仮想計算機ＶＭ１（１３７）が使用するＶＭイメージのタイプが「ＡＰサーバ」であることを意味する。また、行２１５の仮想計算機ＶＭ５も「ＡＰサーバ」であるが、ＶＭ１とＶＭ５とで全く同じＶＭイメージを用いる、という意味ではなく、使用しているＶＭイメージのタイプが同じであることを意味しており、各々の仮想計算機が使用するＶＭイメージは各々異なっている。

　利用者欄２０７は、当該仮想計算機を利用する利用者を一意に識別するための識別子（ユーザＩＤ）を格納する。行２１１、２１４及び２１５の各仮想計算機には、それぞれの利用者を識別するユーザＩＤが格納されている。行２１２及び２１３の各仮想計算機のように、仮想計算機が「配備済」であるが、まだ利用するユーザが決定されていない場合、「－－－」を格納する。

　図３は、ＶＭプール情報テーブル３００を示す。本テーブル３００は、リソース管理サーバ１００が管理対象とする全ての物理計算機１３０、１４０等が保持するリソースの総容量と空き容量とを管理する。ハイパバイザ識別子欄３０１は、物理計算機上で稼働するハイパバイザを一意に識別するための識別子を格納する。この識別子は、ハイパバイザ構成テーブル２００のハイパバイザ識別子欄２０１に格納される識別子と同じ識別子を用いる。リソースプール識別子欄３０２は、同じ物理計算機上で実装するリソースであることを認識するための識別子である。例えば、行３１１の「ＲＰ１」と行３１２の「ＲＰ１」は、各々リソース「ＣＰＵ」「メモリ」を有しているが、何れも同一物理計算機に実装されたリソースであり、同じハイパバイザ「ＨＶ１」が制御することを意味する。

　リソース種別欄３０３は、リソース管理サーバ１００が管理対象とするリソースの種別を示す情報を格納する。本実施形態では、「ＣＰＵ」「メモリ」の２つのリソースを例示するが、ネットワークＩ／Ｆである「ＮＩＣ」、ハードディスクドライブである「ＨＤＤ」などもリソース種別に含めることができる。総容量欄３０４と空き容量欄３０５とは、リソース種別３０３で示されたリソースの、実装されている全ての容量と、仮想計算機に割り当てられていない空きとなっている容量とをそれぞれ示す。例えば、行３１１で示す「ＣＰＵ」の総容量「８ＧＨｚ」は、当該ＣＰＵの全周波数の総容量を示し、空き容量「２ＧＨｚ」は、当該ＣＰＵの全周波数の総容量のうち仮想計算機に割り当てられていない空き容量を示す。本テーブル３００は、新たにユーザから仮想計算機の割り当てを要求された場合、配備済の仮想計算機から検索するだけでなく、本テーブル３００の空き容量欄３０５に記載される空き容量から割り当て可能かを検索する際にも用いられる。

　次に、図４を用いて実施形態１における要求仕様処理を説明する。図４は、本実施形態の要求仕様処理を示すフローチャートである。図１で示したリソース管理プログラム１００が、図４に示す処理を実行する。

　まず、リソース管理プログラム１００は、要求受付処理１１１において、ユーザからの要求を受け付ける入力画面を表示し、ユーザからの入力操作を受け付ける（Ｓ４０１）。入力画面とユーザからの入力操作結果の例を図６に示す。

　図６は、要求受付処理０１１１での入力画面の例を示す。タイトル６００は本画面が「仮想計算機検索」を行うことを表示する。利用者名欄６１１は、ログインされたユーザの利用者名であるユーザＩＤを表示する。本実施形態では図示していないが、リソース管理サーバ１００はユーザ認証機能を有しており、リソース管理プログラム１１０は当該ユーザ認証機能によって認証されたユーザＩＤを利用者情報として利用する。図中の「Ｕｓｅｒ１」は、ユーザ認証機能によって認証されたユーザＩＤである。

　要求スペック６１２は、ユーザが要求する仮想計算機の仕様を指定する欄である。本実施形態では、ＶＭイメージ６１３と、リソース６１５を要求仕様によって指定する。ＶＭイメージ６１３は、プルダウンメニュー６１４で表示される各種のＶＭイメージからユーザの要求するＶＭイメージを指定する。図６は、「ＤＢサーバ」のＶＭイメージが指定された画面を示す。リソース６１５では、２種類のリソース種別であるＣＰＵ６１６とメモリ６１７について、各々の必要な要求量をキーボード等により入力する入力欄を表示する。図６は、各々「６」Ｇｈｚ、「４」ＧＢが指定された画面を示す。

　仮想計算機を検索するための入力画面６００は、キャンセルボタン６０１と検索ボタン６０２を表示する。ユーザがキャンセルボタン６０１を操作すると、図４で示す処理を中止する。ユーザが検索ボタン６０２を操作すると、ユーザが指定した要求仕様に基づいて、割り当て可能な仮想計算機の検索を開始する。

　説明を図４のフローチャートに戻す。以上の図６の入力画面による要求仕様受付処理（Ｓ４０１）において、ユーザが必要とする要求仕様を入力し、入力画面６００検索ボタン６０２を操作すると、処理は次のステップＳ４０２へ進む。ステップＳ４０２では、ユーザが入力した要求仕様に基づいて検索結果リストを作成する。検索結果リストは、ユーザが必要とする要求仕様を満たす仮想計算機を示すリストである。検索結果リストを作成するステップＳ４０２の詳細なフローチャートは図５で示す。また作成された検索結果リストは図７で示す。検索結果リストは、ユーザが指定した要求仕様に基づいて検索することで生成される。従って、検索結果によってはユーザの要求仕様を満たす仮想計算機がなかった場合も想定される。このような場合、検索結果リストは空のリストとなる。ステップＳ４０３は、検索結果リストが空のリストかを判定するステップである。もし検索結果リストが空のリストであった場合、処理はステップＳ４０４へ移行し、ユーザに対して要求仕様の再入力を依頼するメッセージを出力し、ステップＳ４０１の要求仕様受付処理に再度処理を戻す。もしステップＳ４０３で検索結果リストが空のリストでなければ、ステップＳ４０５が検索結果リストを表示する。検索結果リストの表示例を図７で示す。

　図７は、ユーザの要求仕様に基づいて検索した検索結果リストを出力する検索結果リスト出力画面である。利用者名欄７１１は要求仕様を指定したユーザＩＤを表示する。表７１２は、検索結果リストである。図６において、ユーザはＤＢサーバのＶＭイメージを持つＣＰＵ６ＧＨｚ、メモリ４ＧＨｚの仮想計算機を要求仕様として指定している。表７１２は、当該要求仕様に基づいて検索した結果を示す。検索した結果、当該要求仕様に当てはまる３つの仮想計算機を特定している。

　ＶＭ識別子欄は、要求仕様に当てはまる仮想計算機の識別子を格納する。現状の仕様欄は３つの欄（ＶＭイメージ欄７０３、ＣＰＵ欄７０４、メモリ欄７０５）を含んでいる。ＶＭイメージ欄７０３は、当該仮想計算機が保有するＶＭイメージを特定する識別子を格納する。ＣＰＵ欄７０４は、当該仮想計算機に割当可能な周波数を格納する。メモリ欄７０５は、当該仮想計算機に割当可能なメモリ容量を格納する。ＶＭ状態欄７０６は、検索した仮想計算機の配備状態を示し、ハイパバイザ構成テーブル２００（図２）のＶＭ状態欄２０５と対応する。要求仕様を満たす仮想計算機を探索する場合、ハイパバイザ構成テーブル２００のＶＭ状態欄２０５が「配備済」である仮想計算機から探索する。例えば、行７１３で示す仮想計算機は、ＶＭ識別子が「ＶＭ２」の仮想計算機であり、ＶＭ状態が「配備済」である。これは、ハイパバイザ構成テーブル２００の行２１２と対応する。

　尚、図２の行２１２で示すように、仮想計算機ＶＭ２に配備されているＣＰＵのリソース量は「４ＧＨｚ」であり、要求仕様「６ＧＨｚ」と異なっている。しかし、本実施形態では、当該仮想計算機ＶＭ２が検索結果として抽出される（図７の行７１３）。これは、仮想計算機ＶＭ２が、現在配備されている現状の仕様に空きリソースを加えることで、要求仕様を満たすと判定できるからである。リソース管理プログラム１１０は、仮想計算機ＶＭ２に関連するリソースの空き容量をＶＭプール情報テーブルから参照する。その結果、リソース管理プログラム１１０は仮想計算機ＶＭ２を制御するハイパバイザＨＶ１に割り当てられているＣＰＵリソースには「２ＧＨｚ」分の余剰があることが分かる。リソース管理プログラム１１０は、現在、仮想計算機ＶＭ２に配備されているＣＰＵ「４ＧＨｚ」に余剰力分の「２ＧＨｚ」を加えることによって要求仕様であるＣＰＵ「６ＧＨｚ」を実現できると判定する。このように、要求仕様と合致しない配備済仮想計算機であっても、リソースの空き容量を割り当てるなどの操作をすれば、要求仕様を満たす仮想計算機をも抽出するので、検索結果として抽出される仮想計算機の数を増加させることが可能となり、ユーザにとっては実際に割当可能な仮想計算機の選択肢の数を増加させることができる。

　検索結果リスト７１２の変更欄７０７は、配備済仮想計算機を割り当てる場合に空きリソースの追加・削除等の変更を行う必要があるか否かを表示する。行７１２に示す「ＶＭ２」の配備済仮想計算機の場合、要求仕様を満たすために、空きリソースを追加する操作が必要である。このような空きリソースの追加操作が必要である場合、変更欄７０７には「要」が格納される。配備済仮想計算機が既に要求仕様を満たしている場合、空きリソースの追加操作は不要であるため、変更欄７０７は「否」を格納する。

　選択欄７０１は、出力された仮想計算機の中からユーザが割り当てる仮想計算機を１つ選択するための選択欄である。ユーザが一つの欄を選択すると、当該欄内にチェックマークを表示し、現在ユーザが指定する仮想計算機を示す。選択された状態でユーザが「割当実行」ボタン７１０を操作すると、リソース管理プログラム１１０は、選択された仮想計算機を当該ユーザ用に割り当てる処理を行う。

　検索結果リスト７１２の行７１４は、既に配備済みであるＶＭ３が要求仕様と合致する仮想計算機であることを示す検索結果である。これは、図２に示すハイパバイザ構成情報テーブル２００の行２１３に記載されているＶＭ３である。ＶＭ３は、既に要求仕様と同じＣＰＵの周波数、及びメモリ量を保有した仮想計算機である。検索結果リストには、要求仕様と合致する配備済の仮想計算機も含まれる。

　検索結果リスト７１２の行７１５は、未配備ではあるが要求仕様と合致する仮想コンピュータを構築できることを示している。行７１５のＶＭ識別子欄７０２は、仮想計算機がまだ配備されていない状態「（－－－）」を格納する。ＶＭイメージ欄７０３は、まだ当該仮想計算機のＶＭイメージが配備されていないので「未配備」を格納する。ＶＭ状態欄７０６も同様に、「未配備」を格納する。変更欄７０７には、「新規」が格納される。「新規」は、当該未配備の仮想計算機をユーザが選択した場合、リソース管理プログラム１１０が新たに仮想計算機を配備するなどの変更を必要とすることを示す。これは、図３のＶＭプール情報テーブルを検索した際に、行３１５及び３１６に示すハイパバイザＨＶ３のＣＰＵやメモリの空き容量から要求仕様を満たす仮想計算機を構築できると判定したからである。

　仮想計算機検索結果画面７００は、キャンセルボタン７０８、戻るボタン７０９、割当実行ボタン７１０を表示する。キャンセルボタン７０８は、仮想計算機の検索を中断するためのボタンであり、ユーザがキャンセルボタン７０８を操作することによって検索処理が中断する。戻るボタン７０９は、検索を再度実行するために図６で示す要求受付処理の入力画面を再表示するためのボタンである。割当実行ボタン７１０は、ユーザが検索結果リスト７１２の選択欄７０１で選択した仮想計算機を実際に割り当てるためのボタンである。図７では、ユーザは検索結果リスト７１２の行７１４で示す仮想計算機を選択欄７０１で指定している。この状態でユーザが割当実行ボタンを操作すると、リソース管理プログラム１１０は、当該仮想計算機ＶＭ３を当該ユーザへ割り当てる処理を実行する。

　図４の要求仕様処理を示すフローチャートについて引き続き説明する。ステップＳ４０５で、図７で示す検索結果リスト７１２を表示した後、選択を受け付ける（ステップＳ４０６）。ここでは、ユーザが検索結果リスト７１２の選択欄７０１の１つを選択し、割当実行ボタン７１０、戻るボタン７０９、キャンセルボタン７０８のいずれか一つのボタンを操作する入力処理を実行する。

　次に、ユーザにより操作されたボタンが割当実行ボタン７１０であるか否かを判定する（ステップＳ４０７）。ユーザによって操作されたボタンが割当実行ボタン０７１０である場合、ステップＳ４０９の処理を実行する。ユーザにより操作されたボタンがそれ以外である場合、ステップＳ４０８の処理を実行する。ステップＳ４０８は、操作されたボタンが戻るボタン７０９であるか否かを判定する。ユーザによって操作されたボタンが戻るボタン７０９である場合、処理はステップＳ４０１へ戻り、再度要求仕様の受付処理を実行する。ユーザによって操作されたボタンが戻るボタン７０９でない場合、キャンセルボタン７０８が操作されたと判定し、検索処理を中断する。中断する前に割当結果の記録処理（０４１２）や、既に決定されている配備用仕様の見直し処理（Ｓ４１３）を実行してもよい。

　ユーザによって操作されたボタンが割当実行ボタン７１０である場合、ステップＳ４０９を実行する。ステップＳ４０９では、ユーザが検索結果リスト７１２の選択欄７０１で選択した一つの仮想計算機を特定し、当該仮想計算機を割り当てる際に現在の仕様を変更する必要があるか否かを判定する。具体的には、検索結果リスト７１２の変更欄７０７が「要」か「新規」かを特定する。検索結果リスト７１２の変更欄７０７が「要」又は「新規」である場合、ステップＳ４１０を実行する。一方、検索結果リスト７１２の変更欄７０７が「否」である場合は、ステップＳ４１１を実行する。

　ステップＳ４１０では、ユーザが指定した要求仕様となるよう、ユーザが選択した仮想計算機の仕様を変更する。図７では、ユーザは仮想計算機ＶＭ３を選択しているので、リソース管理プログラム１１０はステップＳ４１０を実行しない。

　もしユーザが、図７においてＶＭ２の仮想計算機を選択（行７１３）し、割当実行ボタン７１０を操作した場合、ステップＳ４１０は検索結果リスト７１２の行７１３で示す現在の仕様、即ちＶＭイメージ７０３とＣＰＵ欄７０４とメモリ欄７０４と、ユーザが入力した要求仕様との差異を特定する。

　具体的には、現状の仕様のうちＣＰＵの周波数が２ＧＨｚ不足していることを特定する。そこで、ステップＳ４１０では、図２に示すハイパバイザ構成情報テーブル２００の行２１２から、ＶＭ２を制御するハイパバイザがＨＶ１であることを特定し、図３に示すＶＭプール情報テーブル３００を参照して、ハイパバイザ識別子欄３０１がＨＶ１で、リソース種別欄３０３がＣＰＵの行３１１の空き容量欄３０５を参照する。ステップＳ４１０では、空き容量欄３０５によって、ＣＰＵの空き容量が２ＧＨｚであることを特定できるので、当該空き容量である２ＧＨｚの全てをＶＭ２の仮想計算機に割り当てるように、当該ＶＭ２を制御するハイパバイザＨＶ１に対して指示する。ハイパバイザＨＶ１は、当該割当指示を受信し、ＶＭ２に対するＣＰＵ周波数の割り当てを追加する。

　もしユーザが、図７の検索結果リスト７１２の行０７１５の「未配備」の仮想計算機を選択した場合、同様に要求仕様との差異を特定して、要求仕様を満たすようにリソースの割り当てを指示する。この場合、未配備を示すハイパバイザはＨＶ３であるので、Ｓ４１０では、当該ＨＶ３に対してリソースの割り当ての追加・変更・削除を指示する。また、本ケースでは、ＶＭイメージが未配備であるため、ステップＳ４１０では、他の仮想計算機が保持する「ＤＢサーバ」のＶＭイメージをコピーし、割当実行対象の仮想計算機でＶＭイメージを利用できるよう、当該ハイパバイザＨＶ３に指示する。

　ＶＭイメージのコピー処理は、ステップＳ４１０において実行してもよい。当該ハイパバイザＨＶ３が、制御する仮想計算機に指示されたＶＭイメージを有している場合は、当該ハイパバイザＨＶ３自身がコピー処理を行うだけでよい。しかし、当該ハイパバイザＨＶ３が、必要とするＶＭイメージを有さない場合は、ステップＳ４１０において、他のハイパバイザが保有するＶＭイメージを流用する処理を実行する方が効率的である。ＶＭイメージのコピー処理は、ネットワークを介したファイル転送処理によって実現可能である。要求されたＶＭイメージを保持するハイパバイザが別の物理計算機で稼働している場合は、ネットワークを介して当該別の物理計算機で稼働するハイパバイザからＶＭイメージの格納先を取得し、取得した格納先のＶＭイメージを一旦リソース管理サーバが読み出した後、ユーザに割り当てた仮想計算機を稼働する物理計算機へ転送することができる。ＶＭイメージのコピー処理は、本願の趣旨を逸脱しない範囲でさらに拡張することができる。

　次にステップ４１１では、選択された仮想計算機を当該ユーザに割り当てる処理を行う。具体的には、図２に示すハイパバイザ構成情報テーブル２００に、当該ＶＭ３に割り当てられたリソース量や利用者識別子を登録する（図示省略）。また、図３に示すＶＭプール情報テーブル３００の空き容量を更新する（図示省略）。

　ステップＳ４１２では、ステップＳ４１１でユーザに割り当てた結果を来歴情報テーブル８００へ記録する。来歴情報テーブル８００の構成を図８に示す。

　図８に示す来歴情報テーブル８００は、ステップＳ４１１でユーザに割り当てた結果を来歴情報として記録するテーブルである。来歴情報テーブル８００は、利用者欄８０１、要求仕様としてＶＭイメージ欄８０２、ＣＰＵ欄８０３、メモリ欄８０４、割当状況として割当元欄８０５、変更欄８０６、及び要求日時欄８０７を含む。行８１１においては、図６、図７で例示したユーザの要求仕様に基づいて、リソースを割り当てた結果を示している。利用者欄８０１は、要求仕様を入力したユーザを特定する識別子であるユーザＩＤを格納する。要求仕様のＶＭイメージ欄８０２は、当該ユーザが指定したＶＭイメージのタイプを格納する。ＣＰＵ欄８０３は、当該ユーザが指定したＣＰＵの周波数を格納する。メモリ欄８０４は、当該ユーザが指定したメモリ容量を格納する。割当状況の割当元欄８０５は、当該リソース管理サーバ１１１がユーザに割り当てた仮想計算機の、割当元の状態を格納する。「配備済」とは、ユーザに割り当てた仮想計算機は、要求を受け付ける前は「配備済」の仮想計算機であることを示す。「空きリソース」は、ユーザに割り当てた仮想計算機は、要求を受け付ける前には「未割当」の状態であったことを示す。即ち、図７の検索結果リスト７１２でユーザが未配備の仮想計算機（行７１５）を選択した場合に、当該選択された仮想計算機の状態を記録する。変更欄８０６は、ユーザへ仮想計算機を割り当てる際に要求仕様を満たすようリソースの追加・変更・削除、ＶＭイメージのコピー処理等を実行したかを格納する。変更欄８０６が「有」の場合、リソース管理プログラム１１０が「配備済」の仮想計算機から要求仕様にあうように変更したことを示す。変更欄８０６が「無」の場合、リソース管理プログラム１１０が「配備済」の仮想計算機が要求仕様と合致しており、変更する必要がなかったことを示す。「新規」の場合、リソース管理プログラム１１０が「空リソース」から新規に仮想計算機を割り当てたことを示す。行８１１の場合は変更する必要がなかったので「無」を示す。要求日時欄８０７は、ユーザが要求仕様を入力した日時を格納する。具体的には、ユーザが要求仕様を入力し、図７の検索結果リスト出力画面で割当実行ボタン７１０を操作した時刻である。

　このように、実際にユーザに対して割当処理を行った結果を来歴情報として記録することは重要である。この来歴情報テーブル８００に記録されたデータに基づいて、リソース管理プログラム１１０は、今後配備すべき仮想計算機の仕様を決定し、ユーザの要求に沿った仕様を事前に配置することできる。

　図１０は、来歴情報テーブル８００から配備用仮想計算機を配備する仮想計算機配備処理のフローチャートである。本処理は、来歴情報テーブル８００に記憶されている来歴情報に基づいてまず利用傾向を分析する。本処理は、来歴情報テーブル８００から各ユーザ毎に要求仕様の利用頻度を纏め、最も利用頻度の高い要求仕様を配備用仮想計算機の仕様とする。

　ステップＳ１００１では、来歴情報テーブル８００からまず利用度情報を作成する。利用度情報とは、リソース管理プログラムがユーザに割り当てた要求仕様の頻度と、頻度から算出された利用度を含む。利用度情報の詳細を、図９の利用度情報テーブル９００に示す。また、ステップＳ１００１の処理の詳細を、図１１の利用度情報作成処理フローチャートで示す。

　ステップＳ１００２では、ステップＳ１００１で作成した利用度情報に基づいて各要求仕様毎に利用度を算出する。また、ステップＳ１００２では、算出した利用度を利用度情報テーブル９００に格納する。ステップＳ１００２の詳細処理を、図１２の利用度算出処理フローチャートで示す。

　ステップＳ１００３では、ステップＳ１００２で算出された利用度に基づいて、配備用仕様を決定する。具体的には、ステップＳ１００３では、最も利用度の高い要求仕様を、当該ユーザへの配備用仕様として決定する。ステップＳ１００３の処理の詳細を、図１３の配備用仕様決定処理フローチャートで示す。
ステップＳ１００４では、ステップＳ１００３で決定された配備用仕様に基づいて、配備用仮想計算機を配備する。ステップＳ１００４の詳細処理を、図１４の配備用仮想計算機の配備処理フローチャートで示す。

　以上の仮想計算機配備処理を実行することによって、来歴情報に基づいた配備用仮想計算機をユーザが要望する前に事前に配備することができる。また、利用頻度の多い要求仕様を配備用仕様としているので、本願は、ユーザが要求する仕様と配備用仮想計算機の仕様との一致度を向上することができ、また、要求受付後に配備用仮想計算機の仕様を変更する頻度を小さくすることができる。

　図９は、ステップＳ１００１で作成する利用度情報を格納する利用度情報テーブル９００の説明図である。利用度情報テーブル９００は、配備用仮想計算機の配備用仕様を決定するために用いられる。利用度情報テーブル９００は、利用者毎にどのような要求仕様を利用したのかを示す情報を保持する。利用者欄９０１はユーザＩＤを格納する。要求仕様であるＶＭイメージ欄９０２、ＣＰＵ欄９０３、メモリ欄９０４に格納される各々の情報は、当該ユーザＩＤで示した利用者がどのような要求仕様を過去に要望したのかを示す。例えば、行９１１は、「Ｕｓｅｒ２」が、「Ｗｅｂサーバ」のＶＭイメージであり、ＣＰＵの周波数が「２ＧＨｚ」であり、かつメモリ容量が「１ＧＢ」である仮想計算機を要望し、当該要求仕様を有する仮想計算機が当該ユーザに割り当てられたことを示す。

　割当回数欄は、要求仕様で記載された仮想計算機を割り当てた頻度を格納する。割当回数欄は、詳細には次の３つの欄から構成される。配備済変更無欄９０５は、仮想計算機を割り当てた際に、配備済仮想計算機から仕様の変更無しに割り当てた回数を格納する。変更済変更有欄９０６は、配備済仮想計算機から仕様を変更して割り当てた回数を格納する。新規欄９０７は、全く配備されていない空きリソースから仮想計算機を割り当てた回数を格納する。

　配備欄は、利用度欄９０８及び仕様欄９０９を含む。利用度欄９０８は、割当回数欄に格納された各回数に基づいて算出された利用度を格納する。仕様欄９０９は、算出された利用度のうち最も利用度の高い要求仕様を配備用仕様として決定したことを示す識別子を格納する。配備用仕様が同じ利用者に対して複数決定している。例えば、行９１２から行９１４で示すように、「Ｕｓｅｒ２」は３つの要求仕様を配備用仕様として決定されている。これは、仮想計算機配備処理がＶＭイメージのタイプ毎に配備用仕様を決定しているからである。ユーザは、ＶＭイメージのタイプ毎に要求仕様を変えて、仮想計算機を利用する。仮想計算機配備処理は、配備用仕様をＶＭイメージのタイプ毎に決定しておくことによって、ユーザの要望に応じた配備用仕様を事前に配備することが可能となる。

　図１１は、利用度情報作成処理のフローチャートである。ステップＳ１１０１では、来歴情報テーブル８００に格納された来歴情報を、利用者欄８０１、ＶＭイメージ欄８０２、ＣＰＵ欄８０３、メモリ欄８０４の順序で昇順にソートする。ステップＳ１１０２では、来歴情報テーブル８００に格納された個々の来歴情報を全て参照するまで、ステップＳ１１０７までの処理を繰り返し実行する。ステップＳ１１０３では、参照する来歴情報を１つ選択し、選択された来歴情報を利用度情報として抽出する。具体的には、ソートされた来歴情報テーブル８００に格納された来歴情報の１つを選択し、来歴情報テーブル８００の１行分のデータを利用度情報としてメモリに格納する。

　ステップＳ１１０４では、前に格納した利用度情報と今回格納した利用度情報とを比較する。比較する情報は、来歴情報テーブル８００の利用者欄８０１、ＶＭイメージ欄８０２、ＣＰＵ欄８０３、及びメモリ欄８０４の各々格納された４つの情報で、利用度情報としてメモリに格納された情報である。ステップＳ１１０４では、前に格納された４つの情報と、今回格納された４つの情報を各々比較し、全て同じ情報か否かを判定する。もし４つの情報が共に同じ情報である場合、ステップＳ１１０５を実行し、１つでも情報が異なっていた場合は、ステップＳ１１０６を実行する。また、来歴情報テーブル８００の最初の１行を利用度情報としてメモリに格納した場合、Ｓ１１０４は比較対象である前の利用度情報を保持せず比較できない。この場合、ステップＳ１１０６を実行する。ステップＳ１１０６は、今回格納した４つの利用度情報を、利用度情報テーブル９００に新たなデータとして格納する。具体的には、利用度情報テーブル９００の利用者欄９０１、ＶＭイメージ欄９０２、ＣＰＵ欄９０３、メモリ欄９０４に新規データを１行追加する。

　ステップＳ１１０５では、前回格納した４つの利用度情報と今回格納した４つの利用度情報とが同一であるので、当該４つの利用度情報は既に利用度情報テーブル９００に格納済みである。従って、該当する行の割当回数欄に頻度を＋１増加する。割当回数欄のどの欄の頻度を増加させるかは、対応する来歴情報テーブル８００の割当状況欄に格納された情報を参照して決定する。例えば、割当状況欄の割当元欄８０５が「配備済」で、変更欄８０６が「無」の場合、利用度情報テーブル９００の割当回数欄である「配備済変更無欄」の頻度を増加する。このように、来歴情報テーブル８００に格納された来歴情報に基づいて、割当回数を算出し、ユーザの要求仕様毎に利用頻度を分析する。

　ステップＳ１１０７は、Ｓ１１０２からの繰り返し処理の終端である。すなわち、ステップＳ１１０７では、来歴情報テーブル８００に格納された全ての来歴情報を参照するまで、繰り返し前述のステップを実行する。ステップＳ１１０８は、ステップＳ１１０１が来歴情報テーブル８００の来歴情報をユーザ・ＶＭイメージ等でソートしたので、元の来歴情報の順序を元に戻す。具体的には、要求日時を対象に昇順でソートすることによって、順序を元に戻すことができる。

　以上の処理を実行することによって、リソース管理プログラム１１０は利用度情報テーブル９００の欄９０１から欄９０９までの情報を格納する。

　図１２は、利用度算出処理のフローチャートであり、図１０の仮想計算機配備処理フローチャートのステップＳ１００２を詳細に示したフローチャートである。ステップＳ１２０１は、利用度情報テーブル９００に格納された全ての利用度情報を参照するまで、ステップＳ１２０３までのステップを繰り返し実行する。ステップＳ１２０２は、利用度情報テーブル９００に格納された一つの利用度情報を選択し、利用度情報テーブル９００の割当回数欄に記載する３種類の頻度から利用度を算出する。仮想計算機配備処理で、利用度の高い要求仕様を配備用仕様として決定するので、３種類の頻度に各々重み付けをして利用度を算出する。具体的には、配備済変更無欄９０５の頻度を３倍、配備済変更有欄９０６の頻度を２倍、新規欄９０７の頻度を１倍とし、その総和を利用度として算出する。重み付けの割合は、全体の利用頻度に応じて変更できるようにすれば、よりユーザの要求する仕様に合致した仮想計算機を事前に配備することができる。算出した利用度を利用度情報テーブル９００の利用度欄９０８に格納する。ステップＳ１２０３は、Ｓ１２０１からの繰り返し処理の終端である。以上の処理を実行することによって、リソース管理プログラム１１０は利用度情報テーブル９００の欄９０８の情報を全ての利用度情報に対して格納する。

　図１３は、配備用仕様決定処理のフローチャートであり、図１０の仮想計算機配備処理フローチャートのステップＳ１００３を詳細に示したフローチャートである。ステップＳ１３０１では、利用度情報テーブル９００の仕様欄９０９に格納されている決定済みの仕様を一旦クリアする。具体的には、全ての利用度情報に対する仕様欄９０９を空白とする。ステップＳ１３０２では、利用度情報テーブル９００に格納された全ての利用度情報を、利用者欄９０１、ＶＭイメージ欄９０２、ＣＰＵ欄９０３、メモリ欄９０４、利用度欄９０８の順に昇順でソートする。ステップＳ１３０３では、利用度情報テーブル９００に格納された全ての利用度情報を参照するまで、Ｓ１３１０までのステップを繰り返す。ステップＳ１３０４では、利用度情報テーブル９００に格納された利用度情報の１つを抽出する。具体的には、利用者欄９０１、ＶＭイメージ欄９０２に格納された２つの情報をメモリに格納する。

　ステップＳ１３０５では、前にメモリに格納した２つの情報と、今回メモリに格納した２つの情報とをそれぞれ比較する。利用者とＶＭイメージの利用度情報が双方で同一であった場合は、双方の要求仕様、即ちＣＰＵ欄９０３とメモリ欄９０４に格納された要求仕様が異なる場合である。そのため双方の利用度を比較して利用度に応じて配備仕様を決定するステップＳ１３０７以降のステップを実行する。もし利用者とＶＭイメージの利用度情報が異なるのであれば、ステップＳ１３０６を実行する。ステップＳ１３０６では、今回抽出した利用度情報を配備仕様として決定する。具体的には、利用度情報テーブル９００の仕様欄９０９に決定したことを示す識別子を格納する。

　ステップＳ１３０７は、前回メモリに格納した利用者とＶＭイメージの２つの情報と、今回メモリに格納した利用者とＶＭイメージの２つの情報とが、各々一致した場合に実行される。従って、前回の利用度情報と今回の利用度情報とは、ＣＰＵとメモリのリソース量が異なっており、また各々の利用頻度も異なっている。そのため利用度に相違が生じている。ステップＳ１３０７は、前回メモリに格納された２つの情報に対応する利用度と、今回メモリに格納した２つの情報に対応する利用度とを比較する。もし今回メモリに格納された２つの情報に対応する利用度の方が、前回メモリに格納した２つの情報に対応する利用度よりも高い場合は、ステップＳ１３０８を実行する。また今回の方の利用度が低い場合は、既に前回の方の仕様を配備仕様として決定しているので、配備仕様の決定処理を行う必要がなく、ステップＳ１３１０へ進む。

　ステップＳ１３０８では、今回メモリに格納した２つの情報に対応する利用度が高いので、当該２つの情報に対応する要求仕様を配備仕様として決定する。具体的には、利用度情報テーブル９００の仕様欄９０９に、配備仕様として決定したことを示す識別子を格納する。またステップＳ１３０９は、前回メモリに格納した２つの情報に対応する要求仕様を配備仕様ではないものとして決定する。具体的には、利用度情報テーブル９００の仕様欄９０９に、空白を格納する。ステップＳ１３１０は、ステップＳ１３０３の繰り返し処理の終端である。

　このように利用度情報テーブル９００に格納された利用度情報を順次参照して配備用仕様を決定することにより、利用度の最も高い要求仕様を配備用仕様として決定することができる。

　図１４は、配備用仮想計算機の配備処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、図１０の仮想計算機配備処理のステップＳ１００４を詳細に示したフローチャートである。図１３の配備用仕様決定処理を実行することによって、各要求仕様毎に配備用仕様が決定される。本フローチャートは、決定した配備用仕様を用いて事前に配備用仮想計算機を配備する処理を示す。

　ステップＳ１４０１では、利用度情報テーブル９００に格納されている利用度情報を利用度欄９０８に格納されている利用度に基づいて降順にソートする。これは、利用度の最も高い要求仕様の順に配備用仮想計算機を配備することを目的としている。配備用仮想計算機は空きリソースから配備するため、配備可能な数は有限である。言い換えれば、利用度情報テーブル９００の仕様欄９０９で配備用仕様として決定された利用度情報に基づく配備用仮想計算機を、必ずしも全て配備することが可能とは限らない。従って、利用度の最も高い利用度情報から順に、配備用仮想計算機を配備する必要がある。

　ステップＳ１４０２では、利用度情報テーブル９００に格納された全ての利用度情報を参照するまで、以下ステップＳ１４１０までの処理を繰り返す。ステップＳ１４０３では、利用度情報テーブル９００に格納された利用度情報の一つを抽出する。ステップＳ１４０４では、抽出した利用度情報の仕様欄９０９に配備用仕様として決定したことを示す識別子が格納されているかを判定する。識別子が格納されていなければ、当該利用度情報に基づく仮想計算機の配備は不要であるため、ステップＳ１４１０へ進む。もし識別子が格納されていればステップＳ１４０５へ進む。

　ステップＳ１４０５では、ＶＭプール情報テーブル３００に格納されている全てのリソースプール情報を参照するまで、以下ステップＳ１４０９までの処理を繰り返し実行する。ステップＳ１４０６では、ＶＭプール情報テーブル３００に格納されているリソースプール情報の１つを選択する。ステップＳ１４０７では、選択したリソースプール情報を用いて、ステップＳ１４０３で抽出した配備用仕様の仮想計算機が配備可能かを判定する。ステップＳ１４０７では、選択したリソースプール情報の空き容量欄３０５を参照し、空き容量が配備用仕様で必要とするリソース量より多いことを確認して配備用仕様の仮想計算機が配備可能かを決定する。空き容量が必要とするリソース量より多い場合は、ステップＳ１４０８を実行し、少ない場合はステップＳ１４０９へ進む。ステップＳ１４０８では、当該必要とするリソース量で配備用仮想計算機を配備する。

　ステップＳ１４０９は、ステップＳ１４０５からの繰り返し処理の終端である。またステップＳ１４１０は、ステップＳ１４０２からの繰り返し処理の終端である。

　これにより、配備用仕様とその利用度に応じて、事前に配備用仮想計算機を配備することができるので、よりユーザ要望の多い仮想計算機を事前に配備することができる。また、図１０で示した仮想計算機配備処理は、定期的に実行することによって、配備用仮想計算機を事前配布することができる。また、例えば、ステップＳ１００１からステップＳ１００３までの配備用仕様を決定する処理とステップＳ１００４の配備用仮想計算機を配備する処理とを別々のタイミングで実行してもよい。

　例えば、図４で示した要求仕様処理で、ユーザ要求に基づく仮想計算機を割り当て（ステップＳ４１１）、割当結果を来歴情報テーブル８００へ格納（ステップＳ４１２）した後に、配備用仕様を見直すためにステップＳ１００１からステップＳ１００３までの配備用仕様の決定処理を実行してもよい。また、ユーザに割り当てた仮想計算機と同じ仕様の別の仮想計算機を配備用仮想計算機として空きリソースから配備してもよい。配備用仮想計算の配備処理は、このようにユーザの要求に合致する仮想計算機を事前に配備することを目的としているので、配備用仕様に基づいて配備用仮想計算機を配備したり、要求されて割り当てた仕様に基づいて配備用仮想計算機を配備してもよい。

　以上実施形態１では、利用者の要求スペックに応じた仮想計算機の利用開始時間を短縮することができる。また、今までの利用者の利用形態である仮想計算機の組み合わせ傾向や配置傾向を予め分析しておき、利用者の要求スペックに即時に応答できるよう準備することで、利用開始時間の短縮を図ることができる。

　また、ユーザの要求仕様を受け付け、該当する配備済仮想計算機の検索処理、また割り当てた仮想計算機の来歴情報に基づいて配備用仕様を決定し、事前に仮想計算機を配備する処理を説明した。検索する場合においても、要求仕様と同じ仕様を有する仮想計算機だけでなく、現在の仕様を変更することで要求仕様を満たす仮想計算機も検索結果として抽出できる。もし要求仕様と合致する仮想計算機が存在しなくとも、ユーザは現在の仕様を変更することで対応できる仮想計算機を選択対象とすることができるので、ユーザはより多くの仮想計算機から選択することが可能となる。また、来歴情報を用いることによって、事前に配備する仮想計算機の仕様をユーザ要求の多い仕様とすることができるので、より選択可能な仮想計算機の数を増やすことができる。

　＜実施形態２＞
　次に実施形態２について説明する。実施形態１では、来歴情報テーブル８００から利用度情報テーブル９００を作成し、その利用頻度を分析して配備用仕様を決定した。これは、ユーザが要求仕様を満たす仮想計算機を検索・選択した直後から、割り当てられた仮想計算機の利用を開始することを想定している。

　実施形態２では、当該ユーザに仮想計算機を割り当てた時点から利用を開始する時点までの間に、タイムラグ（時間的な差異）がある場合を想定する。あるユーザは、予め要求仕様を満たす仮想計算機を確保し、後に確保された仮想計算機の利用を開始する場合もある。特に、複数のユーザが一つの物理計算機を共有する場合、他のユーザに先駆けてユーザが予め検索して仮想計算機を確保して共有されたリソースを、仮想計算機の利用前に確保することで、当該ユーザは確実に仮想計算機を利用できる。しかし、本当に仮想計算機を即時に利用したいユーザにとっては、自身に割り当てられるべき仮想計算機の数が減少するので、確実に仮想計算機を確保して実行することが困難となる。

　そこで、実施形態２では、ユーザが割り当てた仮想計算機の利用を開始した日時を来歴情報として記録し、割り当てを要求した日時と利用開始日時との差分から、ユーザが当該仮想計算機を即時に利用したか否かを分析し、即時度を算出する。差分が短いほど即時性が高いので、数値の高い即時度を設定するようにし、また差分が長いほど即時性が低いので、低い値の即時度を設定するようにする。このように即時度を算出することで、即時性の高いユーザが要求する仕様に合致した配備用仮想計算機を先に配備するように制御する。

　また実施形態２では、ユーザに割り当てた仮想計算機が物理計算機のリソースをどの程度占有しているかを示す占有度を算出する。あるユーザの要求するリソース量が他に比べて多い場合、リソース管理プログラム１１０は一回に多くのリソース量を確保しなればならない。物理計算機に実装するリソース量には限りがあるので、なるべく占有度の高い仮想計算機を占有度の低い仮想計算機よりも優先して配備する必要がある。

　実施形態２では、即時度と占有度の２つを用いた具体的な処理を説明する。この２つは各々独立した因子であるので、必ず２つの因子を用いないと配備用仕様を決定できない、というものではなく、各々を別々に実装してもよい。

　図１５は、実施形態２における来歴情報テーブル１５００を示す。実施形態２の来歴情報テーブル１５００は、実施形態１の来歴情報テーブル８００（図８）と同様の構造を有する。実施形態２の来歴情報テーブル１５００において、実施形態１の来歴情報テーブル８００と同じ欄には、図８で示した符号と同じ符号を用い、それらの説明は省略し、異なる部分について以下説明する。

　実施形態１の来歴情報テーブルと異なる欄は、割当状況欄の仮想計算機欄１５０１、占有率欄１５０２及び開始日時欄１５０３の３つである。仮想計算機欄１５０１は、当該ユーザが選択して割り当てられた仮想計算機の識別子を格納する。占有率欄１５０２は、要求仕様で示されるリソース量が全体の総容量に対してどの程度の割合を占めているかを百分率で示したものが格納される。

　例えば、１行目の来歴情報の場合、ＣＰＵ欄８０３とメモリ欄８０４は、各々２ＧＨｚと２ＧＢである。これは、仮想計算機欄１５０１で示される仮想計算機ＶＭ１に割り当てられているリソースである。リソース管理プログラム１１０は、図２に示すハイパバイザ構成情報テーブル２００を参照して、仮想計算機ＶＭ１に割り当られているハイパバイザが「ＨＶ１」であることを特定し、図３で示すＶＭプール情報テーブル３００を参照して、ハイパバイザＨＶ１のＣＰＵ及びメモリの各々の総容量を特定する。リソース管理プログラム１１０は、各々の総容量と仮想計算機ＶＭ１に割り当てられたリソース量とから占有率を算出することができる。

　実施形態２では、各々のリソース毎に占有率を算出し、最も占有率の高い値を当該仮想計算機の占有率に設定する。例えば、１行目の来歴情報の場合、仮想計算機ＶＭ１のＣＰＵは２ＧＨｚを占有している。ＶＭプール情報テーブル３００ではハーパバイザＨＶ１が管理するＣＰＵの総容量は８ＧＨｚであるので、ＣＰＵの占有率は２５％となる。仮想計算機ＶＭ１のメモリ容量は２ＧＢであり、ハイパバイザＨＶ１が管理するメモリ総容量が８ＧＢであるので、メモリの占有率は２５％となる。ＣＰＵ、メモリの占有率は、共に２５％であるので、当該仮想計算機の占有率は２５％となる。仮に、ＣＰＵの占有率が５０％でメモリの占有率が２５％であった場合、値の大きい占有率を当該仮想計算機の占有率に決定する。よって、この場合、占有率は５０％となる。占有率の高い仮想計算機を配備・割り当てる方が、低い占有率の仮想計算機を配備・割り当てるよりも困難である。そのため、実施形態２は、占有率をなるべく高い値で設定することにより、割り当ては困難であっても、割り当て後に要求仕様を満たさないことになる場合を防止している。

　またリソースは各々独立であるから、その占有率も各々分けて考え、２つの占有度を算出・評価してもよい。リソース毎にリソース取得の困難度を変えることができる。また、各々の占有率に対して重み付けをして平均値を算出する加重平均値を用いてもよい。加重平均値により、リソース取得の困難なものをより加重させることによって、占有率を高く設定することができる。

　リソース管理プログラム１１０は、他の要求仕様、割当状況、及び要求日時を格納するのと同じタイミングで、仮想計算機欄１５０１と占有率欄１５０２に格納する情報を算出して、来歴情報テーブル１５００に格納する。

　開始日時欄１５０３は、割り当てられた仮想計算機を実際にユーザが起動した時刻を格納する。ユーザに割り当てられた仮想計算機は、対応するハイパバイザが制御する。例えば、図１５の１行目に記載される仮想計算機ＶＭ１を、ハイパバイザＨＶ１が制御している。ハイパバイザＨＶ１は、ユーザ要求に基づいて仮想計算機ＶＭ１の実行開始処理を行う。リソース管理プログラム１１０は、当該ハイパバイザＨＶ１にネットワークを介して、仮想計算機ＶＭ１が開始されたかを問い合わせることによって、開始日時を特定すればよい。また、ハイパバイザ「ＨＶ１」が、仮想計算機の実行開始をトリガとして、リソース管理プログラムに仮想計算機ＶＭ１の実行開始を通知してもよい。リソース管理プログラム１１０は、来歴情報テーブル１５００に来歴情報を格納した後、対応するハイパバイザのモニタリングを開始し、開始日時を特定できた時点で、該当する開始日時欄１５０３に開始日時を格納する。また、別の方法として、仮想計算機の実行開始処理をログとして保存する機能をハイパバイザに実装し、リソース管理プログラム１１０が当該ログの更新を監視してもよい。このようにユーザが割り当てられた仮想計算機の利用を開始する日時を特定し、即時度を評価できるようにする。

　図１６は、実施形態２における利用度情報テーブル１６００を示す。実施形態２の利用度情報テーブル１６００は、実施形態１の利用度情報テーブル９００（図９）と同様の構造を有する。実施形態２の利用度情報テーブル１６００において、実施形態１の利用度情報テーブル９００と同じ欄には、図９で示した符号と同じ符号を用い、それらの説明は省略し、異なる部分について以下説明する。実施形態１の利用度情報テーブル９００と異なる欄は、占有度欄１６０１及び即時度欄１６０２の２つである。各欄は、利用度情報毎に「高」「中」「低」の３レベルのうちの１つを格納する。具体的なレベルの決定方法は、図１７以降のフローチャートを用いて説明する。

　図１７は、実施形態２における仮想計算機配備処理のフローチャートである。図１７は基本的に図１０のフローチャートと同じステップを有しており、同一処理を行うステップには同じ符号用いる。

　ステップＳ１００１からステップＳ１００３までの処理は実施形態１と同じである。実施形態２の仮想計算機配備処理は、ステップＳ１７０１が新たに加えられて、算出した占有度と即時度とに基づいて配備用仮想計算機を配備するステップＳ１７０２を含む。ステップＳ１７０１は、利用度情報テーブル１６００の利用度情報から占有度と即時度を算出するステップである。その詳細を図１８Ａ及び図１８Ｂに示す。またステップＳ１７０２はで、ステップＳ１７０１により算出した占有度と即時度に基づいて配備用仮想計算機を配備する。その詳細を図１９に示す。

　図１８Ａ及び図１８Ｂは、実施形態２の利用度情報作成処理のフローチャートであり、図１７のステップＳ１７０１を詳細に示す。従って、当該処理の実行時には、利用度情報テーブル１６００の利用者欄９０１から利用度欄９０８と仕様欄９０９までの利用度情報が既に格納済みである。

　ステップＳ１８０１では、利用度情報テーブル１６００の利用度情報を、利用者欄９０１、ＶＭイメージ欄９０２、ＣＰＵ欄９０３、メモリ欄９０４の順に昇順でソートする。ステップＳ１８０２では、来歴情報テーブル１５００の来歴情報を、利用者欄８０１、ＶＭイメージ欄８０２、ＣＰＵ欄８０３、メモリ欄８０４の順に昇順でソートする。ステップＳ１８０３では、利用度情報テーブル１６００に格納された全ての利用度情報を参照するまで、以下、図１８Ｂのステップ１８２４までの処理の繰り返しを開始する。

　ステップＳ１８０４では、利用度情報テーブル１６００から１つの利用度情報を抽出する。ステップＳ１８０５では、頻度変数（Ｎ）、時間差分の総和変数（Ｓｓ）、占有率の総和変数（Ｓｄ）を０にクリアする。ステップＳ１８０６では、来歴情報テーブル１５００に格納された全ての来歴情報を参照するまで、以下ステップ１８１２までの処理を繰り返す。

　ステップＳ１８０７では、来歴情報テーブル１５００の来歴情報を１つ抽出する。ステップＳ１８０８では、抽出した来歴情報がステップ１８０４で抽出した利用度情報と同じ要求仕様を有するものであるかを判定する。来歴情報が利用度情報と同じ要求仕様を有する場合、ステップＳ１８０９を実行する。来歴情報が利用度情報と異なる要求仕様を有する場合、ステップＳ１８０６からステップＳ１８１１までの繰り返し処理を中止し、ステップＳ１８１３を実行する。

　ステップＳ１８０９では、利用度情報と同じ要求仕様を有する来歴情報に記載されている占有率を占有率の総和変数（Ｓｄ）に加算する。ステップＳ１８１０では、来歴情報に記載されている開始日時と要求日時とを各々秒換算し、相互の差分を算出して、差分を時間差分の総和変数（Ｓｓ）に加算する。ステップＳ１８１１では、頻度（Ｎ）を１つ増加する。ステップＳ１８１２は、ステップＳ１８０６からの繰り返し処理の終端である。本フローチャートでは、利用度情報と同一の要求仕様を有する来歴情報が存在する間は、前述したステップＳ１８０６からステップＳ１８１１までを繰り返し実行する。ステップＳ１８０８で、利用度情報と同一でない要求仕様を有する来歴情報が抽出された場合、この繰り返し処理を中断してステップＳ１８１３を実行する。または、全ての来歴情報を参照した後、ステップＳ１８１３を実行する。

　ステップＳ１８１３では、算出された占有率の総和変数（Ｓｄ）、時間差分の総和変数（Ｓｓ）及び頻度変数（Ｎ）から、占有率の平均値と時間差分の平均値とを算出し、各々、平均占有率変数（Ｐｄ）、平均時間差分変数（Ｐｓ）に格納する。その後、図１８ＢのステップＳ１８１４を実行する。

　ステップＳ１８１４からステップＳ１８１８までの処理では、平均占有率変数（Ｐｄ）の値から占有度のレベルを決定する。また、ステップＳ１８１９からステップＳ１８２３までの処理では、平均時間差分変数（Ｐｓ）の値から即時度のレベルを決定する。

　具体的には、ステップＳ１８１４では、平均占有率変数（Ｐｄ）の値が７５％以上であるかを判定する。平均占有率変数（Ｐｄ）の値が７５％以上の場合は、占有度を「高」と設定して利用度情報テーブル１６００の占有度欄１６０１に格納する（ステップＳ１８１５）。平均占有率変数（Ｐｄ）の値が３０％以上７５％未満の場合（ステップＳ１８１６）、占有度を「中」と設定して利用度情報テーブル１６００の占有度欄１６０１に格納する（ステップＳ１８１７）。平均占有率変数（Ｐｄ）の値が３０％未満の場合は、占有度を「低」と設定して利用度情報テーブル１６００の占有度欄１６０１に格納する（ステップＳ１８１８）。

　ステップＳ１８１９では、平均時間差分変数（Ｐｓ）の値が１５分以内であるかを判定する。平均時間差分変数（Ｐｓ）の値が１５分以内である場合は、要求受付から利用開始までの平均時間が１５分以内であることを示す。この場合、即時度を「高」と設定し、利用度情報テーブル１６００の即時度欄１６０２に格納する（ステップＳ１８２０）。平均時間差分変数（Ｐｓ）の値が１５分を超え４時間以内の場合（ステップＳ１８２１）、即時度を「中」と設定して利用度情報テーブル１６００の即時度欄１６０２に格納する（ステップＳ１８２２）。平均時間差分変数（Ｐｓ）の値が４時間を超える場合は、即時度を「低」と設定して利用度情報テーブル１６００の即時度欄１６０２に格納する（ステップＳ１８２３）。

　以上のステップを実行することによって、ステップＳ１８０４で抽出した利用度情報テーブル１６００の一つの利用度情報に対する占有度と即時度とを算出する。ステップＳ１８２４は、ステップＳ１８０３からの繰り返し処理の終端である。利用度情報テーブル１６００の全ての利用度情報を抽出して、占有度と即時度とを算出すると、繰り返し処理を終了し、ステップＳ１８２５を実行する。ステップＳ１８２５では、ステップＳ１８０２でソートした来歴情報を元の状態に戻すため、来歴情報テーブル１５００の要求日時欄８０７に格納された要求日時に基づいて昇順でソートする。

　ステップＳ１８１４以降で用いた占有度のレベルの判定に用いる閾値（７５％、３０％など）や即時度のレベルの判定に用いる閾値（１５分、４時間など）は、別の配備オプション画面を出力する処理を加えることによって、リソース管理プログラムを操作する管理者が自由にそれらの値を設定できるようにする。これにより、管理者はより柔軟な運用管理を行うことができる。図２０に入力画面の出力例を示す。

　図２０は、実施形態２のレベルオプション入力画面２０００を示す。入力画面２０００は、利用度の重み付けや占有度、即時度のレベルを決定づける値を入力できるフィールドを有する。行２０１１は利用度の重み付けを決定付ける値を入力する欄を有する。行２０１２は占有度のレベルを決定付ける値を入力する欄を有する。レベル「中」を判定するための閾値と、レベル「低」を判定するための閾値とは同じ値である。従って、管理者はレベル「高」と「中」の２つの値を入力すればよい。行２０１３は即時度のレベルを決定付ける値を入力する欄を有する。実施形態２の図１８における利用度情報作成処理は、分、時間を単位にレベルの判定を行ったが、図２０に示すように「分」の単位に統一してレベルの判定閾値を入力してもよい。

　また、レベルオプション入力画面２０００は、基準欄２００１を有する。実施形態１におけるリソース管理プログラム１１０は、利用度情報テーブル９００の利用度情報を一旦利用度０９０８欄を基準に降順でソートして仮想計算機を配備する。実施形態２では、リソース管理プログラムが利用度を基準として仮想計算機を配備するだけでなく、管理者が事前に設定した基準に基づいて仮想計算機を配備できるようにする。具体的には、管理者が基準欄２００１で示された３つのチェックボックスのうちの１つを選択できるようにする。例えば、管理者が占有度のチェックボックス内をチェックすると、リソース管理プログラム１１０は占有度を基準に仮想計算機を配備する。

　管理者は、全ての項目について入力を完了した後、適用ボタンを操作する。リソース管理プログラム１１０は、適用ボタンの操作によって、入力された全ての項目に関する値をメモリ１０２、もしくはＨＤＤ１０８に格納する。管理者がキャンセルボタンを操作すると、リソース管理プログラム１１０は、全ての項目に関する入力された値を破棄する。

　このように、管理者が配備する仮想計算機の基準を選択できるようにすることによって、管理者は様々な要求を有する利用者に対して柔軟な仮想計算機を事前に配備することができる。

　図１９は、仮想計算機配備処理のサブフローチャートであり、図１７のステップＳ１７０２を詳細に示す。ステップＳ１９０１は、管理者が図２８のレベルオプション入力画面２８００の基準欄２８０１で指定したチェックボックスが、利用度であるかを判定する。リソース管理プログラム１１０は、レベルオプション入力画面２８００で設定された値をメモリやＨＤＤ等に格納しているので、ステップＳ１９０１では、格納された値を参照して判定する。管理者が利用度を選択した場合は、利用度情報テーブル１６００の利用度情報を利用度欄９０８に基づいて降順でソートする（ステップＳ１４０１）、管理者が占有度を選択した場合（ステップＳ１９０２）、利用度情報テーブル１６００の利用度情報を占有度欄１６０１に基づいて降順でソートする（ステップＳ１９０３）。管理者が即時度を選択した場合は、利用度情報テーブル１６００の利用度情報を即時度欄１６０２に基づいて降順でソートする（Ｓ１９０３）。以降、リソース管理プログラムは図１４のフローチャートと同じステップを実行する。このように、リソース管理プログラムは、管理者によって指定された基準に合わせて利用度情報をソートすることによって、選択された基準に基づく仮想計算機の配備を実行することができる。

　＜実施形態３＞
　実施形態１、２は、ユーザが１台の仮想計算機を割り当てるものであったが、実施形態３では、ユーザが一度に複数の仮想計算機を割り当てることができる。また、ユーザが検索する仮想計算機に幾つかのオプションを付与できる。

　図２１は、実施形態３における要求受付処理の入力画面を示す。実施形態３の要求受付処理の入力画面は、実施形態１の要求受付処理入力画面（図６）と同様である。異なる部分は、ユーザが仮想計算機の台数を指定できる台数入力欄２１０１と、３つのオプションを選択するオプション入力欄２１０２である。オプション入力欄２１０２は、専用利用オプション用のチェックボックス２１０３、クラスタ利用オプション用のチェックボックス２１０４、差分ディスク利用用のチェックボックス２１０５の３つのチェックボックスを含む。

　専用オプションとは、ユーザが仮想計算機のリソースを別のユーザと共有しない専用型の仮想計算機として利用するオプションである。当該オプションがユーザによって指定されると、リソース管理プログラム１１０は、１つの物理計算機上で稼働する仮想計算機であって、当該物理計算機上に他のユーザのために稼働する仮想計算機が割り当てられていないものを検索結果として出力し、ユーザへ割り当てる。

　クラスタ利用オプションとは、ユーザが要求する仮想計算機を最低２台割り当て、各々の仮想計算機を別々の物理計算機上で稼働させる構成を構築するオプションである。これはユーザが割り当てる仮想計算機の耐障害性を向上させるための形態である。当該オプションが台数と共にユーザによって指定されると、リソース管理プログラム１１０は、指定された台数の仮想計算機を検索し、各々が稼働する物理計算機を特定する。次に当該物理計算機とは異なる物理計算機上で指定された台数分の仮想計算機を検索する。最終的には、リソース管理プログラム１１０は、指定された台数の倍の数の仮想計算機を検索する。

　図２２は、実施形態３におけるハイパバイザ構成テーブル２２００を示す。実施形態３におけるハイパバイザ構成テーブル２２００は、実施形態１におけるハイパバイザ構成テーブル２００（図２）と同様の構造を有する。実施形態３のハイパバイザ構成テーブル２２００において、実施形態１のハイパバイザ構成テーブル２００と同じ欄には、図２で示した符号と同じ符号を用い、それらの説明は省略する。実施形態３におけるハイパバイザ構成テーブル２２００は、専用欄２２０１、クラスタ欄２２０２及び差分ディスク欄２２０３が新たに追加される。専用欄２２０１は、ユーザにより専用オプションが指定され、リソース管理プログラム１１０が当該仮想計算機を専用として割り当てた場合に、識別子を格納する。ハイパバイザ構成テーブル２２００には、仮想計算機ＶＭ５が専用として割り当てられていることを示す情報が格納されている。クラスタ欄は、ユーザによりクラスタ利用オプションが指定され、リソース管理プログラム１１０が２つの仮想計算機をクラスタ構成で割り当てた場合に、クラスタ構成であることを示す識別子を格納する。具体的には、クラスタを構成する相手方の仮想計算機のＶＭ識別子を格納する。例えば、図２１のハイパバイザ構成テーブル２２００では、仮想計算機ＶＭ１のクラスタ欄２２０２に「ＶＭ６」が格納されている。これは、仮想計算機ＶＭ１がクラスタ構成であり、相手方仮想計算機のＶＭ識別子が「ＶＭ６」であること、すなわち、仮想計算機ＶＭ１と仮想計算機ＶＭ６とがクラスタを構成していることを意味する。このようにリソース管理プログラム１１０がクラスタ欄を利用することによって、単にクラスタ構成を有していることを把握するだけでなく、クラスタを構成する相手方仮想計算機をも容易に特定することができる。差分ディスク欄２２０３は、当該仮想計算機が差分ディスクを用いていることを示す識別子を格納する。

　図２３は、実施形態３におけるＶＭプール情報テーブルである。実施形態３におけるＶＭプール情報テーブル２３００は、実施形態１におけるＶＭプール情報テーブル３００（図３）と同様の構成を有するが、新たに専用状態欄２３０１を有している。専用状態欄２３０１は、各リソースが専用で使用されているか、共用で使用されているかを示す識別子を格納する。具体的には、リソースが専用で使用されている場合は「専用」が格納され、共用で使用されている場合は「共用」が格納される。また、配備用仮想計算機が利用しているリソースであり、どちらの利用形態で使用するか未定である場合は、「未定」が格納される。

　図２４は、実施形態３における要求仕様処理のフローチャートである。本フローチャートは実施形態１における要求仕様処理のフローチャートと同様のステップを有するが、ステップＳ２４０１が新たに追加され、ステップＳ４０３の判定内容が変更され、新たにステップＳ２４０２とした。ステップＳ４０２がユーザの要求仕様に基づいて検索結果リストを作成した後、ステップＳ２４０１では、ユーザが指定したオプションに基づいて検索結果リストを見直す。ステップＳ４０２では、ユーザの要求仕様であるリソース量に基づいて候補となる仮想計算機を複数抽出するため、ユーザが指定したオプションを考慮していない。特に、ユーザが専用オプションを指定した場合であっても、ステップＳ４０２は、他の仮想計算機とリソースを共用する仮想計算機も抽出される。

　そこで、ステップＳ２４０１では、作成された検索結果リストの内容をチェックし、指定された専用オプション適合しない仮想計算機をリストから削除する。この処理の詳細を図２５に示す。また、他のクラスタ利用オプションが指定された場合は、抽出された全ての仮想計算機を用いてクラスタ構成となるよう選択すればよいので、専用オプションのようにあえて見直す必要はない。また差分ディスク利用オプションも、クラスタ利用オプションと同様で見直す必要はない。

　その後、ステップＳ２４０２において、最終的に検索結果リストに抽出された仮想計算機の数が、ユーザが指定した台数より多いかを判定する。指定された台数以上の場合は、ステップＳ４０５を実行する。一方、指定された台数より少ない場合は、要求仕様の再入力を依頼するメッセージを出力する（ステップＳ４０４）。また、リソース管理プログラム１１０は、ステップＳ２４０２の代わりにステップＳ４０３と同じ判定をしてもよい。つまり、抽出された仮想計算機の数がユーザが指定した台数より少ない場合でも、仮想計算機が１台でも抽出されていた場合、ステップＳ４０５を実行する。後の処理は、図４のフローチャートと同じである。ただし、ユーザが複数台数を指定することができるので、フローチャートの各ステップが複数台数分の処理を実行できるよう、処理内容を変更する。

　図２５は、検索結果リスト見直し処理のフローチャートであり、図２４の要求仕様処理のステップＳ２４０１を詳細に示す。本フローチャートは、ユーザが専用オプションを指定した場合、検索結果リストに抽出された仮想計算機のうち、専用として利用できない仮想計算機を検索結果リストから削除する処理を示す。ステップＳ２５０１は、ユーザが専用オプションを指定したかを判定する。ユーザが専用オプションを指定した場合、ステップＳ２５０２を実行する。指定していない場合は、処理を終了する。ステップＳ２５０２では、検索結果リストに格納されている全ての仮想計算機のデータを読み出すまで、ステップＳ２５０７までの処理を繰り返す。ステップＳ２５０３では、検索結果リストから１つの仮想計算機を抽出する。説明上、抽出した仮想計算機を「Ｘ」とする。ステップＳ２５０４では、抽出した仮想計算機（Ｘ）を制御するハイパバイザを特定し、ハイパバイザ構成情報テーブル２２００を参照して、同じハイパバイザで制御され、かつ割当済の他の仮想計算機を抽出する。ステップＳ２５０５では、該当する仮想計算機がステップＳ２５０４で抽出されたかを判定する。該当する仮想計算機が抽出された場合、ステップＳ２５０６を実行する。ステップＳ２５０６では、当該仮想計算機（Ｘ）が他の割当済の仮想計算機とリソースを共用するので、当該仮想計算機（Ｘ）は専用として利用できない仮想計算機であることを特定する。従って、当該仮想計算機（Ｘ）を検索結果リストから削除する。ステップＳ２５０７は、ステップＳ２５０２からの繰り返し処理の終端である。

　図２６は、ユーザが専用オプションのみを指定した場合の検索結果リストの例を示す。検索結果リスト２６００は、図７で示す検索結果リスト出力画面上に検索結果リスト０７１２の代わりに出力される。検索結果リスト２６００は、図７の検索結果リスト０７１２と同様の構造を有するが、ハイパバイザ識別子欄２６０１と専用状態欄２６０２の２つの欄を有している。ハイパバイザ識別子欄２６０１は、検索した仮想計算機を制御するハイパバイザの識別子を格納する。ハイパバイザの識別子は、図２２のハイパバイザ構成テーブル２２００のハイパバイザ識別子欄２０１に格納されている識別子を用いる。専用状態欄２６０２は、検索した仮想計算機の専用状態を示す情報を格納する。専用状態を示す情報は、図２３のＶＭプール情報テーブル２３００の専用状態欄２３０１に格納されている情報を用いる。

　図２６に示す検索結果リスト２６００は、４つの仮想計算機を含む。ユーザが例えば、行２６１１で示す仮想計算機ＶＭ８を選択し、選択欄７０１のチェックボックスをユーザが選択すると、リソース管理プログラム１１０は、行２６１２で示す仮想計算機ＶＭ９に関する情報が選択不可であること（例えば、斜字、取消線など）を表示する。仮想計算機ＶＭ８と仮想計算機ＶＭ９とはリソースを共有する。そのため、ユーザが仮想計算機ＶＭ８を選択した場合、リソース管理プログラム１１０は、リソースを共有する仮想計算機ＶＭ９をユーザが選択できないことを示す表示をする。ユーザが仮想計算機ＶＭ８の選択を解除した場合、即ちチェックボックスを再度操作してチェックを外した場合、リソース管理プログラム１１０は、仮想計算機ＶＭ９が選択不可であることの表示を消す。このようにリソース管理プログラム１１０が、ユーザからの選択に応じて、選択可能な仮想計算機と選択不可な仮想計算機を区別して表示することによって、ユーザによる専用オプション指定の要求を実現することができる。

　図２７は、ユーザが差分ディスク利用オプションを指定した場合の検索結果リストの例を示す。検索結果リスト２７００は、図２６に示す検索結果リスト２６００に、差分ディスク欄２７０１が追加されている。差分ディスク欄２７０１には、チェックボックスが表示される。ユーザが差分ディスクを利用したい仮想計算機にチェックすることによって、リソース管理プログラムは、チェックされた仮想計算機のＶＭイメージを差分ディスクとして利用できるよう制御する。

　図２８は、ユーザがクラスタ利用オプションを指定した場合の検索結果リスト２８００の例を示す。検索結果リスト２８００は、図２７に示す検索結果リスト２７００に、クラスタ１側とクラスタ２側の欄を設け、クラスタ１側は図２７に示す検索結果リストの構造と同じ構造を有し、クラスタ２側欄２８０１は、抽出された仮想計算機のマトリックスを有する。図２８に示す検索結果リスト２８００は、４つの仮想計算機が抽出されているので、クラスタ２側欄２８０１は４つの列を含む。ユーザがクラスタ構成として同時に２つの仮想計算機を選択できるよう、クラスタ２側欄２８０１の各セルにチェックボックスが表示される。クラスタ構成として選択できない組み合わせには「－」が表示される。例えば、ＶＭ８とＶＭ９の組み合せは選択できない。クラスタ構成として選択できる組み合わせの条件は、お互い異なる物理計算機上で稼働していることである。従って、同じ物理計算機上で稼働する仮想計算機の組み合わせは、クラスタ構成として選択できない。リソース管理プログラム１１０は、組合せ条件が成立するかを、ハイパバイザ構成テーブル２２００及びＶＭプール情報テーブル２３００を参照して特定する。

　ユーザがＶＭ８とＶＭ１０の組み合わせでクラスタ構成を選択した場合、リソース管理プログラム１１０は、ＶＭ８が選択されたので、ＶＭ８と組み合わされる他の仮想計算機（ＶＭ１１）のチェックボックスに「取消線」を表示して、選択できないことを表示する。次に、ＶＭ１０と組み合わされる他の仮想計算機（例えば、ＶＭ９）のチェックボックスに「取消線」を表示する。図２８に示す例では、最終的にユーザが選択可能な仮想計算機の組み合わせは「ＶＭ９」及び「ＶＭ１１」のみである。

　以上のように、リソース管理プログラムは、ユーザのオプション指定の内容に応じて検索結果リストの出力フォーマットを変更し、選択可能な範囲を制御することによって、ユーザの様々なオプション指定の組み合せにも柔軟に対応することができる。

　図２９は、実施形態３における来歴情報テーブル２９００を示す。実施形態３における来歴情報テーブル２９００は、実施形態２における来歴情報テーブル１５００（図１５）と同様の構造を有するが、台数欄２９０１、専用欄２９０２、クラスタ欄２９０３、差分欄２９０４の欄を有している。台数欄２９０１は、ユーザが台数を指定した数を格納する。例えば、行２９１１の台数欄２９０１に「２」が格納されている。この仮想計算機は、ユーザが「６ＧＨｚ」「４ＧＢ」の「ＤＢサーバ」を「２台」要求した際に、リソース管理プログラム１１０が割り当てた２台中の１台目である。残りの１台は、次の行２９１２によって示される仮想計算機である。同様に行２９１２にも台数欄に「２」が格納されている。この仮想計算機は、行２９１１と同じユーザ要求により割り当てられた２台中の２台目である。このような数値を格納する理由は、リソース管理プログラム１１０が、来歴情報テーブル２９００の台数欄２９０１を用いて平均台数を算出するためである。

　専用欄２９０２、クラスタ欄２９０３、差分欄２９０４は、各々ユーザの指定したオプション内容を格納する。専用欄２９０２の「共用」は、ユーザが専用オプションを指定しなかった場合に格納される。ユーザが専用オプションを指定した場合、リソース管理プログラム１１０は「専用」を格納する。クラスタ欄２９０３は、ユーザがクラスタ利用オプションを選択した場合「有」が格納され、選択されなかった場合は「無」を格納する。差分欄２９０４は、ユーザが差分ディスク利用オプションを指定した場合「有」を格納し、指定しなかった場合は「無」を格納する。

　図３０は、実施形態３における利用度情報テーブル３０００を示す。実施形態３における利用度情報テーブル３０００は、実施形態２における利用度情報テーブル１６００（図１６）と同様の構造を有するが、平均台数欄３００１、専用度欄３００２、クラスタ度３００３、差分度３００４の欄を有している。

　平均台数欄３００１には、来歴情報テーブル２９００の台数欄２９０１に格納された数字から算出した平均値が格納される。

　専用度欄３００２には、来歴情報テーブル２９００の専用欄２９０２に格納された「共用」又は「専用」の値か、算出された割り合いが格納される。例えば、ユーザが「Ｗｅｂサーバ」「８ＧＨｚ」「２ＧＢ」の要求仕様を過去に１０回要求し、何れの要求においてもユーザが「専用」を指定した場合、リソース管理プログラム１１０は専用戸を１００％と算出する。要求された回数は、利用度情報テーブル３０００の欄９０５から欄９０７までに格納された割当回数の総和から算出できる。リソース管理プログラム１１０は、総割当回数に対する「専用」を指定した回数の割合で求める。

　クラスタ度欄３００３には、来歴情報テーブル２９００のクラスタ欄２９０３に格納された「有」「無」の値から算出された割り合いが格納される。前の専用度欄３００２と同様、リソース管理プログラム１１０は、総割当回数に対する「有」を指定した回数の割合である。

　差分度欄３００４は、来歴情報テーブル２９００の差分欄２９０４に格納された「有」「無」の値から算出された割り合いが格納される。リソース管理プログラム１１０は、クラスタ度欄３００３と同様の方法で割合を算出する。

　これらの利用度情報テーブル３０００の各欄を算出する処理（図示せず）は、図１８Ａ、図１８Ｂで示した実施形態２の処理に、平均台数、専用度、クラスタ度、差分度の算出ステップを加えることで実現できる。

　また、利用度情報テーブル３０００の各欄を用いて配備用仮想計算機を配備する場合、実施形態２のレベルオプション入力画面（図２０）に、「専用度」「クラスタ度」「差分度」の選択欄を加え、ユーザが基準として選択できるようにする。ユーザが「専用度」「クラスタ度」「差分度」のうちいずれかの基準を選択した場合、実施形態２の図１９で示したように、指定された基準に基づいて利用度情報をソートする。そしてソートされた利用度情報に基づいて、仕様として決定されている利用度情報に基づいて仮想計算機を配備する。

　また、利用度情報テーブル３０００に格納された利用度情報の専用度欄３００２の値が「１００％」であった場合、配備用仮想計算機を「専用」として確保することもできる。この場合、ユーザが専用オプションを指定した場合、「専用」として確保された仮想計算機を検索結果リストに抽出する。逆に、ユーザが専用オプションを指定しなかった場合でも、「専用」として確保された仮想計算機を検索結果リストに抽出し、ユーザの選択対象とすることもできる。

　以上のように、ユーザのオプション指定を含む要求仕様を来歴情報に記録し、当該ユーザの利用傾向を把握することによって、よりユーザの要求に適合する仮想計算機を仮想計算機の起動前に配備することができる。これにより、ユーザが仮想計算機を要求した時に、要求仕様と合致する仮想計算機だけでなく、要求仕様とは合致しなくとも容易に変更可能な仮想計算機を検索結果としてユーザに提示することができるので、ユーザへ提示する選択の幅を増やすことができるだけでなく、実際にユーザへ仮想計算機を割り当てる時間を短縮することができる。

　以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。

Claims

　複数の物理計算機とネットワークを経由して接続され、前記複数の物理計算機に実装されたリソースを用いて複数の仮想計算機を割り当てるリソース管理サーバであって、
　前記複数の物理計算機に実装された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機が用いるリソースの使用量との対応関係を含むリソース管理情報を管理するリソース管理部と、
　前記複数の物理計算機と、前記複数の物理計算機に実装されたリソースの総量と、前記複数の物理計算機に実装された前記仮想計算機に割り当てられていない空きリソースの総量との対応関係を含むプール管理情報を管理するプール管理部と、
　新たな仮想計算機の割当要求を、前記新たに割り当てが要求された仮想計算機で必要とするリソースの量を含む要求仕様と共に受け付ける要求仕様受付部と、
　前記受け付けた要求仕様に含まれるリソースの量を割り当てることが可能な仮想計算機を検索する検索部と、を備え、
　前記検索部は、前記リソース管理情報に含まれる配備用仮想計算機から、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機、及び、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さないが、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機を検索することを特徴とするリソース管理サーバ。
　請求項１に記載のリソース管理サーバであって、
　前記受け付けた要求仕様を来歴情報として管理する来歴情報管理部と、
　前記来歴情報管理部によって管理される前記来歴情報を参照して、前記リソースが割り当てられる頻度を算出し、前記算出された頻度に基づいて、前記要求仕様の利用度を算出する利用度算出部と、
　前記利用度算出部によって算出された前記利用度に基づいて、配備用仕様を決定する配備用仕様決定部と、
　前記配備用仕様決定部によって決定された前記配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記空きリソースの総量を参照して、新たに配備し、前記新たに配備された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機に割り当てられた前記リソースの量との対応関係を前記リソース管理情報を用いて管理する仮想計算機配備部と、を、更に、備えることを特徴とするリソース管理サーバ。
　請求項２に記載のリソース管理サーバであって、
　前記検索された配備用仮想計算機から、割り当てるべき仮想計算機の選択を受け付ける割当選択受付部と、
　前記選択された配備用仮想計算機が、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さず、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機である場合、前記配備用仮想計算機のリソースに前記空きリソースを追加して、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する仮想計算機を割り当てる仮想計算機割当部と、を、更に有することを特徴とするリソース管理サーバ。
　請求項３に記載のリソース管理サーバであって、
　前記来歴情報管理部は、前記受け付けた要求仕様に基づいて前記仮想計算機割当部が前記仮想計算機を割り当てた要求時刻と、前記仮想計算機割当部が割り当てた前記仮想計算機の利用開始時刻とを取得して、前記取得した要求時刻と利用開始時刻とを前記来歴情報に格納し、
　前記利用度算出部は、前記来歴情報に格納された前記要求時刻と前記利用開始時刻との差を算出し、前記時刻の差に基づいて前記要求仕様の即時度を算出し、
　前記仮想計算機配備部は、前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記即時度に基づいて配備する、ことを特徴とするリソース管理サーバ。
　請求項３に記載のリソース管理サーバであって、
　前記来歴情報管理部は、前記受け付けた要求仕様に基づいて前記仮想計算機割当部が割り当てた前記仮想計算機が使用するリソースの使用量に基づいて、前記リソースの占有率を算出して、前記算出された占有率を前記来歴情報に格納し、
　前記利用度算出部は、更に、前記来歴情報に記憶された占有率に基づいて、前記要求仕様の占有度を算出し、
　前記仮想計算機配備部は、前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記算出された占有度に基づいて、配備する、ことを特徴とするリソース管理サーバ。
　複数の物理計算機とネットワークを経由して接続され、前記複数の物理計算機に実装されたリソースを用いて複数の仮想計算機を割り当てるリソース管理サーバにおけるリソース管理方法であって、
　前記リソース管理サーバは、プログラムを実行するプロセッサと、前記プロセッサによってアクセスされる記憶装置と、を備え、　前記方法は、
　前記リソース管理サーバが、前記複数の物理計算機に実装された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機が用いるリソースの使用量との対応関係を含むリソース管理情報を前記記憶装置に格納し、
　前記リソース管理サーバが、前記複数の物理計算機と、前記複数の物理計算機に実装されたリソースの総量と、前記複数の物理計算機に実装された前記仮想計算機に割り当てられていない空きリソースの総量との対応関係を含むプール管理情報を前記記憶装置に格納し、
　前記リソース管理サーバが、新たな仮想計算機の割当要求を、前記新たに割り当てが要求された仮想計算機で必要とするリソースの量を含む要求仕様と共に受け付け、
　前記リソース管理サーバが、前記リソース管理情報に含まれる配備用仮想計算機から、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機、及び、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さないが、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって、前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機を検索する、ことを特徴とするリソース管理方法。
　請求項６に記載のリソース管理方法であって、
　前記リソース管理サーバが、前記受け付けた要求仕様を来歴情報として前記記憶装置に格納し、
　前記リソース管理サーバが、前記記憶装置にに格納された来歴情報を参照して、前記リソースが割り当てられる頻度を算出し、前記算出された頻度に基づいて、前記要求仕様の利用度を算出し、
　前記リソース管理サーバが、前記算出された利用度に基づいて、配備用仕様を決定し、
　前記リソース管理サーバが、前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記空きリソースの総量を参照して、新たに配備し、前記新たに配備された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機に割り当てられた前記リソースの量との対応関係を、前記リソース管理情報に格納する、ことを特徴とするリソース管理方法。
　請求項７に記載のリソース管理方法であって、
　前記リソース管理サーバが、前記検索された配備用仮想計算機から、割り当てるべき仮想計算機の選択を受け付け、
　前記リソース管理サーバが、前記選択された配備用仮想計算機が、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さず、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機である場合、前記配備用仮想計算機のリソースに前記空きリソースを追加して、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する仮想計算機を割り当てる、ことを特徴とするに記載のリソース管理方法。
　請求項８に記載のリソース管理方法であって、
　前記リソース管理サーバが、前記受け付けた要求仕様に基づいて前記仮想計算機が割り当てられた要求時刻と、前記割り当てられた仮想計算機の利用開始時刻とを取得して、前記取得した要求時刻と利用開始時刻とを前記来歴情報に格納し、
　前記リソース管理サーバが、前記来歴情報に格納された前記要求時刻と前記利用開始時刻との差を算出し、前記時刻の差に基づいて前記要求仕様の即時度を算出し、
　前記リソース管理サーバが、前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記即時度に基づいて配備する、ことを特徴とするリソース管理方法。
　請求項８に記載のリソース管理方法であって、
　前記リソース管理サーバが、前記受け付けた要求仕様に基づいて割り当てられた前記仮想計算機が使用するリソースの使用量に基づいて、前記リソースの占有率を算出して、前記算出された占有率を前記来歴情報に格納し、
　前記リソース管理サーバが、前記来歴情報に記憶された占有率に基づいて、前記要求仕様の占有度を算出し、
　前記リソース管理サーバが、前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記算出された占有度に基づいて配備する、ことを特徴とするリソース管理方法。
　前リソース管理サーバが、複数の物理計算機に実装されたリソースを用いて複数の仮想計算機を割り当てるためのプログラムが格納された記憶媒体であって、
　前記リソース管理サーバは、前記複数の物理計算機とネットワークを経由して接続され、
　前記リソース管理プログラムは、
　前記複数の物理計算機に実装された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機が用いるリソースの使用量との対応関係を含むリソース管理情報を記憶装置に管理するステップと、
　前記複数の物理計算機と、前記複数の物理計算機に実装されたリソースの総量と、前記複数の物理計算機に実装された前記仮想計算機に割り当てられていない空きリソースの総量との対応関係を含むプール管理情報を前記記憶装置に格納するステップと、
　新たな仮想計算機の割当要求を、前記新たに割り当てが要求された仮想計算機で必要とするリソースの量を含む要求仕様と共に受け付けるステップと、
　前記リソース管理情報に含まれる配備用仮想計算機から、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機、及び、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さないが、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって、前記要求仕様を満たす量の前記リソースを確保できる配備用仮想計算機を検索するステップと、を含むことを特徴とするリソース管理プログラムが格納された記憶媒体。
　請求項１１に記載の記憶媒体であって、
　前記リソース管理プログラムは、更に、
　前記受け付けた要求仕様を来歴情報として前記記憶装置に格納するステップと、
　前記記憶装置に格納された来歴情報を参照して、前記リソースが割り当てられる頻度を算出し、前記算出された頻度に基づいて、前記要求仕様の利用度を算出するステップと、
　前記算出された利用度に基づいて、配備用仕様を決定するステップと、
　前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記空きリソースの総量を参照して、新たに配備し、前記新たに配備された配備用仮想計算機と、前記配備用仮想計算機に割り当てられた前記リソースの量との対応関係を、前記リソース管理情報に格納するステップと、を含むことを特徴とするリソース管理プログラムが格納された記憶媒体。
　請求項１２に記載の記憶媒体であって、
　前記リソース管理プログラムは、更に、
　前記検索された配備用仮想計算機から、割り当てるべき仮想計算機の選択を受け付けるステップと、
　前記選択された配備用仮想計算機が、前記要求仕様を満たす量のリソースを有さず、前記プール管理情報に含まれる空きリソースを追加することによって前記要求仕様を満たす量のリソースを確保できる配備用仮想計算機である場合、前記配備用仮想計算機のリソースに前記空きリソースを追加して、前記要求仕様を満たす量のリソースを有する仮想計算機を割り当てるステップと、を含むことを特徴とするリソース管理プログラムが格納された記憶媒体。
　請求項１３に記載の記憶媒体であって、
　前記リソース管理プログラムは、更に、
　前記受け付けた要求仕様に基づいて前記仮想計算機が割り当てられた要求時刻と、前記割り当てられた仮想計算機の利用開始時刻とを取得して、前記取得した要求時刻と利用開始時刻とを前記来歴情報に格納するステップと、
　前記来歴情報に格納された前記要求時刻と前記利用開始時刻との差を算出し、前記時刻の差に基づいて前記要求仕様の即時度を算出するステップと、
　決定された前記配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記即時度に基づいて配備するステップと、を含むことを特徴とするリソース管理プログラムが格納された記憶媒体。
　請求項１３に記載の記憶媒体であって、
　前記リソース管理プログラムは、更に、
　前記受け付けた要求仕様に基づいて割り当てられた前記仮想計算機が使用するリソースの使用量に基づいて、前記リソースの占有率を算出して、前記算出された占有率を前記来歴情報に格納するステップと、
　前記来歴情報に記憶された占有率に基づいて、前記要求仕様の占有度を算出するステップと、
　前記決定された配備用仕様を満たす量のリソースを有する配備用仮想計算機を、前記算出された占有度に基づいて配備するステップと、を含むことを特徴とするリソース管理プログラムが格納された記憶媒体。