WO2011036787A1 - 触覚ディスプレイ及びcadシステム - Google Patents

触覚ディスプレイ及びcadシステム Download PDF

Info

Publication number
WO2011036787A1
WO2011036787A1 PCT/JP2009/066745 JP2009066745W WO2011036787A1 WO 2011036787 A1 WO2011036787 A1 WO 2011036787A1 JP 2009066745 W JP2009066745 W JP 2009066745W WO 2011036787 A1 WO2011036787 A1 WO 2011036787A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
tactile
person
finger
controller
tactile display
Prior art date
Application number
PCT/JP2009/066745
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
明人 佐野
田中 由浩
藤本 英雄
英輔 加治佐
和田 健二
Original Assignee
トヨタ自動車株式会社
国立大学法人名古屋工業大学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トヨタ自動車株式会社, 国立大学法人名古屋工業大学 filed Critical トヨタ自動車株式会社
Priority to CN200980161643.1A priority Critical patent/CN102549526B/zh
Priority to JP2011532863A priority patent/JP5270764B2/ja
Priority to PCT/JP2009/066745 priority patent/WO2011036787A1/ja
Priority to US13/498,813 priority patent/US8836660B2/en
Publication of WO2011036787A1 publication Critical patent/WO2011036787A1/ja

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/016Input arrangements with force or tactile feedback as computer generated output to the user
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B21/00Projectors or projection-type viewers; Accessories therefor
    • G03B21/003Cine-projectors
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/011Arrangements for interaction with the human body, e.g. for user immersion in virtual reality
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09BEDUCATIONAL OR DEMONSTRATION APPLIANCES; APPLIANCES FOR TEACHING, OR COMMUNICATING WITH, THE BLIND, DEAF OR MUTE; MODELS; PLANETARIA; GLOBES; MAPS; DIAGRAMS
    • G09B21/00Teaching, or communicating with, the blind, deaf or mute
    • G09B21/001Teaching or communicating with blind persons
    • G09B21/003Teaching or communicating with blind persons using tactile presentation of the information, e.g. Braille displays
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Educational Technology (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Audiology, Speech & Language Pathology (AREA)
  • User Interface Of Digital Computer (AREA)

Abstract

【課題】物体の表面の緩やかな起伏に直接に撫でる場合よりもはっきりとその起伏を人に知覚させることのできる技術を提供する。 【解決手段】触覚ディスプレイ1の触覚デバイス2は、物体W1の上方で、その長手方向に沿ってスライドする。触覚デバイス2は、自由に上下動する3本のロッド4を備える。ロッド4の下端は物体W1の表面に触れている。触覚デバイス2をスライドさせると、ロッド4の夫々の上端は物体W1の表面起伏に応じて上下動する。人差し指或いは中指の3つの関節J1、J2、J3の位置に相当する掌側皮膚に夫々のロッド上端が当るように被験者の手Hを触覚デバイス2の上面に置き、触覚デバイス2を動かす。触覚デバイス2の動きに応じて、3本のロッド4が、起伏高さに等しいストロークで掌側皮膚の3つの指関節位置を押圧する。

Description

触覚ディスプレイ及びCADシステム
 本発明は、触覚によって人に情報を提示する触覚ディスプレイと、触覚ディスプレイを用いたCADシステムに関する。
 コンピュータのヒューマンマシンインタフェイスの一つとして触覚ディスプレイが研究されている。従来の触覚ディスプレイの多くは、格子状に配置された多数のピンを有しており、夫々のピンの突出高さを様々に変えることができる(例えば特許文献1)。人は、多数のピンの先端で構成される起伏に触れる。触覚ディスプレイは、その表面の起伏の形状を変えることによって様々な情報を触覚として人に提示することができる。様々な表面形状を実現するためには、触覚ディスプレイは、より多くのピンを密に配置することが好ましいとされていた。
 触覚ディスプレイは、表面の起伏の形状を変えることによって人に触覚刺激を与えるタイプだけではない。例えば特許文献2には、振動刺激、或いは電気刺激を採用した触覚ディスプレイが述べられている。特許文献2によると、振動刺激や電気刺激を人の指先に与えることによって、表面粗さの相違を人に伝えることができると説明されている。
 触覚ディスプレイをCADシステムに応用する研究がある(例えば非特許文献1)。このCADシステムは、ワークの表面を削るヘラをアームで支持した構造を有する触覚ディスプレイを採用している。ヘラの動きはアームの動きを介してコンピュータに取り込まれる。また、このCADシステムは、コンピュータに記憶されたワークピースの表面形状データを仮想物体モデル(CADモデル)としてモニタに表示する。このCADシステムのコンピュータは、ヘラの動きをコンピュータ内の仮想空間に配置し、仮想物体モデルとヘラとの干渉を計算する。このCADシステムは、コンピュータの仮想空間内で仮想物体モデルとの接触によってヘラが受ける反力をアームを介して作業者に伝えることができる。作業者は、モニタを見ながらあたかも仮想物体モデルを削るようにヘラを動かすと、CADシステムは、ヘラの動きに応答して仮想物体モデル、即ち表面形状データを修正する。
特開2005-4058号公報 特開2003-248540号公報
Monica Bordegoni, Umberto Cugini, "DESIGN PRODUCTS WITH YOUR HANDS", Proceedings of Virtual Concept 2005, Biarritz, France, Nov. 8th - Nov. 10th, 2005
 多数のピンを配置した従来の触覚ディスプレイは、物体の表面形状を正確に再現することはできる。また特許文献2に開示されているように、振動刺激或いは電気刺激を与える触覚ディスプレイは、面粗さを人に伝えることも可能であるかもしれない。しかしながら、少なくとも本願発明者らが知るところでは、物体表面の緩やかな起伏を直接物体に触れる場合よりも人に解りやすく伝える触覚ディスプレイは、本願発明者ら以外にはこれまで研究されていなかった。非特許文献1の技術も、CADモデル上を滑らせたときのヘラの動きを再現するだけであって、物体表面の緩やかな起伏を理解しやすく提示するものではない。
 本明細書は、物体の表面の緩やかな起伏を直接撫でる場合よりもはっきりとその起伏を人に知覚させることのできる技術を提供する。
 この技術は、一例として前述のCADシステムに見られるように、緩やかな起伏を有するワークピースの開発や製造に貢献することが期待される。ワークピースは、例えば自動車のボディ、或いはボディを成形するための金型である。例えば従来、自動車ボディ用の金型の形状は、作業者が掌で撫でることによってその表面形状を知覚し、修正している。そのような作業の品質は、作業者の熟練度に依存していた。本明細書が開示する技術を適用することによって金型表面の緩やかな起伏を知覚し易くすることができれば、そのような作業の効率が向上することが期待できる。
 本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイは、人が掌で直接に物体を撫でる場合に比べて、物体の緩やかな表面起伏を顕著に人に知覚させることができる。例えば、長さ100mmで高低差が0.1mm程度の起伏を有する物体表面を直接に掌で撫でても、人はその起伏を明確には知覚することはできない。新規な触覚ディスプレイを用いれば、そのような起伏を人にはっきりと知覚させることができる。なお、本明細書における「起伏」という用語は、突出のほか、窪みも含む。従って本明細書が開示する新規な技術は、緩やかに突出している起伏と緩やかに窪んでいる起伏のいずれに対しても、起伏を感じさせるはっきりとした触覚刺激を人に与えることができる。
 本明細書が開示する新規な技術を発明するに至った発明者らの知見、及び、本発明の技術的思想を説明する。人は、物体表面の緩やかな起伏を知覚しようとするとき、物体表面に触れるだけでなく、物体表面を撫でる。さらに、人は、指先のみならず、掌全体で物体表面を撫でる。即ち、人は、掌全体で物体表面を撫でる方が指先だけで撫でるよりもわずかな起伏を明確に知覚できる。脳における触覚知覚のメカニズムはまだ完全には解明されていないが、発明者らの知見によると、このことは、物体表面の起伏が掌全体の湾曲の変化として知覚されることに起因する推定される。
 発明者らの検討によれば、物体の表面を掌で撫でたときの知覚は、主に指の関節角度の変化によってもたらさせると推定される。発明者らは、従って、指関節角度が変化したと人に知覚させることができれば、物体表面の緩やかな起伏をはっきりと知覚させることができると考えた。発明者らは、様々な試験を行った結果、掌側皮膚の指関節位置に局所的に刺激を加えると、実際に指が曲がったか否かはともかく、人は指が曲がったと顕著に知覚することを発見した。具体的には、皮膚に加える刺激は、物理的に皮膚を押す力が最も好適である。ただし、皮膚に加える刺激は、振動刺激や電気刺激であってもよいと推定される。人の脳が感じる刺激と人体の物理的な動きとの関係は未解明であるから推測ではあるが、掌側皮膚の指関節位置に相当する位置に振動刺激や電気刺激を局所的に与えても、実際に曲がったか否かはともかく、人は指関節の角度が変化したと知覚すると考えられる。
 物体表面を物理的に掌で撫でる場合、指の掌側皮膚全体が物体表面に触れており、人は指の皮膚全体から刺激を受ける。そのため、掌側皮膚の指関節位置へ刺激を局所的に加える方が、物体表面を物理的に掌で撫でる場合に比べて刺激が相対的に強く知覚される。そのため、物体表面の起伏高さに等しいストロークで指関節位置を局所的に押圧した場合、人は、物体表面を直接に撫でる場合に比べて起伏を顕著に知覚する。発明者らはこのことを実験により確かめた。次にその実験を説明する。なお、「指関節位置を局所的に押圧した場合」とは、「指関節位置を局所的に微小変位させた場合」と換言することもできる。
 実験装置1の模式的側面図を図1に示す。物体W1は、その表面の略中央に長さ100mmに亘って最大高さ0.2mmの起伏が形成されている。なお、図1では、表面の起伏を強調して描いてある。物体W1はテーブル上に置かれている。触覚デバイス2は、物体W1の両側でローラ3によってテーブルに支持されており、物体W1の上方で、その長手方向に沿ってスライドする。触覚デバイス2には自由に上下動する3本のロッド4a、4b、及び4cが取り付けてある。ロッドの長さは約70mmである。なお、3本のロッドをロッド4と総称する。ロッド4の下端にはローラが取り付けられている。ローラを介してロッド4の下端が物体W1の表面に触れている。触覚デバイス2をスライドさせると、各ロッド4の下端がローラによってスムーズに表面起伏の上を移動する。触覚デバイス2をスライドさせると、ロッド4の夫々の上端は物体W1の表面起伏に応じて上下動する。このとき、ロッド4の上下方向のストロークは、起伏高さに厳密に等しい。人差指又は中指又は薬指の3つの関節J1、J2、J3の位置に相当する掌側皮膚に夫々のロッド上端が当るように被験者の手Hを触覚デバイス2の上面に置き、触覚デバイス2を動かす。触覚デバイス2の動きに応じて、3本のロッド4が、起伏高さに等しいストロークで掌側皮膚の3つの指関節位置を局所的に押圧する。比較実験として、被験者は物体W1の表面を直接に撫でる。数十人程度の被験者ではあるが、全ての被験者が、触覚デバイス2を介して撫でた場合の方が、物体W1の表面を直接に撫でた場合よりもはるかに明確に起伏を知覚したと報告した。この実験によって、掌側皮膚の指関節位置を局所的に刺激する場合の方が、直に撫でる場合よりもはっきりと物体表面の起伏を知覚できることが確かめられた。なお、触覚デバイス2は、実際には、後述する図4の触覚デバイス22と同じく9個の刺激子を備えているが、ここでは説明を簡単にするため3個のロッド(刺激子)のみを説明した。触覚デバイス2のロッド4は、後述する刺激子に相当する。
 なお、触覚デバイス2を用いた実験において、被験者は、物体W1の表面よりも約70mm上方で刺激を受けるにもかかわらず、ロッド4から与えられる刺激をあたかも物体W1の表面の起伏として知覚したと述べている。すなわち、実験装置1は、物体W1の表面を撫でていると被験者に錯覚させながら、物体表面を掌で直に撫でる場合よりもはっきりと表面起伏を知覚させることができる。実験装置1は、まさに本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイの一つの実施形態に相当する。この触覚ディスプレイ(実験装置1)は、人の手の動きに応じて、人の掌側皮膚の少なくとも一つの指関節位置に局所的に刺激を加える。
 以下では、実験装置1を触覚ディスプレイ1と換言する。この触覚ディスプレイ1の構造は、さらに具体的に説明すると次の通りである。触覚ディスプレイ1は、触覚デバイス2を備えている。触覚デバイス2は、人の手に装着可能である。ここで、「装着」とは、触覚デバイス2の上に手を載せることを含む。即ち、本明細書における「装着」とは、人の手と触覚デバイス2が一緒に動くことが可能であることを意味する。触覚デバイス2は、人の掌側皮膚の少なくとも一つの指関節位置に刺激を加えるロッド4を有している。この触覚ディスプレイ1は、触覚デバイス2が人によって物体表面上を動かされたときに、触覚デバイス2の動き(人の手の動き)に応じて人の掌側皮膚の指関節位置に刺激を加える。
 触覚ディスプレイ1は、触覚デバイス2とロッド4で構成されるメカニカルな機構によって、実在の物体の表面起伏に応答して刺激を加える。このメカニカルな機構に替えてアクチュエータ(モータ)とコントローラ(ソフトウエア)によって同様の触覚ディスプレイを構成することもできる。即ち、触覚ディスプレイは、触覚デバイスの動きを検出するセンサと、物体の表面形状データを記憶している記憶ユニットと、刺激子を制御するコントローラとによって構成することも可能である。刺激子は、前述したように、触覚デバイスに装備されており、人の掌側皮膚の指関節位置に局所的に刺激を加えることができるように配置されている。記憶ユニットは、コントローラに含まれていてもよい。コントローラは、コンピュータと換言してもよい。コントローラは、表面形状データによって規定される仮想物体モデルを仮想空間内に配置し、仮想物体モデルの表面における触覚デバイスの位置をセンサの出力に基づいて決定する。そしてコントローラは、指関節位置に対応する仮想物体モデルの表面位置における起伏高さに対応する大きさの刺激を加える。仮想物体モデルの表面の起伏高さは、表面形状データで規定される。
 前述したように触覚ディスプレイ1のロッド4が刺激子に対応する。なお、刺激子は、メカニカルなロッド4に限定されるものではなく、前述したように、アクチュエータで皮膚を押圧するデバイスでよい。刺激子は、皮膚を押圧するデバイスが最も好ましいが、電気刺激を皮膚に加えるデバイス、振動を皮膚に加えるデバイスのいずれでもよい。物体の表面形状データは、典型的にはCADデータでよい。また、物体の表面形状データは、必ずしも実在する物体の表面形状を正確に表しているものでなくともよい。表面形状データは、例えば設計途中のワークピースの形状データなどでもよい。「仮想物体モデルの表面の起伏高さに対応する大きさの刺激」は、起伏高さと同等の長さのストローク、或いは起伏高さに比例する長さのストロークで皮膚を押圧する刺激でよい。或いは、「仮想物体モデルの表面の起伏高さに対応する大きさの刺激」は、起伏高さに比例する振幅の振動であってもよいし、起伏高さに比例する電圧の電気刺激であってもよい。厳密に比例している必要はなく、起伏を一層はっきりと感じさせる触覚刺激を与えるために、仮想物体モデルの表面の起伏高さを非線形に変換した大きさの刺激であってもよい。
 本発明は、人の手の動きに応じて人の掌側皮膚の指関節位置に局所的な刺激を加える触覚提示方法として具現化されても良い。
 本明細書は、上記した触覚ディスプレイを利用する新規なCADシステムも提供する。このCADシステムは、上記したコントローラ付き触覚ディスプレイと、そのコントローラに接続される入力デバイスを備える。コントローラは、入力デバイスが検知する人の操作量に応じて、触覚デバイスの刺激子の位置に対応する表面形状データ(即ち仮想物体モデル)上の起伏高さを修正する。また同時にコントローラは、修正された起伏高さに対応する大きさの刺激を掌皮膚の指関節位置に加える。触覚デバイスを様々な位置に移動しながら各位置の起伏高さを修正することによって、表面形状データ上の起伏の形状が修正される。入力デバイスは、好ましくは、人の操作量の大きさを連続量として検知できるダイヤル式、或いはレバー式が最も好ましい。但し、入力デバイスはジョイスティックなどでも代替可能である。
 上記のCADシステムでは、人は、入力デバイスのダイヤル或いはレバーを操作する。CADシステムは、入力デバイスが検知した操作量に応じて表面形状データを修正するとともに刺激の大きさを変更する。即ちこのCADシステムを利用すると、人は、入力デバイスを操作することによって表面形状データを修正するとともに、その修正量を触覚ディスプレイを通じて知覚することができる。このCADシステムは、表面形状の起伏の僅かな変更を知覚することができる触覚を人の掌に与えながら、表面形状データを修正することができる。
 本明細書が開示する新規なCADシステムと非特許文献1が開示するCADシステムとの主要な相違点の一つは、前者が触覚ディスプレイとは別の入力デバイスによって表面形状データ修正の指示をシステムに与えるのに対して、後者は触覚ディスプレイを入力デバイスとして用いる点である。本明細書が開示する新規なCADシステムは、入力デバイスを通じて入力される人の操作量を、緩やかな起伏をはっきりと知覚することのできる触覚ディスプレイによって提示する。そのような構成によって、表面形状データを精細に修正し易いCADシステムが実現する。ただし、このことは、本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイが触覚を提示するだけのデバイスに限定されることを意味しない。本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイの技術は、コンピュータに情報を入力するための入力デバイスに応用することも可能である。
 本明細書が開示する一つの技術によれば、物体表面の緩やかな起伏を、その起伏を直に撫でた場合よりもはっきりと知覚させることができる。また、本明細書が開示する他の一つの技術は、表面形状データを精細に修正し易いCADシステムを提供する。
触覚ディスプレイの原理を説明する模式図を示す。 第1実施例の触覚ディスプレイの模式的斜視図を示す。 第1実施例の触覚デバイスの模式的側面図を示す。 第2実施例の触覚ディスプレイの触覚デバイスの模式的斜視図を示す。 第2実施例の触覚デバイスの刺激子の拡大正面図を示す。 第3実施例の触覚ディスプレイの模式的斜視図を示す。 第3実施例の触覚ディスプレイの刺激子の拡大正面図を示す。 実施例のCADシステムの模式的斜視図を示す。
 実施例の触覚ディスプレイが有する技術的特徴のいくつかを列挙する。実施例の触覚ディスプレイが有する主たる技術的特徴は前述した通りである。なお、前述した実験装置1も本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイの一つの実施例であることに留意されたい。
 (特徴1)触覚デバイスは複数の刺激子を備えている。隣接する刺激子の夫々は、人が触覚デバイスを装着したときに、夫々隣接する指関節に掌皮膚側で対向する。発明者らの検討によると、掌側皮膚の一つの指関節位置に刺激を加えるよりも、隣接する指関節位置に刺激を加える方が、刺激をはっきりと知覚させることができる。「掌側皮膚の複数の指関節位置に局所的に刺激を加える」とは、隣接する2つの指関節位置の間で多点に密に刺激を加えないことを意味する。
 (特徴2)人の指に接触する刺激子の表面が、指の周方向の曲率と略等しい曲率で湾曲している。発明者らの検討によると、掌側皮膚の指関節位置に点状の刺激を加えるよりも、指の周方向に沿って線状に刺激を加える方がより一層はっきりと、物体の表面の起伏を感じさせる触覚刺激を与えることができる。このことは、指の周方向に沿って線状に刺激を加えた場合、点状に刺激を加えた場合よりも指関節が曲がったと人に敏感に知覚させることができるためと推定される。
 (特徴3)触覚デバイスは、触覚デバイスが人に装着されたときに、人の指先を支持する第1部位と、人の掌の一部を支持する第2部位を有する。第1部位と第2部位は、静的に指先と掌の一部を支持する。掌の一部は、指の付け根付近であるとよい。発明者らの検討によると、指先と掌の一部が支持されている方が、指関節位置に局所的に刺激を加えたときに起伏を一層はっきりと感じさせる触覚刺激を与えることができる。発明者らの推測では、刺激を加える部位の両側指先と掌が静的に支持されながら、指関節位置に動的な刺激が加えられることによって、人は、指が曲がったと一層はっきりと知覚する。発明者らの推測によると、掌全体が物体表面に触れながら指が曲がると、人は物体表面に起伏があると感じるようである。
 図2に、第1実施例の触覚ディスプレイ10の模式的斜視図を示す。図3に、触覚デバイス12の模式的側面図を示す。触覚ディスプレイ10は、触覚デバイス12、コントローラ16、及び画像処理デバイス18を備える。触覚デバイス12は、人の掌に装着することができる。より具体的には、触覚デバイス12は、その上に人の手を載せたまま物体W2の表面を移動することができる。図2及び図3において、符号Hは人の手を示す。画像処理デバイス18は、カメラで触覚デバイス12の動きを検知する。より具体的には、画像処理デバイス18は、撮影した画像から触覚デバイス12の物体W2に対する相対的な動きを検出する。同時に画像処理デバイス18は、物体W2の位置も計測する。画像処理デバイス18は、触覚デバイスの動きを検出するセンサに相当する。対象の動きを検出する画像処理アルゴリズムについてはよく知られた様々な手法があるので説明は省略する。
 図3に示すように、触覚デバイス12は、3本の刺激子14a、14b、14cを有する。夫々の刺激子は、触覚デバイス12の上面に突出するロッド104と、ロッド104を上下動させるアクチュエータ102から構成される。3本の刺激子14a、14b、14cは、人が手を触覚デバイス12の上に置いたときに、それぞれが指の関節J1、J2、及びJ3に対向する位置に配置されている。別言すれば、隣接する刺激子は、隣接する指関節の間の距離に相当する長さだけ隔てて配置されている。また、図3に示すように、触覚デバイス12は、人の手に装着されたときに、人の指先を静的に支持する第1部位12aと、人の掌の一部を静的に支持する第2部位12bを有している。3個の刺激子14a、14b、及び、14cは、第1部位12aと第2部位12bの間で触覚デバイス12に配置されている。
 コントローラ16は、画像処理デバイス18が計測する触覚デバイス12の動きに応じて、刺激子14a、14b、14cを制御し、夫々のロッドを上下動させる。別言すれば、この触覚ディスプレイ10は、人の指先と掌の一部を第1部位12aと第2部位12bで支持しながら、人の手の動きに応じて人の掌側皮膚の少なくとも一つの指関節位置に局所的な刺激を加えることができる。
 また、コントローラ16は、物体表面形状を記述した表面形状データを記憶している。以下では簡単のため、表面形状データをCADデータと称する場合がある。コントローラ16は、仮想空間内に、CADデータによって規定される仮想物体モデルを配置する。図3の符号CAD1は、仮想空間内に配置された仮想物体モデルの表面形状を示している。なお、CADデータは大局的には触覚デバイス12を載せている実在の物体W1の形状に等しいが、仮想物体モデルの表面形状は、実在の物体W2の表面形状を正確には表していない。具体的には、実在の物体W2の表面は平坦であるが、CADデータ上における仮想物体モデルの表面は図3に示すように起伏を有する。
 コントローラ16は、画像処理デバイス18の出力に基づいて、実在の物体W2の位置と仮想物体モデルの位置を仮想空間内で重ね合わせる。別言すれば、コントローラ16は、画像処理デバイス18の出力に基づいて、触覚デバイスの動きを仮想物体モデルの位置に仮想空間内で対応付ける。即ち、仮想空間内では、触覚デバイス12が仮想物体モデルの表面上に位置する。そのような仮想空間を構築した後、コントローラ16は、仮想物体モデルの表面における触覚デバイス12の位置を画像処理デバイス18の出力に基づいて決定する。より詳細には、コントローラ16は、仮想物体モデルの表面における刺激子の位置を決定する。例えば、コントローラ16は、図3に示すように、指関節J1に対向している刺激子14cの位置に対応する仮想物体モデルの表面位置P1を決定する。同様に、コントローラ16は、指関節J2、J3に対向している刺激子14b、14aの位置に対応する仮想物体の表面の位置P2、P3を決定する。そしてコントローラ16は、決定した表面位置の起伏高さと同じ長さだけ各ロッド104が触覚デバイスの表面から突出するようにアクチュエータ102を制御する。例えば、図3の矢印が示ように、刺激子14aが表面位置P1からP3に相当する距離だけ触覚デバイス12が実際に移動する間に、コントローラ16は刺激子14aのロッド104を起伏高さZ1に相当する長さだけ突出させる。
 触覚ディスプレイ10の効果を説明する。人が触覚デバイス12を実在の物体W2上で動かすと、コントローラ16は、触覚デバイス12の動きを仮想空間内に配置された仮想物体モデルに対応付け、仮想物体モデルの起伏高さに相当する長さで刺激子14を上下させる。刺激子14は、人の掌側皮膚の指関節位置を起伏高さに相当する長さだけ押圧する。触覚デバイスが進むにつれて、仮想物体モデルの起伏に応じて刺激子14の突出高さが変化する。即ち、刺激子14は、触覚デバイス12が動いている間、仮想物体モデルの起伏に応じて動的に変化する刺激を人に加える。このとき人は、仮想物体モデル上の(CADデータ上の)表面起伏を知覚する。人は、実在の物体表面を直接に撫でた場合よりも敏感に起伏を知覚することができる。
 特に、触覚デバイス12は、指先を支持する第1部位12aと掌の一部(例えば指の付け根)を支持する第2部位12bの間に刺激子を配置している。指先と掌の一部を静的に支持しながらそれらの間で指関節位置に動的な刺激を加えることによって、触覚ディスプレイ10は、仮想物体モデルの表面起伏の変化をはっきりと知覚させることができる。その理由は前述した通りである。
 なお、各刺激子のロッド104の上端は、初期位置として触覚デバイスの表面から僅かに突出している。従って、CADデータが物体表面の窪みを表している場合、コントローラ16は、窪みの深さに対応した長さだけ刺激子のロッド上端を下げる。そのような動作によって、触覚ディスプレイ10は、仮想物体モデルの表面形状の緩やかな窪みに対しても、直接に起伏を撫でる場合よりもはっきりとその起伏を知覚させることができる。
 発明者らの検討によると、触覚デバイス12が物体W2の上をスムーズに移動できると、人は触覚デバイス12から受ける触覚を知覚しやすいことが判明した。そのため、潤滑剤を触覚デバイス12の下面に塗布するとよい。或いは、摩擦係数の低いフィルムなどを触覚デバイス12の下面に貼着しておくとよい。
 第2実施例の触覚ディスプレイを説明する。第2実施例の触覚ディスプレイは、第1実施例の触覚デバイス12に替えて図4に示す触覚デバイス22を備える。触覚デバイス22は、9個の刺激子24を備える。刺激子24の夫々は、第1実施例の刺激子14と同様にアクチュエータ(不図示)を備えており、その上端が上下する。9個の刺激子24のうち隣接する2個の刺激子は、触覚デバイス22の上に人が掌を置いたときに、隣接する指関節位置に対向するように配置されている。人が触覚デバイス22の上に掌を置いたとき、9個の刺激子24は、夫々、人の中指、人差指、及び薬指の合計9個の関節の夫々に対向する。図4の3本の仮想線Gは夫々、触覚デバイス22が手に装着されたときの中指、人差指、及び薬指を模式的に示している。隣接する2つの刺激子は、隣接する指関節間の距離に相当する長さをおいて配置されている。ここで、「隣接する指関節」には、一つの指の2個の関節の場合と、隣接する指の第1(又は第2又は第3)関節同士の場合の両者を含む。別言すれば、9個の刺激子は格子状に配置されており、前後左右で隣接するいずれの2つの刺激子も、隣接する指関節間の距離に相当する長さをおいて配置されている。
 刺激子24は、上下動するロッド202の先端にアタッチメント203を備えている。図5に刺激子24の模式的な拡大正面図を示す。図5に示すように、アタッチメント203の上面は、人が掌を触覚デバイス22の上に置いたときに、指Fに接触する。アタッチメント203の上面の曲率半径R1(曲率1/R1)は、指Fの周方向の曲率半径R2(曲率1/R2)と略等しい。このように指関節の曲面に沿って湾曲した刺激子先端を備える触覚ディスプレイは、掌側皮膚の指関節位置に点状の刺激を加えるよりも、物体の表面の起伏を一層はっきりと人に知覚させることができる。その理由は前述した通りである。
 図6と図7を参照して第3の実施例を説明する。第3実施例の触覚ディスプレイは、グローブタイプの触覚デバイス32を備える。第3実施例の触覚ディスプレイは、第1実施例の画像処理デバイス18とコントローラ16を備えるが、それらの説明は省略する。図6に触覚デバイス32の模式的斜視図を示す。触覚デバイス32は、リング状の複数の刺激子34を備える。図6に示すように、刺激子34は、人が触覚デバイス32を装着したときに、指の各関節位置に対応する位置に配置されている。図7に、刺激子34の模式的正面図を示す。図7に示すように、刺激子34は、電極134を備えている。電極134は、人が触覚デバイス32を装着したときに、掌側皮膚の指関節位置に対向する。なお、図7では、電極134と指Fを離して描いているが、電極134は、掌皮膚の指関節位置に接触する。また、電極134において、人の指Fと接触する表面が、指の周方向の曲率と略等しい曲率で湾曲している。
 コントローラは、第1実施例の触覚ディスプレイ10と同様に、触覚デバイス32が人によって物体表面上を動かされたときに、触覚デバイスの動きに合わせて電気刺激を加える。コントローラが与える電気刺激の大きさは、表面形状データが記述する仮想物体モデルの表面起伏の高さに対応する。なお、図示を省略しているが、触覚デバイス32は、実在の物体の表面との接触を検知する接触センサを備えており、コントローラは、接触センサが実在の物体との接触を検知している間、刺激の印加を許可する。コントローラは、物体の表面形状データを記憶している記憶ユニットを含んでいる。コントローラは、表面形状データによって規定される仮想物体モデルの表面における触覚デバイス32の位置を画像処理デバイスの出力に基づいて決定し、指関節位置に対応する仮想物体モデルの表面位置における起伏高さに対応する大きさの電気刺激を加える。第3実施例の触覚ディスプレイも、第1実施例や第2実施例の触覚ディスプレイと同様の効果を奏する。
 さらに第3実施例の触覚ディスプレイは、グローブ型触覚デバイス32を備えている。人は、触覚デバイス32を装着し、実在の物体の表面を撫でる。このとき、触覚ディスプレイは、仮想物体モデル上の(表面形状データ上の)起伏高さに応じた刺激を人に加える。人は、実在の物体を撫でながら、その実在の物体の表面に、仮想物体モデル上の起伏を知覚することができる。
 次に第4実施例を説明する。この実施例は、第1実施例の触覚ディスプレイ10を応用したCADシステム30である。このCADシステム30は、金型のキャビティ面を設計するのに用いられる。即ち、コントローラ16が記憶する表面形状データ(CADデータ)は、金型のキャビティ面の表面形状を表している。なお、コントローラ16は、CADのソフトウエアが組み込まれたコンピュータでよい。このCADシステム30は、CADデータの修正に伴うキャビティ面の表面形状の変化を作業者に触覚を通じて知覚させることができる。
 図8に、CADシステム30の模式的斜視図を示す。CADシステム30は、第1実施例の触覚ディスプレイ10に入力デバイス39を付加したシステムである。触覚ディスプレイ10の構成については先に説明したので説明を省略する。ただし、CADシステムのコントローラ16は、第1実施例の触覚ディスプレイ10の機能に加えて次の機能を備える。なお、本実施例では物体W2は、試作した金型であり、触覚デバイス12は金型のキャビティ面上に置かれている。図8では、簡単のため、金型W2を単純な直方体で模式的に表している。
 コントローラ16には、作業者によって操作される入力デバイス39が接続されている。入力デバイス39は、3個のダイヤルD1、D2、及びD3を有する。コントローラ16は、作業者がダイヤルD1を操作すると、その操作量に応じてCADデータ上の起伏の高さを修正する。以下、この機能をさらに詳細に説明する。
 コントローラ16は、画像処理デバイス18によって実在の金型W2と、金型W2に対する触覚デバイス12の動きを検知する。コントローラ16は、仮想空間上にCADデータに基づく金型モデルを構築する。コントローラ16は、実在の金型W2の位置と仮想金型モデルの位置を仮想空間内で重ねる。さらにコントローラ16は、画像処理デバイス18によって検知された触覚デバイス12の動きを、仮想空間内での動きとして取り込む。こうしてコントローラ16は、仮想金型モデルのキャビティ面上を動く触覚デバイスを仮想空間内でシミュレートする。
 コントローラ16は、触覚デバイス12の3個の刺激子14a、14b、及び14cの夫々にダイヤルD1、D2、及び、D3を対応付けている。刺激子14a、14b、及び14cは図3を参照されたい。コントローラ16は、各刺激子の下端が仮想空間内に配置された仮想金型モデル(CADデータ)のキャビティ面上の位置を決定する。作業者がダイヤルD1を操作すると、コントローラ16は、その操作量に応じて、仮想空間内で刺激子14aに対応するCADデータ上の表面位置の起伏高さ変更する。コントローラ16は、刺激子14aに対応する位置だけでなく、その周囲のCADデータ上の起伏高さも変更する。即ち、コントローラ16は、CADデータ上の起伏の形状を変更する。コントローラ16は、刺激子14aに対応する位置をピークとして、その周囲のCADデータ上の起伏高さを操作量に応じて修正する。コントローラ16は、修正したCADデータの起伏高さに応じて、各刺激子14が加える刺激の強さを修正する。ここで、刺激の強さは、刺激子14のロッド104の突出高さに相当する。同様にコントローラ16は、ダイヤルD2やダイヤルD3の操作量に応じて、CADデータを修正するとともに刺激子14が加える刺激の強さを調整する。なお、CADシステム30のユーザは、触覚デバイス12の位置を変えながら起伏高さを修正することによって、CADデータ上の起伏の形状を修正することができる。
 CADシステム30の技術的特徴は次の通り表現することができる。CADシステム30は、前述したいずれか触覚ディスプレイ(コントローラを有する触覚ディスプレイ)と、その触覚ディスプレイのコントローラ16に接続される入力デバイス39を備える。入力デバイス39は、人が操作するデバイスである。触覚ディスプレイは、触覚デバイス12の動きを検出するセンサ(画像処理デバイス18)、物体の表面形状データを記憶している記憶ユニット(コントローラ16)、刺激子を制御するコントローラ16を備える。コントローラ16は、表面形状データ(CADデータ)によって規定される仮想物体モデルを仮想空間内に配置し、仮想物体モデルの表面における触覚デバイスの位置をセンサの出力に基づいて決定する。そしてコントローラ16は、指関節位置に対応する仮想物体モデルの表面位置における起伏高さに対応する大きさの刺激を加える。さらにコントローラ16は、入力デバイス39が検知する人の操作量に応じて、触覚デバイスの刺激子の位置に対応する仮想物体モデル上の(表面形状データ上の)起伏高さを修正するとともに、修正された起伏高さに対応する大きさの刺激を掌皮膚の指関節位置に加える。
 このCADシステム30の利点を説明する。金型はCADデータに基づいて製作されるが、その金型によって成形されたワークは、必ずしも所望の形状にならない。従来は、所望の形状のワークが成形できるように、熟練作業者が金型の表面を撫でながら実在のキャビティ面を繰り返し修正していた。本実施例のCADシステム30を適用した場合、作業者は、CADデータによって規定される仮想的なキャビティ面の表面起伏を触覚デバイスを通じて知覚することができる。作業者が入力デバイス39を操作すると、CADシステム30はキャビティ面を規定するCADデータを修正するとともに、修正されたCADデータによって規定される表面形状を触覚デバイス12によって作業者に提示する。作業者は例えば、ダイヤルを右へ回すと、CADデータ上のキャビティ面の起伏が高くなることを触覚デバイス12を通じて知覚する。逆に作業者は、ダイヤルを左へ回すとCADデータ上のキャビティ面の起伏が低くなることを触覚デバイス12を通じて知覚する。このように作業者は、修正の結果を触覚デバイス12を通じて掌で知覚しながら、必要であれば入力デバイスを操作してさらにCADデータを修正することができる。最終的に修正されたCADデータを用いて作成された金型は、所望のワークを製造することができる。
 本実施例のCADシステム30は、CADデータの修正によって生じるキャビティ面の変化を触覚デバイスを通じて作業者に知覚させながら、その修正をCADデータに反映することができる。
 本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイは、物体表面の緩やかな起伏を、直接に撫でる場合よりも明確に人に知覚させることができる。本明細書でいう「緩やかな起伏」には、いわゆる「面歪み」と呼ばれる僅かな起伏が含まれる。人は、一般的に、高低差が約1mm以下の面歪みは、直接に撫でても知覚し難い。本明細書が開示する新規な触覚ディスプレイは、そのような僅かな面歪を直接に撫でる場合よりも明確に人に面歪みを知覚させることができる。
 以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:実験装置(触覚ディスプレイ)
2、12、22、32:触覚デバイス
4:ロッド(刺激子)
10:触覚ディスプレイ
14、24、34:刺激子
16:コントローラ
18:画像処理デバイス
30:CADシステム
39:入力デバイス
102:アクチュエータ
104、202:ロッド
134:電極
203:アタッチメント

Claims (8)

  1.  人の手の動きに応じて、人の掌側皮膚の少なくとも一つの指関節位置に局所的に刺激を加える触覚ディスプレイ。
  2.  人の手に装着可能であり、人の掌側皮膚の指関節位置に局所的に刺激を加える少なくとも1つの刺激子を有する触覚デバイスを備えており、
     触覚デバイスが人によって物体表面上を動かされたときに、触覚デバイスの動きに応じて前記刺激を加えることを特徴とする請求項1に記載の触覚ディスプレイ。
  3.  触覚デバイスの動きを検出するセンサと、
     物体の表面形状データを記憶している記憶ユニットと、
     刺激子を制御するコントローラと、をさらに備えており、
     コントローラは、表面形状データによって規定される仮想物体モデルを仮想空間内に配置し、仮想物体モデルの表面における触覚デバイスの位置をセンサの出力に基づいて決定し、指関節位置に対応する仮想物体モデルの表面位置における起伏高さに対応する大きさの刺激を加えることを特徴とする請求項2に記載の触覚ディスプレイ。
  4.  触覚デバイスは複数の刺激子を備えており、人が触覚デバイスを装着したときに、隣接する刺激子が夫々隣接する指関節に対向することを特徴とする請求項2又は3に記載の触覚ディスプレイ。
  5.  人の指に接触する刺激子の表面が、指の周方向の曲率と略等しい曲率で湾曲していることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の触覚ディスプレイ。
  6.  前記触覚デバイスは、触覚デバイスが人に装着されたときに、人の指先を支持する第1部位と、人の掌の一部を支持する第2部位を有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の触覚ディスプレイ。
  7.  請求項3に記載の触覚ディスプレイと、触覚ディスプレイのコントローラに接続された入力デバイスを備えるCADシステムであり、
     コントローラは、入力デバイスが検知する人の操作量に応じて、触覚デバイスの刺激子の位置に対応する表面形状データ上の起伏高さを修正するとともに、修正された起伏高さに対応する大きさの刺激を掌皮膚の指関節位置に加えることを特徴とするCADシステム。
  8.  人の手の動きに応じて人の掌側皮膚の少なくとも一つの指関節位置に局所的な刺激を加える触覚提示方法。
PCT/JP2009/066745 2009-09-28 2009-09-28 触覚ディスプレイ及びcadシステム WO2011036787A1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN200980161643.1A CN102549526B (zh) 2009-09-28 2009-09-28 触觉显示器以及cad系统
JP2011532863A JP5270764B2 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 触覚ディスプレイ及びcadシステム
PCT/JP2009/066745 WO2011036787A1 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 触覚ディスプレイ及びcadシステム
US13/498,813 US8836660B2 (en) 2009-09-28 2009-09-28 Tactile display and CAD system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/066745 WO2011036787A1 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 触覚ディスプレイ及びcadシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2011036787A1 true WO2011036787A1 (ja) 2011-03-31

Family

ID=43795557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2009/066745 WO2011036787A1 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 触覚ディスプレイ及びcadシステム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8836660B2 (ja)
JP (1) JP5270764B2 (ja)
CN (1) CN102549526B (ja)
WO (1) WO2011036787A1 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133443A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Toyota Motor Corp 触覚ディスプレイ
JP2012242998A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Toyota Motor Corp ヒューマンマシンインタフェイスデバイス及びcadシステム
JP2013225174A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp 形状修正方法
JP2013225177A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp 形状校正方法
JP2013225173A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp デザイン形状提示装置およびデザイン形状提示システム
JP2014164518A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 提示装置
JP2017173988A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 日本放送協会 三次元形状提示システム及び触力覚提示装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9811854B2 (en) * 2013-07-02 2017-11-07 John A. Lucido 3-D immersion technology in a virtual store
US9984589B2 (en) * 2013-12-26 2018-05-29 Pranay Jain Tactile measuring instrument
CN103839458B (zh) * 2014-03-26 2016-02-10 郑家近 一种盲文系统
US10121388B2 (en) * 2014-04-29 2018-11-06 Georgia Tech Research Corporation Methods, systems, and apparatuses to convey chorded input
KR101763396B1 (ko) * 2015-11-04 2017-07-31 주식회사 닷 전자 표시 장치 및 그 정보 표시 방법
CN106371604B (zh) * 2016-09-18 2020-03-20 Tcl集团股份有限公司 交互控制手套、虚拟现实系统及其应用方法
TR201620208A1 (tr) * 2016-12-30 2018-07-23 Ford Otomotiv Sanayi As Kompakt ti̇treşi̇m ve gürültü hari̇talandirma si̇stemi̇ ve yöntemi̇
CN108956113B (zh) * 2018-07-05 2023-08-29 浙江理工大学 指尖触觉性能测试实验装置
US11747868B2 (en) * 2021-11-30 2023-09-05 Dell Products L.P. Unibody base chassis top cover for a portable information handling system

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11167419A (ja) * 1997-12-02 1999-06-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 力覚呈示方法およびその装置
JP2006167867A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Fuji Heavy Ind Ltd 遠隔操作装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5147832A (ja) 1974-10-18 1976-04-23 Canon Kk Gazohenkansochi
JPH04195213A (ja) 1990-09-27 1992-07-15 Nippon Flex Kogyo Kk 体感性能を具備したcad構築体
JP3199130B2 (ja) 1992-03-31 2001-08-13 パイオニア株式会社 3次元座標入力装置
JP2836577B2 (ja) 1996-05-15 1998-12-14 日本電気株式会社 マニピュレータ操作装置
KR100595924B1 (ko) * 1998-01-26 2006-07-05 웨인 웨스터만 수동 입력 통합 방법 및 장치
JP4332254B2 (ja) 1999-04-28 2009-09-16 株式会社アミテック インテリジェント型手袋型手形入力装置
JP3929881B2 (ja) 2001-12-04 2007-06-13 独立行政法人科学技術振興機構 皮膚感覚提示装置
AU2002951193A0 (en) * 2002-09-04 2002-09-19 Northern Sydney Area Health Service Movement faciliatation device
JP2004101677A (ja) 2002-09-06 2004-04-02 Uniplan:Kk 触覚ディスプレー装置
JP4048999B2 (ja) * 2003-04-15 2008-02-20 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP2005004058A (ja) 2003-06-13 2005-01-06 Dainippon Printing Co Ltd 情報提供装置
JP4456434B2 (ja) 2004-08-03 2010-04-28 日本放送協会 触覚ディスプレイ
JP4729723B2 (ja) * 2004-09-14 2011-07-20 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 触覚センサ、摩擦検査装置、把持装置及び滑り余裕計測方法
JP4609944B2 (ja) 2006-03-24 2011-01-12 徳人 古橋 点字情報伝達盤を備えた点字対応携帯端末
JP2009032139A (ja) 2007-07-30 2009-02-12 Pioneer Electronic Corp 触覚入力装置
US7802314B2 (en) * 2007-10-31 2010-09-28 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Hand-wear article with cutaneous sensory elements

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11167419A (ja) * 1997-12-02 1999-06-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 力覚呈示方法およびその装置
JP2006167867A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Fuji Heavy Ind Ltd 遠隔操作装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012133443A (ja) * 2010-12-20 2012-07-12 Toyota Motor Corp 触覚ディスプレイ
JP2012242998A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Toyota Motor Corp ヒューマンマシンインタフェイスデバイス及びcadシステム
JP2013225174A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp 形状修正方法
JP2013225177A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp 形状校正方法
JP2013225173A (ja) * 2012-04-19 2013-10-31 Toyota Motor Corp デザイン形状提示装置およびデザイン形状提示システム
JP2014164518A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 提示装置
JP2017173988A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 日本放送協会 三次元形状提示システム及び触力覚提示装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102549526B (zh) 2014-10-15
CN102549526A (zh) 2012-07-04
JP5270764B2 (ja) 2013-08-21
JPWO2011036787A1 (ja) 2013-02-14
US8836660B2 (en) 2014-09-16
US20120188192A1 (en) 2012-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5270764B2 (ja) 触覚ディスプレイ及びcadシステム
Iwata et al. Project FEELEX: adding haptic surface to graphics
EP3506059A1 (en) Systems and methods for providing haptic effects related to touching and grasping a virtual object
KR100958908B1 (ko) 촉감 제시 장치 및 이를 이용한 촉감 제시 방법
CN106371604A (zh) 交互控制手套、虚拟现实系统及其应用方法
US11360561B2 (en) System for haptic interaction with virtual objects for applications in virtual reality
EP3185104A1 (en) Haptic peripheral having a deformable substrate configured for amplified deformation
JP6039562B2 (ja) 3次元触覚伝達装置、方法及びシステム
CN106462243B (zh) 用于关于触觉装置的虚拟反馈的系统和方法
Hummel et al. A lightweight electrotactile feedback device for grasp improvement in immersive virtual environments
IT201600097954A1 (it) Dispositivo aptico, particolarmente per l’interazione con sistemi di realtà virtuale o realtà aumentata
Tanaka et al. Wearable haptic display for immersive virtual environment
JP6504032B2 (ja) 触感提供装置、及び、触感提供システム
Nagano et al. Wearable suction haptic display with spatiotemporal stimulus distribution on a finger pad
JPH07244558A (ja) 触覚提示装置
JP6604567B2 (ja) 上肢リハビリテーション支援装置
Honda et al. Development of a novel slip haptic display device based on the localized displacement phenomenon
JP6386781B2 (ja) 触力覚提示装置
JP5591095B2 (ja) 触覚ディスプレイ
JP6600269B2 (ja) 三次元形状提示システム及び触力覚提示装置
KR102270204B1 (ko) 가상 환경 기반의 재질감 생성 장치
JP5660971B2 (ja) Cadシステム
JP5985868B2 (ja) デザイン形状提示装置およびデザイン形状提示システム
JPH11203020A (ja) 触力覚呈示装置
Handa Development of a Haptic Device that Presents Information on Three-dimensional Shape and Hardness of a Virtual Object in Space

Legal Events

Date Code Title Description
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 200980161643.1

Country of ref document: CN

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 09849818

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

DPE1 Request for preliminary examination filed after expiration of 19th month from priority date (pct application filed from 20040101)
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2011532863

Country of ref document: JP

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 13498813

Country of ref document: US

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 09849818

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1