WO2010147170A1 - 熱交換器のろう付方法 - Google Patents
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Abstract
半密閉型の熱交換器のろう付において、冷媒室内にフラックスを付与して良好なろう付を行いつつ、フラックスの脱落によるろう付環境の汚染を最小限に抑える。 一方の部材(20)が膨出部(20)を有し、この一方の部材(20)を膨出部(20)内にフィン(31)を配置した状態で他の部材(20)と対向配置し、前記膨出部(23)の周囲(25)を他方の部材(10)とろう付することによって、開口部(26)(27)を有する半密閉型の冷媒室(2)を形成するとともにフィン(31)をろう付する熱交換器のろう付方法であって、前記2つの部材(10)(20)の対向面の両面または片面において、冷媒室(2)を形成する部分の少なくとも一部および冷媒室(2)の周囲のろう付部の少なくとも一部に、フッ化物系フラックス粒子を噴射し、高速で衝突させて該フラックス粒子を機械的に付着させ、前記2つの部材(10)(20)とフィン(31)とを組み立てて冷媒室(2)内にフィン(31)が配置された仮組体とし、前記仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付する。
Description
この発明は、半密閉型の冷媒室を有する熱交換器のろう付方法に関する。
アルミニウム材のろう付において、不活性ガス雰囲気中ではフラックスを用いずとも良好にろう付できることが知られている(非特許文献1参照)。
ドロンカップ型エバポレーターやカッププレート型熱交換器のような半密閉型の熱交換器のろう付では、仮組み時にカップ内に閉じこめられた大気とろう付雰囲気との置換は冷媒の出入口となる狭い開口部を介して行われる。このため、カップ内の雰囲気置換に時間がかかり、カップ内が不活性ガスに置換される以前にろう材が溶融すればろう付不良となる。
このような半密閉型の熱交換器のろう付においては、良好なろう付を達成するために、ろう付雰囲気が不活性ガスであってもカップ内部にフラックスを水に溶いたフラックス液が塗布される。しかし、塗布したフラックス液は、熱交換器の仮組み時や水分乾燥時に剥離して脱落しやすく、製品やろう付治具を汚染させるという問題点がある。
フラックスによるろう付環境の汚染に対しては、熱交換器を仮組みした後、冷媒流通部分に空気とともに粉末状のフラックスを流通させて付着させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
軽金属学会第80回春期大会講演概要、第215-216頁、1991年、軽金属学会発行
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、フラックスの付着力が弱いためにフラックスの脱落を確実に防ぐことは困難であり、ろう付環境の汚染という問題も依然として残っている。また、冷媒の流通路に一様にフラックスが付着するので、ろう付部以外の部分やろう付雰囲気との置換が容易に行われる開口部およびその近傍にも、ろう付部と同量のフラックスが付着する。従って、粉末フラックスを用いた場合でも過剰量のフラックスが付与されることになって、ろう付環境の汚染も解消されない。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、半密閉型の熱交換器のろう付において、冷媒室内にフラックスを付着させて良好なろう付を行いつつ、フラックスの脱落によるろう付品やろう付環境の汚染を最小限に抑えることを目的とする。
即ち、本発明は下記[1]~[7]に記載の構成を有する。
[1]2つの部材のうちの少なくとも一方の部材が膨出部を有し、この一方の部材を膨出部内にフィンを配置した状態で他の部材と対向配置し、前記膨出部の周囲を他方の部材とろう付することによって、冷媒入出用の開口部を有する半密閉型の冷媒室を形成するとともに冷媒室内にフィンをろう付する熱交換器のろう付方法であって、
前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分の少なくとも一部および冷媒室の周囲のろう付部の少なくとも一部に、フッ化物系フラックス粒子を噴射し、高速で衝突させて該フラックス粒子を機械的に付着させ、
前記2つの部材とフィンとを組み立てて冷媒室内にフィンが配置された仮組体とし、
前記仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付することを特徴とする熱交換器のろう付方法。
前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分の少なくとも一部および冷媒室の周囲のろう付部の少なくとも一部に、フッ化物系フラックス粒子を噴射し、高速で衝突させて該フラックス粒子を機械的に付着させ、
前記2つの部材とフィンとを組み立てて冷媒室内にフィンが配置された仮組体とし、
前記仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付することを特徴とする熱交換器のろう付方法。
[2]前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分および冷媒室の周囲のろう付部の全域にフラックスを付着させる前項1に記載の熱交換器のろう付方法。
[3]前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室の開口部から遠い領域にのみフラックスを付着させる前項1に記載の熱交換器のろう付方法。
[4]前記フラックス付着領域の面積は、冷媒室の内表面と冷媒室の周囲のろう付部との合計面積の10~50%である前項3に記載の熱交換器のろう付方法。
[5]フラックス付着量が、冷媒室の内表面と冷媒室の周囲のろう付部との合計面積1m2あたり0.005~1gである前項1~4のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
[6]噴射に用いるフラックス粒子の平均粒径が40μm以下である前項1~5のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
[7]噴射に用いるフラックス粒子の水分量が2%以下である前項1~6のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
上記[1]に記載の発明によれば、半密閉型の冷媒室の内面にフラックスを付着させてろう付を行うので、冷媒室内部がろう付雰囲気である不活性ガスに十分に置換されておらず、また冷媒室の周囲のろう付部が不活性ガスに接触していない状態でろう材が溶融した場合であっても、フラックスの効果によって冷媒室の内面とフィンとが良好にろう付され、冷媒室の周囲のろう付部も良好にろう付される。ろう付加熱によってフラックスが気化すると、未付着部分にもフラックスが供給されて酸化皮膜の成長を抑え、また気化したフラックスは雰囲気中の酸素や水分と反応してろう付雰囲気を改善する効果がある。このため、フラックスが付着していない部分が存在していても冷媒室内全体が良好にろう付される。さらに、部材の所要部分に対し、フラックス粒子を噴射し高速で衝突させてフラックス粒子を機械的に付着させるので、少量のフラックスでも均一に付着させることができ、少量のフラックスで良好なろう付を達成できる。また、このようにフラックス粒子を高速で衝突させる付着方法はフラックスの付着力が強いために脱落が少なく、脱落したフラックスによるろう付品およびろう付環境の汚染を抑制できる。
上記[2]に記載の発明によれば、冷媒室の内面および冷媒室の周囲のろう付部にフラックスを付着させてろう付を行うので、冷媒室内のフィンおよび冷媒室の周囲のろう付部の良好なろう付を確実なものとすることができる。
上記[3]に記載の発明によれば、冷媒室内において特に不活性ガスに置換されにくい開口部から遠い領域にフラックスが付着しているので、フラックス効果によりフィンは良好にろう付される。一方、開口部に近い領域は早期に不活性ガスに置換されるのでフラックスが無くてもフィンは良好にろう付される。さらに、ろう付加熱によってフラックスが気化すると、未付着部分にもフラックスが供給されて酸化皮膜の成長を抑え、また気化したフラックスは雰囲気中の酸素や水分と反応してろう付雰囲気を改善する効果があるので、開口部から遠い領域に優先的にフラックスを付着させることにより、より少ないフラックス量で冷媒室内全体のろう付性を良好にすることができる。
上記[4]に記載の発明によれば、冷媒室内の良好なろう付性とフラックス量の削減とを両立させることができる。
前記[5]に記載の発明によれば、良好なろう付性を達成する上でフラックスの付着量が適正である。
上記[6]に記載の発明によれば、フラックス粒子を効率良く付着させることができる。
上記[7]に記載の発明によれば、フラックス粒子の流動性を高めてフラックス粒子を均一に付着させることができる。
図1は、本発明によってろう付された熱交換器(1)に、発熱体(5)を装着するための絶縁基板(3)をろう付した状態を示している。図2は図1の分解斜視図、図3は図1のB-B線断面図である。
前記発熱体(5)はLED、IGBT、半導体等の電子素子であり、熱交換器(1)はこれらを冷却するために用いられる。
前記熱交換器(1)は、第1部材(10)、第2部材(20)、フィン(31)、入口用パイプ(32)、出口用パイプ(33)によって構成されている。第1部材(10)、第2部材(20)およびフィン(31)の3つの部材は仮組みして一括ろう付されたものであり、入口用ジョイント(32)および出口用ジョイント(33)はろう付後に別途溶接したものである。
第1部材(10)は四角形の平板であり、アルミニウム製の心材(11)の片面にろう材(12)をクラッドした片面ブレージングシートで構成されている。また、周縁領域は第2部材(20)とろう付するための継ぎ手部(13)を構成し、中央領域は冷媒室(2)の底壁(14)を形成する。図2において、第1部材(10)上面の仮想線は、継ぎ手部(13)と底壁(14)の境界を示している。
第2部材(20)は、前記第1部材(10)と平面寸法が同一であり、中央部に冷媒室(2)を形成するための平面視四角形の膨出部(23)を有している。前記膨出部(23)の開口側周縁は側壁(24)から外方に屈曲し、第1部材(10)とろう付するための継ぎ手部(25)を形成している。また、前記膨出部(23)の1つの側壁(24)には2の円形孔(26)(27)が穿設されている。この第2部材(20)は、アルミニウム製の心材(21)の片面にろう材(22)をクラッドした片面ブレージングシートの所要部分にプレス加工して膨出部(23)を成形し、成形した膨出部(23)の側壁(24)に円形孔(26)(27)を穿設したものである。
前記フィン(31)は、アルミニウム製ベア材を波状に成形したものである。
前記入口用ジョイント(32)および出口用ジョイント(33)は、第2部材(20)の円形孔(26)(27)に対応する丸パイプである。
[熱交換器の仮組み]
第2部材(20)の膨出部(23)の内部にフィン(31)を配置し、第1部材(10)と第2部材(20)をそれぞれのろう材(12)(22)の面を内側にして対向配置し、継ぎ手部(13)(25)同士を重ねると、膨出部(23)は第1部材(10)に閉塞されて円形孔(26)(27)のみが開口する半密閉型の冷媒室(2)が形成される。
[熱交換器の仮組み]
第2部材(20)の膨出部(23)の内部にフィン(31)を配置し、第1部材(10)と第2部材(20)をそれぞれのろう材(12)(22)の面を内側にして対向配置し、継ぎ手部(13)(25)同士を重ねると、膨出部(23)は第1部材(10)に閉塞されて円形孔(26)(27)のみが開口する半密閉型の冷媒室(2)が形成される。
本実施形態においては、前記熱交換器(1)の仮組体に絶縁基板(3)を組み付け、熱交換器(1)のろう付と同時に絶縁基板(3)のろう付を行う。前記絶縁基板(3)は、酸化アルミニウム(Al2O3)等による絶縁層(3a)の両面に純アルミニウム等の熱伝導性の高い材料からなる熱伝導層(3b)を積層した3層クラッド材である。また、前記絶縁基板(3)のろう付には、心材(4a)の両面にろう材層(4b)(4b)をクラッドした両面ブレージングシート(4)が用いられる。
従って、ろう付は、図3に示すように、熱交換器(1)の仮組体の冷媒室(2)の外面、即ち第2部材(20)の膨出部(23)の天井壁(28)の外面に前記ブレージングシート(4)および絶縁基板(3)を重ねた状態で行う。
[フラックスの付着]
上述のように組み立てた仮組体において、ろう付される箇所は、冷媒室(2)の周囲の継ぎ手部(13)(25)、フィン(31)の頂点と膨出部(23)の天井壁(28)、フィン(31)の頂点との底壁(14)、冷媒室(2)の外面とブレージングシート(4)のろう材層(4b)、絶縁基板(3)の熱伝導層(3b)とブレージングシート(4b)のろう材層(4b)である。
上述のように組み立てた仮組体において、ろう付される箇所は、冷媒室(2)の周囲の継ぎ手部(13)(25)、フィン(31)の頂点と膨出部(23)の天井壁(28)、フィン(31)の頂点との底壁(14)、冷媒室(2)の外面とブレージングシート(4)のろう材層(4b)、絶縁基板(3)の熱伝導層(3b)とブレージングシート(4b)のろう材層(4b)である。
ろう付加熱は不活性ガス雰囲気中で行う。ろう付炉内において、上記のろう付箇所のうち、膨出部(23)の外面、絶縁基板(3)、ブレージングシート(4)は露出しているので不活性ガスとの置換が速やかに行われるが、冷媒室(2)の内部は2つの小さい円形孔(26)(27)を介して不活性ガスに置換されるので、内部の大気が不活性ガスに置換されるまで時間がかかるという状況がある。また、継ぎ手部(13)(25)は、外周側は不活性ガスに接触しているが、冷媒室(2)に臨む内周側は不活性ガスと接触しにくい部分である。冷媒室(2)内の不活性ガスへの置換が不十分な状態でろう材が溶融すると、冷媒室(2)の内面とフィン(31)、あるいはさらに継ぎ手部(13)(25)の冷媒室(2)に臨む部分がろう付不良となる。
本発明においては、不活性ガスへの置換に時間を要する冷媒室(2)の内面および不活性ガスと接触しにくい継ぎ手部(13)(25)に対し、仮組み前の部材に特定の方法でフラックスを付与しておき、大気が残っている状態でろう付温度に達した場合においてもフラックスの効果によって確実に良好なろう付を達成できるようにする。一方、露出するろう付箇所は速やかに不活性ガスに置換されるので、フラックスを付与しなくても良好なろう付が達成される。このように、不活性ガスに置換されにくい部分に選択的にフラックスを付与することにより、フラックスの使用量を低減しつつ、良好なろう付を達成することができる。
フラックスの付与は、部材の所要部分にフラックス粒子を低温で噴射し、フラックス粒子を高速で衝突させ、表面に機械的に付着させることにより行う。機械的付着とは、バインダーを介さずフラックス粒子が部材に直接付着している状態である。以下の説明において、かかるフラックスの付着方法をコールドスプレーと略称する。
コールドスプレーは、例えば噴射装置のノズルからフラックス粒子をキャリアガスによって高速で噴射し、部材の表面にフラックス等の粒子を衝突させて付着させる。部材に衝突したフラックス粒子は衝撃によって扁平に変形した状態で機械的に付着し、少ない付着量でも均一なフラックス付着層が形成される。噴射用材料における粒子は球状または付着した粒子よりも球状に近い形状であるが、扁平に変形して付着することで球状のままで付着するよりも広い面積を覆うことができる。その結果、均一なフラックス付着層が形成され、ひいてはろう付部に対してフラックスを均一に供給することができる。しかも、フラックス液を塗布して付着させるよりもフラックス粒子の付着力が強く脱落量も少ないので、脱落フラックスによるろう付環境の汚染も少ない。また、コールドスプレーでは、部材と噴射装置のノズルとを相対的に移動させることにより、所望の部分にフラックスを付着させることができる。
フラックスの種類は、非腐食性のフッ化物系フラックスを用いる。具体的にはAlF3、KF、KAlF4、K2AlF5、K3AlF6、ZnF2、KZnF3、LiF、BiF3、CsFを例示できる。これらのフラックスは1種を単独で使用することも、複数種を混合して使用することもできる。
前記フラックスは、必ずしも冷媒室(2)の内面を形成する部分および継ぎ手部(13)(25)の全域に付着させる必要はなく、冷媒室(2)の内面を形成する部分の少なくとも一部および継ぎ手部(13)(25)の少なくとも一部に付着させれば良い。ろう付加熱によってフラックスが気化すると、未付着部分にもフラックスが供給されて酸化皮膜の成長を抑えるからである。また、気化したフラックスは雰囲気中の酸素や水分と反応してろう付雰囲気を改善する効果がある。従って、2つの部材(10)(20)のうちの一方の部材にのみフラックスを付着させた場合や、一方の部材のさらのその一部にフラックスを付着させた場合も本発明に含まれる。
また、冷媒室(2)の周囲の継ぎ手部(13)(25)の外周側は不活性ガスに接触しているが、冷媒室(2)に臨む内周側は冷媒室(2)内と同じく不活性ガスに接触しにくい部分である。このため、継ぎ手部(13)(25)の良好なろう付性を確実なものとするために、継ぎ手部(13)(25)に対してもフラックスを付着させる。
従って、本発明は、2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分の少なくとも一部および冷媒室の周囲のろう付部の少なくとも一部にフラックスを付着させることが必須の条件となる。
冷媒室(2)の内面において、フラックスを部分的に付着させる場合は、円形孔(26)(27)から遠い部分に付着させることが好ましい。円形孔(26)(27)、即ち冷媒室(2)の開口部に近い部分は早期に不活性ガスに置換されるので、フラックスなしでも良好なろう付が達成される部分であるからである。また、開口部近傍に付着させたフラックスは、早期に開口部から冷媒室(2)外に抜ける可能性が高く、冷媒室(2)内のろう付性向上効果への寄与が少ないからである。従って、より少ないフラックス量で冷媒室(2)内のろう付性を良好にするには、開口部から遠い領域に優先的にフラックスを付着させることが好ましい。
図4は、本実施形態の熱交換器(1)の模式的平面図である。熱交換器(1)は冷媒室(2)の1つの側壁(24)のみに円形孔(26)(27)が設けられているので、網点で示した領域が開口部から遠い領域(A1)であり、斜線で示した領域が開口部に近い領域(A2)である。上述したようにフラックスを部分的に付着させる場合、開口部から遠い(A1)を付着領域とし、開口部に近い(A2)を未付着領域とすることが好ましい。前記付着領域(A1)の面積は、冷媒室(2)の内表面と冷媒室(2)の周囲の継ぎ手部(13)(25)との合計面積の10~50%の範囲に設定することが好ましい。即ち、第1部材(10)の継ぎ手部(13)および底壁(14)、第2部材(20)の膨出部(23)の天井壁(28)と4つの側壁(24)(円形孔を除く)および継ぎ手(25)の合計面積の10~50%の範囲に設定することが好ましい。前記付着領域(A1)の面積率が10%未満ではフラックス量が不足するおそれがあり、50%を超えるとフラックス量の削減量が少なくなる。従って、上記面積率は、冷媒室(2)内の良好なろう付性とフラックス量の削減が両立する範囲である。付着領域(A1)の特に好ましい面積率は20~40%である。
なお、前記付着領域(A1)と未付着領域(A2)は開口部の位置によって決まるので、図4は前記付着領域(A1)の位置を限定するものではない。また、開口部に位置によっては付着領域(A1)または未付着領域(A2)が複数箇所に分断されることもある。例えば、1つの側壁とこの側壁に対向する側壁に開口部を設けた場合は、両側壁に近い2カ所が開口部に近い領域であり、これらの領域の間が開口部から遠い領域となる。
フラックスの好ましい付着量は、冷媒室(2)の内表面とその周囲の継ぎ手部(13)(25)との合計面積1m2に対し、0.005~1gの範囲が好ましい。付着量が0.005g/m2未満ではフラックスが不足するおそれがあり、1g/m2を付着させれば十分に良好なろう付性を達成できるので1g/m2を超える増量はフラックス使用量の削減に反する。特に好ましいフラックス付着量は0.05~0.8g/m2である。
なお、本実施形態の熱交換器(1)の第1部材(10)および第2部材(20)は、冷媒室(2)を除く全ての部分が継ぎ手部(13)(25)を構成しているので、フラックス付着量を規定するための基準となる上記合計面積は第1部材(10)および第2部材(20)の対向面(ろう材側の面)の総表面積に等しい。しかし、本発明は、熱交換器の形状を冷媒室を除く全ての部分が継ぎ手部であるものに限定するものではない。冷媒室形成のためのろう付に関与しない部分を有する部材に対しては、その部分の面積を上記基準面積から差し引いてフラックス付着量の好適量を設定する。また、上記基準面積は、フラックスの付着領域(A1)の面積率の設定にも用いる。
[コールドスプレーの好適条件]
フラックス粒子を噴射装置にスムーズに供給し、均一な噴射を行ってフラックスを均一に付着させるには粒子の流動性が良好であることが好ましい。具体的には、粒子同士が離れていて塊になっていない状態であることが好ましい。アルミニウムのろう付に用いるフラックスは一般に吸湿性の高いものであり、含水量が多い場合は塊になりやすい。このため、フラックスの粒子を十分に乾燥させて粒子がばらばらに離れている状態にしておくことが好ましい。フラックス粒子がばらばらに離れていることでフラックス粒子を噴射装置に均一に供給でき、粒子が均一に噴射されてフラックスを均一に付着させることができる。具体的には、含水量が2%以下の状態、特に好ましくは1%以下の状態で噴射装置に供給することが好ましい。
フラックス粒子を噴射装置にスムーズに供給し、均一な噴射を行ってフラックスを均一に付着させるには粒子の流動性が良好であることが好ましい。具体的には、粒子同士が離れていて塊になっていない状態であることが好ましい。アルミニウムのろう付に用いるフラックスは一般に吸湿性の高いものであり、含水量が多い場合は塊になりやすい。このため、フラックスの粒子を十分に乾燥させて粒子がばらばらに離れている状態にしておくことが好ましい。フラックス粒子がばらばらに離れていることでフラックス粒子を噴射装置に均一に供給でき、粒子が均一に噴射されてフラックスを均一に付着させることができる。具体的には、含水量が2%以下の状態、特に好ましくは1%以下の状態で噴射装置に供給することが好ましい。
また、フラックス粒子は、その粒子の平均粒径が40μm以下のものを用いることが好ましい。粒径が大きすぎると部材の表面に付着しにくくなって付着効率が低下するおそれがある。噴射用フラックス粒子の下限値は限定されないが、小さくなり過ぎると粒子の慣性力が小さくなり、部材近くで流速が遅くなって付着効率が低下するおそれがあるため、3μm以上が好ましい。フラックス粒子の特に好ましい平均直径は3~25μmである。
噴射温度は、フラックス粒子の変形および付着効率に影響を及ぼす因子である。噴射温度が高すぎるとフラックスが変成してフラックスとしての機能が低下するおそれがあるため、フラックスの融点より30℃以上低い温度で噴射することが好ましく、50℃以上低い温度で噴射することが好ましい。噴射温度の下限値は限定されないが、常温(25℃)程度であれば付着させることができる。但し、温度が低すぎるとフラックス粒子が十分に軟化せず、付着効率が低下するのでフラックスの融点との温度差が150℃以内であることが好ましい。即ち、好ましい噴射温度はフラックスの融点よりも30~150℃低い温度であり、特に好ましい噴射温度はフラックスの融点よりも50~150℃低い温度である。なお、前記噴射温度とは、射時の粒子温度である。
また、粒子が部材の表面に衝突する速度は粒子の付着性に影響する因子であり、表面への平均衝突速度を100m/sec以上とすることが好ましい。平均衝突速度が100m/sec未満では、付着せずに脱落する粒子が多くなって付着効率が悪く不経済である。一方、平均衝突速度が速くなりすぎると、平均衝突速度が速すぎて衝突時の衝撃で部材が変形するおそれがあるので500m/sec以下が好ましい。特に好ましい平均衝突速度は150~450m/secである。
前記フラックス粒子を高速噴射するためのキャリアガスの種類は限定されないが、空気、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等を例示できる。噴射用材料を酸化させないために、特に窒素ガスやアルゴンガス等の非酸化性雰囲気下で噴射することが好ましい。
[ろう付雰囲気]
所要部分にフラックスを付着させた第1部材(10)および第2部材(20)は、フィン(31)、絶縁基板(3)およびブレージングシート(4)とともに仮組みし、仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付する。本発明における不活性ガス雰囲気とは、ガスの種類:窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、露点-40℃以下、酸素濃度100ppm以下である。また、ろう付時の加熱温度は580~620℃が好ましい。
所要部分にフラックスを付着させた第1部材(10)および第2部材(20)は、フィン(31)、絶縁基板(3)およびブレージングシート(4)とともに仮組みし、仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付する。本発明における不活性ガス雰囲気とは、ガスの種類:窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、露点-40℃以下、酸素濃度100ppm以下である。また、ろう付時の加熱温度は580~620℃が好ましい。
また、前記出入口用のジョイント(32)(33)は熱交換器とともに一括ろう付することもできる。出入口用のジョイント(32)(33)のろう付には、第2部材(20)のろう材(22)を用いるか、あるいはリング状ろう材を別途供給すれば良い。
なお、本実施形態においては、熱交換器の仮組体に絶縁基板(3)およびブレージングシート(4)を組み合わせてこれらを一括ろう付しているが、本発明は熱交換器(1)の外面におけるろう付は必須要件ではない。また、外面にろう付する部材の種類を限定するものでもない。
[熱交換器の他の形状]
本発明の熱交換器の形状は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明の熱交換器の形状は上記実施形態に限定されるものではない。
冷媒室は、一方の部材の膨出部をフラットな他方の部材で閉じたものに限定されず、2つの部材の両方に形成された膨出部を合わせたものであっても良い。また、複数の膨出部を有する部材を用いて複数の冷媒室を形成したものであっても良い。また、冷媒室の形状も何ら限定されない。
また、2つの部材は一体化されていても良い。例えば、1つの部材に膨出部とその膨出部を閉塞させる部分を有し、折り曲げによって冷媒室を形成するものも本発明に含まれる。
さらに、開口部の位置も限定されず、冷媒室の周囲の継ぎ手部に開口部を設けても良い。
[各部材の材料]
本発明の熱交換器において、構成部材の材料はアルミニウムまたはその合金である限り限定されず、周知のものを適宜使用できる。第1部材および第2部材の材料として、JIS 1000系のアルミニウム合金、微量のCu、Mnを添加したアルミニウム合金、JIS 3003等の3000系のアルミニウム合金を推奨できる。また、フィン材料としてはJIS 3203アルミニウム合金を推奨できる。また、ろう材としてJIS 4343等のAl-Si系合金を例示できる。
本発明の熱交換器において、構成部材の材料はアルミニウムまたはその合金である限り限定されず、周知のものを適宜使用できる。第1部材および第2部材の材料として、JIS 1000系のアルミニウム合金、微量のCu、Mnを添加したアルミニウム合金、JIS 3003等の3000系のアルミニウム合金を推奨できる。また、フィン材料としてはJIS 3203アルミニウム合金を推奨できる。また、ろう材としてJIS 4343等のAl-Si系合金を例示できる。
また、上記の実施形態においては、第1部材および第2部材の材料として片面ブレージングシートを使用しているが、ろう材の付与形態もこれらに限定されない。例えば、第1部材または第2部材としてベア材を用い、ブレージングシートによるフィンで冷媒室内部にろう付し、継ぎ手部には別途ろう材を供給しても良い。また、第1部材および第2部材のいずれか一方のみにろう材を付与し、フィンを片側のみでろう付しても良い。発熱体を装着する側の部材にフィンが接合されていれば速やかに熱交換が行われて発熱体を冷却できるからである。また、第1部材および第2部材のうち、発熱体を装着する側の部材として両面ブレージングシートを用い、内側のろう材でフィンをろう付し、外側のろう材で絶縁基板をろう付することもできる。
さらにブレージングシートを用いることにも限定されない。例えば、コールドスプレーによって粉末のフラックスを付着させる場合も本発明に含まれる。
また、絶縁基板等の外部配置部材をろう付するためのろう材も限定されず、単層のろう材で外部配置部材を熱交換器にろう付することもできる。
図1~3に示す熱交換器(1)を製作し、熱交換器(1)のろう付と同時に冷媒室(2)の外面にブレージングシート(4)によって絶縁基板(3)をろう付した。
熱交換器(1)を構成する第1部材(10)、第2部材(20)、フィン(31)、絶縁基板(3)、ブレージングシート(4)を構成する材料を表1に示す。各実施例および比較例において、各部材の材料および形状は共通であり、第1部材(10)および第2部材(20)へのフラックスの付着方法、付着領域、付着量が異なる。また、全ての実施例および比較例において、熱交換器(1)の外面となる第1部材(10)および第2部材(20)の心材(11)(21)の面にはフラックスを付着しない。
[実施例1~3]
フラックスは平均粒径が8μmのKFとAlF3の共晶組成物であり、含水量が1%となるように乾燥させてコールドスプレーにより付着させた。
フラックスは平均粒径が8μmのKFとAlF3の共晶組成物であり、含水量が1%となるように乾燥させてコールドスプレーにより付着させた。
噴射装置のノズルは口径5mmのものを用い、第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)の面とノズルとの距離を10mmに設定し、ノズルからフラックス粒子を窒素ガスととも高速で噴射し、フラックス粒子をろう材(12)(22)の面に200m/secの速度で衝突させて付着させた。また、第1部材(10)および第2部材(20)を固定し、ノズルを6m/分の送り速度で移動させながら、第1部材(10)および第2部材(20)の所要領域にフラックスを付着させた。また、フラックス付着量は、フラックス粒子のノズルへの送り量によって調節するものとした。
上記の方法により、第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面の全域にフラックスを付着させた。また、実施例1~3はフラックス付着量のみが異なる。各例のフラックス付着量を表2に示す。
[実施例4~7]
実施例4~7は、図4に参照されるように、第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面において、開口部(26)(27)から遠い領域(A1)または開口部(26)(27)に近い領域(A2)のいずれかの領域にのみフラックスを付着させた。付着面積率はいずれも50%とした。その他の付着条件は実施例1~3と同じである。
実施例4~7は、図4に参照されるように、第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面において、開口部(26)(27)から遠い領域(A1)または開口部(26)(27)に近い領域(A2)のいずれかの領域にのみフラックスを付着させた。付着面積率はいずれも50%とした。その他の付着条件は実施例1~3と同じである。
表2に示すフラックス付着量のうち、上段は基準面積1m2あたりの付着量に換算した付着量であり、下段の()内は付着領域における付着量である。
[比較例11~14]
実施例と同じフラックスを水に溶かしたフラックス液を第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面の全域に塗布し乾燥させた。比較例11~14はフラックス付着量のみが異なる。各例のフラックス付着量を表2に示す。
実施例と同じフラックスを水に溶かしたフラックス液を第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面の全域に塗布し乾燥させた。比較例11~14はフラックス付着量のみが異なる。各例のフラックス付着量を表2に示す。
[比較例15]
第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面にフラックスを付着させなかった。
第1部材(10)および第2部材(20)のろう材(12)(22)側の面にフラックスを付着させなかった。
上記各例の第1部材(10)および第2部材(20)を、フィン(31)、絶縁基板(3)、ブレージングシート(4)とともに組み立てた。この仮組体を、露点-40℃、酸素濃度100ppmの窒素ガス雰囲気中で600℃で10分間加熱してろう付した。
そして、ろう付品の冷媒室(2)の内部および外部におけるろう性を下記の基準で評価した。さらに、ろう付品およびろう付炉内およびろう付治具のろう付環境の汚染状態を下記の基準で評価した。
(内部のろう付性)
冷媒室(2)の内面とフィン(31)とのろう付状態、継ぎ手部(13)(25)のろう付状態により評価した。
冷媒室(2)の内面とフィン(31)とのろう付状態、継ぎ手部(13)(25)のろう付状態により評価した。
○:フィンおよび継ぎ手部のいずれにもろう切れが無く良好にろう付されていた
△:一部にろう切れがあった
×:フィンをろう付できなかった
(外部のろう付性)
冷媒室(2)の外面と絶縁基板(3)とのろう付状態により評価した。
△:一部にろう切れがあった
×:フィンをろう付できなかった
(外部のろう付性)
冷媒室(2)の外面と絶縁基板(3)とのろう付状態により評価した。
○:ろう切れが無く良好にろう付されていた
(ろう付品・ろう付環境の汚染)
○:フラックスの脱落が認められず、ろう付品・ろう付環境の汚染はなかった
△:少量のフラックスの脱落が認められた
×:フラックスの脱落が多く認められた
(ろう付品・ろう付環境の汚染)
○:フラックスの脱落が認められず、ろう付品・ろう付環境の汚染はなかった
△:少量のフラックスの脱落が認められた
×:フラックスの脱落が多く認められた
表2より、半密閉型の冷媒室の内部のろう付において、フラックスをコールドスプレーによって付着させることにより、フラックスの脱落を防いでろう付品やろう付環境を汚染することなく、良好なろう付を達成できることを確認した。さらに、冷媒室内において開口部から遠い領域にのみフラックスを付着させることで、より少ないフラックス量で良好なろう付を達成できることも確認した。
さらに、冷媒室の外面における絶縁基板をのろう付状態により、不活性ガスが十分に接触していればフラックスなしで良好にろう付できることも確認した。
本願は、2009年6月18日に出願された日本国特許出願の特願2009-145722号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容はそのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、電子素子の冷却等に用いられる半密閉型の熱交換器の製造に利用できる。
1…熱交換器
2…冷媒室
3…絶縁基板
4…ブレージングシート
10…第1部材
20…第2部材
11、21…心材
12、22…ろう材
13、25…継ぎ手部(冷媒室の周囲のろう付部)
23…膨出部
26、27…円形孔(開口部)
31…フィン
A1…フラックス付着領域
A2…フラックス未付着領域
2…冷媒室
3…絶縁基板
4…ブレージングシート
10…第1部材
20…第2部材
11、21…心材
12、22…ろう材
13、25…継ぎ手部(冷媒室の周囲のろう付部)
23…膨出部
26、27…円形孔(開口部)
31…フィン
A1…フラックス付着領域
A2…フラックス未付着領域
Claims (7)
- 2つの部材のうちの少なくとも一方の部材が膨出部を有し、この一方の部材を膨出部内にフィンを配置した状態で他の部材と対向配置し、前記膨出部の周囲を他方の部材とろう付することによって、冷媒入出用の開口部を有する半密閉型の冷媒室を形成するとともに冷媒室内にフィンをろう付する熱交換器のろう付方法であって、
前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分の少なくとも一部および冷媒室の周囲のろう付部の少なくとも一部に、フッ化物系フラックス粒子を噴射し、高速で衝突させて該フラックス粒子を機械的に付着させ、
前記2つの部材とフィンとを組み立てて冷媒室内にフィンが配置された仮組体とし、
前記仮組体を不活性ガス雰囲気中で加熱してろう付することを特徴とする熱交換器のろう付方法。 - 前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室を形成する部分および冷媒室の周囲のろう付部の全域にフラックスを付着させる請求項1に記載の熱交換器のろう付方法。
- 前記2つの部材の対向面の両面または片面において、冷媒室の開口部から遠い領域にのみフラックスを付着させる請求項1に記載の熱交換器のろう付方法。
- 前記フラックス付着領域の面積は、冷媒室の内表面と冷媒室の周囲のろう付部との合計面積の10~50%である請求項3に記載の熱交換器のろう付方法。
- フラックス付着量が、冷媒室の内表面と冷媒室の周囲のろう付部との合計面積1m2あたり0.005~1gである請求項1~4のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
- 噴射に用いるフラックス粒子の平均粒径が40μm以下である請求項1~5のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
- 噴射に用いるフラックス粒子の水分量が2%以下である請求項1~6のいずれかに記載の熱交換器のろう付方法。
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