WO2010089949A1

WO2010089949A1 - 移動通信システム、基地局装置、通信制御方法及び通信制御プログラム

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Publication number: WO2010089949A1
Application number: PCT/JP2010/000085
Authority: WO
Inventors: 直江宏一; 新本真史
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2009-02-03
Filing date: 2010-01-08
Publication date: 2010-08-12

Abstract

　移動通信システムにおいて、移動装置群情報記憶部は、移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する。移動装置群管理部は、前記移動装置群記憶部が記憶する移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する。

Description

移動通信システム、基地局装置、通信制御方法及び通信制御プログラム

　本発明は、移動通信システム、基地局装置、通信制御方法及び通信制御プログラムに関する。
　本願は、２００９年０２月０３日に、日本に出願された特願２００９－０２２６８０号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　次世代の移動体通信システムとして３ＧＰＰ（Ｔｈｅ　３ｒｄ　Ｇｅｎｅｒａｔｉｏｎ　Ｐａｒｔｎｅｒｓｈｉｐ　Ｐｒｏｊｅｃｔ：第３世代パートナシッププロジェクト）で標準化されているＥＰＳ（Ｅｖｏｌｖｅｄ　ＰａｃｋｅｔＳｙｓｔｅｍ）では、移動端末装置（ＵＥ：Ｕｓｅｒ　Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ）各々にコアネットワークおよび無線アクセスネットワークＥ－ＵＴＲＡＮ（Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ　Ｒａｄｉｏ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｎｅｔｗｏｒｋ：３Ｇネットワークの進化）内で通信データを送受信するための論理データパス（ＥＰＳベアラと呼ばれる）が１つ又は２以上確立される（非特許文献１）。

　コアネットワークと外部パケットネットワークであるＰＤＮ（Ｐａｃｋｅｔ　Ｄａｔａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ：パケットデータネットワーク）は相互接続され、ＰＤＮから移動端末装置宛に送信されたパケットは、ＥＰＳベアラを用いて移動端末装置が接続する基地局装置（ＥＮＢ：ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｎｏｄｅ　Ｂ）まで転送され、基地局装置の無線インターフェイスを介して移動端末装置に届けられる。

　非特許文献２には、移動端末装置が移動に伴って、Ｅ－ＵＴＲＡＮ内で接続先の基地局装置を切り替えるハンドオーバ手順が記載されている。非特許文献２記載のハンドオーバ手順では、まず、定期的に移動端末装置が電波の受信品質を測定して基地局装置に報告し、基地局装置がその報告に基づいて最適とされるタイミングでネットワーク主導のハンドオーバ指示を移動端末装置に送信し、ハンドオーバ指示を受けた移動端末装置が移動先の基地局装置に接続をする。そして、移動端末装置が移動先の基地局装置との無線リンクを確立した後、移動端末装置宛のパケットが移動先の基地局装置に転送されるように移動先の基地局装置が当該移動端末装置のＥＰＳベアラを更新する。さらには、移動端末装置が移動元の基地局装置との無線リンクを切断する前に、事前手続きとして、移動端末装置毎に移動元の基地局装置と移動先の基地局装置間でのデータフォワーディング設定や移動先の基地局装置での無線リソース割り当てなどを行う必要がある。

　一方、非特許文献３によれば、Ｅ－ＵＴＲＡ（Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ　Ｒａｄｉｏ　Ａｃｃｅｓｓ：３Ｇの進化）／Ｅ―ＵＴＲＡＮの発展形として検討されているＬＴＥ（Ｌｏｎｇ　Ｔｅｒｍ　Ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ：３ＧＰＰの発展系）―Ａｄｖａｎｃｅｄでは、無線キャパシティとカバレッジエリアを効率的かつ効果的に改善する方法としてリレー装置（中継装置、ＲＳ：Ｒｅｌａｙ　Ｓｔａｔｉｏｎ）の利用シナリオが検討されている。

　リレー装置は、基地局装置と移動端末装置の間に設置され、マイクロセルを構築するとともに、当該マイクロセル内の移動端末装置と基地局装置間で無線送受信される通信データを中継する。リレー装置と基地局装置間は無線接続されるため、リレー装置の導入によってカバレッジエリアの拡大や、キャパシティ改善によるスループット向上が期待できる。また、移動通信サービス事業者の観点からも、新しい無線アクセスシステムを導入する際に広いカバレッジエリアを確保しつつ基地局装置設置コストが抑えられるため、効率的にサービス提供できる方法として考えられている。

　一般的に、リレー装置はその導入メリットから、基地局装置のように特定の場所に固定ノードとして設置されることが想定されている。しかし、それに限らず、リレー装置が移動端末装置に比べてより高い電力で送信できる点、受信感度の高いアンテナを搭載できる点、また、移動端末装置とリレー装置間は比較的安定した伝搬路が確保できるといった点などに注目し、高速移動する車両等にリレー装置を設置し（移動中継装置：以下、移動リレー装置という）、移動リレー装置が、車両内の移動端末装置と固定基地局装置間のリレーを行うことも想定されている。

　また、特許文献１には、ＰＨＳ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｈａｎｄｙ－ｐｈｏｎｅ　Ｓｙｓｔｅｍ）などのマイクロセル方式を採用した移動通信システムにおける移動リレー装置およびそのハンドオーバ手順が記載されている。特許文献１によれば、高速移動体上に設置された移動リレー装置が固定基地局装置１のセルから固定基地局装置２のセルへ移動する場合、移動リレー装置では、固定基地局装置１からの電波の受信品質が次第に低下する。そのため、高速移動体内の移動端末装置は、移動リレー装置との無線通信インターフェイス上での信号の受信がなくなるか、又は電波の受信品質が非常に弱くなったことを検知する。そして、移動端末装置が、固定基地局装置間ハンドオーバと周知の処理を行い、結果として移動リレー装置は固定基地局装置２との中継を開始する。

　また、公知の移動リレー装置のハンドオーバ手順の制約として、移動リレー装置が複数の基地局装置に同時接続できない場合には、移動リレー装置に接続された全ての移動端末装置が、ハンドオーバの事前手続きを完了しない限り、移動リレー装置は、接続先の基地局装置を切り替えることができないという制約がある。

ＴＳ　２３．４０１　Ｇｅｎｅｒａｌ　Ｐａｃｋｅｔ　Ｒａｄｉｏ　Ｓｅｒｖｉｃｅ（ＧＰＲＳ）　ｅｎｈａｎｃｅｍｅｎｔｓ　ｆｏｒ　Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ　Ｒａｄｉｏ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｎｅｔｗｏｒｋ（Ｅ－ＵＴＲＡＮ）　ａｃｃｅｓｓＴＳ　３６．３００　Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ　Ｒａｄｉｏ　Ａｃｃｅｓｓ（Ｅ－ＵＴＲＡ）　ａｎｄ　Ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｔｅｒｒｅｓｔｒｉａｌ　Ｒａｄｉｏ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　（Ｅ－ＵＴＲＡＮ）；Ｏｖｅｒａｌｌ　ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ３ＧＰＰ，ＲＡＮ１－ＷＧ　寄書　Ｒ１－０８２９７５，"Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｃｅｎａｒｉｏｓ　ｆｏｒ　ＬＴＥ－Ａｄｖａｎｃｅｄ　Ｒｅｌａｙ"

特開平９－８４１２６号公報

　ところで、非特許文献３では、ＥＰＳにおいて移動リレー装置のハンドオーバを実現するための具体的な技術解決手段は何ら示されていないが、仮に、非特許文献１および非特許文献２で規定されるＥＰＳにおける移動端末装置のハンドオーバ手続きを、移動リレー装置にもそのまま適用する場合を想定すると、以下に述べる課題が生じる。
　まず、移動リレー装置が移動して接続先の基地局装置を切り替えるハンドオーバを行うに伴って、その移動リレー装置に接続された移動端末装置も接続先の基地局装置を切り替える必要がある。このとき、ＥＰＳベアラは移動端末装置各々に１つ又は２以上設定されているため、ハンドオーバを行う移動リレー装置に接続された全ての移動端末装置各々について、移動先の基地局装置が設定されたＥＰＳベアラを更新する処理を行う。この処理は、個々の移動端末装置毎に行われるため、移動通信システムの装置にかかる処理負荷を急増させるという欠点がある。
　また、非特許文献２記載の技術によるハンドオーバ手順では、移動端末装置がハンドオーバ元の基地局装置との無線リンクを切断する前に、ハンドオーバ先の基地局装置が移動端末装置への無線リソースの割り当て処理を行い、また、ハンドオーバ元の基地局装置がハンドオーバ先の基地局装置にその移動端末装置宛のデータを転送するデータフォワーディング設定処理を行う。この処理も、個々の移動端末装置毎に行われるため、移動通信システムの装置にかかる処理負荷を急増させるという欠点がある。

　また、上述した公知のハンドオーバ手順では、移動リレー装置は、全ての移動端末装置のハンドオーバの事前手続きの完了を待たなければならないため、移動リレー装置のハンドオーバが遅延するという欠点があった。さらに、移動リレー装置のハンドオーバが遅延することによって、本来最適とされるタイミングでのハンドオーバを実行することができず、結果として無線リンク品質の劣化によるパケットロスなどが発生し、移動リレー装置に接続している移動端末装置のサービス品質が低下するという欠点があった。
　このように、従来の技術では、ハンドオーバ等による位置情報の変更時に、移動通信システムの処理負荷が増大するという欠点、及び位置情報の変更処理が遅延するという欠点があった。

　本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動中継装置を用いた移動通信システムにおいて、ハンドオーバ等による位置情報の変更時に、移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、位置情報の変更処理の遅延を防止することができる移動通信システム、基地局装置、通信制御方法及び通信制御プログラムを提供することにある。

　（１）本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、基地局装置、移動端末装置、前記基地局装置と前記移動端末装置との通信を中継する移動中継装置、及び前記移動端末装置と前記移動中継装置についての位置を示す位置情報を管理するアクセス制御装置を具備する移動通信システムにおいて、前記基地局装置は、前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する移動装置群情報記憶部と、前記移動装置群記憶部が記憶する移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する移動装置群管理部と、を備えることを特徴とする移動通信システムである。
　上記構成によると、前記移動通信システムは、前記基地局装置が前記移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示するので、移動端末装置及び移動中継局装置各々が個別に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、前記移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、位置情報の変更処理の遅延を防止することができる。

　（２）また、本発明は、上記の移動通信システムにおいて、前記移動装置群管理部は、前記移動中継装置が接続先の前記基地局装置を変更するハンドオーバに伴い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するときは、前記ハンドオーバを行う移動中継装置が属する移動装置群の移動装置群情報に基づき、該移動装置群に属する装置各々の位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に一括して指示することを特徴とする。
　上記構成によると、前記移動通信システムは、前記基地局装置が、前記移動中継装置が接続先の基地局装置を変更するハンドオーバに伴い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するときは、前記ハンドオーバを行う移動中継装置が属する移動装置群の移動装置群情報に基づき、該移動装置群に属する装置各々の位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に一括して指示するので、移動端末装置及び移動中継局装置各々が個別にハンドオーバ処理を行う場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、前記移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、ハンドオーバ処理の遅延を防止することができる。また、ハンドオーバ処理の遅延を防止することにより、通信品質の劣化を防止することができる。

　（３）また、本発明は、上記の移動通信システムにおいて、前記アクセス制御装置は、１つ或いは２つ以上の前記基地局装置各々に割り当てられた位置領域を識別する位置領域識別子又は前記移動中継装置各々に個別に割り当てられた位置領域識別子、と対応付けて、前記基地局装置のネットワーク上で当該装置を一意に識別するアドレスを、前記位置情報として記憶する位置領域情報記憶部と、前記移動端末装置を識別する移動端末識別子と対応付けて、前記移動端末装置の通信を中継する前記移動中継装置に割り当てられた前記位置領域識別子を記憶する移動端末情報記憶部と、を備え、前記移動装置群管理部は、前記位置領域情報記憶部が記憶するアドレスの登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示することを特徴とする。

　（４）また、本発明は、上記の移動通信システムにおいて、前記アクセス制御装置は、１つ又は２つ以上の前記基地局装置各々に割り当てられた位置領域を識別する位置領域識別子と対応付けて、前記基地局装置のネットワーク上で当該装置を一意に識別するアドレスを記憶する位置領域情報記憶部と、前記移動端末装置を識別する移動端末識別子と対応付けて、前記移動端末装置の通信を行う前記基地局装置に割り当てられた位置領域識別子を、前記位置情報として記憶する移動端末情報記憶部と、を備え、前記移動装置群管理部は、前記移動端末情報記憶部が記憶する位置領域識別子の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示することを特徴とする。

　（５）また、本発明は、前記移動通信システムは、前記移動端末装置と外部ネットワーク間の通信について、前記移動端末装置の位置情報に基づいて論理通信経路を設定し、前記論理通信経路の管理情報を管理し、前記移動端末装置は、前記管理情報に基づいて設定された前記論理通信経路を介して前記外部ネットワークとの通信を行い、前記移動装置群管理部は、前記移動中継装置が接続先の基地局装置を変更するハンドオーバを行い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するときは、該移動装置群に属する装置各々の前記論理通信経路の管理情報の登録又は更新を、一括して指示することを特徴とする。
　上記構成によると、前記移動通信システムは、前記移動中継装置が接続先の基地局装置を変更するハンドオーバを行い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するとき、該移動装置群に属する装置各々の前記論理通信経路の管理情報の登録又は更新を、一括して指示するので、移動端末装置及び移動中継局装置各々が個別に管理情報の登録又は更新を指示する場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、前記移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、論理通信経路の変更処理の遅延を防止することができる。

　（６）また、本発明は、上記の移動通信システムにおいて、前記移動通信システムは、複数の前記アクセス制御装置を具備し、前記アクセス制御装置は、１つの前記移動装置群に属する前記移動中継装置と前記移動端末装置との前記位置情報を、１つのアクセス制御装置で管理する移動装置群情報配置管理部を備えることを特徴とする。
　上記構成によると、前記移動通信システムは、前記位置情報を、１つのアクセス制御装置で管理するので、位置情報の登録及び更新において、複数のアクセス制御装置と通信又は処理を行うことなく位置情報の登録及び更新を指示することができ、前記移動通信システムの処理負荷を軽減することができる。

　（７）また、本発明は、基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置において、前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する移動装置群情報記憶部と、前記移動装置群記憶部が記憶する移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する移動装置群管理部と、を備えることを特徴とする基地局装置である。

　（８）また、本発明は、基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置における通信制御方法おいて、前記基地局装置が、前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する過程を有することを特徴とする通信制御方法である。

　（９）また、本発明は、基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置のコンピュータを、前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する手段として機能させることを特徴とする通信制御プログラムである。

　本発明によれば、移動中継装置を用いた移動通信システムは、ハンドオーバ等による位置情報の変更時に、移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、位置情報の変更処理の遅延を防止することができる。

本発明の第１の実施形態に係る移動通信システムの全体像についての概略を説明する概略図である。本実施形態に係る移動端末装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動リレー装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセス制御装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセスゲートウェイ装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るゲートウェイ装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る接続処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係るアタッチ処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係るハンドオーバ処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係る移動装置群情報の一例を示す概略図である。本実施形態に係る移動装置群情報の別の一例を示す概略図である。本実施形態に係るベアラ情報の一例を示す概略図である。本発明の第２の実施形態に係る移動端末装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセス制御装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る接続処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係るハンドオーバ処理の動作を示すフロー図である。本発明の第３の実施形態に係る移動通信システムの全体像についての概略を説明する概略図である。本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ３の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動装置群加入ハンドオーバの動作を示すフロー図である。本発明の実施形態に係る移動端末装置情報の一例を示す概略図である。本発明の実施形態に係るトラッキングエリアＩＤ情報の一例を示す概略図である。

（第１の実施形態）
　以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図１は、本発明の第１の実施形態に係る移動通信システム１の全体像についての概略を説明する概略図である。　
　この図において、移動通信システム１は、移動端末装置（ＵＥ：Ｕｓｅｒ　Ｅｑｕｉｐｍｅｎｔ）Ａ１－１、Ａ１－２、移動リレー装置（ＲＳ：Ｒｅｌａｙ　Ｓｔａｔｉｏｎ）Ｂ１（移動中継装置）、無線アクセスネットワークＮ１、コアネットワークＮ２を含んで構成される。また、移動通信システム１は、パケットデータネットワーク（ＰＤＮ：Ｐａｃｋｅｔ　Ｄａｔａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）Ｎ３と通信可能である。

　また、無線アクセスネットワークＮ１は、基地局装置（ＥＮＢ：ｅｖｏｌｖｅｄ　Ｎｏｄｅ　Ｂ）Ｃ１－１、Ｃ１－２を含んで構成される。また、コアネットワークＮ２は、アクセス制御装置（ＭＭＥ：Ｍｏｂｉｌｉｔｙ　Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ　Ｅｎｔｉｔｙ）Ｄ１、アクセスゲートウェイ装置（Ｓ－ＧＷ）Ｅ１、ゲートウェイ装置（Ｐ－ＧＷ）Ｆ１を含んで構成される。

　図１は、移動リレー装置Ｂ１のマイクロセルｘ１内に移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２が在圏し、移動リレー装置Ｂ１と移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２とが無線接続されていることを示す。つまり、移動リレー装置Ｂ１と移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２とは、無線通信している又は無線通信可能であることを示している。また、この図は、移動リレー装置Ｂ１、移動端末装置Ａ１－１、及びＡ１－２が共に移動し、これらの装置が、基地局装置Ｃ１－１から基地局装置Ｃ１－２にハンドオーバする例を示している。なお、移動リレー装置Ｂ１と、移動リレー装置Ｂ１と無線通信をする移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２と、からなる集合を移動装置群Ｇ１という。

　また、図１は、移動リレー装置Ｂ１と基地局装置Ｃ１－１とが無線接続され、無線通信している又は無線通信可能であることを示している。また、この図は、基地局装置Ｃ１－１、基地局装置Ｃ１－２、アクセス制御装置Ｄ１、及びアクセスゲートウェイ装置Ｅ１が互いに通信可能であることを示す。

　アクセス制御装置Ｄ１は、シグナリング（呼制御）を行う装置であり、移動端末装置Ａ１－１、及びＡ１－２の位置情報の管理を行い、また、ページング（呼び出し）の管理を行う。アクセス制御装置Ｄ１は、その他、公知のアクセス制御管理を行う。
　アクセスゲートウェイ装置Ｅ１は、移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２が接続している基地局装置Ｃ１－１、又は基地局装置Ｃ１－２からのパケットを送受信する。なお、アクセスゲートウェイ装置Ｅ１は、移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２が移動する際のトラフィック切替を行うローカルモビリティアンカーとして機能する。
　ゲートウェイ装置Ｆ１は、インターネットやＩＭＳ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ　Ｐｒｏｔｏｃｏｌ　Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ　Ｓｕｂｓｙｓｔｅｍ）等の外部のパケットデータネットワークＮ３と接続される。ゲートウェイ装置Ｆ１は、コアネットワークＮ２において、パケットデータネットワークＮ３を接続するゲートウェイとして機能する。

　以下、移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２を移動端末装置ａ１、移動リレー装置Ｂ１を移動リレー装置ｂ１、基地局装置Ｃ１－１、Ｃ１－２を基地局装置ｃ１、アクセス制御装置Ｄ１をアクセス制御装置ｄ１、アクセスゲートウェイ装置Ｅ１をアクセスゲートウェイ装置ｅ１、及び、ゲートウェイ装置Ｆ１をゲートウェイ装置ｆ１、として各装置の構成について説明をする。

＜移動端末装置ａ１の構成について＞
　図２は、本実施形態に係る移動端末装置ａ１の構成を示す概略ブロック図である。移動端末装置ａ１は、アンテナａ１１、通信部ａ１２、受信データ制御部ａ１３、出力部ａ１４、入力部ａ１５、送信データ制御部ａ１６、及び制御部ａ１７を含んで構成される。
　また、通信部ａ１２は、無線通信ＩＦ（ＩｎｔｅｒＦａｃｅ：インターフェイス）部ａ１２１を含んで構成される。制御部ａ１７は、ＲＳ接続制御部ａ１７１及びアタッチ制御部ａ１７２を含んで構成される。なお、移動端末装置ａ１は、その他、移動端末装置の一般的な公知の機能を備える。

　通信部ａ１２の無線通信ＩＦ部ａ１２１は、アンテナａ１１を介し、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１と無線通信を行う。無線通信ＩＦ部ａ１２１は、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１から受信した受信信号を無線周波数の信号からベースバンドの信号にダウンコンバートし、次いでアナログ／ディジタル変換によりディジタル信号に変換した受信データを、受信データ制御部ａ１３に出力する。
　また、無線通信ＩＦ部ａ１２１は、送信データ制御部ａ１６から入力された送信データをディジタル／アナログ変換によりアナログ信号に変換し、無線周波数の信号にアップコンバートしてアンテナａ１１を介して移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１に送信する。

　受信データ制御部ａ１３は、無線通信ＩＦ部ａ１２１から入力された受信データのうち、通信の制御を行うための制御データを制御部ａ１７に出力し、制御データ以外の情報データを出力部ａ１４に出力する。
　出力部ａ１４は、画像を表示する液晶或いは有機ＥＬディスプレイ又はスピーカであり、受信データ制御部から入力された情報データに応じて、画像の表示や音の出力を行う。

　入力部ａ１５は、移動端末装置ａ１に設けられたボタン、マイク等の入力インターフェイスであり、ボタンの押下に応じて生成した情報データを送信データ制御部ａ１６に出力する。
　送信データ制御部ａ１６は、入力部ａ１５から入力された情報データ及び後述する制御部ａ１７から入力された制御データである送信データを、無線通信ＩＦ部ａ１２１に出力する。

　制御部ａ１７のＲＳ接続制御部ａ１７１は、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１からの電波の受信品質を測定し、接続をする移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１の検索を行う。ＲＳ接続制御部ａ１７１は、検索の結果、接続をする移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１に自装置を接続させるための移動端末接続要求データを生成して送信データ制御部ａ１６に出力する等、移動リレー装置ｂ１と無線通信をするための接続制御を行う。なお、ＲＳ接続制御部ａ１７１は、測定した電波の受信品質を示す情報を、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１に送信し、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１の指示に従って、移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ１に接続をしてもよい。

　以下、図１のように、移動端末装置ａ１が移動リレー装置ｂ１と接続し、移動リレー装置ｂ１を介して基地局装置ｃ１と通信をする場合について説明をする。
　アタッチ制御部ａ１７２は、移動リレー装置ｂ１から報知されたセル情報を、通信部ａ１２及び受信データ制御部ａ１３を介して受信する。アタッチ制御部ａ１７２は、受信したセル情報に基づいて、自装置をネットワーク（無線アクセスネットワークＮ１及びコアネットワークＮ２）と通信可能にするアタッチ要求を生成する。アタッチ制御部ａ１７２が生成したアタッチ要求は、送信データ制御部ａ１６から移動リレー装置ｂ１に送信される。移動端末装置ａ１は、送信したアタッチ要求の応答であって、ネットワークとの通信を許可することを示すアタッチ許可を受信すると、ネットワークと通信可能な状態となる。なお、アタッチ制御部ａ１７２の処理の詳細については、アタッチ処理の動作（図９）を用いて後述する。

＜移動リレー装置ｂ１の構成について＞
　図３は、本実施形態に係る移動リレー装置ｂ１の構成を示す概略ブロック図である。移動リレー装置ｂ１は、アンテナｂ１１、通信部ｂ１２、受信データ制御部ｂ１３、受信品質検出部ｂ１４、制御部ｂ１５、及び送信データ制御部ｂ１６を含んで構成される。
　また、通信部ｂ１２は、無線通信ＩＦ部ｂ１２１を含んで構成される。制御部ｂ１５は、ＵＥ接続制御部ｂ１５１、接続制御部ｂ１５２、データ中継部ｂ１５３、及びハンドオーバ制御部ｂ１５４を含んで構成される。なお、移動リレー装置ｂ１は、その他、中継装置の一般的な公知の機能を備える。

　通信部ｂ１２の無線通信ＩＦ部ｂ１２１は、アンテナｂ１１を介し、移動端末装置ａ１及び基地局装置ｃ１と無線通信を行う。無線通信ＩＦ部ｂ１２１は、移動端末装置ａ１又は基地局装置ｃ１から受信した受信信号を無線周波数の信号からベースバンドの信号にダウンコンバートし、次いでアナログ／ディジタル変換によりディジタル信号に変換した受信データを、受信データ制御部ｂ１３に出力する。また、無線通信ＩＦ部ａ１２１は、送信データ制御部ｂ１６から入力された送信データをディジタル／アナログ変換によりアナログ信号に変換し、無線周波数の信号にアップコンバートしてアンテナｂ１１を介して移動端末装置ａ１又は基地局装置ｃ１に対して送信する。

　受信データ制御部ｂ１３は、無線通信ＩＦ部ａ１２１から入力された受信データを制御部ｂ１５に出力する。
　受信品質検出部ｂ１４は、予め定められた時間間隔で、周辺の基地局装置ｃ１各々から受信した電波の受信品質を測定し、測定した受信品質を示す情報を、接続している基地局装置ｃ１への送信データとして送信データ制御部ｂ１６に出力する。また、受信品質検出部ｂ１４は、自装置の起動直後、基地局装置ｃ１各々から受信した電波の受信品質を測定し、測定した受信品質を示す情報を接続制御部ｂ１５２に出力する。

　制御部ｂ１５のＵＥ接続制御部ｂ１５１は、移動端末装置ａ１からの受信データの移動端末接続要求データに基づいて移動端末装置ａ１の登録をする等、移動端末装置ａ１と無線通信をするための接続制御を行う。

　接続制御部ｂ１５２は、自装置をネットワークに接続するための制御を行う。また、接続制御部ｂ１５２は、ネットワークに接続後、ネットワークより割り当てられた情報を含むセル情報を、移動リレー装置ｂ１のマイクロセルｘ１に対して報知（ブロードキャスト）する。なお、接続制御部ｂ１５２の詳細については、接続処理の動作（図８）を用いて後述する。

　データ中継部ｂ１５３は、受信データ制御部ｂ１３から入力された移動端末装置ａ１からの受信データを基地局装置ｃ１への送信データとして、また、基地局装置ｃ１からの受信データを移動端末装置ａ１への送信データとして送信データ制御部ｂ１６に出力する。なお、この送信データは、受信時の受信データより高い電力（振幅）で送信される。

　ハンドオーバ制御部ｂ１５４は、基地局装置ｃ１からハンドオーバ指示を受信すると、接続先の基地局装置（ハンドオーバ元基地局装置という）ｃ１を、新たな基地局装置（ハンドオーバ先基地局装置という）ｃ１に変更するハンドオーバを行う。なお、ハンドオーバ制御部ｂ１５４の詳細については、ハンドオーバ処理の動作（図１０）を用いて後述する。

　送信データ制御部ｂ１６は、制御部ｂ１５及び受信品質検出部ｂ１４から入力された送信データを無線通信ＩＦ部ｂ１２１に出力する。

＜基地局装置ｃ１の構成について＞
　図４は、本実施形態に係る基地局装置ｃ１の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置ｃ１は、アンテナｃ１１、通信部ｃ１２、受信データ制御部ｃ１３、制御部ｃ１４、記憶部ｃ１５、及び送信データ制御部ｃ１６を含んで構成される。
　また、通信部ｃ１２は、無線通信ＩＦ部ｃ１２１及び通信ＩＦ部ｃ１２２を含んで構成される。制御部ｃ１４は、接続制御部ｃ１４１、アタッチ制御部ｃ１４２、及び移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３（移動装置群管理部）を含んで構成される。記憶部ｃ１５は、移動装置群情報記憶部ｃ１５１を含んで構成される。なお、基地局装置ｃ１は、その他、基地局装置の一般的な公知の機能を備える。

　通信部ｃ１２の無線通信ＩＦ部ｃ１２１は、アンテナｃ１１を介し、移動リレー装置ｂ１及び移動端末装置ａ１と無線通信を行う。無線通信ＩＦ部ｃ１２１は、移動リレー装置ｂ１及び移動端末装置ａ１から受信した受信信号を無線周波数の信号からベースバンドの信号にダウンコンバートし、次いでアナログ／ディジタル変換によりディジタル信号に変換した受信データを、受信データ制御部ｃ１３に出力する。また、無線通信ＩＦ部ａ１２１は、送信データ制御部ｃ１６から入力された送信データをディジタル／アナログ変換によりアナログ信号に変換し、無線周波数の信号にアップコンバートしてアンテナｃ１１を介して移動リレー装置ｂ１及び移動端末装置ａ１に送信する。

　また、通信ＩＦ部ｃ１２２は、他の基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１と通信を行う。通信ＩＦ部ｃ１２２は、他の基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１から受信した受信データを受信データ制御部ｃ１３に出力し、また、送信データ制御部ｃ１６から入力された送信データを他の基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。
　受信データ制御部ｃ１３は、無線通信ＩＦ部ａ１２１から入力された受信データを制御部ｃ１４に出力する。

　制御部ｃ１４の接続制御部ｃ１４１は、移動リレー装置ｂ１から接続要求を受信すると、移動リレー装置ｂ１をネットワークと接続させる接続処理を行う。また、接続制御部ｃ１４１は、この接続処理において、移動リレー装置ｂ１の情報を移動装置群情報記憶部ｃ１５１に記憶させる（図１１参照）。なお、接続制御部ｃ１４１の詳細については、接続処理の動作（図８）を用いて後述する。

　アタッチ制御部ｃ１４２は、移動リレー装置ｂ１からアタッチ要求を受信すると、移動端末装置ａ１をネットワークと通信をさせるアタッチ処理を行う。後述するように、基地局装置ｃ１は、自装置と移動端末装置ａ１との間の論理データパス（論理通信経路）である無線ベアラ、及び、自装置とアクセスゲートウェイ装置ｅ１との間の論理データパスである無線アクセスベアラを確立する。

　アタッチ制御部ｃ１４２は、このアタッチ処理において、移動端末装置ａ１の情報を、その移動端末装置ａ１の通信を中継する移動リレー装置ｂ１の情報と対応付け、移動装置群情報（図１２参照）として移動装置群情報記憶部ｃ１５１に記憶させる。なお、アタッチ制御部ｃ１４２の詳細については、アタッチ処理の動作（図９）を用いて後述する。

　移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動リレー装置ｂ１から受信した受信品質を示す情報に基づいて、移動リレー装置ｂ１のハンドオーバ処理を制御する。ここで、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報に基づいて、移動装置群単位でハンドオーバ処理を行う。なお、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３の詳細については、ハンドオーバ処理の動作（図１０）を用いて後述する。

　移動装置群情報記憶部ｃ１５１は、移動装置群情報を記憶する。移動装置群情報は、移動リレー装置ｂ１とその移動リレー装置ｂ１とからなる集合である移動装置群Ｇ１の構成を示す情報である。なお、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報の詳細については、図１２を用いて後述する。

　送信データ制御部ｃ１６は、制御部ｃ１４から入力された送信データを、無線通信ＩＦ部ｃ１２１又は通信ＩＦ部ｃ１２２に出力する。

＜アクセス制御装置ｄ１の構成について＞
　図５は、本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ１の構成を示す概略ブロック図である。アクセス制御装置ｄ１は、通信部ｄ１１、受信データ制御部ｄ１２、制御部ｄ１３、記憶部ｄ１４、及び送信データ制御部ｄ１５を含んで構成される。
　また、通信部ｄ１１は、通信ＩＦ部ｄ１１１を含んで構成される。また、制御部ｄ１３は、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１、及び移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２を含んで構成される。また、記憶部ｄ１４は、移動端末装置情報記憶部ｄ１４１及びトラッキングエリアＩＤ（ＴＡＩ）情報記憶部ｄ１４２（位置領域情報記憶部）を含んで構成される。

　通信ＩＦ部ｄ１１１は、基地局装置ｃ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１と通信を行う。通信ＩＦ部ｄ１１１は、基地局装置ｃ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１から受信した受信データを受信データ制御部ｄ１２に出力し、また、送信データ制御部ｄ１５から入力された送信データを基地局装置ｃ１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。
　受信データ制御部ｄ１２は、通信ＩＦ部ｄ１１１から入力された受信データを制御部ｄ１３に出力する。

　制御部ｄ１３のＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、基地局装置ｃ１を介して、アタッチ要求を受信すると、移動端末装置ａ１各々の通信経路を設定するベアラ設定処理を行う。このベアラ設定処理により、無線ベアラ、無線アクセスベアラ、及び、アクセスゲートウェイ装置ｅ１とゲートウェイ装置ｆ１との間の論理データパスであるコアネットワークベアラが確立され、これらのベアラがＥＰＳベアラＩＤにより対応付けられることで、ＥＰＳベアラが確立される。なお、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１の詳細については、アタッチ処理の動作（図９）を用いて後述する。
　ＥＰＳベアラが確立された後、移動端末装置ａ１各々から送信されたデータは、ＥＰＳベアラを用いてゲートウェイ装置ｆ１に送信される。また、パケットデータネットワークＮ３から送信された移動端末装置ａ１各々宛てのデータは、ゲートウェイ装置ｆ１からＥＰＳベアラを用いて移動端末装置ａ１各々に送信される。

　移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、ハンドオーバ処理において、基地局装置ｃ１からの指示により、移動装置群単位でＥＰＳベアラの一括更新処理を行う。なお、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２の詳細については、ハンドオーバ処理の動作（図１０）を用いて後述する。

　移動端末装置情報記憶部ｄ１４１は、ＵＥ識別子（ＵＥ＿ＩＤ）とトラッキングエリアＩＤとを対応付けた移動端末装置情報を記憶する。ＵＥ識別子は、ＵＥをグローバルに一意に識別する識別子であって、例えば、加入者識別情報（ＩＭＳＩ：Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｍｏｂｉｌｅ　Ｓｕｂｓｃｒｉｂｅｒ　Ｉｄｅｎｔｉｆｙ）から生成される識別子である。
　ここで、トラッキングエリアＩＤは、トラッキングエリアを識別する識別子である。トラッキングエリア（位置領域）とは、１つ又は２つ以上のリレー装置又は基地局装置のセルから構成された地理的領域であり、移動端末装置ａ１へのページングを行う際に移動端末装置ａ１の位置を管理するために用いられる領域である。
　移動端末装置情報のデータ構成の一例を図２３に示す。図２３に示すように、移動端末装置情報には、ＵＥ識別子（例えば、「ＵＥ１」）に対応づけて、その移動端末装置ａ１が位置するトラッキングエリアのトラッキングエリアＩＤ（例えば、ＲＳ１＿ＴＡＩ）とが記憶されている。

　トラッキングエリアＩＤ情報記憶部ｄ１４２は、トラッキングエリアＩＤ、及び基地局装置ｃ１のＩＰアドレス（以下、ＥＮＢアドレスという）を対応付けたトラッキングエリアＩＤ情報を記憶する。このトラッキングエリアＩＤ情報記憶部ｄ１４２には、各基地局装置ｃ１及び移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤ情報が記憶される。
　基地局装置ｃ１のトラッキングエリアＩＤ情報は、予め記憶され、基地局装置ｃ１の増設や設定変更があった場合に登録される。また、本実施形態に係る移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤ情報のトラッキングエリアＩＤは、後述するように、移動リレー装置ｂ１各々に割り当てられた識別情報である。以下、移動リレー装置ｂ１各々に割り当てられたトラッキングエリアＩＤを、ＲＳトラッキングエリアＩＤ（ＲＳ＿ＴＡＩ：ＲＳ　Ｔｒａｃｋｉｎｇ　Ａｒｅａ　Ｉｄｅｎｔｉｔｙ）という。
　トラッキングエリアＩＤ情報のデータ構成の一例を図２４に示す。図２４に示すように、トラッキングエリアＩＤ情報には、トラッキングエリアＩＤ（例えば、「ＴＡＩ１」）に対応づけて、そのトラッキングエリアＩＤで識別されるトラッキングエリアを構成する基地局装置Ｃ１－１のＥＮＢアドレス（例えば、「ＥＮＢアドレス１」）とが記憶されている。なお、本例では、１つのトラッキングエリアが１つの基地局装置ｃ１で構成されている場合を例にして説明するが、複数の基地局装置ｃ１が単一のトラッキングエリアを構成してもよいものとする。

　なお、移動通信システム１は、移動リレー装置ｂ１や移動端末装置ａ１等の装置を識別する情報と、トラッキングエリアＩＤ又はＥＮＢアドレスと、が対応付けることにより、装置の位置を検出する。つまり、装置の識別情報と対応付けられたトラッキングエリアＩＤ又はＥＮＢアドレスが位置情報である。本実施形態では、後述するように、移動リレー装置ｂ１各々の識別情報であるＲＳトラッキングエリアＩＤに対応付けられたＥＮＢアドレスが移動リレー装置ｂ１の位置情報である。また、移動端末装置ａ１を識別するＵＥ識別子に対応付けられたＥＮＢアドレスが移動端末装置ａ１の位置情報である。

　送信データ制御部ｄ１５は、制御部ｄ１３から入力されたデータを送信データとして通信ＩＦ部ｄ１１１に出力する。

＜アクセスゲートウェイ装置ｅ１の構成について＞
　図６は、本実施形態に係るアクセスゲートウェイ装置ｅ１の構成を示す概略ブロック図である。アクセスゲートウェイ装置ｅ１は、通信部ｅ１１、受信データ制御部ｅ１２、制御部ｅ１３、記憶部ｅ１４、及び送信データ制御部ｅ１５を含んで構成される。
　また、通信部ｅ１１は、通信ＩＦ部ｅ１１１を含んで構成される。制御部ｅ１３は、コアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１及び無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２を含んで構成される。記憶部ｅ１４は、ベアラ情報記憶部ｅ１４１を含んで構成される。

　通信ＩＦ部ｅ１１１は、基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１、及びゲートウェイ装置ｆ１と通信を行う。通信ＩＦ部ｅ１１１は、基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１、及びゲートウェイ装置ｆ１から受信した受信データを受信データ制御部ｅ１２に出力し、また、送信データ制御部ｅ１５から入力された送信データを基地局装置ｃ１、アクセス制御装置ｄ１、及びゲートウェイ装置ｆ１に送信する。
　受信データ制御部ｅ１２は、通信ＩＦ部ｅ１１１から入力された受信データを制御部ｅ１３に出力する。

　制御部ｅ１３のコアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１は、自装置とゲートウェイ装置ｆ１との間のコアネットワークベアラの設定処理を行う。なお、コアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１の詳細については、アタッチ処理の動作（図９）を用いて後述する。

　無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、自装置と基地局装置ｃ１との間の無線アクセスベアラの設定処理を行う。
　ベアラ情報記憶部ｅ１４１は、ＥＰＳベアラＩＤと対応付けて、コアネットワークベアラの設定情報及び無線アクセスベアラの設定情報を記憶する。アクセスゲートウェイ装置ｅ１は、ベアラ情報記憶部ｅ１４１が記憶する情報に基づいて、移動端末装置ａ１とパケットデータネットワークＮ３間のデータ転送を行う。
　なお、無線アクセスベアラの設定情報には、ＵＥ識別子とＥＮＢアドレスが対応付けられている。つまり、ＵＥ識別子に対応付けられたＥＮＢアドレスが、移動端末装置ａ１の位置情報である。

　また、無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ハンドオーバ処理において、アクセス制御装置ｄ１からの指示により、ベアラ情報記憶部ｅ１４１が記憶する情報を、移動装置群単位でベアラ情報の更新を行う。なお、無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２の詳細については、アタッチ処理及びハンドオーバ処理の動作（図９、図１０）を用いて後述する。

　送信データ制御部ｅ１５は、制御部ｅ１３から入力されたデータを送信データとして通信ＩＦ部ｄ１１１に出力する。

＜ゲートウェイ装置ｆ１の構成について＞
　図７は、本実施形態に係るゲートウェイ装置ｆ１の構成を示す概略ブロック図である。ゲートウェイ装置ｆ１は、通信部ｆ１１、受信データ制御部ｆ１２、制御部ｆ１３、記憶部ｆ１４、及び送信データ制御部ｆ１５を含んで構成される。
　また、通信部ｆ１１は、通信ＩＦ部ｆ１１１を含んで構成される。制御部ｆ１３は、コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１を含んで構成される。記憶部ｆ１４は、コアネットワークベアラ情報記憶部ｆ１４１を含んで構成される。

　通信部ｆ１１の通信ＩＦ部ｆ１１１は、アクセスゲートウェイ装置ｅ１及びパケットデータネットワークＮ３と通信を行う。通信ＩＦ部ｆ１１１は、基地局装置ｃ１、アクセスゲートウェイ装置ｅ１及びパケットデータネットワークＮ３から受信した受信データを受信データ制御部ｆ１２に出力し、また、送信データ制御部ｆ１５から入力された送信データをアクセスゲートウェイ装置ｅ１及びパケットデータネットワークＮ３に送信する。
　受信データ制御部ｆ１２は、通信ＩＦ部ｆ１１１から入力された受信データを制御部ｆ１３に出力する。

　制御部ｆ１３のコアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、自装置とアクセスゲートウェイ装置ｅ１との間のコアネットワークベアラの設定処理を行う。なお、コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１の詳細については、アタッチ処理の動作（図９）を用いて後述する。
　コアネットワークベアラ情報記憶部ｆ１４１は、ＥＰＳベアラＩＤと対応付けて、コアネットワークベアラの設定情報を記憶する。
　ゲートウェイ装置ｆ１は、コアネットワークベアラ情報記憶部ｆ１４１が記憶する情報に基づいて、移動端末装置ａ１とパケットデータネットワークＮ３間のデータ転送を行う。

＜移動通信システム１の動作について＞
　以下、移動通信システム１の動作について、図８～図１０を用いて説明をする。
　図８は、本実施形態に係る接続処理の動作を示すフロー図である。

（ステップＳ１０１）移動リレー装置ｂ１の接続制御部ｂ１５２は、自装置の起動直後、受信品質検出部ｂ１４から入力された受信品質を示す情報に基づいて、接続する基地局装置ｃ１を決定する。また、接続制御部ｂ１５２は、移動リレー装置ｂ１をグローバルに一意に識別する識別子であって予め記憶する自装置ＲＳ識別子（ＲＳ＿ＩＤ）を含む接続要求を生成する。移動リレー装置ｂ１は、接続制御部ｂ１５２が生成した接続要求を、接続制御部ｂ１５２が接続を決定した基地局装置ｃ１に送信する。その後、ステップＳ１０２に進む。

（ステップＳ１０２）基地局装置ｃ１の接続制御部ｃ１４１は、ステップＳ１０１にて送信された接続要求からＲＳ識別子を抽出する。接続制御部ｃ１４１は、抽出したＲＳ識別子を用いて移動リレー装置ｂ１の認証をする。その後、ステップＳ１０３に進む。

（ステップＳ１０３）基地局装置ｃ１の接続制御部ｃ１４１は、ステップＳ１０２にて認証をした移動リレー装置ｂ１に対して、セルＩＤ及びトラッキングエリアＩＤを割り当てる。セルＩＤは、移動リレー装置ｂ１及び基地局装置ｃ１各々が形成する無線セルを一意に識別する識別子である。以下、移動リレー装置ｂ１に対して割り当てたセルＩＤをＲＳセルＩＤといい、また、移動リレー装置ｂ１に対して割り当てられたトラッキングエリアＩＤが上述のＲＳトラッキングエリアＩＤである。その後、ステップＳ１０４に進む。

　なお、ＲＳ識別子の認証処理（ステップＳ１０２）、及びセルＩＤとＲＳトラッキングエリアＩＤの割り当て処理（ステップＳ１０３）は他の認証サーバが行い、制御部ｂ１５は、その認証サーバに問合せて、該割り当てた処理結果を取得する構成でもよい。

（ステップＳ１０４）基地局装置ｃ１の接続制御部ｃ１４１は、移動リレー装置ｂ１からの接続要求に含まれる情報に対して、割り当てたＲＳセルＩＤ、ＲＳトラッキングエリアＩＤ、及び自装置のＥＮＢアドレス（ＥＮＢアドレス１とする）を付加し、情報を付加した接続要求を生成する。基地局装置ｃ１は、接続制御部ｃ１４１が生成した接続要求をアクセス制御装置ｄ１に送信する。その後、ステップＳ１０５に進む。
（ステップＳ１０５）アクセス制御装置ｄ１の制御部ｄ１３は、ステップＳ１０３にて送信された接続要求からＲＳトラッキングエリアＩＤ及びＥＮＢアドレスを抽出する。制御部ｄ１３は、ＲＳトラッキングエリアＩＤ及びＥＮＢアドレスを対応付けた情報を、移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤ情報として、図２４（ｂ）に示されたようにＴＡＩ情報記憶部ｄ１４２に記憶させる。その後、ステップＳ１０６に進む。
（ステップＳ１０６）アクセス制御装置ｄ１は、基地局装置ｃ１に対して接続許可を送信する。その後、ステップＳ１０７に進む。

（ステップＳ１０７）基地局装置ｃ１の接続制御部ｃ１４１は、ステップＳ１０６にて送信された接続許可を受信すると、移動リレー装置に対して無線リソースを割り当て、基地局装置ｃ１のセル内で一時的に移動リレー装置ｂ１を識別するＲＳセルテンポラリＩＤ（ＲＳ＿ＣＲＮＴＩ：ＲＳＣｅｌｌ　Ｒａｄｉｏ　Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ｔｅｍｐｏｒａｒｙ　Ｉｄｅｎｔｉｆｉｅｒ）を割り当てる。接続制御部ｃ１４１は、受信した接続許可に含まれる情報に対してＲＳセルテンポラリＩＤとステップＳ１０３で割り当てたＲＳセルＩＤとＲＳトラッキングエリアＩＤとを付加する。基地局装置ｃ１は、接続制御部ｃ１４１が情報を付加した接続許可を、移動リレー装置ｂ１に送信する。その後、ステップＳ１０８に進む。

（ステップＳ１０８）移動リレー装置ｂ１の接続制御部ｂ１５２は、ステップＳ１０７にて送信された接続許可を受信すると、自装置を、ステップＳ１０７にて割り当てられた無線リソースを用いて無線通信可能な状態にする。接続制御部ｂ１５２は、接続完了を生成する。移動リレー装置ｂ１は、接続制御部ｂ１５２が生成した接続完了を基地局装置ｃ１に送信する。その後、ステップＳ１０９に進む。

（ステップＳ１０９）基地局装置ｃ１の接続制御部ｃ１４１は、ステップＳ１０８にて送信された接続完了を受信すると、ステップＳ１０７にて受信した接続許可から、接続許可をしたアクセス制御装置ｄ１を識別するＭＭＥ識別子（ＲＳ＿ＭＭＥ識別子）を抽出する。そして、接続制御部ｃ１４１は、抽出した情報及び接続許可された移動リレー装置ｂ１のＲＳ識別子、ＲＳセルＩＤ、及びＲＳトラッキングエリアＩＤ及びステップＳ１０７にて割り当てたＲＳセルテンポラリＩＤを、移動装置群情報として移動装置群情報記憶部ｃ１５１に記憶させる（図１１参照）。
　また、接続制御部ｃ１４１は、ＲＳ識別子に対応付けて、このＲＳ識別子の移動リレー装置ｂ１に接続される移動端末装置ａ１の情報を記憶するための情報フィールドを生成する。その後、ステップＳ１１０に進む。

（ステップＳ１１０）基地局装置ｃ１は、アクセス制御装置ｄ１に対して接続完了を送信する。その後、ステップＳ１１１に進む。
（ステップＳ１１１）移動リレー装置ｂ１の接続制御部ｂ１５２は、ステップＳ１０８にて接続完了を送信すると、ステップＳ１０７にて送信された接続許可から、ＲＳセルＩＤ及びＲＳトラッキングエリアＩＤを抽出する。接続制御部ｂ１５２は、抽出したＲＳセルＩＤ及びＲＳトラッキングエリアＩＤを含むセル情報を生成する。移動リレー装置ｂ１は、接続制御部ｂ１５２が生成したセル情報を、自装置のマイクロセルｘ１に対して報知（ブロードキャスト）する。

　図９は、本実施形態に係るアタッチ処理の動作を示すフロー図である。

（ステップＳ２０１）移動端末装置ａ１のアタッチ制御部ａ１７２は、移動リレー装置ｂ１からＲＳセルＩＤ、ＲＳトラッキングエリアＩＤを含むセル情報を受信する。アタッチ制御部ａ１７２は、移動端末装置ａ１をグローバルに一意に識別する識別子であって予め記憶する自装置のＵＥ識別子と、受信したセル情報のＲＳトラッキングエリアＩＤとを含み、ネットワークに対して自装置を通信可能にするアタッチ要求を生成する。移動端末装置ａ１は、アタッチ制御部ａ１７２が生成したアタッチ要求を、移動リレー装置ｂ１に送信する。そして、移動リレー装置ｂ１のデータ中継部１５３は、アタッチ要求を基地局装置ｃ１に中継する。

　基地局装置ｃ１のアタッチ制御部ｃ１４２は、ステップＳ２０１にて送信されたアタッチ要求を受信すると、アタッチ要求を送信した移動端末装置ａ１に対し、基地局装置ｃ１のセル内で移動端末装置ａ１を識別する識別子であるＥＮＢ内ＵＥ識別子（ＵＥ＿ＥＮＢ＿ＡＰＩＤ）を割り当てる。アタッチ制御部ｃ１４２は、割り当てたＥＮＢ内ＵＥ識別子をアタッチ要求に含まれる情報に付加する。基地局装置ｃ１は、アタッチ制御部ｃ１４２が情報を付加したアタッチ要求を、アクセス制御装置ｄ１に送信する。その後、ステップＳ２０２に進む。

（ステップＳ２０２）アクセス制御装置ｄ１のＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、ステップＳ２０１にて送信されたアタッチ要求に基づきユーザ・ネットワーク間の認証を行う。その後、ステップＳ２０３に進む。

（ステップＳ２０３）アクセス制御装置ｄ１のＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、ステップＳ２０１にて送信されたアタッチ要求に含まれているＵＥ識別子、ＲＳトラッキングエリアＩＤを抽出する。

　ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、アタッチ要求に対してＭＭＥ内ＵＥ識別子及びＥＰＳベアラＩＤを割り当てる。このＥＰＳベアラＩＤは、１つの移動端末装置ａ１とゲートウェイ装置ｆ１とが確立する１つ又は２以上のＥＰＳベアラを識別する識別子である。ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、抽出したＵＥ識別子とＲＳトラッキングエリアＩＤと、生成したＭＭＥ内ＵＥ識別子とＥＰＳベアラＩＤとを対応付けた移動端末装置情報を図２３（ａ）に示されたように移動端末装置情報記憶部ｄ１４１に記憶させる。アクセス制御装置ｄ１は、ＵＥ識別子とＥＰＳベアラＩＤを含んだベアラ設定要求を、アクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。

　アクセスゲートウェイ装置ｅ１のコアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１は、アクセス制御装置ｄ１からベアラ設定要求を受信すると、自装置のＩＰアドレスからゲートウェイ装置ｆ１とトンネリングを確立するためのＩＰアドレス（ＳＧＷコアアドレスという）を選択する。なお、トンネリングとは、通信プロトコルを、同じまたはより上位の階層（レイヤ）のプロトコルのデータとして通信する技術である。コアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１は、受信したベアラ設定要求に、選択したＳＧＷコアアドレスを付加する。アクセスゲートウェイ装置ｅ１は、情報を付加したベアラ設定要求を、ゲートウェイ装置ｆ１に送信する。その後、ステップＳ２０４に進む。

（ステップＳ２０４）ゲートウェイ装置ｆ１のコアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ステップＳ２０３にて送信されたベアラ設定要求から、ＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ、及びＳＧＷコアアドレスを抽出する。コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ＵＥ識別子、つまり移動端末装置ａ１に対してＩＰアドレス（以下、ＵＥアドレスという）を割り当てる。その後、ステップＳ２０５に進む。また、コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ＥＰＳベアラＩＤに対してトンネリングに用いる自装置のＩＰアドレス（以下、ＰＧＷアドレスという）を選択する。

（ステップＳ２０５）ゲートウェイ装置ｆ１のコアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ステップＳ２０４にて抽出したＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ、ＳＧＷコアアドレス、ステップＳ２０４にて割り当てたＵＥアドレス、及びステップＳ２０４にて選択したＰＧＷアドレス、を対応付けて、コアネットワークベアラ情報記憶部ｆ１４１に記憶させる。
　コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ＵＥアドレス宛のデータパケットを、このＵＥアドレスに対応付けられたＥＰＳベアラＩＤのＳＧＷコアアドレスのアクセスゲートウェイ装置ｅ１に転送する設定をする。その後、ステップＳ２０６に進む。

（ステップＳ２０６）ゲートウェイ装置ｆ１のコアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１は、ステップＳ２０３にて送信されたベアラ設定要求から抽出した情報（ＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ、及びＳＧＷコアアドレス等）に、ＵＥアドレス、及び、ＰＧＷアドレスを付加したベアラ設定応答を生成する。ゲートウェイ装置ｆ１は、コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１が生成したベアラ設定応答を、アクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。その後、ステップＳ２０７に進む。

（ステップＳ２０７）アクセスゲートウェイ装置ｅ１のコアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１は、ステップＳ２０６にて送信されたベアラ設定応答から、ＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ、ＳＧＷコアアドレス、ＵＥアドレス、及びＰＧＷアドレス、を抽出し、ベアラ情報（図１３参照）としてベアラ情報記憶部ｆ１４に記憶させる。
　これにより、アクセスゲートウェイ装置ｅ１とゲートウェイ装置ｆ１との間の論理データパスであるコアネットワークベアラが確立される。なお、コアネットワークベアラの確立後、ＵＥアドレス宛のデータは、コアネットワークベアラを用いてアクセスゲートウェイ装置ｅ１に転送される。アクセスゲートウェイ装置ｅ１は、後述する無線アクセスベアラ、及び無線ベアラが確立するまで、転送されたデータのバッファリングを行う。

　また、無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、コアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１がコアネットワークベアラを確立すると、自装置から基地局装置ｃ１とトンネリングを確立するためのＩＰアドレス（ＳＧＷ無線アドレスという）を選択する。無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、選択したＳＧＷ無線アドレス及びＥＰＳベアラＩＤを含むベアラ設定応答を生成する。無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２が生成したベアラ設定応答をアクセス制御装置ｄ１に送信する。その後、ステップＳ２０８に進む。

（ステップＳ２０８）アクセス制御装置ｄ１のＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、ステップＳ２０７にて送信されたベアラ設定応答の情報を含むアタッチ許可を生成する。アクセス制御装置ｄ１は、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１が生成したアタッチ許可を、アタッチ要求をした基地局装置ｃ１に送信する。なお、アタッチ許可は、基地局装置ｃ１及び移動リレー装置ｂ１を介して移動端末装置ａ１に送信される。その後、ステップＳ２０９に進む。

（ステップＳ２０９）移動端末装置ａ１のアタッチ制御部ａ１７２は、ステップＳ２０８にて送信されたアタッチ許可から、ＥＰＳベアラＩＤを抽出する。アタッチ制御部ａ１７２は、抽出した情報を含むアタッチ完了を生成する。移動端末装置ａ１は、アタッチ制御部ａ１７２が生成したアタッチ完了を、移動リレー装置ｂ１に送信する。アタッチ完了は、移動リレー装置ｂ１を介して基地局装置ｃ１に送信される。
　また、移動端末装置ａ１は、送受信可能な状態になる。その後、ステップＳ２１０に進む。なお、基地局装置ｃ１と移動端末装置ａ１とは、このアタッチ許可とアタッチ完了により、論理データパスである無線ベアラを確立する。

（ステップＳ２１０）基地局装置ｃ１のアタッチ制御部ｃ１４２は、ステップＳ２０８にて送信されたアタッチ許可から、ＭＭＥ内ＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ、ＳＧＷ無線アドレスを抽出する。
　アタッチ制御部ｃ１４２は、アタッチ完了を中継した移動リレー装置ｂ１のＲＳ識別子に対応付けて、抽出したＵＥ識別子、割り当てられたＥＮＢ内ＵＥ識別子、ＭＭＥ内ＵＥ識別子、及びＥＰＳベアラＩＤを、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報に記憶させる（図１２参照）。

　このように、本実施形態に係る基地局装置ｃ１は、移動リレー装置ｂ１とその移動端末装置ａ１とからなる集合である移動装置群Ｇ１の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する。
　なお、アタッチ制御部ｃ１４２は、当該情報を、接続制御部ｃ１４１が生成した情報フィールド（図８のステップＳ１０９）に記憶させる。また、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報の詳細については後述する（図１１、図１２）。

　また、アタッチ制御部ｃ１４２は、受信したアタッチ完了に含まれる情報に対して自装置のＥＮＢアドレスを付加する。基地局装置ｃ１は、情報を付加したアタッチ完了を、アクセス制御装置ｄ１に送信する。

（ステップＳ２１１）アクセス制御装置ｄ１のＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、ステップＳ２１０にて送信されたアタッチ完了から、ＥＰＳベアラＩＤ及びＥＮＢアドレスを抽出する。ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１は、抽出したＥＰＳベアラＩＤ及びＥＮＢアドレスを含むベアラ更新要求を生成する。アクセス制御装置ｄ１は、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１が生成したベアラ更新要求を、アクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。その後、ステップＳ２１２に進む。

（ステップＳ２１２）アクセスゲートウェイ装置ｅ１の無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ステップＳ２１１にて送信されたベアラ更新要求からＥＰＳベアラＩＤ及び基地局装置ｃ１のＥＮＢアドレスを抽出する。無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ベアラ情報記憶部ｅ１４１が記憶するベアラ情報にＥＮＢアドレスを登録する。その後、ステップＳ２１３に進む。
　このベアラ更新要求により、基地局装置ｃ１とアクセスゲートウェイ装置ｅ１とは、論理データパスである無線アクセスベアラを確立する。以上により、コアネットワークベアラ、無線ベアラ、無線アクセスベアラが確立され、ＥＰＳベアラＩＤにて対応付けられる。つまり、当該ＥＰＳベアラＩＤのＥＰＳベアラが確立される。その後、ステップＳ２１３に進む。

（ステップＳ２１３）アクセスゲートウェイ装置ｅ１は、ベアラ更新応答をアクセス制御装置ｄ１に送信する。

　上記アタッチ処理の完了後、移動端末装置ａ１がパケットデータネットワークＮ３宛にデータを送信すると、送信データは、ＥＰＳベアラを介してゲートウェイ装置ｆ１に転送され、ゲートウェイ装置ｆ１からパケットデータネットワークＮ３に送信される。また、パケットデータネットワークＮ３から送信されたデータであって、移動端末装置ａ１のＵＥアドレス宛のデータは、ＥＰＳベアラを介して移動端末装置ａ１に送信される。

　図１０は、本実施形態に係るハンドオーバ処理の動作を示すフロー図である。この図において、基地局装置Ｃ１－１、Ｃ１－２は、図１に示した基地局装置ｃ１であり、それぞれ、ハンドオーバ元基地局装置ｃ１、ハンドオーバ先基地局装置ｃ１である。

（ステップＳ３０１）移動リレー装置ｂ１の受信品質検出部ｂ１４は、予め定められた時間間隔で、周辺の基地局装置ｃ１各々から受信した電波の受信品質を測定する。移動リレー装置ｂ１は、受信品質検出部ｂ１４が測定した受信品質を示す情報を、基地局装置Ｃ１－１に送信する。なお、この受信品質を示す情報には、基地局装置ｃ１のセルを識別するセルＩＤが含まれている。その後、ステップＳ３０２に進む。
（ステップＳ３０２）基地局装置Ｃ１－１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３０１にて送信された受信品質を示す情報に基づいて移動リレー装置ｂ１をハンドオーバさせるか否かを決定する。移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動リレー装置ｂ１を基地局装置Ｃ１－２にハンドオーバさせることを決定した場合、ステップＳ３０３に進む。

（ステップＳ３０３）基地局装置Ｃ１－１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動装置群情報記憶部ｃ１５１から、ハンドオーバさせる移動リレー装置ｂ１を含む移動装置群Ｇ１の移動装置群情報を読み出す。移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、読み出した移動装置群情報を含むハンドオーバ要求であって、移動リレー装置ｂ１とその移動リレー装置ｂ１に接続する移動端末装置ａ１のすべて、つまり、移動装置群Ｇ１をハンドオーバさせる移動装置群ハンドオーバ要求を生成する。
　すなわち、本実施形態に係る基地局装置ｃ１は、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報に基づいて、後述するように、移動装置群Ｇ１毎に位置情報（ＲＳトラッキングエリアＩＤ又はＵＥ識別子に対応づけられたＥＮＢアドレス）の更新を指示する。その後、ステップＳ３０４に進む。
（ステップＳ３０４）基地局装置Ｃ１－１は、ステップＳ３０３にて生成した移動装置群ハンドオーバ要求を基地局装置Ｃ１－２に送信する。その後、ステップＳ３０５に進む。

（ステップＳ３０５）基地局装置Ｃ１－２の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３０４にて送信された移動装置群ハンドオーバ要求から、移動装置群Ｇ１の移動装置群情報を抽出する。移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、抽出した移動装置群情報の移動装置群Ｇ１の装置（移動リレー装置ｂ１及び移動端末装置ａ１）に無線リソースを割り当てる。また、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動装置群Ｇ１に含まれる移動端末装置ａ１に対して、自装置内でのＥＮＢ内ＵＥ識別子を割り当てる。さらに、接続制御部ｃ１４１は、基地局装置Ｃ１－２のセル内で一時的に移動リレー装置ｂ１を識別するＲＳセルテンポラリＩＤを割り当てる。
　移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、移動装置群ハンドオーバ要求に含まれる移動装置群情報と割り当てた情報とを、移動装置群情報記憶部ｃ１５１に記憶させる。その後、ステップＳ３０６に進む。

（ステップＳ３０６）基地局装置Ｃ１－２の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３０４にて送信された移動装置群ハンドオーバ要求に含まれる情報に、ステップＳ３０５にて割り当てた情報を付加する。基地局装置Ｃ１－２は、情報を付加した移動装置群ハンドオーバ応答を、基地局装置Ｃ１－１に送信する。その後、ステップＳ３０７に進む。

（ステップＳ３０７）基地局装置Ｃ１－１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３０６にて送信された移動装置群ハンドオーバ応答を受信すると、ハンドオーバを行う移動装置群Ｇ１に含まれる移動リレー装置ｂ１に接続する移動端末装置ａ１宛てのデータを、ハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２に転送するデータフォワーディングの設定を行う。その後、ステップＳ３０８に進む。

（ステップＳ３０８）基地局装置Ｃ１－１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ハンドオーバを行う移動装置群Ｇ１に含まれる移動リレー装置ｂ１宛てのデータを、ハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２に転送するデータフォワーディングの設定を行う。その後、ステップＳ３０９に進む。

（ステップＳ３０９）基地局装置Ｃ１－１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、基地局装置Ｃ１－２のセルＩＤとＲＳセルテンポラリＩＤとを含む指示であって、移動装置群Ｇ１にハンドオーバを指示するハンドオーバ指示を生成する。基地局装置Ｃ１－１は、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３が生成したハンドオーバ指示を、移動リレー装置ｂ１に送信する。その後、ステップＳ３１０に進む。

（ステップＳ３１０）移動リレー装置ｂ１は、ステップＳ３０９にて送信されたハンドオーバ指示から、基地局装置Ｃ１－２のセルＩＤとＲＳセルテンポラリＩＤとを抽出する。移動リレー装置ｂ１は、接続する基地局装置をハンドオーバ元基地局装置Ｃ１－１からハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２に変更する。その後、ステップＳ３１１に進む。

（ステップＳ３１１）移動リレー装置ｂ１のハンドオーバ制御部ｂ１５４は、ステップＳ３０９にて送信されたハンドオーバ指示から、ＲＳセルテンポラリＩＤを抽出する。ハンドオーバ制御部ｂ１５４は、ＲＳセルテンポラリＩＤを含むハンドオーバ確認を生成する。移動リレー装置ｂ１は、ハンドオーバ制御部ｂ１５４が生成したハンドオーバ確認を、基地局装置Ｃ１－２に送信する。その後、ステップＳ３１２に進む。

（ステップＳ３１２）基地局装置Ｃ１－２の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３１１にて送信されたハンドオーバ確認に含まれる情報に基づいて、ＲＳセルテンポラリＩＤを割り当てた移動リレー装置ｂ１が移動してきたことを確認し、当該情報に対して、ハンドオーバした移動装置群Ｇ１の移動装置群情報及び自装置のＥＮＢアドレス（ＥＮＢアドレス２とする）を付加する。基地局装置Ｃ１－２は、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３が情報を付加したパス一括切替え要求を、アクセス制御装置ｄ１に送信する。
　ここで、パス一括切替え要求は、ハンドオーバをする移動装置群Ｇ１の通信経路を一括で切り替えさせる要求である。
　このように、本実施形態に係る基地局装置ｃ１は、ハンドオーバする装置の通信経路の切り替えを移動装置群単位で一括して行う。すなわち、基地局装置ｃ１は、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報に基づいて、移動装置群Ｇ１毎に論理通信経路の登録又は更新を指示する。なお、本実施形態では、パス一括切替え要求が移動装置群情報及び自装置のＥＮＢアドレスを含む場合について説明したが、本発明は、これに限らず、ＲＳトラッキングエリアＩＤ及びＥＮＢアドレスと、移動装置群情報に含まれた移動端末装置ａ１の情報と、を別々に送信してもよい。その後、ステップＳ３１３に進む。

（ステップＳ３１３）アクセス制御装置ｄ１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、パス一括切替え要求の情報を含むベアラ一括更新要求を生成する。ここで、ベアラ一括更新要求は、ハンドオーバした移動装置群Ｇ１に含まれる移動端末装置ａ１のＥＰＳベアラの情報の更新を、一括して指示する要求である。アクセス制御装置ｄ１は、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２が生成したベアラ一括更新要求を、アクセスゲートウェイ装置ｅ１に送信する。その後、ステップＳ３１４に進む。

（ステップＳ３１４）アクセスゲートウェイ装置ｅ１の無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ステップＳ３１３にて送信されたベアラ一括更新要求を受信すると、ステップＳ３１３にて送信されたベアラ一括更新要求から、ハンドオーバする移動装置群Ｇ１に含まれるＵＥ識別子、ＥＰＳベアラＩＤ及びハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２のＥＮＢアドレスを抽出する。無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ベアラ情報記憶部ｅ１４が記憶するベアラ情報のうち、抽出したＵＥ識別子に対応するＥＮＢアドレスを、ハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２のＥＮＢアドレスに更新する。つまり、移動端末装置ａ１の位置情報を一括更新する（図１３参照）。そして、移動端末装置ａ１宛の通信データは、それ以後基地局装置Ｃ１－２を介して移動リレー装置ｂ１に転送される。このように、本実施形態に係るアクセスゲートウェイ装置ｅ１は、ハンドオーバする装置のＥＰＳベアラの更新を移動装置群単位で一括して行う。その後、ステップＳ３１５に進む。

（ステップＳ３１５）アクセスゲートウェイ装置ｅ１の無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２は、ベアラ一括更新応答をアクセス制御装置ｄ１に送信する。その後、ステップＳ３１６に進む。

（ステップＳ３１６）アクセス制御装置ｄ１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、ステップＳ３１２にて送信されたパス一括切替え要求から、ハンドオーバする移動装置群Ｇ１に含まれる移動リレー装置ｂ１のＲＳトラッキングエリアＩＤ、及びハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２のＥＮＢアドレスを抽出する。移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、トラッキングエリアＩＤ情報記憶部ｄ１４２が記憶するトラッキングエリアＩＤ情報のうち、図２４（ｃ）に示されたように抽出したＲＳトラッキングエリアＩＤに対応するＥＮＢアドレスを、ハンドオーバ先基地局装置Ｃ１－２のＥＮＢアドレスに更新する。つまり、移動リレー装置ｂ１の位置情報を更新する。その後、ステップＳ３１７に進む。

（ステップＳ３１７）アクセス制御装置ｄ１の移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、トラッキングエリアＩＤ情報更新後、パス一括切替え応答を生成する。移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２は、生成したパス一括切替え応答を、パス一括切替え要求を送信した基地局装置Ｃ１－２に送信する。その後、ステップＳ３１８に進む。

（ステップＳ３１８）基地局装置Ｃ１－２の移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３は、ステップＳ３１７にて送信されたパス一括切替え応答を受信すると、当該移動リレー装置ｂ１の無線リソースの解放及び移動装置群情報の削除等の解放処理をさせるＲＳコンテキスト解放を生成する。基地局装置Ｃ１－２は、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３が生成したＲＳコンテキスト解放を、基地局装置Ｃ１－１に送信する。その後、ステップＳ３１９に進む。

（ステップＳ３１９）基地局装置Ｃ１－１は、ＲＳコンテキスト解放を受信すると、移動リレー装置ｂ１及び移動端末装置ａ１の無線リソースの解放及び移動装置群情報の削除等の解放処理を一括して行う。

＜移動装置群情報について＞
　以下、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶する移動装置群情報の詳細について説明する。図１１は、移動リレー装置ｂ１が基地局装置ｃ１と接続が完了したときの移動装置群情報である。また、図１２は、移動端末装置ａ１のアタッチが完了したときの移動装置群情報である。

　図１１は、本実施形態に係る移動装置群情報の一例を示す概略図である。図示するように、移動装置群情報は、行と列からなる２次元の表形式のデータであり、ＲＳ識別子、ＲＳ情報、ＵＥ識別子、ＥＮＢ内ＵＥ識別子、ＭＭＥ内ＵＥ識別子、及びＥＰＳベアラＩＤの各項目の列を有している。なお、ＵＥ識別子、ＥＮＢ内ＵＥ識別子、ＭＭＥ内ＵＥ識別子、及びＥＰＳベアラＩＤの項目を接続ＵＥリストという。
　ＲＳ情報は、移動リレー装置ｂ１の情報であり、ＲＳトラッキングエリアＩＤ、ＲＳセルＩＤ、ＲＳセルテンポラリＩＤ、ＭＭＥ識別子が含まれる。

　図１１は、ＲＳ識別子「ＲＳ１＿ＩＤ」の移動リレー装置ｂ１が接続を完了したことを示す。この図は、ＲＳ識別子「ＲＳ１＿ＩＤ」の移動リレー装置ｂ１のＲＳ情報が、ＲＳトラッキングエリアＩＤ「ＲＳ１＿ＴＡＩ」、ＲＳセルＩＤ「ＲＳ１＿セルＩＤ」、ＲＳセルテンポラリＩＤ「ＲＳ１＿ＣＲＮＴＩ」、ＭＭＥ識別子「ＲＳ１＿ＭＭＥＩＤ」であることを示す。また、この図は、接続ＵＥリストの記憶領域が設けられ、ＲＳ識別子「ＲＳ１＿ＩＤ」の移動リレー装置ｂ１に接続される移動端末装置ａ１の情報を記憶するための情報フィールドが生成されていることを示す。

　図１２は、本実施形態に係る移動装置群情報の別の一例を示す概略図である。図示するように、移動装置群情報は、行と列からなる２次元の表形式のデータであり、ＲＳ識別子、ＲＳ情報、ＵＥ識別子、ＥＮＢ内ＵＥ識別子、ＭＭＥ内ＵＥ識別子、及びＥＰＳベアラＩＤの各項目の列を有している。各項目は、図１１と同じである。

　図１２は、ＲＳ識別子「ＲＳ１＿ＩＤ」～「ＲＳｎ＿ＩＤ」の移動リレー装置ｂ１が接続を完了したことを示す。また、この図は、例えば、ＲＳ識別子「ＲＳ１＿ＩＤ」に接続したＵＥ１～３がアタッチを完了したことを示す。また、この図は、例えば、ＵＥ識別子「ＵＥ１」の移動端末装置ａ１に対して、ＥＮＢ内ＵＥ識別子「ＵＥ１＿ＥＮＢ＿ＡＰＩＤ」及びＭＭＥ内ＵＥ識別子「ＵＥ１＿ＭＭＥ＿ＡＰＩＤ」が割り当てられていることを示す。また、この図は、例えば、ＵＥ識別子「ＵＥ１」の移動端末装置ａ１に対して、ＥＰＳベアラＩＤ「ＥＰＳベアラ１」～「ＥＰＳベアラＮ」のＥＰＳベアラが確立されていることを示す。　

＜ベアラ情報について＞
　以下、ベアラ情報記憶部ｆ１４が記憶するベアラ情報の詳細について説明する。
　図１３は、本実施形態に係るベアラ情報の一例を示す概略図である。図示するように、ベアラ情報は、行と列からなる２次元の表形式のデータであり、ＵＥ識別子、ＵＥアドレス、ＥＰＳベアラＩＤ、ＰＧＷアドレス、ＳＧＷコアアドレス、ＳＧＷ無線アドレス、及びＥＮＢアドレスの各項目の行を有している。なお、ＰＧＷアドレス及びＳＧＷコアアドレスの項目をコアネットワークベアラ情報といい、ＧＷ無線アドレス及びＥＮＢアドレスの項目を無線アクセスベアラ情報という。

　図１３は、ＵＥ識別子「ＵＥ１」の移動端末装置ａ１に割り当てられたＵＥアドレスが「ＵＥアドレス１」であることを示し、この移動端末装置ａ１にＥＰＳベアラＩＤ「ＥＰＳベアラ１」～「ＥＰＳベアラＮ」のＥＰＳベアラが割り当てられていることを示す。
　また、ＥＰＳベアラＩＤ「ＥＰＳベアラ１」は、ＰＧＷアドレス「ＰＧＷアドレス１」とＳＧＷコアアドレス「ＳＧＷコアアドレス１」とによってコアネットワークベアラが確立していることを示す。また、ＥＰＳベアラＩＤ「ＥＰＳベアラ１」は、ＳＧＷ無線アドレス「ＳＧＷ無線アドレス１」とＥＮＢアドレス「ＥＮＢアドレス１」とによって無線アクセスベアラが確立していることを示す。

　このように、本実施形態では、基地局装置ｃ１が、移動リレー装置ｂ１と、該移動リレー装置ｂ１を介して通信を行う移動端末装置ａ１と、からなる集合である移動装置群Ｇ１の構成を示す移動装置群情報に基づいて、移動装置群Ｇ１毎に位置情報の登録又は更新を指示するので、移動端末装置ａ１及び移動リレー装置ｂ１各々について、個別に位置情報の登録又は更新をする場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、位置情報の変更処理の遅延を防止することができる。

　また、本実施形態では、基地局装置ｃ１が、移動リレー装置ｂ１が接続先の基地局装置を変更するハンドオーバに伴い、位置情報の登録又は更新をアクセス制御装置ｄ１に指示するときは、ハンドオーバを行う移動中継装置ｂ１が属する移動装置群Ｇ１の移動装置群情報に基づき、該移動装置群Ｇ１に属する装置各々の位置情報の登録又は更新を、アクセス制御装置ｄ１に一括して指示するので、移動端末装置ａ１及び移動リレー装置ｂ１各々が個別にハンドオーバ処理を行う場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、ハンドオーバ処理の遅延を防止することができる。また、ハンドオーバ処理の遅延を防止することにより、通信品質の劣化を防止することができる。

　また、本実施形態では、基地局装置ｃ１が、ハンドオーバ処理を行う場合に、移動端末装置ａ１とパケットデータネットワークＮ３間の論理データパスの管理情報であるベアラ情報のＥＮＢアドレスの登録又は更新を、一括して指示するので、移動端末装置ａ１及び移動リレー装置ｂ１各々が個別にベアラ情報の登録又は更新を指示する場合と比較して、通信回数や処理回数を減らすことができ、移動通信システム１の処理負荷を軽減でき、また、ベアラ情報変更処理の遅延を防止することができる。

　また、本実施形態では、移動通信システム１が、基地局装置ｃ１に割り当てられたトラッキングエリアＩＤとは独立に、移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤであるＲＳトラッキングエリアＩＤを移動リレー装置ｂ１各々に対して割り当てる。これにより、移動装置群Ｇ１に含まれる移動端末装置ａ１は、移動リレー装置ｂ１がハンドオーバをしてもトラッキングエリアＩＤが変わらないので、ハンドオーバ時にトラッキングエリアＩＤをアクセス制御装置ｄ１に送信して、移動端末装置情報を更新しなくても呼を受信することができる。つまり、ハンドオーバをしてトラッキングエリアＩＤが変更になる場合と比較し、通信容量の削減及び処理の軽減をすることができる。

（第２の実施形態）
　以下、図面を参照しながら本発明の第２の実施形態について詳しく説明する。第１の実施形態では、移動通信システム１は、トラッキングエリアＩＤを移動リレー装置ｂ１各々に対して新規に割り当てる場合について説明をした。本実施形態では、移動通信システムは、ＲＳトラッキングエリアＩＤの新規割り当てを行わず、移動リレー装置が接続する基地局装置のトラッキングエリアＩＤ（以下、ＥＮＢトラッキングエリアＩＤという）を、リレー装置のトラッキングエリアＩＤとする場合について説明をする。

　本実施形態に係る移動通信システム２の全体像についての概略図は図１と同じである。以下、移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２を移動端末装置ａ２、基地局装置Ｃ１－１、Ｃ１－２を基地局装置ｃ２、アクセス制御装置Ｄ１をアクセス制御装置ｄ２として各装置の構成について説明をする。なお、移動リレー装置Ｂ１、アクセスゲートウェイ装置Ｅ１、及び、ゲートウェイ装置Ｆ１は、それぞれ、第１の実施形態と同じ機能及び構成を持つ移動リレー装置ｂ１、アクセスゲートウェイ装置ｅ１、及びゲートウェイ装置ｆ１である。第１の実施形態と同じ装置についての説明は省略する。

＜移動端末装置ａ２の構成について＞
　図１４は、本発明の第２の実施形態に係る移動端末装置ａ２の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動端末装置ａ２と第１の実施形態に係る移動端末装置ａ１（図２）とを比較すると、制御部ａ２７が異なる。しかし、他の構成要素（通信部ａ１２、受信データ制御部ａ１３、出力部ａ１４、入力部ａ１５、送信データ制御部ａ１６）が持つ機能は第１の実施形態と同じである。また、制御部ａ２７において、位置登録制御部ａ２７３が第１の実施形態と異なるが、ＲＳ接続制御部ａ１７１及びアタッチ制御部ａ１７２が持つ機能は第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ機能の説明は省略する。

　位置登録制御部ａ２７３は、自装置がハンドオーバ後、アクセス制御装置ｄ２に位置登録を行う。位置登録制御部ａ２７３の詳細については、ハンドオーバ処理の動作（図１８）を用いて後述する。

＜基地局装置ｃ２の構成について＞
　図１５は、本実施形態に係る基地局装置ｃ２の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置ｃ２と第１の実施形態に係る基地局装置ｃ１（図４）とを比較すると、制御部ｃ２４が異なる。しかし、他の構成要素（通信部ｃ１２、受信データ制御部ｃ１３、記憶部ｃ１５、及び送信データ制御部ｃ１６）が持つ機能は第１の実施形態と同じである。また、制御部ｃ２４において、接続制御部ｃ２４１が第１の実施形態と異なるが、アタッチ制御部ｃ１４２及び移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３が持つ機能は第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ機能の説明は省略する。

　接続制御部ｃ２４１は、移動リレー装置ｂ１から接続要求を受信すると、アクセス制御装置ｄ２と通信し、移動リレー装置ｂ１と接続する接続処理を行う。この接続処理において、接続制御部ｃ２４１は、認証をした移動リレー装置ｂ１に対して、ＥＮＢトラッキングエリアＩＤを、リレー装置のトラッキングエリアＩＤとして割り当てる。接続制御部ｃ２４１の詳細については、接続処理の動作（図１７）を用いて後述する。

＜アクセス制御装置ｄ２の構成について＞
　図１６は、本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ２の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ２と第１の実施形態に係るアクセス制御装置ｄ１（図５）とを比較すると、制御部ｄ２３が異なる。しかし、他の構成要素（通信部ｄ１１、受信データ制御部ｄ１２、記憶部ｄ１４、及び送信データ制御部ｄ１５）が持つ機能は第１の実施形態と同じである。また、制御部ｄ２３において、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ２３２が第１の実施形態と異なるが、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１が持つ機能は第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ機能の説明は省略する。

　移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ２３２は、ハンドオーバ処理において、基地局装置ｃ２からの指示により、移動装置群単位でＥＰＳベアラの一括更新処理を行う。本実施形態では、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ２３２は、このハンドオーバ処理において、トラッキングエリアＩＤ情報記憶部ｄ１４２が記憶するトラッキングエリアＩＤ情報（トラッキングエリアＩＤ、基地局装置ｃ１のＥＮＢアドレスの対応情報）の更新を行わない。つまり、移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤを、移動リレー装置ｂ１が接続する基地局装置ｃ１のＥＮＢトラッキングエリアＩＤとするので、トラッキングエリアＩＤ情報は変化せず、更新をする必要がない。なお、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ２３２の詳細については、ハンドオーバ処理の動作（図１８）を用いて後述する。

＜移動通信システム２の動作について＞
　以下、移動通信システム２の動作について、図１７、図１８を用いて説明をする。
　図１７は、本実施形態に係る接続処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係る接続処理と第１の実施形態に係る接続処理（図８）とを比較すると、ステップＳ４０３の処理が異なる。また、本実施形態に係る接続処理は、第１の実施形態に係る接続処理のステップＳ１０４～ステップＳ１０６の処理がない点が異なる。その他の処理（ステップＳ１０１、ステップＳ１０２、ステップＳ１０７～ステップＳ１１１）は、第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ処理については、説明を省略する。

（ステップＳ４０３）基地局装置ｃ２の接続制御部ｃ２４１は、認証をした移動リレー装置ｂ１に対して、ＲＳセルＩＤを割り当てる。また、接続制御部ｃ２４１は、自装置のＥＮＢトラッキングエリアＩＤを、認証をした移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤとする。その後、ステップＳ１０７に進む。

　本実施形態に係る移動通信システム２は、移動リレー装置ｂ１がＥＮＢトラッキングエリアＩＤを自装置のトラッキングエリアＩＤとして用いるので、第１の実施形態に係る移動通信システム１のように、ＲＳトラッキングエリアＩＤの割り当て処理は行わない。また、本実施形態に係る移動通信システム２は、ＲＳトラッキングエリアＩＤの割り当てを行わないので、図２４（ａ）に示されているようにアクセス制御装置ｄ２のトラッキングエリアＩＤ情報に、ＲＳトラッキングエリアＩＤとＥＮＢアドレスの対応付けを記憶させる処理は行わない。
　また、移動端末装置ａ２のアタッチ処理は、図９に示された第１の実施形態に係るアタッチ処理と同様である。ただし、移動リレー装置ｂ１は、ＥＮＢトラッキングエリアＩＤを自装置のトラッキングエリアＩＤとして用いるので、アクセス制御装置ｄ２の移動端末装置情報記憶部ｄ１４１が記録する移動端末装置情報は、図２３（ｂ）に示されたように、ＵＥ識別子（例えば、「ＵＥ１」）に対応づけて、その移動端末装置ａ２が接続している移動リレー装置ｂ１の位置するトラッキングエリアのトラッキングエリアＩＤ（例えば、ＴＡＩ１）とが記憶されている。

　図１８は、本実施形態に係るハンドオーバ処理の動作を示すフロー図である。本実施形態に係るハンドオーバ処理と第１の実施形態に係るハンドオーバ処理（図１０）とを比較すると、ステップＳ５２０～Ｓ５２２の処理が異なる。また、本実施形態に係る接続処理は、第１の実施形態に係る接続処理のステップＳ３１６の処理がない点が異なる。その他の処理（ステップＳ３０１～ステップＳ３１５、ステップＳ３１７～ステップＳ３１９）は、第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ処理については、説明を省略する。

（ステップＳ５２０）移動リレー装置ｂ１は、記憶するセル情報のＥＮＢトラッキングエリアＩＤの情報を、接続先の基地局装置Ｃ１－２から受信したＥＮＢトラッキングエリアＩＤ（ＴＡＩ２とする）に変更する。その後、ステップＳ５２１に進む。
（ステップＳ５２１）移動リレー装置ｂ１は、変更したセル情報を、自装置のセルに対して報知（ブロードキャスト）する。その後、ステップＳ５２２に進む。

（ステップＳ５２２）移動端末装置ａ２の位置登録制御部ａ２７３は、移動リレー装置ｂ１から受信したセル情報のハンドオーバ先基地局装置ｃ２のＥＮＢトラッキングエリアＩＤを抽出する。位置登録制御部ａ２７３は、記憶するハンドオーバ前のＥＮＢトラッキングエリアＩＤ、つまりハンドオーバ元基地局装置ｃ２のＥＮＢトラッキングエリアＩＤと、抽出したハンドオーバ先基地局装置ｃ２のＥＮＢトラッキングエリアＩＤと、が異なるか否かを判定する。位置登録制御部ａ２７３は、判定の結果、トラッキングエリアＩＤが異なると判定した場合、アクセス制御装置ｄ２に対して移動端末装置情報のトラッキングエリアＩＤの更新を指示する位置登録を生成する。移動端末装置ａ２は、位置登録制御部ａ２７３が生成した位置登録を、移動リレー装置ｂ１に送信する。位置登録は、移動リレー装置ｂ１及び基地局装置Ｃ１－２を介し、アクセス制御装置ｄ２に送信される。そして、アクセス制御装置ｄ２は、移動端末装置情報記憶部ｄ１４１が記録する移動端末装置情報を、図２３（ｃ）に示されたように変更する。

　このように、本実施形態に係る移動通信システム２は、本実施形態に係る移動通信システム２は、ＥＮＢトラッキングエリアＩＤを、移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤとして割り当てるので、アクセス制御装置ｄ２のトラッキングエリアＩＤ情報を変更する処理（図１０のステップＳ３１６）は行わない。

　このように、本実施形態によれば、移動通信システム２が、ＥＮＢトラッキングエリアＩＤを、移動リレー装置ｂ１のトラッキングエリアＩＤとして割り当てるので、第１の実施形態に係る移動通信システム１のように、ＲＳトラッキングエリアＩＤの新規割り当て処理は行わない。また、アクセス制御装置ｄ２は、トラッキングエリアＩＤ情報（トラッキングエリアＩＤ、基地局装置ｃ１のＥＮＢアドレスの対応情報）の登録、更新処理を行わない。これにより、アクセス制御装置ｄ２の処理を簡素化することができる。

（第３の実施形態）
　以下、図面を参照しながら本発明の第３の実施形態について詳しく説明する。上記各実施形態では、アクセス制御装置ｄ１は１つの場合について説明をした。本実施形態では、アクセス制御装置が複数ある場合において、移動リレー装置ｂ１とその移動リレー装置ｂ１に接続する移動端末装置ａ１の情報を、１つのアクセス制御装置で管理するように処理を行う。

　図１９は、本発明の第３の実施形態に係る移動通信システム３の全体像についての概略を説明する概略図である。本実施形態に係る移動通信システム３の概略図と第１の実施形態に係る移動通信システム１の概略図（図１）とを比較すると、移動通信システム３が２つのアクセス制御装置Ｄ３－１、Ｄ３－２を具備する点、また、この図は、移動端末装置Ａ１－１が基地局装置Ｃ３－１経由で無線アクセスネットワークＮ１に接続されており、移動リレー装置Ｂ１にハンドオーバすることを示している点が異なる。

　以下、基地局装置Ｃ３－１、Ｃ３－２を基地局装置ｃ３、アクセス制御装置Ｄ３－１、Ｄ３－２をアクセス制御装置ｄ３として各装置の構成について説明をする。なお、移動端末装置Ａ１－１、Ａ１－２、移動リレー装置Ｂ１、アクセスゲートウェイ装置Ｅ１、及び、ゲートウェイ装置Ｆ１は、それぞれ、第１の実施形態と同じ機能及び構成を持つ移動端末装置ａ１、移動リレー装置ｂ１、及びゲートウェイ装置ｆ１である。第１の実施形態と同じ装置についての説明は省略する。

＜基地局装置ｃ３の構成について＞
　図２０は、本実施形態に係る基地局装置ｃ３の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る基地局装置ｃ３と第１の実施形態に係る基地局装置ｃ１（図４）とを比較すると、制御部ｃ３４が異なる。しかし、他の構成要素（通信部ｃ１２、受信データ制御部ｃ１３、記憶部ｃ１５、及び送信データ制御部ｃ１６）が持つ機能は第１の実施形態と同じである。また、制御部ｃ３４において、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４が第１の実施形態と異なるが、接続制御部ｃ１４１、アタッチ制御部ｃ１４２及び移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３が持つ機能は第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ機能の説明は省略する。

　移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、移動端末装置ａ１を移動リレー装置ｂ１にハンドオーバさせる場合の制御を行う。なお、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４の詳細については、移動装置群加入ハンドオーバ処理の動作（図２２）を用いて後述する。

＜アクセス制御装置ｄ３の構成について＞
　図２１は、本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ３の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係るアクセス制御装置ｄ３と第１の実施形態に係るアクセス制御装置ｄ１（図５）とを比較すると、制御部ｄ３３が異なる。しかし、他の構成要素（通信部ｄ１１、受信データ制御部ｄ１２、記憶部ｄ１４、及び送信データ制御部ｄ１５）が持つ機能は第１の実施形態と同じである。また、制御部ｄ３３において、移動装置群配置制御部ｄ３３３（移動装置群情報配置管理部）が第１の実施形態と異なるが、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１及び移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２が持つ機能は第１の実施形態と同じである。第１の実施形態と同じ機能の説明は省略する。

　移動装置群配置制御部ｄ３３３は、移動リレー装置ｂ１とその移動リレー装置ｂ１に接続する移動端末装置ａ１の情報を、１つのアクセス制御装置で管理するように制御を行う。なお、移動装置群配置制御部ｄ３３３の詳細については、移動装置群加入ハンドオーバ処理の動作（図２２）を用いて後述する。

＜移動通信システム３の動作について＞
　以下、移動通信システム３の動作について説明をする。
　図２２は、本実施形態に係る移動装置群加入ハンドオーバの動作を示すフロー図である。この図において、基地局装置Ｃ３－１、Ｃ３－２は、図１９に示した基地局装置であり、それぞれ、ハンドオーバ元基地局装置ｃ３、ハンドオーバ先基地局装置ｃ３である。また、アクセス制御装置Ｄ３－１、Ｄ３－２は、図１９に示したアクセス制御装置である。また、移動端末装置ａ１は、基地局装置Ｃ３－１及びアクセスゲートウェイ装置ｅ１及びゲートウェイ装置ｆ１を用いてＥＰＳベアラを確立し、データ通信を行っている。

（ステップＳ６０１）移動端末装置ａ１は、予め定められた時間間隔で、周辺の移動リレー装置ｂ１又は基地局装置ｃ３からの電波の受信品質を測定する。移動端末装置ａ１は、測定した受信品質を示す情報を接続中の基地局装置Ｃ３－１に送信する。その後、ステップＳ６０２に進む。
（ステップＳ６０２）基地局装置Ｃ３－１の移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、移動端末装置ａ１から受信した受信品質を示す情報に基づいて、移動端末装置ａ１をハンドオーバさせるか否かを決定する。なお、この受信品質を示す情報には、各基地局装置ｃ３が報知するセルＩＤ及びＥＮＢトラッキングエリアＩＤ、又は、各移動リレー装置ｂ１が報知するＲＳセルＩＤ及びＲＳトラッキングエリアＩＤが含まれる。移動端末装置ａ１をハンドオーバさせることを決定した場合、ステップＳ６０３に進む。

（ステップＳ６０３）基地局装置Ｃ３－１の移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、受信したセルＩＤ、及びＥＮＢトラッキングエリアＩＤ又はＲＳセルＩＤ、及びＲＳトラッキングエリアＩＤに基づき、ハンドオーバさせる新たな接続先が移動リレー装置であるか否かを判定する。例えば、ＲＳトラッキングエリアＩＤとＥＮＢトラッキングエリアＩＤの番号体系を異なる体系とし、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、ＲＳトラッキングエリアＩＤであるか否かによって判定する。新たな接続先が移動リレー装置（以下、この移動リレー装置をハンドオーバ先移動リレー装置という）であると判定した場合、つまり、移動端末装置ａ１が移動装置群に加入すると判定した場合、ステップＳ６０４に進む。

（ステップＳ６０４）基地局装置Ｃ３－１の移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、ＵＥ識別子及びＲＳトラッキングエリアＩＤを含む加入ハンドオーバ要求を生成する。基地局装置Ｃ３－１は、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４が生成した加入ハンドオーバ要求を、アクセス制御装置Ｄ３－１に送信する。この加入ハンドオーバ要求は、移動端末装置ａ１を移動リレー装置ｂ１にハンドオーバさせる要求であって、ハンドオーバさせる移動端末装置ａ１の情報を、ハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の情報を管理するアクセス制御装置ｄ３で管理させる要求である。以下、この加入ハンドオーバ要求を送信する基地局装置Ｃ３－１をハンドオーバ元基地局装置Ｃ３－１という。ハンドオーバ元基地局装置Ｃ３－１は、加入ハンドオーバ要求をアクセス制御装置Ｄ３－１に送信する。その後、ステップＳ６０５に進む。

（ステップＳ６０５）アクセス制御装置Ｄ３－１の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、ハンドオーバ元基地局装置Ｃ３－１から加入ハンドオーバ要求を受信すると、加入ハンドオーバ要求に含まれるＵＥ識別子及びＲＳトラッキングエリアＩＤを抽出する。移動装置群配置制御部ｄ３３３は、抽出したＲＳトラッキングエリアＩＤが、トラッキングエリアＩＤ情報記憶部ａ１４２が記憶するトラッキングエリアＩＤ情報に含まれているか否かを判定する。つまり、移動装置群配置制御部ｄ３３３は、ハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の情報を管理しているか否かを判定する（ハンドオーバ先移動リレー装置検索処理という）。その後、ステップＳ６０６に進む。

（ステップＳ６０６）アクセス制御装置Ｄ３－１の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、トラッキングエリアＩＤに含まれていない（ハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の情報を管理していない）と判定した場合、ＲＳトラッキングエリアＩＤを含む要求であってハンドオーバ先移動リレー装置検索処理を要求するハンドオーバ先移動リレー装置検索要求を生成する。アクセス制御装置Ｄ３－１は、ハンドオーバ先移動リレー装置検索要求を、近接するトラッキングエリアを管理するアクセス制御装置Ｄ３－２に送信する。その後、ステップＳ６０７に進む。
　なお、アクセス制御装置Ｄ３－１の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、トラッキングエリアＩＤに含まれている（ハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の情報を管理している）と判定した場合、後述するステップＳ６１０の処理と同様の処理をする。

（ステップＳ６０７）アクセス制御装置Ｄ３－２の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、ハンドオーバ先移動リレー装置検索処理を行う。その後、ステップＳ６０８進む。
（ステップＳ６０８）アクセス制御装置Ｄ３－２の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、接続先リレー検索応答をアクセス制御装置Ｄ３－１に送信する。なお、この図では、アクセス制御装置Ｄ３－２がハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の情報を管理している場合について示す。この場合、ステップＳ６０９進む。

（ステップＳ６０９）アクセス制御装置Ｄ３－１の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、ステップＳ６０５にて抽出したＵＥ識別子、及び、移動端末装置情報記憶部ｄ１４１が記憶するＵＥ識別子の移動端末装置情報を含む再配置要求を生成する。アクセス制御装置Ｄ３－１は、移動装置群配置制御部ｄ３３３が生成した再配置要求を、アクセス制御装置Ｄ３－２に送信する。その後、ステップＳ６１０進む。

（ステップＳ６１０）アクセス制御装置Ｄ３－２の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、再配置要求に含まれるＵＥ識別子、及び移動端末装置情報を抽出し、また、抽出したＵＥ識別子にＭＭＥ内ＵＥ識別子を割り当てる。移動装置群配置制御部ｄ３３３は、トラッキングエリアＩＤ情報記憶部ｄ１４２が記憶するトラッキングエリアＩＤ情報において、抽出したＲＳトラッキングエリアＩＤに対応するＥＮＢアドレスを抽出する。移動装置群配置制御部ｄ３３３は、抽出したＵＥ識別子と割り当てたＭＭＥ内ＵＥ識別子を含む加入ハンドオーバ要求を生成する。アクセス制御装置Ｄ３－２は、加入ハンドオーバ要求を基地局装置Ｃ３－２に送信する。その後、ステップＳ６１１進む。

（ステップＳ６１１）基地局装置Ｃ３－２の移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、アクセス制御装置Ｄ３－２から加入ハンドオーバ要求を受信すると、移動端末装置ａ１に無線リソース及びＥＮＢ内ＵＥ識別子を割り当てる。また、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、加入ハンドオーバ要求に含まれるＵＥ識別子とＭＭＥ内ＵＥ識別子、及び割り当てたＥＮＢ内ＵＥ識別子を、移動装置群情報記憶部ｃ１５１が記憶するハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１の移動装置群情報に追加して記憶させる。その後、ステップＳ６１２進む。

（ステップＳ６１２）基地局装置Ｃ３－２の移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４は、加入ハンドオーバ応答を生成する。基地局装置Ｃ３－２は、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４が生成した加入ハンドオーバ応答を、アクセス制御装置Ｄ３－２に送信する。その後、ステップＳ６１３進む。

（ステップＳ６１３）アクセス制御装置Ｄ３－２の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、ステップＳ６１０にて抽出した移動端末装置情報を、移動端末装置情報記憶部ｄ１４１に記憶させる。移動装置群配置制御部ｄ３３３は、再配置応答を生成する。アクセス制御装置Ｄ３－２は、移動装置群配置制御部ｄ３３３が生成した再配置応答を、アクセス制御装置Ｄ３－１に送信する。その後、ステップＳ６１４進む。

（ステップＳ６１４）アクセス制御装置Ｄ３－１の移動装置群配置制御部ｄ３３３は、移動端末装置ａ１に対して移動リレー装置ｂ１へのハンドオーバを指示する加入ハンドオーバ指示を生成する。アクセス制御装置Ｄ３－１は、移動装置群配置制御部ｄ３３３が生成した加入ハンドオーバ指示を、基地局装置Ｃ３－１に送信する。なお、加入ハンドオーバ指示は、ハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１のＲＳセルＩＤを含む。加入ハンドオーバ指示は、基地局装置Ｃ３－１を介して移動端末装置ａ１に送信される。その後、ステップＳ６１５進む。

（ステップＳ６１５）移動端末装置ａ１は、接続する装置を基地局装置Ｃ３－１から移動リレー装置ｂ１に変更する。なお、その後、移動端末装置ａ１は、ハンドオーバ確認をハンドオーバ先移動リレー装置ｂ１経由で基地局装置Ｃ３－２に送信する。そして、基地局装置Ｃ３－２は、従来のハンドオーバ手順と同様に、パス切り替え要求をアクセス制御装置Ｄ３－２に送信し、アクセス制御装置Ｄ３－２は、図９のステップＳ１１１からステップＳ２１２と同様の処理を行い、移動端末装置ａ１のＥＰＳベアラが更新され、以後、基地局装置Ｃ３－２及び移動リレー装置ｂ１を介して通信が継続される。

　このように、本実施形態によれば、移動通信システム３は、移動端末装置ａ１の通信を継続しながら、移動装置群に属する移動リレー装置ｂ１と移動端末装置ａ１との位置情報を、１つのアクセス制御装置で管理するように変更できるので、位置情報の登録及び更新において、複数のアクセス制御装置と通信又は処理を行うことなく位置情報の登録及び更新を指示することができ、移動通信システム３の処理負荷を軽減することができる。

　なお、上述した実施形態における移動端末装置ａ１、ａ２、移動リレー装置ｂ１、基地局装置ｃ１、ｃ２、ｃ３、アクセス制御装置ｄ１、ｄ２、ｄ３、アクセスゲートウェイ装置ｅ１、又はゲートウェイ装置ｆ１の一部、例えば、ＲＳ接続制御部ａ１７１、アタッチ制御部ａ１７２、位置登録制御部ａ２７３、ＵＥ接続制御部ｂ１５１、接続制御部ｂ１５２、データ中継部ｂ１５３、ハンドオーバ制御部ｂ１５４、接続制御部ｃ１４１、ｃ２４１、アタッチ制御部ｃ１４２、移動装置群ハンドオーバ制御部ｃ１４３、移動装置群加入ハンドオーバ制御部ｃ３４４、ＥＰＳベアラ設定制御部ｄ１３１、移動装置群ハンドオーバ制御部ｄ１３２、ｄ２３２、移動装置群配置制御部ｄ３３３、コアネットワークベアラ設定制御部ｅ１３１、無線アクセスベアラ設定制御部ｅ１３２、コアネットワークベアラ設定制御部ｆ１３１をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、移動端末装置ａ１、ａ２、移動リレー装置ｂ１、基地局装置ｃ１、ｃ２、ｃ３、アクセス制御装置ｄ１、ｄ２、ｄ３、アクセスゲートウェイ装置ｅ１、又はゲートウェイ装置ｆ１に内蔵されたコンピュータシステムであって、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＣＤ－ＲＯＭ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。

　以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。

　本発明は、移動通信システム、基地局装置、それと類似の技術において用いて好適であり、ハンドオーバ等による位置情報の変更時に、移動通信システムの処理負荷を軽減でき、また、位置情報の変更処理の遅延を防止することができる。

１、３・・・移動通信システム、Ａ１－１、Ａ１－２、ａ１、ａ２・・・移動端末装置、Ｂ１、ｂ１・・・移動リレー装置、Ｃ１－１、Ｃ１－２、Ｃ３－１、Ｃ３－２、ｃ１、ｃ２、ｃ３・・・基地局装置、Ｄ１、Ｄ３－１、Ｄ３－２、ｄ１、ｄ２、ｄ３・・・アクセス制御装置、Ｅ１、ｅ１・・・アクセスゲートウェイ装置、Ｆ１、ｆ１・・・ゲートウェイ装置、Ｎ１・・・無線アクセスネットワーク、Ｎ２・・・コアネットワーク、Ｎ３・・・パケットデータネットワーク、ｘ１・・・セル、ａ１１・・・アンテナ、ａ１２・・・通信部、ａ１３・・・受信データ制御部、ａ１４・・・出力部、ａ１５・・・入力部、ａ１６・・・送信データ制御部、ａ１７、ａ２７・・・制御部、ａ１２１・・・無線通信ＩＦ部、ａ１７１・・・ＲＳ接続制御部、ａ１７２・・・アタッチ制御部、ａ２７３・・・位置登録制御部、ｂ１１・・・アンテナ、ｂ１２・・・通信部、ｂ１３・・・受信データ制御部、ｂ１４・・・受信品質検出部、ｂ１５・・・制御部、ｂ１６・・・送信データ制御部、ｂ１２１・・・無線通信ＩＦ部、ｂ１５１・・・ＵＥ接続制御部、ｂ１５２・・・接続制御部、ｂ１５３・・・データ中継部、ｃ１１・・・アンテナ、ｃ１２・・・通信部、ｃ１３・・・受信データ制御部、ｃ１４、ｃ２４、ｃ３４・・・制御部、ｃ１５・・・記憶部、ｃ１６・・・送信データ制御部、ｃ１２１・・・無線通信ＩＦ部、ｃ１２２・・・通信ＩＦ部、ｃ１４１、ｃ２４１・・・接続制御部、ｃ１４２・・・アタッチ制御部、ｃ１４３・・・移動装置群ハンドオーバ制御部（移動装置群管理部）、ｃ３４４・・・移動装置群加入ハンドオーバ制御部、ｄ１１・・・通信部、ｄ１２・・・受信データ制御部、ｄ１３、ｄ２３、ｄ３３・・・制御部、ｄ１４・・・記憶部、ｄ１５・・・送信データ制御部、ｄ１１１・・・通信ＩＦ部、ｄ１３１・・・ＥＰＳベアラ設定制御部、ｄ１３２、ｄ２３２・・・移動装置群ハンドオーバ制御部、ｄ３３３・・・移動装置群配置制御部（移動装置群情報配置管理部）、ｄ１４１・・・移動端末装置情報記憶部、ｄ１４２・・・トラッキングエリアＩＤ情報記憶部（位置領域情報記憶部）、ｅ１１・・・通信部、ｅ１２・・・受信データ制御部、ｅ１３・・・制御部、ｅ１４・・・記憶部、ｅ１５・・・送信データ制御部、ｅ１１１・・・通信ＩＦ部、ｅ１３１・・・コアネットワークベアラ設定制御部、ｅ１３２・・・無線ベアラ設定制御部、ｅ１４１・・・ベアラ情報記憶部、ｆ１１・・・通信部、ｆ１２・・・受信データ制御部、ｆ１３・・・制御部、ｆ１４・・・記憶部、ｆ１５・・・送信データ制御部、ｆ１１１・・・通信ＩＦ部、ｆ１３１・・・コアネットワークベアラ設定制御部、ｆ１４１・・・コアネットワークベアラ情報記憶部

Claims

　基地局装置、移動端末装置、前記基地局装置と前記移動端末装置との通信を中継する移動中継装置、及び前記移動端末装置と前記移動中継装置についての位置を示す位置情報を管理するアクセス制御装置を具備する移動通信システムにおいて、
　前記基地局装置は、
　前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する移動装置群情報記憶部と、
　前記移動装置群記憶部が記憶する移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する移動装置群管理部と、
　を備えることを特徴とする移動通信システム。
　前記移動装置群管理部は、前記移動中継装置が接続先の前記基地局装置を変更するハンドオーバに伴い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するときは、前記ハンドオーバを行う移動中継装置が属する移動装置群の移動装置群情報に基づき、該移動装置群に属する装置各々の位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に一括して指示することを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム。
　前記アクセス制御装置は、
　１つ或いは２つ以上の前記基地局装置各々に割り当てられた位置領域を識別する位置領域識別子又は前記移動中継装置各々に個別に割り当てられた位置領域識別子、と対応付けて、前記基地局装置のネットワーク上で当該装置を一意に識別するアドレスを、前記位置情報として記憶する位置領域情報記憶部と、
　前記移動端末装置を識別する移動端末識別子と対応付けて、前記移動端末装置の通信を中継する前記移動中継装置に割り当てられた前記位置領域識別子を記憶する移動端末情報記憶部と、
　を備え、
　前記移動装置群管理部は、前記位置領域情報記憶部が記憶するアドレスの登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示することを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム。
　前記アクセス制御装置は、１つ又は２つ以上の前記基地局装置各々に割り当てられた位置領域を識別する位置領域識別子と対応付けて、前記基地局装置のネットワーク上で当該装置を一意に識別するアドレスを記憶する位置領域情報記憶部と、
　前記移動端末装置を識別する移動端末識別子と対応付けて、前記移動端末装置の通信を行う前記基地局装置に割り当てられた位置領域識別子を、前記位置情報として記憶する移動端末情報記憶部と、
　を備え、
　前記移動装置群管理部は、前記移動端末情報記憶部が記憶する位置領域識別子の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示することを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム。
　前記移動通信システムは、前記移動端末装置と外部ネットワーク間の通信について、前記移動端末装置の位置情報に基づいて論理通信経路を設定し、前記論理通信経路の管理情報を管理し、
　前記移動端末装置は、前記管理情報に基づいて設定された前記論理通信経路を介して前記外部ネットワークとの通信を行い、
　前記移動装置群管理部は、前記移動中継装置が接続先の基地局装置を変更するハンドオーバを行い、前記位置情報の登録又は更新を前記アクセス制御装置に指示するときは、該移動装置群に属する装置各々の前記論理通信経路の管理情報の登録又は更新を、一括して指示することを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム。
　前記移動通信システムは、複数の前記アクセス制御装置を具備し、
　前記アクセス制御装置は、１つの前記移動装置群に属する前記移動中継装置と前記移動端末装置との前記位置情報を、１つのアクセス制御装置で管理する移動装置群情報配置管理部を備えることを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム
　基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置において、
　前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す情報を、移動装置群情報として記憶する移動装置群情報記憶部と、
　前記移動装置群記憶部が記憶する移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する移動装置群管理部と、
　を備えることを特徴とする基地局装置。
　基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置における通信制御方法おいて、
　前記基地局装置が、前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する過程を有することを特徴とする通信制御方法。
　基地局装置と移動端末装置との通信を中継する移動中継装置と通信を行う前記基地局装置のコンピュータを、
　前記移動中継局装置と、該移動中継局装置を介して通信を行う前記移動端末装置と、からなる集合である移動装置群の構成を示す移動装置群情報に基づいて、前記移動装置群毎に前記位置情報の登録又は更新を、前記アクセス制御装置に指示する手段として機能させることを特徴とする通信制御プログラム。