WO2010001889A1 - 医療用刃物及び医療用刃物のコーティング方法 - Google Patents

医療用刃物及び医療用刃物のコーティング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコーンコーティングすることによって刺通抵抗を軽減させた医療用刃物と、医療用刃物に対し良好なシリコーンコーティングを施すコーティング方法を提供する。 【解決手段】医療用刃物(ナイフA)は、外側にエッジ3を有する刃部1とシャンク部2を有し、エッジ3を含む刃部1に25ナノメートル以上5マイクロメートル以下の厚さのシリコーンをコーティングする。医療用刃物の刃部1を下にシャンク部2を上にし、刃部の上面又は下面とシリコーン溶液の液面21とのなす角度が0度以上90度以下になるようにして該刃部をシリコーン溶液に浸漬し、その後、前記角度の範囲内で毎分500mm以下で上昇させてシリコーン溶液から離脱させ、且つ100℃以上250℃以下の温度範囲で30分以上乾燥させる。シリコーン濃度を0.2重量%~15重量%で、1回又は繰り返すことでシリコーン膜の厚さを調整する。

Description

医療用刃物及び医療用刃物のコーティング方法
 本発明は手術の際に刺通性を向上させることができる医療用刃物と、この医療用刃物を製造する際のコーティング方法とに関するものである。
 医療用刃物の一つに眼科手術を行う際に用いる眼科用ナイフがある。眼科用ナイフは、眼球を構成する角膜や強膜を切開するのに用いられるものであり、角膜に初期切開創を形成したり、自己閉鎖性の良い切開創を形成することを実現したものである。眼科用ナイフを用いて角膜を切開する場合には抵抗が小さく、医師に大きな影響を与えることはないといわれていた。しかし、強膜を切開する場合、角膜を切開する際の抵抗よりも大きい抵抗が生じており、この抵抗を小さくすることが要求されている。
 一方、医療用縫合針も同様に生体組織を刺し通す際の刺通抵抗が医師の疲労を進めるため、刺通抵抗を小さくすることがもとめられており、この要求を満足させるために、表面にシリコーンコーティングを施すことが行われている(例えば特許文献1~3参照)。
 例えば特許文献1に記載された発明は、オーステナイト系ステンレス材料よりなる縫合針の表面にシリコーンの焼付コーティング層を形成したものであり、刺通回数が増加しても良好な刺通性を維持することができるという効果を発揮することができる。また特許文献1に記載された発明は、角形縫合針の切刃を構成する面に中心軸に対し略直交する方向の目と中心軸に沿った目を形成すると共にシリコーンコーティング層を形成したものである。この発明では、表面の凹凸の全面にわたってシリコーンコーティング層が形成されることで縫合針が生体組織を通過する際の抵抗を小さくすることができるという効果を有する。更に、特許文献3に記載された発明は、縫合針の酸洗された針先部をシリコーンコーティングしたものであり、刺通する際にシリコーンによる潤滑作用を発揮するという効果を有する。
 上記の如く、特許文献1~3の何れにも、縫合針の表面にシリコーンコーティング層を形成することによって刺通抵抗を軽減することができることが記載されている。
特公平6-20461号(特許第1895794号)公報 特開平5-56983号(特許第3140508号)公報 特許第2599893号公報
 医療用刃物、特に、眼科用ナイフでは自己閉鎖性の良い切開創の形成や角膜の切開に際しては抵抗が小さく、十分に満足のいく機能を有していたため、シリコーンコーティングを施すという思想は存在しなかった。しかし、上記したように強膜を切開する際の抵抗を小さくするという要求があり、この要求を満足させるために、切刃を含む表面にシリコーンコーティング層を形成することが有効であることが想像される。
 このため、本件発明者はシリコーンコーティングを施した医療用刃物の開発を行ってきたが、解決すべき多くの課題が存在している。
 その中の一つにシリコーンコーティング方法がある。即ち、特許文献1、2に記載された縫合針の場合、表面にシリコーンコーティングを施す方法としてスプレー方式を採用している。この方法は、縫合針の針先部分を目視しつつ、スプレーガンを利用してシリコーン溶液を噴射することで行っている。このとき、スプレーされたシリコーン溶液が縫合針に形成された縫合糸を結合するための穴に入り込むことがないように注意深く作業を進めている。
 例えば、縫合針に形成された縫合糸を結合するための穴にシリコーンが入り込んでしまうと、安定した結合強度を得ることが困難になり、縫合中に縫合糸が縫合針から離脱するような虞が生じるためである。
 そして、医療用刃物にシリコーン溶液をスプレーガンを利用して噴射した場合、均一なコーティング層を形成することが困難であり、表面に滴状のだまが形成されてしまうという問題が生じた。
 また医療用刃物を眼科用ナイフとしたとき、シリコーンを切刃まで塗布することが困難であるという問題が生じた。そして、シリコーンコーティング層の厚さを如何なる値にしたとき、医師が満足する刺通抵抗の値となるかを判定することも課題の一つである。
 本発明の目的は、シリコーンコーティングすることによって刺通抵抗を軽減させた医療用刃物と、この医療用刃物に対し良好なシリコーンコーティングを施すことができるコーティング方法を提供することにある。
 上記課題を解決するために本発明に係る医療用刃物は、外側にエッジを有する刃部と該刃部と連続したシャンク部を有する医療用刃物であって、エッジを含む刃部に25ナノメートル以上5マイクロメートル以下の厚さのシリコーンをコーティングしたものである。
 また本発明に係る医療用刃物のコーティング方法は、刃部と該刃部と連続したシャンク部を有する医療用刃物をシリコーン溶液に浸漬して該刃部の表面にシリコーンコーティングする方法であって、医療用刃物の刃部を下にシャンク部を上にし、前記刃部の上面又は下面と前記シリコーン溶液の液面とのなす角度が0度以上90度以下になるようにして該刃部をシリコーン溶液に浸漬し、その後、前記角度の範囲内で毎分500mm以下の速度で上昇させてシリコーン溶液から離脱させ、且つ100℃以上250℃以下の温度範囲で30分以上乾燥させることを特徴とするものである。
 上記医療用刃物のコーティング方法に於いて、シリコーン濃度を0.2重量%以上15重量%以下とし、且つシリコーンへの浸漬及び乾燥を1回又は複数回繰り返すことにより、シリコーン膜の厚さを調整することが好ましい。
 本発明に係る医療用刃物では、エッジを含む刃部に25ナノメートル(nm)以上5マイクロメートル(μm)以下の厚さのシリコーンをコーティングしたことによって、眼球を構成する強膜を含む生体組織を刺し通す際の刺通抵抗を軽減することができる。
 また本発明に係る医療用刃物のコーティング方法では、刃部を下にシャンク部を上にすると共に刃部の上面或いは下面とシリコーン溶液の液面とのなす角を0度以上で90度以下になるようにしてシリコーン溶液に浸漬し、その後、毎分500mm以下の速度で上昇させてシリコーン溶液から離脱させ、更に、100℃以上250℃以下の温度範囲で30分以上乾燥させることで、エッジを含む刃部にシリコーンをコーティングすることができる。
 特に、シリコーン濃度を0.2重量%以上15重量%以下とし、且つシリコーンへの浸漬及び乾燥を1回又は複数回繰り返すことにより、シリコーン膜の厚さを所望の値に調整することができる。
本実施例に係るナイフの形状を説明する平面図である。 ナイフの断面図である。 豚の強膜を刺し通したときの刺通抵抗を測定した比較実験の結果を示す図である。 コーティング方法を説明する模式図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分5mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分10mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分30mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分50mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分200mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分500mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。 ナイフをシリコーン溶液から毎分1000mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。
 A           ナイフ
 B           容器
 C           ブリッジ状の連続部分
 1           刃部
 2           シャンク部
 3           エッジ
 4           尖端
 5           線
 6、7、10      斜面
 8、11        平面
 21          液面
 以下、本発明に係る医療用刃物、及び医療用刃物のコーティング方法の最も好ましい実施の形態について説明する。
 本発明に係る医療用刃物の形状は特に限定するものではなく、皮膚や筋肉等の組織を切開する刃物(縫合針やメス)、或いは眼球を構成する角膜や強膜を切開する刃物等の医療用に用いる刃物(ナイフ)に適用することが可能である。
 本発明に係る刃物を構成する材料は特に限定するものではない。しかし、組織を切開する際には高い硬度を有することが必要となるため、焼き入れによる硬化を期待し得る炭素鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼を採用することが可能である。
 また、流通過程で錆が生じる虞があるような場合、オーステナイト系ステンレス鋼を採用することが好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼では、焼き入れによる硬化を期待し得ないため、冷間塑性加工によって硬化させることが必要となる。このような冷間加工としては、冷間線引加工や冷間鍛造等の手段があり、目的の刃物の形状や寸法に対応させて適宜選択的に採用することが好ましい。
 以下、本発明の医療用刃物を、眼球を構成する角膜や強膜を切開する際に用いる眼科用のナイフに適用した場合について説明する。図1は本実施例に係るナイフの形状を説明する平面図である。図2はナイフの断面図である。図3は豚の強膜を刺し通したときの刺通抵抗を測定した比較実験の結果を示す図である。
 先ず、図1、2によりナイフAの形状について説明する。図に於いて、ナイフAは、刃部1と、刃部1に連続して形成されたシャンク部2を有している。刃部1の先端は鋭い尖端4として形成されており、該尖端4から刃部1の外縁に沿って切刃としての機能を持ったエッジ3が形成されている。
 刃部1の外縁に沿って形成されたエッジ3を結ぶ線5の上部側と下部側には夫々複数の面が形成されている。即ち、エッジ3の上部側には斜面6、7と平面8が形成されており、エッジ3の下部側には斜面10と平面11が形成されている。エッジ3の上部側の斜面6、7、及びエッジ3の下部側の斜面10及び平面11は、夫々滑らかな面として形成されている。
 ナイフAに於けるエッジ3を含む刃部1にはシリコーンコーティング層が形成されている。シリコーンコーティング層の厚さは25nm以上5μm以下の範囲に設定されている。前記シリコーンコーティング層の厚さは、後述するコーティング方法を選択することで適宜設定することが可能である。
 シリコーンコーティング層を形成する範囲はエッジ3を含む刃部1であり、シャンク部2にシリコーンコーティング層を形成する必要はない。しかし、コーティング作業を進める上で、シャンク部2にまでシリコーンコーティング層が形成されることを排除するものではない。
 エッジ3を含む刃部1に形成されたシリコーンコーティング層の厚さが25nmよりも薄い場合、強膜を切開する際の刺通抵抗を軽減させることが困難である。またシリコーンコーティング層の厚さが増加しても刺通抵抗が無制限に低下するものではなく、シリコーンコーティング層の厚さが5μm以上になると刺通抵抗は略一定となる。従って、シリコーンコーティング層の厚さは25nm以上5μm以下の範囲で十分である。
 本件発明者は、厚さ約1μmのシリコーンコーティング層を形成したナイフAと、シリコーンコーティングを形成していないナイフと、の刺通抵抗を比較する実験を行った。この実験は、豚の眼球から厚みが0.35mm以上0.40mm以下の強膜を切り出し、1枚の強膜片に対して1回の刺通を行い、このときの刺通抵抗を測定した。
 実験に用いたナイフは形状、寸法等同じ仕様のものとし、夫々5本のサンプルを作成して各サンプル毎に上記強膜片を3回刺通して平均値を得、この平均値を比較して優位性を判断した。その結果を図3に示す。
 図に示されるように、シリコーンコーティングを施していないナイフの場合、1刺通目の平均値は160.0mN(ミリニュートン、以下同じ)、2刺通目の平均値は184.6mN、3刺通目の平均値は207.8mNであった。また1刺通目から3刺通目の平均値は184.1mNであった。このように、1刺通目から刺通回数が増加するのに従って刺通抵抗が増加していることが判る。
 これに対し、シリコーンコーティングを施したナイフAの場合、1刺通目の平均値は91.6mN、2刺通目の平均値は95.6mN、3刺通目の平均値は101.6mNであった。また1刺通目から3刺通目の平均値は96.3mNであった。このナイフAでも、1刺通目から刺通回数が増加するのに従って刺通抵抗が増加している。
 しかし、シリコーンコーティングを施していないナイフの刺通抵抗と比較すると、1刺通目で差が68.4mN、2刺通目で89.0mN、3刺通目で106.2mNであった。また1刺通目から3刺通目の平均値では87.8mNであった。このように、シリコーンコーティングを施すことによって、刺通抵抗を約半分に軽減することが可能であった。
 従って、シリコーンコーティングを施してエッジ3を含む刃部1にシリコーンコーティング層を形成することによって、刺通抵抗を軽減することが可能である。
 本件発明者は引き続きシリコーンコーティング層の厚さの変化に対応した刺通抵抗の変化について測定した。その結果、シリコーンコーティング層の厚さが厚くなるのに従って刺通抵抗は減少すること、しかし、一定の率で減少してゆくものではなく、厚さが約5μmを越えると刺通抵抗はほとんど変化せず略一定の値となること、また、シリコーンコーティング層の厚さが25nmよりも薄くなると刺通抵抗のばらつきが大きくなること、等が判明した。
 従って、シリコーンコーティング層の厚さは最大でも5μmあれば十分であり、それ以上厚いと、シリコーン溶液の無駄使いにつながる虞がある。またシリコーンコーティング層の厚さが25nmよりも薄くなると安定した効果を得ることが困難になる。これは、シリコーンコーティング層を安定した厚さで形成することが困難であることに起因しているものと考えられる。
 以上の観点から、医療用刃物(ナイフA)のエッジを含む刃部に、25nm以上5μm以下の厚さを持ったシリコーンコーティングを施すことで、十分に刺通抵抗を軽減させることが可能となる。
 尚、上記厚さの範囲の中であっても、目的の医療用刃物に要求される刺通回数に応じて、適宜シリコーンコーティングの厚みを調整することも可能である。例えば、要求される刺通回数が1刺通であれば、シリコーンコーティングの厚みは25nm以上1μm以下で十分である。また、3刺通であれば、30nm以上2μm以下で十分であり、5刺通であれば、40nm以上3μm以下で十分であり、更に、10刺通であれば、50nm以上5μm以下で十分である。一般的に、眼科用ナイフによる切開手術では3刺通程度行うことが多く、また、眼科用縫合針による縫合手術では10~15刺通する事が多い。
 次に、コーティング方法の実施例について説明する。本発明のコーティング方法は、医療用刃物(ナイフA)のエッジを含む刃部に対し、滴状のだまが形成されることなく、一様な厚さを持ったシリコーンコーティング層を形成し得るようにしたものである。
 本件発明者等は、ナイフAをシリコーン溶液に浸漬させた後、上昇速度を限定することで、該ナイフAの表面に一様なシリコーンコーティング層を形成することが可能であり、上昇速度は遅い方が好ましく、早くなるとだまができやすい、ということを見いだした。
 この理由は、シリコーン溶液に浸漬させたナイフの表面に付着したシリコーン溶液が、ナイフAの上昇に伴ってシリコーン溶液の容器に戻る際に、ナイフの先端とシリコーン溶液の液面との間に表面張力に基づくブリッジ状の連続部分が形成されている時間の大小に関係するものと考えられる。
 即ち、ナイフAをシリコーン溶液の液面から上昇させる際の速度が大きいと、前記ブリッジ状の連続部分の形成時間が短くなり、ナイフAの表面に付着したシリコーン溶液は行き場がなくなって該表面に残留することとなり、ナイフAの姿勢に対応して滴状のだまが形成されるものと考えられる。
 これに対しナイフAの上昇速度が小さいと、ブリッジ状の連続部分の形成時間が長くなり、ナイフAの表面に付着しているシリコーン溶液が液面を経て容器に戻るのに十分な時間を確保し得るためと考えられる。
 上記の如きコーティング方法について図を用いて説明する。図4はコーティング方法を説明する模式図である。図5はナイフをシリコーン溶液から毎分5mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図6はナイフをシリコーン溶液から毎分10mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図7はナイフをシリコーン溶液から毎分30mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図8はナイフをシリコーン溶液から毎分50mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図9はナイフをシリコーン溶液から毎分200mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図10はナイフをシリコーン溶液から毎分500mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。図11はナイフをシリコーン溶液から毎分1000mmの速度で上昇させたときの表面を示す図である。
 図に示す容器Bには予め設定された濃度のシリコーン溶液が収容されており、このシリコーン溶液にナイフAを浸漬してシリコーンコーティングを施すようにしている。シリコーン溶液を構成するシリコーンは特に限定するものではないが、本実施例ではブルースターシリコーンの型番:#111343を利用している。
 同図(a)に示すように、ナイフAを容器Bの上方に配置して下降させる。このとき、ナイフAを如何なる手段で把持するか、は限定するものではなく、上昇速度を正確に制御し得るように構成したチャックであれば良く、このようなチャックに1本ごとに把持して昇降させることで、シリコーン溶液に対する浸漬、取出を行うことが可能である。
なおナイフAを1本ごとに把持して昇降させる構成に限定するものではなく、冶具等でナイフAを1度に複数本まとめて把持して昇降させる構成にすることも可能である。
 ナイフAをシリコーン溶液に浸漬するに際し、同図(b)に示すナイフAの上面(平面8)或いは下面(平面11)とシリコーン溶液の液面21とのなす角度αは、0度以上90度以下であれば良い。この角度範囲は本件発明者等が実験の結果得たものである。
 次いで、同図(c)に示すように、ナイフAを矢印方向に下降させ、エッジ3を含む刃部1をシリコーン溶液中に浸漬する。このとき、ナイフAの下降速度は限定するものではなく、如何なる速度であっても良い。また、シリコーン溶液に浸漬させる部位は、少なくともエッジ3を含む刃部1が必要であり、この部分よりもシャンク部2側が浸漬されていても問題はない。
 ナイフAをシリコーン溶液に浸漬した後、同図(d)に示すように、矢印方向に上昇させてシリコーン溶液から取り出す。このとき、ナイフAの上昇速度は毎分500mm以下の範囲に設定されている。
 特に、同図(e)に示すように、ナイフAの尖端4がシリコーン溶液の液面21から離脱する際に、該尖端4と液面21との間にシリコーン溶液の表面張力によりブリッジCが形成される。このブリッジCを介してナイフAの表面に付着しているシリコーン溶液は容器Bに落下するものと考えられる。従って、ブリッジCの継続時間が長い程、ナイフAの表面に余分なシリコーン溶液が残留することがなく、平滑で一様なシリコーンコーティング層を形成することが可能である。よってナイフAの上昇速度の下限は特に限定する必要は無いが、一度に数十~数千本まとめてシリコーンコーティングを行うことを想定した場合、生産上、毎分0.5mm以上の速度で行うことが好ましい。また、より生産を効率的に行うためには毎分5mm以上200mm以下程度の上昇速度で行うことが好ましい。
 そして同図(f)に示すように、ナイフAが完全にシリコーン溶液から離脱した後、乾燥させることで、エッジ3を含む刃部1にシリコーンコーティングを施したナイフAを製作することが可能である。
 シリコーン溶液から離脱したナイフAに対する乾燥は大気に放置して自然乾燥することでも可能である。しかし、シリコーンコーティング層の品質を保持するには、所定の温度範囲で所定時間保持することが好ましい。このため、本実施例では、シリコーン溶液から離脱したナイフAを、温度範囲を100℃以上250℃以下の雰囲気中に30分以上さらすことで強制乾燥を行っている。
 次に、図5~図11により、シリコーン溶液に浸漬したナイフAを上昇速度を変化させたときの、表面の状態について説明する。これらの実験は、シリコーン10%の濃度からなるシリコーン溶液を利用している。
 例えば、シリコーン溶液の濃度が高くなると、粘性が高くなってナイフAの表面に滴状のだまができやすく、且つ乾燥し難くなるという問題が生じる。本件発明者等の実験では、濃度が0.2重量%以上15重量%以下の範囲のシリコーン溶液が滴状のだまができにくく、且つ乾燥し易かった。特に、シリコーン溶液への浸漬及び乾燥を1回で行う場合には濃度が2重量%以上15重量%以下の範囲のシリコーン溶液が、シリコーン溶液への浸漬及び乾燥を複数回繰り返す場合には濃度が0.2重量%以上10重量%以下の範囲のシリコーン溶液が、滴状のだまができにくく、且つ乾燥し易かった。
 図5はナイフAを毎分5mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面に滴状のだまが形成されることはなく、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れても影響は受けなかった。即ち、前記乾燥条件で十分に乾燥している。
 図6はナイフAを毎分10mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面に滴状のだまが形成されることはなく、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れても影響は受けなかった。即ち、前記乾燥条件で十分に乾燥している。
 図7はナイフAを毎分30mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面に滴状のだまが形成されることはなく、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れても影響は受けなかった。即ち、前記乾燥条件で十分に乾燥している。
 図8はナイフAを毎分50mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面に滴状のだまが形成されることはなく、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れても影響は受けなかった。即ち、前記乾燥条件で十分に乾燥している。
 図9はナイフAを毎分200mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面に滴状のだまが形成されることはなく、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れても影響は受けなかった。即ち、前記乾燥条件で十分に乾燥している。
 図10はナイフAを毎分500mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面には滴状のだまが形成されることはないものの、平面8に沿ってシリコーンによる僅かなふくらみが形成されている。また180℃で2時間乾燥した後、手で触れたとき、シリコーンが僅かに剥がれるという影響を受けている。
 図11はナイフAを毎分1000mmで上昇させたときの表面(上下面)の状態を示す図である。図に明らかなように、表面には滴状のだまが形成されており、また180℃で2時間乾燥した後、手で触れると、シリコーンが剥がれるという影響を受けている。
 上記の如く、シリコーン溶液からナイフAを上昇させる際の速度は毎分500mmが限度であり、これよりも小さい速度で上昇させることで、ナイフAの表面に滴状のだまを形成することなく、一様なシリコーンコーティングを施すことが可能である。
 尚、上記実施例においては、シリコーン溶液にナイフAを1回のみ浸漬させることでコーティングする方法を用いたが、ナイフAに上記方法で数回にわたり、重ねてシリコーンコーティングを施すことも勿論可能であり、それにより適宜厚みを調整することも可能である。また、上記実施例においては、温度条件を180℃2時間の条件で乾燥させているが、上記条件に限定するものではなく、本件発明者等の実験の結果、100℃以上250℃以下の温度範囲で30分以上乾燥させることで、ナイフAを所望の表面状態にすることができた。
 本発明の医療用刃物は同一の患部に対し1回または複数回刺通して切開するような場合に利用して有利である。
 また、本発明のコーティング方法は、医療用刃物の表面に一様なシリコーンコーティングを施すことが可能であり、ナイフやメス、縫合針のコーティングに利用して有利である。

Claims (3)

  1. 外側にエッジを有する刃部と該刃部と連続したシャンク部を有する医療用刃物であって、エッジを含む刃部に25ナノメートル以上5マイクロメートル以下の厚さのシリコーンをコーティングしたことを特徴とする医療用刃物。
  2. 刃部と該刃部と連続したシャンク部を有する医療用刃物をシリコーン溶液に浸漬して該刃部の表面にシリコーンコーティングする方法であって、医療用刃物の刃部を下にシャンク部を上にし、前記刃部の上面又は下面と前記シリコーン溶液の液面とのなす角度が0度以上90度以下になるようにして該刃部をシリコーン溶液に浸漬し、その後、前記角度の範囲内で毎分500mm以下の速度で上昇させてシリコーン溶液から離脱させ、且つ100℃以上250℃以下の温度範囲で30分以上乾燥させることを特徴とする医療用刃物のコーティング方法。
  3. シリコーン濃度を0.2重量%以上15重量%以下とし、且つシリコーンへの浸漬及び乾燥を1回又は複数回繰り返すことにより、シリコーン膜の厚さを調整することを特徴とする請求項2に記載した医療用刃物のコーティング方法。
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