WO2009090830A1 - 射出成形機等における安全扉自動開閉装置及び制御方法 - Google Patents

Abstract

安全扉の開閉に要する待ち時間を短くするため、開閉速度や開き位置の設定が自由（任意）でかつ制御可能であり、さらにタッチスイッチが不要な安全扉自動開閉装置およびその制御方法を提供する。　安全扉自動開閉装置は、フィードバック制御が可能な電気式モータ及び回転直線運動変換機構により構成され、安全扉の開き位置及び開閉速度の任意設定とその制御が可能とする。そして、成形工程時は、成形品の取り出しに対応した安全扉の開き位置を設定し、開閉動作を制御する。さらに、閉動作中に安全扉が作業者や障害物と接触したことを、電気式モータのトルク負荷により検知し、閉動作を即座に停止する。

Description

明 細 書 射出成形機等における安全扉自動開閉装置及び制御方法 関連出願に関する相互参照

本発明は、 2 0 0 8年 1 月 1 6 日付けの特願 2 0 0 8 — 0 0 6 8 9 9の優先権に基づいて特許請求しており、 それらの内容は、 本明 細書において参考文献として組み込まれ、 本願において継続する。 技術分野

本発明は、 プラスチック製品を成形する射出成形機あるいはアル ミニゥム製品を成形するダイカス トマシン等における、 安全扉自動 開閉装置およびその制御方法に関するものである。 背景技術

射出成形機およびダイカス トマシンは、 主に型締装置と射出装置 から構成される。 固定型と可動型からなる金型は、 型締装置により 閉じられて中に製品形状の空隙であるキヤ ビティ を形成し、 射出装 置によってそのキヤビティ 内に溶融状態のプラスチックあるいはァ ルミ二ゥムが射出充填され、 冷却固化後、 金型を開いて取り出し、 成形品 （製品） を得る。

型締装置は、 可動型を往復運動させることにより金型を開閉し、 また金型が閉じた状態において強い型締カを負荷できる。 型締カを 負荷することにより、 溶融状態のプラスチック等を金型内に射出充 填するための圧力に抗して、 金型が開かないよう保持することが可 能である。 さ らに開いた状態では、 可動型から成形品を取り外し、 作業者等が機外へ取り出すことが可能な構造になっている。 このように、 型締装置は、 金型の開閉動作と型締力の負荷が行わ れるので、 成形中に作業者が中に入れないよう、 扉などで囲まれて いる。 扉は固定的に取り付けられている固定扉、 および、 成形品を 機外に取り出すためや、 段取り装置を使って金型を横方向に搬出入 するための、 開閉可能な安全扉からなる。 横型の型締装置では、 安 全扉は金型の横方向に位置し、 車輪などが装着されて、 可動型の往 復動方向にスライ ド （開閉） 可能な構造となっている。

成形工程において、 成形品を横方向に機外へ取り出すためには、 安全扉を 1サイクル毎に開閉する必要がある。 この安全扉の開閉を 作業者が行う と大変な労力となる （特に扉が重たい大型機） ので、 労力を軽減するために、 エア一シリ ンダーを利用した安全扉自動開 閉装置がよく用いられている。 大型機においては、 殆どに装着され ている。

図 6 に、 安全扉白動開閉装置が装着された一般的な 卜グルリ ンク 方式の横型の型締装 ·≥：不す。 マシンベース 9の上には固定型 1 を 保持した固定プラテン 4が固定され 、 その左側に可動型 2 を保持し た可動プラテン 5が移動可能に載置されている。 さ らに 、 可動プラ テン 5の左側には U ンク八ウジング 6及びリ ンク機構 6 aが備えら れ、 可動プラテン 5の開閉と型締カの負荷を行う。 固定プラテン 4 のお側には射出装置が装備され 、 溶融状態のプラスチックゃアルミ ニゥムなどを金型内に射出充填する

型締装置のリ ンクハウジング 6 とリ ンク機構 6 aの横側は、 固定 扉 1 2が固定的に取り付けられ 、 機械修理などのメイ ンテナンス時 以外は開かないよ Όになってい Ό。

一方、 固定型 1 と可動型 2 と可動プラテン 5の横側は、 安全扉 1 1 が取り付けられており、 車輪などの作用によって横方向に開閉可 能となっている。 さ らに、 安全扉 1 1 の下側には、 自動開閉装置 1 3がマシンべ一 ス 9 に取り付けられており、 連結部品 1 7 を介して安全扉 1 1 を自 動的 （作業者の労力を要せず） に開閉することができる。 自動開閉 装置 1 3 には駆動装置として通常、 エアーシリ ンダーが用いられて おり、 エアーシリ ンダ一の本体部分がマシンベース 9 に固定される とともに、 シリ ンダーロッ ドの先端部に連結部品 1 7が取り付けら れ、 安全扉 1 1 と連結されている。

また、 安全扉 1 1 における閉動作時の進行方向側の端面には、 夕 ツチスィ ッチ 1 8が装着されている。 これは、 閉動作において機外 に退避していない作業者等を挟まないようにするための安全装置で 、 閉動作中に作業者等との接触を電気的に検知すると、 制御装置が エアーバルブ等を操作して、 閉動作を即停止し、 続いて開動作に移 行させる。

図 7 に、 金型が開き、 安全扉 1 1が全開している状態を示す。 安全扉の開閉ス トロークは、 成形運転の停止時に、 開いた金型の キヤビティ面や金型側面を作業者が点検、 修理できる位置まで開く ことができる長さに決められる。 そして、 自動開閉装置の設計にお いては、 この開閉ス トロークを実現できる長さのエア一シリ ンダー が選定される。

エアーシリ ンダーの特徴として、 シリ ンダーロッ ドの伸縮動作を 、 ス トロークの途中で設定された位置に精度良く停止させることは 、 困難である。 そのため、 シリ ンダーロッ ドが両ス トロークエン ド に位置する、 安全扉の全開位置および閉じ位置以外において停止さ せる操作は困難となる。 よって、 成形工程においても、 毎サイクル 安全扉を全開位置まで開け閉め （全ス トローク） しなければならな い。

しかし、 成形サイクルにおいて成形品を取り出すためには、 作業 者の身体の一部 （腕、 上半身など） が型締装置内に入り成形品を掴 んで持ち出せれば良いので、 安全扉を全ス トローク開く必要が無い 。 また、 金型段取り装置を用いて金型を機外に出し入れする際 （段 取り工程時） も、 閉じた金型が通過できる幅より も少し広く 開いて いれば良いので、 安全扉を全ス トローク開けなくて良い。 特に大型 の成形機ほど安全扉の余分な開閉ス トロークが長くなり、 時間の無 駄 （待ち時間） が長くなつている。

よつて、 開動作はエアーシリ ンダ一により全ス 卜ローク開くので はなく、 途中で止めて開閉動作ス D一クを短くすることによ Ό、 サイクル夕ィムゃ段取り時間を短縮するェ夫がなされている。

の一つの方法として 、 特許文献 1 に 、 可動盤 (ブラテン） およ び金型の開き量に応じて 、 安全扉の開さ位置を調整する方法が 、 開 示されている。

の方法では、 安全扉にリ ミ ッ 卜スィ ツチを装着するととちに可 動盤に ドグを装着し、 可動盤と安全扉の相対位置を電気的に検知で きるようになつている。 安全扉の開動作中にリ ミ ツ トスイ ッチから の電気信号を検知すると、 エアーバルブを操作してエアーシリ ンダ 一への空気圧力の供給を制限する。 よって、 可動盤の開き位置に応 じた位置で安全扉の開動作を減速、 停止できるようになつている。

〔特許文献 1〕 特開平 0 8 — 2 5 4 4 8号公報

しかしながら、 特許文献 1 による方法では 、 可動プラテンの開さ 量に対応した安全扉の開さ位置を決めることはでさるが、 さ らに成 形品形状に応じて微調整したい場合、 リ ミ ッ 卜スィ ッチの位置を手 作業で調整する必要がある また、 段取りェ程時に最低必要な開き 位置で安全扉を止めるためには 、 別のリ ミ ッ 卜スィ ッチゃ ドグを取 り付ける必要がある。

次に、 サイクルタイムを短縮するためには 、 安全扉の開閉動作を 高速で精度よく短時間で行う必要があるが、 エアーシリ ンダーによ る動作では高速と低速の 2段の速度設定ができる程度で、 自由な速 度設定および速度制御や加減速制御が困難 （エアーの絞り弁を調整 する程度しかできない） で、 迅速な開閉動作とそれによるサイクル タイム短縮が困難であつた。

さらに、 作業者の安全を確保するため、 閉動作時の進行方向側の 端面に夕ツチスィ ッチを装着する必要があるが、 安全扉に夕ツチス イ ッチを装着すると、 制御装置までの配線が困難であるとともに、 コス トアップにもなつていた。 発明の開示

本発明では、 開閉速度や開き位置の設定が自由 （任意） でかつ制 御可能であり、 さ らに夕ツチスィ ッチが不要な安全扉自動開閉装置 およびその制御方法を提供しょう とするものである。

以上の課題を解決するために、 本発明における第 1 の発明では、 安全扉自動開閉装置は、 フィー ドバック制御が可能な電気式モー夕 及び回転直線運動変換機構により構成され、 安全扉の開き位置及び 開閉速度の任意設定とその制御が可能とする。

第 2の発明では、 第 1 の発明における回転直線運動変換機構は、 歯付きベルトとプーリーの組合せ、 あるいはチェーンとスプロケッ 卜の組合せとする。

第 3の発明では、 第 1 の発明における回転直線運動変換機構は、 ボールねじとする。

第 4の発明では、 第 1 から第 3の発明における安全扉自動開閉装 置を、 成形工程時は、 成形品の取り出しに対応した安全扉の開き位 置を設定し、 開閉動作を制御する。

第 5の発明では、 第 1 から第 3の発明における安全扉自動開閉装 置を、 段取り工程時は、 金型の搬入、 搬出に対応した安全扉の開き 位置を設定し、 開閉動作を制御する。

そして、 第 6の発明では、 第 1 から第 3の発明における安全扉自 動開閉装置を、 閉動作中に安全扉が作業者や障害物と接触したこと を、 電気式モー夕の トルク負荷により検知し、 閉動作を即座に停止 する。 発明の効果

本発明では、 下記のような優れた効果を発揮する。

( 1 ) 安全扉の開閉速度パターンを任意に設定精確に制御すること が可能で、 開閉に要する時間を短くでき、 成形サイクルタイムの短 縮が図れる。

( 2 ) 成形工程時において、 成形品の取り出しに対応した安全扉の 開き位置を任意に設定し精確に制御することが可能で、 開閉に要す る時間を短くでき、 成形サイクルタイムの短縮が図れる。

( 3 ) 段取り工程中において、 金型の搬入、 搬出に対応した安全扉 の開き位置を設定し精確に制御することが可能で、 開閉に要する時 間を短くでき、 段取り時間の短縮が図れる。

( 4 ) 安全扉の閉動作中において、 安全扉と作業者や障害物との接 触を検知する夕ツチスィ ッチ等の設置が不要となり、 コス トダウン や配線作業の削減が図れる。

本発明は、 添付図と共に、 下記の本発明の好適な実施の形態の説 明によって、 より十分に理解されても良い。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明の実施例に係る 安全扉、 自動開閉装置、 型締装 置等を示し、 安全扉が成形品を取り出すための開き位置まで開いて いる状態を表す図である。

図 2 は、 本発明の実施例に係り、 サーボモ "夕、 歯付きベルト、 プーリーによって構成される自動開閉装置を表す図である。

図 3 は 本発明 実施例に 係り、 サ 一夕、 ボールねじ等に よって構成される 動開閉 置を表す図である。

図 4は 本発明 実施例に係り、 全扉が金型を段取りするため の開き位 に開い いる状 表す である

図 5 は 本発明 実施例

Ό、 全扉の開閉動作の設定速度パ 夕一ン等を表す図 ある。

図 6 は 従来の 動開閉 置により動作する安全扉が、 閉じてい る時の状 を表す である

図 7 は 従来の 閉 より動作する安全扉が、 開いてい る時の状 (全開 ) を す である 発明を実施するための 良

以下、 面 （ 1 5

基づいて、 本発明に係る実施例を説 明する。 実施例

図 1 において 本 明

る安全扉自動開閉装置を備える型締装 置の全体を示す 本 明 施例は 、 図 6 、 図 7 に示した従来技術 と基本構造は同じである 安全扉 1 1 に夕ソチスィ ッチが付いて いない点と、 自動開閉装濯 1 3の構成が異なつている

図 1 での可動プラテン 5の開き位置と安全扉 1 1 の開き位置は、 全開位置ではなく、 成形品 3 を取り出すために必要最低限の開き位 置であり、 開閉ス トロークと動作に費やす時間の無駄が無く、 サイ クルタイムの短縮が可能な開き位置を示している。 また、 右側に記されている矢視図 A —にて、 安全扉 1 1等を横側 から見た図を示す。 マシンベース 9の上面と上部ビーム 9 a (図示 せぬ支持部品で支持されている） の下面に、 安全扉レール 1 5 と固 定扉レール 1 6が固定されている。 固定扉 1 2 は上下の固定扉レー ル 1 6の間でスライ ド （開閉） 可能に取り付けられているが、 通常 は開閉する必要がないため固定されている。 一方、 安全扉 1 1 は、 車輪 1 4を介して安全扉レール 1 5 にスライ ド （開閉） 可能に取り 付けられるとともに、 連結部品 1 7 を介して自動開閉装置 1 3 と繋 がっており、 自動の開閉動作が可能となっている。

図 2 において、 本発明の実施例に係る自動開閉装置 1 3の構成を 示す。 右側の図で示されているように、 下側の安全扉レール 1 5 に は車輪 1 4が載っており、 車輪 1 4は安全扉 1 1 に固定されている 車輪軸 1 4 a と軸受けを介して回転自在に取り付けられている。 車 輪 1 4が安全扉レール 1 5の上を転がることにより、 安全扉 1 1 の 滑らかな開閉動作が可能となる。

自動開閉装置 1 3 は、 サーポモー夕 2 4、 および駆動プーリー 2 2、 従動プーリー軸 2 5、 従動プーリ一 2 3、 歯付きベルト 2 1 と からなる回転直線運動変換機構から構成されている。 サーポモー夕 2 4 と従動プーリー軸 2 5 は、 マシンベース 9の側面に取り付けら れている。 サ一ボモー夕 2 4の回転軸には駆動プーリ一 2 2が固定 され、 従動プ一リー軸 2 5 には従動プ一リ一 2 3が軸受けを介して 回転自在に取り付けられている。 駆動プーリ一 2 2 と従動プーリー 2 3 には歯付きベルト 2 1 が巻き付けられており、 歯付きベルト 2 1 は連結部品 1 7 を介して安全扉 1 1 と連結している。

よって、 サーボモータ 2 4を回転させると、 駆動プーリ一 2 2 と 従動プーリー 2 3 とが回転し、 それにともなって、 歯付きベルト 2 1 、 連結部品及び安全扉 1 1が横方向に直線運動 （開閉動作） する 。 そして、 サーボモー夕 2 2の回転速度及び回転量を制御すること により、 安全扉 1 1 の開閉速度及び開き位置を制御することができ る。

また 、 図 2 において、 歯付きベルト 2 1 をチェ一ンに、 駆動プ ― リ一 2 2 を駆動スプロケッ トに、 また従動プーリ ― 2 3 を従動スプ ロケッ 卜に置換しても、 同様に本発明の実施が可能である

次の実施例を、 図 3 を用いて説明する。 自動開閉装置 1 3 は、 サ ーボモ一夕 3 3、 およびボールねじ軸 3 1等からなる回転直線運動 変換機構から構成されている。

シンベース 9 の側面に、 サーボモー夕 3 3、 スラス 卜 3 o 「

、 ラジアル軸受け 3 6カ^ 取り付け部品を介して固定されている ヽ一ルねじ軸 3 1 は、 スラス ト軸受け 3 5 とランアル軸受け 3 6 によつて回転可能に支持されるとともに、 スラス 軸受け 3 5 によ つて軸方向 （スラス ト方向） の動きが規制されてい "3 小ールねじ 軸 3 1 のスラス ト軸受け 3 5側の端部は、 力ップ U ング 3 4 を介し てサ一ボモ一夕 3 3の回転軸と連結してい た 、 ホ一ルねじ軸

3 1 にはポールねじナツ ト 3 2が螺合しており、 ボ —ルねじナツ 卜

3 2 は連結部材 1 7 を介して安全扉 1 1 と連結している。

よ て、 サーボモー夕 3 3が回転すると 、 ホ一ルねじ軸 3 1 とポ 一ルナッ ト 3 2が回転運動を直線運動に変換し、 安全扉 1 1 を開閉 するァ とができる。

次に、 上述した安全扉自動開閉装置を用いた開閉動作の制御方法 について説明する。

運転条件の設定者は、 図 5 に示されているように、 開き位置、 及 び閉動作と開動作の速度パターンを成形機の操作盤に設定する。

まず、 作業者が開いた金型から成形品を取り出すための、 作業に 適した安全扉の開き位置 （できるだけ開閉ス トロークが短くなるよ う） を決める。 そして、 開閉動作を試しながら、 滑らかで且つ動作 時間が短くなる速度パターンを設定する。 閉動作の速度パターンは

、 図 5の上の図が示すように、 作業者等の挟まり を防ぐため閉じ位 置に近付く と低速となる、 2段の速度パターンが良い。 開動作は、 下の図のような高速 1段の速度パターンで良い。

この設定された速度パターンにもとづき、 成形機の制御装置がサ 一ポモ一夕を介して開閉動作を制御するが、 実際の制御では図の破 線が示すよう、 ショ ックがでないように加速域と減速域を設けて滑 らかに動作させる。 また、 サ一ボモー夕にはロータリーエンコーダ —が内蔵されているので、 回転軸の回転速度や回転角度を検知して 、 それを安全扉の動作速度や位置に換算することにより、 他のセン サーを設けずとも、 精確なフィー ドバック制御が可能となる。

サーポモー夕を速度制御する場合、 動作中に動作の邪魔となる干 渉物に接触すると、 トルク負荷 （モー夕一電流） が増大する。 それ を検知することより、 閉動作中の作業者等との接触を制御装置が認 識し、 サ一ポモー夕及び安全扉を急速に停止することができる （停 止後すぐに開動作に移行しても良い） 。 よって、 夕ツチセンサ一を 安全扉に装着せずとも、 作業者の安全を確保することができる。 サーポモー夕と回転直線運動変換機構による構成を、 リニアモー 夕 （リニアエンコーダーも装着する） に置き換えることも可能であ る。

ここから、 成形工程及び段取り工程における動作や制御方法を説 明する。

成形工程を開始する場合、 その前に、 金型と安全扉が開いた状態 で、 作業者がキヤ ビティ等に異物や汚れがないかをチェックする。 成形が可能なことが確認されると、 作業者が運転開始ポタンを押し 、 成形工程が開始される。 まず、 安全扉が前述した設定速度パターンにもとづいて閉じられ る。 閉じ位置で止まったことをサーボモー夕のエンコーダ一により 制御装置が確認すると、 可動プラテンが動いて金型が閉じられ、 型 締力が負荷される。 射出装置から溶融状態のプラスチックまたはァ ルミ二ゥムがキヤ ビティ 内に射出充填され、 冷却固化後、 金型は開 かれる。 その後、 押し出し装置によって可動型から成形品が外され る。 そして、 安全扉が開かれ、 作業者が成形品を取り出す。 そして 再び、 運転開始ボタンが押され、 次の成形サイクルが始まる。 （金 型の開き動作、 成形品を外す動作、 安全扉を開く動作は、 同時に行 なう こともできる。 ）

成形品を取り出す作業はロボッ トによる自動動作も可能で、 その 場合、 ロボッ トからの取り出し完了信号を受けて、 制御装置が次の 成形サイクルを開始する。 （成形サイクルが全自動となる。 ）

このように、 安全扉の開閉時間は、 成形のサイクルタイムに加算 されるので、 安全扉の開閉ス トローク （開き位置によって決まる） をできるだけ短く し、 さ らに高速高精度で制御すれば、 サイクル夕 ィムの短縮に直結する。 そして、 生産性の向上に貢献する。

金型を別の金型に交換する自動の段取り工程では、 安全扉が閉じ られた後、 金型が閉じられ （型締カは負荷されない） 、 固定プラテ ンおよび可動プラテンと金型のクランプが解除される。 そして、 可 動プラテンが少し （例えば 5 0 m m ) 開かれて、 金型とそれぞれの プラテンとの接触が離される。 次に、 安全扉が可動プラテンの金型 取り付け面より若干 （例えば 3 0 m m ) 広い開き位置まで開かれる 。 この時の安全扉の開き位置は、 操作盤に入力された金型厚さ等の データから、 制御装置が算出できる。

図 4は、 段取り工程における安全扉の開き位置を示しており、 図 示せぬ段取り装置 （金型をクランプする装置も図示されていない） により金型は手前側に搬出される。

搬出後、 次の金型の厚さより少し （例えば 5 0 m m ) 開く程度の 位置に可動プラテンが開かれ、 それに対応する開き位置に安全扉が 開かれる。 そして、 次の金型が成形機内に搬入されると、 可動ブラ テンが閉じ側に動いて金型とそれぞれのプラテンが接触し、 金型が クランプされ、 その後、 金型が開かれ安全扉も開かれる。 そして、 次の成形のための準備が行われる。

よって、 段取り工程においても、 安全扉の開き量をできるだけ小 さく設定し、 動作制御することが、 段取り時間の短縮につながる。 上記の実施の形態は本発明の例であり、 本発明は、 該実施の形態 により制限されるものではなく、 請求項に記載される事項によって のみ規定されており、 上記以外の実施の形態も実施可能である。 例えば、 電気式モー夕はサーボモー夕に限らず、 位置検出にもと づきフィー ドバック制御ができるモー夕であれば良い。

本発明は、 説明の目的で選択された特定の実施の形態を参照する ことにより説明されたが、 本発明の基本的な思想及び範囲から逸脱 することなく、 多数の修正形態が、 実施可能であることは当業者に とって明白である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 射出成形機またはダイカス トマシンにおける安全扉自動開閉 装置であつて、

フィー ドバック制御が可能な電気式モー夕及び回転直線運動変換機 構により構成され、 安全扉の開き位置及び開閉速度の任意設定とそ の制御が可能であることを特徴とする、 安全扉自動開閉装置。

2 . 前記回転直線運動変換機構は、 歯付きベルトとプーリーの組 合せ、 あるいはチェーンとスプロケッ 卜の組合せであることを特徴 とする請求項 1 に記載の安全扉自動開閉装置。

3 . 前記回転直線運動変換機構は、 ボールねじであることを特徴 とする請求項 1 に記載の安全扉自動開閉装置。

4 . 請求項 1 から 3 に記載の安全扉自動開閉装置における制御方 法であって、

成形工程時においては、 成形品の取り出しに対応した安全扉の開き 位置を設定し、 開閉動作を制御することを特徴とする制御方法。

5 . 請求項 1 から 3 に記載の安全扉自動開閉装置における制御方 法であって、

段取り工程時においては、 金型の搬入、 搬出に対応した安全扉の開 き位置を設定し、 開閉動作を制御することを特徴とする制御方法。

6 . 請求項 1 から 3 に記載の安全扉自動開閉装置における制御方 法であって、

閉動作中に安全扉が作業者や障害物と接触したことを、 前記電気式 モー夕の トルク負荷により検知し、 閉動作を即座に停止することを 特徴とする制御方法。