WO2009081509A1 - 腕式被服、下肢式被服及び背面式被服 - Google Patents

Abstract

　片手による短時間での容易な脱衣性、降雨、降雪、雹及び霰等にかかる悪天候時や低温時及び／または冬季時に備えた身体の部分的な防雨性及び／または防寒性及び幅広い利用者層による装着時の快適性を実現させることを可能とする。 　身体のうち手及び／又は腕の全部又は一部を被覆する腕被覆本体にて形成される腕式被服であって、腕被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を構成し、開閉部の開放により腕被覆本体が円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有する。また、腿及び／又は脚及び／又は足の全部又は一部を被覆する下肢被覆本体にて形成される下肢式被服であって、下肢被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を構成し、開閉部の開放により下肢被覆本体が円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有する。さらに、肩及び／又は背中の全部又は一部を被覆する背面被覆本体にて形成される背面式被服であって、背面被覆本体にかかる前身頃に付設された接合部材の接合により開閉部を構成し、開閉部の開放により背面被覆本体が略円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱を防止可能とする締結部を少なくとも一つ有する。

Description

腕式被服、下肢式被服及び背面式被服

　本発明は、例えば腕式被服、下肢式被服及び背面式被服に係り、特に片手での脱衣を可能とする着脱容易性、降雨、降雪、雹及び霰等に対する防雨性や防水性、雨季や冬季に対する低温時の防寒性及び利用者に対する装着時の快適性を備える腕式被服、下肢式被服及び背面式被服に関する。

　従来より、人々は天候や気温に合わせて適当な種類の被服を選択し、条件に応じて最適な機能、用途、及びデザインを有した被服を着用している。例えば、雨天の場合には、雨水によって身体が濡れることを防止するために防水効果を有する被服（例えば、スポーツウェア、アウトドアウェア及び着衣式雨具（いわゆる合羽）を含む）を利用する。このような場合、被服は防雨性を有することが重要であるが、雨水によって濡れた被服に対する脱衣時の容易性、雨季や冬季に対する低温時の防寒性及び利用者に対する装着時の快適性を有することが好ましい。

　被服の使用条件としては、日常生活上の歩行時に限らず、業務上の移動時（例えば、自転車や自動二輪車を含む）も考えられる。また、被服の利用対象も、成人のみではなく、幼児から老人まで幅広い年齢層と考えられる。しかし、市場における多くの被服は上半身及び／又は下半身を全部覆うように形成されているため、脱衣時には所定の時間が必要となり、また無駄に体温の上昇を発生させてしまうことも多々ある。したがって、被服を着用しようとする意思が起こらず、傘によっては防雨しきれない部分（例えば、腕、脚及び肩や背中を含む）が意に反して想像以上に濡れてしまい不快感を得たり、濡れた被服をそのまま着用し続けた結果、体温低下により病を患ったりする可能性もある。

　一方、これまでに様々な条件に適した機能、用途、及びデザインを有した各種防水効果を有する被服が考えられている。

　例えば、特開２００７－９３７７号公報（特許文献１）に見られるように、全身用雨具において、下肢に対する雨よけを可能とする改善が見られている。しかし特許文献１に開示される技術では、脱衣時に上半身の首元から下半身の股下付近にわたる開閉部に係る接合部材（例えば、ファスナーを含む）及び下肢にわたる開閉部に係る接合部材を開放する動作が必要であり、かつ、上半身に係る被覆部から両腕を抜く動作が必要であるため、片手で被服を脱衣することは容易とは言えない。

　また、特開２００２－３０２８１３号公報（特許文献２）に見られるように、下肢用雨具において、マジックテープ（登録商標）を使用し、円筒形状にすることにより容易な着衣を可能とする改善が見られている。しかし特許文献２に開示される技術では、被覆部から下肢を抜く動作が必要であるため、片手で被服を脱衣することは容易とは言えない。

　また、特開平１１－２５６４０９号公報（特許文献３）に見られるように、長靴と下肢用被服の一体型雨具において、あらゆる利用者の身長の差異に対する調整を可能とする改善が見られる。しかし特許文献３に開示される技術では、ファスナーによって被覆の開閉を行い、固定帯によって胴部等を固定するため、利用者の体型の差異に対する調整機能及び自転車のペダルを漕ぐような下肢の伸縮連続運動に対する柔軟性に乏しく、しいては十分な防水効果を得ることができない。

　また、特開平１０－１９２００２号公報（特許文献４）及び特開２０００－１６０４１１号公報（特許文献５）に見られるように、膝下用雨具において、傘使用時においても防げない地面から跳ね上がった雨水からの防水を可能とする改善が見られる。しかし特許文献４及び５に開示される技術では、歩行時を前提とし、また膝下部分のみの防水のため、用途の幅が狭い。
特開２００７－９３７７号公報 特開２００２－３０２８１３号公報 特開平１１－２５６４０９号公報 特開平１０－１９２００２号公報 特開２０００－１６０４１１号公報

　上述したように、これまでの着衣用雨具を含む防水効果を有する被服に係る先行技術（以下、「従来式被服」という。）は、従来式被服の脱衣時の条件（例えば、時間的猶予の有無及び手足の自由度を含む）を十分に考慮したものでないため、例えば、労働時における業務上の移動の際、訪問先到着時に被服を短時間で容易に脱衣することができなかったり、傘を差しながら片手で被服を脱衣することができなかったりした。

　また、短時間で容易に脱衣することができなかったため、脱衣後の従来被服の処理にも時間を要し、訪問先顧客の時間的概念に対する不信感を与えるだけでなく、濡れた従来式被服の処理によって引き起こす訪問先顧客の視覚的概念に対する不快感を与える可能性もあった。

　また、従来式被服は、従来式被服の利用時の状況（例えば、早歩き時や自転車及び自動二輪車運転時を含む）を十分に考慮したものでないため、例えば、身体の脚及び肩や背中に係る防水効果をもった被服による部分的な防雨ができず、意に反して想像以上に既着服の各部分を濡らしてしまった。

　さらに、従来式被服により部分的な防雨ができなかったため、既着服を部分的に濡らしてしまい不快感を覚えるだけでなく、濡れた既着服をそのまま着用し続けることにより体温低下を引き起こし、病を煩わせる可能性もあった。

　また、従来式被服は、利用者の着用時の事情（例えば、体型の差異や既着服の種類を含む）を十分に考慮したものでないため、例えば、肥満体型の利用者及び厚みのある既着服（例えば、業務服及び冬季時の重ね着を含む）を被覆している利用者において心地よい着心地を提供することができなかった。

　さらに、利用者において心地よい着心地を提供することができなかったため、着用時には十分な防水効果が得られなかったり、利用時の状況が制限されたり、しいては着用したくないという感情を抱かせる可能性もあった。

　本発明は上記の従来技術の問題を解決するためになされたもので、例えば、身体の腕、脚及び肩と背中を被覆する部分的な被服を提供することで、片手による短時間での容易な脱衣性、降雨、降雪、雹及び霰等の悪天候時や低温時及び／または冬季時に備えた身体の部分的な防雨性、防水性及び／または防寒性及び幅広い利用者層による装着時の快適性を実現させることを可能とする腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することを目的としている。

　本発明の別の目的は、容易な脱衣性を実現させることで、あらゆる脱衣時の条件（例えば、着脱を頻繁に繰り返すような条件、片方の手が傘で塞がっているような条件、及び第三者に脱衣を依頼するような条件）に柔軟に対応した雨具としての腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することである。

　本発明のまた別の目的は、身体の部分的な防雨性及び／または防寒性を実現することで、天候や気温が影響するレジャー（例えば、釣りや山登りを含む）に柔軟に対応した防寒具としての腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することである。

　本発明の更に別の目的は、装着時の快適性を実現させることで、雨具や防寒具という固定観念に縛られず、ファッションコーディネートの一環として、ファッショナブルな利用者の利用に対応した腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することである。

　本発明のまた別の目的は、ファッショナブルな利用者にも対応可能な構成の被服を実現することで、ファッション感覚にも敏感な需要層にも利用したいという気持ちを抱かせるような腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することである。

　本発明のまた別の目的は、突発的な利用条件に対応した使い捨て可能な腕式被服、下肢式被服及び背面式被服を提供することである。

　かかる課題を解決するため、本発明は、身体のうち手及び／又は腕の全部又は一部を被覆する腕被覆本体にて形成される腕式被服であって、腕被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を構成し、開閉部の開放により腕被覆本体が円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有して形成されることを特徴とする。

　ここで、腕被覆本体は、腕式被服を雨具として使用する場合には、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材が好ましいが、浸透を防ぎ表層で水を弾く素材であればよく、ここに限定するものではない。

　また、腕被覆本体は、腕式被服を防寒具として使用する場合には、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることが好ましいが、外気を遮断し、被覆部内の温度を保つ素材であればよく、ここに限定するものではない。

　このように構成することで、身体のうち手及び／又は腕の全部又は一部を被覆する腕被覆本体にて、被覆部分は腕被覆本体に覆い尽くされるため、例えば、傘では防ぎきれない横殴りの雨から腕が濡れることを防ぎ、腕被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を設けたことから、腕式被服の第一の挿入口部から利用者の腕を挿入する必要が無くなる。また、かかる開閉部の第一の端縁部に付設した接合部と第二の端縁部に付設した接合部とが接合していない開放状態時に利用者の所定の被覆部を宛がうことで、接合部の接合により被覆部を被覆することができる。さらに、開閉部の開放により腕被覆本体が円周方向に拡開して脱衣することができ、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を設けたことから、腕式被服を被覆部分に止着し、例えば、不用意な腕の上下左右の運動又は暴風などから腕被覆本体が被覆部から外れてしまったり、ずれ落ちてしまったりすることを防ぐことができる。

　このような構成を実現するものであれば限定なく本願に適用可能であり、例えば止着部を複数設けることにより被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止できることも好ましい。また止着部により腕式被服の内側に存在する被覆部分と腕被覆本体との間に余分な空間を持たすことなく最適に止着できることがより好ましい。なお、ここでは第一の挿入口部及び第二の挿入口部の両方を開放できるような構成で記載しているが、第一の挿入口部を含む所定の部分のみ開閉部を設けて開放し、第二の挿入口部を含む所定の部分は開閉部を設けずに開放しない構成にしてもよい。また、開閉部が止着部の役割を果たしてもよい。

　また本発明に係る腕被覆本体は、腕被覆本体に係る腕被覆本体の第一の端縁部を腕周りに巻装して被覆することを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、腕被覆本体に係る第一の端縁部を腕周りに巻装（第二の端縁部が第一の端縁部の下側に位置する構造）し、腕被覆本体の所定の位置に付設した接合部と第一の端縁部に付設した接合部を接合することにより、被覆状態を保持することができる。なお、第二の挿入口部を含む所定の部分は開閉部を設けずに開放せず、第一の挿入口部を含む所定の部分を開放して巻装する構造にしてもよい。

　また本発明に係る止着部及び開閉部は、片手で止着部の止着の解除及び開閉部の開放を可能とする構造を有する接合部材を備えることを特徴とする。

　ここで、接合部材とは、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることが好ましいが、止着部及び開閉部の機能を果たす部材又は方法であればよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、利用者は被覆部に係る腕を捻ったり折り曲げたりすることなく腕式被服に係る止着部及び開閉部にもう一方の腕に係る手が届き、止着部に係る止着の解除及び開閉部の開放を手先の動きのみによって容易に成し遂げることができる。この場合、腕被覆本体に係る接合部材が付設する部分は、止着部に係る止着の解除及び開閉部の開放によって外力が加わるため、外力に対する耐久性のある素材及び／または接合部材が外れない付設構造及び方法を用いていることが好ましい。

　また本発明に係る接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、上記のこれら汎用性のある接合部材を使用することにより、経年的使用により破損しやすい部分であるこれらの接合部分であっても、腕式被服に係る止着部及び開放部の破損に対する修理、補修及び交換を容易に行うことができる。

　また本発明に係る止着部は、既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて寸法を調節可能とする弾性素材を備えて構成されることを特徴とする。

　ここで、弾性素材とは、ゴム、バネ、ポリウレタン、ウレタン、ストレッチナイロン、ストレッチポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ソロテックス（登録商標）及びＰＴＴ繊維うちの少なくとも一つを含む弾性機能を有する素材であることが好ましいが、これに限定せず、擬似的な弾性機能を有する素材、構造及び方法であってもよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、腕式被服装着の止着時に止着部に係る弾性素材が伸張するため、既着服を含む所定の腕の周囲に合わせて腕式被服の装着時寸法を容易に調整でき、利用者は窮屈感を感じることなく装着することができる。

　また本発明に係る腕被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、腕式被服は上記の防水及び防雨効果を有する素材で構成されるため、雨などによって濡れた腕式被服を乾かすことにより繰り返し利用することができる。なお、この場合の素材を腕被覆本体の外層に係る素材とし、内層は防寒効果を有する素材を封入させてもよい。

　また本発明に係る腕被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、腕式被服は上記の防寒効果を有する素材で構成されるため、袖の無い防寒具（例えば、ベストを含む）の着用時や腕だけを外に放置する業務（例えば、国内の高速道路の料金所業務等）の遂行時に、低温の外気から腕を守ることができる。なお、この場合の素材を腕被覆本体の内層に係る素材とし、外層は防水及防雨効果を有する素材を使用してもよい。

　また、本発明は、身体のうち腿及び／又は脚及び／又は足の全部又は一部を被覆する下肢被覆本体にて形成される下肢式被服であって、下肢被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を構成し、開閉部の開放により下肢被覆本体が円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有して形成されることを特徴とする。

　ここで、下肢被覆本体は、下肢式被服を雨具として使用する場合には、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材が好ましいが、浸透を防ぎ表層で水を弾く素材であればよく、上述に限定するものではない。

　また、ここで、下肢被覆本体は、下肢式被服を防寒具として使用する場合には、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることも好ましいが、外気を遮断し、被覆部内の温度を保つ素材であればよく、上述に限定するものではない。

　このように構成することで、身体のうち腿及び／又は脚及び／又は足の全部又は一部を被覆する下肢被覆本体によって被覆部分が効果的に覆い尽くされるため、例えば、傘では防ぎきれない横殴りの雨から下肢が濡れることを防げる。また、下肢被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部を設けたことで、例えば、下肢式被服の第一の挿入口部から利用者の足を挿入する必要が無くなる。さらに、開閉部の第一の端縁部に付設した接合部と第二の端縁部に付設した接合部とが接合していない開放状態時に利用者の所定の被覆部を宛がい、接合部を接合することにより被覆部を被覆することができ、開閉部の開放により下肢被覆本体が円周方向に拡開して脱衣することができることとなる。また、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を設けたことで、下肢式被服を被覆部分に止着し、例えば、不用意な下肢の上下左右の運動又は暴風などから下肢被覆本体が被覆部から外れてしまったり、ずれ落ちてしまったりすることを防ぐことができる。このような構成を実現するものであれば限定なく本願に適用可能であり、例えば、止着部を複数設けることにより被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止できることが好ましい。また止着部により下肢式被服の内側に存在する被覆部分と下肢被覆本体との間に余分な空間を持たすことなく最適に止着できることがより好ましい。

　また本発明に係る下肢被覆本体は、第一の端縁部を下肢周りに巻装して被服することを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、下肢被覆本体に係る第一の端縁部を下肢周りに巻装（第二の端縁部が第一の端縁部の下側に位置する構造）し、下肢被覆本体の所定の位置に付設した接合部と第一の端縁部に付設した接合部とを接合することにより、被覆状態を保持することができる。

　また本発明に係る止着部及び開閉部は、片手で止着部に係る止着の解除及び開閉部の開放を可能とする構造に係る接合部材を備えることを特徴とする。

　ここで、接合部材とは、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることが好ましいが、止着部及び開閉部の機能を果たす部材又は方法であればこれら以外のものであってもよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、利用者は被覆部に係る下肢を捻ったり折り曲げたりすることなく下肢式被服に係る止着部及び開閉部に利用者の第一の手が届き、止着部に係る止着の解除及び開閉部の開放を手先の動きのみによって容易に取り外すことができる。この場合、下肢被覆本体に係る接合部材が付設する部分は、止着部に係る止着の解除及び開閉部の開放によって外力が加わるため、外力に対する耐久性のある素材及び／または接合部材が外れない付設構造及び方法を用いていることが好ましい。

　また本発明に係る接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐を含む汎用性のある接合部材とすることにより、下肢式被服に係る止着部及び開放部の破損に対する修理、補修及び交換を容易に行うことができる。

　また本発明に係る止着部は、既着服を含む下肢の周囲に合わせて寸法を調節可能とする弾性素材を備えて構成することを特徴とする。

　ここで、弾性素材とは、ゴム、バネ、ポリウレタン、ウレタン、ストレッチナイロン、ストレッチポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ソロテックス（登録商標）及びＰＴＴ繊維うちの少なくとも一つを含む弾性機能を有する素材であることが好ましいが、これに限定せず、擬似的な弾性機能を有する素材、構造及び方法でもよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、下肢式被服装着の止着時に止着部に係る弾性素材が伸張するため、既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて下肢式被服の装着時寸法を調整が可能となり、利用者は窮屈感を感じることなく装着することができる。

　また本発明に係る下肢被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、下肢式被服は上述の防水及び防雨効果を有する素材で構成されるため、雨などによって濡れた下肢式被服を乾かすことにより繰り返し利用することができる。なお、素材を下肢被覆本体の外層に係る素材とし、内層は防寒効果を有する素材を封入させてもよい。

　また本発明に係る下肢被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、下肢式被服は上述の防寒効果を有する素材で構成されるため、身丈が腰付近の上着（例えば、ジャケットやハーフコートを含む）、ショートパンツ、生地の薄いズボン及びスカート（例えば、ロングスカートやミニスカートを含む）の着用時に、低温の外気から下肢を守ることができる。なお、下肢被覆本体の内層に係る素材とし、外層は防水及防雨効果を有する素材を使用してもよい。

　また、本発明は、身体のうち肩及び／又は背中の全部又は一部を被覆する背面被覆本体にて形成される背面式被服であって、背面被覆本体に係る前身頃に付設された接合部材の接合により開閉部を構成し、開閉部の開放により背面被覆本体が略円周方向に拡開し、被覆部分からの離脱を防止可能とする締結部を少なくとも一つ有して形成されることを特徴とする。

　ここで、背面被覆本体は、背面式被服を雨具として使用する場合には、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材が好ましいが、浸透を防ぎ表層で水を弾く素材であればこれらに限定されるものではない。

　また、背面被覆本体は、背面式被服を防寒具として使用する場合には、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることが好ましいが、外気を遮断し、被覆部内の温度を保つ素材であればこれらに限定されるものではない。

　このように構成することで、身体のうち肩及び／又は背中の全部又は一部を被覆する背面被覆本体を設けたことで、被覆部分は背面被覆本体に覆い尽くされ、例えば、傘では防ぎきれない横殴りの雨から肩や背中が濡れることを防げる。背面被覆本体に係る前身頃に付設された接合部材の接合による開閉部を設けたことで、利用者は頭を挿入する挿入部から頭を挿入する必要がなくなる。前身頃に係る第一の端縁部に付設した接合部と第二の端縁部に付設した接合部が接合していない開放状態時に利用者の所定の被覆部を宛がうことによって、接合部を接合することにより被覆部を被覆することができ、開閉部の開放により背面被覆本体が略円周方向に拡開して脱衣することができる。さらに、被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする締結部を設けたことで、背面式被服を被覆部分に締結し、例えば、不用意な身体の上下左右の運動又は暴風などから背面被覆本体が被覆部から外れてしまったり、ずれ落ちてしまったりすることを防ぐことができる。このような構成を実現するものであれば限定なく本願に適用可能であるが、この場合には例えば、締結部を複数設けることにより被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止できることが好ましい。また締結部により背面式被服に係る被覆部分と背面被覆本体との間に余分な空間を持たすことなく最適に止着できることがより好ましい。なお、開閉部は前身頃の所定の位置（例えば、右肩付近、左肩付近、右胸付近及び左胸付近を含む）にあればよく、右前身頃に係る端縁部と左前身頃に係る端縁部を接合することに限定されない。

　また本発明に係る開閉部及び締結部は、片手もしくは両手でも締結部に係る締結の解除及び開閉部の開放を可能とする構造に係る接合部材を備えることを特徴とする。

　ここで、接合部材とは、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることが好ましいが、締結部及び開閉部の機能を果たす部材又は方法であればこれら以外のものであってもよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、利用者は被覆部に係る上半身を捻ったり腰を折り曲げたりすることなく背面式被服に係る締結部及び開閉部に手が届き、締結部に係る締結の解除及び開閉部の開放を手先の動きのみによって容易に実現することができる。この場合、背面被覆本体に係る接合部材が付設する部分は、締結部に係る締結の解除及び開閉部の開放によって外力が加わるため、外力に対する耐久性のある素材及び／または接合部材が外れない付設構造及び方法を用いていることが好ましい。

　また本発明に係る接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、上述の汎用性のある接合部材を使用することにより、背面式被服に係る締結部及び開放部の破損に対する修理、補修及び交換を容易に行うことができる。

　また本発明に係る背面式被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、背面式被服は上述の防水及び防雨効果を有する素材で構成されるため、雨などによって濡れた背面式被服を乾かすことにより繰り返し利用することができる。なお、素材を背面被覆本体の外層に係る素材とし、内層は防寒効果を有する素材を封入させてもよい。

　また本発明に係る背面被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする。

　かかる構成を備える本発明によれば、背面式被服は上述の防寒効果を有する素材で構成されるため、屋内外の出入りに伴う着脱を頻繁に繰り返す業務の遂行時に、低温の外気から背面及び／または前面を守ることができる。なお、背面被覆本体の内層に係る素材とし、外層は防水及防雨効果を有する素材を使用してもよい。

　また本発明に係る背面被覆本体は、顔面部、頭部及び首部の全部又は一部を被覆するフードを有することを特徴とする。

　ここで、フードとは、背面被覆本体に係る背面部分に接合しているものであり、利用者はフードを片手若しくは両手で適宜被ることができる構成が好ましい。なお、フードに係る素材、形状及びデザインに限定はなく、所定の接合部材を使用して取り外しが可能なものでもよい。

　かかる構成を備える本発明によれば、利用者は顔面部、頭部及び首部の全部又は一部をフードで覆うことで、例えば、傘をささなくても雨で濡れることを防ぐことができる。また、気温が低いときは外気から遮断するため、防寒対策にも利用できる。

　本発明は、上記のように構成されるので、利用者は状況に応じて身体の部分的な防水、防雨、及び防寒が可能となる。また、部分的な被服なため、外出時もコンパクトに収納可能である。さらに、脱衣が容易であるため、時間的猶予が無い場合にも慌てることなく未着用時の通常スタイルに戻ることができ、雨天時の屋内屋外への頻繁な着脱が必要な場合にも有効なアイテムとしての役割を果たし得る。また、利用者の体型及び既着服の影響による差異を柔軟に調整できるため、幅広い利用者層に好適である。しかも汎用性ある部材や素材を利用し、比較的簡単な構造で実現できるため、専門家でなくとも修繕時の対応が可能であり、製造についても廉価で行うことができるため、使い捨てグッズとしての利用も有効である。

　以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下では、本願発明の目的の達成のために説明に必要な範囲を模式的に示し、本願発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。

　図１は、本発明の一実施形態に係る腕式被服の全体の展開された概略を示す斜視図である。同図に示すように、腕式被服１は、腕被覆本体１１０を具備し、利用者の手首の挿入口１６０を有する。なお、ここで挿入口部１６０は開閉できない構成にしているが、開閉部を設けて開閉できる構成にしてもよい。また、挿入口１６０にはゴム等の弾性素材を備える構成が好ましい。また、腕式被服１は、利用者の脱衣容易性を向上させる開閉部１２０を有するが、開閉部１２０は第一の端縁部１２０Ａ及び第二の端縁部１２０Ｂに係る所定の接合部材の接合によって構成される。

　図１には、端縁部１２０Ａに係る接合部材１５０１Ａと端縁部１２０Ｂに係る接合部材１５０１Ｂの接合及び端縁部１２０Ａに係る接合部材１５０２Ａ及び端縁部１２０Ｂに係る接合部材１５０２Ｂの接合によって、開閉部１２０の構成が実現される例が示されている。開閉部１２０については、腕式被服１全体に占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることはない。また、腕式被服１は、腕式被服１が利用者の被覆部から離脱及び／又はずれを防止するための止着部１４０を有する。止着部１４０は、装着時の被覆部分の周囲に合わせて寸法を調整可能とする弾性素材１４０１及び寸法を保持するための所定の接合部材によって構成される。なお、被覆部から離脱及び／又はずれを防止するために、被覆部の表面に接する部分に摩擦効果を発生させる摩擦素材を付着させることが好ましい。これにより弾性素材１４０１による圧力だけでなく、摩擦素材による摩擦力も加わり、より効果的な離脱及び／又はずれの防止が実現される。図１には、接合部材１５０３－１と接合部材１５０３－２の接合によって、止着部１４０の構成が実現される例が示されている。止着部１４０は、腕式被服１全体に占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることはない。また、接合部材１５０１Ａ及び１５０１Ｂは、図示した腕式被服１の裏面に付設した構成となっているため、同図では点線で示されている。

　図２は、本発明の別の一実施形態に係る下肢式被服２の全体像を示す平面図である。同図に示すように、下肢式被服２は、下肢被覆本体２１０を具備して構成される。また、下肢式被服２は、利用者の脱衣容易性を向上させる開閉部２２０を有するが、開閉部２２０は第一の端縁部２２０Ａ及び第二の端縁部２２０Ｂに係る所定の接合部材によって接合される。図２には、端縁部２２０Ａに係る接合部材２５０１Ａと端縁部２２０Ｂに係る接合部材２５０１Ｂの接合、端縁部２２０Ａに係る接合部材２５０２Ａと端縁部２２０Ｂに係る接合部材２５０２Ｂの接合及び端縁部２２０Ａに係る接合部材２５０３Ａ及び端縁部２２０Ｂに係る接合部材２５０３Ｂの接合によって、開閉部２２０の構成が実現される例が示されている。

　開閉部２２０は、下肢式被服２全体に占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることはない。例えば、下肢被覆本体２１０の第一の端縁部２２０Ａに係る所定の接合部材の付設位置を更に中央に向かって奥側にすることで、下肢被覆本体２１０を下肢周りに巻装して被覆でき、これにより下肢被覆本体２１０が二重になる部分の面積を増やし、内部に雨水や風の浸入を防ぐことができる構成にしてもよい。また、下肢式被服２は、下肢式被服２が利用者の被覆部分から離脱及び／又はずれを防止するための止着部２４０を有する。

　止着部２４０は、装着時の被覆部分の周囲に合わせて寸法を調整可能とする弾性素材２４０１及び寸法を保持するための所定の接合部材によって構成される。なお、被覆部から離脱及び／又はずれを防止するために、被覆部の表面に接する部分に摩擦効果を発生させる摩擦素材を付着させることが好ましい。これにより弾性素材２４０１による圧力だけでなく、摩擦素材による摩擦力も加わり、より効果的な離脱及び／又はずれの防止が実現する。図２には、接合部材２５０４－１と接合部材２５０４－２の接合によって、止着部２４０の構成が実現される例が示されている。止着部２４０は、下肢式被服２全体に占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることはない。また、接合部材２５０１Ａ、２５０２Ａ、２５０３Ａ及び２５０４－１は、図示した下肢式被服２の裏面に付設した構成となっているため、同図では点線で示されている。

　なお、上記に示した下肢式被服は一例であって、ひざ或いはひざより上部又は下部若しくはそれらを含む複数個所で固定する足装着被覆としてもよい。この場合、ゴム及びひもを含む伸縮具或いは緊結具で固定する形式、及び／もしくは上部（腿）付近は膨らんでいる形状とすることも可能である。さらにこの場合、ひざより上部若しくはひざより下部を被覆しない構成でもよい。

　また、本願に係る下肢式被服は、たとえば車椅子専用足装着被覆として実現することもできるが、この場合には、車椅子に座りながらでも装着に不便ではない形状として、たとえば脚部は挿入型とし大腿部は開放された部材を上部もしくは側部から覆ってこれを下部もしくは側部で装着する構造として実現させることができる。

　図３は、本発明の更に別の一実施形態に係る背面式被服３の全体像を示す平面図である。同図に示すように、背面式被服３は、背面被覆本体３１０を備えて構成され、利用者の首の挿入口３６０を有する。また、背面式被服３は、利用者の脱衣容易性を向上させる開閉部３２０を有するが、開閉部３２０は第一の端縁部３２０Ａ及び第二の端縁部３２０Ｂに係る所定の接合部材によって接合される。図３には、端縁部３２０Ａに係る接合部材３５０１Ａと端縁部３２０Ｂに係る接合部材３５０１Ｂの接合及び端縁部３２０Ａに係る接合部材３５０２Ａ及び端縁部３２０Ｂに係る接合部材３５０２Ｂの接合によって、開閉部３２０の構成が実現される例が示されている。開閉部３２０は、背面式被服３全体及び／または背面式被服３に係る前身頃を占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることなく、構成が実現されればよい。

　背面式被服３は、背面式被服３が利用者の被覆部から離脱及び／又はずれを防止するための締結部３４０を有する。締結部３４０は、背面被覆本体３１０に係る左右の端縁部にそれぞれ付設される第一の帯部３４０Ａ及び第二の帯部３４０Ｂに付設される所定の接合部材によって構成される。図３には、帯部３４０Ａに係る接合部材３５０３－１と接合部材３５０３－２の接合によって、締結部３４０の構成が実現される例が示されている。締結部３４０は、背面式被服３全体に占める位置、大きさ及び範囲等、または所定の接合部材の種類、付設個数及び付設位置等はこれに限定されることはない。例えば、第一の帯部３４０Ａ及び第二の帯部３４０Ｂにおいては図示する太さに限定されることはなく、腹部及び腰部を被覆することができる構成でもよい。また、接合部材３５０１Ａ、３５０２Ａ及び３５０３－１は、図示した背面式被服３の裏面に付設した構成となっているため、同図では点線で示されている。なお、締結部３４０を有する構成が好適であるが、これを備える構成であってもよい。

　次に、上記のように構成される被服１、２、３に係る作用及び使用方法を説明する。

　図４は、本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着脱状況を示す状態図である。着衣時においては、利用者は腕式被服１を矢印Ｇの方向から利用者の手首を挿入口１６０に通すことにより、図４に示すような状態となる。このとき、開閉部１２０が図４に示すように利用者のもう一方の手が届く状態に開状態であることが好ましい。そして、第一の端縁部１２０Ａ及び第二の端縁部１２０Ｂを略円周方向に近づけることにより開閉部１２０が閉状態となる。なお、図５は本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着衣状況を示す状態図であるが、図１にて前述したとおり、接合部材１５０１Ａ及び１５０１Ｂが接合して接合状態１５０１を構成し、接合部材１５０２Ａ及び１５０２Ｂが接合して接合状態１５０２を構成し、接合部材１５０３－１及び１５０３－２が接合して接合状態１５０３を構成し、開閉部１２０の閉状態を形成する。なお、脱衣時は前述した一連の動作を片手で行うことができる。すなわち、利用者は、開閉部１２０に係る接合状態１５０１、１５０２及び止着部１４０（図示しない）に係る接合状態１５０３をもう一方の手でのみ解除することが可能であり、開閉部１２０を円周方向に拡開して腕式被服１を脱衣することが可能となる。なお、前述した着脱時の動作及び順序は一例であり、これに限定されることはない。

　図５Ａは、本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着衣状況（図５）のＸ－Ｘ断面を示す状態図である。同図に示すように、利用者が被覆部を腕式被服１にて被覆するとき、腕式被服１が被覆部から離脱及び／又はずれを防止するために止着部１４０に係る弾性部材１４０１が伸張する方向に外力を加える。また弾性部材１４０１は、腕被覆本体１１０の所定の部分において、いわゆる蛇腹状態で包含される。これにより、弾性部材１４０１が伸張されることにより、蛇腹状態が拡張するように動作し、利用者の既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて寸法を調節可能とすることを実現させる。なお、図５Ｂは、本発明の一実施形態に係る腕式被服１に係る未被覆時のＸ－Ｘ断面を示す状態図となっている。

　図６は、本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の着脱状況を示す状態図である。着衣時においては、利用者は下肢被覆本体２１０に係る開閉部２２０の第一の端縁部２２０Ａにて被覆部を巻くように着衣する。このとき、止着部２４０（図示しない）における接合部材２５０４－１と接合部材２５０４－２（図示しない）との接合によって、接合状態２５０１を構成する。このとき、開閉部２２０が図６に示すように利用者の両手が届く状態に開状態であることが好ましい。そして、第二の端縁部２２０Ｂを略円周方向に第一の端縁部２２０Ａに近づけることにより開閉部２２０が閉状態となる。

　図７は本発明の一実施形態に係る下肢式被服１の着衣状況を示す状態図であるが、図２にて前述したとおり、接合部材２５０２Ａ及び２５０２Ｂが接合して接合状態２５０２を構成し、接合部材２５０３Ａ及び２５０３Ｂが接合して接合状態２５０３を構成し、接合部材２５０４Ａ及び２５０４Ｂが接合して接合状態２５０４を構成し、開閉部２２０の閉状態を形成する。ここで、第一の端縁部２２０Ａの更に中央に向かって奥側に所定の接合部材を付設することで、下肢被覆本体２１０が二重になる部分の面積を増やし、内部に雨水や風の浸入を防ぐことができる構成により閉状態を形成してもよい。なお、脱衣時は前述した一連の動作を片手で行うことができる。すなわち、利用者は、開閉部２２０に係る接合状態２５０１（図示しない）、２５０２及び２５０３を第一の手のみ若しくは両手で解除することが可能であり、開閉部２２０に係る第二の端縁部２２０Ｂを略円周方向に拡開して、その後、止着部２４０（図示しない）に係る接合状態２５０４を第一の手のみ若しくは両手で解除することが可能であり、第一の端縁部２２０Ａを円周方向に拡開し、下肢式被服１を脱衣することが実現される。なお、前述した着脱時の動作及び順序は一例であり、これに限定されることはない。

　図７Ａは、本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の着衣状況（図７）のＹ－Ｙ断面を示す状態図である。同図に示すように、利用者が被覆部を下肢式被服２にて被覆するとき、下肢式被服２が被覆部から離脱及び／又はずれを防止するために止着部２４０に係る弾性部材２４０１が伸張する方向に外力を加える。また弾性部材２４０１は、下肢被覆本体２１０の所定の部分において、いわゆる蛇腹状態で包含される。これにより、弾性部材２４０１が伸張されることにより、蛇腹状態が拡張するように動作し、利用者の既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて寸法を調節可能とすることを実現させる。なお、図７Ｂは、本発明の一実施形態に係る下肢式被服１に係る未被覆時のＹ－Ｙ断面を示す状態図となっている。

　図８は、本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着脱状況を示す状態図である。着衣時においては、利用者は背面被覆本体３１０の開閉部３２０に係る第一の端縁部３２０Ａ及び第二の端縁部３２０Ｂを、利用者の背面方向から肩越しに羽織るように被覆する。このとき、開閉部３２０が図８に示すように利用者の両手が届く状態に開状態であることが好ましい。そして、第一の端縁部３２０Ａ及び第二の端縁部３２０Ｂを略円周方向に近づけることにより開閉部３２０が閉状態となる。また、締結部３４０に係る第一の帯部３４０Ａ及び第二の帯部３４０Ｂを胴回りの略円周方向に近づけることにより、締結部３４０が形成される。

　図９は本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す状態図であるが、図３にて前述したとおり、接合部材３５０１Ａ及び３５０１Ｂが接合して接合状態３５０１を構成し、接合部材３５０２Ａ及び３５０２Ｂが接合して接合状態３５０２を構成し、開閉部２２０の閉状態を形成する。また、接合部材３５０３－１及び３５０３－２が接合して接合状態３５０３を構成し、締結部３４０の締結状態が保持される。なお、脱衣時は前述した一連の動作を片手で行うことができる。すなわち、利用者は、締結部３４０に係る接合状態３５０３を第一の手のみ若しくは両手で解除することが可能であり、その後、開閉部３２０に係る接合状態３５０１及び３５０２を第一の手のみ若しくは両手で解除することが可能であり、開閉部３２０に係る第一の端縁部３２０Ａ又は第二の端縁部３２０Ｂを略円周方向に拡開して、背面式被服３を脱衣することが実現される。なお、前述した着脱時の動作及び順序は一例であり、これに限定されることはない。

　図９Ａは、本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を側面視した状態を示す状態図である。また図９Ｂは、本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を背面視した状態を示す状態図である。さらに、図９Ｃ、図９Ｄ及び図９Ｅは、本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す図である。なお、各部の説明の記載は上述の説明をもってかえる。

　さらに、図９Ｆは、本発明の一実施形態に係る背面式被服３に付属するフードを示す状態図である。同図に示す（ａ）は、フード４００を被っている利用者を正面から見た状態図である。このとき、フード４００が脱げないように、接合部材４００１で背面被覆本体３１０と接合することが好ましいが、接合部材４００１がなくてもよく、例えば、フード４００に紐をつけ、首下で紐を結ぶ構成でもよい。また、（ｂ）はフード４００を着用せずに背面被覆本体３１０に取り付けている状態図である。フード４００は接合部材４００２で接合しているが、接合部材４００２がなくてもよく、取り外しできない構成でもよい。なお、接合部材４００１及び４００２は、ボタンやファスナーを含み、これらに限定されない。

　次に、本願の実施例を説明する。図１０は、本願の一実施例に係るパンツタイプの被服の全体像を示す図である。同図中１０－１に示すように、サイズ調整の為にマジックテープ（登録商標）の上と下の大きさを変える。歩行時に落ちにくいよう、ゴムの巾を広く設定する。また、１０－２に示すように、マジックテープ（登録商標）の破損対策及び強度保持の為ステッチをマジックテープ（登録商標）と縫い代まで、たたきつけるようにする。

　同図中１０－３に示すように、縫い代部分のみの重なりだけでは脇からの風や雨、雪が入り込み、保温性が落ちてしまうのを防止するために、重なり部分の面積を多くし、保温性の向上と、２カ所以上にて止めることによって強度を向上させる。これにより、歩行時に落ちにくくなる。この場合、ウール素材に比べて、中綿素材の方が歩行時に落ちやすい傾向があるので、裏の縫い代を滑りにくい生地に切り替えると更に落ちにくい。さらに、この場合、保温性向上にもつながるので、縫い端を突き合わせで、リバーシブルにするのも良い。

　図１１は、本願の一実施例に係る袖用の被服に係る部分を示す図である。同図ａに示すように、最初に片手でマジックテープ（登録商標）を操作することの代替手段として、サイズ調整の為にストッパーを採用してもよい。この場合、着用している方の親指にたとえばゴムを引っ掛けて、もう片方の手でストッパーを引いてサイズを調節する機構とする。

　同図ｂに示すように、次にゴムを太くすることで強度を向上させ、バックルでサイズ調整できるようにするのもよい。この場合には、サイズ調整する際、たとえば脇の下でテープをはさみ、固定することで引っぱるようにするとよい。

　図１２は、本願の一実施例に係る袖用の被服の概略全体像を示す図である。同図１２－１に示すように、パンツ同様、保温性・着用時に脱落しないように、ゴムを太くし、重なりをもたせるような構成とする。これにより、着脱しやすく、落ちにくい。さらに、片手で、問題なくマジックテープ（登録商標）を落ちない細さまで止めることが可能となる。

　図１３は、本願の別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、リブをつけた形態を示す図である。図中、ａ、ｂ、ｃはリブをつける様々な形式を示すが、これらに限定されることはない。このリブは特にｂ、ｃに示されるように、防寒用の内リブとして機能させる。

　図１４は、本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、タグ付きの形態（ａ、ｂ、ｃ）、ベルト付きの形態（ｄ、ｅ）を示す図である。タグ付きの形態ではたとえば、サイズ調整、デザイン上の主張を目的とするものであり、ａはマジックテープ（商標）をつける形式の一例、ｂは釦をつける形式の一例、ｃはスナップテープ（商標）をつける形式の一例、をそれぞれ示す。ベルト付きの形態ではたとえば、肘上に落下防止の補強ベルトを付設し、開放された状態（ｄ）から、装着時に閉結された状態（ｅ）とすることで、袖口からの雨水の浸入等を効果的に防止することができる。

　図１５は、本願のまた別の実施例に係る腕式被服（１）、下肢式被服（２）の一部分に係り、二重構造及びリバーシブルの形態を示す図である。図中、ａはインナー（フリース等）を示す。

　図１６は、本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分を示す図である。同図に示されるのは、肩～袖口までカバーする形態であり、アームホール、肩に沿って立体的になったものである。かかる形態によれば、前腕部が効果的に防水、防寒される。

　図１７は、本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、腕のラインに沿った立体的な形状を納める構造の一例を示す図である。同図に示されるのは、ダーツ、切り替え、肘当て等により立体的になった形態である。その他の構造を採用してもよい。

　以上、詳細に説明したように、本願に係る腕式被服１、下肢式被服２及び背面式被服３によれば、身体の腕、脚及び肩と背中を被覆する部分的な被服を提供することで、片手による短時間での容易な脱衣性、低温時や冬季時に備えた身体の部分的な防雨性及び／または防寒性及び幅広い利用者層による装着時の快適性を実現することが可能となる。

本質的に、本願に係る技術思想によれば、パーツに分けた事により着脱性が格段によくなり、例えばビジネススーツ着用時にも容易に扱える事による利便性が増すこととなる。

　また容易な脱衣性を実現させることで、あらゆる脱衣時の条件（例えば、着脱を頻繁に繰り返すような条件や第三者に脱衣を依頼するような条件）に柔軟に対応した雨具として利用することが可能となる。

　さらに身体の部分的な防雨性及び／または防寒性を実現することで、天候や気温が影響するレジャー（例えば、釣りや山登りを含む）に柔軟に対応した防寒具として利用することを可能とする。

　またさらに装着時の快適性を実現させることで、雨具や防寒具という固定観念に縛られず、ファッションコーディネートの一環として、ファッショナブルな利用者の利用に対応することが可能となる。

　さらにまたファッショナブルな利用者にも対応可能にすることを実現することで、ファッション感覚にも敏感な需要層にも利用したいという気持ちを抱かせることを可能とする。

　また腕式被服１、下肢式被服２及び背面式被服３に係る構造が複雑でないため、突発的な利用条件に対応した使用法や使い捨ても可能となる。

　なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。

　たとえば、本願の技術思想は、上記で例として説明した素材のみならず、汗吸い取り用素材（具体的に例えば、キュプラ、アクリル及びポリプロピレンを含む。）、発汗用素材(具体的に例えば、チタン、ゲルマニウム、銀及びポリアクリレート系繊維を含む。)、耐熱及び防火素材（具体的に例えば、ＰＥＴ（Polyethylene Terephthalate）、紙、カーボン繊維、セラミック繊維、ガラスクロス、シリカ繊維、コーネックス（登録商標）、アセテート、トリアセテート及びアクリルを含む。）、静電防止素材（具体的に例えば、ニトリル、ラテックス、エスパンシオーネを含む。）、圧力変化可能素材（例えば、空気での膨張・圧縮な素材や構成を含む。）、摩擦衝撃防止素材（例えば、乗車中の乗物から脱落しても人体への傷病を緩和することができる素材を含む。）及びその他の素材（例えば、ポリアミド、ビスコース或いはヴィスコース、ガラス繊維、炭素繊維、アミラド、ＰＢＴ（Polybutylene Terephthalate）繊維、ゴアテックス或いはＧＯＲＥ－ＴＥＸ（登録商標）、ノーメックス或いはＮＯＭＥＸ（登録商標）、ケブラー或いはＫＥＶＬＡＲ（登録商標）、ＰＢＩ（ポリベンゾイミダゾール）、温感センサー（例えば、サーモファイバー含む。）、メタックス（登録商標）、動物皮を含む。）といった各種素材を用いることが可能である。すなわち、これらの素材の一部もしくは全部を、本願の実施形態に係る被覆の一部もしくは全部に用いるようにしてもよい。

　また、天然素材としては、綿、羊毛、絹、麻等を、新天然素材としてバナナ繊維、竹繊維、ケナフ繊維、月桃繊維等を、化学繊維として再生繊維（レーヨン、ポリノジック、リヨセル、キュプラ等）、半合成繊維（アセテート、プロミックス等）、合成繊維（塩化ビニール、ビニロン、ポリエチレン、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ビニリデン、ポリプロピレン等）を、それぞれ代替的に用いても良い。

　さらに、耐水・撥水素材として、ＤＷＲ（Ｄｕｒａｂｌｅ　Ｗａｔｅｒ　Ｒｅｐｅｌｌｅｎｔ：耐水性撥水加工素材）、ＰＶＣ加工素材（ビニールコーティング）を用いることができる。

　また、耐熱保温素材としては、中空繊維、ダウン、フリース、水溶性ビニロンと綿との複合素材等を用いることができる。

　また、発熱保温素材としては、光吸収蓄熱保温繊維（スキーウェア等にある、太陽光の特定波長を吸収し、熱エネルギーに変換する効率の高い物質（炭化ジルコニウムなど）を繊維の内部に封入させた繊維）、遠赤外線保温繊維（加熱されると遠赤外線を放射する効果が高い化合物（珪酸ジルコニウム系セラミクスなど）を繊維に固着して、保温性を向上させた繊維）、吸湿熱を利用する繊維（身体から発散される汗を吸って水和熱を発生させ、暖かくさせる繊維（綿、羊毛他、吸湿性の高い合成繊維等））を用いることができる。

　さらに、ストレッチ性のある素材としては、ポリウレタン繊維、カバード糸（ポリウレタンの周りにナイロンやポリエステルなどの繊維を巻きつけた糸）、コアスパン糸（紡績工程でポリウレタン糸を芯に入れて紡績糸にしたもの）、合撚糸（ポリウレタンと他の繊維を引きそろえて撚り合わせたもの）などを用いることができる。

　また、組織面としては、織物、編物、不織布などを採用することができる。

　さらに、上記と共に、或いは上記に換えて、ペットボトル等のリサイクル素材を用いるようにしてもよい。

　また、上記の説明では主に、ビジネス、ファッション、アウトドアの場面での使用の場合を例にとって説明したが、本願の技術的思想は、上記素材選択の拡充と相俟って、
　・介護用（する側、される側）、いわゆる寝たきりの人用
　・車椅子用（介護用、スポーツ用）
　・スポーツ用（ゴルフ、シェイプアップ、アスレチック）
　・スポーツ観戦用
　・安全性向上用（例：児童向け、サメよけ、徘徊者の発見）：視認容易な材料もしくは鮫の嫌がる材料を塗布した本願被覆による
　・治療用（例：本願被覆内部に磁気素材を導入して肩こり解消）
　・けが人用（例：スケボー等すり傷予防、けが後の応急措置含む）
　・日焼け防止用
　・電磁波防止シート用：本願被覆内部に電磁波を防止できる素材を組み込む
　　（例：ペースメーカー利用者、かばんの中身のＩＣカード情報盗用防止）
　・メーカー工場用（例：クリーンルーム）
　・外食産業用（防火機能有り、脱着容易）
　・海上救命用（例：うで、あしライフジャケット）
　・飛行機乗車用
の各用途に対して拡充することが可能である。

　より詳細に用途と機能の組合せを考察すれば、本願発明をレジャー、スポーツ観戦、日常生活、介護（受け、供与）の面においても、幅広い層において、手軽に防寒対策をとることができ、装着・持ち運びが便利なサブアイテムとして利用することも可能である。

　たとえば、レジャー対策の面では、これまでアウトドア遊び等のウェア対策としては「レイヤード（重ね着）システム」が基本とされていたところ、本願を用いることで、レッグ・アーム部の部分装着のため、レイヤード（重ね着）による重厚感を防ぎ、防寒・遮風の効果を生じ、体温を放出することなく、所望の動きをサポートすることができる。特に、この点では、これまでのアウトドア・ウェアではインナー（下着）、ブルゾン（中間着）、アウターウェアなどの防寒対策アイテムが存在していたが、それぞれ気温や天候、運動量によりアイテムを変えないといけないという手間があったが、本願によればこの手間が省ける。

　また、日常生活の面では、防寒として家事や読書等の場面においてもブランケットの代わりとして使用でき、さらにたとえばショッピングなどの外出用としても使用できる。この点で、利用者の視点からすると、本願によらないこれまでのように上着を羽織るよりも、スマート感を醸し出す上、機能的にも防寒性を確保できる。さらに、本願によれば防水対策も兼ねるため、たとえば雨の日の自転車通勤やショッピングといった場面においても利用性が高い。その上、日常生活では特に、本願によれば装着・取り外しが手軽にできる上、ブランケットのように場所移動の折に取り外さねばならないという心配を利用者に対して与えることがない。

　さらに、本願によれば、室内外の温度を気にすることなく連続した着用が可能となる。防水用としては、傘などの外に面している所を雨、雪などから守る機能がある。

　介護用具として実現される本願によれば、たとえば車椅子、歩行器、歩行車での利用時、或いは移動の際の風除け対策にもなる。この場合、本願によればワンタッチ操作での装着、脱着を可能とする構造のため、他の援助・協力を得られない場合であっても、要介護者が装脱着を単独で行うことができる可能性が高まる。

　また、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。たとえば、

　さらにまた、本願発明を用いて生産される生産品及び／又は方法が、その２次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。

　本発明に係る腕式被服１、下肢式被服２及び背面式被服３によれば、利用者は状況に応じて身体の部分的な防水、防雨、及び防寒が可能となる。また、部分的な被服であるため、外出時もコンパクトに収納可能である。さらに、脱衣が容易であるため、時間的猶予が無い場合にも慌てることなく未着用時の通常スタイルに戻ることができ、雨天時の屋内屋外への頻繁な着脱が必要な場合にも有効なアイテムたり得る。また、利用者の体型及び既着服の影響による変動に柔軟に対応調整できるため、幅広い利用者層に好適な利用形態が提供される。しかも汎用性ある部材や素材を利用し、比較的簡単な構造で実現できるため、専門家でなくとも修繕時の対応が可能である。製造についても廉価で行うことができるため、使い捨てグッズとしての利用も有効である。この効果は、国内における私生活の利便性向上にとどまらず、ファッション業界を巻き込み、諸外国を含む新たな被服の見直しの契機となりうる点で、広く社会全般、各種産業全般に大きな有益性をもたらすものである。

本発明の一実施形態に係る腕式被服の全体の展開された概略を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の全体像を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の全体像を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着脱状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る腕式被服１の着衣状況（図５）のＸ－Ｘ断面を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る腕式被服１にかかる未被覆時のＸ－Ｘ断面を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の着脱状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る下肢式被服２の着衣状況（図６）のＹ－Ｙ断面を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る下肢式被服２にかかる未被覆時のＹ－Ｙ断面を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着脱状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を側面視した状態を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を背面視した状態を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３の着衣状況を示す状態図である。 本発明の一実施形態に係る背面式被服３に付属するフードを示す状態図である。 本願の一実施例に係るパンツタイプの被服の全体像を示す図である。 本願の一実施例に係る袖用の被服に係る部分を示す図である。 本願の一実施例に係る袖用の被服の概略全体像を示す図である。 本願の別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、リブをつけた形態を示す図である。 本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、タグ付きの形態（ａ、ｂ、ｃ）、ベルト付きの形態（ｄ、ｅ）を示す図である。 本願のまた別の実施例に係る腕式被服（１）、下肢式被服（２）の一部分に係り、二重構造及びリバーシブルの形態を示す図である。 本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分を示す図である。 本願のさらに別の実施例に係る腕式被服の一部分に係り、腕のラインに沿った立体的な形状を納める構造の一例を示す図である。

符号の説明

１…腕式被服、２…下肢式被服、３…背面式被服、１１０…腕被覆本体、１２０…開閉部、１２０Ａ…第一の端縁部、１２０Ｂ…第二の端縁部、１４０…止着部、１４０１…弾性素材、１５０１Ａ、Ｂ…接合部材、１５０２Ａ、Ｂ…接合部材、１５０３－１、２…接合部材、１６０…挿入口、２１０…下肢被覆本体、２２０…開閉部、２２０Ａ…第一の端縁部、２２０Ｂ…第二の端縁部、２４０…止着部、２４０１…弾性素材、２５０１Ａ、Ｂ…接合部材、２５０２Ａ、Ｂ…接合部材、２５０３Ａ、Ｂ…接合部材、２５０４－１、２…接合部材、３１０…背面被覆本体、３２０…開閉部、３２０Ａ…第一の端縁部、３２０Ｂ…第二の端縁部、３４０…締結部、３４０Ａ…第一の帯部、３４０Ｂ…第二の帯部、３５０１Ａ、Ｂ…接合部材、３５０２Ａ、Ｂ…接合部材、３５０３－１、２…接合部材、３６０…挿入口、４００…フード、４００１、２…接合部材

Claims (22)

1. 　身体のうち手及び／又は腕の全部又は一部を被覆する腕被覆本体にて形成される腕式被服であって、
   　前記腕被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部が形成され、
   　前記開閉部の開放により前記腕被覆本体が円周方向に拡開し、
   　前記被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有して形成される
   　ことを特徴とする腕式被服。
2. 　前記腕被覆本体は、第一の端縁部を腕周りに巻装して被覆することを特徴とする請求項１記載の腕式被服。
3. 　前記止着部及び／もしくは前記開閉部は、片手もしくは両手でも前記止着部にかかる止着の解除及び／もしくは前記開閉部の開放を可能とする構造にかかる接合部材を備えることを特徴とする請求項１若しくは２記載の腕式被服。
4. 　前記接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする請求項１及至３のいずれか１項に記載の腕式被服。
5. 　前記止着部は、既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて寸法を調節可能とする弾性素材を備えて構成されることを特徴とする請求項１及至４のいずれか１項に記載の腕式被服。
6. 　前記弾性素材は、ゴム、バネ、ポリウレタン、ウレタン、ストレッチナイロン、ストレッチポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ソロテックス（登録商標）及びＰＴＴ繊維うちの少なくとも一つを含む弾性機能を有する素材であること特徴とする請求項１及至５のいずれか１項に記載の腕式被服。
7. 　前記腕被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする請求項１及至６のいずれか１項に記載の腕式被服。
8. 　前記腕被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする請求項１及至６のいずれか１項に記載の腕式被服。
9. 　身体のうち腿及び／又は脚及び／又は足の全部又は一部を被覆する下肢被覆本体にて形成される下肢式被服であって、
   　前記下肢被覆本体に付設された接合部材の接合による開閉部が形成され、
   　前記開閉部の開放により前記下肢被覆本体が円周方向に拡開し、
   　前記被覆部分からの離脱及び／又はずれを防止可能とする止着部を少なくとも一つ有して形成される
   　ことを特徴とする下肢式被服。
10. 　前記下肢被覆本体は、第一の端縁部を下肢周りに巻装して被服することを特徴とする請求項９記載の下肢式被服。
11. 　前記止着部及び／もしくは前記開閉部は、片手もしくは両手でも前記止着部にかかる止着の解除及び／もしくは前記開閉部の開放を可能とする構造にかかる接合部材を備えることを特徴とする請求項９若しくは１０記載の下肢式被服。
12. 　前記接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする請求項９及至１１のいずれか１項に記載の下肢式被服。
13. 　前記止着部は、既着服を含む被覆部分の周囲に合わせて寸法を調節可能とする弾性素材を備えて構成されることを特徴とする請求項９及至１２のいずれか１項に記載の下肢式被服。
14. 　前記弾性素材は、ゴム、バネ、ポリウレタン、ウレタン、ストレッチナイロン、ストレッチポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、ソロテックス（登録商標）及びＰＴＴ繊維うちの少なくとも一つを含む弾性機能を有する素材であること特徴とする請求項９及至１３のいずれか１項に記載の下肢式被服。
15. 　前記下肢被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする請求項９及至１４のいずれか１項に記載の下肢式被服。
16. 　前記下肢被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする請求項９及至１４のいずれか１項に記載の下肢式被服。
17. 　身体のうち肩及び／又は背中の全部又は一部を被覆する背面被覆本体にて形成される背面式被服であって、
    　前記背面被覆本体にかかる前身頃に付設された接合部材の接合により開閉部が形成され、
    　前記開閉部の開放により前記背面被覆本体が略円周方向に拡開し、
    　前記被覆部分からの離脱を防止可能とする締結部を少なくとも一つ有して形成される
    　ことを特徴とする背面式被服。
18. 　前記開閉部及び／もしくは締結部は、片手もしくは両手でも前記締結部にかかる締結の解除及び／もしくは前記開閉部の開放を可能とする構造にかかる接合部材を備えることを特徴とする請求項１７記載の背面式被服。
19. 　前記接合部材は、ボタン、ファスナー、面ファスナー、フック、アジャスター、ベルト及び紐のうち少なくとも一つを含む接合効果を有する部材であることを特徴とする請求項１７及び１８のいずれか１項に記載の背面式被服。
20. 　前記背面被覆本体は、ナイロン及び／またはＰＶＣコーティングされたナイロン、ポリエステル及び／またはＰＶＣコーティングされたポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル、ビニル及び／またはＰＵコーティングされたビニル、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレンビニルアセテート（ＰＥＶＡ）及び防水透湿性素材及びそれらの裏地つきのもの及び／または透湿防水コーティングされたもののうち少なくとも一つを含む防水及び防雨効果を有する素材であることを特徴とする請求項１７及至１９のいずれか１項に記載の背面式被服。
21. 　前記背面被覆本体は、ウール生地、中綿生地、ダウンコート生地、綿ギャバジン、レザー、ムートン、合皮、肉厚の横編生地、肉厚の丸編生地、肉厚の経編生地、ナイロン、ポリエステル、シンサレート（登録商標）、ヒートテック（登録商標）、エアテック（登録商標）、綿、トリアセテート、レーヨン、毛皮、シルク、アクリル、フェイクファー、化合繊生地、天然繊維生地、セルロース繊維生地、繊維素系繊維生地、プロミックス繊維生地、不織布、ブレスサーモ（登録商標）及びそれらの裏地つきのもののうち少なくとも一つを含む防寒効果を有する素材であることを特徴とする請求項１７及至１９のいずれか１項に記載の背面式被服。
22. 　前記背面被覆本体は、顔面部、頭部及び首部の全部又は一部を被覆するフードを有することを特徴とする請求項１７及至２１のいずれか１項に記載の背面式被服。

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