WO2008047772A1

WO2008047772A1 - Tête de traitement pour machine-outil

Info

Publication number: WO2008047772A1
Application number: PCT/JP2007/070122
Authority: WO
Inventors: Yoshinori Tatsuda
Original assignee: Tsudakoma Kogyo Kabushikikaisha
Priority date: 2006-10-18
Filing date: 2007-10-16
Publication date: 2008-04-24
Also published as: US8197164B2; US20100189525A1; CN101583461A; TW200827092A; EP2080582A1; JP5004363B2; CN101583461B; KR20090077898A; JPWO2008047772A1

Description

明細書

工作機械用の加ェ用ヘッド

技術分野

[0001] 本発明は、工作機械用の加工用ヘッドに関し、より詳しくは、 5軸加工機（同時 5軸制御可能な加工機)や多面加工機等の複合加工機（工作機械）で使用される、割出し機構を備えた加ェ用ヘッドに関する。

背景技術

[0002] 図 5は、上記の複合加工機の一例として、門型工作機械（マシユングセンタ） 1を示している。この種の門型工作機械 1は、ベッド 4上に付設された左右のコラム 2、 2と、コラム 2、 2上を上下方向（Z軸方向）に移動するクロスレール 6と、クロスレール 6上を水平に左右方向（Y軸方向）に移動するサドル 7と、サドル 7上を Z軸方向に移動するラム 8と、ベッド 4上を前後方向（X軸方向）に移動するテーブル 5とを含む。さらに、ラム 8には、工具が取り付けられるスピンドルを備えたスピンドルユニット 20を含む加工用ヘッド 10が取り付けられている。

[0003] 上記門型工作機械 1は、ワークの加工時において、予め設定されたプログラムに基づく数値制御により、上記テーブル 5、クロスレール 6、サドル 7及びラム 8を移動させると共に、加工用ヘッド 10がスピンドルュュット 20の角度位置（回転位置）の割出しを行う。これにより、上記工作機械では、ワークの各加工面に対して工具を最適な角度で当てて加工を行うことができ、複雑な形状のワークの切削加工等を可能としている

〇

[0004] このため、上記加工用ヘッドは、スピンドルユニット 20を有し、この支持ヘッド内にスピンドルユニット 20の角度位置を割り出すための割出し機構を備えている。また、この割出し機構の駆動手段として、そのモータステータ及びモータロータが加工用へッド 10のハウジング内に配置され、ロータ力 S、スピンドルユニットを支持する支持軸に連結された直接駆動型の駆動モータ（以下、「DDモータ」という）を採用した加工用へッドが公知である（例えば、特許文献 1)。

[0005] 上記特許文献 1に記載の加工用ヘッドにおける支持ヘッド（操作ヘッド）では、スピンドルユニット（第 2の支持部）は、そのスピンドルユニットを挟んで配向配置された一対の支持軸（シャフト）を介して支持ヘッド（第 1の支持部）に支持されて!/、る。

[0006] また、この特許文献 1に記載の支持ヘッドは、スピンドルユニットを挟んで対向配置された一対の支持部（アーム）を有するフォーク型に構成されており、各支持部内に上記支持軸が回転自在に組み込まれている。そして、各支持部には、上記支持軸に連結された DDモータが内蔵されており、この DDモータによって各支持軸を回転駆動することにより、スピンドルユニットが支持軸の軸線周りに回転され、所定の角度位置への角度割り出しが行われる。

[0007] なお、特許文献 1には記載されていないが、工作機械に用いられる加工用ヘッドにおいては、支持軸を回転自在に支持するための軸受や、スピンドルユニットの割り出された角度位置を保持するためのクランプ機構が上記支持ヘッド内に設けられる。また、スピンドルユニットへ後述の加工用の流体を供給するためのロータリジョイントを支持ヘッド内に配設する場合もある。以下では、これらを総称して構成要素という。

[0008] ところで、前述の工作機械に用いられる加工用ヘッドでは、調整や修理等のメンテナンスのためにスピンドルユニットを支持ヘッドから取り外すことが必要となる場合がある。この場合において、一般的な加工用ヘッドでは、単に支持軸とスピンドルユニットとのネジ部材等による固定を解除するだけではスピンドルユニットを支持ヘッドから取り外すことはできない場合が多い。その理由の 1つとして次のことが挙げられる。

[0009] 上記加工用ヘッドにおける支持ヘッドでは、スピンドルユニットを支持部に取り付ける際の支持部に対するスピンドルユニットの位置決めを容易にする目的で、支持軸及びスピンドルユニットの一方に穴 (もしくは窪み）を形成すると共に、他方にこの穴と嵌り合う突出部を形成し、この穴と突出部とを嵌め合わせることによって両者の位置決めを行う構成が一般的に採用されている。そのために、スピンドルユニットを挟んで対向配置された一対の支持軸によりスピンドルユニットを支持する支持ヘッドでは、ネジ部材等による支持軸とスピンドルユニットとの固定を解除したとしても、少なくとも一方の支持軸をその軸線方向にスライド (移動）させてスピンドルユニットとの嵌め合い状態を解除しない限りは、スピンドルユニットを支持ヘッドから取り外すことができない。

[0010] 従って、上記のような支持ヘッドでは、スピンドルユニットを支持ヘッドから取り外す作業において、ネジ部材等による支持軸とスピンドルユニットとの固定を解除することに加え、少なくとも一方の支持軸を、その軸線方向へスライドさせて上記のような嵌め合い状態を解除する作業を行わなければならない。そして、この支持軸をその軸線方向へスライドさせる作業は、支持ヘッド内における前述の各構成部の配置によって異なる力、通常は、支持ヘッド内に組み込まれた複数の構成要素を、反スピンドルュニット側に位置するものから順に取り外し、支持軸を軸線方向に移動可能な状態として支持軸をスライドさせるといった手順で行われる。

[0011] なお、支持ヘッドは、大型で重量物である場合が多い。そのため、上記の作業にあたり、支持ヘッドを工作機械から取り外すことは行わず、その作業を、支持ヘッドが工作機械に取り付けられた状態のまま工作機械上で行うのが一般的である。しかし、上記したハウジング内に組み込まれた各構成要素を順に取り外す作業を工作機械上で行う場合、作業スペース等の関係もあって作業性が非常に悪ぐその作業に多くの時間を要すると共に作業者に対し大きな負担が掛かってしまう。また、一旦取り外した各構成要素を再び高い精度を持ってハウジング内に組み付けなければならず、その作業もまた、多大な時間と手間を要してしまう。

特許文献 1 :特開 2003— 48135号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0012] 従って、本発明の課題は、スピンドルユニットを支持する支持ヘッドを含む工作機械用の加工用ヘッドにおいて、そのメンテナンスが容易に行える支持ヘッドの構成を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0013] 本発明は、工具が取り付けられるスピンドルを含むスピンドルユニットと、該スピンドルユニットを支持する支持ヘッドとを備え、該支持ヘッドが、駆動モータを駆動源として上記スピンドルの回転軸線と直交する軸線を中心に上記スピンドルユニットを回転させてその角度位置を割り出すための割出し機構を含む工作機械用の加工用ヘッドを前提とする。

[0014] そして、本発明では、上記課題のもとに、上記支持ヘッドが、上記回転軸線に軸心を一致させた状態で上記スピンドルユニットを挟んで対向配置されてその対向側端面に上記スピンドルユニットが固定される支持軸をそれぞれに含む第 1及び第 2の支持部と、該第 1及び第 2の支持部を共に支持する基部とによって構成され、さらに、上記第 1及び第 2の支持部の少なくとも一方が、上記基部とは別体に形成されたハウジングを主体とする。そして、上記ハウジングは、上記基部に螺揷される複数の第 1のネジ部材であって上記基部に上記ハウジングを取り付けた状態で上記の基部又はハウジングの外部から操作可能な複数の第 1のネジ部材によって上記基部に対し取り付けられ、且つ、上記スピンドルユニットは、上記各支持軸に対し螺揷される複数の第 2 のネジ部材であって上記支持軸が上記ハウジング内に組み込まれた状態で上記ハウジングの外部から操作可能な第 2のネジ部材によって上記支持軸に取り付けられていることを特徴とする。

[0015] なお、上記で V、う「外部から操作可能」とは、ネジ部材の頭部の操作端（工具等が揷し嵌められる部分）が、上記の基部あるいはハウジングを外側から見て、外部に露出している状態（直接見える状態）を言う。但し、後述のように、ハウジングにカバーが取り付けられており、そのカバーを取り外すことによって上記ネジ部材の頭部の操作端が見える状態となるものも含む。

発明の効果

[0016] 上記した本発明による工作機械用の加工用ヘッドによれば、支持ヘッドを構成する一対の支持部の少なくとも一方が、基部とは別体に形成されたハウジングを主体とし、基部に対し、第 1のネジ部材によって取り外し可能に支持された構成となっている。これにより、第 1のネジ部材による支持部 (ハウジング）と基部との固定状態を解除することで、支持軸を含む支持部を基部に対し移動可能とすることができる。従って、例えば、修理等のメンテナンスのためにスピンドルユニットを支持ヘッドから取り外すに際しては、第 2のネジ部材による一方の支持部内の支持軸とスピンドルユニットとの固定を解除すると共に、第 1のネジ部材による上記一方の支持部 (ハウジング)と基部との固定状態を解除するだけで、支持軸を含む上記一方の支持部が、他方の支持部を介して基部に支持されたスピンドルユニットに対し支持軸ごと移動可能な状態とすること力 Sでさる。 [0017] すなわち、スピンドルユニットを支持ヘッドから取り外すための、一方の支持軸をその軸線方向へ移動させるための作業を、上記の第 1及び第 2のネジ部材の操作のみで可能にすることができ、その作業を容易且つ短時間で行うことができる。しかも、上記の第 1及び第 2のネジ部材は、各支持部が基部に取り付けられると共にスピンドルュニットが支持部に取り付けられた状態で、ハウジングの外部から操作可能であるため、ハウジング内に組み込まれた各構成要素を取り外すことなぐ上記作業を行うことができる。

[0018] また、本発明によれば、各支持部 (ハウジング）内に組み込まれている各構成要素について、その組み付け状態を維持したままで、各支持部を支持ヘッドから取り外すことが出来る。そのため、各構成要素の調整等の作業を、工作機械上以外の場所で行うこと力 Sでき、しかも、組み付け状態が維持されているため、その作業を容易に行うこと力 Sできる。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]本発明による加工用八ッドにおける支持八ッドの一実施形態を示す正面部分断面図。

[図 2]本発明による加工用八ッドにおける支持八ッドの一実施形態を示す側面図。

[図 3]本発明の加工用八ッドの一実施形態を示す正面部分断面図。

[図 4]本発明の加工用八ッドにおける支持八ッドの他の実施形態を示す正面部分断面図。

[図 5]本発明の加工用ヘッドが適用される工作機械の一例を示す斜視図。

符号の説明

[0020] 1 工作機械

10 加工用ヘッド

13、 15 ネジ部材（第 2のネジ部材）

17 ネジ部材 (第 1のネジ部材）

20 スピンドルユニット

21 スピンドノレ

25 DDモータ a ロータ

b ステータ

支持ヘッド（第 1の支持へa 脚部（第 1の支持部）b 脚部（第 2の支持部）c 基部

a, 31b ハウジング、 39 回転車由

DDモータ（駆動モータ）a ロータ

b ステータ

クランプ機構

a クランプスリーブ

, 36 車由受

、 38 ロータジジ 3イン卜a、 38a ディストリビュータb、 38b シャフ卜

、 44 回転検出器a, 44a 検出ヘッドb、 44b 検出リング

第 2の支持ヘッドノヽウジング

回転軸

DDモータ

a ステータ

b ロータ

クランプスリーブデイス卜リビュータ 56 軸受（3列円筒ころ軸受）

60 支持ヘッド

60a, 60b 脚部（支持部）

61 ハウジング

62 回転軸

63 DDモータ（駆動モータ）

63a ロータ

63b ステータ

65 軸受

66 クランプスリーブ

67 ロータリジョイント

67a 第 1のディストリビュータ

67b 第 2のディストリビュータ

67c シャフト

68 回転検出器

70 軸受ホルダ

70al 円筒部

70a2 フランジ部

70a4 貫通孔

70b ブレーキ部材

70c ネジ部材

70a5 支持部

70a6 穴

72 ネジ部材（第 2のネジ部材）

74 ネジ部材（第 1のネジ部材）

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図;!〜 3に示すのは本発明の一実施形態であって、図示の加工用ヘッド 10は、工具が取り付けられるスピンドル 21を有するスピンドノレユニット 20と、スピンドルユニット 20を支持する第 1の支持へッド 30 (本発明の「支持ヘッド」に相当）と、第 1の支持ヘッド 30を支持する第 2の支持ヘッド 50とを含む（図 3)。

[0022] スピンドルユニット 20は、駆動モータ内蔵型のスピンドルヘッドであって、内蔵された駆動モータによってスピンドル 21を高速回転駆動するものである。このスピンドルュニット 20のハウジング 23内には、スピンドル 21が揷通配置されており、このスピンドル 21を囲繞するようにして駆動モータ 25が内蔵されている。駆動モータ 25は、スピンドル 21に外嵌固定されたロータ 25aと、ロータ 25aの外周面に対向するように設けられたステータ 25bとから成っている。スピンドル 21は、駆動モータ 25の前後（図の上下）に複数列配置された軸受（例えば、アンギユラコンタクトベアリング） 27によって回転自在に支持されている。そして、ステータ 25bに励磁電流を供給すると、ロータ 25aとの間に励磁力が発生し、その励磁力によってロータ 25aが回転してスピンドル 21が回転駆動される。

[0023] 第 1の支持ヘッド 30は、上記スピンドルユニット 20を支持すると共に、スピンドルュニット 20を、上記スピンドル 21の回転軸線と直交する軸線（以下、「A軸」という）を中心に回転させてその角度位置を割り出すためのものである。

[0024] この第 1の支持ヘッド 30は、基部 30cに対し、本発明の第 1及び第 2の支持部に相当する一対の脚部 30a、 30bが取り付けられたフォーク形に構成されており、その脚部 3 0a、 30b間で上記のスピンドルユニット 20を支持する。そして、上記スピンドルュニット 20は、脚部 30a、 30bのそれぞれの内部で回転自在に支持された一対の支持軸によって支持されている。

[0025] また、本実施例では、第 1の支持ヘッド 30は、スピンドルユニット 20を回転駆動する割出し機構の駆動源として DDモータ 33 (本発明の「駆動モータ」に相当）を採用し、この DDモータ 33力、上記一対の脚部 30a、 30bのうちの一方の脚部 30a (第 1の支持部）内にのみ設けられた構成としている。そこで、以下では、上記一対の支持軸のうち、脚部 30a側の支持軸を駆動支持軸と V、い、脚部 30b側の支持軸を従動支持軸という。

[0026] 以下に、 DDモータ 33が配設される脚部 30a (第 1の支持部）の構成について、その詳細を説明する。

[0027] 脚部 30aは、基部 30cとは別体に形成されたハウジング 31aを主体とする。このハウジング 31aは、基部 30cに螺揷された複数のネジ部材 17 (本発明の「第 1のネジ部材」に相当）により、基部 30cに対し取り付けられている。従って、脚部 30aは、ネジ部材 17による基部 30cとハウジング 31aとの固定状態を解除することにより、基部 30cから取り外すことが可能となる。

[0028] このハウジング 31aの内部には、 DDモータ 33を構成するロータ 33a及びステータ 33 b、スピンドルユニット 20を支持する駆動支持軸、この駆動支持軸を回転自在に支持するための軸受（例えば、クロスローラベアリング） 35、及びスピンドルユニット 20へ加ェ用の流体（以下、単に「流体」という）を供給するためのロータリジョイント 37、等が組み込まれている。

[0029] ハウジング 31aは、 DDモータ 33及び後述の回転軸を揷入するため、スピンドルュニット 20側が大きく開口した形状となっている。さらに、このハウジング 31aには、反スピンドルユニット 20側の側面から A軸方向に伸びる円筒部 31alが形成されており、この円筒部 31alには、ロータリジョイント 37が揷入される貫通孔 31a2が形成されてい

[0030] また、ハウジング 31aの反スピンドルユニット 20側の端面には、後述の流体供給用のパイプや電流を供給するためのケーブルが通される凹部 31a3が形成されている。また、脚部 30aの反スピンドルユニット 20側には、側面カバー 18aが取り付けられており、凹部 31a3がこの側面カバー 18aによって覆われている。なお、図 2は、この側面力バー 18aを外した状態を示している。

[0031] ロータリジョイント 37は、ハウジング 31aに対し固定されたディストリビュータ 37aと、デイストリビュータ 37aの円筒部 37alの外周面に回転可能に嵌装されたシャフト 37bとで構成されている。なお、ロータリジョイント 37 (ディストリビュータ 37a)の中心には、スピンドルユニット 20に向けてのケーブル等の通過を許容するための貫通孔 37a4が形成されている。

[0032] ディストリビュータ 37aは、ハウジング 31 aの貫通孔 31a2に揷入された状態で、そのフランジ部 37a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材によってハウジング 31 aに取り付けられている。また、ディストリビュータ 37aには、流体を供給又は排出するための複数の流体流路 37a3が、円周方向に位置をずらして形成されている。一方、シャフト 37bには、ディストリビュータ 37aの各流体流路 37a3に対応する複数の流体流路 37blが形成されている。なお、図 1では、複数の流体流路 37a3及び流体流路 37blは、その 1つのみが代表的に示されている。

[0033] そして、各流体流路 37a3とそれに対応する各流体流路 37blとは、ディストリビュータ

37aとシャフト 37bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト 3 7bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、各流体流路 37blは、スピンドルユニット 20の流体供給用又は排出用のポート 24に連通されている。さらに、ディストリビュータ 37aとシャフト 37bとの間には、各環状溝の間に密封用のシール部材が介装されている。

[0034] また、ディストリビュータ 37aには、その円周方向に位置をずらして複数の流体供給用又は排出用のポート 37dが形成されており、各ポート 37dに流体供給用又は排出用のパイプ 12が接続されている。そして、供給用のパイプ 12から供給された流体力口一タリジョイント 37からポート 24を介してスピンドルユニット 20へ供給される。また、流体を循環させる場合には、スピンドルユニット 20内を循環した流体力ロータリジョイント 37を介して排出用のパイプ 12へ排出される。

[0035] DDモータ 33は、ハウジング 31aに対し固定的に配設されたステータ 33bと、ステータ

33の内周面に対向するように配設されたロータ 33aとからなる。

[0036] ステータ 33bは、ハウジング 31aに固定されたステータスリーブ 33cの内周面に内嵌固定されている。また、ステータスリーブ 33cの外周面には、環状溝が形成されている。一方、ハウジング 3 laには、この環状溝 33に連通する流体供給路 31 a4及び流体排出路 31 a5が形成されている。そして、上記環状溝に対し、流体供給路 31a4から D Dモータ 33を冷却するための冷却用の流体（例えば、油）が供給され、ロータ 33aの回転に伴う DDモータ 33の発熱を抑えるようになつている。なお、上記環状溝は、流体供給路 31 a4から供給された流体が、その環状溝内を循環して流体排出路 31a5から排出されるように、螺旋状に形成されてレ、る (図示略)。

[0037] ロータ 33aは、ハウジング 31a内に回転可能に設けられた回転軸 32の外周面に外嵌固定されている。この回転軸 32は、前述のロータリジョイント 37のシャフト 37bに対しその回転軸線について同心的に配置されており、円周方向に配設された複数のネジ部材によってシャフト 37bに固定されている。そして、ロータ 33aは、その外周面がステータ 33bの内周面に対向する配置で、回転軸 32に形成された円筒部 32aの外周面に外嵌固定され、回転軸 32に対し相対回転不能に設けられている。

[0038] また、回転軸 32には、そのスピンドルユニット 20側の端面 32bに対し、円周方向に配設された複数のネジ部材 13 (本発明の「第 2のネジ部材」に相当）によってスピンドルユニット 20が固定される。すなわち、スピンドルユニット 20は、回転軸 32の端面 32b に対して固定されることにより、回転軸 32に支持される。従って、脚部 30a側では、回転軸 32及びこれと一体的に回転するロータリジョイント 37のシャフト 37bが、スピンドルユニット 20のための駆動支持軸となる。そして、この駆動支持軸は、ロータリジョイント 37のシャフト 37bとハウジング 31aの円筒部 31alとの間に介装された軸受 35により、ハウジング 31aに対し回転自在に支持されている。

[0039] なお、上記した複数のネジ部材 13によりスピンドルユニット 20を駆動支持軸に固定した状態で、ネジ部材 13の頭部の A軸方向における反スピンドルユニット 20側には、口一タリジョイント 37におけるディストリビュータ 37のフランジ部 37a2が存在している。しかし、このディストリビュータ 37のフランジ部 37a2には、ネジ部材 13を操作するための複数の穴 37a5が形成されている。従って、ネジ部材 13は、側面カバー 18aを外した状態で、ハウジング 31aの外部から操作可能となっている。

[0040] 次に、脚部 30aと対向する位置でスピンドルユニット 20を支持する脚部 30b (第 2の支持部）の構成について、以下で詳細に説明する。

[0041] 脚部 30bは、基部 30cと別体に形成されたハウジング 31bを主体とする。そして、このノ、ウジング 31bも、ハウジング 31aと同様に、基部 30cに螺揷された複数のネジ部材 1 7により、基部 30cに対し取り付けられている。従って、脚部 30bも、ネジ部材 17による基部 30cとハウジング 31bとの固定状態を解除することにより、基部 30cから取り外すことが可能となる。

[0042] このハウジング 31bには、 A軸方向に貫通する貫通孔 31blが形成されている。そして、この貫通孔 31bl内に、スピンドルユニット 20の角度位置を保持するクランプ機構 34、スピンドルユニット 20を支持する従動支持軸、この従動支持軸を回転自在に支持するための軸受 36、及びロータリジョイント 38、等が組み込まれている。また、ハウジング 31bの反スピンドルユニット 20側の側面にも、側面カバー 18bが取り付けられている。

[0043] ロータリジョイント 38は、脚部 30a側のロータリジョイント 37と同様のものであって、軸受ホルダ 70の円筒部 70alに固定されたディストリビュータ 38aと、ディストリビュータ 3 8aの外側に回転可能に嵌装されたシャフト 38bとで構成されている。

[0044] ディストリビュータ 38aは、軸受ホルダ 70の貫通孔 70a4に揷入された状態で、そのフランジ部 38a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材 70cによって軸受ホルダ 70に取り付けられている。また、ディストリビュータ 38aの中心には、スピンドルュニット 20に向けてのケーブル等の通過を許容するための貫通孔 38a4が形成されている。

[0045] また、ディストリビュータ 38aには、流体を供給又は排出するための複数の流体流路 3 8a3が円周方向に位置をずらして形成されている。一方、シャフト 38bには、ディストリビュータ 38aの各流体流路 38a3に対応する複数の流体流路 38b 1が形成されている。なお、図 1では、複数の流体流路 38a3及び流体流路 38blは、その 1つのみが代表的に示されている。

[0046] そして、各流体流路 38a3とそれに対応する各流体流路 38blとは、ディストリビュータ

38aとシャフト 38bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト 3 8bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、流体流路 38Mは、スピンドルユニット 20の流体供給用又は排出用のポート 24に連通されている。さらに、ディストリビュータ 38aとシャフト 38bとの間には、各環状溝の間に密封用のシール部材が介装されている。

[0047] 軸受ホルダ 70は、上記の円筒部 70alと、円筒部 70alの反脚部 30a側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部 70a2とからなっている。そして、軸受ホルダ 70は、このフランジ部 70a2において、円周方向に配設された複数のネジ部材 3 8cによってハウジング 31bに組み付けられている。また、軸受ホルダ 70の中心には、 A軸方向に貰通する貫通孔 70a4が形成されて!/、る。 [0048] 脚部 30bにおいて、脚部 30aの回転軸 32に対応する回転軸 39は、フランジ部材 39 bとフランジ部材 39bに組み付けられたロータリージョイント 38のシャフト 38bとで構成され、軸受 36により軸受ホルダ 70に回転自在に支持されている。この回転軸 39 (フランジ部材 39b +ロータリージョイント 38のシャフト 38b)は、その回転軸線が、脚部 3 Oaの回転軸 32の回転軸線（= A軸）と一致するように配設される。

[0049] また、フランジ部材 39bは、脚部 30a側に、脚部 30aにおける回転軸 32の端面 32bと平行な端面 39Mを有しており、この端面 39blに対し、円周方向に配設された複数のネジ部材 15によってスピンドルユニット 20が固定される。従って、この回転軸 39 ( フランジ部材 39b +ロータリージョイント 38のシャフト 38b)が、脚部 30bにおけるスピンドルユニット 20のための従動支持軸として機能する。なお、回転軸 39は、フランジ部材 39bの外周部において、円筒状のブレーキ部材 70bに固定されており、ブレーキ部材 70bは回転軸 39と一体的に回転する。従って、ブレーキ部材 70bも、従動支持軸の一部に相当する。

[0050] スピンドルユニット 20の回転位置（角度位置）を保持するためのクランプ機構 34は、クランプスリーブ 34aを主要素としている。クランプスリーブ 34aは、圧力室となる環状溝 34alが形成された円筒部 34a2と、この円筒部 34a2のスピンドルユニット 20側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部 34a3とからなっている。このクランプスリーブ 34aは、円周方向に配設されてフランジ部 34a3に螺揷された複数のネジ部材によってハウジング 31bに対し固定され、回転不能となっている。また、クランプスリーブ 34aの円筒部 34a2は、ブレーキ部材 70bを、その回転を許容する状態で囲繞している。

[0051] クランプスリーブ 34aの円筒部 34a2とハウジング 31bとの間には、ハウジング 31bの貫通孔 31blに内嵌固定された環状の受圧部材 34bが介装されている。この受圧部材 34bは、クランプスリーブ 34aのフランジ部 34a3に螺揷された複数のネジ部材によつてフランジ部 34a3に対し相対回転不能に固定されている。一方、クランプスリーブ 34aの円筒部 34a2には、受圧部材 34b側に開口する環状溝 34alが形成されている。そして、この環状溝 34alと受圧部材 34bの内周面とにより圧力室が形成される。そして、この圧力室には、受圧部材 34bに形成された流体流路 34blが連通しており、クランプスリーブ 34aのフランジ部 34a3に形成された流体流路 34a4を介し、ハウジング 31bに形成された流体流路 31b2に連通している。

[0052] このクランプ機構 34では、上記の各流体流路を介して圧力流体 (例えば、圧油）が圧力室に供給されることにより、クランプスリーブ 34aの円筒部 34a2における環状溝 34 alに対応する薄肉部が縮径方向に変形する。その結果、ブレーキ部材 70bに対し縮径方向の締付け力が作用し、ブレーキ部材 70b及びこれに組み付けられた回転軸 3 9の回転が阻止された状態（クランプ状態）となる。また、圧力室への圧力流体の供給を停止することにより、円筒部 34a2の薄肉部の変形状態が解消され、ブレーキ部材 7 Obに対する締付け力が消失してクランプ状態が解除される。

[0053] さらに、図示の例では、脚部 30b内に、回転軸 39の回転角度（=スピンドルユニット 2 0の角度位置）を検出するための回転検出器 41、及びスピンドルユニット 20の回転範囲を制限するための角度検出器 42が設けられている。

[0054] 回転検出器 41は、シャフト 38bの外周面の所定位置に取り付けられた検出器リング 4 lbと、検出器リング 41bの外側に対向する配置で、軸受ホルダ 70に取り付けられた検出器ヘッド 41aとで構成されている。この回転検出器 41によるスピンドルユニット 2 0の角度位置の検出信号は、本発明の加工用ヘッド 10が搭載される工作機械の制御装置（図示せず）に送られ、スピンドルユニット 20の回転制御（数値制御）に用いられる。但し、本発明における回転検出器は、この構成のものに限らず、他の公知のものであってもよい。

[0055] また、角度検出器 42は、例えばリミットスィッチであって、軸受ホルダ 70の貫通孔 70 a4内に設けられた支持板上に取り付けられ、回転軸 39の端部に取り付けられた円盤状の部材 43の周面に対向するように設けられている。この部材 43の周面には、許容角度範囲に対応するドグが形成され、このドグに対向した状態では、角度検出器 42 は不作動状態におかれる。従って、制御の異常等により、スピンドルユニット 20が許容角度以上に回転した場合、それがリミットスィッチ 42によって検出され、その検出信号が、例えば非常停止信号として工作機械の制御装置へ送られる。

[0056] なお、前述の複数のネジ部材 15によりスピンドルユニット 20を従動支持軸に固定した状態では、ネジ部材 15の頭部の A軸方向における反スピンドルユニット 20側には、上記の軸受ホルダ 70の貫通孔 70a4内に形成された支持部 70a5が存在する。しかし、この支持部 70a5には、ネジ部材 15を操作するための複数の穴 70a6が形成されている。同様に、ディストリビュータ 38aのフランジ部 38a2にも、ネジ部材 15を操作するための複数の穴が形成されている。従って、ネジ部材 15は、側面カバー 18bを外した状態で、ハウジング 31bの外部から操作可能となっている。

[0057] 次に、図示の加工用ヘッド 10における第 2の支持ヘッド 50について、その詳細を以下に説明する。

[0058] 前述のように、本実施例における加工用ヘッド 10は、上記で説明した第 1の支持へッド 30 (本発明でいう「支持ヘッド」）に加え、この第 1の支持ヘッド 30を支持する第 2の支持ヘッド 50を備えている。そして、第 1の支持ヘッド 30は、第 2の支持ヘッド 50を介し、工作機械の主軸ヘッド等に支持される。この第 2の支持ヘッド 50は、第 1の支持ヘッド 30を鉛直方向の軸線（工作機械の Z軸と平行な軸線/以下、「C軸」という）を中心に回転駆動させるために設けられている（図 3)。

[0059] 第 2の支持ヘッド 50は、 C軸方向に貫通する貫通孔 51aを有するハウジング 51を主体としており、軸部 52aが貫通孔 51a内に配設された回転軸 52を備えている。そして、第 1の支持ヘッド 30は、この回転軸 52を介して第 2の支持ヘッド 50に対し取り付けられている。また、第 2の支持ヘッド 50は、ハウジング 51に取り付けられた環状の支持体 51bを介し、工作機械の主軸ヘッド等に取り付けられる。

[0060] 第 2の支持ヘッド 50は、ハウジング 51の貫通孔 51a内に、回転軸 52を回転駆動するための DDモータ 53、回転軸 52の回転位置を保持するためのクランプスリーブ 54、及び第 1の支持ヘッド 30へ流体を供給するためのロータリジョイント 55を備えている。

[0061] DDモータ 53は、ステータスリーブ 53cを介してハウジング 51に固定されたステータ 5 3aと、スタータ 53aの内周面に対向する配置で、回転軸 52に固定されたロータ 53bとで構成されている。また、 DDモータ 53を駆動するための励磁電流の供給は、コネクタ 19aを介して DDモータ 53に接続されたケーブル 19によって行われる。

[0062] 回転軸 52は、ハウジング 51の貫通孔 51a内で回転可能に設けられた軸部材 52aと、軸部材 52aの第 1の支持ヘッド 30側の端部に取り付けられて半径方向（C軸と直交する方向）へ広がるフランジ部材 52bとを含んでいる。また、回転軸 52には、ロータリジョイント 55が揷通される貫通孔 52cが形成されている。

[0063] なお、図示の例では、回転軸 52の軸部材 52aとフランジ部材 52bとの間に軸受ハウジング 52dが形成されている。そして、この軸受ハウジング 52dとハウジング 51との間に軸受 56が介装され、この軸受 56により回転軸 52がハウジング 51に対し回転自在に支持された状態となっている。因みに、図示の例における軸受 56は、複合ころ形式の旋回軸受の 1つである 3列円筒ころ軸受（3列ローラベアリング/アキシアル 'ラジアルローラベアリング）であって、アキシアル方向及びラジアル方向の大きい荷重を受けることができるものである。

[0064] 軸部材 52aの外周面には、 DDモータ 53のロータ 53bが外嵌固定されており、ロータ

53bの回転に伴って軸部材 52aが C軸を中心として回転駆動される。また、フランジ部材 52bは、円周方向に配設された複数のネジ部材 52eによって軸部材 52aに取り付けられており、軸部材 52aと一体的に回転する。さらに、フランジ部材 52bには、円周方向に複数のネジ部材 52blが螺揷されており、このネジ部材 52blによって、第 1 の支持ヘッド 30の基部 30cが、フランジ部材 52bに取り付けられる。従って、回転軸 5 2が DDモータ 53によって回転駆動されることにより、第 1の支持ヘッド 30が回転軸 5 2と共に回転する。

[0065] ロータリジョイント 55は、第 1の支持ヘッド 30のロータリジョイント 37、 38と同様のものであって、ハウジング 51に固定されたディストリビュータ 55aと、ディストリビュータ 55a に形成された貫通孔 55alに回転可能に嵌装され、 C軸に対しディストリビュータ 55a と同心的に配設されたシャフト 55bとで構成されている。

[0066] ディストリビュータ 55aは、回転軸 52の貫通孔 52c内に配置される円筒部 55a2と、円筒部 55a2の反第 1の支持ヘッド 30側の端部で半径方向に広がるように形成されたフランジ部 55a3とからなっており、そのフランジ部 55a3において、円周方向に配設された複数のネジ部材により、ハウジング 51に取り付けられている。

[0067] また、シャフト 55bには、第 1の支持ヘッド 30側の端部に、円盤状のフランジ部材 57 が取り付けられており、シャフト 55bは、このフランジ部材 57を介して回転軸 52のフランジ部材 52bに対し取り付けられている。従って、回転軸 52の回転に伴い、シャフト 5 5bも共に回転する。なお、フランジ部材 57は、第 1の支持ヘッド 30の基部 30cに形成された円形の凹部 30c lに嵌め込まれる形状となっており、このフランジ部材 57と基部 30cの凹部 30clとにより、第 1の支持ヘッド 30と第 2の支持ヘッド 50とを取り付ける際の位置決めが行われる。

[0068] ディストリビュータ 55aには、外部から流体を取り入れるための流体流路 55a4が、円周方向に位置をずらして複数形成されている。一方、シャフト 55bにも、ディストリビュータ 55aの各流体流路 55a4に対応する複数の流体流路 55blが、円周方向に位置をずらして形成されている。

[0069] そして、各流体流路 55a4とそれに対応する各流体流路 55blとは、ディストリビュータ

55aとシャフト 55bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して連通しており、シャフト 5 5bが回転した場合でもその連通状態が維持されるように構成されている。また、シャフト 55bに形成された複数の流体流路 55blは、それぞれ第 1の支持ヘッド 30におけるロータリジョイント 37又は 38のデイストリビュータ 37a、 38aに形成された対応する流体流路 37a3又は 38a3に連通されている。従って、外部からロータリジョイント 55のデイストリビュータ 55aに供給された流体は、シャフト 55bを介し、第 1の支持ヘッド 30のロータリジョイント 37、 38へ供給される。

[0070] ハウジング 51に固定されたディストリビュータ 55aと回転軸 52の軸部材 52aとの間には、回転軸 52の回転位置を保持するためのクランプスリーブ 54が設けられている。このクランプスリーブ 54は、そのフランジ部 54aにおいて、複数のネジ部材によってディストリビュータ 55aに取り付けられると共に、回転軸 52との相対回転が許容されるように設けられている。また、クランプスリーブ 54の円筒部 54bには、ディストリビュータ 55 aの円筒部 55a2側に開口する環状溝 54cが形成されており、この環状溝 54cとデイストリビュータ 55aの円筒部 55a2の外周面とにより圧力室が形成される。

[0071] そして、この圧力室に対し、ディストリビュータ 55aに形成された流体流路 54dを介して圧力流体を供給することにより、円筒部 54bの環状溝 54cに対応する薄肉部が拡径方向に変形する。その結果、回転軸 52に対し拡径方向の締付け力が作用し、回転軸 52の回転が阻止された状態（クランプ状態）となる。

[0072] また、図示の例では、ロータリジョイント 55の上端部に、回転軸 52の回転量、すなわち、第 1の支持ヘッド 30の回転量を検出するための回転検出器 44が設けられている。この回転検出器 44は、ディストリビュータ 55a上の所定位置に配置された一対の検出器ヘッド 44a、 44aと、この検出ヘッド 44a、 44aに対向する酉己置で、回転軸 52と共に回転するシャフト 55bに取り付けられた検出リング 44bとからなっている。この回転検出器 44の検出信号は、第 1の支持ヘッド 30における回転検出器 41と同様に、ェ作機械の制御装置に送られ、第 1の支持ヘッド 30の回転制御に用いられる。

[0073] 以上の構成からなる加工用ヘッド 10では、スピンドルユニット 20を支持する支持へッド（第 1の支持ヘッド 30)は、スピンドルユニット 20を、一対の脚部 30a、 30bの各支持軸によって挟み込むかたちで、両支持軸に対し相対回転不能に固定して支持している。そして、スピンドルユニット 20は、脚部 30a側の駆動支持軸が DDモータ 33によつて回転駆動されることにより、支持軸の回転軸線（=スピンドル 21の回転軸線に直交する軸線/ A軸）を中心として、所望の角度位置へ向けて回転駆動される。

[0074] DDモータ 33の駆動は、予め設定されたプログラムに基づく数値制御に従って行われ、ロータ 33aの回転制御により、駆動支持軸を介してスピンドルユニット 20の角度位置が制御される。従って、図示の例では、脚部 30a内に設けられた DDモータ 33 及び DDモータ 33に連結された駆動支持軸（回転軸 32 +シャフト 37b)が、スピンドルユニット 20のための割出し機構として機能する。なお、 DDモータ 33を駆動するための励磁電流は、コネクタ 16aによって DDモータ 33に接続されたケーブル 16によつて供給される。

[0075] そして、本発明に基づく上記第 1の支持ヘッド 30では、本発明でいう第 1、第 2の支持部である各脚部 30a、 30bは、その主体であるハウジング 31a、 31b力基部 30cとは別体に形成され、基部 30aに螺揷された複数のネジ部材 17 (第 1のネジ部材）により、脱着可能に取り付けられている。また、図示の例では、ネジ部材 17は、第 2の支持ヘッド 50における回転軸 52のフランジ部 52bに形成された孔 52b2を介し、基部 3 0cの外部から操作可能となって V、る。

[0076] 従って、本発明によれば、スピンドルユニット 20を加工用ヘッド 10 (支持ヘッド 30)から取り外すべく脚部 30aの駆動支持軸を A軸方向移動させる場合を例として述べると、まず、カバー部材 18aを取り外した後、スピンドルユニット 20と駆動支持軸とを固定状態としている複数のネジ部材 13を外し、次いで、基部 30cとハウジング 30aとを固定状態としている複数のネジ部材 17を外すという作業だけで、脚部 30aを基部 3 Ocに対し移動させることが可能な状態となり、駆動支持軸とスピンドルユニット 20との嵌め合い状態を解除することできる。その後は、スピンドルユニット 20とハウジング 30 bとを固定状態としている複数のネジ部材 15を外すことにより、支持ヘッド 30からスピンドルユニット 20を取り外すことができる。

[0077] このように、上記の本発明に基づく支持ヘッド（第 1の支持ヘッド 30)によれば、スピンドルユニット 20の脱着のために支持軸を A軸方向へ移動させる作業力 S、単純な工程で容易に行うことができ、しかも、支持軸の移動させるにあたり、支持部内の各構成要素を取り外すことなぐそれらの組み付け状態を維持したままで行うことができるため、その作業が極めて簡素化される。

[0078] 次に、本発明の他の実施形態を、図 4に基づいて説明する。

[0079] 上記の実施例では、本発明が適用される加工用ヘッドにおける支持ヘッド（第 1の支持ヘッド 30)について、スピンドルユニット 20を支持する一対の支持部のうちの一方の支持部のみ力スピンドルユニット 20を回転駆動するための割出し機構（DDモータ）を備えたものとした力これに代えて、図 4に示すように、両脚部に割出し機構 (D Dモータ）を備えた支持ヘッドの両割出し機構に対し本発明を適用してもよい。

[0080] 図 4に示す支持ヘッド 60では、上記のように、スピンドルユニット 20を支持する一対の脚部 60a、 60bのそれぞれに対し、 DDモータ 63を含む割出し機構が設けられている。なお、図示の例では、脚部 60aと 60bの内部構造はほぼ同じである。従って、以下では、脚部 60aについてのみ説明し、脚部 60bについては、その説明及び図面における符号は省略する。

[0081] 支持ヘッド 60において、脚部 60aは、 A軸方向に貫通する貫通孔 6 laが形成されたハウジング 61を主体とし、その貫通孔 61a内に、 DDモータ 63、スピンドルユニット 20 を支持する支持軸、支持軸を回転自在に支持するための軸受 65、及びロータリジョイント 67等が組み込まれている。また、脚部 60aには、前述の実施例と同様の回転検出器 68が設けられている（回転検出器 68は、脚部 60a側のみ）。

[0082] DDモータ 63は、前述の実施例と同様のものであって、ステータスリーブ 63cを介してハウジング 61に固定されたステータ 63bと、ステータ 63bの内周面に対向する配置で、支持軸の一部を成す回転軸 62の円筒部 62aの外周面に外嵌固定されたロータ 63aとで構成されている。

[0083] ロータリジョイント 67は、機能的には前述の実施例のものと同様のものであり、図示の例では、それぞれがハウジング 61に対し回転不能に固定される第 1及び第 2のデイストリビュータ 67a、 67bと、両デイストリビュータ 67a、 67bに対し回転可倉に糸且み合わされたシャフト 67cとで構成されている。また、シャフト 67bは、第 1のディストリビュータ 67aの円筒部 67alと第 2のディストリビュータ 67bの円筒部 67blとの間に回転可能に嵌装される大径部 67c lと、軸受 65が外嵌固定される軸部 67c2とで構成されており、軸部 67の外周面に外嵌固定された軸受 65により、第 1のディストリビュータ 67aに対し回転可能に支持されている。

[0084] また、ロータリジョイント 67におけるシャフト 67cのスピンドルユニット 20側の端部には、回転軸 62が組み付けられている。この回転軸 62は、ロータリジョイント 67における第 1のディストリビュータ 67aの円筒部 67alを囲繞する円筒部 62aを有しており、この円筒部 62aの外周面に対し、上記したように DDモータ 63のロータ 63bが外嵌固定されている。

[0085] そして、回転軸 62には、そのスピンドルユニット 20側の端面 62bに対し、円周方向に配置された複数のネジ部材 72によって、スピンドルユニット 20が取り付けられている。従って、軸受 65を介してロータリジョイント 67における第 1のディストリビュータ 67a に回転自在に支持されたシャフト 67c及びこのシャフト 67cに組み付けられてシャフト 67cと一体的に回転する回転軸 62が、スピンドルユニット 20を支持する支持軸となる

〇

[0086] また、支持ヘッド 60では、両脚部 60a、 60bのそれぞれに、前述の実施例と同様のクランプ機構が組み込まれており、その主要素であるクランプスリーブ 66が、ロータリジョイント 67の第 1のディストリビュータ 67aと回転軸 62の円筒部 62aとの間に配設されている。

[0087] そして、この実施例における支持ヘッド 60においても、両脚部 60a、 60bの主体であるハウジング 61は、基部 60cと別体に形成され、基部 60cに螺揷された複数のネジ部材 74 (本発明で V、う「第 1のネジ部材」）であって基部 60cの外部から操作可能なネジ部材 74によって、基部 60cに対し脱着可能に取り付けられている。また、スピンドルユニット 20を支持軸（回転軸 62)に対し固定状態としているネジ部材 72 (本発明でいう「第 2のネジ部材」）も、ロータリジョイント 67の第 2のディストリビュータ 67bに形成された孔 67b2を介してハウジング 61の外部から操作可能となっている。従って、この支持ヘッド 60における脚部 60a、 60bも、ネジ部材 72、 74を外す作業のみで基部 6 Ocから取り外すことができ、前述の実施例と同様の効果を得ることができる。

[0088] なお、以上の実施例では、スピンドルユニット 20を回転駆動するための割出し機構の駆動源として、ロータ及びステータがハウジング内に収容されてロータが回転軸に固定される DDモータを採用したものについて述べた力 S、これに代えて、ハウジング外に配設される駆動モータであって、ハウジングの側面等に取付けられて出力軸が駆動伝達機構を介して回転軸に連結される駆動モータであってもよい。この場合、駆動伝達機構としては、回転軸に取り付けられたウォームホイール、及びノヽゥジングに回転自在に支持されたウォームを含むものとし、このウォームの回転軸を、ギア等を介して駆動モータの出力軸に連結するものとすればよい。

[0089] また、上記の実施例では、支持ヘッドにおける第 1及び第 2の支持部が、いずれも基部に対し脱着可能に取り付けられているものとした力本発明はこれに限定されず、第 1の支持部又は第 2の支持部の少なくとも一方が、基部に対し脱着自在に取り付けられ、他方の支持部を形成するハウジングが基部と一体的に形成されているものであつてもよい。すなわち、スピンドルユニット 20の脱着に関しては、一対の支持軸の少なくとも一方がその軸線方向に移動可能であればよいため、第 1の支持部又は第 2の支持部の一方のみが、基部から取り外すことができるものであってもよい。但し、第 1 及び第 2の支持部内の各構成要素の調整や修理等を考える場合には、第 1及び第 2 の支持部の各々を基部から取り外すことができるようにした方が有利である。

[0090] また、上記の実施例では、基部に対する各支持部の組み付け状態を、第 1のネジ部材による固定によってのみ維持するものとした力例えば、基部又は支持部の一方に対し A軸方向に延在する蟻溝又は T形溝を形成すると共に、他方に対しその溝に嵌合する突状部を形成し、基部と支持部とが、蟻溝嵌合又は T溝嵌合によって A軸方向にスライド可能に組み合わされ、その組み合わせ状態で第 1のネジ部材により固定するあのとしてあよい。

さらに、本発明は上記のいずれの実施形態にも限定されるものではなぐ本発明の求範囲を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。

Claims

請求の範囲

工具が取り付けられるスピンドル（21)を含むスピンドルユニット（20)と、該スピンドルユニット（20)を支持する支持ヘッド（30)とを備え、該支持ヘッド（30)が、駆動モータ (33)を駆動源として前記スピンドル（21)の回転軸線と直交する軸線を中心に前記スピンドルユニット（20)を回転させてその角度位置を割り出すための割出し機構を含む、工作機械用の加工用ヘッド（10)であって、前記支持ヘッド（30)は、前記回転軸線に軸心を一致させた状態で前記スピンドルユニット（20)を挟んで対向配置されてその対向側端面に前記スピンドルユニット（20)が固定される支持軸（32、 37b、 38b 、 39b)をそれぞれに含む第 1及び第 2の支持部（30a、 30b)と、該第 1及び第 2の支持部（30a、 30b)を共に支持する基部（30c)とによって構成され、前記第 1及び第 2 の支持部（30a、 30b)は、その少なくとも一方力前記基部（30c)とは別体に形成されたハウジング（31a、 31b)を主体とし、前記基部（30c)と別体に形成されたハウジング（31a、 31b)は、前記基部（30c)に螺揷される複数の第 1のネジ部材（17)であつて前記基部（30c)に前記ハウジング（31a、 31b)を取り付けた状態で前記基部（3 0c)又はハウジング（31a、 31b)の外部から操作可能な複数の第 1のネジ部材（17) によって前記基部（30c)に取り付けられ、前記スピンドルユニット（20)は、前記各支持軸（32、 37b、 38b、 39b)に対し螺揷される複数の第 2のネジ部材（13、 15)であつて前記支持軸（32、 37b、 38b、 39b)が前記ハウジング（31a、 31b)内に組み込まれた状態でハウジング（31a、 31b)の外部から操作可能な第 2のネジ部材（13、 15) によって前記支持軸（32、 37b、 38b、 39b)に取り付けられている、ことを特徴とする工作機械用の加工用ヘッド（ 10)。