明 細 書
位置管理装置、移動局装置、基地局装置、周波数層制御方法、プロダラ ムおよび記録媒体
技術分野
[0001] 本発明は移動通信システムにおける位置管理装置、移動局装置、基地局装置、周 波数層制御方法、プログラムおよび記録媒体に関し、より詳細には、異なる周波数層 受信能力の移動局装置と基地局装置、および該移動局装置の位置情報を管理する 位置情報管理装置に適応した移動局装置の位置登録およびページング技術に関 する。
背景技術
[0002] 3GPP (3rd Generation Partnership Project)では、 W— CDMA (Wideband- Code Division Multiplexing)方式が第 3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順 次サービスが開始されている。また、通信速度を更に上げた HSDPAも標準化され、 サービスが開始されようとしている。
[0003] 一方、 3GPPでは、第 3世代無泉アクセス技術の進化(Evolved Universal Terrestri al Radio Access,以下、 EUTRAと称する)および第 3世代無線アクセスネットワーク 技体亍の進ィ匕 (Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network 以下、 EUTRA Nと称する)が検討されている。 EUTRAの下りリンクの通信方式として、 OFDMA (0 rthogonal Frequency Division Multiplexing Accessノ方式力、 案されて!/、る。 EUTR A技術として、 OFDMA方式にチャネル符号化等の適応無線リンク制御(リンクァダ プテーシヨン、 Link Adaptation)に基づく適応変復調.誤り訂正方式(AMCS: Adapti ve Modulation and Coding Scheme,以下、 AMCS方式と称する)といった技術が適 用されている。
[0004] また、 EUTRAの上りリンクとして、マルチキャリア通信方式やシングルキャリア通信 方式など様々な提案がされており、 OFDM方式等のマルチキャリア通信方式より VS CRF (Variable Spreading and Chip Repetition Factors)— CDMA方式や IFDMA (I nterleaved Frequency Division Multiple Access)方式、 D FT (Discrete Fourier Trans
form) - Spread OFDM方式のシングルキャリア通信方式が上りリンクに有効な無 線通信方式として提案されて!/、る。
[0005] また、 EUTRANで提供するサービスは、パケットベースのサービスを想定しており 、 W— CDMAで提供されている MBMS (Multimedia Broadcast Multicast Service)も さらに発展させて盛り込むこととなっている。 MBMSは、無線ネットワークを通じて同 一のマルチメディアデータを複数の受信者に伝送するサービスのことである。このとき
、複数の受信者が一つの無線チャンネルを共有するようにして、無線伝送資源を節 約すること力 Sでさる。
[0006] また、 EUTRA/EUTRANの技術要求条件 (例えば、非特許文献 2参照)が提案 され、既存の 2G、 3Gサービスとの融合、共存のため、スペクトル柔軟性(Spectrum F1 exibility)が要求され、異なるサイズのスペクトル(周波数帯域幅、例えば、 1.25MHz 、 2.5MHz, 5MHz、 10MHz、 20MHz)に対する周波数割り当てのサポート(Suppo rt for spectrum allocations of different size)カ要求されてレヽ 。
[0007] また、 EUTRANの技術要求条件 (非特許文献 3参照)が提案され、異なる周波数 帯域幅(例えば、 10MHz、 15MHz, 20MHz)の送受信能力を持つ移動局クラスの 移動局のサポートも要求している。また、 EUTRAの技術資料 (非特許文献 4参照) が提案され、異なる周波数帯域幅の送受信能力を持つ移動局に対する使用すべき 周波数帯域位置指定(中心周波数シフト)の方法が示されている。ここで特に問題と なるのは、基地局周波数帯域幅が 20MHz帯域幅の場合の 10MHz帯域幅の送受 信能力を持つ移動局の収容方法であり、アクティブモード(Connectedモード)、アイ ドルモード (待ち受け状態)、 MBMSの受信時に通信を行う帯域位置の候補が列挙 されている。
[0008] 図 13に示すように、候補の帯域としては、 20MHzの中心 10MHzバンド、 20MHz の右 10MHzバンド、 20MHzの左 10MHzバンドの 3つが挙げられている。図 13で は、左 10MHzバンドに、 MBMSサービス 1、 MBMSサービス 2、 BCH (報知情報チ ャネル)、 PCH (ページングチャネル)が配置されている。この場合、 MBMS受信移 動局、およびアイドルモード移動局は、左 10MHzバンドで通信を行い、それ以外の アクティブモード移動局は、右 10MHzバンドで通信を行う。
[0009] 一方、図 14では、左 10MHzバンドに MBMSサービス 1、右 10MHzバンドに MB MSサービス 2が配置され、 BCH、 PCHは、左右に重複して配置されている。この場 合、 MBMSサービス 1受信移動局は、左 10MHzバンドで通信を行い、 MBMSサー ビス 2受信移動局は、右 10MHzバンドで通信を行う。 (非特許文献 4参照)
[0010] 特許文献 1では、複数の周波数層を持つ MBMS移動通信システムにおいて、ァク ティブモード移動局へのシグナリングによって、 MBMSサービスと専用トラフイツクサ 一ビスの優先周波数層を制御し、移動局は、どちらのサービスを受信すべきかを判 断するものである。
特許文献 1 :特開 2006— 42354号公報
非特許文献 1: 3GPP TR (Technical Report) 25.858、および 3GPPの HSDPA仕 不 関連資不斗. nttp:// www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/25-series. htm
非特許文献 2: 3GPP TR (Technical Report) 25 · 913、 V2 · 1 · 0 ( 2005— 05 )、 Requ irements for evolved Universal i errestnai Radio Access (UTRA and Universal ΘΓΓ estnal Radio Access Network(UTRAN). http://www.3gpp.org/ftp/Specs/htmi-info/
25913.htm
非特許文献 3: 3GPP TR (Technical Report) 25.913、 V7.2.0 (2005— 12)、 Requ irements for Evolved UTRA(E— UTRA) and Evolved UTRAN(E-UTRAN)
非特許文献 4 : R2— 061001 "Principles of scalable bandwidth scenarios" , 3GPP TSG RAN WG2 Metting # 52 Athens, Greece, March 27— 31 , 2006 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] しかしながら上記特許文献では、アイドルモード時のトラフィック(例えば、ページン グ情報、報知情報、ショートメッセージなど)を考慮していない。図 14のようにアイドノレ モード時の移動局が MBMS受信のために周波数層を変更する場合、ネットワークか らの優先情報を基に、移動局が決定権を持って周波数層の変更を行う。すなわち、 上位ノード(RNC, SGSNなどの位置管理装置および無線リソース制御装置)がどの 周波数層に移動局が移動したのかを知ることができないため、ページングや報知情 報を双方の周波数層に送信する必要が生じる。
[0012] また、図 13のような一方の周波数層での MBMS送信サービスの場合、専用トラフィ ックサービスと MBMS送信サービスの両方を受信したい移動局の数が多くなつた場 合に、一方の周波数層でのトラフィック量が増大するため、専用トラフィックサービスと MBMSサービスのどちらかの切断を移動局に迫る必要がある。
[0013] これらの問題は、上位ノードで、移動局の MBMS受信周波数層および受信趣向、 専用トラフィックの負荷、アイドルモードの移動局の待ち受け周波数層の管理が統合 的に行われてレ、な!/、ことによって生じて!/、る。
[0014] 本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、異なる周波数層の送受 信能力を持つ移動局クラスの移動局が混在する移動通信システムにおいて、通信シ ステム全体の周波数利用効率を向上させるとともに、特定の移動局に対する使用周 波数層の基地局制御を効率的に実行できるようにした位置管理装置、移動局装置、 基地局装置、周波数層制御方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的 とする。
課題を解決するための手段
[0015] 上記課題を解決するために、本発明の第 1の技術手段は、異なる周波数層受信能 力を持つ移動局装置を収容するマルチメディア放送/マルチキャストサービス(MB
MS)移動通信システムに適用する位置管理装置であって、 MBMSを提供する周波 数層を決定することを特徴としたものである。
[0016] 第 2の技術手段は、第 1の技術手段において、 MBMSを提供する周波数層は、少 なくとも移動局装置から取得した MBMS送信周波数層制御の指標となる MBMS希 望情報に応じて決定することを特徴としたものである。
[0017] 第 3の技術手段は、第 2の技術手段において、 MBMS希望情報に基づいて、 MB
MS受信移動局装置の数がある閾値を越えた場合には、 MBMS送信周波数層数を 増やし、ある閾値を下回った場合には、 MBMS送信周波数層数を減らすことを特徴 としたものである。
[0018] 第 4の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマルチ メディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する位置 管理装置であって、アイドルモード移動局装置への情報を送信する周波数層を決定
することを特 ί毁としたものである。
[0019] 第 5の技術手段は、第 4の技術手段において、アイドルモード移動局装置への情報 を送信する周波数層が、少なくとも、 MBMSを提供する周波数層に応じて決定する ことを特 ί毁としたものである。
[0020] 第 6の技術手段は、第 5の技術手段において、アイドルモード移動局装置への情報 を送信する周波数層が、少なくとも、ページンググループと、移動局装置から取得し た MBMS送信周波数層制御の指標となる MBMS希望情報、に応じて決定すること を特徴としたものである。
[0021] 第 7の技術手段は、第 5の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層よりも 多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモード移動 局装置への情報を送信する周波数層が、少なくともページンググループと関連付け て決定することを特 ί毁としたものである。
[0022] 第 8の技術手段は、第 5の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層よりも 多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモード移動 局装置への情報を送信する周波数層が、 MBMS送信周波数層とは別の周波数層 に決定することを特徴としたものである。
[0023] 第 9の技術手段は、第 5の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層よりも 多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモード移動 局装置への情報を送信する周波数層が、異なる周波数層受信能力の移動局群の中 で MBMSを希望する移動局装置群と MBMSを希望しない移動局装置群の割合に 応じて決定することを特 ί毁としたものである。
[0024] 第 10の技術手段は、第 6または第 7の技術手段において、ページンググループが、 移動局装置の識別情報に基づいて決定されることを特徴としたものである。
[0025] 第 11の技術手段は、第 6または第 7の技術手段において、ページンググループが、 位置管理装置によって決定されることを特徴としたものである。
[0026] 第 12の技術手段は、第 2または第 6または第 9の技術手段において、移動局装置 が位置登録時に送信する位置登録要求、または、移動局装置が通信接続確立のた めに送信するベアラセットアップ要求に、 MBMS送信周波数層制御の指標となる Μ
BMS希望情報を含ませることを特徴としたものである。
[0027] 第 13の技術手段は、第 1の技術手段において、報知情報もしくはページング情報 に MBMSを提供する周波数層の変更情報を含めて送信するように基地局装置に対 して指示することを特徴としたものである。
[0028] 第 14の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する移 動局装置であって、位置管理装置が決定した MBMSを提供する周波数層で MBM
Sを受信することを特 ί毁としたものである。
[0029] 第 15の技術手段は、第 14の技術手段において、 MBMS送信周波数層制御の指 標となる MBMS希望情報を前記位置管理装置に送信することを特徴としたものであ
[0030] 第 16の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する移 動局装置であって、ページンググループに応じた周波数層または位置管理装置が 決定した周波数層で、アイドルモード移動局装置への情報を受信することを特徴とし たものである。
[0031] 第 17の技術手段は、第 16の技術手段において、アイドルモード移動局装置への 情報を、少なくとも、 MBMSを提供する周波数層に応じて決定される周波数層で受 信することを特 ί毁としたものである。
[0032] 第 18の技術手段は、第 17の技術手段において、アイドルモード移動局装置への 情報を、少なくとも、ページンググループと、移動局装置から取得した MBMS送信周 波数層制御の指標となる MBMS希望情報に応じて決定される周波数層で受信する ことを特 ί毁としたものである。
[0033] 第 19の技術手段は、第 17の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層より も多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有する移動局装置が、ァ ィドルモード移動局装置への情報を、少なくとも、ページンググループに応じて決定 される周波数層で受信することを特徴としたものである。
[0034] 第 20の技術手段は、第 17の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層より
も多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有する移動局装置が、ァ ィドルモード移動局装置への情報を、 MBMS送信周波数層とは別の周波数層で受 信することを特 ί毁としたものである。
[0035] 第 21の技術手段は、第 17の技術手段において、ページンググループが、移動局 装置の識別情報に基づいて決定されることを特徴としたものである。
[0036] 第 22の技術手段は、第 17の技術手段において、ページンググループが、位置管 理装置によって決定されることを特徴としたものである。
[0037] 第 23の技術手段は、第 15または第 18の技術手段において、位置登録時に送信 する位置登録要求、または、通信接続確立のために送信するベアラセットアップ要求 に、 MBMS希望情報を含ませて送信することを特徴としたものである。
[0038] 第 24の技術手段は、第 17の技術手段において、基地局から送信される報知情報 もしくはページング情報に応じて、アイドルモード時の周波数層を変更することを特 徴としたものである。
[0039] 第 25の技術手段は、第 17の技術手段において、位置登録時の位置登録応答、ま たは、ベアラ開放応答に応じて、アイドルモード時の周波数層を変更することを特徴 としたものである。
[0040] 第 26の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する基 地局装置であって、位置管理装置が決定した MBMSを提供する周波数層で MBM Sを送信することを特 ί毁としたものである。
[0041] 第 27の技術手段は、第 26の技術手段において、 MBMSを提供する周波数層は、 少なくとも、移動局装置が送信する MBMS送信周波数層制御の指標となる MBMS 希望情報に応じて決定されることを特徴としたものである。
[0042] 第 28の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する基 地局装置であって、ページンググループに応じた周波数層または位置管理装置が 決定した周波数層で、アイドルモード移動局装置への情報を送信することを特徴とし たものである。
[0043] 第 29の技術手段は、第 28の技術手段において、アイドルモード移動局装置への 情報を、少なくとも、 MBMSを提供する周波数層に応じて決定される周波数層で送 信することを特 ί毁としたものである。
[0044] 第 30の技術手段は、第 29の技術手段において、アイドルモード移動局装置への 情報を、少なくとも、ページンググループと、移動局装置が送信する MBMS送信周 波数層制御の指標となる MBMS希望情報に応じて決定される周波数層で送信する ことを特 ί毁としたものである。
[0045] 第 31の技術手段は、第 29の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層より も多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモード移 動局装置への情報を、少なくとも、ページンググループに応じて決定される周波数層 で送信することを特徴としたものである。
[0046] 第 32の技術手段は、第 29の技術手段において、 1つの MBMS送信周波数層より も多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモード移 動局装置への情報を、 MBMS送信周波数層とは別の周波数層で送信することを特 徴としたものである。
[0047] 第 33の技術手段は、第 29の技術手段において、ページンググループが、移動局 装置の識別情報に基づいて決定されることを特徴としたものである。
[0048] 第 34の技術手段は、第 29の技術手段において、ページンググループが、位置管 理装置によって決定されることを特徴としたものである。
[0049] 第 35の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する基 地局装置であって、基地局装置が決定した周波数層で、 1つの MBMS送信周波数 層よりも多い周波数層を同時に受信可能な周波数層受信能力を有するアイドルモー ド移動局装置への情報を送信することを特徴としたものである。
[0050] 第 36の技術手段は、第 35の技術手段において、周波数層が、現在通信中の他の 移動局装置のトラフィック量に応じて、決定することを特徴としたものである。
[0051] 第 37の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する周
波数層制御方法であって、位置管理装置が、 MBMSを提供する周波数層を決定し 、基地局装置は、位置管理装置から指示された周波数層で MBMSを送信し、移動 局装置は、位置管理装置から指示された周波数層で MBMSを受信することを特徴 としたものである。
[0052] 第 38の技術手段は、異なる周波数層受信能力を持つ移動局装置を収容するマル チメディア放送/マルチキャストサービス(MBMS)移動通信システムに適用する周 波数層制御方法であって、位置管理装置がアイドルモード移動局装置への情報を 送信する周波数層を決定し、基地局装置は、位置管理装置が決定した周波数層で アイドルモード移動局装置への情報を送信し、移動局装置は、位置管理装置が決定 した周波数層でアイドルモード移動局装置への情報を受信することを特徴としたもの である。
[0053] 第 39の技術手段は、第 1ないし第 13のいずれ力、 1の技術手段、または第 14ないし 第 25のいずれか 1の技術手段、または第 26ないし第 36のいずれ力、 1の技術手段の 機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
[0054] 第 40の技術手段は、第 39の技術手段をコンピュータ読取可能に記録した記録媒 体である。
発明の効果
[0055] 本発明によれば、異なる周波数層の送受信能力を持つ移動局クラスの移動局が混 在する移動通信システムにおいて、通信システム全体の周波数利用効率を向上させ るとともに、特定の移動局に対する使用周波数層の基地局制御を効率的に実行でき るようにした位置管理装置、移動局装置、基地局装置、周波数層制御方法、プロダラ ムおよび記録媒体を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0056] [図 1]EUTRANのシステムの簡略化された構成を示す図である。
[図 2]IMSIもしくは TMSIの一部を RightBandと LeftBandの指定に使うようにした
[図 3]図 1の待ち受け周波数層管理方法に MBMSサービスの制御を適応した際の M BMS制御方法を示す図である。
[図 4]図 1の待ち受け周波数層管理方法に MBMSサービスの制御を適応した際の M BMS制御方法の他の例を示す図である。
[図 5]20MHz帯域幅の基地局から送信されるそれぞれの物理チャネルの配置を概 念的に示す図である。
[図 6]20MHz帯域幅の基地局から送信されるそれぞれの物理チャネルの配置を概 念的に示す他の図である。
[図 7]20MHz帯域幅の基地局から送信されるそれぞれの物理チャネルの配置を概 念的に示す更に他の図である。
[図 8]基地局、 aGW、およびアイドルモード移動局の MBMS制御方法の一例を示す 図である。
[図 9]図 8のフローに応じた下りリンクのマッピングの状態を示す図である。
[図 10]ベアラセットアップと同時に MBMSの送信周波数層制御を行なう例を示す図 である。
[図 l l]aGWと移動局との間の信号負荷を減らす方法を説明するための図である。
[図 12]MBMSの送信方法、ページンググループ、受信能力周波数層、 MBMS Gro upの関係に応じた待ち受け層の指定方法を示す図である。
[図 13]基地局周波数帯域幅が 20MHzの場合の 10MHz帯域幅の送受信能力を持 つ移動局の収容方法の例を示す図である。
[図 14]基地局周波数帯域幅が 20MHzの場合の 10MHz帯域幅の送受信能力を持 つ移動局の収容方法の他の例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0057] 図 1は、 EUTRANのシステムの簡略化された構成を示す図である。 aGW (access
Gateway)は、上位ノード(W— CDMA/GPRS方式の SGSN, RNC)に相当し、 ページングの起動、移動局(UE : User Equipment)との間でアクセスシステム非 り取りを行う。 aGWをユーザプレーンノードと制御プレーンノードに分離することも可 能であるが、ここでは、同一ノードとして扱う。
[0058] aGWは、本発明の位置管理装置に該当し、位置管理 (W— CDMA方式の VLR相
当)を行い、移動局から位置登録 ·更新要求を受信し、位置管理データベースへ登 録する。移動局への着信があった場合には、 aGWは位置管理データベースから移 動局の登録情報を取得し、ページング要求を位置登録エリア内の基地局(eNB: evo lved NodeB)に送信する。移動局からの位置登録.更新要求には、 W— CDMA方 式と同様、初期登録時には IMSI (International Mobile Subscriber Identity)、位置更 新時には、 TMSI (Temporary Mobile Subscriber Identity)が含められ、 aGWの位置 管理データベースに登録される。
[0059] ページングは、パケットが着信している移動局の位置登録エリアを位置管理データ ベースから取得し、位置登録エリアの基地局に対して、位置管理装置からページン グ要求を送出することで行なわれる。ここでページング要求とは、 aGWからのページ ングの NASシグナリングを位置登録エリア内の基地局が受信し、基地局が、移動局 または移動局のグループに対し、ページングインジケーター(PICH)および/または ページング情報 (PCH)を、物理シグナリングとして送信することを意味する。
[0060] アイドルモードの移動局は、位置管理装置からのページングの受信、基地局からの 報知情報(無線フォーマット設定やショートメッセージなども含む)の受信、 MBMS共 用制御信号の受信などを行っている。 MBMS共用制御信号は、 MBMSサービスの 種類や MBMSのスケジューリング情報などを送信する。アイドルモードの移動局は、 MBMSデータの受信も可能である。
[0061] MBMS Serverは、 MBMSデータのソースとして、 MBMSデータのスケジユーリン グに関して責任を負っている。 MBMS Serverによって生成された MBMSデータス トリームは、 aGW、基地局を経て、移動局に伝達される。
[0062] aGWは、それぞれの加入者の MBMS関連サービスを制御する。 aGWは、特定の 基地局に選択的に MBMS関連サービスを伝送し、および基地局間での MBMS関 連サービスの周波数.時間スケジューリングのサポート等を行う。 aGWと MBMS Se rverは共通ノードとして定義されても良い。 MBMSサービスは、 SFN (Single Freque ncy Network)で提供される場合もあり、その場合は、各基地局間は同期システムとし て動作し、同一時間'周波数領域に同一データを送信することを可能とする。
[0063] 基地局の最大周波数帯域幅が 20MHzの場合、 10MHz送受信能力の移動局の
収容のため、 LeftBand (左バンド:低周波数側である Lower Bandとも言う)と Righ tBand (右バンド:高周波数側である Upper Bandとも言う)として、それぞれ基地局 内の帯域を 10MHzずつに分割した周波数層が定義される。この時、移動局の待ち 受け周波数層(Camped Frequency Layer)には、 LeftBandと RightBandの 2つの候 補がある。よって、移動局がどちらの周波数層で待ち受けているのかについて、 aG Wが管理する。これにより、各移動局への NASシグナリングをどちらの周波数層に送 信すべき力、を指定することが可能となり、それぞれの帯域に 2重送信するオーバへッ ドを回避できる。アクティブモード時の移動局の使用周波数層は、 aGWおよび基地 局が管理する。
[0064] aGWで待ち受け周波数層を管理するため、移動局は、位置登録'更新の際に、待 ち受け周波数層の登録も同時に行う。通常、初期登録時には、移動局は IMSIを aG Wへ送信し、 aGWは TMSIを割り当てる力 その際に、 aGWから待ち受け周波数層 を指示する。同様に位置更新時においても、 aGWが待ち受け周波数層の変更を指 示する。
[0065] アイドルモード移動局への NASシグナリングの送信開始時のページング方法を説 明する。ページング時には、 aGWは、ページング要求に移動局の待ち受け周波数 層を付与して送出し、基地局は、ページング要求内の移動局の待ち受け周波数層の 情報を取得し、移動局の待ち受け周波数層の受信帯域へページングインジケーター (PICH)および/またはページング情報 (PCH)を送信する。移動局は、位置登録- 更新要求に受信能力周波数層も含めて送信し、 aGWは、その応答によって、移動 局の待ち受け周波数層を指示する。
[0066] 基地局の最大周波数帯域幅である 20MHzと同じ 20MHz送受信能力を持った移 動局は、どちらの周波数層の情報も受信可能なので、基地局は、待ち受け周波数層 を指示することなぐどちらかの帯域でページングインジケーター(PICH)および/ま たはページング情報 (PCH)を送信し、移動局は、両周波数層を受信、復調し、ぺー ジングインジケーター(PICH)および/またはページング情報 (PCH)を検出するよ うな構成もできる。 10MHz送受信能力を持った移動局は、位置登録 ·更新要求に受 信能力周波数層をも含めて送信し、 aGWは、その応答によって、移動局の待ち受け
周波数層を指示する。
[0067] このように構成することにより、移動局の待ち受け周波数層を aGWで管理すること が可能となる。しかし、ページング要求には、必ず移動局の加入者識別情報である I MSIもしくは TMSIが含まれるため、この IMSIもしくは TMSIの一部を喑示的に Rig htBandと LeftBandの指定に使うことも考えられる。
[0068] 例えば、図 2に示すように、 IMSIもしくは TMSIの下位 1ビットを使用し、 "0"の場合 には LeftBand、 "1"の場合には RightBandで待ち受けることを予め仕様化する。 I MSIは、 SIMカードなどに格納される静的な識別子であり、 TMSIは、移動局から a GWへの位置更新の際に、 aGWが一時的に割り当てる識別子である。
[0069] aGW力 STMSIの更新時に下位 1ビットを適応的に制御することにより、移動局待ち 受け周波数層の制御が効率的に行われる。すなわち、 IMSIもしくは TMSIの一部も しくはハッシュ値によってページンググループを形成し、それぞれのページンググノレ ープに応じた待ち受け周波数層が決定されることを意味する。 TMSIを使用する場 合は、 TMSIを割り当てる aGW力 移動局の待ち受け周波数層を制御することを意 味する。
[0070] IMSIは、初期位置登録の際、移動局の情報受信周波数層を決定するために使用 される。移動局は、初期位置登録の際にやり取りされる情報、すなわち基地局の下り リンクでの情報 (位置登録の応答情報やランダムアクセスの応答情報など)を、 IMSI に関連付けられた周波数層で受信する。予め上りリンクの使用周波数層と下りリンク の使用周波数層が関連付けられてレ、る場合、上りリンクで初期位置登録を行なう周 波数層は、 IMSIに基づいて決定されることを意味する。
[0071] まず、初期位置登録時には、移動局は、 IMSIのハッシュ値を使って RightBandま たは LeftBandで待ち受け動作を行う。続いて、待ち受け動作を行っている移動局は 、位置登録のため、 IMSIを含んだメッセージを aGWに対して送信する。 aGWは、移 動局から位置登録または位置更新要求を受け取ると、システム全体の負荷状況を考 慮して、新たな待ち受け周波数層を示す TMSIを応答情報に含めて返信する。移動 局は、 aGWが送信した位置登録または位置更新要求の返信を受信すると、 TMSIに よって示される待ち受け周波数層に移動する。
[0072] この場合、 20MHz送受信能力の移動局に対しても、どちらか片方の帯域でページ ング要求が送信されることになるので、 20MHz送受信能力の移動局の処理が簡略 化されるという利点がある。 W— CDMA方式の際には、時間方向の間欠受信のため に加入者識別情報を基に間欠受信サイクルを決定していたが、同様の方法で本実 施形態においても時間方向の間欠受信の適応は可能である。つまり、本実施形態に おいては、ページング情報の時間'周波数の送信位置を移動局の加入者識別情報 に関連付けてスケジューリングすることを意味する。
[0073] 図 3および図 4は、図 1の待ち受け周波数層管理方法に MBMSサービスの制御を 適応した際の MBMS制御方法を示している。図 3に示すように、 MBMSサービス用 の無線リソースの効率的な利用を考慮し、例えば、 MBMSサービスは、 LeftBandの みに送信される。移動局は、位置登録 ·更新時に自局の加入者識別情報 (IMSほた は TMSI)と待ち受け周波数層だけでなぐ MBMSサービスの受信希望情報も aGW に対して登録する。
[0074] 上記で述べたように、移動局の待ち受け周波数層は aGWで管理されているため、 移動局が待ち受け周波数層の変更を要求する際には aGWの許可が必要である。移 動局が、 MBMSサービスを受信したい場合に、待ち受け周波数層でサービスされて いないことを知った場合、 aGWに対し、待ち受け周波数層の変更要求を送信する必 要がある。よって、 RightBandで待ち受けている移動局力 位置登録 ·更新要求に、 MBMSサービスの受信希望情報を含めることにより、 aGWは、 LeftBandへの移動 を指示することが可能となる。移動局は、 RightBandまたは LeftBandで MBMSサ 一ビスが提供されて!/、るとレ、う情報を、報知情報または MBMS共用制御信号または 共用シグナリングまたは専用シグナリングで取得する。
[0075] 一方、 MBMSサービスを受信した!/、移動局数が、極端に多くなつた場合、 MBMS サービス以外のトラフィック力 S、 MBMSサービスが提供されている LeftBandに集中 し、負荷が非常に大きくなつてしまうことが懸念される。よって、図 4に示すように、 aG Wは、 RightBandへの MBMSサービスの分散化の決定を行う機能を持つ。つまり、 aGWは、 aGW配下の基地局全体のトラフィック負荷状況をモニタリングし、 MBMS サービスを LeftBandと RightBand双方で提供すべきかどうか判断し、 MBMSサー
ビスの 2Band送信を決定した場合には、基地局に対して、 2Band送信を指示する。
2Band送信は、全く同じ MBMSサービスを LeftBandと RightBand双方に送信する 場合と、 MBMSサービスの一部のチャンネルのみを RightBandに移動する場合が ある。
[0076] 図 5、図 6、および図 7は、 20MHz帯域幅の基地局から送信されるそれぞれの物理 チャネルの配置を概念的に示したものである。これらの図は、周波数方向のみ示して いて、それぞれの物理チャネルは、時間的に異なる位置に配置されていても良い。
MBMS物理チャネルとデータ物理チャネルは、完全に周波数帯域を分割して配置 される場合と、 MBMSチャネルとデータチャネルを時間多重して配置される場合が 考えられる。時間多重の場合であっても、最大受信帯域幅が 10MHzの移動局を収 容する必要があるため、少なくとも 10MHz単位で周波数多重する必要がある。ここ では、特に移動局の受信周波数層能力に注目しているため、周波数方向の位置を 示すように抽象化されて!/、る。
[0077] 図 5は、図 3の場合のように LeftBandのみで MBMSサービスを提供する場合の物 理チャネルの配置を示したものである。電源投入後の最初のバンドサーチにおいて は、中心の同期チャネル(SCH)を使用し、セルサーチ処理が終了後、すぐに Right Bandまたは LeftBandへ移動する。 RightBandまたは LeftBandへの移動は、移動 局の加入者識別番号と報知チャネルの情報などで決定される。
[0078] 上記に述べたような aGWによる位置管理に応じて、 MBMSサービスを受信する移 動局は LeftBandで、 MBMSサービスを受信しない移動局は RightBandで、通信 または待ち受け処理を行う。また、 20MHz帯域幅を受信可能な移動局は、 RightBa nd、 LeftBand共に受信可能であるため、 20MHz帯域幅の移動局へのページング 情報は、 RightBandに送信することにより、情報の負荷分散が可能である。どちらの 帯域にページング情報が送信されるかは、 aGWによって決定される。
[0079] 図 6は、 MBMSサービスの複数のサービス種別を RightBandと LeftBandに分け て配置した場合の図である。 MBMS 1が LeftBandに配置され、 MBMS2が RightB andに配置されている。移動局は、 aGWへ、希望の MBMSサービス種別を要求し、 aGWの制御の下で、 LeftBandまたは RightBandで通信または待ち受け処理を行う
[0080] 図 7は、全く同じ MBMSサービスを 2Band送信した場合の図である。移動局は、ど ちらの Bandにおいても MBMSを受信可能であるため、 aGWおよび基地局がネット ワークの負荷状況を見て、移動局の通信または待ち受け処理周波数層を制御する。
[0081] 図 5、図 6、および図 7で示した物理チャネル配置を aGWがネットワークの負荷状況 を見て、適応的に変更することによって最適な負荷分散が可能である。 MBMSサー ビスの受信を希望する移動局が少ない場合は図 5の配置を使用し、 MBMSサービス の受信希望端末が増加するにつれて図 6の配置を使用し、最も MBMSサービスの 受信希望端末が多い場合には図 7へ配置構成を変更することによって効果的な制御 が可能である。
[0082] aGWは、 20MHz受信能力の移動局に対しては管理を行わず、移動局は、 LeftB and, RightBand双方を常に受信するという方法も可能である。その場合、 aGWまた は基地局は、 LeftBand, RightBandの混雑状況を考慮して、トラフィックの少ない 帯域で、 20MHzアイドルモード移動局への情報を送信することが可能である。送信 周波数層の指定は、 aGWから基地局に対して指定しても良いし、基地局が独自に判 断しても良い。 aGWから基地局に対して指定を行う場合は、 aGW配下の基地局の 負荷を総合的に判断することが可能である。しかし、 20MHzアイドルモード移動局 については、それぞれの基地局下で通信中の他の移動局のトラフィック量を考慮して 、基地局が独自に判断した方が効率的な場合がある。
[0083] 図 8は、基地局、 aGW,およびアイドルモード移動局の MBMS制御方法の一例を 示す図で、図 9は図 8のフローに応じた下りリンクのマッピングの状態を示す図である 。図 9では、図 8に対応付けるために図 8の移動局(UE)のフローを記載した。
電源投入時の移動局(DETACHEDモード)は、初期セル選択 (バンドサーチ、セ ルサーチ)を行った後(S1)、報知情報(CCCH)を受信し(S2)、 aGWへの位置登 録処理のためベアラセットアップを行う。ベアラセットアップ終了後(S3, S21 , S31) 、移動局は、位置登録メッセージに IMSIと MBMSの希望情報を含めて aGWへ送信 する(S4)。ベアラセットアップ終了後は、移動局はアクティブモードである。
[0084] aGWは、各移動局から受信した MBMS希望情報を管理し、 MBMSの送信周波
数層制御の選択指標として利用する。 MBMSの希望情報とは、移動局がどのチャン ネルまたはチャンネルグループの MBMSを受信した!/、か、 MBMSサービスを受信 した!/、かしたくな!/、か、 MBMSサービスを受信できる能力があるかな!/、かなどの aG Wでの MBMS送信周波数層制御の指標となる情報である。位置登録メッセージを 受信した aGWは、位置登録完了メッセージに TMSIおよび待ち受け周波数層指定 情報を含めて、移動局へ送信する(S32)。
[0085] 図 2で説明したように、待ち受け周波数層指定情報は暗に TMSIに含めて送信して も良い。ここで指定された待ち受け周波数層でデータの受信および MBMSの受信を 行う。図 8および図 9では、 RightBandでデータ送受信を行っている移動局が送信し た位置登録メッセージに MBMSサービスを受信した!/、と!/、う希望情報が含まれてお り、 aGWは、 MBMSが提供されている LeftBandへの周波数層移動を指示したこと を示している。
[0086] 移動局の通信状態(S5)が終了し、ベアラの開放が行われると(S6, S23, S33)、 移動局はアイドルモードへ遷移し(S7)、 MBMSの受信および待ち受け動作を行うこ ととなる。
aGWは、各移動局から受信した MBMSの希望情報および各移動局の待ち受け周 波数層から LeftBandに移動局が集中していないか監視し、 MBMSの受信ユーザ 数力 予めオペレータのポリシー等で定められた閾値を超えた場合に、 MBMSの 2 Band送信を決定する。また、 MBMSの受信ユーザ数が、閾値より少なくなつた場合 には、 2Band送信を解除する。 aGWは、 MBMSの送信周波数層の変更を決定する と、 MBMS提供範囲の基地局に対して、 MBMSの送信周波数層の変更を指示する (S34)。
[0087] 指示を受けた基地局は、 MBMSの送信周波数層を変更し(S24)、ページング情 報または報知情報または MBMS共用制御信号または共用シグナリングまたは専用 シグナリングにて MBMSの送信周波数層の変更情報を各移動局に通知する(S25) 。全く同じ MBMSサービスを LeftBandと RightBand双方に送信する場合は、移動 局が特に待ち受け周波数層を変更する必要はない。 MBMSサービスの一部のチヤ ンネルのみが RightBandで送信される場合、 RightBandの MBMSチャンネルを受
信したい移動局は、待ち受け周波数層を変更する必要がある。
MBMSの送信周波数層の変更情報は、 MBMSサービス無し、 LeftBand Only 、チャンネルスプリット(LeftBand : MBMS 1、 RightBand: MBMS 2) , Duplicate の 4種類を識別する情報やそれぞれの送信方法の設定情報などである。
[0088] アイドルモードの移動局は定期的にセル再選択、および、報知情報 ·ページング情 報の受信を行っている(S8, S9)。
移動局は、ページング情報または報知情報または MBMS共用制御信号または共 用シグナリングまたは専用シグナリングにて MBMSの送信周波数層の変更情報を受 信すると、受信していたチャンネルが待ち受け周波数層で受信できなくなった移動局 は、ベアラセットアップ(S10)と位置再登録処理を行う(Sl l)。位置再登録時に MB MS希望情報を含めて送信する。 MBMS希望情報を受信した aGWは、位置登録完 了メッセージに TMSIおよび待ち受け周波数層指定情報を含めて、移動局へ送信す る(S36)。ここで指定された待ち受け周波数層でデータの受信および MBMSの受 信を行う。
[0089] 次に図 10でベアラセットアップと同時に MBMSの送信周波数層制御を行なう例を 示す。図 10 (A)は、基地局、 aGW、およびアイドルモード移動局の MBMS制御方 法を示す図で、図 10 (B)は図 10 (A)のフローに応じた下りリンクのマッピングの状態 を示す図である。ここでは、 LeftBandのみで MBMSサービスが提供されている場合 を示している。移動局は、ベアラセットアップメッセージに MBMS希望情報を含めて 基地局および aGWに送信する。
[0090] そして移動局と基地局の間で無線べァラが確立され、基地局と aGWの間で無線ァ クセスベアラが確立され、移動局と aGWの間でサービスベアラが確立される(S41 , S 51 , S61)。ここでアクティブモードの移動局の使用周波数層の決定には、基地局と a GW双方のスケジューリング決定を考慮する必要がある。アクティブモードの移動局 の使用周波数層が、基地局の決定を優先して決定される場合には、 aGWは、移動 局の使用周波数層を常時把握することが困難である。基地局が、アクティブモードの 移動局に対して、 RightBandに移動するよう命じ、 MBMSサービスをこの移動局に 対する専用トラフィックとして送信することも可倉である。
[0091] ベアラセットアップメッセージに含められた MBMS希望情報を受信した aGWは、そ の応答メッセージにて、移動局と基地局に対して使用周波数層の変更を指示する。 基地局に使用周波数層の決定権を委譲する場合は、 aGWは、使用周波数層を把 握して!/、な!/、ことを把握し、決定権の委譲することをベアラセットアップ応答メッセ一 ジに含めて基地局に送信する。次に、移動局が通信を終了しアイドルモードに遷移 する際には、移動局は、ベアラ開放要求メッセージに MBMS希望情報を含めて aG Wへ送信する。
[0092] aGWが移動局に MBMSサービスの受信を許可する場合には、 aGWは、ベアラ開 放要求応答メッセージにて、 LeftBandで待ち受けることを指示する。これにより、ァ ィドルモードの移動局の待ち受け周波数層を aGWで把握することが可能である(S4 3, S52, S62)。 aGWは、ベアラセットアップメッセージやべァラ開放要求メッセージ に含まれる MBMS希望情報および各移動局の待ち受け周波数層から、 LeftBand に移動局が集中していないか監視し、 MBMSの受信ユーザ数が、予めオペレータ のポリシー等で定められた閾値を超えた/下回った場合に、 MBMSの送信周波数 層の変更を決定する。
[0093] 図 8および図 9では、移動局が待ち受け周波数層を変更する場合に位置再登録を 行う方法を説明したが、図 11で、 aGWと移動局との間の信号負荷を減らす方法を説 明する。図 11 (A)は、基地局、 aGW、およびアイドルモード移動局の MBMS制御方 法を示す図で、図 11 (B)は図 11 (A)のフローに応じた下りリンクのマッピングの状態 を示す図である。
[0094] aGWは、 MBMSの送信周波数層の変更を決定すると、 MBMS提供範囲の基地 局に対して、 MBMSの送信周波数層の変更を指示する(S91)。指示を受けた基地 局は、ページング情報または報知情報または MBMS共用制御信号または共用シグ ナリングまたは専用シグナリングにて MBMSの送信周波数層の変更情報を各移動 局に通知する(S81)。各移動局はこの MBMS送信周波数層変更情報を受信するこ とによって待ち受け周波数層の変更を行う(S72)。
[0095] 全く同じ MBMSサービスを LeftBandと RightBand双方に送信する場合は、移動 局が特に待ち受け周波数層を変更する必要はない。 MBMSサービスの一部のチヤ
ンネルのみが RightBandで送信される場合、 RightBandの MBMSチャンネルを受 信したい移動局は、待ち受け周波数層を変更する必要がある。よって、それぞれの MBMS送信周波数層に応じた待ち受け周波数層の変更が必要となる。
[0096] ページンググループと MBMSの送信周波数層の関係に応じて待ち受け周波数層 を変更する手順を説明する。各移動局のページンググループ (Paging Group)とし て、ページンググループ 1 (LeftBand)を" 0"、ページンググループ 2 (RightBand) を" 1"と表現する。前述したように IMSIや TMSIの一部をこの Paging Groupとして 使用しても良い。また、 10MHz受信能力移動局の MBMSグループ(MBMS Gro up)として、 MBMSチャンネルグループ 1を受信したい場合を" 10"、 MBMSチャン ネルグループ 2を受信したい場合を" 01"、両方受信したい場合を" 11"、両方受信し たくな!/、場合 (MBMS受信能力がな!/、移動局も含む)を" 00"と表現する。この Pagi ng Groupと MBMS Groupは、図 8,図 9や図 10で説明した方法で、移動局、 aG W双方で把握しているものとする。すなわち、図 8、図 9や図 10で説明した位置登録 またはベアラセットアップの応答情報に、 Paging Groupと MBMS Groupの指定 情報が含まれることを意味する。
[0097] ここで MBMSの送信方法、ページンググループ、受信能力周波数層、 MBMS Gr oupの関係に応じた待ち受け周波数層の指定方法を図 12に示す。 MBMSの送信 方法としては、 MBMSサービス無し(No MBMS)、 LeftBand Only,チャンネノレ スプリット(LeftBand : MBMS 1、 RightBand: MBMS2)、 Duplicateの 4種類があ る。一方、待ち受け周波数層を決定する要素としては、移動局受信能力周波数層、 MBMS Group"00"、 "01"、 "10"、 "11"が挙げられる。 MBMSサービス無しの場 合は、 Paging Groupによって待ち受け周波数層が決定される。 20MHz受信能力 の移動局は、前述したように双方の周波数層を受信可能であるため、ここでの制御は 必要ない。
[0098] MBMS Group"00"の移動局は、 MBMSの送信方法に依存しないので、 Pagin g Groupによって待ち受け周波数層が決定される。 Paging Group力 S、 MBMS Group"00"以外の移動局の数などに応じて、 aGWによって決定される場合、有効 な負荷分散が可能である。
MBMS Group"01"の移動局は、 LeftBand Onlyおよびチャンネルスプリット送 信の場合には、 LeftBandが待ち受け周波数層である。 Duplicate送信の場合は、 P aging Groupによって待ち受け周波数層が決定される。
[0099] MBMS Group"10"の移動局は、 LeftBand Onlyの場合には、 LeftBand、チ ヤンネルスプリット送信の場合には、 RightBandが待ち受け周波数層である。 Dupli cate送信の場合は、 Paging Groupによって待ち受け周波数層が決定される。
[0100] MBMS Group"l l"の移動局は、 LeftBand Onlyの場合には、 LeftBandが待 ち受け周波数層である。 Duplicate送信の場合は、 Paging Groupによって待ち受 け周波数層が決定される。チャンネルスプリット送信の場合は、移動局がどちらの周 波数層で待ち受けている力、 aGWが把握することができないので、両方の Bandにぺ 一ジング情報が送信される。
[0101] このような方法を使用すると、待ち受け周波数層の決定権は aGWにある力 移動局 側から、 MBMS希望情報を送信することにより、待ち受け周波数層の変更を要求す ること力 Sできる。移動局側で、待ち受け周波数層を変更することなく MBMSの受信が 継続できると判断した場合には、 MBMS希望情報を aGWへ送信する必要はな!/、。 例えば、 MBMS情報の受信周期とページング情報受信周期の関係に応じた間欠受 信間隔を利用して、移動局が独自に周波数の切り替えを行うようにしても良い。ただ し、 aGWは、設定されている待ち受け周波数層に対してページング情報を送信する
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[0102] 別の例として、チャンネルスプリット送信の場合に、移動局は、両方の Bandにぺー ジング情報を要求する MBMS希望情報を送信するのではなぐ MBMSのチャンネ ル周波数切り替えを頻繁に行っている状況では、 MBMS希望情報を送信せず、ュ 一ザのチャンネル選択が収束した後に、待ち受け位置をどうしても変更する必要のあ る場合のみ、 MBMS希望情報(MBMS Group"01"または MBMS Group"10") を aGWに送信する。ここで重要な点は、移動局と aGWともに、どの情報がどの周波 数層で送信されるのかにつ!/、て把握して!/、るとレ、うことである。
[0103] ここでは、 Paging Groupを 1ビットで表現した力 Paging Groupは 2ビット以上 で構成し、報知情報を利用して、それぞれのグループを適応的に LeftBand、 Right
Bandに変更するように構成することもできる。 2ビットの場合、 4グループ存在するの で、グループ 1からグループ 3は、 LeftBand,グループ 4は、 RightBandを待ち受け 周波数層とするという情報を報知情報で各移動局へ通知する。 aGWは、ネットワーク の負荷配分、 MBMSの希望情報、アクティブモードおよびアイドルモードの移動局 の数などを考慮して、 Paging Groupおよび Paging Groupの待ち受け周波数層 を決定する。
[0104] チャンネルスプリット時の MBMSサービスの分離方法は、 3つ考えられる。一つは、 単純に提供サービス内容によって決定する。 2つ目は、 aGWが、 MBMS希望情報を 集計し、負荷が均等に分散されるように決定する。 3つ目は、 MBMSサービス 1は、 受信状態の良い移動局向けの MBMSサービス、 MBMSサービス 2は、受信状態の 悪い移動局に対するノーマル MBMSサービスというように受信状態に応じて決定す る。アイドルモードの移動局の受信状態は、基地局で把握することは困難なため、 M BMSサービス 2で受信することになる。この場合、アイドルモードの移動局は、すべ て MBMS Group"10"に割り振られることになる。アクティブモードの移動局は、受 信状態を基地局と情報交換する。この受信状態に応じて、基地局は、アクティブモー ドの移動局に対して使用周波数層の変更を指示する。
これまでの説明では、同一基地局で、隣接する 2つの周波数層の候補を持つ場合 について説明したが、隣接しない周波数層や 2つ以上の周波数層でも、容易に実現 できる。
[0105] 本発明に関わる位置管理装置、移動局装置および基地局装置で動作するプロダラ ムは、本発明に関わる移動局に対する使用周波数層の基地局制御を実行できるよう に、 CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そし て、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に RAMに蓄積され、そ の後、各種 ROMや HDDに格納され、必要に応じて CPUによって読み出し、修正' 書き込みが行われる。
[0106] プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体 (例えば、 ROM、不揮発性メ モリカード等)、光記録媒体 (例えば、 DVD, MO、 MD、 CD、 BD等)、磁気記録媒 体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。
[0107] また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現さ れるだけでなぐそのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは 他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実 現される場合もある。
[0108] また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通さ せたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送 すること力 Sできる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に p¾よれ 。