WO2007132567A1 - 靴底用中敷 - Google Patents
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Abstract
【課題】足裏に対する衝撃の緩和を図ることができるとともに、足裏の土踏まずに対する押圧効果を十分に行わせることができる靴底用中敷を提供する。 【解決手段】靴底に装着可能であるとともに可撓性部材から成る中敷本体と、該中敷本体内に形成され、液体Wを流動可能に封入し得る収容空間と、収容空間を靴底のつま先領域Aa、踵領域C及びそれらの間に位置する中間領域Bに区分けする堰部2a、2b及び3a、3bと、該堰部で区分けされた隣り合う領域間で、液体Wが流動するオリフィス部R1、R2とを備えた靴底用中敷であって、踵領域Cと中間領域Bとを区分けする堰部に形成されたオリフィス部R2は、中敷本体の側縁部5aに向かって開口し、当該踵領域Cから流動する液体Wが当該中間領域Bにて渦流を形成可能としたものである。
Description
明 細 書
靴底用中敷
技術分野
[0001 ] 本発明は、 靴底に装着し得る靴底用中敷に関するものである。
背景技術
[0002] 靴底に装着して足裏へ付与される衝撃を緩和することを目的とした靴底用 中敷 (インソール) として、 従来、 例えば特許文献 1にて開示されたものが 挙げられる。 かかる文献で開示された靴底用中敷は、 可撓性を有する被覆材 の内部に液体を流動可能に封入したものから成り、 衝撃の緩和に加え、 液体 の流動による被覆材の僅かな膨らみと、 それによる押圧効果をも奏するよう 構成されていた。
特許文献 1 :特開 2 0 0 0 _ 1 9 7 5 0 4号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] しかしながら、 上記従来の靴底用中敷においては、 被覆材にて形成された 液体の収容空間が当該中敷の略全域に亘つて単に 1つ形成されているため、 歩行時における液体の移動を理想的に設定することが困難となっておリ、 足 裏に対する衝撃の緩和効果及び押圧効果が十分でないという問題があった。
[0004] 特に、 靴底用中敷と足裏の土踏まずとの間には、 通常、 隙間が生じるので あるが、 従来の靴底用中敷においては、 歩行時、 内在する液体が踵部からつ ま先部に亘リ素早く流動してしまうため、 踵部とつま先部との間に位置する 中間部 (特に土踏まず部) には当該液体が滞留せず、 足裏の土踏まずに対す る押圧効果が不十分であるという問題もあった。
[0005] 本発明は、 このような事情に鑑みてなされたもので、 足裏に対する衝撃の 緩和を図ることができるとともに、 足裏の土踏まずに対する押圧効果を十分 に行わせることができる靴底用中敷を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0006] 請求項 1記載の発明は、 履き物本体と、 該履き物体内に形成され、 液体を 流動可能に封入し得る収容空間と、 前記収容空間を靴底のつま先領域、 踵領 域及びそれらの間に位置する中間領域に区分けする堰部と、 該堰部で区分け された隣り合う領域間で、 前記液体が流動するオリフィス部と、 を備えた履 き物であって、 前記踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリ フィス部は、 前記履き物本体の側縁部に向かって開口し、 当該踵領域から流 動する液体が当該中間領域略全体に亘つて渦流を形成可能としたことを特徴 とする。
[0007] 請求項 2記載の発明は、 前記履き物本体が、 サンダルから成ることを特徴 とする。
[0008] 請求項 3記載の発明は、 靴底に装着可能であるとともに可撓性部材から成 る中敷本体と、 該中敷本体内に形成され、 液体を流動可能に封入し得る収容 空間と、 前記収容空間を靴底のつま先領域、 踵領域及びそれらの間に位置す る中間領域に区分けする堰部と、 該堰部で区分けされた隣り合う領域間で、 前記液体が流動するオリフィス部とを備えた靴底用中敷であって、 前記踵領 域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリフィス部は、 前記中敷本 体の側縁部に向かって開口し、 当該踵領域から流動する液体が当該中間領域 略全体に亘つて渦流を形成可能としたことを特徴とする。
[0009] 請求項 4記載の発明は、 請求項 3記載の靴底用中敷において、 前記踵領域 と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリフィス部は、 前記中敷本体 の側縁部であって当該中敷本体が装着される靴の土踏まず部に相当する位置 に向かって開口したことを特徴とする。
[0010] 請求項 5記載の発明は、 請求項 3又は請求項 4記載の靴底用中敷において 、 前記中敷本体は、 柔軟な合成樹脂シートから成ることを特徴とする。
[0011 ] 請求項 6記載の発明は、 請求項 3〜請求項 5の何れか 1つに記載の靴底用 中敷において、 前記液体が水又は水と多価アルコールとの混合液であること を特徴とする。
[0012] 請求項 7記載の発明は、 請求項 3〜請求項 6の何れか 1つに記載の靴底用
中敷において、 任意位置に立体形状が造り込まれたカップインソールに前記 中敷本体を具備させ、 靴底に装着可能とされたことを特徴とする。
[0013] 請求項 8記載の発明は、 前記中敷本体が履き物底内に一体に内蔵されてい ることを特徴とする。
発明の効果
[0014] 請求項 1及び 3の発明によれば、 歩行タイミングに合致して必要な部位へ の理想的な液体の移動を実現させることができるので、 足裏に対する衝撃の 緩和を図ることができるとともに、 踵領域から流動する液体が中間領域略全 域にて渦流を形成させるので、 その部位において厚み方向に一層膨らませる ことができ、 足裏の土踏まずに対する押圧効果を十分に行わせることができ る。
[0015] 請求項 4の発明によれば、 踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成さ れたオリフィス部は、 中敷本体の側縁部であって当該中敷本体が装着される 靴の土踏まず部に相当する位置に向かって開口しているので、 より確実に土 踏まずへの押圧効果を行わせることができる。
[0016] 請求項 5の発明によれば、 中敷本体は、 柔軟な合成樹脂シートから成るの で、 液体の流動に伴って中敷本体の厚さ方向にスムーズに膨らみを持たせ、 押圧効果を容易且つ確実に奏することができるとともに、 輪郭形状の裁断や 堰の形成等を容易に行わせることができる。
[0017] 請求項 6の発明によれば、 収容空間に封入される液体を水とすれば、 より 安価に靴底用中敷を製造することができるとともに、 収容空間に封入される 液体を水と多価アルコールとの混合液とすれば、 中敷本体内で液体が凍って しまうことを回避することができる。 また、 長期使用しても中敷本体を透過 して外部へ発散してしまうのを抑制することができる。
[0018] 請求項 7の発明によれば、 任意位置に立体形状が造り込まれた力ッブイン ソールに中敷本体を具備させたので、 当該立体形状による任意位置の足裏に 対する押圧効果を更に向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、 本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。 第 1の実施形態に係る靴底用中敷は、 靴底に装着され得る中敷 (インソー ル) から成るものであり、 図 1及び図 2に示すように、 上側中敷本体 1 a及 び下側中敷本体 1 bを接着して内部に液体としての液体 Wを封入して成る中 敷本体と、 第 1堰部 2 a、 2 bと、 第 2堰部 3 a、 3 bと、 第 3堰部 4とか ら主に構成されている。
[0020] 上側中敷本体 1 a及び下側中敷本体 1 bは、 靴底に装着可能なように当該 靴底の形状に略倣った形状とされた 2枚の可撓性部材 (例えば弾性に富んで 柔軟な合成樹脂シート) から成るものであり、 それぞれを重ね合わせつつ互 いの縁部 5を例えば熱溶着にて接着させることにより、 内部に液体 Wを液密 に収容する収容空間が形成されている。 尚、 上側中敷本体 1 a及び下側中敷 本体 1 bとしての材質は、 所定の耐久性及び可撓性を有していれば、 他の材 料 (種々プラスチックや合成樹脂等) を用いることができる。
[0021] また、 中敷本体内に収容される液体 Wは、 多価アルコールの水溶液 (例え ば水とプロピレングリコ一ル等を混合して得られた不凍液等) から成るもの であり、 当該多価アルコールが 5 (w t %) 〜65 (w t %) の水溶液、 特 に好ましくは 30 (w t %) 〜 60 (w t %) の水溶液である。 多価アルコ ールの粘度は、 常温で 1 (CP) 〜500 (CP) の範囲であればよく、 1 (CP) 〜1 00 (CP) 程度が好ましく、 1 (CP) 〜60 (CP) 程度 が更に好ましい。 尚、 中敷本体内に収容される液体を水のみ (微量の添加物 を含有するもの含む) 或いは多価アルコールのみとしてもよい。
[0022] 第 1堰部 2 a、 2 b及び第 2堰部 3 a、 3 bは、 2枚の中敷本体の所定部 位を例えば熱溶着にて接着させ、 当該中敷本体が成す収容空間をつま先領域 A、 踵領域 C及びそれらの間に位置する中間領域 Bに区分けするものである 。 即ち、 中敷本体が靴底に装着された際のつま先部に相当する領域がつま先 領域 A、 踵部に相当する領域が踵領域 C、 それらの中間の領域が中間領域 B となるよう、 第 1堰部 2 a、 2 b及び第 2堰部 3 a、 3 bが形成されている のである。
[0023] これら堰部 2 a、 2 13及び3 £«、 3 bは、 上側中敷本体 1 a及び下側中敷 本体 2の接着された縁部 5 (側縁部 5 a、 5 b ) からそれぞれ内側に向かつ て延びるとともに、 先端が離間してオリフィス部 R 1及び R 2を構成してい る。 これらオリフィス部 R 1及び R 2は、 堰部 2 a、 2 b及び 3 a、 3 で 区分けされた隣り合う領域間で内在する液体 Wが流動するよう離間寸法が設 定されており、 これによリ踵領域 Cに荷重が付与された際、 オリフィス R 2 、 R 1を介して当該踵領域 Cの液体 Wが中間領域 B及びつま先領域 Aへ順次 流動するとともに、 つま先領域 Aに荷重が付与された際、 オリフィス R 1、 R 2を介して当該つま先領域 Aの液体 Wが中間領域 B及び踵領域 Cへ順次流 動し得るようになつている。
[0024] 即ち、 中敷本体の長手方向に亘つて 「つま先領域 A」 「中間領域 B」 「踵 領域 C」 に区分けしてそれぞれの小室を形成するとともに、 隣り合う領域間 で内在する水の流動を許容するォリフィス部 R 1及び R 2を形成したことに より、 かかる中敷が装着された靴を履いた者が歩行する際、 歩行タイミング に応じて水が踵領域 Cから中間領域 Bへ、 且つ、 つま先領域 Aから中間領域 Bへ流動するので、 足裏の押圧効果を高めることができる。
[0025] 尚、 つま先領域 Aの先端側には、 靴底のつま先形状に倣った部位 (先端領 域 D ) が形成されているが、 かかる第 2つま先領域 Aには液体 Wが収容され ておらず、 且つ、 つま先領域 Aからの液体 Wの流動がなされない。 かかる先 端領域 Dを更に延出して、 装着する靴底の大きさに応じてハサミ等で切断し 得る部位を設けてもよい。
[0026] ここで、 本実施形態におけるオリフィス部 R 2は、 中敷本体の側縁部 (5 a、 5 b ) であって当該中敷本体が装着される靴の土踏まず部に相当する位 置 (即ち、 図 1中右側の側縁部 5 a ) に向かって開口しており、 踵領域 Cか ら流動する液体 Wが中間領域 Bの略全域に亘つて渦流を形成可能とされてい る。 すなわち、 オリフィス部 R 2の開口が中敷本体の長手方向に対して側縁 部 5 a側に偏向していることにより、 歩行時に踵領域 Cに荷重が付与される と、 図 1中矢印の如く液体 Wが中間領域 Bの略全域に亘つて大きく渦巻き状
に流動し、 当該中間領域 Bにおいて液体 Wが停滞し易くなつているのである
[0027] 従って、 中敷本体の側縁部であって当該中敷本体が装着される靴の土踏ま ず部に相当する位置に向かってオリフィス部 R 2が開口しているので、 中間 領域 Bの土踏まず側における厚み方向への膨らみを持たせ、 よリ確実に土踏 まずへの押圧効果を行わせることができる。 尚、 本実施形態においては、 ォ リフィス部 R 1の開口が側縁部 5 b側に偏向されておリ、 つま先領域 Aに荷 重が付加された際、 中間領域 Bに流動する液体 Wが渦流を形成し得るように なっている。
[0028] 然るに、 オリフィス部 R 2を介して踵領域 Cから中間領域 Bに流動する液 体 Wは、 人の歩行速度に基づき中間領域 Bの膨らみをより大きく行わせ得る 流量に設定するのが好ましく、 例えば特定の歩速 (一定の時間) 内に踵領域 Cから中間領域に向かつて当該踵領域 Cの液体 の 8割以上が移動するよう 構成するのが好ましい。 具体的には、 液体 Wが踵領域 Cから中間領域 Bに向 かって 4 (m l Z秒) 〜2 5 (m l Z秒) 、 より好ましくは 5 (m I Z秒) 〜 1 5 (m I Z秒) の流量で移動するようオリフィス部 R 2を形成するのが 好ましい。
[0029] また、 土踏まず部に相当する位置における側縁部 5 aは、 外方 (図 1中右 側) へ略円弧状に膨出して膨出部 B aが形成されており、 オリフィス部 R 2 を介して流動した液体 Wは、 当該膨出部 B aの膨出形状に倣って流動し中間 領域 Bに至ることとなる。
[0030] 次に、 本実施形態に係る靴底用中敷の作用について説明する。
底に中敷本体が装着された靴を履いて歩行する際、 足裏接床時において踵 から踵領域 Cに圧力付与されると、 オリフィス部 R 2から中間領域 Bへ液体 Wが流れ渦流を形成するので、 その部位 (特に土踏まず部に相当する膨出部 B a ) における厚さ方向に中敷本体が膨らむ。
[0031 ] この膨らみにより、 足裏の土踏まずと膨出部 B aとの間の隙間が埋まり、 踵領域 Cから中間領域に体重移動がなされる際、 当該土踏まずにも体重によ
る負荷が分散され、 足裏全体で体重を支えることとなる。 従って、 歩行タイ ミングに合致して必要な部位への理想的な液体 wの移動を実現させることが できるので、 足裏に対する衝撃の緩和を図ることができる。 同時に、 踵領域
Cから流動する液体 Wが中間領域 Bの略全域に亘つて渦流を形成させるので 、 その部位において厚み方向に一層膨らませることができ、 足裏の土踏まず に対する押圧効果を十分に行わせることができる。
[0032] 次に、 本発明に係る第 2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る靴底用中敷は、 第 1の実施形態と同様、 靴底に装着され 得る中敷 (インソール) から成るものであり、 図 3に示すように、 上側中敷 本体 1 a及び下側中敷本体 1 bを接着して内部に液体としての液体 Wを封入 して成る中敷本体と、 第 1堰部 2 a、 2 bと、 第 2堰部 3 a、 3 bと、 第 3 堰部 4とから主に構成されている。 尚、 第 1の実施形態と同様な構成につい ては、 その詳細な説明を省略する。
[0033] 第 2堰部のうち、 図中左側の第 2堰部 3 aは、 右側の第 2堰部 3 b先端と の離間に加え、 左側の側縁部 5 bからも離間して形成されており、 当該側内 部 5 bとの間でオリフィス部 R 3が形成されている。 然るに、 踵領域 Cから 中間領域 Bへの液体 Wの流入は、 主にオリフィス部 R 2を介して行われ、 ォ リフィス部 R 3を介する液体 Wの流入は中間領域 Bにて形成される渦流をあ まり妨げない程度とされる。
[0034] 即ち、 踵領域 Cに荷重が付与されると、 同領域から、 オリフィス部 R 2を 介して中間領域 Bに液体 Wが流入し、 第 1の実施形態と同様、 オリフィス部 R 2からの流動により当該中間領域 Bの略全域に亘つて大きな渦流が形成さ れるとともに、 オリフィス部 R 3からも液体 Wが流入して、 踵領域 Cに付与 される荷重に対する衝撃緩和を図り得るようになつている。 これにより、 足 裏に対する衝撃の緩和を図ることができると同時に、 足裏の土踏まずに対す る押圧効果を十分に行わせることができる。
[0035] 次に、 本発明に係る第 3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る靴底用中敷は、 先の実施形態と同様、 靴底に装着され得
る中敷 (インソール) から成るものであり、 図 4に示すように、 上側中敷本 体 1 a及び下側中敷本体 1 bを接着して内部に液体としての液体 Wを封入し て成る中敷本体と、 第 1堰部 2 a、 2 bと、 第 2堰部 3 a、 3 bと、 第 3堰 部 4とから主に構成されている。 尚、 第 2の実施形態と同様な構成について は、 その詳細な説明を省略する。
[0036] 第 1堰部のうち、 図中左側の第 1堰部 2 aは、 右側の第 1堰部 2 b先端と の離間に加え、 左側の側縁部 5 bからも離間して形成されており、 当該側内 部 5 bとの間でオリフィス部 R 4が形成されている。 即ち、 つま先領域 Aに 荷重が付与されると、 同領域から、 オリフィス部 R 1及び R 4を介して中間 領域 Bに液体 Wが流入し、 第 1の実施形態と同様、 オリフィス部 R 1からの 流動により当該中間領域 Bの略全域に亘つて大きな渦流が形成されることと なる。
[0037] 次に、 本実施形態に係る第 4の実施形態について説明する。
本実施形態に係る靴底用中敷は、 先の実施形態と同様、 靴底に装着され得 る中敷 (インソール) から成るものであり、 図 5に示すように、 土踏まず部 の位置に膨出部を形成しないものである。 この靴底用中敷によっても、 踵領 域 Cに負荷を付与すれば、 中間領域 B略全域において図中矢印の如き大きな 渦流が形成され、 土踏まずへの押圧効果を向上させることができる。
[0038] 次に、 本実施形態に係る第 5の実施形態について説明する。
本実施形態に係る靴底用中敷は、 先の実施形態と同様、 靴底に装着され得 る中敷 (インソール) から成るものであり、 図 6に示すように、 土踏まず部 の位置に膨出部を形成せず、 且つ、 踵領域 Cと中間領域 Bとを区分けする堰 部のうち左側の堰部 3 aが右側の堰部 3 b先端と離間しつつ側縁部 5 bとも 離間し、 オリフィス部 R 2、 R 3を形成するものである。
[0039] 次に、 本発明に係る他の実施形態について説明する。
本実施形態においては、 例えば図 7及び図 9に示すように、 立体形状とし て外輪郭縁から突出した突出縁部 6 aを有した樹脂成形品から成るカップィ ンソール 6に上述した何れかの中敷本体 1を具備させ、 靴底に装着可能とさ
れたものである。 また、 他の実施形態に係るカップインソールとして、 図 8 及び図 1 0に示すように、 突出縁部 6 aに加え、 中敷本体 1側に対して厚み 方向に一部突出した盛リ上がリ部 6 bが形成された樹脂成形品から成るもの であってもよい。 この実施形態によれば、 特に盛り上がリ部 6 bが形成され た任意位置の足裏に対する押圧効果を更に向上させることができる。 尚、 力 ップインソール 6は、 上記の形態の他、 図 1 1で示すように、 突出縁部 6 a が形成されつつ上面又は底面が傾斜したもの等としてもよい。 また、 中敷本 体 1の上面側を布等で覆い、 当該布等と樹脂成形品とで中敷本体 1を内在さ せたものとしてもよい。 本発明では、 図 7〜図 1 1で示される上記カップィ ンソールと同様の要件を有するサンダルの底部に内蔵されている中敷につい ても実施例として例示することができる。 また、 サンダルの底部に本発明に おける中敷が一体に内蔵されているものも実施例として例示することもでき る。
[0040] 次に、 上記靴底用中敷の効果を実証するための実験結果について説明する 本実験においては、 図 1 2に示すように、 床面に硬質樹脂から成るシート 材 aを載置しておき、 その上に比較対象とされる中敷 b (素足の実験の場合 にはない) 、 靴底に装着される薄革部材 c及び圧力分布を測定するためのセ ンサシート dを順に積層しておく。 そして、 第 1の実施形態のもの (図 1参 照) を実施例 1、 第 2の実施形態のもの (図 3参照) を実施例 2、 及び第 3 の実施形態のもの (図 4参照) を実施例 3とするとともに、 素足のものを比 較例 1、 図 1 3で示す靴底用中敷を比較例 2とする。
[0041 ] 比較例 1は、 靴底用中敷を設置せず、 単に薄革部材 c上にセンサシー卜 d が積層されているのみである。 また、 比較例 2の靴底用中敷は、 図 1 3に示 すように、 つま先領域 Aと中間領域 Bとを区分けする堰部 bと、 中間領域 B と踵領域 Cとを区分けする堰部 cと、 中間領域 Bと膨出部 B aとを区分けす る堰部 dと、 つま先領域 A aと第 2つま先領域 A bとを区分けする堰部 aと を有しており、 これら堰部 a〜 dにはォリフィス部 R a〜R gが形成されて
いる。 中敷本体の大きさ、 形状及び材質等については、 実施例 1〜3と同様 とする。
[0042] そして、 センサシート d上に足を載せて略均等に体重をかけ、 比較例 1、 2及び実施例 1〜3における設置面積 (中敷本体と足裏との接触面積) を測 定したところ、 以下の表 1の如き結果が得られた。
[0043] [表 1]
接地面積
[0044] 上記表 1からも分かるように、 実施例 1〜3のものは、 何れも比較例 1、 2のものよりも接地面積が広く、 体重を略均等に分散させて足裏に対する衝 撃の緩和を図り得ることが分かる。 また、 特に土踏まずに対して接地面積が 増加しており、 かかる土踏まずの位置においては、 別途の実験により、 その 圧力が 0 . 2 X 1 0 4〜0 . 8 X 1 0 4 (kgw/m2) となっていることから、 適度 な刺激で土踏まずを押圧していると認められる。 従って、 実施例 1〜3によ れば、 特に土踏まずへの押圧機能を高めたことが分かる。
[0045] 更に、 上記比較例 1、 2及び実施例 1〜3に加え、 第 4の実施形態のもの
(図 5参照) を実施例 4、 第 5の実施形態のもの (図 6参照) を実施例 5と して実験対象に加え、 それぞれの圧力分布について測定した。 その得られた 測定結果を図 1 4〜図 2 0に示す。 尚、 図 1 4は比較例 1、 図 1 5は比較例 2、 図 1 6は実施例 1、 図 1 7は実施例 2、 図 1 8は実施例 3、 図 1 9は実 施例 4及び図 2 0は実施例 5の圧力分布である。 これら圧力分布を示す図か らも分かるように、 実施例のものは比較例のものと比べて、 土踏まずの部分 で接地面積が増大している分、 体重を略均等に分散させて足裏に対する衝撃 の緩和を図っているのが分かる。
[0046] 以上、 本実施形態に係る靴底用中敷について説明したが、 本発明はこれに 限定されるものではなく、 例えば図 5に示すように、 土踏まず部の位置に膨
出部を形成しないものとしてもよい。 かかる靴底用中敷は、 つま先部 Aより も先端側に液体 Wを収容しない先端領域 Dが形成されており、 装着する靴底 の大きさに応じてハサミ等で切断して用いるよう構成されている。
[0047] この靴底用中敷によっても、 踵領域 Cに負荷を付与すれば、 中間領域 B略 全域において図中矢印の如き大きな渦流が形成され、 土踏まずへの押圧効果 を向上させることができる。 尚、 例えば図 6に示すように、 踵領域 Cと中間 領域 Bとを区分けする堰部のうち左側の堰部 3 aが右側の堰部 3 b先端と離 間しつつ側縁部 5 bとも離間し、 オリフィス部 R 2、 R 3を形成するものと してもよい。
[0048] 以上、 本実施形態に係る靴底用中敷について説明したが、 本発明はこれに 限定されるものではなく、 中敷本体内に収容される液体 Wに代えて他の液体 (例えば所定の粘性を持ったオイル状のもの等) を用いることができる。 但 し、 水を中敷本体に封入する構成とすれば、 靴底用中敷の製造コストを低減 することができる。 また更に、 中敷本体を柔軟な合成樹脂シートに代えて、 他の可撓性部材から成るものとしてもよい。 但し、 中敷本体を柔軟な合成樹 脂シー卜で構成すれば、 液体の流動に伴って中敷本体の厚さ方向にスムーズ に膨らみを持たせ、 押圧効果を容易且つ確実に奏することができるとともに 、 輪郭形状の裁断ゃ堰の形成等を容易に行わせることができる。
産業上の利用可能性
[0049] 踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたオリフィス部は、 中敷 本体の側縁部に向かって開口し、 当該踵領域から流動する液体が当該中間領 域略全域に亘つて渦流を形成可能とした靴底用中敷であれば、 外観形状が異 なるもの或いは他の機能が付加されたものにも適用することができる。 更に、 底部に中敷が一体に内蔵されているサンダルなどの履き物にも適用 することができる。
図面の簡単な説明
[0050] [図 1 ]本発明の第 1の実施形態に係る靴底用中敷を示す平面図
[図 2]図 1における I I _ I I線断面図
図 3]本発明の第 2の実施形態に係る靴底用中敷を示す平面図
図 4]本発明の第 3の実施形態に係る靴底用中敷を示す平面図
図 5]本発明の他の実施形態に係る靴底用中敷を示す平面図
図 6]本発明の更に他の実施形態に係る靴底用中敷を示す平面図
図 7]本発明の力ッブインソールを用いた実施形態を示す斜視図
図 8]本発明の力ッブインソールを用いた他の実施形態を示す平面模式図 図 9]図 7中 I X _ I X線断面模式図
図 10]図 8中 X _ X線断面模式図
図 11]本発明のカップインソールを用いた更に他の実施形態を示す断面模式 図 12]本発明の実施形態の靴底用中敷の効果を実証するための実験態様を示 す模式図
図 13]同実験における比較例 2に係る靴底用中敷を示す模式図
:図 14]同実験における比較例 1 I: :係る圧力分布を示す模式図
:図 15]同実験における比較例 2 I::係る圧力分布を示す模式図
:図 16]同実験における実施例 1 I::係る圧力分布を示す模式図
:図 17]同実験における実施例 2 I::係る圧力分布を示す模式図
:図 18]同実験における実施例 3 I::係る圧力分布を示す模式図
:図 19]同実験における実施例 41::係る圧力分布を示す模式図
:図 20]同実験における実施例 5 I::係る圧力分布を示す模式図
符号の説明
1 a 上側中敷本体
1 b 下側中敷本体
2 a、 2 b 第 1堰部
3 a、 3 b 第 2堰部
4 第 3堰部
5 縁部
5 a 側縁部 (土踏まず側)
b 側縁部
カップインソール a、 6 b 立体形状 つま先領域
中間領域
踵領域
先端領域
1〜 R 4 オリフィス部 液体
Claims
[1 ] 履き物本体と、
該履き物体内に形成され、 液体を流動可能に封入し得る収容空間と、 前記収容空間を靴底のつま先領域、 踵領域及びそれらの間に位置する中間 領域に区分けする堰部と、
該堰部で区分けされた隣り合う領域間で、 前記液体が流動するオリフィス 部と、
を備えた履き物であって、
前記踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリフィス部は、 前記履き物本体の側縁部に向かって開口し、 当該踵領域から流動する液体が 当該中間領域略全体に亘つて渦流を形成可能としたことを特徴とする。
[2] 前記履き物本体は、 サンダルから成ることを特徴とする。
[3] 靴底に装着可能であるとともに可撓性部材から成る中敷本体と、
該中敷本体内に形成され、 液体を流動可能に封入し得る収容空間と、 前記収容空間を靴底のつま先領域、 踵領域及びそれらの間に位置する中間 領域に区分けする堰部と、
該堰部で区分けされた隣り合う領域間で、 前記液体が流動するオリフィス 部と、
を備えた靴底用中敷であって、
前記踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリフィス部は、 前記中敷本体の側縁部に向かって開口し、 当該踵領域から流動する液体が当 該中間領域略全体に亘つて渦流を形成可能としたことを特徴とする靴底用中 敷。
[4] 前記踵領域と中間領域とを区分けする堰部に形成されたォリフィス部は、 前記中敷本体の側縁部であって当該中敷本体が装着される靴の土踏まず部に 相当する位置に向かって開口したことを特徴とする請求項 3記載の靴底用中 敷。
[5] 前記中敷本体は、 柔軟な合成樹脂シートから成ることを特徴とする請求項
3又は請求項 4記載の靴底用中敷。
[6] 前記液体が水又は水と多価アルコールとの混合液であることを特徴とする 請求項 3〜請求項 5の何れか 1つに記載の靴底用中敷。
[7] 任意位置に立体形状が造り込まれたカップインソールに前記中敷本体を具 備させ、 靴底に装着可能とされたことを特徴とする請求項 3〜請求項 6の何 れか 1つに記載の靴底用中敷。
[8] 前記中敷本体が、 履き物底内に一体に内蔵されていることを特徴とする。
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