明 細 書
フォトマスク、その作成方法、そのフォトマスクを用いたパターン形成方法 及びマスクデータ作成方法
技術分野
[0001] 本発明は、半導体集積回路装置等の製造に用いられる微細パターン形成用のフ オトマスク、そのマスクを用いたパターン形成方法及びそのマスクデータ作成方法に 関する。
背景技術
[0002] 近年、半導体を用いて実現する大規模集積回路装置 (以下、 LSIと称する)の高集 積ィ匕のために、回路パターンの微細化がますます必要となってきている。その結果、 回路を構成する配線パターンの細線ィ匕が非常に重要となってきた。
[0003] 以下、従来の光露光システムによる配線パターンの細線ィ匕にっ 、て、ポジ型レジス トプロセスを用いる場合を例として説明する。ここで、ラインパターンとは、レジスト膜に おける露光光によって感光されない部分、つまり現像後に残存するレジスト部分 (レ ジストパターン)である。また、スペースパターンとは、レジスト膜における露光光によ つて感光される部分、つまり現像によりレジストが除去されてなる開口部分 (レジスト除 去パターン)である。尚、ポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用 V、る場合、前述のラインパターン及びスペースパターンのそれぞれの定義を入れ替 えればよい。
[0004] 従来、光露光システムを用いてパターン形成を行なう場合、石英等からなる透明な 基板 (透過性基板)上に Cr (クロム)等カゝらなる遮光パターンが所望のパターンと対応 するように描かれたフォトマスクを用いていた。このようなフォトマスクにおいては、 Cr パターンが存在する領域は、ある波長の露光光を透過させない(実質的に透過率 0 %の)遮光部となる一方、 Crパターンが存在しない領域(開口部)は、前述の露光光 に対して透過性基板と同等の透過率 (実質的に 100%の透過率)を持つ透光部とな る。また、当該フォトマスクにおいては、全てのマスクパターンが透過性基板上に描か れていると共に、露光時には透過性基板の裏面側(マスクパターンが設けられていな
い側)から照射された光が透過性基板を透過した後にマスクパターンに照射されるこ とになる。よって、本願においてマスクパターンの露光光に対する透過率を議論する 場合、マスクパターン各部の絶対的な透過率ではなぐ透過性基板の透過率(100
%)を基準とした相対透過率を用いる。
[0005] 前述のフォトマスクを用いて、レジストが塗布されたウェハの露光を行った場合、マ スクを透過した光の像がウェハ上に投影される。このとき、マスクの遮光部はレジスト の非感光部と対応すると共にマスクの開口部 (透光部)はレジストの感光部と対応し、 その結果、ウェハ上に所望のレジストパターンを形成できる。従って、このようなフォト マスク、つまり、ある波長の露光光に対する遮光部及び透光部から構成されるフォト マスクはバイナリーマスクと呼ばれる。
[0006] し力しながら、前述のバイナリーマスクを用いて露光波長(露光光の波長)以下の微 細パターンを高い寸法精度で形成することは、光の回折現象のために困難となる。そ の理由は以下の通りである。すなわち、マスクを透過してウェハ上に投影される光の 回折像の振幅強度が減少するため、非回折光となる 0次光の比率、つまり光学像に おけるノイズ成分の比率が大きくなるので、鮮明な像が得られなくなる。その結果、マ スク上のパターンの寸法誤差が光の投影像において強調されてしまうので、所望の 寸法精度でパターン形成を行なうことも困難となってしまう。このような現象は MEF ( マスクエラーファクター)の増加と呼ばれている。高精度の寸法制御によるパターン形 成が要求される近年の LSIにお ヽては、この MEFの低減が特に重要な課題となって きている。
[0007] そこで、近年、光の位相を反転させる機能を有したマスクパターンつまり位相シフタ 一が設けられたフォトマスク (位相シフトマスク)が利用されるようになってきた。位相シ フトマスクは、従来のマスクにおいて遮光部が用いられていたパターン領域に、透光 部と反対位相で光を透過させる位相シフターを用いたものである。この構成により、 位相シフターを透過する反転位相の光によって、透光部を透過する光のうち 0次光を 干渉効果により打ち消すことができ、それによりコントラストの高い光学像の形成が可 能となる。その結果、 MEFの増加を抑制することも可能となる。
[0008] 位相シフターを細線パターンの形成に用いる場合には、当該位相シフターの透過
率は高いほど望ましぐ理想的には透光部と同じ透過率(100%)が望ましい。しかし
、高い透過率の位相シフターを太い線幅のパターンの形成に用いると、当該位相シ フタ一の中央部を透過する反対位相の光がレジストに転写されてしまう。そのため、 細線パターン力も比較的太い線幅のパターンまでを同時に形成するために、反対位 相の光を部分的に透過させるハーフトーン位相シフター(典型的には 6%程度の透 過率を有する)が用いられている。ハーフトーン位相シフタ一は、比較的太い線幅の パターンの形成においても光を部分的にしか透過させないため、当該位相シフター の中央部を透過する反対位相の光がレジストに転写されてしまう問題は発生しない。
[0009] さらに、細線パターンの形成には位相シフターを用いると共に比較的太い線幅のパ ターンの形成には遮光部を用いることによって、細線パターン力 比較的太い線幅 のパターンまでを同時に形成できるフォトマスクも提案されている(例えば特許文献 1 参照)。
[0010] 図 36 (a)は、特許文献 1に開示された従来のフォトマスクによって形成しょうとする 所望のパターンを示す図であり、図 36 (b)は、当該従来のフォトマスクの平面図であ る。
[0011] 図 36 (a)に示すように、露光によりウェハ上に形成しょうとする所望のパターン 20は 細線パターンと太いパターンとからなる。また、図 36 (b)に示すように、透過性基板 1 0上の十分に広い領域に透光部 14が設けられていると共に、透光部 14における所 望のパターン 20と対応する位置には、遮光部 11と位相シフタ一部 13とからなるマス クパターンが設けられている。尚、図 36 (b)において、透過性基板 10については斜 視図的に示している。ここで、露光波長以下の幅を持つ微細なパターン (パターン A) の形成には、露光光に対して高い透過率を持つ位相シフタ一部 13を用い、露光波 長よりも十分に大き ヽ幅を持つパターン (パターン B)の形成には、遮光部 11又は露 光光に対して低い透過率を持つ位相シフタ一部を用いる。これにより、露光波長以 下の幅を持つ微細なパターン Aの形成においても高いコントラストが得られるので、 細線パターンを含む所望のパターン 20の解像が可能となる。すなわち、所望のパタ ーン 20を高解像度で形成できる。また、露光波長よりも十分に大きい幅を持つバタ ーン Bの形成においては、マスクパターンとして遮光部 11を用いているため、光がマ
スクパターン内を透過することの副作用に起因するコントラストの低下を防止しながら ノ ターン形成を良好に行うことが可能となる。
特許文献 1:特開平 5 - 297565号公報
特許文献 2 :特開平 7— 271013号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0012] 以上に説明した、ハーフトーン位相シフターを用いた従来のフォトマスク、又は細線 パターンの形成には位相シフターを用い且つ比較的太い線幅のパターンの形成に は遮光部を用いた従来のフォトマスクによって、微細パターンを含む様々な寸法のパ ターンを同時に形成することが可能になった。
[0013] し力しながら、これらの従来のフォトマスクによって、遮光部を単純に用いたフォトマ スクと比べて、任意の寸法のパターンの形成における MEFの低減が可能となったわ けではない。その理由は以下の通りである。
[0014] まず、ハーフトーン位相シフターを用いた従来のフォトマスクは、比較的太いパター ンの形成の際に当該位相シフターの中央部を透過する光に起因するパターンの転 写を防止するために、ハーフトーン位相シフターの露光光に対する透過率を低くした ものであるため、細線パターン形成における光学像のコントラストが犠牲になってしま う。すなわち、露光光に対して 100%の透過率を有する位相シフターと比べて、細線 パターン形成での MEF低減効果が低くなる。また、逆に、比較的太い線幅のパター ンの形成においてはコントラストも低下してしまうので、遮光部を単純に用いた従来の フォトマスクと比べた MEFの改善効果はほとんど得られない。
[0015] また、細線パターンの形成には 100%の透過率を有する位相シフターを用い且つ 比較的太い線幅のパターンの形成には遮光部を用いた従来のフォトマスクは、非常 に限定された範囲の寸法を有する細線パターンの形成における MEFの低減には大 きな効果を有するが、それ以外の寸法を有するパターンの形成においては、遮光部 を単純に用いた従来のフォトマスクと比べた MEFの改善効果は何ら得られな 、。
[0016] 前記に鑑み、本発明は、細線パターンを含む様々な寸法を有するパターンを同時 に形成する際に、任意の寸法のパターンの形成に対して MEFの低減効果が得られ
、且つそれによつて所望の寸法のパターンを精度良く形成できるフォトマスク、そのフ オトマスクを用いたパターン形成方法及びそのマスクデータ作成方法を提供すること を目的とする。
課題を解決するための手段
[0017] 前記の目的を達成するために、本発明に係る第 1のフォトマスクは、露光光に対し て透光性を有する透過性基板上にマスクパターンが設けられたフォトマスクであって 、前記マスクパターンは遮光部と半遮光部とを有し、前記マスクパターンを囲み且つ 前記露光光に対して透光性を有する透光部が前記透過性基板上に設けられ、前記 半遮光部は、前記マスクパターンの外形領域の少なくとも一部分に配置されており、 前記透光部を透過する前記露光光に対して同位相で且つ部分的に前記露光光を 透過させる。
[0018] 本発明に係る第 2のフォトマスクは、基板上にマスクパターンが反射部に囲まれるよ うに設けられたフォトマスクであって、前記マスクパターンは非反射部と半反射部とを 有し、前記半反射部は、前記マスクパターンの外形領域の少なくとも一部分に配置さ れており、前記反射部で反射される露光光に対して同位相で且つ部分的に前記露 光光を反射する。
[0019] 本発明に係るフォトマスクの作成方法は、本発明の第 1のフォトマスクを作成する方 法であって、当該本発明の第 1のフォトマスクにおいて、前記マスクパターン力 少な くとも、第 1の幅を持つ第 1のパターン領域と、前記第 1の幅よりも大きい第 2の幅を持 つ第 2のパターン領域とから構成され、前記第 1のノターン領域には、前記透光部を 透過する前記露光光に対して反転位相で前記露光光を透過させる位相シフタ一部 が設けられ、前記第 2のパターン領域には前記遮光部が設けられ、少なくとも前記第 2のパターン領域の外形領域に前記半遮光部が設けられて 、る場合にぉ 、て、前記 透過性基板上に半遮光膜及び遮光膜を順次形成する工程 (a)と、前記透光部となる 領域及び前記位相シフタ一部となる領域のそれぞれに位置する前記半遮光膜及び 前記遮光膜を除去する工程 (b)と、前記工程 (b)の後に、前記位相シフタ一部となる 領域に位置する前記透過性基板を所定の深さだけ掘り下げる工程 (c)と、前記工程 (b)の後に、前記半遮光部となる領域に位置する前記遮光膜を除去する工程 (d)と
を備えている。
[0020] 本発明に係るパターン形成方法は、本発明の第 1又は第 2のフォトマスクを用いた ノターン形成方法であって、基板上にレジスト膜を形成する工程 (a)と、前記レジスト 膜に前記フォトマスクを介して前記露光光を照射する工程 (b)と、前記露光光を照射 された前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程 (c)とを備えて!、る
[0021] 本発明に係るマスクデータ作成方法は、露光光に対して透光性を有する透過性基 板上に形成されたマスクパターンと、前記透過性基板における前記マスクパターンが 形成されて 、な 、透光部とを有するフォトマスクのマスクデータ作成方法であって、 前記フォトマスクを介して前記露光光をレジストに照射することによって形成される前 記レジストの所望の非感光領域と対応するパターンを作成する工程 (a)と、前記バタ ーンを、所定値以下の幅を持つ第 1の領域と、前記所定値よりも大きい幅を持つ第 2 の領域とに分類する工程 (b)と、前記第 1の領域の内部に、前記透光部を透過する 前記露光光に対して反転位相で前記露光光を透過させる位相シフタ一部を設ける 工程 (c)と、前記第 2の領域の内部に遮光部を設ける工程 (d)と、前記第 2の領域の 外形領域に、前記透光部を透過する前記露光光に対して同位相で且つ部分的に前 記露光光を透過させる半遮光部を設ける工程 (e)とを備えて!/ヽる。
発明の効果
[0022] 本発明によると、マスクパターンの外形領域又はその周辺に半遮光部を設けること により、細線パターンを含む様々な寸法を有するパターンを同時に形成する際に、任 意の寸法のパターンの形成に対して MEFの低減が可能となるので、所望の寸法の ノターンをウェハ上に精度良く形成することができる。
図面の簡単な説明
[0023] [図 1]図 1 (a)は本発明の第 1の実施形態に係るフォトマスクによって形成しょうとする 所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 1 (b)は本発明の第 1の実施形態に 係るフォトマスクの平面図であり、図 1 (c)は図 1 (b)の線分 ABに対応する部分の断 面図である。
[図 2]図 2 (a)は MEFを説明するためのマスクパターンを表す図であり、図 2 (b)は図
2 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成されるパターンの寸法をシミ ユレーシヨンにより求めた結果を示す図であり、図 2 (c)は図 2 (a)のマスクパターンを 露光したときの MEFをシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
[図 3]図 3は本発明の第 1の実施形態のマスクパターンに関するシミュレーションに用 V、るマスクパターンを示す図である。
[図 4]図 4は本発明の第 1の実施形態のマスク構成による CD値をシミュレーションによ り求めた結果を示す図である。
[図 5]図 5は本発明の第 1の実施形態のマスク構成による CD値をシミュレーションによ り求めた結果を示す図である。
圆 6]図 6 (a)は本発明の第 1の実施形態の第 1変形例に係るフォトマスクによって形 成しようとする所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 6 (b)は本発明の第 1 の実施形態の第 1変形例に係るフォトマスクの平面図である。
圆 7]図 7 (a)は本発明の第 1の実施形態の第 2変形例に係るフォトマスクによって形 成しようとする所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 7 (b)は本発明の第 1 の実施形態の第 2変形例に係るフォトマスクの平面図であり、図 7 (c)は図 7 (b)の線 分 ABに対応する部分の断面図である。
圆 8]図 8は本発明の第 1の実施形態の第 2変形例に係るフォトマスクの効果の確認 に用いるマスクパターンを表す図である。
[図 9]図 9 (a)は図 8に示すマスクパターンによる光強度分布をシミュレーションにより 求めた結果を示す図であり、図 9 (b)は図 8に示すマスクパターンによるフォーカス特 性をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
[図 10]図 10 (a)は本発明の第 2の実施形態に係るフォトマスクによって形成しようとす る所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 10 (b)は本発明の第 2の実施形態 に係るフォトマスクの平面図であり、図 10 (c)は図 10 (b)の線分 AB及び線分 CDの それぞれに対応する部分の断面図である。
[図 11]図 11 (a)は MEFを説明するためのマスクパターンを示す図であり、図 11 (b) は図 11 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成されるパターンの寸法 をシミュレーションにより求めた結果を示す図であり、図 11 (c)は図 11 (a)のマスクパ
ターンを露光したときの MEFをシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
[図 12]図 12 (a)は MEFを説明するためのマスクパターンを示す図であり、図 12 (b) は図 12 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成されるパターンの寸法 をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。
[図 13]図 13 (a)は本発明の第 2の実施形態のマスクパターンに関するシミュレーショ ンに用いるマスクパターンを示す図であり、図 13 (b)は本発明の第 2の実施形態のマ スクパターンにおけるマスク構成が CD値及び MEFに及ぼす影響をシミュレーション により求めた結果を示す図である。
[図 14]図 14 (a)は本発明の第 2の実施形態のマスクパターンに関するシミュレーショ ンに用いるマスクパターンを示す図であり、図 14 (b)は本発明の第 2の実施形態のマ スクパターンにおける半遮光部の透過率が MEFに及ぼす影響をシミュレーションに より求めた結果を示す図である。
圆 15]図 15 (a)〜(d)は本発明の第 2の実施形態に係るマスクパターンの平面構成 のノ リエーシヨンを示す図である。
[図 16]図 16 (a)は本発明の第 2の実施形態のマスクパターンに対して半遮光部のマ スク寸法の補正による OPC処理を行った結果を示す図であり、図 16 (b)は、本発明 の第 2の実施形態と同様のマスクパターン構成をゲートコンタクトパターンに適用した 場合において半遮光部のマスク寸法の補正による OPC処理を行った結果を示す図 である。
圆 17]図 17 (a)は本発明の第 3の実施形態に係るフォトマスクによって形成しようとす る所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 17 (b)は本発明の第 3の実施形態 に係るフォトマスクの平面図であり、図 17 (c)は図 17 (b)の線分 ABに対応する部分 の断面図である。
[図 18]図 18 (a)は本発明の第 3の実施形態に係るフォトマスクの効果の確認に用い るマスクパターンを表す図であり、図 18 (b)は図 18 (a)のマスクパターンを露光したと きにウェハ上に形成されるパターンの寸法をシミュレーションにより求めた結果を示す 図である。
[図 19]図 19は本発明の第 3の実施形態に係るフォトマスクの平面構成のノ リエーショ
ンを示す図である。
[図 20]図 20は本発明の第 3の実施形態に係るフォトマスクの平面構成のノリエーショ ンを示す図である。
[図 21]図 21 (a)は本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクによって形成 しょうとする所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 21 (b)は本発明の第 3の 実施形態の変形例に係るフォトマスクの平面図であり、図 21 (c)は図 21 (b)の線分 A B及び線分 CDのそれぞれに対応する部分の断面図である。
[図 22]図 22 (a)は本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクの効果の確 認に用いるマスクパターンを表す図であり、図 22 (b)は図 22 (a)のマスクパターンを 露光したときにウェハ上に形成されるパターンの寸法をシミュレーションにより求めた 結果を示す図である。
圆 23]図 23は本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクの平面構成のバ リエーシヨンを示す図である。
[図 24]図 24は本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクの平面構成のバ リエーシヨンを示す図である。
圆 25]図 25は本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクの平面構成のバ リエーシヨンを示す図である。
[図 26]図 26 (a)〜(d)は図 21 (b)の線分 AB及び線分 CDのそれぞれに対応する部 分の断面構成のノリエーシヨンを示す図である。
[図 27]図 27 (a)及び (b)は図 21 (b)の線分 AB及び線分 CDのそれぞれに対応する 部分の断面構成のノリエーシヨンを示す図である。
[図 28]図 28は図 21 (b)の線分 AB及び線分 CDのそれぞれに対応する部分の断面 構成のノリエーシヨンを示す図である。
[図 29]図 29 (a)〜 (d)は本発明の第 4の実施形態に係るパターン形成方法の各工程 を示す断面図である。
[図 30]図 30 (a)は通常露光用の光源を模式的に示す図であり、図 30 (b)〜(d)は斜 入射露光用の光源を模式的に示す図である。
圆 31]図 31は本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方法の基本フローを
示す図である。
[図 32]図 32 (a)は本発明のフォトマスクによって形成しょうとする所望のパターンの一 例を示す図であり、図 32 (b)は本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方 法の一工程における具体的なマスクパターン作成例を示す図である。
[図 33]図 33 (a)及び (b)は本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方法の 各工程における具体的なマスクパターン作成例を示す図である。
[図 34]図 34 (a)及び (b)は本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方法の 各工程における具体的なマスクパターン作成例を示す図である。
圆 35]図 35は本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方法の一工程にお ける具体的なマスクパターン作成例を示す図である。
[図 36]図 36 (a)は従来のフォトマスクによって形成しょうとする所望のレジストパター ン形状を表す図であり、図 36 (b)は従来のフォトマスクの平面図である。
[図 37]図 37は本発明の第 2の実施形態に係るフォトマスクの作成方法によって形成 しょうとするフォトマスクの平面図である。
[図 38]図 38 (a)〜 (i)は本発明の第 2の実施形態に係るフォトマスクの作成方法の各 工程を示す断面図(図 37の AB線の断面構成を示す)である。
[図 39]図 39 (a)〜(f)はそれぞれ図 38 (b)、 (c)、(e)、(f)、(h)、(i)の断面図に対 応する平面図である。
符号の説明
100 透過性基板
101 遮光部
101, 非反射部
102 半遮光部
102, 半反射部
103 位相シフタ一部
103, 位相シフタ一部
104 透光部
104, 反射部
105 石英基板
105a 掘り下げ部
106 遮光膜 (Cr膜)
107 半遮光膜 (金属薄膜)
108 位相シフト膜
109 位相シフト膜
110 レジストノ ター -ン
120 所望のパターン
130 レジストノ ター -ン
151 レジスト膜
151A レジストノ ター -ン
152 レジスト膜
152A レジストノ ター -ン
153 レジスト膜
153A レジストパター -ン
201 第 1の領域
202 第 2の領域
301 凹パターン
302 凸パターン
500 基板
501 第 1の反射層
502 第 2の反射層
503 吸収層
600 基板
601 被加工膜
602 レジスト膜
602a 潜像部分
603 露光光
604 フォトマスクを透過した露光光
605 レジストノ《ターン
701〜703 所望のパターン
711 第 1のパターン領域
712 第 2のパターン領域
721 位相シフタ一部
722 遮光部
723〜725 半遮光部
731〜733 CD調整エッジ
821 位相シフタ一部
822 遮光部
823〜825 半遮光部
発明を実施するための最良の形態
[0025] (前提事項)
本発明の各実施形態を説明するに当たっての前提事項について説明する。
[0026] 通常、フォトマスクは縮小投影型の露光機で使用されるため、マスク上のパターン 寸法を議論する場合には縮小倍率を考慮しなければならない。しかし、以下の各実 施形態を説明する際には、混乱を避けるため、形成しょうとする所望のパターン (例え ばレジストパターン)と対応させてマスク上のパターン寸法を説明する場合、特に断ら ない限り縮小倍率で該寸法を換算した値を用いている。具体的には、 M分の 1縮小 投影システムにおいて、幅 M X lOOnmのマスクパターンによって幅 lOOnmのレジス トパターンを形成した場合にも、マスクパターン幅及びレジストパターン幅は共に 100 nmであると表現する。
[0027] また、本発明の各実施形態においては、特に断らない限り、 M及び NAは露光機の 縮小投影光学系の縮小倍率及び開口数をそれぞれ表し、 λは露光光の波長を表す ものとする。
[0028] また、本発明の各実施形態において、種々の光学特性に関する効果が得られるパ ターン寸法を規定する場合において当該パターン寸法の上限のみを記載している場
合、当該パターン寸法の下限は 0. 02 X λ ΖΝΑΧ Μであるとする。その理由は、単 独で存在するパターンの寸法が 0. 02 Χ λ ΖΝΑ Χ Μ程度以下になると、当該パタ ーンが開口部であっても又は遮光部であっても、当該パターンによって有意な光学 特性的効果が得られることがないことは経験的上明らかなためである。例えば、バタ ーン寸法が 0. 8 Χ λ ΖΝΑΧ Μ以下で特定の効果が得られると記載している場合、 当該特定の効果が得られるパターン寸法の範囲は 0. 02 Χ λ ΖΝΑΧ Μ以上で且 つ 0. 8 Χ λ ΖΝΑΧ Μ以下であること意味することになる。
[0029] また、本発明の各実施形態において、パターン形成については、レジストの非感光 領域がレジストパターンとなるポジ型レジストプロセスを想定して説明する。尚、ポジ 型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを用いる場合、ネガ型レジストプロ セスにおいては、レジストの非感光領域が除去されるので、ポジ型レジストプロセスに おけるレジストパターンをスペースパターンと読み替えればよい。
[0030] また、本発明の各実施形態において、フォトマスクとしては透過型マスクを前提とし て説明する。尚、透過型マスクに代えて反射型マスクを前提とする場合、反射型マス クにぉ 1ヽては、透過型マスクの透光領域及び遮光領域がそれぞれ反射領域及び非 反射領域となるので、透過型マスクの透過現象を反射現象と読み替えればよい。具 体的は、透過型マスクの透過性基板を、露光光を反射する反射性膜が表面に形成さ れた基板と読み替え、透光部又は透光領域を反射部又は反射領域と読み替え、遮 光部を非反射部と読み替えればよい。さらに、透過型マスクにおける光を部分的に透 過する領域を反射型マスクにおける光を部分的に反射する領域と読み替えればよく 、透過率を反射率と読み替えればよい。また、半遮光部を半反射部と読み替えれば よい。尚、反射型マスクにおいて、位相シフタ一部とは、反射部で反射される光に対 して位相差を生じるように光を反射する領域である。
[0031] また、以下の各実施形態にお!、てマスクパターンの透過率を議論する場合、マスク パターン各部の絶対的な透過率ではなぐ透過性基板の露光光に対する透過率を 基準(100%)とした相対透過率を用いる。従って、透過型マスクに代えて反射型マス クを対象として透過率を反射率に読み替える場合にぉ ヽても、マスクパターン各部の 絶対的な反射率ではなぐ反射性膜が表面に形成された基板の露光光に対する反
射率を基準(100%)とした相対反射率を用いる。
[0032] (第 1の実施形態)
以下、本発明の第 1の実施形態に係るフォトマスクについて図面を参照しながら説 明する。
[0033] 図 1 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 1 (b)は第 1の実施形態 に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 1 (b)において、透過性基板については斜 視図的に示している。
[0034] 図 1 (a)に示すように、所望のパターンはレジストパターン 110である。
[0035] 図 1 (b)に示すように、透過性基板 100上の十分に広い領域に亘つて透光部 104 ( 透過性基板 100の露出領域)が設けられている。また、露光によりウェハ上に形成し ようとするレジストパターン (所望のパターン) 110と対応する位置の透過性基板 100 上には、遮光部 101と半遮光部 102とからなるマスクパターンが設けられている。本 実施形態においては、当該マスクパターンの周縁部(外形領域の全体)に半遮光部 102を設けると共に、当該マスクパターンの中心部に遮光部 101を設ける。すなわち 、遮光部 101は半遮光部 102に取り囲まれている。尚、本実施形態のマスクパターン は、比較的太い線幅のパターンの形成における MEFの低減を実現するためのもの である。
[0036] 尚、遮光部 101とは実質的に光を透過させない部分である。但し、実用上、遮光部 101が露光光に対して 1 %程度の透過率を有して 、てもよ 、が、その場合にぉ ヽても 、遮光部 101の効果は透過率が 0%の遮光部と実質的に同等であるものとする。また 、半遮光部 102は部分的に光を透過させる部分である。別の表現をするならば、半 遮光部 102は、同時に存在する遮光部 101よりも光を透過させ、且つ、同時に存在 する透光部 104よりも光を透過させない部分である。ここで、半遮光部 102を透過す る光と透光部 104を透過する光とは同位相の関係(具体的には両者の位相差が(一 30 + 360 X n)度以上で且つ(30 + 360 X n)度以下(但し nは整数)となる関係)に ある。
[0037] 図 1 (c)は、図 1 (b)の平面図に示すフォトマスクの断面構成の一例を示している。
具体的には、図 1 (c)は、図 1 (b)に示される線分 ABに対応する部分の断面構造を
表している。図 1 (c)に示すように、透光部 104は透過性基板 100の露出領域である 。透過性基板 100としては例えば石英基板等を用いることができる。半遮光部 102は 、例えば Moよりなる金属薄膜 107を半遮光膜として透過性基板 100上に堆積するこ とによって形成されている。金属薄膜 107の構成材料としては、 Moの他に例えば Ta 等を用いることができる。具体的には、厚さ 10〜30nm程度の金属薄膜 107によって 、波長 193nmの光に対して 5〜50%程度の透過率を実現することができる。遮光部 101は、金属薄膜 107の上に例えば Cr膜 106を遮光膜としてさらに積層することによ つて形成されている。具体的には、厚さ 50nm程度の Cr膜 106を単独で例えば石英 基板である透過性基板 100上に堆積した場合、波長 193nmの光に対して 1%程度 の透過率を持つ遮光部 101を実現でき、厚さ lOOnm程度の Cr膜 106を単独で例え ば石英基板である透過性基板 100上に堆積した場合、波長 193nmの光に対して 0 . 1%未満の透過率を持つ遮光部 101を実現できる。よって、本実施形態のように、 例えば Moよりなる金属薄膜 107の上に Cr膜 106を積層した場合には、実質的に光 を透過させな ヽ遮光部 101を実現できる。
[0038] 以下、上記のように構成された本実施形態のフォトマスク力 ウェハ上にパターンを 形成する上で優れたパターン形成特性、特に MEF低減効果を発揮することをシミュ レーシヨン結果に基づいて説明する。まず、本実施形態に関するシミュレーション結 果につ 、て説明する前に、 MEFにつ 、てシミュレーション結果を用いて簡単に解説 する。尚、以下の説明においては、特に断らない限り、シミュレーションにおける光学 計算の露光条件は、露光波長えが 193nm、開口数 NAが 0. 85である。また、照明 条件としては、外径の干渉度が 0. 8、内径の干渉度が 0. 53となる 2Z3輪帯照明を 用いる。
[0039] 図 2 (a)は「MEF」を説明するために用いるマスクパターンを示しており、図 2 (a)に 示すマスクパターンは、例えば Cr等の遮光部よりなる幅 Lのライン状パターンである。
[0040] 図 2 (b)のグラフは、図 2 (a)のマスクを露光したときにウェハ上に形成されるパター ンの寸法をシミュレーションにより求めた結果を示しており、具体的には、マスクパタ 一ンの幅 L (以下、マスク幅 Lと称する)を変化させた場合におけるウェハ上に形成さ れるパターンの寸法 (CD値)の変化をプロットしたものである。図 2 (b)に示すように、
マスク幅 Lが小さくなると、 CD値が急激に減少し、マスク幅 Lが lOOnmよりも小さくな ると、パターンが形成されなくなる。
[0041] 上記の現象をわ力りやすくするために、下記 (式 1)に示すように、「MEF」を定義す る。
[0042] MEF= A CD/ A L · · · (式 1)
(式 1)〖こ示すように、 MEF (マスクエラーファクター)は、マスク幅 Lの変化に対する CD値の変化の割合を表す。
[0043] 図 2 (c)のグラフは、(式 1)による MEFの計算結果をそれぞれのマスク幅 Lに対して プロットしたものである。図 2 (c)に示すように、マスク幅 Lが小さくなると CD値が急激 に減少するという前述の現象は、 MEFの増加〖こよってもたらされる現象であることが 分かる。
[0044] MEFが増加すると、マスク幅における誤差が強調され、所望の CD値とは異なる C D値となってしまうため、 CD値を高精度に制御することが困難となる。極端な場合、 細線パターンを形成しょうとしても、パターンが形成されない状況に陥る。よって、 CD 値を高精度に制御するためには MEFの値は小さいことが好ましいことが分かる。図 2 (c)に示すように、遮光部を単純にマスクパターンとして用いる場合、比較的太いパタ ーンの形成において MEFは 1前後の値となり、所望の解像限界を実現できないほど 大きな値となる。
[0045] 次に、本実施形態のマスクパターンに関するシミュレーション結果について説明す る。図 3は当該シミュレーションに用いるマスクパターンを示しており、当該マスクパタ 一ンは幅 Lのライン状パターンであり、幅 Wの遮光部 101と、遮光部 101を囲む半遮 光部 102とから構成されている。また、半遮光部 102における遮光部 101の両側(幅 方向の両側)に設けられた部分の幅は Dである。すなわち、マスクパターンは幅しに ついて、 L=W+ 2 X Dの関係が成り立つ。ここで、 MEFは、ウェハ上に形成される パターンの寸法 (CD)が W及び Dのそれぞれから受ける影響として、下記の(式 2)及 び (式 3)のように定義される。
[0046] 遮光部 101の寸法 Wの変化が CDに与える影響 (Wに対する CD値の変化率) →MEF (W) = Δ CD (W, D) / Δ W · · · (式 2)
半遮光部 102の寸法 Dの変化が CDに与える影響 (Dに対する CD値の変化率) →MEF (D) = Δ CD (W, D) / Δ D · · · (式 3)
図 4のグラフは、図 3のパターンにおいて Wを W= 200nmと固定した状態で Dを 0 力 200nmまで変化させたとき、つまり Lを 200nmから 400nmまで変化させたときの CD値のシミュレーション結果を示している。図 4においては、半遮光部 102の露光光 に対する透過率をそれぞれ 10%、 25%、 40%としたときの CD値のシミュレーション 結果を示している。また、図 4においては、参考のため、 Crのみによって形成された 遮光パターンの幅 Lを 200nmから 400nmまで変化させたときの CD値のシミュレーシ ヨン結果を示している。図 4に示すように、半遮光部 102の透過率が高くなるに従って 、 CD値の Lへの依存性、つまり CD値の Dへの依存性(グラフの傾き)が低くなる。こ のこと力 、半遮光部 102の透過率を高く設定する程、(式 3)に示す MEF (D)を減 少させることができ、 1以下の MEFを実現できることがわかる。具体的には、半遮光 部 102の透過率を 25%に設定すると、 MEF (具体的には MEF (D) )を通常値(つま り図 2 (c)に示す Crマスクの幅が比較的大きい場合の MEFの値)のほぼ半分の 0. 5 0程度まで低減できる。また、半遮光部 102の透過率を 10%に設定した場合の MEF (具体的には MEF (D) )は 0. 79程度であり、半遮光部 102の透過率を 40%に設定 した場合の MEF (具体的には MEF (D) )は 0. 25程度である。すなわち、半遮光部 102の透過率が 10%程度以上あれば、十分な MEF低減効果が得られる。
[0047] 図 4に示す結果から、本実施形態のフォトマスクを用いることにより、半遮光部 102 の幅 Dを変化させることによって、 1よりも小さい MEFで CD値を制御できることが分か る。
[0048] 図 5のグラフは、図 3のパターンにおいて Lを L=400nmと固定した状態で Wを 400 力も 200nmまで変化させたときの CD値のシミュレーション結果を示して!/、る。ここで 、 L=400nmの状態で Wを 400nmから 200nmに減少させることは、半遮光部 102 が占める領域を Onmから 200nmに増加させることを意味している。図 5においても、 半遮光部 102の露光光に対する透過率をそれぞれ 10%、 25%、 40%としたときの C D値のシミュレーション結果を示している。また、図 5においては、参考のため、 Crの みによって形成された遮光パターンの幅 Lを 400nmから 200nmまで変化させたとき
の CD値のシミュレーション結果を示して!/、る(但し図 5の横軸には Wのみを示して!/ヽ る)。図 5に示すように、半遮光部 102の透過率が低くなるに従って、 CD値の Wへの 依存性、つまりグラフの傾きが低くなる。このことから、半遮光部 102の透過率を低く 設定する程、(式 4)に示す MEF (W)を減少させることができ、 1以下の MEFを実現 できることがわかる。具体的には、半遮光部 102の透過率を 25%に設定すると、 ME F (具体的には MEF (W) )を通常値(図 2 (c)に示す Crマスクの幅が比較的大き 、場 合の MEFの値)のほぼ半分の 0. 57程度まで低減できる。また、半遮光部 102の透 過率を 10%に設定した場合の MEF (具体的には MEF (W) )は 0. 28程度であり、 半遮光部 102の透過率を 40%に設定した場合の MEF (具体的には MEF (W) )は 0 . 82程度である。すなわち、半遮光部 102の透過率力 0%程度以下あれば、十分 な MEF低減効果が得られる。
[0049] 図 4及び図 5に示す結果から、遮光部のみ力 なる従来のマスクパターンの外形領 域に半遮光部を設けた本実施形態のフォトマスクによれば、遮光部の寸法及び半遮 光部の寸法をそれぞれ変化させることにより、ウェハ上に形成されるパターンの CD値 を制御することが可能となる。このとき、半遮光部の透過率を 25%に設定すると、ゥェ ハ上に形成されるパターンの CD値における遮光部の寸法及び半遮光部の寸法の それぞれに対する MEFは共に通常値(図 2 (c)に示す Crマスクの幅が比較的大きい 場合の MEFの値)の半分程度まで低減される。具体的には、本実施形態のフォトマ スクにおける半遮光部の透過率としては 25%程度が最適であり、 25%の上下 10% 程度までの範囲(15%以上で且つ 35%以下の範囲)が好ましい。また、図 4及び図 5 に示すように、透過率 25%の上下 15%程度までの範囲(10%以上で且つ 40%以 下の範囲)でも十分な MEF低減効果が得られる。
[0050] 以上に説明した本実施形態の効果をもう少し原理的に説明する。半遮光部の露光 光に対する透過率が 25%であるということは、半遮光部を透過する光のエネルギー が透光部を透過する光のエネルギーの 25%であるという意味である。また、光のエネ ルギ一は光の振幅の二乗に比例するため、半遮光部を透過する光のエネルギーが 透光部を透過する光のエネルギーの 25%であるということは、半遮光部を透過する 光の振幅が透光部を透過する光の振幅の 50%であるという意味である。半遮光部を
透過する光の振幅が透光部を透過する光の振幅の 50%であれば、半遮光部のマス ク幅が変化することが光学像に与える影響は、当該変化分のマスク幅の遮光部が透 光部に置き換わってしまうことが光学像に与える影響の半分となる。よって、露光の際 に遮光部によって生じる遮光像が透光部によって生じる透光像に遷移する領域であ る遮光部の外形領域を本実施形態のように半遮光部に置き換えることによって、 ME Fを半減させることができると考えられる。
[0051] また、上記の原理より、露光光の振幅において 20%以上の変化があれば、露光に おいて当該変化によって有意な差を生じると考えられる。よって、半遮光部を用いる ことによって、遮光部を用いた場合と比べて有意な差を生じさせるためには、言い換 えると、遮光部と比べて半遮光部によって十分有利な MEF低減効果を得るためには 、半遮光部を透過する光の振幅が透光部を透過する光の振幅の 20%以上であるこ とが望ましい。また、半遮光部を用いることによって、透光部を用いた場合と比べて有 意な差を生じさせるためには、半遮光部を透過する光の振幅が透光部を透過する光 の振幅の 80%以下であることが望ましい。よって、半遮光部の露光光に対する透過 率としては、原理的には、 4%以上で且つ 64%以下であることが望ましい。
[0052] また、半遮光部は、遮光部により生じる遮光像と透光部により生じる透光像との中間 的な光学像を生じるものであるから、本実施形態のマスクパターンの外形領域に設け られる半遮光部の幅は、透光部により生じる透光像と遮光部により生じる遮光像との 間の遷移領域の幅 (具体的には λ ΖΝΑ)以下であることが好ましい。但し、「前提事 項」で説明したように、有意な光学的効果を得るためには、半遮光部の幅は 0. 02 X λ ΖΝΑ以上であることが望まし 、ことは言うまでもな!/、。
[0053] また、図 4及び図 5に示すシミュレーション結果に基づいて、露光光に対する半遮光 部の透過率が 10%以上で且つ 40%以下であれば十分な MEF低減効果が得られる ことを示してきた力 半遮光部の透過率はこの範囲に限定されるものではない。具体 的には、前述のように、本発明の原理的には、 4%以上で且つ 64%以下であれば有 意な MEF低減効果が得られる。
[0054] 尚、本実施形態において、マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部 102 の輪郭と、マスクパターンの中心部に設けられる遮光部 101の輪郭とが相似形であつ
た力 本実施形態の効果を得るためには、前述のように、マスクパターンの外形領域
(つまり遮光部 101の周辺)に λ ΖΝΑ以下の幅の半遮光部 102を設けさえすればよ い。よって、半遮光部 102の輪郭と遮光部 101の輪郭とが相似形でなくてもよい。
[0055] また、本実施形態において、マスクパターンの外形領域の全体に半遮光部 102を 設けたが、これに代えて、マスクパターンの外形領域のうち特に MEFを低減させたい 部分のみに半遮光部を設けてもよい。特に MEFを低減させたい部分としては、例え ば他のマスクパターンとの近接に起因して MEFが増加する領域がある。一般的には 、回折現象が顕著になる寸法 (つまり 0. 4 Χ λ ΖΝΑ)までマスクパターン同士が近 接すると、 MEFの増加が顕著になる。
[0056] ところで、通常の LSI用のマスクパターンに対しては近接効果補正を行う必要があ る。近接効果補正を行う際には、所望のパターン寸法を実現するためにマスクパター ンの変形を行う必要がある。このとき、本実施形態のように、マスクパターンの外形領 域の全体に半遮光部を配置している場合には、言い換えると、遮光部の全周囲を半 遮光部によって取り囲んでいる場合には、半遮光部の幅のみを調整することによって 近接効果補正を実施できるようになる。これにより、遮光部パターン及び半遮光部パ ターンという 2種類の異なる特性のパターンを同時に変形することなく近接効果補正 を実施できるようになるので、近接効果補正を容易に行うことができる。すなわち、本 実施形態において、近接効果補正の観点からは、マスクパターンの外形領域である 遮光部の全周囲を半遮光部によって取り囲むことが望ま 、。
[0057] また、本実施形態において、マスクパターンの中心部には遮光部 101のみを設け たが、 MEF低減効果を得るためには、マスクパターンの外形領域を構成する半遮光 部の内部に遮光部が存在すれば良いのであって、例えばレジストを感光させない程 度の微小な透光部や半遮光部がマスクパターンの中心部に存在して 、ても良 、こと は言うまでもない。
[0058] (第 1の実施形態の第 1変形例)
以下、本発明の第 1の実施形態の第 1変形例に係るフォトマスクについて図面を参 照しながら説明する。
[0059] 図 6 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 6 (b)は第 1の実施形態
の第 1変形例に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 6 (b)において、透過性基板 につ 、ては斜視図的に示して!/、る。
[0060] 図 6 (a)に示すように、露光によりウェハ上に形成しょうとする所望のパターン 120は 細線パターンと太いパターンとからなる。また、図 6 (b)に示すように、透過性基板 10 0上の十分に広い領域に透光部 104が設けられていると共に、透過性基板 100上に おける所望のパターン 120と対応する位置には、矩形状の遮光部 101と矩形状の位 相シフタ一部 103と力もなるマスクパターンが設けられている。ここで、細線パターン( 例えば露光波長以下の幅を持つ微細なパターン)の形成には、露光光に対して高い 透過率を持つ位相シフタ一部 103を用い、太 、パターン (例えば露光波長よりも十分 に大きい幅を持つパターン)の形成には、遮光部 101を用いる。また、太いパターン の形成に、遮光部 101に代えて、露光光に対して低い透過率を持つ位相シフタ一部 を用いてもよい。
[0061] 本変形例の特徴は、マスクパターンのうち遮光部 101の周縁部(外形領域)のみに 半遮光部 102を設けることである。言い換えると、位相シフタ一部 103 (遮光部 101と の接続部分を除く)の周縁部 (外形領域)には半遮光部 102を設けない。
[0062] 本変形例によると、遮光部 101による太いパターンの形成における MEFの低減を 実現することができる。
[0063] (第 1の実施形態の第 2変形例)
以下、本発明の第 1の実施形態の第 2変形例に係るフォトマスクについて図面を参 照しながら説明する。
[0064] 図 7 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 7 (b)は第 1の実施形態 の第 2変形例に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 7 (b)において、透過性基板 につ 、ては斜視図的に示して!/、る。
[0065] 図 7 (a)に示すように、所望のパターンはレジストパターン 110である。
[0066] 図 7 (b)に示すように、透過性基板 100上の十分に広い領域に亘つて透光部 104 が形成されている。また、露光によりウェハ上に形成しょうとするレジストパターン (所 望のパターン) 110と対応する位置の透過性基板 100上には、遮光部 101と半遮光 部 102とからなるマスクパターンが設けられている。本変形例においても、第 1の実施
形態と同様に、当該マスクパターンの周縁部 (外形領域の全体)に半遮光部 102を 設ける。
[0067] 本変形例が第 1の実施形態と異なっている点は、マスクパターン外形領域に配置さ れた半遮光部 102の内側に配置されて 、る遮光部 101の内部にさらに半遮光部 10 2が設けられて!/、ることである。
[0068] 以上に説明した本変形例の構成によって、第 1の実施形態と同様の効果、つまり比 較的太い線幅のパターンの形成における MEFの低減を実現できるという効果にカロ えて、比較的太!、線幅の複数のパターンを密集状態で形成する場合に焦点深度 (D OF)を向上させることができるという効果も得ることができる。
[0069] 図 7 (c)は、図 7 (b)の平面図に示すフォトマスクの断面構成の一例を示している。
具体的には、図 7 (c)は、図 7 (b)に示される線分 ABに対応する部分の断面構造を 表している。図 7 (c)に示すように、透光部 104は、透過性基板である例えば石英基 板 105の露出領域である。ここで、本変形例のフォトマスクの断面構成力 図 1 (c)に 示す第 1の実施形態のフォトマスクの断面構成と異なつて 、る点は、遮光部 101とな る Cr膜 106の中心部を除去することによって当該箇所の金属薄膜 (半遮光膜) 107 を露出させていることである。これにより、遮光部 101の内部に半遮光部 102を形成 することが可能となる。
[0070] 以下、上記のように構成された本変形例のフォトマスク力 ウェハ上にパターンを形 成する上で第 1の実施形態よりも優れたパターン形成特性を発揮することをシミュレ ーシヨン結果に基づいて説明する。尚、本変形例において、マスクパターンにおける 遮光部の外側の外形領域に半遮光部を設けることにより MEFの低減効果が得られ ることは第 1の実施形態と同様であるので、以下、マスクパターンの外形領域に設け た半遮光部と同様の半遮光部を遮光部の内部にも設けることによって、本変形例の 固有の効果である DOFの向上効果が得られることについて説明する。また、マスクパ ターンの外形領域に設ける半遮光部と、遮光部の内部に設ける半遮光部とは必ずし も同一材料カゝら構成される必要はないが、当該両半遮光部を同一材料カゝら構成する ことによって、フォトマスクの断面構成を簡単にすることができる。これにより、 MEFの 低減効果と DOFの向上効果とを簡単な断面構成を有するマスクによって同時に実
現することが可能になる。
[0071] 図 8は上記シミュレーションに用いるマスクパターンを表している。図 8に示すように 、透過性基板 100上には、間隔 Sで隣り合う 2つのライン状パターンカゝらそれぞれ構 成されるマスクパターン A、 B、 Cが設けられている。また、透過性基板 100上の十分 に広い領域に亘つて、透過性基板 100の露出領域である透光部 104が設けられて いる。
[0072] 具体的には、マスクパターン Aは、ライン状の遮光部 101と、その両側に設けられた 幅 Dの半遮光部 102とからなる。すなわち、マスクパターン Aは、基本的に第 1の実施 形態のマスクパターンと同じ構成を有しているので、第 iの実施形態で説明したように
、幅 Dは λ ZNA以下であることが望ましい。
[0073] また、マスクパターン Βはマスクパターン Αの構成に加えて、ライン状の遮光部 101 の中心部に設けられた半遮光部 102を有している。すなわち、マスクパターン Bは、 そ中心部と外形領域とにそれぞれ配置された半遮光部 102の間に遮光部 101が設 けられ構成を有している。ここで、後述するように、 DOF向上効果を得るためには、マ スクパターンの中心部及び外形領域のそれぞれに配置された半遮光部の間に、 X ZNA以下の幅 Qを持つ遮光部 101を設けることが望ましい。
[0074] また、マスクパターン Cはマスクパターン Bの構成に加えて、遮光部 101の内部に設 けた半遮光部 102の中心部に設けられた遮光部 101をさらに有して ヽる。マスクパタ ーン Cにおいても、 DOF向上効果を得るためには、その外形領域に設けられた半遮 光部 102と、遮光部 101の内部に設けられた半遮光部 102 (幅: R)とは、 λ ΖΝΑ以 下の幅 Qを持つ遮光部 101を挟んで配置されて 、ることが望ま 、。
[0075] 図 9 (a)及び(b)は、図 8に示すマスクパターン A〜Cにおいて S = 50nm、 D= 30n m、 Q = 150nm、 R= 230nmとした場合における各種シミュレーションの結果を表す 図である。ここで、当該シミュレーションにおいて半遮光部の露光光に対する透過率 を 10%に設定した。
[0076] 図 9 (a)は、図 8に示すマスクパターン A、 B、 Cにおける線分 Al— A2、 Bl— B2、 CI—C2と対応する結像位置での光強度分布をシミュレーションした結果を示して ヽ る。図 9 (a)においては、各マスクパターン A〜Cのそれぞれについてシミュレーション
した光強度分布曲線を示している。また、図 9 (a)においては、現像時にレジストを溶 解させるのに必要なエネルギー値も合わせて示している。尚、図 9 (a)において、横 軸の位置 0は、各マスクパターン A〜Cを構成する一対のライン状パターンの間の中 心位置であり、縦軸の光強度は、露光光の強度を 1としたときの相対光強度である。 図 9 (a)に示すように、マスクパターン A〜Cのいずれによっても、同じ寸法分のレジス トを溶解させることができる。すなわち、マスクパターン A〜Cのいずれによっても、ゥ ェハ上に同じ寸法のスペースパターンを形成することができる。
[0077] 図 9 (b)は、図 8に示すマスクパターン A、 B、 Cのそれぞれによってウェハ上にスぺ ースパターンを形成する場合におけるフォーカス特性をシミュレーションした結果を 表している。一般に、パターン形成においては、露光時にフォーカスが変動してもパ ターン寸法 (CD)が変動しないことが望まれる。そこで、例えばベストフォーカスでパ ターン寸法が 90nmとなる場合において、パターン寸法変動の許容範囲(寸法精度) が ± 10%であるとして、 90nm± 9nmの範囲内のパターン寸法を実現できるフォー カス変動の最大幅を焦点深度 (DOF)と定義する。この DOFの値が大きい程、フォ 一カス変動に伴うパターン寸法変動が少なぐ高い寸法精度でのパターン形成が可 能になることを意味する。図 9 (b)には、マスクパターン Aについて上述の定義による DOFの範囲を示している力 図 9 (b)に示すように、マスクパターン B及び Cによる D OFはマスクパターン Aと比べて向上している。その理由は、第 1の実施形態のマスク ノ ターン構成において遮光部の内部にも半遮光部を設けることにより、当該半遮光 部(マスクパターン内部の半遮光部)を透過する光の回折現象によって DOF特性が 向上するためである。
[0078] 以上に説明したように、本変形例のように、遮光部を有するマスクパターンの外形 領域に半遮光部を設ける構成に加えて、当該遮光部の内部にもさらに半遮光部を設 けることにより、第 1の実施形態と同様の MEFの低減効果にカ卩えて DOFの向上効果 ち得られる。
[0079] 尚、本変形例において、十分な DOFの向上効果を得るためには、遮光部の内部 に設けられた半遮光部を透過する光の回折波力 マスクパターン外側の透光部を透 過する光の回折波と互いに影響し合う必要があるため、マスクパターンの外形領域及
び内部領域のそれぞれに設けられた半遮光部の間に配置される遮光部の寸法 (幅) は λ ΖΝΑ以下であることが望まし 、。
[0080] また、この場合、半遮光部の露光光に対する透過率が 20%程度になると、当該半 遮光部を透過した光によってレジストが感光する可能性が高くなるので、レジストの感 光を防止するためには、マージンを考慮して、半遮光部の露光光に対する透過率は 15%以下であることが望ましい。このようにすると、遮光部の内部に設けた半遮光部 の寸法が λ ΖΝΑよりも十分に大きい場合にも、当該半遮光部を透過する光がレジス トを感光させることはない。よって、マスクパターン毎にレジストを感光させないための マスク寸法の上限を考慮する必要がなくなるため、マスクレイアウトを構成する上での 自由度が高くなるので、マスクレイアウトの構成を容易に行うことができる。極端なケ ースとしては、マスクパターン内部における外形領域力も所定の寸法以上離れた領 域を全て半遮光部に設定しても良い。すなわち、図 7 (b)や図 8のパターン Βのような 構成を用いてもよい。
[0081] また、本変形例において、マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部の露光 光に対する透過率の好まし 、範囲(MEF低減効果を考慮した好ま 、範囲)につ 、 ては第 1の実施形態と同様である。また、マスクパターンの外形領域に設けられる半 遮光部の幅の好ま U、範囲(MEF低減効果を考慮した好ま U、範囲)につ 、ても第 1の実施形態と同様 (具体的にはえ ΖΝΑ以下)である。
[0082] また、本変形例においても、第 1の実施形態と同様に、マスクパターンの外形領域 に設けられる半遮光部 102の輪郭と、その内側に設けられる遮光部 101の輪郭とは 相似形でなくてもよい。
[0083] また、本変形例においても、第 1の実施形態と同様に、マスクパターンの外形領域 の全体に半遮光部 102を設けた力 これに代えて、マスクパターンの外形領域のうち 特に MEFを低減させたい部分のみに半遮光部を設けてもよい。但し、近接効果補 正の観点からは、マスクパターンの外形領域の全体に半遮光部を配置すれば、半遮 光部の幅のみの調整によって近接効果補正を容易に行うことができる。
[0084] (第 2の実施形態)
以下、本発明の第 2の実施形態に係るフォトマスクについて図面を参照しながら説
明する。
[0085] 図 10 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 10 (b)は第 2の実施形 態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 10 (b)において、透過性基板について は斜視図的に示している。
[0086] 図 10 (a)に示すように、所望のパターンはレジストパターン 130である。
[0087] 図 10 (b)に示すように、透過性基板 100上の十分に広い領域に亘つて透光部 104 が設けられている。また、露光によりウェハ上に形成しょうとするレジストパターン (所 望のパターン) 130と対応する位置の透過性基板 100上には、遮光部 101と半遮光 部 102と位相シフタ一部 103と力もなるマスクパターンが設けられている。ここで、本 実施形態のマスクパターンは、第 1の幅 L1を持つ第 1のパターン領域 201と、第 1の 幅 L1よりも大き 、第 2の幅 L2を持つ第 2のパターン領域 202とから構成されて 、る。 第 1のパターン領域 201においては、外形領域に半遮光部 102が配置されていると 共に中心部に矩形状の位相シフタ一部 103が配置されている。第 2のパターン領域 202においては、外形領域に半遮光部 102が配置されていると共に中心部に矩形 状の遮光部 101が配置されている。尚、本実施形態のマスクパターンは、細線パター ン力 比較的太 、線幅のパターンまでが混在する複数のパターンの形成にぉ 、て、 任意の線幅のパターンの形成における MEFの低減を実現するためのものである。
[0088] 尚、本実施形態における遮光部 101及び半遮光部 102のそれぞれの定義は第 1 の実施形態と同様である。また、位相シフタ一部 103は光を透過させる力 位相シフ ター部 103を透過する光と、透光部 104を透過する光とは反対位相の関係(具体的 には両者の位相差が(150 + 360 X n)度以上で且つ(210 + 360 X n)度以下(但し nは整数)となる関係)にある。
[0089] また、本実施形態を含め、後述する全ての実施形態では特に断らない限り、位相シ フタ一部は露光光に対して透光部 (透過性基板)と同程度の透過率を有するものとし て取り扱うが、位相シフタ一部の透過率は特に限定されるものではない。但し、位相 シフタ一部における反対位相で光を透過させると ヽぅ特性を利用するためには、位相 シフタ一部の透過率は少なくとも半遮光部の透過率よりも大きいことが好ましぐ透過 性基板の透過率と同等か又はその半分程度以上の透過率を有する材料によって半
遮光部を構成することが好ま 、。
[0090] 図 10 (c)は、図 10 (b)の平面図に示すフォトマスクの断面構成の一例を示して!/、る 。具体的には、図 10 (c)は、図 10 (b)に示される線分 AB及び線分 CDのそれぞれに 対応する部分の断面構造を表している。図 10 (c)に示すように、透光部 104は、透過 性基板である例えば石英基板 105の露出領域である。半遮光部 102は、第 1の実施 形態と同様に、例えば Moよりなる金属薄膜 107を半遮光膜として石英基板 105上に 堆積することによって形成されている。また、遮光部 101も、第 1の実施形態と同様に 、金属薄膜 (半遮光膜) 107の上に例えば Cr膜 106を遮光膜としてさらに積層するこ とによって形成されている。さらに、半遮光部 102の内部に設けられる位相シフター 部 103は、石英基板 105上に堆積された金属薄膜 (半遮光膜) 107に開口部を設け 、且つ当該開口部に位置する石英基板 105を透過光の位相が反転する分だけ掘り 下げることによって形成されている。このように位相シフタ一部 103を形成した場合に は、透過性基板である石英基板 105の掘り下げ部 105aをそのまま位相シフタ一部 1 03として利用できる。すなわち、透過性基板と同一材料を用いて位相シフタ一部 10 3を形成することが可能となる。また、石英基板 105上に積層された金属薄膜 (半遮 光膜) 107と Cr膜 (遮光膜) 106との 2層膜を加工することによって、半遮光部 102、 位相シフタ一部 103及び遮光部 101の 3種類の領域を持つマスクパターンを形成す ることが可能となる。
[0091] 以下、上記のように構成された本実施形態のフォトマスク力 ウェハ上にパターンを 形成する上で優れたパターン形成特性を発揮すること、特に MEFの低減効果を発 揮することをシミュレーション結果に基づいて説明する。尚、本実施形態のマスクパタ ーンにおいて、図 10 (b)に示す第 2のパターン領域 202については、第 1の実施形 態のマスクパターンと同様に、遮光部を有するマスクパターンの外形領域に半遮光 部を設けることによって MEFの低減効果が得られることは明らかであるので、以下の 説明においては、図 10 (b)に示す第 1のパターン領域 201のマスクパターン構成に よって、 MEFの低減効果が得られることを示す。まず、本実施形態に関するシミュレ ーシヨン結果について説明する前に、位相シフタ一部をマスクパターンに用いた場合 における MEFについてシミュレーション結果を用いて簡単に解説する。
[0092] 図 11 (a)は「MEF」を説明するために用いるマスクパターンを示しており、図 11 (a) に示すマスクパターンは、位相シフター部よりなる幅 Lのライン状パターンである。ここ で、当該位相シフタ一部の露光光に対する透過率は 100%であるとする。
[0093] 図 11 (b)のグラフは、図 11 (a)のマスクを露光したときにウェハ上に形成されるパタ ーンの寸法をシミュレーションにより求めた結果を示しており、具体的には、マスクパ ターンの幅 L (以下、マスク幅 Lと称する)を変化させた場合におけるウェハ上に形成 されるパターンの寸法 (CD値)の変化をプロットしたものである。図 11 (b)に示すよう に、遮光部をマスクパターンに用いた場合(図 2 (b)参照)と異なり、マスク幅 Lが大き くなるに従って CD値が増加する領域と、マスク幅 Lが大きくなるに従って CD値が減 少する領域とが存在する。図 11 (b)に示すように、本シミュレーション例では、マスク 幅 Lが 80nm付近で CD値が 60nm程度と最大になる一方、マスク幅 Lが 80nmから 増加しても減少しても CD値が減少して 、る。
[0094] 図 11 (c)のグラフは、 MEFの計算結果 (第 1の実施形態と同様に (式 1)によって計 算される)をそれぞれのマスク幅 Lに対してプロットしたものである。図 11 (c)に示すよ うに、本シミュレーション例では、マスク幅 Lが 80nm付近で MEF = 0となる。すなわち 、マスク幅 Lが 80nm付近では、マスクパターン寸法が変化しても、ウェハ上に形成さ れるパターンの寸法が変化しない。これは、高精度なパターン形成を行う上では理想 的な状態である。
[0095] 上述のように、マスクパターンに位相シフタ一部を用いた場合には、 MEF Oとなる 現象が現れる。但し、これは非常に限定された条件下での現象であり、 CD制御を容 易に行えるのは、 MEFが 1以下で且つ 0よりも大きい範囲である。その理由は、 MEF は 1よりも小さいことが望ましいが、 MEFが負の値となる状態においては、マスク幅を 増加させても CD値が減るために、 CD制御を行う上では不都合であるからである。ま た、本シミュレーション例では、マスク幅 Lをどんな値に設定したとしても、 60nmよりも 大きい CD値を実現することはできない。すなわち、マスク幅 Lの調整によっては任意 の CD値を実現できない。本シミュレーション例において、 MEFが 1よりも小さく且つ 0 よりも大きい範囲は、マスク幅 Lが 63nmから 80nmまでの間だけであり、当該マスク 幅 Lによって実現できる CD値は 55nmから 60nmまでの範囲に限定されている。
[0096] 以上の説明は、位相シフタ一部の露光光に対する透過率が 100%であることを前 提としたものであつたが、以下、位相シフタ一部が露光光に対して 100%以外の透過 率を有する場合にっ 、て説明する。図 12 (a)は「MEF」を説明するために用いるマ スクパターンを示しており、図 12 (a)に示すマスクパターンは、位相シフタ一部よりな る幅 Lのライン状パターンである。ここで、当該位相シフタ一部の露光光に対する透 過率を Tとする。図 12 (b)のグラフは、図 12 (a)のマスクを露光したときにウェハ上に 形成されるパターンの寸法をシミュレーションにより求めた結果を示しており、具体的 には、マスクパターンの幅 L (以下、マスク幅 Lと称する)を変化させた場合におけるゥ ェハ上に形成されるパターンの寸法 (CD値)の変化を様々な透過率 Tを持つ位相シ フタ一部についてプロットしたものである。尚、透過率 Tが 0%であるとは、遮光部であ ることを意味する。図 12 (b)に示すように、本シミュレーション例では、透過率 Tが 36 %以下になると、 MEF 0 (つまり CD値の極大状態)にならない。すなわち、 MEFの 低減効果は、マスクパターン内に透過率の異なる位相シフタ一部を混在させたとして も、非常に限定された CD値についてのみ得られるものである。実際、本願発明者の 経験によれば、 MEFの低減は 0. 3 X λ ΖΝΑ以下の CD値についてのみ実現でき るものである。
[0097] 次に、本実施形態のマスクパターンの第 1のパターン領域 201 (図 10 (b)参照)に 関するシミュレーション結果について説明する。図 13 (a)は当該シミュレーションに用 いるマスクパターンを示しており、当該マスクパターンは幅 Lのライン状パターンであり 、幅 Uの位相シフタ一部と、当該位相シフタ一部を囲む半遮光部とから構成されてい る。また、半遮光部における位相シフタ一部の両側(幅方向の両側)に設けられた部 分の幅は Dである。すなわち、マスクパターンは幅 Lについて、 L = U + 2 X Dの関係 が成り立つ。ここで、位相シフタ一部の露光光に対する透過率は 100%であり、半遮 光部の露光光に対する透過率は 16%である。
[0098] 図 13 (b)のグラフは、図 13 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成さ れるパターンの寸法(CD値)を様々なマスク幅 Lにつ!/、てシミュレーションした結果を 示している。ここで、半遮光部の幅 Dを Onmから 72nmまでの種々の値に固定した状 態で位相シフターの幅 Uを変化させることにより、マスク幅 Lを変化させ、当該変化に
対する CD値の依存性を図 13 (b)に示している。図 13 (b)に示すように、半遮光部の 幅 Uを大きくするに従って、 MEF Oとなる現象(つまり CD値が極大になる現象)が より大きな CD値において現れることが分かる。すなわち、本実施形態の構成のマスク ノターンを用いる場合には、目的とする CD値に応じて半遮光部幅を変更することに よって、比較的広い範囲の CD値に対して MEF Oを実現できることが分かる。実際 、本願発明者が調べたところ、 100nm (0. 1 m)以上の CD値についてまで MEF 0を実現できると共に、 0. 4 X λ ΖΝΑ以上の CD値においても MEFの低減を実 現できる。
[0099] 以上に説明した、本実施形態のマスクパターンの第 1のパターン領域 201 (図 10 (b )参照)の特性についてさらに詳しく説明するために、第 1の実施形態と同様に、下記 の(式 4)及び (式 5)のように MEFを定義する。
[0100] 位相シフタ一部の寸法 Uの変化が CDに与える影響 (Uに対する CD値の変化率) →MEF (U) = Δ CD (U, D) / Δ W · · · (式 4)
半遮光部の寸法 Dの変化が CDに与える影響 (Dに対する CD値の変化率)
→MEF (D) = Δ CD (U, D) / Δ D · · · (式 5)
尚、図 13 (b)のグラフで MEF Oという場合、正確には MEF (U) Oを意味する。
[0101] 図 14 (a)は、本実施形態のマスクパターンの第 1のパターン領域 201 (図 10 (b)参 照)に関するシミュレーションに用いるマスクパターンを示しており、当該マスクパター ンは幅 Lのライン状パターンであり、幅 Uの位相シフタ一部と、当該位相シフタ一部を 囲む半遮光部とから構成されている。また、半遮光部における位相シフタ一部の両 側(幅方向の両側)に設けられた部分の幅は Dである。すなわち、マスクパターンは 幅 Lについて、 L = U + 2 X Dの関係が成り立つ。ここで、位相シフタ一部の露光光に 対する透過率は 100%であり、半遮光部の露光光に対する透過率は丁%である。
[0102] 図 14 (b)のグラフは、図 14 (a)のパターンにおいて CD値 =65nmとなる種々の Uと Dとの組み合わせにつ!/、て MEF (U)と MEF (D)とを計算して MEF (U)と MEF (D) との相関関係をプロットした結果を示している。尚、図 14 (b)においては、半遮光部 の露光光に対する透過率 Tを 0%、 10%、 25%、 40%のそれぞれに設定した場合 の上記プロット結果を示している。また、透過率 Tが 0%であるとは、遮光部であること
を意味する。図 14 (b)に示すように、 MEF (U) =0のときに MEF (D) =0となるわけ ではないが、半遮光部の露光光に対する透過率 Tが高くなるに従って、 MEF (U) = 0のときの MEF (D)の値が小さくなることが分力る。
[0103] 以上に説明したように、本実施形態によると、位相シフタ一部 103を有するマスクパ ターン (正確には図 10 (b)に示す第 1のパターン領域 201)の外形領域に半遮光部 1 02を設けているため、位相シフタ一部 103及び半遮光部 102のそれぞれの寸法を 変化させることによって、ウェハ上に形成されるパターンの CD値を制御することが可 能となる。さら〖こは、目的とする CD値に応じた適切な半遮光部の幅及び位相シフタ 一部の幅を選ぶことにより、 MEFを大幅に低減できる。具体的には、図 14 (b)に示 すように、半遮光部 102の露光光に対する透過率 Tを 25%に設定した場合には、位 相シフタ一部 103の幅 Uに対して MEF (U) 0となり、半遮光部 102の幅 Dに対して MEF (D) =0. 15となる。
[0104] 上記の本実施形態の効果をもう少し原理的に説明する。位相シフタ一部と半遮光 部とをマスクパターンとして用いた場合の光学像は、マスクパターンの外側を回折す る光とマスクパターンの内部を透過する光との干渉によって形成される。すなわち、マ スクパターンの外側を回折する光とマスクパターンの内部を透過する光とがそれぞれ マスクパターンの中心部と対応するウェハ位置に投影されたときに干渉効果によって これらの光が互いに最も打ち消し合う状態が、コントラストが最大となる状態である。 従って、当該状態を実現する位相シフタ一部の幅がそれより大きくなつても小さくなつ ても投影像 (光学像)のコントラストは低下するので、言い換えると、ウェハ上に形成さ れるパターンの寸法 (CD値)が減少するので、このコントラストが最大となる状態にお いて位相シフタ一部のマスク寸法に対して MEF 0 (正確には MEF (U) =0)となる
[0105] よって、目的とする CD値を CD1としたときに当該 CD値に対して MEF 0を実現す る位相シフタ一部の幅を Ul、その外側の半遮光部の幅を D1とすると共に、目的とす る CD値を CD2 (CD2 > CD 1 )としたときに当該 CD値に対して MEF = 0を実現する 位相シフタ一部の幅を U2、その外側の半遮光部の幅を D2とすると、 U2<U1、 D1 く D2の関係が成り立つ。すなわち、より大きい CD値を実現するためには、より細い
位相シフタ一部を用いればょ 、。
[0106] 尚、マスクパターンの外側を回折する光とマスクパターンの内部を透過する光との 干渉効果を十分に得るためには、位相シフタ一部とマスクパターン周辺の透光部と の間の距離は 0. 4 X λ ΖΝΑ以下であることが望ましい。すなわち、前記幅 Dは、回 折現象が顕著になる 0. 4 Χ λ ΖΝΑ以下の寸法であることが望ましい。しかしながら 、本実施形態においては、位相シフタ一部とマスクパターン周辺の透光部との間の 半遮光部も光を部分的に透過させるので、前記幅 Dは 0. 4 Χ λ ΖΝΑ以下の寸法に 限定されるものではない。但し、「前提事項」で説明したように、有意な光学的効果を 得るためには、マスク幅 Lは 0. 02 X λ ΖΝΑ以上であることが望ましいことは言うまで もない。
[0107] 以上に説明したように、本実施形態のマスクパターンにおいて、 λ ΖΝΑ以下の第 1の幅 L1を持つ第 1のパターン領域 201を位相シフタ一部 103と半遮光部 102とに よって構成し、え ΖΝΑよりも大きい第 2の幅 L2を持つ第 2のパターン領域 202を遮 光部 101と半遮光部 102とによって構成することにより、両方の領域において MEFを 低減できる。
[0108] 尚、本実施形態のマスクパターンの構成においては、位相シフタ一部 103の周辺 に設ける半遮光部 102の露光光に対する透過率が高くなるに従って、 MEF低減効 果が高くなる一方、半遮光部 102の露光光に対する透過率が比較的低い(例えば下 限の 4%である)場合にも十分な MEF低減効果が得られる。よって、第 1のパターン 領域 201の半遮光部 102と第 2のパターン領域 202の半遮光部 102とを同一材料に よって構成する場合には、当該半遮光部 102の最適な透過率を第 2のパターン領域 202のマスクパターンの MEF低減効果を最適化できるように決めればょ 、。すなわ ち、本実施形態のフォトマスクにおいても、第 1の実施形態のフォトマスクと同様に、 半遮光部の露光光に対する透過率としては 25%程度が最適であり、 25%の上下 10 %程度までの範囲(15%以上で且つ 35%以下の範囲)が好ましい。また、透過率 25 %の上下 15%程度までの範囲(10%以上で且つ 40%以下の範囲)でも十分な ME F低減効果が得られる。さらに、半遮光部の透過率はこの範囲に限定されるものでは なぐ第 1の実施形態と同様に、原理的には、 4%以上で且つ 64%以下であれば有
意な MEF低減効果が得られる。
[0109] また、本実施形態において、遮光部 101と半遮光部 102とから構成される第 2のパ ターン領域 202のマスクパターンの中心部には遮光部 101のみを設けた力 MEF低 減効果を得るためには、マスクパターンの外形領域を構成する半遮光部の内部に遮 光部が存在すれば良 、のであって、例えばレジストを感光させな 、程度の微小な透 光部や半遮光部がマスクパターンの中心部に存在していても良いことは言うまでもな い。
[0110] さらに、本実施形態において、第 1の実施形態の第 2変形例と同様に、第 2のバタ ーン領域 202のマスクパターンの外形領域 (遮光部 101の周囲)に設けられた半遮 光部 102にカ卩えて、当該遮光部 101の内部に半遮光部を設けることによって、 MEF 低減効果と DOF向上効果とを同時に得ることができる。この場合、当該半遮光部の 露光光に対する透過率は 15%以下であることが望ましい。但し、半遮光部による有 効な効果を得るためには、透過率は 4%以上であることが望ましい。このようにすると 、遮光部の内部に設けた半遮光部の寸法が λ ΖΝΑよりも十分に大きい場合にも、 当該半遮光部を透過する光がレジストを感光させることはない。よって、マスクパター ン毎にレジストを感光させないためのマスク寸法の上限を考慮する必要がなくなるた め、マスクレイアウトを構成する上での自由度が高くなるので、マスクレイアウトの構成 を容易に行うことができる。
[0111] また、本実施形態においては、例えば図 15 (a)に示すような、位相シフタ一部 103 と遮光部 101とがそれぞれ個別に半遮光部 102によって取り囲まれたマスクパターン 構成を前提としてきた。しかし、これに代えて、図 15 (b)に示すような、位相シフター 部 103と遮光部 101とが接した状態で両方の部分が半遮光部 102によって取り囲ま れたマスクパターン構成を採用した場合にも、本実施形態と同様の効果が得られる。 また、図 15 (c)に示すように、位相シフタ一部 103と遮光部 101とが接した状態で両 方の部分が半遮光部 102によって取り囲まれたマスクパターンにおいて、位相シフタ 一部 103と遮光部 101との境界が例えば 0. 1 X λ ZNA程度移動して、位相シフタ 一部領域が遮光部領域内部に入り込んだとしても、当該マスクパターンにより形成さ れる投影像には殆ど影響を及ぼさない。また、図 15 (d)に示すように、位相シフター
部 103と遮光部 101とが接した状態で両方の部分が半遮光部 102によって取り囲ま れたマスクパターンにおいて、位相シフタ一部 103と遮光部 101との境界が例えば 0 . I X λ ΖΝΑ程度移動して、位相シフタ一部 103となるべき領域が遮光部 101にな つたとしても、当該マスクパターンにより形成される投影像には殆ど影響を及ぼさない 。し力しながら、マスク検査上の観点からは、図 15 (c)の遮光部 101に見られる微小 な凹パターン 301や、図 15 (d)の遮光部 101に見られる微小な凸パターン 302は好 ましいものではない。また、位相シフタ一部 103と遮光部 101とが接していると、位相 シフタ一部 103や遮光部 101の加工において、両者の境界形成における位置ずれ に起因して遮光部 101に微小な凹凸パターンが発生しやすくなる。一方、図 15 (a) に示すように、遮光部 101と位相シフタ一部 103との間に半遮光部 102の一部分が 介在すると、当該半遮光部 102の一部分は位相シフタ一部 103や遮光部 101をカロ ェする場合におけるマージン領域となる。すなわち、図 15 (a)〜(d)に示す各マスク パターンによってウェハ上に投影される光学像は殆ど同等である力 マスク加工上は 、図 15 (a)に示すような、位相シフタ一部 103と遮光部 101とがそれぞれ別個に半遮 光部 102に取り囲まれて!/、るマスクパターン構成が好まし!/、。
[0112] また、本実施形態において、マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部 102 の輪郭と、マスクパターンの中心部に設けられる遮光部 101又は位相シフタ一部 10 3の輪郭とが相似形であつたが、これに代えて、半遮光部 102の輪郭と遮光部 101又 は位相シフタ一部 103の輪郭とが相似形でなくてもよい。
[0113] また、本実施形態において、マスクパターンの外形領域の全体に半遮光部 102を 設けたが、これに代えて、マスクパターンの外形領域のうち特に MEFを低減させたい 部分のみに半遮光部を設けてもよい。但し、マスクパターンの外形領域の全体に半 遮光部 102を配置している場合には、言い換えると、遮光部 101及び位相シフター 部 103の全周囲を半遮光部 102によって取り囲んでいる場合には、半遮光部 102の 幅のみを調整することによって近接効果補正を容易に実施できるようになる。
[0114] 以下、近接効果補正 (OPC)について簡単に説明する。一般に、 LSI形成用のマス クパターンに対しては OPC処理が施される。通常のフォトリソグラフィでは、同じマスク 寸法のマスクパターンによって形成されるパターンであっても、そのパターン形状や
その周辺の他のパターンに依存して、ウェハ上でのパターン寸法(CD値)や形状が 異なってしまうという現象が発生する。この現象が近接効果と呼ばれており、この近接 効果によって発生する CD値や形状の変動を、マスクパターンの寸法や形状の補正 により補償する処理を OPC処理と呼んで 、る。
[0115] 本実施形態のマスクパターンに対して OPC処理を行う場合、マスクパターンの外形 領域に配置される半遮光部のマスク寸法を補正してもよ ヽし、又はマスクパターンの 中心部に配置される位相シフタ一部若しくは遮光部のマスク寸法を補正してもよい。 し力し、位相シフタ一部が設けられたマスクパターンにおいては、マスクパターンの周 辺を透過した回折光とマスクパターン内の位相シフタ一部を透過した光との干渉効 果を利用して、 MEF 0となる位相シフタ一部の寸法を設定するので、 MEF 0の 状態を維持しながら OPC処理を行うためには、 MEF 0となる位相シフタ一部の寸 法を変更することなく OPC処理を実施することが望ましい。すなわち、本実施形態の マスクパターンに対しては、半遮光部のマスク寸法の補正のみによって OPC処理を 行うことが望ましい。
[0116] 図 16 (a)は、図 10 (a)に示す本実施形態のマスクパターンに対して半遮光部 102 のマスク寸法の補正による OPC処理を行った結果を示している。
[0117] 図 16 (a)に示すように、位相シフタ一部 103が設けられたラインパターン(図 10 (a) の第 1のパターン領域 201)の外形領域には、位相シフタ一部 103の輪郭形状とほ ぼ相似形状の輪郭を有する半遮光部 102が設けられていると共に、当該ラインバタ 一ンの端部にはライン幅よりも大きい幅を持つハンマー形状の半遮光部 102が設け られている。このハンマー形状の半遮光部 102は次の目的のために設けられる。す なわち、孤立した細線パターン(図 10 (a)の第 1のパターン領域 201)の端部が透光 部に囲まれているために、当該端部周辺の透光部から当該端部の裏側に回り込む 回折光が過剰となり、それにより転写パターン (ウェハ上に転写されるパターン)の当 該ライン端部に対応する部分が後退して形成されてしまうことを防止するためである。
[0118] また、図 16 (a)に示すように、遮光部 101が設けられたパターン(図 10 (a)の第 2の パターン領域 202)の外形領域には、遮光部 101の輪郭形状とほぼ相似形状の輪郭 を有する半遮光部 102が設けられていると共に、直角又は鋭角となる角部にはセリフ
(serif )パターンとなる半遮光部 102が設けられている。このセリフパターンとなる半 遮光部 102は、前述のハンマー形状の半遮光部 102と同様の目的のために設けら れる。すなわち、遮光部 101が設けられたパターン(図 10 (a)の第 2のパターン領域 2 02)の角部が透光部に囲まれているために、当該角部周辺の透光部から当該角部 の裏側に回り込む回折光が過剰となり、それにより転写パターン (ウェハ上に転写さ れるパターン)の当該ライン角部に対応する部分が後退して形成されてしまうことを防 止するためである。
[0119] 以上のように、本実施形態のマスクパターンにおける半遮光部 102に、ライン端部 に位置するハンマー形状のパターンや角部に位置するセリフ(serif )パターンを設け ることにより、位相シフタ一部 103や遮光部 101を変形することなぐ OPC処理を実 施できるようになる。尚、周辺パターンとの近接関係を考慮して、本実施形態のマスク パターンの外形領域に配置される半遮光部 102の幅を補正することによって、 OPC 処理を実施してもよい。
[0120] 図 16 (b)は、本実施形態と同様のマスクパターン構成 (遮光部 101と半遮光部 102 と位相シフタ一部 103とからなる構成)をゲートコンタクトパターンに適用した場合に おいて半遮光部 102のマスク寸法の補正による OPC処理を行った結果を示している 。尚、図 16 (b)に示すマスクパターンにおいては、コンタクト部分と対応する領域を遮 光部 101のみによって構成し、ゲート部分と対応する領域を位相シフタ一部 103と半 遮光部 102とによって構成している。具体的には、位相シフタ一部 103が設けられた ライン状のゲート部分の外形領域には、位相シフタ一部 103の輪郭形状とほぼ相似 形状の輪郭を有する半遮光部 102が設けられていると共に、当該ラインパターンの 端部にはライン幅よりも大きい幅を持つハンマー形状の半遮光部 102が設けられて いる。
[0121] 以下、本発明の第 2の実施形態に係るフォトマスクの作成方法について図面を参照 しながら説明する。
[0122] 図 37は本実施形態に係るフォトマスクの作成方法によって形成しょうとするフォトマ スクの平面図である。図 37に示すフォトマスクの基本構成は、図 10 (b)に示す第 2の 実施形態に係るフォトマスクの基本構成と同様である。すなわち、図 37に示すフォト
マスクに設けられているマスクパターンは、第 1の幅 L1を持つ第 1のパターン領域 20 1と、第 1の幅 L1よりも大きい第 2の幅 L2を持つ第 2のパターン領域 202とから構成さ れている。第 1のパターン領域 201においては、外形領域に半遮光部 102が配置さ れていると共に中心部に矩形状の位相シフタ一部 103が配置されている。第 2のパタ ーン領域 202においては、外形領域に半遮光部 102が配置されていると共に中心部 に矩形状の遮光部 101が配置されている。尚、図 37において、透過性基板 100 (透 光部 104)の図示を省略している。
[0123] 図 38 (a)〜 (i)は本実施形態に係るフォトマスクの作成方法の各工程を示す断面図
(図 37の AB線の断面構成を示す)であり、図 39 (a)〜(f)はそれぞれ図 38 (b)、 (c) 、(e)、(f)、(h)、(i)の断面図に対応する平面図である。
[0124] まず、図 38 (a)に示すように、透過性基板である例えば石英基板 105上に半遮光 膜として例えば Moよりなる金属薄膜 107及び遮光膜として例えば Cr膜 106を順次 形成した後、 Cr膜 106の上にレジスト膜 151を形成する。
[0125] 次に、図 38 (b)及び図 39 (a)に示すように、リソグラフィによりレジスト膜 151をパタ ーン化して、遮光部 101となる領域及び半遮光部 102となる領域をそれぞれ覆うレジ ストパターン 151 Aを形成する。
[0126] 次に、レジストパターン 151Aをマスクとして Cr膜 106及び金属薄膜 107に対して 順次エッチングを行って、図 38 (c)及び図 39 (b)に示すように、透光部 104となる領 域及び位相シフタ一部 103となる領域のそれぞれに位置する Cr膜 106及び金属薄 膜 107を除去した後、レジストパターン 151 Aを除去する。すなわち、透光部 104とな る領域及び位相シフタ一部 103となる領域のそれぞれにおいては石英基板 105の 表面が露出する。
[0127] 次に、図 38 (d)に示すように、パターユングされた Cr膜 106の上及び石英基板 10 5の上にレジスト膜 152を形成した後、図 38 (e)及び図 39 (c)に示すように、リソダラ フィによりレジスト膜 152をパターンィ匕して、透光部 104となる領域を覆うレジストパタ ーン 152Aを形成する。ここで、位相シフタ一部 103となる領域の近傍 (マスク合わせ マージン程度)を除く Cr膜 106 (遮光部 101となる領域及び半遮光部 102となる領域 をそれぞれ覆う)がレジストパターン 152Aによって覆われて!/、てもよ!/、。
[0128] 次に、レジストパターン 152A及び Cr膜 106の一部分をマスクとして石英基板 105 に対してエッチングを行って、位相シフタ一部 103となる領域に位置する石英基板 1 05を透過光の位相が反転する分だけ掘り下げ、それによつて、図 38 (f)及び図 39 (d )に示すように、位相シフタ一部 103となる掘り下げ部 105aを形成した後、レジストパ ターン 152Aを除去する。このとき、掘り下げ部 105aの開口幅は、 Cr膜 106の開口 幅と実質的に同じになる。
[0129] 次に、図 38 (g)に示すように、パターユングされた Cr膜 106の上及び掘り下げ部 10 5aを含む石英基板 105の上にレジスト膜 153を形成した後、図 38 (h)及び図 39 (e) に示すように、リソグラフィによりレジスト膜 153をパターンィ匕して、遮光部 101となる領 域を覆うレジストパターン 153Aを形成する。
[0130] 次に、レジストパターン 153Aをマスクとして Cr膜 106 (遮光部 101となる領域及び 半遮光部 102となる領域をそれぞれ覆う)に対してエッチングを行って、図 38 (i)及び 図 39 (f)に示すように、半遮光部 102となる領域に位置する Cr膜 106を除去した後、 レジストパターン 153Aを除去する。これにより、遮光部 101となる領域のみに Cr膜 1 06が残り、半遮光部 102となる領域において金属薄膜 107が露出し、図 37に示すフ オトマスクが完成する。
[0131] (第 3の実施形態)
以下、本発明の第 3の実施形態に係るフォトマスクについて図面を参照しながら説 明する。
[0132] 図 17 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 17 (b)は第 3の実施形 態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 17 (b)において、透過性基板について は斜視図的に示している。
[0133] 図 17 (a)に示すように、所望のパターンはレジストパターン 110である。
[0134] 図 17 (b)に示すように、透過性基板 100上の十分に広い領域に亘つて透光部 104 が設けられている。また、露光によりウェハ上に形成しょうとするレジストパターン (所 望のパターン) 110と対応する位置の透過性基板 100上には、第 1の実施形態と同 様に、遮光部 101と半遮光部 102とからなるマスクパターンが設けられている。本実 施形態においては、第 1の実施形態と同様に、当該マスクパターンの周縁部 (外形領
域の全体)に半遮光部 102を設けると共に、当該マスクパターンの中心部に遮光部 1 01を設ける。すなわち、遮光部 101は半遮光部 102に取り囲まれている。尚、遮光部 101及び半遮光部 102のそれぞれの定義は第 1の実施形態と同様である。
[0135] 本実施形態が第 1の実施形態と異なっている点は、レジストパターン (所望のパター ン) 110と対応するマスクパターンの周辺に、つまり当該マスクパターンの外形領域に 配置された半遮光部 102の周辺に、透光部 104の一部分を介して半遮光部 102が 設けられていることである。尚、マスクパターンの外形領域に配置された半遮光部 10 2と、その周辺に配置された半遮光部 102との間に位置する透光部 104の幅は、後 述するように、 λ ZNA以下であることが望ましい。
[0136] 図 17 (c)は、図 17 (b)の平面図に示すフォトマスクの断面構成の一例を示している 。具体的には、図 17 (c)は、図 17 (b)に示される線分 ΑΒに対応する部分の断面構 造を表している。図 17 (c)に示すように、透光部 104は、透過性基板である例えば石 英基板 105の露出領域である。マスクパターンの外形領域に配置された半遮光部 1 02、及びその周辺に配置された半遮光部 102はいずれも、第 1の実施形態と同様に 、例えば Moよりなる金属薄膜 107を半遮光膜として透過性基板 100上に堆積するこ とによって形成されている。遮光部 101も、第 1の実施形態と同様に、金属薄膜 107 の上に例えば Cr膜 106を遮光膜としてさらに積層することによって形成されている。 すなわち、本実施形態のフォトマスクの断面構成が第 1の実施形態と異なっている点 は、第 1の実施形態のマスクパターンの周辺に追カ卩的に設けられた半遮光部 102が 、マスクパターンの外形領域に配置された半遮光部 102と同様に、金属薄膜 (半遮 光膜) 107から構成されていることである。
[0137] 尚、本実施形態において、マスクパターンの外形領域に配置される半遮光部 102と 、マスクパターンの周辺に設けられる半遮光部 102とを必ずしも同一材料カゝら構成す る必要はないが、両方の半遮光部 102を同一材料力も構成することによって、マスク の断面構成を簡単にすることができる。
[0138] 以下、上記のように構成された本実施形態のフォトマスクによって、第 1の実施形態 と比べてさらに小さい MEFで CD値の調整が可能になることをシミュレーション結果を 参照しながら説明する。
[0139] 図 18 (a)及び (b)は、本実施形態のマスクパターンに関するシミュレーション結果を 説明するための図である。具体的には、図 18 (a)は当該シミュレーションに用いるマ スクパターンを示しており、当該マスクパターンはライン状パターンであり、幅 Lの遮光 部 (例えば Cr膜から構成される)と、当該遮光部を囲む半遮光部とから構成されてい る。ここで、当該半遮光部における遮光部の両側(幅方向の両側)に設けられた部分 の幅は Dである。さらに、マスクパターンの周辺、つまりマスクパターンの外形領域に 配置された半遮光部の周辺には、幅 Sの透光部を介して幅 Hの半遮光部が設けられ ている。尚、図 18 (a)に示すマスクパターンにおいては、半遮光部の露光光に対する 透過率を 16%に、遮光部の幅 Lを 200nmに、半遮光部の幅 Dを 40nmにそれぞれ 設定した。また、マスクパターンの周辺に設けられた半遮光部の幅 Hについては、そ の透過率(つまり 16%)に起因してレジストパターンが形成されな!、ように 150nmに 設疋した。
[0140] 図 18 (b)のグラフは、図 18 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成さ れるパターンの寸法 (CD値)をシミュレーションにより求めた結果であり、具体的には 、上記透光部の幅 Sを lOOnmから 340nmまで変化させながらウェハ上にパターンを 形成した場合における当該パターンの寸法 (CD値)をプロットした様子を示して 、る
[0141] 図 18 (b)に示すように、透光部の幅 Sが lOOnmから 200nm程度まで増加する間に CD値が lOnm程度減少している。また、透光部の幅 Sが 200nmを超えると、 CD値 はほとんど変化しない。すなわち、透光部の幅 Sが lOOnmから 200nmまでの範囲に おいては、透光部の幅 Sに依存した MEF (S)は 0. 1程度である。従って、遮光部 と半遮光部とからなるライン状のマスクパターンの周辺にさらに半遮光部を設け、当 該半遮光部とライン状のマスクパターンとの間の透光部の幅 Sを変化させることにより CD値を調整する場合には、非常に小さ!/、MEFで CD値の制御が可能となる。
[0142] 上記の効果は、マスクパターンのマスク幅が固定されている場合にも、マスクパター ン周辺の透光部を透過する光の強度を増カロさせることによって、 CD値を変化させる ことが可能となることを意味している。一方、透光部の幅が λ ΖΝΑ (上記シミュレーシ ヨン例では λ /NA= 227nm)を超えると、透光部を透過する光が飽和して CD値が
変化しなくなる。言い換えると、外形領域に半遮光部が配置されたマスクパターンの 端部から λ ΖΝΑ以下の位置に他の半遮光部 (少なくとも一部分)を設けることによつ て、小さい MEFで CD値の調整が可能となる。
[0143] 尚、本実施形態において、マスクパターンの外形領域に設けられた半遮光部と、マ スクパターンの周辺に設けられた半遮光部との間に位置する透光部の幅は λ ΖΝΑ 以下であればよいのであって、マスクパターンを取り囲む透光部における全ての部分 の幅が同じである必要はなぐ λ ΖΝΑ以下の範囲内で透光部の各部分の幅が異な つていてもよい。
[0144] また、本実施形態において、マスクパターンの周辺に設けられる半遮光部の露光光 に対する透過率が高くなるに従って、当該半遮光部の寸法が変化したときの光学像 に与える影響が小さくなるので、 MEF低減効果は向上する。但し、マスクパターンの 周辺に設けられる半遮光部の露光光に対する透過率が低透過率 (例えば半遮光部 の透過率の下限 4%)である場合にも、十分な MEF低減効果が得られる。よって、マ スクパターンの外形領域に設けられる半遮光部と、マスクパターンの周辺に設けられ る半遮光部とを同一材料によって構成する場合には、両半遮光部の露光光に対する 透過率の最適条件を、第 1の実施形態と同様に、マスクパターンの外形領域に設け られる半遮光部による MEF低減効果を最適化できるように決めればょ 、。
[0145] また、本実施形態において、マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部 102 の輪郭と、マスクパターンの中心部に設けられる遮光部 101の輪郭とが相似形であつ た力 本実施形態の効果を得るためには、前述のように、マスクパターンの外形領域 (つまり遮光部 101の周辺)に λ ΖΝΑ以下の幅の半遮光部 102を設けさえすればよ い。よって、半遮光部 102の輪郭と遮光部 101の輪郭とが相似形でなくてもよい。
[0146] また、本実施形態において、マスクパターンの外形領域の全体に半遮光部 102を 設けたが、これに代えて、マスクパターンの外形領域のうち特に MEFを低減させたい 部分のみに半遮光部を設けてもよい。但し、マスクパターンの外形領域の全体に半 遮光部 102を配置している場合には、言い換えると、遮光部 101の全周囲を半遮光 部 102によって取り囲んでいる場合には、半遮光部 102の幅のみを調整することによ つて近接効果補正を容易に実施できるようになる。
[0147] さらに、本実施形態において、第 1の実施形態の第 2変形例と同様に、マスクバタ ーンの外形領域 (遮光部 101の周囲)に設けられた半遮光部 102に加えて、当該遮 光部 101の内部に半遮光部を設けることによって、 MEF低減効果と DOF向上効果 とを同時に得ることができる。この場合、当該半遮光部の露光光に対する透過率は 1 5%以下であることが望ましい (但し、半遮光部による有効な効果を得るためには透 過率は 4%以上であることが望ましい)。このようにすると、遮光部の内部に設けた半 遮光部の寸法が λ ΖΝΑよりも十分に大きい場合にも、当該半遮光部を透過する光 がレジストを感光させることはない。よって、マスクパターン毎にレジストを感光させな いためのマスク寸法の上限を考慮する必要がなくなるため、マスクレイアウトを構成す る上での自由度が高くなるので、マスクレイアウトの構成を容易に行うことができる。
[0148] また、本実施形態においては、半遮光部(具体的にはマスクパターン周辺に設けら れる半遮光部)の露光光に対する透過率として 25%以上の値を用いることによって、 下記のような効果が得られる。一般に、半遮光部の露光光に対する透過率が 20%程 度になると、当該半遮光部を透過した光によってレジストが感光する可能性が高くな るので、半遮光部の露光光に対する透過率を 25%にすれば、マージンを十分に確 保した状態で当該半遮光部を透過した光によってレジストを感光させることができる。 すなわち、マスクパターンの周辺部に設けられる半遮光部については、レジストパタ ーンを形成しない程度の幅(つまりレジストが感光される程度の幅)で設ける必要があ る力 当該半遮光部の露光光に対する透過率として 25%以上の値を用いれば、 λ ΖΝΑ以上の十分に大きい寸法の半遮光部を用いることができる。これにより、レジス トパターンを形成しないための(つまりレジストを感光させないための)マスク寸法の上 限をマスクパターン毎に考慮する必要がなくなるため、マスクレイアウトを構成する上 での自由度が高くなるので、マスクレイアウトの構成を容易に行うことができる。極端 なケースとしては、例えば図 19に示すように、マスクパターン及びそれを囲む透光部 を除くその他の領域を覆うマスクのバックグランドとして半遮光部 102を設けても良い 。但し、半遮光部による有効な効果を得るためには、半遮光部の露光光に対する透 過率は 64%以下であることが望まし 、。
[0149] また、本実施形態にぉ 、ては、所望のパターンに対応するマスクパターンの各辺と
平行に 1. O X λ ΖΝΑ以下の幅を持つ透光部 104を設ければよいのであって、例え ば図 20に示すように、マスクパターンの角部の近傍において透光部 104のない領域 (当該領域の幅は解像限界の半分以下つまり 0. 2 Χ λ ΖΝΑ以下である)を設けても 良い。なぜなら、解像限界の半分以下の寸法であれば、レジストパターン形成に影響 を及ぼさないからである。言い換えると、本実施形態においては、マスクパターンの各 辺を複数の矩形状の透光部によって囲むと共に、マスクパターンの外形領域に配置 された半遮光部と、マスクパターンの周辺に配置された半遮光部(図 20の場合はマ スクのバックグランドとなる半遮光部)とがマスクパターンの角部の近傍において接続 されていてもよい。このようにすると、所望のパターンに対応するマスクパターンにお けるライン端部や角部が透光部によって囲まれることがないので、マスクパターン周 辺におけるこれらの部分の近傍を透過する光が過剰となる事態を回避できる。
[0150] (第 3の実施形態の変形例)
以下、本発明の第 3の実施形態の変形例に係るフォトマスクについて図面を参照し ながら説明する。
[0151] 図 21 (a)は所望のレジストパターン形状を表す図であり、図 21 (b)は第 3の実施形 態の変形例に係るフォトマスクの平面図である。尚、図 21 (b)において、透過性基板 につ 、ては斜視図的に示して!/、る。
[0152] 図 21 (a)に示すように、所望のパターンはレジストパターン 130である。
[0153] 図 21 (b)に示すように、透過性基板 100上の十分に広い領域に亘つて透光部 104 が形成されている。また、露光によりウェハ上に形成しょうとするレジストパターン (所 望のパターン) 130と対応する位置の透過性基板 100上には、遮光部 101と半遮光 部 102と位相シフタ一部 103と力もなるマスクパターンが設けられている。ここで、本 変形例のマスクパターンは、第 2の実施形態と同様に、第 1の幅 L1を持つ第 1のバタ ーン領域 201と、第 1の幅 L1よりも大きい第 2の幅 L2を持つ第 2のパターン領域 202 と力も構成されている。第 1のパターン領域 201においては、外形領域に半遮光部 1 02が配置されていると共に中心部に位相シフタ一部 103が配置されている。第 2の パターン領域 202においては、外形領域に半遮光部 102が配置されていると共に中 心部に遮光部 101が配置されている。尚、本変形例における遮光部 101、半遮光部
102及び位相シフタ一部 103のそれぞれの定義は第 2の実施形態と同様である。
[0154] 本変形例が第 2の実施形態と異なっている点は、レジストパターン (所望のパターン ) 130と対応するマスクパターンの周辺に、つまり当該マスクパターンの外形領域に 配置された半遮光部 102の周辺に、透光部 104の一部分を介して半遮光部 102が 設けられていることである。尚、マスクパターンの外形領域に配置された半遮光部 10 2と、その周辺に配置された半遮光部 102との間に位置する透光部 104の幅は、第 3 の実施形態と同様に、 λ ΖΝΑ以下であることが望ましい。
[0155] 図 21 (c)は、図 21 (b)の平面図に示すフォトマスクの断面構成の一例を示している 。具体的には、図 21 (c)は、図 21 (b)に示される線分 ΑΒ及び線分 CDのそれぞれに 対応する部分の断面構造を表している。図 21 (c)に示すように、透光部 104は、透過 性基板である例えば石英基板 105の露出領域である。マスクパターンの外形領域に 配置された半遮光部 102、及びその周辺に配置された半遮光部 102はいずれも、第 2の実施形態と同様に、例えば Moよりなる金属薄膜 107を半遮光膜として透過性基 板 100上に堆積することによって形成されている。また、遮光部 101も、第 2の実施形 態と同様に、金属薄膜 (半遮光膜) 107の上に例えば Cr膜 106を遮光膜としてさらに 積層することによって形成されている。さらに、半遮光部 102の内部に設けられる位 相シフタ一部 103は、石英基板 105上に堆積された金属薄膜 (半遮光膜) 107に開 口部を設け、且つ当該開口部に位置する石英基板 105を透過光の位相が反転する 分だけ掘り下げることによって形成されている。すなわち、位相シフタ一部 103は石 英基板 105の掘り下げ部 105aである。
[0156] 以上のように、本変形例のフォトマスクの断面構成が第 2の実施形態と異なっている 点は、第 2の実施形態のマスクパターンの周辺に追カ卩的に設けられた半遮光部 102 力 マスクパターンの外形領域に配置された半遮光部 102と同様に、金属薄膜 (半遮 光膜) 107から構成されていることである。
[0157] 尚、本変形例において、マスクパターンの外形領域に配置される半遮光部 102と、 マスクパターンの周辺に設けられる半遮光部 102とを必ずしも同一材料力も構成する 必要はないが、両方の半遮光部 102を同一材料力も構成することによって、第 3の実 施形態と同様に、マスクの断面構成を簡単にすることができる。
[0158] 以下、上記のように構成された本変形例のフォトマスクによって、第 2の実施形態と 比べてさらに小さい MEFで CD値の調整が可能になることをシミュレーション結果を 参照しながら説明する。尚、本変形例のマスクパターンにおいて、図 21 (b)に示す第 2のパターン領域 202については、第 3の実施形態のマスクパターンと同様に、遮光 部を有するマスクパターンの外形領域に半遮光部を設けることによって MEFの低減 効果が得られることは明らかであるので、以下の説明においては、図 21 (b)に示す第 1のパターン領域 201のマスクパターン構成によって、上記効果が得られることを示 す。
[0159] 図 22 (a)及び (b)は、本変形例のマスクパターン (第 1のパターン領域 201)に関す るシミュレーション結果を説明するための図である。具体的には、図 22 (a)は当該シミ ユレーシヨンに用いるマスクパターンを示しており、当該マスクパターンはライン状パタ ーンであり、幅 Uの位相シフタ一部と、当該位相シフタ一部を囲む半遮光部とから構 成されている。ここで、当該半遮光部における位相シフタ一部の両側(幅方向の両側 )に設けられた部分の幅は Dである。さらに、マスクパターンの周辺、つまりマスクパタ ーンの外形領域に配置された半遮光部の周辺には、幅 Sの透光部を介して幅 Hの半 遮光部が設けられている。尚、図 22 (a)に示すマスクパターンにおいては、半遮光部 の露光光に対する透過率を 16%に、位相シフタ一部の幅 Uを 50nmに、半遮光部の 幅 Dを 30nmにそれぞれ設定した。また、マスクパターンの周辺に設けられた半遮光 部の幅 Hについては、その透過率(つまり 16%)に起因してレジストパターンが形成さ れな ヽよう【こ 150mn【こ設定した。
[0160] 図 22 (b)のグラフは、図 22 (a)のマスクパターンを露光したときにウェハ上に形成さ れるパターンの寸法 (CD値)をシミュレーションにより求めた結果であり、具体的には 、上記透光部の幅 Sを lOOnmから 340nmまで変化させながらウェハ上にパターンを 形成した場合における当該パターンの寸法 (CD値)をプロットした様子を示して 、る
[0161] 図 22 (b)に示すように、透光部の幅 Sが lOOnmから 200nm程度まで増加する間に CD値が 5nm程度減少している。また、透光部の幅 Sが 200nmを超えると、 CD値は ほとんど変化しない。すなわち、透光部の幅 Sが lOOnmから 200nmまでの範囲にお
いては、透光部の幅 Sに依存した MEF(S)は—0. 05程度である。従って、位相シフ ター部と半遮光部とからなるライン状のマスクパターンの周辺にさらに半遮光部を設 け、当該半遮光部とライン状のマスクパターンとの間の透光部の幅 Sを変化させること により CD値を調整する場合には、非常に小さい MEFで CD値の制御が可能となる。
[0162] 尚、本変形例においても、第 3の実施形態と同様に、外形領域に半遮光部が配置 されたマスクパターンの端部から λ ΖΝΑ以下の位置に他の半遮光部 (少なくとも一 部分)を設けることによって、小さい MEFで CD値の調整が可能となる。
[0163] また、本変形例においても、第 3の実施形態と同様に、マスクパターンの外形領域 に設けられた半遮光部と、マスクパターンの周辺に設けられた半遮光部との間に位 置する透光部の幅は λ ΖΝΑ以下であればよいのであって、マスクパターンを取り囲 む透光部における全ての部分の幅が同じである必要はなぐ X ΖΝΑ以下の範囲内 にお ヽて透光部の各部分の幅が異なって 、てもよ 、。
[0164] また、本変形例において、マスクパターンの周辺に設けられる半遮光部の露光光に 対する透過率が高くなるに従って、当該半遮光部の寸法が変化したときの光学像に 与える影響が小さくなるので、 MEF低減効果は向上する。但し、マスクパターンの周 辺に設けられる半遮光部の露光光に対する透過率が低透過率 (例えば半遮光部の 透過率の下限 4%)である場合にも、十分な MEF低減効果が得られる。よって、マス クパターンの外形領域に設けられる半遮光部と、マスクパターンの周辺に設けられる 半遮光部とを同一材料によって構成する場合には、両半遮光部の露光光に対する 透過率の最適条件を、第 2の実施形態と同様に、マスクパターンの外形領域に設け られる半遮光部による MEF低減効果を最適化できるように決めればょ 、。
[0165] また、本変形例において、マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部 102の 輪郭と、マスクパターンの中心部に設けられる遮光部 101又は位相シフタ一部 103 の輪郭とが相似形であつたが、これに代えて、半遮光部 102の輪郭と遮光部 101又 は位相シフタ一部 103の輪郭とが相似形でなくてもよい。
[0166] また、本変形例において、マスクパターンの外形領域の全体に半遮光部 102を設 けたが、これに代えて、マスクパターンの外形領域のうち特に MEFを低減させたい部 分のみに半遮光部を設けてもよい。但し、マスクパターンの外形領域の全体に半遮
光部 102を配置している場合には、言い換えると、遮光部 101及び位相シフタ一部 1 03の全周囲を半遮光部 102によって取り囲んでいる場合には、半遮光部 102の幅 のみを調整することによって近接効果補正を容易に実施できるようになる。
[0167] さらに、本変形例において、第 2の実施形態の変形例と同様に、マスクパターンの 外形領域 (遮光部 101及び位相シフタ一部 103の周囲)に設けられた半遮光部 102 に加えて、当該遮光部 101の内部に半遮光部を設けることによって、 MEF低減効果 と DOF向上効果とを同時に得ることができる。ここで、当該半遮光部をマスクパター ン外形領域の半遮光部 102と同一材料カゝら構成する場合には、第 2の実施形態の 変形例と同様に、当該半遮光部の露光光に対する透過率は 4%以上で且つ 15%以 下であることが望ましい。
[0168] また、本変形例において、半遮光部(具体的にはマスクパターン周辺に設けられる 半遮光部)の露光光に対する透過率として 25%以上の値 (但し 64%以下であること が望ましい)を用いることによって、下記のような効果が得られることは第 3の実施形態 と同様である。すなわち、マスクパターンの周辺部に設けられる半遮光部については 、レジストパターンを形成しな 、程度の幅(つまりレジストが感光されな!、程度の幅)で 設ける必要があるが、当該半遮光部の露光光に対する透過率として 25%以上の値 を用いれば、 λ ΖΝΑ以上の十分に大きい寸法の半遮光部を用いることができる。こ れにより、レジストパターンを形成しないための(つまりレジストを感光させないための )マスク寸法の上限をマスクパターン毎に考慮する必要がなくなるため、マスクレィァ ゥトを構成する上での自由度が高くなるので、マスクレイアウトの構成を容易に行うこ とができる。極端なケースとしては、例えば図 23に示すように、マスクパターン及びそ れを囲む透光部を除くその他の領域を覆うマスクのバックグランドとして半遮光部 10 2を設けても良い。
[0169] マスクのノ ックグランドとして半遮光部 102を設ける場合において複数のマスクバタ ーンが配置される場合、各マスクパターンの外形領域に設けられる半遮光部と、各マ スクパターンの周辺に設けられる半遮光部との間に位置する透光部の幅が λ ΖΝΑ 以下であればよいことから、例えば図 24に示すように、マスクパターン間距離が 2 X λ ΖΝΑ以上である領域の中心部には半遮光部 102を設ける一方、マスクパターン
間距離が 2 X λ ZNAよりも小さい領域には半遮光部を設けなくてもよい。
[0170] また、本変形例においては、所望のパターンに対応するマスクパターンの各辺と平 行に 1. O X λ ΖΝΑ以下の幅を持つ透光部 104を設ければよいのであって、例えば 図 25に示すように、マスクパターンの角部の近傍にぉ 、て透光部 104のな!/、領域( 当該領域の幅は解像限界の半分以下つまり 0. 2 Χ λ ΖΝΑ以下である)を設けても 良いことは第 3の実施形態と同様である。言い換えると、マスクパターンの各辺を複数 の矩形状の透光部によって囲むと共に、マスクパターンの外形領域に配置された半 遮光部と、マスクパターンの周辺に配置された半遮光部(図 25の場合はマスクのバッ クグランドとなる半遮光部)とがマスクパターンの角部の近傍において接続されていて もよい。このようにすると、所望のパターンに対応するマスクパターンにおけるライン端 部や角部が透光部によって囲まれることがないので、マスクパターン周辺におけるこ れらの部分の近傍を透過する光が過剰となる事態を回避できる。
[0171] 以上、主に本変形例のフォトマスクの平面構成について説明してきた力 以下、本 変形例のフォトマスクの断面構成についても詳細に説明する。図 26 (a)〜(d)及び図 27 (a) , (b)は、図 21 (b)に示される線分 AB及び線分 CDのそれぞれに対応する部 分の断面構成のバリエーションを示して 、る。
[0172] 尚、第 1〜第 3の各実施形態においても、各実施形態のフォトマスクを実現する典 型的な断面構成について説明してきたが、以下に説明する断面構成のバリエーショ ンは全ての実施形態において共通のバリエーションとみなすことができる。すなわち、 図 26 (a)〜 (d)及び図 27 (a)、 (b)に示す断面構成は本変形例 (第 3の実施形態の 変形例)の平面図である図 21 (b)に対応したものである力 他の実施形態の断面構 成のノ リエーシヨンとみなす場合には、図 26 (a)〜(d)及び図 27 (a)、(b)に示す断 面構成から他の実施形態にお!ヽて不要な構成要素を省略すればょ ヽ。
[0173] まず、図 26 (a)に示すフォトマスクの断面構成(図 21 (c)に示した本変形例のフォト マスクの断面構成)は、第 1〜第 3の各実施形態においても典型的な断面構成例とし て説明してきたものである。図 26 (a)に示すように、透過性基板である例えば石英基 板 105の上には、透光部との間で露光光に対して同位相の位相差(つまり(— 30 + 3 60 X n)度以上で且つ(30 + 360 X n)度以下(但し nは整数)の位相差)を生じる半
透明の半遮光膜 (金属薄膜) 107が形成されている。以下、同位相の位相差を生じる とは、(— 30 + 360 X n)度以上で且つ(30 + 360 X n)度以下(但し nは整数)の位 相差を生じることを意味するものとする。第 1〜第 3の各実施形態では、この「同位相」 の定義に合致する半遮光膜の典型例として、 nが 0となる金属薄膜を用いている。ここ で、透光部 104は石英基板 105の露出領域であり、半遮光部 102は、石英基板 105 上に堆積された半遮光膜 (金属薄膜) 107の露出領域である。また、石英基板 (透過 性基板) 105における位相シフタ一部 103の形成領域は、透光部との間で露光光に 対して反対位相の位相差(つまり(150 + 360 X n)度以上で且つ(210 + 360 X n) 度以下 (但し nは整数)の位相差)を生じる厚さだけ掘り下げられて 、る。これにより、 位相シフタ一部 103が石英基板 105の掘り下げ部 105aとして形成される。以下、反 対位相の位相差を生じるとは、(150 + 360 X n)度以上で且つ(210 + 360 X n)度 以下 (但し nは整数)の位相差を生じることを意味するものとする。また、遮光部 101は 、上記半遮光膜 (金属薄膜) 107の上に露光光を実質的に透過させない遮光膜 (Cr 膜) 106をさらに積層することによって形成されている。
[0174] 以上の図 26 (a)に示す構成によると、半遮光膜の上に遮光膜を積層した基板を用 意し、適宜これらの膜を除去し、さらには透過性基板を掘り下げることによって、透光 部 104、遮光部 101、半遮光部 102及び位相シフタ一部 103からなる任意のレイァ ゥトが形成可能となる。特に半遮光膜として金属薄膜を用いれば、半遮光膜の加工 精度が向上する。よって、図 26 (a)に示す構成によれば、マスクパターンの外形領域 に配置される半遮光部の加工精度を向上させることができる。
[0175] 次に、図 26 (b)に示すフォトマスクの断面構成においては、透過性基板である例え ば石英基板 105の上に、当該石英基板 105の露出領域との間で露光光に対して反 対位相の位相差を生じる位相シフト膜 108 (露光光に対する透過率は石英基板 105 と同等)が形成されている。ここで、透光部 104は、石英基板 105上に堆積された位 相シフト膜 108の露出領域であり、位相シフト部 103は、位相シフト膜 103が選択的 に除去された石英基板 105の露出領域である。また、位相シフト膜 108の上には、透 光部との間で露光光に対して同位相の位相差を生じる半透明の半遮光膜 107がさら に積層されている。ここで、半遮光部 102は、位相シフト膜 108上に形成された半遮
光膜 107の露出領域である。さらに、遮光部 101は、上記半遮光膜 107の上に露光 光を実質的に透過させない遮光膜 106をさらに積層することによって形成されている
[0176] 以上の図 26 (b)に示す構成によると、位相シフト膜 108を用いることにより、位相シ フタ一部 103の位相が位相シフト膜 108の膜厚によって決定される。よって、石英基 板 105等の透過性基板の掘り下げ深さによって位相シフタ一部 103の位相を制御す る場合と比べて、位相シフタ一部 103の位相制御の精度が向上する。
[0177] 次に、図 26 (c)に示すフォトマスクの断面構成においては、透過性基板である例え ば石英基板 105の上に、当該石英基板 105の露出領域との間で露光光に対して反 対位相の位相差を生じる半透明の位相シフト膜 109が形成されている。ここで、透光 部 104は、位相シフト膜 109が選択的に除去された箇所に位置する石英基板 105が 反対位相の位相差を生じる深さだけ掘り下げられた領域である。また、位相シフター 部 103は、位相シフト膜 109が除去された石英基板 105の露出領域であり、半遮光 部 102は、石英基板 105上に堆積された位相シフト膜 109の露出領域である。さらに 、遮光部 101は、上記位相シフト膜 109の上に露光光を実質的に透過させない遮光 膜 106をさらに積層することによって形成されて 、る。
[0178] ところで、本発明のフォトマスクの平面構成においては、本発明の原理より、透光部 について位相シフター部よりも微細なパターンが必要となることはない。また、一般に 、位相シフタ一部となる透過性基板の掘り下げ部はエッチング工程によって形成され る。しかし、エッチング工程においてカ卩ェパターンが微細になると、当該パターンの 寸法に依存して掘り下げ深さが変化するマイクロローデイング効果が発生する。それ に対して、図 26 (c)に示す構成によると、石英基板 105等の透過性基板の掘り下げ 部が位相シフタ一部ではなく透光部となると共に、前述のように、本発明のフォトマス クの構成おいては、透光部について位相シフター部よりも微細なパターンが必要とな ることはない。このため、透過性基板を掘り下げる際にマイクロローデイング効果を回 避できるので、マスク力卩ェが容易になる。
[0179] 次に、図 26 (d)に示すフォトマスクの断面構成においては、透過性基板である例え ば石英基板 105の上に、当該石英基板 105の露出領域との間で露光光に対して反
対位相の位相差を生じる位相シフト膜 108 (露光光に対する透過率は石英基板 105 と同等)が形成されている。ここで、透光部 104は石英基板 105の露出領域であり、 位相シフタ一部 103は、石英基板 105上に堆積された位相シフト膜 108の露出領域 である。また、位相シフト膜 108の上には、透光部 104との間で露光光に対して反対 位相の位相差を生じる半透明の位相シフト膜 109がさらに積層されている。ここで、 半遮光部 102は、位相シフト膜 108の上に形成された位相シフト膜 109の露出領域 である。さらに、遮光部 101は、上記位相シフト膜 109の上に露光光を実質的に透過 させな 、遮光膜 106をさらに積層することによって形成されて 、る。
[0180] 以上の図 26 (d)に示す構成によると、半遮光部 102及び位相シフタ一部 103のそ れぞれの位相が透過性基板上に堆積される膜の膜厚によって制御されるので、高精 度な位相制御が可能となる。
[0181] 次に、図 27 (a)に示すフォトマスクの断面構成においては、透過性基板である例え ば石英基板 105の上に、透光部 104との間で露光光に対して同位相の位相差を生 じる半透明の半遮光膜 107が形成されている。ここで、透光部 104は石英基板 105 の露出領域であり、半遮光部 102は、石英基板 105上に堆積された半遮光膜 107の 露出領域である。また、半遮光膜 107の上には、透光部 104との間で露光光に対し て反対位相の位相差を生じる位相シフト膜 108 (露光光に対する透過率は石英基板 105と同等)が形成されている。ここで、位相シフタ一部 103は、半遮光膜 107上に 堆積された位相シフト膜 108の露出領域である。また、遮光部 101は、上記位相シフ ト膜 108の上に露光光を実質的に透過させない遮光膜 106をさらに積層することによ つて形成されている。
[0182] 以上の図 27 (a)に示す構成によると、透光部 104、位相シフタ一部 103及び半遮 光部 102のそれぞれの位相を独立に制御できるので、各部分の間の位相差が正確 に設定されたフォトマスクを実現することができる。
[0183] 次に、図 27 (b)に示すフォトマスクの断面構成においては、透過性基板である例え ば石英基板 105の上に、当該石英基板 105の露出領域との間で露光光に対して反 対位相の位相差を生じる半透明の位相シフト膜 109が形成されている。ここで、透光 部 104は、位相シフト膜 109が選択的に除去された箇所に位置する石英基板 105が
反対位相の位相差を生じる厚さだけ掘り下げられている領域である。また、上記位相 シフト膜 109の上には、石英基板 105の露出領域との間で露光光に対して反対位相 の位相差を生じる位相シフト膜 108 (露光光に対する透過率は石英基板 105と同等) が積層されている。ここで、半遮光部 102は、石英基板 105上に形成された位相シフ ト膜 109の露出領域であり、位相シフタ一部 103は、位相シフト膜 109の上にさらに 積層された位相シフト膜 108の露出領域である。また、遮光部 101は、上記位相シフ ト膜 108の上に露光光を実質的に透過させない遮光膜 106をさらに積層することによ つて形成されている。
[0184] ところで、図 26 (b)〜(d)及び図 27 (a)、 (b)に示す断面構成を有するフォトマスク においては、反対位相の位相差を生じる位相シフタ一部となる膜の膜厚や、同位相 の位相差を生じる半遮光部となる膜の膜厚として、位相調整のために数百 nm程度 必要である。それに対して、図 26 (a)に示す断面構成を有するフォトマスクにおいて は、半遮光部 102として、高々数十 nm程度の厚さの薄膜を用いるため、マスク加工 のためのパターユングにおいて微細加工が容易となる。ここで、当該薄膜として使用 できる金属材料としては、例えば、 Cr (クロム)、 Ta (タンタル)、 Zr (ジルコ-ユウム)、 Mo (モリブデン)及び Ti (チタン)等の金属並びにそれらの合金がある。具体的な合 金としては Ta— Cr合金がある。また、金属とシリコンとの化合物である Zr— Si、 Mo— Si及び Ti Si等を用いてもょ ヽ。
[0185] 以上のように、図 26 (a)に示す断面構成を有するフォトマスクによると、加工対象と なる膜が金属薄膜 107であるため、マスク加工における微細加工が容易となる。従つ て、本発明の効果を得るために、透光部 104と位相シフタ一部 103との間に半遮光 部となる非常に微細なパターンを設ける必要がある場合、図 26 (a)に示す断面構成 を有するフォトマスクは特に優れたマスクとなる。
[0186] 尚、図 26 (a)〜(d)及び図 27 (a)、(b)の各フォトマスクにおいて、半遮光膜及び位 相シフト膜等を単層膜として説明してきたが、これらの膜が多層膜として構成されてい てもよ 、ことは言うまでもな 、。
[0187] 以下、本発明を反射型マスクに適用した実施例について説明する。「前提事項」で 説明したように、透過型マスクに代えて反射型マスクを対象とする場合、図 1 (b)等に
示す各実施形態のフォトマスクの平面構成について透過型マスクを前提として説明し た内容において、透光部又は透光領域を反射部又は反射領域と読み替え、遮光部 を非反射部と読み替え、半遮光部を半反射部と読み換え、透過率を反射率と読み替 えればよい。但し、位相シフタ一部はそのまま位相シフタ一部である。
[0188] 次に、図 21 (b)に示す本変形例(第 3の実施形態の変形例)のフォトマスクの平面 構造を上記のように「反射型マスク」とみなした場合における当該平面構造を実現す るための断面構造について説明する。図 28は、図 21 (b)に示す本変形例のフォトマ スク (反射型マスク)における線分 AB及び線分 CDのそれぞれに対応する部分の断 面構成の一例を示している。尚、図 28に示す断面構成は本変形例の平面図である 図 21 (b)に対応したものである力 他の実施形態の断面構成のノリエーシヨンとみな す場合には、図 28に示す断面構成力も他の実施形態において不要な構成要素を 省略すればよい。
[0189] 図 28に示すフォトマスクの断面構成においては、基板 500の上に、露光光を反射 する第 1の反射層 501が形成されていると共に、第 1の反射層 501の上に、第 1の反 射層 501で反射される光に対して反対位相で光を反射する第 2の反射層 502が形成 されている。尚、基板 500の露出領域は、遮光部 101に代わる非反射部 101 'である 。また、基板 500の構成材料としては、例えば酸ィ匕シリコン系の化合物等を使用でき る。さらに、第 1の反射層 501及び第 2の反射層 502のそれぞれの反射面の高さは、 位相にして( 180度士 30度 + 360度 X n (nは整数))だけ互!、に異なって 、ればよ ヽ 。ここで、透光部 104に代わる反射部 104'は、基板 500上に形成された第 1の反射 層 501の露出領域であり、位相シフタ一部 103に代わる位相シフタ一部 103'は、第 1の反射層 501上に形成された第 2の反射層 502の露出領域である。さらに、第 2の 反射層 502の上に光を部分的に吸収する吸収層 503を選択的に積層することによつ て、半遮光部 102に代わる半反射部 102'が形成されている。
[0190] 以上のように、本発明を反射型マスクに適用した場合にも、透過型マスクに適用し た場合と同様の効果が得られる。すなわち、マスクパターンの外形領域又はその周 辺に半反射部を設けることにより、細線パターンを含む様々な寸法を有するパターン を同時に形成する際に、任意の寸法のパターンの形成に対して MEFの低減が可能
となるので、所望の寸法のパターンをウェハ上に精度良く形成することができる。
[0191] 尚、図 28に示す構成において、非反射部 101 'として基板 500の露出領域を用い た力 これは一例であって、非反射部 101 'は基板 500における反射層 501及び 50 2が存在しな!、領域であればよ!、。
[0192] (第 4の実施形態)
以下、本発明の第 4の実施形態に係るパターン形成方法、具体的には第 1〜第 3 の実施形態又はそれらの変形例のいずれかに係るフォトマスク(以下、本発明のフォ トマスクと称する)を用いたパターン形成方法について図面を参照しながら説明する。
[0193] 図 29 (a)〜(d)は、第 4の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面 図である。
[0194] まず、図 29 (a)に示すように、基板 600上に、例えば金属膜又は絶縁膜等の被カロ 工膜 601を形成した後、図 29 (b)に示すように、被加工膜 601の上に、例えばポジ 型のレジスト膜 602を形成する。
[0195] 次に、図 29 (c)に示すように、本発明のフォトマスク、例えば図 1 (c)に示す断面構 成を有する第 1の実施形態に係るフォトマスクを介して露光光 603をレジスト膜 602に 対して照射する。これにより、当該フォトマスクを透過した露光光 604によってレジスト 膜 602が露光される。このとき、前記フォトマスクにおけるマスクパターンは、透過性 基板である石英基板 105上に形成された半遮光膜 107の露出領域よりなる半遮光 部と、半遮光膜 107上に形成された遮光膜 106の露出領域よりなる遮光部とから構 成されている。すなわち、前記マスクパターンの外形領域には半遮光部が配置され ていると共に前記マスクパターンの中心部には遮光部が配置されている。
[0196] 尚、図 29 (c)に示す露光工程では、例えば斜入射露光 (斜入射照明)用の光源を 用いてレジスト膜 602に対して露光を行なう。このとき、図 29 (c)に示すように、現像 工程でレジストが溶解するに足りる露光エネルギーが照射されるのは、前記フォトマ スクにおける前記マスクパターン以外の領域と対応するレジスト膜 602の潜像部分 6 02aのみである。
[0197] 次に、レジスト膜 602に対して現像を行なって潜像部分 602aを除去することにより、 図 29 (d)に示すように、前記フォトマスクにおける前記マスクパターンと対応するレジ
ストパターン 605を形成する。
[0198] 以上に説明した本実施形態によると、本発明のフォトマスク (具体的には第 1〜第 3 の実施形態又はそれらの変形例に係るフォトマスク)を用いたパターン形成方法であ るため、第 1〜第 3の実施形態又はそれらの変形例と同様の効果が得られる。
[0199] また、本実施形態にお!ヽて、レジストが塗布された基板 (ウェハ)に対して本発明の フォトマスクを介して露光を行う際に斜入射露光用の光源を用いると、特に位相シフ ター部を有する第 2の実施形態及び第 3の実施形態の変形例のフォトマスクによって 、微細パターン形成においても高いコントラストの遮光像が得られるので、より微細な ノ ターンの形成が可能となる。ここで、斜入射露光用の光源とは、図 30 (a)に示すよ うな通常露光用の光源に対して、垂直入射成分 (光源からフォトマスクに対して垂直 に入射する露光光の成分)が取り除かれた、例えば図 30 (b)〜(d)に示すような光源 を意味する。代表的な斜入射露光用の光源としては、図 30 (b)に示す輪帯露光用の 光源、並びに図 30 (c)及び (d)に示す四重極露光用の光源がある。尚、 目的のパタ ーンに若干依存するが、一般に、輪帯露光用の光源よりも四重極露光用の光源の方 力 Sコントラストの強調又は DOFの拡大において効果的である。
[0200] (第 5の実施形態)
以下、本発明の第 5の実施形態に係るマスクデータ作成方法について図面を参照 しながら説明する。本実施形態は、第 1〜第 3の実施形態又はそれらの変形例に係 るフォトマスク(以下、本発明のフォトマスクと称する)のマスクデータ作成を行うもので もめる。
[0201] 図 31は、本実施形態のマスクデータ作成方法の基本フローを示す図である。また、 図 32 (a)は、本発明のフォトマスクによって形成しょうとする所望のパターン、具体的 には、本発明のフォトマスクのマスクパターンと対応する設計パターンの一例を示して いる。すなわち、図 32 (a)に示すパターン 701〜703力 本発明のフォトマスクを用 V、た露光にぉ 、てレジストを感光させたくな 、領域に相当するパターン、つまりレジス トパターンである。さらに、図 32 (b)、図 33 (a)、(b)、図 34 (a)、(b)及び図 35はそれ ぞれ、本実施形態のマスクデータ作成方法の各工程における具体的なマスクパター ン作成例を示す図である。
[0202] 尚、本実施形態でパターン形成について説明する場合、特に断らない限り、ポジ型 レジストプロセスの使用を前提として説明を行う。すなわち、現像によりレジスト感光領 域が除去され且つレジスト非感光領域がレジストパターンとして残存することを想定し て説明を行う。従って、ポジ型レジストプロセスに代えてネガ型レジストプロセスを使 用する場合には、レジスト感光領域がレジストパターンとして残存し且つレジスト非感 光領域が除去されること以外は同様に考えればよい。
[0203] まず、ステップ S1において、所望のパターン、例えば図 32 (a)に示すパターン 701 〜703を、マスクデータ作成に用いるコンピュータに入力する。このとき、マスクパター ンを構成する位相シフタ一部及び半遮光部のそれぞれの透過率を設定しておく。ま た、必要に応じて、事前に所望のパターンの変形、つまりパターン各部の拡大又は 縮小を行ってもよい。
[0204] 次に、ステップ S2において、露光条件、並びに上記の位相シフタ一部及び半遮光 部のそれぞれの透過率等のマスクパラメータに基づき、パターン 701〜703のそれ ぞれを、図 32 (b)に示すように、位相シフタ一部を設ける第 1のパターン領域 711と、 遮光部を設ける第 2のパターン領域 712とに分類する。このとき、パターンを分類する 方法としては、例えばパターン 701〜703に対して所定の線幅 LOを設定し、 LO以下 の細 、線幅を持つ領域を第 1のパターン領域 711とし、 LOよりも大き 、線幅を持つ領 域を第 2のパターン領域 712としてもよい。
[0205] 次に、ステップ S3において、図 33 (a)に示すように、第 1のパターン領域 711の内 部に、透光部を透過する露光光に対して反転位相で露光光を透過させる位相シフタ 一部 721を設けると共に、第 2のパターン領域 712の内部に遮光部 722を設ける。こ こで、第 1のパターン領域 711の内部に設ける位相シフタ一部 721については、第 1 のパターン領域 711が、 L1 (L1≤L0)の線幅を持つ第 1シフター領域と、 L2 (L1 < L2≤L0)の線幅を持つ第 2シフター領域とを有する場合、第 1シフター領域の内部 に設ける位相シフタ一部 721の幅 U1は、第 2シフター領域の内部に設ける位相シフ ター部 721の幅 U2よりも大き 、ことが好ま ヽ(第 2の実施形態参照)。
[0206] 次に、ステップ S4において、図 33 (b)に示すように、第 1のパターン領域 711及び 第 2のパターン領域 712のそれぞれの外形領域に、透光部を透過する露光光に対し
て同位相で且つ部分的に露光光を透過させる半遮光部 723を設ける。すなわち、ス テツプ S3で設定した位相シフタ一部 721及び遮光部 722のそれぞれを取り囲むよう に半遮光部 723を設定する。このとき、半遮光部 723の寸法を所望のレジストパター ンを形成できるように設定することが望ま 、が、本実施形態では後のステップで近 接効果補正 (OPC)を行うので、ステップ S4では半遮光部 723を暫定的な寸法に設 定してちよい。
[0207] 次に、必要に応じて、ステップ S5において、図 34 (a)に示すように、遮光部 721の 内部に半遮光部 724を設けてもよい。
[0208] 次に、必要に応じて、ステップ S6において、図 34 (a)に示すように、第 1のパターン 領域 711及び第 2のパターン領域 712のそれぞれの外形領域に配置された半遮光 部 723の周辺に透光部を介して他の半遮光部 725を設けてもよい。
[0209] 尚、上記ステップ S5及び S6は適宜省略可能である。
[0210] 次に、ステップ S7において、本発明のフォトマスクを用いて露光を行ったときに、フ オトマスクのマスクパターンと対応して、所望の寸法を持つレジストパターンが形成さ れるように、マスクパターンの寸法調整を行う処理 (つまり OPC処理)の準備を行う。 本実施形態では、既にステップ S4までに位相シフタ一部 721及び遮光部 722の寸 法を決定しているので、 OPC処理では、半遮光部 723の寸法のみを調整することに より、所望の CDを実現できるフォトマスクデータの作成を行う。そのため、例えば図 3 4 (b)に示すように、ステップ S4で第 1のパターン領域 711及び第 2のパターン領域 7 12のそれぞれの外形領域に配置した半遮光部 723の輪郭を CD調整エッジ 731〜7 33に設定する。すなわち、 CD調整エッジ 731〜733の分割及び Z又は移動によつ て、マスクパターンの外形形状を変形して OPC処理を行う。尚、マスクパターンの各 辺上に位置する CD調整エッジ 731〜733を分割し、分割によって細分ィ匕されたエツ ジをその単位で移動させてもよ!、。
[0211] 次に、ステップ S8、ステップ S9及びステップ S10において、 OPC処理(例えばモデ ルベース OPC処理)を行う。具体的には、ステップ S8において、光学原理及びレジ スト現像特性並びに必要であればエッチング特性等を考慮したシミュレーションによ つて、本発明のフォトマスクにより形成されるレジストパターンの寸法(正確にはレジス
ト非感光領域の寸法)を予測する。続いて、ステップ S9において、予測されたパター ンの寸法が所望のターゲットパターンの寸法と一致して 、るかどうかを調べる。一致し ない場合、ステップ S10において、パターンの予測寸法と所望の寸法との差に基づき CD調整エッジ 731〜733を移動させることによって、マスクパターンの外形領域に配 置された半遮光部 723の外形形状を変形させ、それによりマスクパターンの変形を行
[0212] ここで、本実施形態の特徴は、マスクパターン内部に設ける位相シフタ一部及び遮 光部のそれぞれの形状をステップ S3で所望のパターン寸法に応じて決定し、マスク パターン外形領域を構成する半遮光部の形状のみをステップ S8〜S10で変化させ ることにより、所望の寸法を持つパターンを形成できるマスクパターンを実現すること である。すなわち、ステップ S8〜S10を、パターンの予測寸法と所望の寸法とがー致 するまで繰り返すことにより、最終的にステップ S11において、所望の寸法を持つパ ターンを形成できるマスクパターンを出力する。図 35は、ステップ S11で出力された マスクパターンの一例を示している。図 35に示すように、位相シフタ一部 821、遮光 部 822、半遮光部 823〜825のそれぞれとなる領域を表すパターンデータの作成が 行われている。
[0213] 以上に説明した、本実施形態に係るマスクデータ作成方法により作成されたマスク パターンを備えた本発明のフォトマスクを用いて、レジストが塗布されたウェハに対し て露光を行うと、次のような効果が得られる。すなわち、マスクパターンの外形領域又 はその周辺に半遮光部を設けることにより、細線パターンを含む様々な寸法を有する パターンを同時に形成する際に、任意の寸法のパターンの形成に対して MEFの低 減が可能となるので、所望の寸法のパターンをウェハ上に精度良く形成することがで きる。
[0214] また、本実施形態によると、本発明のフォトマスクにおいてはマスクパターン外形領 域に対する MEFが低減されているため、 OPC処理におけるマスク寸法の補正誤差 に起因して発生するウェハ上の CD値の形成誤差を低減することができる。
[0215] 尚、本実施形態において、透過型のフォトマスクを対象として説明を行ってきたが、 本発明はこれに限定されるものではなぐ例えば透過率を反射率と読み替える等して
、露光光の透過現象を全て反射現象に置き換えて考えれば、反射型マスクを対象と した場合にも、本実施形態と同様のマスクデータ作成を行うことができることは言うま でもない。
産業上の利用可能性
以上に説明したように、本発明はフォトマスク、そのフォトマスクを用いたパターン形 成方法及びマスクデータ作成方法に関し、半導体集積回路装置等の製造に用いら れる微細パターン形成に適用した場合に非常に有用である。