WO2007100152A1

WO2007100152A1 - 埋設アンカー中の引張部材の切断装置及び切断方法

Info

Publication number: WO2007100152A1
Application number: PCT/JP2007/054602
Authority: WO
Inventors: Yoshishige Honjo
Original assignee: PONTI NONAKA, Yukiko
Priority date: 2006-03-02
Filing date: 2007-03-02
Publication date: 2007-09-07

Abstract

アンカー（１）の引張部材（２）の除去を簡易容易に行える埋設アンカー（１）の中の引張部材（２）の切断装置及び切断方法を提供する。　埋設された強磁性体からなるアンカー（１）の引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材（２）の切断装置において、同所定切断位置のアンカー（１）の引張部材（２）の外周に巻回して設けられたコイル（８，８’）と、また外部から同コイル（８，８’）に周波数５～４０ｋＨｚ、電圧３００～９００Ｖ，又は周波数１０～２０ｋＨｚ，電圧２５０から５００Ｖの高周波電流を供給する高周波電流供給手段を設けてなる埋設アンカー中の引張部材（２）の切断装置と、同装置によってコイル（８，８’）が巻回された部分の引張部材（２）を高周波加熱によって溶断する埋設アンカー（１）中の引張部材（２）の切断方法による。

Description

埋設アンカー中の引張部材の切断装置及ぴ切断方法技術分野

本発明は、地中に埋設されたアンカー中の引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断装置及び切断方法に係り、特にアンカー中に配設されている強磁性体からなる引張部材の所定位置に高周波電流を供給し、強磁性体の引張部材を加熱して切断する装置及び方法を提供するものである。背景技術

従来、除去式アンカ一においては、引張部材であるアンポンド鋼線（通常、鋼線としては強磁性体である P C鋼より線が用いられる）を地中の耐荷体で U ターンさせておき、その除去の際にはその片側の先端を引っ張って引き抜く方法が一般的であり、また、耐荷体にくさびを備えておき、引張部材である P C 鋼より線の先端を前記くさびで把持して緊張し、除去の際には前記 P C鋼より線を押し込むことによってくさびの把持力を開放し簡単に引き抜けるるようにしたものもあった。しかし、地中の耐荷体で Uターンさせたアンボンド鋼線を引き抜く方法は、除去に大形クレーンを必要とし、引抜時には円滑に引き抜くためあらかじめシース内に充填されていたグリースが飛び散り、また除去後の鋼線はバラバラになって産業廃棄物としての処理がやっかいなものとなっていた。

また、耐荷体のくさびによって P C鋼より線を把持する方法は、引抜作業は簡単だが構造が複雑でコストが高いという問題がある。

本発明は上記諜題を解決するもので、電気エネルギーを用いることにより、アンカー中の鋼製の引張部林を、所定の位置において短時間で確実に切断して引き抜くことができるようにするものである。発明の開示

上記の課題は、下記構成の本発明により解決される。

( 1 ) . 埋設アンカー中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカ一中の引張部材の切断装置において、同所定切断位置のアンカ一の引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 5〜1 0 0 k H z、電圧 1 0 0〜 9 0 0 Vの高周波電流を供給する高周波電流供給手段を設けてなることを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断装置。 (2) . 埋設アンカー中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカ一中の引張部材の切断装置において、同所定切断位置のアンカーの引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 10〜50 kHz、電圧 200〜500 Vの高周波電流を供給する高周波電流供給手段を設けてなることを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断装置。

(3) . 埋設アンカ一中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断方法において、同所定切断位置のアンカーの引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 5〜100 kHz、電圧 100〜 900 Vの高周波電流を供給することによって、埋設されたアンカーの引張部材を所定位置で高周波誘導加熱により高温に加熱して切断することを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断方法。 '

(4) . 埋設アンカー中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカ一中の引張部材の切断方法において、同所定切断位置のァンカ一の弓 ί張部材の外周に巻設された加熱コィルに対して周波数 10〜 50 kHz、電圧 200〜 500 Vの高周波電流を供給することによって、埋設されたァンカ一の引張部材を所定位置で高周波誘導加熱により高温に加熱して切断することを特徴とする埋設アンカ一中の引張部材の切断方法。

(5) . 埋設アンカー中に 400〜： 000 kNの緊張力が付与されて配設されている、強磁性体の PC鋼より線からなるアンカーの引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断方法において、所定切断位置の P C 鋼より線からなる引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 10 ~50 kHz、電圧 200〜500 Vの高周波電流を前記コイルに 10〜60 秒間供給する.ことにより前記 PC鋼より線を 400〜800でに加熱して破断

•切断することを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断方法。本発明によれば下記のような効果が発揮される。 ' (ァ）地中に埋設されたアンカ一中の引張部材を所定位置において短時間で容易に切断できるので、切断後直線的に引き抜け、引抜作業に大型クレーンなどを必要とせず、人手による作業も可能になる。

(ィ）引張部材を耐荷体で U夕一ンさせたアンカーにおいても、切断位置を、耐荷体近傍に設置した本発明の切断装置によって 2本に切断すれば、容易に引き抜くことができ、シース内にグリースを充填しておく必要がなく、工事費が軽減できる。図面の簡単な説明

第 1図は本発明の埋設アンカー中の引張部材の切断装置及び切断方法の説明図である。

第 2図は埋設アンカー中の引張部材の切断装置の配置が第 1図と異なる実施例の説明図である。

第 3図は切断部の詳細斜視図である。符号の説明

1 ：アンカ一

2 ：引張部材としての P C鋼より線

3 ：支圧板

4 ：定着具

5 ：耐荷体

6 ：高周波発振器

7 ：高周波変流器

8、 8 '：加熱コイル

9 ：フィーダ一

1 0 ：ボリエチレンシース発明を実施するための最良の形態

本発明を実施するための最良の方法を実施例の図に基づいて説明する。第 1図は本発明の埋設アンカ一中の引張部材の切断装置及び切断方法の説明図、第 2図は埋設アンカー中の引張部材の切断装置の配置が第 1図と異なる実施例の説明図、第 3図は切断部の詳細斜視図である。

図において 1はアンカー、 2は引張部材としての P C鋼、 3は支圧板、 4は定着具、 5は耐荷体、 6は高周波発振器、 7は高周波変流器、 8は加熱コイル、

9はフィーダ一、 1 0はポリエチレンシースを示す。本発明の埋設アンカー中の引張部材の切断装置は、第 1図に示すように、埋設された強磁性体からなるアンカーの引張部材である P C鋼より線 2の外周に巻回して設けられた加熱コイル 8と、外部に設置され周波数 5〜100 kHz、電圧100〜900¥、特に好ましくは周波数 10〜50 kHz、電圧 200 〜 500 Vの高周波を発生する高周波発振器 6と、前記高周波発振器 6の出力インピーダンスと前記加熱コイル 8のインピーダンスとの整合を図る高周波変流器 7とで構成されている。

高周波発振器 6で発生した前記高周波電流は、フィーダ一 9を介して高周波変流器 7に送られる。この高周波変流器 7は、加熱コイル 8の巻数が少なくそのインピーダンスが高周波発振器 6の出力インピーダンスより.低い場合に、両者のインピーダンスを整合させるトランスであって、高周波発振器 6で発生した高周波エネルギーを加熱コィル 8に効率よく伝達するために用いられている。 . 加熱コイル 8に供給された高周波電流は、前記加熱コイル 8と同加熱コイル 8で巻回された P C鋼より線 2と間の電磁効果によって前記 PC鋼より線 2 内に高周波電 Iを誘起し、 P C鋼より線 2の抵抗 Rにより PC鋼より線 2内で I ²Rのジュール熱を発生する。

加熱コイル 8は銅など抵抗値の電気抵抗の小さな素材で作られているので、前記加熱コイルに流れる高周波電流は極めて大きく、電磁誘導によって生じる PC鋼より線 2内を流れる高周波電流も大きくなり、 PC鋼より線 2内で発生する熱量も大きく、 PC鋼より線 2はその熱で溶断される。この場合、埋設アンカ一中の PC鋼より線 2には強大な引張力がかかっているため、例えば直径 12. 7mmのPC鋼ょり線l本当たり 60〜100kN の緊張力が付与されている P C鋼より線 2が昇温して赤くなつて、その引張強度が弱くなつてくると、溶融温度よりも数百で低い温度、例えば 400〜80 οτで破断される。

実験によれば、周波数 10〜60¾:112、電圧200~500¥、 2〜6Κ Wの高周波電流を加熱コイル 8に 10〜60秒間供給するだけで、直径 12. 7 mmの PC鋼より線 2を 2本配置した引張部材が、 400〜800 に加熱され、容易に破断して切断される。第 1図では、ボリエチレンシ一ス 10内に挿入された PC鋼より線 1本ごとにその外周に加熱コイル 8、 8 ' を巻回した例を示したが、第 2図に示すように複数本の PC鋼より線 2の外側に加熱コイルを巻回する埋設アンカー中の引張部材の切断装置であつてもよい。 ' また、第 1図に示した 2本の P C鋼より線 2が、耐荷体 5で Uターンしているものであっても、第 1図のように耐荷体 5近辺に加熱コイル 8、 8 ' を設ければ、上記説明通りの作用によって P C鋼より線 2は切断され、容易に引き抜くことができるようになる。なお、この場合には第 1図に示す 2つの加熱コイル 8、 8 ' のいずれか 1つを削除することもできる。

さらに、本発明においては、第 3図に示すように、 P C鋼より線 2を保護しているポリエチレン等の樹脂製シース 1 0は絶縁体であるため、加熱コイル 8 と P C鋼より線 2との接触を防止する役割を果たしている。

Claims

請求の範囲

1. 埋設アンカ一中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断装置において、同所定切断位置のアンカーの引張部材の外周に巻設された加熱 jィルに対して周波数 5 ~100 kHz, 電圧 100〜 900 Vの高周波電流を供給する高周波電流换給手段を設けてなることを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断装置。

2. 埋設アンカー中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカ一中の引張部材の切断装置において、同所定切断位置のアンカ一の引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 10〜 50 kHz、電圧 200〜 500 Vの高周波電流を供給する高周波電流供給手段を設けてなることを特徴とする埋設アンカ一中の引張部材の切断装置。 '

3. 埋設アンカー中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断方法において、同所定切断位置のアンカ一の引張部材の外周に卷設された加熱コイルに対して周波数 5 ~100 kHz, 電圧 100〜900 Vの高周波電流を供給することによって、埋設されたアンカーの引張部材を所定位置で高周波誘導加熱により高温に加熱して切断することを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断方法。

4. 埋設アンカ一中に緊張力が付与されて配設されている、強磁性体からなる引張部材を所定位置で切断する埋設アンカ一中の引張部材の切断方法において、同所定切断位置のアンカ一の引張部材の外周に巻設された加熱コイルに対して周波数 10-50 kHz, 電圧 200〜 500 Vの高周波電流を供給することによって、埋設されたアンカ一の引張部材を所定位置で高周波誘導加熱により高温に加熱して切断することを特徴とする埋設アンカー中の引張部材の切断方法。

5. 埋設アンカー中に 400〜1000 の緊張力が付与されて配設されている、強磁性体の PC鋼より線からなるアンカの引張部材を所定位置で切断する埋設アンカー中の引張部材の切断方法において、所定切断位置の P C鋼より線からなる引張部材の外周に卷設された加熱コイルに対して周波数 10〜5 0 kHz, 電圧 200〜500Vの高周波電流を前記コイルに 10〜60秒間供給することにより前記 PC鋼より線を 400〜800でに加熱して破断 ·切断することを特徴とする埋設アンカ一中の引張部材の切断方法。