WO2007043187A9

WO2007043187A9 - チャックテープ及びチャックテープを備えた密封袋

Info

Publication number: WO2007043187A9
Application number: PCT/JP2005/020174
Authority: WO
Inventors: Kazuya Tanaka; Masao Nagashima
Original assignee: Compac Japan Ltd; Misumaru Sangyo Co Ltd; Yugen Kaisha Senpuku Sougyou; Essere Corp; Kazuya Tanaka; Masao Nagashima
Priority date: 2005-10-04
Filing date: 2005-11-02
Publication date: 2007-05-31
Also published as: JP3117351U; WO2007043187A1

Abstract

　雄用帯状基部１１に連結部１２を介して頭部１３が形成された雄部材１と、雌用帯状基部２１に内側鉤爪２２と外側鉤爪２３が形成された雌如材２とを備え、前記頭部１３が前記内側鉤爪２２と前記外側鉤爪２３に咬合可能なチャックテープにおいて、前記雄部材１と前記雌部材２とが咬合状態で、少なくとも前記内側鉤爪２２の頂部２２ａと前記雄用帯状基部１１とを当接させたことを特徴とするチャックテープを提供する。これにより、このチャックテープを使用した袋体においては、開封時に内容物、特には粉体、粒状物等が雌部材２内に入り込まず、再封鎖時に雄部材１と雌部材２との咬合が確実に行える。

Description

明細書

チャックテープ及びチャックテープを備えた密封袋

技術分野

[0001] 本願発明は、合成樹脂製袋体の開口部に取り付けられ、開口部を開閉自在に咬合するチャックテープ及びチャックテープを備えた密封袋に関するものである。

背景技術

[0002] 特許文献 1 :なし

[0003] 従来、合成樹脂製袋体の開口部に、同じく合成樹脂製の帯状のチャックテープを取り付けることにより、開閉自在とした密封袋が多数使用されている。この密封袋としては、一般的に内容物側からは容易に開かず、外側からは簡単に開けられるチヤックテープが使用され、袋体内部の圧力でチャックテープが開封せず、内容物が袋体力もこぼれ出る心配がな、チャックテープが種々提案されて!、る。

[0004] このようなチャックテープの一例としては、図 10に示すように、雄用帯状基部 11に連結部 12を介して略矢尻状の頭部 13を突出して一体成形した雄部材 1と、雌用帯状基部 21に凹部 24を形成する内側鉤爪 22と外側鉤爪 23とを突出して一体成形した雌部材 2から成る。そして、雄部材 1と雌部材 2が咬合状態においては、雌部材 2の内側鉤爪 22が外側鉤爪 23よりも深く雄部材 1の頭部 13と咬合しており、内容物が入る内側からは容易に開封できず、外側からは簡単に開封できる構成になっている。

[0005] また、袋体の密封性を要求されるチャックテープとしては、雄部材 1と雌部材 2が咬合状態において、雄部材 1の頭部 13の表面と雌部材 2の凹部 24の表面とを密着させることにより、袋体の密封性を確保するようにしてヽた。

[0006] し力しながら、上記従来のチャックテープでは、咬合状態において、内側鉤爪 22の頂部 22aと雄用帯状基部 11との間に間隔 Xが生じてしまう。つまり、内容物が入る内側の咬合状態を深くしているため、雄部材 1の頭部 13が雌部材 2の内側鉤爪 22と咬合させるには、咬合するまで頭部 13を押し込む必要があり、内側鉤爪 22の頂部 22a が雄部材 1の雄用帯状基部 11に当接しないようにさせていた。従って、完全に雄部材 1と雌部材 2が咬合した状態ではどうしても内側鉤爪 22の頂部 22aと雄用帯状基部 11との間に間隔 Xが生じているため、この手のチャックテープを取り付けた袋体内の内容物、特に粉体、粒状物等がこの隙間 Xの奥に入り込み、それが袋を開封した際に雌部材 2の凹部 24内まで入り込み、この入り込んだ内容物が邪魔になりチャックテープの再封鎖ができな、と、う問題点を有して、た。

[0007] また、従来の袋体に密封性を有するチャックテープにおいては、雄部材 1の頭部 13 の表面と雌部材 2の凹部 24の表面とが密着しているだけであるため、袋体の内圧が高くなると、内圧が密着した頭部 13の表面と凹部 24の表面の間に直接作用し、密着状態が解除され易ぐ充分な密封性を確保できな、と、う問題点を有して、た。

[0008] 本願発明は、上記問題点に鑑み、これを解消するものであり、チャックテープを開封しても袋体内の内容物がチャックテープの雌部材 2の凹部 24内に入り込まず、確実に再封鎖できるチャックテープを提供することを目的とする。

[0009] 本願発明の他の目的は、袋体内の密封性を充分確保できるチャックテープを提供することである。

発明の開示

[0010] 上記課題を解決するために、本願の請求項 1に記載の発明は、雄用帯状基部 11 に連結部 12を介して頭部 13が形成された雄部材 1と、雌用帯状基部 21に内側鉤爪 22と外側鉤爪 23が形成された雌如材 2とを備え、前記頭部 13が前記内側鉤爪 22と前記外側鉤爪 23に咬合可能なチャックテープにおいて、前記雄部材 1と前記雌部材 2とが咬合状態で、少なくとも前記内側鉤爪 22の頂部 22aと前記雄用帯状基部 11 とを当接させたことを特徴とするチャックテープを提供する。

[0011] また、本願の請求項 2に記載の発明は、前記内側鉤爪 22の前記頂部 22aが、前記外側鉤爪 23の頂部 23aよりも高くした請求項 1記載のチャックテープを提供する。

[0012] また、本願の請求項 3に記載の発明は、前記内側鉤爪 22の前記頂部 22aが、弾性変形可能な接触帯片 22bを突出して成る請求項 1記載のチャックテープを提供する

[0013] また、本願の請求項 4に記載の発明は、前記内側鉤爪 22の頭部 22aと、前記外側鉤爪 23の頂部 23aとの両方を前記雄用帯状基部 11と当接させた請求項 1記載のチャックテープを提供する。 [0014] また、本願の請求項 5に記載の発明は、前記内側鉤爪 22の前記頂部 22aと、前記外側鉤爪 23の前記頂部 23aが、弾性変形可能な接触帯片 22b、 23bをそれぞれ突出して成る請求項 4記載のチャックテープを提供する。

[0015] また、本願の請求項 6に記載の発明は、前記雌部材 2は、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23との間で前記頭部 13を受容する凹部 24を備え、この凹部 24の表面 25と頭部 13 の表面 16とを密着させた請求項 1又は 4記載のチャックテープを提供する。

[0016] また、本願の請求項 7に記載の発明は、前記頭部 13と前記雌部材 2の凹部 24とのいずれか一方には、チャックテープの長手方向に沿う凹条 13a, 24bが設けられ、他方には、当該凹条 13a, 24bに当接可能な凸条 24a, 13bが設けられたものであることを特徴とする請求項 1〜6のいずれかに記載のチャックテープを提供する。

[0017] また、本願の請求項 8に記載の発明は、合成樹脂製の袋体であって、開口部に取り付けられることにより、開口部を開閉自在に咬合するチャックテープとして、請求項 1 〜7のいずれか〖こ記載のチャックテープが用いられたことを特徴とする密封袋を提供する。

[0018] なお、本願発明でいう咬合状態とは、雄部材 1の頭部 13が雌部材 2の凹部 24内に嵌入し、且つ、雄部材 1の内側係止部 14と雌部材 2の内側鉤爪 22、雄部材 1の外側係止部 15と雌部材 2の外側鉤爪 23とがそれぞれ咬合し、雄部材 1と雌部材 2が互いに嚙み合った状態で結合した状態を、う。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]本願発明に係るチャックテープの咬合状態を示す断面視における説明図である。

[図 2]本願発明に係るチャックテープの分離状態の断面視における説明図である。

[図 3]本願発明に係るチャックテープの雌部材における他の実施形態を示す断面視における説明図である。

[図 4] (A)〜 (C)共、本願発明に係るチャックテープの他の実施形態における咬合する際の断面視における説明図である。

[図 5]本願発明に係るチャックテープの他の実施形態の咬合状態を示す断面視における説明図である。 [図 6]本願発明に係るチャックテープの他の実施形態の咬合状態を示す断面視における説明図である。

[図 7]本願発明に係るチャックテープの他の実施形態を示す断面視における説明図であり、（A)は雄部材を示し、（B)は雌部材を示し、（C)は両者の咬合状態を示す。

[図 8]本願発明に係るチャックテープの他の実施形態を示す断面視における説明図であり、（A)は雄部材を示し、（B)は雌部材を示し、（C)は両者の咬合状態を示す。

[図 9]本願発明に係るチャックテープの雌部材における他の実施形態を示す断面視における説明図である。

[図 10]従来のチャックテープの断面視における説明図である。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下、本願発明の実施形態につき説明する。先ず図について説明すると、図 1は本願発明に係るチャックテープの咬合状態を示す説明図、図 2は同チャックテープの分離状態の説明図、図 3は同チャックテープの雌部材における他の実施形態を示す説明図、図 4は同チャックテープの他の実施形態における咬合する際の説明図、図 5 〜図 8は本願発明に係るチャックテープの他の実施形態を示す説明図、図 9は本願発明に係るチャックテープの雌部材における他の実施形態を示す説明図、図 10は従来のチャックテープの説明図である。

[0021] 図 1及び図 2に示すように、 1は雄用帯状基部 11の片側表面から突出した連結部 1 2を介して頭部 13を一体形成させた雄部材であり、頭部 13のうち図示左右両側には、突出する内側係止部 14と外側係止部 15とを形成している。雄部材 1の材質は従来力も用いられているものと同様の合成樹脂製である。そして、雄用帯状基部 11は、開口時における袋体の変形により、容易に変形しない程度の剛性を有するものとされる。上記の連結部 12及び頭部 13の形成は、雄用帯状基部 11の長手方向に沿ってなされる。また、チャックテープを袋体に取り付けた際には、内側係止部 14が袋体の内側寄りに配位される。

[0022] 2は雌用帯状基部 21の片側表面力突出し、互いが向き合うように湾曲して形成された、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23を形成した雌部材であり、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23とで囲まれた空間が凹部 24である。雌部材 2の材質は従来力も用いられているものと同様の合成樹脂製である。そして、雌用帯状基部 21は、開口時における袋体の変形により、容易に変形しない程度の剛性を有するものとされる。上記の内側鉤爪 2 2及び外側鉤爪 23の形成は、雌用帯状基部 21の長手方向に沿ってなされる。また、チャックテープを袋体に取り付けた際には、内側鉤爪 22が袋体の内側寄りに配位される。

[0023] なお、図 1に示したものにおいては、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23との間の距離よりも連結部 12の図示左右方向の幅寸法が小さく形成されている力これに限られず、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23との間の距離よりも連結部 12の図示左右方向の幅寸法が大きく形成されたものであっても良い。この場合、連結部 12の図示左右方向の幅寸法は、内側鉤爪 22と外側鉤爪 23との間の距離を基準として 5〜15%大きくすることが望ましぐこのようにすることで、内側鉤爪 22及び外側鉤爪 23と連結部 12との間でも密封性を有するものとできる。

[0024] 内側鉤爪 22は、凹部 24の図示上部において庇状に伸長した内側係止部 22cを有する。そして、外側鉤爪 23は、同じく凹部 24の図示上部において庇状に伸長した外側係止部 23cを有する。図 1に示すように、この内側係止部 22cと雄部材 1の内側係止部 14とが係合し、外側係止部 23cと雄部材 1の外側係止部 15とが係合することにより、雄部材 1と雌部材 2とは咬合可能とされている。

[0025] そして、雄部材 1と雌部材 2とは、咬合状態において、内容物が入る側の咬合状態を強固にするため、雄部材 1の内側係止部 14と雌部材 2の内側鉤爪 22 (内側係止部 22c)との咬合を、外側係止部 15と外側鉤爪 23 (外側係止部 23c)の咬合よりも深くしている。つまり、雄部材 1では内側係止部 14を外側係止部 15よりも長くし、雌部材 2 では内側鉤爪 22を外側鉤爪 23よりも長くしているのである。

[0026] この実施形態では、雄部材 1の内側係止部 14の先端の位置（図 1に示した上端位置） 1S 頭部 13の先端力もの距離で表現した場合、外側係止部 15の同位置よりも 10 %〜20%大きくなるように形成されている力これに限られず、咬合状態において、内容物が入る側の咬合状態をどの程度強固にするかに応じ、内側係止部 14の形態は適宜変更し得る。

[0027] また、少なくとも内側鉤爪 22の頂部 22aは上方に適宜伸長させたものである。この伸長は頂部 22aを右斜め上方にするのが好ましぐ伸長の高さとしては、雄部材 1と雌部材 2とが咬合状態で頂部 22aが雄用帯状基部 11と当接する高さに設定される。この頂部 22aの高さは、余り高過ぎると雄部材 1と雌部材 2との咬合状態ができなくなり、反対に低過ぎると、咬合状態で頂部 22aと雄用帯状基部 11とが当接できずに間隔ができる。従って、頂部 22aの高さの設定は、重要であり、特に雄部材 1の内側係止部 14と雌部材 2の内側鉤爪 22とが咬合する深さの度合によっても変わるので、これらを含めて咬合状態で丁度当接する高さに設定するのがよい。

[0028] ここで、請求項 2に記載のチャックテープの構造においては、図 1に示すように、雌部材 2の内側鉤爪 22の頂部 22aを外側鉤爪 23の頂部 23aよりも高くし、雄部材 1と雌部材 2との咬合状態で内側鉤爪 22のみが雄用帯状基部 11と当接するようにさせている。

[0029] また、請求項 3に記載のチャックテープの構造においては、図 3、 5に示すように、雌部材 2の内側鉤爪 22の頂部 22aが、弾性変形可能な接触帯片 26を一体成形にて突出させている。

[0030] 頂部 22aの一部であるこの接触帯片 22bは弾性変形可能なことが条件であり、しかも通常雌部材 2はこの接触帯片 22bを含め押出成形にて一体成形されるため、材質的にもよるが、薄いと弾性が弱ぐ反対に余り厚いと変形が困難となる。従って、接触帯片 22bの厚さは、雄部材 1と雌部材 2とを咬合させる際に弾性変形可能な厚さに設定される。また、接触帯片 22bの高さは、弾性変形が可能なため、雄部材 1と雌部材 2との咬合状態で雄用帯状基部 11と充分当接する高さとすればよい。また、接触帯片 22bは頂部 22aから内容物（図示右側）に適宜傾斜させて上方に突出させるのがよぐこの場合には、図 5に示すように、接触帯片 22bが内容物側に曲って雄用帯状基部 11と当接し、内容物側のシール効果を高めるために好まし!/、。

[0031] 次に図 4を基に本願発明の雄部材 1と雌部材 2との咬合する際の状態を説明する。

[0032] 先ず、図 4の (A)に示す如ぐ咬合する際に雄部材 1の頭部 13が雌部材 2の内外側の両鉤爪 22, 23間に入り込むと、両鉤爪 22, 23は外側に開き、雄部材 1が雌部材 2の凹部 24内に挿入する態勢となる。

[0033] そして、図 4の（B)に示すように、次いで、雄部材 1の頭部 13が雌部材 2の凹部 24 内に進入し、雄部材 1の頭部 13が内側鉤爪 22を更に外側に広げるため、雌部材 2 の頂部 22aは円弧状軌跡を描いて外側に移動するので、雄用帯状基部 11に当接せずに外側にずれて移動する。従って、雄部材 1の頭部 13が雌部材 2内に更に挿入される。

[0034] やがて、図 4の（C)に示すように、雄部材 1の頭部 13の内外側の両係止部 14, 15 と、雌部材 2の内外側の両鉤爪 22, 23とが咬合可能な状態となり、この時点で押圧を中止すると、雌部材 2の外側に開いた内外側の両鉤爪 22, 23が内側に戻り、雌部材 2の内側係止部 22cと雄部材 1の内側係止部 14とが係合し、雌部材 2の外側係止部 23cと雄部材 1の外側係止部 15とが係合し、雄部材 1と雌部材 2とが咬合状態となる。この際に、内側鉤爪 22の頂部 22aは雄用帯状基部 11と当接しながら内側にずれながら移動し止まる。

[0035] この咬合状態が完了して袋体等が封鎖された状態においてのチャックテープは、内容物側は雄用帯状基部 11に内側鉤爪 22の頂部 22aが当接されて封鎖されているため内容物がそれ以上頂部 22aより外側に移動されず、雄部材 1の連結部 12の内側に留まることがなぐ従って、袋を開封した際に内容物が雌部材 2内に入り込むことがないのである。また、雄部材 1と雌部材 2とが咬合した状態では、雄部材 1と雌部材 2とがロックした状態となり、図示上下方向の移動がないため、常時頂部 22aは雄用帯状基部 11と当接し、内容物が入り込む余地もないのである。

[0036] なお、上記咬合状態において、雄部材 1の内側係止部 14が内側鉤爪 22を図示上方に押圧することにより、雄用帯状基部 11と内側鉤爪 22の頂部 22aとの間の当接がより強められ、両者が密着するものとしても良い。

[0037] また、本願発明の請求項 4に記載のチャックテープの構造においては、図 6に示すように、雄部材 1の外側鉤爪 23の頂部 23aを内側鉤爪 22の頂部 22aと同じ高さにしている。そして、雄部材 1と雌部材 2との咬合状態において、両頂部 22a, 23aの両方を雄用帯状基部 11と当接させている。これにより、咬合状態では、雄用帯状基部 11 は両頂部 22a, 23aの両方が当接しているため、雄用帯状基部 11と雌用帯状基部 2 1とが平行状態を維持する。このことから、両帯状基部 11, 21の外側表面である、袋体の基材フィルムに対する融着面も融着時の押圧に対して安定した平行状態を保ち、袋体との融着を確実に行える。

[0038] また、本願発明の請求項 5に記載のチャックテープの構造では、図 9に示すように雄部材 1の両頂部 22a, 23aが弾性変形可能な接触帯片 22b, 23bをそれぞれ突出して形成している。これにより両頂部 22a, 23aが弾性変形するため、雄用帯状基部 11と当接させるのに寸法的な設定が簡単となり、且つ、当接状態においても、常時弾性的に当接しているため、雄用帯状基部 11が動いても当接を維持し、雄用帯状基部 11と雌用帯状基部 21との平行状態も維持される。

[0039] また、本願発明の請求項 6に記載のチャックテープの構造では、図 6に示すように、雄部材 1の頭部 13を雌部材 2の凹部 24の表面 25と同形状に形成し、咬合状態で頭部 13の表面 16と凹部 24の表面 25とが密着するようにさせ、この部分の密封性を有し、これと前記した頂部 22aの当接する密封性の 2段階での密封性により、袋体の内圧に対し、強力なシール効果を発揮するのである。

[0040] ここで、上記のように咬合状態で頭部 13の表面 16と凹部 24の表面 25とが密着するようにされた構造につき、図 7の (A)に示すように、頭部 13の先端に、チャックテープの長手方向に沿う凹条 13aが設けられ、図 7の（B)に示すように、雌部材 2の鉤爪内面 25に、当該凹条 13aに当接可能な凸条 24aが設けられたもの、あるいはその逆で、図 8の（A)に示すように、雌部材 2の凹部 24の表面 25に、チャックテープの長手方向に沿う凹条 24bが設けられ、図 8の（B)に示すように、頭部 13に、当該凹条 24b に当接可能な凸条 13bが設けられたものとするのがより望ましい。なお、この例では、頭部 13の先端に凹条 13aあるいは凸条 13bが設けられたものとしたが、先端以外の頭部 13の側方に設けたものであっても良い。また、この例では、頭部 13に設けられた凹条 13aあるいは凸条 13bは 1本であるが、 2本以上の複数を設けても良、。

[0041] ここで、図 7に示した凹条 13aと凸条 24a、そして図 8に示した凹条 24bと凸条 13bとは、それぞれが同一の曲率半径の湾曲面を有するものとされている力実際には押出成形時の膨張や変形を見込み、凹条 13a, 24bの曲率半径に比べ、凸条 24a, 1 3bの曲率半径が 10%〜20%小さくなるように形成される。

[0042] 上記のような構造により、図 7の（C)及び図 8の（C)に示すように、凹条 13a, 24bと凸条 24a, 13bとが有する湾曲面をもって、上記の頭部 13と凹部 24の表面 25との間が密着するものとできる。

[0043] つまり、図 6に示すものでは、咬合状態で頭部 13と凹部 24の表面 25との密着が単一の湾曲面でなされるものであるため、実際に袋体にチャックテープが取り付けられた際において、例えばチャックテープがよじれた場合、この密着が解除されて密封性が低下してしまうことがあった。これに対し、図 7及び図 8に示した構造では、頭部 13 と凹部 24の表面 25との密着力上記の湾曲面に加え、凹条 13a, 24bと凸条 24a, 1 3bとが有する湾曲面においても、頭部 13と凹部 24の表面 25との間の密着がなされるものとできる。これにより、密封性の低下がより起こりにくいという効果を有する。

[0044] また、上記効果に加え、この構造は、咬合時における雄部材 1と雌部材 2との間の図示左右方向のずれを防止できるという効果も有する。また、製袋時において、雄用帯状基部 11と雌用帯状基部 21とが熱シール装置で押圧された場合でも、この凹条 13a, 24bと凸条 24a, 13bとが変形することによりクッション作用を発揮し、これにより融着面の全面を基材フィルムに対し、確実に融着することができ、融着の安定性を確保できる。

[0045] なお、この図 7及び図 8に示した実施例では、図 6に示すように、雄部材 1の頭部 13 が雌部材 2の鉤爪内面 25とほぼ同形状とされたものに、凹条 13a, 24bと凸条 24a, 13bとが設けられたものとした力形態はこれに限られるものではなぐ雄部材 1の頭部 13が雌部材 2の鉤爪内面 25との間に隙間を有するものであって、凹条 13a, 24b と凸条 24a, 13bとが設けられたものであっても良い。

[0046] 上記のように、本願発明に係るチャックテープは種々の構成をとることができる。そしてこのチャックテープは、合成樹脂製袋体の開口部に取り付けられる。具体的には、この開口部を構成する、対向して配位された基材フィルムのうち一方の内側面に雄部材 1が、他方の内側面に雌部材 2が融着により取り付けられる。このようにしてチヤックテープが取り付けられた袋体である密封袋は、開口部以外は（逆止弁などの通気路が別途設けられた場合はその部分を除き）、通気不能とされており、チャックテープの雄部材 1と雌部材 2との咬合がなされた後は、袋内部の密閉状態が維持できるようにされる。本願発明に係るチャックテープは、上記のような種々の効果を有するものであるから、このチャックテープが取り付けられた密封袋もまた、同一の効果を有し、密封性に優れたものとできる。

[0047] 本願発明は、下記の優れた効果を有する。

[0048] 本願発明は、雄部材 1と雌部材 2とが咬合状態で、内側鉤爪 22の頂部 22aと前記雄用帯状基部 11とを当接させたことにより、このチャックテープを使用した袋体においては、開封時に内容物、特には粉体、粒状物等が雌部材 2内に入り込まず、再封鎖時に雄部材 1と雌部材 2との咬合が確実に行える。

[0049] また、雌部材 2の凹部 24内に内容物が入り込まないため、再封鎖時に内容物で雄部材 1と雌部材 2を損傷させることがなぐ開閉繰作が繰り返し行え、耐久性の向上をもたらす。

[0050] 更に、内側鉤爪 22が、その頂部 22aに弾性変形可能な接触帯片 22bを突出して一体形成したことにより、雄部材 1と雌部材 2を咬合する際に、頂部 22aの接触帯片 2 2bが弾性変形するため、容易に雄部材 1を雌部材 2内に挿入でき、確実に咬合できる。且つ雄部材 1と雌部材 2とが咬合した状態においては、接触帯片 22bが弾性で元に戻り、雄用帯状基部 11と当接した状態を保ち、内容物が雌部材 2内に入り込むのを防止する役目を成す。

[0051] そして特に、本願の請求項 4に記載の発明においては、一般に、咬合状態でのチャックテープを袋体に接着させる際に、雄用帯状基部 11と雌用帯状基部 21の外側融着面に袋体の基材フィルムを熱シール装置に通して熱融着させるが、頂部 22aと頂部 23aの両方を雄用帯状基部 11と当接させたことにより、雄用帯状基部 11と雌用帯状基部 21は熱シール装置で押圧されても平行状態を維持すると共に、厚みの変動もなぐ一定の押圧力で融着面の全面を基材フィルムに対し、確実に融着することができ、融着の安定性を確保できる。

[0052] 更に、本願の請求項 6に記載の発明においては、少なくとも、内側鉤爪 22の頂部 2 2aと雄用帯状基部 11とを当接させ、更に頭部 13の表面 16を凹部 24の表面 25と密着させたことにより、 2段階の密封手段を有し、袋体内の内圧が頂部 22aと雄用帯状基部 11との当接部分で相当減圧され、頭部 13の表面 16と凹部 24の表面 25とが密着した部分には内圧が余り加わらないので、密封性が保たれる。つまり、本願発明では上記 2段階の密封手段を有しており、これにより確実に密封性を高めている。特に、頂部 22aが接触帯片 22bに形成したものは、その第 1段階での密封性が高ぐ後の頭部 13の表面 16が凹部 24の表面 25と密着させた第 2段階での密封性と合せてより強力な密封性を有する。

[0053] 更に、本願の請求項 7に記載の発明においては、前記頭部 13と前記雌部材 2の凹部 24とのいずれか一方には、チャックテープの長手方向に沿う凹条 13a, 24bが設けられ、他方には、当該凹条 13a, 24bに当接可能な凸条 24a, 13bが設けられたものであることから、咬合状態で頭部 13と鉤爪内面 25との密着が複数の湾曲面でなされ、密封性の低下がより起こりにくい。

[0054] また、本願の請求項 8に記載の発明にお、ては、上記、ずれかの効果を有する密封袋を提供できたものである。

Claims

請求の範囲

[1] 雄用帯状基部（11)に連結部（12)を介して頭部（13)が形成された雄部材（1)と、雌用帯状基部（21)に内側鉤爪 (22)と外側鉤爪 (23)が形成された雌如材 (2)とを備え、前記頭部（13)が前記内側鉤爪 (22)と前記外側鉤爪 (23)に咬合可能なチヤックテープにおいて、

前記雄部材 (1)と前記雌部材 (2)とが咬合状態で、少なくとも前記内側鉤爪 (22)の頂部（22a)と前記雄用帯状基部（11)とを当接させたことを特徴とするチャックテープ

[2] 前記内側鉤爪 (22)の前記頂部（22a)が、前記外側鉤爪 (23)の頂部（23a)よりも高くした請求項 1記載のチャックテープ。

[3] 前記内側鉤爪 (22)の前記頂部 (22a)が、弾性変形可能な接触帯片 (22b)を突出して成る請求項 1記載のチャックテープ。

[4] 前記内側鉤爪（22)の頭部（22a)と、前記外側鉤爪（23)の頂部（23a)との両方を前記雄用帯状基部（11)と当接させた請求項 1記載のチャックテープ。

[5] 前記内側鉤爪 (22)の前記頂部（22a)と、前記外側鉤爪 (23)の前記頂部（23a)が

、弾性変形可能な接触帯片（22b) (23b)をそれぞれ突出して成る請求項 4記載のチャックテープ。

[6] 前記雌部材 (2)は、内側鉤爪 (22)と外側鉤爪 (23)との間で前記頭部（13)を受容する凹部（24)を備え、この凹部（24)の表面（25)と頭部（13)の表面（16)とを密着させた請求項 1又は 4記載のチャックテープ。

[7] 前記頭部（13)と前記雌部材（2)の凹部（24)とのいずれか一方には、チャックテープの長手方向に沿う凹条（13a) (24b)が設けられ、他方には、当該凹条（13a) (24 b)に当接可能な凸条（24a) (13b)が設けられたものであることを特徴とする請求項 1

〜6の!、ずれかに記載のチャックテープ。

[8] 合成樹脂製の袋体であって、開口部に取り付けられることにより、開口部を開閉自在に咬合するチャックテープとして、請求項 1〜7のいずれかに記載のチャックテープが用いられたことを特徴とする密封袋。