WO2006098153A1

WO2006098153A1 - 低延焼性のシガレット用巻紙

Info

Publication number: WO2006098153A1
Application number: PCT/JP2006/303861
Authority: WO
Inventors: Takaaki Matsufuji; Takashi Kominami; Ken Uyama
Original assignee: Japan Tobacco Inc.
Priority date: 2005-03-15
Filing date: 2006-03-01
Publication date: 2006-09-21
Also published as: EP1867782A1; TW200638885A; HK1113502A1; ES2542848T3; UA90299C2; JPWO2006098153A1; RU2357622C1; CA2599753A1; CA2599753C; TWI302090B; EP1867782A4; KR100956462B1; KR20070104598A; JP4335944B2; US20080011312A1; CN101133214A; EP1867782B1; CN101133214B

Abstract

　低延焼性のシガレット用巻紙は、充填材を２～６ｇ／ｍ2の割合で含有し、坪量が１６～２２ｇ／ｍ2であるベース巻紙の一方の表面に、燃焼抑制剤が塗布された燃焼抑制領域が離散して設けられ、燃焼抑制剤の総塗布量が塗布部の面積１ｍ2当たり０．２～１．８ｇである。

Description

低延焼性のシガレット用巻紙

技術分野

[0001] 本発明は、低延焼性のシガレット用巻紙に係り、特に低延焼性と低 CZT比を兼ね備えたシガレット用巻紙に関する。

背景技術

[0002] シガレットが喫煙者の不注意等により床等に落下した場合、その火種力床等に延焼しにくいように、ベースの巻紙に難燃性物質を塗布したバンドを設けたシガレット用巻紙 (特開平 7— 300795号公報参照）等が提案されている。この技術は、タバコ卷紙に燃焼性の高、領域と燃焼性の低、領域を設けることにより、燃焼性の高、領域では通常の喫煙が行える力燃焼性の低!ヽ領域でシガレットに接触する物質が存在すると、シガレットが自己消火するという知見に基づく。

[0003] し力しながら、上記従来の低延焼性巻紙は、これを用いてシガレットを作製したとき

、シガレット 1本当たりの一酸ィ匕炭素 Zタール比（CZT比）が十分に低いものではない。

発明の開示

[0004] したがって、本発明は、低延焼性を示すとともに、低ヽ CZT比をもたらすシガレット用巻紙を提供することを目的とする。

[0005] 本発明によれば、充填材を 2〜6g/m²の割合で含有し、坪量が 16〜22g/m²であるベース巻紙の一方の表面に、燃焼抑制剤が塗布された燃焼抑制領域を離散して設け、該燃焼抑制剤の総塗布量が該塗布部の面積 lm²当たり 0. 2〜1. 8gである低延焼性のシガレット用巻紙が提供される。

図面の簡単な説明

[0006] [図 1]図 1は、本発明の 1つの態様に係るシガレット用巻紙により卷装されたシガレットの一例を示す一部破断概略斜視図。

発明を実施するための最良の形態

[0007] 以下、本発明をより詳しく説明する。 [0008] 本発明のシガレット用巻紙は、ベースの巻紙に、燃焼抑制剤が塗布された燃焼抑制領域を離散して設けたものである。

[0009] ベースの巻紙は、普通にシガレット用シガレット巻紙として使用されている通常の亜麻パルプ等のパルプをベースとするものである力充填材を 2〜6g/m²の割合で含有するとともに、その坪量は 16〜22gZm²である。

[0010] 充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、水酸ィ匕カルシウム、水酸ィ匕マグネシウム等の水酸ィ匕物のような一般に使用されているものを用いることができる。

[0011] シガレット巻紙には、クェン酸、またはその塩 (ナトリウム塩、カリウム塩)等の燃焼調節剤を添加することもできる。通常、燃焼調節剤は、これを配合する場合、ベース卷紙中に 2重量％までの割合で用いられる。

[0012] ベース巻紙の一方の表面には、燃焼抑制剤の塗布により形成される燃焼抑制領域が離散して設けられている。当該巻紙をタバコロッドに卷装したとき、燃焼抑制領域は、タバコロッドの長手方向に延出し、タバコロッドの円周方向で互いに離間する複数のストライプの形態で設けることができるし、あるいはタバコロッドの円周方向に延び、タバコロッドの長手方向にお、て互、に離間する複数の円環の形態で設けることができる。いずれの形態であっても、燃焼抑制剤の総塗布量 (乾燥基準）は、塗布部の面積 lm²当たり 0. 2〜1. 8gである。

[0013] 燃焼抑制剤としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、ダルテン等の蛋白質；デンプン、キサンタンガム（エコーガム）、ローカストビーンガム、グァガム（グアバック）、トラガカントガム、タラガム、タマリンド種子多糖類 (グリロイド)カラャガム、ァラビァガム、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン (オリゴセブン）、ガッティ等の増粘作用を有する多糖類;カラギーナン、カードラン、寒天、ゼラチン、ファーセルラン、ぺクチン、ジエランガム、ケルコゲル等のゲルィ匕作用を有する多糖類;レシチン等の脂質；アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、加工デンプン（例えば、リン酸デンプン）等の天然高分子誘導体;ポリアクリル酸ナトリウム、各種合成高分子乳化剤等の合成高分子化合物、塩化アンモ-ゥム、リン酸アンモ-ゥム、リン酸水素アンモ-ゥム、リン酸二水素アンモ-ゥム、臭化アンモ-ゥム、硫酸アンモ-ゥムのような無機アンモ-ゥム塩、水酸化バリウム、水酸ィ匕カルシウム、水酸ィ匕アルミニウムのような無機水酸ィ匕物、その他ホウ酸ナトリウム、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩ィ匕カルシウム、硫酸ナトリゥム等の無機塩難燃剤を好ましく使用することができる。また、微細セルロース、微結晶セルロース、亜麻パルプ、木材パルプも同様の効果を奏する。これら燃焼抑制剤は、単独で、または 2種以上の混合物として使用することができる。アルギン酸ナトリウムは、種々の重合度範囲のものが市販されている力本発明においては、重合度が 500〜900のアルギン酸のナトリウム塩が好まし!/、。このように高、重合度のアルギン酸のナトリウム塩は、少量でも高い燃焼抑制作用を示す。

[0014] 本発明では、ベース巻紙中の充填材の配合割合、ベース巻紙の坪量、および燃焼抑制剤の総塗布量を上記範囲内に設定することにより、低延焼性と低 CZT比を併せ示すことができる。

[0015] 本発明の低延焼性巻紙は、タバコ刻み等力もなるタバコのロッドを卷装するものであり、通常、燃焼抑制剤が塗布された面をタバコロッドに接する。

[0016] 図 1は、燃焼調節剤が円環の形態で塗布されたシガレット用巻紙で卷装されたシガレットを示す。

[0017] 図 1を参照すると、シガレット 10は、ベース巻紙 12によりカラム状に卷装されたタパコ充填材 13からなるタバコロッド 11を有する。ベース巻紙 12は、 10〜100コレスタ単位の固有通気度を有し得る。タバコロッド 11は、通常、 17mm〜26mmの円周長、および 49mm〜90mmの長さを有する。タバコロッド 11の基端（すなわち、吸引方向下流端） l ibには、常法により、チップペーパー 17を用いて通常のフィルター 18を取り付けることができる。

[0018] ベース巻紙 12には、燃焼抑制剤が塗布された円環状領域 14が形成され、燃焼抑制領域を規定している。これら円環状燃焼抑制領域 14は、図 1に示すように複数設ける場合、タバコロッドの長手方向にぉ、て互いに離間して形成されて、る。

[0019] 相隣る円環状燃焼抑制領域 14の間には燃焼調節剤が塗布されていない通常燃焼領域 15が規定されている。この領域 15は、ベース巻紙 12の部分により構成されているので、ベース巻紙 12それ自体と同様に通常の喫煙状態で燃焼し得る。したがって、領域 15は、通常燃焼領域として作用する。例えば、円環状燃焼抑制領域 14は、 1 個〜 3個設けることができる。また、円環状燃焼抑制領域 14は、長手方向の幅が 4m m〜7mmであり得、厚さは、通常、 0. l〜5 /z mであり得る。また、燃焼抑制領域を複数個設ける場合、相隣る燃焼抑制領域 14の間隔は、 18mn！〜 25mmであることが好ましい。

[0020] 図 1に示すシガレットにおいては、その先端力も距離 dを隔てた領域 16には、燃焼抑制剤が塗布されて、な、。この先端部の燃焼抑制剤を塗布して、な、部分も通常燃焼領域 16を構成し、通常のシガレットの 1パフまたは 2パフで燃焼する領域に相当し得る。なお、燃焼抑制領域 14を複数個設ける場合、通常燃焼領域 16を設けなくてもよい (d=0)。しかし、燃焼抑制領域 14を 1個設ける場合、距離 dは、タバコロッド先端 11aから 10mm〜25mmとすることができる。チップペーパー 17により覆われた卷紙 12の部分に対応する巻紙内面には燃焼抑制領域 14を形成する必要は特にない

[0021] さて、シガレット 10をシガレットロッド 11の先端 11aにおいて着火し、吸引しシガレツトを燃焼させると、通常燃焼領域 15では、通常のシガレットと同様に燃焼し得、喫味を味わうことができる。しかし、着火状態でシガレット 10をカーペット、畳、木製製品、布、衣服等の可燃物上に置いた場合、燃焼方向に存在する燃焼抑制領域 14と可燃物による吸熱とタバコ充填剤に含有される膨ィ匕タバコ刻みとが相俟って、シガレット 1 0は消火し、可燃物の延焼が抑制される。また、本発明のシガレット用巻紙で卷装されたシガレツトは、主流煙中の CZT比が低、ものとなる。

[0022] 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はそれらの実施例により限定されるものではない。

[0023] 実施例 1〜13、および比較例 1〜12

表 1に示す仕様のベース巻紙（幅 27mm、長さ 1. 500m)〖こ、種々の濃度（0. 5〜 20重量％)のアルギン酸ナトリウム水溶液を長手方向に 7mmの一定幅で、 20mmの一定間隔で縞状にダイレクトグラビア方式で塗布（印刷)して合計 56個の燃焼抑制剤塗布領域を設けた。得られた巻紙について、アルギン酸ナトリウムの総塗布量を以下の手法により測定した。結果を表 1に併記する。表 1に示すように、実施例 1〜13のものは、燃焼抑制剤 (アルギン酸ナトリウム）が塗布された部分の面積 lm²当たり燃焼抑制剤の塗布量が 0. 2〜1. 8gであった。燃焼抑制剤の塗布量を巻紙面積当たりに換算すると、 7/27を乗ずるので、 0. 05〜0. 47g/m²となる。なお、使用したアルギン酸ナトリウムは、実施例 5、 8および 11では、 KIMIKA (登録商標)製 I— S (重合度 65 0〜670 ; 3重量％水溶液の25°〇での粘度29976. 9cP)であり、その他の例では、 KIMIKA (登録商標）製 IL 2 (重合度： 30〜180； 3重量％水溶液の 25°Cでの粘度： 907. 2cP)であった。

[0024] 得られた巻紙を用いてアメリカンブレンド刻み（フィルターをつけな、場合のタール量： 19〜20mg)からなるタバコロッドを卷装し、シガレット燃焼先端から 5mmの幅を空けて第 1の塗布領域が配置されるように切断した。一本当たりのシガレット長は 59 mmであり、燃焼抑制剤塗布領域は 2個であった。

[0025] 得られたシガレットについて、 ASTM E— 2187— 04に従って延焼性試験を行い、 PFLB (percent folHength burn)値を測定した。また、これらシガレット試料について以下の手法により、シガレット試料 1本当たりの主流煙中の CO量、パフ回数およびタール量を測定した。結果を表 2に示す。

[0026] <アルギン酸ナトリウムの総塗布量の測定〉

「食品衛生学誌」第 5卷、 297〜302頁（1988)に記載されている「食品中のアルギン酸ナトリウムの定量分析法」に準拠し、脱脂、希硫酸処理、除蛋白処理を行わずに、以下の手 ^！で測定した。

[0027] 上記燃焼抑制剤を塗布した巻紙（ 1. 500m、幅 27mm) (約 1. Og)を 5mm角に切断し、 1重量％炭酸水素ナトリウム水溶液 40mLを加え、湯浴中 60°Cで 5分間加熱した後、十分に混合、攪拌し、遠心分離 (3500回転、 10分間;以下同じ)により上清（抽出液)を得た。抽出残渣について、同様の抽出を再度行い、上清 (抽出液)を得るとともに、抽出残渣に 1重量％炭酸水素ナトリウム水溶液 20mLを加え、十分に混合、攪拌して上清 (抽出液)を得た。 3つの抽出液を合わせ、 1重量％炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて lOOmLとし、試験溶液として用いた。

[0028] アルギン酸ナトリウム標準溶液 (アルギン酸ナトリウムを 0〜0. 2mgZmLの濃度で含む 1重量％炭酸水素ナトリウム水溶液)および上記試験溶液それぞれ lmLに、銅 —塩酸溶液（0. 05重量％の硫酸銅を含む 8. 5M塩酸） 2mLおよびナフトレゾルシノール溶液（0. 4重量％1, 3—ジヒドロキシナフタレン水溶液） lmLを加え、沸騰水浴中で 65分間加熱した後、氷水中で冷却し、酢酸ブチル 4mLをカ卩え、振盪し、遠心分離し 7こ。

[0029] 遠心分離後の上層 lmLを採取し、酢酸ブチル 3mLを加えて希釈し、 566nmで比色定量し、総塗布量を算出した。

[0030] < CO量およびパフ回数の測定 >

CO量の測定には、 FILTRONA社製の 8本掛けリニア型喫煙器（SM342)を用いてタバコ煙を捕集した。シガレットの燃焼は、 ISO基準に基づき、 35mLZ2秒の吸引を 60秒間隔で行い、ガラス繊維フィルターを通過した煙をガスバッグに捕集した。シガレット試料は、基準の燃焼長（シガレットの着火端から 5 lmm (巻紙とチップぺーぺ一の境界力も先端側 8mm) )に達した時点で吸引を停止した。ここまでのパフ回数を記録した。燃焼後、シガレット中に残存するガスを捕集するため、火種を切除した後、 3回の空パフを行った。このようにして、シガレット試料のガスをガスバッグに捕集し、全流量物質 (TPM)をガラス繊維フィルターに捕集した。

[0031] 捕集したガスバッグを用い、 FILTRONA社製の CO測定装置により、シガレット試料 1本当たりの CO量を測定した。

[0032] <タール量の測定 >

CO量測定の際、ガラス繊維フィルターに捕集された粒子成分力ゝら粗タール量を秤量した後、フィルターを血清瓶に入れ、 2—プロパノール（和光純薬社製 GCグレード ) 10mLとともに 20分間激しく振盪した。抽出液をバイアル瓶にろ過 '注入した。これをガスクロマトグラフに掛け、水およびニコチン量を測定した。定量は内部標準法で行い、粗タール量力水およびニコチン量を差し引いた値をタール量とした。

[表 1] 表 1 ：巻紐様

[表 2]

表 2： |¾| ^果

[0033] 表 2に示す結果から、充填材を 2〜6gZm²の割合で含有し、坪量が 16〜22gZm' であるベース巻紙の表面に、燃焼抑制剤の総塗布量が 0. 2〜1. 8gZm²となるように燃焼抑制剤を離散して塗布したもの (実施例 1〜13)は、低燃焼性を示すとともに低、CZT比をもたらすことがわかる。

[0034] 以上述べたように、本発明によれば、低延焼性を示すとともに、低い CZT比をもたらすシガレット用巻紙が提供される。

Claims

請求の範囲

[1] 充填材を 2〜6g/m²の割合で含有し、坪量が 16〜22g/m²であるベース巻紙の一方の表面に、燃焼抑制剤が塗布された燃焼抑制領域を離散して設け、該燃焼抑制剤の総塗布量が該塗布部の面積 lm²当たり 0. 2〜1. 8gである低延焼性のシガレット用巻紙。

[2] 前記燃焼抑制領域は、当該巻紙をタバコロッドに卷装したとき、タバコロッドの長手方向に延出し、タバコロッドの円周方向で互、に離間する複数のストライプの形態にある請求項 1に記載の巻紙。

[3] 前記燃焼抑制領域は、当該巻紙をタバコロッドに卷装したとき、タバコロッドの円周方向に延び、タバコロッドの長手方向において互いに離間する複数の円環の形態にある請求項 1に記載の巻紙。

[4] 前記燃焼抑制剤が、アルギン酸ナトリウムである請求項 1に記載の巻紙。

[5] アルギン酸が約 500〜約 900の重合度を有する請求項 4に記載の巻紙。