WO2006095440A1 - ハーネス型安全帯 - Google Patents

Abstract

　本発明は、使用者が高所から誤って転落した場合でも、使用者への落下衝撃を吸収することのできるハーネス型安全帯を提供する。本発明によれば、ロープのフックを命綱に掛け忘れた場合など、使用者Ａが高所から転落した場合には、装着体１に設けたエアバッグ２を膨張させるようにしたので、エアバッグ２によって落下衝撃を吸収することができ、使用者Ａに加わる落下衝撃を軽減することができる。また、ロープのフックを命綱に連結した状態で使用者Ａが転落した場合には、使用者Ａがロープによって吊り下げられるが、使用者Ａの人体は腰部ベルト１ｂのみならず、各肩部ベルト１ａ及び各大腿部ベルト１ｃによっても支えられることから、人体に加わるロープからの張力を各ベルト１ａ，１ｂ，１ｃに分散することができ、しかも人体を安定して支持することができる。                                                                         

Description

ハーネス型安全帯

技術分野

[0001] 本発明は、主に建設現場等の高所作業場にお!、て用いられるハーネス型安全帯 に関するものである。

背景技術

[0002] 一般に、工事現場等の高所で作業を行う場合、作業者には転落防止のための安 全帯の着用が義務づけられている。この種の安全帯は、人体の胴部に装着される胴 ベルトと、胴ベルトに連結された所定長さのロープとからなり、ロープの先端に取付け られた繋止用フックを作業現場の親綱等に掛けるようにしたものが一般的である。

[0003] し力しながら、前述の安全帯は人体の胴部に装着されるため、ロープからの張力が 胴部に集中するとともに、吊り下げられた姿勢も不安定になり易い。そこで、人体の胴 部のみならず、両肩、背部及び大腿部に亘つて延びるベルトを備え、背部のベルトに ロープを連結することにより、人体に加わるロープからの張力をベルトによって分散さ せ、人体を安定して支持するようにした、いわゆるハーネス型の安全帯が知られてい る (例えば、特許文献 1参照。 ) o

[0004] また、前記安全帯を使用する場合でも、安全帯のフックを親綱等に掛け忘れたり、 或いはフックを掛け替える際などに誤って転落する場合があり、安全対策が万全でな かった。そこで、転落時の落下衝撃を吸収する衝撃吸収補助具として、人体に装着 される装着体と、装着体に人体の所定部位に対応するように設けられたエアバッグと 、エアバッグを膨張させる膨張手段とを備え、人体の墜落を検知すると膨張手段によ つてエアバッグを膨張させるようにした落下衝撃吸収補助具が知られている（例えば

、特許文献 2参照。）。

[0005] し力しながら、前記落下衝撃吸収補助具は、複数のエアバッグを備えた装着体がジ ャケット状に形成されているため、装着体の上にハーネス型安全帯を着用すると、安 全帯のベルトによってエアバッグの膨張が妨げられ、ハーネス型安全帯の上に装着 体を着用した場合は、安全帯の背部に設けたロープ連結部が装着体で覆われて口 ープを連結することができず、落下衝撃吸収補助具とハーネス型安全帯との併用が 困難であると!/、う問題点があった。

特許文献 2：特開平 11 333013号公報

特許文献 1：特開平 7-96049号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用 者が高所力 誤って転落した場合でも、使用者への落下衝撃を吸収することのでき るハーネス型安全帯を提供することにある。 課題を解決するための手段

[0007] 本発明は前記目的を達成するために、人体の背部で交差させて両肩に掛ける一対 の肩部ベルトと、人体の両大腿部をそれぞれ挿入する一対の環状の大腿部ベルトと

、人体の腰部に装着する腰部ベルトと、各肩部ベルトの交差部分にロープを連結可 能な連結部とを備えたハーネス型安全帯にぉ 、て、前記ベルトの所定位置に設けら れたエアバッグと、エアバッグを膨張させる膨張手段と、人体の墜落を検知する墜落 検知手段と、墜落検知手段によって人体の落下が検知されるとエアバッグを膨張さ せる制御手段とを備えている。これにより、使用者が誤って高所から転落した場合に は、装着体に設けたエアバッグが膨張することから、エアバッグによって落下衝撃が 吸収される。また、連結部に連結したロープによって使用者が吊り下げられた場合に は、使用者の人体は腰部ベルトのみならず、各肩部ベルト及び各大腿部ベルトによ つても支えられることから、人体に加わるロープからの張力が各ベルトに分散されると ともに、人体が安定して支持される。

発明の効果

[0008] 本発明のハーネス型安全帯によれば、ロープのフックを命綱に掛け忘れた場合な ど、使用者が高所から転落した場合には、エアバッグによって落下衝撃を吸収するこ とができるので、使用者に加わる落下衝撃を軽減することができる。また、使用者が口 ープによって吊り下げられた場合には、使用者の人体を装着体の腰部ベルトのみな らず、各肩部ベルト及び各大腿部ベルトによっても支えることができるので、人体に加 わるロープからの張力を各ベルトに分散することができ、し力も人体を安定して支持 することができる。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本発明の一実施形態を示すノ、一ネス型安全帯の正面図

[図 2]ハーネス型安全帯の背面図

[図 3]エアバッグの膨張状態を示す正面図

[図 4]エアバッグの膨張状態を示す背面図

[図 5]エアバッグの膨張状態を示す左側面図

[図 6]エアバッグの膨張状態を示す右側面図

[図 7]制御系を示すブロック図

[図 8]センサユニット内を示す正面図

[図 9]落下センサ及び加速度センサの側面断面図

[図 10]図 9の A— A線矢視方向断面図

[図 11]制御部の動作を示すフローチャート

[図 12]着用時のエアバッグ収縮状態を示す正面図

[図 13]着用時のエアバッグ収縮状態を示す背面図

[図 14]着用時のエアバッグ膨張状態を示す正面図

[図 15]着用時のエアバッグ膨張状態を示す背面図

符号の説明

[0010] 1…装着体、 la…胴部ベルト、 lb…肩部ベルト、 lc…大腿部ベルト、 le…連結リン グ、 lg…前面バックル、 lh…スィッチ、 2…エアバッグ、 2a…第 1のエアバッグ体、 2b …第 2のエアバッグ体、 3…充気装置、 4…落下センサ、 5…加速度センサ、 6…制御 部。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 図 1乃至図 15は本発明の一実施形態を示すものである。

[0012] 本実施形態のハーネス型安全帯は、人体に装着される装着体 1と、装着体 1に設け られたエアバッグ 2と、エアバッグ 2を膨張させる充気装置 3と、人体の落下を検知す る複数の落下センサ 4と、人体に上下方向の加速度が生じたことを検知する加速度 センサ 5と、各落下センサ 4及び加速度センサ 5の検知信号に基づ 、て充気装置 3を 作動させる制御部 6とから構成され、各落下センサ 4及び加速度センサ 5は墜落検知 手段をなす。

[0013] 装着体 1は、人体の背部において交差して両肩に掛けられる一対の肩部ベルト la と、人体の両大腿部がそれぞれ挿入される一対の大腿部ベルト lbと、人体の腰部に 装着される腰部ベルト lcと、人体の胸部前方に位置する胸部ベルト Idとを備え、各 肩部ベルト laの交差部分には図示しないロープを連結可能な連結リング leが取付 けられている。各肩部ベルト laは一端をそれぞれ腰部ベルト lcの側部に連結され、 その他端側は背面側で交差して腰部ベルト lcの側部にそれぞれ連結されて ヽる。ま た、各肩部ベルト laの交差部分には背面バックル Ifが取付けられている。各大腿部 ベルト lbはそれぞれ環状に形成され、その上端部を腰部ベルト lcの側部に連結さ れて 、る。腰部ベルト lcは両端を前面側で着脱自在に結合可能な周知構造の前面 ノ ックル lgを有し、前面バックル lgの内部には前面バックル lgの結合及び結合解除 に連動してオン ·オフするスィッチ lhが設けられている。胸部ベルト Idは腰部ベルト 1 cの上方に配置され、両端をそれぞれ各肩部ベルト laの前面側に連結されている。

[0014] エアバッグ 2は、気密性及び耐久性の高!、生地、例えばべクトラン (全芳香族ポリエ ステル)からなり、この材質力 なる生地を縫製または熱融着によってエアバッグ状に 形成されている。即ち、このエアバッグ 2は、人体の後頭部から両肩を介して前面側 に延びるように形成された第 1のエアバッグ部 2aと、人体の腰部背面側を覆うように 形成された第 2のエアバッグ部 2bとからなり、各エアバッグ部 2a, 2bは第 1のェアバ ッグ部 2aの一端力も第 2のエアバッグ部 2bの側部に亘つて延びる連通部 2cを介して 互いに連通している。即ち、エアバッグ 2は、第 1のエアバッグ部 2aにおける人体の 背部に対応する部分が連結リング leの上方に位置し、第 2のエアバッグ部 2bにおけ る人体の背部に対応する部分が連結リング leの下方に位置するように形成されてい る。

[0015] 充気装置 3は、例えばボンベに封入した圧縮流体を火薬の爆発によって吐出する 周知の構成力もなり、エアバッグ 2の連通部 2cに接続されている。 [0016] 各落下センサ 4は、円筒状に形成された容器 10と、容器 10の内周面に設けられた 固定接点 11と、互いに容器 10内の周方向に間隔をお 、て配置された複数の弾性変 形可能な可動接点 12と、可動接点 12を弾性変形させて固定接点 11に接触させる 慣性体 13とからなる。

[0017] 容器 10は導電性を有する金属製の有底筒状の部材からなり、その一端開口部は 導電性の蓋板 10aによって密閉されている。また、蓋板 10aには棒状の導電端子 10 bがガラス等の絶縁部材 10cを介して容器 10の内部まで貫通するように取付けられて いる。

[0018] 固定接点 11は容器 10の内周面によって形成され、その周面には容器 10を内側に 部分的に突出してなる複数の突条部 1 laが容器 10の軸心方向に延びるように互 、 に周方向に間隔をお 、て設けられて 、る。

[0019] 各可動接点 12は容器 10の軸心方向に延びる導電性の金属薄板力もなり、互いに 容器 10の周方向に間隔をおいて配置されている。各可動接点 12の一端側は、導電 端子 10bの端面に溶接固定される導電性の金属板 12aと、蓋板 10a側に配置された 合成樹脂製の絶縁部材 12bとの間に挟み込まれるようにして固定され、導電端子 10 bと電気的に導通している。

[0020] 慣性体 13は容器 10内に収容された金属製の球体力もなり、各可動接点 12の内側 に自由に動けるように配置されて 、る。

[0021] この落下センサ 4においては、容器 10の軸心に垂直な方向（容器 10の径方向）に 重力が作用している状態では、慣性体 13の下方の可動接点 12が慣性体 13の自重 により弾性変形して固定接点 11に押し当てられ、固定接点 11と電気的に導通するよ うになつている。また、落下センサ 4が落下状態となると、慣性体 13の見かけ上の重 量が減少するため、慣性体 13によって固定接点 11側に橈められて 、た可動接点 12 が慣性体 13を容器 10の中央側に押し戻すとともに、固定接点 11から離れて固定接 点 11との導通状態が解除される。即ち、落下センサ 4は常時オン型のセンサを構成 している。

[0022] また、容器 10の他端側の底面には合成樹脂製の板状の絶縁部材 10dが取付けら れており、可動接点 12が固定接点 11から離れて慣性体 13が容器 10の底面に接触 した場合、絶縁部材 10dによって各可動接点 12が慣性体 13を介して固定接点 11と 電気的に導通しな 、ようになって 、る。

[0023] 各可動接点 12はそれぞれ固定接点 11の各突条部 11a間に配置されており、慣性 体 13が可動接点 12に接触した場合、慣性体 13と突条部 11aとの当接により、慣性 体 13と固定接点 11との間に可動接点 12が直接挟まれないように隙間が形成される ようになつている。これにより、可動接点 12を延展により変形し易い材質によって形成 した場合でも、可動接点 12の延展に伴う変形を防止することができる。また、蓋板 10 a側の絶縁部材 12bには容器 10の底面側に向力つて突出する複数の突起 12cが互 Vヽに周方向に間隔をお!/、て設けられ、慣性体 13が可動接点 12の一端側に移動した 場合、慣性体 13と突起 12cとの当接により、可動接点 12の一端側に慣性体 13が直 接接触しないようになっている。これにより、可動接点 12の一端側に慣性体 13の押 圧による過大な応力が生ずることがなぐ可動接点 12の塑性変形や特性変化を防止 することができる。

[0024] 加速度センサ 5は、落下センサ 4と同一の形状を有しているため、各構成部分につ Vヽては落下センサ 4と同一の符号を用いて説明する。加速度センサ 5が落下センサ 4 と異なる点は、落下センサ 4の可動接点 12が慣性体 13の自重により固定接点 11に 接触するように形成されているのに対し、加速度センサ 5の可動接点 12は落下セン サ 4の可動接点 12よりも復元性が高くなつており、慣性体 13の自重のみでは固定接 点 11に接触しないようになっている。即ち、加速度センサ 5の可動接点 12は、重力 方向の加速を受けて慣性体 13にかかる見かけ上の重力が所定の大きさ（例えば 1. 5G)よりも大きくなつた場合に固定接点 11に接触するようになって!/、る。これにより、 落下センサ 4は常時オフ型のセンサを構成して 、る。

[0025] 制御部 6はマイクロコンピュータによって構成され、スィッチ lh、充気装置 3、各落下 センサ 4及び加速度センサ 5に接続されている。また、制御部 6はタイマ機能を有する ものである。

[0026] また、各落下センサ 4及び加速度センサ 5は、図 4に示すようにセンタユニット 7内の 基板 7aに取付けられ、センタユニット 7は装着体 1の胴部ベルト laに設けられた前面 側の収納部 liに制御部 6と共に収納されている。 [0027] この場合、各落下センサ 4は、ほぼ垂直な同一平面上 (基板 7a上）に配置され、互 Vヽに容器 10の軸心が所定の傾斜角度をなすように設けられて 、る。落下センサ 4が オン状態、即ち慣性体 13の自重により可動接点 12が橈んで固定接点 11と接触する ためには、容器 10の軸心が水平面に対して所定の角度範囲以内にある必要がある 。例えば、容器 10の軸心が所定の角度範囲傾いた状態では、慣性体 13が容器 10 の底面等と接触してその自重が可動接点 12を橈ませる方向に十分働かなくなり、こ のため上下方向の動きによる僅かな重力変化によって可動接点 12と固定接点 11と の接触が解除されたり、更に大きな傾斜では重力の大小に拘わらず可動接点 12と固 定接点 11とが接触しなくなる。そこで、各落下センサ 4を前述のような状態とならない ような範囲が互いに重複するように所定の傾斜角度以内で角度を変えながら放射状 に配置している。この場合、落下センサ 4は容器 10の周方向に均一な特性を有して いるので、センタユニット 7の基板 7aがほぼ垂直な平面に沿って傾いた場合のみなら ず、垂直面に対して傾斜するように傾いた場合でも、少なくとも一つの落下センサ 4は オンとなる。また、センタユニット 7が落下状態となったときには全ての落下センサ 4が オフとなる。

[0028] 一方、加速度センサ 5は、容器 10の軸心がほぼ水平となるように配置されて 、る。

即ち、加速度センサ 5は、使用者が飛び跳ねたとき、或いは僅かな段差を飛び越え たときなど、上方向への加速を検知するためのものであり、このような上方向以外の 加速が生じたことを検知する必要はない。但し、加速度センサ 5は必ずしも一つでな ければならないということはないので、二つ以上設けてもよいし、その一部を若干傾 斜させるようにしてちょい。

[0029] 以上のように構成されたハーネス型安全帯は、図 12及び図 13に示すように使用者 Aの人体に装着体 1を着用して使用する。即ち、使用者は装着体 1の各大腿部ベル ト lcにそれぞれ両大腿部を挿入し、各肩部ベルト laを両肩に掛けて腰部ベルト lbの 前面バックル Ifを結合することにより、装着体 1が人体に装着される。また、連結リン グ leには図示しないロープが連結され、ロープのフックを作業現場の命綱に連結す ることにより、万が一の転落の際には使用者がロープによって吊り下げられる。その際 、人体は腰部ベルト lbのみならず、各肩部ベルト la及び各大腿部ベルト lcによって も支えられることから、人体に加わるロープからの張力が各ベルト la, lb, lcによって 分散されるとともに、人体が安定して支持される。

[0030] 次に、前記安全帯の動作について、図 11のフローチャートに基づく制御部 6の動 作に従って説明する。

[0031] まず、装着体 1が使用者に着用され、装着体 1のスィッチ lhがオンになると (Sl)、 以下のプログラムを開始する。即ち、使用者 Aに上方向への加速が生じておらず、加 速度センサ 5がオンにならない場合において（S2)、例えば高所作業場から使用者 A が誤って転落し、この落下状態により全ての落下センサ 4がオフとなり（S3)、各落下 センサ 4のオフ状態が所定時間 T1 (例えば 0. 4秒)以上経過した場合には（S4)、充 気装置 3を作動する（S5)。これにより、エアバッグ 2が膨張し、エアバッグ 2の各エア ノ ッグ部 2a, 2bによって使用者 Aへの落下衝撃が吸収される。

[0032] また、使用者 Aが飛び跳ねたり、僅かな段差を飛び越えた場合など、墜落以外の上 方向への加速が生じて加速度センサ 5がオンになった場合には（S2)、所定時間 T2 (例えば 0. 4秒）が経過した後（S6)、各落下センサ 4のオン'オフを判定する（S3)。 例えば、使用者 Aが飛び跳ねた場合には、飛び跳ねている間に各落下センサ 4がォ フになったとしても、通常は時間 T2が経過した時点で着地しているため、各落下セ ンサ 4はオン状態に戻り、ステップ S3において各落下センサ 4がオフであると判定さ れることはなぐ充気装置 3が作動することはない。また、使用者 Aが誤って転落して 各落下センサ 4がオフになるとともに、加速度センサ 5がオンになった場合には（S2) 、所定時間 T2が経過した後も各落下センサ 4のオフ状態が «続するので (S6, S3) 、所定時間 T1が経過した後（S4)、充気装置 3が作動する (S5)。

[0033] このように、本実施形態のハーネス型安全帯によれば、ロープのフックを命綱に掛 け忘れた場合など、使用者 Aが高所力も転落した場合には、装着体 1に設けたエア ノ ッグ 2を膨張させるようにしたので、エアバッグ 2によって落下衝撃を吸収することが でき、使用者 Aに加わる落下衝撃を軽減することができる。また、ロープのフックを命 綱に連結した状態で使用者 Aが転落した場合には、使用者 Aがロープによって吊り 下げられる力 使用者 Aの人体は腰部ベルト lbのみならず、各肩部ベルト la及び各 大腿部ベルト lcによっても支えられることから、人体にカ卩わるロープからの張力を各 ベルト la, lb, lcに分散することができ、し力も人体を安定して支持することができる

[0034] また、エアバッグ 2を、人体の背部に対応する部分が連結リング leの上方に位置す る第 1のエアバッグ部 2aと、人体の背部に対応する部分が連結リング leの下方に位 置する第 2のエアバッグ部 2bとから形成したので、各エアバッグ部 2a, 2bと連結リン グ leが互いに干渉することがなぐ常にロープを連結リング leに支障なく連結するこ とがでさる。

[0035] この場合、第 1のエアバッグ部 2aを人体の後頭部から両肩を介して前面側に延び るように形成し、第 2のエアバッグ部 2bを人体の腰部を覆うように形成したので、少な くとも人体の後頭部及び腰部への落下衝撃をエアバッグ 2によって吸収することがで き、人体への衝撃を効果的に吸収することができる。

[0036] また、慣性体 13に生ずる見かけ上の重力が減少するとオン状態力もオフ状態に切 換わる複数の落下センサ 4と、慣性体 13に生ずる見かけ上の重力が増加するとオフ 状態力もオン状態に切換わる加速度センサ 5とを備え、使用者が飛び跳ねたり、段差 を飛び越えたときなど、墜落以外の上下運動による加速により加速度センサ 5がオン になって所定時間 T2が経過するまでの間を除き、使用者の墜落により全ての落下 センサ 4がオフ状態になったことを検知した状態が所定時間 T1以上 «続すると、ェ ァバッグ 2を膨張させるようにしたので、墜落時以外の誤動作を確実に防止すること ができ、信頼'性の向上を図ることができる。

[0037] この場合、各落下センサ 4及び加速度センサ 5を人体の腰部に対応する位置に設 けたので、腰部付近は人体の中で比較的急激な動きが少ないことから、各落下セン サ 4及び加速度センサ 5の誤動作をより少なくすることができる。

[0038] また、装着体 1の胴部ベルト laを人体の前面側で着脱自在に結合する前面バック ル lgと、前面バックル lgが結合されると制御部 6を動作可能な状態にするスィッチ 1 hとを備えたので、装着体 1の着用と共に動作可能状態にすることができ、人為的な 操作忘れを確実に防止することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 人体の背部で交差させて両肩に掛ける一対の肩部ベルトと、人体の両大腿部をそ れぞれ挿入する一対の環状の大腿部ベルトと、人体の腰部に装着する腰部ベルトと 、各肩部ベルトの交差部分にロープを連結可能な連結部とを備えたハーネス型安全 にぉ 、て、

前記ベルトの所定位置に設けられたエアバッグと、

エアバッグを膨張させる膨張手段と、

人体の墜落を検知する墜落検知手段と、

墜落検知手段によって人体の落下が検知されるとエアバッグを膨張させる制御手 段とを備えた

ことを特徴とするハーネス型安全帯。

[2] 前記エアバッグを、人体の背部に対応する部分が前記連結部の上方に位置する第 1のエアバッグ部と、人体の背部に対応する部分が前記連結部の下方に位置する第 2のエアノッグ部とから形成した

ことを特徴とする請求項 1記載のハーネス型安全帯。

[3] 前記第 1のエアバッグ部を人体の後頭部力 両肩を介して前面側に延びるように形 成し、

第 2のエアバッグ部を人体の腰部を覆うように形成した

ことを特徴とする請求項 2記載のハーネス型安全帯。

[4] 前記墜落検知手段を、人体の落下状態を検知する少なくとも一つの落下センサと、 人体に重力加速度よりも大きい所定の大きさ以上の加速度が生じたことを検知する 少なくとも一つの加速度センサとから構成し、

前記制御手段を、加速度センサによって前記所定の大きさ以上の加速度が生じた ことを検知した後、所定時間が経過するまでの間を除き、落下センサによって落下状 態を検知した状態が所定時間以上継続すると、前記エアバッグを膨張させるように構 成した

ことを特徴とする請求項 1、 2また 3記載のハーネス型安全帯。

[5] 前記各落下センサを、円筒状に形成された容器と、容器の内周面に設けられた固 定接点と、互いに容器内の周方向に間隔をおいて配置された複数の弾性変形可能 な可動接点と、自重により可動接点を弾性変形させて固定接点に接触させる慣性体 と力 構成するとともに、互いに容器の軸心が所定の傾斜角度をなすようにほぼ垂直 な同一平面上に配置し、

前記加速度センサを、円筒状に形成された容器と、容器の内周面に設けられた固 定接点と、互いに容器内の周方向に間隔をおいて配置された複数の弾性変形可能 な可動接点と、重力加速度よりも大きい所定の大きさ以上の加速度が生ずると可動 接点を弾性変形させて固定接点に接触させる慣性体とから構成するとともに、容器の 軸心が水平方向とほぼ平行になるように配置し、

前記制御手段を、加速度センサの可動接点と固定接点とが導通したことを検知した 後、所定時間が経過するまでの間を除き、全ての落下センサの可動接点と固定接点 とが非導通となったことを検知した状態が所定時間以上 «続すると、前記エアバッグ を膨張させる制御手段とを備えた

ことを特徴とする請求項 4記載のハーネス型安全帯。

[6] 前記各落下センサ及び加速度センサを人体の腰部に対応する位置に設けた

ことを特徴とする請求項 4または 5記載のハーネス型安全帯。

[7] 前記胴部ベルトを人体の前面側で着脱自在に結合する結合部材と、

結合部材が結合されると前記制御手段を動作可能な状態にするスィッチとを備え た

ことを特徴とする請求項 1、 2、 3、 4、 5または 6記載のハーネス型安全帯。