明 細 書
ディスク読み取り Z書き込み装置、タグ読み取り Z書き込み装置及びスロ ットアンテナ
技術分野
[oooi] 本発明は、ディスク読み取り Z書き込み装置、タグ読み取り Z書き込み装置及びス ロットアンテナに関し、特にディスクに付加されたタグの内容の読み取り Z書き込みを 行うディスク読み取り Z書き込み装置、タグの内容の読み取り Z書き込みを行うタグ 読み取り Z書き込み装置及び導体面上にあけたスロットを有する放射素子であるスロ ットアンテナに関する。
背景技術
[0002] 近年、 RFID (Radio Frequency-Identification:電波方式認識)と呼ばれる自動認識 技術が注目されている。 RFIDは、極小の ICチップである無線 ICタグを物体に付けて 、無線により非接触で物体を自動識別する一種の無線通信システムである。
[0003] RFIDは、あらゆる物に付帯してネットワークとつながることが可能なため、次世代の ュビキタス'ネットワーク社会の構築に有効な技術として急速に開発が進んでいる。
RFIDの利用例としては、衣類や食料品等に無線 ICタグを付けて、商品管理や顧 客の店内行動を監視したり、図書館においては、蔵書管理や貸し出し返却業務に導 入したり、鉄道《航空での利用者の入出管理を行ったりというように、幅広い利用範囲 があり、 RFID技術は様々なビジネス分野で注目されて!/、る。
[0004] 図 37は RFIDシステムの概略構成を示す図である。 RFIDシステム 100は、情報を 電子回路に記憶する無線 ICタグ 110と、無線 ICタグ 110との無線通信により、データ のやりとりを行うリーダ Zライタ 120とから構成される。
[0005] また、無線 ICタグ 110は、アンテナ 111と無線 ICタグチップ 112から構成され、無線 ICタグチップ 112は、整流回路 112a、変復調回路 112b、論理回路 112cで構成さ れる。リーダ Zライタ 120は、アンテナ 121と RZW部 122で構成される。
[0006] なお、無線 ICタグ 110は、通常は電源(電池)を持たないので、リーダライタ 120で RZW (読み取り Z書き込み)するときには、リーダ Zライタ 120は、無線を通じて無線
ICタグ 110へ電源を誘電させて通信を行って!/、る。
[0007] すなわち、無線 ICタグ 110は、リーダ Zライタ 120から送出される電磁波を、アンテ ナ 111を介して受信すると、整流回路 112aが交流信号である電磁波を直流信号に 整流する。そして、この直流信号を電源として、変復調回路 112b及び論理回路 112 cへ印加している。
[0008] ここで、 RFIDシステム 100の基本動作として、無線 ICタグ 110の IDの読み取りを行 う場合について説明する。リーダ Zライタ 120から無線 ICタグ 110へコマンド (コマン ドの内容が" IDを送信せよ"というものだとする)が送信されたとすると、リーダ Zライタ 120の R/W部 122で生成されたコマンドが、アンテナ 121を介して送出される。
[0009] 無線 ICタグ 110内の変復調回路 112bは、アンテナ 111を介して受信したコマンド を復調処理して復調データを生成する。論理回路 112cは、復調データを受信して、 コマンド内容を解析する。
[0010] 論理回路 112cは、解析結果から、自己の HD情報をレスポンスとして生成し、変復 調回路 112bへ送信する。変復調回路 112bは、レスポンスを変調処理して、アンテ ナ 111を介して送出する。リーダ Zライタ 120の RZW部 122は、アンテナ 121を介し て、レスポンスを受信して、無線 ICタグ 110の IDを認識する。
[0011] なお、リーダ Zライタ 120から無線 ICタグ 110への情報書き込み動作については、 無線 ICタグ 110がリーダ Zライタ 120から送出された書き込み情報を受信して、論理 回路 112c内のメモリに記憶することになる。
[0012] RFIDを応用した従来技術としては、計測機器に無線 ICタグを付加し、無線 ICタグ から発信される各種信号を、監視制御情報として収集して、計測機器の監視システム を構築する技術が提案されている (例えば、特許文献 1)
特許文献 1 :特開 2004 - 318646号公報 (段落番号〔0010〕一〔0016〕,第 1図) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0013] RFIDでは、アンチコリジョンと呼ばれる方式により、リーダ Zライタ 120は、アンテナ 121の電波供給範囲内にある複数の無線 ICタグと通信することができる。
図 38はアンチコリジョンの動作を説明するための図である。リーダ/ライタ 120の電
波供給範囲 A内に、リーダ Zライタ 120と通信可能な、複数の無線 ICタグ 110— 1一 1
10— nが存在して!/、るとする。
[0014] リーダ Zライタ 120では、電波供給範囲 A内に、自分と通信可能な無線 ICタグがど れだけ存在するかを認識する必要があるので、無線 ICタグ力ゝらの応答を受信するた めの応答要求信号を送出する。
[0015] 応答要求信号を受信した無線 ICタグ 110— 1一 110— nは、 自己の存在を示す応答 信号を送出する。リーダ Zライタ 120は、無線 ICタグ 110— 1一 110— nそれぞれから 送出された応答信号により、電波供給範囲 A内に自分と通信可能な無線 ICタグの存 在を認識する。
[0016] ただし、応答信号が無線 ICタグ 110— 1一 110— nから一斉に送出されると、混信し てしまい、リーダ Zライタ 120では、正常受信することができない。
したがって、リーダ Zライタ 120は、例えば、 "IDの下 1桁 0番が応答せよ"という内 容を持つ応答要求信号を送出する。このとき、リーダ Zライタ 120において、まだ複 数の応答信号が返送されてきて、正常受信できないような場合には、さらに" IDの下 1桁 0番かつ下 2桁 0番が応答せよ"と 、う内容を持つ応答要求信号を送出して、 1つ の無線 ICタグからの応答信号が受信できるまで、絞り込みを行って!/、く。
[0017] このようなアンチコリジョン制御を行うことで(上記の制御は一例であって、いろいろ なアンチコリジョン制御が提案されており、 ISO18000の仕様書等に規定されている)、 電波供給範囲 A内に自分と通信可能な無線 ICタグ 110— 1一 110— nの存在を認識 することができる。
[0018] 上記のようなアンチコリジョン制御を行うことにより、 RFIDでは、リーダ Zライタ機能 を有する装置を、無線 ICタグが付けられた複数の品物に力ざすだけで、複数の情報 を 、つぺんに簡単に読み取ることが可能になる(従来のバーコードのように、手作業 で品物を 1つずつ読み取る必要がな 、)。
[0019] しかし、リーダ Zライタが複数の無線 ICタグとの通信を行う場合、たとえ複数の無線 ICタグが電波供給範囲内に存在するとしても、無線 ICタグが付けられた物体の位置 によって通信ができな 、場合があると 、つた問題があった (無線 ICタグの情報が読み 取れないなど)。
[0020] 例えば、無線 ICタグが付けられた物体が重なり合った状態にあると、リーダ Zライタ 120に近い位置に置かれた無線 ICタグとの通信は可能であっても、後方の離れた位 置に置かれた無線 ICタグとの通信ができないおそれがあった。
[0021] これは、リーダ Zライタ 120に設けられたアンテナ 121には、アンテナ特有の電波指 向性があるので、アンテナ力もの電力が十分届かない範囲が存在するからである。 このため、従来技術では電波供給範囲内であっても、電力が十分届く範囲に位置 する無線 ICタグと、電力が十分届かない範囲に位置する無線 ICタグとでは通信の精 度に差が生じてしまい、高品質な無線 ICタグとの通信が実現されていな力つた。
[0022] 本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、アンテナの指向性を改善し、無 線 ICタグが付けられたディスクが置かれる位置に関係なぐ無線 ICタグとの通信を可 能にするディスク読み取り Z書き込み装置を提供することを目的とする。
[0023] また、本発明の他の目的は、アンテナの指向性を改善し、無線 ICタグが置かれる位 置に関係なぐ無線 ICタグとの通信を可能にするタグ通信装置を提供することである さらに、本発明の他の目的は、放射される電波の強さがどの方向でも同じとなるよう な無指向性のスロットアンテナを提供することである。
課題を解決するための手段
[0024] 本発明では上記課題を解決するために、図 1に示すような、ディスク 10に付加され たタグ 12の内容の読み取り Z書き込みを行うディスク読み取り Z書き込み装置 1にお いて、導体面上にあけた 2つのスロットである、第 1のスロット 21aと第 2のスロット 21bと を有する放射素子であるスロットアンテナ 21と、第 1のスロット 21aに対して第 1の給電 信号 dlを与える第 1の給電ケーブル 22と、第 2のスロット 21bに対して第 2の給電信 号 d2を与える第 2の給電ケーブル 23と、力も構成されるアンテナ部 20と、スロットアン テナ 21が貼り付けられて、ディスク 10の穴 11が挿入されるホルダ 30と、第 1の給電ケ 一ブル 22と第 2の給電ケーブル 23に対して、第 1の給電信号 dlと第 2の給電信号 d 2とを交互に給電し、ホルダ 30に挿入されたディスク 10に対して、第 1のスロット 21a 及び第 2のスロット 21bから交互に電波を送出させて、ホルダ 30に挿入されたデイス ク 10に付加されたタグ 12との通信を行う通信部 40と、を有することを特徴とするディ
スク読み取り Z書き込み装置 lが提供される。
[0025] ここで、スロットアンテナ 21は、導体面上にあけた 2つのスロットである、第 1のスロッ ト 21aと第 2のスロット 21bとを有する放射素子である。第 1の給電ケーブル 22は、第 1 のスロット 21aに対して第 1の給電信号 dlを与える。第 2の給電ケーブル 23は、第 2 のスロット 21bに対して第 2の給電信号 d2を与える。ホルダ 30は、スロットアンテナ 21 が貼り付けられて、ディスク 10の穴 11が挿入される。通信部 40は、第 1の給電ケープ ル 22と第 2の給電ケーブル 23に対して、第 1の給電信号 dlと第 2の給電信号 d2とを 交互に給電し、ホルダ 30に挿入されたディスク 10に対して、第 1のスロット 21a及び 第 2のスロット 21bから交互に電波を送出させて、ホルダ 30に挿入されたディスク 10 に付加されたタグ 12との通信を行う。
発明の効果
[0026] 本発明のディスク読み取り Z書き込み装置は、導体面上にあけた第 1のスロットと第 2のスロットとを有するスロットアンテナを、ディスクの穴が挿入されるホルダに貼り付け
、第 1のスロットと第 2のスロットに交互に給電して、第 1のスロット及び第 2のスロットか ら交互に電波を送出させることで、ディスクに付加されたタグとの通信を行う構成とし た。これにより、タグが付けられたディスクが置かれる位置に関係なぐタグとの通信を 確実に行うことができ、タグ通信の品質及び信頼性の向上を図ることが可能になる。
[0027] 本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ま U、実施 の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
[0028] [図 1]本発明のディスク読み取り Z書き込み装置の原理図である。
[図 2]ディスクを示す図である。
[図 3]ディスクが挿入される様子を示す図である。
[図 4]スロットアンテナの概要を示す図である。
[図 5]ホルダにスロットアンテナが貼り付けられる様子を示す図である。
[図 6]ホルダに挿入されているディスク 10を図 3の X方向力も見た図である。
[図 7]スロットアンテナの電波強度をプロットした図である。
[図 8]アンテナ部を示す図である。
[図 9]同軸ケーブルの接続部分を示す図である。
[図 10]図 8を Y方向から見た図である。
[図 11]通信部の構成を示す図である。
[図 12]通信部の動作を示すフローチャートである。
[図 13]スロットアンテナの電波強度をプロットした図である。
[図 14]通信部の構成を示す図である。
[図 15]スロットアンテナの電波強度をプロットした図である。
[図 16]スロットアンテナの電波強度をプロットした図である。
[図 17]スロットが 1つあるスロットアンテナの指向性を説明するための概念図である。
[図 18]スロットが 2つあるスロットアンテナの指向性を説明するための概念図である。
[図 19]スロットが 2つあるスロットアンテナの指向性を説明するための概念図である。
[図 20]スロットが 2つあるスロットアンテナの指向性を説明するための概念図である。
[図 21]通信部の構成を示す図である。
[図 22]スロットアンテナの電波強度をプロットした図である。
[図 23]スロットアンテナの構成を示す図である。
[図 24]スロットアンテナで生成される定在波の様子を示す図である。
[図 25]通信部の構成を示す図である。
[図 26]通信部の変形例の構成を示す図である。
[図 27]第 1の変形例のスロットアンテナの構成を示す図である。
[図 28]第 2の変形例のスロットアンテナの構成を示す図である。
[図 29]第 3の変形例のスロットアンテナの構成を示す図である。
[図 30]スロットアンテナによって生じる正弦波を示す図である。
[図 31]スロットの一端を位置させたスロットアンテナを示す図である。
[図 32]ディスク読み取り Z書き込み装置の第 1の変形例を示す図である。
[図 33]ディスク読み取り Z書き込み装置の第 2の変形例を示す図である。
[図 34]ディスクを示す図である。
[図 35]スロットアンテナの変形例を示す図である。
[図 36]スロットアンテナの変形例を示す図である。
[図 37]RFIDシステムの概略構成を示す図である。
[図 38]アンチコリジョンの動作を説明するための図である。
発明を実施するための最良の形態
[0029] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図 1はディスク読み取り Z 書き込み装置の原理図である。第 1の実施の形態のディスク読み取り Z書き込み装 置 1は、アンテナ部 20、ホルダ 30、通信部 40から構成されて、ディスク 10に付加され た無線 ICタグ (以下、単にタグ) 12の内容の読み取り Z書き込みを行う装置である。
[0030] アンテナ部 20は、スロットアンテナ 21、第 1の給電ケーブル(給電ケーブル 22)、第 2の給電ケーブル (給電ケーブル 23)から構成される。スロットアンテナ 21は、導体面 上にあけた 2つのスロットである、第 1のスロット(スロット 21a)と第 2のスロット(スロット 2 lb)とを有する放射素子 (アンテナ)である。
[0031] 給電ケーブル 22は、スロット 21aに対して第 1の給電信号 (給電信号 dl)を与え、給 電ケーブル 23は、スロット 21bに対して第 2の給電信号 (給電信号 d2)を与える。なお 、給電とは、アンテナに電力を供給すること、またはアンテナ力 電力を取り出すこと であり、給電信号とは、 RF (Radio Frequency)帯の交流信号のことである。
[0032] ホルダ 30は、軸状の誘電体であり、スロットアンテナ 21が、両端の導体が接続しな いように貼り付けられている(図 5で後述)。また、ディスク 10の穴 11がホルダ 30に揷 入されて、ディスク 10がセットされる。
[0033] 通信部 40は、給電ケーブル 22と給電ケーブル 23に対して、給電信号 dlと給電信 号 d2とを交互に給電し、ホルダ 30に挿入されたディスク 10に対して、スロットアンテ ナ 21の電波指向性が、放射される電波の強さがどの方向でも同じとなる無指向性と なるように、スロット 21a及びスロット 21bから交互に電波を送出させる。
[0034] ここで、アンテナ力 の距離が同じでも方向によって電波の強さが違うことを指向性 といい、アンテナ力も放射される電波の強さがどの方向でも同じことを無指向性という そして、通信部 40は、スロットアンテナ 21からの放射電波により、ホルダ 30に挿入 されたディスク 10に付加されたタグ 12との通信を行う。なお、スロットアンテナ 21や通 信部 40の詳細な構成 ·動作については図 8以降で後述する。
[0035] 図 2はディスク 10を示す図である。ディスク 10は、 DVD (Digital Versatile Disc)やじ D (Compact Disc)などに該当し、ディスクの中央部の穴 11の近傍表面(信号の記録 されない領域)に、タグ 12が貼り付けられている。
[0036] タグ 12は、図示しないタグアンテナとタグチップを内部に含む。タグ 12は、図 37で 上述した無線 ICタグ 110に対応し、タグアンテナは、アンテナ 111に、タグチップは 無線 ICタグチップ 112に対応する。
[0037] 図 3はディスク 10が挿入される様子を示す図である。ディスク読み取り Z書き込み 装置 1に設けられた軸状のホルダ 30に、ディスク 10の穴 11が挿入して、複数枚のデ イスク 10をセットすることができる。
[0038] ホルダ 30にはスロットアンテナ 21が貼り付けられており、通信部 40は、スロットアン テナ 21を介して、ホルダ 30に挿入された複数のディスク 10と交信し (ディスク 10に付 いているタグ 12と交信し)、情報のやりとりを行う(このとき、図 38で上述したようなアン チコリジョン制御も行われる)。また、スロットアンテナ 21へ給電するための給電ケー ブル 22、 23は図示していないが、例えば、ホルダ 30内に収められて、ホルダ内部か らスロットアンテナ 21へ接続する構成をとることができる。
[0039] なお、ディスク読み取り Z書き込み装置 1は、図 37で上述したリーダ Zライタ 120に 対応し、スロットアンテナ 21はアンテナ 121に、通信部 40は RZW部 122に対応する
[0040] ここで、ホルダ 30に挿入された、複数枚のディスク 10のそれぞれに付けられた個々 のタグ 12には、例えば、映像や音楽のタイトルや価格などが記憶されており、これら の情報を通信部 40が読み出したり、またはタグ 12に対して、在庫管理のための商品 番号などを送信して記憶させたりすることができる。
[0041] したがって、ユーザは、従来のようなバーコード表示されたディスクを、手作業で 1つ ずつ読み取ったりするなどといった面倒なことを行わずに、タグ 12を付けたディスク 1 0をホルダ 30に挿入するだけで、容易にディスク 10 (すなわちタグ 12)に対して情報 を書き込んだり、読み出したりすることが可能になる。
[0042] なお、通信部 40には、実際にはユーザインタフェース機能またはパソコン等の端末 とのインタフェース機能が設けられており、ユーザはこれらインタフェース機能により、
通信部 40に対して、情報の送受信制御の指示を任意に与えることができる。
[0043] 次に一般のスロットアンテナの概要について説明する。図 4はスロットアンテナの概 要を示す図である。従来のスロットアンテナ 200は、導体の金属板 201の長手方向に スロット (切り欠き)が設けられた形状を持ち、通常、スロット 202の長さ Lは、スロット 20 2から放射される電波波長えの λ Ζ2の長さに設定し、スロット幅 Wは Lよりも小さく設 定される。
[0044] そして、給電ケーブル 203をスロット 202に接続して給電する。給電ケーブル 203と しては、マイクロストリップ線路や導波管を用いることができるが、同軸ケーブルが最も 簡単である(以下、給電ケーブルを同軸ケーブルと呼ぶ)。
[0045] 図では、同軸ケーブル 203の内部導線 (RF信号が流れる芯線)を給電点 a 1に接続 し、外部導体 (GNDとなる編組の線)を給電点 a2に接続している。この状態で給電す ると、電流 iは図に示すように金属板 201の上に広がって流れ、スロット 202を横切る 方向に電界 Eが生じて、空中に電波が放射されることになる。なお、電波は、スロット 2 02から紙面上方及び紙面下方の両方力 放射する。
[0046] ここで、図 4で示した従来のスロットアンテナ 200を、図 1に示したスロットアンテナ 21 の代わりにディスク読み取り Z書き込み装置に適用すると、ディスク 10をホルダ 30へ 挿入した際、ディスク 10の挿入位置によって、タグ 12との読み出し Z書き込みが正 常に行われない場合があるといった問題があった。ディスク読み取り Z書き込み装置 1の詳細を説明する前にその問題点について詳しく説明する。
[0047] 図 5はホルダ 30にスロットアンテナ 200が貼り付けられる様子を示す図である。薄い 金属板上のスロットアンテナ 200は、図に示すように、ホルダ 30の表面に貼り付けら れる(同軸ケーブルの図示は省略)。なお、貼り付ける際には、スロットアンテナ 200 の両端が接続しな ヽように、スペース 202aを設けて貼り付けられる。
[0048] 図 6はホルダ 30に挿入されているディスク 10を図 3の X方向力も見た図である。ホ ルダ 30 (従来のスロットアンテナ 200が貼り付けられて!/、る)にタグ 12が付 、て!/、るデ イスク 10が挿入されて!、る。
[0049] この場合、スロットアンテナ 200には指向性があるので、タグ 12とスロット 202との位 置(以下、タグ アンテナ角度と呼ぶ)によって、読み取り Z書き込みの精度に違いが
生じてしまう。
[0050] 図 7はスロットアンテナ 200の電波強度をプロットした図である。円周外側の 0— 350 の数値は、 10度刻みに記された角度を示す。また、中心点から角度 0度方向に記さ れている 0— 30の数値は、タグ 12を読み取ることができた最低電力をある電力からの 減衰量で示したもので、減衰量が大き 、値ほど小さ 、電力で読み取れることを意味し ている。したがって、グラフの中心に向かうほどタグ 12が読み取れなくなり、中心から 離れるほどタグ 12が小さ ヽ電力でも読み取れやす ヽこと〖こなる。
[0051] 図力もわかるように、ホルダ 30に貼り付けられたときのスロットアンテナ 200の指向 性は、 8の字形状のグラフになっている。これは角度から見れば、スロット 202と、図 5 で上述したスペース 202aとが存在する位置に対して、最も指向性が強い (スロット 20 2が位置する 0度の方向と、スペース 202aが位置する 180度の方向に電波強度が強 い)ことがわかる。
[0052] し力し、角度の面から見た指向性については、図 7に対して、スロット 202が 0度、ス ペース 202aが 180度の位置にあるならば、約 90度と約 270度の角度で指向性が最 も弱くなることがわかり、この位置にタグ 12が存在すると、タグ 12との正常な通信を行 うことができない。
[0053] すなわち、従来のスロットアンテナ 200でディスク読み取り Z書き込み装置を構成す ると、タグ-アンテナ角度がスロット 202の位置から(またはスペース 202aの位置から) + 90度または— 90度ずれた位置にタグ 12が存在すると、そのタグ 12に対しては読 み取り Z書き込みの信頼性が低下するといつた問題があった。
[0054] ユーザは、ホノレダ 30に対して、スロットアンテナ 200のスロット 202 (またはスペース 202a)の位置に関係なくディスク 10を挿入するので、どのように挿入されてもすべて のディスク 10に対して、同じ精度、同じ信頼性で通信できることが必要である。
[0055] 本発明では、従来のスロットアンテナ 200の指向性を改善して、タグ 12が付けられ たディスク 10が置かれる位置に関係なぐタグ 12との通信を確実に行って、タグ通信 の品質及び信頼性を向上させたディスク読み取り Z書き込み装置を提供するもので ある。
[0056] 次にディスク読み取り Z書き込み装置 1の構成及び動作について詳しく説明する。
図 8はアンテナ部 20を示す図であり、図 9は同軸ケーブル 22、 23の接続部分を示す 図である。スロットアンテナ 21がホルダ 30に貼り付けられている様子を示している。
[0057] ホルダ 30に貼り付ける際には、スロットアンテナ 21の両端が接続しないようにスぺ ースを設けているが図示はしていない。また、スロットアンテナ 21は、スロット 21a、 21 bの 2つのスロットを有し、スロット長 Lは、放射電波の波長えの λ Ζ2として!/、る。
[0058] さらに、スロット 21aに給電信号 dlを給電する同軸ケーブル 22と、スロット 21bに給 電信号 d2を給電する同軸ケーブル 23が設けられる。同軸ケーブル 22、 23のそれぞ れの内部導体は、図 9に示すように、スロット 21a、 21bの間の金属導体部分に接続し 、同軸ケーブル 22の外部導体は、スロット 21aの外側の金属導体部分に接続し、同 軸ケーブル 23の外部導体は、スロット 21bの外側の金属導体部分に接続する。
[0059] 図 10は図 8を Y方向力も見た図である。スロット 21a、 21bを導体面上に生成する際 には、スロットアンテナ 21がスペース 21sをあけて、ホルダ 30に貼り付けられたときに 、スロット 21aの位置とスロットの位置 21bとの角度が略 90度となるような位置に設けら れる。
[0060] 図 11は通信部 40の構成を示す図である。通信部 40は、制御部 41、情報送信部 4 2、情報受信部 43、サーキユレータ 44、分配'合成部 45、スィッチ部 46から構成され る。制御部 41は、各構成要素の全体制御を行う。情報送信部 42は、タグ 12へ送信 するための情報の変調処理を含む送信制御を行う。情報受信部 43は、タグ 12から 送信された情報の復調処理を含む受信制御を行う。
[0061] サーキユレータ 44は、 3つのポート pa、 pb、 pcを有し、ポート paから入力した信号を ポート pbへ出力し、ポート pbから入力した信号をポート pcへ出力する。分配'合成部 45は、サーキユレータ 44から送信された信号を 2つに分配してスィッチ部 46へ出力 し、またはスロット 21a、 21bを介して、タグ 12から送信された情報を合成してサーキュ レータ 44へ出力する。スィッチ部 46は、制御部 41からの指示により、分配'合成部 4 5から送信された信号をスロット 21a、 21bのいずれかにスイッチングし、またはスロット 21a, 2 lbのいずれかから受信した信号を分配'合成部 45へ送信する。
[0062] 図 12は通信部 40の動作を示すフローチャートである。
〔S1〕制御部 41は、スィッチ部 46ヘスロット 21aへの切り替え指示を送信する。
[0063] 〔S2〕情報送信部 42は、送信情報を変調して出力し、送信情報はサーキユレータ 4 4及び分配'合成部 45を介して、スロット 21aから送出される(すなわち、スロット 21a につながる同軸ケーブル 22を通じて、情報が重畳された RF信号 (給電信号 dlに該 当)が印加され、スロット 21aから RF信号が電波となってエア中に放射される)。
[0064] 〔S3〕送信情報の送出後、制御部 41は情報送信部 42に対して、変調処理を停止さ せて、無変調の信号を出力させて、何の情報も重畳されていない電波をスロット 21a 力も送出させる(タグ 12への電源となる電波を常に送出する必要があるため)。
[0065] 〔S4〕情報受信部 43は、スロット 21a、分配'合成部 45及びサーキユレータ 44を介 して、タグ 12から送信された情報を受信し復調して、情報の解析や記憶をしたりする
[0066] 〔S5〕ステップ S1— S4を一定回数繰り返す。
〔S6〕制御部 41は、スィッチ部 46ヘスロット 21bへの切り替え指示を送信する。
[0067] [S7]情報送信部 42は、送信情報を変調して出力し、送信情報はサーキユレータ 4 4及び分配'合成部 45を介して、スロット 21bから送出される(すなわち、スロット 21b につながる同軸ケーブル 23を通じて、情報が重畳された RF信号 (給電信号 d2に該 当)が印加され、スロット 21bから RF信号が電波となってエア中に放射される)。
[0068] 〔S8〕送信情報の送出後、制御部 41は情報送信部 42に対して、変調処理を停止さ せて、無変調の信号を出力させて、何の情報も重畳されていない電波をスロット 21b 力も送出させる(タグ 12への電源となる電波を常に送出する必要があるため)。
[0069] 〔S9〕情報受信部 43は、スロット 21b、分配'合成部 45及びサーキユレータ 44を介 して、タグ 12から送信された情報を受信し復調して、情報の解析や記憶をしたりする
[0070] 〔S10〕ステップ S6— S9を一定回数繰り返す。そして、ステップ S1へ戻る。
図 13はスロットアンテナ 21の電波強度をプロットした図である。グラフ Glaは、スロッ ト 21aの指向性を示しており、グラフ Gibは、スロット 21bの指向性を示しており、ダラ フ Glcは、グラフ Gla、 Gibを合成したグラフを示している。
[0071] ここで、スロット 21a、 21bは、図 10で示したように、スロットアンテナ 21がホルダ 30 に貼り付けられたときに、スロット 21aの位置とスロット 21bの位置との角度が略 90度と
なるように構成されており、この状態で通信部 40から、図 12で上述した制御によって 、スロット 21a、 21bに対して交互に給電される。
[0072] このため、スロット 21aの 8の字形状(縦向き)のグラフ Glaと、スロット 21bの 8の字形 状 (横向き)のグラフ Gibとが交互に現れることになり、その結果、ほぼ円形に近い指 向性を持たすことができる (無指向性に近づけることになる)。
[0073] したがって、スロット 21aからの電波で読み取り Z書き込みがしにくいタグ アンテナ 角度にタグ 12が位置していても、そのタグ アンテナ角度を補償するように、スロット 2 lbからの電波が放射されるので、タグ 12に対する読み取り Z書き込みを確実に行う ことができ、どのようにディスク 10がホルダ 30に挿入されても、タグ 12の位置に関係 なぐタグ 12との通信を行うことが可能になる。
[0074] 次に給電信号 dl、 d2に位相差を与えて無指向性を実現した第 2の実施の形態の ディスク読み取り Z書き込み装置について説明する。第 2の実施の形態のディスク読 み取り Z書き込み装置で使用するスロットアンテナは、図 8—図 10で示したものと同 じであり、全体の構成は、基本的には図 1の構成と同じである(図 14で後述するように 、通信部のブロック構成が異なる)。
[0075] ただし、図 1のディスク読み取り Z書き込み装置 1では、スロット 21a、 21bに交互に 給電したが、ここでのディスク読み取り Z書き込み装置では、位相差のある給電信号 をスロット 21a、 21bに同時に給電するものである。
[0076] 図 14は通信部の構成を示す図である。第 2の実施の形態のディスク読み取り Z書 き込み装置の通信部 40 - 2は、制御部 41、情報送信部 42、情報受信部 43、サーキ ユレータ 44、分配'合成部 45、移相部 47から構成される。
[0077] 制御部 41、情報送信部 42、情報受信部 43、サーキユレータ 44及び分配'合成部 45の動作は、図 11で上述した内容と同じである。移相部 47は、制御部 41からの指 示にもとづいて、分配'合成部 45から出力された給電信号 dlの位相を変えて、スロッ ト 21a、 21bへ与える給電信号 dl、 d2に位相差を与える(移相部 47は、給電信号 d2 側に設置して、給電信号 d2側の位相を変えて位相差を生成してもよいし、給電信号 dl、 d2の両方に移相部 47を 2つ設置して制御してもよ 、)。
[0078] 次に移相部 47の移相制御として、給電信号 dlの位相を給電信号 d2に対して、 + 9
0度または 90度のいずれかに移相してスロット 21aに給電する場合について説明す る。
[0079] 図 15はスロットアンテナ 21の電波強度をプロットした図である。グラフ G2aは、スロッ ト 21a、 21bそれぞれに印加する給電信号 dl、 d2の位相差が + 90度の場合を示し ており、グラフ G2bは、スロット 21a、 21bそれぞれに印加する給電信号 dl、 d2の位 相差カ 90度の場合を示している。図からわ力るように、グラフ G2a、 G2bはいずれも 、ほぼ円形に近 、指向性の形状になって 、る(無指向性に近 、形状になって 、る)。
[0080] したがって、スロット 21a、 21bそれぞれに対する給電信号 dl、 d2の位相差が + 90 度または 90度のいずれか一方になるように移相制御を行って同時に給電すること により、どのようにディスク 10がホルダ 30に挿入されても、タグ 12の位置に関係なくタ グ 12との通信を行うことが可能になる。
[0081] なお、給電信号 dl、 d2の位相差を + 90度または 90度のいずれか一方に設定し て給電することにより、無指向性に近 、グラフが得られることの説明につ 、ては図 17 一図 20で後述する。
[0082] 次に移相部 47の移相制御として、給電信号 dlの位相を給電信号 d2に対して、 0度 、 180度に切り替えて移相させて、スロット 21aに給電する場合について説明する。 図 16はスロットアンテナ 21の電波強度をプロットした図である。グラフ G3aは、スロッ ト 21a、 21bそれぞれに印加する給電信号 dl、 d2の位相差が 0度の場合を示してお り、グラフ G3bは、スロット 21a、 21bそれぞれに印加する給電信号の位相差が 180度 の場合を示しており、グラフ G3cは、グラフ G3a、 G3bを合成したグラフを示している。
[0083] 位相差 0度、 180度に切り替えて、給電信号 dl、 d2を常時、スロット 21a、 21bに与 えることで、横向きの 8の字形状のスロット 21aのグラフ G3aと、縦向きの 8の字形状の スロット 21bのグラフ G3bとが現れることになり、その結果、ほぼ円形に近い指向性を 持たすことができる (無指向性に近くなる)。
[0084] したがって、スロット 21a、 21bそれぞれに対する給電信号 dl、 d2の位相差が 0度、 180度に切り替える移相制御を行って給電することにより、どのようにディスク 10がホ ルダ 30に挿入されても、タグ 12の位置に関係なくタグ 12との通信を行うことが可能に なる。
[0085] なお、給電信号 dl、 d2の位相差を 0度、 180度に切り替えて同時に給電することに より、無指向性に近いグラフが得られることの説明については図 17—図 20で後述す る。
[0086] 次に給電信号 dl、 d2に ± 90度の位相差を与えた場合と、 0度、 180度の位相差を 切り替えながら与えた場合に、無指向性に近いグラフが得られることの理由について 図 17—図 20を用いて概念的に説明する。最初に、 1つのスロットを有する従来のスロ ットアンテナに対し、このスロットアンテナの指向性が 8の字形状になる場合について 説明する。
[0087] 図 17はスロットが 1つあるスロットアンテナの指向性を説明するための概念図である 。図 4に示したスロットアンテナ 200で考える。なお、 "電波の大きざ'の項目に示され て 、るスロットアンテナの形状は、図 4を Z方向に見た図である。
[0088] 図 17において、 "給電点の位相"、 "電波の大きさ"、 "ベクトル表示"の項目が記さ れており、これらの状態に対してステップ S 11— S14まで順に説明する。なお、 "ベタ トル表示"は、最も大きな強度の電波のみをベクトルで表示したものである。
[0089] 〔S11〕スロット 202の給電点(図 4の給電点 al、 a2に該当)での給電信号の位相が 0度のときは、スロット 202から放射される電波分布には正弦波の位相が現れない。
[0090] 〔S12〕スロット 202の給電点 al、 a2での給電信号の位相が π Ζ2のときは、スロット
202からの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦波状の分布となる。また、これをべタト ノレ viaと表示する。
[0091] 〔S13〕スロット 202の給電点 al、 a2での給電信号の位相が πのときは、スロット 202 から放射される電波分布には正弦波の位相が現れない。
〔S14〕スロット 202の給電点 al、 a2での給電信号の位相が 3 π Z2のときは、スロッ ト 202からの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波状の分布となり、これをベクトル vl bと表示する。
[0092] したがって、スロットが 1つある通常のスロットアンテナでは、印加する給電信号の位 相によって、スロット 202から発出される最大強度の電波力 互いに逆向きに生じるこ とがわかり(このことをベクトル vla、 vlbで表している)、 8の字形状(縦向きの 8の字) の指向性となることが推測できる。
[0093] 次に 2つのスロット 21a、 21bを有するスロットアンテナ 21の指向性について説明す る。図 18、図 19はスロットが 2つあるスロットアンテナ 21の指向性を説明するための概 念図である。最初に図 16で説明した給電信号 dl、 d2の位相差を 0度、 180度に切り 替えた際の指向性について説明する。なお、 "ベクトル表示"の項目に示されている スロットアンテナの形状は、図 8を Y方向に見た図である。
[0094] 図 18において、 "位相差 0度のときの給電点での位相"、 "ベクトル表示"の項目が 記されており、これらの状態に対してステップ S21— S24まで順に説明する。なお、 " ベクトル表示"は、最も大きな強度の電波のみをベクトルで表示したものである。
[0095] 〔S21〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相が共に 0度(=位相 差 0度)のときは、スロット 21a、 21bから放射される電波分布には正弦波の位相が現 れない。
[0096] 〔S22〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相が共に π Ζ2(=位 相差 0度)のときは、スロット 21a、 21bからの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦波状 の分布となり、これをベクトル v2a、 v2bと表示する。また、ベクトル v2a、 v2bを合成し てベクトル v2とする。
[0097] 〔S23〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相が共に π ( =位相 差 0度)のときは、スロット 21a、 21bから放射される電波分布には正弦波の位相が現 れない。
[0098] 〔S24〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相力 S共に 3 π Z2 (= 位相差 0度)のときは、スロット 21a、 21bからの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波 状の分布となり、これをベクトル v3a、 v3bと表示する。また、ベクトル v3a、 v3bを合成 してベクトル v3とする。
[0099] したがって、スロットアンテナ 21では、印加する給電信号 dl、 d2の位相差が 0度の 場合、スロット 21a、 21bから発出される最大強度の電波が、ベクトル v2a、 v2b及び ベクトル v3a、 v3bで表されるので、これらのベクトルを合成したベクトル v2、 v3力ら、 8の字形状 (縦向きの 8の字)の指向性となることが推測できる。
[0100] 図 19に対し、 "位相差 180度のときの給電点での位相"、 "ベクトル表示"の項目が 記されており、これらの状態に対してステップ S25— S28まで順に説明する。
〔S25〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相がそれぞれ 0度、 π (=位相差 180度)のときは、スロット 21a、 21bから放射される電波分布には正弦波 の位相が現れない。
[0101] 〔S26〕スロット 21a、 21bの給電点での給電信号の位相がそれぞれ π Z2、 3 π /2
(=位相差 180度)のときは、スロット 21aからの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦波 状の分布となり、スロット 21bからの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波状の分布と なり、これらをベクトル v4a、 v4bと表示する。また、ベクトル v4a、 v4bを合成してベタト ノレ v4とする。
[0102] 〔S27〕スロット 21a、 21bの給電点での給電信号の位相がそれぞれ π、 0度(=位 相差 180度)のときは、スロット 21a、 21bから放射される電波分布には正弦波の位相 が現れない。
[0103] 〔S28〕スロット 21a、 21bの給電点での給電信号の位相がそれぞれ 3 π /2, π /2
(=位相差 180度)のときは、スロット 21aからの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波 状の分布となり、スロット 21bからの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦波状の分布と なり、これらをベクトル v5a、 v5bと表示する。また、ベクトル v5a、 v5bを合成してベタト ノレ v5とする。
[0104] したがって、スロットアンテナ 21では、印加する給電信号の位相差が 180度の場合 、スロット 21a、 21bから発出される最大強度の電波が、ベクトル v4a、 v4b及びべタト ル v5a、 v5bで表されるので、これらのベクトルを合成したベクトル v4、 v5力ゝら、 8の字 形状 (横向きの 8の字)の指向性となることが推測できる。したがって、スロット 21a、 21 bそれぞれに対する給電信号 dl、 d2の位相差を 0度、 180度に切り替えて給電する ことにより、図 16に示したような無指向性のグラフが得られることがわかる。
[0105] 次に図 15で上述した位相差が 90度のときの指向性について説明する。図 20はス ロットが 2つあるスロットアンテナ 21の指向性を説明するための概念図である。 "ベタト ル表示"の項目に示されているスロットアンテナの形状は、図 8を Y方向に見た図であ る。
[0106] 位相差 90度のときの給電点での位相"、 "ベクトル表示"の項目が記されており、こ れらの状態に対してステップ S31— S34まで順に説明する。なお、 "ベクトル表示"は
、最も大きな強度の電波のみをベクトルで表示したものである。
[0107] 〔S31〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相がそれぞれ 0度、 π Ζ2(=位相差 90度)のときは、スロット 21aから放射される電波分布には正弦波の位 相が現れず、スロット 21bからの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦波状の分布となり 、これをベクトル v6aと表示する。
[0108] 〔S32〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相がそれぞれ π Z2、 π ( =位相差 90度)のときは、スロット 21aからの電波分布が正方向の λ Ζ2の正弦 波状の分布となり、これをベクトル v6bと表示する。また、スロット 21bから放射される 電波分布には正弦波の位相が現れな 、。
[0109] 〔S33〕スロット 21a、 2 lbの給電点での給電信号 dl、 d2の位相がそれぞれ π、 3 π Ζ2(=位相差 90度)のときは、スロット 21aから放射される電波分布には正弦波の位 相が現れず、スロット 21bからの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波状の分布となり 、これをベクトル v6cと表示する。
[0110] 〔S34〕スロット 21a、 21bの給電点での給電信号の位相がそれぞれ 3 π Ζ2、 0 ( = 位相差 90度)のときは、スロット 21aからの電波分布が負方向の λ Ζ2の正弦波状の 分布となり、これをベクトル v6dと表示する。また、スロット 21bから放射される電波分 布には正弦波の位相が現れな!/、。
[0111] したがって、スロットアンテナ 21では、印加する給電信号 dl、 d2の位相差が 90度 の場合 (プラス、マイナスの符号は左回りになる力右回りになるかの違 、だけなので、 上記では単に位相差 90度として説明した)、スロット 21a、 21bから発出される最大強 度の電波が、ベクトル v6a— v6dで表されるので、円形に近い指向性 (無指向性)とな ることが推柳』できる。
[0112] したがって、スロット 21a、 21bそれぞれに対する給電信号 dl、 d2の位相差を + 90 度、—90度のいずれか一方に設定して給電することにより、図 15に示すような無指向 '性のグラフが得られることになる。
[0113] 次にスロット 21a、 21bへの給電信号を交互に与える制御(図 13で上述したグラフ G lcが得られる制御)と、スロット 21a、 2 lbそれぞれに対する給電信号の位相差を 0度 、 180度に切り替えて給電する制御(図 16で上述したグラフ G3cが得られる制御)と
を組み合わせた第 3の実施の形態のディスク読み取り Z書き込み装置について説明 する。
[0114] 図 21は通信部の構成を示す図である。第 3の実施の形態のディスク読み取り Z書 き込み装置の通信部 40 - 3は、制御部 41、情報送信部 42、情報受信部 43、サーキ ユレータ 44、分配'合成部 45、スィッチ部 46、移相部 47から構成される。
[0115] これらの構成要素は図 11、図 14で示した構成要素を組み合わせたもので基本的 な動作は同じである。動作の流れとしては、例えば、最初にスロット 21a、 21bへの給 電信号 dl、 d2をスィッチ部 46で制御して交互に与え、一定時間経過後に、移相部 4 7の制御により、スロット 21a、 21bそれぞれに対する給電信号 dl、 d2の位相差を 0度 、 180度に切り替えて給電するものである。
[0116] 図 22はスロットアンテナ 21の電波強度をプロットした図である。第 3の実施の形態の ディスク読み取り Z書き込み装置で得られるグラフであり、ほぼ円形の指向性となつ ている。なお、これは、図 13、図 16を組み合わせたグラフであり、詳細は上述したの で説明は省略する。
[0117] このように、第 1の実施の形態と第 2の実施の形態の組み合わせとして、スロット 21a 、 21bへの給電信号を交互に与える制御と、スロット 21a、 21bそれぞれに対する給 電信号の位相差を 0度、 180度に切り替えて給電する制御とを組み合わせることで、 アンテナ指向性の改善を行ってもよい。
[0118] 次にスロットアンテナ 21のスロット 21a、 21bそれぞれに 2本の同軸ケーブルを設け て(計 4本の同軸ケーブル)給電する場合の第 4の実施の形態のディスク読み取り Z 書き込み装置について説明する。
[0119] 図 23はスロットアンテナの構成を示す図である。第 4の実施の形態のディスク読み 取り Z書き込み装置で使用するスロットアンテナ 21— 4は、図 8—図 10で示したものと 基本的に同じであるが、図に示すように、スロット 21aには同軸ケーブル Cla、 Clbが 接続し、スロット 21bには同軸ケーブル C2a、 C2bが接続する(なお、スロット長は放 射電波波長えの λ Ζ2に限らな 、)。
[0120] そして、同軸ケーブル Cla、 Clbからスロット 21aへ給電信号 dla、 dlbが給電され 、同軸ケーブル C2a、 C2b力らスロット 21bへ給電信号 d2a、 d2bが給電される。
[0121] 図 24はスロットアンテナ 21— 4で生成される定在波の様子を示す図である。第 4の 実施の形態のディスク読み取り Z書き込み装置に対し、最初にスロット 21aに対する 給電を示すと、スロット 21aに同軸ケーブル Cla、 Clbから同時に給電信号 dla、 dl bを給電する。
[0122] このとき、スロット 21aには図に示すような定在波(給電線上に生成され、一方向から の進行波と他方向からの進行波との干渉で生じて、定常的に存在する周期的な波を 定在波と呼ぶ) Wが生じる。同軸ケーブル Claから送出した給電信号 dlaと、同軸ケ 一ブル Clb力 送出した給電信号 dlbとの位相が同相のとき(給電信号 dla、 dlbが 同相で衝突するとき)、定在波 Wは電力最大となり、同軸ケーブル Claから送出した 給電信号 dlaと、同軸ケーブル Clbから送出した給電信号 dlbとの位相が逆相のと き(給電信号 dla、 dlbが逆相で衝突するとき)、定在波 Wは電力最小となる。
[0123] この場合、ホルダ 30にディスク 10が挿入されているならば、例えば、定在波 Wの電 力最大点で最もタグ 12に記載されている情報を読み取りやすく(またはタグ 12に情 報を書き込みやすく)、定在波 Wの電力最小点で最もタグ 12に記載されている情報 が読み取りにくくなる(またはタグ 12に情報を書き込みにくくなる)。
[0124] したがって、定在波 Wの位相を、給電信号 dla、 dlbの位相を変えて制御すること で(定在波 Wの電力最大点の位置を変えることで)、ホルダ 30にディスク 10が挿入さ れて ヽる際の、ディスク 10への読み取りやす ヽまたは書き込みやす!/ヽ箇所を設定す ることができ、ホルダ 30に挿入されているディスク 10の位置に応じた、スロット 21aと の通信アクセスを可能にすることができる。
[0125] または、給電信号 dla、 dlbの 、ずれか一方の位相を固定し、他方の位相を 360度 徐々に移相させれば、定在波 Wを移動 (スキャン)させることができる(例えば、図の 矢印方向)。このような制御により、ホルダ 30に挿入されているディスク 10をホルダ 30 の端力 端まで順にスロット 21aからの電波でスキャンさせることが可能になる。
[0126] 一方、上記ではスロット 21aへの同軸ケーブル Cla、 Clbによる給電制御を示した 1S スロット 21bに対しても同じ制御を行う。すなわち、上記と同様にして、スロット 21b に対して同軸ケーブル C2a、 C2bから同時に給電信号 d2a、 d2bを給電し、スロット 2 lbに対しても定在波 Wを生じさせる。
[0127] そして、給電信号 d2a、 d2bの位相を制御して、ホルダ 30に挿入されて!、るディスク 10の位置に応じた、スロット 21bとの通信アクセスを可能にしたり、ホルダ 30に挿入さ れているディスク 10をホルダ 30の端から端まで順にスロット 21bからの電波でスキヤ ンさせる。そして、このようなスロット 21a、 21bへの給電制御を一定周期で切り替える
[0128] なお、上記のような給電制御にカ卩えて、図 15、図 16で上述した給電信号に位相差 を与える制御も行って、アンテナ指向性を改善する。例えば、スロット 21aに対して、 給電信号 dla、 dlbに位相差 90度を付けて(または 0度、 180度の位相を切り替える )、かつ給電信号 dlaの位相を 360度徐々に移相させれば、円形状に近い指向性の 電波を発出しながら、定在波 Wをスキャンさせることができる。スロット 21bに対しても 同様な制御を行い、スロット 21aの制御とスロット 21bの制御とを一定周期で切り替え る。
[0129] 図 25は通信部の構成を示す図である。第 4の実施の形態のディスク読み取り Z書 き込み装置の通信部 40 - 4は、制御部 41、情報送信部 42、情報受信部 43、サーキ ユレータ 44、分配'合成部 45a— 45c、移相部 47a、 47b、スィッチ部 46a、 46b、定 在波移相部 48から構成される。
[0130] 定在波移相部 48は、分配'合成部 45aから出力された信号の位相を 360度徐々に 移相させる(定在波 Wの位相を 1回転させる)。移相部 47aは、制御部 41からの指示 にもとづいて、給電信号 dla、 dlbの位相差に ± 90度持たせる力、または 0度、 180 度の位相切り替えを行う。移相部 47bは、制御部 41からの指示にもとづいて、給電信 号 d2a、 d2bの位相差に ± 90度持たせる力 または 0度、 180度の位相切り替えを行
[0131] スィッチ部 46aは、ポート piから給電信号 dlaをスロット 21aに与え、ポート p2から 給電信号 d2aをスロット 21bに与える。スィッチ部 46bは、ポート p3から給電信号 dlb をスロット 21aに与え、ポート p4から給電信号 d2bをスロット 21bに与える。
[0132] これらのスイッチング制御としては、スロット 21aをアクティブにする場合は、ポート(p 1、 p2、 p3、 p4)に対して、 (ON, OFF, ON, OFF)となり、スロット 21bをアクティブ にする場合は、ポート(pi、 p2、 p3、 p4)に対して、 (OFF, ON、 OFF, ON)となる(
ONが該当ポートへの接続、 OFFは該当ポートと接続しないことを意味する)。スロット
21a, 21bへのアクティブ切り替えは一定間隔で行う。
[0133] 次に通信部の変形例について説明する。通信部の変形例として、通信部の出力段 にレベル変換部(例えば、可変減衰器)を設けて、スロット 21a、 21bへ印加する給電 信号のレベルを変えるものである。
[0134] 図 26は通信部の変形例の構成を示す図である。通信部 40-1は、制御部 41、情 報送信部 42、情報受信部 43、サーキユレータ 44、分配'合成部 45、スィッチ部 46、 可変減衰器 49a、 49bから構成される。図 11で上述した通信部 40にレベル変換部と しての可変減衰器 49a、 49bを設けたものである。
[0135] 可変減衰器 49a、 49bは、制御部 41からの指示にもとづき、給電信号のレベルを変 換する。このような構成にすることにより、スロット 21a、 21bへの電力差を任意に補正 することが可能になる(第 2—第 4の実施の形態の通信部に対しても適用可能)。
[0136] 次にスロットアンテナの変形例について説明する。図 27は第 1の変形例のスロットァ ンテナの構成を示す図である。スロットアンテナ 210の構成は図 8、図 9で上述したス ロットアンテナ 21と基本的には同じ構成である。異なる点は、スロット 21a、 21bの同 軸ケーブルが接続されていない端側を終端する点である。図では終端抵抗 Rl、 R2 で終端されている。
[0137] 通常、スロットアンテナのスロットの長さ Lは、放射電波の波長の λ Ζ2に設定されて いる。これは、 λ Ζ2よりもスロット長を伸ばすと、同軸ケーブルから供給される電力が スロットに対して印加されずに、給電点において反射現象が顕著に生じてしまい(給 電点において跳ね返った反射波が同軸ケーブルを流れる)、アンテナとしての正常 な機能を持たすことができないからである(ただし、スロット長が λ Ζ2の整数倍の場 合には反射波の影響はほとんどな 、)。
[0138] このため、図に示すように終端することで、給電点力も見た入力インピーダンスを調 整して、反射波の影響をなくし (入射波 a と反射波 b の割合である Sパラメータの 1
11 11
つである反射係数 S ( = b /a )を小さくしている)、スロット長の電波波長依存性を
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なくしている。このような構成にすることにより、スロットアンテナ 210が貼り付けられる ホルダ 30の軸を長くできるので、より多くのディスク 10を挿入することが可能になる。
[0139] 図 28は第 2の変形例のスロットアンテナの構成を示す図である。第 2の変形例のス ロットアンテナ 220は、 3つのスロット 21a— 21cを設け、それぞれのスロットに同軸ケ 一ブル C1一 C3から給電するものである。
[0140] スロットアンテナ 210では、 2つのスロット 21a、 21bを有し、ホノレダ 30に貼り付ける 際に両端の導体が接続しな ヽようにして空 、たスペースを設けて ヽたが、スロットアン テナ 220ではこのスペースもスロット 21cにしたものである。スロットアンテナ 220の給 電制御としては、例えば、スロット 21a— 21cへ順番に給電を与える方法が行える。
[0141] 図 29は第 3の変形例のスロットアンテナの構成を示す図である。第 3の変形例のス ロットアンテナ 230は、スロット 21a、 21bの長さ Lを共に放射電波の波長 η λ Ζ2 (ηは 整数)と同じにして、スロット 21a、 21bの端側を、長手方向にスロット 21a、 21bを λ Ζ 4ずらした構成をとる。また、同軸ケーブル C1はスロット 21a側に接続し、同軸ケープ ル C2はスロット 21b側に接続する。
[0142] 図 30はスロットアンテナ 230によって生じる正弦波を示す図である。スロット 21a、 2 lbへ給電したときに正弦波が生成されている状態を示している。スロット 21aからは 正弦波 W1が生じ、スロット 21bからは正弦波 W2が生じる。このとき、正弦波 W1のボ トム B1に対しては、正弦波 W2のピーク P2でカバーし、正弦波 W2のボトム B2に対し ては、正弦波 W1のピーク P1でカバーしている。このような構成のスロットアンテナと することで、タグ 12との読み取り Z書き込みができない位置をなくすことができる。な お、図 31はスロットアンテナ 230の変形例を示しており、スロットアンテナ 230aは、ス ロット 21a、 21bの一端を λ Ζ4ずらし、他端の位置を合わせたものである。
[0143] 次にディスク読み取り Ζ書き込み装置の構成上の変形例について説明する。図 32 はディスク読み取り Ζ書き込み装置の第 1の変形例を示す図である。ディスク読み取 り Ζ書き込み装置 1—1は、スロットアンテナ 21が張り付いたホルダ 30を筐体 70に格 納し、タグが付いた板状の物体 (カード等) 80を筐体 70上に配置して、タグとの通信 を行う。このような装置形状にすることで、円板上のディスク 10だけでなぐタグが付け られたカードに対しても、複数枚カードをセットして、一括して読み取り Ζ書き込みを 行うことが可能になる。
[0144] なお、筐体 70内のスロットアンテナ 21は円柱のホルダ 30である必要はなぐ図 33
に示すように、板状の誘電帯 300にスロットアンテナ 21を貼り付けて筐体 70内に設 置してちょい。
[0145] 以上説明したように、ディスク読み取り Z書き込み装置により、アンテナの指向性を 改善し、無線 ICタグが付けられたディスクが置かれる位置に関係なぐ高品質なタグ との通信が可能になる。
[0146] なお、ディスク読み取り Z書き込み装置からの電波をタグ 12でよりよく受信できるよ うに、図 34に示すように、タグ 12に接続するタグアンテナ 12aを円状にしてディスク 1 0に貼り付けるようにしてもよい。
[0147] また、上記では、中央部に穴の開いたディスク 10に付いているタグ 12と、ディスク読 み取り Z書き込み装置との動作を中心に説明したが、円板状のディスク 10に限らず 、タグが付いているあらゆる物体に対して、ディスク読み取り Z書き込み装置が有する 機能をリーダ Zライタに持たせることで、高品質な通信を行うことができ、幅広い分野 での応用が可能である。
[0148] さらに、スロットアンテナの変形例として、図 35に示すスロットアンテナ 21— 5のように 、スロット長が波長に依存しない場合、スロットの両端が導体で接続されていない(給 電する導体が分かれている)スロット 21a— 5、 21a— 5のような構成にしてもよぐこのよ うな構成においても図 23で示したスロットアンテナと同じ効果が得られる(図 27に示し た終端されているスロットアンテナ 210に対して、同様にしてスロットの両端が導体で 接続されて ヽな 、構成にしてもょ ヽ) o
[0149] 同様に図 36に示すスロットアンテナ 21— 6のように、スロット長が波長に依存する場 合にも、スロットの両端が導体で接続されていないスロット 21a— 6、 21b— 6のような構 成にしてもよく(スロット 21a— 6、 21b— 6の長さは、(η· λ /2) + λ Ζ4である)、この ような構成においても図 8、図 29で示したスロットアンテナと同じ効果が得られる。
[0150] さらにまた、上記の説明ではスロットアンテナ 21のスロット 21a、 21bは、ホルダ 30と 平行に直線上の形状になっている力 この形状に限らず、例えば、ホルダ 30に対し て斜めに設けることや、波状にするなどの形状にしてもよぐホルダ 30と平行に直線 上に限定することはない。また、ホルダ 30は、円形になっているが、正多角形等の軸 でもよく、円形である必要はない。
[0151] 上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が 当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用 例に限定されるものではなぐ対応するすべての変形例および均等物は、添付の請 求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
符号の説明
[0152] 1 ディスク読み取り Z書き込み装置
10 ディスク
11 穴
12 タグ
20 アンテナ部
21 スロットアンテナ
21b、 21c スリット
22、 23 給電ケーブル
30 ホノレダ
40 通信部