情報管理システム、情報管理方法、情報管理プログラムおよびその記録 媒体
技術分野
[0001] 本発明は、電子機器やネットワーク上の諸ユーザの情報を集約的に表示し、電子 会議を実行することのできる主表示デバイス、および、その情報を蓄えるデータべ一 スソフトウェアの技術分野に属する。つまり、ネットワークデータベース (電子会議室) のためのグノレープウェアに関する。
[0002] また、本発明は、上記データベースソフトウェアに関わる言語環境を定義し公示す るソフトウェア規格に関わる技術分野に属する。
[0003] また、本発明は、仮想三次元空間に展開する可動球面上に外化情報 (情報の概要
)を表示する表示技術に関わるソフトウェア技術分野に属する。
[0004] また、本発明は、リアルタイムで双方向の入出力をマルチスレッド環境下で可能とす るソフトゥ ア技術分野に属する。
背景技術
[0005] 記憶は人の経験や知識を収めた知的生産の要であり、我々は日常的に自らの記 憶の断片をメモや日記帳,写真やビデオ等の形で残している。文書や画像として外 化された記憶 (外ィ匕記憶)は、未来における記憶の想起や記憶の客観的な観察に際 して大きな助けになる。
[0006] また、外ィ匕記憶は、アルバムの写真に代表されるように、自分の記憶を他人に説明 したり、他人と思い出を共有したりするコミュニケーションの道具としても利用される ( 山下清美,野島久雄,〃思い出コミュニケーションのための電子ミニアルバムの提案", ヒューマンインタフェースシンポジウム 2001論文集, pp.261-264, 2001.参照)。
[0007] 特に近年では、個人の外ィ匕記憶が Web日記や blogのコンテンツとして広く公開さ れるようになっている。このような Web日記等を継続的に作成する動機として自己の 明確ィ匕などの自己に向力う効用と対人関係の促進など他人と関わる効用の両側面が 挙げられる(川浦康至, "電子空間にみるコミュニケーションの賑わい", CMCC研究
会第 2回シンポジウム論文集, pp.37-44, 1999.参照)。すなわち、外化記憶は、自分 の記憶の断片であると同時に、コンテンツとしてプレゼンテーション可能であることに よって蓄積を動機づけられるという面を持つと考えられる。
[0008] コンテンツとは一般的に、テキスト、静止画、音声、動画、またはそれらの複合形で 表現される著作物を指しており、作者自身を含む誰かによる鑑賞を前提として作成さ れたものであると言える。ここで、個人の外ィ匕記憶についても、コンテンツとして残され ることによって、未来の自分に対する伝達や社会への発信が容易になると考えられる
[0009] ところで、個人 (ある 、は社会)の知的生産を積み上げるためには,個人 (ある!/、は 社会)の経験を膨大な記録カードや日記等として蓄積し、閲覧 '分析を可能とすること が必要である (梅棹忠夫, "知的生産の技術",岩波書店, 1969.参照)。このような膨 大な情報 (記憶カードや日記等)を蓄積し、閲覧'分析可能とすることは、従来の情報 通信技術では実現が困難であった。
[0010] し力しながら、近年ではコンテンツの電子化により、膨大な情報の蓄積や、閲覧'分 祈が期待できるようになっており、生涯に渡って持続的に外ィ匕記憶の構築と公開が 可能な場 (システム)の実現も十分に期待できるようになつている。換言すれば、人の 知的活動を持続的に発展可能な形で支援するためには、人の生涯の体験をコンビュ 一ターに蓄積し、管理する手法が不可欠である。
[0011] 美崎薫,河野恭之, "「記憶する住宅」〜 55万枚のディジタルスキャン画像の常時ス ライドショウ'ブラウジングによる過去記憶の甦りの実際",情報処理学会インタラクショ ン 2004, pp.129— 136, 2004.、および、 Gemmell, J., Bell, G., Lueder, R., Drucker, S., and Wong, C, "MyLifeBits: Fulfilling the Memex Vision , ACM Multimedia '02, pp. 235-238, 2002.には、人の生涯記憶(大量の外化記憶)を蓄積するシステムが記載さ れている。上記「記憶する住宅」の技術は、個人の見たものや書いたものをスチル画 像として蓄積し、住宅に埋め込んだディスプレイでスライドショウ表示することによって 、記憶想起活動を活性化する。上記「MyLifeBits: Fulfilling the Memex Vision」の技 術は、個人の記憶をマルチメディアデータとしてデータベースへ蓄積することによつ て、外化記憶の検索と視覚化を実現する。また、外ィ匕記憶を用いたストーリー型コン
テンッの作成'閲覧を行うこともできる。
[0012] ここで、外ィ匕記憶を蓄積する手法としては、従来、時間的な蓄積を行う手法と空間 的な蓄積を行う手法とが考えられる。
[0013] 時間的な蓄積を行う手法は、例えば、野中らの SECIモデル (野中郁次郎,竹内弘 高、 〃知識創造企業〃、 東洋経済新報社、 1996.)や川喜田の W型問題解決モデル
(川喜田ニ郎、 〃続'発想法"、 中央公論新社、 1970.)を援用して説明できる。
[0014] 例えば、アルバムがコミュニケーションの道具として用いられるとき、アルバムはコミ ュニケーシヨンを活性ィ匕することによってまた新たな写真を生み出すきっかけとしても 働いていると言える。ここで、アルバムをコンテンツ、写真をコンテンツ断片として換言 すると、外ィ匕記憶の時間的な蓄積はコンテンツ構築のプロセスと、コンテンツ閲覧に よって活性ィ匕されるコンテンツ断片の外ィ匕プロセスとを循環させることによって促進さ れると考えられる。
[0015] 上記した「知識創造企業」および「続'発想法」の技術は、このような循環型の知的 生産を行うものである。
[0016] SECIモデルでは暗黙知と呼ばれる主観的 ·経験的で言語ィ匕の困難な知識と、形式 知と呼ばれる客観的で明確に言語ィ匕可能な知識との絶え間ない変換によって知識 が生み出される。これをアルバムの例に当てはめると、ばらばらの写真とは自分だけ が理解できる暗黙的な形で蓄積されたコンテンツ断片であり、アルバムとは他人に説 明するための比較的形式的なコンテンツであると考えることができる。
[0017] W型問題解決モデルでは、アイデアを記録した紙片の集合を操作して問題解決を 進め,その結果をまとめた文章や口頭発表力もフィードバックを受けてまた新たなァ イデアの紙片を得る(これは特に累積 KJ法と呼ばれる)。コンテンツ断片とは、ここで 言う一つ一つの紙片であり、文章や口頭発表はコンテンツであると見なすことができ る。
[0018] また、循環型の外ィ匕記憶構築支援システムとしては、平田らの CoMeMo-Communit yが挙げられる(平田高志,村上晴美,西田豊明、 〃連想表現と分身エージェントを用 いたコミュニティにおける知識共有支援",人工知能学会論文誌, Vol.16, No.2, pp.2 25-233, 2001.参照)。 CoMeMo- Communityは、コミュニティにおける知識共有を目的
としたシステムであり、 Webブラウザ上で可視化された他人の外ィ匕記憶力 得たフィ ードバックを自分の外ィ匕記憶として蓄積可能とするものである。
[0019] さらに、本発明の発明者らは、これまでに、 CoMeMo-Communityを発展させる形で EgoChatll (久保田秀和,西田豊明, 〃ユーザの過去発言を利用した複数エージェン トによる創造的な対話の生成", 電子情報通信学会論文誌, vol.J84-D-I, No.8, p p.1222-1230, 2001.)、 EgoChatlll (久保田秀和,黒橋禎夫,西田豊明,〃知識カード を用いた分身エージェント",電子情報通信学会論文誌「ソフトウェアエージェントとそ の応用論文特集」, volJ86-D-I, No.8, pp.600-607, 2003.)と呼ばれる分身エージ ェントシステムを構築してきた。分身エージェントとは、個人の外化記憶を代表する会 話エージェントであり、蓄積された本人の外ィ匕記憶を元に本人の代理としてユーザと 会話を行うことができる。
[0020] EgoChatllは、外ィ匕記憶のプレゼンテーション方式として会話的表現を用いることに より、ユーザのフィードバック獲得を支援するシステムである。また、 EgoChatlllは、知 識カードと呼ばれるカード型のコンテンツ断片を用いて外ィ匕記憶を記述することによ り、画像と読み上げ音声力 構成されるストーリー型コンテンツを作成可能にし、また 、質問応答エンジンを介した本人とユーザの双方に対するフィードバック獲得支援を 行うものである。
[0021] ところで、本発明の発明者らが、上記の EgoChatlllを 2つの講義コミュニティに対し て適用した結果、それぞれ 3ヶ月と 5ヶ月の運用の間に、総計約 2300枚の知識カー ドから構成される 263のストーリーが蓄積された (久保田秀和,西田豊明, "分身エー ジェントに媒介されたコンテンツマネジメントシステム〃,人工知能学会全国大会 (第 18 回)論文集 ,pp.2C2-07, 2004.参照)。このことから、外ィ匕記憶の長期的な蓄積が膨大 な量のものとなることが容易に予想できる。
[0022] したがって、大量の外ィ匕記憶をそのまま取り扱うことは、人にとって認知的負荷の高 い作業であり、発想支援や問題解決支援システムを用いた知的活動を行うためには 、その前段階において大量の外ィ匕記憶を整理し、ユーザにとって認知的負荷の低い 作業環境を実現する必要がある。
[0023] 一般に、大量のものを取り扱う上でその空間的な配置は欠力せない。空間的に配
置されたものは全体を俯瞰可能であり、手前や奥、右、左といった身体的な感覚に助 けられることによって情報配置の把握が容易となる。また、整理の第一原則は、もの のおき場所をきめることであると言うこともでき、外ィ匕記憶を整理するためにはその配 置法を自分で決めることも重要であると言える。
[0024] 他人が整理したものと比べると、自分自身が部屋に置いたものはたとえ乱雑であつ てもどのあたりにあるかを想起しやすいと感じられる。これと同様に、外化記憶におい ても自分のポリシーに基づく情報配置を支援する技術によって、記憶想起のための 暗黙的な手力 Sかりを増すことができると考えられる。
[0025] このため、大量の外ィ匕記憶を蓄積する手法としては、空間的な蓄積を行うことが好 ましい。
[0026] 情報を空間的に探索するためには、ユーザによる情報全体の俯瞰と興味のある情 報への焦点化とを可能とするズーミング技術が必要である(岡田謙一,〃協同作業に よる情報創出支援",岩波講座マルチメディア情報学 9情報の創出とデザイン (長尾 真ほ力編),第 3章, pp.115-164,岩波書店, 2000.) o膨大な量を持つ情報の空間化 において問題となるのがディスプレイの大きさから受ける制約であり、限られた面積の 中で必要な情報のみをズーミングするための手法が数多く提案されて 、る(例えば、 Furnas, G. W., Generalized fisheye views , Human Factors in Computing Systems CHI '86 Conference Proceedings, pp.16— 23, 1986.、 Robertson, G., Mackinlay, J.D ., Card, S.K., "Cone Trees: Animated 3D Visualizations of Hierarchical Information" , Proceedings of the ACM Conference on Human Factors in Computing Systems (C HI'91), pp.189— 194, 1991.、 Bederson, B.B., Hollan, J.D.,〃Pad++: A Zooming Gra phical Interface for Exploring Alternate Interface Physics , ACM UIST '94, 1994.、
Lamping, J., Rao, R., Pirolli, P.,〃A Focus+Context Technique Based on Hyperboli c Geometry for Visualizing Large Hierarchies , Proceedings of ACM CHI'95 Confer ence on Human Factors in Computing Systems, 1995.、 塩澤秀禾口,西山晴彦,松 下温, "「納豆ビュー」の対話的な情報視覚化における位置づけ",情報処理学会論 文誌, Vol.38, No.11 - 024, pp.2331- 2342, 1997.参照)。
[0027] 情報配置とズーミングとの違いは、前者が情報の長期的な配置を決め、後者が情
報の一時的な俯瞰 ·焦点化を行う点である。情報を長期的に配置するためには十分 な広がりを持つ空間を用意し、またユーザによる体系的な配置を可能とする必要があ る。一方、広がりを持つ空間の俯瞰と焦点化を行うためには空間の拡大縮小 (線形ズ ~~ミング) (上 fi「Pad++: A Zooming Graphical Interface for Exploring Alternate Interf ace Physics」)や、情報の歪み配置(非線形ズーミング)(上記「Generalized fisheye vi ews」める ヽ ί¾「Α Focus+し ontext Technique Based on Hyperbolic Geometry for Visu alizing Large HierarchiesJ )を可會とする必要がある。
[0028] また、情報配置の手法としては、従来より、 Workscape (Joseph M. Ballay, "Designin g Workscape: an interdisciplinary experience", Proceedings of the SIGCHI conferen ce on Human factors in computing systems: celebrating interdependence , pp.10— 15, 1994.)、 Web Forager (Card, S.K., Robertson, G.G, York, W., "The WebBook and t he Web Forager: an information workspace for the World-Wide Web , Proceedings of the SIGCHI conference on Human factors in computing systems: common ground, pp.111- 117, 1996.)、 Data Mountain (Robertson, G., Czerwinski, M., Larson, K., R obbins, D.C., Thiel, D., Dantzich, M.V., "Data mountain: using spatial memory for document management", Proceedings of the 11th annual ACM symposium on User i nterface software and technology(UIST '98), pp.153- 162, 1998.)等の空間を用いた 文書管理に関する技術が提案されている。
[0029] 自らの備忘録や第三者とのコミュニケーションの為に用いるコンテンツなどとして、 長期にわたって利用される各種の情報コンテンツを外ィ匕して蓄えることが望まれてい る。現在の背景技術をもってすれば、これらの外ィ匕技術を恒久的に蓄積利用できる 1S そのための基盤技術がニーズとして存在する。
[0030] さらに、ネットワーク環境の高度利用が可能となった現代社会にあっては、特定目 的の集団の作業環境や記録環境としても、これらの技術をより使 、やす 、形にして 広く流布する事が望まれて 、る。
[0031] また、このような課題を解決するためのモデル、および、そこに掲げるコンテンツの 規格ィ匕によって共通アクセス、共通データベース化、共通会議システムとして多重利 用でき、それぞれの蓄積容量と表示容量を巨大化できるソフトウェア体系の構築が望
まれている。さらに、規格ィ匕されオープン化されたハードウェアとソフトウェアを用いて 長期間陳腐化しない基盤技術を、ネットワーク上のポータビリティ一を重視した設計 思想により構築することが望まれている。
[0032] 上記した外化記憶を時間的に蓄積する手法では、大量の外化記憶を取り扱う際に 、人にとって認知的負荷の高い作業が必要であり、発想支援や問題解決支援システ ムを用いた知的活動を行うためには、その前段階にぉ 、て大量の外ィ匕記憶を整理し 、ユーザにとって認知的負荷の低 、作業環境を実現する必要がある。
[0033] そこで、外ィ匕記憶を空間的に蓄積する手法が考えられるが、この場合、大量の外化 記憶に適した情報配置手法とズーミング手法の確立が必要である。
[0034] 従来の情報配置方法としては、上記した designing Workscape: an interdisciplinar y experience , 「The WebBook and tne Web Forager: an information workspace for t he World-Wide Web」 , 「Data mountain: using spatial memory for document manage ment」の技術が挙げられる力 これらの文献では、高々 100件程度までの文書を配 置可能な空間しか議論されておらず、大量の外ィ匕記憶の蓄積に適用できない。
[0035] 大量の外化記憶を空間に配置可能とするためには、空間全体を俯瞰可能とするズ 一ミング技術や、限られた空間を有効活用するために配置される情報の大きさそのも のを縮小可能とするスケーリングが必要である。
発明の開示
[0036] 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大量の外化記 憶の蓄積および管理に適した情報管理システム (外化記憶構築システム)、情報管 理方法、情報管理プログラムおよびその記録媒体を提供することにある。
[0037] 本発明の情報管理システムは、上記の課題を解決するために、画像を表示する表 示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段と、複数のコンテンツ 情報を記憶する記憶手段とを備え、上記記憶手段に記憶したコンテンツ情報を示す 画像を上記表示手段に表示する情報管理システムであって、上記制御手段は、上記 表示手段に三次元球体画像を表示させるとともに、上記コンテンッ情報を示す画像 を、上記三次元球体画像の球面上に表示させることを特徴として 、る。
[0038] また、本発明の情報管理方法は、上記の課題を解決するために、コンテンツ情報を
記憶し、記憶したコンテンツ情報を示す画像を表示する情報管理方法であって、三 次元球体画像を表示するとともに、上記記憶したコンテンツ情報を示す画像を上記 三次元球体画像の球面上に表示することを特徴としている。
[0039] 上記の情報管理システムおよび情報管理方法によれば、三次元球体画像の奥行 きや左右などの空間的な手掛力りを活力してコンテンツ情報を配置することができる。 我々は地球の形状をよく知っており、球面上の位置は緯度経度として容易に把握す ることができるので、三次元球体画像は、三次元の奥行き感覚を利用した情報配置 空間として特に好適である。
[0040] 本発明の情報管理プログラムは、コンピューターに、上記した情報管理システムに おける制御手段の処理を実行させるためのものである。
[0041] コンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、本発明の情報管理シス テムにおける制御手段の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能と なる。
[0042] また、これらのプログラムをコンピューターによって読み取り可能な記録媒体に記録 させておくことで、プログラムの保存 ·流通を容易に行えるようになる。さらに、この記 録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、本発明の情報管理システム における制御手段の処理を実施できる。
図面の簡単な説明
[0043] [図 1]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムで用いる時空間記憶モデルの 概念図である。
[図 2]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける表示画面の一例を示 す図である。
[図 3]本発明の一実施形態にカゝかる情報管理システムで用いられるコンテンツ断片の 一例を示す図である。
[図 4]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける、コンテンツ断片の表 示例を示す図である。
[図 5]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける、コンテンツ断片の作 成方法の一例を示す図である。
[図 6]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける、木構造とストーリー 構造とを示す図である。
[図 7]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおいて、特定のコンテンツ断 片が画面の中央となるようにズームアップした状態を示す図である。
圆 8]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける表示画面の一例を示 す図であり、図 2をズームアウトした図である。
圆 9]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける表示画面の一例を示 す図であり、図 2を俯瞰した図である。
[図 10]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける、自動プレゼンテー シヨン時の表示画面の一例を示す図である。
圆 11]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける表示画面の例を示 す図であり、左の画面はホームポジションから見た図、右の画面はその裏側を表示さ せた図である。
圆 12]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いた実験結果における、 表示画面の一例を示す図である。
圆 13]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 14]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 15]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 16]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 17]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を
説明するためのストーリー構造についての、 自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 18]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 19]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 20]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 21]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 22]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 23]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 24]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 25]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 26]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一
例を示す図である。
圆 27]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 28]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 29]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 30]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 31]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 32]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 33]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムを用いて作成した、本発明を 説明するためのストーリー構造についての、自動プレゼンテーションの表示画像の一 例を示す図である。
圆 34]本発明の一実施形態にカゝかる情報管理システムの概略構成を示すブロック図 である。
[図 35]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおける処理の流れを示す フロー図である。
圆 36]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムの変形例を示すブロック図で ある。
圆 37(a)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、各被験者のカード配置ポリシーの例を示す説明図である。 圆 37(b)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、各被験者のカード配置ポリシーの例を示す説明図である。 圆 37(c)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、各被験者のカード配置ポリシーの例を示す説明図である。 圆 38(a)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、ストーリーの配置ポリシーの例を示す説明図である。
圆 38(b)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、ストーリーの配置ポリシーの例を示す説明図である。
圆 38(c)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、ストーリーの配置ポリシーの例を示す説明図である。
圆 38(d)]本発明の位置実施形態に力かる情報管理システムを用いて行った記憶の 構築実験における、ストーリーの配置ポリシーの例を示す説明図である。
圆 39]本発明の一実施形態に力かる情報管理システムにおいて構築されるランドス ケープモデルの一例を示す説明図である。
[図 40]本発明の他の実施形態にカゝかる情報管理システムの概略構成を示すブロック 図である。
[図 41]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおいてランドスケープ上 に表示されるコンテキストの一例を示す説明図である。
[図 42]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 43]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 44]本発明の他の実施形態にカゝかる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 45]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 46]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 47]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 48]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 49]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 50]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 51]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおけるコンテキストポイン トの視点位置を再現した説明図である。
[図 52]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおける処理の流れを示 すフロー図である。
[図 53]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおいて、コンテキストの自 動再生を行う場合の表示画面の一例を示す説明図である。
[図 54]本発明の他の実施形態に力かる情報管理システムにおいて、コンテキストの再 生を行う場合の表示画面の一例を示す説明図である。
[図 55]本発明のさらに他の実施形態において、等高線の表示を行わない場合および 等高線を表示する場合の、知球および知球上に表示される階層構造を示す説明図 である。
[図 56]本発明のさらに他の実施形態において、各等高線によって囲まれる領域を立 体的に表示した例を示す説明図である。
[図 57]本発明のさらに他の実施形態において、各等高線によって囲まれる領域を立 体的に表示した他の例を示す説明図である。
[図 58]本発明のさらに他の実施形態において、知球の表示サイズに応じて表示する 知球カードの数を変える場合の一例を示す説明図である。
圆 59]本発明のさらに他の実施形態において、各木構造に対応する境界線内の領
域にラベルとして色を付けて表示した例を示す説明図である。
[図 60]本発明のさらに他の実施形態において、木構造同士の結合'分離処理の結果 を表示した例を示す説明図である。
発明を実施するための最良の形態
[0044] 〔実施形態 1〕
本発明の一実施形態について説明する。
[0045] 本実施形態では、持続的に発展可能な個人の外化記憶構築システム (情報管理シ ステム)の実現を目的として、外化記憶の時空間記憶(時空記憶)モデルを提案する 。本実施形態にかかる時空間記憶モデルでは、持続的に発展可能な外化記憶を空 間的に構築されるコンテンツ、および、その時間的な発展としてモデル化する。すな わち、本実施形態に力かる時空間記憶モデルでは、情報 (コンテンツ)を三次元 CG で構成される仮想球面上に表示し、誰もが直感的に三次元 CGを理解し記憶できる ようにすることによって、持続的に発展可能な外ィ匕記憶を実現するシステムを構築す る。また、本実施形態では、このような、三次元 CGで構成される仮想球面を、知識の 球体との意味で「知球」と呼ぶ。
[0046] また、本実施形態では、時空間記憶モデルを知球 (知球システム、持続的に発展 可能な時空記録システム)として実装し、 1100件のコンテンツ断片を用いた外ィ匕記 憶を実験的に構築した結果、および、持続的な利用によってもたらされる大量の外ィ匕 記憶管理の実現性について説明する。
[0047] なお、本実施形態では、外ィ匕記憶をコンテンツの一種として捉える。すなわち、本 実施形態では、「知球カード (コンテンツカード)」と呼ばれるオープンなオブジェクト( クラス)を定義する。「知球カード」は画像、テキスト、音、時間領域のデータ、ユーザ の残したドキュメント(ブレーンテキスト, Word (登録商標)文書, PDF文書,手書文 書など)、写真、ムービー(動画)、スライド、 Webページなどの任意の電子的コンテン ッを含み、互いに結合させて取り扱うことのできる構造を有する。「知球カード (コンテ ンッカード)」はデータの外化手段であり、長期間の保存と閲覧、再利用を可能とし、 長期間ユーザの利用を動機付ける構造である。
[0048] 持続的に発展可能な外ィ匕記憶とは、長期間蓄積可能であると同時に長期間の利
用にも耐え得るものでなくてはならな 、。 V、つたん外ィ匕した記憶は自分で再び閲覧し たり他人に見せたりする手段がなければ死蔵されてしまう。例えば、写真とは外化記 憶であると同時に人に見せるコンテンツでもある両面性が有用であるがために、長期 間に渡る蓄積を動機付けられていると考えられる。特に、アルバムのように後でもう一 度閲覧することを考慮してまとめられたコンテンツは、他人にとっても未来の自分にと つても閲覧が容易なものとなる。
[0049] また、本実施形態では、記憶構築システムのモデルとして時空間記憶モデルを提 案する。時空間記憶モデルでは、外化記憶をコンテンツとその材料となるコンテンツ 断片の集合として時空間的に蓄積および閲覧可能とすることにより、その持続的な発 展を支援する。
[0050] また、本実施形態では主に外化記憶の空間的な情報配置の課題に取り組み、ズー ミング技術を情報配置の補助として位置付ける。
[0051] < 1 - 1 時空間記憶モデル >
個人の外ィ匕記憶構築システムのモデルとして時空間記憶モデルを提案する。持続 的に発展可能な外化記憶を構築するためには、外化記憶の時間的な積み上げと、 大量の外ィ匕記憶を配置可能な空間的広がりが重要である。
[0052] 図 1に時空間記憶モデルの概念図を示す。ここで、外化記憶は、コンテンツとコンテ ンッ断片の集合力も構成されるものとし、外ィ匕記憶の時間的な蓄積は t=0を開始時 刻とするとコンテンツ断片外ィ匕のプロセス (t = 1 , t = 3)とコンテンッ断片からコンテン ッを構成するプロセス (t= 2)とを交互に繰り返すことによって時刻 t=n (nは 2以上の 偶数)まで進められる。
[0053] また、蓄積されたコンテンツ断片とコンテンツは空間的に配置されてゆく。このとき、 コンテンツ断片はジオメトリ(幾何学)的に配置され、コンテンツはコンテンツ断片のト ポロジ的な連結によって表現される。
[0054] 本実施形態に力かる時空間記憶モデルは、問題解決の技法である累積 KJ法 (上 記した「続'発想法」参照)を、コンテンツ構築の技法として発展させたものである。時 空間記憶モデルにおける外化空間は、累積 KJ法における問題が解決するまでの一 時的な作業空間ではなぐコンテンツを構築するためのコンテンツ空間である。コンテ
ンッとはひとまとまりの情報であり、複合的なメディアを用いて表現される。また、コン テンッ空間とはコンテンツを閲覧するためのブラウズ機能を併せ持つものである。
[0055] 時空間記憶モデルを用いた外ィ匕記憶構築システムは、ユーザの手によって次の手 順で利用される。
1.ユーザは自分の記憶をコンテンツ断片として外ィ匕する。
2.ユーザはコンテンツ断片を外ィ匕空間内へジオメトリ的に配置する。
3.ユーザはコンテンツ断片をトポロジ的に連結し、コンテンツを構築する。
4.ユーザはコンテンツを自分で見る、あるいはコンテンツを人に見せる。
5.ユーザはコンテンツ力もフィードバックを受け、新たな記憶を外ィ匕し、 1の手順に戻 る。
[0056] ここで、コンテンツ断片のジオメトリ的な配置は、コンテンツを構築する際の暗黙的 な手力かりをユーザに与える。ユーザは、コンテンツ断片を自分の好みのポリシーで 配置しながらコンテンツを構築することができる。一方、コンテンツ断片のトポロジ的な 連結とは、木構造による分類や順序的なストーリー構造であり、コンテンツの閲覧を 容易なものとする。ジオメトリ的な配置と比較して、トポロジ的な連結は、外化記憶を 他人に説明する際に有効な、より明示的な表現である。
[0057] < 1 - 2 知球 >
本実施形態における時空間記憶モデルに基づ!ヽた外化記憶構築システム (情報 管理システム)である、「知球(知球システム)」(Sustainable Knowledge Globe)につい て説明する。知球は、 Microsoft .NET Framework 1.1 (登録商標)と Managed Direct X9.0 (登録商標)とを用いて実装された、 Windows (登録商標)を搭載する PC上で動 作するシステムであり、マウスとキーボードと力 成る標準的なインタフェースを用いて 操作可能である。なお、本実施形態において、「知球」とは、本実施形態に力かる外 化記憶構築システムの名称であるとともに、このシステムにおける表示手段に表示さ れる三次元 CG (コンピューターグラフィック)で構成される仮想球面(三次元球体画 像)の名称としても用いる。
[0058] 図 34は、知球(知球システム) 1の概略構成を示すブロック図である。この図に示す ように知球 1は、入力装置 2、出力装置 3、サーバ 4、外部記憶装置 5、知球クライアン
ト(制御部) 6を備えている。
[0059] 入力装置 2は、ユーザからの入力を受け付けるインタフェースである。このインタフエ ースの構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では、マウス、モーション キヤプチャ、ペンタブレット等の空間情報入力装置、キーボードなどの文字情報入力 装置、ビデオカメラ、マイク等の画像、映像、音声入力装置などを用いることができる
[0060] 出力装置 3は、ディスプレイ等の映像出力装置 (表示手段)、スピーカ等の音声出 力手段 (音声出力手段)からなる。
[0061] サーバ 4は、ネットワークを介して知球 1に接続される、ネットワーク上のサーバであ る。
[0062] 外部記憶装置 5は、ハードディスク等の記憶装置からなる。
[0063] 知球クライアント (制御部、制御手段) 6は、知球 1におけるすべての動作を制御す るものであり、時空間情報制御部 11、時空間情報データベース 12を備えている。
[0064] 時空間情報データベース 12は、時空間情報を記憶 '蓄積するデータベースである 。本実施形態において、時空間時空間情報とは、カード (タイトル, URL,注釈)とそ の最終更新日時、位置 (表示位置 (緯度経度) )、サイズ (表示サイズ (縦横の長さ) )、 構造 (木構造、ストーリー構造)に関する情報を指す。
[0065] 時空間情報は、知球 (三次元球体画像)上の全てのカード (知球カード)、あるいは その部分集合としてグループ化され、「ユーザ名」「時刻」「ID (グループィ匕されたまと まりを一意に特定可能な名前) Jのインデックスとともに、空間情報データベース(時空 間情報データベース 12)で管理される。
[0066] 時空間情報は,外部記憶装置 (ノヽードディスク) 5に対する保存 ·読み込みが可能 である。また、ネットワーク上のサーバ 4に対してアップロード 'ダウンロードが可能で ある。
[0067] 時空間情報制御部 11は、空間情報制御部 13、会話エージェント制御部 14、時間 情報制御部 15、カードエディタ 16を含む。また、空間情報制御部 13は、ストーリー構 造制御部 17、提示情報量制御部 18、球面制御部 19、木構造制御部 20を含む。
[0068] 時間情報制御部 15は、ユーザの指定する時刻の時空間情報を表示、ある!/、は、ュ
一ザの指示に応じて時空間情報を連続表示する。
[0069] ストーリー構造制御部 17は、ストーリー(知球カード同士を関連付けたストーリー構 造、詳細は後述する)におけるカードの前後(順序)関係に従って、知球カード同士を 接続するアーク(リンク)(アーク画像)を表示する。また、入力装置 2に対するユーザ の操作に対応して、カードをストーリーへ挿入し、あるいはストーリーから削除する。ま た、ストーリーに応じて、後述する会話エージェントの発話順序を制御する。
[0070] 提示情報量制御部 18は、球面 (知球 (三次元球体画像))の縮尺 ·回転角,視点に 対応して球面上の情報表示範囲、表示角度を制御する。なお、提示情報量制御部 1 8は、画面内におさまる情報のみを処理する。また、提示情報量制御部 18は、三次 元 CG処理に力かる負担を軽減するために、知球カードに関するサムネイル画像の 詳細度、表示数を制御する。
[0071] 球面制御部 19は、入力装置 2に対するユーザの操作に対応して、球面の縮尺や 回転角を変更する。
[0072] 木構造制御部 20は、カード (知球カード)の木構造 (知球カードを分類したグルー プ構造、ある 、は分類したグループ内における各知球カードの順序構造 (親子関係) )を、親カードを中心とする円(領域)として表現する。この際、子カードは親カードの 円内に必ず含まれるものとする。また、木構造制御部 20は、親カードと子カードの距 離力も円の半径を演算する。なお、円の半径は、ユーザが入力装置 2を介して任意 に設定できるようにしてもよい。また、円の表示色あるいは円内の表示色は、そのダル ープに含まれる知球カードの数に応じて設定するようにしてもよぐあるいはユーザが 任意に設定できるようにしてもよい。また、木構造制御部 20は、ユーザの操作する力 ードが円の内にあるか外にあるかを判定し、内にある場合には親カードの子としてカロ え、外にある場合には親子関係を解消する。また、木構造制御部 20は、ユーザの操 作する木の円が他の木の円と重ならな!/、ように制御する。
[0073] カードエディタ 16は、入力装置 2に対するユーザの操作に対応してカードを作成' 変更し、更新日時とともに時空間情報データベース 12へ保存する。
[0074] 会話エージェント制御部 14は、ストーリー構造に従ってカードの自動プレゼンテー シヨンを生成する。なお、自動プレゼンテーションには、スライド (カード)の自動送り、
会話エージェント(会話エージェント画像)によるスライドの音声とアニメーションを用 いた説明、会話エージェントの移動アニメーション、会話エージェントとの質問応答を 含む。ここで、会話エージェントとは、スライドを背景として自動プレゼンテーションに おける表示画面の一部に表示されるキャラクターである。
[0075] 自動プレゼンテーションは、入力装置 2に備えられた以下の各ボタンによるユーザ の操作に対応する。
「再生」ボタン (ストーリーの順序通りに自動送り)
「早送り」ボタン (次のカードまでスキップする)
「巻き戻し」ボタン (一つ前のカードまで戻る)
「一時停止」ボタン (自動送りを一時停止)
「停止」ボタン (自動送りを停止)
知球では、外ィ匕記憶をカード型のコンテンツとして表現し、このカード型のコンテン ッを、図 2のような仮想的に構築された球面を用いて蓄積および閲覧する。
[0076] 「知球」の特徴は以下である。
(A)「知球」の座標系は操作者の意図に従い任意に変更できる。すなわち、座標や サイズを任意に変更できる。
(B)「知球」のサイズは操作者のスケーリングに従い任意に変更できる。すなわち、ズ ーム機能を備えている。
(C)「知球」上の任意の位置に「コンテンツカード」を貼り付けあるいは削除できる。
(D)「知球」上の任意の位置にリーマン面円形領域を置きグループィ匕できる。
(E)上記リーマン面円形領域は任意にスケーリングできる。
(F)上記リーマン面円形領域は任意に再定義あるいは削除できる。
(G)「知球」上の任意位置に「コンテンツカード」を定義、再配置、削除できる。(任意 に貼り付け 'グループィ匕できる。 )
(H)「コンテンツカード」は画像、テキスト、音などの情報を時間領域で含めて外ィ匕で きる。
(I)「コンテンツカード」は時系列、定義によるシリーズ化、登録順列化できる。
Q)「コンテンツカード」は序列化により表示できる(「会話エージェント」)。
(K)「会話エージェント」を利用すると TVショーとして表示できる。
(L)「コンテンツカード」は短縮画像に変えてフォルダとしてアイコンィ匕できる。
(M)コンテンッとコンテンッ断片は外ィ匕情報プロセスにあってはコンテンッの構築で ありコンテンツ閲覧と外ィ匕の循環を活性ィ匕できる。
(N)コンテンツとは情報暗黙知と形式知のうちで比較的形式知に比重がある。
(O)「会話エージェント」の利用に合わせて e— mailでコミュニケーションがとれる。 (P)「会話エージェント」の質問に対して事前準備された回答を返せる。
(Q)「会話エージェント」の質問、回答は整理し再表示できる。
[0077] (1 - 2- 1 知球カード)
知球では外ィ匕記憶のコンテンツ断片として知球カードと呼ばれる形式を用いる。知 球カードとはファイル、ファイルのタイトルを示すテキスト、ファイルに対する注釈テキ ストの三要素から構成されるコンテンツ断片であり、例えば、図 3のような XML形式を 用いて記述される。
[0078] 図 3においてく card>要素は一つの知球カードを示す。一つの XMLファイルに < card>要素はただ一つ記述されるものとする。く card >要素はく title > , <url> , く annotation>を子要素として一つずつ持ち、く title >要素内にはタイトル、く ur 1 >要素内にはファイルを指す URL、 < annotation >要素内には注釈が記述される
[0079] 知球カードは知識カード(上記した「ソフトウェアエージェントとその応用論文特集」 参照)と呼ばれるコンテンツ断片の形式を拡張したものである。知識カードはタイトル 、画像ファイル、本文テキストから構成され、複数枚の知識カードを順序付けて並べ ることにより、ストーリー型コンテンツを作成することができる。本発明の発明者らは、 知識カードをこれまでに会話エージェントシステム用のコンテンツ断片として利用し( 上記した「ソフトウェアエージェントとその応用論文特集」、および、久保田秀和,山下 耕二,福原知宏,西田豊明、 "POC caster:インターネットコミュニティのための会話表 現を用いた情報提供エージエンド'、 人工知能学会論文誌、 vol.l7、 No.3、 PP.313- 321、 2002.参照)、地域情報コンテンツや大学の講義.レポートコンテンツとして 500 0枚を越える知識カードから構成される 1000のストーリーを作成した実績がある。
[0080] 知識カードでは、簡単のためファイルとして画像のみを許した力 知球カードでは文 書や映像を用いたコンテンツも作成できるようにこれをファイル一般へと拡張した。
[0081] カードは、図 4に示すように、ファイルのサムネイル画像とタイトル文字、最終更新日 時の組として知球上で表示される。また、カードはユーザが判読しやすいように常に 画面に対して水平かつ正面を向くように表示される。
[0082] 知球カードの作成にはカードエディタ 16を用いる。カードエディタ 16は知球上の任 意の位置で右クリックメニューから開くことができる。図 5はカードエディタ 16の画面で あり、タイトルおよび注釈の入力欄とファイル編集領域力も構成されている。ファイル 編集領域では、手描きの図や読み込み画像を用いた PNG画像ファイルの作成と、 色やフォントサイズの変更可能なテキストと画像を用いた RTF文書ファイルの作成と が可能である。
[0083] 作成されたファイルは知球カードとともにローカルディスク(時空間情報データべ一 ス 12)へ保存され、その位置は知球カードのく url>要素内に記述される。現在、知 球カードにおいて利用可能なファイルは画像ファイルと RTFファイルのみである。
[0084] なお、知球カードは EgoChatlll (上記「ソフトウェアエージェントとその応用論文特集 」)などの従来システムとの互換性を保っために、既存の知識カードを変換すること〖こ よって作成することも可能である。
[0085] また、例えば、カードエディタ 16とは異なる外部エディタ(各種アプリケーションソフ トウエア)で作成されたコンテンツを時空間情報として知球システム 1に取り込む機能 を設けてもよい。つまり、知球システム 1とは異なる他のプログラム(システム)上のォブ ジェタト(コンテンツ、電子的ドキュメント)を、知球システム 1にインポート(データを移 行し記憶させること)できるようにしてもょ 、。
[0086] 図 36は、知球システム 1に、このような機能を設ける場合の一例を示すブロック図で ある。この図に示す知球システム 1は、図 34に示した構成にカ卩えて、知球クライアント 6の時空間情報制御部 11内に、インポーター 21を備えて 、る。
[0087] インポーター 21は、外部エディタによって作成されたコンテンツを知球システム 1に 取り込むためのものである。より詳細には、インポーター 21は、ユーザが知球と同じ デスクトップ上に表示されているコンテンツを、入力装置 2として備えられているマウス
,モーションキヤプチャ,ペンタブレット等を用いて知球上の任意の位置にドラッグ & ドロップした場合に、当該コンテンツを知球カードあるいは知球カードの一部として知 球システム 1に取り込み、時空間情報データベース 12に記憶させるとともに、知球上 に表示させる。
[0088] 知球カード (コンテンツ断片、コンテンツカード)およびそれに用いられるネットワーク 原語の特徴をまとめると以下の通りである。
(a)ネットワーク上でのポータビリティ一を考慮し XMLを用いる。
(b)一枚のカード要素にはく TITLE > < URL > < ANNOTATION >を含む。
(c) < TITLE >要素にはカードのタイトルを記載する。
(d)く URL >要素にはファイルを記載する。
(e) < ANNOTATION >要素には注釈を記載する。
(f)「知球」上にはサムネイル画像、タイトル文字、最終更新日を表示できる。
(g)カードエディタはタイトル、ファイル編集領域、注釈入力欄による。
(h)カードは有向アークで接続しストーリーを作ることが出来る。
(i)「知球カード」はスケーリング可能である。
(j)画像、テキスト、音、時間等を含めて外ィ匕できる。
(k)「会話エージェント (e mail'自動回答 '履歴)」を表示できる。
[0089] (1 - 2- 2 外化記憶の配置)
ユーザが外ィ匕記憶を配置するための空間の設計について、次元とトポロジの順に 考察する。
[0090] (1 2— 2— a 空間の次元)
二次元の情報配置空間としては、 Windows (登録商標)や MacOS (登録商標)など、 PC用のファイル管理環境であるデスクトップという考え方がある。このデスクトップは、 実世界作業机のメタファであると言える力 二次元表現であるがために我々が実際に 机上のものを取り扱う際の三次元的な奥行き感覚を利用することができない。
[0091] 三次元の奥行き感覚を利用した情報配置空間は、地面の有無によって二種類に 力、類でさ 。 1列 ば、上己し 7こ「Designing Workscape: an interdisciplinary experience 」 , 「The WebBook and the Web Forager: an information workspace for the World— W
ide Web」 , 「Data mountain: using spatial memory for document managementjは、文 書を仮想的な地面へ配置することによって管理するシステムであり、地面という判り易 い基準があるため、人にとって位置を把握することが容易である。
[0092] 視覚世界の特徴は、地表や地平線のような対象の背景によって与えられるといわ れている .ギブソン、〃生態学的視覚論"、 サイエンス社、 1985.参照)。つまり、配 置した情報の背景に広がる地面は人の空間知覚を大いに助けるものであり、地面の 有る三次元空間はジオメトリ情報の表現に向いていると言える。その反面、地面の有 る三次元空間は、情報配置が地面よりも上の空間に限定されるという制約を持ってい る。
[0093] 一方、地面の無い三次元空間は、配置に制約を持たない反面、空間知覚の手がか りはより少ないものとなる。地面の無い三次元空間は、ジオメトリ情報よりもトポロジ情 報の表現に向いていると言え、上記した「Cone Trees: Animated 3D Visualizations of Hierarchical Information] , 「『納豆ビュー』の対話的な情報視覚化における位置づ け」ではファイルの階層構造の可視化に利用されて 、る。
[0094] 時空間記憶モデルで取り扱う空間情報には、ジオメトリ的な配置情報とトポロジ的な 連結情報の 2種類があるが、コンテンッとして連結されるコンテンツ断片は一部である ためジオメトリ情報のほうが多くを占めている。このため、本実施形態では、地面の有 る三次元空間を採用する。
[0095] (1 - 2- 2-b 地面のトポロジ)
地面のトポロジは、有限平面、無限平面、二次元トーラス(上下 ·左右の繋がった平 面)、球面など様々なものを取り得る。プロトタイプ版知球である Knowledge Landscap e (許宰源,西田豊明、"相互適応的な知識外ィ匕手法を用いた知識編集支援"、 人工 知能学会全国大会 (第 18回)論文集、 ρρ.2Ε1-05、 2004.)では有限平面を用いて外化 記憶を配置した結果、平面の縁近辺に置いた外化記憶は縁方向への広がりが阻害 されるという示唆を受けた。
[0096] 無限平面や二次元トーラスは縁がな!、ためこの点で問題はな!/、が、人は通常、無 限平面や二次元トーラス状の地面を持つ世界に触れる機会がない。このため、本実 施形態では、我々の住む地球同様、球面を地面とする空間を採用した。我々は地球
の形状をよく知っており、球面上の位置は緯度経度として容易に把握することができ る。
[0097] このように、知球では、外ィ匕記憶を配置するための空間として、図 2に示したような 球面を用いる。また、地面は砂色をしており、 10度毎に緯線経線が引かれている。ま た、東経と西経、北緯と南緯は区別がつく様に色を変えてある。また、目印のため北 極には赤い四角錐、南極には青い四角錐が立てられ、赤道は赤色の帯となっている 。なお、これらの印は日本の位置や広さなど現実的な地球上の地理に対応させるた めのものではなぐユーザにとって球面の把握を容易にするための手が力りとしてつ けられたものである。
[0098] また、ユーザは知球カードをマウスの左ボタンを押して掴むことによって移動させ、 知球表面上の好みの位置に配置する(ドラッグ &ドロップする)ことができるようになつ ている。
[0099] (1 - 2- 3 外化記憶の連結)
知球カードを人に説明可能なコンテンツとして連結する手法としては、木構造とスト 一リー構造を用いる。ユーザは、知球カードの集合に対して任意の形の木構造とスト 一リー構造を与えることができるものとする。
[0100] (1 2— 3— a 木構造)
木構造は、情報分類の手法として一般的であり、また多くの人が使い慣れている。 分類することによって、知球カードは意味のあるひとまとまりのコンテンツとして閲覧す ることが可能となる。
[0101] ジオメトリ情報を持つ知球カードに対して木構造を与える手法として、図 6のように、 知球カードの親子関係(階層関係)を円の領域として示す。親 (上位階層)は円の中 心にある知球カードとして表現され、その円内の任意の位置にある知球カードを子( 下位階層)とする。
[0102] 木構造制御部 20は、親となる知球カードについて、分類内容がよく目につくように 高い足を付け、タイトルを通常よりも(子となる知球カードよりも)大きく表示する。また 、木構造制御部 20は、親子関係を示す円を入れ子構造 (親と子とを含む円 (ルート 要素の円)内に、子と孫とを含む円を表示し、この子と孫とを含む円内に、孫と曾孫と
を含む円を表示するといつた構造。すなわち、木構造における階層に応じて、各親子 を含む円をその上位階層の円の中に表示する構造。)とすることによって、木の深さ を表現する。また、木構造制御部 20は、木の入れ子関係 (親,子,孫,曾孫, · · ·と続 く関係)を円周の色を変えることによって強調し、ルート要素の円を赤として、その後、 一つ深くなる毎に青と茶褐色を交互に用いる。また、木構造制御部 20は、円の半径 を親力 最も遠い子との間の距離に基づいて計算し、ユーザが子を移動するたびに 円の半径を更新する。
[0103] 知球全体でルート要素を一つとすると、分類や配置への制約が大きいため、知球 では複数の木が存在することを許している。同様の理由で、親も子も持たない知球力 ードの存在も認めている。
[0104] 木構造の表現としてアークを用いな力つた理由は、複数の木の位置が重なり合う際 にアークが交差して構造が判り辛くなるためである。知球では、親子関係にない円は 原則的に重なり合わないという制約を設けることによって、木構造を明瞭なものとして いる。
[0105] 知球カードを移動させるとその全ての子孫は相互の位置関係を保ったまま一緒に 移動する。つまり、知球カードをドラッグ &ドロップすると、木構造制御部 20は、その 知球カードの全ての子孫を、互!、の位置関係を保ったままドラッグ &ドロップされた 知球カードと一緒に移動させる。また、知球カードの親子関係は、子となる知球カー ドを、親となる知球カード上あるいはその円内に重ねることによって結ぶことができる。 つまり、知球カードを他の知球カード上あるいは他の知球カードを親とする円内にド ラッグ &ドロップすると、木構造制御部 20は、当該ドラッグ &ドロップされた知球カー ドを、上記他の知球カードの子とするように親子関係を形成させる。逆に、子の知球 カードを親の円外に出すことによって、木構造制御部 20は、その親子関係を解消す る。なお、通常の知球カードの移動時には、知球カードを別の木と重ねたり自分の木 力も離れさせたりすることはできな 、が、所定のキー(例えばシフトキー)の押されて!/ヽ る間のみ木構造制御部 20がこれを許すものとする。この親子関係の変更も移動同様 全ての子孫に対して適用される。
[0106] (1 2— 3— b ストーリー構造)
ストーリー構造とは方向を持つリスト構造であり、複数の知球カードに順序関係を与 えることによって、カード間の話の筋が明確に判るようにする。ストーリー化はコンテン ッ断片の集合に対してコンテンツとして欠けた部分を気付力せるという利点も持って V、る(上記した「続 ·発想法」参照)。
[0107] ストーリー構造は二つの知球カードを図 6に示したようなアークで繋ぐことによって表 現する。アークは順序が前の知球カード側が太ぐ後ろの知球カード側が細くなつて いる。このとき、アークは複数の木を横断してもよい。木構造同様、ストーリー構造の アークも交差が起こりうるが、直線的なリスト構造であるため放射的な木構造ほどの読 みにくさはない。図 6では、「知球の概要」というタイトルを持つ知球カードを始まりとし て、「知球プロジェクト」、「知球の応用」という 2枚のカードがアークによって順に連結 されること〖こよって、画像ファイルとその注釈テキストから成る知球研究の紹介ストーリ 一が構成されている。
[0108] 知球カード間のアークは、ユーザがカード上で右クリックメニュー力 接続コマンドを 選択し、接続先のカードをクリックすることによって作成する。つまり、ユーザが入力装 置 2としてのマウスを用いて、画面上に表示されて!、るカーソルをカード上に移動さ せた状態で右クリックすると、ストーリー構造制御部 17は、ユーザが選択可能な操作 のメニューを表示する。そして、ユーザが、マウスを用いて、このメニュー力も接続コマ ンド (アークの作成コマンド)を選択し、接続先のカードをクリックすると、ストーリー構 造制御部 17は、アークを作成する。なお、アークの切断も同様の手順で行う。また、 本実施形態では、ストーリーの開始点となる知球カードのタイトルは、判別を容易に するため、通常よりも大きく表示される。
[0109] (1 - 2-4 知球のブラウジング)
知球システム 1の起動直後は、図 2に示すような、北極周辺を斜め上から見た知球 が表示される。ユーザは、ここをホームポジションとして知球を回転、あるいはズーミン グすることによって、任意の場所の任意の範囲をブラウズ可能となっている。つまり、 球面制御部 19は、知球システム 1の起動直後には、北極周辺を斜め上から見た知球 を表示し、その後は、ユーザの指示に応じた回転角および縮尺で知球を表示する。
[0110] マウスでは大きな自由度を持つ回転操作は困難であるため、緯度方向と経度方向
の回転の 2自由度のみ持たせている。緯度方向の回転はマウスの右ボタンを押しな がらの上下移動で、経度方向の回転はマウスの右ボタンを押しながらの左右移動で 行う。つまり、マウスの右ボタンを押した状態でそのマウスを上下または左右に移動す ると、球面制御部 19は、その上下または左右への移動量に応じて、知球を緯度方向 または経度方向に回転させて表示する。
[0111] 知球カードにマウスカーソルを合わせると、提示情報量制御部 18は、その知球カー ドのタイトルと最終更新日時とを通常よりも(マウスカーソルを合わせる前よりも)大きく 表示する。さらに、知球カードをクリックすると、球面制御部 19は、対象カードが画面 の中央となるように知球を回転させ、その知球カードを画面一杯の大きさまでズーム アップするアニメーション動作を行う。このズームアップ状態の知球カードを図 7に示 す。
[0112] 大量の外ィ匕記憶を空間に配置するためには、空間全体の俯瞰と部分の焦点化を 可能とするズーミングが必要である。
[0113] 情報配置の段階では情報間のジオメトリが勝手に変更されてしまう歪み配置を用い たズーミングは望ましくないため、本実施形態では上記した「Pad++: A Zooming Grap hical Interface for Exploring Alternate Interface PhysicsJの つなム大縮小 ノ—口 ~~ チを取る。
[0114] 知球のズーミング (縮尺)は、球面制御部 19が、ユーザの操作によるマウスホイール の回転量に応じて調節する。また、提示情報量制御部 18は、知球のズーミング (縮 尺)に応じて、知球カードのサムネイル画像の大きさを制御する。例えば、知球カード のサムネイル画像は大中小 3種類が用意されており、ズームインするほど詳細な画像 と大きなタイトルが表示される。一方、ズームアウトするにつれ知球カードの画像'タイ トル表示は詳細度を失い、同時に表示可能な範囲が増える。なお、ズームアウトする 場合には、提示情報量制御部 18は、計算機処理の負荷を抑えるため、木構造の深 い位置にある知球カード力 順に非表示状態へ変更する。図 8は図 2の知球をズー ムアウトしたものであり、最も内側の円の中のカードは非表示状態となっている。
[0115] また、球面制御部 19は、ユーザの選択指示に応じて、知球の表示を、通常視点と 鳥瞰 (俯瞰)視点とに切り替える。つまり、ユーザは通常視点と鳥瞰の二つの視点を
選んで知球を眺めることが可能となっている。通常視点(ランドスケープ)は斜め上か ら地面を眺める視点であり、奥行きの感じられる視点となっている。鳥瞰は真上から 地面を眺める視点であり、奥行きを持つ空間で背後のカードが前のカードに隠されて しまうこと (ォクルージョン)を回避できる。図 9は図 2の知球を俯瞰 (鳥瞰)したもので ある。
[0116] (1 - 2- 5 ストーリーの自動プレゼンテーション)
知球システム 1では、ユーザによる能動的な知球のブラウズにカ卩え、ユーザが自分 のストーリーを客観視することを支援するために、キャラクターを用いたストーリーの自 動プレゼンテーションを可能とした。知球カードがストーリー構造を持つ場合、その知 球カードがズームアップされると、ストーリー構造制御部 17が、再生ボタンを表示する 。ユーザが再生ボタンを押すと、会話エージェント制御部 14は、図 10に示すように、 画面の右端にキャラクターを表示し、自動プレゼンテーションを開始する。
[0117] 自動プレゼンテーションでは、提示情報量制御部 18が知球カードのサムネイル画 像を背景として表示させ、会話エージェント制御部 14が、注釈テキストを市販の音声 合成ソフトウェアを用いて読み上げてゆく。この際、会話エージェント制御部 14は、上 記のキャラクターが注釈テキストを読み上げて ヽるように、音声に応じてキャラクター の表示を制御する。一枚の知球カードを読み終えると、会話エージェント制御部 14 は、ストーリー構造で連結された次の知球カードへキャラクターを移動させ (キャラクタ 一が次の知球カードへ移動する歩行動作を表示し)、次の知球カードを上記した知 球カードと同様に読み上げる。ストーリーの最後のカードを読み終えるとプレゼンテー シヨンは終了する。
[0118] 自動プレゼンテーションによって、ユーザは、自分で作成したストーリーを、テレビ番 組を見るように客観的に眺めることができる。それに加え、複数の人に自分のストーリ 一を見せたい場合に、予め作成したストーリーを再生すれば何度も同じ操作をする 必要がなくなるという利点がある。
[0119] ここで、キャラクターを用いた理由は、ばらばらに位置する知球カードに対して一人 のプレゼンティターを与えることにより、ストーリーの一貫性を強調するためである。会 話エージェント制御部 14は、二次元アニメーションで表示するキャラクターを動作さ
せ、読み上げ時の口パクと移動時の歩行動作を行わせる。
[0120] (1 - 2-6 知球カードのスケーリング)
知球システム 1では、有限の空間である知球表面へ大量の知球カードを収めるため に、ユーザが必要に応じて知球カードの幅と高さのスケールを変更できるようにした。 つまり、提示情報量制御部 18が、ユーザの入力指示に応じて、知球カードの幅と高 さのスケールを変更するようにした。なお、本実施形態では、提示情報量制御部 18 は、知球カードのスケールを 1. 0倍 (等倍)から 0. 2倍の範囲で変化できるようにした 。また、木構造においては、提示情報量制御部 18が、親にあたるカードのスケールを 、子のカードのスケールへ自動的に乗算するようにした。これにより、下の世代のカー ド (子のカード)は必ず上の世代のカード (親のカード)以下の大きさとなる。
[0121] 下の世代のカードを上の世代のカードより小さくした理由は、木構造を用いた分類 では、一般に、下の世代が上の世代よりも具体的な内容を含むため、詳細を閲覧す るズームイン 'ズームアップ状態以外ではカードの判読が困難でも良いと考えたため である。
[0122] また、カードのスケーリングと連動して親と子との間の距離も同じ比率で伸縮するた め、木の円の半径も拡大縮小する。スケーリング操作はユーザがカード上でシフトキ 一を押しながらマウスホイールを回転させることによって行う。つまり、提示情報量制 御部 18は、ユーザが知球カード上でシフトキーを押しながらマウスホイールを回転さ せた場合に、その回転量に応じて当該知球カードのスケールを変化させる。スケー ルの決定を全自動化しない理由は、カードの配置同様、カードの大きさにもユーザの 意図(ユーザにとっての重要度や使用頻度の区別など)を反映可能とするためである
[0123] (1 - 2- 7 外化記憶の発展記録)
知球上の外ィ匕記憶の内容は、ユーザが保存ボタンを押すことによって毎回新規の データとして保存される。つまり、ユーザが保存ボタンを押すと、時空間情報制御部 1 1 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、知球上の外化記憶の内容を時 空間情報データベース 12 (あるいは外部記憶装置 5またはサーバ 4)に保存する。ュ 一ザが知球を起動した直後には、時空間情報制御部 11は最新のデータをロードし、
ロードした最新のデータを知球上に表示する。また、ユーザが所定の操作を行うごと( 例えばキーボードの" PageUp"または" PageDown"キーを押すごと)に、時空間情報制 御部 1 1は、時系列順に前後のデータをロードする。時系列順で一番初めのデータは 知球上になにもない状態であり、ユーザは初め力 現在までの外ィ匕記憶構築の変遷 を観察することが可能である。
[0124] 外ィ匕記憶操作の特徴は以下の通りである。
( a )保存ボタンを押すと新規データを記録。
( β )知球起動時には初期画面が表示される。
( γ )キー" PAGEUP" , "PAGEDOWN"で時系列前後データを表示する。
[0125] < 1 3 知球の動作 >
ここで、知球 (知球システム) 1の動作について説明する。図 35は、知球システム 1 における処理の流れを示すフロー図である。
[0126] 時空間情報制御部 1 1 (時空間情報制御部 1 1に備えられた各制御部)は、入力装 置 2に対するユーザ要求 (ユーザ名 ·時刻 ' ID)を取得する(S 1)。
[0127] 次に、時空間情報制御部 1 1 (時空間情報制御部 1 1に備えられた各制御部)は、取 得したユーザ要求に対応する時空間情報を時空間情報データベース 12から取得す る(S2)。
[0128] そして、時空間情報制御部 1 1 (球面制御部 19)は、現在の球面の縮尺'回転角 -視 点に対応する画面の表示範囲を演算する(S 3)。
[0129] さらに、時空間情報制御部 1 1 (木構造制御部 20)は、全ての時空間情報について
,木構造に基づく円の半径を演算する (S4)。
[0130] その後、時空間情報制御部 1 1 (提示情報量制御部 18)は、表示範囲内の時空間 情報について、実際に表示する情報とその詳細度を演算する(S5)。
[0131] そして、時空間情報制御部 1 1 (ストーリー構造制御部 17,提示情報量制御部 18, 球面制御部 19 ,木構造制御部 20)は、上記取得した時空間情報および上記の各演 算結果に基づいて、球面 (知球)、カード (知球カード)、ストーリー構造、木構造を画 面に表示する(S6)。
[0132] 次に、時空間情報制御部 1 1 (時空間情報制御部 1 1に備えられた各制御部)は、入
力装置 2に対するユーザによる操作があった力否かを判断する(S7)。ここで、ユーザ による操作がない場合、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた 各制御部)はユーザからの操作を待機する(S7の処理を継続する)。
[0133] 一方、 S7においてユーザによる操作があった場合、時空間情報制御部 11は、その 操作の内容に応じて以下の処理を行う。
[0134] すなわち、ユーザ名 ·時刻 'IDの変更操作があった場合には S2からの処理を再び 行う。また、ズーミング'回転'視点操作の操作があった場合には S3からの処理を再 び行う。また、カード移動'サイズ変更'木構造変更'ストーリー構造変更の操作があ つた場合には、空間情報制御部 13に備えられる各制御部によって時空間情報を変 更するとともに(S8)、 S4からの処理を再び行う。また、終了操作があった場合には、 知球システム 1における処理を終了する。
[0135] また、ズームアップ操作があった場合には、球面制御部 19は、一枚のカードをズー ムアップ (S10)するように表示し、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備 えられた各制御部)は、入力装置 2に対するユーザによる操作があった力否かを判断 する(Sl l)。ここで、ユーザによる操作がない場合、時空間情報制御部 11 (時空間 情報制御部 11に備えられた各制御部)はユーザからの操作を待機する(S11の処理 を継続する)。
[0136] 一方、 S11においてユーザによる操作があった場合、時空間情報制御部 11は、そ の操作の内容に応じて以下の処理を行う。
[0137] すなわち、ストーリー再生操作があった場合には、会話エージェント制御部 14によ つて自動プレゼンテーションを実行し(S 12)、 S11からの処理を再び行う。また、カー ド編集操作があった場合には、カードエディタ 16によってカード編集画面を表示し( S 13)、入力装置 2に対するユーザの入力に基づ 、てカードを編集 ·記録し (S 14)、 カード編集画面を閉じ (S15)、 S11からの処理を再び行う。また、ズームアップ解除 操作があった場合、 S3からの処理を再び行う。
[0138] < 1 4 実験 1 >
知球上へ持続的にカードが蓄積された際、時空間記憶モデルに基づく外ィ匕記憶の 操作が十分に可能であるかを確認するため、大量のカードによる外ィ匕記憶を実験的
に構築した。
[0139] この実験では、ノート PC (CPU: Mobile Intel Pentium4 (登録商標) 2. 20GHz,メ モリ: 768MB,ビデオカード: NVIDIA GeForce4 460 Go (登録商標), OS : Windows XP (登録商標) )上で知球を動作させた。
[0140] また、既存の知識カード形式で作成されたコンテンツを知球カードへ変換して読み 込むことによって実験に使用する知球カードの量を実現した。知識カードコンテンツ としては、分類項目とストーリーを多く持つ DVDレコーダーのマ-ユアルコンテンツを 利用した。このマニュアルコンテンツは、個人が DVDレコーダーの操作法を学ぶた めの素材としてアルバイト作業者によって作成され、「機能例」、「設定'初期設定」、「 操作法」、「知識」の 4つの大分類と、「予約録画」、「安全上のご注意」など 23の小分 類とによって分けられた 290のストーリ一力も構成されるコンテンツである。
[0141] 290のストーリ一は 1100枚の知球カードから構成され、ストーリーに含まれない力 ードは存在しない。ここでは、このマニュアルコンテンツを個人が外化した DVDレコ ーダ一の使 、方に関する記憶であると仮定して、配置操作を行うものとする。
[0142] 読み込んだ知球カードの初期配置を図 11に示す。左の画面はホームポジションか ら知球を見た図であり、右の画面はその裏側を表示させたものである。外ィ匕記憶は未 分類の部分を残すため小分類をあえて大分類の外に出し、手作業でばらばらに配置 した。大分類の中には小分類としてまとめられていないストーリーも含まれており、こ れはそのまま大分類の中に残した。
[0143] 図 11では、「設定'初期設定」、「操作法」に含まれるストーリーが多ぐスケーリング は行って!/ヽな 、ため、円の面積も他に比べて広 、ものとなって!/、るのが判る。
[0144] 初期配置が終わった後、本発明の発明者の手で知球上のカードを操作し、 自分自 身にとって判り易い配置へと変更する作業を行った。本発明の発明者は、これまで D VDレコーダーと呼ばれる機器を利用したことはなぐ今回の実験ではノート PCの隣 に機器を置 、て実際に操作しながら、自分自身にとって使 ヽ易 ヽマニュアルを知球 上に構築するつもりで作業を進めた。
[0145] 本発明の発明者の配置ポリシーとしては、使用頻度が高いと思われるカードは大き ぐ低いと思われるカードは小さくスケーリングするものとした。また、近々再閲覧予定
の木をホームポジションから見て手前に、ずっと先に閲覧予定の木を奥行き方向へ 配置することによって、今後機器操作法を学習するための計画を立てた。
[0146] ホームポジションの東西についてはそれぞれ録画に関する機能と再生に関する機 能に対応づけて配置することにより、筆者にとって位置を覚えやすいものとした。木構 造を用いた分類に関しては、自分の覚えやすい分類名への変更や、分類間の移動 を行った。
[0147] このような作業を 2時間行った結果、図 12のような配置が完成した。主な変更箇所 とその理由は次の通りである。
(a)機器の設定は既に他人によって終えられていたため、「設定'初期設定」は使わ ないものとして木全体を小さくスケーリングし、ホームポジションから見えない場所に 置いた。
(b)知球カードの閲覧と機器の操作とを繰り返すうちに、現在機器が置かれた環境で は使用できない機能があることに気付いた。このため、使用できない機能に関する力 ードは小さくスケーリングした。
(c)最も興味があった録画機能に関するカードを見つけた場合は、「予約録画」の木 の子供となるように移動した。
(d)基本的な操作である録画再生機能に関するカードは、ホームポジションから見た 際に手前となるように配置した。発展的な操作であるダビング機能や携帯電話との連 携機能に関するカードは、将来学ぶべきものとして、奥のほうへ配置した。
(e)ホームポジションから見た手前側には、大きな空き地を確保した。これは、今後、 機器を使う上で気付いたことなどを記録し配置してゆくための予定地である。
[0148] < 1 -4- 1 実験 1の考察 >
上記の実験の結果、知球の奥行き方向や左右方向、カードの大きさなどのパラメ一 タに対して、ユーザにとって判り易い意味を持たせることによって、自分らしいポリシ 一に基づく知球を構築することができるという示唆を得た。
[0149] 知球のブラウジングを始めた最初の 30分は全く DVDレコーダー機器操作の勝手 が判らな力つたため、ストーリーを再生することによっておよその操作の流れを掴んだ
。外ィ匕記憶はたとえ自分が作成したものであっても時間が経つにつれて文脈情報に
関する記憶が薄くなると考えられるため、このようなストーリー再生機能は外ィ匕記憶の 繋がりを思い出す助けになると考えられる。また、その後は知球カードのタイトルとサ ムネイル画像をざっと眺め、機器上の対応する操作を試行するということを繰り返しな 力 Sらカード配置を変更した。
[0150] 上記の実験において、描画パフォーマンスは平均して 20fps前後であり、ストレスな く知球を操作することができた。実験では、全部で 1000枚を越えるカードを取り扱つ たが,ズーミングとスケーリングにより同時に表示されるカードはおよそ 100枚以内に 抑えられているため、現在のパフォーマンスはこれ以上カードが増えても変わらない と予想できる。
[0151] なお、知球は、上記の実験の他にも、会議の議事録や研究メモの作成に利用でき る。例えば、本発明の発明者は、ある会議の記録作成のために知球を利用し、三回 の会議の内容を 84枚のカードを用いてまとめた。また、はじめの 2回の会議における 議論のサマリを、 7枚の知球カードから成るストーリ一として作成し、それに基づく自動 プレゼンテーションを作成した。また、知球を用いれば、例えば、会議中に知球上で 作成した記録を用いて、 Closing Talkにおいてまとめの講演を行うといったことも可能 である。
[0152] また、本発明の発明者は、「知球 (知球システム)」に関する 76枚のカードを作成し、 知球に関する論文の執筆の助けとした。さらに、本発明の発明者は、これらのカード を用いた、「知球 (知球システム)」に関するストーリー構造を作成した。図 13〜図 33 に、上記作成した「知球 (知球システム)」に関するストーリー構造についての、自動プ レゼンテーシヨンの表示画像を示す。これらの図面中に記載されて ヽる事項にっ ヽ ても、本発明の技術的範囲に含まれる。
[0153] また、知球は、個人的な外ィ匕記憶スペースとしてだけでなぐ議事録や講演のスライ ドのように他人にも披露する機会のある外ィ匕記憶としての利用が可能である。また、 複数人による操作を許すことによって、共有ホワイトボードとしての発展も期待できる。
[0154] また、一つの知球で個人の全ての外ィ匕記憶を管理してもよいが、ごく個人的な知球
(外ィ匕記憶)もあれば人に見せることのある知球 (外ィ匕記憶)もあり、利用の目的や見 せる相手によって一人のユーザにつき複数の知球を持つようにしてもよい。また、複
数の知球間のカード操作が可能な構成としてもよい。
[0155] また、知球にぉ 、て、知球カードとして表現するファイルは、画像や RTF文書フアイ ルに限らず、例えば HTML文書や PDF文書など、より一般的なファイルを利用でき るようにしてちょい。
[0156] また、本発明は、三次元空間を用いることにより、人の空間知覚能力を利用した外 化記憶の操作が可能となっており、この点において上記した「記憶する住宅」および「 MyLifeBits: Fulfilling the Memex VisionJの技術と異なっていると言える。
[0157] < 1 5 実験 2>
知球システム 1が記憶の構築と想起を目的として実際に用いられて 、る様子にっ ヽ ての知見を得るため、 3名の被験者 (被験者 I, II, III)による実践的な実験を行った。 被験者は 2004年 7月から 2005年 3月にかけて自分自身の所有するコンテンツを管理 するためにランドスケープを構築した。
[0158] 実験の結果、被験者が配置したコンテンツは主に研究発表用に作成されたスライド やムービー、旅行先で撮影された写真、 Webから獲得したカタログ写真,ブックマー ク,メモなどであり、各自のカードの平均数はおよそ 4000であった。
[0159] また、被験者の構築したランドスケープには、それぞれ個性的な配置ポリシーがあ ることが観察された。図 37 (a)〜図 37 (c)は、被験者のカード配置ポリシーの例を示 す説明図である。
[0160] 図 37 (a)は、被験者 Iが用いた格子状の配置法である。被験者 Iは、この図に示すよ うに、木構造ィ匕によってグループィ匕されたカタログ写真を縦横に整然と並べて配置し た。被験者 Iからは、この配置ポリシーを用いた理由として、「CDや靴などのカタログ を眺めるときには格子状の配置がわ力りやす力つた」とのコメントを得た。
[0161] 図 37 (b)は、被験者 IIが用いた星状 (放射状)の配置法である。被験者 IIは、この図 に示すように、木構造を、親を中心として子が四方八方へ広がるように配置した。被 験者 IIからは、この配置ポリシーを用いた理由として、「親子関係を表現したい場合に は星状の配置が向 ヽて 、る」とのコメントを得た。
[0162] 図 37 (c)は、被験者 IIによる世界地図に似た配置法である。被験者 IIは、この図に 示すように、世界各地で撮影した写真を地理的位置と対応付けて配置した。つまり、
被験者 πは、ある都市で撮影した写真を、その都市の世界地図上におけるおおよそ の位置と対応付けて配置した。なお、イギリスやイタリアで撮影した写真については、 実際の地理的位置とは異なり、 日本の都市で撮影した写真群の近くに配置されて!、 た。この理由について、被験者 IIからは、「海外渡航先での写真の数は少ないので、 被験者 II自身の頭の中では写真の地理的なマッピングがこの規模に縮小できたため である」とのコメントを得た。
[0163] 次に、実験結果における、各被験者のストーリーの配置ポリシー (ストーリーに含ま れるカードの配置ポリシー)につ!/、て考察した。図 38 (a)〜図 38 (d)は、ストーリーの 配置ポリシーの例を示す説明図である。なお、これらの各図中において各カードに付 した数字は、ストーリーの意味的なセクション番号を示しており、アルファベットはサブ セクション n番号を示して!/、る。
[0164] 図 38 (a)は、被験者 IIの用いた横つづら折りの配置法である。この図に示す配置法 では、ストーリ一はランドスケープにおける左奥力も右手前に向力つて流れていく。一 方、図 38 (b)は、被験者 IIIの用いた縦つづら折りの配置法である。この配置法では、 ストーリ一はランドスケープにおける左手前力も右奥に向力つて流れていく。図 38 (a) および図 38 (b)の配置法では、被験者ら力ストーリーを構成する各カードをランドス ケープの手前方向から奥方向へ眺めるアングルで各カードを配置していることがわか る。なお、図 38 (a)および図 38 (b)の配置法は、プレゼンテーション用スライドの配置 のために用いられたものであり、セクションの終わりごとに折り返しがあった。
[0165] 被験者 IIからは、図 38 (a)の配置法について、「左から右へのストーリーの流れを強 調して配置した」とのコメントを得た。また、被験者 IIIからは、図 38 (b)の配置法につ V、て、「セクションの先頭を一覧できるように配置した」とのコメントを得た。
[0166] 図 38 (c)は、被験者 IIIの用いた渦巻状の配置法である。被験者 IIIからは、この配 置法を用いた理由について、「省スペースになるように工夫した」とのコメントを得た。
[0167] 図 38 (d)は、被験者 Iの用いた時計回りの配置法である。被験者 Iからは、この配置 法を用いた理由について、「時間の表現には時計回りが判りやす力つた」とのコメント を得た。
[0168] 上記の実験結果から、知球システム 1によれば、ユーザは、自分のコンテンツを知
球上の任意の位置に配置可能であることを利用して、知球の空間的な広がりや奥行 きを利用したり、あるいは世界地図や時計のようなメタファを手掛力りにするなどして、 ユーザにとって都合のよい作法で記憶の構築を行えることがわ力つた。つまり、知球 システム 1によれば、各知球カードを、例えばそのカードに含まれるコンテンツの種類 や、各カードを含むストーリーの種類、各カードのストーリ一中の位置付けなどに応じ て、ユーザが任意に配置することで、ユーザ (あるいは他の観察者)が想起したすい ように記憶を構築できることがわ力つた。
[0169] なお、上記の実験結果では、各被験者による知球カードの配置 (配置法)は、客観 的というよりも主観的であり、また、概念的というよりも知覚的であった。言い換えれば 、知球システム 1によれば、ユーザの好みに応じて、知球カードを主観的かつ知覚的 に配置することが可能であると言える。
[0170] 以上の実験結果から、知球システム 1を用いることにより、ユーザは、例えば自分の 部屋の物を整理するときのように、空間的な手掛かりと自分自身のポリシーとを用い てカジュアルな記憶の構築が可能になることがわ力つた。
[0171] < 1 6 まとめ >
本実施形態では、持続的に発展可能な外化記憶構築システムの実現を目的として 、外化記憶の時空間記憶モデルを提案した。時空間記憶モデルでは、外化記憶をコ ンテンッの一種として捉えることにより、その持続的な発展を時空間的なコンテンツの 蓄積としてモデルィ匕した。
[0172] また、時空間記憶モデルを知球 (知球システム)として実装した。知球では、時空間 的なコンテンツを仮想的な球面上に構築可能とした。実験として、 290のコンテンツ( 約 1100枚のカード (約 1100件のコンテンツ断片)力も構成される)から構成される外 化記憶を知球上に構築した結果、知球の奥行きや左右、カードの大きさなど、空間 的手がかりを活かした外化記憶の配置 (表現)が可能であり、自分らし!/、ポリシーに基 づく外ィ匕記憶が構築可能であるという示唆を得た。このように、文書や画像の断片で はなぐまとまりのあるコンテンツとしての外ィ匕記憶を本実施形態のような規模で実現 した例は他にない。
[0173] 本実施形態に力かる知球システム 1では、知球カードのテクスチャや大きさ、配置な
どを、ユーザが任意に設定できる。これにより、上下左右,手前'奥,大小などの空間 的な手掛力りを利用した直感的な記憶管理 (情報管理)を行うことができる。また、知 球カードは、木構造やストーリー構造を用いて連結可能であるため、知球システム 1 では、各カードのグループや、各カードによって構成される話 (ストーリー)の流れを 表現することちでさる。
[0174] 本発明は、人の記憶を三次元 CG (コンピューターグラフィック)で構成される仮想球 面上のコンテンツとして管理する外ィ匕記憶構築システムである、と表現することもでき る。
[0175] 従来より、広い領域をカバーする多くの利用者を想定した「電子ホワイトボード」は、 その利便性の反面、アーカイブの速度や表示面積、データの深さによる非可視性な どの問題も内包する。本発明はこれらの諸課題を高次に融合しつつ解決することを 課題としている、と表現することもできる。
[0176] また、本実施形態では、二次元平面ではなぐ位相的に全領域が接続された球面 を表示面とし、該球面上に定義したリーマン面上の円の内部をグループとして定義 する方法で、データベースに登録された独立の情報を特徴付けるオブジェクトにて表 示している。また、表示されたそれぞれのオブジェクトは、その情報のインデックスの 役割を担っている。また、このオブジェクトをクリックする方法で、その情報にアクセス できる。また、グループ化、オブジェクトの導入、融合などの各種操作はマウスにて簡 便に入力 ·出力 ·削除 ·登録 '修正などの処理を許容し、さらにネットワーク機器力 の 操作を許容する。また、「知球」のサイズをスケーリングによって拡大'縮小することが でき、表示限界を高い水準に保つ事が可能である。「知球」上のオブジェクトは「知球 カード」に規格ィ匕し、簡便に利用できるデータベースとして作り上げる。
詳細は以下の通りである。
(1)ユーザはコンテンツを断片としてアーカイブできる。
(2)コンテンツを外ィ匕空間へ幾何学的に登録できる。
( 3)コンテンツを位相的に連結利用できる。
(4)コンテンツは自他ともに観察できる。
(5)コンテンツ力も情報のひらめきを受け、新たな情報を登録できる。
[0177] また、本発明は、単独もしくはネットワーク上のグループウェアとして活用することを 主眼とする共通の表示装置、および、持続的に発展可能なソフトウェア体系よりなる 情報記憶システムに関するものであると表現することもできる。
[0178] また、本発明は、ネットワーク技術、サーバークライアント技術、 TCP/IP技術、画 像圧縮技術、汎用共通化技術、ソフトウェア規格ィ匕技術、各種オブジェ外オリエンテ ッド技術、 JAVA (登録商標) , XMLなどのポータビリティ一の良 、オープンソフトゥェ ァ技術などの進歩による業界標準技術が背景にある。従来、これらの接続手法に多 くを費やしたが、本発明では、そのような問題に関わらず直接コンテンツを取り扱える
[0179] また、本発明は、主に外化記憶の空間的な情報配置の課題に取り組み,ズーミング 技術を情報配置の補助として位置付けたものである、と表現することもできる。
[0180] また、本発明は、単独もしくはネットワーク上のグループウェアとして活用することを 主眼とする共通の表示装置に関し、持続的に発展可能な時空 (時空間)上に種々の オブジェクトを表示し、同時に任意の操作にもとづくグループィ匕を可能とするソフトゥ エア体系によりなるシステムである、と表現することもできる。
[0181] また、このシステムに用いられ、音声、文字、二次元 '三次元'時間展開画像に関す る、単独あるいは複合の情報データベース、あるいはこの情報データベースを用いた 装置についても、本発明に含まれる。
[0182] また、このシステムにおいて、前記オブジェクトのアイコン、インデックス文字、属性、 縮小画像などを三次元球面上に展開し表示する装置についても、本発明に含まれる
[0183] また、このシステムにおいて、上記の三次元球面を知識の球面(知球)に立体表示 し、当該球面とその面上に添付表示したオブジェクト類を同時に回転観察する事が 可能なヒューマンインターフェイスを備えたデータベース、ある 、はそれを用いた装置 についても、本発明に含まれる。
[0184] また、このシステムにおいて、コンテンツのグループ化を円で表示してもよい。このグ ループ円は任意の個数を「知球」上に定義する事ができ、更に一旦定義されたダル ープを、操作者の指定する任意の回数だけ再定義することができるようにしてもよい。
[0185] また、このシステムにおいて、オブジェクトを時系列にシリーズィ匕し、その一連の画 像と文字情報を自動読み上げ、表示する機能(自動エージェント機能)を持つ構成と してちよい。
[0186] また、このシステムにおいて、ネットワーク上の装置から上記の「知球」上に入力し操 作でさるようにしてちょい。
[0187] また、このシステムにおいて、「知球」上に表示されたアイコンや縮小画像などのス ケールをデータベースの一連の木構造全体に反映させてもよい。
[0188] また、このシステムにお 、て、前記手法で入力された外ィ匕情報を時系列の前後関 係をつけて表示する方法で、その情報の変遷を表示できるようにしてもょ 、。
[0189] また、本発明の外ィ匕記憶構築システムは、人の記憶等の情報を、三次元 CG (コン ピューターグラフィック)で構成される仮想球面上のコンテンツとして管理する。すなわ ち、本発明は、大量の外ィ匕記憶を管理可能とするために、三次元空間を用いる点と、 外ィ匕記憶をそのままコンテンツとして閲覧可能にする点を特徴としている。
[0190] 三次元仮想球面上に外化記憶を構築することにより、人の空間的認知能力を活か した記憶が可能になる。また、外ィ匕記憶をカード型のコンテンツ断片として表現するこ とにより、外ィ匕記憶に基づくコンテンツの作成とその閲覧を容易なものとなる。
[0191] 本発明によって、例えば、人の生涯に渡って積み上げた知識をコンテンツとして社 会へ発信することが可能となり、社会における知的生産が加速すると予想される。
[0192] 本発明は、外化記憶の三次元空間配置を可能とする点と、画像に加えテキストを用 V、たコンテンツを構築可能である点を特徴として 、る、と表現することもできる。
[0193] また、本実施形態では、知球システム 1における全ての処理を、時空間情報制御部 11の制御によって行っている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うため のプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理 装置を、時空間情報制御部 11に代えて用いるようにしてもよ 、。
[0194] この構成では、情報処理装置の演算装置 (CPUや MPU)が、記録媒体に記録さ れているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処 理を実現するといえる。
[0195] ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーション
やパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ュ-ッ トを用いることができる。
[0196] また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード (実行 形式プログラム, 中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログ ラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム (OS等)と組み合わせて用いられ るものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体力 読み出された後、装置内のメ モリ (RAM等)にいつたん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなもの でもよい。
[0197] また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるもの でもよいし、装置に固定 (装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置 に接続するものでもよ ヽ。
[0198] このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロ ッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、 CD-ROM, MO, M D, DVD, CD— R等の光ディスク(光磁気ディスク)、 ICカード,光カード等のメモリ力 ード、マスク ROM, EPROM, EEPROM,フラッシュ ROM等の半導体メモリなどを 適用できる。
[0199] また、ネットワーク (イントラネット'インターネット等)を介して情報処理装置と接続さ れている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介する ダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク
(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体 (流動的にプログラム を保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うための プログラムは、装置内(あるいは送信側装置'受信側装置内)にあらかじめ記憶されて 、ることが好まし!/、。
[0200] また、知球 1における時空間情報制御部 11が行う各処理は、上記した順序に従つ て時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列 的あるいは個別に実行されてもよ!、。
[0201] 〔実施形態 2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態 1で説
明した各部材 (各機能ブロック)と同様の機能を有する部材 (機能ブロック)について は、実施形態 1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
[0202] 実施形態 1では、複数の知球カードに順序関係を与えることによってストーリー構造 を構築し、カード間の話の筋を明確にできるようになつていた。図 39は、知球システ ム 1によって構築されるランドスケープのモデルの一例を示す説明図である。この図 に示すランドスケープのモデルでは、カード(知球カード) Al, A2, A3はカード Aを 親とする子であり、カード A4を親とする木はカード Aのサブツリーである。ストーリー構 造は木構造を横断可能な単方向リストを用いて表現され、図 39では、 A1から C2へ 向力う矢印として表現されている。ストーリー構造は、口頭発表する場合のように、一 定の順序で記憶を想起する際に有用である。
[0203] また、実施形態 1では、ストーリーの自動プレゼンテーションを行うことも可能になつ ていた。つまり、実施形態 1では、ユーザがストーリーの再生 (ストーリーの自動プレゼ ンテーシヨン)を選択すると、提示情報量制御部 18が、知球カードのサムネイル画像 を背景として表示させ、会話エージェント制御部 14が、注釈テキストを市販の音声合 成ソフトウェアを用いて読み上げる動作を、ストーリーを構成する各知球カードについ てそのストーリーに応じた順序で行うようになって!/、た。
[0204] ところで、実施形態 1では、ストーリーの再生を行う場合、知球カードのサムネイル画 像が背景として表示される。し力しながら、ストーリーを再生する場合に、そのストーリ 一を構成する知球カードだけではなぐその知球カードの近傍に配置されて ヽる他の 知球カードに関する情報や、ランドスケープの全体像などを表示させた方が、記憶の 想起あるいは観察者への情報提示のために有用である場合があると考えられる。
[0205] そこで、本実施形態では、ストーリーの再生を行う場合に、そのストーリーを構成す る知球カードだけではなぐその知球カードの周囲の情報をも表示できるようにした。
[0206] 図 40は、本実施形態に力かる知球システム laの概略構成を示すブロック図である 。この図に示すように、本実施形態に力かる知球システム laは、図 36に示した知球 システム 1におけるストーリー構造制御部 17に代えて、コンテキスト構造制御部 22を 備えている。
[0207] コンテキスト構造制御部 22は、コンテキストの作成,編集,再生を制御するものであ
る。つまり、コンテキスト構造制御部 22は、入力装置 2に対するユーザの操作に応じ て、コンテキストの作成,編集を行うとともに、コンテキストの再生時には時空間情報の 提示位置および順序を制御する。なお、本実施形態では、コンテキストの自動プレゼ ンテーシヨンまたは手動プレゼンテーションをユーザが選択して行うことができるように なっている。
[0208] ここで、「コンテキスト」とは、ランドスケープ上のカメラアングルをコンテキストポイント として記録し、複数のコンテキストポイントを連結したものである。つまり、「コンテキスト 」は、知球上 (ランドスケープ上)における特定の範囲の空間について特定の角度か ら見る視点位置 (コンテキストポイント)と、その視点位置の連続的な変化力 構成さ れる。なお、各コンテキストポイントのカメラアングル、連結順序は、ユーザによって指 定される。
[0209] コンテキストを用いることにより、情報の時空間的な文脈を表現することが可能となる 。つまり、コンテキストを再生することで、例えば、あるカードとともに、そのカードの近 傍のカード群をおさめる特定のカメラアングルを再現することができ、そのカードの周 囲に対する位置付けを表現できる。
[0210] 仮に、図 39に示したランドスケープモデル全体がカード Bに対して与えられたコン テキストポイントであるとすると、このコンテキストポイントを再生するとき、コンテキスト 構造制御部 22は、その直前の表示状態から図 39に示したカメラアングルに表示状 態を遷移させる。これにより、ユーザは、図 39のカメラアングルを観察して、カード Bが 木 A (カード Aを親とする木)と木 C (カード Cを親とする木)との間を繋ぐストーリーに 含まれていることや、図右上のカード群 (カード A, B, Cの近傍カード郡)との配置関 係を把握できる。
[0211] 図 41は、知球上 (ランドスケープ上)に表示されるコンテキストの一例を示す説明図 である。この図に示すように、コンテキストは、知球上では、コンテキストポイントを示す 画像(図 41の例ではコンテキストポイント cl, c2, c3, · · · , clO)とコンテキストポイン ト間をつなぐ赤いストーリーラインの画像とによって表示される。
[0212] なお、図 41に示した各コンテキストポイントは、 cl, c2, · · · , clOの順でストーリー ラインによって接続されている。これにより、ストーリーラインは、これら複数の視点位
置 (コンテキストポイント)の時間的な移動順序を表現して 、る。
[0213] また、図 41に示したように、画面の一部にはコンテンツの再生に関するユーザの入 力を受け付けるための、
「自動再生」ボタン (コンテキストを自動再生する)
「進む」ボタン (次のコンテキストポイントに移動)
「戻る」ボタン (一つ前のコンテキストポイントに戻る)
「一時停止」ボタン (コンテキストの自動再生を一時停止)
「停止」ボタン (コンテキストの自動再生を停止)
が表示される。コンテキスト構造制御部 22は、ユーザによるこれらのボタンに対する 操作に応じて、コンテキストの再生を制御する。
[0214] また、コンテキスト構造制御部 22は、各コンテキストポイントを示す画像を、実際の 視点位置である空中ではなぐ知球表面上に写像として可視化するように表示する。 これは、球面の場合、空中に置かれたオブジェクトは地上との対応関係を把握困難 であるためである。また、コンテキスト構造制御部 22は、知球表面上に表示される各 コンテキストポイントを示す画像の大きさを、そのコンテキストポイントにおけるランドス ケープの表示サイズ (縮尺)に応じて設定する。
[0215] 図 42〜図 51は、図 41に示したコンテキストポイント cl〜clOの視点位置をそれぞ れ再現した説明図である。これらの図に示すように、各コンテキストポイントは、それぞ れ一つの視点位置情報 (ランドスケープの表示範囲 (縮尺)およびランドスケープに 対する視点の角度)を持つ。
[0216] ここで、本実施形態に力かる知球システム laの動作について説明する。図 52は、 知球システム 1における処理の流れを示すフロー図である。
[0217] 時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、入力装 置 2に対するユーザ要求 (ユーザ名 ·時刻 'ID)を取得する(S21)。
[0218] 次に、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、取 得したユーザ要求に対応する時空間情報を時空間情報データベース 12から取得す る(S22)。
[0219] そして、時空間情報制御部 11 (球面制御部 19)は、現在の球面の縮尺'回転角 -視
点に対応する画面の表示範囲を演算する(S 23)。
[0220] さらに、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)は、全ての時空間情報にっ ヽて ,木構造に基づく円の半径を演算する (S24)。
[0221] その後、時空間情報制御部 11 (提示情報量制御部 18)は、表示範囲内の時空間 情報について、実際に表示する情報とその詳細度を演算する(S25)。
[0222] そして、時空間情報制御部 11 (コンテキスト構造制御部 22,提示情報量制御部 18 ,球面制御部 19,木構造制御部 20)は、上記取得した時空間情報および上記の各 演算結果に基づいて、球面 (知球)、カード (知球カード)、コンテキスト構造、木構造 を画面に表示する(S26)。
[0223] 次に、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、入 力装置 2に対するユーザによる操作があった力否かを判断する(S27)。ここで、ユー ザによる操作がない場合、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられ た各制御部)はユーザからの操作を待機する(S27の処理を継続する)。
[0224] 一方、 S27においてユーザによる操作があった場合、時空間情報制御部 11は、そ の操作の内容に応じて以下の処理を行う。
[0225] すなわち、ユーザ名 ·時刻 'IDの変更操作があった場合には S22からの処理を再 び行う。また、ズーミング'回転'視点操作の操作があった場合には S23からの処理を 再び行う。また、カード移動,サイズ変更 ·木構造変更 ·コンテキスト構造変更の操作 があった場合には、空間情報制御部 13に備えられる各制御部によって時空間情報 を変更するとともに(S28)、 S24からの処理を再び行う。また、終了操作があった場 合には、知球システム laにおける処理を終了する。
[0226] ここで、 S27においてコンテキスト構造の作成または変更指示がなされた場合に、 S 28においてコンテキスト構造制御部 22が行う処理について説明する。例えば、ユー ザがコンテキストポイントとして設定した 、視点位置情報に基づく表示がなされて 、る 状態で、入力装置 2としてのマウスを右クリックすると、コンテキスト構造制御部 22は、 ユーザが選択可能な操作のメニューを表示する。そして、ユーザが、マウスを用いて
、このメニュー力もコンテキストポイントの作成コマンドを選択すると、コンテキスト構造 制御部 22は、そのときの視点位置情報をコンテキストポイントとして時空間情報デー
タベース 12に記憶させる。
[0227] また、ユーザが入力装置 2としてのマウスを用いて、画面上に表示されて!、るカーソ ルをコンテキスとポイント上に移動させた状態で右クリックすると、コンテキスト構造制 御部 22は、ユーザが選択可能な操作のメニューを表示する。そして、ユーザが、マウ スを用いて、このメニューからストーリーラインの作成コマンドを選択し、接続先のコン テキストポイントをクリックすると、コンテキスト構造制御部 22は、 2つのコンテキストポ イントを結ぶストーリーラインを作成し、作成したストーリーラインをコンテキストポイント と関連付けて時空間情報データベース 12に記憶させる。
[0228] なお、コンテキストポイントおよびストーリーラインの変更 (編集,削除)についても同 様に、コンテキスト構造制御部 22が、上記のように表示したメニューに対するユーザ 力 の指示に応じて行う。これにより、ユーザは、任意の視点位置をポイントとして設 置することができる。また、ユーザは、ポイント間を任意の順序で接続することにより、 ストーリーラインを作成することができる。
[0229] また、 S27において、ズームアップ操作があった場合には、球面制御部 19は、一枚 のカードをズームアップ (S30)するように表示し、時空間情報制御部 11 (時空間情 報制御部 11に備えられた各制御部)は、入力装置 2に対するユーザによる操作があ つた力否かを判断する (S31)。ここで、ユーザによる操作がない場合、時空間情報制 御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、ユーザからの操作を待 機する(S31の処理を継続する)。
[0230] 一方、 S31においてユーザによる操作があった場合、時空間情報制御部 11は、そ の操作の内容に応じて以下の処理を行う。
[0231] すなわち、カード編集操作があった場合には、カードエディタ 16によってカード編 集画面を表示し (S32)、入力装置 2に対するユーザの入力に基づ 、てカードを編集 •記録し(S33)、カード編集画面を閉じ(S34)、 S31からの処理を再び行う。また、ズ ームアップ解除操作があった場合、 S23からの処理を再び行う。
[0232] また、 S27において、コンテキストの選択指示があった場合、コンテキスト構造制御 部 22は、選択されたコンテキスト(1つのコンテキスト)を時空間情報データベース 12 力も取得して表示させる(S35)。なお、コンテキストの選択指示は、例えば、ユーザが
そのコンテキストに含まれるコンテキストポイントをクリックすることによって行われる。 つまり、ユーザがコンテキストポイントをクリックすると、コンテキスト構造制御部 22は、 そのクリックされたコンテキストポイントの視角位置情報に基づく表示を行う。この際、 コンテキスト構造制御部 22は、表示画面の一部に「自動再生」ボタンおよび「進む( 手動再生)」ボタンを表示させる。
[0233] そして、時空間情報制御部 11 (時空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、 ユーザによる操作があることを待機し (S36)、操作がなされた場合にはその操作に 応じた処理を行う。
[0234] なお、 S36にお 、て、「自動再生」ボタンが選択された場合、時空間情報制御部 11 は、自動プレゼンテーションを開始する(S37)。一方、「進む」ボタンが押された場合 、時空間情報制御部 11は、手動プレゼンテーションを開始する(S38)。また、コンテ キスト解除操作がなされた場合、時空間情報制御部 11は、 S23からの処理を再び行 う。なお、コンテキスト解除操作の方法は特に限定されるものではないが、例えば、「 自動再生」ボタンまたは「進む」ボタン以外の画面上をクリックすることで行われるよう にしてもよぐあるいは右クリックによってメニューを表示し、そのメニュー力も選択でき るようにしてちょい。
[0235] ここで、自動プレゼンテーションの動作(S37の動作)について説明する。 S36にお いて「自動再生」ボタンが押されると、会話エージェント制御部 14は、ユーザがあらか じめ設定した説明文とストーリーラインの順序に従って、各コンテキストポイントに対す る説明を音声で行う。この際、会話エージェント制御部 14は、画面上にキャラクター を表示させ、そののキャラクターが注釈テキストを読み上げているように、音声に応じ てキャラクターの表示を制御する。また、この際、空間情報制御部 13の各制御部は、 各コンテキストポイントの視点位置情報を表示する。図 53は、このときの表示画面の 一例を示す説明図である。
[0236] また、各コンテキストポイントの移行時 (あるコンテキストポイントに対応する説明を読 み終えた後、次のコンテキストポイントの説明に移行するとき)には、会話エージェント 制御部 14は、上記のキャラクターが知球上を歩行しながらコンテキストポイント間を移 動するアニメーションを表示する。図 54は、このときの表示画面の一例を示す説明図
である。
[0237] そして、全てのコンテキストポイントについての再生が完了すると(あるいは、自動プ レゼンテーシヨンの再生中に「停止」ボタンが押されると)、時空間情報制御部 11 (時 空間情報制御部 11に備えられた各制御部)は、再び S36の処理を行う。
[0238] 次に、手動プレゼンテーションの動作(S38の動作)について説明する。 S36にお いて「進む」ボタンが押されると、会話エージェント制御部 14は、キャラクターが知球 上を歩行しながら次のコンテキストポイントへ移動するアニメーションを表示する。そし て、コンテキスト構造制御部 22は、次のコンテキストポイントの視角位置情報に基づく 表示を行う。また、この場合、コンテキスト構造制御部 22は、表示画面の一部に「進 む」ボタンおよび「戻る」ボタンを表示させる。なお、コンテキスト構造制御部 22は、ス トーリーラインの先頭のコンテキストポイントでは「戻る」ボタンは表示せず、ストーリー ラインの最後尾のコンテキストポイントでは「進む」ボタンを表示しな!、ようにしてもよ!ヽ
[0239] これにより、ユーザは、各コンテキストポイントにおいて「戻る」または「進む」ボタンを 選択することで、手動でコンテキストポイントを移動させて表示することができる。なお 、「戻る」ボタンを押した場合には、会話エージェント制御部 14力 キャラクターが知 球上を前のコンテキストポイントに向かって歩行するアニメーションを表示する。
[0240] このように、コンテキストポイント間の移動(視点位置の移動)を、手動 ·自動を問わ ず、連続したアニメーションを用いて表現することにより、空間的'時間的な連続性を 文脈として伴ったプレゼンテーションを行うことができる。
[0241] 以上のように、本実施形態に力かる知球システム laでは、知球上(三次元空間内) に配置された情報に対し、「情報呈示の範囲と角度を与えることにより焦点化するコン テキストメカニズム」を備えている。つまり、知球システム laは、大量の情報を収めた 三次元空間 (知球)に対して、任意の空間を焦点化し、焦点位置の連続的な遷移を 可能とするコンテキストメカニズムを備えている。
[0242] これにより、大量の情報を収めた三次元空間(知球)を用いて、物語的かつ立体的 な情報プレゼンテーションを行うことができる。
[0243] つまり、従来の情報管理システムにおけるプレゼンテーション機能は、例えばスライ
ドショーのような直線的かつ平面的なストーリー表現に限定されていた。また、実施形 態 1では、ストーリ一は時間的な表現し力持たず、また必ず知球カードと対応づけら れていた。また、実施形態 1に記載した知球システム 1では、ユーザの指示に応じて 任意に回転,ズーミングを行えるようになつていた力 この場合、多数の情報を知球 上に表現すると、直感的に位置を特定しにくくなる場合があった。
[0244] これに対して、知球システム laによれば、大量の情報を収めた三次元空間(知球) に対して、任意の空間を焦点化し、焦点位置の連続的な遷移させることができる。つ まり、本実施形態では、コンテキストによって、コンテンツの全体像を空間的に提示し たり、その視点(コンテキストポイント)の連続的な遷移を提示できる。これにより、広大 な情報空間を物語的かつ立体的にプレゼンテーションすることができる。また、会話 エージェントによるコンテンツプレゼンテーション(自動プレゼンテーション)やユーザ 本人によるコンテンツプレゼンテーション(手動プレゼンテーション)の能力を高めるこ とがでさる。
[0245] なお、本実施形態におけるコンテキストメカニズムは、実施形態 1におけるストーリー 構造を包括する上位概念であり、実施形態 1にかかるストーリー構造を空間的に拡張 し、また知球カードから独立した概念としたものである、と表現することもできる。
[0246] また、知球システム laは、実施形態 1における知球システム 1に対して、下記(a)〜
(c)の構成をカ卩えたものである、と表現することもできる。
(a)知球の現位置と拡大率をコンテキストポイントとしてスナップショットで記録できる ようにした。また、このスナップショット(コンテキストポイント)は、複数個、シーケンシャ ルに記録できるようにした。
(b)プルダウンリストもしくは目印をクリックする方法を用いて、知球上の任意の位置か ら、先のスナップショット位置へ復元できるようにした。
(c)会話エージェント制御部 14によって、上記のシーケンスにしたがって知球を連続 操作し、意図に従った連続表示を自動的に行えるようにした。
[0247] また、本実施形態では、実施形態 1の知球システム 1におけるストーリー構造制御 部 17に代えてコンテキスト構造制御部 22を備えた知球システム laについて説明した 力 知球システム laの構成はこれに限るものではない。例えば、ストーリー構造制御
部 17とコンテキスト構造制御部 22とを両方備えた構成としてもよい。また、その場合、 ユーザが、実施形態 1で説明したストーリー構造の再生と、本実施形態で説明したコ ンテキストの再生とを、選択して実行できるようにしてもよ!、。
[0248] また、本実施形態では、知球システム laにおける全ての処理を、時空間情報制御 部 11の制御によって行っている。し力しながら、これに限らず、実施形態 1と同様、こ れらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出す ことのできる情報処理装置を、時空間情報制御部 11に代えて用いるようにしてもょ ヽ
[0249] 〔実施形態 3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。本実施形態では、実施形態 1〖こ 示した知球システム 1において、階層構造を、等高線を用いて表示する。なお、説明 の便宜上、実施形態 1で説明した各部材 (各機能ブロック)と同様の機能を有する部 材 (機能ブロック)については、実施形態 1と同じ符号を用い、その説明を省略する。
[0250] 知球システム 1では、 1つのコンテンツを 1枚の知球カードで表現している。この知球 カードは、テクスチャ(コンテンツのサムネイル)を持っており、任意のサイズ (幅 X高さ )を有している。また、知球カードは、球面上の任意の位置に配置される。さらに、各 知球カードは、上記したように木構造 (枝とノードを持つ構造)を用いて分類され、こ の木構造を構成する枝は四方への広がりを持っている。
[0251] ところが、カードの密度が高くなりすぎると (例えば、知球カードが 10000枚程度に なると)、枝を判別することが困難になる場合がある。また、表示する知球カードの枚 数が多い場合には、表示処理 (レンダリング)に力かる負荷が高くなつてしまう。このた め、知球カードの表現を簡潔化し、表示処理のための計算量を軽減する必要がある
[0252] ここで、階層構造を持つデータを可視化する方法としては、例えば、二次元の円を 利用する方法(Hong,「ZOOMOLOGY: Comparing Two Large Hierarchical TreesJ , 2003年, http://www.cc.gatech.edu/ hongjy/Zoomology/Zoomology.htm参照)、 形を利用する方法(Benderson, 「Pad++」, 1994年, http:〃 www.cs.umd.edu/hcil/pad ++/参照)、直方体を利用する方法(Rekimoto, information Cube」, 1993年, http://
www.csl.sony.co.jp/person/rekimoto/cube/参照)、など力提案されている。
[0253] しかしながら、円や矩形を用いる方法では、空間の利用効率が低ぐ多量の知球デ ータを互 、の領域が重ならな 、ように配置するのは困難である。
[0254] そこで、各知球カードにつ 、て、等高線を表示するようにしてもょ 、。ここで 、う「等 高線」とは、(A)ある知球カード (ノード)およびその知球カードの持つ全ての子孫(子 孫ノード)とを囲む閉曲線が、木構造に含まれる全ての知球カードについて作成され たものであって、(B)上記の各閉曲線力 囲むべき各知球カードおよび各知球カード を接続する枝の形状に沿った滑らかな形状をしており、(C)各閉曲線は他の閉曲線 と交差しないように作成されたものである。具体的には、例えば、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、階層構造の最深レベルからルートレベルに向力う順で、 各知球カード (各知球カードを親とする木構造)についての等高線を求め、それを出 力装置 3に表示させる。
[0255] 図 55は、等高線の表示を行わない場合および等高線を表示する場合の、知球お よび知球上に表示される階層構造の例を示している。この図(図中右側)に示すよう に、等高線を表示する場合、親カードを含む等高線の中に子カードの等高線が表示 された入れ子構造となる。
[0256] このように、階層構造を、等高線を用いて表現することにより、ユーザは、階層構造 を容易に把握できる。また、楕円や矩形等で囲む手法よりも空間効率が高い。
[0257] なお、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、階層構造を持つデータのダル ープを、等高線を塗り分けた (階層ごとに色または模様を代えた) 1枚のメッシュ領域 と 1枚のテクスチャ (そのメッシュ領域が示す階層構造における最上位層の知球カー ド)で表示させるようにしてもよい。これにより、大量のカードを表示処理する必要がな くなり、 1枚のメッシュ領域と 1枚のテクスチャを表示するための計算を行うだけでよく なるので、表示処理を軽減することができる。
[0258] また、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、各メッシュ領域を、等高線にし たがって、階層構造の下位層ほど標高が高くなるように (親よりも子の方が標高が高く なるように)立体ィ匕して表示させるようにしてもよい。さらに、この場合、時空間情報制 御部 11 (木構造制御部 20)が、各階層構造の最下層の知球カードを、等高線を立体
化することで描かれる峰 (頂上)に配置して表示するようにしてもょ ヽ。
[0259] また、各メッシュ領域を上記のように立体化して表示する場合、親カードの位置には 峰がないので、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、親カードについては脚 の画像を付けて表示させるようにしてもよい。図 56は、各メッシュ領域を等高線に応じ て立体ィ匕して表示すると共に、親カードに脚をつけて表示する場合の知球および知 球上に表示される階層構造の例を示している。図 57は、各メッシュ領域を等高線に 応じて立体化して表示すると共に、親カードに脚をつけて表示する場合の知球の他 の表示例を示している。
[0260] また、図 58に示すように、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20、提供情報量制 御部 18)力 知球をズームインして表示するときには等高線と知球カードとを表示さ せ、知球をズームアウトして表示するときには、大量のカードが表示領域に含まれる ため、知球カードを表示せず等高線のみを表示させるようにしてもよい。これにより、 知球カードの表示処理に係る負荷をより軽減できる。なお、知球の表示倍率 (ズーム インの程度)に応じて、等高線とともに表示する知球カードの量 (階層レベル)を変化 させるようにしてちょい。
[0261] また、図 59に示すように、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、階層構造 を持つデータの各グループに対して、ラベルとして色をつけて表示させるようにしても よい。つまり、いずれのメッシュ領域にも含まれない領域を海、いずれかのメッシュ領 域に含まれる領域を陸地とすると、各陸地にラベルとして色をつけてもよ!、。
[0262] また、ユーザからの指示に応じて、時空間情報制御部 11 (木構造制御部 20)が、 陸地のサイズを任意に設定ある 、は変更できるようにしてもよ!、。
[0263] また、ユーザが陸地上の点をドラッグ &ドロップすることで、この陸地を他の陸地と 結合できるようにしてもよい。また、ある陸地に含まれる階層構造の一部をドラッグ &ド ロップすることで、当該階層構造の一部をその陸地力も分離できるようにしてもよい。 また、図 60に示すように、木構造制御部 20が、木構造同士の結合'分離処理の結果 を、陸地の結合 ·分離としてリアルタイムに表示に反映させるようにしてもょ 、。
[0264] 本発明の情報管理システムは、上記の課題を解決するために、画像を表示する表 示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段と、複数のコンテンツ
情報を記憶する記憶手段とを備え、上記記憶手段に記憶したコンテンツ情報を示す 画像を上記表示手段に表示する情報管理システムであって、上記制御手段は、上記 表示手段に三次元球体画像を表示させるとともに、上記コンテンッ情報を示す画像 を、上記三次元球体画像の球面上に表示させることを特徴として 、る。
[0265] 上記の構成によれば、三次元球体画像の奥行きや左右などの空間的な手掛かりを 活力してコンテンツ情報を配置することができる。我々は地球の形状をよく知っており 、球面上の位置は緯度経度として容易に把握することができるので、三次元球体画 像は、三次元の奥行き感覚を利用した情報配置空間として特に好適である。
[0266] また、上記コンテンツ情報を示す画像の表示位置についてのユーザ力 の指示入 力を受け付ける表示位置入力手段を備え、上記制御手段は、上記コンテンツ情報を 示す画像の表示位置を、上記指示入力によってユーザが任意に指定する上記球面 上の位置に配置する構成としてもよ!、。
[0267] これにより、ユーザ自身のポリシーに基づく外ィヒ記憶が可能になり、大量の外化記 憶の蓄積および管理を好適に行うことができる。
[0268] なお、上記コンテンツ情報は、音声データ、文字データ、二次元画像データ、三次 元画像データ、時間展開画像データのいずれか 1つ以上を含む構成であってもよい
[0269] 上記の構成によれば、例えば、画像,テキスト,音,時間領域のデータ、ドキュメント
(ブレーンテキスト, Word (登録商標)文書, PDF文書,手書文書など)、写真,ムー ビー(動画),スライド, Webページなどのさまざまな電子的コンテンツをコンテンツ情 報として記憶することができる。
[0270] また、上記制御手段は、上記コンテンツ情報を示す画像として、アイコン、インデッ タス文字、属性、縮小画像のいずれか 1つ以上を含む画像を上記球面上に表示させ る構成であってもよい。
[0271] 上記の構成によれば、ユーザは、球面上に表示されるアイコン、インデックス文字、 属性、縮小画像などから、そのコンテンツ情報の内容を容易に理解 (想起)することが できる。
[0272] また、上記コンテンツ情報の入力を受け付ける入力手段を備え、上記制御手段は、
上記入力手段に入力されたコンテンッ情報を、上記記憶手段に累積的に記憶させる 構成であってもよい。
[0273] 上記の構成によれば、ユーザは、上記入力手段を介してコンテンツ情報を入力す ることで、入力したコンテンツ情報を記憶手段に蓄積することができる。したがって、コ ンテンッ情報として蓄積される外ィ匕記憶を持続的に発展させていくことができる。
[0274] また、上記制御手段は、上記コンテンツ情報を複数のグループに分類するとともに 、上記コンテンツ情報を示す画像を上記分類したグループごとに上記球面上の異な る領域に表示させる構成であってもよ 、。
[0275] 上記の構成によれば、コンテンツ情報を複数のグループに分類することで、ユーザ による各コンテンツ情報の管理が容易になる。
[0276] また、上記各コンテンツ情報を分類するグループについての情報を受け付けるダル ープ入力手段を備え、上記制御手段は、上記コンテンツ情報を、上記グループ入力 手段に入力されたグループにつ!、ての情報と関連付けて上記記憶手段に記憶する 構成としてもよい。ここで、上記グループについての情報とは、例えば、そのグループ に属するコンテンツ情報の表示領域、名称、コンテンツ情報の表示方法などの情報 である。
[0277] 上記の構成によれば、ユーザは、上記各コンテンツ情報を、分類したグループ毎に
、ユーザのポリシーに基づいて管理することができる。
[0278] また、上記制御手段は、上記分類した各グループのコンテンツ情報を示す画像を それぞれ表示する領域と、当該各領域の周囲の領域との境界線を表示する構成とし てもよい。例えば、上記制御手段は、上記境界線を、略円形または略楕円形で表示 してちよい。
[0279] 上記の構成によれば、各グループのコンテンツ情報の表示領域と他の領域との境 界線が表示されるので、ユーザは、各グループを容易に視認することができる。
[0280] また、上記制御手段は、上記コンテンツ情報を分類するグループの数を、任意に設 定できる構成としてもよい。
[0281] 上記の構成によれば、ユーザは、各コンテンツ情報を、グループの数に関する制限 を受けることなぐユーザのポリシーに応じて任意のグループに分類することができる
[0282] また、上記グループ入力手段は、上記各コンテンツ情報を分類するグループの変 更指示を受け付け、上記制御手段は、上記各コンテンツ情報を分類するグループを
、上記変更指示に応じて変更する構成としてもよい。
[0283] 上記の構成によれば、ユーザは、ユーザのポリシーに応じて、各コンテンツ情報を 分類するグループを任意に変更することができる。
[0284] また、上記制御手段は、上記分類した各グループに含まれるコンテンツ情報の数に 応じて、上記各グループの表示領域の表示色を変更させる構成としてもょ 、。
[0285] 上記の構成によれば、ユーザは、表示領域の色に基づいて、各グループに含まれ るコンテンツ情報の数を把握することができる。
[0286] また、上記分類したグループの表示領域のサイズ変更指示を受け付ける表示サイ ズ入力手段を備え、上記制御手段は、上記表示サイズ入力手段を介して入力される サイズ変更指示に応じて、上記グループの表示領域のサイズを変更する構成として ちょい。
[0287] 上記の構成によれば、ユーザは、ユーザのポリシーに応じて各グループの表示領 域のサイズを変更できる。
[0288] また、上記各グループに含まれるコンテンツ情報は木構造を有して 、てもよ 、。ここ で、木構造(階層構造)とは、ある 1つのコンテンツ情報力も次々と枝分かれしていく 構造である。
[0289] 上記の構成によれば、情報分類の手法として一般的であり、また多くの人が使い慣 れている木構造を用いてコンテンツ情報を分類することで、ユーザは、各コンテンツ 情報を意味のあるひとまとまりのグループとして閲覧することができる。
[0290] また、上記制御手段は、上記木構造を構成する各コンテンツ情報のうち、上位階層 となるコンテンツ情報を示す画像に、上記球面から伸びる脚部の画像を付けて表示 する構成としてちよい。
[0291] 上記の構成によれば、ユーザは、上位階層のコンテンツ情報を容易に把握すること ができる。
[0292] また、上記制御手段は、上記木構造を構成する各コンテンツ情報にっ 、て、上位
階層となるコンテンツ情報を示す画像と当該コンテンツ情報に対して下位階層となる コンテンツ情報を示す画像とを表示する領域を、当該領域の周囲の表示領域と区画 する境界線を表示する構成としてもょ ヽ。
[0293] 上記の構成によれば、各木構造の表示領域と他の領域との境界線が表示されるの で、ユーザは、各木構造を容易に視認することができる。
[0294] また、上記制御手段は、上記境界線によって囲まれる領域を、当該領域内における 最上位階層のコンテンツ情報を示す画像よりもさらに上位階層のコンテンツ情報を示 す画像を含む表示領域の境界線の内部に表示する構成としてもよい。つまり、親 (第 1階層)と子 (第 2階層)とを含む表示領域内に、子 (第 2階層)と孫 (第 3階層)とを含 む表示領域を表示し、この子 (第 2階層)と孫 (第 3階層)とを含む表示領域内に、孫( 第 3階層)と曾孫 (第 4階層)とを含む表示領域を表示するといつた、いわゆる入れ子 構造で、木構造における各階層の表示領域を設定してもよい。
[0295] 上記の構成によれば、ユーザは、各階層の表示領域を囲む境界線によって、木構 造の深さを把握することができる。
[0296] また、上記制御手段は、上記境界線の色を、各境界線によって囲まれる領域内に 表示されるコンテンツ情報の、上記木構造における階層に応じて変化させる構成とし てもよい。
[0297] 上記の構成によれば、ユーザは、上記各境界線によって囲まれる領域の、木構造 における階層を容易に把握することができる。
[0298] また、上記制御手段は、上記コンテンツ情報が上記入力手段を介して入力された 順序を示す時系列情報を、上記記憶手段に記憶させる構成としてもょ ヽ。
[0299] 上記の構成によれば、各コンテンツ情報が入力された順序を示す時系列情報を記 憶手段に記憶させることで、ユーザは、過去から現在までの外化記憶構築の変遷を 観察することができる。
[0300] また、コンテンッ情報を連続的に表示させる場合の、各コンテンッ情報の表示順序 を示す時系列情報の入力を受け付けるストーリー入力手段を備え、上記制御手段は 、上記ストーリー入力手段が受け付けた時系列情報を、上記記憶手段に記憶させる 構成としてもよい。
[0301] 上記の構成によれば、ユーザは、コンテンツ情報を連続的に表示させる場合の、各 コンテンツ情報の表示順序を任意に設定することができる。これにより、例えば、ユー ザ力 上記記憶手段に記憶させて 、るコンテンツ情報を用いてプレゼンテーションを 行う場合などに、各コンテンツ情報を任意の順序で表示させることができる。
[0302] また、上記制御手段は、上記時系列情報を示す指向性を有する画像を、上記表示 手段に表示させる構成としてもょ 、。
[0303] 上記の構成によれば、ユーザは、コンテンツ情報が入力された順序、あるいは、コ ンテンッ情報を連続的に表示させる場合の各コンテンツ情報の表示順序を、上記球 面上に表示される画像によって視認することができる。
[0304] また、上記制御手段は、上記時系列情報に基づく順序で、上記各コンテンツ情報 に含まれる画像データに対応する画像であるコンテンッ画像を上記表示手段に表示 させる構成としてもよい。つまり、上記制御手段が、コンテンツ情報が入力された順序 (ストーリー)、あるいは、コンテンツ情報を連続的に表示させる場合の各コンテンツ情 報の表示順序 (ストーリー)に基づいて、各コンテンツ情報に含まれる画像に対応す るコンテンツ画像を順次表示 (再生)させて 、くようにしてもょ 、。
[0305] 上記の構成によれば、例えば、ユーザは、自分で作成したストーリーを、テレビ番組 を見るように客観的に眺めることができる。また、複数の人に自分の作成したストーリ 一を見せることができる。
[0306] また、音声情報を出力する音声出力手段を備え、上記制御手段は、上記時系列情 報に基づく順序で、上記各コンテンツ情報に含まれる文字情報を音声情報に変換し 、上記変換した音声情報を上記音声出力手段力 音声出力させる構成としてもよい
[0307] 上記の構成によれば、上記制御手段が、コンテンツ情報が入力された順序 (スト一 リー)、あるいは、コンテンツ情報を連続的に表示させる場合の各コンテンツ情報の表 示順序 (ストーリー)に基づいて、各コンテンツ情報に含まれる画像を順次表示 (再生 )させる場合に、各コンテンツ情報に含まれる文字情報を音声出力できる。
[0308] また、上記制御手段は、上記音声情報を読み上げるキャラクターの画像を上記表 示手段に表示させてもよい。
[0309] 上記の構成によれば、各コンテンツ情報を一人のプレゼンター(キャラクター)が読 み上げるように表示することで、ストーリーの一貫性を強調することができる。
[0310] また、上記制御手段は、上記表示させるコンテンツ画像を変更するときに、上記球 面上を、変更前のコンテンツ画像に対応するコンテンツ情報を示す画像カゝら変更後 のコンテンツ画像に対応するコンテンツ情報を示す画像に向カゝつて移動するキャラク ターの画像を上記表示手段に表示させる構成としてもょ ヽ。
[0311] 上記の構成によれば、上記球面上にばらばらに位置するコンテンツ情報を示す画 像に対して、各コンテンツ情報を示す画像間を移動する一人のプレゼンティター(キ ャラクタ一)を与えることにより、ストーリーの一貫性を強調することができる。
[0312] また、上記表示手段に表示する三次元球体画像の表示角度に関する指示を受け 付ける表示角度入力手段を備え、上記制御手段は、上記表示角度入力手段を介し て入力された指示に応じて、上記三次元球体画像および当該三次元球体画像の球 面上に表示される上記コンテンツ情報を示す画像を、一体的に回転させて表示させ る構成としてちよい。
[0313] 上記の構成によれば、ユーザが、表示手段に表示される三次元球体画像の表示角 度、すなわち三次元球体画像の観察角度 (三次元球体画像に対する視点位置)を 任意に設定することができる。したがって、三次元球体画像の奥行きや左右などの空 間的な手掛力りをより有効に利用することができ、大量の外化記憶の蓄積および管 理をより好適に行うことができる。
[0314] また、上記三次元球体画像のサイズ変更指示を受け付ける表示サイズ入力手段を 備え、上記制御手段は、上記表示サイズ入力手段を介して入力されるサイズ変更指 示に応じて、上記三次元球体画像の表示サイズを変更する構成としてもょ 、。
[0315] 上記の構成によれば、三次元球体画像の表示サイズを任意に変更することができ る。したがって、例えば、三次元球体画像の全体を俯瞰したり、部分的に焦点化した りすることができる。これにより、三次元球体画像の球面上に、より大量のコンテンツ 情報 (外ィ匕記憶)配置するとともに、必要に応じて各コンテンツ情報あるいは各コンテ ンッ情報の周囲を焦点化して表示することができる。
[0316] また、上記表示手段に表示する三次元球体画像の表示角度に関する指示を受け
付ける表示角度入力手段と、上記三次元球体画像のサイズ変更指示を受け付ける 表示サイズ入力手段とを備え、上記制御手段は、上記表示角度入力手段を介して入 力された指示に応じて、上記三次元球体画像および当該三次元球体画像の球面上 に表示される上記コンテンツ情報を示す画像を、一体的に回転させて表示させ、上 記表示サイズ入力手段を介して入力されるサイズ変更指示に応じて、上記三次元球 体画像の表示サイズを変更する構成としてもょ 、。
[0317] 上記の構成によれば、ユーザが、表示手段に表示される三次元球体画像の表示角 度、すなわち三次元球体画像の観察角度 (三次元球体画像に対する視点位置)を 任意に設定することができる。したがって、三次元球体画像の奥行きや左右などの空 間的な手掛力りをよい有効に利用することができ、大量の外化記憶の蓄積および管 理をより好適に行うことができる。また、三次元球体画像の表示サイズを任意に変更 することができるので、例えば、三次元球体画像の全体を俯瞰したり、部分的に焦点 化したりすることができる。これにより、三次元球体画像の球面上に、より大量のコン テンッ情報 (外化記憶)配置するとともに、必要に応じて各コンテンッ情報ある ヽは各 コンテンツ情報の周囲を焦点化して表示することができる。
[0318] また、上記制御手段は、上記三次元球体画像の表示サイズに応じて、上記コンテ ンッ情報を示す画像の表示サイズおよび Zまたは表示するコンテンツ情報を示す画 像の数を変更させる構成としてもょ 、。
[0319] 上記の構成によれば、上記三次元球体画像の表示サイズに応じて、上記コンテン ッ情報を示す画像の表示サイズおよび Zまたは表示するコンテンツ情報を示す画像 の数を変更する。例えば、ズームインするほどコンテンツ情報の詳細な画像と大きな タイトルを表示し、ズームアウトするにつれてコンテンツ情報の画像'タイトル表示の詳 細度を低下させる。これにより、ズームアウトした場合には三次元球体画像上に同時 に表示可能なコンテンツ情報を示す画像を増加させ、ズームアウトした場合にはその 焦点近傍のコンテンツ情報を示す画像を詳細に表示することができる。また、例えば 、三次元球体画像を縮小 (ズームアウト)して表示するときには、大量のコンテンツ情 報を示す画像が表示領域に含まれるため、当該画像を表示する数を減らすようにし てもよい。
[0320] また、上記三次元球体画像の表示角度および表示サイズを記憶させるための指示 を受け付ける指示入力手段を備え、上記制御手段は、上記指示入力手段に上記指 示が入力されたときに、上記表示手段に表示されている上記三次元球体画像の表 示角度および表示サイズをコンテキストポイントとして上記記憶手段に記憶させる構 成としてもよい。
[0321] 上記の構成によれば、上記制御手段は、指示入力手段に上記の指示が入力され ると、そのとき表示手段に表示されている三次元球体画像の表示角度および表示サ ィズをコンテキストポイントとして記憶手段に記憶させる。これにより、ユーザは、記憶 手段に記憶したコンテキストポイントを再生することで、指示入力手段に上記の指示 が入力されたときの三次元球体画像の表示角度および表示サイズを即座に再現す ることができる。したがって、ユーザは、所望する三次元球体画像の表示角度および 表示サイズを即座に再現することができる。
[0322] また、上記指示入力手段は、上記コンテキストポイントの 1つと、他のコンテキストポ イントとを結ぶ、指向性を有するストーリーラインの作成指示を受け付け、上記制御手 段は、上記ストーリーラインによって結ばれる各コンテキストポイントを、上記ストーリー ラインの指向性に応じた順序に関連付けて、上記記憶手段に記憶させる構成として ちょい。
[0323] 上記の構成によれば、ユーザは、複数のコンテキストポイントを、指向性を有するス トーリーラインで連結することができる。これにより、上記のように連結したコンテキスト ポイントを、そのストーリーラインの指向性に応じた順序で再現することができる。した がって、例えば、ユーザが、上記記憶手段に記憶させているコンテキストポイントを用 V、てプレゼンテーションを行う場合などに、各コンテキストポイントに応じた画像を任 意の順序で表示させることができる。
[0324] また、上記制御手段は、上記コンテキストポイントおよびストーリーラインを示す画像 を、上記球面上に表示させる構成としてもよい。
[0325] 上記の構成によれば、ユーザが、上記球面上に表示されるコンテキストポイントおよ びストーリーラインを視認することができる。
[0326] また、上記コンテキストポイントを示す画像の選択指示を受け付ける選択指示入力
手段を備え、上記制御手段は、上記選択指示によって選択されたコンテキストポイン トに応じた画像を、上記表示手段に表示させる構成としてもよい。
[0327] 上記の構成によれば、ユーザは、選択指示入力手段を介して表示させたいコンテ キストポイントを任意に選択することができる。したがって、所望するコンテキストポイン トを任意に選択して即座に再現することができる。
[0328] また、上記制御手段は、上記ストーリーラインの指向性に応じた順序で、上記コンテ キストポイントに応じた画像を上記表示手段に表示させる構成としてもよい。
[0329] 上記の構成によれば、上記制御手段が、上記ストーリーラインの指向性に応じた順 序で、上記コンテキストポイントに応じた画像を上記表示手段に表示させる。これによ り、例えば、ユーザは、 自分で作成したストーリーを、テレビ番組を見るように客観的 に眺めることができる。また、複数の人に自分の作成したストーリーを見せることがで きる。
[0330] また、音声情報を出力する音声出力手段を備え、上記制御手段は、上記各コンテ キストポイントを、上記球面上に表示されるいずれかのコンテンツ画像を示す画像に 対応するコンテンツ情報と関連付けて上記記憶手段に記憶させ、上記ストーリーライ ンの指向性に応じた順序で、上記コンテキストポイントに応じた画像を上記表示手段 に表示させるととも〖こ、上記各コンテキストポイントに関連付けられたコンテンツ情報 に含まれる文字情報を音声情報に変換し、上記変換した音声情報を上記音声出力 手段力も音声出力させる構成としてもよい。
[0331] 上記の構成によれば、ストーリーラインの指向性に応じた順序で、上記コンテキスト ポイントに応じた画像を順次表示 (再生)する場合に、各コンテキストポイントに関連 付けられたコンテンツ情報に含まれる文字情報を音声出力させることができる。
[0332] また、上記制御手段は、上記音声情報を読み上げるキャラクターの画像を上記表 示手段に表示させる構成としてもょ ヽ。
[0333] 上記の構成によれば、各コンテキストポイントに関連付けられたコンテンツ情報を一 人のプレゼンター(キャラクター)が読み上げるように表示することで、ストーリーの一 貫性を強調することができる。
[0334] また、上記表示手段に表示させる、上記コンテキストポイントに応じた画像を、上記
ストーリーラインの指向性方向に沿った順序で変更する力 あるいは、上記ストーリー ラインの指向性方向とは逆方向に沿った順序で変更するかについての指示を受け付 ける変更順序入力手段を備え、上記制御手段は、上記変更順序入力手段に入力さ れた指示に応じて、上記コンテキストポイントに応じた画像を上記表示手段に表示さ せる構成としてちよい。
[0335] 上記の構成によれば、ユーザは、表示手段に表示する画像を、任意のタイミングで 、次のコンテキストポイントに応じた画像に切り替えたり、あるいは前のコンテキストポ イントに応じた画像に切り替えたりすることができる。
[0336] また、上記制御手段は、上記コンテキストポイントおよびストーリーラインを示す画像 を、上記球面上に表示させ、上記表示手段に表示させる、上記コンテキストポイント に応じた画像を変更するときに、変更前のコンテキストポイントを示す画像力 変更後 のコンテキストポイントを示す画像に向カゝつて上記球面上を移動するキャラクターの 画像を上記表示手段に表示させる構成としてもょ ヽ。
[0337] 上記の構成によれば、上記球面上にばらばらに位置するコンテキストポイントを示 す画像に対して、各コンテキストポイント間を移動する一人のプレゼンティター(キャラ クタ一)を与えることにより、ストーリーの一貫性を強調することができる。
[0338] また、上記制御手段は、上記記憶手段に記憶した情報を、ネットワークを介して接 続される複数の表示手段に表示する構成としてもょ ヽ。
[0339] 上記の構成によれば、上記制御手段は、上記記憶手段に記憶した情報を、ネットヮ ークを介して接続される複数の表示手段に表示する。これにより、例えば、ネットヮー クを介して接続される複数の表示手段を用いて、電子会議室を開設できる。
[0340] また、ネットワークを介して接続される他の装置からの、上記コンテンツ情報の入力
、または上記制御手段に対する指示、を受け付ける通信入力手段を備えている構成 としてちよい。
[0341] 上記の構成によれば、ネットワークを介して接続される他の装置から、コンテンツ情 報の入力または上記制御手段に対する指示を行うことができる。したがって、上記情 報管理システムを、個人とグループとを結ぶグループウェアとして活用することができ る。
[0342] また、上記制御手段は、他のシステム上で作成されたコンテンツを、上記コンテンツ 情報または上記コンテンツ情報の一部として取り込むためのインポート手段を備えて 、る構成としてもよ 、。
[0343] 上記の構成によれば、他のシステム (外部エディタ)によって作成されたコンテンツ を、上記コンテンツ情報または上記コンテンツ情報の一部として取り込むことができる 。これにより、より多様なコンテンツ情報を記憶することができる。
[0344] また、上記各グループに含まれるコンテンツ情報は木構造を有しており、上記制御 手段は、各コンテンツ情報を示す画像および当該各コンテンツ情報の下位階層の各 コンテンツ情報を示す画像を取り囲む閉曲線であって、当該各コンテンツ情報を示 す画像および当該各コンテンツ情報を示す画像を階層関係に応じて接続する枝に 沿った滑らかな形状をなすように取り囲む閉曲線を、各閉曲線が他の閉曲線と交差 しないように表示する構成としてもよい。これにより、ユーザは、階層構造を容易に把 握できる。
[0345] また、上記制御手段は、上記閉曲線内の領域を、上記木構造の階層毎に色または 模様を代えて表示し、上記各コンテンツ情報を示す画像のうち、上記木構造におけ る階層に応じて、一部の画像のみを表示する構成としてもよい。これにより、大量のコ ンテンッ情報を示す画像を表示する必要がなくなり、表示処理を軽減することができ る。
[0346] また、上記制御手段は、上記閉曲線によって区画される領域を、下位階層の領域 ほど上記球面力もの高さが高くなるように、立体的に表示する構成としてもよい。これ により、ユーザが、階層構造を直感的に把握できる。
[0347] 本発明の情報管理方法は、上記の課題を解決するために、コンテンツ情報を記憶 し、記憶したコンテンツ情報を示す画像を表示する情報管理方法であって、三次元 球体画像を表示するとともに、上記記憶したコンテンツ情報を示す画像を上記三次 元球体画像の球面上に表示することを特徴としている。
[0348] 上記の方法によれば、三次元球体画像の奥行きや左右などの空間的な手掛力りを 活力してコンテンツ情報を配置することができる。これにより、ユーザ自身のポリシー に基づく外ィヒ記憶が可能になり、大量の外ィヒ記憶の蓄積および管理を好適に行うこ
とがでさる。
[0349] 本発明の情報管理プログラムは、コンピューターに、上記したいずれかの情報管理 システムにおける制御手段の処理を実行させるためのものである。
[0350] コンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、本発明の情報管理シス テムにおける制御手段の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能と なる。
[0351] また、これらのプログラムをコンピューターによって読み取り可能な記録媒体に記録 させておくことで、プログラムの保存 ·流通を容易に行えるようになる。さらに、この記 録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、本発明の情報管理システム における制御手段の処理を実施できる。
[0352] 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなぐ請求項に示した範囲で 種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適 宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。 産業上の利用の可能性
[0353] 本発明は、情報を蓄積し、閲覧可能とすることが求められるシステムに適用できる。
特に、思考支援、知識共有、コミュニケーション支援 (blog)など、人の記憶を蓄積し て閲覧可能とするためのシステムに好適である。また、ファイル管理ソフト、あるいは、 共有ホワイトボードとして用いることもできる。