WO2006027832A1

WO2006027832A1 - 医療用エアマット装置

Info

Publication number: WO2006027832A1
Application number: PCT/JP2004/013044
Authority: WO
Inventors: Koichi Yoshino; Masanobu Kishikawa
Original assignee: Yoshino Industry, Co., Ltd.
Priority date: 2004-09-08
Filing date: 2004-09-08
Publication date: 2006-03-16

Description

医療用エアマット装置

技術分野

[0001] 本発明は、人体全身を横臥可能なエアマット装置に関し、特に病人や高齢者等長期の横臥を余儀なくされた患者を対象とし、簡単に取り外して移動 ·設置が可能な医療用エアマット装置に関する。背景技術

[0002] 脳血管障害や重度の骨折などによって長期の安静が必要となり、寝たきりとなることがある。特に高齢者は、いったん疾病や事故によって障害が発生すると、寝たきりとなる場合が多い。寝たきりは、患者本人の苦痛とともに、介護者等の精神的、肉体的負担と、う弊害を生んで、る。

寝たきりになると、自分で寝返りをうつことが困難となるため、床ずれを発症し易くなる。床ずれとは、長時間の臥床などにより、身体の骨ばつた部分に持続的な圧迫が加わり、血液の循環障害を生じて組織が壊死してできる難治性潰瘍である。また、寝たきりになると、自力で喀痰できなくなり肺炎等の肺合併症が二次的に発症する。床ずれを予防または肺合併症を予防するためには定期的に患者の体位変換等を行い、身体の一部分に体圧が集中するのを防止し、喀痰しやすい体位をとる必要がある。寝たきり患者のための介護用ベッドとして、マットレスの通気性をよくしたものの他、寝返りを補助したり、ベッドを傾斜させたりする様々な機構を備えたベッドが考案されている。

[0003] ところで、空気などの気体を内部に注入したエアマットが公知である。エアマットは、従来のスプリングマットに比べ、身体と接する面の圧力を均一に保ち易いため、床ずれの予防に効果があると、われて、る。

このようなエアマットにおいて、床ずれを予防しつつ、人体に有益なマイナスイオンを供給するエアマット装置として、特許文献 1がある（図 13参照)。

特許文献 1：特開 2002-45269号公報

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、特許文献 1を含めた従来の介護用ベッドやエアマットでは、以下のような問題点があった。

すなわち、患者が横臥するマットが一体的に形成されているため、マットの一部分が血や便等で汚れた場合であっても、マット全体を取り替える必要があった。特に、スプリングマットでは、汚れがスプリングまで達してしまい、メンテナンスが容易でなかつた。また、患者の身体の一部分のみを拭きたい場合であっても、数人がかりで体位変換を行う必要があり、介護者等の負担が大きかった。

さらに、階段などの狭い通路や、自宅で介護をする場合では、現在の介護用ベッドの設置や移動に非常に労力が力かり介護者等の負担が大き力つた。

[0005] そこで本発明は、床ずれ'肺合併症等の予防を行いながら、設置や移動を簡単にし、介護者等の負担を軽減する医療用エアマット装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0006] 上記課題を解決するために、請求項 1記載の医療用エアマット装置は、各々に空気の給気及び排気が可能とされ、取り外して移動自在な複数の分割体よりなるエアマットと、該分割体を個別に載置可能で、取り外して移動自在な複数の台座と、該ェァマットへの空気の給気及び排気を制御するためのエアコントローラーと、を具備したことを要旨とする。

[0007] また、請求項 2記載の医療用エアマット装置は、各々に空気の給気及び排気が可能とされ、取り外して移動自在な複数の分割体よりなるエアマットと、該分割体を個別に載置可能で、取り外して移動自在な複数の台座と、該エアマットへの空気の給気及び排気を制御するためのエアコントローラーと、を具備した医療用エアマット装置であって、該エアマットには多数のビーズ体が封入され、該エアマットからの空気の排気を行うことによって、該エアマットに横臥した患者の身体を固定するようにしたことを要旨とする。

[0008] また、請求項 3記載のエアマット装置は、請求項 2記載の構成にぉ、て、該エアマツトが水平面に対して形成する角度を自在に変更するための駆動手段、をさらに具備したことを要旨とする。

[0009] また、請求項 4記載のエアマット装置は、請求項 2記載の構成にぉ、て、前記エアマットに横臥した患者を挟みこんで上方に配置され、各々に空気の給気及び排気が可能とされた複数の分割体よりなる、他のエアマットと、前記エアマットと該他のエアマットとの上下の配置を逆転させるための駆動手段と、をさらに具備し、該駆動手段によって、前記エアマットに横臥した患者の、仰向け状態とうつ伏せ状態のポジションチェンジを可能としたことを要旨とする。発明の効果

[0010] 本発明によれば、エアマットが複数の分割体により構成され、各々に空気の給気及び排気が可能とされているため、分割体ごとに空気圧の調整を行うことができ、患者の床ずれ予防に効果がある。

また、一部の分割体のみを容易に取り外したり、交換したりできるため、エアマットのメンテナンスが容易となり、介護者等の負担も軽減される。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1] (a)本発明に係るエアマット装置の構成を示す平面図である。（b)本発明に係るエアマット装置の他の構成を示す平面図である。

[図 2] (a)分割体の斜視図である。（b)分割体の他の例の斜視図である。

(c)分割体の他の例の斜視図である。（d)分割体にビーズ体を封入した場合の断面図である。

[図 3] (a)エアマットの台座への載置状況を示す斜視図である。 (b)エアマツトの台座への他の載置状況を示す斜視図である。

圆 4]給排気口とエアチューブとの接続状況を示す斜視図である。

[図 5] (a)給排気口の平面図である。（b)給排気口の側面図である。

[図 6] (a)第 1実施例に係るエアマット装置の側面図である。（b)第 1実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す側面図である。

[図 7] (a)第 2実施例に係るエアマット装置の側面図である。（b)第 2実施例に係るエアマット装置の正面図である。

[図 8] (a)第 2実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す断面図である。 (b)第 2実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す断面図である。 (c )第 2実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す断面図である。

[図 9] (a)第 2実施例に係るエアマットの回転状況を示す正面図である。 (b) 第 2実施例に係るエアマットの回転状況を示す正面図である。

[図 10] (a)第 3実施例に係るエアマットの配置状況を示す側面図である。 (b )第 3実施例に係るエアマット装置の側面図である。（c)第 3実施例に係るエアマット装置の正面図である。

[図 11] (a)第 3実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す断面図である。

(b)第 3実施例に係るエアマット装置の使用状況を示す断面図である。

[図 12]本発明に係るエアマット装置の構成を示す斜視図である。

[図 13]従来技術を示す図である。

符号の説明

1 エアマット装置

2、 2，、 2，，エアマット

3a、 3b、 · · · 分割体

3a\ 3b\ · · · 分割体

3a'\ 3b'\ · · · 分割体

4、 4，、4，，台座

4aゝ 4b、… 台座

5、 5，エアコントローラー

6 給排気 PI

6 ' 開孔

7 エアチューブ

8、 8a 上側面

10 空気

11 ビーズ体

12 底部

13 立上り部接続口

雄螺子

コネ、クタ一

メッシュ部材

、 20'、 30、 30' 第 1チェーンホイール、 21'、 31、 31' 第 2チェーンホイール、 22'、 32、 32' 第 1回転軸、 23'、 33、 33' 第 2回転軸、 24'、 34、 34' チェーン

、 25'、 35、 35' モーター

、 26'、 36、 36' 制御装置

、 27'、 37、 37' 支持架台

、 38a、 38a' 補助部材

呼吸器

ホース

マスク

患者身体

ベッド、

、 71, 嵌合溝

通体

0 マット装置

1 マット本体

2 表地

3 エアー導入口

小孔

5 コンプレッサ

6 マイナスイオン発生装置 P、 Q 回転軸

Θ ' 傾斜角度

発明を実施するための最良の形態

図 1 (a)に示すように、本発明に係るエアマット装置（1)は、患者身体 (60)全身を横臥でき、空気の給排気が可能なエアマット（2)と、該エアマット（2)を載置するための台座 (4)と、該エアマット (2)への給排気を制御するためのエアコントローラー（5)とを備えるものである。

エアマット（2)は複数の分割体（3a) (3b) · · 'より構成し、例えば図 1 (a)及び図 3 (a )に示すように、横幅の等しい直方体状の分割体 (3a) (3b) · · ·であれば、平面が矩形状のエアマットが構成される。複数の分割体 (3a) (3b) · · ·は全てが同一の大きさや形状でなくてもよい。

エアマット（2)を構成する一の分割体は、図 2 (a)に示すように、給排気口（6)を有しており、給排気口（6)を通して分割体（3a)内部への空気（10)の給気、及び分割体（3a)内部からの空気（10)の排気を行う。分割体（3a) (3b) · · ·の各々の形状は、患者身体 (60)全身を横臥可能なエアマットを構成するものであれば、直方体状でなくてもよく、また一つの分割体 (3a)にっき給排気口（6)を複数設けることとしてもよいさらに、患者身体 (60)と接する分割体の上側面（8)の形状は、患者身体 (60)への効果を考慮して、図 2 (b)で示す (8a)のように、例えば連続する山型状等に形成してもよい。また、分割体 (3a) (3b) · · ·の形状は、台座 (後述)と接する部分が水平である等の安定的な形状であれば、図 2 (c)に示すようなものでもよい。

分割体（3a) (3b) · · ·は、内部に注入された空気（10)の圧力によって患者身体 (6 0)を支持できるように、ゴムゃ榭脂シートなど、耐久性、伸縮性のある素材を用いて形成する。

患者が身体を横臥させる際には、分割体 (3a) (3b) · · ·の上にカバーやシーツ等を被せて使用してもよいし、直接人体を横たえて使用してもよい。各分割体 (3a) (3b) · • 'ごとにカバーを被せることとすれば、所望のカバーのみを洗濯や交換等でき、メンテナンスが容易となる。 [0014] 分割体（3a) (3b) · · ·の内部には、図 2 (d)に示すように、多数のビーズ体（11)を封入することとしてもよい。封入するビーズ体（11)は、以下の特徴を有することが好ましい。すなわち、形状は円形 '円柱'楕円形が望ましぐ大きさは小豆程度で、発砲スチロール等の軽量な素材で形成され、柔らかぐなおかつ形が崩れないようなものを用いることが好ましい。封入するビーズ体（11)の分量は、各分割体（3a) (3b) · · · に空気（10)を満たしたときに、ビーズ体（11)が密着することなく浮遊する程度を限度とする。

このようなビーズ体（11)を分割体 (3a) (3b) · · ·に封入することとすれば、分割体（ 3a) (3b) · · ·内部に給気して空気（10)を満たしたときには、通常のエアマットとして使用でき、排気して空気（10)を除去 (陰圧にする)したときには、エアマット (2)に横臥する患者身体 (60)の形状に沿った一固体形状にてビーズ体（11)が互いに密着し、体の部位ごとにしつ力りと固定することが可能となるものである。

[0015] 複数の分割体（3a) (3b)…よりなるエアマット（2)は、図 3 (a)に示すように、台座（ 4)上に載置される。このとき、各々の分割体が他の分割体とは独立して取り外しができるようにして載置する。

台座 (4)は、各分割体 (3a) (3b) · · ·を安定して列置できるような構造とし、図 3 (a) に示すように、例えば底部（12)と立上り部（13)とを有する上部開放の箱型形状とし、エアマット（2)を上方力挿嵌可能に構成する。図 3 (b)に示すように、分割体 (3a) (3b) · · ·を個々に載置するように台座 (4a) (4b) · · ·を構成してもよぐこの場合には、エアマット（2)の安定のために台座 (4a) (4b) · · ·同士を連結固定する手段を設けることが好ましい。

また、台座 (4)をフレームのみ力構成したり、立上り部（13)を有さない底部（12) のみ力構成し、各分割体 (3a) (3b) · · ·を安定して列置するための係止手段を、分割体 (3a) (3b) · · ·と台座 (4)との間に設けることとしてもよい。

さらに、後の実施例（実施例 2、 3)で述べるような駆動手段を付加する場合には、台座 (4)を、エアマット（2)と一体的に駆動可能な強度等によって構成し、駆動装置との連結固定のための固定手段を、台座 (4)に適宜設けるものとする。

[0016] 各分割体（3a) (3b)…に設けられる給排気口（6)は、図 1 (a)に示すように、それぞれエアチューブ（7)に接続されるが、この接続は例えば図 4、図 5に示すように、分割体 (3a) (3b)…表面より突出して設けられ外周に雄螺子（16)が刻設された接続口（15)を有する給排気口（6)に、エアチューブ (7)端部に設けられ内周に雌螺子（図示せず)が刻設されたコネクター（17)を螺合させることによって行う。

分割体（3a) (3b) · · ·内部にビーズ体（11)を封入する場合には、図 5 (a)に示すように、ビーズ体（11)の大きさよりも目の細力、メッシュ部材（18)を接続口（15)に設けることが好ましい。このようにすることで、排気を行う際に、ビーズ体（11)が分割体（ 3a) (3b) · · ·外部に排出されてしまうのを防止することができる。

[0017] さらにエアチューブ（7)は、図 1 (a)に示すように、給排気を制御するエアコントローラー（5)に接続される。エアコントローラー（5)は、各分割体（3a) (3b)…への給気及び排気を個別に行うためのものであり、例えば、給気ポンプ、排気ポンプ、電磁弁等を備えた制御部、各種ボタンを備えたスィッチ部（図示せず)等力構成する。電磁弁を用いることで、給気ポンプと排気ポンプとの接続切替えや、接続されたエアチユーブ (7)の個別開閉を制御することが可能となる。

また、エアコントローラー（₅)に温度調節機能を設け、給気する空気の温度を適宜調整できるようにしてちょい。

なお、図 1 (b)に示すように、エアコントローラー（5 ' )をエアマット（2)や台座 (4)と一体的に構成することとしてもよ、。

実施例 1

[0018] 本発明の第 1の実施例を図 6を参照しながら説明する。本実施例は、複数の分割体よりなるエアマットを用いたエアマット装置に関する。

[0019] 本実施例に係るエアマット装置（1)は、図 6 (a)に示すように、エアマット（2)及び台座 (4)と力も構成されている。エアマット（2)は、長手方向に分割された略直方体形状の 5個の分割体（3a) (3b) · · · (3e)を台座 (4

)上に列置してなり、分割体 (3a) (3b) · · · (3e)ごとに給排気口（6)が設けられている給排気口（6)は、図 1 (a)で示したように、それぞれエアチューブ（7)を介してェアコントローラー（5)と接続され、これによつて個々の分割体 (3a) (3b) · · · (3e)への給排気が個別に制御可能とされている。

なお、図 12は本実施例のエアマット装置（1)の変形例を示す図であり、エアマツト（ 2)を形成する複数の分割体 (3a) (3b) · · ·、及び該分割体を個別に載置可能な複数の台座 (4a) (4b) · · ·により構成されている。この変形例は、分割体（3a) (3b)…をそれぞれ挿嵌した台座 (4a) (4b) · · ·をベッド（70)上に載置固定して使用するものである。台座 (4a) (4b) · · ·の側面には、各分割体（3a) (3b) · · ·が有する給排気口（ 6)に対応する位置に、エアチューブを挿入可能な開孔（6 ' )が設けられている。図 12に示すように、各台座 (4a) (4b) · · '及びベッド（70)には略同一断面形状の嵌合溝 (71) (71 ' )がそれぞれ対応する位置に設けられ、取り外し自在とされた棒状の貫通体 (72)を該嵌合溝 (71) (71 ' )に貫通 '嵌合させることによって、台座 (4a) (4 b) · · ·同士を連結するとともに、ベッド（70)と一体ィ匕固定できるようになつている。通常時は、貫通体（72)を用いず、移動時等のみ貫通体（72)によって連結固定することとしてもよい。このような嵌合溝（71) (71 ' )、及び貫通体（72)による連結手段は、一例であり他の手段を用いても良い。また、一般家庭で用いる場合等には、ベッド（7 0)上に載置せずに、床の上に直接台座 (4a) (4b) · · ·を載置して用いてもよいが、この場合には各台座 (4a) (4b) · · ·同士を互いに取り外し自在に連結固定する手段を設けることが好ましい。

[0020] このように構成したエアマット装置（1)において、エアコントローラー（5)で各分割体

(3a) (3b) · · · (3e)に給気を行うことによって、図 6 (a)で示すように、患者身体 (60) を横臥可能なエアマット（2)を形成する。各分割体 (3a) (3b) · · · (3e)への給排気が個別に制御可能とされているため、各分割体 (3a) (3b) · · · (3e)ごとに空気圧の調整を行えるようになつている。これにより、エアマット（2)に横臥する患者身体 (60)のきまった部分にのみ圧力が力かり続けるといったことを防止することができる。

[0021] エアマット（2)を使用する過程で、（3c)の分割体が患者の便等で汚れた場合には、他の分割体（3a) (3b) (3d) (3e)の内部の空気圧を保ったまま、（3c)の分割体の内部の空気を排気する。図 6 (b)に示すように、（3c)の分割体の排気を行っても、患者身体 (60)が残りの分割体 (3a) (3b) (3d) (3e)で支持されており、介護者等は排気を行った（3c)の分割体を台座 (4)から容易に取り外すことができる。また、図 12の場合には、（3c)の分割体とそれに対応する台座 (4c)とを一緒に取り外すことができる。

取り外した部分に、汚れを落とし終えた分割体（3c)、台座 (4c)、あるいはスペアの分割体（3c)、台座 (4c)を取り付けて給気を行えば、図 6 (a)あるいは図 12のようなェァマット（2)が再び形成できる。

[0022] 本実施例に係るエアマット装置（1)によれば、各分割体（3a) (3b) · · · (3e)ごとに空気圧の調整ができるため、空気圧を各患者に適したものとしたり、圧を変化させることによって、床ずれを有効に防止することが可能となる。

また、汚れた分割体のみを容易に取り外すことができるため、数人がかりで患者を移動させるといったことなぐ患者を横臥させたままで、簡単に分割体のメンテナンスを行うことが可能となる。そして、エアマット（2)を構成する分割体 (3a) (3b) · · · (3e) の一部の分割体のみを取り外すことにより、患者身体 (60)がエアマット（2)に接触して、な、部位を容易につくり出すことができるため、汚れた部位を拭、たりする際の介護者等の手間が軽減できる。

また、分割体 (3a) (3b) · ·，や台座 (4a) (4b) · · ·の個数を調整することにより、子供力も大人までの各サイズに対応することが可能である。布団を使用する場合であっても、各分割体 (3a) (3b) · · ·と台座 (4a) (4b) · · ·の構成で簡単に設置することができる。

台座 (4)あるいは (4a) (4b) · · ·を床の上に直接載置する場合であれば、場所を選ばずに設置できるために、病院内の他に一般家庭等で使用したり、災害などの非常時にも使用することが出来る。特に、各々の分割体（3a) (3b) · · · (3e)はコンパクトに形成されるため、持ち運びが容易であり、従来介護用ベッド等を搬入することができな力つた狭い家屋等へ搬入して使用することも可能である。

さらに、台座 (4)あるいは (4a) (4b) · · ·との連結固定手段等を工夫することで、病院等における既存のベッドに対しても使用可能となる。

実施例 2

[0023] 本発明の第 2の実施例を図 7—図 9を参照しながら説明する。本実施例は、患者の身体を左右に傾斜させるための駆動手段が付加されたエアマット装置に関する。 [0024] 図 7 (a) (b)は本実施例に係るエアマット装置（1)を示す。本実施例に係るエアマツト装置は、 5個の分割体（3a) (3b) · · · (3e)よりなるエアマット（2)と台座 (4

)から構成され、さらに、台座 (4 )及び台座 (4 )上に載置されるエアマット（2)の傾斜角度を自在に変化させるための駆動手段が設けられる。各分割体 (3a) (3b) · · · (3e )に給排気口（6)が設けられ、エアチューブ (7)を介してヱァコントローラー（5)と接続される点は、前実施例と同様である。

なお、図 12のように、台座 (4)を、各分割体 (3a) (3b) · · ·に個別に対応する複数の台座 (4a) (4b) · · ·により構成することも当然ながら可能である。

[0025] 本実施例における分割体（3a) (3b) · · · (3e)は、図 2 (d)で示したように、内部に多数のビーズ体（11)を封入してなり、これによりエアマット（2)上に横臥する患者身体（ 60)を固定するものである。図 8 (a)に示すように、給気されて内部の空気圧によって患者身体 (60)を支持した状態から、空気（10)を排気してゆくと、図 8 (b)に示すように、空気圧の減少とともに患者身体 (60)がエアマット（2)に徐々に沈みこんでゆく。そして、図 8 (c)に示すように、エアマット（2)の患者身体 (60)と接する部分が、患者身体 (60)の形状に対応した一固体形状を形成するようにして、ビーズ体（11)が互いに密着し、患者身体 (60)が体の部位ごとにしっかりと固定されることとなる。

なお図 12のように、台座 (4)を、複数の台座 (4a) (4b) · · ·により構成する場合には、患者身体 (60)が沈み込んだときに干渉しないように、台座 (4a) (4b) · · ·の立ち上り部（エアマット短辺側）を切欠した形状とすることが好ま、。

[0026] 駆動手段としての駆動装置は、台座 (4)及びエアマット（2)を一体的に所要角度だけ回転駆動させるものであり、その目的を達成できれば構成は問わないが、本実施例においては、図 7 (a) (b)に示すように、第 1チーンホイール（20) (20' )、第 2チーンホイール（21) (21 ' )、第 1回転軸（22)、第 2回転軸（23) (23，）、チェーン（2 4) (24' )、モーター（25)、制御装置（26)等により構成されている。また、支持架台（ 27) (27' )によって、台座 (4)及びエアマット（2)が床面から上方の位置に保たれている。

第 1チーンホイール（20) (20，）、第 2チーンホイール（21) (21，）は、エアマット (2)長辺方向両端近傍にそれぞれ対向して設けられている。第 2チェーンホイール（ 21) (21 ' )と台座 (4)とは、第 2回転軸（23) (23 ' )によって連結固定されている。一方の第 1チェーンホイール (20)には、第 1回転軸（22)を挟んで対向する第 1チエーンホイール（20' )と一体的に回転駆動させるためのモーター（25)が接続され、さらにモーター（25)には回転を制御するための制御装置（26)が接続されている。第 1チェーンホイール（20) (20' )に与えられた回転力は、それぞれチェーン（24) ( 24 ' )を介して第 2チーンホイール（21) (21 ' )に伝達され、台座 (4a )と連結固定された第 2回転軸（23) (23 ' )が回転することによって、台座 (4a )が所要角度回転するものである。

[0027] 図 9 (a) (b)は、この回転の様子を示したものである。図 9 (a)に示すように、台座 (4a

)及びエアマット（2)力台座 (4a )を挟んで対向する第 2回転軸（23) (23 ' )の軸心を結んでできる回転軸 (P)廻りを回転させることによって、水平面から（ Θ )の角度をもつて傾斜することとなる。図 9 (b)に示すように、反対側に（ Θ ' )の角度をもって傾斜させた、場合には、回転軸 (P)廻りを逆回転させればょ、。

最大傾斜角度、回転スピード、駆動時間等は制御装置によって制御可能である。傾斜角度（ θ ) ( Θ ' )は、大きすぎると安定性に欠け、小さすぎると効果が減少するため、最大傾斜角度は ±45° — ± 60° に設定することが好ましい。

[0028] このように、本実施例では、上述した駆動手段によって、エアマット（2)に横臥する患者身体 (60)を所要角度傾斜させることができる。患者身体 (60)を傾斜させると、重力の作用によって、身体の高い位置の部位に力かる圧力が低い位置の部位にか力る圧力に比べて減少することとなる。そして、傾斜角度（ θ ) ( Θ ' )を連続的或いは断続的に変化させてゆくことによって、身体における圧力が力かる位置や圧力の強さを変化させることができ、身体の一部分にのみ圧力が集中することを防止できる。また、肺炎などの予防に有効である。

[0029] 駆動装置の使用に際しては、患者が横臥した状態で分割体 (3a) (3b) · · · (3e)の排気を行い、図 8 (a)—（c)のようにして、患者身体 (60)をエアマット（2)に固定する。このようにすることで、台座 (4)及びエアマット（2)が傾斜した場合でも、患者はエアマット（2)にしつかりと保持固定されることとなる。

[0030] 本実施例に係るエアマット装置（1)によれば、患者身体 (60)を所要角度傾斜させることができるため、有効に床ずれ及び肺炎等を予防することが可能となる。そして、駆動手段を用いて容易に回転を制御できるため、数人が力りで体位変換を行うといつたことが不要となる。

さらに、エアマット（2)に封入された多数のビーズ体（11)によって、患者身体 (60) を容易に固定することができるため、介護者等の労力がきわめて軽減されることとなる実施例 3

[0031] 本発明の第 3の実施例を図 10—図 11を参照しながら説明する。本実施例は、患者の仰向け状態とうつ伏せ状態のポジションチェンジを可能としたエアマット装置および回転用ベッドに関する。

[0032] 図 10 (a)一 (c)は本実施例に係るエアマット装置（1)を示す。本実施例に係るエアマット装置（1)は、上下一組のエアマット（2，) (2' ')と台座 (4') (4' ')から構成され、さらに本実施例においては、該一組のエアマット（2' ) (2' ')の上下の配置を逆転させるための駆動手段が設けられる。給排気口（6)、エアチューブ (7)、エアコントローラー（5)が設けられる点は、実施例 2と同様である。

なお、図 12のように、複数の台座 (4a) (4b) ···により構成することとしてもよい。

[0033] 図 10(a)に示すように、エアマット（2') (2' ')はそれぞれ 6個の分割体（3a') (3b') • · · (3f， )、（3a，，）（3b，，） · · · (3f，， )よりなり、台座 (4' )上に載置されるエアマット (2 ' )の上側面にエアマット（2' ' )が配置され、さらにその上方に台座 (4' ' )が配置される。前実施例と同様に、各分割体 (3a') (3b')… (3f，）、 (3a，，）（3b，，） · · · (3f，，) の内部には多数のビーズ体（11)が封入されてなり、これによりエアマット（2' ) (2") 上に横臥する患者身体 (60)を固定できるようになって!/、る。

また、上下のエアマット（2，) (2'')及び台座(4') (4，，）は、図 10(b) (c)に示すように、台座 (4') (4' ')の四辺に設けられる補助部材（38) (38a) (38a')を用いて一体的に回転駆動されるようになっている。補助部材（38) (38a) (38a')は、螺子（39) 等の固定手段を用いて、上下の台座 (4') (4' ')に取り外し自在に固定されている。

[0034] 本実施例に係る駆動手段としての駆動装置は、上記上下一組のエアマット (2') (2

'')と台座 (4') (4' ')を一体的に 180° 回転駆動させるものであり、図 10(b) (c)に示すように、第 1チーンホイール（30) (30，）、第 2チーンホイール（31) (31，）、第 1回転軸（32)、第 2回転軸（33) (33，）、チェーン (34) (34，）、モーター（35)、制御装置（36)、支持架台（37) (37' )等により構成されて、る。

第 2チーンホイール (31) (31 ' )と補助部材 (38a) (38a' )とは、第 2回転軸（33) (33 ' )によって連結固定されており、第 1チェーンホイール（30) (30' )に与えられた回転力が、それぞれチーン（34) (34 ' )を介して第 2チーンホイール（31) (31 ' ) に伝達され、補助部材 (38a) (38a' )と連結固定された第 2回転軸（33) (33 ' )が回転することによって、上下一組のエアマット（2' ) (2' ' )と台座(4' ) (4" )とが一体となつて、対向する第 2回転軸（33) (33 ' )の軸心を結んでできる回転軸 (Q)廻りに 180 ° 回転する。

[0035] 本実施例は、上記した駆動手段によって、上下一組のエアマット（2' ) (2' ' )の上下の配置を逆転させ、エアマット（2' ) (2' ' )の間に挟まれて横臥する患者身体 (60)を、仰向けからうつ伏せに、あるいはうつ伏せ力仰向けにポジション変化させるものであるが、この目的を達するものであれば、駆動手段は他の構成によってもよい。

[0036] 本実施例に係るエアマット装置（1)の使用例を、図 11を用いて説明する。図 11では各分割体に封入されたビーズ体、台座、駆動装置は図示を省略している。

図 11 (a)に示すように、エアマット（2' )に患者が仰向け状態に横臥した状態で、該ェァマット (2' )を構成する分割体 (3a' ) (3b ' )… (3f )の排気を行!、、患者身体 (60) をエアマット（2' )に沈み込ませて固定する。その後、該エアマット（2' )上方に他のェァマット（2' ' )を配置し、エアマット（2' ) (2' ' )によって患者身体 (60)を上下から挟み込む。本実施例では、呼吸器 (40)に繋がれた肺炎患者を例としており、マスク (4 2)と接続されたホース (41)を通すために、顔面上部の分割体（3e' ' )は取り外している。

そして本実施例の駆動手段によって、図 11 (b)に示すように、エアマット（2' ) (2" )の上下の配置を逆転させる。上下逆転後、上方に位置するエアマット（2' )を取り外せば、患者はうつ伏せの状態でエアマット（2' ' )に横臥していることとなる。

同様にして、うつ伏せ状態に横臥する患者を、仰向け状態に横臥させることも可能である。 [0037] 本実施例のようなエアマット装置（1)であれば、駆動手段を用いて容易に上下一組のエアマット（2' ) (2' ' )の上下の配置を逆転させることができるため、人手をかけることなぐエアマット（2' ) (2 ' ' )に横臥する患者の、仰向け状態とうつ伏せ状態のポジシヨンチェンジを行うことが可能となる。

さらに、多数のビーズ体（11)を封入された分割体 (3a，） (3b ' ) · · · (3f，）、 (3a" ) ( 3b，，） · · · (3f ' )によって患者身体（60)が固定されているため、エアマット（2，) (2， ' )の上下配置を安定して逆転させることができる。

産業上の利用可能性

[0038] 本発明は、寝たきり患者の床ずれや肺疾患等を予防しつつ、介護者等の労力を軽減し、また取り外して移動自在な医療用エアマット装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する

Claims

請求の範囲

[1] 各々に空気の給気及び排気が可能とされ、取り外して移動自在な複数の分割体よりなるエアマットと、

該分割体を個別に載置可能で、取り外して移動自在な複数の台座と、

該エアマットへの空気の給気及び排気を制御するためのエアコントローラーと、を具備した医療用エアマット装置。

[2] 各々に空気の給気及び排気が可能とされ、取り外して移動自在な複数の分割体よりなるエアマットと、

該エアマットへの空気の給気及び排気を制御するためのエアコントローラーと、を具備した医療用エアマット装置であって、

該エアマットには多数のビーズ体が封入され、

該エアマットからの空気の排気を行うことによって、該エアマットに横臥した患者の身体を固定するようにした医療用エアマット装置。

[3] 該エアマットが水平面に対して形成する角度を自在に変更するための駆動手段、をさらに具備した請求項 2記載の医療用エアマット装置。

[4] 前記エアマットに横臥した患者を挟みこんで上方に配置され、各々に空気の給気及び排気が可能とされた複数の分割体よりなる、他のエアマットと、

前記エアマットと該他のエアマットとの上下の配置を逆転させるための駆動手段と、をさらに具備し、

該駆動手段によって、前記エアマットに横臥した患者の、仰向け状態とうつ伏せ状態のポジションチェンジを可能とした請求項 2記載の医療用エアマット装置。