WO2006013672A1

WO2006013672A1 - 金合金

Info

Publication number: WO2006013672A1
Application number: PCT/JP2005/009984
Authority: WO
Inventors: Masayuki Kabata; Tetsuhiro Iwata; Tomotoshi Miyamoto
Original assignee: Furukawa Co., Ltd.; Leda Co., Ltd.
Priority date: 2004-08-05
Filing date: 2005-05-31
Publication date: 2006-02-09
Also published as: JP2006045630A

Abstract

　金含有率が低く安価であり、且つ１８金と同様の色調を有し、加工性もよく、宝飾用合金材料として好適な金合金を提供する。この金合金は、金３７．５質量％以上５０質量％未満、銀６質量％以上１４質量％以下、亜鉛６質量％以上１０質量％以下、インジウム０．０２質量％以上３質量％以下、ゲルマニウム０．０２質量％以上３質量％以下、残部が銅であることを特徴とする。

Description

明細書

金合金

技術分野

[0001] 本発明は、宝飾用として好適な色調を有し、加工性に優れ、且つ安価な金合金に関するものである。

背景技術

[0002] 金は、色彩の美しさ、耐蝕性、加工性力宝飾用品などに古来広く使用されている

。しかし、純金は非常に柔らかく機械的強度が弱いため銀や銅など他の金属との合金として実用に供されてヽる。

装飾用金合金としては、 12金 (金含有率 50%)〜22金 (金含有率 92%)のものが公知である (特許文献 1参照)。

18金はその代表的な金合金であり、金 75%、残部が銀と銅で構成され、装身具類に広く用いられてヽる (特許文献 2参照)。

[0003] 18金は、加工性に優れ、宝飾用として好適な色調を有しており、その独特の色調は 18金色と呼ばれている。例えば、銀と銅の割合が 15 : 10のものはイェローゴールドと呼ばれ、最も一般的な金色であり、銀と銅の割合が 10 : 15のものはピンクゴールドと呼ばれ、少し赤味が力つた金色を呈する。

特許文献 1：特開昭 63— 169345号公報

特許文献 2：特開 2002— 105558号公報 (段落 [0002])

発明の開示

[0004] ところ力 18金は金含有率が 75%であるため、高価であるという問題がある。

本発明は、金含有率が低く安価であり、且つ 18金と同様の色調を有し、加工性もよぐ宝飾用として好適な金合金を提供することを目的とする。

本発明者らは、課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金含有率が 37. 5質量

%以上 50質量％未満でありながら 18金と同様の色調を有する金合金が得られることを見出した。

[0005] すなわち、本発明の金合金は、金 37. 5質量％以上 50質量％未満、銀 6質量％以上 14質量％以下、亜鉛 6質量％以上 10質量％以下、インジウム 0. 02質量％以上 3 質量％以下、ゲルマニウム 0. 02質量％以上 3質量％以下、残部が銅であることを特徴とする金合金である。

金合金は、金に対する配合元素である銀、亜鉛、銅の比率を変えることにより、色調を好みに応じて変化させることができる。例えば、銅の比率を高めると赤系の金色になり、銀、亜鉛の比率を高めると赤みのうすい金色にすることができる。

[0006] 金の割合は、金合金の価格を抑えるためには低いほど良いが、 37. 5質量％より金含有率が低いものでは 18金と同様の色調を得ることが困難であり、 50質量％以上だと価格が上がるため、 37. 5質量％以上 50質量％未満とした。

銀は色調の調整と合金強度を得るために配合されるが、 6質量％未満だと赤くなりすぎ、 14質量％を超えると白っぽくなつて 18金の色調でなくなる。

[0007] 亜鉛は色調の調整と加工性をよくするために配合されるが、 6質量％未満だと赤くなりすぎ、 10質量％を超えると白っぽくなつて 18金の色調が得られなくなるば力りでなぐ融点が下がりすぎてロウ付け加工性が悪くなる。

添加元素であるゲルマニウムは、銀、亜鉛、銅のガス (特に酸素）吸蔵による溶湯の流動性低下を防止し、铸造体中の巣の低減に効果があり、結晶を微細化し硬さの向上にも効果がある。添加量を 0. 02質量％以上 3質量％以下としたのは、 0. 02質量 %未満では上記効果が得られず、 3質量％を超えると硬くなりすぎて加工性の低下をきたすためである。

[0008] インジウムはゲルマニウムと同様ガス吸蔵を低減し、ゲルマニウムの効果を助長するだけでなぐ硬さの調整にも効果がある。また、インジウム、ゲルマニウムも色調を変える効果がある。添加量を 0. 02質量％以上 3質量％以下としたのは、 0. 02質量％未満では上記効果が得られず、 3質量％を超えると融点が下がり、加工性の低下をきたすためである。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 組成が金 37. 5質量％以上 50質量％未満、銀 6質量％以上 14質量％以下、亜鉛 6質量％以上 10質量％以下、インジウム 0. 02質量％以上 3質量％以下、ゲルマ二ゥム 0. 02質量％以上 3質量％以下、残部が銅となる金合金を铸造する。銀、亜鉛、銅、インジウム、ゲルマニウムの組成比を上記範囲内で調整することにより、好みに応じた色調とカ卩ェ性が得られる。

表 1に、本発明の実施例 1〜9と比較例 1〜3の組成と、その硬度、加工性、及び色調を示す。

[表 1]

実施例 1 9と比較例：!〜 3では、表 1に示す組成の合金をアルゴン雰囲気下で高周波加熱し、連続铸造法により試料を製作した。なお、比較例 2 3は、一般的な 18 金である。 [0012] 硬度 Hvはビッカース硬度計を用いて測定した。

加工性は断面観察による曲げカ卩ェによるクラックの発生、ろう付加工後の変色の有無等により総合的に判断した。

色調は目視により 18金である比較例 2、 3の色調と対比した。

実施例 1〜3は、金 41. 7質量％のときに、銀と銅の割合を変えて色調を調整した例であり、実施例 1は黄、実施例 2はピンク、実施例 3は赤みが力つたゴールドで 18 金色と同様の美しい色調が得られた。硬度は 18金である比較例 2、 3よりやや低ぐカロ工'性は極めて良好であつた。

[0013] 実施例 4〜5は、ゲルマニウムとインジウムの割合を変えて力卩ェ性を確認したものである。実施例 4では、実施例 2と同様に、ピンクゴールドの美しい色調が得られたが、ゲルマニウムを 3質量％としたため、硬度が高くなつており、加工性はやや低下している。

実施例 5では、実施例 2と同様に、ピンクゴールドの美しい色調が得られた力インジゥムを 3質量％としたため、硬度が低くなつており、加工性はやや低下している。

[0014] 実施例 6〜7は、金 37. 5質量％のときに、銀と銅の割合を変えて色調を調整した例であり、実施例 1〜3に比べるとやや赤みが強、。

実施例 8〜9は、金 49. 9質量％のときに、銀と銅の割合を変えて色調を調整した例であり、色調は 18金と同様で、加工性は良好であった。

[0015] 比較例 1は、金、銀、銅、亜鉛の割合が実施例 2に近似するが、ゲルマニウムとインジゥムを添カ卩しない例である。ゲルマニウムとインジウムを添カ卩しないため、ガス吸蔵が低減できず巣が多くなつており、加工性がよくない。

表 1より明らかなように、実施例 1〜9は何れも 18金と同様の色調を有し、加工性の優れた金合金であることが分かる。

産業上の利用可能性

[0016] 本発明の金合金は、金含有率が低く安価であり、 10金でありながら 18金と同様の色調を有し、加工性もよぐ宝飾用として好適である。

Claims

請求の範囲

[1] 金 37. 5質量％以上 50質量％未満、銀 6質量％以上 14質量％以下、亜鉛 6質量 %以上 10質量％以下、インジウム 0. 02質量％以上 3質量％以下、ゲルマニウム 0. 02質量％以上 3質量％以下、残部が銅であることを特徴とする金合金。