明 細 書
血小板減少症治療剤
技術分野
[0001] 本発明は Mplを認識する抗体を有効成分として含有する血小板減少症治療剤に関 する。又、本発明は Mplを認識する抗体を有効成分として含有する血小板増加剤に 関する。
背景技術
[0002] トロンボポェチン(Thrombopoietin : TPO)は、巨核球系の造血細胞の増殖と分化を 促進する分子であり、血小板数の調節に主要な役割を担うサイト力インである。巨核 球コロニー朿 IJ激因子 (Megakaryocyte colony-stimulating factor)あるいは c— MPLリガ ンドとも呼ばれていた。ヒト TPOは、 353アミノ酸力 なる TPO前駆体力 切り出されて 活性体となる。
[0003] Mplは TPOの受容体であり、 Cluster of Differentiation (CD)抗原としては CD110にリ ストされる。ヒト Mplの遺伝子配列は既に解析されており(非特許文献 1又は、 Genebank:NM_005373参照)、 635アミノ酸からなる前駆体からシグナルペプチドが切 り出され、発現される。また、 635アミノ酸より短い truncated formが知られている。
[0004] サイト力イン受容体の多くは、リガンドの結合により受容体同士が 2量体ィ匕し、シグナ ルが細胞内に伝達される。 TPOにおいても、その特異的レセプターである MPLと結合 し、受容体を 2量体化することにより、細胞内に情報を伝え、生理作用を示すことが報 告されて!/ヽる (非特許文献 2参照)。
このような性質をもつ受容体に結合する抗体の中で、ァゴニスト活性を示す抗体が 存在することが報告されて!ヽる。
[0005] 例えば、エリスロポエチン (EPO)受容体に対する抗体がエリスロポエチン機能を代 替することが報告されており、この抗体を一価 (Fab)にすると EPO受容体への結合能 を維持したまま、シグナル伝達能を失うことから、二価の結合によるエリスロポエチン 受容体の二量体形成が必要と考えられる (非特許文献 3参照)。
[0006] 又、 Mplに結合し、 TPOァゴニスト活性を有する抗体も報告されて 、る(非特許文献
4および 5参照)。これは、 MPLに関しても 2価である抗体の結合によるレセプターの 2 量体化の誘導を示唆して ヽる。
[0007] 一方で、 TPOァゴ-スト活性を示す一本鎖抗体 (scFv)が報告されて 、る(特許文献
1参照)。し力しながら、 scFv力TPOァゴ-スト活性を示す機序として、 scFvの一部が 二量体(Diabody)化し、その Diabodyが活性本体であることが明らかになって!/、る(特 許文献 2〜4参照)。
[0008] 特許文献 1:米国特許第 6342220号
特許文献 2:国際公開第 01/79494号
特許文献 3:国際公開第 02/33072号
特許文献 4:国際公開第 02/33073号
非特許文献 l : Palaciosら著、 Cell、 1985年、 Vol.41, p.727-734
非特許文献 2 : Souyriら著、 Cell, 1990年、 Vol.63, p.1137- 1147
非特許文献 3 : Elliott Sら著、 J.Biol.Chem., 1996年、 Vol.271(40)、 p.24691-24697 非特許文献 4: Abeら著、 Immunol. Lett. 1998年、 Vol.61、 p.73-78
非特許文献 5 : Bijia Dengら著、 Blood, 1998年、 Vol.92, p.1981- 1988
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明はこのような状況に鑑みて為されたものであり、その目的は TPOレセプター ァゴニスト活性を有する抗 Mpl抗体を有効成分として含有する血小板減少症治療剤、 および血小板増加剤を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行なった。本発明者らは、抗 ヒト Mpl抗体 VB22Bを取得 '精製し、遺伝子工学的手法を用いて一本鎖抗体の発現 系を構築した。具体的には、まず抗ヒト Mpl抗体の可変領域をクローユングし、抗ヒト Mpl抗体 Diabody発現ベクター pCXND3-VB22B dbを作製した。さらに該ベクター pCXND3-VB22B dbを用いて、抗ヒト Mpl抗体 sc(Fv)2発現ベクター pCXND3- VB22B sc(Fv)2を作製した。この発現ベクター pCXND3- VB22B sc(Fv)2を CHO- DG44細胞で 発現させ、培養上清力も抗ヒト Mpl sc(Fv)2を精製した。また、 VB22B sc(Fv)2の TPO
様ァゴ-スト活性を評価したところ、 VB22B IgGに対して、 VB22B sc(Fv)2は高いァゴ 二スト活性を示し、天然リガンドである human TPOと同等以上の活性を示すことが分 かった。
[0011] また、本発明者らは 5種類のヒト化 VB22B sc(Fv)2を作製することに成功した。また、 ヒトイ匕することによる TPO様ァゴ-スト活性の変化は見られないことが分かった。
さらに、本発明者らは、 in vivoにおいて VB22B sc(Fv)2およびヒト化 VB22B sc(Fv)2 力 血小板増加作用を有することを見出した。
[0012] 本発明はより具体的には、以下の〔1〕〜〔22〕に関する。
〔1〕 TPO受容体 (Mpl)への結合活性を有する sc(Fv)2を有効成分として含有する血 小板減少症治療剤。
〔2〕 sc(Fv)2中の可変領域がリンカ一で結合されていることを特徴とする、〔1〕に記載 の血小板減少症治療剤。
〔3〕 リンカ一が 15アミノ酸であることを特徴とする、〔2〕に記載の血小板減少症治療 剤。
〔4〕 ヒト Mpl及びサル Mplに結合する抗体を有効成分として含有する血小板減少症 治療剤。
〔5〕 ヒト Mpl及びサル Mplに対してァゴ-スト活性を有する抗体を有効成分として含 有する血小板減少症治療剤。
〔6〕 配列番号: 1、 2、 3に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する重鎖可変 領域を含む抗体を有効成分として含有する血小板減少症治療剤。
〔7〕 配列番号: 4、 5、 6に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する軽鎖可変 領域を含む抗体を有効成分として含有する血小板減少症治療剤。
〔8〕 〔6〕に記載の重鎖可変領域、および〔7〕に記載の軽鎖可変領域を有する抗体 を有効成分として含有する血小板減少症治療剤。
〔9〕 〔6〕〜〔8〕の 、ずれかに記載のアミノ酸配列にぉ 、て 1又は複数のアミノ酸が置 換、欠失、付加および Zまたは挿入され、かつ〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の抗体と 同等の活性を有する抗体を有効成分として含有する血小板減少症治療剤。
〔10〕 〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の抗体が認識するェピトープを認識する抗体を
有効成分として含有する血小板減少症治療剤。 '
〔11〕 ヒト Mplの 26番目から 274番目のアミノ酸部位を認識する抗体を有効成分として 含有する血小板減少症治療剤。
〔 12〕 TPO受容体 (Mpl)への結合活性を有する sc(Fv)2を有効成分として含有する 血小板増加剤。
〔13〕 sc(Fv)2中の可変領域力 Sリンカ一で結合されていることを特徴とする、〔12〕に 記載の血小板増加剤。
〔14〕 リンカ一が 15アミノ酸であることを特徴とする、〔13〕に記載の血小板増加剤。 〔15〕 ヒト Mpl及びサル Mplに結合する抗体を有効成分として含有する血小板増加剤
〔16〕 ヒト Mpl及ぴサル Mplに対してァゴニスト活性を有する抗体を有効成分として含 有する血小板増加:剤。
〔17〕 配列番号: 1、 2、 3に記載のアミノ酸配列力もなる CDR1、 2、 3を有する重鎖可 変領域を含む抗体を有効成分として含有する血小板増加剤。
〔18〕 配列番号: 4、 5、 6に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する軽鎖可 変領域を含む抗体を有効成分として含有する血小板増加剤。
〔19〕 〔17〕に記載の重鎖可変領域、および〔18〕に記載の軽鎖可変領域を有する 抗体を有効成分として含有する血小板増加剤。
〔20〕 〔17〕〜〔19〕のいずれかに記載のアミノ酸配列において 1又は複数のアミノ酸 が置換、欠失、付加および/または揷入され、かつ〔17〕〜〔19〕のいずれかに記载 の抗体と同等の活性を有する抗体を有効成分として含有する血小板増加剤。
〔21〕 〔17〕〜〔19〕のいずれかに記載の抗体が認識するェピトープを認識する抗体 を有効成分として含有する血小板増加剤。
〔22〕 ヒト Mplの 26番目から 274番目のアミノ酸部位を認識する抗体を有効成分として 含有する血小板増加剤。
図面の簡単な説明
[図 1-1]ヒト化重鎖配列(hVB22B p- z、 hVB22B g- e、 hVB22B e、 hVB22B u2- wz4およ ぴ hVB22B q- wz5:VH)およぴヒト化軽鎖配列( B22B p- z、 hVB22B g- e、 hVB22B
差替え用紙(規則 26)
e、 hVB22B u2 - wz4および hVB22B q- wz5 :VL)、ならびに FRおよび CCiRの対応につ いて示す図である。
[図卜 2]図 1一 1の続きを示す図である。
[図 2]正常力二クイザルにおけるマウス VB22B投与後の末梢血小板数を示すグラフで ある。
[図 3]ACNUで誘導した血小板減少に対するマウス VB22B投与の効果を示すグラフで ある。
[図 4]—本鎖抗体 sc(Fv)2の作製過程を示す図である。
[図 5]Mpl発現 CHO細胞株を用いた VB22B sc(Fv)2の結合活性評価の結果を示すグ ラフである。 VB22B sc(Fv)2精製品を使用した。
[図 6]BaF- human Mplを用いた VB22B抗体のァゴニスト活性評価の結果を示すグラフ である。 ■■
[図 7]BaF-monkey Mplを用レ、た VB22B抗体のァゴニスト活性評価の結果を示すグラ フである。
[図 8]M_07eを用レ、た VB22B抗体のァゴニスト活性評価の結果を示すグラフである。
[図 9]図 9は、マウス型 VB22B sc(Fv)2および hVB22B e sc(Fv)2、 hVB22B g- e sc(Fv)2 を用いて、 BaF3- human Mplでの TPO様ァゴニスト活性を評価した結果を示す図であ る。縦軸は吸光度 (450mn/655nni)を示し、横軸は濃度を示す。
[図 10]図 10は、マウス型 VB22B sc(Fv)2および WB22B p-z sc(Fv)2、 hVB22B u2-wz
4 sc(Fv)2を用いて、 BaF3-human Mplでの TPO様ァゴニスト活性を評価した結果をに 示す図である。縦軸は吸光度 (450nm/655nm)を示し、横軸は濃度を示す。
[図 11]図 11は、マウス型 VB22B sc(Fv)2および hVB22B q-wz5 sc(Fv)2を用いて、 BaF
3- human Mplでの TPO様ァゴニスト活性を評価した結果を示す図である。縦軸は吸 光度 (450nm/655nm)を示し、横軸は濃度を示す。
[図 12]図 12は、正常力二クイサルにおける hVB22B u2-wz4 sc(FV)2ならびに hVB22B q-wz5 sc(FV)2の単回注射による血小板増多作用を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、 TPO受容体 (Mpl)に結合する抗体を有効成分として含有する、血小板 減少症治療剤および血小板増加剤を提供する。 差替え用紙(規則 26)
[0015] 本発明の抗体には、低分子化された抗体、ヒト化抗体やキメラ化抗体などのアミノ 酸配列が改変された抗体、他の分子 (例えば、ポリエチレングリコールなどの高分子 等)が結合した修飾抗体、糖鎖が改変された抗体、など如何なる抗体も含まれる。
[0016] 血小板減少症は末梢血中の血小板数が減少する疾患である。血小板減少症の原 因としては、骨髄巨核球数の減少、先天性、無効造血、破壊亢進、消費亢進、貯留 増カロ、希釈などが挙げられる。より具体的には、悪性腫瘍、骨髄線維症、肉芽腫、薬 剤、放射線、ウィルス、アルコール、 Fanconi貧血、常染色体劣性血小板減少症、橈 骨欠損を伴う血小板減少症、巨赤芽球性貧血、骨髄異形成症候群、常染色体優性 血, J、板減少;!正、 May— Hegglin異'吊正、 Alport ¾£候群、 Bernard— Soulie 正候群、 gray platelet症候群、 Wiskott-Aldrich症候群、特発性血小板減少性紫斑病、薬剤起因性 免疫性血小板減少症、二次性自己免疫性血小板減少症、 HIV感染、同種免疫性新 生児血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性 尿毒症症候群、播種性欠陥内血液凝固、急性感染症、海綿状血管腫、人工肺バイ パス術、脾機能亢進症、低体温、希釈性血小板減少症、大量輸血、肝硬変,肝炎- 肝切除による血小板減少症、などを挙げることができる。又、例えば、インターフエ口 ンを投与した場合には血小板が減少することが知られているが、本発明の血小板減 少症治療剤はインターフェロン投与による血小板減少症の治療にも用いることができ る。従って、本発明の血小板減少症治療剤とインターフェロンの併用療法は臨床上、 有用である。しかしながら、本発明の血小板減少症は、上述の原因による血小板減 少症に限定されず、如何なる原因による血小板減少症でもよい。
[0017] 血小板減少症は、一般的には末梢血中の血小板の数により判断され、例えば、日 本においては通常、血小板数が 10万 Z L以下の場合に血小板減少症と判断され る。し力しながら、本発明においては、末梢血中の血小板の数が判断基準を上回つ ている場合であっても、血小板を増加させる必要があると判断される状態にある場合 には、血小板減少症にあるといえる。
[0018] 血小板増加剤は、血小板を増加させる目的で使用される薬剤であり、血小板が減 少状態にある場合に使用されてもよいし、血小板が減少状態にない場合に使用され てもよい。例えば、手術前などに自己の血小板を貯蔵する目的で Mplを認識する抗
体を投与し、血小板を増加させてもよいし、血小板成分献血後に Mplを認識する抗体 を投与し、血小板数の正常値への回復の期間の短縮させたりしてもよい。従って、血 小板増加剤は、血小板減少症の有無に係わらず用いることができる。
[0019] Mplは TPOの受容体であり、ヒト Mplの遺伝子配列は既に解析されて!、る (Palacios et al、 Cell, 1985年、 Vol.41、 p.727— 734又は、 Genebank:NM— 005373)。又、力二クイ ザル Mpl (塩基 Z配列番号: 67、アミノ酸 Z配列番号: 68)、マウス Mpl
(GenBank#NM_010823)の配列も既に公知である。ヒト Mplのアミノ酸配列を配列番号: 66に示す。
[0020] 又、本発明における Mplには、上述の Mplにお 、てアミノ酸が置換、欠失、付加、等 された変異 Mpl受容体も含まれる。変異 Mplの具体例としては、例えば、 Matthias Ballmaier et al., BLOOD, (2001)、 Vol.97, No.l、 P139等に記載された変異 Mplを挙 げることができる。
[0021] 本発明においては Mplを認識する抗体は特に限定されないが、血小板増加作用を 有する抗体であることが好ましい。血小板増加作用を有する抗体は、通常、 Mplに対 してァゴ-スト活性を有する。血小板増加作用は当業者に公知の方法により確認す ることが可能である力 例えば、実施例記載の方法により確認することができる。
[0022] Mplに対するァゴニスト活性とは、巨核球又はその親細胞である造血幹細胞力 血 小板へと分化することを促進する活性、又は血小板を増加させる活性である。ァゴ- スト活性の測定は当業者に公知の方法により行うことが可能である。又、ァゴニスト活 性の測定は、本来の活性を指標に測定するだけでなぐ他の活性を指標に測定する ことも可能である。
[0023] 例えば、実施例に記載のように細胞増殖を指標にァゴニスト活性を測定する方法に より判定することが可能である。より具体的には、ァゴニスト依存性増殖を示す細胞に ァゴ-スト活性を測定したい抗体を添加し、培養する。その後、テトラゾリゥム塩
WST-8 (同仁ィ匕学研究所)のような生細胞数に応じて特定の波長において発色反応 を呈する試薬を添加して吸光度を測定し、得られた吸光度を指標にァゴ-スト活性を 測定することが可能である。
[0024] ァゴ-スト依存性増殖を示す細胞も当業者に公知の方法により作製することが可能
であり、例えば、抗原が細胞増殖シグナルを発する受容体である場合には、該受容 体を発現している細胞を用いればよい。又、抗原が細胞増殖シグナルを出さない受 容体である場合には、細胞増殖シグナルを発する受容体の細胞内領域と、細胞増殖 シグナルを出さな ヽ受容体の細胞外領域からなるキメラ受容体を作製し、該キメラ受 容体を細胞で発現させればよ!ヽ。細胞増殖シグナルを発する受容体の例としては、 例えば、 G- CSF受容体、 mpl、 neu、 GM- CSF受容体、 EPO受容体、 c-kit、 FLT-3等を 挙げることができる。受容体を発現させる細胞としては、例えば、 BaF3、 NFS60、 FDCP- 1、 FDCP- 2、 CTLL- 2、 DA- 1、 KT- 3等を挙げることができる。
その他、ァゴ-スト活性を測定する為に用いる検出指標としては、量的及び Z又は 質的な変化が測定可能である限り使用することができる。例えば、無細胞系 (cell free assay)の指標、細胞系 (ceU-based assay)の指標、糸且織系の指標、生体系の指標を用 いることができる。無細胞系の指標としては、酵素反応やタンパク質、 DNA、 RNAの量 的及び Z又は質的な変化を用いることができる。酵素反応としては、例えば、アミノ酸 転移反応、糖転移反応、脱水反応、脱水素反応、基質切断反応等を用いることがで きる。また、タンパク質のリン酸化、脱リン酸化、二量化、多量化、分解、乖離等や、 DNA、 RNAの増幅、切断、伸長を用いることができる。例えばシグナル伝達経路の下 流に存在するタンパク質のリン酸ィ匕を検出指標とすることができる。細胞系の指標とし ては、細胞の表現型の変化、例えば、産生物質の量的及び Z又は質的変化、増殖 活性の変化、細胞数の変化、形態の変化、特性の変化等を用いることができる。産 生物質としては、分泌タンパク質、表面抗原、細胞内タンパク質、 mRNA等を用いるこ とができる。形態の変化としては、突起形成及び Z又は突起の数の変化、偏平度の 変化、伸長度 Z縦横比の変化、細胞の大きさの変化、内部構造の変化、細胞集団と しての異形性 Z均一性、細胞密度の変化等を用いることができる。これらの形態の変 化は検鏡下での観察で確認することができる。特性の変化としては、足場依存性、サ イト力イン依存応答性、ホルモン依存性、薬剤耐性、細胞運動性、細胞遊走活性、拍 動性、細胞内物質の変化等を用いることができる。細胞運動性としては、細胞浸潤活 性、細胞遊走活性がある。また、細胞内物質の変化としては例えば、酵素活性、 mRNA量、 Ca2+や cAMP等の細胞内情報伝達物質量、細胞内タンパク質量等を用い
ることができる。また、細胞膜受容体の場合には、受容体の刺激によって誘導される 細胞の増殖活性の変化を指標とすることができる。組織系の指標としては、使用する 組織に応じた機能変化を検出指標とすることができる。生体系の指標としては組織重 量変化、血液系の変化、例えば血球細胞数の変化、タンパク質量や、酵素活性、電 解質量の変化、また、循環器系の変化、例えば、血圧、心拍数の変化等を用いること ができる。
[0026] これらの検出指標を測定する方法としては、特に制限はなぐ吸光、発光、発色、蛍 光、放射活性、蛍光偏光度、表面プラズモン共鳴シグナル、時間分解蛍光度、質量 、吸収スペクトル、光散乱、蛍光共鳴エネルギー移動、等を用いることができる。これ らの測定方法は当業者にとっては周知であり、目的に応じて、適宜選択することがで きる。例えば、吸収スペクトルは一般的に用いられるフォトメータやプレートリーダ等、 発光はルミノメータ等、蛍光はフルォロメータ等で測定することができる。質量は質量 分析計を用いて測定することができる。放射活性は、放射線の種類に応じてガンマ力 ゥンターなどの測定機器を用いて、蛍光偏光度は BEACON (宝酒造)、表面ブラズモ ン共鳴シグナルは BIACORE、時間分解蛍光、蛍光共鳴エネルギー移動などは ARVOなどにより測定できる。さらに、フローサイトメータなども測定に用いることができ る。これらの測定方法は、一つの測定方法で 2種以上の検出指標を測定しても良ぐ 簡便であれば、 2種以上の測定を同時及び Z又は連続して測定することによりさらに 多数の検出指標を測定することも可能である。例えば、蛍光と蛍光共鳴エネルギー 移動を同時にフルォロメータで測定することができる。
[0027] 本発明の好ま 、態様の一つとして、低分子化抗体が挙げられる。低分子化抗体 は、全長抗体 (whole antibody,例えば whole IgG等)の一部分が欠損している抗体断 片を含み、抗原への結合能を有していれば特に限定されない。本発明における低分 子化抗体は、 whole抗体と比較して、顕著に高い活性を有する。本発明の抗体断片 は、全長抗体の一部分であれば特に限定されないが、重鎖可変領域 (VH)又は Z及 び軽鎖可変領域 (VL)を含んで 、ることが好ま 、。 VHまたは VLのアミノ酸配列は、 置換、欠失、付加及び Z又は挿入がされていてもよい。さらに抗原への結合能を有 する限り、 VH又は/及び VLの一部を欠損させてもよい。又、可変領域はキメラ化ゃヒ
ト化されていてもよい。抗体断片の具体例としては、例えば、 Fab、 Fab'、 F(ab')2、 Fv などを挙げることができる。また、低分子化抗体の具体例としては、例えば、 Fab, Fab' 、 F(ab')2、 Fv、 scFv、single chain Fv)、 Diabody、 sc(Fv)2 (.single cnain (Fvノ 2)などを举 げることができる。
[0028] ここで、「Fv」断片は最小の抗体断片であり、完全な抗原認識部位と結合部位を含 む。「Fv」断片は 1つの VHおよび VLが非共有結合により強く連結されたダイマー( VH- VLダイマー)である。各可変領域の 3つの相補鎖決定領域(complementarity determining region ; CDR)が相互作用し、 VH-VLダイマーの表面に抗原結合部位を 形成する。 6つの CDRが抗体に抗原結合部位を付与している。しかしながら、 1つの 可変領域 (または、抗原に特異的な 3つの CDRのみを含む Fvの半分)であっても、全 結合部位よりも親和性は低いが、抗原を認識し、結合する能力を有する。
[0029] scFvには、抗体の VHおよび VLが含まれ、これらの領域は単一のポリペプチド鎖中 に存在する。一般に、 Fvポリペプチドはさらに VHおよび VLの間にポリペプチドリンカ 一を含んでおり、これにより scFvは、抗原結合のために必要な構造を形成することが できる(scFvの総説については、 Pluckthun『The Pharmacology of Monoclonal AntibomesJVol.l lj (Rosenburg and Moore ed (Springer Verlag, New York) pp.269-315, 1994)を参照)。本発明におけるリンカ一は、その両端に連結された抗 体可変領域の発現を阻害するものでなければ特に限定されない。
[0030] Diabodyは、遺伝子融合により構築された二価 (bivalent)の抗体断片を指す (Holliger
P et al, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 6444-6448 (1993)、 EP404,097号、
W093/11161号等)。 Diabodyは、 2本のポリペプチド鎖から構成されるダイマーであり 、通常、ポリペプチド鎖は各々、同じ鎖中で VL及び VH力 互いに結合できない位に 短い、例えば、 5残基程度のリンカ一により結合されている。同一ポリペプチド鎖上に コードされる VLと VHとは、その間のリンカ一が短いため単鎖可変領域フラグメントを 形成することが出来ず二量体を形成するため、 Diabodyは 2つの抗原結合部位を有 することとなる。
[0031] 本発明にお 、て、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを認識 する抗体の特に好まし 、態様としては、 sc(Fv)2を挙げることができる。
sc(Fv)2は、 2つの VH及び 2つの VLをリンカ一等で結合して一本鎖にした低分子化 抗体である(Hudson et al、 J Immunol. Methods 1999 ;231 : 177- 189)。 sc(Fv)2は、全 長抗体や他の低分子化抗体と比較して、特に高 、ァゴ二スト活性を示すことが本発 明者らにより見出されている。 sc(Fv)2は、例えば、 scFvをリンカ一で結ぶことによって 作製できる。
[0032] また 2つの VH及び 2つの VL力 一本鎖ポリペプチドの N末端側を基点として VH、
VL、 VH、 VL ( [VH]リンカ一 [VL]リンカ一 [VH]リンカ一 [VL])の順に並んでいること を特徴とする抗体が好ま ヽ。
[0033] 2つの VHと 2つの VLの順序は特に上記配置に限定されず、どのような順序で並べら れていてもよい。例えば以下のような、配置も挙げることができる。
[VL]リンカ一 [VH]リンカ一 [VH]リンカ一 [VL]
[VH]リンカ一 [VL]リンカ一 [VL]リンカ一 [VH]
[VH]リンカ一 [VH]リンカ一 [VL]リンカ一 [VL]
[VL]リンカ一 [VL]リンカ一 [VH]リンカ一 [VH]
[VL]リンカ一 [VH]リンカ一 [VL]リンカ一 [VH]
[0034] 抗体の可変領域を結合するリンカ一としては、遺伝子工学により導入し得る任意の ペプチドリンカ一、又は合成化合物リンカ一(例えば、 Protein Engineering, 9(3), 299-305, 1996参照)に開示されるリンカ一等を用いることができる力 本発明におい てはペプチドリンカ一が好ましい。ペプチドリンカ一の長さは特に限定されず、 目的に 応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、 1〜100アミノ酸、好ましくは 3〜50アミノ酸、更に好ましくは 5〜30アミノ酸、特に好ましくは 12〜18アミノ酸 (例えば 、 15アミノ酸)である。
[0035] 例えば、ペプチドリンカ一の場合:
Ser
GlySer
GlyGlySer
Sef ulyuly
Gly GlyGlySer
Ser'GlyGlyGly
Gly · Gly · Gly · Gly · Ser
Ser · Gly · Gly · Gly · Gly
Gly · Gly · Gly · Gly · Gly · Ser
Ser · Gly · Gly · Gly · Gly · Gly
Gly · Gly · Gly · Gly · Gly · Gly · Ser
Ser · Gly · Gly · Gly · Gly · Gly · Gly
(Gly · Gly · Gly · Gly · Ser)n
(Ser · Gly · Gly · Gly · Gly)n
[nは 1以上の整数である]等を挙げることができる。但し、ペプチドリンカ一の長さや 配列は目的に応じて当業者が適宜選択することができる。
[0036] よって本発明において特に好ましい sc(Fv)2の態様としては、例えば、以下の
sc(Fv)2を挙げることができる。
[VH]ペプチドリンカ一 (15アミノ酸) [VL]ペプチドリンカ一 (15アミノ酸) [VH]ペプチド リンカ一 (15アミノ酸) [VL]
[0037] 合成化学物リンカ一 (ィ匕学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋 剤、例えば N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ジスクシンイミジルスべレート(DSS)、ビ ス(スルホスクシンィミジル)スべレート(BS3)、ジチォビス(スクシンィミジルプロビオネ ート)(DSP)、ジチオピス(スルホスクシンィミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレン グリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホ スクシンイミジルスクシネート)(スルホー EGS)、ジスクシンィミジル酒石酸塩(DST)、 ジスルホスクシンィミジル酒石酸塩 (スルホー DST)、ビス [2- (スクシンイミドォキシカ ルポ-ルォキシ)ェチル]スルホン(BSOCOES)、ビス [2- (スルホスクシンイミドォキシ カルボ-ルォキシ)ェチル]スルホン (スルホ- BSOCOES)などであり、これらの架橋剤 は市販されている。
[0038] 4つの抗体可変領域を結合する場合には、通常、 3つのリンカ一が必要となる力 全 て同じリンカ一を用いてもよいし、異なるリンカ一を用いてもよい。本発明において好 ましい低分子化抗体は Diabody又は sc(Fv)2であり、特に好ましくは sc(Fv)2である。こ
のような低分子化抗体を得るには、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンなどで 処理し、抗体断片を生成させるか、又はこれら抗体断片をコードする DNAを構築し、 これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、 Co, M. S. et al, J. Immunol. (1994) 152, 2968-2976; Better, M. and Horwitz, A. H., Methods Enzymol. (1989) 178, 476 - 496; Pluckthun, A. and Skerra, A., Methods Enzymol. (1989) 178, 497-515; Lamoyi, E., Methods Enzymol. (1986) 121, 652-663; Rousseaux, J. et al" Methods Enzymol. (1986) 121, 663—669; Bird, R. E. and Walker, B. W" Trends Biotechnol. (1991) 9, 132- 137参照)。
[0039] sc(Fv)2ィ匕された抗 Mpl抗体は、 Mplに対して特に高いァゴニスト活性を有するので、 血小板減少症治療剤又は血小板増加剤として特に有用である。
[0040] 本発明にお ヽて、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを認識 する抗体の好まし ヽ態様としては、キメラ抗体又はヒト化抗体等の改変抗体を挙げる ことができ、特にヒト化抗体を挙げることができる。
[0041] キメラ抗体は、異なる動物由来の配列を組み合わせて作製される抗体であり、例え ば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる 抗体などである。キメラ抗体の作製は公知の方法を用いて行うことができ、例えば、抗 体 V領域をコードする DNAとヒト抗体 C領域をコードする DNAとを連結し、これを発現 ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。
[0042] ヒト化抗体は、再構成 (reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、 例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region)を ヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法 も知られている(欧州特許出願公開番号 EP 125023号公報、 WO 96/02576号公報 参照)。
[0043] 具体的には、マウス抗体の CDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region ;
FR)とを連結するように設計した DNA配列を、 CDR及び FR両方の末端領域にオーバ 一ラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして 用いて PCR法により合成する (W098/13388号公報に記載の方法を参照)。
[0044] CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好
な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補 性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレ ームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.etal., CancerRes. (1993) 53, 851-856)。
[0045] キメラ抗体及びヒト型化抗体の定常領域には、ヒト抗体のものが使用され、例えば H 鎖では、 C γ 1、 C γ 2、 C γ 3、 C γ 4を、 L鎖では C κ、 C λを使用することができる。ま た、抗体またはその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体定常領域を修飾しても よい。
[0046] 一般的に、キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来 の定常領域とからなる。一方、ヒト化抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性 決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域および定常領域とからなる。
[0047] なお、キメラ抗体やヒト化抗体を作製した後に、可変領域 (例えば、 FR)や定常領域 中のアミノ酸を他のアミノ酸で置換等してもょ 、。
キメラ抗体における可変領域、又はヒト化抗体における CDRの由来は特に限定され ず、どのような動物由来でもよい。例えば、マウス抗体、ラット抗体、ゥサギ抗体、ラタ ダ抗体などの配列を用いることが可能である。
[0048] 抗体のキメラ化ゃヒト化において、通常、由来となった抗体のァゴニスト活性を維持 したままキメラ化やヒト化を行うことは困難であるが、本発明においては、マウス抗体と 同等のァゴニスト活性を有するヒト化抗体の取得に成功した。
[0049] Mplを認識するヒト化抗体の例としては、後述の(9)一(19)に記載のヒト化抗体を挙 げることができる。
キメラ抗体やヒト化抗体はヒト体内における抗原性が低下しているため、ヒトに投与 する場合に特に有用であり、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤として有用で ある。
[0050] 本発明にお ヽて、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを認識 する抗体の好まし 、態様としては、可溶型 Mplに結合する抗体を挙げることができる。 ここでいう可溶型 Mplとは、細胞膜上に発現している Mpl以外の Mplのことをいう。可溶 型 Mplの具体的な例としては、膜貫通領域の一部又は全部が欠損して 、る Mplを挙
げることができる。ヒト Mplの場合、膜貫通領域は配列番号: 66において 492番目のァ ミノ酸〜 513番目のアミノ酸の部分が相当する。
[0051] 可溶型組換え Mplに結合する抗体は、ェピトープの詳細な解析や結合における反 応速度論的解析に利用できるだけでなぐ in vivo試験における血中濃度や体内動態 を評価することにも有用である。
[0052] 本発明にお ヽて、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを認識 する抗体の好まし 、態様としては、ヒト Mplとサル Mplの両方に対して結合活性又はァ ゴニスト活性を有する抗体を挙げることができる。ヒト Mplとサル Mplの両方に対してァ ゴニスト活性を有する抗体は、通常、ヒトにおいて測定することが困難な体内動態や in vivoでの効果を、サルを用いて検証できることから、非常に有用であると考えられる 。これらの抗体は、さらに、ヒト及びサル以外の動物(例えば、マウスなど)の Mplに対 して、結合活'性ゃァゴニスト活'性を有していてもよい。
[0053] さらに本発明にお 、て、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを 認識する抗体の好ま 、態様としては、 TPOァゴ-スト活性 (Mplに対するァゴ-スト 活性)力 ¾C50=100nM以下、好ましくは EC50=30nM以下、さらに好ましくは
EC50=10nM以下である抗体を挙げることができる。
[0054] ァゴ-スト活性の測定方法は、当業者に公知の方法により行うことが可能であり、例 えば、後述する方法により行うことが可能である。
さらに本発明にお 、て、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを 認識する抗体の好ま 、態様としては、可溶型 Mplへの結合活性力 D=10— 6M以下、 好ましくは KD=10— 7M以下、さらに好ましくは KD=10— 8M以下の抗体を挙げることができ る。
[0055] 本発明において、可溶型組換え Mplへの結合活性が KD=10—6M以下の抗体である か否かは、当業者に公知の手段を使用して測定することができる。例えば、 BIAcore を用いた表面プラズモン共鳴を利用して測定することが可能である。すなわち Sensor Chip上に可溶型 MPL-Fc蛋白質を固定させ、抗体と可溶型 Mp卜 Fcの相互作用を測 定値カも反応速度定数として算出することができる。また、結合活性の評価には、 ELISA (酵素結合免疫吸着検定法)、 EIA (酵素免疫測定法)、 RIA (放射免疫測定法
)あるいは蛍光抗体法を用いることができる。例えば、酵素免疫測定法を用いる場合 、被験抗体が結合する抗原をコーティングしたプレートに、被験抗体を含む試料、例 えば、被験抗体産生細胞の培養上清や精製抗体を加える。アルカリフォスファターゼ 等の酵素で標識した二次抗体を添加し、プレートをインキュベートし、洗浄した後、 P- ニトロフ ニル燐酸などの酵素基質を加えて吸光度を測定することで抗原結合活性 を評価することができる。
[0056] 結合活性の上限は特に限定されないが、例えば、当業者が技術的に作製可能な 範囲の上限を設定することができる。しかしながら、技術的に作製可能な範囲は、技 術の進歩により拡大される。
[0057] 本発明にお ヽて、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mplを認識 する抗体の好ましい態様としては、以下の(1)〜(19)のいずれかに記載の抗体を挙 げることができる。(1)〜(19)のいずれかに記載の抗体は好ましくは低分子化抗体 である。
[0058] (1)配列番号1、 2、 3 (VB22B :VH CDRl, 2、 3)に記載のアミノ酸配列からなる CDRl
、 2、 3を有する VHを含む抗体。
[0059] (2)配列番号 4、 5、 6 (VB22B :VL CDRl, 2、 3)に記載のアミノ酸配列からなる CDRl
、 2、 3を有する VLを含む抗体。
[0060] (3)配列番号: 1、 2、 3 (VB22B :VH CDRl, 2、 3)に記載のアミノ酸配列からなる
CDR1、 2、 3を有する VH、および配列番号: 4、 5、 6 (VB22B :VL CDRl, 2、 3)に記載 のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する VLを含む抗体。
[0061] (4)配列番号: 8 (VB22B :VH)に記載のアミノ酸配列力 なる VHを含む抗体。
[0062] (5)配列番号: 10 (VB22B :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VLを含む抗体。
[0063] (6)配列番号: 8 (VB22B: VH)に記載のアミノ酸配列力 なる VH、および配列番号:
10 (VB22B :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VLを含む抗体。
[0064] (7)配列番号: 12 (VB22B: scFv)に記載のアミノ酸配列を有する抗体。
[0065] (8)配列番号: 14 (VB22B: sc(Fv)2)に記載のアミノ酸配列を有する抗体。
[0066] (9)以下の (a)〜(c)のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4を有する
VHを含むヒト化抗体。
(a)配列番号: 15、 16、 17、 18 (hVB22B p- z :VH FR1、 2、 3、 4)
(b)配列番号: 19、 20、 21、 22 (hVB22B g- e :VH FR1、 2、 3、 4)
(c)配列番号: 23、 24、 25、 26 (hVB22B e:VH FR1、 2、 3、 4)
(d)配列番号: 81、 82、 83、 84 (hVB22B u2-wz4:VH FR1、 2、 3、 4)
(e)配列番号: 81、 82、 85、 84 (hVB22B q- wz5 :VH FR1、 2、 3、 4)
[0067] (10)以下の (a)または (b)に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VLを 含むヒト化抗体。
(a)配列番号: 27、 28、 29、 30 (hVB22B p-z :VL FR1、 2、 3、 4)
(b)配列番号: : 31、 32、 33、 34 (hVB22B g- eまたは hVB22B e :VL FR1、 2、 3、 4)
(C)配列番号: 86、 87、 88、 89 (hVB22B u2-wz4:VL FR1、 2、 3、 4)
(d)配列番号: : 86、 90、 91、 89 (hVB22B q-wz5 :VL FR1、 2、 3、 4)
[0068] (11)以下の (a)〜(c)のいずれかに記載の VHおよび VLを含むヒト化抗体。
(a)配列番号: 15、 16、 17、 18に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VH、および酉己歹 IJ番号: 27, 28, 29, 30に記載のアミノ酸酉己歹 IJ力らなる、 FR1、 2、 3、 4 を有する VL
(b)配列番号: 19、 20、 21、 22に記載のアミノ酸配列力もなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VH、および配列番号: 31、 32、 33、 34に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4 を有する VL
(c)配列番号: 23、 24、 25、 26に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VH、および配列番号: 31、 32、 33、 34に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4 を有する VL
(d)配列番号: 81、 82、 83、 84に記載のアミノ酸配列力もなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VH、および酉己歹 IJ番号: 86、 87、 88、 89に記載のアミノ酸酉己歹 IJ力らなる、 FR1、 2、 3、 4 を有する VL
(e)配列番号: 81、 82、 85、 84に記載のアミノ酸配列からなる、 FR1、 2、 3、 4を有する VH、および酉己歹 IJ番号: 86、 90、 91、 89に記載のアミノ酸酉己歹 IJ力らなる、 FR1、 2、 3、 4 を有する VL
[0069] (12)配列番号: 1、 2、 3に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する VHを含
むヒト化抗体。
[0070] (13)配列番号: 4、 5、 6に記載のアミノ酸配列からなる CDR1、 2、 3を有する VLを含 むヒト化抗体。
[0071] (14)配列番号: 1、 2、 3に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する VH、およ び配列番号: 4、 5、 6に記載のアミノ酸配列力 なる CDR1、 2、 3を有する VL含むヒト 化抗体。
[0072] (15)配列番号: 51 (hVB22B p- z :VH)、配列番号: 53 (hVB22B g- e:VH)、配列番 号: 55 (hVB22B e :VH)、配列番号: 92 (hVB22B u2- wz4:VH)、あるいは配列番号: 93 (hVB22B q-wz5 :VH)に記載のアミノ酸配列からなる VHを含むヒト化抗体。
[0073] (16)配列番号: 57 (hVB22B p- z :VL)、配列番号: 59 (hVB22B g- e:VLあるいは hVB22B e :VL)、配列番号: 94 (hVB22B u2- wz4:VL)、あるいは配列番号: 95 ( hVB22B q-wz5 :VH)に記載のアミノ酸配列力もなる VLを含むヒトイ匕抗体。
[0074] (17)以下の (a)〜(c)のいずれかに記載の VHおよび VLを含むヒト化抗体。
(a)配列番号: 51 (hVB22B p-z :VH)に記載のアミノ酸配列からなる VH、及び配列番 号: 57 (hVB22B p-z :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VL
(b)配列番号: 53 (hVB22B g-e :VH)に記載のアミノ酸配列からなる VH、及び配列番 号: 59 (hVB22B g- e:VLあるいは hVB22B e :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VL
(c)配列番号: 55 (hVB22B e:VH)に記載のアミノ酸配列力 なる VH、及び配列番号: 59 (hVB22B g- e:VLあるいは hVB22B e :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VL
(d)配列番号: 92 (hVB22B u2-wz4:VH)に記載のアミノ酸配列からなる VH、及び配 列番号: 94 (hVB22B u2-wz4:VL)に記載のアミノ酸配列からなる VL
(e)配列番号: 93 (hVB22B q-wz5 :VH)に記載のアミノ酸配列からなる VH、及び配列 番号: 95 (hVB22B q-wz5 :VL)に記載のアミノ酸配列からなる VL
[0075] 配列番号: 51 (hVB22B p- z: VH)、配列番号: 53 (hVB22B g- e: VH)、配列番号: 5 5 (hVB22B e :VH)、配列番号: 92 (hVB22B u2- wz4:VH)、または配列番号: 93 ( hVB22B q-wz5 :VH)に記載のアミノ酸配列において、
アミノ酸部位: 31〜35が CDR1、
アミノ酸咅 立: 50〜66力 ^CDR2、
アミノ酸咅 M立: 99〜107力 ^CDR3、
アミノ酸部位: 1〜30が FR1、
アミノ酸部位: 36〜49力 FR2、
アミノ酸部位: 67〜98力 FR3、
アミノ酸部位: 108〜118が FR4に相当する。
[0076] 又、配列番号: 57(hVB22B p- z:VL)または配列番号: 59(hVB22B g- e:VLまたは hVB22B e:VL)、配列番号: 94(hVB22B u2- wz4:VL)、あるいは配列番号: 95 ( hVB22B q-wz5:VH)に記載のアミノ酸配列において、
アミノ酸部位: 24〜39が CDR1、
アミノ酸咅 M立: 55〜61力 ^CDR2、
アミノ酸部位: 94〜102力 SCDR3、
アミノ酸部位: 1〜23が FR1、
ア 酸部位: 40〜54力 FR2、
アミノ酸部位: 62〜93力 FR3、
アミノ酸部位: 103〜112が FR4に相当する。
[0077] 本発明において、 hVB22B p-z VH配列における CDRおよび FRと配列番号との対 応は以下の通りである。
hVB22B p-z VH: FRIZ配列番号: 15
hVB22B p-z VH:CDRlZ配列番号: 1
hVB22B p-z VH:FR2Z配列番号: 16
hVB22B p-z VH: CDR2/配列番号: 2
hVB22B p-z VH:FR3Z配列番号: 17
hVB22B p-z VH: CDR3/配列番号: 3
hVB22B p-z VH:FR4Z配列番号: 18
[0078] 本発明において、 hVB22B p-z VL配列における CDRおよび FRと配列番号との対応 は以下の通りである。
hVB22B p-z VL: FRIZ配列番号: 27
hVB22B p-z VL:CDR1Z配列番号: 4
hVB22B p-z VL: FR2/配列番号: 28
hVB22B p-z VL: CDR2Z配列番号: 5
hVB22B p-z VL: FR3Z配列番号: 29
hVB22B p-z VL: CDR3Z配列番号: 6
hVB22B p-z VL: FR4/配列番号: 30
[0079] 本発明において、 hVB22B g-e VH配列における CDRおよび FRと配列番号との対応 は以下の通りである。
hVB22B g-e VH : FRlZ配列番号: 19
hVB22B g-e VH : CDRlZ配列番号: 1
hVB22B g-e VH: FR2/配列番号: 20
hVB22B g-e VH: CDR2/配列番号: 2
hVB22B g-e VH: FR3/配列番号: 21
hVB22B g-e VH: CDR3/配列番号: 3
hVB22B g-e VH: FR4/配列番号: 22
[0080] 本発明において、 hVB22B g-e VL配列における CDRおよび FRと配列番号との対応 は以下の通りである。
hVB22B g-e VL: FRlZ配列番号: 31
hVB22B g-e VL: CDRlZ配列番号: 4
hVB22B g-e VL: FR2/配列番号: 32
hVB22B g-e VL: CDR2/配列番号: 5
hVB22B g-e VL: FR3/配列番号: 33
hVB22B g-e VL: CDR3Z配列番号: 6
hVB22B g-e VL: FR4/配列番号: 34
[0081] 本発明において、 hVB22B e VH配列における CDRおよび FRと配列番号との対応は 以下の通りである。
hVB22B e VH : FRlZ配列番号: 23
hVB22B e VH : CDR1/配列番号: 1
hVB22B e VH: FR2/配列番号: 24
hVB22B e VH:CDR2Z配列番号: 2
hVB22B e VH: FR3/配列番号: 25
hVB22B e VH:CDR3Z配列番号: 3
hVB22B e VH: FR4/配列番号: 26
[0082] 本発明にお!/、て、 hVB22B e VL配列における CDRおよび FRと配列番号との対応は 以下の通りである。
hVB22B e VL:FRlZ配列番号: 31
hVB22B e VL:CDRlZ配列番号: 4
hVB22B e VL:FR2 配列番号: 32
hVB22B e VL: CDR2Z配列番号: 5
hVB22B e VL:FR3Z配列番号: 33
hVB22B e VL:CDR3Z配列番号: 6
hVB22B e VL: FR4/配列番号: 34
[0083] 本発明にお!/、て、 hVB22B u2-wz4 VH配列における CDRおよび FRと配列番号との 対応は以下の通りである。
hVB22B u2-wz4 VH:FRlZ配列番号: 81
hVB22B u2-wz4 VH:CDRlZ配列番号: 1
hVB22B u2-wz4 VH:FR2Z配列番号: 82
hVB22B u2-wz4 VH:CDR2Z配列番号: 2
hVB22B u2-wz4 VH:FR3Z配列番号: 83
hVB22B u2-wz4 VH: CDR3Z配列番号: 3
hVB22B u2-wz4 VH: FR4Z配列番号: 84
[0084] 本発明にお!/、て、 hVB22B u2-wz4 VL配列における CDRおよび FRと配列番号との 対応は以下の通りである。
hVB22B u2-wz4 VL:FRlZ配列番号: 86
hVB22B u2-wz4 VL:CDRlZ配列番号: 4
hVB22B u2-wz4 VL:FR2Z配列番号: 87
hVB22B u2-wz4 VL:CDR2Z配列番号: 5
hVB22B u2-wz4 VL: FR3/配列番号: 88
hVB22B u2-wz4 VL: CDR3,配列番号: 6
hVB22B u2-wz4 VL: FR4Z配列番号: 89
[0085] 本発明にお 、て、 hVB22B q-wz5 VH配列における CDRおよび FRと配列番号との 対応は以下の通りである。
hVB22B q-wz5 VH : FRlZ配列番号: 81
hVB22B q-wz5 VH : CDRlZ配列番号: 1
hVB22B q-wz5 VH : FR2Z配列番号: 82
hVB22B q-wz5 VH: CDR2/配列番号: 2
hVB22B q-wz5 VH : FR3Z配列番号: 83
hVB22B q-wz5 VH: CDR3/配列番号: 3
hVB22B q-wz5 VH : FR4Z配列番号: 84
[0086] 本発明にお 、て、 hVB22B q-wz5 VL配列における CDRおよび FRと配列番号との対 応は以下の通りである。
hVB22B q-wz5 VL: FRlZ配列番号: 86
hVB22B q-wz5 VL: CDRlZ配列番号: 4
hVB22B q-wz5 VL: FR2Z配列番号: 90
hVB22B q-wz5 VL: CDR2Z配列番号: 5
hVB22B q-wz5 VL: FR3Z配列番号: 91
hVB22B q-wz5 VL: CDR3Z配列番号: 6
hVB22B q-wz5 VL: FR4Z配列番号: 89
[0087] なお、 hVB22B p- z配列、 hVB22B g- e配列、 hVB22B e配列、 hVB22B u2- wz4配 列、および hVB22B q-wz5配列における CDRおよび FRの対応を、図 1に示した。 なお、 VB22B VHの塩基配列を配列番号: 7、 VB22B VLの塩基配列を配列番号: 9
、 VB22B scFvの塩基配列を配列番号: 11、 VB22B sc(Fv)2の塩基配列を配列番号:
13、 hVB22B p-z VHの塩基配列を配列番号: 50、 hVB22B g-e VHの塩基配列を配 列番号: 52、 hVB22B e VHの塩基配列を配列番号: 54、 hVB22B u2-wz4 VHの塩基 配列を配列番号: 96および hVB22B q-wz5 VHの塩基配列を配列番号: 98、 hVB22B
p-z VLの塩基配列を配列番号: 56、 hVB22B g-e VL、 hVB22B e VLの塩基配列を 配列番号: 58、 hVB22B u2-wz4 VLの塩基配列を配列番号: 97および hVB22B q-wz5 VLの塩基配列を配列番号: 99、 hVB22B p-z sc(Fv)2の塩基配列を配列番号 : 60、 hVB22B g-e sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 62、 hVB22B e sc(Fv)2の塩基配 列を配列番号: 64、 hVB22B u2-wz4 sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 102および hVB22B q-wz5 sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 103に記載する。
[0088] (18)配列番号: 61 (hVB22B p- z : sc(Fv)2)、配列番号: 63 (hVB22B g- e: sc(Fv)2)、 配列番号: 65 (hVB22B e: sc(Fv)2)、配列番号: 100 (hVB22B u2- wz4: sc(Fv)2)また は配列番号: 101 (hVB22B q-wz5 : sc(Fv)2)のいずれかに記載のアミノ酸配列を有す るヒト化抗体。
[0089] (19)上記(1)〜(18)のいずれかに記載のアミノ酸配列において 1又は複数のァミノ 酸が置換、欠失、付加および Zまたは挿入され、かつ上記抗体と同等の活性を有す る抗体。ここで、上記抗体と同等の活性を有するとは、血小板増加作用において同 等の活性を有することを意味する。
[0090] 上記(1)〜(18)のいずれかに記載の抗体は Mplに対するァゴニスト活性が非常に 高!、為、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤として特に有用である。
[0091] あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製するための、当業者によく知 られた方法としては、ポリペプチドに変異を導入する方法が知られている。例えば、 当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275, Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Methods Enzymol. 100, 468-500、 Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12, 9441—9456、 Kramer W, and Fritz HJ(1987) Methods. Enzymol. 154, 350-367、 Kunkel,TA(1985) Proc Natl Acad Sci USA. 82, 488-492、 Kunkel (1988) Methods Enzymol. 85, 2763- 2766)などを用いて 、本発明の抗体に適宜変異を導入することにより、該抗体と機能的に同等な抗体を 調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。このように 、本発明の抗体のアミノ酸配列において 1もしくは複数のアミノ酸が変異したアミノ酸 配列を有し、該抗体と機能的に同等な抗体もまた本発明の抗体に含まれる。このよう な変異体における、変異するアミノ酸数は、通常、 50アミノ酸以内であり、好ましくは
30アミノ酸以内であり、さらに好ましくは 10アミノ酸以内(例えば、 5アミノ酸以内)であ ると考免られる。
[0092] 変異するアミノ酸残基にお!、ては、アミノ酸側鎖の性質が保存されて 、る別のアミノ 酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸( A、 I、し、 M、 F、 P、 W、 Y、 V)、親水'性アミノ酸(R、 D、 N、 C、 E、 Q、 G、 H、 K、 S、 T)、月旨 肪族側鎖を有するアミノ酸 (G、 A、 V、 L、 I、 P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸 (S、 T、 Υ)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸 (C、 M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖 を有するアミノ酸 (D、 N、 E、 Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ酸 (R、 K、 Η)、芳香族 含有側鎖を有するアミノ酸 (H、 F、 Y、 W)を挙げることができる (括弧内はいずれもアミ ノ酸の一文字標記を表す)。
[0093] あるアミノ酸配列に対する 1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び Z又は他 のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物 学的活性を維持することはすでに知られている(Mark, D. F. et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA (1984) 81, 5662—5666、 Zoller, M. J. & Smith, M. Nucleic Acids Research (1982) 10, 6487-6500、 Wang, A. et al, Science 224, 1431-1433、 Dalbadie- McFarland, G. et al" Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409—6413 )
[0094] 本発明の抗体のアミノ酸配列に複数個のアミノ酸残基が付加された抗体には、これ ら抗体を含む融合タンパク質が含まれる。融合タンパク質は、これら抗体と他のぺプ チド又はタンパク質とが融合したものであり、本発明に含まれる。融合タンパク質を作 製する方法は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと他のペプチド又はポリべ プチドをコードするポリヌクレオチドをフレームが一致するように連結してこれを発現 ベクターに導入し、宿主で発現させればよぐ当業者に公知の手法を用いることがで きる。本発明の抗体との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、例え ば、 FLAG (Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204- 1210 )、 6個の His (ヒス チジン)残基からなる 6 X His、 10 X His,インフルエンザ凝集素(HA)、ヒト c-mycの断 片、 VSV- GPの断片、 pl8HIVの断片、 T7- tag、 HSV- tag、 E- tag、 SV40T抗原の断片 、 lck tag, a -tubulinの断片、 B-tag、 Protein Cの断片等の公知のペプチドを使用す
ることができる。また、本発明の抗体との融合に付される他のポリペプチドとしては、 例えば、 GST (ダルタチオン一 S トランスフェラーゼ)、 HA (インフルエンザ凝集素)、 ィムノグロブリン定常領域、 β ガラクトシダーゼ、 ΜΒΡ (マルトース結合タンパク質) 等が挙げられる。巿販されて 、るこれらペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌ クレオチドを、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと融合させ、これにより調製 された融合ポリヌクレオチドを発現させることにより、融合ポリペプチドを調製すること ができる。
[0095] 本発明の抗体は、後述するそれを産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、 アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしなが ら、得られた抗体が、本発明の抗体と同等の機能を有している限り、本発明に含まれ る。例えば、本発明の抗体を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来の抗 体のアミノ酸配列の Ν末端にメチォニン残基が付加される。本発明の抗体はこのよう な抗体も包含する。
[0096] さらに、本発明にお ヽて、血小板減少症治療剤又は血小板増加剤に含まれる Mpl を認識する抗体の好ま U、態様としては、上記 (1)〜(18)抗体が認識するェピトープを 認識する抗体を挙げることができる。
[0097] 抗体が認識するェピトープを認識する抗体は当業者に公知の方法により得ることが 可能である。例えば、上述の抗体が認識するェピトープを通常の方法により決定し、 該ェピトープに含まれるアミノ酸配列を有するポリペプチドを免疫原として抗体を作製 する方法や、通常の方法で作製された抗体のェピトープを決定し、上述の抗体とェ ピトープが同じ抗体を選択する方法などにより得ることができる。
[0098] 本発明においては、配列番号: 100に記載のアミノ酸配列を有する抗体が認識する ェピトープを認識する抗体が特に好ましい。配列番号: 100に記載のアミノ酸配列を 有する抗体は、ヒト Mplの 26番目の Gluから 274番目の Leuまでの領域、好ましくは 189 番目の Alaから 245番目の Glyの領域、さらに好ましくは 213番目の Ginから 231番目の Alaまでの領域を認識していると予想される。従って、ヒト Mplの 26番目〜274番目、あ るいは 189番目〜245番目、あるいは 213番目〜231番目の領域を認識する抗体も本 発明に含まれる。
[0099] ヒト Mplのアミノ酸配列(配列番号: 66)の 26番目〜 274番目、あるいは 189番目〜
245番目、あるいは 213番目〜231番目の領域を認識する抗体は、当業者に公知の方 法により得ることが可能であり、例えば、ヒト Mplのアミノ酸配列(配列番号: 66)の 26番 目〜274番目、あるいは 189番目〜245番目、ある!/、は 213番目〜231番目のペプチド を免疫原として抗体を作製する方法や、通常の方法で作製した抗体が認識するェピ トープを決定し、本発明の抗体と同じェピトープを認識する抗体を選択する方法など により得ることが可能である。
[0100] Mplに結合する抗体は当業者に公知の方法により作成することができる。
例えば、モノクローナル抗体産生ハイプリドーマは、基本的には公知技術を使用し 、以下のようにして作製できる。すなわち、 Mplタンパク質又は Mpl発現細胞を感作抗 原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を 通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により 、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
[0101] 具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。
まず、抗体取得の感作抗原として使用される Mplタンパク質を、
Genebank:NM_005373に開示された Mpl遺伝子 Zアミノ酸配列を発現することによつ て得る。すなわち、 Mplをコードする遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して 適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中または培養上清中から目的 のヒト Mplタンパク質を公知の方法で精製する。
[0102] 次に、この精製 Mplタンパク質を感作抗原として用いる。あるいは、 Mplの部分ぺプ チドを感作抗原として使用することもできる。この際、部分ペプチドはヒト Mplのァミノ 酸配列より化学合成により得ることも可能である。
[0103] 本発明の抗 MPL抗体の認識する Mpl分子上のェピトープは特定のものに限定され ず、 Mpl分子上に存在するェピトープならばどのェピトープを認識してもよい。従って 、本発明の抗 Mpl抗体を作製するための抗原は、 Mpl分子上に存在するェピトープを 含む断片ならば、如何なる断片も用いることが可能である。
[0104] 感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融 合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましぐ一般的にはげつ
歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ノ、ムスター、あるいはゥサギ、サル等が使用され る。
[0105] 感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一 般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより行 われる。具体的には、感作抗原を PBS (Phosphate-Buffered Saline)や生理食塩水等 で適当量に希釈、懸濁したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完 全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に 4-21日毎に数回投与する。また、 感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。
[0106] このように哺乳動物を免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した 後に、哺乳動物力も免疫細胞を採取し、細胞融合に付されるが、好ましい免疫細胞 としては、特に脾細胞が挙げられる。
[0107] 前記免疫細胞と融合される他方の親細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞を用い る。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、 P3 (P3x63Ag8.653) (J. Immnol. (1979) 123, 1548-1550)、 P3x63Ag8U.1 (Current Topics in Microbiology and Immunology (1978) 81, 1—7)、 NS— 1 (Kohler. G. and Milstein, C. Eur. J.
Immunol. (1976) 6, 511- 519)、 MPC- 11 (Margulies. D.H. et al., Cell (1976) 8, 405- 415)、 SP2/0 (Shulman, M. et al., Nature (1978) 276, 269- 270)、 FO (deSt. Groth, S. F. et al., J. Immunol. Methods (1980) 35, 1—21)、 S194 (Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. (1978) 148, 313— 323)、 R210 (Galfre, G. et al., Nature (1979) 277, 131-133)等が好適に使用される。
[0108] 前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば 、ケーラーとミルスティンらの方法(Kohler. G. and Milstein, C.、 Methods Enzymol. ( 1981) 73, 3-46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄 養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール (PEG )、センダイウィルス (HVJ)等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジ メチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。
[0109] 免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミ
エローマ細胞に対して免疫細胞を 1-10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用い る培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適な RPMI1640培養液 、 MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能 であり、さらに、牛胎児血清 (FCS)等の血清補液を併用することもできる。
[0110] 細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混 合し、予め 37°C程度に加温した PEG溶液 (例えば平均分子量 1000-6000程度)を通 常 30-60% (w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞 (ハイブ リドーマ)を形成する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去す る操作を繰り返すことによりハイプリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去 する。
[Oil 1] このようにして得られたノヽイブリドーマは、通常の選択培養液、例えば HAT培養液( ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選 択される。上記 HAT培養液での培養は、目的とするハイプリドーマ以外の細胞 (非融 合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。ついで、通常 の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイプリドーマのスクリーニング および単一クローユングを行う。
[0112] また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイプリドーマを得る他に、ヒトリンパ球 を in vitroで Mplに感作し、感作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ 細胞と融合させ、 Mplへの結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公 平 1-59878号公報参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトラン スジヱニック動物に抗原となる Mplを投与して抗 Mpl抗体産生細胞を取得し、これを不 死化させた細胞力も Mplに対するヒト抗体を取得してもよい(国際特許出願公開番号 WO 94/25585号公報、 WO 93/12227号公報、 WO92/03918号公報、 WO
94/02602号公報参照)。
[0113] このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するノ、イブリドーマは、通常の 培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが 可能である。
[0114] 当該ノ、イブリドーマ力 モノクローナル抗体を取得するには、当該ハイプリドーマを
通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイプリドー マをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法など が採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方 法は、抗体の大量生産に適している。
[0115] 抗体遺伝子をノヽイブリドーマ力 クローユングし、適当なベクターに組み込んで、こ れを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型の抗体を作製 することも可能である(例えば、 Vandamme, A. M. et al., Eur. J. Biochem. (1990) 192, 767-775, 1990参照)。
[0116] 具体的には、抗 Mpl抗体を産生するハイブリドーマから、抗 Mpl抗体の可変 (V)領域 をコードする mRNAを単離する。 mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グァ-ジン超 遠心法(Chirgwin, J. M. et al., Biochemistry (1979) 18, 5294— 5299)、 AGPC法( Chomczynski, P.et al., Anal. Biochem. (1987) 162, 156- 159)等により行って全 RNAを 調製し、 mRNA Purification Kit (Pharmacia製)等を使用して目的の mRNAを調製する 。また、 QuickPrep mRNA Purification Kit (Pharmacia製)を用いることにより mRNAを 直接調製することもできる。
[0117] 得られた mRNAから逆転写酵素を用いて抗体 V領域の cDNAを合成する。 cDNAの 合成は、 AMV Reverse Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit (生ィ匕学工業 社製)等を用いて行う。また、 cDNAの合成および増幅を行うには、 5'-Ampli FINDER RACE Kit (Clontech製)および PCRを用いた 5'-1^じ5法 1"01^1& M. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85, 8998—9002、 Belyavsky, A.et al., Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919- 2932)等を使用することができる。
[0118] 得られた PCR産物から目的とする DNA断片を精製し、ベクター DNAと連結する。さら に、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望 の組換えベクターを調製する。そして、目的とする DNAの塩基配列を公知の方法、例 えば、ジデォキシヌクレオチドチェインターミネーシヨン法等により確認する。
目的とする抗 Mpl抗体の V領域をコードする DNAを得たのち、これを、所望の抗体定 常領域 (C領域)をコードする DNAを含有する発現ベクターへ組み込む。
[0119] 本発明で使用される抗 Mpl抗体を製造するには、通常、抗体遺伝子を発現制御領
域、例えば、ェンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに 組み込む。次に、この発現ベクターにより、宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させ る。
[0120] 抗体遺伝子の発現は、 H鎖または L鎖をコードするポリヌクレオチドを別々に発現べ クタ一に組み込んで宿主細胞を同時形質転換させてもょ 、し、あるいは H鎖および L 鎖をコードするポリヌクレオチドを単一の発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質 転換させてもよい (WO 94/11523号公報参照)。
[0121] ベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクターを大腸菌(例え ば、 JM109、 DH5 a、 HB101、 XLlBlue)などで大量に増幅させ大量調製するために、 大腸菌で増幅されるための「ori」をもち、さらに形質転換された大腸菌の選抜遺伝子 (例えば、なんらかの薬剤(アンピシリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフエ 二コール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すれば特に制限はない。ベタ ターの例としては、 M13系ベクター、 pUC系ベクター、 pBR322、 pBluescript、 pCR-Scriptなどが挙げられる。また、 cDNAのサブクローユング、切り出しを目的とした 場合、上記ベクターの他に、例えば、 pGEM- T、 pDIRECT、 pT7などが挙げられる。
[0122] 発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが 大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主を JM109、 DH5 a、 HB101、 XLl-Blueなどの大腸菌とした場合にぉ 、ては、大腸菌で効率よく発現できるようなプ 口モーター、例えば、 lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546 ;
FASEB J. (1992) 6, 2422— 2427)、 araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、または T7プロモーターなどを持っていることが不可欠である。このよう なベクターとしては、上記ベクターの他に PGEX-5X- 1 (フアルマシア社製)、「 QlAexpress system」(キアゲン社製)、 pEGFP、または pET (この場合、宿主は T7 RNA ポリメラーゼを発現している BL21が好ましい)などが挙げられる。
[0123] また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれて!/、てもよ!/ヽ 。蛋白質分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリブラズムに産生させる場 合、 pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379)を使用すれば よい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクト口ポレー
シヨン法を用いて行うことができる。
[0124] 大腸菌以外にも、例えば、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、 pcDNA3 (インビ トロゲン社製)や、 pEGF— BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、 pEF、 pCDM8)、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac- to- BAC baculovairus expression system] (ギブコ BRL社製)、 pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例え ば ρΜΗ1、 pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、 pHSV、 pMV、 pAdexLcw)、レトロウイルス由来の発現ベクター(例えば、 pZIPneo)、酵母由来の発現 ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」(インビトロゲン社製)、 pNVll、 SP- Q01)、 枯草菌由来の発現ベクター(例えば、 PPL608、 pKTH50)が挙げられる。
[0125] CHO細胞、 COS細胞、 NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には 、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えば SV40プロモーター( Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、 MMTV-LTRプロモーター、 EF1 αプロモータ 一(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、 CMVプロモーターなどを持 つていることが不可欠であり、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子 (例えば、 薬剤 (ネオマイシン、 G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すれば さらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、 pMAM、 pDR2、 pBK- RSV、 pBK-CMV, pOPRSV、 pOP13などが挙げられる。
[0126] さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を 目的とする場合には、核酸合成経路を欠損した CHO細胞にそれを相補する DHFR遺 伝子を有するベクター(例えば、 pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート (MTX)により 増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、
SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つ COS細胞を用いて SV40の複製起 点を持つベクター (pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点として は、また、ポリオ一マウィルス、アデノウイルス、ゥシパピローマウィルス(BPV)等の由 来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発 現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ (APH)遺伝子、 チミジンキナーゼ (TK)遺伝子、大腸菌キサンチングァニンホスホリボシルトランスフエ ラーゼ (Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
[0127] ベクターが導入される宿主細胞としては特に制限はなぐ例えば、大腸菌や種々の 動物細胞などを用いることが可能である。宿主細胞は、例えば、本発明の抗体の製 造や発現のための産生系として使用することができる。ポリペプチド製造のための産 生系は、 in vitroおよび in vivoの産生系がある。 in vitroの産生系としては、真核細胞 を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げられる。
[0128] 真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用い ることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、 CH0 (J. Exp. Med. (1995) 108, 945)、 COSゝ 3T3、ミエローマ、 BHK (baby hamster kidney)、 HeLa、 Vero、両生 類細胞、例えばアフリカッメガエル卵母細胞(Valle, et al., Nature (1981) 291, 358-340)、あるいは昆虫細胞、例えば、 S19、 Sf21、 Tn5が知られている。本発明にお いては、 CHO-DG44, CH0-DXB11、 COS7細胞、 BHK細胞が好適に用いられる。動 物細胞において、大量発現を目的とする場合には特に CHO細胞が好ましい。宿主 細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、 DEAEデキストラン法、力 チォニックリボソーム DOTAP (ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクト口 ポーレーシヨン法、リポフエクシヨンなどの方法で行うことが可能である。
[0129] 植物細胞としては、例えば、ニコチアナ 'タパカム(Nicotiana tabacum)由来の細胞 が蛋白質生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞として は、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属、例えば、サッカロミセス'セレビ ンェ (Saccharomyces cerevisiae)、サッカロ;セス-ホンへ (Saccharomyces pombe)、 糸状菌、例えば、ァスペルギルス(Aspergillus)属、例えば、ァスペルギルス '二ガー( Aspergillus nigerjが知られている。
[0130] 原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大 腸菌(E. coli)、例えば、 JM109, DH5 a、 HB101等が挙げられ、その他、枯草菌が知 られている。
[0131] 本方法においては次いで上記宿主細胞を培養する。 目的とするポリヌクレオチドに より形質転換された細胞を in vitroで培養することにより、抗体が得られる。培養は、公 知の方法に従い行うことができる。例えば、動物細胞の培養液として、例えば、 DMEM、 MEM, RPMI1640, IMDMを使用することができる。その際、 FBS、牛胎児血
清 (FCS)等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時の pHは、約 6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約 30〜40°Cで約 15〜200時間行 い、必要に応じて培地の交換、通気、攪拌を加える。
[0132] 一方、 in vivoでポリペプチドを産生させる系としては、例えば、動物を使用する産生 系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とするポリ ヌクレオチドを導入し、動物又は植物の体内でポリペプチドを産生させ、回収する。 本発明における「宿主」とは、これらの動物、植物を包含する。
[0133] 動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。哺乳類動物として は、ャギ、ブタ、ヒッジ、マウス、ゥシを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993)。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェ- ック動物を用いることができる。
[0134] 例えば、目的とするポリヌクレオチドを、ャギ j8カゼインのような乳汁中に固有に産 生されるポリペプチドをコードする遺伝子との融合遺伝子として調製する。次いで、こ の融合遺伝子を含む DNA断片をャギの胚へ注入し、この胚を雌のャギへ移植する。 胚を受容したャギカ 生まれるトランスジエニックャギ又はその子孫が産生する乳汁 力 、目的の抗体を得ることができる。トランスジヱニックャギカ 産生される抗体を含 む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジエニックャギに使用してもよ い(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699—702)。
[0135] また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的 の抗体をコードするポリヌクレオチドを挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させる ことにより、このカイコの体液から目的の抗体を得ることができる(Susumu, M. et al., Nature (1985) 315, 592-594)。
[0136] さらに、植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場 合、目的とする抗体をコードするポリヌクレオチドを植物発現用ベクター、例えば pMON 530に挿入し、このベクターをァグロバタテリゥム'ッメファシエンス(
Agrobacterium tumefaciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、 例えば、ニコチアナ 'タパカム(Nicotiana tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所 望の抗体を得ることができる(Julian K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24,
131-138)。
[0137] これにより得られた抗体は、宿主細胞内または細胞外 (培地など)力 単離し、実質 的に純粋で均一な抗体として精製することができる。抗体の分離、精製は、通常のポ リペプチドの精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよぐ何ら限定され るものではない。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶 媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点 電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせればポリペプチドを分離、精 製することができる。
[0138] クロマトグラフィーとしては、例えばァフィ二ティークロマトグラフィー、イオン交換クロ マトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着ク 口マトグラフィ一等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and
Characterization: A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al" Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液ネ目クロマト グラフィー、例えば HPLC、 FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる 。ァフィユティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテイン Aカラム、プロテ イン Gカラムが挙げられる。例えば、プロテイン Aを用いたカラムとして、 Hyper D, POROS, Sepharose F. F. (Pharmacia)等が挙げられる。
[0139] なお、抗体の精製前又は精製後に適当な蛋白質修飾酵素を作用させることにより、 任意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することもできる。蛋白質修飾酵素と しては、例えば、トリプシン、キモトリブシン、リシルエンドべプチダーゼ、プロテインキ ナーゼ、ダルコシダーゼなどが用いられる。
[0140] 本発明の血小板減少症治療剤は、血小板減少症の発症後に投与してもよ!/ヽし、血 小板減少症が発症する前に予防目的で投与されてもよい。本発明の血小板増加剤 の投与時期は限定されず、血小板を増加させる必要のある場合に投与することがで きる。
[0141] Mplを認識する抗体は、当業者に公知の方法で製剤化することが可能である。例え ば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の 注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒
体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安 定剤、香味剤、賦形剤、べヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に 認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化する ことが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量 が得られるようにするものである。
[0142] 注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなべヒクルを用いて通常の製剤実 施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む 等張液、例えば D-ソルビトール、 D-マンノース、 D-マン-トール、塩化ナトリウムが挙 げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコ ール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤 、例えばポリソルベート 80 (TM)、 HCO- 50と併用してもよい。
[0143] 油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸 ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロ力イン、安定剤、例えばべンジルアル コール、フエノール、酸ィ匕防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当 なアンプルに充填させる。
[0144] 投与は好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺 投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内 注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与する ことができる。
[0145] また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。抗体または 抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する医薬組成物の投与量としては、例えば、 一回につき体重 lkgあたり O.OOOlmgから lOOOmgの範囲で選ぶことが可能である。ある いは、例えば、患者あたり 0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができ る力 これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者 の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可 能である。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に 組み入れられる。
実施例
[0146] 以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限さ れるものではない。
[0147] 〔実施例 1〕 正常力二クイサルにおける血小板増多作用
血小板数の測定は以下のように行った。
サルの伏在静脈力も末梢血 lmLを採取し、直ちに EDTAカップに入れ、ローリングミ キサー (型式 RM-810)にて混和して、凝固を防止した。その抗凝固処理した血液を 用いて、シスメッタス F-820で各血球パラメーターを測定し、血小板数を算出した。 DayOで予め血小板数を測定した 6頭のサルを各 3頭の二群に分け、 VB22B投与群と 溶媒投与群を設定した。被験物質である VB22B sc(Fv)2 (配列番号: 14)を、 20 mmol/L Acetate buffer (pH6.0)(150 mmol/L NaCl, 0.01%Tween 80)を溶媒として、 VB22B投与群の 3頭のサルに対して 100 μ g/kg体重となるように 14日間(Dayl〜14) 皮下注射した。一方、対照の溶媒投与群とした 3頭のサルに対しては、体重あたり VB22B投与群と同一容量となるように溶媒を 14日間皮下注射した。尚、実験期間中 3 —4日の間隔で VB22B sc(Fv)2あるいは溶媒を投与する前に伏在静脈から lmL採血 し血小板数を測定した。血小板数が測定限界を超えて ヽる場合は適宜血液を希釈し て再測定した。
[0148] その結果、 VB22B sc(Fv)2投与群では、投与後 4日目以降に、血小板数の顕著な 増加がみられ 14日で最大値を示した(図 2)。すなわち、 in vitroアツセィで示したァゴ 二スト活性は in vivoでも示されることが確認された。
[0149] 〔実施例 2〕 血小板減少力-クイサルにおける血小板減少回復作用
DayOで予め血小板数を測定した 5頭のサルに、化学療法剤のひとつである塩酸二 ムスチン (ACNU)を 15 mg/kg体重となるように静脈内注射した。これらを二群に分け 、 VB22B投与群 2頭と溶媒投与群 3頭を設定した。被験物質である VB22B sc(Fv)2 (配 列番号: 14)を、 20 mmol/L Acetate buffer (pH6.0)(150 mmol/L NaCl, 0.01%Tween 80)を溶媒として、 VB22B投与群のサルに対して 100 μ g/kg体重となるように 14日間(
Dayl〜14)皮下注射した。一方、対照の溶媒投与群としたサルに対しては、体重あ たり VB22B投与群と同一容量となるように溶媒を 14日間皮下注射した。尚、実験期間 中 3—4日の間隔で VB22B sc(Fv)2あるいは溶媒を投与する前に伏在静脈から lmL 採血し血小板数を測定した。
[0150] その結果、溶媒投与群では、 ACNU投与後 10日後から、末梢血小板数の顕著な減 少がみられ 18日で極小値 (Nadir)を示した(図 3)。一方、 VB22B sc(Fv)2投与群では 、投与後 4日以降に血小板数の増加がみられ 11日で最大値を示し血小板減少を回 避した(図 3)。すなわち、正常サルのみならず、血小板減少症に対しても血小板増 多作用が示されることが確認された。
[0151] 〔実施例 3〕 正常力-クイサルにおける hVB22B u2~wz4 sc(FV)2ならびに hVB22B q-wz5 sc(FV)2の単回投与による血小板増多作用
末梢血血小板数の測定は以下のように行った。サルの伏在静脈から末梢血 0.5 mL を採取し、直ちに EDTAを塗布した採血チューブであるマイクロティナ(日本べタトン' ディッキンソン 365973)に入れ、ローリングミキサー(シスメッタス、型式 RM- 810)にて 混和して、凝固を防止した。その抗凝固処理した血液を用いて、自動血球分析装置 F-820 (シスメッタス)で血小板数を測定した。
[0152] DayOで予め血小板数を測定した 5頭のサルを二群に分け、 hVB22B u2~wz4
sc(FV)2 (N=3)ならびに hVB22B q- wz5 sc(FV)2 (N=2)の投与量を 1 mg/kg体重に設 定した。 hVB22B u2-wz4 sc(FV)2 (配列番号: 100)ならびに hVB22B q- wz5 sc(FV)2 ( 配列番号: 101)は、 20 mmol/Lクェン酸ナトリウム緩衝溶液、 300 mmol/L NaCl, pH 7.5, 0.01% Tween 80を溶媒として使用し、 Day 1に単回静脈内 (i.v.)注射した。その後 、 Day 8, 11, 15, 21に上記の方法で血小板数を測定した。静脈内 (i.v.)注射のおよそ 一月後、再び DayOを設定し、同一個体を用いて、同一の投与量で Day 1に単回皮下 (s. )注射をした。その後、 Day 8, 11, 14, 22に上記の方法で血小板数を測定した。
[0153] その結果、 hVB22B u2- wz4 sc(FV)2ならびに hVB22B q- wz5 sc(FV)2は、静脈内 (i.v.)注射ならびに皮下 (s.c.)注射の両投与経路で用量に依存した血小板数の増加 がみられた(図 12)。すなわち、 hVB22B u2-wz4 sc(FV)2ならびに hVB22B q-wz5 sc(FV)2の活性は in vivoでも良好に示されることが確認された。
[0154] 〔参考例 1〕 抗ヒト Mpl抗体の作製
1.1 Mpl発現 BaF3細胞株の榭立
TPO依存増殖性細胞株を得るために、全長 Mpl遺伝子を発現する BaF3細胞株の 榭立を行った。
全長ヒト Mpl cDNA (Palaciosら、 Cell 1985 ;41 : 727-734) (GenBank#NM— 005373)を PCRにより増幅し、 pCHOI(Hirataら、 FEBS Letter 1994 ;356 : 244- 248)の DHFR遺伝 子発現部位を除去し、 HEF-VH-g y l(Satoら、 Mol Immunol. 1994;31 : 371- 381)の Neomycin耐性遺伝子発現部位を挿入した発現ベクター pCOS2にクローユングし、 pCOS2-hMplfollを構築した。
[0155] また、力-クイザル骨髄細胞から抽出した Total RNAから SMART RACE cDNA
Amplification Kit (Clontech社製)を用いて、力-クイザル Mpl cDNA (配列番号: 67) をクロー-ングした。得られた力-クイザル cDNAを pCOS2に挿入し、
pCOS2- monkeyMplfollを構築した。
さらに、全長マウス Mpl cDNA(GenBank#NM_010823)を PCRにより増幅し、 pCOS2に 挿入し、 pCOS2- mouseMplfollを構築した。
[0156] 作製した各ベクター (20 μ g)を PBSに懸濁した BaF3細胞 (lxl07cells/mL)に混合し、 Gene Pulserキュベットに加え、 Gene Pulser II (Bio- Rad社製)を用いて 0.33kV, 950 ^ FDの容量でパルスをカ卩えた。エレクト口ポーレーシヨン処理により遺伝子導入した BaF3細胞を Ing/mLマウスインターロイキン 3 (以下、 mIL- 3、 Peprotech社製)、 500 g/mL Geneticin(Invitrogen社製)、 10% FBS(Invitrogen社製)を含む RPMI1640培地( Invitrogen社製)に加えて選抜し、ヒト Mpl発現 BaF3細胞株(以下、 BaF3-human Mpl) 、サル Mpl発現 BaF3細胞株(以下、 BaF3- monkey Mpl)およびマウス Mpl発現 BaF3細 胞株(以下、 BaF3-mouse Mpl)を榭立した。選抜後は、 Ing/mL rhTPO(R&D社製)、 10% FBSを含む RPMI1640培地を用いて培養、維持した。
[0157] 1.2 Mpl発現 CHO細胞株の榭立
Flow Cytometryを用いた結合活性評価用の細胞株を得るために、全長 Mpl遺伝子 を発現する CHO細胞株の榭立を行った。
はじめに、 pCXN2(Niwaら、 Gene 1991 ; 108 : 193- 199)の Hindlll部位に pCHOIの
DHFR遺伝子発現部位を挿入して、発現ベクター pCXND3を作製した。 pCOS2-hMpliulU pCOS2- monkeyMplfollおよび pCOS2- mouseMplfollを铸型にして、 His-tag配列を含むプライマーを用いて PCRにより増幅した各 Mpl遺伝子を pCXND3 にクロー-ングし、 pCXND3-hMpl-His, pCXND3- monkey Mp Hisおよび
pCXND3- mouse Mp卜 Hisを構築した。
[0158] 作製した各ベクター (25 μ g)を PBSに懸濁した CHO- DG44細胞 (lxl07cells/mL)に 混合し、 Gene Pulserキュベットに加え、 Gene Pulser II (Bio- Rad社製)を用いて 1.5kV, 25 μ FDの容量でパルスをカ卩えた。エレクト口ポーレーシヨン処理により遺伝子導入し た CHO細胞を 500 μ g/mL Geneticin、 lxHT (Invitrogen社製)を含む CHO- S- SFMII 培地 (Invitrogen社製)に加えて選抜し、ヒト Mpl発現 CHO細胞株(以下、 CHO-human Mpl)およびサル Mpl発現 CHO細胞株(以下、 CHO- monkey Mpl)およびマウス Mpl発 現 CHO細胞株(以下、 CHO-mouse Mpl)を榭立した。
[0159] 1.3 可溶型ヒト Mplタンパク質の調製
可溶型ヒト Mplタンパク質を調製するため、昆虫細胞 S19細胞で分泌産生する発現 系を以下のように構築した。
ヒト Mplの細胞外領域(Gln26力 Trp491)の下流に FLAGタグを付カ卩した遺伝子を 作製し、 pBACSurf- 1 Transfer Plasmid (Novagen社製)の Pstl- Smal部位に挿入し、 pBACSurfl- hMp卜 FLAGを作製した。続いて、 Bac- N- Blue Transfection Kit ( Invitrogen)を用いて、 4 gの pBACSurfl- hMpト FLAGを S19細胞に導入した。培養 3 日後に培養上清を回収し、プラークアツセィにより組換えウィルスを単離した。ウィル スストックを調製後に S19細胞に感染させて培養上清を回収した。
[0160] 得られた培養上清を用いて、以下のように可溶型ヒト Mplタンパク質を精製した。培 養上清を Q Sepharose Fast Flow (Amersham Biosciences社製)に吸着させた後に、 50mM Na- Phosphate Buffer, 0.01%(v/v) Tween20, 500mM NaCl (pH 7.2)を用いて溶 出した。溶出液を FLAG M2 -Agarose (SIGMA-ALDRICH社製)に吸着させた後に、 lOOmM Glycine- HCl, 0.01%(v/v) Tween20 (pH 3.5)を用いて溶出した。溶出後、直ち に 1M Tris-Cl (pH8.0)により中和し、 PD- 10 column (Amersham Biosciences社製)を 用いて、 PBS(-), 0.01% (v/v) Tween20に置換を行った。精製した可溶型 Mplタンパク
質を shMp卜 FLAGと称する。
[0161] 1.4 ヒト MpHgG Fc融合タンパク質の調製
ヒト MpHgG Fc融合タンパク質遺伝子は、 Bennettらの方法 (Bennettら、 J.Biol.Chem. 1991 ;266 : 23060-23067)に従って作製した。ヒト Mplの細胞外領域 (Gln26から Trp491)をコードする塩基配列をヒト IgG- γ 1の Fc領域 (Asp216よりの下流 の領域)をコードする塩基配列に連結し、連結部に Fusion Linkerとして BstEII配列( アミノ酸 VaKThr)を付カ卩した。シグナル配列は、ヒト IgG H鎖可変領域のシグナルぺ プチド 19アミノ酸を使用した。得られたヒト MpHgG Fc融合タンパク質遺伝子を PCXND3にクロー-ングし、 pCXND3- hMp卜 Fcを構築した。
[0162] 作製したベクター (25 μ g)を PBSに懸濁した CHO- DG44細胞 (lxl07cells/mL)に混 合し、 Gene Pulserキュベットに加え、 Gene Pulser II (Bio- Rad社製)を用いて 1.5kV, 25 μ FDの容量でパルスをカ卩えた。エレクト口ポーレーシヨン処理により遺伝子導入し た CHO細胞を 500 g/mL Geneticin, ΙχΗΤを含む CHO- S- SFMII培地に加えて選抜 し、 shMPL- Fc発現 CHO細胞株(CHO- hMp卜 Fc)を榭立した。
[0163] 得られた培養上清を用いて、以下のようにヒト MpHgG Fc融合タンパク質を精製し た。
培養上清を Q Sepharose Fast Flow (Amersham Biosciences社製)に吸着させた後 に、 50mM Na- Phosphate Buffer, 0.01%(v/v) Tween20, 1M NaCl (pH 7.6)を用いて溶 出した。溶出液を HiTrap proteinG HPカラム(Amersham Biosciences社製)に吸着さ せた後に、 0.1 M Glycine— HC1, 150 mM NaCl, 0.01%(v/v) Tween20 (pH 2.7)を用い て溶出した。溶出後、直ちに 1M Tris-Cl (pH8.0)により中和し、 PD- 10 column (Amersham Biosciences社製)を用いて、 PBS (-) , 0.01% (v/v) Tween20に置換を行つ た。精製した可溶型 Mplタンパク質を hMpト Fcと称する。
[0164] 1.5 shMp卜 FLAGの免疫およびハイプリドーマの選抜
MRL/MpJUmmCrj- lpr/lprマウス(以下、 MRL/lprマウス、 日本チヤ一ルス'リバ一よ り購入)を用いて、 8週齢より免疫を開始した。初回免疫は 100 /z g/匹の shMPL-FLAG にフロイント完全アジュバント(H37 Ra、ベタトン'ディッキンソン社製)をカ卩え、ェマル ジョン化したものを皮下に投与した。追加免疫は 50 g/匹の shMPL-FLAGにフロイン
ト不完全アジュバント(ベタトン'ディッキンソン社製)を加え、ェマルジヨン化したものを 皮下に投与した。合計 6回免疫を行ったマウス 3匹に対し、 g/匹の shMPL-FLAG を尾静脈内投与することにより最終免疫を行った。マウスミエローマ細胞
P3-X63Ag8Ul (P3U1、 ATCCより購入)とマウス脾臓細胞を混合し、 Polyethylene Glycol 1500 (Roche Diagnostics社製)をカ卩えながら混合することにより細胞融合を行 つた。翌日より HAT培地を用いて選抜を行 、、培養上清を用いて shMp卜 FLAGまた は hMpト Fcを固相化したィムノプレートを用いた ELISAおよび BaF3-human Mplを用い た細胞増殖活性を指標としたスクリーニングを実施した。
[0165] 1.6 抗ヒト Mpl抗体の解析
抗体濃度はャギ抗マウス IgG (gamma) (ZYMED社製)とアルカリフォスファターゼ - ャギ抗マウス IgG (gammaXZYMED社製)を用いたマウス IgGサンドイッチ ELISAを行い 、 Isotypeの等しい巿販抗体をスタンダードにして、 GraphPad Prism (GraphPad Software, USA)を用いて検量線を作成し、抗体濃度の換算を行った。
[0166] 抗体のアイソタイプは、アイソタイプ特異的な二次抗体を用いた抗原依存的 ELISA にて決定した。 hMp卜 Fcを 1 μ g/mLとなるように coating buffer (O.lmM NaHCO
3
(pH9.6), 0.02%(w/v) NaN )で希釈したものを加え、 4°Cにてー晚反応し、コーティング
3
した。 Diluent buffer (50mM Tris- HCl(pH8.1), ImM MgCl , 150mM NaCl, 0.05%(v/v)
2
Tween20, 0.02%(w/v) NaN , l%(w/v) BSA)にてブロッキング処理を行った後、ハイブ
3
リドーマの培養上清をカ卩え、室温で 1時間放置した。 Rinse buffer (0.05%(v/v) Tween20, PBS)にて洗浄した後、 Alkaline phosphatase標識したアイソタイプ特異的二 次抗体を加え、室温で 1時間放置した。発色は SIGMA104(SIGMA-ALDRICH社製)を lmg/mLとなるように Substrate Buffer (50mM NaHCO (pH9.8), lOmM MgCl )に希釈
3 2 したものを用い、 405nmの吸光度を Benchmark Plus (Bio-Rad社製)にて測定した。
[0167] shMp卜 FLAGおよび hMPL-Fcに対する結合活性は、 ELISAにより評価した。精製し た shMp卜 FLAGおよび hMPL- Fcを 1 μ g/mLになるようにコーティングし、 Diluent bufferにてブロッキング処理を行った。ハイプリドーマの培養上清をカ卩え、室温で 1時 間放置した後、 Alkaline Phosphatase標識した抗マウス IgG抗体 (Zymed社製)を加え、 上記方法と同様に発色を行った。室温で 1時間発色させた後に 405應の吸光度を測
定し、 GraphPad Prismを用いて EC 値を算出した。
50
[0168] CHO- human Mpほたは CHO- monkey Mplを回収し、 lxl06cells/mLになるように FACS Buffer (1% FBS/ PBS)に懸濁した。 100 L/wellとなるように Multiscreen (Millipore社製)に分注し、遠心操作にて培養上清を除去した。 5 g/mLになるように 希釈した培養上清を加え、氷上にて 30分間反応させた。細胞を FACS bufferにて 1回 洗浄し、 FITC標識抗マウス IgG抗体(Beckman Coulter社製)を添カ卩し、氷上にて 30分 間反応させた。反応後、 500rpmで 1分間遠心し、上清を除き、 FACS Buffer 400 μしに 懸濁し、 EPICS ELITE ESP (Beckman Coulter)を用いてフローサイトメトリーを行った。 前方散乱光(forward scatter)及び側方散乱光(side scatter)のヒストグラムにて生細 胞集団にゲートを設定した。
[0169] 抗体のァゴニスト活性は、 TPO依存性増殖を示す BaF3-human Mpほたは
BaF3-monkey Mplを用いて評価した。各細胞をそれぞれ 4xl05cells/mLとなるように 10% Fetal Bovine Serum(Invitrogen社製)を含む RPMI1640(Invitrogen社製)に懸濁し、 60 μ L/wellで 96well plateに分注した。 rhTPO (R&D社製)およびハイプリドーマ培養 上清の濃度を振り、各 wellに 40 L加え、 37°C、 5%CO条件下で、 24時間培養した。
2
10 μ L/wellで Cell Count Reagent SF (ナカライテスタ社製)をカ卩え、 2時間培養後に、 450 nmの吸光度 (対照 655nm)を Benchmark Plusにて測定し、 GraphPad Prismを用い て EC 値を算出した。
50
[0170] 1.7 抗ヒト Mpl抗体の精製
ノ、イブリドーマの培養上清を用いて、以下のように抗ヒト Mpl抗体を精製した。
培養上清を HiTrap proteinG HPカラム(Amersham Biosciences社製)に吸着させた 後に、 0.1 M Glycine-HCl (pH 2.7)を用いて溶出した。溶出後、直ちに 1M Tris-Cl (PH9.0)により直ちに中和し、 PBSで一昼夜透析を行い、バッファー置換を行った。
[0171] 1.8抗ヒト Mpl抗体 VB22Bのェピトープの決定
抗ヒト Mpl抗体 VB22Bが western blottingに使用可能である性質を利用し、ヒト Mplの 部分配列と GSTの融合蛋白質を構築し VB22Bのェピトープ解析を行った。 MG1 ( Gln26から Trp491)、 MG2 (Gln26から Leu274)の領域をそれぞれ PCR増幅し、 GST融 合蛋白質として発現されるように pGEX-4T-3 (Amersham社)へクローユングした。プラ
スミド DNAを DH5ひへ導入し形質転換体を得、対数増殖期にある形質転換体に ImM となるように IPTGを加えることにより GST融合蛋白質の発現を誘導し、 2時間培養後に 菌体を回収した。 Sonicationにより破碎後、 XL- 80 Ultracentrifoge (Beckman, Rotor 70.1Ή)を用い 35,000rpmで 30分遠心後の培養上清を回収し、 GST Purification Modules (Amersham社)を用いて精製した。 10%- SDS- PAGEにより分離後、 PVDF膜に トランスファーし、 VB22Bマウス抗体を用いた western blottingを行った。 VB22Bは MG- 1、 MG- 2を認識した事から、 VB22Bのェピトープは Gln26から Leu274の領域にあ ることが判明した。
[0172] 次に、 MG3 (Gln26から Alal89)、 MG4 26から!¾"0106)、 MG5 (Gln26から Glu259) 、 MG6 (Gln26から Gly245)の領域と GSTの融合蛋白を作製し同様に western blotting を行った結果、 VB22Bは MG5、 MG6を認識した力 MG3、 MG4を認識しなかった事か ら、 VB22Bのェピトープは Alal89から Gly245の周辺に存在する事が予想された。さら に MG7 (Gln26から Ala231)、 MG8 (Gln26から Pro217)と GSTの融合蛋白質を作製し評 価した結果、 VB22Bは MG7を認識した力 MG8は認識しなかった事から、 VB22Bのェ ピトープは Gln217から Ala231の周辺に存在することが示された。さらに MG10 (Gln213 から Ala231)と GSTの融合蛋白質との結合が確認されたことから、 VB22Bのェピトープ は Gln213から Ala231の 19アミノ酸に限定された。
[0173] 1.9 抗ヒト Mpl抗体 VB22Bの抗原抗体反応の反応速度論的解析
抗ヒト Mpl抗体 VB22Bが可溶型組換え Mplに結合する性質を利用し、参考例 1.4で 示したヒト MpHgG Fc融合タンパク質と VB22B IgGとの抗原抗体反応における速度論 的な解析を行った。 BIAcore2000(BIAcore社製)に Sensor Chip CM5(BIAcore社製)を セットし、ァミンカップリング法にてヒト MpHgG Fc融合タンパク質を固定ィ匕した。次に 、 HBS-EP Buffer(BIAcore社製)を用いて 1.25〜20 g/mLの VB22B IgGを調製し、 VB22B IgGを 2分間添カ卩し、結合領域を得た後に、 HBS- EP Bufferを 2分間添加する ことで解離領域を得た。 Sensor Chip上のヒト MpHgG Fc融合タンパク質に結合した VB22B IgGは、 10mM NaOHを 15秒間添カ卩して除去し、 Sensor Chipを再生した。ラン ユングバッファ一として HBS-EP Bufferを用い、流速は 20 μ L/minとした。
BIAevaluation ver.3.1ソフトウェア (BIAcore社製)を用いて、各濃度で得られたセンサ
一グラムより反応速度定数を算出した。その結果、 VB22B IgGの解離定数 (KD)は 1.67 ±0.713 X 10— 9Mであった。
[0174] 〔参考例 2〕 抗ヒト Mpl—本鎖抗体の作製
取得した抗ヒト Mpl抗体の中で、結合活性およびァゴニスト活性が高カゝつた抗体に ついて、遺伝子工学的手法により一本鎖抗体の発現系を構築した。以下に抗ヒト Mpl 抗体 VB22Bの一本鎖抗体作製例につ 、て示す。
[0175] 2.1 抗ヒト Mpl抗体可変領域のクローニング
抗ヒト Mpl抗体を産生するハイブリドーマより抽出した Total RNAを用いて、 RT- PCR 法によって増幅した。 Total RNAは、 RNeasy Plant Mini Kits (QIAGEN社製)を用いて lxlO7細胞のハイプリドーマより抽出した。
[0176] 1 μ gの Total RNAを使用して、 SMART RACE cDNA Amplification Kit (
CLONTECH社製)を用いて、マウス IgG2b定常領域配列に相補的な合成オリゴヌタレ ォチド MHC-IgG2b (配列番号: 69)またはマウス κ鎖定常領域塩基配列に相補的な 合成オリゴヌクレオチド kappa (配列番号: 70)を用いて、 5'末端側遺伝子断片を増幅 した。逆転写反応は 42°Cで 1時間 30分間反応させた。
[0177] PCR反応溶液 (50 μ L)の組成を次に示す。
5 μ Lの 10 X Advantage 2 PCR Buffer,
5 μ Lの 10 X Universal Primer A Mix、
0.2mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
1 μ Lの Advantage 2 Polymerase Mix
(以上の成分は!、ずれも CLONTECH社製)、
2.5 Lの逆転写反応産物、
1 Opmoleの合成オリゴヌクレオチド MHC- IgG2bまたは kappa
[0178] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/5秒間、 72°C/3分間のサイクルを 5回反復、
94°C/5秒間、 70°C/10秒間、 72°C/3分間のサイクルを 5回反復、
94°C/5秒間、 68°C/10秒間、 72°C/3分間のサイクルを 25回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 7分間加熱した。
[0179] PCR産物は QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガロースゲル 力 精製した後、 pGEM- T Easyベクター(Promega社製)へクローユングした。さらに、 ABI 3700 DNA Analyzer (Perkin Elmer社製)を用いて塩基配列を決定した。
クロー-ングした VB22B H鎖可変領域(以下、 VB22B-VH)の塩基配列を配列番号 : 7、アミノ酸配列を配列番号: 8、および L鎖可変領域 (以下、 VB22B-VL)の塩基配 列を配列番号: 9、アミノ酸配列を配列番号: 10に示す。
[0180] 2.2 抗ヒト Mpl抗体 Diabody発現ベクターの作製
5アミノ酸からなるリンカ一配列を用いた VB22B—本鎖 Fv (以下、 VB22B Diabody)を コードする遺伝子は、 VB22B-VHをコードする遺伝子の 3'末端および VB22B-VLをコ ードする遺伝子の 5'末端に(Gly Ser)力も成るリンカ
4 1 一をコードする塩基配列を付カロ させた遺伝子について、それぞれ PCR法を用いて増幅し、連結することにより構築し た。
[0181] VB22B-VHの前方プライマー 70· 115HF (配列番号: 71)は、 EcoRI部位を有するよ うに設計し、 VB22B-VHの後方プライマー 33 · 115HR (配列番号: 72)は、 VB22B-VH の C末端をコードする DNAにハイブリダィズし、かつ(Gly Ser)力 成るリンカ
4 1 一をコー ドする塩基配列ならびに VB22B-VLの N末端をコードする DNAにハイブリダィズする 塩基配列を有するように設計した。 VB22B-VLの前方プライマー 33 - 115LF (配列番 号: 73)は、 VB22B-VLの N末端をコードする塩基配列ならびに(Gly Ser)から成るリ
4 1 ンカーをコードする塩基配列、 VB22B-VHの C末端をコードする塩基配列を有するよ うに設計した。 VB22B-VLの後方プライマー 33 - 115LR (配列番号: 74)は、
VB22B- VLの C末端をコードする DNAにハイブリダィズし、かつ FLAGタグ
(AspTyrLysAspAsp AspAspLysZ配列番号: 75)をコードする塩基配列を有し、さらに Notl部位を有するように設計した。
[0182] 第一 PCRにおいて、 VB22B- VHおよびリンカ一配列と VB22B- VLおよびリンカ一配 列を含む 2つの PCR反応物を以下のように合成した。
PCR反応溶液 (50 L)の組成を次に示す。
S ^ LOIO X PCR Bufferゝ
0.4mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
2.5ユニットの DNAポリメラーゼ TaKaRa Ex Taq
(以上の成分は!、ずれも宝酒造社製)、
lOngの VB22B- VHまたは VB22B- VL遺伝子を含む pGEM- T Easyベクター、 lOpmoleの合成オリゴヌクレオチド 70' 115HF、 33 · 115HRまたは 33 · 115LF、 33 · 115LR
[0183] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/15秒間、 72°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 70°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 68°C/2分間のサイクルを 28回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 5分間加熱した。
[0184] 約 400bpの PCR産物を QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガ ロースゲル力も精製した後、各 PCR産物の一部を用いて以下のように第二 PCRを行 つた o
PCR反応溶液 (50 L)の組成を次に示す。
5 ;z L 10 X PCR Bufferゝ
0.4mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
2.5ユニットの DNAポリメラーゼ TaKaRa Ex Taq
(以上の成分は!、ずれも宝酒造社製)、
1 μ Lの第一 PCR産物(2種類)、
lOpmoleの合成オリゴヌクレオチド 70 · 115HF、 33 - 115LR
[0185] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/15秒間、 72°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 70°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 68°C/2分間のサイクルを 28回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 5分間加熱した。
[0186] 約 800bpの PCR産物を QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガ ロースゲル力も精製した後、制限酵素 EcoRI (宝酒造社製)および制限酵素 Notl (宝 酒造社製)で消化した後に、 QIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN社製)を用いて 精製し、 pCXND3にクローユングし、 pCXND3- VB22B dbを作製した。
[0187] 2.3 抗ヒト Mpl抗体 sc(Fv)2発現ベクターの作製
VB22B由来の 2つの H鎖可変領域および 2つの L鎖可変領域を含む改変抗体
[sc(Fv)2]を発現するプラスミドを作製するために、前述の pCXND3-VB22B dbを用い て以下のように PCR法により修飾した。 sc(Fv)2遺伝子の構築過程について、図 4に示 した。
[0188] はじめに、 VB22B-VHをコードする遺伝子の 3'末端および VB22B-VLをコードする 遺伝子の 5'末端に 15アミノ酸力も成るリンカ一(Gly Ser)をコードする塩基配列を付
4 3
カロさせた遺伝子について、それぞれ PCR法を用いて増幅し、連結することにより構築 した。この構築過程において、 3種類のプライマーを新たに設計した。 VB22B-VHの 前方プライマー VB22B_ft)vu (プライマー A,配列番号: 76)は、 5'末端に EcoRI部位を 有し、 VB22B dbの Gln22および Leu23が PvuII部位に変換するように設計した。
VB22B- VHの後方プライマー SC- rL15 (プライマー B,配列番号: 77)は、 VB22B- VH の C末端をコードする DNAにハイブリダィズし、かつ(Gly Ser)力 成るリンカ
4 3 一をコー ドする塩基配列ならびに VB22B-VLの N末端をコードする DNAにハイブリダィズする 塩基配列を有するように設計した。 VB22B-VLの前方プライマー SC-1L15 (プライマー C,配列番号: 78)は、 VB22B-VLの N末端をコードする塩基配列ならびに(Gly Ser)
4 3 力 成るリンカ一をコードする塩基配列、 VB22B-VHの C末端をコードする塩基配列 を有するように設計した。
[0189] 第一 PCRにおいて、 VB22B- VHおよびリンカ一配列と VB22B- VLおよびリンカ一配 列を含む 2つの PCR反応物を以下のように合成した。
PCR反応溶液 (50 L)の組成を次に示す。
5 ;z L 10 X PCR Bufferゝ
0.4mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
2.5ユニットの DNAポリメラーゼ TaKaRa Ex Taq
(以上の成分は!、ずれも宝酒造社製)、
10ngの pCXND3- VB22B db、
lOpmoleの合成オリゴヌクレオチド VB22B- ft)vu、 sc- rL15または sc- 1L15、 33 · 115LR (プライマー D)
[0190] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/15秒間、 72°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 70°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 68°C/2分間のサイクルを 28回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 5分間加熱した。
[0191] 約 400bpの PCR産物を QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガ ロースゲル力も精製した後、各 PCR産物の一部を用いて以下のように第二 PCRを行 つた o
PCR反応溶液 (50 L)の組成を次に示す。
5 ;z L 10 X PCR Bufferゝ
0.4mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
2.5ユニットの DNAポリメラーゼ TaKaRa Ex Taq
(以上の成分は!、ずれも宝酒造社製)、
1 μ Lの第一 PCR産物(2種類)、
lOpmoleの合成オリゴヌクレオチド 70 · 115HF、 33 - 115LR
[0192] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/15秒間、 72°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 70°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 68°C/2分間のサイクルを 28回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 5分間加熱した。
[0193] 約 800bpの PCR産物を QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガ ロースゲル力も精製した後、制限酵素 EcoRI (宝酒造社製)および制限酵素 Notl (宝
酒造社製)で消化した後に、 QIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN社製)を用いて 精製し、 pBacPAK9(CLONTECH社製)にクローユングし、 pBacPAK9- scVB22Bを作 製した。
[0194] 次に、 pBacPAK9-scVB22Bの PvII部位に挿入す片を作製した。すなわち N末端が 欠けた VB22B-VHと VB22B-VLを(Gly Ser)力 成るリンカ一で連結したアミノ酸をコ
4 3
ードする遺伝子をさらに VB22B-VHの N末端をコードする遺伝子と(Gly Ser)カゝら成る
4 3 リンカ一をコードする塩基配列で連結する断片で、両末端が PvuII認識配列となる断 片である。 2種類のプライマーを新たに設計し、 PCR法を用いて、この断片を作製した 。 目的断片の前方プライマー Fv2-f (プライマー E,配列番号: 79)は、 5'末端に PvuII 部位を有し、 VB22B-VHの 5'末端側の配列を持つように設計した。目的断片の後方 プライマー Fv2-r (プライマー F,配列番号: 80)は、 VB22B-VLの C末端をコードする DNAにハイブリダィズし、かつ(Gly Ser)力も成るリンカ
4 3 一をコードする塩基配列なら びに VB22B-VHの N末端をコードする DNAにハイブリダィズする塩基配列、さらに PvuII部位を有するように設計した。 pBacPAK9-scVB22Bを铸型にして、以下のように PCRを行った。
[0195] PCR反応溶液 (50 μ L)の組成を次に示す。
5 ;z L 10 X PCR Bufferゝ
0.4mM dNTPs (dATP, dGTP, dCTP, dTTP)、
2.5ユニットの DNAポリメラーゼ TaKaRa Ex Taq
(以上の成分は!、ずれも宝酒造社製)、
10 μ gの pBacPAK9— scVB22B、
lOpmoleの合成オリゴヌクレオチド Fv2-f、 Fv2-r
[0196] また反応温度条件は次のとおりである。
94°Cの初期温度にて 30秒間、
94°C/15秒間、 72°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 70°C/2分間のサイクルを 5回反復、
94°C/15秒間、 68°C/2分間のサイクルを 28回反復、
最後に反応産物を 72°Cで 5分間加熱した。
[0197] 約 800bpの PCR産物を QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、ァガ ロースゲルから精製した後、 pGEM- T Easyベクター(Promega社製)へクローユングし た。塩基配列の決定後、制限酵素 PvuII (宝酒造社製)で消化した後に、 目的断片を 回収した。 pBacPAK9_scVB22Bを制限酵素 PvuII (宝酒造社製)で消化した後に、回 収した断片を連結し、 PBacPAK9-VB22B sc(Fv)2を作製した。作製したベクターを制 限酵素 EcoRI (宝酒造社製)および制限酵素 Notl (宝酒造社製)で消化した後に、 QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN社製)を用いて、約 1600bpの断片をァガロー スゲルから精製し、発現ベクター pCXND3にクローユングし、 pCXND3- VB22B sc(Fv)2を作製した。
[0198] 2.4 動物細胞を用いた抗ヒト Mpl—本鎖抗体の発現
CHO-DG44細胞を用いた一本鎖抗体の安定発現細胞株の作製は次のようにして 行った。 Gene Pulserll (BioRad社製)を用いたエレクト口ポレーシヨン法により遺伝子 導入した。発現ベクター (25 μ g)と PBSに懸濁した CHO- DG44細胞(1 X 107細胞/ mL )の 0.75mLを混合したものを氷上で 10分間冷却し、キュベットに移した後に 1.5kV、 25 FDの容量にてパルスを与えた。室温にて 10分間の回復期間の後、エレクトロボレ ーシヨン処理された細胞を、 500 μ g/mL Geneticin (Invitrogen社製)を含む
CHO-S-SFMII培地(Invitrogen社製)に加えて選抜し、発現 CHO細胞株を榭立した。 VB22B sc(Fv)2は、この方法で安定発現細胞株およびその培養上清を調製した。
[0199] COS7細胞を用いた一本鎖抗体の一過性発現は次のようにして行った。発現べクタ 一 (10 μ g)と PBSに懸濁した COS7細胞(1 X 107細胞/ mL)の 0.75mLを混合したものを 氷上で 10分間冷却し、キュベットに移した後に 1.5kV、 25 μ FDの容量にてパルスを与 えた。室温にて 10分間の回復期間の後、エレクト口ポレーシヨン処理された細胞を、 10% FBSを含む DMEM培地(Invitrogen社製)にカロえ、ー晚培養した後に、 PBSで洗浄 後に CHO-S-SFMII培地をカ卩えて約 3日間培養した。 VB22B Diabodyは、この方法で 培養上清を調製した。
[0200] 2.5 培養上清中の抗ヒト Mpl—本鎖抗体の定量
COS細胞に一過性発現させた抗ヒト Mpl—本鎖抗体の培養上清中の濃度は、表面 プラズモン共鳴を利用して測定した。すなわち BIAcore2000(Biacore社製)に Sensor
Chip CM5 (Biacore社製)をセットし、 ANTI- FLAG M2 Monoclonal Antibody
(SIGMA-ALDRICH社製)を結合した。流速 5mL/secで適濃度のサンプルを流し、 50mMジェチルァミンを流して結合した抗体を解離させた。サンプルを流したときの質 量変化を測定し、標準品の質量変化に基づいて作成した検量線を用いて、濃度を 算出した。 Diabodyについての標準品は、 dbl2E10(WO02/33073、 WO02/33072参照 )を使用し、 sc(Fv)2についての標準品は同じ遺伝子構造を持つ 12E10 sc(Fv)2を使用 した。
[0201] 2.6 抗ヒト Mpl Diabodyおよび一本鎖抗体の精製
VB22B Diabody発現 COS7細胞あるいは CHO細胞の培養上清を、 50 mM Tris-HCl(pH7.4), 150 mM NaCl, 0.05% Tween20で平衡化した Anti- Flag M2 Affinity Gel (SIGMA- ALDRICH社製)カラムに吸着させ、 100 mM Glycine- HCl(pH 3.5)で溶 出させた。溶出画分は、直ちに 1M Tris-HCl (pH8.0)で中和を行い、 HiLoad 26/60 Superdex200pg (Amersham- Bioscience社製)カラムを用いてゲルろ過クロマトグラフィ 一を行った。ゲルろ過クロマトグラフィーのバッファ一は、 PBS、 0.01% Tween20を使用 した。
[0202] VB22B sc(Fv)2発現 COS7細胞あるいは CHO細胞の培養上清を、 Diabody精製と同 一条件で精製を行った。また、大量に調製する場合には、 CHO細胞の培養上清を 20mMリン酸緩衝液(pH6.8)で平衡化した Macro- Prep Ceramic Hydroxyapatite Type I (Bio-Rad社製)カラムにかけ、 250mMリン酸緩衝液 (pH6.8)で段階的に溶出し た。溶出画分は、限外ろ過膜を用いて濃縮後、 HiLoad 26/60 Superdex200pgカラム を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行い、分子量が約 40kD〜70kDに相当する画 分を分取した。この画分を、 50 mM Tris-HCl(pH7.4), 150 mM NaCl, 0.05% Tween20 で平衡化した Anti- Flag M2 Affinity Gelカラムに吸着させ、 100 mM Glycine- HCl(pH 3.5)で溶出させた。溶出画分は、直ちに 1M Tris-HCl (pH8.0)で中和を行い、 HiLoad 26/60 Superdex200pgカラムを用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。ゲルろ過 クロマトグラフィーのバッファ一は、 20 mM酢酸緩衝液 (pH6.0), 150 mM NaCl, 0.01% Tween 80を使用した。各精製ステップにおいて、 Diabodyおよび sc(Fv)2の確認は、 SDS- PAGEおよび抗 Flag抗体(SIGMA- ALDLICH社)を用いた Western Blottingを用
いて行なった。
[0203] 2.7 Flow Cytometryによる抗ヒト Mpl—本鎖抗体の結合活性の評価
CH0— human Mpl、 CHO— monkey Mplおよび CHO— mouse Mplを回収し、 lxlO6 cells/mLになるように FACS Buffer (1% FBS/ PBS)に懸濁した。 100 L/wellとなるよう に Multiscreen - HV Filter Plates (Millipore社製)に分注し、遠心操作にて上清を除 去した。適濃度の Diabodyまたは sc(Fv)2を加え、氷上にて 30分間反応させた。細胞を 200 μ Lの FACS bufferにて 1回洗浄し、 10 μ g/mLの ΑΝΉ- FLAG M2 Monoclonal Antibody(SIGMA-ALDRICH社製)を添カ卩し、氷上にて 30分間反応させた。次に 200 μ LOFACS bufferにて細胞を 1回洗浄した後、 100倍希釈した FITC標識抗マウス IgG 抗体 (Beckman Coulter社製)を添加し、氷上にて 30分間反応させた。最後に遠心し 上清を除き、 FACS Buffer 400 μ Lに懸濁し、 EPICS ELITE ESP (Beckman Coulter社 )を用いて Flow Cytometryに供した。前方散乱光 (forward scatter)及び側方散乱光( side scatter)のヒストグラムにて生細胞集団にゲートを設定した。
[0204] 精製した VB22B sc(Fv)2を用いて、各種 Mplを発現させた CHO細胞に対する結合 活性を評価した結果を図 5に示す。宿主細胞である CHOおよび CHO- mouse Mplに 対しては結合活性を示さず、 CHO-human Mplおよび CHO- monkey Mplに特異的に 結合することが確認された。この結合活性の傾向は、 VB22B IgGと変わらないことから 、低分子化により抗体の結合部位は変化していないことが推測された。
[0205] 2.8 抗ヒト Mpl—本鎖抗体の TPO様ァゴニスト活性の評価
TPO依存性増殖を示す BaF3-human Mpほたは BaF3-monkey Mplを用いて TPO様 ァゴ-スト活性を評価した。
各細胞を 1% Fetal Bovine Serum(Invitrogen社製)を含む RPMI1640 (Invitrogen社製) で 2回洗浄した後、 4xl05cells/mLとなるように 10% Fetal Bovine Serumを含む
RPMI1640に懸濁し、 60 μ L/wellで 96well plateに分注した。 rhTPO (R&D社製)、 COS7培養上清または精製品の濃度を振り、各 wellに 40 Lカ卩え、 37°C、 5%CO条件
2 下で、 24時間培養した。 10 L/wellで WST- 8試薬(Cell Count Reagent SF、ナカライ テスタ社製)をカ卩え、直後に Benchmark Plusを用いて 450nmの吸光度 (対照 655nm)を 測定し、 2時間培養後に、再度 450 nmの吸光度 (対照 655nm)を測定した。 WST-8試
薬は生細胞数に応じて 450nmの発色反応を呈することから、 2時間の吸光度変化を 指標に TPO様ァゴ-スト活性を評価した。また、 GraphPad Prismを用いて EC 値を算
50 出した。
[0206] また、 TPO依存性増殖を示すヒト白血病細胞株である M-07e(DSMZより購入)を使用 して、 TPO様ァゴ-スト活性を評価した。 M- 07eを 1% Fetal Bovine Serumを含む RPMI 1640で 2回洗浄した後、 5xl05cells/mLとなるように 10% Fetal Bovine Serumを含 む RPMI1640に懸濁し、 50 μ L/wellで 96well plateに分注した。 rhTPO、 COS7培養上 清または精製品の濃度を振り、各 wellに 50 Lカ卩え、 37°C、 5%CO条件下で、 48時間
2
培養した。 10 L/wellで WST- 8試薬(Cell Count Reagent SF、ナカライテスタ社製)を 加え、直後に Benchmark Plusを用いて 450 nmの吸光度 (対照 655nm)を測定し、 4時間 培養後に、再度 450 nmの吸光度 (対照 655nm)を測定した。 4時間の吸光度変化を指 標に TPO様ァゴ-スト活性を評価した。
[0207] 精製した VB22B IgG、 VB22B Diabodyおよび VB22B sc(Fv)2を用いて、
BaF3- human Mpl、 BaF3- monkey Mpl、 M-07eでの TPO様ァゴ-スト活性を評価した 結果をそれぞれ図 6、図 7、図 8に示す。ァゴニスト活性は、抗原結合部位が二価で あることが重要であるが、抗原結合部位間の距離や角度も重要な要素であると考えら れる(WO02/33073、 WO02/33072参照)。新たに取得した抗ヒト Mpl抗体も同様であり 、 VB22B IgG (BaF- human Mpl EC : >30nM)に対して、 VB22B Diabodyおよび
50
VB22B sc(Fv)2は高いァゴ-スト活性 (BaF- human Mpl EC :それぞれ 61pM, 27pM)
50
であり、天然リガンドである human TPO(BaF- human Mpl EC : 76pM)と同等以上の活
50
性を示した。 VB22B Diabodyと比較して VB22B sc(Fv)2が高い活性を示したことから、 一本鎖抗体はリンカ一配列の長さや分子形状によって構造が大きく変化し、ァゴニス ト活性も変化することが推測される。
[0208] 2.9 抗ヒト Mpl—本鎖抗体のヒトイ匕
VB22B sc(Fv)2のヒト化を実施するために、公開されている Kabat Database (ftp://ftp.ebi.ac.uk/pub/databases/kabat/)より抗体の配列データを入手し、 H鎖可 変領域、 L鎖可変領域に分けてホモロジ一検索を行った。その結果、 H鎖可変領域 は DN13(Smithsonら、 Mol Immunol. 1999 ; 36 : 113- 124)と高い相同性を持つことが分
かった。また、 L鎖可変領域は ToP027(Hougsら、 J. Immunol. 1999 ; 162 : 224-237)と高 い相同性を持つことが分力つた。これらの抗体のフレームワーク領域 (以下、 FR)に相 補性抗原決定領域 (以下、 CDR)を移植したヒト化抗体を作製した。ヒト化抗体 sc(Fv)2 を CHO- DG44細胞にて発現させ、 BaF-human Mplを用いたァゴ-スト活性を評価し た。ァゴ-スト活性を指標に、 FR内にアミノ酸置換をカロえ、マウス型 VB22B sc(Fv)2と 同等のァゴ-スト活性を有するヒト化 VB22B sc(Fv)2を作製した。
具体的には、 50base程度の合成オリゴ DNAを約 20base程度ハイブリダィズするよう に設計し、これらの合成オリゴ DNAを PCR法によりアッセンプリさせて各可変領域をコ ードする遺伝子を作製した。これらの遺伝子を用いて、参考例 2.3の方法と同様に、 sc(Fv)2を作製し、発現ベクター pCXND3にクローユングし、 35種類のヒト化 VB22B sc(Fv)2を挿入した各発現ベクター pCXND3- hVB22B p- z sc(Fv)2、
pCXND3-hVB22B g— e sc(Fv)2、 pCXND3— hVB22B e sc(Fv)2、 pCXND3— hVB22B u2-wz4 sc(Fv)2、 pCXND3- hVB22B q- wz5 sc(Fv)2を作製した。本プラスミドに含まれ る hVB22B p-z sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 60に、アミノ酸配列を配列番号: 61 に、 hVB22B g-e sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 62に、アミノ酸配列を配列番号: 6 3に、 hVB22B e sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 64に、アミノ酸配列を配列番号: 65 に、 hVB22B u2-wz4 sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 102に、アミノ酸配列を配列番 号: 100に、 hVB22B q-wz5 sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 103に、アミノ酸配列を 配列番号: 101に示す。またマウス型 VB22B sc(Fv)2の塩基配列を配列番号: 13に、 アミノ酸配列を配列番号: 14に示す。参考例 2.4の方法と同様に CHO-DG44細胞に 発現させ、培養上清を回収した。ヒト化 VB22B sc(Fv)2は Flagタグを付加していないこ とから、培養上清からの精製は、参考例 1.8に記載した VB22Bが認識するェピトープ である MG10 (Gln213から Ala231)と GST融合蛋白質を利用して行った。 MG10と GST 融合蛋白質の精製は、 Glutathione Sepharose 4B (Amersham Biosciences社製)を用 いて、メーカーのプロトコールに従って精製した。さらに、精製した MG10と GST融合 蛋白質をメーカーのプロトコールに従って、 HiTrap NHS- activated HP (Amersham Biosciences社製)に固定化し、ァフィ-ティカラムを作製した。ヒト化 VB22B sc(Fv)2発 現 CHO細胞の培養上清を、 50mM Tris- HCl(pH7.4), 150mM NaCl, 0.01% Tween80
で平衡ィ匕した MG10-GST融合蛋白質固定ィ匕カラムに流し、ヒト化 VB22B sc(Fv)2を吸 着させ、 lOOmM Glycine-HCl(pH3.5),0.01% Tween80で溶出させた。溶出画分は直ち に 1M Tris- HCl(pH7.4)で中和を行い、 HiLoad 16/60 Superdex200pg (Amersham Biosciences社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。ゲルろ過クロマトグラ フィ一の緩衝液は、 20mMクェン酸緩衝液 (pH7.5) , 300mM NaCl, 0.01% Tween 80 を使用した。得られた精製品を用いて、参考例 2.8の方法と同様に TPO様ァゴニスト 活性を評価した。精製したマウス型 VB22B sc(Fv)2、 hVB22B p- z sc(Fv)2、 hVB22B u2-wz4 sc(Fv)2、 hVB22B q- wz5 sc(Fv)2およびヒト化した hVB22B e sc(Fv)2、 hVB22B g-e sc(Fv)2を用いて、 BaF3- human Mplでの TPO様ァゴ-スト活性を評価し た結果を図 9、 10、 11に示す。各種ヒト化 VB22B sc(Fv)2のァゴニスト活性はほぼ同 等であり、ヒト化による活性変化は無いことが示された。
[0210] 2.10 抗ヒト Mpl抗体 VB22B IgG, VB22B sc(Fv)2およびヒト化 VB22B sc(Fv)2の抗原 抗体反応における反応速度論的解析
抗ヒト Mpl抗体 VB22Bが可溶型組換え Mplに結合する性質を利用し、参考例 1.8で 示した MG10 (Gln213から Ala231) - GST融合蛋白質と VB22B IgG, VB22B sc(Fv)2お よびヒト化 VB22B sc(Fv)2との抗原抗体反応における速度論的解析を行った。
Biacore 3000(Biacore社製)に Sensor Chip CM5(Biacore社製)を装着し、ァミンカツプリ ング法にて MG10-GST融合蛋白質を固定ィ匕した。測定のランニングバッファ一は HBS-EP Buffer(Biacore社製)を使用し、流速は 20 μ L/minとした。ここに HBS- EP Bufferで 5.5〜175.0nMの濃度に調製した VB22B IgGをそれぞれ 2分間添カ卩して、各 濃度での結合領域を得た後に、解離領域を 2分間測定した。 Sensor Chip上の MG10-GST融合蛋白質に結合した VB22B IgGは、 20mM HC1を 1分間添カ卩して除去 し、 Sensor Chipを再生した。同様に、 4.7〜150.1nMの VB22B sc(Fv)2、 5.3〜168.9nM の hVB22B q-wz5 sc(Fv)2、 4.9〜156.8nMの hVB22B u2- wz4 sc(Fv)2を調製し、 MG10-GST融合蛋白質を固定ィ匕したチップに添加して、測定を実施した。
[0211] いずれも二価抗体であるため、各濃度で得られたセンサーグラムでは、一価と二価 の両方の結合が混在した状態になる。このため、 BIAevaluation ver.3.1ソフトウェア (Biacore社製)の Bivalent analyte modelを適用して解析することにより、一価の状態で
の反応速度定数を算出した。以上の解析は全ての抗体について 3回実施した。この ようにして算出された、いずれも一価での結合速度定数 (ka)と解離速度定数 (kd)およ び解離定数 (KD)を表 1に示した。 VB22B IgG、 VB22B sc(Fv)2、 hVB22B q-wz5 sc(Fv)2、 hVB22B u2- wz4 sc(Fv)2の解離定数 (KD)は、それぞれ 1.15x10— 8M、 1.17x10— 8M、 1.36 xlO— 8M、 1.02 xlO— 8Mであり、 MG10- GST融合蛋白質に対して、ほ ぼ同等の結合活性を持つことが確認された。
[表 1]
抗ヒト Mp l抗体の抗原抗体反応における速度論的解析結果
産業上の利用の可能性
組換え型ヒト TPOは、化学療法剤等の治療による血小板減少症の治療薬として、さ まざまな形で、臨床試験が行われてきた。その臨床試験において、一つの大きな問 題として、 ΤΡΟの投与による抗 ΤΡΟ抗体の出現が報告されており Ounzhi Li, et. al, Blood (2001) 98, 3241—324、 Saroj Vandhan— Raj. et. al. Ann. Intern. Med. (2000) 132, 364-368)、特に内在性の TPO活性を阻害する中和抗体が産生され、その結果 として、血小板数を回復させるのではなぐ逆に血小板減少症を発症することが報告 されて 、る。本発明によって示される抗 TPO受容体ァゴニスト低分子化抗体の投与 によって、内在性 TPOに対する抗体の出現を誘導することはない。また抗体を低分 子化することにより、高い比活性を示し、また血中半減期を短くできることから、有効 血中濃度の調節が容易となり、臨床応用上有利となると考えられる。従って、天然型 TPOやァゴニスト抗体 (IgG)よりも優れた性質をもつ、血小板減少症の治療薬となるこ とが期待される。また、低分子化抗体は、糖鎖が結合していないことから、組換え型タ ンパクの発現においても、その発現系に制限はなぐ哺乳動物由来の細胞株、酵母 、昆虫細胞、大腸菌、植物いずれの発現系においても、作製することが可能である。