WO2005100869A1

WO2005100869A1 - 加湿器用芳香液組成物

Info

Publication number: WO2005100869A1
Application number: PCT/JP2004/013362
Authority: WO
Inventors: Yumiko Nishi
Original assignee: Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd.
Priority date: 2004-03-31
Filing date: 2004-09-14
Publication date: 2005-10-27
Also published as: JP3780420B2; JP2005290236A

Description

加湿器用芳香液組成物

技術分野

[0001] 本発明は、加湿器用芳香液組成物に関する。更に本発明は、空間内を加湿すると同時に発香する方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、室内空間の乾燥を防止して正常な湿度を保っために、加湿器が使用されている。また、室内空間の臭気による不快感をなくし、快適な空間を生み出すために、芳香成分を揮散させることにより芳香作用を発揮できる芳香剤が広く使用されている

[0003] 加湿器により芳香成分を揮発させることができれば、加湿と芳香の双方の作用を同時発揮させることが可能となり、簡便な方法で室内空間をより快適にすることができる

[0004] し力しながら、単に、加湿器に使用される蒸発用の水に芳香成分を添加するだけでは、水中に芳香成分が十分に分散しない、或いは芳香成分の揮散が不十分である等の不都合がある。一方、芳香成分を水に溶解させるために通常使用されている溶解補助剤、例えば界面活性剤や、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ィソプロピルアルコール等の高級アルコールを芳香成分と混合することによって、芳香成分の水への溶解性の問題は解決し得る。しカゝしながら、本発明者の研究によって、上記溶解補助剤の中には、不快な臭いを伴うものがあったり、また、上記溶解補助剤を含む水を加湿器により蒸発させると、フィルター、給水タンク、加熱体部分等の加湿器構成部材に残留物を生じさせたりすることが分力つた。このような不快な臭、を伴う溶解補助剤の使用は、芳香成分の効果を低減させたり、使用者に不快感を与えたりするため、望ましくない。また、残留物を生じさせる溶解補助剤の使用は、加湿器のフィルターの目詰まり、変色や悪臭の発生、加湿器の劣化等の原因になるため、回避することが望ましい。

[0005] これまで、このような技術的問題点が解決されていないため、加湿器内に残留物を生じさせることなぐ加湿器により加湿と芳香の双方の作用を同時発揮させることができる加湿器用芳香液組成物は、未だ開発されてヽなヽ。

[0006] 一方、芳香成分を水と共に揮発させる技術に関しては、特許文献 1に開示されて!ヽる。具体的には、当該文献には、芳香成分と共に、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール等の各種溶解補助剤を含有するアイロン処理助剤組成物が開示されており、該アイロン処理助剤組成物をスチーム源として衣服にスチームアイロンをかけることにより、衣服に芳香を付与できることが記載されている。しカゝしながら、特許文献 1のアイロン助剤組成物に使用されている溶解補助剤を加湿器用の蒸発用の水に添加すると、前述のように加湿器内に残留物が生じてしまうため、当該溶解補助剤は加湿器用芳香液組成物に配合して使用することはできない。

特許文献 1：国際公開第 02Z10503号パンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] そこで本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。具体的には、本発明は、加湿器の蒸発用の水溶液として使用されて、加湿と芳香の双方の作用を同時に発揮できる加湿器用芳香液組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、芳香成分と共に一般式（

1)で表される化合物を水に混合し、これを加湿器の蒸発用の水溶液として使用すると、加湿器内に残留物を生じさせることなぐ加湿と芳香の双方の作用を同時に発揮できることを見出した。本発明は、カゝかる知見に基づいて、更に検討を重ねることによつて完成したものである。

[0009] 即ち、本発明は、下記に掲げる発明である：

項 1. 芳香成分及び一般式（1)で表される化合物を含有する加湿器用芳香液組成物 [0010] [化 1] 2 3

— C一 CH— R₄ (1)

0

[0011] (式（1)中、 R

1、 Rは、同一又は異なって、炭素数 1

2 一 5のアルキル基又は水素原子；

Rは炭素数 1 ロキシア

3 一 5のアルキル基又は炭素数 1一 5のヒドルキル基; Rは水酸

4 基又は水素原子;及び Rは炭素数 1一 5のアルキル基又は炭素数 1一 5のアルキル

5

エーテル基を示す）。

項 2.更に、エタノールを含有する、項 1に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 3.水を含まない組成物である、項 1又は 2に記載の加湿器用芳香液組成物。項 4.更に、水を含有する、項 1又は 2に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 5.非濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物である、項 1、 2又は 4に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 6.非水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物である、項 1乃至 3のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

項 7.含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物である、項 1、 2又は 4に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 8.—般式（1)で表される化合物力 3—メトキシー 3—メチルー 1ーブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノェチルエーテルよりなる群力も選択される少なくとも 1種の化合物である、項 1乃至 7のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

項 9.使用時の芳香成分濃度が 0. 0005— 1重量％である、項 1乃至 8のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

項 10.芳香成分、一般式（1)で表される化合物、エタノール及び残部水を含有する加湿器用芳香液組成物であって、（a)芳香成分が該組成物の総量に対して、 0. 000 5— 6重量％の割合で含まれており、（b)芳香成分 1重量部に対して、一般式（1)で表される化合物が 0. 05— 1000重量部、及びエタノールが 0. 05— 900重量部の割合で含まれている、項 1、 2、 4、 5、 7又は 8に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 11.組成物の総量に対して、芳香成分を 0. 0005— 1重量％、及び一般式（1)で表される化合物を 0. 00025— 10重量％の割合で含む、項 1、 2、 4、 5、 7又は 8に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 12.組成物の総量に対して、芳香成分を 0. 0005— 1重量％、一般式（1)で表される化合物を 0. 00025— 10重量％、及びエタノールを 0. 00025— 9重量％の割合で含む、項 1乃至 1、 2、 4、 5、 7又は 8に記載の加湿器用芳香液組成物。

項 13.加湿器用の蒸発用の水 100重量部に、項 6又は 7に記載の加湿器用芳香液組成物を 0. 005— 10重量部添加して調製される、加湿器用の蒸発用の芳香液。

[0012] また、本発明は、下記に掲げる加湿発香方法である：

項 14. 空間内を加湿すると同時に発香する方法であって、加湿器を用いて、項 1乃至 12の、ずれかに記載の加湿器用芳香液組成物又は項 13に記載の加湿器用の蒸発用の芳香液を空間内に揮散させることを特徴とする、加湿発香方法。

項 15. 項 6に記載の非水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物又は項 7に記載の含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物を水で希釈して芳香成分の濃度を 0. 000 5一 1重量％に調整し、これを加湿器を用いて空間内に揮散させる、項 13に記載の加湿発香方法。

[0013] 以下に、本発明を詳細に説明する。

[0014] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、芳香成分及び一般式（1)で表される化合物（以下、単に化合物（1)という。）を含有することを特徴とするものである。

[0015] 本発明の加湿器用芳香液組成物に含まれる芳香成分につ!ヽては、天然香料、天然香料から分離された単離香料、合成香料のいずれであってもよぐ従来公知の芳香成分を使用することができる。例えば、芳香成分として、炭素数 6— 12のアルデヒド、ァ-スアルデヒド、ァセタール R、ァセトフエノン、ァセチルセドレン、アドキサール、ァリルアミルグリコレート、ァリルシクロへキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ァンブレットリツド、アンブロキサン、ァミルシンナミックアルデヒド、ァミルシンナミックアルデヒドジメチルァセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルァセテート、ァセチルュゲノール、イソアミルサリシレート、インドール、 αィオノン、 j8ィォノン、 αメチルイオノン、 j8メチルイオノン、 γメチルイオノン、インデン、ェチルヮ-リン、ォウランチォーノレ、オークモス No.1、オリボン、ォキシフエ二ロン、カリオフィレン、力シュメラン、力ノレボン、ガラキソリッド、キャロン、クマリン、パラクレジ一ノレメチノレエーテノレ、ゲラニォ一ノレ、ゲラニノレアセテート、ゲラニノレフォーメート、ゲラニノレニトリノレ、テトラヒドロゲラ-オール、テトラヒドロゲラニールアセテート、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、サンタリノール、メチルサリシレート、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルァセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリノレアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリル-トリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、シンナミルアセテート、ジヒドロジヤスモン、ジメトール、イソシクロシトラール、ジャスマール、ジャスモラタトン、ジャスモフイラン、スチラリールアセテート、スチラリールプロビオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、 13ダマスコン、 αターピネオール、 γターピネオール、ターピ-ルアセテート、チモーノレ、デノレタダマスコン、デルタ C6— C13ラタトン、トナリツド、トラセォライド、トリプラール、イソノニルァセテート、ネロール、ネリールアセテート、ネオべルガメート、ノピールアセテート、ノピーノレアノレコーノレ、バクダノール、ヒヤシンスジメチルァセタール、ヒドロトロピックァノレコール、ヒドロキシシトロネラール、 αピネン、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロへキサノール、パラターシャリーブチルシクロへキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロへキサノール、ジフエ-ルオキサイド、フルイテート、フェンチールアルコール、フエ-ルェチルフエ-ルアセテート、イソブチルキノリン、フエ-ルェチルアルコール、フエ-ルェチルアセテート、フエ-ルァセトアルデハイドジメチルァセタール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ジメチルベンジルカービノール、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオト口ピン、シスー3—へキセノール、シスー3—へキセニールアセテート、シスー3—へキセニールサリシレート、へキシルシンナミックァノレデヒド、へキシルサリシレート、ペンタリッド、ベルドックス、オルトボル-ルアセテート、イソボル-ルアセテート、イソボルネオール、エンドボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミューゲアルデヒド、ミラックアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジミルセトール、ムゴール、ムスク TM— II、ムスク 781、ムスク C 14、ムスク1\ムスタケトン、ムスクチベチン、ムスクモスケン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラ-レート、メチルュゲノール、メントール、メチルフエ-ルアセテート、ュゲノール、イソュゲノール、メチルイソュゲノール、 γ C6— 13ラタトン、ライムオキサイド、メチルラベンダーケトン、ジヒドロリナロール、リグストラール、リリア一ノレ、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリールアセテート、リナリルァセテート、リラール、ルバフラン、ローズフエノン、ローズオキサイド、ヮ-リン、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュべローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ペパーミント油、ペリラ油、プチダレン油、ノイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルゥッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターァニス油、ラバンジン油、ラベンダ一油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、ォコチア油、パチユリ油、タイム油、トン力豆チンキ、テレビン油、ヮ-ラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、力ノレダモン油、カシア油

、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジエリン油、ァニス油、べィ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニゥム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、べチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーッ油、ゆず油等を挙げることができる。

[0016] これらの芳香成分は、 1種単独で使用してもよぐまた 2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。

[0017] 上記芳香成分の中で、溶解限界濃度が 48%以下、好ましくは 47%以下、更に好ましくは 45%以下のものが望ましい。ここで溶解限界濃度とは、エタノール 1重量部に対して芳香成分 1重量部を溶解し、これを撹拌しながら更にイオン交換水を滴下していき、液が 2層に分離した時点での液中の芳香成分の濃度 (重量％)を示す。なお、 2種以上の成分の混合物からなる芳香成分を使用する場合、上記溶解限界濃度は該混合物自体が示す値である。

[0018] また、本発明で使用する芳香成分の好適なものとして、水酸基、カルボキシル基、アルコシキ基、エステル基、ホルミル基、カルボニル基等の極性の官能基を有する成分、及び該成分を含む混合物が挙げられる。

[0019] また、本発明で使用する芳香成分は、特に制限されないが、 25°Cにおける蒸気圧 1S 例えば 0. 5mmHg以上、好ましくは 0. 6mmHg以上、更に好ましくは 0. 7mmH g以上のものが望ましい。力かる特性を備える芳香成分であれば、加湿器用の蒸発用芳香液としてより優れた芳香作用を発揮し、しカゝも残留物の生成を一層抑制することができる。なお、 2種以上の成分の混合物からなる芳香成分を使用する場合、上記蒸気圧は該混合物自体が示す値である。

[0020] 本発明の加湿器用芳香液組成物に含有される化合物（1)は、下式で表される化合物である。

[0021] [化 2]

— C— CH-R₄ (1)

0

R₅

[0022] 式中、 Rは炭素数 1

1 一 5のアルキル基又は水素原子、好ましくはメチル基、ェチル基又は水素原子を示す。 Rは炭素数 1一 5のアルキル基又は水素原子、好ましくはメ

2

チル基、ェチル基又は水素原子を示す。 Rは炭素数 1

3 一 5のアルキル基又は炭素数

1一 5のヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、ェチル基、ヒドロキシメチル基又はヒドロキシェチル基を示す。 Rは水酸基又は水素原子を示す。 Rは炭素数 1

4 5 一 5のアルキル基又は炭素数 2— 5のアルキルエーテル基、好ましくはメチル基、ェチル基又は炭素数 3— 5のアルキルエーテル基を示す。なお、上記 R— Rのアルキル基は

1 5

、直鎖であっても側鎖を有していても良い。また、上記 Rのアルキルエーテル基につ

5

いても、直鎖であっても側鎖を有していても良い。

[0023] 当該化合物（1)は、特に制限されないが、水に対する溶解性が高いものが望ましい。例えば、 20°Cの水 10mlに該化合物 10gを添加混合した場合に、 50%以上、好ましくは 90%以上、更に好ましくは 99%以上の溶解性を示すィ匕合物が望ましい。 [0024] 特に、化合物（1)として、式中、 R力 Sメチル基、 R力 Sメチル基、 R力 Sヒドロキシメチル

1 2 3

基、 Rが水素原子、 Rがメチル基を示す化合物;及び Rが水素原子、 Rが水素原子

4 5 1 2

、 R力 Sメチル基、 Rが水酸基、 R力 Sメチル基、ェチル基又は下式（2)で表されるアル

3 4 5

キルエーテル基を示すィ匕合物を好適に使用することができる。

[0025] [化 3]

[0026] このような化合物として、具体的には、 3—メトキシー 3—メチルー 1ーブタノール (式中、 Rカチル基、 R力 Sメチル基、 Rがヒドロキシメチル基、 Rが水素原子、 Rカチル基

1 2 3 4 5 である化合物）、プロピレングリコールモノメチルエーテル（式中、 Rが水素原子の場

1

合、 Rが水素原子、 Rカチル基、 Rが水酸基、 Rカチル基である化合物）、プロ

2 3 4 5

ピレンダリコールモノェチルエーテル（式中、 Rが水素原子、 Rが水素原子、 Rがメ

1 2 3 チル基、 Rが水酸基、 Rがェチル基である化合物）及びジプロピレングリコールモノメ

4 5

チルエーテル (式中、 Rが水素原子、 Rが水素原子、 R力 Sメチル基、 Rが水酸基、 R

1 2 3 4

が一般式（2)で表されるアルキルエーテル基である化合物）を例示できる。これらの

5

中で、好ましくは、 3—メトキシー 3—メチルー 1—ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノェチルエーテルであり、特に好ましくは 3—メトキシー 3—メチルー 1ーブタノールである。

[0027] このような化合物は、商業的に入手することができる。例えば、 3—メトキシー 3—メチルー 1ーブタノール（商品名「ソルフイット」、クラレネ土製）、プロピレングリコールモノメチルエーテル（商品名「アーコソルブ PM」、アーコ社製）、プロピレングリコールモノェチルエーテル（商品名「アーコソルブ PE」、アーコ社製）、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル（商品名「アーコソルブ DPM」、アーコ社製)等が市販されている。

[0028] 本発明において、上記化合物（1)は、 1種単独で使用してもよぐまた 2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。

[0029] 本発明の加湿器用芳香液組成物に含まれる上記芳香成分と上記化合物（1)の割合としては、使用する芳香成分やィ匕合物（1)の種類等によって異なるが、例えば、芳香成分 1重量部に対して、化合物（1)が 0. 05— 1000重量部、好ましくは 0. 07— 2 00重量部、更に好ましくは 0. 5— 100重量部となる割合が例示される。

[0030] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、上記芳香成分と化合物（1)の他に、エタノールを含有してもよい。エタノールを含有することによって、水に対する芳香成分の分散性を良好にでき、また加湿器内での残留物の生成をより一層抑制できる。更には、エタノールの作用により加湿器の給水タンク内の防腐効果を得ることもできる。

[0031] 本発明の加湿器用芳香液組成物にエタノールを含有させる場合、該エタノールの配合割合については、特に制限されないが、例えば、芳香成分 1重量部に対して、エタノーノレ力 SO. 05— 900重量咅、好ましく ίま 0. 9— 180重量咅、更に好ましく ίま 15 一 90重量部となる割合が例示される。

[0032] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、使用時に加湿器用の蒸発用芳香液として使用されるため使用時には水を含有する力後述するように、濃縮タイプの形態であれば、水を含まなくてもよい。なお、後述するように、水を含有する加湿器用芳香液組成物には、非濃縮タイプのみならず、濃縮タイプ (無水濃縮タイプ)の形態の場合も含まれる。

[0033] また、本発明の加湿器用芳香液組成物は、本発明の効果を妨げな！/、ことを限度として、上記成分の他に、溶解剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、消臭剤等の他の成分を適当量含有してもよい。なお、界面活性剤や高沸点アルコール (例えば、沸点 180°C以上）が加湿器の蒸発用の水（芳香液）に含まれていると、加湿器のフィルターや給水タンクに残留物が生じる場合があるので、本発明の加湿器用芳香液組成物はこれらの成分を含んでヽな、ものが望まし、。

[0034] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、水を用いて、芳香成分の濃度が 0. 0005- 1 重量⁰ /₀、好ましくは 0. 0008— 0. 1重量⁰ /₀、更に好ましくは 0. 001— 0. 01重量⁰ /₀となるように調整されて、加湿器用の蒸発用芳香液として使用される。このような濃度に調整し、加湿器用の蒸発用芳香液として使用することにより、加湿効果と共に良好な芳香効果を奏することが可能になる。

[0035] 前述するように、本発明の加湿器用芳香液組成物において、化合物（1)やエタノールの配合割合は、芳香成分の配合割合と対応関係にある。従って、芳香成分が上記濃度範囲に調整されることにより、化合物（1)やエタノールの使用時の濃度も定まる。一例として、使用時の化合物（1)やエタノールの濃度を挙げると次の通りである。使用時の化合物（1)の濃度としては、化合物（1)力使用時の加湿器用芳香液組成物の総量に対して、例えば 0. 00025— 10重量⁰ /₀、好ましくは 0. 0004— 8重量⁰ /₀、更に好ましくは 0. 0005— 5重量％が例示される。また、更にエタノールを含有する場合、使用時のエタノールの濃度としては、使用時の加湿器用芳香液組成物の総量に対して、例えば 0. 00025— 9重量⁰ /₀、好ましくは 0. 0004-7. 5重量⁰ /₀、更に好ましくは 0. 0005— 4. 6重量⁰ /₀力列示される。

[0036] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、水を含有し、芳香成分等の濃度が上記範囲に予め調整されて!、るもの（非濃縮タイプ)であってもよ!、。かかる非濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物は、使用時に、加湿器用の蒸発用芳香液としてそのまま使用できる。

[0037] また、本発明の加湿器用芳香液組成物は、使用時に、上記芳香成分濃度となるように加湿器用の蒸発用の水で希釈されて使用されるもの、即ち濃縮タイプの形態のものであってもよい。ここでいう「加湿器用の蒸発用の水」は、常水（上水道水）、家庭用浄水器の水などでかまわな、。このような濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物としては、例えば、水以外の成分で構成されるもの（無水濃縮タイプ)の他に、水を含むが芳香成分等の濃度が上記使用時の濃度より高いもの (含水濃縮タイプ)が挙げられる。力かる濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物は容積を抑制できると、う点で利点があり、流通段階では有用である。特に、含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物では、使用時に水で希釈する際に、芳香成分の水への分散性の点においても優れている。

[0038] 含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物にぉ、て、水の配合割合は、使用する化合物（1)の種類やエタノールの配合の有無、目的の希釈倍率等に応じて適宜設定される。含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物中の水の配合割合としては、例えば、上記芳香成分、化合物（1)及びエタノールの合計量 (エタノールを含まない場合は、芳香成分と化合物（1)の合計量） 100重量部に対して、水が 0. 1— 300重量部、好ましくは 0. 2— 250重量部、更に好ましくは 0. 3— 200重量部となる割合が例示される。このような割合で水を配合することにより、水が可溶ィ匕している状態、或いは乳化状態の含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物が得られる。含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物に配合される水としては特に制限されないが、脱塩水（蒸留水、イオン交換水も含む）が望ましい。なお、ここでいう「可溶ィ匕している状態、或いは乳化状態」とは、 20°C、 300rpmで 30分間攪拌した後、 25°Cで 7日間放置しても芳香成分が分離して 2層に分かれな、程度に可溶ィ匕或いは乳化して!/、る状態を意味する。

[0039] 上記濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物は、使用時に、加湿器用の蒸発用の水で希釈して芳香成分等の濃度を上記使用時の濃度に調整し、加湿器用の蒸発用の芳香液とし使用される。上記濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物から加湿器用の蒸発用の芳香液を調製するには、例えば、水 100重量部に対して、上記濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物を 0. 005— 10重量部、好ましくは 0. 007— 7重量部、更に好ましくは 0. 01— 5重量部添加すればよい。なお、濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物の場合、その希釈倍率を該組成物を収容する容器に明示しておいたり、更には目的の容量を計量できる計量カップを付属させておくことが望ま、。

[0040] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、通常用いられてヽる加湿器の何れにも使用することができる。本発明の加湿器用芳香液組成物を使用できる加湿器の一例として、ヒーターで水を加熱して加湿するスチーム式;スチーム式に更にファン等による送風加湿手段を組み合わせたスチームファン式；水を浸み込ませたフィルターに対してファン等で送風することにより加湿する気化式;水を浸み込ませたフィルターに対して温風をファン等で送風することにより加湿するハイブリッド式;超音波により加湿する超音波式;及びこれらの複合型等の加湿方式を採用する加湿器が挙げられる。

[0041] 本発明の加湿器用芳香液組成物を用いて、加湿器により該組成物を揮散 (蒸発）させることにより、空間内を加湿すると共に、芳香で満たすことができる。故に、本発明は、他の観点から、空間内を加湿すると同時に発香する方法であって、加湿器を用いて、上記加湿器用芳香液組成物を空間内に揮散 (蒸発)させることを特徴とする、加湿発香方法を提供する。なお、ここでいう空間とは、加湿器が使用される空間 (例えば、室内や車内等の空間）を意味する。 [0042] また更に、別の観点から、本発明は、芳香成分及び化合物（1)の揮散 (蒸発)方法を提供する。該発明によれば、揮散 (蒸発)時に、揮散成分 (蒸発した成分)の総重量に対して、芳香成分が 0. 0005— 1重量％及び化合物（1)が 0. 00025— 9重量％となる割合で、芳香成分及び化合物（1)を揮散 (蒸発)させることにより、残留物を生じさせることなぐ優れた加湿及び芳香効果を奏することができる。上記割合で、芳香成分及びィ匕合物（1)を揮散させるには、簡便には、上記加湿器用芳香液組成物を使用すればよいが、例えば、芳香成分及びィ匕合物（1)を上記加湿器用芳香液組成物の使用時の濃度よりも高く調整した加湿器用蒸発用芳香液を用いて、芳香成分及び化合物（1)が水に比べて選択的に揮発 (蒸発)され難!、揮散条件を適宜設定すること〖こよっても実施できる。即ち、本発明は、更に、下記態様の芳香成分及び一般式（ 1)で表される化合物の揮散方法を提供する。

1) 芳香成分及びィ匕合物（1)を揮散 (蒸発)させる方法であって、揮散成分 (蒸発した成分）の総重量に対して、芳香成分が 0. 0005— 1重量％及び化合物（1)が 0. 000 25— 10重量％になる割合で、芳香成分及び化合物（1)を揮散 (蒸発)させることを特徴とする、方法。

2) 揮散成分 (蒸発した成分)の総重量に対して、芳香成分が 0. 0008— 0. 1重量 %及びィ匕合物（1)が 0. 0004— 8重量％になる割合で、芳香成分及び化合物（1)を揮散 (蒸発)させることを特徴とする、 1)に記載の方法。

3) 揮散成分 (蒸発した成分)の総重量に対して、芳香成分が 0. 001—0. 01重量 %及びィ匕合物（1)が 0. 0005— 5重量％になる割合で、芳香成分及び化合物（1)を揮散 (蒸発)させることを特徴とする、 1)又は 2)に記載の方法。

4) 芳香成分及び化合物（1)と共に、更にエタノールを、揮散成分 (蒸発した成分)の総重量に対して、例えば 0. 00025— 10重量⁰ /₀、好ましくは 0. 0004— 8重量⁰ /₀、更に好ましくは 0. 0005— 5重量％になる割合で揮発 (蒸発)させることを特徴とする、 1) 乃至 3)の、ずれかに記載の方法。

発明の効果

[0043] 本発明の加湿器用芳香液組成物は、加湿器用の蒸発用芳香液として使用しても、加湿器内に残留物を生じさせることがない。それ故、本発明の加湿器用芳香液組成物は、フィルターの目詰まりや変色、悪臭、加湿器の劣化等の加湿器内の残留物による不具合を起こすことなぐ加湿器用芳香液として安全に使用できる。

[0044] また、本発明の加湿器用芳香液組成物は、加湿と芳香の双方の作用を同時に発揮することがでる。従って、本発明の加湿器用芳香液組成物によれば、空間内を正常な湿度に保持し、且つ香りを楽しむことができる快適な空間^ |IJ出することが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

[0045] 以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

[0046] 試験例 1 残留物確認試験

表 1に示す組成の芳香液を調製し (実施例 1 3及び比較例 1 2)、これらを用いて以下の方法で残留物確認試験を行った。

[0047] 容量 140mLの耐熱性瓶を 105°Cの恒温槽に入れて 8時間加熱した。次いで、この耐熱性瓶をデシケーターに入れて、 18時間、 25°Cで冷却乾燥した後、耐熱性瓶の重量を測定した。次いで、耐熱性瓶に芳香液組成物を所定量添加して、再度、 105 °Cの恒温槽に入れて 8時間加熱し、耐熱性瓶中の芳香液を蒸発させた。この耐熱性瓶をデシケーターに入れて、 18時間、 25°Cで冷却乾燥した後、耐熱性瓶の重量を測定した。下記計算式に従って、芳香液の残留物発生割合 (％)を算出した。

[0048] [数 1]

^an^^^ fo^ (芳香液組成物添加乾燥後の瓶重量)—— (芳香液組成物添加前の瓶重量） _n - 歹ま留物発生割合（％) = X 100

(瓶中への芳香液組成物の添加量）

[0049] 得られた結果を表 1に併せて示す。この結果から、芳香成分と共に化合物（1)を組み合わせて含有する芳香液では、残留物発生割合が顕著に低いことが明らかになつた。これに対して、通常、芳香成分の溶解剤として使用されているジプロピレングリコールを含む芳香液では、高、割合で残留物が生じることが確認された。

[0050] また、実施例 1—3及び比較例 1—2の芳香液 lgを水 lOOmLに添加したところ、実施例 1 3及び比較例 2の芳香液は良好な溶解性を示したが、比較例 1の芳香液は水に溶解できな力つた。 [0051] [表 1]

[0052] 実施例 4 5

表 2に示す組成の含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物を調製した。水道水 1 Lを入れた加湿器のタンク内に、この含水濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物 5gを添加して混合した後、スチーム式加湿器にて蒸発させた。加湿器用芳香液組成物の蒸発が開始して、約 5— 20分後に室内が芳香で満たされた。また、使用後に加湿器内のタンクや発熱部分等を確認したところ、水道水力発生するミネラル分以外の残留物はほとんど生じていなカゝつた。また、同様の試験を気化式加湿器、及びハイプリッド式加湿器を用いて行ったところ、上記スチーム式加湿器の場合と同じ結果が得られた。

[0053] [表 2] 配合成分（単位；重量 (g)) 実施例 4 実施例 5

芳香成分（溶解限度濃度 40.

1.75 1.75

2 %、蒸気圧 1· 5mmHg)

エタノール 86.4 66.25

3づトキシー 3-メチルー 1ーブタノ

1.85 12

ール

イオン交換水 10 20

(ΐΓ 100 100

Claims

請求の範囲 [1] 芳香成分及び一般式 (1)で表される化合物を含有する加湿器用芳香液組成物 [化 1] 2 3 — C一 CH-R4 (1) 0 I

(式（1)中、 R、 Rは、同一又は異なって、炭素数 1

1 2 一 5のアルキル基又は水素原子；

Rは炭素数 1一 5のアルキル基又は炭素数 1一 5のヒドロキシアルキル基; Rは水酸

3 4 基又は水素原子;及び Rは炭素数 1

5 一 5のアルキル基又は炭素数 1一 5のアルキルエーテル基を示す）。

[2] 更に、エタノールを含有する、請求項 1に記載の加湿器用芳香液組成物。

[3] 水を含まない組成物である、請求項 1又は 2に記載の加湿器用芳香液組成物。

[4] 更に、水を含有する、請求項 1又は 2に記載の加湿器用芳香液組成物。

[5] 一般式（1)で表される化合物力 3—メトキシー 3—メチルー 1ーブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノェチルエーテルよりなる群力も選択される少なくとも 1種の化合物である、請求項 1乃至 4のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

[6] 使用時の芳香成分濃度が 0. 0005— 1重量％である、請求項 1乃至 5のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

[7] 濃縮タイプの加湿器用芳香液組成物である、請求項 1乃至 6のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物。

[8] 加湿器用の蒸発用の水 100重量部に請求項 7に記載の加湿器用芳香液組成物を

0. 005— 10重量部添加して調製される、加湿器用の蒸発用の芳香液。

[9] 空間内を加湿すると同時に発香する方法であって、加湿器を用いて、請求項 1乃至 8のいずれかに記載の加湿器用芳香液組成物を空間内に揮散させることを特徴とする、加湿発香方法。