明 細 書
バイオレメディエーシヨンサイトの生物活性判定方法及びそれに用いる微 生物検出用ポリヌクレオチド
技術分野
[0001] 本発明は、バイオレメディエーシヨンサイトの生物活性判定方法及びそれに用いる 微生物検出用ポリヌクレオチドに関する。
背景技術 素化合物による地下水や土壌の汚染は、世界共通の深刻な問題であり、しばしば、 新聞紙上等のマスコミでも詳細に取り上げられ、これらの物質による環境汚染を修復 するための技術開発が社会的に強く要求されている。
[0003] 汚染環境修復技術として、物理化学的方法と生物的方法とがあげられるが、低濃 度汚染の修復には、微生物を用いる生物的環境修復方法 (バイオレメディエーシヨン )が特に適している。バイオレメディエーシヨンは、土壌の掘削が必要なぐ建造物下 の環境修復も容易であること、低コストで環境負荷が少ないことから、その実用化へ の期待が大きい。
[0004] ノ ィォレメディエーシヨンの方式には、汚染された土壌や地下水に元来生息する微 生物に、例えば、各種栄養物質等を供給し、微生物の持つ環境汚染物質の分解除 去能力を増強させる方式 (バイオスティミュレーシヨン)と、環境汚染物質を分解除去 する能力を持つ微生物を汚染環境に直接導入する方式 (バイオォーギュメンテーシ ヨン:例えば、特開 2003— 154332号公報)とがある。 TCEに汚染された地下水の環 境修復を、バイオスティミュレ一シヨンとバイオォーギュメンテーシヨンにより行い、優 れた成果をあげた例もある。
[0005] ノ ィォレメディエーシヨンを適用するにあたり、その汚染サイトがバイオスティミュレ ーシヨン可能か、あるいは、系外から汚染物質分解能力を持つ微生物を導入するバ ィォォーギュメンテーシヨンを適用しなければならないかの判定を迅速に行うことが望 まれている(例えば、特開 2000— 079000号公報)。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] そこで、本発明は、テトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン (TCE)により汚 染された環境中の微生物を検出し、前記環境の汚染物質分解能力(生物活性)を迅 速に判定できる方法、及び、前記判定方法に用いる微生物検出用ポリヌクレオチド の提供を目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 前記目的を達成するために、本発明の環境の生物活性判定方法は、 PCE及び TC Eの少なくとも一方の有機塩素化合物で汚染された環境の生物活性判定方法であつ て、環境試料力も抽出した核酸を遺伝子増幅方法により増幅してターゲットとし、前 記ターゲットを前記有機塩素化合物の分解関連バクテリアに特有の塩基配列を含む DNAプローブとハイブリダィズさせることで前記環境中の前記バクテリアを検出し、 検出された前記バクテリアの前記有機塩素化合物及びその脱塩素化物に対する分 解能力に基づき、前記環境の前記有機塩素化合物の除去能力を判定する生物活性 判定方法である。
ここで、前記 DNAプローブは、本発明のポリヌクレオチドである下記(1)一(4)のい ずれかのポリヌクレオチドを含む DNAプローブを 1つ又は 2つ以上含む。
(1)配列番号 1一 17及び配列番号 19一 105のいずれかの塩基配列からなるポリヌク レオチド。
(2)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドと相補的な塩基配列力 なるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノヽイブリダィ ズするポリヌクレオチド。
(3)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドとの相同性が 90%以上であるポリヌクレオチド。
(4)前記(1)一 (3)の 、ずれかのポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌ クレオチド。
また、本発明における検出対象の有機塩素化合物分解関連バクテリアは、下記 A から Rからなる群力も選択される 1種又は 2種以上の嫌気性バクテリアを含む。
A:デノヽロスピリノレム マノレチヴオボランス (Dehalospirillum multivorans)
B :デスルフイトバタテリゥム フラピエリ (Desulfitobacterium frappieri)
C :ァクチノマイセタレス Sm— 1 (ロドコッカス sp. Sm-1)
(Actinomvcetales Sm- 1 (Rhodococcus sp. ¾m- 1) )
D :ロド、 3ッカス ロド、 3ッカス (Rhodococcus rhodococcus)
E :キサントパクター フラバス (Xanthobacter flavus)
F :マイコノ クテリゥム LI (Mycobacterium L1)
G :デスルフォミクロビゥム ノルべギカム(デスルフォヴイブリオ ノキユラタス)
( Desulfomicrobium norvegicum (Desulfovibrio baculatus) )
H :デスノレフイトバタテリゥム デハロゲナンス (Desulfitobacterium dehaloeenans) I:デスルフイトバタテリゥム ハフ二エンス (Desulfitobacterium halhiense)
J :クロストリジゥム フオノレミコアセチカム (Clostridium formicoaceticum)
K :デスノレフロノナス クロ口エテュ力 (Desulluromonas chloroethenica)
L :ァセトバタテリゥム ゥッディ DSM 1030
(Acetobactenum woodii DSM 1030)
M :デハロバクタ一 レストリクタス (Dehalobacter restrictus)
N :デスルフイトバタテリゥム sp. PCE1
( Desulfitobacterium sp. strain PCE1)
O :デスルフイトバタテリゥム フラピエリ TCE1
( Desulfitobacterium frappieri Tし El)
P :ァセトバタテリゥム ゥッディ DSM 2396
(Acetobactenum woodii DSM 23%ノ
Q :デスルフォモ-ル タイドジエイ DCB-1 (Desulfomonile tiediei DCB- 1) R :ァノヽ口コッコィァス エタノジェネス 195 (Dehalococcoides ethenogenes 195) 発明の効果
本発明者らは、 PCEや TCE等の有機塩素化合物による汚染環境のバイオレメディ
エーシヨンに関して、汚染環境中から有機塩素化合物及びその脱塩素化物を分解 できる嫌気性バクテリアを迅速に検出できれば、バイオスティミュレ一シヨンが可能か 、又は、バイオォーギュメンテーシヨンが必要かの判断が容易になることに着目した。 そして、現在知られている 18種類の有機塩素化合物及びその脱塩素化物を分解で きる嫌気性バクテリア (前記 A— Rのバクテリア。以下、嫌気性有機塩素化合物分解 関連バクテリアともいう。)の検出方法について、鋭意研究を重ねた。
[0009] その結果、前記 A— Rのバクテリアに共通するゲノムの領域である ITS領域の塩基 配列(配列番号 1一 18)が、それぞれのバクテリアで特異性があり、この塩基配列に 基づくポリヌクレオチドを含む DNAプローブを用いれば、前記 A— Rのバクテリアを、 例えば、 DNAマイクロアレイ等の遺伝子検出技術を用いて検出できることを見出した
[0010] さらに、本発明者らは、研究を重ね、 18種類の前記 A— Rのバクテリアのそれぞれ の ITS領域の塩基配列(配列番号 1一 18)から、例えば、 DNAマイクロアレイ等に好 ましく使用できる長さであって、互いに交差反応することなく前記 A— Rのバクテリアを 同時に検出できる特異的な塩基配列 (配列番号 19一 115)を特定し、本発明に到達 した。
[0011] 前記 ITS領域とは、バクテリアゲノムの 16Sリボゾ一マル DNAと 23Sリボゾ一マル D NAとの間の転写を受ける領域(Internal Trancscribed Spacer)のことである。なお、前 記 A— Qのバクテリアの ITS領域の塩基配列(それぞれ、配列番号 1一 17)は、本発 明者らにより初めて決定された配列である。
[0012] 本発明は、汚染環境中の有機塩素化合物分解関連バクテリアを、 DNAプローブを 用いて迅速に検出し、前記バクテリアの分解能力(例えば、図 5B参照)に基づき、前 記環境の PCE及びその脱塩素化物の除去能力を判定できる。したがって、本発明 によれば、バイオレメディエーシヨンにおいて、バイオスティミュレ一シヨンが可能か、 又は、バイオォーギュメンテーシヨンが必要かの判断が容易になり、適切な環境修復 方法の選択が可能となる。さらに、環境修復方法を迅速、適切に選択することで、環 境修復を安価なものとすることが可能となる。
[0013] PCEの分解は、好気性条件では困難であると考えられている。また、通常、地表よ
り 50cm以下は嫌気性であると考えられている。したがって、 PCEの汚染環境や、地 表 50cm以下の汚染環境を、本来利用可能な嫌気性微生物ではなく好気性微生物 で修復することは、余分なコストやエネルギーの投入となる場合もある。本発明によれ ば、このような余分なコストやエネルギーの使用を回避することが可能となる。
図面の簡単な説明
[0014] [図 1]図 1は、実施例 1における DNAマイクロアレイによる検出結果を示す図である。
[図 2A]図 2Aは、実施例 2における DNAマイクロアレイのスキャン結果を示す写真で ある。
[図 2B]図 2Bは、実施例 2における DNAマイクロアレイを用いたバクテリア Mの検出 結果を示すグラフである。
[図 3A]図 3Aは、実施例 3における DNAマイクロアレイのスキャン結果を示す写真で ある。
[図 3B]図 3Bは、実施例 3における DNAマイクロアレイを用いたバクテリア Jの検出結 果を示すグラフである。
[図 4]図 4は、実施例 4におけるバクテリア A、 B、 I、 J、 M、 N及び Oを検出した DNAマ イクロアレイのスキャン結果を示す写真である。
[図 5A]図 5Aは、 PCEの分解経路を説明する図である。
[図 5B]図 5Bは、バクテリア A— Rの有機塩素化合物に対する分解活性を説明する図 である。
発明を実施するための最良の形態
[0015] 本発明の生物活性判定方法において検出対象とするバクテリアは、有機塩素化合 物分解関連バクテリアであって、現在、 PCE力 ェテン又は二酸ィ匕炭素への分解に 関与すると知られている前記 A— Rの 18種類のバクテリアを 1種類又は 2種類以上含 む。また、有機塩素化合物分解関連バクテリアとしては、これらに限られず、今後 PC Eの分解に関連するとして明らかになるバクテリアを含むものである。
[0016] 前記 Aから Qのバクテリアは、以下に示す生物資源保存機関である ATCC又は DS MZの寄託番号が付されており、該当機関から入手することができる。
A: DSM 12446 B: DSM 13498 C :ATCC 51239
D :ATCC 21197 E : DSM 10330 F: DSM 6695
G : DSM 1741 H : DSM 9161 I : DSM 10644
J :ATCC 27076 K: DSM 12431 L: DSM 1030
M : DSM 9455 N : DSM 10344 0 : DSM 12704
P : DSM 2396 Q :ATCC 49306
[0017] PCEは、脱塩素化され、 TCE、ジクロロエチレン(DCE)、ビュルクロライド(VC)と なり、最終的に、ェテン又は二酸ィ匕炭素に分解される。図 5Aに、一般的な PCEの分 解経路を示す。前記 A— Rのバクテリアの PCE及び脱塩素化物に対する分解活性は 、既に知られており、各バクテリアの生物活性を図 5Bに示す。したがって、環境中に 、前記 A— Rのノクテリアの少なくとも一種類を検出できれば、その環境が、検出され たバクテリアの分解活性に対応した生物活性を備えていると判定することができる。
[0018] 具体的には、例えば、環境中に、前言 6J、 L及び Pの少なくとも 1種のバクテリアが検 出された場合は、前記環境が、 PCEを TCEに分解する生物活性を有すると判定でき 、前記 A、 G及び Mの少なくとも 1種のバクテリアが検出された場合は、 PCEをシス型 ジクロロエチレン (dsDCE)に分解する生物活性を有すると判定でき、前記 B、 I、 H、 N、 O及び Qの少なくとも 1種のバクテリアが検出された場合は、 PCE及び TCEを cis DCEに分解する生物活性を有すると判定でき、前記バクテリア Kが検出された場合 は、 PCE及び TCEを DCEに分解する生物活性を有すると判定でき、前記バクテリア Rが検出された場合は、 PCE、 TCE、 DCE及び VCをェテンに分解する生物活性を 有すると判定でき、前記 C、 D及び Eの少なくとも 1種のバクテリアが検出された場合 は、 DCE及び VCを二酸ィ匕炭素に分解する生物活性を有すると判定でき、前記パク テリア Fが検出された場合は、 VCを二酸ィ匕炭素に分解する生物活性を有すると判定 できる。また、異なる分解活性を有するバクテリアが 2種類以上検出された場合には、 前記環境が、それぞれの分解活性を組合せた生物活性を有すると判定できる。
[0019] 本発明の生物活性判定方法におけるバクテリアの検出方法は、環境試料力も核酸 を抽出し、遺伝子増幅方法によって、ターゲットを作製する工程と、検出対象パクテリ ァに特異的な DNAプローブに前記ターゲットをハイブリダィズさせる工程とを含む。
[0020] 本発明において、前記 DNAプローブは、検出対象バクテリアの ITS領域に由来す
る。すなわち、配列番号 1一 18の塩基配列の全部又はその一部を含むポリヌクレオ チドを、本発明における DNAプローブとして使用できる。
[0021] 原核生物のリボゾ一マル RNA(rRNA)である 16SrRNA、 23SrRNA及び 5SrR NAは、通常、 1つの転写単位 (オペロン)として転写されるため、 16SrRNA遺伝子と 23SrRNA遺伝子は隣り合ってゲノム上に配置されている。この 16SrRNA遺伝子と 23SrRNA遺伝子との間の領域が、 16S- 23S Internal Transcribed Spacer(ITS)と 呼ばれる領域である。
[0022] 本発明者らは、前記 A— Qのバクテリアにおける前記 ITS領域の塩基配列(それぞ れ、配列番号 1から 17)を決定し、この ITS領域のポリヌクレオチドであれば、前記 A 力も Qのバクテリアに特有の DNAプローブが作製できることを初めて見出した。なお 、前記バクテリア Rのゲノム塩基配列は、コーネル大の Dr. Zinder氏により配列決定さ れたものである。前記バクテリア Rの ITS領域の塩基配列(配列番号 18)も、前記バタ テリア Rに特異的であるため、前記バクテリア Rの ITS領域に由来する DNAプローブ と、前記 17種の A— Qのバクテリアの ITS領域に由来する DNAプローブとを併用す れば、前記 A力 Rの 18種全てのバクテリアを検出できる一組の DNAプローブとす ることがでさる。
[0023] 前記 A— Rのバクテリアを検出する DNAプローブとしては、前記 ITS配列全体より もその一部の塩基配列からなるものが好ましい。 DNAプローブは、通常、その長さが 短くなるほど配列特異性が増し、信頼度が向上するからである。一方、配列自体が前 記バクテリアそれぞれに対して特有である必要がある。 DNAプローブの長さとしては 、特に制限されないが、例えば、 10塩基力も前記 ITS配列全体であり、 40— 80塩基 が好ましい。
[0024] 前記 A— Rのバクテリアを検出する DNAプローブとして使用できる ITS領域由来の 長さ 40塩基のポリヌクレオチドの具体例力 配列番号 19一 115の塩基配列力もなる ポリヌクレオチドである。
[0025] すなわち、前記バクテリア Aを検出する DNAプローブとして、配列番号 19一 25の 塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Bを検出する DNAプロ ーブとして、配列番号 26— 30の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記
バクテリア Cを検出する DNAプローブとして、配列番号 31— 35の塩基配列を含むポ リヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Dを検出する DNAプローブとして、配列番 号 36— 40の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Eを検出す る DNAプローブとして、配列番号 41一 45の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用 でき、前記バクテリア Fを検出する DNAプローブとして、配列番号 46— 48の塩基配 列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Gを検出する DNAプローブとし て、配列番号 49一 53の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Hを検出する DNAプローブとして、配列番号 54— 57の塩基配列を含むポリヌクレオ チドが使用でき、前記バクテリア Iを検出する DNAプローブとして、配列番号 58— 62 の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Jを検出するの DNA プローブとして、配列番号 63— 68の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前 記バクテリア Kを検出する DNAプローブとして、配列番号 69— 74の塩基配列を含 むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Lを検出する DNAプローブとして、配 列番号 75— 79の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Mを 検出する DNAプローブとして、配列番号 80— 86の塩基配列を含むポリヌクレオチド が使用でき、前記バクテリア Nを検出する DNAプローブとして、配列番号 87— 91の 塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Oを検出する DNAプロ ーブとして、配列番号 92— 96の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記 バクテリア Pを検出する DNAプローブとして、配列番号 97— 99の塩基配列を含むポ リヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Qを検出するための DNAプローブとして、 配列番号 100— 105の塩基配列を含むポリヌクレオチドが使用でき、前記バクテリア Rを検出するための DNAプローブとして、配列番号 106— 115の塩基配列を含むポ リヌクレオチドが使用できる。
上述した配列番号 1一 115の塩基配列からなるポリヌクレオチドは、 1個から数個の 塩基が、欠失、置換もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチドであっても 、本発明の生物活性判定方法のための DNAプローブとして使用できる。すなわち、 本発明の DNAプローブは、下記(1)一(4)のいずれかのポリヌクレオチドを含むプロ ーブである。
(1)配列番号 1一 115の!、ずれかの塩基配列力 なるポリヌクレオチド。
(2)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドと相補的な塩基配列力 なるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノヽイブリダィ ズするポリヌクレオチド。
(3)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドとの相同性が 90%以上であるポリヌクレオチド。
(4)前記(1)一 (3)の 、ずれかのポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌ クレオチド。
[0027] ここで、欠失、置換もしくは付カ卩が可能な塩基数としては、例えば、 40塩基に対して 、欠失'付加で、 1個一 6個であり、 1個一 3個が好ましぐより好ましくは 1個一 2個であ り、置換で、 1個一 4個であり、 1個一 2個が好ましぐより好ましくは 1個である。また、 ストリンジェントな条件下でハイブリダィズするとは、 2つの DNA断片が Sambrook Jら によって記載されたような標準的なノ、イブリダィゼーシヨン条件下で、相互にハイプリ ダイズすること ¾ί味する (Expression of cloned genes in E. coli (Molecular Cloning: A laboratory manual (1989) ) Cold Spring harbor Laboratory Press, New York, USA, 9. 47-9. 62及び 11.45- 11.61)。より具体的には、 Tm値の ± 10 °Cを基準としてハイブリダィゼーシヨン及び洗浄(例えば約 2.0 X SSC、 50°C)を行うこ とを意味する。また、前記相同性としては、例えば、 90%以上であり、好ましくは 95% 以上であり、より好ましくは、 97. 5%以上である。
[0028] 前記 DNAプローブとハイブリダィゼーシヨンさせるターゲットを調製するための遺伝 子増幅方法は、検出対象であるバクテリアの ITS領域を増幅できる方法であれば特 に制限されないが、例えば、 PCR法等を用いることができる。本発明における DNA プローブはバクテリアの ITS領域に由来するため、例えば、少数のプライマーの組合 せを用いた 1回の遺伝子増幅反応で、全ての検出対象バクテリア力もターゲットであ る ITS領域を増幅できる。
[0029] 例えば、前記 A— Qのバクテリアの ITS領域は、例えば、センスプライマーとして配
列番号 116の塩基配列力 なるポリヌクレオチドを使用し、アンチセンスプライマーと して配列番号 117の塩基配列力 なるポリヌクレオチドを使用して増幅させることがで る。さらに、前記バクテリア Rの ITS領域を同時に増幅させる場合は、反応溶液に、ァ ンチセンスプライマーとして、さらに、配列番号 118の塩基配列力 なるポリヌクレオ チドをカ卩えればよい。
[0030] 前述のように増幅されたターゲットと、前記 DN Aプローブとをハイブリダィズさせて 検出する方法としては、特に制限されないが、例えば、サザンブロット、 DNAアレイ、 DNAマイクロアレイ、 DNAチップ等、従来公知の遺伝子検出技術を利用できる。こ れらのなかでも、検出対象バクテリアに対応する DNAプローブを固定したものであれ ば、一度に全ての環境試料中のバクテリアを検出できるため好ましい。前記ターゲッ ト及び DNAプローブは、前記検出方法に応じて、適宜標識することが好ましい。例え ば、前記ターゲットを調製するための遺伝子増幅時に、同時に、前記ターゲットを標 識してもよい。前記標識としては、特に制限されず、例えば、蛍光標識や RI標識を利 用できる。
[0031] 本発明の生物活性判定の対象となる環境としては、特に制限されず、例えば、 PC E及び TCEの少なくとも一方で汚染された土壌、地下水、池、海水等があげられる。 前記環境の試料から、前記ターゲットの铸型となる核酸を抽出する方法は、特に制限 されず、従来公知の方法で行うことができ、例えば、市販の核酸抽出キットを用いるこ とができる。前記核酸は、例えば、 DNAでもよく、 RNAでもよい。
[0032] 本発明のバイオレメディエーシヨンの方法は、 PCE及び TCEの少なくとも一方の有 機塩素化合物で汚染された環境のバイオレメディエーシヨンの方法であって、本発明 の環境の生物活性判定方法を行う工程と、前記方法により前記有機塩素化合物分 解関連バクテリアが検出された場合に、前記バクテリアの増殖及び活性の少なくとも 一方を促進して前記有機塩素化合物又はその脱塩素化物の分解を促進する工程と を含む方法である。バイオレメディエーシヨンにあたり、予め本発明の生物活性判定 方法により環境の PCE等の有機塩素化合物の分解除去能力を把握することで、より 的確かつ迅速なバイオレメディエーシヨンの方法の選択が可能となる。例えば、バタ テリア Rが検出されれば、前記バクテリア Rで PCEをェテンにできるから、前記バクテ
リア Rの増殖や活性を高める栄養素を環境に導入するバイオスティミュレーシヨンを選 択できる。また、例えば、ノ クテリア Kと Cとが検出された場合も、前記 2種のバクテリア で PCEを二酸ィ匕炭素に分解できるから(図 5B参照)、前記 2種のバクテリアの増殖や 活性を高める栄養素を環境に導入するバイオスティミュレーシヨンが選択できる。
[0033] 本発明のバイオレメディエーシヨンの方法は、その他の態様として、 PCE及び TCE の少なくとも一方の有機塩素化合物で汚染された環境のノィォレメディエーシヨンの 方法であって、本発明の環境の生物活性判定方法を行う工程と、前記有機塩素化 合物分解関連バクテリアのうち検出されな力つたバクテリアの少なくとも一種を前記環 境に加えて前記有機塩素化合物又はその脱塩素化物の分解を促進する工程とを含 む方法である。例えば、バクテリア Kのみが検出された場合、バクテリア Cを前記環境 に加えることにより、 PCEを二酸ィ匕炭素に分解することができる。
[0034] 本発明のバクテリアの検出装置は、本発明の生物活性判定方法で使用できる検出 装置であって、本発明の DNAプローブを含む装置である。本発明の検出装置は、 固定化された前記 DNAプローブを含み、前記 DNAプローブとハイブリダィズした前 記ターゲットを検出できる装置であれば、特に制限されない。本発明の検出装置に おいては、前記 DNAプローブを、少なくとも 2つ以上含み、少なくとも 2種類以上の 前記バクテリアを同時に検出できる検出装置であることが好ましい。さらに好ましくは 、配列番号 19一 115の塩基配列を含むポリヌクレオチドを DNAプローブとして含み 、前記 A— Rの全てのバクテリアを同時に検出できる装置である。
[0035] 本発明の DNAマイクロアレイは、本発明の生物活性判定方法に使用できる DNA マイクロアレイであって、本発明の DNAプローブが少なくとも 1つ基板上に固定され たものである。本発明の DNAマイクロアレイは、 2種類以上の本発明の DNAプロ一 ブが固定され、 2種以上の前記バクテリアが検出できる DNAマイクロアレイであること 1S 好ましい。本発明の DNAマイクロアレイに固定する DNAプローブは、ノイズを抑 えるため長さが短いほうが好ましぐまた、 Tm値を一定にすることでクロスハイプリを 抑制するためにそれぞれの長さをそろえることが好ましい。本発明の DNAマイクロア レイの前記基板としては、特に制限されず、市販の DNAマイクロアレイ用基板等が 使用でき、前記基板上への DNAプローブの固定方法は、特に制限されず、従来公
知の方法を適用できる。
[0036] 本発明の検出キットは、本発明の生物活性判定方法に使用できるバクテリアを検出 するためのキットであって、本発明の DNAプローブと、前記 DNAプローブにハイブリ ダイズすることで検出されるターゲットを調製するための遺伝子増幅用プライマー及 び遺伝子増幅用試薬とを含むバクテリアの検出キットである。本発明のキットは、その 他の態様として、本発明の DNAプローブに代えて、本発明の DNAマイクロアレイを 含むキットである。前記遺伝子増幅用プライマーとしては、例えば、センスプライマー として配列番号 116の塩基配列を含むポリヌクレオチドがあげられ、アンチセンスプラ イマ一としては、配列番号 117及び/又は 118を含むポリヌクレオチドがあげられる。 前記遺伝子増幅用試薬としては、従来公知の試薬が利用でき、例えば、バッファー、 ポリメラーゼ、ヌクレオチド等があげられる。本発明の検出キットは、必要に応じて、タ 一ゲット調製用の核酸抽出用試薬及びフィルター若しくはチップ等を含んでいてもよ い。
[0037] 本発明のポリヌクレオチドは、本発明の生物活性判定方法において前記 A— Qの ノ クテリアを検出する DNAプローブとして使用可能な新規なポリヌクレオチドであつ て、下記(1)一(4)のいずれかのポリヌクレオチドである。なお、欠失、置換もしくは付 加される塩基の個数、ストリンジ ントな条件及び相同性は、前述の定義と同様であ る。
(1)配列番号 1一 17及び 19一 105のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド
(2)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドと相補的な塩基配列力 なるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でノヽイブリダィ ズするポリヌクレオチド。
(3)前記(1)のポリヌクレオチドの塩基配列の 1個から数個の塩基力 欠失、置換もし くは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチ ドとの相同性が 90%以上であるポリヌクレオチド。
(4)前記(1)一 (3)の 、ずれかのポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌ
クレオチド。
[0038] 以下に、本発明の実施例について説明する。
実施例 1
[0039] (18種類のバクテリアを同時に検出可能な DNAプローブ及び DNAマイクロアレイ の作製)
1. DNAプローブの作製
前記 A— Rのバクテリアの ITS配列(それぞれ、配列番号 1一 18)から、 40塩基から なる塩基配列をデザインし、 DNAマイクロアレイの DNAプローブとした。前記 DNA プローブのデザインは、 40塩基、 GC含有量 48-50%の一本鎖であり、相補性が無 いか又はほとんどなぐ国際データベース GenBankでヒットがない(あっても 2以上の ミスペア)ことを基準として行った。以下に、作製した DNAプローブ (各バクテリアにつ きそれぞれ 3— 10種類)と、その塩基配列の配列番号 (配列番号 19一 115)とを示す
[0040] バクテリア Aのプローブ A1から A7が、それぞれ、配列番号 19から 25の塩基配列 であり、バクテリア Bのプローブ B1から B5が、それぞれ、配列番号 26から 30の塩基 配列であり、バクテリア Cのプローブ C1から C5が、それぞれ、配列番号 31から 35の 塩基配列であり、バクテリア Dのプローブ D1から D5が、それぞれ、配列番号 36から 40の塩基配列であり、バクテリア Eのプローブ E1から E5が、それぞれ、配列番号 41 から 45の塩基配列であり、バクテリア Fのプローブ F1から F3が、それぞれ、配列番号 46力 48の塩基配列であり、バクテリア Gのプローブ G1から G5が、それぞれ、配列 番号 49から 53の塩基配列であり、バクテリア Hのプローブ HIから H4力 それぞれ、 配列番号 54から 57の塩基配列であり、バクテリア Iのプローブ IIから 15が、それぞれ 、配列番号 58から 62の塩基配列であり、バクテリア Jのプローブ J1から J6が、それぞ れ、配列番号 63から 68の塩基配列であり、バクテリア Kのプローブ K1から K6が、そ れぞれ、配列番号 69から 74の塩基配列であり、バクテリア Lのプローブ L1から L5が 、それぞれ、配列番号 75から 79の塩基配列であり、バクテリア Mのプローブ Mlから M7が、それぞれ、配列番号 80から 86の塩基配列であり、バクテリア Nのプローブ N 1力も N5が、それぞれ、配列番号 87から 91の塩基配列であり、バクテリア Oのプロ一
ブ Olから 05が、それぞれ、配列番号 92から 96の塩基配列であり、バクテリア Pのプ ローブ P1から P3が、それぞれ、配列番号 97から 99の塩基配列であり、バクテリア Q のプローブ Q1から Q6が、それぞれ、配列番号 100から 105の塩基配列であり、バタ テリア Rのプローブ R1から R10が、それぞれ、配列番号 106から 115の塩基配列で ある。
[0041] 2. DNAマイクロアレイの作製と DNAプローブの特異性の確認
次に、前記 97種類の DNAプローブを、 Alfymetrix 417 Arrayer (Alfymetrix社製)に より、 Takara Hubble Slide (Takara社製)にカスタムプリントし、 DNAマイクロアレイを 作製した。そして、ターゲットを前記 Aから Rのノ クテリア力もそれぞれ調製し、そのタ 一ゲットを前記 DNAマイクロアレイとハイブリダィズすることで、 DNAプローブの特異 性を確認した。
[0042] 前記ターゲットは、前記バクテリアの ITS領域を PCR法で増幅して調製した。前記 P CRにお 、て、センスプライマーとして配列番号 116の塩基配列力もなる非標識ブラ イマ一を使用し、アンチセンスプライマーとして前記バクテリア R以外には配列番号 1 17の塩基配列力もなる Cy 3標識プライマーを使用し、前記バクテリア Rには配列番 号 118の塩基配列力もなる Cy 3標識プライマーを使用した。 PCRの反応条件は、標 準的なプロトコールに従った。
[0043] ターゲットとなる前記 PCRの増幅産物を、 Autoseq G-50 (フアルマシア社製)を用 いて脱塩し、 SpeedVac (Savant社製)を用いて吸引乾燥し、最終濃度が 5 X SSC、 0. 2%SDS、 50%ホルムアミドであるバッファーに溶解させた。前記ターゲット溶解液を 、 94°Cで 3分間ボイルして少なくとも 2分間氷冷した後、前記 DNAマイクロアレイ上に アプライした。カバーグラスを前記 DNAマイクロアレイ上にかぶせ、その後、 42°Cに 設定されたノ、イブリダィゼーシヨンチャンバ一内に少なくとも 4時間配置した後、前記 DNAマイクロアレイを、 0.2 X SSC、 0.2%SDSで 5分間、 0.2 X SSCで 5分間、そし て、 0.05 X SSCで数秒間洗浄し、 l,800rpmでスピンドライした。結果の測定は、 Scanarry version 5 (パーキンエルマ一ジャパン社製)でスキャンして行った。
[0044] その結果をまとめたものを図 1に示す。図 1は、縦軸に示された 18種類の前記 A— Rのバクテリアの ITS配列由来のターゲットと横軸に示す 97の DNAプローブとがハイ
ブリダィズした力どうかを示すグラフである。同図において、黒塗りの部分力 500蛍 光ユニット以上のシグナルを示して DNAプローブとターゲットとがハイブリダィズした ことを示す。なお、横軸の系統榭は、 ITS配列のァライメントから作製したものである。 図 1に示すとおり、前記 Aから Rのバクテリアそれぞれから調製したターゲットは、クロ スハイブリダィズすることなぐ前記 Aから Rのバクテリアの DNAプローブのみと有意 にハイブリダィズすることが示された。
実施例 2
[0045] (汚染環境の生物活性判定 1)
松下空調環境エンジニアリング株式会社の提供による土壌試料の 250mgから、 FastPrep bead-beater and soil DNA extraction kit (Q Biogene社製)を用 ヽ、取扱 ヽ 説明書に従って、 DNAを抽出した。前記 DNAの約 1 μ 1を、非標識センスプライマー 27F (配列番号 116)と Cy3標識アンチセンスプライマー 132R (配列番号 117)又は 341R (配列番号 118)とを含む 50 μ 1の standard Amplitaq Gold PCR混合液(ァプ ライドバイオシステムズ社製)に添加した。 PCRを標準的なプロトコールにより行った 後、 PCR増幅産物を Autoseq G-50 (フアルマシア社製)を用いて脱塩し、 SpeedVac ( Savant社製)を用いて吸引乾燥した。乾燥した前記 PCR増幅産物を、最終濃度が 5 X SSC、 0.2%SDS、 50%ホルムアミドであるバッファーに溶解させ、その溶解液を 、 94°Cで 3分間ボイルして少なくとも 2分間氷冷した後、実施例 1で作製した DNAマ イクロアレイ上にアプライした。カバーグラスを前記マイクロアレイ上にかぶせ、 42°C で設定されたハイブリダィゼーシヨンチャンバ一内に少なくとも 4時間配置した後、前 記 DNAマイクロアレイを、 0.2 X SSC, 0.2%SDSで 5分間、 0.2 X SSCで 5分間、そ して、 0.05 X SSCで数秒間洗浄し、 l,800rpmでスピンドライした。結果の測定は、 D NAマイクロアレイを Scanarry version 5 (パーキンエルマ一ジャパン社製)でスキャン して行った。
[0046] 前記 DNAマイクロアレイをスキャンした結果の一部を図 2に示す。図 2Aは、スキヤ ンイメージを示し、図 2Bは、定量化した結果のグラフを示す。図 2に示すとおり、バタ テリア M (Dehalobacter restrictus DSM 945)のプローブに対する有意なハイブリダィ ズが検出された。従って、前記試料の土壌には、 PCEを dsDCEに分解する能力が
あると判定できた (図 5B参照)。
実施例 3
[0047] (汚染環境の生物活性判定 2)
前記土壌試料の代わりに、松下空調環境エンジニアリング株式会社の提供による 3 OOmlの地下水試料を使用し、 7,000rpmで遠心分離したデブリから DNAを抽出した ほかは、実施例 2と同様にして、前記地下水試料中のバクテリアを前記 DNAマイクロ アレイを用いて検出した。
[0048] その結果の一部を図 3に示す。図 3Aは、スキャンイメージを示し、図 3Bは、定量ィ匕 した結果のグラフを示す。図 3に示すとおり、バクテリア J (Clostridium formicoaceticum ATCC 27076)のプローブに対する有意なハイブリダィズが検出された。従って、前 記試料の土壌には、 PCEを TCEに分解する能力があると判定できた(図 5B参照)。 実施例 4
[0049] (汚染環境の生物活性判定 3)
前記土壌試料の代わりに、 T.H. Lee博士 (韓国)の提供による嫌気的集積培養試 料を用いた他は、実施例 2と同様にして、前記試料中の前記バクテリアを検出した。
[0050] その結果を図 4に示す。図 4に示すとおり、バクテリア A、 J、 M、 N及び Oの一部の プローブに強いシグナルが検出され、バクテリア B及び Iのプローブ力 も弱いシグナ ルが検出された。したがって、前記試料には、 PCEを dsDCEに変換する能力があ ると判定できた(図 5B参照)。この判定結果は、 T.H. Lee博士による前記集積培養の PCEZcisDCEの分析データと一致する内容であった。
産業上の利用可能性
[0051] 以上、説明したとおり、本発明の環境の生物活性判定方法及び本発明のポリヌクレ ォチドは、 PCE等の汚染環境の修復方法、とりわけ、ノィォレメディエーシヨンの分野 で有用である。
配列表フリーテキスト
[0052] 配列番号 116 PCR用センスプライマー 27F
配列番号 117 PCR用アンチセンスプライマー 132R
配列番号 118 PCR用アンチセンスプライマー 341R