JP4701352B2 - 生物種の検出方法、それに用いるマイクロアレイ及び生物種検出用キット - Google Patents

生物種の検出方法、それに用いるマイクロアレイ及び生物種検出用キット Download PDF

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Description

本発明は、生物種の検出方法、それに用いるマイクロアレイ及び生物種検出用キットに関する。
特定の生物種を迅速に検出する方法として、従来、PCRとDNAプローブとを用いた方法が実施されている。この方法は、例えば、まず、特定生物種のゲノム塩基配列のうち、前記生物種に特異的な配列からなるプローブを準備し、次に、被検試料に含まれる核酸からPCRによって前記プローブの相補配列を含み、検出可能な標識化合物で標識されたターゲットを準備し、そして、前記プローブと前記ターゲットとをハイブリダイズして前記プローブとハイブリダイズしたターゲットの標識シグナルを測定し、前記生物種を検出する方法である。そして、この方法には、DNAプローブが基板上に固定化されたマイクロアレイ(DNAチップともいう)が利用され、1回のハイブリダイゼーションで、複数種類の生物種について検出することが可能となっている。
上記生物種の検出方法の問題点として、例えば、偽陽性の問題が挙げられる。すなわち、多くの生物種のゲノム塩基配列が決定されつつあるといっても、地球上の生物種全体から見れば、現段階では、そのほとんどのゲノム塩基配列が不明のままといえる。そうすると、例えば、研究室外の試料を対象に前記検出方法を試みて、ある生物種のプローブに対してターゲットのシグナルが検出されたとしても、そのシグナルがクロスハイブリダイゼーションによる偽陽性である可能性が、技術的限界として常に存在する。この問題を解決する方法として、例えば、競合ハイブリダイゼーション法(非特許文献1及び2参照)や、改変ヌクレオチドを含むブロッキング剤を利用する方法(特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、これらの方法であっても、プローブ配列と同一又は相同性の高い配列を含む偽陽性ターゲットのクロスハイブリダイゼーションを排除することは困難という問題がある。
上記生物種の検出方法のその他の問題点として、例えば、定量性の問題がある。すなわち、マイクロアレイを用いた定量方法としては、例えば、内部標準や外部標準を用いる方法が開示されているが(特許文献2参照)、多数の生物種を同時に検出する場合に生じる前記クロスハイブリダイゼーションに起因する定量の不確定性は、解決されていない。
一方、多数の生物種を検出する方法は、例えば、汚染環境中の汚染物質分解バクテリアの検出に利用されることが期待されている。例えば、テトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)をはじめ、各種の有機塩素化合物による地下水や土壌の汚染は、世界共通の深刻な問題であり、しばしば、新聞紙上等のマスコミでも詳細に取り上げられ、これらの物質による環境汚染を修復するための技術開発が社会的に強く要求されている。汚染環境修復技術の生物的方法(バイオレメディエーション)として、汚染された土壌や地下水に元来生息するバクテリアの分解除去能力を増強させる方式(バイオスティミュレーション)と、環境汚染物質を分解除去する能力を持つバクテリアを汚染環境に直接導入する方式(バイオオーギュメンテーション)とがある。したがって、バイオレメディエーションを適用するにあたり、その汚染環境に存在する汚染物質分解生物種の検出とその定量とを迅速に行う汚染環境のモニタリングができれば、その汚染サイトがバイオスティミュレーション可能か、あるいは、バイオオーギュメンテーションを適用しなければならないかを迅速に判定できる。
特表2005−502346号公報 特開2004−28695号公報 Oliveira, R et al. (2002) 『Competitive hybridization on spotted microarrays as a tool to conduct comparative genomic analyses of Xylella fastidiosa strains』 FEMS Microbiol. Let. 216: 15−21. Abecassis, V. et al. (2003) 『Microarray−Based Method for Combinatorial Library Sequence Mapping and Characterization』 BioTechniques 34: 1272−1279.
本発明は、陽性か偽陽性かの判定が可能な生物種の検出方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の生物種の検出方法は、被検試料中の生物種を検出する方法であって、検出対象生物種に特異的な複数種類の検出用プローブのスポットが配置されたマイクロアレイを準備するマイクロアレイ準備工程と、前記被検試料中の核酸から、第1の標識化合物で標識された検出用ターゲットを準備するターゲット準備工程と、前記検出対象生物種の標準試料から、第2の標識化合物で標識された検出用リファレンスを準備するリファレンス準備工程と、前記ターゲットと前記リファレンスとを混合して前記マイクロアレイにハイブリダイズし、前記スポットにおける第1及び第2の標識化合物の標識シグナルをそれぞれ測定する競合ハイブリダイゼーション工程と、前記スポットにおける前記2つの標識シグナルの相関関係について、相関係数rの算出及び検定を行い、所定の有意水準で相関が肯定され、かつ、前記相関係数rの値が所定の値を超える場合に陽性と判定し、それ以外の場合を偽陽性と判定する判定工程とを含む生物種の検出方法である。
本発明者らは、マイクロアレイを用いて環境試料中の生物種を検出する方法について鋭意研究を重ね、1種類の生物種を検出するための検出用プローブスポットを複数種類配置することの利点に着目した。従来技術においても検出の信頼性を高めるという観点から、例えば、1種類の生物種につき2〜3種類のプローブを配置することはあったが、具体的な偽陽性を排除する方法はなかった。本発明者らは、より多くの種類及び数のプローブスポットを配置したマイクロアレイに、ターゲット及びリファレンスの競合ハイブリダイゼーションをすることで得られる標識シグナルの分布の相関関係に着目すれば、測定されたターゲットのシグナルが偽陽性か否かを判定できることを見出し本発明に到達した。
本発明の生物種の検出方法によれば、一部のプローブスポットにおいてターゲットの標識シグナルが強く測定された場合であっても、リファレンスの標識シグナルとの相関の有無を検定し、さらに、両者の正の相関の強さを示す相関係数rを算出して所定の値と比較することで、前記ターゲット標識シグナルが陽性か偽陽性かを判定できる。したがって、本発明によれば、簡便かつ迅速で信頼性がより向上した生物種の検出方法が可能となる。
また、ターゲットの標識シグナルが弱い場合であっても、同様に、リファレンスの標識シグナルとの相関関係に基づき陽性か偽陽性かを判断して、偽陽性を排除できる。このように、本発明によれば、ターゲット標識シグナルの強弱に関わらず陽性・偽陽性の判断ができるから、より一層、検出感度や信頼性が向上した簡便かつ迅速な生物種の検出方法が可能となる。
さらに、競合ハイブリダイゼーションにおいては、各スポットにおける標識シグナルのターゲット/リファレンス比は、両者の濃度比を反映するから、例えば、ターゲットとリファレンスのシグナルをスキャタープロットした場合における回帰直線の傾き(回帰係数)を利用して、ターゲットの定量が可能となる。したがって、本発明の生物種の検出方法によれば、簡便かつ迅速な生物種の定量が可能となる。
さらにまた、本発明は、マイクロアレイを用いるから、複数種類の生物種について、一度に、生物種の検出や定量をすることができる。
そして、本発明の生物種の検出方法を、例えば、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)等の有機塩素化合物で汚染された環境中に存在する有機塩素化合物分解バクテリアの検出や定量に適用すれば、汚染環境中のバクテリアの種類・存在量についての簡便かつ迅速で、信頼性が向上したモニタリングが可能となる。
本発明の生物種の検出方法は、前記被検試料における検出対象生物種の存在量を算出する定量工程を含み、前記定量工程が、前記スポットにおける前記2つの標識シグナルの回帰直線の傾き(回帰係数)bを算出することを含むことが好ましい。
本発明の生物種の検出方法において、前記マイクロアレイ準備工程、ターゲット準備工程及びリファレンス準備工程が、それぞれ、内部標準プローブのスポットを配置すること、第1の標識化合物で標識された内部標準ターゲットを調製すること、及び第2の標識化合物で標識された内部標準リファレンスを調製することを含み、前記判定工程が、検出用ターゲット及びリファレンス標識シグナルを、前記内部標準のシグナルに基づいて修正することを含むことが好ましい。
前記マイクロアレイ準備工程のマイクロアレイにおいて、前記検出用プローブが、1種類の検出対象生物種につき、3種類以上であり、前記検出用プローブのスポット数が、1種類の検出対象生物種につき、6個以上であることが好ましい。
前記判定工程において、前記所定の有意水準が、20%〜0.1%の範囲であり、前記相関係数の所定の値が、0.80〜0.99の範囲であることが好ましい。
前記ターゲット準備工程及び前記リファレンス準備工程において、前記ターゲット及び前記リファレンスの調製が、LATE−PCR法により行われることが好ましい。
本発明の生物種の検出方法は、検出対象生物種が、複数種類であってもよい。また、検出対象生物種が、バクテリアであって、前記検出用プローブが、前記バクテリアのITS領域に由来するプローブであってもよい。
本発明の生物種の検出方法は、前記被検試料が、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)及びこれらの脱ハロゲン化物からなる群から選択される有機塩素化合物で汚染された環境から採取された試料であってもよい。
本発明のマイクロアレイは、本発明の生物種の検出方法に使用するマイクロアレイである。本発明の生物種検出用キットは、本発明のマイクロアレイを含み、本発明の生物種の検出方法に使用するキットである。
本発明において、検出対象となる「生物種」とは、特に制限されないが、動物、植物、菌類を含み、具体的には、例えば、バクテリア、カビ、粘菌類、単細胞藻類、原生動物、ウイルス、菌類が挙げられる。
本発明において、「検出用プローブ」とは、検出対象生物種のゲノム領域に特異的にハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドを含むプローブである。前記検出用プローブの長さとしては、特に制限されないが、例えば、10〜200ヌクレオチドであって、20〜100ヌクレオチドが好ましく、より好ましくは40〜80ヌクレオチドである。複数のプローブ間で、プローブの長さは、同じでもよいし、異なっていてもよい。通常、プローブは、その長さが短くなるほど配列特異性が増し、信頼度が向上する。プローブのポリヌクレオチドとしては、特に限定されず、DNA、RNA、又は、従来公知のこれらの誘導体や類縁体等を使用できる。検出用プローブの製造方法としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により化学合成により製造してもよく、酵素的にインビボ又はインビトロで製造してもよい。本発明では、前記検出用プローブをマイクロアレイとして利用するから、前記検出用プローブには、マイクロアレイの基板に固定するための修飾がされていてもよい。前記修飾は、使用するマイクロアレイ基板の種類に応じて従来公知のものを選択できるが、例えば、プローブのポリヌクレオチドの5’又は3’側のC(3〜7)アミノ化等が挙げられる。
前記検出用プローブの配列としては、検出対象生物種に特異的である従来公知の配列であってもよく、また、前記生物種のゲノム配列に基づき設計しても良い。プローブ配列の設計方法は、特に制限されないが、例えば、従来公知のアルゴリズムやソフトウエアを利用することができる。前記ソフトウエアとしては、例えば、PRIMROSE ver.1.1.7(Kevin E. Ashelford, Andrew J. Weightman andJohn C. Fry (2002) ”PRIMROSE: a computer program for generating and estimating the phylogenetic range of 16S rRNA oligonucleotide probes and primers in conjunction with the RDP−II database”
Nucleic Acids Research, Vol. 30, No. 15 3481−3489)等が挙げられる。プローブ設計における一般的な好ましい要件としては、例えば、GC含量(例えば、50%)、長さ(例えば、40〜80nt)、ヘアピン構造をとらないこと、同じ塩基、A+T、又はG+Cが連続して5つ以上並ばないこと、NCBI−BLAST等の相同性検索で、同一又は90%、92.5%若しくは95%以上の相同性を示すヒットがないこと、ミスマッチがプローブ中心部に近いこと、センス鎖の配列であること、遺伝子の末端部分であること、同時に検出する生物種が複数種類ある場合には、少なくともそれらの生物種間でクロスハイブリダイゼーションしないこと等が挙げられる。検出対象生物種がバクテリアである場合には、前記検出用プローブは、例えば、16SrDNAやITS領域に由来する配列を利用することができる。ここで記述するITS領域とは、バクテリアゲノムの16SリボゾーマルDNAと23SリボゾーマルDNAとの間の転写を受ける領域(Internal Trancscribed Spacer)のことである。バクテリアのリボゾーマルRNA(rRNA)である16SrRNA、23SrRNA及び5SrRNAは、通常、1つの転写単位(オペロン)として転写されるため、16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子は隣り合ってゲノム上に配置されている。この16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子との間の領域が、16S−23S Internal Transcribed Spacer(ITS)と呼ばれる領域である。
本発明において、「複数種類の検出用プローブ」とは、1種類の検出対象生物種に対して特異的な複数種類のプローブのことである。その種類の数としては、例えば、3種類、4種類、5種類、6種類、7種類、8種類、9種類、10種類、11種類、12種類又はそれ以上であって、5種類以上が好ましく、その種類は、多いほどより好ましい。前記判定工程における偽陽性排除の信頼性が向上するからである。また、同一マイクロアレイ上に、同一種類の検出用プローブのスポットを、例えば、2個、3個、4個、5個又はそれ以上重複させて配置してもよい。例えば、ある検出対象生物種の検出用プローブが5種類で、それぞれ3個重複させた場合、前記生物種に対する検出用プローブのスポット数は、15個となる。1種類の検出対象生物種に対して用いる検出用プローブのスポット数としては、例えば、6個、9個、10個、12個、15個、20個、25個、30個又はそれ以上であって、9〜60個が好ましく、そのスポット数は多いほどより好ましい。
本発明において、「プローブのスポットが配置されたマイクロアレイ」とは、基材と、前記基材の表面上に規則的に配置された前記プローブのスポットとを含むマイクロアレイをいう。前記マイクロアレイの製造方法は、特に制限されず、例えば、プローブ溶解液を基材に微小滴下するインクジェット法や、半導体製造技術で用いられるフォトリソグラフィー法を応用した方法等の従来公知の方法を利用して製造できる。前記基材としては、特に制限されず、例えば、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられる。
本発明において、「検出用ターゲット」とは、被検試料中の核酸に基づき調製される、第1の標識化合物で標識されたポリヌクレオチドである。被検試料中に検出対象生物種が存在する場合には、前記検出用プローブの相補配列を含むポリヌクレオチドが検出用ターゲットとして調製され、前記マイクロアレイ上で前記プローブとハイブリダイズして、陽性の標識シグナルを示すこととなる。前記核酸の調製方法は、特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。また、前記検出用ターゲットの調製方法としては、特に制限されないが、例えば、検出対象生物種のゲノムDNAを鋳型としたランダムプライミング法、PCR法、その他の遺伝子増幅法等が挙げられる。これらの中でも、前記定量工程における定量性の観点からは、前記検出用ターゲットに含まれるポリヌクレオチドが、前記被検試料中の濃度に比例することが好ましい。さらに、ハイブリダイゼーションの効率や感度の観点からは、前記検出用ターゲットは、二重鎖よりも、前記検出用プローブと相補的な単一鎖が多く占めることが好ましい。これらを踏まえると、前記検出用ターゲットは、ランダムプライミング法や、アシンメトリックPCR法により調製されることが好ましい。第1の標識化合物の標識化の方法は、特に制限されず、例えば、プライマーを予め標識化しておく方法や、標識化ヌクレオチドを用いる方法等が挙げられるが、標識化ヌクレオチドの場合、取り込み時に偏りがあることから、標識化プライマーを用いる方法が好ましい。
本発明者らは、本発明の生物種の検出方法において、LATE−PCR法(Linear−After−The−Exponential−PCR; Sanchez et al. (2004) PNAS, 101(7); 1933−1938)によりターゲット及びリファレンスを調製すると、従来のPCR法を用いる場合を比べて、約1000倍も標識シグナルが上昇するという、予想を越える効果があることを見出した。さらに、LATE−PCR法の最終増幅産物は、被検試料中の濃度に比例するから、定量性も良好である。すなわち、LATE−PCR法を用いる本発明の生物種の検出方法であれば、検出感度、定量性及び簡便性をより向上できる。
本発明において、「LATE−PCR法」とは、アシンメトリックPCR法を改良した方法をいう。アシンメトリックPCR法とは、1組のプライマーのモル比を、例えば、100:1のように不均等にして、主に単一鎖DNA産物を生成することを目的としたPCR法である。LATE−PCR法は、「Linear−After−The−Exponential」という名が示すとおり、対数増幅後に直線増幅を可能とする、すなわち、プラトーとならないPCR法である(Sanchez et al. (2004) PNAS, 101(7); 1933−1938)。LATE−PCR法のポイントは、プライマー設計であって、少ない方のプライマーのTm値を、過剰な方のプライマーのTm値以上とすることである。前記Tm値の計算は、例えば、隣接法(Nearest Neighbor Method)により行うことが好ましく、例えば、前記PRIMROSE等のソフトウェアにより計算できる。ただし、本発明における「LATE−PCR法」は、対数増幅後に直線増幅可能であって、主に単一鎖DNA産物を生成することを目的としたものであれば、上記方法の制限されず、さらに改良されたPCR法を含む。
本発明において、「検出用リファレンス」とは、検出対象生物種の標準試料から調製される、第2の標識化合物で標識されたポリヌクレオチドである。その調製方法は、被検試料中の核酸に代えて前記標準試料を使用し、第1の標識化合物に代えて第2の標識化合物を使用する以外は、前記検出用ターゲットと同様の調製方法であることが好ましい。前記検出用リファレンスは、前記検出用ターゲットと共に、前記マイクロアレイへの競合ハイブリダイゼーションに使用される。この競合ハイブリダイゼーションは、検出用ターゲットのクロスハイブリダイゼーションをブロッキングする役割を果たすのみならず、複数のプローブスポットにおける標識シグナルのターゲット/リファレンス比を提供することで、後述する統計処理により、従来の競合ハイブリダイゼーション法では排除できなかった偽陽性を排除し、さらに、検出対象生物種を定量することを可能とする。前記検出対象生物種の標準試料とは、単離培養された既知細胞数の検出対象生物種、又は、それから調製される核酸をいう。前記定量工程において、後述するように、前記検出用リファレンスに相当する前記標準試料の細胞数と、前記ターゲット/リファレンス比とから、検出対象生物種の細胞数を定量できる。複数の生物種を検出する場合、それらの標準試料を混合して検出用リファレンスを調製してもよく、検出対象生物種ごとに調製してもよい。
本発明において、「標識化合物」とは、特に制限されず、例えば、発光標識や放射性標識の化合物が挙げられる。前記発光標識としては、例えば、蛍光標識、生体発光標識、化学発光標識及び比色定量標識等が挙げられ、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等の蛍光標識化合物が好ましい。市販の蛍光標識化合物としては、例えば、フルオレプライム(FluorePrime、アマシャムファルマシア社製)、フルオレダイト(Fluoredite、ミリポア社製)、FAM(ABI社製)、Cy3及びCy5(アマシャムファルマシア社製)等の蛍光ホスホルアミダイト類が挙げられる。第1と第2の標識化合物は、同一プローブスポットにおいて、混在しても互いに独立に標識シグナルが測定できる標識化合物であることが好ましい。例えば、蛍光標識化合物である場合、第1と第2の標識化合物は、励起波長及び蛍光波長が異なるものを選択することが好ましい。
本発明において、「内部標準プローブ」とは、第1標識化合物と第2標識化合物との標識シグナルを補正するためのものであって、前記検出用プローブとともにマイクロアレイに配置して使用できる。競合ハイブリダイゼーションを行う場合に、例えば、あるスポットにおいて、検出用ターゲットと検出用リファレンスとが、1:1の割合で結合しても、測定される標識シグナルが、1:1とならない場合がある。そのような場合に備えて、同一内部標準試料から調製された既知数量の内部標準ターゲット及び内部標準リファレンスを、前記検出用ターゲット及び検出用リファレンスと共に同一マイクロアレイに対して競合ハイブリダイゼーションを行うことで、測定された標識シグナルを補正し、定量性を高めることができる。内部標準プローブの配列は、マイクロアレイに含まれる検出用ターゲット及び検出用リファレンスとクロスハイブリダイゼーションを起こさないことが好ましく、例えば、ヒト、マウス等といった被検試料には存在しないことが明らかな生物種由来の配列を選択して使用することが挙げられる。内部標準プローブの長さ及び調製方法は、特に制限されず、例えば、検出用プローブと同じである。また、内部標準ターゲット及び内部標準リファレンスの調製及び標識方法は、特に制限されず、例えば、検出用ターゲット及び検出用リファレンスと同じである。前記マイクロアレイにおける内部標準プローブの種類やスポット数は、特に制限されず、例えば、1種類の検出対象微生物に対する検出用プローブと同様の種類及びスポット数である。
本発明において、「被検試料」は、特に制限されず、例えば、土壌、地下水、池、海水等の環境から採取された試料の他、食物や生体から採取される試料であってもよい。また、後述するように、被検試料は、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)及びこれらの脱ハロゲン化物からなる群から選択される有機塩素化合物で汚染された環境から採取された試料であってもよい。
本発明において、「偽陽性」とは、検出対象生物種ではない生物種に由来する検出用ターゲットが検出用プローブとクロスハイブリダイズし、ターゲットの標識シグナルが観察されることをいう。本発明の生物種の検出方法において、検出用ターゲットの標識シグナルが陽性か偽陽性かを判定する工程が、前記判定工程である。
次に、本発明の生物種の検出方法について説明する。
(マイクロアレイ準備工程)
まず、マイクロアレイ準備工程において、1種類又は複数種類の検出対象生物種に対する検出用プローブ、及び、必要に応じて前記内部標準プローブが基板上に配置されたマイクロアレイを準備する。前記検出用プローブ及び内部標準プローブの調製方法、種類、スポット数は、前述のとおりである。前記マイクロアレイは、本発明の生物種の検出方法を行う前に製造してもよく、又は、本発明のマイクロアレイ若しくは本発明の生物種検出用キットに含まれるマイクロアレイを使用してもよい。
(ターゲット準備工程)
つぎに、ターゲット準備工程において、被検試料中の核酸から、第1の標識化合物で標識された検出用ターゲットを準備する。また、必要に応じて、第1の標識化合物で標識された内部標準ターゲットを準備する。これらのターゲットの調製方法は、前述のとおりである。前記被検試料中に検出対象以外の生物種であって、検出対象生物種の検出用プローブと同一又は相同性が高い配列を有する生物種が存在し、この配列が検出用ターゲットとして調製されると、クロスハイブリダイゼーションによる偽陽性のシグナルの原因となる。本発明の生物種の検出方法では、前記クロスハイブリダイゼーション及び偽陽性は、後述する競合ハイブリダイゼーション工程及び判定工程により、抑制し除外することができる。
(リファレンス準備工程)
前記ターゲット準備工程と同時又は別個に、検出対象生物種の標準試料から、第2の標識化合物で標識された検出用リファレンスを準備する。また、必要に応じて、第2の標識化合物で標識された内部標準リファレンスを準備する。これらリファレンスの調製方法は、ターゲットの調製方法と同様であることが好ましい。前記標準試料は、前述のとおり、既知数の検出対象生物種の細胞、又は、それから得られる核酸であることが好ましい。
(競合ハイブリダイゼーション工程)
つぎに、前記3つの準備工程で準備した前記検出用ターゲット及びリファレンス、並びに、必要に応じて前記内部標準ターゲット及びリファレンスを混合し、この混合物を前記マイクロアレイにハイブリダイズし、各スポットについて第1及び第2の標識シグナルをそれぞれ測定する。前記混合物に含まれるターゲット及びリファレンスは、それらの濃度に比例して各スポットにハイブリダイズし、各スポットにおけるターゲットとリファレンスの標識シグナルの分布は、正の相関関係を示し、また、その標識シグナルのターゲット/リファレンス比は、一定値を示すこととなる。この関係を利用して、後述するとおり、相関分析等により、偽陽性の排除及び検出対象生物種の定量が可能となる。なお、前述の内部標準を利用する場合には、内部標準ターゲット及びリファレンスは、等量使用することが好ましい。等量であれば、標識シグナルの補正値を算出しやすいからである。
競合ハイブリダイゼーションの方法及び条件は、特に制限されず、従来公知の方法で行うことができ、当業者であれば、プローブ、ターゲット、ポリヌクレオチドの種類などによって、適宜調節できる。一般的なハイブリダイゼーション方法及び条件としては、例えば、5×SSC+0.3%SDS中でターゲット及びリファレンスを熱変性した後、マイクロアレイに添加し、65℃で4〜16時間のハイブリダイゼーションし、常温の2×SSC+0.1%SDS、及び、2×SSCでそれぞれ5分間洗浄し、0.05×SSCでリンスすること等が挙げられる。
前記プローブとハイブリダイゼーションした前記ターゲット及びリファレンスの標識シグナルをそれぞれ検出し測定する方法は、特に制限されず、標識の種類に応じて、従来公知の方法又は装置により測定できる。例えば、標識として蛍光標識を用いる場合、顕微鏡やスキャナー等を用いて自動的に検出、測定することができる。また、内部標準プローブを使用した場合であって、例えば、前述のように、内部標準ターゲットと内部標準リファレンスをと等量混合して使用した場合には、内部標準により得られた第1の標識シグナルと第2の標識シグナルとが等しくなるように、検出用ターゲット及びリファレンスの標識シグナルを補正することができる。
(判定工程)
最後に、判定工程により、検出対象生物種の検出を行う。すなわち、前記検出用ターゲット及び前記検出用リファレンスの標識シグナルの分布について相関関係を評価するために、相関係数rの算出及び検定を行い、所定の有意水準で相関が肯定され、かつ、前記相関係数rの値が所定の値を超える場合に陽性と判定し、それ以外の場合に偽陽性と判定し、陽性であれば、前記検出対象生物種が検出されたとする。前記判定工程は、具体的には、以下のとおりに行うことができる。
まず、前記相関係数rは、ピアソンの積率相関係数として、2つの変数x、yについて、式:r=Cov(x,y)/Sxy(前記式において、Cov(x,y)は、共分散を表し、Sx及びSyは、それぞれ、標準偏差を表す。)から算出することができる。また、例えば、マイクロソフトエクセル(商品名;マイクロソフト社製)等の表計算ソフトウエアでも容易に算出できる。前記相関係数rは、−1〜1の値をとり、1に近いほど正の相関が強く、rが0であれば、両変数に相関がないことを示す。正の相関関係とは、例えば、検出用ターゲットの標識シグナルを縦軸、検出用リファレンスの標識シグナルを横軸としてスキャタープロットをすると、プロットが右肩上がりの直線に沿って分布する関係である。2つの変数、リファレンス標識シグナル及びターゲット標識シグナルの相関係数rが大きいほど、検出対象生物種以外の生物種由来のターゲットによるクロスハイブリダイゼーションがないこと、すなわち、偽陽性ではないことを示す。したがって、算出された相関係数rが所定の値より大きければ、陽性であり、前記所定の値以下であれば、偽陽性と判定することができる。判定に用いる相関係数の前記所定の値としては、例えば、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98及び0.99が挙げられ、好ましくは、0.95〜0.99である。
次に、リファレンス標識シグナルとターゲット標識シグナルとの相関の有無を検定する。前記相関係数rが、前記所定の値を超える場合でも、両者の相関があるとはいえない場合があるからである。前記検定は、例えば、両者の相関がないとした場合、式:t=|r|(n−2)1/2/(1−r21/2が、自由度n−2のt分布に従うことを利用したt検定により行うことができる。前記式において、rは、前記相関係数rであり、nは、検出用プローブの種類又はスポットの数である。前記t検定により算出されるP値が、前記所定の有意水準未満であれば、その有意水準でターゲットとリファレンス間の相関を認めることができる。前記所定の有意水準としては、例えば、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1%であって、好ましくは、10%以下であり、より好ましくは、5%以下であり、さらにより好ましくは、1%以下である。そして、前記所定の有意水準での相関が有意であり、かつ、相関係数rが前記所定の値を超える場合に陽性と、それ以外の場合を偽陽性と判定する。この判定工程における統計学的計算は、例えば、マイクロソフトエクセル(商品名;マイクロソフト社製)等の表計算ソフトウエアで容易に行える。
また、判定工程において、前記相関係数rに代えて、前記スキャタープロットの回帰直線の決定係数(寄与率)r2を利用することもできる。決定係数r2を利用する場合の所定の値は、例えば、前記相関係数rの所定の値を二乗した値が挙げられる。前記決定係数を利用した場合、前記検定として、前記t検定に代えて、例えば、F検定等により回帰の有無を検定してもよい。前記所定の有意水準としては、前記t検定のものがあげられる。回帰が有意であり、かつ、決定係数r2が前記所定の値を超える場合を、陽性、それ以外を偽陽性と判定することができる。
(定量工程)
前記判定工程で陽性であると判定され検出された生物種については、以下のようにして定量することができる。まず、縦軸に検出用ターゲット標識シグナルをとり横軸に検出用リファレンス標識シグナルをとったスキャタープロットの回帰直線の傾きである回帰係数bを算出する。次に、前記回帰係数bに検出用リファレンスの濃度を乗じて検出用ターゲットの濃度を得て、最後に、被検試料における検出対象生物の存在量を算出する。従来、マイクロアレイとPCR法とを用いる方法は、PCR法におけるプラトー効果等の理由により、定量性に欠けるという問題点があった。しかし、本発明者らは、LATE−PCR法であれば、最終増幅産物を用いて競合ハイブリダイゼーションしても、濃度の比率が保たれることを見出した。その一例を図1に示す。図1は、横軸に示す様々な細胞数に相当する標準試料DNAから調製したターゲットと、一定量の標準試料DNAから調製したリファレンスとを用いて競合ハイブリダイゼーションを行った場合の標識シグナル比(ターゲット/リファレンス比)を縦軸にとった対数グラフである。同図に示すとおり、LATE−PCR法を用いれば、ターゲット調製に用いた試料中の細胞数と、ターゲット/リファレンス比が比例関係となる。したがって、前記回帰係数bとリファレンスの標準試料の濃度から、ターゲットの試料濃度、すなわち、被検試料中の検出対象生物の存在量が定量できる。例えば、回帰係数bが2の場合、検出用ターゲットに用いた被検試料中には、検出用リファレンスに用いた標準試料の2倍に相当する検出生物種が存在することがわかる。この定量工程を行う場合には、前述したように、内部標準プローブを用いて、第1及び第2標識シグナルの補正を行うことが好ましい。
本発明の生物種の検出方法は、1つの基板上に複数種類の生物種を検出するためのプローブを配置したマイクロアレイを使用することで、同時に複数の生物種を検出し、定量できる。したがって、本発明の生物種の検出方法は、例えば、後述するように、有機塩素化合物等の汚染された土壌をバイオレメディエーション等により環境修復する分野において、その土壌中に存在する生物種を迅速に検出・定量するモニタリングの用途等に有用である。また、例えば、食品製造、食品流通の分野において、食品に汚染した生物種を検出定量する用途等に有用である。
本発明のマイクロアレイは、本発明の生物種の検出方法に用いるマイクロアレイであって、前述した検出用プローブや内部標準プローブのスポットが基板に規則的に配置されたものである。本発明のマイクロアレイの製造方法は、特に制限されず、前述のとおり、従来公知の方法を利用して製造できる。
本発明の生物種検出用キットは、本発明のマイクロアレイを含む本発明の生物種の検出方法のためのキットである。本発明の生物種検出用キットは、さらに、検出用ターゲット及びリファレンスを調製するためのプライマー、酵素、試薬、検出対象生物種の標準試料等を含んでもよい。さらにまた、内部標準ターゲット及びリファレンスを調製するためのプライマー、内部標準試料等を含んでもよい。前記酵素及び試薬としては、従来公知の試薬が利用でき、例えば、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、標識化合物、バッファー等があげられる。本発明の検出キットは、必要に応じて、ターゲットやリファレンスの調製用の核酸抽出用試薬及びフィルター若しくはチップ等を含んでいてもよい。
以下に、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)及びこれらの脱ハロゲン化物からなる群から選択される有機塩素化合物で汚染された環境を被検試料とし、その環境に存在する有機塩素化合物分解バクテリアを検出する本発明の生物種の検出方法の一態様について説明する。
PCE、TCE及びこれらの脱ハロゲン化物を含む有機塩素化合物の分解に関わるバクテリアとしては、下記A〜Tのバクテリアが知られている。
A:デハロスピリルム マルチヴォボランス(Dehalospirillum multivorans
B:デスルフィトバクテリウム フラピエリ(Desulfitobacterium frappieri
C:アクチノマイセタレス Sm−1(ロドコッカス sp. Sm−1)(Actinomycetales Sm−1 (Rhodococcus sp. Sm−1))
D:ロドコッカス ロドコッカス(Rhodococcus rhodococcus
E:キサントバクター フラバス(Xanthobacter flavus
F:マイコバクテリウム L1(Mycobacterium L1)
G:デスルフォミクロビウム ノルベギカム(デスルフォヴィブリオ バキュラタス)(Desulfomicrobium norvegicumDesulfovibrio baculatus))
H:デスルフィトバクテリウム デハロゲナンス(Desulfitobacterium dehalogenans
I:デスルフィトバクテリウム ハフニエンス(Desulfitobacterium hafniense
J:クロストリジウム フォルミコアセチカム(Clostridium formicoaceticum
K:デスルフロノナス クロロエテニカ(Desulfuromonas chloroethenica
L:アセトバクテリウム ウッディ DSM 1030(Acetobacterium woodii DSM 1030)
M:デハロバクター レストリクタス(Dehalobacter restrictus
N:デスルフィトバクテリウム sp. PCE1(Desulfitobacterium sp. strain PCE1)
O:デスルフィトバクテリウム フラピエリ TCE1(Desulfitobacterium frappieri TCE1)
P:アセトバクテリウム ウッディ DSM 2396(Acetobacterium woodii DSM 2396)
Q:デスルフォモニル タイドジェイ DCB−1(Desulfomonile tiedjei DCB−1)
R:クロストリジウム バイファメンタンス DPH−1(Clostridium bifermentans DPH−1)
S:クロストリジウム sp. KYT−1(Clostridium sp. KYT−1)
T:クロストリジウム sp. DC−1(Clostridium sp. DC−1)
前記AからQのバクテリアは、以下に示す生物資源保存機関であるATCC又はDSMZの寄託番号が付されており、該当機関から入手することができる。
A: DSM12446 B: DSM13498 C:ATCC51239
D:ATCC21197 E: DSM10330 F: DSM 6695
G: DSM 1741 H: DSM 9161 I: DSM10644
J:ATCC27076 K: DSM12431 L: DSM 1030
M: DSM 9455 N: DSM10344 O: DSM12704
P: DSM 2396 Q:ATCC49306
PCEは、脱塩素化され、TCE、ジクロロエチレン(DCE)、ビニルクロライド(VC)となり、最終的に、エテン又は二酸化炭素に分解される。図2に、一般的なPCEの分解経路と、前記A〜TのバクテリアのPCE及び脱塩素化物に対する分解活性を示す。被検試料中の前記バクテリアを検出できれば、例えば、前記試料環境の汚染物質分解能力を知ることができ、効率的なバイオレメディエーションが可能となる。
本発明の生物種の検出方法を用いて、前記バクテリアA〜Tを検出するには、まず、前記各バクテリアについて検出用プローブを複数種類設計し、検出に用いる本発明のマイクロアレイを準備する必要がある。前記検出用プローブは、前記各バクテリアのITS領域から選択することが好ましい。前記A〜Tの各バクテリアについての複数種類の検出用プローブを、塩基長40merであること、前記隣接法によるTm値が、85℃〜105℃であること、他のバクテリアのITS領域と相同性がないこと、G+C、A+T塩基が6つ以上連続しないこと、ITS領域の末端にプローブが位置しないこと、及びプローブ同士の塩基配列の重複を少なくすることに基づき設計した例を以下に示す。
前記バクテリアAの検出用プローブが、配列番号1〜7の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアBの検出用プローブが、配列番号8〜12の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアCの検出用プローブが、配列番号13〜17の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアDの検出用プローブが、配列番号18〜22の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアEの検出用プローブが、配列番号23〜27の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアFの検出用プローブが、配列番号28〜30の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアGの検出用プローブが、配列番号31〜35の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアHの検出用プローブが、配列番号36〜39の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアIの検出用プローブが、配列番号40〜44の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアJの検出用プローブが、配列番号45〜50の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアKの検出用プローブが、配列番号51〜56の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアLの検出用プローブが、配列番号57〜61の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアMの検出用プローブが、配列番号62〜68の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアNの検出用プローブが、配列番号69〜73の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアOの検出用プローブが、配列番号74〜78の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアPの検出用プローブが、配列番号79〜81の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアQの検出用プローブが、配列番号82〜87の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアRの検出用プローブが、配列番号88〜92の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアSの検出用プローブが、配列番号93〜97の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアTの検出用プローブが、配列番号98〜102の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブである。ここで、「配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチド」とは、下記(1)〜(4)のポリヌクレオチドを含むことをいう。
(1)配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(2)配列番号nの塩基配列の1個から数個の塩基が、欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
(3)配列番号nの塩基配列の1個から数個の塩基が、欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチドとの相同性が90%以上であるポリヌクレオチド。
(4)前記(1)から(3)のポリヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。
前記(2)又は(3)のポリヌクレオチドにおいて、欠失、置換もしくは付加が可能な塩基数としては、例えば、40塩基に対して、欠失・付加で、1個〜6個であり、1個〜3個が好ましく、より好ましくは1個〜2個であり、置換で、1個〜4個であり、1個〜2個が好ましく、より好ましくは1個である。また、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするとは、2つのDNA断片がSambrook Jらによって記載されたような標準的なハイブリダイゼーション条件下で、相互にハイブリダイズすることを意味する(Expression of cloned genes in E. coli(Molecular Cloning:A laboratory manual(1989))Cold Spring harbor Laboratory Press, New York, USA, 9. 47−9. 62及び11.45−11.61)。より具体的には、Tm値の±10℃を基準としてハイブリダイゼーション及び洗浄(例えば約2.0×SSC、50℃)を行うことを意味する。また、前記相同性としては、例えば、90%以上であり、好ましくは95%以上であり、より好ましくは、97.5%以上である。
前記検出用プローブを基板上に配置して、前記A〜Tのバクテリアを検出するための本発明のマイクロアレイを準備することができる。そして、検出用ターゲット及び検出用リファレンスの調製は、アシンメトリックPCRやLATE−PCRを用いる場合、前記A〜TのバクテリアのITS領域を増幅可能なユニバーサルプライマーを設計して使用することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。なお、実施例において設定した数値等は、なんら本発明の範囲を限定するものではない。
(標準試料を使用した競合ハイブリダイゼーション)
1.検出用プローブの作製
前記A〜Tのバクテリアを検出対象生物種として、それらのITS領域から、40塩基からなる複数の検出用プローブをデザインした。前記検出用プローブのデザインは、40塩基、GC含有量48−50%の一本鎖であり、相同性が無いか又はほとんどなく、国際データベースGenBankでヒットがない(あっても2以上のミスペア)ことを基準として行った。以下に、作製した生物種検出用DNAプローブ(各バクテリアにつきそれぞれ3〜10種類)の塩基配列の配列番号(配列番号1〜87)を示す。なお、各プローブのC末端には、C6アミノ化を施した。
バクテリアAのプローブA1からA7が、それぞれ、配列番号1から7であり、バクテリアBのプローブB1からB5が、それぞれ、配列番号8から12であり、バクテリアCのプローブC1からC5が、それぞれ、配列番号13から17であり、バクテリアDのプローブD1からD5が、それぞれ、配列番号18から22であり、バクテリアEのプローブE1からE5が、それぞれ、配列番号23から27であり、バクテリアFのプローブF1からF3が、それぞれ、配列番号28から30であり、バクテリアGのプローブG1からG5が、それぞれ、配列番号31から35であり、バクテリアHのプローブH1からH4が、それぞれ、配列番号36から39であり、バクテリアIのプローブI1からI5が、それぞれ、配列番号40から44であり、バクテリアJのプローブJ1からJ6が、それぞれ、配列番号45から50であり、バクテリアKのプローブK1からK6が、それぞれ、配列番号51から56であり、バクテリアLのプローブL1からL5が、それぞれ、配列番号57から61であり、バクテリアMのプローブM1からM7が、それぞれ、配列番号62から68であり、バクテリアNのプローブN1からN5が、それぞれ、配列番号69から73であり、バクテリアOのプローブO1からO5が、それぞれ、配列番号74から78であり、バクテリアPのプローブP1からP3が、それぞれ、配列番号79から81であり、バクテリアQのプローブQ1からQ6が、それぞれ、配列番号82から87であり、バクテリアRのプローブR1からR5が、それぞれ、配列番号88から92であり、バクテリアSのプローブS1からS5が、それぞれ、配列番号93から97であり、バクテリアTのプローブT1からT5が、それぞれ、配列番号98から102である。
2.DNAマイクロアレイの作製とDNAプローブの特異性の確認
次に、前記102種類の検出用プローブを、Affymetrix 417 Arrayer(Affymetrix社製)により、Takara Hubble Slide(Takara社製)に、それぞれ、3個づつカスタムプリントしてマイクロアレイを作製した。また、各バクテリアの標準試料ごとに検出用ターゲットを調製するとともに、全バクテリアを含む標準試料から検出用ターゲットを調製した。
前記検出用プローブは、ITS領域のセンス鎖であるから、前記検出用ターゲット及び検出用リファレンスは、それぞれ、Cy5及びCy3で標識したアンチセンス(リバース)プライマーを用いるLATE−PCR法によって調製した。フォワードプライマー及びリバースプライマーは、それぞれ、配列番号103及び配列番号104の塩基配列をもとに、隣接法(Nearest Neighbor Method)によるTm値が、Tm(フォワード)−Tm(リバース)≧0となるように修正したものを使用した。なお、Tm値の計算は、ソフトウエア:PRIMROSE ver.1.1.7(Kevin E. Ashelford, Andrew J. Weightman andJohn C. Fry (2002) ”PRIMROSE: a computer program for generating and estimating the phylogenetic range of 16S rRNA oligonucleotide probes and primers in conjunction with the RDP−II database ”Nucleic Acids Research, Vol. 30, No. 15 3481−3489)を使用して行った。LATE−PCR法においては、前記フォワードプライマーと前記リバースプライマーは、濃度比1:100で使用した。増幅反応は、94℃10分ののち、94℃30秒−55℃30秒−72℃60秒を15サイクル行い、さらに、94℃30秒−50℃30秒−72℃60秒を25サイクル行った。増幅産物を、 Autoseq G−50(ファルマシア社製)を用いて脱塩し、SpeedVac(Savant社製)を用いて吸引乾燥した。
前記検出用ターゲット及び検出用リファレンスを、5×SSC、0.2%SDS、50%ホルムアミドのバッファーに溶解させた溶解液を、94℃で3分間ボイルして少なくとも2分間氷冷した後、前記マイクロアレイにアプライした。カバーグラスを前記マイクロアレイ上にかぶせ、その後、65℃に設定されたハイブリダイゼーションチャンバー内に4〜12時間配置した後、前記マイクロアレイを、0.2×SSC、0.2%SDSで5分間、0.2×SSCで5分間、そして、0.05×SSCで数秒間洗浄し、1500rpmでスピンドライした。結果の測定は、Scanarry version 5(パーキンエルマージャパン社製)でスキャンして行った。
その結果をまとめたものを図3に示す。図3は、縦軸に示された前記A〜Tの20種類のバクテリア由来に由来するターゲットが横軸に示す102種類のプローブのスポットにハイブリダイズしたかどうかを示す表である。同図において、黒丸は、前記ターゲットが、横軸に示すバクテリアの全てのスポットに、500蛍光ユニット以上のシグナルを示してハイブリダイズしたことを示す。同図に示すとおり、前記A〜Tのバクテリアそれぞれから調製したターゲットは、クロスハイブリダイズすることなく、特異的に同一バクテリアのスポットのみとハイブリダイズすることが示された。
3.バクテリアA及びEの検出
次に、バクテリアA及びEの標準試料から調製した検出用ターゲットと、バクテリアA〜Pの16種類の標準試料から調製した検出用リファレンスとを混合し、競合ハイブリダイゼーションを行った。ターゲットやリファレンスの調製方法及びハイブリダイゼーションの条件は、上述と同様とした。その結果得られたターゲットのCy5シグナル強度及びリファレンスのCy3シグナル強度を、それぞれ、縦軸及び横軸にとったスキャタープロットを図4Aに示す。なお、同図における直線は、回帰直線である。同図に示すとおり、バクテリアA及びEについて強いターゲットシグナルが観察された。バクテリアA及びEについて、相関分析及び回帰分析を行った結果を下記表1に示す。下記表1に示すとおり、バクテリアA及びEともに、有意水準1%でターゲットとリファレンスとの相関が認められ、かつ、相関係数rが0.90を超える強い相関を示した。また、図4B及び下記表1に示すとおり、ターゲット/リファレンス比を表す回帰係数b(回帰直線の傾き)は、バクテリアAでは14.9であり、バクテリアEでは4.4であったことから、前記ターゲットの調製に用いたバクテリアA及びEの量は、それぞれ、前記リファレンスの14.9倍及び4.4倍であったことが分かった。
Figure 0004701352
被検試料としてPCEを分解できるバクテリアが含まれる混合培養試料(T.H. Lee博士(韓国)の提供による)を使用し、そこから抽出した核酸を使用してCy5標識ターゲットを調製した他は、実施例1と同様にして、前記被検試料中に存在するバクテリアを検出した。バクテリアA〜Pについてのシグナル強度のスキャタープロットを図5Aに示す。これらの分布について、相関分析及び回帰分析を行った結果と下記表2に示す。下記表2右欄には、相関係数rの所定の値を0.9とし、所定の有意水準を1%とした場合の判定結果を示す。図5A及び下記表2に示すとおり、例えば、ターゲットのシグナル強度が強く測定されたバクテリアMは、偽陽性として排除できたことがわかる。また、例えば、バクテリアB、G、H等は、ターゲットのシグナル強度が弱かったが、陽性であると判定できた。なお、前記バクテリアBの存在は、バクテリアBのゲノムをクローニングし、塩基配列決定を行って、前記被検資料中に存在することを確認した。図5Bに、陽性と判定されたバクテリアについてのターゲット/リファレンス比、すなわち、各バクテリアの相対存在量を示す。
Figure 0004701352
被検試料としてTCE汚染土壌を使用し、これから抽出した核酸を使用してCy5標識ターゲットを調製した他は、実施例1と同様にして、前記TCE汚染土壌に存在するバクテリアを検出した。前記TCE汚染土壌には、0.03mg/mlのTCE、及び、0.33mg/mlのcDCE(シスジクロロエチレン)が存在した。バクテリアA〜Pについてのシグナル強度のスキャタープロットを図6Aに示す。これらの分布について、相関分析及び回帰分析を行った結果と下記表3に示す。下記表3右欄には、相関係数rの所定の値を0.9とし、所定の有意水準を1%とした場合の判定結果を示す。図6A及び下記表3に示すとおり、例えば、バクテリアMやOは、ターゲットのシグナル強度が強く測定されたが、偽陽性として排除できたことがわかる。また、例えば、バクテリアDやE等は、ターゲットのシグナル強度が弱かったが、陽性であると判定できた。図6Bに、陽性と判定されたバクテリアについてのターゲット/リファレンス比、すなわち、各バクテリアの相対存在量を示す。
Figure 0004701352
以上説明したとおり、本発明の生物種の検出方法は、偽陽性か陽性かの判定を可能にすることで、より高い信頼性を実現し、検出したバクテリアの定量を可能とすることで、よりよい利便性を実現し、マイクロアレイを利用することで、操作の簡便性・迅速性及び大量サンプル一括処理等の優れた処理能力を実現できる。したがって、本発明は、例えば、環境調査、環境修復、バイオレメディエーションの分野や、食品製造、食品流通の分野で有用である。
図1は、マイクロアレイのターゲット/リファレンス比とターゲットの細胞数の関係を示すグラフである。 図2は、PCEの分解経路、及び、バクテリアA〜Tの有機塩素化合物分解活性を説明する図である。 図3は、実施例で用いた検出用プローブの各バクテリアに対する特異性を示す表である。 図4Aは、ターゲットとリファレンスのスキャタープロットであり、図4Bは、ターゲット/リファレンス比のヒストグラムである(実施例1)。 図5Aは、ターゲットとリファレンスのスキャタープロットであり、図5Bは、ターゲット/リファレンス比のヒストグラムである(実施例2)。 図6Aは、ターゲットとリファレンスのスキャタープロットであり、図6Bは、ターゲット/リファレンス比のヒストグラムである(実施例3)。
配列番号103 PCR用センスプライマー
配列番号104 PCR用アンチセンスプライマー

Claims (10)

  1. 被検試料中の1又は複数の生物種を検出する方法であって、
    検出対象生物種1種類につき特異的検出用プローブが3種類以上、かつ、前記各特異的検出用プローブにつき3個以上のスポットが配置されたマイクロアレイを準備するマイクロアレイ準備工程と、
    前記被検試料中の核酸から、第1の標識化合物で標識された検出用ターゲットを準備するターゲット準備工程と、
    1又は複数の前記検出対象生物種の標準試料から、第2の標識化合物で標識された検出用リファレンスを準備するリファレンス準備工程と、
    前記ターゲットと前記リファレンスとを混合して前記マイクロアレイにハイブリダイズし、前記スポットにおける第1及び第2の標識化合物の標識シグナルをそれぞれ測定する競合ハイブリダイゼーション工程と、
    1つの検出対象生物種に対する特異的検出用プローブが配置された9個以上のスポットにおける前記2つの標識シグナルの相関関係について、相関係数rの算出及び検定を行い、所定の有意水準で相関が肯定され、かつ、前記相関係数rの値が所定の値を超える場合に前記検出対象生物種の検出を陽性と判定し、それ以外の場合を偽陽性と判定する判定工程とを含み、
    前記ターゲット準備工程及び前記リファレンス準備工程におけるターゲット及びリファレンスの調製が、アシンメトリックPCR法又はLATE−PCR法により行われる、生物種の検出方法。
  2. さらに、前記被検試料における検出対象生物種の存在量を算出する定量工程を含み、
    前記定量工程が、前記スポットにおける前記2つの標識シグナルの回帰直線の傾き(回帰係数)bを算出することを含む請求項1に記載の生物種の検出方法。
  3. 前記マイクロアレイ準備工程、ターゲット準備工程及びリファレンス準備工程が、それぞれ、内部標準プローブのスポットを配置すること、第1の標識化合物で標識された内部標準ターゲットを調製すること、及び第2の標識化合物で標識された内部標準リファレンスを調製することを含み、前記判定工程が、検出用ターゲット標識シグナル及び検出用リファレンス標識シグナルを、前記内部標準のシグナルに基づいて修正することを含む請求項1又は2に記載の生物種の検出方法。
  4. 前記判定工程における所定の有意水準が、20%〜0.1%の範囲であり、前記相関係数の所定の値が、0.80〜0.99の範囲である請求項1からのいずれか1項に記載の生物種の検出方法。
  5. 検出対象生物種が、バクテリアであって、前記検出用プローブが、前記バクテリアのITS領域に由来する請求項1からのいずれか1項に記載の生物種の検出方法。
  6. 被検試料が、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)及びこれらの脱ハロゲン化物からなる群から選択される有機塩素化合物で汚染された環境から採取された試料である請求項1からのいずれか1項に記載の生物種の検出方法。
  7. 検出対象生物種が、下記AからTからなる群から選択される少なくとも1種を含むバクテリアである請求項1からのいずれか1項に記載の生物種の検出方法。
    A:デハロスピリルム マルチヴォボランス(Dehalospirillum multivorans
    B:デスルフィトバクテリウム フラピエリ(Desulfitobacterium frappieri
    C:アクチノマイセタレス Sm−1(ロドコッカス sp. Sm−1)(Actinomycetales Sm−1 (Rhodococcus sp. Sm−1))
    D:ロドコッカス ロドコッカス(Rhodococcus rhodococcus
    E:キサントバクター フラバス(Xanthobacter flavus
    F:マイコバクテリウム L1(Mycobacterium L1)
    G:デスルフォミクロビウム ノルベギカム(デスルフォヴィブリオ バキュラタス)(Desulfomicrobium norvegicumDesulfovibrio baculatus))
    H:デスルフィトバクテリウム デハロゲナンス(Desulfitobacterium dehalogenans
    I:デスルフィトバクテリウム ハフニエンス(Desulfitobacterium hafniense
    J:クロストリジウム フォルミコアセチカム(Clostridium formicoaceticum
    K:デスルフロノナス クロロエテニカ(Desulfuromonas chloroethenica
    L:アセトバクテリウム ウッディ DSM 1030(Acetobacterium woodii DSM 1030)
    M:デハロバクター レストリクタス(Dehalobacter restrictus
    N:デスルフィトバクテリウム sp. PCE1(Desulfitobacterium sp. strain PCE1)
    O:デスルフィトバクテリウム フラピエリ TCE1(Desulfitobacterium frappieri TCE1)
    P:アセトバクテリウム ウッディ DSM 2396(Acetobacterium woodii DSM 2396)
    Q:デスルフォモニル タイドジェイ DCB−1(Desulfomonile tiedjei DCB−1)
    R:クロストリジウム バイファメンタンス DPH−1(Clostridium bifermentans DPH−1)
    S:クロストリジウム sp. KYT−1(Clostridium sp. KYT−1)
    T:クロストリジウム sp. DC−1(Clostridium sp. DC−1)
  8. 請求項に記載の生物種の検出方法であって、
    前記バクテリアAの検出用プローブが、配列番号1〜7の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアBの検出用プローブが、配列番号8〜12の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアCの検出用プローブが、配列番号13〜17の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアDの検出用プローブが、配列番号18〜22の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアEの検出用プローブが、配列番号23〜27の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアFの検出用プローブが、配列番号28〜30の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアGの検出用プローブが、配列番号31〜35の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアHの検出用プローブが、配列番号36〜39の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアIの検出用プローブが、配列番号40〜44の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアJの検出用プローブが、配列番号45〜50の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアKの検出用プローブが、配列番号51〜56の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアLの検出用プローブが、配列番号57〜61の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアMの検出用プローブが、配列番号62〜68の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアNの検出用プローブが、配列番号69〜73の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアOの検出用プローブが、配列番号74〜78の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアPの検出用プローブが、配列番号79〜81の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアQの検出用プローブが、配列番号82〜87の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアRの検出用プローブが、配列番号88〜92の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアSの検出用プローブが、配列番号93〜97の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、前記バクテリアTの検出用プローブが、配列番号98〜102の塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドを含むプローブであり、
    ここで、「配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチド、その相同ポリヌクレオチド及びそれらの相補ポリヌクレオチド」が、下記(1)〜(4)のポリヌクレオチドからなる、生物種の検出方法。
    (1)配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチド。
    (2)配列番号nの塩基配列の1個から数個の塩基が、欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、配列番号nの塩基配列からなるポリヌクレオチドと相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
    (3)配列番号nの塩基配列の1個から数個の塩基が、欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドであって、前記(1)のポリヌクレオチドとの相同性が90%以上であるポリヌクレオチド。
    (4)前記(1)から(3)のポリヌクレオチドの塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド。
  9. 請求項記載の生物種の検出方法に用いるマイクロアレイであって、検出対象バクテリアが前記AからTからなる群から選択される少なくとも1種であり、検出対象バクテリア1種類につき前記検出用プローブが3種類以上、かつ、前記各検出用プローブにつき3個以上のスポットが配置されたマイクロアレイ
  10. 請求項に記載のマイクロアレイを含む請求項記載の生物種の検出方法のための生物種検出用キット。
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