抗腫瘍剤
技術分野
[0001] 本発明は、抗腫瘍剤の効果を減じな ヽで毒性を低減する方法、及びその毒性を低 減した抗腫瘍剤で、経口投与、注射,点滴等による血管、腹腔、筋肉、皮下内投与に 使用できる抗腫瘍剤に関する。
背景技術
[0002] 化学療法においては、胃癌、食道癌、肝癌、結腸癌、直腸癌、脾癌、肺癌、甲状腺 癌、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、子宫体癌、卵巣癌、舌癌、口唇癌、咽頭癌、喉頭癌、 口腔癌、肺癌、皮膚癌、悪性黒色腫、横紋筋肉腫、尿管腫瘍、膀胱癌、前立腺癌、 睾丸腫瘍、悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫、骨腫瘍、神経腫瘍、神経膠腫等、種々 の腫瘍に対して、アルルキ基を導入することで癌細胞の DNAを破壊したり複製を阻 止するアルキル化剤、癌細胞の代謝を阻害することによって、がん細胞の機能に障 害を与えて癌細胞の増殖を抑える代謝拮抗剤、自然界の微生物から得られた抗生 物質の中で癌の細胞膜を破壊したり、 DNAを分解したり、合成を阻止する等の抗ガ ン性のある抗腫瘍性抗生物質、植物カゝら得られた植物アルカロイドにより細胞分裂を 停止させ細胞障害を与える植物製剤、癌細胞にホルモンが結合する部分に反対の 作用をするホルモン剤、またはホルモン拮抗剤が先に結合して、抗癌作用を示すホ ルモン製剤、免疫系を活性化することを目的とした免疫賦活剤や、癌に対する免疫 応答の調整、増強を目的としたサイト力インなどの免疫治療剤、 DNAと結合すること により癌細胞の細胞分裂を阻害する白金製剤、その他、キナーゼ阻害剤、ヒスタミン Aの誘導体、放線菌のアミノぺプチダーゼ、アルキル化剤や代謝拮抗剤に似た作用 があるマン-トール誘導体、血中の Lーァスパラギンを分解してァスパラギン要求性腫 瘍細胞を栄養欠乏状態にする酵素製剤、ビスジォキソピペラジン誘導体、膀胱腫瘍 再発抑制剤のァセグラトンなどの前記に分類されな ヽ抗腫瘍剤など、様々な抗腫瘍 剤が開発され、また外科的療法、放射線療法、陽子線療法、免疫療法、リンパ球療 法、遺伝子療法、温熱療法等種々の治療方法が開発され、併用されるようになり、治
療効果の向上がみられるようになつてきた。
[0003] し力しながら、抗腫瘍剤投与による癌治療において、癌細胞のみに選択的に作用 する抗腫瘍剤は皆無で、抗腫瘍剤が正常細胞にも様々な影響を及ぼして副作用が 現れることから、抗腫瘍剤の使用が制限されたり、副作用が患者にとって耐え難ぐ 薬剤投与の中断が余儀なくされたり、薬剤本来の効果が充分に活力されていないの が現状である。
[0004] また抗腫瘍剤として有用な効果を有しているにもかかわらず、その副作用、毒性か ら開発を中止した化合物も多い。
抗腫瘍剤の副作用、毒性を低減させる効果を有する補助剤、当該物質を含有する 抗腫瘍剤の開発が望まれている。
[0005] ところで、ハイドロキシアパタイトは、通常、 Ca (PO ) (OH) なる化学量論組成で
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示される骨や歯の無機主成分で、生体親和性が良ぐタンパク質などを吸着する作 用があることから、人工骨、骨補填剤、歯磨剤等として製品化され、また薬剤の補助 成分として各種考案、開示されている。
[0006] 制癌剤を吸着させた、平均粒径が 10— 1000 μ mのハイドロキシアパタイトを、腫瘍 局部に通ずる動脈内に注入し、微小塞栓として腫瘍内に停滞させて腫瘍への栄養 補給を絶つと共に制癌剤を腫瘍局部に長時間高濃度に保つことにより腫瘍の発育を 抑制する方法 (特公平 1—51266号公報)、抗腫瘍剤を埋入した 100— 500 mのハ イドロキシアパタイト体内に埋め込み、薬剤を徐放させる方法 (特開平 2— 200628号 公報)、リン酸カルシウム微結晶体に薬剤を添加し、血管内に投与することにより、薬 剤の効果を促進または遅延させたり、ガン細胞などの各種細胞、エイズ、 ATL、肝炎 ウィルスなどのウィルスなどに選択的に吸着させ、分化、増殖をコントロールし、同時 に薬剤を作用させる方法 (特開平 5-255095号公報)、抗腫瘍剤を吸着させた 1, 2 50-1, 500 μ mのハイドロキシアパタイトを腫瘍部に埋め込み、加温して、温熱化 学療法に用いる方法(「癌と化学療法」 19(10) : 1644— 1647, 1992)、徐放化剤とて平 均粒子径が 36. 1 mで表面積が 2. 5m2Zgの多孔性ハイドロキシアパタイトを用い 、徐放ィ匕カルボブラチンを制作調整して、これを腹腔内や、胸腔縦隔内に投与し、力 ルポプラチンを徐放させる方法(「癌と化学療法」 26(12) : 1791— 1793, 1999)が開示さ
れている。
[0007] 特許文献 1 :特公平 1 51266号公報
特許文献 2:特開平 2-200628号公報
特許文献 3:特開平 5- 255095号公報
非特許文献 1:「癌と化学療法」 19(10): 1644-1647, 1992
非特許文献 2 :「癌と化学療法」 26(12) : 1791-1793, 1999
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 本発明は、抗腫瘍剤の効果を減じな ヽで毒性を低減する方法、及びその毒性を低 減した抗腫瘍剤、経口投与、注射,点滴等による血管、腹腔、筋肉、皮下内投与に 使用できる抗腫瘍剤の提供を目的としたものである。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者らは、抗腫瘍剤に、微小粒子のハイドロキシアパタイトを担持させて、経口 、注射 *点滴等による投与、特に血管内投与を行なうことにより、抗腫瘍剤の持つ抗 腫瘍効果を維持したまま抗腫瘍剤の毒性を低減することを見出し、本発明を成すに 至った。
[0010] 前述のように、ハイドロキシアパタイトは、生体親和性や、タンパク質などの吸着作 用から人工骨、骨補填剤、歯磨剤として、また抗腫瘍剤を吸着させたハイド口キシァ ノタイト粒子を用いて、動脈内に注入して腫瘍への栄養補給を絶つと共に、制癌剤 を腫瘍局部に長時間高濃度に保つ微小塞栓として、体内に埋め込み、抗腫瘍剤を 徐放させる徐放剤として、腫瘍部に埋め込み、加温して、温熱化学療法用材料として 、薬剤を吸着させたハイドロキシアパタイト微粒子を血管内に投与して、薬剤の効果 を促進または遅延させたり、ガン細胞やウィルスなどの分化、増殖をコントロールし、 同時に薬剤を作用させる方法、抗腫瘍剤で処理した多孔性ハイドロキシアパタイト粒 子を腔内に投与して、抗腫瘍剤を徐放させる等が開示されているが、塞栓として用い る為には大変な技術を要し、また他の方法はいずれも抗腫瘍剤を徐放させることを目 的としており、各種の抗腫瘍剤が持つ抗腫瘍効果を充分に発揮させるものではない
[0011] 本発明は、ハイドロキシアパタイトを各種の抗腫瘍剤に配合、吸着させて、各種抗 腫瘍剤の最適投与量を、血管内投与することにより、抗腫瘍剤の持つ抗腫瘍効果を 維持したまま、抗腫瘍剤の持つ毒性を低減させることを見出した。
本願に用いるハイドロキシアパタイトは、通常、 Ca (PO ) (OH) なる化学量論組成
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で示されるが、 CaZPモル比が 1. 67にならない非化学量論的な場合であっても、ハ イドロキシアパタイトの性質を示し、アパタイト構造を取りうると 、う特徴がある。
本発明にお 、ては、化学量論組成及び非化学量論組成のハイドロキシアパタイト のいずれも使用することができ、 CaZPモル比 1. 4-1. 8のものを使用することがで きる。
[0012] ハイドロキシアパタイトの CaZPモル比の制御は、原料の塩の調合比及び合成条 件の制御にて行う。例えば、ノ、イドロキシアパタイトの湿式合成法において、合成時 にアンモニア水等で水溶液を塩基性に調整すると、 CaZPモル比が高くなり、水溶 液を希酸で中性或いは弱酸性に調整すると CaZPモル比を低くすることができる。
[0013] 本発明で使用する前記ハイドロキシアパタイトとしては、結晶性及び低結晶性のい ずれも使用することができるが、低結晶性或いは非晶質のものが好ましい。
本発明でいう「低結晶性」とは、 X線回折ピークが高結晶性の粉体に較べてブロー ドな結晶質粉体のことを言う。
「非晶質」とは、 X線回折パターンが幅広いハローを示し、結晶の特徴を示す回折 ノターンが得られない微小な粒子力 なる粉体をいう。以下、低結晶性のハイドロキ シアパタイト、非晶質のハイドロキシアパタイトをそれぞれ、「低結晶性アパタイト」及 び「非晶質アパタイト」と称する。
[0014] 本発明で使用する低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトとしては、例えば、前 記したごとく湿式法により合成したアパタイトを凍結乾燥もしくは 100°C以下の温度で 乾燥したもの、或いは 300°C程度以下の温度で焼成したものを使用する。
低結晶性アパタイト或いは非晶質アパタイトは、結晶性の高いハイド口キシァパタイ ト(以下、「結晶質アパタイト」と称する。)と比較して、粒径の小さい粒子力もなる。
[0015] 本発明で使用するハイドロキシアパタイト粒子としては、最大粒径が 1. 0 m以下 のものが好ましぐ平均粒径が小さいほど比表面積が大きくなつて、薬剤を吸着する
性質が高められることから、最大粒径 0.: L m以下のものが更に好ましい。同様の理 由により、粒子の平均粒径の下限は特に限定されない。また経口投与では、胃から 吸収されて効果を発揮する抗腫瘍剤や、腸から吸収されて効果を発揮する抗腫瘍剤 において、胃酸によりハイドロキシアパタイトが溶解しないようにカプセルィ匕や、コーテ イング等の胃酸による不溶ィ匕処理を施さない場合は、最大粒径が 5 m以下のもの 力 S好ましく、更に 0. 5 /z m以下のものが好ましい。
ハイドロキシアパタイト粒子を最大粒径 5 μ m以下、 1. 0 /z m以下、 0. 5 m以下、 及び 0. 1 m以下に調整する方法は、粉砕により行なうことが可能である。この際、 ノ、イドロキシアパタイトを粉砕した後に、各種抗腫瘍剤と混合して使用することが可能 であるが、抗腫瘍剤をハイドロキシアパタイトにあらかじめ担持させた後、粉砕を行な うことが、各種抗腫瘍剤の毒性を低減する効果の上から、より好ましい。
紛体、固体状の抗腫瘍剤については、そのままハイドロキシアパタイトと混合して使 用することも可能であるが、紛体、固体状の抗腫瘍剤を溶解してハイド口キシァパタイ トに担持させた後で粉砕を行なう。蒸留水や生理食塩水等の注射'点滴に支障の無 い溶媒で溶解させた抗腫瘍剤以外の抗腫瘍剤については、得られた抗腫瘍溶液を 乾燥する等の方法により溶媒を除去して力 用いることが、各種抗腫瘍剤の毒性を 低減する効果の上から、より好ましい。
[0016] 抗腫瘍剤に担持させるハイドロキシアパタイトの配合量は、抗腫瘍剤により異なる為 、一概に決めることは困難である力 抗腫瘍剤に対して 0. 1— 1000%が好ましぐま た抗腫瘍剤の投与量の点カゝら 0. 1— 500%が、更に毒性低減効果の点、抗腫瘍剤 の投与量の点から 1一 200%が好適である。
以下に本発明の実施例について説明する力 下記実施例は、毒性試験として LD5 0測定用に使用した実施例を記したものであり、本発明の範囲がこれによつて限定さ れるものではない。
発明の効果
[0017] 本発明によれば、副作用を持つ各種抗腫瘍剤の毒性を低減できるため、抗腫瘍剤 が本来持つ抗腫瘍効果を充分に活力ゝした抗腫瘍剤が提供される。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]細胞増殖抑制曲線を示す図である。
[図 2]細胞増殖抑制曲線を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例
[0020] [ハイドロキシアパタイト添加各種抗腫瘍剤溶液の調整]
ノ、イドロキシアパタイトを 2%添加した蒸留水中に、各種抗腫瘍剤をそれぞれ所定 量添加して撹拌を行な ヽ、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成 した。反応を促進するために、シクロホスフアミド及びインターフェロン j8を除いた他の 抗腫瘍剤について、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避けるため、 減圧下で攪拌を行った。
シクロホスフアミドとインターフェロン については、 4°Cで上記と同様の操作にて撹 拌を行なった。攪拌開始から約 2週間後、ノヽイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫 瘍溶液をダイノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞ れ粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が lOOnm以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添カロ '粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。最大粒径は粉砕毎に多少異なる力 0. 03-0. 1 μ mであった (実施例 1 1一実施例 1 1 1、実施例 1 20—実施例 1 33)。
[0021] また、蒸留水にハイドロキシアパタイトを 2%添カ卩して、ダイノミル (Willy A.
Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。粉砕は、冷却用循環 ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、日機装株式会社製)、最大粒径が 0. l ^ m 以下になったところで粉砕を終了し、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を得た。最大 粒径は 0. 07 μ mであった。
フルォロウラシル、塩酸ブレオマイシン、シスプラチン、マイトマイシン Cに、微粒子 ハイドロキシアパタイト溶液を添加、混合して、それぞれのハイドロキシアパタイト添カロ
抗腫瘍剤を得た。ノ、イドロキシアパタイトの添加量は、上記で作成した各ハイドロキシ アパタイト添加抗腫瘍溶液と同じ量に調整した (実施例 1-12—実施例 1-15)。
[0022] 更に、ハイドロキシアパタイトを 5%添カ卩した蒸留水中に、フルォロウラシル、塩酸ブ レオマイシン、シスブラチン、マイトマイシン Cをそれぞれ所定量添加して撹拌を行な い、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成した。反応を促進するた めに、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避けるため、減圧下で攪拌 を行った。
攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイ ノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行つ た。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が 1 m以下になったところで粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加' 粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。最大粒径は粉砕毎に多少異なる力 0. 1一 l /z mであ つた(実施例 1 16—実施例 1 19)。
[0023] ソブゾキサンを、クロ口ホルムで溶解させ、その溶液をハイドロキシアパタイトを 2% 添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁 した抗腫瘍溶液を作成した。
反応を促進するために、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避ける ため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミ ル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が 0.: m以下になったところで粉砕を終了し、ノ、イドロキシアパタイト添カロ •粉砕各種抗腫瘍溶液を得た。得られた抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が 0. 1 μ m以下の溶媒を除去したノ、イドロキシアパタイト添カ卩 ·粉砕ソブゾキサン抗腫瘍紛体 を得た(実施例 1 34)。
[0024] また粉砕途中で、粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日 機装株式会社製)、最大粒径が 10 m以下、 5. O /z m以下、 0. 5 m以下になった 時に溶液を取り出し、それぞれの抗腫瘍溶液を乾燥して溶媒を除去し、それぞれ最 大粒径が 10 m以下(実施例 1—37)、 5. O /z m以下(実施例 1—36)、 0. 5 m以 下(実施例 1—35)の溶媒を除去したソブゾキサンにハイドロキシアパタイトを添加した 抗腫瘍紛体を得た。
上記と同様の方法で、ノ、イドロキシアパタイトを第 3リン酸カルシウムに変えて抗腫 瘍粉体を作成し、最大粒径が 0. 1 m以下の溶媒を除去した第 3リン酸カルシウム 添カ卩 ·粉砕ソブゾキサン抗腫瘍粉体を得た (比較例 1—1)。
[0025] トレチノインを、ジクロルメタンで溶解させ、その溶液を、ハイドロキシアパタイトを 2% 添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁 した抗腫瘍溶液を作成した。
反応を促進するために、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避ける ため、減圧下で攪拌を行った。
[0026] 攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミ ル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行った。 粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が 0.: m以下になったところで粉砕を終了し、ノ、イドロキシアパタイト添加 •粉砕トレチノイン抗腫瘍溶液を得た。得られた抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が 0. 1 μ m以下の溶媒を除去したハイドロキシアパタイト添加'粉砕トレチノイン抗腫瘍 紛体を得た(実施例 1 38)。
[0027] ハイドロキシアパタイトを 2%添加した蒸留水中に、トレチノイン紛体を所定量添加し て撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁したトレチノイン溶液を作成した。反応 を促進するために、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避けるため、 減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した抗腫瘍溶液をダイノミ ル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。
[0028] 粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が 0.: m以下になったところで粉砕を終了し、最大粒径が 0. l /z m以下 のハイドロキシアパタイト添カ卩 .粉砕トレチノイン抗腫瘍溶液を得た (実施例 1 39)。 水溶性のリン酸エストラムスチンナトリウム、ヒドロキシカルバミド、シタラビンオクスフ アート、ドキシフルリジン、及び水に不溶のタエン酸トレミフェン、メルカプトプリン、ブス ルファンの紛体を、ハイドロキシアパタイトを 2%添加した蒸留水中に所定量添加して 撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液を作成した。反応 を促進するために、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避けるため、 減圧下で攪拌を行った。
[0029] 攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイ ノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行つ た。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 最大粒径が 5 m以下になったところで、ドキシフルリジン、ブスルファンとネダプラチ ンについて粉砕を終了し、最大粒径が 5 m以下のハイドロキシアパタイト添加'粉砕 ドキシフルリジン抗腫瘍溶液 (実施例 1 47)、最大粒径が 5 μ m以下のハイドロキシ アパタイト添加'粉砕ブスルファン抗腫瘍溶液 (実施例 1 48)、及び最大粒径が 5 μ m以下のノ、イドロキシアパタイト添カ卩 ·粉砕ネダプラチン抗腫瘍溶液 (実施例 1—49) を得た。また最大粒径が 0. 5 m以下になったところでヒドロキシカルバミド、シタラビ ンォクホスフアートと、メルカプトプリンについて粉砕を終了し、最大粒径が 0. δ μ τα 以下のハイドロキシアパタイト添加'粉砕ヒドロキシカルバミド抗腫瘍溶液 (実施例 1 43)、最大粒径が 0. 5 μ m以下のハイドロキシアパタイト添加'粉砕シタラビンォクホ スフアート抗腫瘍溶液 (実施例 1 44)、及び最大粒径が 0. 5 m以下のハイドロキシ アパタイト添カ卩 ·粉砕メルカプトプリン抗腫瘍溶液 (実施例 1 45)を得た。更に最大粒 径が 0. l /z m以下になったところでリン酸エストラムスチンナトリウムと、タエン酸トレミ フェンについて粉砕を終了し、最大粒径が 0. 1 μ mのハイドロキシアパタイト添加'粉
砕リン酸エストラムスチンナトリウム抗腫瘍溶液 (実施例 1 40)、及び最大粒径が 0. 1 μ mのハイドロキシアパタイト添加'粉砕タエン酸トレミフェン抗腫瘍溶液 (実施例 1 41)を得た。
[0030] フルタミドをエタノールに溶解、タエン酸タモキシフェンを氷酢酸に溶解、及びゲフィ チ-ブをジメチルスルホキシドに溶解し、それぞれの溶液を、ハイドロキシアパタイト を 2%添加した蒸留水中に、所定量添加して撹拌を行ない、ハイドロキシアパタイトを 懸濁したフルタミド、タエン酸タモキシフェンとゲフイチ-ブの抗腫瘍溶液を作成した 反応を促進するために、 50°Cの高温槽で喑所にて、空気暴露による影響を避ける ため、減圧下で攪拌を行った。
攪拌開始力ゝら約 2週間後、ハイドロキシアパタイトを懸濁した各種抗腫瘍溶液をダイ ノミル(Willy A. Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にてそれぞれ粉砕を行つ た。
粉砕は、冷却用循環ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、 粒子の大きさを測定し (マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、 タエン酸タモキシフェンについては、最大粒径が 5 m以下になったところで粉砕を 終了し、ノ、イドロキシアパタイト添カ卩 ·粉砕タエン酸タモキシフェン抗腫瘍溶液を得た 。フノレタミドと、ゲフイチ-ブについては、最大粒径が 0. 5 m以下になったところで 粉砕を終了し、ハイドロキシアパタイト添加'粉砕フルタミド抗腫瘍溶液と、ノ、イドロキ シアパタイト添カロ .粉砕ゲフイチ-ブ抗腫瘍溶液を得た。
[0031] 得られたそれぞれの抗腫瘍溶液を乾燥して、最大粒径が 5 μ m以下のハイドロキシ アパタイト添加'粉砕タエン酸タモキシフェン抗腫瘍溶粉体 (実施例 1 46)、溶媒を 除去した最大粒径が 0. 5 m以下のフルタミドにハイドロキシアパタイトを添加した抗 腫瘍紛体 (実施例 1 42)と、溶媒を除去した最大粒径が 0. 以下のゲフイチ- ブにハイドロキシアパタイトを添加した抗腫瘍紛体 (実施例 1 50)を得た。
[0032] また、蒸留水にハイドロキシアパタイトを 2%添カ卩して、ダイノミル (Willy A.
Baechofen AG Machinenfabrik Basel社製)にて粉砕を行った。粉砕は、冷却用循環 ポンプを使用して、 5°C以下の温度で行なった。粉砕途中で、粒子の大きさを測定し
(マイクロトラック 7340UPA粒度分布計、 日機装株式会社製)、最大粒径が 0. l ^ m 以下になったところで粉砕を終了し、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を得た。最大 粒径は 0. 08 μ mであった。
メシル酸ィマチ-ブ、ォキザリブラチン、ユーエフティー、カルモフール、ァセグラト ン、アナストロゾール、ウベニメタス、塩酸フアドロゾール水和物、塩酸プロカルバジン 、ビカルタミドに、微粒子ハイドロキシアパタイト溶液を添加、混合して、最大粒径が 0 . 1 m以下の、それぞれのハイドロキシアパタイト添加抗腫瘍剤を得た。(実施例 1 51—実施例 1 60)。
[0033] 毒性試験用に作成した各種抗腫瘍剤に対するハイドロキシアパタイトの配合量を表
1、及び表 2に示す。
[0034] [表 1]
ハィ ド キシァ タィ卜添加量 (。 実施例 抗腿癟剤
1 一 2 一 3 一 4 実翻 1 ― 1 シク口ホスファミ ド 0. ! I. 50 100 実施例 1 ― 2 フル才 CJゥラシル 1.0 10 50 ioo 施例 .1 ― 3 塩酸ブレオマィシン 1. 0 il) ¾D zoo 実施例 〗 4 ェ卜ポシド 1. 0 50 1 0 200 実施例 I ― 5 硫酸ピンク リスチン 0. i 1.0 0
実施例 1 β インターフエ Γ!ン 10 60 ^flO
実施例 1 7 シスプラテン i.0 1 5 実施例 】. - s カルボブラチン ϊ. 0 10 50 1 0 実施例 . 一 9 マイ トマイシン C 0 ] 0 0 'oo 実施例 1 — U ドキソルビシン t.0 to 0 200 実施例 1 - 】 1 二ムスチンハイ ド Dク口ラィ ド 0. 1 ! 0 0 100 実施例 1 — 1 2 フルォ口ゥラシル し 0 10 「 (Ϊ 100 実施例 i― 1 3 塩酸ブレオマイシン I. 0 li) 0 00 実施例 1 _ !. シスブラチン 1. Q ΐΰ 50 00 実施例 1 - .1. 5 マイ 卜マイ C 1 0 10 0 200 実施例 1. ― 1 6 フルォロウラシル 1. (S 10 0 1 Π0 実施例 1 _ 7 塩酸ブレオマイ シン 1.0 ίθ 50 200 実施例 1 一 8 シスプラチン 1. 0 10 0 200 突議 1 — 1 9 マイ トマイシン C 1- 0 10 Π 200 実施例 1 2 0 カルボコ ].0 10 SD 100 突施例 1 — 2 1 パク リタキセル L 0 io 5£J 100 実施例 ] _ 2 2 メ .ルファラン K 0 10 50 ]0(1 実施例 1 ~ 2 3 硫酸ビンブラスチン 1. 0 10 50 100 突施例 1 - 24 ダカルバジン 0 - O 200 oo 実施例 1 2 5 ィホスフアミ ド 0 ■TO 200 ■500 実施例 1 ― 2 6 チォテバ io . o ' ϋΟ 実施例】 _ 27 酒 ϊί酸ピノレルピン io ■200 500 突施例 i ― 2 8 ネダプラチン 1. 0 i 3 100 50 実施例〗 _ 2 9 ビノレ ビン 10 Γ. !i) 500 実施例 I 一 3 0 ネオカルチノスタチン 1. 0 10 100 実施例:【 ― 3 1 テガフール 1. i) 10 ■Ϊ0 1 0 実施例 1 .32 メ 卜 トレキサ一卜 ]. 0 H) 50 200 貧施例 1. 一 3 3 酢酸ゴセレリン に 0 1 it 50 200 実施例 1 - 3 4 ソブゾキサン 30 100 QO J 000 実施例 ]. ― 3 ソブゾキサン SO io fsOO i000 実施例 I 一 3 6 ソブゾキサン 10 100 500 iooo
¾胞例 1 3 7 ソブゾキサン 10 100 ; Ί 0 ! 0
[表 2]
[各種腫瘍剤の単回投与による毒性低減効果試験]
実施例 1一 1一実施例 1 9、実施例 1 12—実施例 1 14、実施例 1 16—実施例 1 18、実施例 1—20—実施例 1—28の試料については、ハイドロキシアパタイトを配 合した各種抗腫瘍剤溶液を C57BL/6マウスの雄 (7週齢)の血管内に投与した。投与 は一回とし、投与力も 14日間観察を行い、その間の死亡数を確認し、用量と死亡数 から、 LD50を算出した (試験例 2— 1一試験例 2— 9、試験例 2— 12—試験例 2— 14、
試験例 2 - 16—試験例 2 - 18、試験例 2 - 20—試験例 2 - 28)。実施例 1 29—実施 例 1 32については腹腔内投与を、実施例 1 33については皮下投与を、実施例 1 34—実施例 1 49、実施例 1 4、実施例 1 7、実施例 1一 8、実施例 1一 19、実施例
1— 23、実施例 1 25、実施例 1—28及び比較例 1—1については経口投与を行なつ た。投与は一回とし、投与力も 14日間観察を行い、その間の死亡数を確認し、用量と 死亡数から、 LD50を算出した (試験例 2— 29—試験例 2— 56、比較例 2— 1)。
[0037] 最大粒径 0. 1 μ m以下の抗腫瘍剤(実施例 1 34、実施例 1 38—実施例 1 41、 実施例 1 4、実施例 1 7、実施例 1一 8、実施例 1 23、実施例 1 25、実施例 1 28 、及び比較例 1 1)の経口投与は、抗腫瘍剤がマウスの胃酸で溶解する前に胃を通 過させる為に、マウスを空腹状態にして行なった。最大粒径 0. 5 m以下(実施例 1 —35、実施例 1 42—実施例 1 45)、最大粒径 1 μ m以下(実施例 1—19)、最大粒 径 5 μ m以下(実施例 1—36、実施例 1 46—実施例 1 49)、及び最大粒経 10 μ m 以下(実施例 1 37)の抗腫瘍剤については、充分に摂餌させて投与した。
[0038] 比較として各種抗腫瘍剤について同様の試験、血管内投与試験 (比較試験例 2— 1 一比較試験例 2— 18)、腹腔内投与試験 (比較試験例 2— 19一比較試験例 2— 22)、 皮下投与試験 (比較試験例 2 - 23)、経口投与試験 (比較試験例 2 - 24—比較試験 例 2— 41)を行なった。
下記試験例の数値は、投与量に引き続き、投与した動物に対する死亡数を記載し た (試験例 2 - 1 1一試験例 2 - 14 4、試験例 2 - 34 - 1一試験例 2 - 34 - 4、試験例
2 - 42 - 1一試験例 2 - 42 - 4、試験例 2 - 44 1一試験例 2 - 44 4、比較試験例 2 - 1 一比較試験例 2 - 8、比較試験例 2 - 24、比較試験例 2 - 28、比較試験例 2 - 30)。ま た各抗腫瘍剤にっ 、ての試験例、及び比較試験例の LD50を表 3及び表 4に示す。
[0039] [試験例 2—1— 1]ハイドロキシアパタイト 0.1%添加'粉砕シクロホスフアミド溶液
25 mg/kg 0/5
50 1/6
125 2/6
150 3/5
225 5/6
250 5/8
275 6/6
[0040] [試験例 2— 1—2]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕シクロホスフアミド溶液
25 mg/kg 0/8
50 1/6
125 2/6
150 3/5
225 4/6
250 5/8
300 6/6
[0041] [試験例 2— 1—3]ハイドロキシアパタイト 50%添加'粉砕シクロホスフアミド溶液
100 mg/kg 0/6
150 1/6
200 2/6
250 2/5
300 3/5
400 4/6
500 4/6
600 5/5
[0042] [試験例 2— 1 4]ハイドロキシアパタイト 100%添加'粉砕シクロホスフアミド溶液
100 mg/kg 0/6
150 1/6
200 2/6
250 2/5
300 3/5
400 3/5
500 4/6
600 5/5
[0043] [比較試験例 2— 1]シクロホスフアミド
25 mg/kg 0/6
50 1/5
125 2/6
150 3/6
200 4/6
250 4/5
300 6/6
[0044] [試験例 2— 2— 1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕フルォロウラシル溶液
200 mg/kg 0/6
300 1/5
400 3/6
500 4/6
600 5/6
700 6/6
[0045] [試験例 2— 2— 2]ハイドロキシアパタイト 10%添カ卩 ·粉砕フルォロウラシル溶液
400 mg/kg 0/5
500 1/6
600 1/5
700 2/6
800 3/5
900 5/8
1000 6/6
[試験例 2— 2— 3]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩 ·粉砕フルォロウラシル溶液 500 mg/kg 0/6
600 1/6
700 2/6
800 3/5
900 4/7
1000 4/5
1100 6/6
[試験例 2— 2— 4]ハイドロキシアパタイト 100%添カ卩 ·粉砕フルォロウラシル溶液
400 mg/kg 0/5
500 1/6
600 1/6
700 2/6
800 3/6
900 4/7
1000 4/5
1100 5/5
[0048] [比較試験例 2 2]フルォロウラシル
50 mg/kg 0/5
100 1/5
150 1/5
200 2/5
250 2/6
300 3/5
350 5/6
400 6/6
[0049] [試験例 2— 3—1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/6
700 1/6
800 2/6
900 4/5
1000 6/8
1200 6/7
1400 6/6
[0050] [試験例 2— 3— 2]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/6
1500 1/7
2000 2/7
2500 3/6
3000 3/5
3500 5/7
4000 4/5
4500 5/5
[0051] [試験例 2— 3—3]ハイドロキシアパタイト 50%添加'粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/7
1500 1/7
2000 2/7
2500 2/6
3000 3/5
3500 4/6
4000 4/5
4500 6/6
[0052] [試験例 2— 3— 4]ハイドロキシアパタイト 200%添カ卩 ·粉砕塩酸ブレオマイシン溶液
1000 mg/kg 0/6
1500 1/7
2000 1/6
2500 1/5
3000 3/6
3500 4/6
4000 6/7
4500 5/5
[0053] [比較試験例 2 3]塩酸
200 mg/kg 0/5
250 1/6
300 3/7
350 4/6
400 4/5
500 5/6
600 6/6
[0054] [試験例 2— 4- 1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添カ卩 ·粉砕エトポシド溶液
30 mg/kg 0/6
40 1/7
50 1/6
60 2/5
70 4/7
80 5/6
90 5/5
[0055] [試験例 2— 4- 2]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩 ·粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/6
200 1/8
250 1/6
300 2/5
400 5/7
450 5/6
500 6/6
[0056] [試験例 2— 4 3]ハイドロキシアパタイト 100%添加'粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/7
200 1/7
250 1/6
300 3/7
400 4/8
450 5/7
500 7/7
[0057] [試験例 2— 4 4]ハイドロキシアパタイト 200%添カ卩 ·粉砕エトポシド溶液
150 mg/kg 0/6
200 1/7
250 1/6
300 3/6
400 3/7
500 4/5
600 5/5
[0058] [比較試験例 2- -4]エトポシド
10 mg/kg 0/6
20 1/6
30 2/6
40 5/7
50 5/6
60 6/6
[0059] [試験例 2— 5—1]ハイドロキシアパタイト 0.1 %添カ卩 ·粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
1.0 mg/kg 0/5
1.5 2/5
2.0 3/8
2.5 3/5
3.0 6/7
3.5 4/5
4.0 6/6
[0060] [試験例 2— 5—2]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
1.5 mg/kg 0/5
2.0 1/6
2.5 3/5
3.0 6/8
3.5 6/8
4.0 7/8
4.5 6/6
[試験例 2— 5— 3]ハイドロキシアパタイト 50%添加'粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
2.0 mg/kg 0/6
3.0 1/6
4.0 1/5
5.0 2/5
6.0 3/6
7.0 5/6
8.0 5/5
[0062] [試験例 2— 5— 4]ハイドロキシアパタイト 200%添加'粉砕硫酸ビンクリスチン溶液
4.0 mg/kg 0/7
5.0 1/8
6.0 1/6
7.0 1/6
8.0 2/6
9.0 4/6
10.0 4/5
11.0 5/5
[0063] [比較試験例 2— 5]硫酸ビンクリスチン
1.0 mg/kg 0/5
1.5 2/5
2.0 3/8
2.5 4/6
3.0 7/8
3.5 8/8
[0064] [試験例 2— 6—1]ハイドロキシアパタイト 10%添加 '粉^ンターフェロン 13溶液
6000 mg/kg 0/5
8000 1/6
10000 2/8
12000 3/7
14000 4/8
16000 4/5
18000 5/6
20000 6/6
[0065] [試験例 2— 6— 2]ハイドロキシアパタイト 50%添加 '粉^ンターフェロン 溶液
18000 mg/kg 0/6
20000 1/6
22000 1/5
24000 3/6
26000 4/6
28000 4/5
30000 5/5
[0066] [試験例 2— 6—3]ハイドロキシアパタイト 200%添加'粉砕インターフェロン β溶液
15000 mg/kg 0/5
20000 1/6
25000 2/6
30000 4/6
35000 5/6
40000 6/6
[0067] [試験例 2— 6— 4]ハイドロキシアパタイト 500%添加 '粉^ンターフェロン β溶液
20000 mg/kg 0/6
22000 2/10
24000 2/8
26000 2/8
28000 3/8
30000 6/8
32000 8/9
33000 8/8
[0068] [比較試験例 2- -6]インターフェロン j8
600 mg/kg 0/6
800 1/7
1000 2/6
1200 4/7
1500 5/8
1700 7/7
[0069] [試験例 2— 7— 1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/6
10.0 3/6
15.0 6/7
20.0 5/6
25.0 5/5
[0070] [試験例 2— 7— 2]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/5
10.0 2/6
15.0 4/6
20.0 5/6
[試験例 2— 7— 3]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩 ·粉砕シスブラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5.0 1/6
10.0 2/6
15.0 3/6
20.0 5/6
25.0 6/6
[試験例 2— 7— 4」ハイドロキシアパタイト 200%添カ卩 ·粉砕シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/5
10.0 2/5
15.0 4/8
20.0 5/6
25.0 6/7
30.0 6/6
[0073] [比較試験例 2- 2.5 mg/kg 0/5
5.0 1/8
7.5 2/7
10.0 5/8
12.5 6/8
15.0 5/6
17.5 6/6
[0074] [試験例 2— 8—1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕カルポプラチン溶液
70 mg/kg 0/5
80 1/5
90 1/5
100 4/6
110 4/5
120 5/5
[0075] [試験例 2— 8—2]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕カルポプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/6
100 3/6
120 5/6
140 6/7
160 6/6
[0076] [試験例 2— 8—3]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩 ·粉砕カルポプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/6
100 2/6
120 5/8
140 7/8
160 6/6
[0077] [試験例 2— 8— 4]ハイドロキシアパタイト 100%添カ卩 ·粉砕カルポプラチン溶液
60 mg/kg 0/6
80 1/8
100 2/6
120 5/7
140 7/8
160 8/8
[0078] [比較試験例 2— 8]カルボブラチン
70 mg/kg 0/6
80 1/7
90 3/6
100 5/8
110 7/8
120 7/7
[0079] [試験例 2— 12 -1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添カ卩フルォロウラシル溶液
200 mg/kg 1/6
300 1/5
400 2/5
500 4/6
600 5/6
700 6/6
[0080] [試験例 2— 12 -2]ハイドロキシアパタイト 10%添カ卩フルォロウラシル溶液
100 mg/kg 0/5
200 1/5
300 1/5
400 4/8
500 4/7
600 6/8
700 6/6
[0081] [試験例 2— 12 -3]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩フルォロウラシル溶液
100 mg/kg 0/7
200 1/6
300 1/5
400 3/8
500 3/6
600 5/7
700 5/5
[0082] [試験例 2— 12 -4]ハイドロキシアパタイト 100%添カ卩フルォロウラシル溶液
200 mg/kg 0/5
300 1/5
400 2/6
500 2/5
600 4/7
800 6/7
1000 6/6
[0083] [試験例 2- -1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加塩酸ブレオマイシン溶液
50 mg/kg 0/5
100 1/8
200 2/8
400 3/8
600 4/7
800 6/8
1000 5/5
[0084] [試験例 2— 13- -2]ハイドロキシアパタイト 10%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/6
800 1/7
1000 1/5
1200 3/6
1400 3/5
1600 4/5
1800 6/6
[0085] [試験例 2—13- -3]ハイドロキシアパタイト 50%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/5
800 1/7
1000 1/6
1200 2/6
1400 4/6
1600 4/5
1800 5/5
[0086] [試験例 2— 13- -4]ハイドロキシアパタイト 100%添加塩酸ブレオマイシン溶液
600 mg/kg 0/7
800 1/7
1000 1/6
1200 2/7
1400 4/7
1600 4/5
1800 7/7
[0087] [試験例 2— 14- -1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5 1/6
10 4/7
15 6/8
20 7/8
25 6/6
[0088] [試験例 2— 14- -2]ハイドロキシアパタイト 10%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/6
5 1/6
10 2/6
15 5/7
20 7/8
25 6/6
[0089] [試験例 2— 14- -3]ハイドロキシアパタイト 50%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5 1/6
10 2/6
15 4/6
20 5/6
25 6/7
30 5/5
[0090] [試験例 2— 14- -4]ハイドロキシアパタイト 100%添加シスプラチン溶液
2.5 mg/kg 0/5
5 1/5
10 2/6
15 4/6
20 6/7
25 7/8
30 7/7
[0091] [試験例 2— 34- -1]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕ソブゾキサン粉体
2000 mg/kg 0/5
2400 1/6
2800 1/6
3200 1/5
3400 2/5
3600 3/5
3800 4/5
4000 5/5
[0092] [試験例 2— 34- -2]ハイドロキシアパタイト 100%添加'粉砕ソブゾキサン粉体
2400 mg/kg 0/5
2800 1/6
3200 1/5
3600 2/6
4000 4/7
4400 4/5
4800 5/5
[0093] [試験例 2— 34- -3]ハイドロキシアパタイト 500%添カ卩 ·粉砕ソブゾキサン粉体
2000 mg/kg 0/5
3000 1/7
4000 2/5
5000 3/5
6000 3/6
7000 4/5
8000 5/5
[0094] [試験例 2— 34- -4]ハイドロキシアパタイト 1000%添加'粉砕ソブザキサン粉体
3000 mg/kg 0/5
4000 1/5
5000 1/5
6000 2/5
7000 3/5
8000 4/5
9000 5/5
[0095] [比較試験例 2- -24]ソブゾキサン
200 mg/kg 0/5
400 1/5
600 1/6
800 2/5
1000 3/5
1200 4/5
1400 6/6
[0096] [試験例 2— 42- -1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添カ卩 ·粉砕フルタミド粉体
2000 mg/kg 0/5
3400 3/5
3600 3/5
3800 4/5
4000 4/5
4200 5/5
[0097] [試験例 2— 42- 2]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕フルタミド粉体
3000 mg/kg 0/5
3200 1/5
3400 1/5
3600 2/5
3800 3/5
4000 4/5
4200 5/5
[0098] [試験例 2— 42- -3]ハイドロキシアパタイト 50%添カ卩 ·粉砕フルタミド粉体
4200 mg/kg 0/5
4400 1/5
4600 1/5
4800 2/5
5000 3/5
5200 3/5
5400 4/5
5600 5/5
[0099] [試験例 2 - 42 -4]ハイドロキシアパタイト 100%添加'粉砕フルタミド粉体
4600 0/5
4800 1/5
5000 1/5
5200 2/5
5400 2/5
5600 4/5
5800 5/5
[0100] [比較試験例 2 -28]フノレタミド
250 mg/kg 0/5
500 1/5
750 3/5
1000 3/5
1250 4/5
1500 4/5
2000 5/5
[0101] [試験例 2— 44- 1]ハイドロキシアパタイト 1.0%添加'粉砕シタラビンオクスフアート粉 体
500 mg/kg 0/5
750 1/5
1000 1/5
1250 2/5
1500 3/5
1750 3/5
2000 4/5
2250 5/5
[0102] [試験例 2— 44- 2]ハイドロキシアパタイト 10%添加'粉砕シタラビンオクスファ
体
1250 mg/kg 0/5
1500 1/5
1750 2/5
2000 3/5
2250 3/5
2500 4/5
2750 4/5
3000 5/5
[0103] [試験例 2— 44- 3]ハイドロキシアパタイト 50%添加'粉砕シタラビンオクスファ 体
1750 mg/kg 0/5
2000 1/5
2250 2/5
2500 2/5
2750 2/5
3000 4/5
3250 4/5
3500 5/5
[0104] [試験例 2— 44- -4]ハイドロキシアパタイト 100%添加'粉砕シタラビンオクスファ 体
2000 mg/kg 0/5
2250 1/5
2500 2/5
2750 2/5
3000 3/5
3250 3/5
3500 4/5
3750 5/5
[0105] [比較試験例 2 30]シタラビンオクスフアート
250 mg/kg 0/5
300 1/5
400 2/5
500 2/5
[ε挲] [9θΐο] e/e ΟΟΟΐ
008
e/ε 009 CCT00/S00Zdf/X3d Ρ£ Ϊ66 SOOZ OAV
CCT00/S00Zdf/X3d 98 Ϊ66 SOOZ OAV
試験例 L 5 0 k ) 比較試験 ί列 2 1 シク口ホスフアミ ド 140. ') 比較試験例 2 - 2 フルォ口ゥラシル' m.6 比較試験^ 2 - 塩酸ブレオマイシン vn.7 例 2 - Λ X卜ポシ ド VI 7 比較試験例 2 5 硫酸ピンク り 1. 9 比較試験例 2 - 6 インタ一フ 口ン Mil 比骹試験例 2 一 7 シスブラチン 9. 1 比較試験例 2 - 8 力ルホフラチン n. o 比鮫試験例 2 - マイ トマイシ ン C ■1.7 比較試験例 2 1 0 力ルボコン 5.8 比較試験例 2 - J 1 バク リタキセル !2 比較試験例 2 - 1 2 , ルファラン 2I 比較 t験例 - i 3 碰ビンブラスチン ι 比铰試験例 2 ] 4 ダカルパジン Ab'l 比較試験例 2 : 1 5 ィホスフアミ ド 3 ) 比較試験例 2 — 1 チォテバ 】 6. I 比較試験例 - 1 7 酸ピノ レルビン I. 比較試験例 - 1 ネダプラチン 1 比較試験例 2 .1 9 ビノ レルビン 29 比蛟試験例 2 2 0 ネオカルチノスタチン
比較試験例 2 — 2 1 テガフ一ル 750 比較試験例 2 — 2 2 メ ト トレキサ一 ト T4 比較轼験例 2 — 2 3 酢酸ゴセレリ ン
比較試験例 2 ― 2 4 ソブゾキサン 853. t 比較試験例 2 — 2 S トレチノイ ン -Hi! 比較試験例 2 2 6 リ ン酸エス トラムスチンナ卜リゥム ; i 0 比較試験例 2 2 7 クェン酸 トレ'ミ フェン (>0 比較試験例 2 - 2 8 フル夕ミ ド 772 比較試験例 2 -: ί ヒ ドロキシカルバミ ド o 比蛟 ¾験例 2 — 3 CJ シタラビン才クホ 524 比較試験例 2 - .1 メルカブ卜プリ ン 1094 比較弒験例 2 - 3 クェン酸夕モキシフェン !240 比較試験例 - 3 ドキシフルリ ジン 1 00 蛟試験倒 2 8 4 ヷス ίレフアン 40 比蛟試験例 3 5 ネダブラチン 140 比齩試験例 2 - 3 6 ェ トポシド ) 比較試験例 2 — 3 7 シスプラチン 30 比餃試験例 2 一 8 カルボブラチン '•In!} 比鮫試験例 2 - 3 9 マイ トマイシン C
比較試験例 ― υ 硫酸ビンブラスチン 4 Ί 比蛟試験例 2 ― Α λ ィホスフ ミ 96
の連続投与による毒性低減効果試験]
実施例 1—9一 1—11、 1—15と、 1—19の試料については、ハイドロキシアパタイトを 配合した各種抗腫瘍剤溶液を BDFマウスの後足皮下にルイス肺癌細胞 106個を移 植し、腫瘍移植後 6日目から薬剤連日投与を行ない、投与 9日目までに 50%以上が 死亡した容量を LD50とした (試験例 3— 9一 3— 11、試験例 3— 15、試験例 3— 19)。 比較として、各種抗腫瘍剤について同様の試験を行なった (比較試験例 3— 1一 3— 3 ) o連続投与試験による LD50を表 5に示す。
[0109] [表 5]
[連続投与試験による L D 5 0 ]
[0110] 以上の結果より、ノ、イドロキシアパタイトを添加した各種抗腫瘍剤の毒性が、各抗腫 瘍剤の毒性に比べて低減されており、特に抗腫瘍剤とハイドロキシアパタイトを混合 してカゝら粉砕を行なった抗腫瘍剤の毒性が著しく低減されていることがわかる。
他のリン酸カルシウムを用いた比較として行った、第 3リン酸カルシウム添加'粉砕ソ ブゾキサン抗腫瘍剤では、多少毒性の低減がみられるものの、ハイドロキシアパタイト 添カ卩 ·粉碎ソブゾキサン抗腫瘍剤ほどの低減は見られな ヽことがわかる。
[0111] [細胞成長抑制試験]
実施 f列 1—4、 1—5、 1—7、 1—8、 1—9、 1—10、 1—12、 1—16の試料【こつ!ヽて、 in vitroを用いた細胞成長抑制試験を行った (試験例 4 1一 4一 8)。
[0112] 試験は、ヒト癌細胞である子宫頸部癌として HeLa, SiHa、線維肉腫として HT1080、 扁平上皮癌として A431、口腔癌として HSC3, HSC4, KB、胃癌として AZ521, Kato-III , NUGC-4、大腸癌として SW837, LoVo、肝癌として HepG2、肺癌として Lu65, Lu99
の 15種類を用い、以下の手順で 50%細胞成長抑制パラメーター(GI50 : the 50% growth inhibition parameter)の平均を算出した。 5%の牛胎児血清を添加した培地 で浮遊した各ヒト癌細胞を 96穴プレートに適当量播種し、ー晚、 37°Cの COインキュ
2 ベータ内でゥエルに接着させた。
これらの癌細胞に 48時間、各抗癌剤を暴露した。細胞の成長は、 MTTを用いるこ とによってアツセィを行った。対照ゥエル (C)とテストウエル (T)に対する吸光度は 55 Onmで測定を行った。
また、薬物を添加した直後のテストウエル (TO)の吸光度を測定した。これらの測定 値を用いて、薬物のそれぞれの GI50を計算し、そのときの薬物濃度を求めた。比較と して、それぞれの抗癌剤にっ ヽて同様の試験を行った (比較試験例 4 1一 4 7)。 細胞成長抑制試験による GI50を表 6に示す。
[表 6]
[細胞成長抑制試験結果] 細胞成長抑制試験による平均 M 50
上記と同様の細胞成長抑制試験を、各種腫瘍剤の単回投与による毒性低減効果 試験の実施例 1—20— 1—32の試料、及び比較として、それぞれの抗癌剤について
同様の試験を行った結果、表 6に示した結果と同様、ハイドロキシアパタイトを添カロし た抗腫瘍剤の GI50は、 、ずれも比較で行った抗腫瘍剤の GI50に比べてわずかに小 さな値であった。
[0115] [抗腫瘍試験]
前述の [ハイドロキシアパタイト添加各種抗腫瘍剤溶液の調整]で記した調整方法 で、シクロホスフアミド、フルォロウラシル、エトポシド、硫酸ビンクリスチン及びシスプラ チンに、最大粒子径 50nmのハイドロキシアパタイト粒子をそれぞれ 10%吸着させて 、以下の方法で抗腫瘍試験を行った (試験例 5— 1一 5— 5)。フルォロウラシル、及び シスプラチンについては、最大粒子径 0. 8 mのハイドロキシアパタイト粒子をそれ ぞれ 10%吸着させて、同様の方法で抗腫瘍試験を行った (試験例 5— 6、 5—7)。
[0116] 試験には、 BALB/cを遺伝的にバックグランドに持つメスのヌードマウスを 7週齢(16 一 22g)で使用した。試験に使用したヒト癌細胞は胃癌細胞の GCIY、大腸癌として HCT-15、肺癌の A549、卵巣癌の OVCAR-3である。ヒト癌細胞は、ヌードマウスの皮 下に移植して腫瘍塊を形成させた後、これらの癌腫を試験に用いた。
[0117] 無菌的に採取した腫瘍を 3 X 3 X 3mmの腫瘍片にして新たなヌードマウスの皮下に 移植した。腫瘍が 100— 300mm3の体積に達したとき、動物を任意に 6匹ずつの群に 分け (DayO)、以下の投与スケジュールに従って、 DayOより投与を開始した。シクロホス フアミドは投与量を 260mg/kgとして、単回投与、フルォロウラシルは 50mg/kgの用量 で 4日間隔で 3回投与、エトポシドは 12mg/kgで 5日連続投与、硫酸ビンクリスチンは 1. 6mg/kgで単回投与、シスブラチンは 10mg/kgの投与量で単回投与とした。投与 経路は全て血管内投与とした。
[0118] 投与後、動物は Days24— 31までの間、一週間に二回、腫瘍塊の長さ(L)と幅 (W) を測定し、 TV= (L X W2) /2の式に従って腫瘍体積 (TV)を計算した。抗腫瘍の判 定は、 Dayl4に行った。 DayOと Dayl4の腫瘍体積を TV0と TV14とした場合、この値を 用いて、次の式カゝら相対的な腫瘍体積 (RTV)を求めた。即ち、 RTV=TV14ZTV 0である。抗腫瘍性の評価は、 Dayl4における腫瘍退縮率 (TZC%)として行った。 T /C% = 100 X (処置群の平均 RTV) / (対照群の RTV)である。
[0119] 比較として、シクロホスフアミド、フルォロウラシル、エトポシド、硫酸ビンクリスチン及
びシスプラチンに、粒子径 30— 50 μ mのハイドロキシアパタイト粒子を 10%吸着さ せて、上記と同じ投与スケジュール、投与量で、腹腔内投与し、抗腫瘍効果試験を 行なった (比較試験例 5— 1一 5— 5)。
[0120] 更に、比較としてシクロホスフアミド、フルォロウラシル、硫酸ビンクリスチン、シスプラ チンに、粒子径約 150— 250 μ mのハイドロキシアパタイト粒子を 10%吸着させて、 腫瘍部に埋め込み、抗腫瘍効果試験を行なった (比較試験例 5— 6— 5— 9)。また対 照として、ハイドロキシアパタイトに吸着させな 、各薬物の試験を行った (比較試験例 5— 10— 5—14)。抗腫瘍試験による各移植癌の退縮率(%)を表 7に示す。
[0121] [表 7]
[抗腫瘍試験結果] 各移植癌の退縮率 (%)
[0122] 以上の結果より、各種抗腫瘍剤にハイドロキシアパタイト微粒子を添加した抗腫瘍
溶液の血管内投与は、各種抗腫瘍剤の効果を低減させないで、毒性を低減すること がわカゝる。
[0123] [細胞増殖抑制試験]
実施例 1—34 (ソブザキサン)、実施例 1-42 (フルタミド)、実施例 1-2 (フルォロゥラ シル)、実施例 1 1 (シクロホスフアミド)、実施例 1 44 (シタラビンオタホスフアート)、 実施例 1—50 (ゲフイチ-ブ)、実施例 1-4 (エトポシド)の試料につ 、て in vitroを用 V、た細胞増殖抑制試験を行った。
[0124] 試験は、実施例 1—34の試料について、 Colon26結腸癌細胞と Lewis肺癌細胞を用 い、以下の手順で 50%細胞増殖抑制濃度(IC50 :the 50% growth inhibition parameter)の平均を算出した。 5%の牛胎児血清を含有する培地で浮遊した Colon26結腸癌細胞と、 Lewis肺癌細胞をそれぞれ 96穴プレートに、 104個/ mlに調整 した細胞を各ゥエルに 100 1播種し、ー晚、 37°Cの COインキュベータ内でゥエルに
2
接着させた。
[0125] これらの癌細胞に 48時間、各抗癌剤を暴露した。細胞の成長は、 MTTを用いるこ とによってアツセィを行った。対照ゥエル (C)とテストウエル (T)に対する吸光度は 55 Onmで測定を行った。
これらの測定値を用いて薬物のそれぞれの IC50を計算し、薬物濃度を求めた (試 験例 6— 1一試験例 6— 2)。比較として、ソブゾキサンについて同様の試験を行った( 比較試験例 6 - 1、比較試験例 6 - 2)。細胞増殖抑制試験による IC50を表 8に示す。 また、 Colon26結腸癌細胞を用いた細胞増殖抑制試験による細胞増殖抑制曲線を 図 1に、 Lewis肺癌細胞を用いた細胞増殖抑制試験による細胞増殖抑制曲線を図 2 に示す。
[試験試料]
比較:ソブゾキサン、 HAP10% :実施例 1—34— 1、 HAP100% :実施例 1— 34— 2、 HAP500%:実施例 1—34—3、 HAP1000%:実施例 1—34 - 4
[0126] [表 8]
[細胞増殖抑制試験結果 1 ] ハイ ドロキシアバタイ ト添加ソブゾキサン杭腫瘍剤の 細胞成長抑制試験による平均 IC50
[0127] 実施例 1 42の試料について、 Lewis肺癌細胞、 P388白血病細胞、及び DU145 前立腺癌細胞を用いて、上記と同様の方法で in vitroを用いた細胞増殖抑制試験を 行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物の IC50を計算し、薬物濃度を 求めた (試験例 6— 3—試験例 6— 5)。比較としてフルタミドにつ 、て同様の試験を行 つた (比較試験例 6— 3—比較試験例 6— 5)。細胞増殖抑制試験による IC50を表 9に 示す。
[0128] [表 9]
[細胞増殖抑制試験結果 2 ] ハイ ドロキシァパタイ ト添加フルタミ ド抗腫瘍剤の
細胞成長抑制試験による平均 IC50
[0129] 実施例 1 2の試料につ!、て、 Colon26結腸癌細胞、 Lewis肺癌細胞、及び P388白 血病細胞を用いて、上記と同様の方法で in vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行つ た。上記と同様に、これらの測定値を用いて薬物の IC50を計算し、薬物濃度を求め た (試験例 6— 6—試験例 6— 8)。比較としてフルォロウラシルにつ 、て同様の試験を 行った (比較試験例 6 - 6—比較試験例 6 - 8)。細胞増殖抑制試験による IC50を表 10 に示す。
[0130] [表 10]
[細胞増殖抑制試験結果 3 ] ハイ ドロキシァパタイ ト添加フルォロウラシル抗月重瘍剤の 細胞成長抑制試験による平均 IC50
[0131] 実施例 1 1、実施例 1 44、及び実施例 1—50の試料について、 Lewis肺癌細胞を 用いて、上記と同様の方法で in vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同 様に、これらの測定値を用いて薬物の IC50を計算し、薬物濃度を求めた (試験例 6— 9一試験例 6— 11)。比較としてシクロホスフアミド、シタラビンォクホスフアートと、ゲフィ ニチブにつ 、て同様の試験を行った (比較試験例 6— 9一比較試験例 6— 11)。細胞 増殖抑制試験による IC50を表 11に示す。
[0132] [表 11]
[細胞増殖抑制試験結果 4 ] ハイ ドロキシァパタイ ト添加シタロホスファ ミ ド抗腫瘍剤、 ハイ ド 口キシァパタイ ト添加シタラビンオタホスファー ト抗月重瘍剤と、 ハイ ドロキシァパタイ ト添加ゲフ イチニブ抗腫瘍剤の Lewi s肺癌細胞成長抑制試験による平均 I C50
[0133] 実施例 1 4の試料について、 P388肺癌細胞を用いて、上記と同様の方法で in vitroを用いた細胞増殖抑制試験を行った。上記と同様に、これらの測定値を用いて 薬物の IC50を計算し、薬物濃度を求めた (試験例 6— 12)。比較としてエトポシドにつ
、て同様の試験を行った (比較試験例 6— 12)。細胞増殖抑制試験による IC50を表 1 2に示す。
[表 12]
[細胞増殖抑制試験結果 5 ] ハイ ドロキシァパタィ ト添加ヱ トポシド抗腫瘍剤の
P 3 8 8肺癌細胞成長抑制試験による平均 IC50
IC50 ( p p m )
抗腫瘍剤 試験例
1 2 3 4
ェトポシド 試験例 6— 1 2 0. 91 0. 48 0. 25 0. 14
比較試験例 6— 1 2 2. 10