WO2005071541A1

WO2005071541A1 - アプリケーション起動調停装置及びシステム

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Publication number: WO2005071541A1
Application number: PCT/JP2005/000692
Authority: WO
Inventors: Tomokazu Kanamaru; Masafumi Okubo; Masahiro Oashi; Tomonori Nakamura
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-01-27
Filing date: 2005-01-20
Publication date: 2005-08-04
Also published as: JP2007108804A

Abstract

　ネットワーク機器上のアプリケーション配信を利用したサービスプラットフォームの特性を有効に利用して、システム全体で資源欠乏の問題を解決することが可能なアプリケーション起動調停装置を提供する。起動指示部（３０２）が指示した電子機器でアプリケーションの起動が不可能な場合、起動可能機器探索部（３０３）が他の電子機器を探索して代替動作が可能な電子機器を選定する。この選定には、各電子機器から取得した動作状況やアプリ実行優先度検出部（３０４）で検出された優先度情報等が用いられる。

Description

明細書

アプリケーション起動調停装置及びシステム

技術分野

[0001] 本発明は、アプリケーション起動調停装置及びシステムに関し、より特定的には、複数の電子機器がネットワークを介して接続された環境において用いられる、電子機器で実行されるアプリケーションの起動を調停する装置、及び当該装置を構成に含んだシステムに関する。

背景技術

[0002] 従来、ダウンロード配信されるプログラムを動作させるプログラム実行系の技術については、サンマイクロシステムズ社の JAVA (登録商標）や、マイクロソフト社の. NET (ドットネット)等がある。これらの技術は、ネットワーク家電を前提にしたノヽードウエアに依存しな、サービスプラットフォームを構成する技術となることが、期待されて、る。

[0003] また、ネットワークを通じて、プログラムを実行する環境の自動設定を行う技術としては、マイクロソフト社によって提唱されている技術である UPnP (Universal Plug a nd Play)や、サンマイクロシステムズ社によって提唱されている技術である Jini (登録商標)等が存在している。これらの技術の特徴として、ユーザが複雑な設定作業を行うことなぐネットワークに機器を繋ぐだけですぐにネットワーク機能を利用可能な状態できる、という利便性をユーザに提供できることが挙げられる。

[0004] また、ユーザが利用する端末から、ネットワークを通じて、ユーザの要求に対応する機能を持つ機器を探し出すシステムとしては、特許文献 1に示す技術が提案されている。また、ユーザが利用したい端末でサービスを実施できな力つた場合に、代替となる機器を探し出して実施する方法としては、特許文献 2に示す技術が提案されている。

特許文献 1：特開 2003—178036号公報

特許文献 2：特開 2002— 094912号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] ところで、家電システム上においてサービス実施のために新たにアプリケーションを起動しょうとする際に、すでに他のアプリケーションが実施されていると、システム仕様の制限上の問題又は資源欠乏の問題から、直ちに新たなアプリケーションの起動できない場合がある。例えば、すでに携帯電話等で多数の応用実績のある、 JAVA( 登録商標）のモパイル家電向け仮想マシン仕様の 1つである KVM (K Virtual M achine)では、同時に 2つ以上のアプリケーションを動作させることができないという制約事項がある。

[0006] このため、この KVMを使ってすでに何らかのアプリケーションを動作させている最中に、新たに他のアプリケーションを動作させたいという要求が発生したとしても、このアプリケーションを動作させることはできない。このような場合、従来のシステムでは、新たに発生したアプリケーションの起動要求を却下してしまうことになる。

[0007] 上述したように、従来の JAVA (登録商標）や. NETを前提にし ini (登録商標）又は UPnPと、う技術によって、ネットワーク家電環境における共通のサービスプラットフオームは構築可能になった。し力しながら、上記のような資源欠乏の問題に関しては、ネットワーク環境を有効に利用してシステム全体で資源欠乏の問題を解決するという技術を提案や開発等を今までになされたことはなぐ現状ではそれぞれの機器で個別の解決策を実施するし力な力つた。

[0008] 特許文献 1には、ユーザ環境の変化やユーザの要求を考慮に入れた家電ネットヮークシステムが開示されている力アプリケーションの起動において資源欠乏問題が発生した時の具体的な対処方法に関しては言及されていない。また、特許文献 1には、新たにアプリケーションを起動することが不可能と判明した場合の次善策に関しても、何ら言及されていない。

[0009] また、特許文献 2には、利用予約した機器に不具合があった場合に、代替となる機器を探し出して利用予約を実施する方法が開示されているが、サービスプラットフォームの特性を利用して、代替機器がアプリケーションを新たに取得してサービスを実行することに関してまで言及されてはいない。また、特許文献 1と同じぐ特許文献 2 には、新たにアプリケーションを起動することが不可能と判明した場合の次善策に関しても、何ら言及されていない。 [0010] それ故に、本発明の目的は、ネットワーク機器上のアプリケーション配信を利用したサービスプラットフォームの特性を有効に利用して、システム全体で資源欠乏の問題を解決することが可能なアプリケーション起動調停装置及びシステムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明は、複数の電子機器がネットワークを介して接続されたシステムに用いられ

、電子機器で実行されるアプリケーションの起動を調停するアプリケーション起動調停装置に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明のアプリケーシヨン起動調停装置は、起動指示部及び起動可能機器探索部を備える。

[0012] 起動指示部は、いずれかの電子機器力も受け付けた所望のアプリケーションの起動要求に従って、起動対象となる対象電子機器にアプリケーション起動の指示を行う。起動可能機器探索部は、複数の電子機器の中から、所望のアプリケーションの起動が可能な代替電子機器を選定する。そして、起動指示部は、対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、起動可能機器探索部によって選定された代替電子機器にアプリケーション起動の指示を行う。

[0013] ここで、代替電子機器が、すでに別のアプリケーションを実行中である力否かを判断し、別のアプリケーションを実行中である場合には、所望のアプリケーション又は別のアプリケーションのどちらの優先度が高いかを検出するアプリ実行優先度検出部をさらに備えることが好ましい。この場合、起動指示部は、アプリ実行優先度検出部において所望のアプリケーションの優先度が高いと検出された場合に、代替電子機器に対して、別のアプリケーションを停止して所望のアプリケーションを起動させる指示を行うようにする。

[0014] また、対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になるまで監視を行う遅延起動監視部をさらに備えることが好ましい。この場合、起動指示部は、対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になった時に、対象電子機器にアプリケーシヨン起動の指示を再度行うようにする。

[0015] あるいは、起動指示部、起動可能機器探索部及び遅延起動監視部の動作を利用するカゝ否かを記録するシステム設定テーブルを保持するシステム設定テーブル保持部と、システム設定テーブルの記録内容を変更するシステム設定テーブル変更部とをさらに備えることが好ましい。これにより、システム設定テーブルの内容を変更することで、所望のアプリケーションの起動が指示された電子機器が、起動指示部、起動可能機器探索部及び遅延起動監視部の動作を制御できるようになる。

[0016] 起動指示部は、起動可能機器探索部によって選定された代替電子機器と通信を行って、所望のアプリケーションを実行させても良いかどうかを問い合わることが好ましい。また、起動指示部は、遅延起動監視部が所望のアプリケーションを起動可能な状態であると判断した時に、対象電子機器と通信を行って、所望のアプリケーションを実行させても良、かどうかを問、合わることが好ま、。

なお、上述したアプリケーション起動調停装置を構成する一部又は全部の機能プロックは、集積回路である LSIとして実現されてもよい。

[0017] 上記アプリケーション起動調停装置は、起動指示部力のアプリケーション起動の指示に応じて、所望のアプリケーションの起動が可能力否かを判定する起動可否判定部と、起動可否判定部における起動可能の判定に応じて、所望のアプリケーションを実行するアプリ実行部とを備えることで、電子機器として機能することも可能である。また、アプリ実行部によって過去に実行されたアプリケーションの識別情報を記録保持するアプリ実行履歴記録部をさらに備えることも考えられ、この場合には、起動可否判定部は、所望のアプリケーションと同一の識別情報を持つアプリケーションが過去に実行された力否かに基づいて、アプリ実行部で所望のアプリケーションの起動が可能である力否かを判定することが可能となる。

発明の効果

[0018] 上記のように、本発明によれば、起動要求された電子機器にお!ヽてアプリケーションの起動が不可能である場合に、アプリケーションの起動を代替できる別の電子機器を選定するか、又は起動要求された電子機器がアプリケーションを起動できる状態になるのを待つことを行う。これにより、従来よりも確実に所望のアプリケーションを起動させることができる。代替する電子機器は、各電子機器の能力や優先度を考慮するため、電子機器の選定に柔軟性を持たせることができる。図面の簡単な説明

[図 1]図 1は、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停システムの概要構成を示す図である。

[図 2]図 2は、システム設定テーブル保持部に保持されてヽるシステム設定テーブルの一例を示す図である。

[図 3]図 3は、電子機器に表示される GUI画面の一例を示す図である。

[図 4]図 4は、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。

[図 5]図 5は、電子機器に表示される GUI画面の一例を示す図である。

[図 6]図 6は、起動可否判定部が行う動作の一例を示すフローチャートである。

[図 7]図 7は、起動可否判定部が行う動作の一例を示すフローチャートである。

[図 8]図 8は、アプリ実行履歴記録部に記録される履歴データの一例を示す図である

[図 9]図 9は、起動可能機器探索部が行う動作の一例を示すフローチャートである。

[図 10]図 10は、アプリケーション起動調停装置と電子機器との間で行われる処理シ一ケンスの一例である。

[図 11]図 11は、起動可能機器探索部が行う動作の一例を示すフローチャートである

[図 12]図 12は、アプリケーション起動調停装置と電子機器との間で行われる処理シ一ケンスの一例である。

[図 13]図 13は、起動可否判定部が行う動作の一例を示すフローチャートである。

[図 14]図 14は、起動可否判定部が行う動作の一例を示すフローチャートである。

[図 15]図 15は、電子機器に表示される GUI画面の一例を示す図である。

[図 16]図 16は、電子機器に表示される GUI画面の一例を示す図である。

[図 17]図 17は、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停方法の動作手順の他の一例を説明するフローチャートである。

[図 18]図 18は、電子機器に表示される GUI画面の一例を示す図である。

符号の説明 [0020] 11一 IN 電子機器

20 ネットワーク

30 アプリケーション起動調停装置

101、 301 通信部

102 アプリ格納部

103 アプリ実行部

104 起動可否判定部

105 アプリ実行履歴記録部

302 起動指示部

303 起動可能機器探索部

304 アプリ実行優先度検出部

305 システム設定テーブル保持部

306 システム設定テーブル変更部

307 遅延起動監視部

発明を実施するための最良の形態

[0021] (システム全体の概要）

図 1は、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停システムの概要構成を示す図である。図 1において、本実施形態のアプリケーション起動調停システムは、複数の電子機器 11一 1N (Nは、 2以上の整数)と、アプリケーション起動調停装置 30と、これらを相互に接続するネットワーク 20とで構成される。ネットワーク 20は、接続された電子機器 11一 1Nの間でデータ通信が可能なものであれば、その通信規格は問わない。インターネットのようなパブリックネットワークであってもよいし、 LANのように限られたドメインの中で閉じられたネットワークであってもよいし、その両者の組み合わせ力もなつていてもよい。また、本実施形態では、アプリケーション起動調停装置 30を電子機器 11一 1Nとは別個の装置として説明するが、電子機器 11一 1Nのいずれか 1つに組み込んでもよい。

[0022] (電子機器の構成）

まず、電子機器 11一 1Nの概要を説明する。電子機器 11一 1Nは、それぞれ、通信部 101と、アプリ格納部 102と、アプリ実行部 103と、起動可否判定部 104と、アプリ実行履歴記録部 105とを備える。この電子機器 11一 1Nは、例えば家庭用電化製品や携帯電話等である。

[0023] 通信部 101は、ネットワーク 20を介して、他の電子機器及びアプリケーション起動調停装置 30との間で情報の送受信を行う。アプリ格納部 102は、ネットワーク 20を通じて配信されてくるアプリケーションプログラム（以下、アプリケーションと略す)を格納して保持する。

[0024] アプリ実行部 103は、アプリ格納部 102に格納されたアプリケーションを解釈して実行する。このアプリ実行部 103は、アプリ格納部 102に格納されたアプリケーションを解釈実行できれば何でもよぐ例えば既存の JAVA (登録商標)仮想マシン、 . NET 実行環境、及び BREW (登録商標）等のプログラム配信実行環境によって実現することができる。以下の実施形態では、アプリ実行部 103を JAVA (登録商標)仮想マシン環境と、配信されるアプリケーションを JAVA (登録商標）アプリケーションとした場合を例に挙げて説明する。

[0025] また、各アプリ実行部 103は、以下の情報を取得することができるものとする。

(1)アプリ実行部 103が、自身の電子機器内において使用することができるハードウエアの空き資源量の情報。例えば、電子機器のメモリ（図示せず）においてアプリケーシヨン実行用に割り当てられた容量のうち、起動要求を受けた時点で使用できる容量等である。

(2)すでに他のアプリケーションを動作させている最中である場合、動作中のアプリケーシヨンが使用しているハードウェアの資源量、及び動作中のアプリケーションが終了した場合に解放される (使用可能となる)ハードウェアの資源量の情報。

[0026] これらの情報の取得は、電子機器内でアプリ実行部 103が使用することができる資源量を監視することによって実現可能である。アプリ実行部 103を JAVA (登録商標）仮想マシンで実現する場合には、 JAVA (登録商標)仮想マシンが保持するヒープメモリ全体の使用量やアプリケーション毎のヒープメモリの使用量等のヒープメモリ使用状況を、レジスタ等を用いて記録しておき、必要な時にこの記録を調べることで、アブリ実行部 103が使用できる資源量を監視することができる。必要な時とは、例えばァプリケーシヨン起動前、アプリケーションの動作中、アプリケーションの開放時である。

[0027] 起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103によって得られるハードウェアの空き資源量から、他の電子機器力要求を受けたアプリケーションの起動が可能であるかどうかを判定する。アプリ実行履歴記録部 105は、アプリ実行部 103が過去に実行したアプリケーションの識別情報を記録して保持する。

[0028] なお、アプリ格納部 102、アプリ実行部 103、起動可否判定部 104及びアプリ実行履歴記録部 105は、アプリケーションの起動を実行する電子機器に必要な構成である。よって、アプリケーションの起動を要求するだけの電子機器には、これらの構成は不要となる。また、アプリ実行履歴記録部 105は、起動可否判定部 104が、アプリケーシヨンの起動が可能力どうかの判定に過去の履歴を用いる場合にのみ必要な構成であり、電子機器に必須の構成ではない。本発明では、起動可否判定の処理を、より簡単かつ高精度で実現することができる構成として、アプリ実行履歴記録部 105を提供している。

[0029] (アプリケーション起動調停装置の構成）

次に、アプリケーション起動調停装置 30の概要を説明する。アプリケーション起動調停装置 30は、通信部 301と、起動指示部 302と、起動可能機器探索部 303と、ァプリ実行優先度検出部 304と、システム設定テーブル保持部 305と、システム設定テ一ブル変更部 306と、遅延起動監視部 307とを備える。このアプリケーション起動調停装置 30は、例えばワークステーションや PCやホームサーバ等の機器である。なお、アプリケーション起動調停装置 30の各構成は、全て 1つの機器内に存在する必要はなく、複数の機器に分散されて存在して、ても構わな!/、。

[0030] 通信部 301は、ネットワーク 20を介して、電子機器 11一 1Nとの間で情報の送受信を行う。起動指示部 302は、要求されたアプリケーションの起動を、対象となる電子機器に指示する。また、起動指示部 302は、必要に応じてアプリケーションの起動に関して、電子機器のユーザとの間で交渉を行う。起動可能機器探索部 303は、要求されたアプリケーションを起動させることが可能な電子機器を 1つ選定する。アプリ実行優先度検出部 304は、要求されたアプリケーションについて、他のアプリケーションに対する優先度を検出する。遅延起動監視部 307は、対象となる電子機器がすぐに要求されたアプリケーションを起動できな、場合に、アプリケーションを起動できるようになるまで監視を行う。

[0031] システム設定テーブル保持部 305は、例えば図 2に示すシステム設定テーブルを用いて、起動指示部 302、起動可能機器探索部 303、アプリ実行優先度検出部 304 及び遅延起動監視部 307によって実現可能な各種機能について、使用 Z不使用を設定する。各種機能とは、起動可能機器探索機能、代替起動指示機能、起動交渉機能、遅延起動監視機能、及び起動通知機能である。システム設定テーブル変更部 306は、アプリケーションの起動を要求する電子機器力の要求に応じて、システム設定テーブルの情報を変更する。このシステム設定テーブルの情報は、例えば図 3 に示すような GUI画面を通じてユーザにより変更可能にすることが好ま、。このように変更可能にすることで、ユーザは必要な機能だけを選択してアプリケーション起動調停装置 30を動作させることができる。よって、ユーザの使用環境に適した利用が可能となる。

[0032] なお、アプリケーション起動調停装置 30において、アプリ実行優先度検出部 304及び遅延起動監視部 307は必須ではない。これらの構成は、すでに起動しているァプリケーシヨンを終了してまで要求されたアプリケーションを起動する場合、及び要求された電子機器で必ずアプリケーションを起動した、場合にのみ、必要な構成である。

[0033] (アプリケーション起動調停方法の説明）

以上の構成による電子機器 11一 1N及びアプリケーション起動調停装置 30で行われるアプリケーション起動調停方法を、電子機器 11が電子機器 12にアプリケーション Aの起動を要求する場合を一例に挙げて、以下具体的に説明する。図 4及び図 17 は、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停方法の動作手順の一例を説明するフローチャートである。図 4は、遅延起動監視機能を使用しない場合の動作手順を、図 17は、遅延起動監視機能を使用する場合の動作手順を示している。

[0034] 図 4のアプリケーション起動調停方法を説明する。

本発明のアプリケーション起動調停方法は、電子機器 11が、アプリケーション起動調停装置 30に対して、電子機器 12によるアプリケーション Aの起動を要求することで開始される。起動要求を受けたアプリケーション起動調停装置 30は、起動指示部 30 2によって、電子機器 12にアプリケーション Aの起動を指示する（ステップ S401)。

[0035] この実施例では、電子機器 12がアプリケーション Aに対応していることを前もってュ一ザが知っている場合を想定しており、図 5等の GUI画面を介してユーザが電子機器 12 (対象機器)とアプリケーション A (各種サービス）とを指定することを行う。これ以外にも、ユーザはアプリケーション Aだけを指定して、アプリケーション起動調停装置 30が対応する電子機器 12を特定する方法も考えられる。この場合には、起動可能機器探索部 303が、ネットワーク 20に接続された全ての電子機器 11一 1Nから、アブリ格納部 102に格納されているアプリケーションの情報を事前に取得して、アプリケーシヨン毎に起動対象にする電子機器を予め特定しておけばよい。この特定は、 UPn Pのサービスデイスカノリー等の機能を使用して実現可能である。

[0036] 図 5におヽて、「ビデオ録画サービス」とは、録画機能を備える電子機器で、放送を録画するサービスである。「予約録画サービス」とは、録画機能を備える起動機器で、指定日時に放送を録画するサービスである。「カメラモニタサービス」とは、動画像取得機能を備える電子機器で、取得した動画データを別の機器に転送するサービスである。「伝言通知サービス」とは、文章表示機能を備える電子機器で、指定された文章を表示させるサービスである。「施錠サービス」とは、施錠機能を備える電子機器で、リアルタイム又は指定日時に施錠をするサービスである。ユーザは、カーソルを所望のサービスに合わせて決定ボタンを押すことで起動要求を指定することができる。

[0037] アプリケーション起動調停装置 30から指示を受けた電子機器 12は、起動指示部 3 02から起動要求されたアプリケーション Aの情報を受信する。起動可否判定部 104 は、この情報と所定の判断基準とを考慮して、受信時点においてアプリ実行部 103によってアプリケーション Aの起動が可能か否かを判断する（ステップ S402)。ここで、起動が可能と判断された場合には (ステップ S403、 Yes)、起動可否判定部 104によつて、アプリ実行部 103に起動可能が通知され、電子機器 12によってアプリケーション Aが起動されて実行される (ステップ S407)。一方、起動が不可能と判断された場合には (ステップ S403、 No)、起動可否判定部 104によって、アプリケーション起動調停装置 30に起動不可能の応答が通知される。

[0038] 起動不可能の応答を受信すると、アプリケーション起動調停装置 30の起動可能機器探索部 303は、アプリケーション Aの起動が可能な代替の電子機器を、他の電子機器 13— 1Nの中から探索する (ステップ S404)。探索の結果、代替電子機器が存在すれば (ステップ S405、 Yes)、アプリケーション起動調停装置 30の起動指示部 3 02は、代替電子機器にアプリケーション Aの起動を指示する (ステップ S406)。そして、アプリケーション起動調停装置 30から指示を受けた代替電子機器は、起動指示部 302から起動要求されたアプリケーション Aの情報を受信して、ステップ S402以降の処理を電子機器 12と同様に行う。一方、探索の結果、代替電子機器が存在しなければ (ステップ S405、 No)、アプリケーション起動調停装置 30は、アプリケーション A の起動を断念してこの起動調停処理を終了する。この場合、電子機器 11の表示画面に処理を中止した旨のメッセージを表示してもよい。

[0039] (起動可否判定処理の説明）

次に、図 4のステップ S402で行う起動可否判定処理の詳細な動作を説明する。このステップ S402における起動可否判定動作としては、アプリ実行履歴記録部 105を構成に含まない場合（図 6)と、構成に含む場合（図 7)との 2通りがある。

[0040] 図 6の起動可否判定動作を説明する。起動可否判定部 104は、自身の電子機器が、アプリケーション Aを取得できる能力を有しているか否かを判定する（ステップ S601 ) oこの取得とは、他の電子機器やシステムの外部力もネットワーク 20を介してフアイル交換やダウンロードできることを意味する。ファイル交換又はダウンロードの可否は、ファイル交換の制限やアプリケーションの配布場所を検査することで判定できる。ァプリケーシヨンの配布場所は、例えばアプリケーションの属性データ力も得ることができる。例えば、 JAVA (登録商標）実行環境の場合、アプリケーションの属性ファイルデータは、アプリケーションと共に配布される JADファイルに記録される。 JADフアイルには、そのファイルの配布場所が URLや IPアドレス等のネットワークアドレスによつて記述されており、このネットワークアドレスにアクセス可能であれば、ダウンロードによってアプリケーションの取得が可能であることを判定することができる。もちろん、すでにアプリケーション Aを保持している場合には、取得能力を有していることになる。

[0041] 取得能力を有していると判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103 1S 複数のアプリケーションを同時に動作させる能力を有している力否かを判定する（ステップ S602)。ここで、同時に動作させる能力を有していないと判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103が他のアプリケーションを実行中である力否かをさらに判定する（ステップ S603)。このような判定を行うのは、アプリ実行部 103 の動作環境によっては、アプリケーションを同時に 2つ以上動作させることのできない場合があるためである。例えば、 JAVA (登録商標)仮想マシンの一仕様である KVM では、アプリケーションを 1つしか動作させられない。よって、起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103の動作環境を検査することで、同時動作能力の有無を判定できる

[0042] 同時動作能力を有している又は有していなくても現在他のアプリケーションを実行していないと判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103が、要求されたアプリケーション Aの動作に必要なスペックを有して、る力否かを判定する（ステツプ S604)。このスペックとは、アプリケーション Aを動作させるための前提となっている仕様やライブラリ群等を有しているかどうかを判定する。この判定は、例えばアプリケーシヨンの属性データと、アプリ実行部 103のプロファイルデータを比較することによつて可能である。

[0043] アプリケーションの属性データとアプリ実行部 103のプロファイルデータとの形式は、アプリ実行環境の実現方式や機器の接続方式、及び通信プロトコルに依存する。このため、一意に決定することはできず、いくつかの組み合わせが考えられる。例えば、 JAVA (登録商標）実行環境の場合、アプリケーションの属性ファイルデータは、ァプリケーシヨンと共に配布される JADファイルに記録される。また、 UPnPを用いたネットワーク接続の場合では、アプリ実行部 103のプロファイルデータは、 XML形式で記述されたデータがアプリ実行部 103毎に準備される。 JADファイル等のアプリケーシヨン属性データ力もアプリケーション実行のための必要条件を解析し、 XMLデータ等のアプリ実行部 103のプロファイルデータ力もアプリ実行部 103がその条件を満たしているか否かを検査することによって、起動可否判定部 104は、アプリケーションの起動の可否を判定することができる。

[0044] 必要なスペックを満足して、ると判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリ実行部 103が、要求されたアプリケーション Aの動作に必要な空き資源量を有しているか否かを判定する (ステップ S605)。アプリケーションの実行に必要な資源量は、上述の JADファイル等のアプリケーション属性データに記述されることもある力記述されない場合もある。記述されない場合には、アプリケーションを実行する前に必要な資源量を見積もる。見積もりの計算には様々な方法があるが、簡単な方法としては、例えばアプリケーションの実行に必要なしきい値 (メモリサイズ 1MB等）を予め設定し、その値を超える資源量をアプリ実行部 103が確保できれば、アプリケーション実行可能とみなす等の方法が可能である。

[0045] そして、空き資源量を有していると判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリケーシヨン Aの起動が可能であると判定する（ステップ S606)。一方、ステップ S601、 S 603— S605のいずれか 1つでも満足しない場合には、起動可否判定部 104は、ァプリケーシヨン Aの起動が不可能であると判定する (ステップ S607)。なお、各判定ステツプの順序は、図 6に示した順序に限られるものではなぐ前後可能である。

[0046] 図 7の起動可否判定動作を説明する。この起動可否判定動作では、ステップ S601 一ステップ S603まで図 6と同様である。そして、同時動作能力を有している又は有して、なくても現在他のアプリケーションを実行して!/、な!/、と判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリ実行履歴記録部 105に記録されている履歴データを参照して、過去に同一のアプリケーションが実行された実績や、その時に使用された資源量に基づ、て、要求されたアプリケーション Aの起動可否を以下のように判断する。

[0047] 図 8は、アプリ実行履歴記録部 105に記録される履歴データの具体的な一例を説明する図である。図 8の例では、アプリ実行履歴記録部 105は、履歴データとしてァプリケーシヨン毎の識別情報を記録している。また、実行時に使用された資源量も記録している。この資源量の情報は必須ではないが、用意されていればより簡単で高い精度でアプリケーションの起動可否を判定することが可能となる。識別情報の内容としては、アプリケーションの種類、ファイル名、バージョン情報、作成者、及びフアイルサイズ等が考えられる力アプリケーションを一意に特定できるものであれば、図 8 に示す以外の内容であってもよい。これらの履歴データは、アプリ実行部 103でァプリケーシヨンが実行される毎に、アプリ実行履歴記録部 105に記録される。

[0048] 起動可否判定部 104は、アプリ実行履歴記録部 105に記録された履歴データを参照し、過去に同一のアプリケーションを動作したことがあるかどうかを判定する (ステツプ S701)。具体的には、起動要求されたアプリケーション Aの識別情報と一致する識別情報を持ったアプリケーションが、履歴データに存在するか否かが判定される。この判定の結果、一致する識別情報を持ったアプリケーションが存在する場合には、起動可否判定部 104は、そのアプリケーションの履歴データに記録されている資源量以上の空き資源量を、アプリ実行部 103が有している力否かを判定する。そして、空き資源量を有していると判定した場合、起動可否判定部 104は、アプリケーション Aの起動が可能であると判定する (ステップ S606)。一方、ステップ S701の判定の結果、一致する識別情報を持ったアプリケーションが存在しない場合には、起動可否判定部 104は、図 6に示したステップ S604及び S605の処理を行う。

[0049] この図 7に示す履歴データを参照する動作を行えば、図 6で説明した必要な資源量を見積もる方式で見積もりを少なくしてしまった時の弊害、すなわちアプリケーションを起動できたとしても実行中に必要なメモリが足りなくなり停止してしまうという事態、を回避することができる。よって、この処理を行えば起動可否をより正確に判定できるようになる。

[0050] (起動可能機器探索処理の説明）

次に、図 4のステップ S404で行う起動可能機器探索処理の詳細な動作を説明するこのステップ S404における起動可能機器探索動作としては、現在の状態においてアプリケーションの起動が可能な電子機器を選定する場合 (図 9及び図 10)と、優先度情報を用いて現在実行して、るアプリケーションを終了させることを考慮しつつァプリケーシヨンの起動が可能な電子機器を選定する場合（図 11及び図 12)との、 2通りがある。

[0051] 図 9の起動可能機器探索動作を説明する。

起動可能機器探索部 303は、電子機器 12の起動可否判定部 104からアプリケーシヨン A起動不可能の応答が通知されると、予め取得して、る機器情報を解析して、残る電子機器 13— 1Nの中にアプリケーション Aを代替動作できる電子機器が存在する力否かを判定する (ステップ S901)。判定の結果、起動動作可能な電子機器が全くない場合には (ステップ S902、 No)、アプリケーション Aを起動できる代替電子機器は存在しないと判断して処理を終了する (ステップ S906)。一方、起動可能な電子機器が 1つだけ存在する場合には (ステップ S903、 No)、その電子機器を代替電子機器として選定する (ステップ S905)。また、起動可能な電子機器が 2つ以上存在する場合には (ステップ S903、 Yes)、所定の条件に基づいて、いずれか 1つの電子機器を代替電子機器として選定する (ステップ S904)。所定の条件とは、アプリ実行部 103が有する空き資源量が最も大きいことや、電子機器のスペックがアプリケーシヨンの動作に適してヽること等である。

[0052] なお、図 9の例では、起動可能機器探索部 303が、予め取得している機器情報を用いて代替電子機器を選定する場合を示した。しかし、図 10に示した処理シーケンスのように、アプリケーション A起動不可能の応答が通知されると、起動可能機器探索部 303が、残る電子機器 13— 1Nに対してアプリケーション Aの情報を含んだ起動要求を改めて送信する（ブロードキャスト又はュ-キャスト)ようにしてもよ!、。この場合、起動要求を受けた電子機器 13— 1Nは、アプリケーション Aの起動可否の判定結果と現在の機器情報とを、起動可能機器探索部 303へ返送することになる（図 10)。また、アプリケーション Aの起動可否の判定結果と現在の機器情報とは、別個の通信によって取得するようにしても構わな、。

[0053] 図 11の起動可能機器探索動作を説明する。

この起動可能機器探索動作は、上述した図 9のステップ S906のようにアプリケーシヨン Aを起動できる代替電子機器が存在しなヽと判断した場合に有効である。この動作を行うにあたり、起動可能機器探索部 303は、電子機器 12の起動可否判定部 10 4力アプリケーション A起動不可能の応答が通知されると、要求を通知して電子機器 13— 1N力も優先度情報を取得する (ステップ S1101)。この取得は、アプリ実行優先度検出部 304において行われる。図 12は、優先度取得に関する処理シーケンスを示す図である。

[0054] この優先度情報とは、少なくとも以下の情報を指す。

(1)ダウンロードやファイル交換等によって、サービスを実現するアプリケーションを取得することができる力否かの情報。 (2)アプリ実行部が、要求されたアプリケーションを起動及び動作できるスペックを保持している力否かの情報。すなわち、アプリケーションを動作させるための前提となつて、る仕様やライブラリ群等を有して、る力否かの情報。

(3)アプリケーション起動の要求があった時点で、アプリ実行部において別のアプリケーシヨンが動作中であるか否かの情報。

(4)アプリケーション起動の要求があった時点で、アプリ実行部が確保できる空き資源量の情報。

(5)別のアプリケーションが動作中である場合、その別のアプリケーションを終了させた時に、アプリ実行部が確保できる空き資源量の情報。

(6)別のアプリケーションが動作中である場合、その別のアプリケーションの属性に関する情報。

[0055] 優先度情報を取得した後、起動可能機器探索部 303は、上述した通りにステップ S 901— S905の処理を実行する。これらの処理によって、アプリケーション Aを起動できる代替電子機器が存在しな!ヽと判断した場合、起動可能機器探索部 303及びアブリ実行優先度検出部 304は、優先度情報を参照して以下の処理を行う。

まず、アプリ実行部 103がアプリケーション Aを起動及び動作できるスペックを保持していない電子機器が、選択対象力も除外される (ステップ S1102)。次に、アプリ実行部 103において別のアプリケーションが動作中でない電子機器力ステップ S110 2で残った選択対象から除外される (ステップ S 1103)。これは、別のアプリケーションを動作中ではないにも拘わらず、起動可否判定部 104で起動不可能と判定された電子機器は、アプリケーションを起動する能力を有しないとみなせるからである。さらに、動作中の別のアプリケーションを終了させたとしても、アプリ実行部 103がアプリケーシヨン Aを実行できるだけの空き資源量を確保できなヽ電子機器が、ステップ S 11 03で残った選択対象から除外される (ステップ S 1104)。

[0056] 以上の除外処理の結果、選択対象の電子機器が残っている場合には (ステップ S1 105、 Yes)、起動可能機器探索部 303は、起動要求されたアプリケーション A及び選択対象の電子機器が現在動作中である全てのアプリケーションについて優先度付けを行って、優先度が最も低いアプリケーションを決定する (ステップ S1106)。優先度付けは、好ましくはアプリケーションの属性に関する情報を用いて行われる。この優先度付けによって決定された優先度が最も低いアプリケーションが、アプリケーション

A以外である場合 (ステップ S 1107、 No)、起動可能機器探索部 303は、そのアプリケーシヨンを動作中である電子機器を代替電子機器として選定する (ステップ S1108 )。一方、上記除外処理の結果、選択対象の電子機器が残っていない場合には (ステツプ S1105、 No)又は優先度付けによって決定された優先度が最も低いアプリケーシヨンが、アプリケーション Aである場合 (ステップ S1107、 Yes)には、起動可能機器探索部 303は、アプリケーション Aを起動できる代替電子機器は存在しな、と判断して処理を終了する（ステップ S906)。

[0057] ここで、例えば携帯電話に搭載されている JAVA (登録商標）実行環境向けの JAV A (登録商標）アプリケーションの属性情報である JADファイルからは、アプリケーションの属性に関する情報として以下の情報を得ることが可能である。

(1)動作中に通信機能を用いるアプリケーションであるか否力。

(2)動作において画面表示機能を用いるアプリケーションであるか否力。

(3)携帯電話における待ち受け画面上で動作し続けるアプリケーションのように、ュ一ザから明示的な操作がなくとも自動的に起動して動作するアプリケーションである力 ^; ^力 \>

[0058] そして、優先度付けの方法には、それぞれのアプリケーションの優先度評価値を算出して、それを比較して決定するという方法が考えられる。優先度評価値の計算方法としては様々な方法が考えられる力その一例を以下に示す。なお、関数 eval[x]は、 Xの条件が真なら「1」、偽なら「0」を返す関数である。 fl—f^¾、重み付けを与えるための変数であり、対応する関数値の重要度に応じて決められる。

優先度評価値 =

eval [アプリ実行部で実行中のアプリケーションである ] X f 1

+ eval [ 20分以上継続して実行されて!、るアプリケーションである ] X f 2 + eval [動作中に通信機能を用いるアプリケーションである] X f 3

eval [明示的なユーザ操作がなくても自動的に起動 ·動作するアプリケーションである] X f4 [0059] (アプリケーション起動処理の説明）

次に、図 4のステップ S404で図 11の動作が行われる場合に、同図のステップ S40 2で行うアプリケーション起動処理の詳細な動作を説明する。この場合のステップ S4 02におけるアプリケーション起動動作としては、ユーザに問い合わせる、すなわち起動交渉することなく現在のアプリケーションの実行を停止する場合（図 13)と、起動交渉した上で現在のアプリケーションの実行を停止する場合（図 14一図 16)との、 2通りがある。

[0060] 図 13のアプリケーション起動動作を説明する。

探索の結果、代替電子機器が特定されれば、アプリケーション起動調停装置 30の起動指示部 302は、代替電子機器にアプリケーション Aの起動を指示する。この指示を受けた代替電子機器は、アプリ実行部 103が、現在アプリケーションを動作中である力否かを判定する (ステップ S1301)。動作中である場合には、代替電子機器は、アプリ実行部 103がアプリケーション Aを実行できるだけの空き資源量を有しているか否かを判定する (ステップ S 1302)。この判定の結果、空き資源量を有していない場合には、代替電子機器は、動作中のアプリケーションを停止する (ステップ S1303)。そして、アプリ実行部 103がアプリケーション Aを実行できるだけの空き資源量を確保できた後、代替電子機器は、アプリ格納部 102にアプリケーション Aが格納されているか否かを確認し、格納されていなければダウンロード又はファイル交換等によってアプリケーション Aを取得する（ステップ S 1304及び S 1305)。アプリケーション Aを取得した後、図 4のステップ S402及び S403の処理を経て、代替電子機器によってァプリケーシヨン Aが起動されて実行される（ステップ S407)。

[0061] 図 14のアプリケーション起動動作を説明する。

探索の結果、代替電子機器が特定されれば、アプリケーション起動調停装置 30の起動指示部 302は、代替電子機器にアプリケーション Aの起動を指示する。この指示を受けた代替電子機器は、アプリケーション Aを起動させても良いか否かを、ユーザに問い合わせる（ステップ S1401)。この問い合わせは、例えば図 15のダイアログを代替電子機器の画面に表示することで行われる。この問い合わせの応答として、ュ一ザの許可 (例えば、明示的な「はい」という入力）が得られた場合には、上述した図 13のステップ S 1301及び S 1302の処理が実行される（ステップ S 1402、 Yes)。

[0062] そして、ステップ S 1302の判定の結果、空き資源量を有していない場合には、代替電子機器は、現在動作中のアプリケーションを停止させても良いか否かを、ユーザに問い合わせる（ステップ S 1403)。この問い合わせは、例えば図 16のダイアログを代替電子機器の画面に表示することで行われる。この問い合わせの応答として、ユーザの許可 (例えば、明示的な「はい」という入力）が得られた場合には、上述した図 13 のステップ S 1303— S 1305の処理力実行される（ステップ S 1404、 Yes)。

[0063] 一方、問、合わせの応答として、ユーザの許可が得られな、場合（明示的な「、ヽえ」という入力がなぐ一定時間が経過した場合を含む）には、アプリケーション Aの起動に失敗したと判断して、処理を終了する (ステップ S 1405)。

これにより、図 4のアプリケーション起動調停方法の説明が終了する。

[0064] 次に、図 17のアプリケーション起動調停方法を説明する。

上述した図 4のアプリケーション起動調停方法は、起動要求された電子機器 12がアプリケーション Aの起動が不可能である場合に、代替電子機器を探索する動作であった。これに対して、図 17のアプリケーション起動調停方法は、代替電子機器を探索せずに、起動要求された電子機器 12がアプリケーション Aの起動可能となるまで待機する動作である。

[0065] 図 17を参照して、電子機器 11から起動要求を受けたアプリケーション起動調停装置 30は、起動指示部 302によって、電子機器 12にアプリケーション Aの起動を指示する (ステップ S401)。アプリケーション起動調停装置 30から指示を受けた電子機器 12は、起動指示部 302から起動要求されたアプリケーション Aの情報を受信する。起動可否判定部 104は、この情報と所定の判断基準とを考慮して、受信時点においてアプリ実行部 103によってアプリケーション Aの起動が可能力否かを判断する (ステツプ S402)。ここで、起動が可能と判断された場合には (ステップ S403、 Yes)、起動可否判定部 104によって、アプリ実行部 103に起動可能が通知され、電子機器 12によってアプリケーション Aが起動されて実行される (ステップ S407)。一方、起動が不可能と判断された場合には (ステップ S403、 No)、起動可否判定部 104によって、ァプリケーシヨン起動調停装置 30に起動不可能の応答が通知される。 [0066] 起動可否判定部 104から起動不可能の通知を受けると、アプリケーション起動調停装置 30は、遅延起動監視部 307によって電子機器 12のアプリ実行部 103の動作の監視を開始する (ステップ S1701)。起動可否判定部 104は、遅延起動監視部 307 による監視が停止するまでの間 (ステップ S1702)、アプリ実行部 103はアプリケーシヨン Aの起動が可能になったかどうかを定期的に判断している (ステップ S403)。この定期的な判断は、一定周期のタイマによるポーリングで実現可能である。そして、起動可能になったと判断した場合には、起動可否判定部 104によって、アプリ実行部 1 03に起動可能が通知され、電子機器 12によってアプリケーション Aが起動されて実行される (ステップ S407)。監視期間にアプリケーション Aの起動が可能になると言うことは、電子機器 12でそれまで実行中であった別のアプリケーションが終了して空き資源量が確保された等の状態変化があったことを意味する。一方、遅延起動監視部 307による監視期間が経過しても可能にならない場合には、アプリケーション起動調停装置 30は、アプリケーション Aの起動を断念してこの起動調停処理を終了する。

[0067] なお、遅延起動監視部 307の監視期間は、無限であってもよい。また、遅延起動監視部 307の監視期間は、ユーザ力も与えられる指令によって停止してもよい。また、起動可能になったと判断した場合には、アプリケーション Aを起動することをユーザに問い合わせてもよい。この問い合わせは、例えば図 18のダイアログを電子機器 12の画面に表示することで行われる。この問い合わせの応答として、ユーザの許可（例えば、明示的な「はい」という入力）が得られた場合には、ステップ S407の処理が実行される。

また、図 17のアプリケーション起動調停方法は、図 4のアプリケーション起動調停方法の代わりに行われてもよいし、並行して行われてもよい。後者の場合、図 4のアプリケーシヨン起動調停方法によって代替電子機器が選定される力、図 17のアプリケーシヨン起動調停方法によって対象電子機器の空き資源量が確保されるか、 V、ずれか早く行われた電子機器においてアプリケーション Aの起動が行われることになる。

[0068] 以上のように、本発明の一実施形態に係るアプリケーション起動調停システム及び方法によれば、起動要求された電子機器にぉ、てアプリケーションの起動が不可能である場合に、アプリケーションの起動を代替できる別の電子機器を選定する力、又は起動要求された電子機器がアプリケーションを起動できる状態になるのを待つことを行う。これにより、従来よりも確実に所望のアプリケーションを起動させることができる。代替する電子機器は、各電子機器の能力や優先度を考慮するため、電子機器の選定に柔軟性を持たせることができる。

[0069] なお、本発明のアプリケーション起動調停装置 30を構成する起動指示部 302、起動可能機器探索部 303、アプリ実行優先度検出部 304、システム設定テーブル変更部 306、及び遅延起動監視部 307の各機能ブロックは、典型的には集積回路である LSI (集積度の違いにより、 IC、システム LSI、スーパー LSI、又はウルトラ LSI等と称される）として実現される（図 1の破線を参照)。これらは、個別に 1チップィ匕されてもよ V、し、一部又は全部を含むように 1チップィ匕されてもょ、。

また、集積回路化の手法は、 LSIに限るものではなぐ専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、 LSI製造後にプログラムすることが可能な FPGA (Field Programmable Gate Array)や、 LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギユラブル'プロセッサを利用してもよい。

さらには、半導体技術の進歩又は派生する別の技術により、 LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然その技術を用いて機能ブロックの集積ィヒを行ってもよ、。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。

産業上の利用可能性

[0070] 本発明は、複数の電子機器がネットワークを介して接続されたシステム環境等で利用可能であり、特に電子機器で実行されるアプリケーションの起動を調停する場合等に有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の電子機器がネットワークを介して接続されたシステムに用いられ、電子機器で実行されるアプリケーションの起動を調停するアプリケーション起動調停装置であつて、

いずれかの電子機器力も受け付けた所望のアプリケーションの起動要求に従って、起動対象となる対象電子機器にアプリケーション起動の指示を行う起動指示部と、前記複数の電子機器の中から、前記所望のアプリケーションの起動が可能な代替電子機器を選定する起動可能機器探索部とを備え、

前記起動指示部は、前記対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、前記起動可能機器探索部によって選定された代替電子機器にァプリケーシヨン起動の指示を行うことを特徴とする、アプリケーション起動調停装置。

[2] 前記代替電子機器が、すでに別のアプリケーションを実行中であるか否かを判断し、別のアプリケーションを実行中である場合には、前記所望のアプリケーション又は当該別のアプリケーションのどちらの優先度が高いかを検出するアプリ実行優先度検出部をさらに備え、

前記起動指示部は、前記アプリ実行優先度検出部において前記所望のアプリケーシヨンの優先度が高いと検出された場合に、前記代替電子機器に対して、前記別のアプリケーションを停止して前記所望のアプリケーションを起動させる指示を行うことを特徴とする、請求項 1に記載のアプリケーション起動調停装置。

[3] 前記対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、前記対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になるまで監視を行う遅延起動監視部をさらに備え、

前記起動指示部は、前記対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になった時に、前記対象電子機器にアプリケーション起動の指示を再度行うことを特徴とする、請求項 1に記載のアプリケーション起動調停装置。

[4] 前記対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、前記対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になるまで監視を行う遅延起動監視部をさらに備え、前記起動指示部は、前記対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になった時に、前記対象電子機器にアプリケーション起動の指示を再度行うことを特徴とする、請求項 2に記載のアプリケーション起動調停装置。

[5] 前記起動指示部及び前記起動可能機器探索部の動作を利用するか否かを記録するシステム設定テーブルを保持するシステム設定テーブル保持部と、

前記システム設定テーブルの記録内容を変更するシステム設定テーブル変更部とをさらに備え、

前記システム設定テーブルの内容を変更することで、前記所望のアプリケーションの起動が指示された電子機器が、前記起動指示部及び前記起動可能機器探索部の動作を制御できることを特徴とする、請求項 1に記載のアプリケーション起動調停装置。

[6] 前記起動指示部及び前記起動可能機器探索部の動作を利用するか否かを記録するシステム設定テーブルを保持するシステム設定テーブル保持部と、

前記システム設定テーブルの内容を変更することで、前記所望のアプリケーションの起動が指示された電子機器が、前記起動指示部及び前記起動可能機器探索部の動作を制御できることを特徴とする、請求項 2に記載のアプリケーション起動調停装置。

[7] 前記起動指示部及び前記遅延起動監視部の動作を利用するか否かを記録するシステム設定テーブルを保持するシステム設定テーブル保持部と、

前記システム設定テーブルの内容を変更することで、前記所望のアプリケーションの起動が指示された電子機器が、前記起動指示部及び前記遅延起動監視部の動作を制御できることを特徴とする、請求項 3に記載のアプリケーション起動調停装置。

[8] 前記起動指示部及び前記遅延起動監視部の動作を利用するか否かを記録するシステム設定テーブルを保持するシステム設定テーブル保持部と、前記システム設定テーブルの記録内容を変更するシステム設定テーブル変更部とをさらに備え、

前記システム設定テーブルの内容を変更することで、前記所望のアプリケーションの起動が指示された電子機器が、前記起動指示部及び前記遅延起動監視部の動作を制御できることを特徴とする、請求項 4に記載のアプリケーション起動調停装置。

[9] 前記起動指示部は、前記起動可能機器探索部によって選定された代替電子機器と通信を行って、前記所望のアプリケーションを実行させても良いかどうかを問い合わることを特徴とする、請求項 5に記載のアプリケーション起動調停装置。

[10] 前記起動指示部は、前記起動可能機器探索部によって選定された代替電子機器と通信を行って、前記所望のアプリケーションを実行させても良いかどうかを問い合わることを特徴とする、請求項 6に記載のアプリケーション起動調停装置。

[11] 前記起動指示部は、前記遅延起動監視部が所望のアプリケーションを起動可能な状態であると判断した時に、対象電子機器と通信を行って、前記所望のアプリケーシヨンを実行させても良いかどうかを問い合わることを特徴とする、請求項 7に記載のァプリケーシヨン起動調停装置。

[12] 前記起動指示部は、前記遅延起動監視部が所望のアプリケーションを起動可能な状態であると判断した時に、対象電子機器と通信を行って、前記所望のアプリケーシヨンを実行させても良いかどうかを問い合わることを特徴とする、請求項 8に記載のァプリケーシヨン起動調停装置。

[13] 前記起動指示部力のアプリケーション起動の指示に応じて、前記所望のアプリケーシヨンの起動が可能力否かを判定する起動可否判定部と、

前記起動可否判定部における起動可能の判定に応じて、前記所望のアプリケーシヨンを実行するアプリ実行部とを備える、請求項 1に記載のアプリケーション起動調停装置。

[14] 前記アプリ実行部によって過去に実行されたアプリケーションの識別情報を記録保持するアプリ実行履歴記録部をさらに備え、

前記起動可否判定部は、前記所望のアプリケーションと同一の識別情報を持つァプリケーシヨンが過去に実行された力否かに基づ、て、前記アプリ実行部で前記所望のアプリケーションの起動が可能であるか否かを判定することを特徴とする、請求項 13に記載のアプリケーション起動調停装置。

複数の電子機器がネットワークを介して接続されたシステムに用いられ、電子機器で実行されるアプリケーションの起動を調停するアプリケーション起動調停装置に用いられる集積回路であって、

いずれかの電子機器力も受け付けた所望のアプリケーションの起動要求に従って、起動対象となる対象電子機器にアプリケーション起動の指示を行い、当該対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合には、代替電子機器にアプリケーション起動の指示を行う起動指示部、

前記複数の電子機器の中から、前記所望のアプリケーションの起動が可能な前記代替電子機器を選定する起動可能機器探索部、

前記代替電子機器が、すでに別のアプリケーションを実行中であるか否かを判断し、別のアプリケーションを実行中である場合には、前記所望のアプリケーション又は当該別のアプリケーションのどちらの優先度が高いかを検出するアプリ実行優先度検出部、

前記対象電子機器による所望のアプリケーションの起動が不可能である場合、前記対象電子機器が所望のアプリケーションを起動可能な状態になるまで監視を行う遅延起動監視部、及び

前記起動指示部、前記起動可能機器探索部、及び遅延起動監視部の動作を利用するカゝ否かを記録するシステム設定テーブルの記録内容を変更するシステム設定テ一ブル変更部として機能する回路を、集積している。