WO2005054464A1 - 蛍光蛋白質 - Google Patents

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Hiroshi Hama
Masataka Kinjo
Kenta Saito
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Riken
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Abstract

 本発明の目的は、多量体を形成することなく単量体で存在する新規な蛍光蛋白質、並びに励起のピーク値(吸収極大波長)と蛍光のピーク値(蛍光極大波長)の差(ストークスシフト)を大きくすることにより、最大の励起で最大の蛍光を得ることができることを特徴とする赤色又は橙色の蛍光蛋白質を提供することである。本発明によれば、クサビライシ(Fungia sp.)由来の蛍光蛋白質に変異を導入することにより単量体化した新規な蛍光蛋白質、並びにコモンサンゴ(Montipora. sp)由来の新規な色素蛋白質及び蛍光蛋白質が提供される。

Description

明細書
蛍光蛋白質 技術分野
本発明は、 単量体で存在する新規な蛍光蛋白質に関する。 より詳細には、 本発 明は、 クサビライシ (Fungia sp.)由来の蛍光蛋白質に変異を導入することにより 単量体ィ匕した新規な蛍光蛋白質及びその利用に関する。 さらに本発明は、 新規な 色素蛋白質並びに蛍光蛋白質に関する。 より詳細には、 本発明は、 コモンサンゴ (Montipora. sp) 由来の新規な色素蛋白質及び蛍光蛋白質、並びにその利用に関 する。 背景技術
クラゲのェクオレア ·ビクトリア (Aequorea victoria) に由来する緑色蛍光蛋 白質 (GFP) は、 生物系において多くの用途を有する。 最近、 ランダム突然変 異誘発法おょぴ半合理的(semi- rational)突然変異誘発法に基づいて、色を変化さ せたり、 折りたたみ特性を改善したり、 輝度を高めたり、 あるいは pH感受性を 改変したといつた様々な G F P変異体が作製されている。 遺伝子組み換え技術に より他の蛋白質を GFP等の蛍光蛋白質に融合させて、 それらの発現および輸送 のモニタリングを行うことが行われている。
最もよく使用される GFP変異体の一つとして黄色蛍光蛋白質 (YFP) が挙 げられる。 YFPは、 クラゲ (Aequorea) G F P変異体の中でも最長波長の蛍光 を示す。 大部分の YF Pの εおよび Φは、 それぞれ 60,000〜100,000Μ-½η— 1およ び 0.6〜0.8であり (Tsien, R. Y. (1998). Ann. Rev. Biochem. 67, 509 - 544)、 これらの値は、 一般的な蛍光団 (フルォレセインおよびローダミンなど) の値に 匹敵する。 従って YF Pの絶対的輝度の改善は、 ほぼ限界に達しつつある。
また、 GFP,変異体の他の例として、 シアン色蛍光蛋白質 (CFP) があり、 E C F P (enhanced cyan fluorescent protein)力知られてレヽる 0 また、 イソギ ンチヤク(Discoma sp. )からは赤色蛍光蛋白質(R F P )も単離されており、 DasRed が知られている。 このように蛍光蛋白質は、 緑色、 黄色、 シアン色、 赤色の 4種 が次々と開発されスぺク トルの範囲は大幅に広がっている。
先に本発明者らは、 クサビライシ (Fungia sp. )の c D N Aティブラリーから、 既知の蛍光蛋白のアミノ酸配列に基づいて設計した好適なプライマーを用いて蛍 光蛋白質遺伝子を増幅してクローニングすることに成功し、 得られたクサビラィ シ (Fungia sp. )由来の蛍光蛋白質の蛍光特性を調べた結果、 当該蛍光蛋白質が所 望の蛍光特性を有することを見出している (国際公開 WO O 3 5 4 1 9 1号公 報)。
また、 ォワンクラゲ由来の GFPホモログの中には、 ストークスシフト (励起の ピーク値と蛍光のピーク値の差) の大きいタイプのもの (GFPuv、 sapphire) があ る力 380nmの UV光で励起して緑色蛍光を取得するため、生物内での観察には毒 性をもつ UV光の使用は適さない。赤色蛍光蛋白質についてはス トークスシフトの 大きなものは存在せず、 蛍光観察においては、 励起もしくは蛍光のどちらかを犠 牲にしなければならないのが現状である。 発明の開示
国際公開 WO 0 3 / 5 4 1 9 1号公報に記載されたィシサンゴ目のクサピライ シより単離された蛍光蛋白質 Kusabira- Orange (K0) は分子量損 U定の結果、 70 k Da (アミノ酸配列から計算される分子量は 26 k Da) を示し、 通常は二量体を形成 していると考えられる。 近年、 蛍光蛋白質をもちいて細胞や分子のラベルする需 要が急速に高まっている。 細胞をラベルする際には蛍光蛋白質が多量体を形成し ようと、蛍光蛋白質自身は細胞質中に漂っているだけなので問題は起こらなレ、が、 分子をラベルする際には問題が生じてくる。 例えば、 ラベルしたい分子が多量体 を形成する場合、ターゲット分子と蛍光蛋白質分子が互いに多量体を形成し合レ、、 巨大なポリマー,を形成してしまう可能性がある。 また、 どちら力の多量体形成が 阻害された時には、その多量体形成できない分子が本来の性質を失うことになる。 蛍光蛋白質を複数用いた分子内 FRET (蛍光エネルギー共鳴移動) のプローブにお いても同様に、 多量体形成蛍光蛋白質同士を一本のペプチド鎖として発現させた 場合に、 互いが多量体形成をしあうために FRETの観測【ま困難となる。 本発明は、 上記した問題を解消することを解決すべき課題とするものであり、 具体的には、 多量体を形成することなく単量体で存在する新規な蛍光蛋白質を提供することを 解決すべき課題とした。
また、 蛍光蛋白質は低分子の蛍光物質に比して励起と蛍光のスぺクトルがプロ ードである。 そして、 多くの蛍光蛋白質では励起スぺク トルと蛍光スペク トルの 重なりがあるため、 励起のピーク値で励起して蛍光のピーク値で観測することが 非常に困難である。 本発明は、 上記した問題点を解消した蛍光蛋白質を提供する ことを解決すべき課題とした。.即ち、本発明は、励起のピーク値 (吸収極大波長) と蛍光のピーク値 (蛍光極大波長) の差 (スト一タスシフト) を大きくすること により、 最大の励起で最大の蛍光を得ることができることを特徴とする赤色又は 橙色の蛍光蛋白質を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、 国際公開 WO O 3 / 5 4 1 9 1号公報に記載された蛋白質 K0 のアミノ酸配列から多量体形成界面を予測 し、 多量体形成界面のアミノ酸を置換し、 なおかつ蛍光特性を保持するよう K0 の単量体化を行うことに成功した。 さらに本発明者らは、 得られた単量体蛍光蛋 白質の蛍光特性を調べた結果、 所望の蛍光特性を有することを見出した。 本発明 はこれらの知見に基づいて完成したものである。
さらに本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、 材料としてコモン サンゴ iMontipora. sp) を用いて新規色素蛋白質をコードする遺伝子の単離を試 み、 色素蛋白質 C0CPを取得した。 次いで、 C0CP蛋白質の 94番目のヒスチジンを ァスパラギンに、 142番目のァスパラギンをセリンに、 157番目のァスパラギンを ァスパラギン酸に、 201番目のリジンをアルギニンに、 206番目のフエ二ルァラ二 ンをセリンに置,き換えることにより蛍光性を獲得した蛍光蛋白質 C0CP - FLを作成 した。 C0CP- FLは 560nraに励起のピークを持ち、 この励起によって蛍光スぺタト ルは 600nmにピークした。 さらに、本発明者者らは、上記 C0CP - FLの 61番目のセ リンをフエニノレアラニンに、 92番目のイソロイシンをトレオニンに、 123番目の パリンをトレオニンに、 158番目のフエ二ルァラニンをチロシンに、 191番目のバ リンをイソロイシンに、 213 番目のセリンをァラニンに置き換えることにより C0CP-FL とは異なる蛍光特性をもつ蛋白質 keima616を作成した。 ke ima616は、 440nmに励起のピークをもち、 この励起によって蛍光スぺクトルは 616nmにピー クを持ち、 スト一タスシフトは 176nmと非常に大きな値であった。 さらに、 本発 明者らは、 Keima616の 61番目のフエ二ルァラニンをメチォニンに、 62番目のグ ルタミンをシスティンに置き換えることにより蛍光蛋白質 Keima570を作成した。 この Keima570は Keima616と同様 440nmに励起のピークを持ち、 この励起により 570nmの蛍光のピークを示し、.ストークスシフトは 130nmと大きな :であった。 本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、 本発明によれば、 以下の (a ) 又は (b ) に示す蛍光蛋白質が提供され る。
( a ) 配列番号 1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
( b ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミ 酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付カ卩されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。 本発明の別の態様によれば、 以下の (a ) 又は (b ) に示す蛍光蛋白質が提供 される。
( a ) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
( b ) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列において 1カ ら数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列 番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等 ί 蛍光特性を 有する蛋白質。
本発明のさら ί,こ別の態様によれば、 以下の (a ) 又は (b ) に示 蛍光蛋白質 が提供される。 ( a ) 配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 1 9、 21、 23、 25、 27又は 2
9に記載のァミノ酸配列を有する蛍光蛋白質;
(b) 配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 1 9、 21、 23、 25、 27又は 2
9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及ぴノ又 は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列番号 1 1、 13、 1 5、 1 7、 19、 21、 23、 25、 27又は 29に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と 同等の蛍光特性を有する蛋白質。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 をコードする DNAが提供される。
( a ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質
(b) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。 本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 をコードする DNAが提供される。
(a) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列 番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を 有する蛋白質。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 をコードする DNAが提供される。
( a ) 配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 19、 21、 23、 25、 27又は 2 9に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質;
( b ) 配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 19、 21、 23、 25、 27又は 2
9に記載のアミ/酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又 は付加されたァミノ酸配列を有し、 それぞれ配列番号 1 1、 13、 1 5、 1 7、 19、 21、 23、 25、 27又は 29に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と 同等の蛍光特性を有する蛋白質:
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す DNAが提 供される。 .
(a) 配列番号 2に記載の塩基配列を有する DNA
(b) 配列番号 2に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換及 ぴ Z又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ配列番号 2に記載の塩基配列がコー ドする蛋白質と同等の蛍光特性を有する蛋白質であって、 単量体で存在する蛋白 質をコードする塩基配列を有する DNA。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す DNAが提 供される。
(a) .配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列を有する DNA
(b) 配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列において、 1から数個の塩 基の欠失、 置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、 かつそれぞれ配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列がコードする蛋白質と同等の蛍光特性を有 する蛋白質。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す DNAが提 供される。
( a ) 配列番号 12、 14、 16、 18、 20、 22、 24、 26、 28又は 3
0に記載の塩基配列を有する DNA。
( b ) 配列番号 12、 14、 16、 18、 20、 22.、 24、 26、 28又は 3 0に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換及ぴ /又は付加を 有する塩基配列を有し、 かつそれぞれ 12、 14、 16、 18、 20、 22、 2 4、 26、 28又は 30に記載の塩基配列がコードする蛋白質と同等の蛍光特性 を有する蛋白質。
さらにまた本,発明によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す色素蛋白質が提供 される。 (a) 配列番号 37に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(bゥ配列番号 37に記載のァミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸 欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 吸光特性を有する蛋白質。 本発明の別の態様によれば、 下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質が提供 される。
( a ) 配列番号 39に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質;
(b)配列番号 39に記載のァミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸 欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性を有する蛋白質。 本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 が提供される。
(a)配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から 数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光 特性を有し、 かつ 100 nm以上のストークスシフトを有する蛋白質。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a)'又は (b) に示す色素蛋白質 をコードする DN Aが提供される
( a ) 配列番号 37に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質;
( b )配列番号 37に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸 欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 吸光特性を有'する蛋白質。 本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 をコードする DNAが提供される。
( a ) 配列番号 39に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質;
(b)配列番号 39に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸 欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性を有する蛋白質。 本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質 をコードする DNAが提供される。
(a)配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質; (b') 配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から 数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光 特性を有し、 かつ 100 nm以上のストークスシフトを有する蛋白質。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す DN Aが提 供される。
(a) 配列番号 38に記載の塩基配列を有する DN A;
(b) 配列番号 38に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換 及び/又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ吸光特性を有する蛋白質をコード する塩基配列を有する D N A。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す DN Aが提 供される。 .
(a) 配列番号 40に記載の塩基配列を有する DNA;
(b) 配列番号 40に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換 及び Z又は付加を有する塩基配列を有し、 力つ蛍光特性を有する蛋白質をコード する塩基配列を有する DNA。
本発明のさらに別の態様によれば、 以下の (a) 又は (b) に示す D.NAが提 供される。
( a ) 配列番号 42、 44、 46又は 48に記載の塩基配列を有する D N A; (b) 配列番号 42、 44、 46又は 48に記載の塩基配列において、 1力、ら数 個の塩基の欠失、 置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ、 蛍光特性 を有し、 100 以上のストークスシフトを有する蛋白質をコードする塩基配 列を有する DNA。
本発明のさらに別の態様によれば、 上記した本発明の DNAを有する組み換え ベクターが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、 上記した本発明の DNA又は組み換えべク ターを有する形 転換体が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、 上記した本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質 とから成る融合蛍光蛋白質が提供される。 好ましくは、 他の蛋白質は細胞内に局 在する蛋白質であり、 さらに好ましくは、 他の蛋白質は細胞内小器官に特異的 fe 蛋白質である。 好ましくは、 他の蛋白質が蛍光蛋白質である。 この場合、 好まし くは、 融合蛋白質は分子内 F R E Tを生じることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、 上記した本発明の融合蛋白質を細胞内で搭 現させることを特徴とする、 細胞内における蛋白質の局在または動態を分析す 5 方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、 上記した本発明の蛍光蛋白質、 D N A、 糸且 み換えベクター、 形質転換体、 又は融合蛋白質を含む、 蛍光試薬キットが提供さ
図面の簡単な説明
図 1は、 mKOの吸収スぺク トルを示す。
図 2は、 mKOの励起スぺクトル (点線) 及ぴ蛍光スぺク トル (実線) を示す。 図 3は、 超遠心による分子量測定の結果を示す。 測定結果より分子量は 2 8
Daであることが分かった。
図 4は、 HeLa細胞で K0 (二量体) を用いてミトコンドリアをラベルした結果を 示す。 粒状になり正常なミ トコンドリアの形態とは異なる。
図 5は、 HeLa細胞で mKO (単量体) を用いてミ トコンドリアをラベルした結; : を示す。 ひも状の正常なミトコンドリアの形態として観察される。
図 6は、 UV励起緑色蛍光変異体 mKVU- 1の吸収スぺクトルを示す。
図 7は、 UV励起緑色蛍光変異体 mKVU- 1の励起スぺクトル及ぴ蛍光スぺクトスレ を示す
図 8は、 青色蛍光変異体 mKUV- 2の吸収スぺクトルを示す。
図 9は、 青色蛍光変異体 mKUV - 2の励起スぺク トル及び蛍光スぺク トルを示す 図 1 0は、 緑色蛍光変異体 mK0_FM32の吸収スぺクトルを示す。
図 1 1は、緑色蛍光変異体 mKO- FM32の励起スぺクトル及ぴ蛍光スぺク トルを^ 図 1 2は、 赤色蛍光変異体 mKO- F90の吸収スぺク トルを示す。
図 1 3は、 赤色蛍光変異体 mKO - F90の励起スぺクトル及ぴ蛍光スぺクトルを示 図 1 4は、 mKO時間経過変異体の 580nmの励起スぺクトルを示す。
図 1 5は、 mKO時間経過変異体の 580nmの励起スぺクトルを示す。
図 1 6は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺク トルを示す。
図 1 7は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺクトルを示す。
図 1 8は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺクトルを示す。
図 1 9は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺクトルを示す。
図 2 0は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺクトルを示す。
図 2 1は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺクトルを示す。
図 2 2は、 mKO時間経過変異体の蛍光スぺク トルを示す。
図 2 3は、 mKOの合成後 25時間まで 580nmの励起スぺク トルを示す。
図 2 4は、 mKO時間経過変異体の合成後 25時間まで 580nmの励起ス クトノレを 示す。
図 2 5は、 mKO時間経過変異体の合成後 25時間まで 580nmの励起ス クトノレを 示す。
図 2 6は、 mKO時間経過変異体の合成後 25時間まで 580nmの励起ス クトノレを 示す。
図 2 7は、 mKO時間経過変異体の合成後 25時間まで 580nmの励起ス ク卜ノレを 示す。
図 2 8は、 mKO時間経過変異体の合成後 25時間まで 580nmの励起ス クトルを 示す。
図 2 9は、 mKO時間経過変異体について、 緑蛍光の励起ピーク部分の 500nmと オレンジ蛍光の励起ピークである 548nmの値の比のプロットを示す。
図 3 0は、 mKO- FM14の N末端に Tailを連結した融合蛋白質遺伝子を HeLa— S3 細胞に遺伝子導入して、 イメージングを行った結果を示す。
図 3 1は、 mKO蛋白質に強い緑色光を照射し、 照射前後の吸収スぺク トルを測 定した結果を示す。
図 3 2は、 mK0-FM14蛋白質に.強い緑色光を照射し、照射前後の吸収スぺク トル を測定した結果を示す。
図 3 3は、 BDNF - mK0-FM14発現遺伝子ベクターの導入後、 約 12時間から 2 日 間に細胞に発現した融合蛋白質を蛍光顕微鏡で検出し、 強い緑色光を照射して、 特定の領域のみオレンジ色蛍光を褪色させた結果を示す。
図 3 4は、 BDNF_mK0 - FM14発現遺伝子ベクターの導入後、 約 12時間から 2 日 間に細胞に発現した融合蛋白質を蛍光顕微鏡で検出し、色の変化から分子(BDNF - mK0-FM14) を追跡した結果を示す。
図 3 5は、 分子内 FRETを行うための蛍光蛋白質の模式図を示す。
図 3 6は、単量体蛍光蛋白質 mKOと 2量体蛍光蛋白質 MiCyの蛍光スぺクトノレと 吸収スぺク トルを示す。
図 3 7は、 MiCy— linker— mKOを用いて、 Caspase3との反応前と反応後の反応 液の蛍光スぺクトルを 440nmで励起して測定した結果を示す。
図 3 8は、 MiCy—linker_mKOを用いて in vivoで Caspase3の活性を測定した 結果を示す。
図 3 9は、 C0CPの吸収スぺク トルを示す。
図 4 0は、 C0CPの p H感受性の測定結果を示す。
図 4 1は、 Keima616の励起スぺクトルと蛍光スぺクトルを示す。
図 4 2は、 Keima570の励起スぺクトルと蛍光スぺクトルを示す。
図 4 3は、 Keima616の PH感受性の測定結果を示す。
図 4 4は、 Keima570の PH感受性の測定結果を示す。
図 4 5は、 cmkeima620の超遠心分子量測定の結果を示す。
図 4 6は、 cmkeima620の吸収スぺク トルを示す。
図 4 7は、 mkeima620の吸収スぺク トルを示す。 図 4 8は、 keima616と ECFPの励起スぺクトルと蛍光スぺクトルを示す。
図 4 9は、 Caspase- 3の活性測定に用いた蛋白質モチーフを示す。
図 5 0は、 In vitroプロテアーゼ活性と相互相関を示す。 リンカ一部分に DEVD の配列を挿入したタンデム蛍.光蛋白質のサンプルは 3 種 ECFP-Keima616、 Keima616- ECFP、 EGFP- mRFPl (x2)。 (上段) caspase- 3 を加える前の自己相関、 相互相関関数。 (中段) caspase-3 添加後の相互相関関数。 (下段) 同添加後 の蛍光強度。
図 5 1は、 各融合蛋白モチーフにおける Relative amplitudeを示す。
図 5 2は、 Caspase- 3によるべプチド鎖切断の検出(SDS- PAGE)を示す。
図 5 3は、 タンパク質間相互作用の検出に用いた融合蛋白質モチーフを示す。 図 5 4は、 CaCl 2 ( + ) 時の. ECFP— CaMと M13- Keima 6 1 6の蛍光相互相関関数 を示す。
図 5 5は、 CaCl 2 (—) 時の ECFP— CaMと M13_Keima 6 1 6の蛍光相互相関関数 を示す。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態について詳細に説明する。
( 1 ) 本発明の蛋白質
( i ) 本発明の第 1の型の蛍光蛋白質
本発明の第 1の型の蛍光蛋白質は、 以下の (a ) 又は (b ) の何れかに示す蛋 白質である。
( a ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質;
( b ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。 本発明の蛍光 白質は、 下記の特性を有することを特徴とする。
( 1 ) 励起極大波長が 5 4 8 n mであり、 蛍光極大波長は 5 5 9 n mである; (2) 548 nmにおけるモル吸光係数が、 51600である;
( 3 ) 量子収率が 0. 6である;及ぴ
(4) 蛍光特性の pH感受性が pKa = 5. 0である
クサピライシ (Fungia sp. )はサンゴの 1種で、 主に西部大西洋に生息し、 群体 の外形は多角形で触手が長く、 全体が鮮やかなオレンジ色を呈することを特徴と する。
なお、 本書中以下の実施例では、 クサビライシ (Fungia sp.)を出発材料として 上記特性を有する本発明の蛍光蛋白質を取得したが、 クサビライシ(Fungia sp.) 以外の蛍光を発するサンゴから本発明の蛍光蛋白質を取得することができる場合 もあり、 そのような蛍光蛋白質も本発明の範囲内である。
本明細書で言う 「1から数個のアミノ酸の欠失、 置換及び/又は付加を有する アミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、 1から 20個、 好ましくは 1から 10個、 より好ましくは 1から 7個、 さらに好 ましくは 1から 5個、 特に好ましくは 1から 3個程度を意味する。
本明細書で言う 「同等の蛍光特性」 とは、 同等の蛍光強度、 同等の励起波長、 同等の蛍光波長、 同等の p H感受性などを有することを意味する。
本発明の蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、 化学合成により合 成した蛋白質でもよいし、 遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質で あよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、 先ず当該蛋白質をコードする DNAを入 手することが必要である。 本明細書の配列表の配列番号 1から 30に記載したァ ミノ酸配列並びに塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計 し、 それらを用いて上記した国際公開 WOO 3/54191号公報に記載の蛍光 蛋白質の cDNAクローンを鐃型にして PC Rを行うことにより、 本発明の蛍光 蛋白質をコードする DNAを取得することができる。 本発明の蛍光蛋白質をコー ドする DNAの一部の断片を上記した PCRにより得た場合には、 作製した DN A断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、 所望の蛍光蛋白 質をコードする DNAを得ることができる。 この DNAを適当な発現系に導入す ることにより、 本発明の蛍光蛋白質を産生することができる。 発現系での発現に ついては本明細書中後記する。
さらに本発明によれば、 上記レた本発明の蛋白質 (mKO) の変異体蛋白質も 提供される。 具体的には、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質が提供され る。
(a) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列 番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を 有する蛋白質。 - さらに別の具体例としては、 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質が提供 される。
( a ) 配列番号 11、 13、 15、 17、 19、 21、 23、 25、 27又は 2
9に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質;
( ) 配列番号 11、 13、 15、 17、 19、 21、 23、 25、 27又は 2 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又 は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列番号 11、 13、 15、 17、 19、 21、 23、 25、 27又は 29に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と 同等の蛍光特性を有する蛋白質。
(i i) 本発明の第 2の型の蛋白質
本発明の第 2の型の蛋白質は、 配列番号 37、 39、 41、 43、 45又は 4 7に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;並びに配列番号 37、 39、 41、 4 3、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付カ卩されたアミノ酸配列を有し、 吸光特性又は蛍光特性を有す る蛋白質である。,配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を有 する蛋白質のストークスシフト (吸収極大波長と蛍光極大波長の差) はそれぞれ 176 nmN 1 30 nm、 180 n m、 及び 1 80 n mである。 配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性を有する蛋白質につ いては、 そのストークスシフト.は 100 nm以上、 より好ましくは 120 nm以 上になるものとする。
本発明の蛋白質は、 下記の特性を有することを特徴とする。
(1) C0CP (アミノ酸配列を配列番号 37に示し、 塩基配列を配列番号 38に示 す)
励起極大波長 (吸収極大波長) : 576 n m
576 nmにおけるモル吸光係数: 64000
H感受性:なし .
(2) C0CP-FL (アミノ酸配列を配列番号 39に示し、塩基配列を配列番号 40に 示す)
励起極大波長 (吸収極大波長) : 560 n m
蛍光極大波長: 600 n m
(3) keima616 (アミノ酸配列を配列番号 41に示し、 塩基配列を配列番号 42 に示す)
励起極大波長 (吸収極大波長) : 440 n m
蛍光極大波長: 616 n m
H感受性: p H 7. 5〜 10で蛍光強度は安定
(4) keima570 (アミノ酸配列を配列番号 43に示し、 塩基配列を配列番号 44 に示す)
励起極大波長 (吸収極大波長): 440 n m
蛍光極大波長: 570 n m
H感受性: p H 7. 5〜 10で蛍光強度は安定
(5) cmkeima620 (アミノ酸配列を配列番号 45に示し、 塩基配列を配列番号 4 6に示す) 励起極大波長 (吸収極大波長) : 440nm
蛍光極大波長: 620nm
( 6 ) mkeima620 (ァミノ酸配列を配列番号 4 7に示し、塩基配列を配列番号 4 8 に示す)
励起極大波長 (吸収極大波長) : 440nm
蛍光極大波長: 620nm
本明細書中の実施例においては、 本発明の蛋白質をコードする D N Aは、 コモ ンサンゴ {MontiDora. sp) を出発材料としてクローユングされた。 コモンサンゴ
{Montipora. sp) は、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目ミドリイシ 科に属するサンゴの 1種であり、 塊状や被覆状の群体を形成することが多い。 な お、 コモンサンゴ {Montipora, sp) 以外の蛍光を発するサンゴから本発明の蛋白 質を取得することができる場合もあり、 そのような蛋白質も本発明の範囲内であ る。
本明細書で言う 「1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加された アミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、 1から 2 0個、 好ましくは 1から 1 0個、 より好ましくは 1から 7個、 さらに好 ましくは 1から 5個、 特に好ましくは 1から 3個程度を意味する。
本明細書において、 「吸光特性を有する蛋白質」とは一定の波長の光を吸収でき る性質を有する蛋白質を意味する。 「配列番号 3 7に記載のアミノ酸配列におい て 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有 し、 吸光特性を有する蛋白質」 の吸光特性は、 配列番号 3 7に記載のアミノ酸配 列を有する蛋白質の吸光特性と実質的に同一でもよいし、 異なっていてもよい。 吸光特性は、 例えば、 吸光強度、 励起波長 (吸収波長)、 p H感受性などにより評 価することができる。 本発明の蛋白質のうち吸光特性を有し、 蛍光を発しない色 素蛋白質は、 (1 ) F R E Tのァクセプター分子(エネルギー受容体) として用い たり、 ( 2 )照射した光のエネルギーを光以外のエネルギーに変換させるシステム の開発に利用したり、 あるいは (3 ) 蛋白質のアミノ酸配列に変異を導入して蛍 光を発するように改変することなどに用いることができる。
本明細書において、 「蛍光特性を有する蛋白質」 とは、一定の波長の光で励起す ることにより蛍光を発することができる性質を有する蛋白質を意味する。 「配列 番号 3 9、 4 1、 4 3、 4 5又 4 7に記載のアミノ酸配列において 1から数個 のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性' を有する蛋白質」 の蛍光特性はそれぞれ、 配列番号 3 9、 4 1、 4 3、 4 5又は 4 7に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質の蛍光特性と実質的に同一でもよいし、 異なっていてもよい。 蛍光特性は、 例えば、 蛍光強度、 励起波長、 蛍光波長、 p H感受性などにより評価することができる。
本発明の色素蛋白質又は蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、 ィ匕 学合成により合成した蛋白質でもよいし、 遺伝子組み換え技術による作製した組 み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、 先ず当該蛋白質をコードする D NAを入 手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号 3 7、 3 9、 4 1、 4 3、 4 5又は 4 7に記載したアミノ酸配列並びに配列番号 3 8、 4 0、 4 2、 4 4、 4 6又は 4 8に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマー を設計し、 それらを用いてコモンサンゴ (Montipora sp. ) 由来の c D N Aライブ ラリーを鎵型にして P C Rを行うことにより、 本発明の蛋白質をコードする D N Aを取得することができる。 本発明の蛋白質をコードする D NAの一部の断片を 上記した P C Rにより得た場合には、 作製した D N A断片を順番に遺伝子組み換 え技術により連結することにより、 所望の蛋白質をコードする D N Aを得ること ができる。 この D NAを適当な発現系に導入することにより、 本発明の蛋白質を 産生することができる。 発現系での発現については本明細書中後記する。
( 2 ) 本発明の D NA
本発明によれ 、 本発明の第 1の型の蛍光蛋白質をコードする D NAが提供さ れる。 本発明の第 1の型の蛍光蛋白質をコードする DNAの具体例としては、 以下の (a) 又は (b) に示す蛋白質をコードする DNAが挙げられる。
(a) 配列番号 1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質
( b ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。 本発明の蛍光蛋白質をコードする DNAの更なる具体例としては、以下の(a) 又は (b) に示す DNAもまた挙げられる。
(a) 配列番号 2に記載の塩基配列を有する DNA
(b) 配列番号 2に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換及 び/又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ配列番号 2に記載の塩基配列がコー ドする蛋白質と同等の蛍光特性を有する蛋白質であって、 単量体で存在する蛋白 質をコードする塩基配列を有する DNA。
また、 上記した (1) に記載した本発明の蛋白質 (mKO) の変異体蛋白質を コードする DNAも本発明の範囲内である。
さらに本発明によれば、 本発明の第 2の型の蛋白質をコードする DNAが提供 される。
本発明の蛋白質をコードする DNAの具体例としては、以下の (a) 又は (b) に示す蛋白質をコードする DNAが挙げられる。
(a) 配列番号 37、 39、 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を 有する蛋白質;
(b) 配列番号 37、 39、 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列に おいて 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列 を有し、 吸光特性又は蛍光特性を有する蛋白質。
本発明の色素蛋白質又は蛍光蛋白質をコードする DN Aの更なる具体例として は、 以下の (a) 又は (b) に示す DNAもまた挙げられる。
( a ) 配列番号 38、 40、 42、 44、 46又は 48に記載の塩基配列を有す る D NA;
( b ) 配列番号 3 8、 4 0、 4 2、 4 4、 4 6又は 4 8に記載の塩基配列におい て、 1から数個の塩基の欠失、 置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、 か つ吸光特性又は蛍光特性を有する蛋白質をコードする塩基配列を有する D NA。 本明細書で言う 「1から数個の塩基の欠失、 置換及ぴ Z又は付加を有する塩基 配列」 における 「1から数個」 の範囲は特には限定されないが、 例えば、 1から 5 0個、 好ましくは 1から 3 0個、 より好ましくは 1から 2 0個、 さらに好まし くは 1から 1 0個、 特に好ましくは 1から 5個程度を意味する。
本発明の D N Aは、 例えばホスホアミダイト法などにより合成することができ るし、 特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応 (P C R) によって製造 することもできる。 本発明の D N A又はその断片の作製方法については、 本明細 書中上述した通りである。
また、 所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。 例 えば、 部位特異的変異誘発法、 縮重オリゴヌクレオチドを用いる P C R、 核酸を' 含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することに よって、変異を有する D N Aを構築することができる。このような公知の技術は、 例 ば、 Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed. , Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY-,1989、 並ぴに Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)に言己載 されている。 '
( 3 ) 本発明の組み換えベクター
本発明の D NAは適当なベクター中に挿入して使用することができる。 本発明 で用いるベクターの種類は特に限定されず、 例えば、 自立的に複製するベクター (例えばプラスミド等) でもよいし、 あるいは、 宿主細胞に導入された際に宿主 細胞のゲノムに且み込まれ、 組み込まれた染色体と共に複製されるものであって もよい。 好ましくは、 本発明で用いるベクターは発現ベクターである。 発現ベクターに おいて本発明の D N Aは、 転写に必要な要素 (例えば、 プロモータ等) が機能的 に連結されている。 プロモータは宿主細胞において転写活性を示す D N A配列で あり、 宿主の種類に応じて適宜することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、 バチルス ·ステア口テルモフィル ス · マノレトジエニック · アミ ラーセ逾伝子 (Bac i 1 lus st earothermophi lus maltogenic amylase gene)、 ノ テノレス · リケニホスレ^ス a ア^フ一 遺 is子 (Bacillus licheniformis alpha一 amylase gene)、 ノ テノレス ·ァ ^ロリケフアチェ ンス · BAN ァ フーセ愈伝十 (Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、 バチルス . サブチリス . アルカリプロテア一ゼ遺伝子(Bacillus S ubtilis alkaline protease gene)もし.く ノ チノレス ·プミノレス ·キシ口シダーゼ遺伝子 (Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、 またはファージ * ラムタの P R若しくは P Lプロモータ、 大腸菌の lac、 trp若しくは tacプロモータなどが 挙げられる。
哺轧動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、 S V 4 0プロモータ、 M T一 1 (メタ口チォネイン遺伝子) プロモータ、 またはアデノウイルス 2主後期 プロモータなどがある。 昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、 ポリへ ドリンプロモータ、 P 1 0プロモータ、 オートグラファ ·カリホル二力 ·ポリへ ド口シス塩基性蛋白プロモータ、 バキユウロウィルス即時型初期遺伝子 1プロモ ータ、 またはバキユウロウィルス 3 9 K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。 酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、 酵母解糖系遺伝子由来のプ 口モータ、アルコールデヒ ドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、 T P I 1プロモータ、 A D H2- 4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、 A D H 3プロモータまたは t p i Aプロモータなどがある。
また、 本発明 D N Aは必要に応じて、 例えばヒ ト成長ホルモンターミネータ または真菌宿主については T P I 1ターミネータ若しくは A D H 3ターミネータ のような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。 本発明の組み換えべ クタ一は更に、ポリアデ-レーシヨンシグナル(例えば S V 4 0またはアデノウイ ルス 5 E 1 b領域由来のもの)、転写ェンハンサ配列(例えば S V 4 0ェンハンサ) および翻訳ェンハンサ配列(例えばアデノウイルス VA R N A をコードするも の) のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、 該ベクターが宿主細胞内で複製することを 可能にする D N A配列を具備してもよく、その一例としては S V 4 0複製起点(宿 主細胞が哺乳類細胞のとき) が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。 選択マー カーとしては、 例えば、 ジヒドロ葉酸レダクターゼ (D H F R) またはシゾサッ カロマイセス .ボンべ T P I遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている 遺伝子、 または例えばアンピシリン、 カナマイシン、 テトラサイクリン、 クロラ ムフエェコール、 ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子 を挙げることができる。
本発明の D NA、 プロモータ、 および所望によりターミネータおよび/または 分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、 これらを適切なベクターに挿入する方法は 当業者に周知である。
( 4 ) 本発明の形質転換体
本発明の D N A又は組み換えべクタ一を適当な宿主に導入することによって形 質転換体を作製することができる。
本発明の D N Aまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、 本発明の D NA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、 細菌、 酵母、 真菌おょぴ高等真核 細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、 バチルスまたはストレブトマイセス等のグラム陽性菌 又は大腸菌等の,グラム陰性菌が挙げられる。 これら細菌の形質転換は、 プロトプ ラスト法、または公知の方法でコンビテント細胞を用いることにより行えばよレ、。 哺乳類細胞の例としては、 H E K 2 9 3細胞、 H e L a細胞、 C O S細胞、 B HK細胞、 C H L細胞または C H O細胞等が挙げられる。 哺乳類細胞を形質転換 し、 該細胞に導入された D NA配列を発現させる方法も公知であり、 例えば、 ェ レク ト口ポーレーシヨン法、 リン酸カルシウム法、 リポフエクシヨン法等を用い ることができる。
酵母細胞の例としては、 サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属す る細胞が挙げられ、 例えば、 サッカロマイセス · セレビシェ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス ·クノレイベリ S accharomyces kluyveri)等 が挙げられる。 酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、 例えば、 ェ レクト口ポレーシヨン法、 スフエロブラスト法、 酢酸リチウム法等を挙げること ができる。 .
他の真菌細胞の例は、 糸状菌、 例えばァスペルギルス、 ニューロスポラ、 フザ リウム、 またはトリコデルマに属する細胞である。 宿主細胞として糸状菌を用い る場合、 D N A構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることによ り形質転換を行うことができる。 D N A構築物の宿主染色体への組み込みは、 公 知の方法に従い、 例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。 昆虫細胞を宿主として用いる場合には、 組換え遺伝子導入ベクターおよぴバキ ュロウィルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウィルスを得 た後、 さらに組換えウィルスを昆虫細胞に感染させ、 蛋白質を発現させることが でさ Ο (例えば、 Baculovirus Expression Vectors, A Laboratory Manual;及ひ カレント 'プロトコールズ ·イン'モレキュラー.バイオロジー、 Bio/Technology, 6, 47 (1988)等に記載)。
パキュロウィルスとしては、 例えば、 ョ トウガ科昆虫に感染するウィルスであ るァゥトグラファ · 力リフォルニ力 ·ヌクレアー · ポリへドロシス · ウィルス (Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用レヽること力 Sでさる。 昆虫細胞としては、 Spodoptera frugiperda の卵巣細胞である S f 9、 S f 2 1 〔バキュロウィルス .エクスプレッション .ベクターズ、 ァ 'ラボラトリー · マニュアル、ダブリユー'ェイチ'フリーマン'アンド'カンパニー(W. H. Freeman and Company)、 ニューヨーク(New York)、 (1992)〕、 Trichoplusia niの卵巣細胞 である H i F i v e (インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、 昆虫細胞への組換え遺伝子導入べクターと 上記パキュロウィルスの共導入方法としては、 例えば、 リン酸カルシウム法又は リボフェクシヨン法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、 導入された D N A構築物の発現を可能にする条件下で適 切な栄養培地中で培養する。 形質転換体の培養物から、 本発明の蛍光融合蛋白質 を単離精製するには、 通常の蛋白質の単離、 精製法を用いればよい。
例えば、 本発明の蛋白質が、 細胞内に溶解状態で発現した場合には、 培養終了 後、 細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、 超音波破砕機等により細 胞を破砕し、 無細胞抽出液を得る。 該無細胞抽出液を遠心分離することにより得 られた上清から、 通常の蛋白質の単離精製法、 即ち、 溶媒抽出法、 硫安等による 塩析法、 脱塩法、 有機溶媒による沈殿法、 ジェチルアミノエチル (DEAE)セファロ ース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィ一法、 S- Sepharose FF (フ 了ルマシァ社製)等のレジンを用いた陽ィォン交換クロマトグラフィー法、ブチル セファロース、 フエ二ルセファロース等のレジンを用いた疎水†生クロマトグラフ ィ一法、 分子篩を用いたゲルろ過法、 ァフィ二ティークロマトグラフィー法、 ク ロマトフオーカシング法、 等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるい は組み合わせて用い、 精製標品を得ることができる。
( 5 ) 本発明の蛍光蛋白質及びそれを含む融合蛍光蛋白質の利用
本発明は蛍光蛋白質を他の蛋白質と融合させることにより、 融合蛍光蛋白質を 構築することができる。
本発明の融合蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、 化学合成によ り合成した蛋白 でもよいし、 遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白 質でもよい。 組み換え蛋白質を作製する場合には、 先ず当該蛋白質をコードする D N Aを入 手することが必要である。 本明細書の配列表の配列番号 1から 3 0に記載したァ ミノ酸配列及び塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、 本発明の蛍光蛋白質の遺伝子を含む D N A断片を铸型にして P C Rを行うことに より、 本発明の蛍光蛋白質をコードする D N Aを構築するのに必要な D NA断片 を作製することができる。 また同様に、 融合すべき蛋白質をコードする D NA断 片も入手する。
次いで、 これらの D N A断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結すること により、 所望の融合蛍光蛋白質をコードする D NAを得ることができる。 この D NAを適当な発現系に導入することにより、 本発明の融合蛍光蛋白質を産生する ことができる。 .
本発明の蛍光蛋白質は、 特に、 標識としての利用価値が高い。 即ち、 本発明の 蛍光蛋白質を被検アミノ酸配列との融合蛋白質として精製し、 マイクロインジェ クシヨン法などの手法により細胞内に導入し、 該融合蛋白質の分布を経時的に観 察すれば、 被検ァミノ酸配列の細胞内におけるターゲッティング活性を検出する ことが可能である。
本発明の蛍光蛋白質を融合させる他の蛋白質 (被検アミノ酸配列) の種類は特 に限定されるものではないが、 例えば、 細胞内に局在する蛋白質、 細胞内小器官 に特異的な蛋白質、 ターゲテイングシグナル (例えば、 核移行シグナル、 ミトコ ンドリア: 7°レ配列) 等が好適である。 なお、 本発明の蛍光蛋白質は、 マイクロイ ンジ クシヨン法などにより細胞内に導入する以外に、 細胞内で発現させて用い ることも可能である。 この場合には、 本発明の蛍光蛋白質をコードする D N Aが 発現可能に挿入されたベクターが宿主細胞に導入される。
また、 本発明の蛍光蛋白質は、 レポーター蛋白質としてプロモータ活性の測定 に用いることも可能である。 即ち、 被検プロモータの下流に、 本発明の蛍光蛋白 質をコードする jD N Aが配置されたベクターを構築し、これを宿主細胞に導入し、 該細胞から発せられる本発明の蛍光蛋白質の蛍光を検出することにより、 被検プ 口モータの活性を測定することが可能である。 被検プロモータとしては、 宿主細 胞内で機能するものであれば、 特に制限はない。
上記アミノ酸配列のターゲティング活性の検出やプロモータ活性の測定におい て用いられるベクターとしては、 特に制限はないが、 例えば、 動物細胞用べクタ 一では、 「pNE0」 (P. Southern, and P. Berg (1982) J. M01. Appl. Genet. 1 : 3 27)、 「pCAGGS」 (H. Ni a, K. Yamamura, and J. Miyazaki. Gene 108, 193-200 (1991) )、
「pRc/CMV」 (インビトロゲン社製)、 「pCDM8」 (インビトロゲン社製) などが、 酵 母用ベクターでは、 「pRS3<33」 , 「pRS304」 , rpRS305j , rpRS306j , rpRS313j ,
「pRS314」 , 「pRS315」 , [pRS316] (R. S. Sikorski and P. Hieter (1989) Genetic s 122: 19-27)、 「pRS423」 , 「pRS424」 , 「pRS425」 , 「pRS426」 (T. W. Christians on, R. S. Sikorski, M. Dante, J. H. Shero, and P. Hieter (1992) Gene 110: 119 - 122) などが好適に用いられる。
また、 使用可能な細胞の種類も特に限定されず、 各種の動物細胞、 例えば、 L 細胞、 BalbC- 3T3細胞、 NIH3T3細胞、 CH0 (Chinese hamster ovary)細胞、 HeLa細 胞、 腿(no皿 1 rat kidney)細胞、 「Saccharomyces cerevisiaej などの酵母細胞 や大腸菌 (E. coli) 細胞などを使用することができる。 ベクターの宿主細胞への 導入は、 例えば、 リン酸カルシウム法やエレクト口ポレーシヨン法などの常法に より行うことができる。
上記のようにして得た、 本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質 (蛋白質 Xとする) とを融合させた融合蛍光蛋白質を細胞内で発現させ、 発する蛍光をモニターする ことにより、細胞内における蛋白質 Xの局在や動態を分析することが可能になる。 即ち、 本発明の融合蛍光蛋白質をコードする D N Aで形質転換またはトランスフ ェクトした細胞を蛍光顕微鏡で観察することにより細胞内における蛋白質 Xの局 在や動態を可視化して分析することができる。
例えば、 蛋白質 Xとして細胞内オルガネラに特異的な蛋白質を利用することに より、 核、 ミトコンドリア、 小胞体、 ゴルジ体、 分泌小胞、 ペルォキソームなど の分布や動きを観察できる。 また、 例えば、 神経細胞の軸索、 樹状突起などは発生途中の個体の中で著しく 複雑な走向の変化を示すので、 こういった部位を蛍光ラベルすることにより動的 解析が可能になる。
本発明の蛍光蛋白質の蛍光は、 生細胞のまま検出することが可能である。 この 検出は、 例えば、 蛍光顕微鏡 (カールツァイス社 アキシォフォト フィルターセ ット 09) や画像解析装置 (ATT0デジタルイメージアナライザー) などを用いて 行うことが可能である。
顕微鏡の種類は目的に応じて適宜選択できる。 経時変化を追跡するなど頻回の 観察を必要とする場合には、 通常の落射型蛍光顕微鏡が好ましい。 細胞内の詳細 な局在を追及したい場合など、 解像度を重視する場合は、 共焦点レーザー顕微鏡 の方が好ましい。 顕微鏡システムとしては、 細胞の生理状態を保ち、 コンタミネ ーシヨンを防止する観点から、 倒立型顕微鏡が好ましい。 正立顕微鏡を使用する 場合、 高倍率レンズを用いる際には水浸レンズを用レヽることができる。
フィルターセットは蛍光蛋白質の蛍光波長に応じて適切なものを選択できる。 本発明の蛍光蛋白質は、 励起極大波長が 548 nmであり、 蛍光極大波長が 55 9 nmであることから、励起光 530〜55 Onm、 蛍光 550〜60 Onm程度の フィルターを使用することが好ましい。
また、 蛍光顕微鏡を用いた生細胞での経時観察を行う場合には、 短時間で撮影 を行うべきなので、 高感度冷却 CCDカメラを使用する。 冷却 CCDカメラは、 CCDを冷却することにより熱雑音を下げ、 微弱な蛍光像を短時間露光で鮮明に 撮影することができる。
また、 分子間の相互作用を分析する手法の一つとして、 FRET (蛍光共鳴ェ ネルギー転移) が知られている。 FRETでは、 例えば、 第一の蛍光蛋白質とし てのシアン蛍光蛋白質 (CFP) で標識した第一の分子と、 第二の蛍光蛋白質と しての黄色蛍光蛋白質 (YFP) で標識した第二の分子とを共存させることによ り、 黄色蛍光蛋 質 (YFP) をァクセプター分子として作用させ、 シアン蛍光 蛋白質 (CFP) をドナー分子として作用させ、 両者の間で FRET (蛍光共鳴 エネルギー転移) を生じさせることにより、 第一の分子と第二の分子との間の相 互作用を可視化することができる。 即ち、 F R E Tでは 2種類の分子にそれぞれ 異なる色素を導入し、 エネルギーレベルの高い方の色素 (ドナー分子) を選択的 に励起し、 その色素の蛍光を測定し、 もう一方の色素 (ァクセプター分子) から の長波長蛍光も測定して、 それらの蛍光変化量によつて分子間の相互作用を可視 化する。 両方の色素が、 2種類の分子の相互作用によって近接したときのみドナ 一分子の蛍光の減少とァクセプター分子の蛍光の増加が 1波長励起 2波長測光法 により観測される。 しかし、 ァクセプター分子に色素蛋白質を用いた場合は、 両 方の色素が、 2種類の分子の相互作用によって近接したときのみドナー分子の蛍 光の減少を生じ 1波長励起 1波長測光法により観測することができる。 即ち、 測 定機器の簡易化が可能となる。.
本発明の蛍光蛋白質及ぴ色素蛋白質は、 特に、 F R E T (蛍光共鳴エネルギー 転移)におけるドナー分子及ぴァクセプター分子としての利用価値が高い。即ち、 本発明の色素蛋白質と被験物質との融合体(第一の融合体)を作製する。次いで、 該被験物質と相互作用する別の被験物質と別の蛍光蛋白質との融合体 (第 2の融 合体) を作製する。 そして、 第一の融合体と第 2の融合体とを相互作用させ、 発 する蛍光を分析することにより、 上記 2種類の被験物質間の相互作用を分析する ことができる。 なお、 本 S明の色素蛋白質を用いた F R E T (蛍光共鳴エネルギ 一転移) は、 試験管内で行ってもよいし、 細胞内で行ってもよい。
さらにまた、 本発明の蛍光蛋白質又は色素蛋白質の何れか 1種以上をドナー蛋 白質又はァクセプター蛋白質として使用することによって、 分析物質の標的配列 の両端にドナー蛍光蛋白質とァクセプター蛍光蛋白質が結合している構造を有す る蛍光指示薬を作成することもできる。 分析物質の該標的配列への結合又は作用 の有無により、 指示薬の立体構造が変化し、 これにより蛍光共鳴エネルギー転移 (FRET) の有無が生じさせることができる。
( 6 ) 本発明のキット 本発明によれば、 本明細書に記載した蛍光蛋白質、 融合蛍光蛋白質、 D NA、 組み換えベクター又は形質転換体から選択される少なくとも 1種以上を含むこと を特徴とする、 細胞内成分の局在の分析及び/又は生理活性物質の分析のための キットが提供される。 本発明のキットは、 それ自体既知の通常用いられる材料及 ぴ手法で調製することができる。
蛍光蛋白質又は D N Aなどの試薬は、 適当な溶媒に溶解することにより保存に 適した形態に調製することができる。 溶媒としては、 水、 エタノール、 各種緩衝 液などを用いることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明は実施例によって限 定されるものではない。 実施例
実施例 1 :点変異導入による多量体形成阻害変異体の作製
K0- 1のァミノ酸配列から多量体形成界面を予測し、 多量体形成界面のァミノ 酸を置換し、 なおかつ蛍光特性を保持するよう K0— 1の単量体化を行った。 点変 異導入は K0— 1を挿入した大腸菌発現ベクター (pRSET B) (国際公開 WO 0 3 / 5 4 1 9 1号公報に記載の K0-1をコードする DNAを有する発現ベクター)で点変 異導入プライマーを用いて行った。 具体的には铸型プラスミドの片側鎖に複数の 変異導入プライマーを同時にァニールさせ、 ポリメラーゼで伸長させる。 各ブラ イマ一により伸長された各 DNA断片を同反応液中で DNAリガーゼを用いてつなぎ、 変異導入された部分以外が錄型と相補的なものを得るという手法を行つた。 DNA リガーゼで各 DNA断片をつなぐ際に DNAの末端にリン酸基を必要とするため、 用 いたプライマーは 5 ' 側のリン酸化を行った。
( 1 ) プライマーの 5, リン酸化
ΙΟΟ μ Μ プライマー 2 μ 1
10 X Τ4 polynucleotide Kinase buffer 5 μ ΐ
100 μ Μ ATP 0. 5 1 滅菌水 41. 5 1
Τ4 polynucleotide kinase (10 U/ μ 1) 1 μ ΐ
上記混合物を 37°Cで 30分間インキュベートした。ここでプライマーとしては、 以下の配列番号 3から 1 7に記載の塩基配列を有するプライマーを使用した。 K11R, F13Y
CCAGAGATGAAGATGAGGTACTACATGGACGGC (配列番号 5 9 )
V25I
CATGAGTTCACAATTGMGGTGAAGGC (配列番号 6 0 )
K32R
GAAGGCACAGGCAGACCTTACGAGGGA (配列番号 6 1 )
S55A .
CCAATGCCTTTCGCGTTTGACTTAGTG (配列番号 6 2 )
T62V
TTAGTGTCACACGTGTTCTGTTACGGC (配列番号 6 3 )
Q96E
GAAAGGTCGTTGGAGTTCGAAGATGGT (配列番号 6 4 )
F102S, A104S
GAAGATGGTGGGTCCGCTTCAGTCAGTGCG (配列番号 6 5 )
C115T, E117Y
AGCCTTAGAGGAAACACCTTCTACCACAAATCCA (配列番号 6 6 )
V123T
CAAATCCAAATTTACTGGGGTTAACTTTCCTG (配列番号 6 7 )
VI 331
GCCGATGGTCCTATCATGCAAAACCAAAGT (配列番号 6 8 )
S139V
GCCGATGGTCCTATCATGCAAAACCAAAGTGTTGATTGGGAGCCA (配列番号 6 9 )
T150A, C151S GAGAAAATTACTGCCAGCGACGGAGTTCTGAAG (配列番号 Ί 0 ) F162Y, A166E
GATGTTACGATGTACCTAAAACTTGAAGGAGGCGGCAATCAC (配列番号 7 1 ) Q190G, F193Y, G195S
CTTAAAATGCCAGGAAGCCATTACATCAGCCATCGCCTCGTCAGG (配列番号 7 2 ) C217S
GATGCAGTAGGTCATTCCCTCGAGCACCACCACC (配列番号 7 3 )
( 2 ) 点変異導入 PCR
5, リン酸化プライマー 4 μ 1
template (KO-pRSET B) . lOOng
10 X polymerase buffer 2. 5 μ 1
10 X DNA ligase buffer 2. 5 1
2. 5mM dNTPs 1 μ 1
polymerase (pfu) 2. 5U/ μ 1 Ι μ ΐ
Taq DNA ligase 柳/ μ 1 0. 5 μ 1
滅菌水で計 50 とする。
プログラム:
サーマルサイクラ一は GeneAmp PCR system 9700を使用した。
1) 65。し 5 min
2) 95。C 2 min
3) 95°C 20 sec
4) 52°C 20 sec
5) 65°C 8 min
上記の 3 ) 〜5 ) を 25サイクル繰り返す
6) 75°C 7 min,
7) 4°C hold ( 3 ) Dpnl処理
PCR後のサンプルに Dpnlを 加えて 37。Cに 1時間インキュベートしてテン プレートプラスミドを切断した。.
( 4 ) 大腸菌への形質転換
Dpnl処理後のサンプルを大腸菌 JM109に形質転換して変異導入後の K0- 1を発 現させた。
( 5 ) 単量体化 Kusabira- Orange (mKO) のアミノ酸配列
変異導入後の K0変異体の塩基配列を解析し、アミノ酸配列を決定した。その結 果、 11.番目のリジン (K) をアルギニン (R) に、 I3番目のフエ二ルァラニン (F) をチロシン (γ) に、 25番目のバリン (V) をイソロイシン (I) に、 32番目のリ ジン (K) をアルギニン (R) に、 55 番目のセリン (S) をァラニン (A) に、 62 番目のトレオニン (T) をパリン (V) に、 96 番目のグルタミン (Q) をダルタミ ン酸 (E) に、 102番目のフエ二ルァラニン (F) をセリン (S) に、 104番目のァ ラニン (A) をセリン (S) に、 115番目のシスティン (C) をトレオニン (T) に、 117番目のグルタミン酸 (E) をチロシン (Y) に、 123番目のパリン (V) をトレ ォニン (T) に、 133番目のバリン (V) をイソロイシン (I) に、 139番目のセリ ン (S) をバリン (V) に、 150 番目のトレオニン (T) をァラニン (A) に、 151 番目のシスティン (C) をセリン (S) に、 162番目のフエ二ルァラニン (F) をチ 口シン (Y) に、 166番目のァラニン (A) をグルタミン酸 (E) に、 190番目のグ ルタミン (Q) をグリシン (G) に、 193番目のフエ二ルァラニン (F) をチロシン (Y) に、 195番目のグリシン (G) をセリン (S) に、 217番目のシスティン (C) をセリン(S)に置換されていた。さらに Kozak配列付加のため 2番目のセリン(S) の前にパリン( を導入した。 この変異体を mKOとした。 mKOのアミノ酸配列を 配列表の配列番号 1に記載し、 塩基配列を配列表の配列番号 2に記載する。 大腸菌を用いて mKO に His - Tag を付加した蛋白質を常法により発現させ Ni - Agaroseを用いて精製した。 実施例 2 :蛍光特性の解析
実施例 1で精製した mKO蛋白質の蛍光及ぴ吸収スぺク トルを以下の通り測定し、 量子収率およびモル吸光係数を算出した。
20 蛍光蛋白、 50raM HEPES pH7. 5溶液を用いて吸収スぺクトルを測定した。 このスぺクトルのピークの値よりモル吸光係数を計算した。 mKOでは 548nmに吸 収のピークが認められ、 500nmにおける吸収が 0. 0025となるように蛍光蛋白を上 記の緩衝液で希釈して、 500nmで励起した時の蛍光スぺクトルと 590nmにおける 蛍光による励起スぺクトルを測定した。 DsRed (CLONTECH)を同様に 500nmにおける 吸収が 0. 0025 となるようにして蛍光スぺク トルを測定し、 DsRed の量子収率を 0. 29として mKOの量子収率を求めた。
結果を表 1、 図 1及び図 2に示す。 表 1には、 国際公開 WO 0 3 / 5 4 1 9 1 号公報に記載の K0蛋白質 (二量体蛋白質) のデータも併記する。
Figure imgf000033_0001
実施例 3 :超遠心分析による分子量の測定
mKO蛋白質溶液を 150mM KC1, 50mM HEPES- K0H pH7. 4とした。 mKOの分子量決 定のため超遠心分析をおこなった。 超遠心機 XL- 1 (ベックマン 'コールター) を 用いて 25, 000rpm、 22時間遠心して、 mKOの吸収極大 (548nm) 付近の 540nmの 吸収を測定した。その測定結果から mKOの分子量は 28 k Daと計算された(図 3 )。 これはアミノ酸配列から予測される 26kDaとほぼ一致し、 mKOが単量体として存 在することが確認された。 実施例 4 : ミトコンドリアへのタ一ゲティング
K0およぴ mKOの N末端に、 Yeast由来の cytochrome oxidaseサブュニット 4 の N末端 12アミノ酸 (MLSLRQSIRFFK) を付加し、 HeLa細胞のミ トコンドリアへ のターグティングを行い、 ミ トコンドリアのラベルを行った。 K0 (二量体) は正 確にターゲテイングされずに、 ミトコンドリアが粒々に染色されているのが確認 された (図 4)。 一方、 mKO (単量体) は正確にミ トコンドリアにターゲティング され、 細長い糸状のミ トコンドリアが観察され、 単量体化による有効性が確認さ れた (図 5)。 実施例 5 :蛍光特性の異なる mKOの変異体の作製
(1 ) 変異導入 .
mKOのアミノ酸を置換し、 mKOとは異なった蛍光特性を持つ蛍光蛋白質の作製を 行った。 点変異導入は mKOを挿入した大腸菌発現ベクター (pRSETB) に点変異導 入プライマーをもちいて PCRをかけることにより行った。 PCRに用いたプライマ 一は 5 ' 側のリン酸化を行つた。
(a) プライマーの 5' リン酸化
100 μ M primer 2 μ 1
10 X 4 polynucleotide kinase buffer 5 μΐ
ΙΟΟμ ATP 0.5 μ ΐ
滅菌水 41.5μ 1
Τ4 polynucleotide kinase (10 U/ μ 1) 1 μ 1
37°Cで 30分間ィンキュベートした。
(b) 点変異導入 PCR
5, リン酸化プライマー 4μ1
template (mKO-pRSET B) lOOng
10 X polymerase buffer 2.5μ 1 10 X DNA ligase buffer 2.5 μ ΐ
2.5mM dNTPs Ιμΐ
polymerase (pfu) 2.5U/ μ 1 Ιμΐ
Taq DNA ligase 40U/ μ 1 0.5 μΐ
滅菌水で計 50 μ ΐとする。
プログラム
サーマルサイクラーは GeneAmp PCR system 9700を使用した。
1) 6a C 5 mm
2) 95°C 2 min
3) 95°C 20 sec
4) 52°C 20 sec
5) 65°C 8 min
6) 75^C 7 min
7) 4°C hold
3) 〜5) を 25サイクル
(c) Dpnl処理
PCR後のサンプルに Dpnlを Ιμΐ加えて 37°Cに 1時間インキュベートしてテン プレートプラスミドを切断した。
(d) 大腸菌への形質転換
Dpnl 処理後のサンプルを大腸菌 J¥109(DE3)に形質転換して変異導入後の mKO を発現させ解析を行なった。
(2) mKO変異体のアミノ酸置換部位おょぴ蛍光特性
蛍光測定には蛍光分光光度計 F- 2500 (HITACHI) を使用した。 吸収測定には分 光光度計 U- 3310 (HITACHI) を使用した。 (i) UV励起緑色蛍光変異体 mKVU- 1 (アミノ酸配列を配列番号 3に示し、 塩基配 列を配列番号 4に示す)
mKOの 70番目のプロリン (P) をシスティン (C) に、 160番目のバリン (V) を ァスパラギン酸 (D) に、 162番目のメチォニン (M) をロイシン (L) に、 176番 目のフエ二ルァラニン (F) をメチォニン (M) にアミノ酸置換することにより、 505nmに蛍光ピークを持ち、 398nmに励起のピークを持つ緑色蛍光蛋白質となった
(図 6、 7 )。 モル吸光係数は 10000で、 蛍光の量子収率は 0. 27となった。
(ii) 青色蛍光変異体 mKUV- 2 (アミノ酸配列を配列番号 5に示し、 塩基配列を配 列番号 6に示す)
mKOの 65番目のシスティン.(C) をグリシン (G) に、 70番目のプロリン (P) をグリシン (G) に、 160番目のパリン (V) をァスパラギン酸 (D) に、 176番目 のフエ二ルァラニン(F)をメチォニン(M)にアミノ酸置換することにより、 469nm に蛍光ピークを持ち、 322nm に励起のピークを持つ青色蛍光蛋白質となった (図 8、 9 )。 モル吸光係数は 12500で、 蛍光の量子収率は 0. 2となった。
(iii)緑色蛍光変異体 mK0-FM32 (ァミノ酸配列を配列番号 7に示し、 塩基配列を 配列番号 8に示す)
mKOの 65番目のシスティン (C) をァラニン (A) に、 70番目のプロリン (P) をグリシン(G)にアミノ酸置換することにより、 506nmに蛍光ピークを持ち、 493nm に励起のピークを持つ緑色蛍光蛋白質となった (図 1 0、 1 1 )。 モル吸光係数は 27500で、 蛍光の量子収率は 0. 44となった。
(iv)赤色蛍光変異体 mKO - F90 (アミノ酸配列を配列番号 9に示し、 塩基配列を配 列番号 1 0に示す)
mKOの 41番目のメチォニン (M) をロイシン (L) に、 49番目のリジン (K) を グルタミン酸 (E) に、 69番目のアルギニン (R) をリジン (K) に、 145番目のセ リン (S) をトリプトファン (W) に、 185番目のリジン (K) をグルタミン酸 (E) に、 188番目のリジン (K) をグルタミン酸 (E) に、 番目のセリン (S) をァ スパラギン酸 (D) にアミノ酸置換することにより、 582nm に蛍光ピークを持ち、 564nmに励起のピークを持つ赤色蛍光蛋白質となった (図 1 2、 1 3 )。 モル吸光 係数は 25000で、 蛍光の量子収率は 0. 05となった。 実施例 6 :緑色とオレンジ色の 2蛍光を発する mKOの変異体の作製 (時間経過測 定プローブぉよぴ追跡プ口一ブ)
mKOのアミノ酸を置換し、 mKOとは異なった蛍光特性を持つ蛍光蛋白質の作製を 行った。 mKO は翻訳されてからすぐは緑の蛍光を放ち、 その後オレンジ色の蛍光 を放つようになる。 しかし、 緑色蛍光からオレンジ色蛍光への移行はすばやく完 了するために、 通常はほとんど見られない。 そこで、 いろいろな時間経過に伴つ て緑色蛍光とオレンジ色蛍光の比の異なる蛍光蛋白質を作製した。 この変異体を 使用することによって蛋白質発現からの時間を緑色蛍光とオレンジ色蛍光の比で 測定することができる。 また、 この変異体は緑色蛍光とオレンジ色蛍光が独立し ているために、 オレンジ色蛍光のみを消光させることができた。 つまり、 オレン ジ色蛍光のみを消光させて、 オレンジ色蛍光の増加を測定すれば、 時間経過測定 のリセットも可能となる。さらに、同じくオレンジ色のみ任意の部分を消光して、 緑色蛍光とオレンジ色蛍光の比で測定すれば消光した部分のラベルした分子や細 胞などの挙動を測定することもできる。結果としてわかったことは 70番目のプロ リン (P) をアミノ酸置換することにより、多様な、 時間経過に伴って緑色蛍光と オレンジ色蛍光の比の異なる蛍光蛋白質を作製できることであった。
( 1 ) 変異導入
mKOのアミノ酸を置換し、 mKOとは異なった蛍光特性を持つ蛍光蛋白質の作製を 行った。 点変異導入は mKOを挿入した大腸菌発現ベクター (pRSETB) に点変異導 入プライマーをもちいて PCRをかけることにより行った。 PCRに用いたプライマ 一は 5 ' 側のリン酸化を行った。
(a) プライマーの 5, リン酸化
100 μ M primer 2 μ 1 10 X T4 polynucleotide kinase buffer 5^1 100 ATP 0.5μ1 滅菌水 41.5μ1 Τ4 polynucleotide kinase (10 U/ μ 1) Ιμΐ 37°Cで 30分間ィンキュペートした。
(b) 点変異導入 PCR
5, リン酸化プライマー
template (raKO-pRSET B) 100ng
10 X polymerase buffer 2.5 μ 1
10 X DNA ligase buffer . 2.5μ 1
2.5mM dNTPs 1 μ 1
polymerase (pfu) 2.5U/ μ丄 1 μ 1
Taq DNA ligase 40υ/μ1 0.5 μ ΐ
滅菌水で計 50 μ ΐとする。
プログラム
サーマルサイクラーは GeneAmp PCR system 9700を使用した。
1) 65°C 5 min
2) 95°C 2 min
3) 95°C 20 sec
4) 52°C 20 sec
5) 65°C 8 min
6) 75°C 7 min
7) 4°C hold
3) 〜5) を 25サイクル
(c) Dpnl処理 PCR後のサンプルに Dpnlを 1 μ 1加えて 37°Cに 1時間インキュベートしてテン プレートプラスミドを切断した。
(d) 大腸菌への形質転換 .
Dpnl 処理後のサンプルを大腸菌 JM109 (DE3)に形質転換して変異導入後の mKO を発現させ解析を行なつた。
( 2 ) mKO時間経過変異体の解析
作製された mKOの変異体は塩基配列の解析により、 49番目のリジン (K) をグ ルタミン酸 (E) に、 70番目のプロリン (P) をグリシン (G) に、 185番目のリジ ン (K) をグルタミン酸 (E) に.、 188番目のリジン (K) をグルタミン酸 (E) に、 192番目のセリン (S) をァスパラギン酸 (D) に、 196番目のセリン (S) をダリ シン (G) にアミノ酸置換されていた。 この mKOの変異体は時間経過に伴って緑色 蛍光とオレンジ色蛍光の比の異なる蛍光蛋白質であった。 この mKOの変異体の 70 番目のプロリン(P) をいろいろなアミノ酸に置換することにより、時間経過に伴 う緑色蛍光とオレンジ色蛍光の比が変化する速度が変わった。
グリシン(G) に置換された変異体を mKO - FM9とした(アミノ酸配列を配列番号 1 1に示し、 塩基配列を配列番号 1 2に示す)。
ァラニン (A) に置換された変異体を mKO - FM5とした (アミノ酸配列を配列番号 1 3に示し、 塩基配列を配列番号 1 4に示す)。
セリン(S) に置換された変異体を mKO- FM3とした(ァミノ酸配列を配列番号 1 5に示し、 塩基配列を配列番号 1 6に示す)。
システィン (C) に置換された変異体を mKO - FM20とした (アミノ酸配列を配列 番号 1 7に示し、 塩基配列を配列番号 1 8に示す)。
トレオニン ) に置換された変異体を mKO - FM24とした (アミノ酸配列を配列 番号 1 9に示し、, 塩基配列を配列番号 2 0に示す)。
パリン (V) に置換された変異体を mKO - FM14とした (ァミノ酸配列を配列番号 2 1に示し、 塩基配列を配列番号 2 2に示す)。
ロイシン (L) に置換された変異体を mKO - FM19とした (アミノ酸配列を配列番 号 2 3に示し、 塩基配列を配列番号 2 4に示す)。
チロシン (Y) に置換された変異体を mKO - FM23とした (アミノ酸配列を配列番 号 2 5に示し、 塩基配列を配列番号 2 6に示す)。
グルタミン (Q) に置換された変異体を mK0-FM21とした (ァミノ酸配列を配列 番号 2 7に示し、 塩基配列を配列番号 2 8に示す)。
ァスパラギン (N) に置換された変異体を mKO - FM25とした (アミノ酸配列を配 列番号 2 9に示し、 塩基配列を配列番号 3 0に示す)。
それぞれの mKO時間経過変異体の測定は大腸菌 JM109 (DE3)で発現させたリコン ビナント蛍光蛋白質でおこなう力 \ in vitro トランスレーションシステム PURE SYSTEM CLASSIC MINI (ポストゲノム研究所) を使用した。 大腸菌での測定は各変 異体を発現させた培養プレートを 37°Cに保温し、時間を追ってサンプリングして 580nmの励起スぺクトルを測定した (図 1 4、 1 5 )。 その結果、 緑蛍光の励起ピ ークである約 500nmのピークにくらべ、 オレンジ蛍光の励起ピークである 548nm のピークが時間により増加し、 各変異体によってその増加率は違った。 緑蛍光の ピークは 509nm、オレンジ蛍光のピークは 560nmであった(図 1 6、 1 7、 1 8、 1 9、 2 0、 2 1、 2 2 ;それぞれカツコ内の波長で励起)。 蛍光測定には蛍光分 光光度計 F- 2500 (HITACHI) を使用した。 大腸菌内では新たな蛋白質が断続的に 生産されるために、 緑からオレンジへの推移に必要とされる時間が見かけ上長く なってしまう。 そこで、 in vitro トランスレーションシステムを使用することに よつて蛋白質の生産時間を限定し、 より正確な時間に伴う緑からォレンジへの推 移を測定した。 蛋白質合成時間は 1時間とした。 その直後に ATPなどのタンパク 質合成に必要なエネルギー源をゲルろ過で除き、 37°Cに保温して合成後 25時間ま で 580nmの励起スぺクトルを測定した(図 2 3、 2 4、 2 5、 2 6、 2 7、 2 8 )。 緑蛍光の励起ピーク部分の 500nmとオレンジ蛍光の励起ピークである 548nmの値 の比をプロットすると、 これらが比較的にアミノ酸の側鎖が大きくなるに従い(G →A→S→C→T→V→P)、オレンジ色蛍光成分への推移が速くなる傾向があることが 分かった (図 2 9 )。
mK0-FM14の N末端に Tau (チューブリンなどに結合し微小管重合を促進し安定 化させる蛋白質) を遺伝子的に繋いだ融合蛋白質遺伝子 (アミノ酸配列を配列番 号 3 1に示し、 塩基配列を配列番号 3 2に示す) を動物細胞発現ベクター PCDNA3 の BamHl-Xholサイトにサブクローユングした。作製したベクターを Polyfect (キ ァゲン) を用いて HeLa_S3細胞に遺伝子導入した。 遺伝子導入 23時間後に培養 液から HBSS (Hanks' Balanced Salt Solution) 溶液に置換してイメージングを おこなった。 その結果、 HeLa— S3細胞がベクターを細胞内に取り込んだ時間差に よって、緑色〜オレンジ色まで様々な色調の細胞が観察された。オレンジ色/緑色 の比から細胞 4と細胞 5はベクターを早い時間に細胞内に取り込んで、 つづいて 細胞 1、 後に細胞 2と細胞 3がベクターを細胞内に取り込んでいることが確認で きた (図 3 0 )。 顕微鏡は IX- 70 (OLYMPUS) を用いた。 緑色成分検出のために、 励起フィルタ一は 470DF35 (OMEGA)、 蛍光フィルタ一は HQ525/50M (CHROMA)、 ダ ィクロイツクミラーは 505DRLP (OMEGA)を用いた。オレンジ色成分検出のために、 励起フィルタ一は HQ500/40X (CHROMA)、 蛍光フィルタ一は 0G550 (OMEGA)、 ダイ クロイツクミラーは Q530LP (CHROMA) を用いた。
( 3 ) mKO時間経過変異体による分子の追跡
リコンビナント mKO- FM14蛋白質に強い緑色光を照射して、 リコンビナント mK0-FM14蛋白質のオレンジ色蛍光成分のみを退色させることができるかを実験 した。 100Wのキセノンランプに直接フィルターを装着して、 強い緑色光をリコン ビナント mK0-FM14蛋白質に照射した。 フィルタ一は 546DF20 (OMEGA) を使用し た。 コントロールとしてリコンビナント mK0蛋白質も同時に強い緑色光を照射し て、照射前後の吸収スぺクトルを測定し、 548nmの吸収値が低下するかを調べた。 吸収測定には分光光度計 U- 3310 (HITACHI) を使用した。 その結果、 コントロー ルに用いたリコンビナント mKO蛋白質の 548nmの吸収値は変化しなかった。 それ に対してリコンビナント mK0_FM14蛋白質の 548nmの吸収値は優位に低下した。し かし、 緑色蛍光成分を発するのに必要である 500nmの吸収ピークに変化はなかつ た (図 3 1、 3 2 )。 これは、 mKO- FM14蛋白質に強い緑色光を照射することによ つて、 オレンジ蛍光成分のみを無くす、 もしくは低下させることができることを 示す。 また、 mK0-FM14蛋白質または mKO- FM14蛋白質を付加したものが満たされ た空間において、 局所のみの強い緑色光照射によるオレンジ色蛍光の消光または 低下により、 オレンジ色蛍光シグナルと緑色蛍光シグナルの比を計算すれば、 そ の部位をラベルすることができる。 そこで mKO- FM14 の N末端に BDNF (brain derived neurotrophic factor) を融合した融合蛋白質遺伝子 (アミノ酸配列を配 列番号 3 3に示し、塩基配列を配列番号 3 4に示す) を pEGFP-Nl (clontech)から EGFP部分を抜き出したものにサブクローニングした。 ラット海馬のニューロンに 発現させてイメージングを行なった。
ラット海馬のニューロンを用意した。 妊娠ラット(17- 19 日目)の胎仔、 あるい は生後 1-3日目のラットの新生仔より顕微鏡下で海馬 (約 10匹分) を摘出した。 次いで海馬を消化酵素パパインで十数分間、 加温処理を行い、 さらにピペットを 用いて機械的に分散させ神経細胞に富む海馬細胞懸濁液を得た。 必要に応じてこ の懸濁液を培地で希釈し、 ポリーリジンなどの細胞接着基質をコーティングした 直径 35 膽の培養皿の表面に播種した。 播種密度 2-4万細胞ん m2程度とし、 これ らの細胞を培養皿の表面に接着させ、 牛胎仔血清および N2- supplement (神経細 胞用添加物) を含むイーグル培地を用いて高密度での初代培養を行なった。 培養 開始後 6-7 0目の細胞に対して 35 mmの培養皿 1枚当たり 2-4マイクログラムの DNAをリン酸カルシウム法により 37度で 30分間、 BDNF— mKO- FM14発現遺伝子べ クタ一の導入を行なった。 この遺伝子導入の後、約 12時間から 2日間に細胞に発 現した蛍光タンパクを蛍光顕微鏡で検出し色の変化を追跡する実験に用いた。 緑 色蛍光シグナル励起には 490DF20 (OMEGA) に 10%減光フィルタ一を装着したもの を、 緑色蛍光シ ナル検出フィルタ一は 535DF35 (OMEGA) を用いた。 オレンジ色 蛍光シグナル励起には 546DF10 (OMEGA) を、 オレンジ色蛍光シグナル検出フィル ターは 595RDF60 (OMEGA) を用いた。 ダイクロイツクミラーは 505DRLPXR (OMEGA) を使用した。視野絞りを調節して、 ラット海馬ニューロンのソーマ部分(細胞体) のみを、 550DF30 (OMEGA)を使用して強い緑色光でオレンジ色蛍光のみを退色させ た。 オレンジ蛍光シグナル/緑色蛍光シグナルの比 (Ratio) から計算しソーマか ら神経突起への BDNF— raKO - FM14の移動を観察した (図 3 3、 3 4 )。 図 3 4の白 矢印は BD F— mKO- FM14 がソーマ部分から神経突起の先端へ向かって移動してい る様子を示す。 実施例 7 :単量体蛍光蛋白質 mKOと 2量体 (多量体) 蛍光蛋白質 MiCyを用いた Caspase3活性測定プローブ
分子内 FRETを行う際は少なくとも一種は単量体であるべきである。 (A)単量体
(白) と 2量体(黒) の組み合わせ(図 3 5 A)。 2量体(多量体) 蛍光蛋白質 MiCy と単量体蛍光蛋白質 mKOの組み合わせはこのパターンとなる。例えば、 2量体(白) と 2量体 (黒) の組み合わせはポリマ一のように連なってしまうことが考えられ る (図 3 5 B)。 単量体蛍光蛋白質 mKOと 2量体蛍光蛋白質 MiCyは MiCyの蛍光ス ぺクトルと mKOの吸収スぺクトルに重なりがあるため、 両者を用いた FRET (蛍光 共鳴エネルギー移動法) 測定が可能である (図 3 6 )。 そこで、 MiCy と mKO を Caspase3の認識配列である DEVD (Asp- Glu- Val- Asp) を含んだリンカ一でつなぎ
(アミノ酸配列を配列番号 3 5に示し、 塩基配列を配列番号 3 6に示す)、 Caspase3の活性化に伴うリンカー配列の切断を FRETにより測定した。
( 1 ) in vitroでの Caspase3活' |·生測定
MiCy— linker—mKOの順に繋ぎ、 大腸菌発現ベクター pRSETBの BamHl- EcoRlサ ィトにサブクローニングして大腸菌 JM109 (DE3)に発現させた。 リンカ一の配列は GGSGGDEVDGTGGS (Gly- Gly- Ser- Gly- Gly- Asp- Glu- Val- Asp- Gly- Thr- Gly- Gly- Ser) を用いた。 これ (pコンストラタトを MiCy- DEVD - mKOとした。発現したリコンビナ ント融合蛋白質は Ni- NTAァガロースで精製した。精製したリコンビナント融合蛋 白質をセフアデックス G-25カラムでゲルろ過を行い 150mM KC1、 50mM HEPES -匪 pH7. 4溶液にバッファー置換した。活性測定にはリコンビナント Active—Caspase 3 (MBL: BV-1083-9) を用いた。 20mM HEPES- K0H ρΗ7· 4、 100raM NaCl、 0. 1% CHAPSS 10% sucrose溶液中に各リコンビナント融合蛋白質を lmg/mlになるようにして、 リコンビナント Active— Caspase3を lunit加えて 30度で 3時間反応させた。 反 応前と反応後の反応液の蛍光スぺクトルを 440nmで励起して測定した。 測定には 蛍光分光光度計 F- 2500 (HITACHI) を使用した。 その結果、 Caspase3添加まえは FRETがおこって mKOの蛍光ピーク (559nm) が現れているが、 添加後にはリンカ 一の切断による FRETの解消により mKOの蛍光ピーク (559nm) は消失し、 MiCyの 蛍光ピーク (495nm) のみとなった (図 3 7 )。
( 2 ) in vivoでの Caspase3活性測定
MiCy-DEVD-mKOを動物細胞での発現ベクター pCS2+の BamHl- EcoRlサイ トにサ ブクローニングした。 作製したベクターを Polyfect (キアゲン) を用いて HeLa -S3細胞に遺伝子導入した。 遺伝子導入 24時間後に培養液から 500ng/ml抗 Fas 抗体 (CH- 11 :MBL)、 lO /z g/mlサイクロへキシミ ド、 HBSS (Hanks' Balanced Salt Solution) 溶液に置換してアポトーシスを誘導し、 Caspase3活性測定のイメージ ングをおこなった。
顕微鏡は IX - 70 (OLYMPUS) を用いた。 励起フィルタ一は 440AF21 (OMEGA)、 ダ ィクロイツクミラーは 455DRLP (OMEGA) を用いた。 蛍光シグナルの検出は 480ALP (OMEGA)のフィルターを通してカラ一 3CCDカメラ ASHURA (浜松ホトニタス) で行い、 Greenチヤンネルで MiCyの蛍光シグナルを、 Redチャンネルで mKOの蛍 光シグナルを検出した。 その結果、 HeLa細胞でのアポトーシスに伴い、 Caspase3 が活性化されて導入遺伝子の翻訳産物のリンカ一が切断され、 FRET が解消して Redチヤンネルのシグナルが低下し、 Greenチヤンネルのシグナルが上昇する現象 が観察された。 Red/Greenの Ratio (比) は Caspase3の活性化に伴い低下した。 また、 HeLa細胞のアポトーシスによる形態変化も観察された (図 3 8 )。 実施例 8 :イシサンゴからの新規色素蛋白遺伝子の単離、 新規蛍光蛋白の作製、 及び特性解析
(1) total RNAの抽出
珊瑚より色素蛋白質の遺伝子の単離を行った。 材料にはコモンサンゴ {Montipora. sp) を用いた。 凍結したコモンサンゴを乳鉢で砕き、 湿重量 1グラ ムに" TRIzol" (GIBCO BRL) を 7.5m 1加えてホモジナイズし、 1500Xg で 10 分間遠心した。 上清にク口口ホルム 1.5m 1を加え、 15秒間攪拌した後、 3分間 静置した。 7500Xgで 15分間遠心した。上清にイソプロパノール 3.75m 1を加え、 15秒間攪拌した後、 10分間静置した。 17000Xgで 10分間遠心した。 上清を捨て 70%エタノールを 6ml加えて .17000 Xgで 10分間遠心した。 上清を捨て、 沈殿を DEPC水 200 μ 1で溶解した。 DEPC水で溶解した total RNAを 100倍に希釈して、 0. D.260と 0. D.280の値を測定して RNA濃度を測った。 53 μ gの total RNAを得た。
(2) First strand cDNAの合成
total RNA 4μ g を使用し、 First strand cDNA の合成キッ ト" Ready To Go" (Amersham Pharmacia)により cDNA (33 μ 1)を合成した。
(3) Degenerated PCR
合成した First strand cDNA(33/zl)のうち 3μ 1を铸型として PCRを行った。 プライマーのデザインは既知の蛍光蛋白のアミノ酸配列を見比べて、 似ている部 分を抜き出し、 塩基配列に変換し直し作製した。
使用プライマー
5' - GAAGGRTGYGTCAAYGGRCAY -3' (primerl) (配列番号 74)
5' - ACVGGDCCATYDGVAAGAMRTT -3' (primer2) (配列番号 7 5 )
Iはィノシン、, Rは A又は G、 Yは C又は T、 Vは A, C又は G、 D.は A, G又は T S は C又は G、 Hは A, T又は Cを示す。 PCR反応液組成
テンプレート (first strand cDNA) 3μ1
X10 taqバッファー 5/ l
2.5mM dNTPs 4μ1
100 μ M primer 1 Ιμΐ
100 μ M primer2 Ιβΐ
Sジ Q 35 Ail
taq polymerase (5U/ul) Ιβΐ
PCR反応条件
94°C 1分(PAD)
94°C 30秒(変性) .
52°C 30秒(錶型へのプライマーのアニーリング)
72°C 1分 (プライマーの伸長)
上記 3ステツプを 35サイクル行つた。
72°C 7分 (最後の伸長)
4°C 保持
—回目の PCR反応で得られた増幅産物 Ιμΐをテンプレートとして、 もう一度 同じ条件で PCRを行った。 ァガロースゲル電気泳動で、 350bpを切り出し、 精製 した。
(4) サブクローニング及ぴ塩基配列の決定
精製した DNA断片を pT7- bluevector(Novagen)にライゲーションした。 大腸菌 株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、 白いコロニーの大腸菌より plasmid DNAを精製して、 挿入された DNA断片の塩基 配列を DNAシークェンサ一により決定した。 得られた塩基配列を他の蛍光蛋白遺 伝子の塩基配列,と比較してその DNA塩基配列が蛍光蛋白由来のものであるかを判 断した。蛍光蛋白遺伝子の一部であると判断したものに関して、 5' -RACE法およ ぴ 3' -RACE法による遺伝子全長のクローニングを行った。
( 5 ) 5, - RACE法
Degenerated PCR で得られた. DNA断片の 5' 側の塩基配列を決定するために 5' -RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends, Version 2. 0 (GIBCO BRL) を用いて、 5 ' -RACE法を行った。 铸型として (1 ) で調整した total RNAを 5 μ § 使用した。
dC - tailed cDNAの一回目の増幅には
5, -GGCCACGCGTCGACTAGTACGGGI IGGGI IGGGIIG-3 ' (primer3) (配列番号 7 6 ) 5' - CTCAGGGAATGACTGCTTTACAT -3, (primer4) (配列番号 7 7 )
のプライマーを用いた。 .
Iはイソシンを示す。
二回目の増幅には
5, - GGCCACGCGTCGACTAGTAC- 3, (primer5) (配列番号 7 8 )
5' - GTCTTCAGGGTACTTGGTGA -3' (primer 6) (配列番号 7 9 )
のプライマーを用いた。 PCR反応条件等はキットのプロトコールに準じた。
ァガロースゲル電気泳動で、増幅された 350bpのバンドを切り出し、精製した。 精製した DNA断片を pT7- blue vector (Novagen)にライゲーシヨンした。 大腸菌株
(TG1) にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、 白 いコロニーの大腸菌より plasmid DNAを精製して、 挿入された DNA断片の塩基配 列を DNAシータエンサ一により決定した。
( 6 ) 3, -RACE法
Degenerated PCRで得られた DNA断片の 3 ' 側部分は、 (4 ) の塩基配列決定で 得られた情報を基に作製したプライマーとオリゴ dTプライマーの PCRで得た。鏡 型として ( 2 ) 調整した first strand cDNAを 3 ju 1使用した。
作成したプライマーは、 5, - ATGTAAAGCAGTCATTCCCTGAG -3' (primer7) (配列番号 8 0) PGR反応液組成
テンプレー卜 (first strand cDNA) 3μ1
X10 バッファー 5μ ϊ
2.5mM dNTPs 4 μ 1
20 M primer 7 Ιμΐ
10 μ Mオリゴ dTprimer Ιμΐ
ミリ Q 35//1
taq polymerase (51Ι/ 1) 1 μ 1
PCR反応条件
94°C lmin(PAD) .
94°C 30sec (変性)
52°C 30sec (铸型へのプライマーのアニーリング)
72°C lmin (プライマーの伸長)
上記 3ステップを 30サイクル行つた。
72°C 7min (最後の伸長)
4°C 保持
ァガロースゲル電気泳動で、 増幅された約 650bpのバンドを切り出し、 精製し た。 精製した DNA断片を pT7- blue vector (Novagen)にライゲーシヨンした。 大腸 菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、 白いコロニーの大腸菌より plasmid DNAを精製して、 挿入された DNA断片の塩基 配列を DNAシークェンサ一により決定した。
(7) 大腸菌での蛋白発現
得られた全長の塩基配列より、 蛋白の N末端に相当する部分でプライマーを作 製し、 C末端側 オリゴ dTプライマーを使用して、 (2)で調整した First strand cDNAを铸型として PCRを行った。全ァミノ酸配列おょぴ全塩基配列を配列表の配 歹 IJ番号 3 7及ぴ 3 8に示す。 配列番号 3 7に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質 を C0CPと称する。
使用プライマー
5, 一 CCCGGATCCGACCATGGCTACCTTGGTTAAAGA -3, (primer8) (配列番号 8 1 )
PCR反応液組成
テンプレート (first strand cDNA) 3 μ Ι
X10 pyrobest バッファー 5 μ 1
2. 5mM dNTPs 4 μ Ι
lOOuM primer8 1 μ 1
lOOuM オリゴ d Tプライマー : l
ミリ Q 35 μ 1
pyrobest polymerase (5U/ 丄) 1 μ 1
PCR反応条件
94°C lmin (PAD)
94°C 30sec (変性)
52°C 30sec (铸型へのプライマーのアニーリング)
72°C lmin (プライマー伸長)
上記 3ステップを 30サイクル行つた。
72°C 7min (最後の伸長)
4°C 保持 ァガロースゲルの電気泳動で、 増幅された約 800bpのバンドを切り出し、 精製 して pRSET vector (Invitrogen)の a/»H I、 BcoR I部位にサブクローニングして、 大腸菌株(JM109 - DE3) で発現させた。発現蛋白は N末端に His-tagが付くように コンストラクト .したので発現蛋白は Ni - Agarose gel (QIAGEN)で精製した。 精製の 方法は付属のプロトコールに準じた。 次に精製した蛋白の性質を解析した。 ( 8 ) 光吸収特性の解析
20 μ Μ色素蛋白、 50mM HEPES pH7. 9溶液を用いて吸収スぺク トルを測定した。 このスぺクトルのピークの値よりモル吸光係数を計算した。 コモンサンゴ由来色 素蛋白 (C0CP) では 576nmに吸収のピークが認められた (表 2、 図 3 9 )。 また、 pH4〜; L0で安定していた。 (図 4 0 )
表 2
M0ntiPora.SPより単離された色素蛋白質 (COCP)の特性
Figure imgf000050_0001
( 9 ) 色素蛋白質から蛍光蛋白質への改変
C0CPは蛍光蛋白質ではない。 しかし C0CPの Λ番目のメチォニンと 2番目のセ リンの間にバリンを揷入し、 94番目のヒスチジンをァスパラギンに、 142番目の ァスパラギンをセリンに、 157番目のァスパラギンをァスパラギン酸に、 202番目 のリジンをアルギニンに、 206 番目のフエ二ルァラニンをセリンに置き換えるこ とにより蛍光性を獲得した。 この改変蛍光蛋白質を C0CP - FLとした (アミノ酸配 列を配列番号 3 9に示し、塩基配列を配列番号 4 0に示す)。 COCP- FLは 560nmに 励起のピークを持つ。この励起によつて蛍光スぺク トルは 600nmにピークを示す。
( 1 0 ) スト一タスシフトの大きな赤色蛍光蛋白質の作製
C0CP - FLの 62番目のセリンをフエ二ルァラニンに、 93番目のイソロイシンをト レオニンに、 124番目のバリンをトレオニンに、 159番目のフエ二 ァラニンをチ 口シンに、 192番目のバリンをイソロイシンに、 214番目のセリンをァラニンに置 き換えることにより C0CP - FLとは異なる蛍光をもつ蛋白質を獲得した。 この改変 蛍光蛋白質を keima616 (アミノ酸配列を配列番号 4 1に示し、塩基配列を配列番 号 4 2に示す) とした。 440nm に励起のピークをもち、 この励起によって蛍光ス ぺクトルは 616nmにピークを持つ(図 4 1、 表 2 )。 スト一タスシフトは 176nmと 非常に大きな値である。 従来の蛍光蛋白質に比べ励起波長域と蛍光波長域を大き <とることができ、 蛍光測定時に効率よく測定できる。 また、 同時多色蛍光測定 も可能である。 同一励起波長をもつ蛍光色素を用いることによりレーザーなど単 一波長での励起による二つの波長での測光ができる。 いままでの蛍光蛋白では同 じ励起スぺクトルをもつ蛋白がないためできなかったことで、 これらの蛋白を用 いることで励起のちがいによる測定のぶれという問題を解決できる。
( 1 1 ) スト一タスシフトの大きな橙色蛍光蛋白質の作製
Keima616の 62番目のフエ二ルァラニンをメチォニンに、 63番目のグルタミン をシスティンに置き換えることにより蛍光蛋白質を獲得した。 この改変蛍光蛋白 質を Keima570 (ァミノ酸配列を配列番号 4 3に示し、塩基配列を配列番号 4 4に 示す) とした。 この Keima570は Keima616と同様 440nmに励起のピークを持ち、 この励起により 570nmの蛍光のピークを示す(図 4 2 )。ストークスシフトは 130nm と大きな値である。 従来の蛍光蛋白質に比べ励起波長域と蛍光波長域を大きくと ることができ、 蛍光測定時に効率よく測定できる。 また、 同時多色蛍光測定も可 能である。 同一励起波長をもつ蛍光色素を用いることによりレーザーなど単一波 長での励起による二つの波長での測光ができる。 いままでの蛍光蛋白では同じ励 起スぺクトルをもつ蛋白がないためできなかったことで、 これらの蛋白を用いる ことで励起のちがいによる測定のぶれという問題を解決できる。
( 1 2 ) pH感受性の測定
50mMの下記の緩衝液中で蛋白質 (Keima616及び Keima570) の吸収スペクトル を測定した (図 4 3及び 4 4 )。
各 pHの緩衝液 次の通り、
pH4、 5, 5. 5 : 酢酸バッファー pH6 : リン酸バッファー
pH6. 6 : MOPSバッファー
pH7、 7. 5, 8 : HEPESバッファー
pH9、 10 : グリシンバッファー
pH7. 5〜: 10でピークの値は安定していた。 (図 4 3及ぴ図 4 4 ) 実施例 9
( 1 ) スト一タスシフトの大きな単量体赤色蛍光蛋白質の作製 .
keim616の 61番目のロイシンをグルタミンに、 93番目のトレオニンをセリンに、 124番目のトレオニンをグルタミン酸に、 189番目のチロシンをアルギニンに、 191 番目のチロシンをグルタミン酸に置き換えることにより超遠心分子量測定により 分子量 30. lkDaの結果から、 アミノ酸配列から予想されるおよそ 29kDaとほぼ一 致することから単量体となった keima616蛋白を獲得した。 本改変蛍光蛋白質を cmkeima620とした(図 4 5 ) (ァミノ酸配列を配列表の配列番号 4 5に示し、塩基 配列を配列番号 4 6に示す)。 440nmに励起のピークをもち、 この励起によって蛍 光スぺク トルは 620nmにピークを持つ(図 4 6 )。 ストークスシフトは 180nmと非 常に大きな値である。 従来の蛍光蛋白質に比べ励起波長域と蛍光波長域を大きく とることができ、 蛍光測定時に効率よく測定できる。 また、 同時多色蛍光測定も 可能である。 同一励起波長をもつ蛍光色素を用いることによりレーザーなど単一 波長での励起による二つの波長での測光ができる。 いままでの蛍光蛋白では同じ 励起スぺクトルをもつ蛋白がないため出来なかったことで、 これらの蛋白を用い ることで励起のちがいによる測定のぶれという問題を解決できる。 また、 全体の 分子量をおさえ且つ蛍光蛋白質自身の間で多量体形成による相互作用がないため、 ラベル分子の性質変化を最小限にとどめることができる。
( 2 ) スト一ク^シフトの大きな単量体赤色蛍光蛋白質の改良
cmkeim616 の 62番目のフエ二ルァラニンをロイシンに置き換えることにより cmkeima620のフォールディング効率が上昇したものを得た。本改変蛍光蛋白質を mkeima620 とした (アミノ酸配列を配列表の配列番号 4 7に示し、 塩基配列を配 列番号 4 8に示す)。 440nmに励起のピークをもち、 この励起によって蛍光スぺク トルは 620nmにピークを持つ。 ^トークスシフトは 180nmと非常に大きな値であ る。 cmkeima620よりも相対的な蛍光強度が高いため(図 4 6 4 7 )、 単量体でも keima616と同様に十分使いやすくなっている。 実施例 1 0 : ストークスシフ トの大きな蛋白質を用いた一波長励起二波長測光型 蛍光相互相関分光法の測定系の開発
分子間相互作用を測定するための手法として、 蛍光分子を利用した蛍光相互相 関分光法 (FCCS) がある。 これは 2つの蛍光分子をプローブとして用いることによ り分子間相互作用をモニタリングできる。
現在用いられている 2つの異なる蛍光分子を用いた 2波長励起 FCCS 測定におい て相互相関の感度を下げる大きな要員として色収差による 2波長の測定領域の重 なりのずれがあげられる。 Keima616と ECFPのような一つの波長で励起できしかも 蛍光が分離できる蛍光蛋白質の組み合わせを用いた一波長励起 FCCS ではこれを 回避する事ができるため、 FCCS測定の感度の上昇が期待される (図 4 8 )。また、 Fluorescence Resonance energy t sfer (FRET)を回避できるため、 FCCSでの測 定が簡便化され、 蛋白質間相互作用の FCCSによる検出に適している。 従ってスト ークスシフトが大きい蛍光蛋白質である keima616を用いることにより FCCSによる 蛋白質間相互作用の検出が簡便かつ強力なものになると思われる。
( 1 ) Caspase- 3の活性検出
(a)蛍光相互相関測定における装置
蛍光相互相関測定には TCS SP2 SOBS (Leica)と FCCSシステムを用いた。 EGFP -(ス ぺーサ一) DEVD- piRFPlには、 458 nm Argon ion Laserと 594 nm HeNe Laserを用い て 2 波長励起を行なった。 また ECFPと Keima616の組み合わせの蛋白質には 458nm Argon Laserを用いた。受光用バンドパスフィルタは EGFP : 500-550、 mRFPl : 607- 683 を、 ECFP : 470-500、 keima616 : 535- 585を用いた。
(b)蛍光相互相関測定の解析
Caspase-3 により切断されるアミノ酸配列 DEVDを EGFPと mRFPの間、 keima616と ECFPの間に導入し (図 4 9 )、 リコンビナント EGFP- DEVDmRFPl (x2) (ァミノ酸配列 を配列表の配列番号 4 9に示し、塩基配列を配列番号 5 0に示す) 、 ECFP- (スぺ ーサ一) DEVD-keima616 (アミノ酸配列を配列表の配列番号 5 1に示し、 塩基配列 を配歹 ij番号 5 2に示す)、 keima616- (スぺーサ一) DEVD- ECFP (アミノ酸配列を配 列表の配列番号 5 3に示し、 塩基配列を配列番号 5 4に示す) を作製した。 発現 蛋白質は N末端に His-tagがっくようにコンス トラタ トしたので発現蛋白質は Ni - Agarose gel (QIAGEN)で精製した。 精製方法は付属のプロトコールに準じた。 次にそれらの蛋白質を用いて相関作用を解析した。
相互相関の定量的な評価は、 relative amplitude という相互相関関数の振幅 (Gcross (0) ) を自己相関関数の振幅( 。 (0) ) で割算した値を用いた。 EGFP-DEVD-mRFPl (x2) では、 Gcr。„(0) /G oB¾ (0) は約 0. 4 であった(図 5 1 )。 Caspase-3の添加により GC WS (0) の減少が観られた(図 5 0 )。
ECFPと keima616の組み合わせでは Gcr。 (0) /Glower(0)は 0. 4であった(図 5 1 )。 Caspase-3 の添加により &cross (0)の迅速な減少が見られた。 &cross (0)の減少は Caspase-3 添加によ り蛍光相関が無く なっていることを示している。 EGFP-DEVD-mRFPよりも ECFPと Keima616を組み合わせた蛋白質がより短時間で相 関が無くなっておりこれにより後者の組み合わせがより蛍光相互相関法により簡 便かつ迅速に蛋白質の相互作用を示すことが明らかになつた。
(c) SDS - PAGEによる蛋白質間相互作用の解析
keima616-DEVD - ECFPを Caspase - 3で反応させると keima616と ECFPの大きさのバ ンドが確認出来た。これらの蛋白質は Caspase- 3によって DEVDが切断されたことを 意味する(図 5 2 )。 Native - PAGEにおいても同様に反応後に 2つのバンドが確認さ れ、 それぞれが keima616と ECFPであることが同定され、 蛍光検出でも Caspase - 3 の活性があることが検出できた(図 5 2 )。
( 2 ) カルモジュリンとの相互作用
(a)蛋白質の合成,発現
カルモジュリンには ECFPを、 M13には Keima616を繋いだ(図 5 3 )。 ECFP—カルモ ジュリンのァミノ酸配列を配列番号 5 5に示し、塩基配列を配列番号 5 6に示す。 また、 M13— Keima616のァミノ酸配列を配列番号 5 7に示し、塩基配列を配列番号 5 8に示す。それらの融合蛋白質は大腸菌株 (JM109 - DE3)で発現させた。発現蛋白 は N末端に His- tagがっくよう.にコンストラタトしたので発現蛋白は Ni - Agarose gel (QIAGEN)で精製した。精製方法は付属のプロトコールに準じた。次にそれらの 蛋白質を用いて相関作用を解析した。
(b)蛍光相互相関測定における装置
蛍光相互相関測定には ConfoCor2 (Carl Zeiss)と LSM510 version3. 2を用いた。 458 nm Argon ion Laserを用いた。 受光用バンドパスフィルタは ECFP : 475- 525、 Keima616: LP610を用いた。
(c)蛍光相互相関測定の解析
相互相関の定量的な評価は、 relative amplitudeという相互相関関数の振幅 (G (0) )を自己相関関数の振幅 (G^E 0) )で割算した値を用いた。 EGTAにより力 ルシゥムイオンをキレートしたサンプルでは GC„ (0) /GJowar (0) は約 0. 005であつ た(図 5 4 )。 しかしカルシウムイオンの添加により Gcr。^ (0) の値の上昇が確認で きた(図 5 5 )。 この結果はカルシウム依存的な蛋白質の相互作用を検出したこと を示している。 ,これにより蛍光相互相関法により蛋白間相互作用が迅速且つ簡便 に測定できることが明らかになった。 産業上の利用可能性
本発明 こより、 単量体で存在することができる新規な蛍光蛋白質 (mK O) が 提供されることになつた。 二量体の蛍光蛋白質 K Oによる H e L a細胞でのミ ト コンドリアラベルにおいて、 ミ トコンドリアが粒々にラベルされ、 本来のミ トコ ンドリア像は得られない。 し力 し、 単量体の蛍光蛋白質 mK Oでミトコンドリア をラベルした場合には正常な細長いひも状のミトコンドリア像が得られ、 ダイナ ミックなミ トコンドリアの動きも観察される。 このような単量体化による有効性 がミトコンドリア分子のラベルにより確認された。
また本 明の蛍光蛋白質(keima616, keima570)は、赤色、橙色の蛍光を放ち、 励起のピークが 440nm (青色). である。 スト一タスシフト (励起のピーク値と蛍 光のピーク値の差) は従来の赤色蛍光蛋白質 (DsRed、 HcRed) では 20nm〜30nm であるの こ対し、 本発明の赤色蛍光蛋白質が 176nm、 橙色蛍光蛋白質が 130nmと 非常に大きい。 故に本発明の蛍光蛋白質は最大の励起で最大の蛍光を得ることが できることを特徴とする。 また、 励起のピークが 440nmであるため、 青緑蛍光蛋 白質 (CFP) や緑色蛍光蛋白質 (GFP) との同時励起染色において両者の蛍光を非 常に有効に取得することが可能である。 さらに従来の赤色蛍光蛋白質の励起ピー クが 560nmから 590nmであるのに対し、 本発明の蛍光蛋白質は励起のピークが 440nmであるので、 励起光を変えて従来の赤色蛍光蛋白質と同時に染色すること も可能と した。

Claims

請求の範囲
1. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質。
( a ) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 1に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。
2. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質。
(a) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 及び/又は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列 番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を 有する蛋白質。
3. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質。
( a ) 配列番号 1 1、 1 3、 1 5、 1 7、 1 9、 2 1、 2 3、 25、 2 7又は 2 9に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質; , .
( b ) 配列番号 1 1、 1 3、 1 5、 1 7、 1 9、 2 1、 2 3、 2 5、 2 7又は 2 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又 は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列番号 1 1、 1 3、 1 5、 1 7、 1 9、 2 1、 2 3、 2 5、 2 7又は 2 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と 同等の蛍光特性を有する蛋白質。
4. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質をコードする DNA。
(a) 配列番号 1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質
(b) 配列番号 1に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付カ卩されたアミノ酸配列を有し、 配列番号 1に記載のアミノ酸 配列を有する蛋.白質と同等の蛍光特性を有し、 かつ単量体で存在する蛋白質。
5. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質をコードする DNA。 (a) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 それぞれ配列 番号 3、 5、 7又は 9に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を 有する蛋白質。
6. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質をコードする DNA。
( a ) 配列番号 1 1、 13、 1 5、 1 7、 1 9、 21、 23、 25、 27又は 2 9に記載のァミノ酸配列を有する蛍光蛋白質;
( b ) 配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 1 9、 21、 23、 25、 27又は 2 9に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び/又 は付加されたァミノ酸配列を有し、 それぞれ配列番号 1 1、 13、 15、 1 7、 1 9、 21、 23、 25、 27又は 29に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と 同等の蛍光特性を有する蛋白質。
7. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
( a ) 配列番号 2に記載の塩基配列を有する D N A
(b) 配列番号 2に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換及 ぴ Z又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ配列番号 2に記載の塩基配列がコー ドする蛋白質と同等の蛍光特性を有する蛋白質であって、 単量体で存在する蛋白 質をコードする塩基配列を有する DNA。
8. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
( a ) 配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列を有する D N A
(b) 配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列において、 1から数個の塩 基の欠失、 置換及ぴ Z又は付加を有する塩基配列を有し、 かつそれぞれ配列番号 4、 6、 8又は 10に記載の塩基配列がコードする蛋白質と同等の蛍光特性を有 する蛋白質。
9. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
(a ) 配列番号 12、 14、 16、 18、 20、 22、 24、 26、 28又は 3 0に記載の塩基配列を有する D NA。
( b ) 配列番号 12、 14、 16、 18、 20、 22、 24、 26、 28又は 3
0に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換及ぴ Z又は付加を 有する塩基酉己列を有し、 かつそれぞれ 12、 14、 16、 1 8、 20、 22、 2 4、 26、 28又は 30に記載の塩基配列がコードする蛋白質と同等の蛍光特性 を有する蛋白質。
10. 請求項 4から 9の何れかに記載の DN Aを有する組み換えベクター。
1 1. 請求項 4から 9の何れかに記載の DN A又は請求項 10に記載の組み 換えベクターを有する形質転換体。
12. 請求項 1から 3の何れかに記載の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る 融合蛍光蛋白質。 .
13. 他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質である、 請求項 1 2に記載の融 合蛋白質。
14. 他の蛋白質が細胞内小器官に特異的な蛋白質である、 請求項 12又は 13に記載の融合蛋白質。
15. 他の蛋白質が蛍光蛋白質である、 請求項 12に記載の融合蛋白質。
16. 分子内 FRETを生じる、 請求項 15に記載の融合蛋白質。
17. 請求項 1 2から 14の何れか 1項に記載の融合蛋白質を細胞内で発現 させることを特徴とする、 細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方 法。
18. 請求項 1から 3の何れかに記載の蛍光蛋白質、 請求項 4から 9の何れ かに記載の DNA、 請求項 10に記載の組み換えベクター、 請求項 1 1に記載の 形質転換体、 又は請求項 12から 1 6の何れか 1項に記載の融合蛋白質を含む、 蛍光試薬キット。
1 9. 以下の (a) 又は (b) に示す色素蛋白質。
(a) 配列番号.37に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b )配列番号 37に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 吸光特性を有する蛋白質。
20. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質。
(a) 配列番号 39に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
( b )配列番号 39に記載のァミノ酸配列において 1カ ら数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性を有する蛋白質。
2 1. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質。
(a)配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から 数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光 特性を有し、 かつ 100 nm以上のストークスシフトを有する蛋白質。
2 2. 以下の (a) 又は .(b) に示す色素蛋白質をコードする DNA。
(a) 配列番号 37に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b)配列番号 37に記載のアミノ酸配列において 1から数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及び Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 吸光特性を有する蛋白質。
2 3. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質をコードする DNA。
(a) 配列番号 39に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
( b )配列番号 39に記載のァミノ酸配列において 1から数個のァミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付加されたアミノ酸配列を有し、 蛍光特性を有する蛋白質。
24. 以下の (a) 又は (b) に示す蛍光蛋白質をコードする DNA。
(a)配列番号 4 1、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質;
(b) 配列番号 41、 43、 45又は 47に記載のアミノ酸配列において 1から 数個のアミノ酸が欠失、 置換、 及ぴ Z又は付カ卩されたアミノ酸配列を有し、 蛍光 特性を有し、 かつ 100 nm以上のストークスシフトを有する蛋白質。
2 5. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
(a ) 配列番号 38に記載の塩基配列を有する DNA;
(b) 配列番号, 38に記載の塩基配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換 及びノ又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ吸光特性を有する蛋白質をコード する塩基配列を有する D N A。
26. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
(a) 配列番号 4 0に記載の塩基配列を有する DN A;
(b) 配列番号 4 0に記載の塩碁配列において、 1から数個の塩基の欠失、 置換 及び/又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ蛍光特性を有する蛋白質をコード する塩基配列を有する DNA。
27. 以下の (a) 又は (b) に示す DNA。
( a ) 配列番号 4 2、 44、 46又は 48に記載の塩基配列を有する D N A; (b) 配列番号 4 2、 44、 46又は 48に記載の塩基配列において、 1から数 個の塩基の欠失、 置換及ぴ 又は付加を有する塩基配列を有し、 かつ、 蛍光特性 を有し、 100 IX m以上のストークスシフトを有する蛋白質をコードする塩基配 列を有する DN 。
28. 請求項 22から 27の何れかに記載の DN Aを有する組み換えべクタ
29. 請求項 22から 27の何れかに記載の DN A又は請求項 28に記載の 組み換えべクターを有する形質転換体。
30. 請求項 1 9から 21の何れかに記載の蛋白質と他の蛋白質とから成る 融合蛋白質。
31. 他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質である、 請求項 30に記載の融 合蛋白質。
32. 他の蛋白質が細胞内小器官に特異的な蛋白質である、 請求項 30又は
31に記載の融合蛋白質。
33. 他の蛋白質が蛍光蛋白質である、 請求項 30に記載の融合蛋白質。
34. 分子內 FRETを生じる、 請求項 33に記載の融合蛋白質。
35. 請求項 30から 32の何れか 1項に記載の融合蛋白質を細胞内で発現 させることを特 P¾とする、 細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方 法。
3 6 . 請求項 1 9から 2 1の何れかに記載の蛍光蛋白質、 請求項 2 2から 2 7の何れかに記載の D NA、 請求項 2 8に記載の組み換えベクター、 請求項 2 9 に記載の形質転換体、 又は請求項 3 0から 3 4の何れか 1項に記載の融合蛋白質 を含む、 試薬キット。
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