明 細 書
オンライン手続きにおける計測方法、評価方法及びアンケート実施方法 技術分野
[0001] 本発明は、利用者が体感するオンライン手続きの操作性について、これを測定し、 評価する方法に関するものである。
背景技術
[0002] オンライン手続きにおける操作性の良否は、実際に手続きに要した時間や手続き の成功率等に反映されることが知られている。(例えば、非特許文献 1参照) しかし、現在、所要時間や手続き成功率などソフトウェア等の操作性を評価するに あたって用いられる方法は、少人数によるモニターを用いた方式によるものであり、例 えば、複数名集められた習熟度の異なる被験者の平均時間、平均エラー回数等を 計測し、最も習熟した被験者の平均時間や平均エラー回数等のスコア (以下、「熟練 者スコア」という)と比較することによって、システムの操作性を評価している。(例えば 、特許文献 1一 3参照)
一方、事業者 (発注者)が、オンライン手続きサービスを外部委託者にアウトソーシ ングするにあたって、一般に発注者と受託者の間にサービス水準協定が締結される 力 その水準を構成する指標は、システム稼働率やレスポンスタイムなどに止まって おり、発注者や利用者にとって最も重要な、システムそのもの操作性や使いやすさ、 サービス品質そのものを問う指標はいまだない。
非特干文献 1: UsabiiityEngineenng Jakob Nielsen
特許文献 1:特開平 7-325802号 「ユーザピリティ測定方法」
特許文献 2 :特開平 10-341号 「ユーザインターフェイス評価装置」
特許文献 3:特開平 2001-44094号 「サービス管理システム」
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 情報システムのアウトソーシングにあたっては、従来、システム稼働率やレスポンス タイムなど機械的な性能をもってサービス水準を定義し、システムの品質を評価して
きた。しかし、この方法では、システムを受託した者の努力と関心は、例えば「稼働率 を 99, 99%にする」と力「レスポンスタイムを 3%向上させる。」といった技術性能の向 上に払われてしまい、システムの発注者、あるいはシステムの利用者が究極的に求 めるサービスそのものを総合的に向上させるものではない。特に利用者にとっての「 使いやすさ」や「わかりやすさ」、「快適さ」といった操作性にとって、最も重要な要素 が省みられな!/ヽ傾向にある。
[0004] このような発注者と受託者の情報サービスに対する認識、目的意識の格差は、例え ば、「システムの稼働率は極めて高いが、ユーザからは、わかりづらい、時間がかかる といった苦情が絶えない。」、「ユーザの登録エラーが頻繁に起こるため、ユーザ個々 に修正の連絡や確認を頻繁に行う作業コストがかかり過ぎる。」、「あまりにユーザイン ターフェイスがひどいので、その改良を指示したところ、契約外と言われ、多額の追 加費用を請求された。」などと 、つたトラブル発生の原因となって 、る。
[0005] 特に急速に進む電子行政サービスの分野では、行政の硬直的な調達制度や行政 職員の経験不足などが相まって、このようなトラブルが多発するとともに、ややもすれ ばユーザの使い勝手を無視したシステムが提供される傾向が見られる。
[0006] このように、情報システムのアウトソーシングにおいて最も重要なユーザにとっての サービス品質を確保、向上させるには、発注者と受託者の責任分担を明確にするとと もに、システム操作性を評価する数値目標を設定し、サービス水準協定の主要指標 と位置付けるなどの措置をとる必要がある。
[0007] そこで最大の問題となるのが、システムの操作'性、具体的にはシステムの操作'性を 示すにあたって必要となる「所要時間」や「エラー回数」と 、つた指標データを 、かに 計測し、数値化するか、ということになる。(当然ながら、操作性が優れていれば、手 続きは短時間に終了し、かつ登録ミスが少ない。操作性を示す指標には、そのほか に「問 、合わせ件数が少な!/、」、「ユーザの作業ストレスが少な 、」などの指標が考え られる力 本発明では一般に計測評価困難と言われている上記 2指標に着目した。 ) しかし、従来、システム操作性の計測や評価は現実的には不可能とされてきた。そ れには次の 2つの理由がある。
[0008] 1 従来のモニター方式では、統計学的な信頼性を欠けるため。
[0009] 従来、システムの操作性を評価するには、モニターによる観察、検証が行われてき た。これは、商品開発過程において、人間工学的な試験、分析により、問題点の発見 とプロトタイプを改良することを目的として行われるものであるため、大量のデータを 取得する必要がない。しかしながら、サービス水準協定等に求められる所要時間や エラー回数データは、そのデータが支払額を決定する場合があることから、統計学的 な信頼性の高さが必要となる。かといつて、大量のデータをモニター方式で集めるに は膨大なコストが必要となり、例えば、 5種類の手続き力もなる 10種類の手続き群を、 モニター 100人が各 3回テストを行うとすると、のべ 1万 5000回のテストが必要となる。 テスト環境の設定も考え合わせると、これは現実的な数字とは言えな 、。
[0010] 2 数値データを評価するために必要な基準値設定が困難なため。
[0011] 一方、例え、所要時間やエラー回数を計測することができても、適切な比較基準を 設定することができなければ目標値の設定や実績値との相対比較を行うことができな い。つまり、アウトソーシング契約にあたって、あら力じめ発注者と受託者がサービス 水準を合意することができな 、ことになる。
[0012] 例えば、行政の電子申請システムは数万種類あると言われている力 当然ながら、 目標とする手続き所要時間も数万種類あることになる。通常、モニター方式では、基 準値に熟練者の平均スコアを用いることが多いが、このような行政手続きに対し、そも そも数万種類ものモニター試験を行うこと自体が現実的ではな 、。このような熟練者 スコアを用いるもう一つの問題点は、一般ユーザが熟練者レヴェルまで習熟する必 要が全くないにも関わらず、発注者も受注者も、ユーザのスコアを高めるために、つ い不必要な投資を行いがちになる、という点である。例えば、熟練者スコアを 100秒と 設定した場合、もし、一般ユーザが 150秒で「十分満足できるインターフェイスだ」と 判断したとしても、システム運営者はスコアを上げるため、言い換えればボーナスボイ ントを獲得するために、少しでも 100秒に近づけるためのありとあらゆる改良 ·工夫を 行い、受益額の限界まで投資することとなろう。確かに、サービス品質は、ほぼ無限 に向上し続けることとなる力 果たしてボーナス額に値するものかどうかは何人にとつ ても不明である。つまり過剰なる投資、過剰なるボーナスとなっても、無限に投資し続 けることとなりかねない。
[0013] 本発明は、以上の問題点の解決を図るものである。
[0014] すなわち、本発明の第 1の目的は、モニター方式を用いることなぐ原則、全ユーザ の手続き所要時間や手続きエラー回数等を低コスト、低リスクで収集すること、さらに 第 2の目的は、過剰水準とならない適切な基準値を設定することである。
[0015] また、通常、上記仕組みを導入するには、手続きシステムそのものを改良する力 あ るいは特別なアプリケーションをインストールする必要があるため、手続きシステムを 管理する側に、改良コストや不具合リスクといった新たな負担をかけてしまうこととなる 。したがって、本発明の第 3の目的は、既存システムや運営者に新たな負担やリスク をかけることなぐ上記目的を達成することにある。
課題を解決するための手段
[0016] 上記目的を達成するため、本発明は、次の解決手段を有する。
[0017] (1)ネットワークで接続されたユーザ端末クライアントと手続きサーバの間で通信され る電子情報を用いて、手続き開始時刻を記録する方法であり、その候補となる時刻 情報を手続き群毎に Cookieを用いて記録する点を特徴として 、る。
[0018] なお、ここで言う手続きとは、単に 1画面で完結する手続きではなぐ手続き画面 (デ ータ送信画面又はデータダウンロード画面)とそこに至るまでに必要なトップ画面、ナ ピゲーシヨン画面、ヘルプ画面など手続きを誘導する画面群(以下「誘導画面」 )から 構成されるものである。したがって、計測を行う時間は、単なる 1画面から 1画面への 遷移時間や応答時間ではなぐ予め定義された複数の計測対象画面の一つを利用 者が要求してから、 0ないし複数の画面遷移を経て、利用者がデータを送信するか、 データをダウンロードするなど所定の目的が達成されるまでに要する時間となる。た だし、データをダウンロードする場合は、手続きサーノくからデータが送信され、クライ アントに達するまでの時間、一般にダウンロード時間と呼ばれる時間は計測されな ヽ 。しかし、当該時間はユーザ環境に大きく左右されるため、これを対象外とすることは 適切と考えられよう
上記のような複雑に構成された画面群を複雑に遷移するユーザの動きに対応する とともに、評価を行うサーバの負荷を減らすため、以下の方策をとる。
[0019] 1 全ての手続き画面を体系的に定義する。
[0020] 計測対象画面は、手続き画面と誘導画面に大別され、誘導画面はトップ画面とナビ ゲーシヨン画面、ヘルプ画面等からなる(図 6)。
[0021] 2 記録する時刻情報は、当初計測対象の要求時刻だけではなぐユーザが複数の 手続き群に跨って遷移することを前提とし、手続き群毎に最初にアクセスした時刻を すべて記録する。
[0022] 3 評価に必要な計測データ(時刻情報、手続き群識別情報)は Cookieに記録し、評 価サーバとクライアント端末で管理することで手続きサーバには一切の負担をかけな い。
[0023] 4 上記の Cookieに必要なデータを全て書き込むため、評価サーバは、常に最新
Cookieだけを一時記憶すればよい。したがって、評価サーバには最小限の負担しか かからない。
[0024] 本発明における「Cookie」とは、クライアント端末が手続きサーバに接続したときに手 続きサーバのプログラムにより決められた情報であって、サーバ毎にクライアント端末 に記憶される情報をいう。本発明においては、呼び名にかかわらず、上記の機能を 持つ情報をすベて「Cookie」と定義する。典型的には、この「Cookie」に関する機能は 、 InternetExplorer (登録商標)や Netscape Navigator(登録商標)のブラウザ(インタ 一ネットの Webページ閲覧ソフト)に標準的に設けられている。
[0025] なお、上記に定義した Cookieのうち、典型的「Cookie」の特徴の一つは個体識別が 要らない点である。すなわち、クライアントとサーバ間の一つの画面についての通信 が終わった後、計測データ (時刻情報、手続き群識別情報)を保存した Cookieはクラ イアントのブラウザに保存されるため、次の画面に対してクライアント-サーバ間通信 が再び行なわれる際には、サーバは、単純にクライアントから送付されてくる Cookie 情報を利用するだけとなる。したがって、ひとつの通信内(一度の画面遷移内)では、 クライアント、つまり Cookieを送る相手が特定できるため、個体識別は不要となる。そ のため、以下に述べる方法においては、個体識別方法を省略している。
[0026] (2)また、本発明の方法は、上記の(1)の方法に引き続き、手続き完了情報の受信を 合図に、所要時間を算出する方法であり、 Cookieと応答の内容をチェックすることで 完了したカゝどうかを判断するとともに、 referを用いて、 1又は複数の手続き開始時刻
情報力 最も適切な開始時刻を選択し、所要時間を算出する点を特徴としている なお、本発明における「refer」とは、要求又は応答情報の中に含まれる補助情報の 一種であり、前画面情報を指す。クライアントのブラウザは、要求時に Cookieと referを サーバに送る。したがって、サーバでは、クライアントから取得した Cookieを参照する ことで、複数の計測データを知ることが出来、 referを参照することで、前記複数の計 測データの中から、適切な計測データ、つまり、適切な開始時刻を抽出することがで きる。
[0027] (3)また、本発明の方法は、ネットワークで接続された端末クライアントと手続きサービ スを行うサーバ間で通信される電子情報を用いて、手続き開始時刻とともに、操作性 を示すもう一つの主要指標である入力エラー回数を同時期に計測する方法であり、 Cookieを用いて開始時刻の候補となる時刻情報とエラー発生回数を記録する点を特 徴としている。
[0028] (4)また、本発明の方法は、上記 (3)に引き続き、手続きの完了を合図に、所要時間 とエラー回数を決定する方法であり、 Cookieを用いて、所要時間とエラー回数を同時 に決定する点を特徴として 、る。
[0029] (5)また、本発明の方法は、上記(1)から (4)の方法、あるいはその他の方法を用い て収集された計測データとシステム操作性に関する満足度アンケートの調査結果を 用いて評価基準値を作成する方法であり、計測データとは異なるタイミングで実施さ れたアンケート調査結果を同一の案件識別情報を用いて自動的に合成する点を特 徴としている。
[0030] まず、時間やエラー回数等の指標は、その数値自体で操作性を評価することはで きないため、比較対象となる基準値を設定し、実績値との対比を行う必要がある。
[0031] 本方法では、上記データベースをもとに、利用者評価結果が存在する中から肯定 的である案件の操作性指標を抽出し、例えばその平均値を求めることで、「操作性に 対し肯定的と評価する利用者の平均スコア」を求める。この数値は、逆に言えば、「利 用者個々が肯定的と評価できうる平均水準」であり、事業者や発注者にとって、過剰 投資とならない、最適な水準と見なすことできるからである。これにより、事業者や発 注者は何ら負担なぐ最適な評価基準を自動的に決定することが可能となる。
発明の効果
[0032] 本発明の効果は、あらゆる経済活動、国民生活に浸透しつつあるオンラインサービ スの品質を利用者の視点に立って可視化、定量ィ匕することで、ユーザピリティの高い システムサービスの提供を促すものである。
[0033] 例えば、行政がシステム開発を発注する段階におけるシステムベンダー選びは、従 来は金額や実績、システム稼働率等をもってしカゝ評価できなカゝつた。しかし、本発明 に基づく指標を評価指標の一部に加えることで、システムベンダーを総合的かつ合 理的に評価、選択できるようになるとともに、かつ運営段階においては、サービス水 準協定に新たに当該指標を加えることで、受託者側が主体的にサービス品質向上努 力を払うよう、強いインセンティブを働かせることができる。
[0034] さらに、情報サービス本来の品質を巡り、システムベンダー間の健全な競争を促し、 情報システム産業の健全な発展に寄与することが期待できる。
[0035] 特に、今後急速な進展が見こまれながらも、ユーザにサービスの利用選択権がほと んど無い電子行政サービス分野においては、本方法の導入により、サービス品質の 劇的な向上とシステム予算の削減、引いては国民の利便性向上に大きく寄与するも のと予想する。
図面の簡単な説明
[0036] [図 1]プロキシ型ネットワーク構成図である。
[図 2]共同動作型ネットワーク構成図である。
[図 3]埋込み型ネットワーク構成図である。
圆 4]計測評価機能の構成である。
[図 5]画面構成例と遷移例である。
[図 6]手続き体系定義画面例である。
[図 7]手続き詳細定義画面例である。
[図 8]手続き開始時刻を記録する方法に関するフローチャートである。
[図 9]手続きの完了を合図に計測データを決定する方法に関するフローチャートであ る。
[図 10]エラー発生回数を記録する方法に関するフローチャートである。
[図 11]評価基準値又は評価値を作成する方法に関するフローチャートである。
[図 12]計測データとユーザ評価データが合成されたテーブル例である。
[図 13]評価値例である。
発明を実施するための最良の形態
[0037] 以下、本発明の実施にあたって、 Webブラウザを用いた最良の形態について図表 を用いて説明する。
[0038] (0)
はじめにネットワーク構成について説明する。(図 1)
本発明は、ネットワーク(101 )で接続されたクライアント端末(102)とオンラインによ る電子手続きサービスを提供するサーバ(以下、手続きサーバという。 ) (103 )におい て、クライアント側と手続きサーバ側の間で通信されるデータをもとにプロキシ型評価 サーバ(104)が操作性データを計測し、評価する方法である。
[0039] 当該評価サーバは、手続きサーバとクライアント端末の間で通信されるデータを中 継するいわゆるプロキシ機能部分(104- 1 )とそのデータをもとに所定の指標値を計 測し、計算し、記憶する計測評価機能部分 (104-2 )からなる。このプロキシ型サーバ を用いることで、多数のオンライン手続きサービスを 1ケ所にて評価する ASPサービス を可能とすることができる。
[0040] なお、上記のようにプロキシサーバを用いる方式のほかに、手続きサーバと共同動 作する共同動作型評価サーバ (201 )を設置する方式 (図 2)、直接、手続きサーバ内 に計測評価機能を組み込み、評価機能埋め込み型手続きサーバ (301 )とする方式 ( 図 3)も考えられる。
[0041] 次に評価サーバにおける計測評価機能について説明する。(図 4)
上記計測評価機能は、まず、プロキシ機能部分を介してデータを受信する受信手 段 (411 )、そしてデータをプロキシ機能部分に送信する送信手段 (412 )を有する。
[0042] 次に、予め計測に必要な定義を行うための定義手段 (420)を有する。
[0043] 次に、クライアントからの要求内容が予め定義された内容か否かを判定する要求内 容判定手段 (431 )、上記要求に計測対象となる Cookieが付いている力否かを判定 する Cookie有無判定手段 (432 )、上記 Cookieの中に要求内容と同じ手続き群を示
す識別情報がある力否かを判定する Cookie内容判定手段 (433)、新たに Cookieを作 成し、あるいは既存の Cookieに新 U、情報を追加'修正するための Cookie作成手段( 434 )、既存の Cookieの中のエラー回数情報を取出し、 1を加えるエラーカウント手段 (435)、手続きサーノくからの応答の中に、予め定義された手続き完了情報又はエラ 一発生情報等の情報があるか否かを判定する応答内容判定手段 (436 )、 referから 、手続き画面情報を読取り、完了した手続き種別を判定する手続き種別判定手段( 437)、一時記憶させた Cookieから完了した手続きと同一手続き群に属する時刻情報 を選択し、取り出すとともに、同じ Cookieからエラー回数情報を取り出す計測データ 抽出手段 (438)、上記の時刻と手続き完了時刻の差を計算する所要時間算出手段( 439 )を有する。
[0044] 次に、一時記憶手段に Cookie等を書き込む書込手段 (441)、一時記憶手段から Cookie等を読込む読取手段 (442 )、一時記憶手段に記憶されている Cookie及び Cookieそのものを削除する削除手段 (443 )、一時的に情報を記憶する一時記憶手 段 (444)を有する。なお、一時記憶手段に書きこむ、あるいは読み出す Cookieとは、 計測データ (時刻情報、エラー回数情報)及び識別情報 (手続き識別情報、手続き群 識別情報)を含む計測用 Cookie指す。
[0045] 次に、所定の時期に、操作性を示す計測データと、それとは異なる方法で収集され たアンケート結果を同一テーブルに合成する計測データ'アンケート結果合成手段( 451 )、上記アンケート結果が所定の定義により、肯定的力否かを判定し、同一の案 件識別情報を有する計測データを抽出する肯定的計測データ抽出手段 (452)、抽 出された計測データの平均値 (評価基準値)を計算する評価基準値計算手段 (453 ) 、上記評価基準値と全データの平均値の対比値を計算する評価値算定手段 (454) を有する。
[0046] 次に、記憶手段 (データベース)に計測データ、計算データ、評価結果、定義内容 等を書き込むデータベース書込手段 (461 )、記憶手段から上記情報を読込むデー タベース読取手段 (462 )、情報を恒久的に記憶する記憶手段 (データベース) (463 )を有する。
[0047] さらに、処理案件を個別に識別するための情報を作成する案件識別情報作成手段(
471 )、完了メッセージとアンケートを同時に送信するため、完了メッセージデータとァ ンケートデータを合成する完了メッセージ 'アンケート合成手段 (472)を有する。
[0048] 以上は、プロキシ型評価サーバが有する手段である力 共同動作型サーバにおい ては、全ての情報が手続きサーバと送受信することになり、計測評価機能内の構成 はプロキシ型と同じである。し力しながら、手続きサーバ側に新たな改良、機能を追 加する場合で、例えば、手続きの完了やエラーの発生を示す情報を評価サーバ側に 送信する独自の手段を加えた場合は完了判定やエラー判定の定義がより簡素となる 。また、完了した手続きを識別する情報を送信する独自の手段を加えた場合は、手 続き種別判定手段 (437 )及び当該判定手段を伴うステップは不要となる。埋め込み 型手続きサーバにおいても、同様である。
[0049] 次に、具体的な画面構成例の上での遷移例を仮定し、どのような計測データとなる かについて説明する。(図 5)
本事例は三段階の階層力もなる Webサイトである。
[0050] 本図の右端列に位置する画面群は、ユーザが最終的にデータ登録等を行う画面、 すなわち手続き画面 (502 )であり、左端及び中間に位置する画面がトップ画面、ナビ ゲーシヨン画面、ヘルプ画面等のユーザを手続き画面に正確に導くための誘導画面 (501)である。
[0051] さらに、本事例では、手続きを大きく 3つに分類している。各々、手続き群 A (510 ) 、手続き群 B (520 )、手続き群 C (530 )とし、 2-5種類の手続き画面で構成されて いる。
[0052] この Webサイトにぉ 、て、ユーザは次のように画面遷移したと仮定する。
[0053] まず、ユーザは、手続き群 Aのトップ画面 A001 (511)に 10時 25分に遷移し、 A009を 経て、 A104で手続きを行うかに見えた力 いったん手続きを中断し、 10時 30分に手続 き群 Bのトップ画面 B001 (521 )に遷移した。その後、さらに A007、計測対象外画面と 遷移し、最終的には、 B103にて 2度の入力エラーののち 10時 40分に手続きを完了( 522)したとする。
[0054] 遷移画面は、 A001→A004→A104→B001→A007→計測対象外画面→B001→
B005→B103→エラー画面→B103→エラー画面→B103→手続き完了メッセージ画面
、である。
[0055] このような複雑な事例の場合、どの時点を手続き開始時刻とするかが問題となるが 、最終的な手続きが B103である以上、 B群にはじめて遷移した時刻を手続き開始時 刻と見なすのが妥当である。したがって、開始時刻は A001画面に遷移した「10時 25 分」ではなぐ B001に遷移した「10時 30分」(521)としなければならない。
[0056] したがって、本事例の場合、手続き完了時刻が「10時 40分」であるから、所要時間 は、その差 10分となる。つまり、本事例の計測データは、「B103」の手続きに所要時間 「10分」、エラー回数「2回」という結果になる。
[0057] 続いて、定義内容について説明する。
[0058] 本定義は、手続き全体の定義 (例図 6)と個別手続きの定義 (例図 7)からなる。
[0059] まず、手続き全体の定義については、関連性がある個々の手続き画面 (613 )を一 つにまとめ、手続き群として識別情報 (611 )を付与する。当該手続き群には、開始時 刻の計測対象とする計測対象画面 (612 )を定義しておく。なお、本計測対象には、 手続き画面を含む。
[0060] 次に、個別の手続き (画面)毎に、手続きの完了を判定するために必要な情報、例 えば完了通知を示す URLやファイル名又は文字列(721 )と、エラー発生を判定する ために必要な情報、例えばエラー発生を示す URLやファイル名又は文字列(722)と 、ユーザ評価判定手段がユーザからのアンケート回答結果を肯定的傾向と判定する ための論理式 (723 )を定義する。(図 7)
図 7では、利用者満足度を 2から + 2の 5段階で評価しており、「肯定的評価」につ いては、プラス以上、すなわち「CS (利用者満足度) >0」と定義している。
[0061] 以上の前提に立って、具体的な計測評価方法につ!、て説明する。
[0062] (1)
図 8は、手続き開始時刻を記録する方法であり、その候補となる時刻情報を手続き 群毎に Cookieを用いて記録する点を特徴として 、る。
[0063] まず、受信手段 (411 )がクライアントからの要求を受信 (801)すると、 Cookie有無判 定手段 (432 )が、当該要求に計測用の Cookieが含まれている力、否かを判定 (802 ) する。計測用 Cookieがあれば、書込手段 (441)に対し、当該 Cookieを一時記憶手段
(444 )に書き込む(803 )よう指示を行う。
[0064] 次に、要求内容判定手段 (431 )力 当該要求が計測対象画面の一つ力否かを判 断するため、あらかじめ定義されたものカゝ否かを判定 (804)する。計測対象ならば、 Cookie内容判定手段 (433 )に対し、当該 Cookie内に当該要求が属する手続き群と 同一の識別情報が含まれて 、るかどうかを判定する (805)よう指示を行う。
[0065] なお、上記では、受信後に、まず Cookieの有無を判定した力 さらなる方法として、 まず、計測対象力否かを判定したのち、 Cookieの有無を判定する方法、各々平行処 理する方法などが考えられる。
[0066] 次に、 Cookie内容判定手段 (433 )により、同一の識別情報が無かった場合 (計測 用 Cookieそのものが無力つた場合を含む)、その手続き群に遷移したのは初めてと判 断されるため、新たな開始時刻を記録する必要がある。つまり、 Cookie作成手段 (434 )に対し、サーバ内時計で決定した時刻と当該要求が属する手続き群を識別する情 報 (手続き群識別情報や手続き識別情報等の手続き群を識別可能な情報)を Cookie に作成する(806)よう指示を行う。なお、上記の決定した時刻とは、クライアントからの 要求を受信した時刻から、まさに Cookieに時刻情報を作成する際の時刻まで考えら れる。受信時刻を用いる場合は、計測対象の有無に関わらず、全ての受信時刻を記 録しておく必要があるのは言うまでもない。
[0067] 図 5の事例では、手続き群 Aに初めて遷移した A001 (511)の時点で、「A10 : 25 : 00 」という情報が Cookieで新規に作成され、さらに B001 (521 )に遷移した時点で、新た に「B10 : 30 : 00」が作成、追加されることになる。この時点では、ユーザが実施したい 手続きは手続き群 Aなのか手続き群 Bなのか明らかではない。なお、上記「A」、「B」 は手続き群を識別するコードを示す。
[0068] Cookie作成手段 (434 )にて、新規力否かに関わらず、 Cookieに時刻情報と識別情 報を作成したあと、書込手段 (441)に対して、上記 Cookieを一時記憶手段 (444 )に 書込み、記憶する(807 )よう指示を行う。なお、 Cookieは手続きが完了すると削除手 段 (443 )によって削除される。また、ユーザがブラウザを閉じる、あるいは一定時間を 経過するなどにより自動的に削除することも可能である。
[0069] このように作成された Cookieは評価サーバ(104 )内に一時記憶されるため、手続き
サーバ(103)に送られる(808 )情報には上記 Cookieは含まれない。
[0070] なお、手続きサーバ(103 )からの応答があると、当該 Cookieは読出され、当該応答 に付けられて、クライアント(102)に返信される。これらのプロセスは、手続きが完了す るまで繰り返される。
[0071] 以上の方法により、手続き開始時刻となる候補情報を Cookieで記録するわけだが、 この方法の最大のメリットは、手続きサーバ(103)側への負荷がまったく無ぐシステ ムの改良も必要ない、という点と Cookieに全ての情報を保有させるため、評価サーバ (104 )側で一時記憶するデータは必要最小限となる点にある。
[0072] なお、以上は最も理想的なプロキシ型評価サーバ(104 )による処理方法である力 共同動作型サーバ (201)においては、全ての情報が手続きサーバ(103 )と送受信さ れるだけで、処理方法はプロキシ型と同じである。同様に、埋め込み型手続きサーバ (301 )においても同じである。但し、手続きサーバ(103)側に新たな改良、機能を追 加する場合で、例えば、計測対象画面であることを示す情報を評価サーバ(104 M則 に送信する独自の手段を加えた場合は、実質的には要求内容判定手段が手続きサ ーバ(103)側にあることとなり、評価サーバ(104 )内に当該手段を持たさないようにす るなど、両者の中間的方法もある。
また、以上は、定義した Cookieの中の「典型的な Cookie」を用いた方法である力 時 刻情報とクライアントの個体識別情報をサーバ側に記憶し、 Cookieにクライアント個体 識別情報を保存するようにしても良い。このような構成であると、一つの画面の通信毎 に、どのクライアントとの通信であるかを Cookieから取得した個体識別情報とサーバ に記憶した個体識別情報とにより認識することになる。
[0073] (2)
次に手続きの完了にともな 、、所要時間を算出する方法である。
[0074] 図 9は、(1)の方法に引き続き、手続きの完了を合図に、所要時間を決定する方法 であり、 Cookieと応答、 referを用いて、適切な手続き開始時刻を決定し、所要時間を 算出する点を特徴としている。
[0075] 受信手段 (411 )が手続きサーバ(103 )から応答を受信する(901)と、応答内容判 定手段 (436 )に対し、当該応答の中に予め定義された手続き完了情報があるか、否
かを判定する(902 )よう指示を行う。手続き完了情報とは、「手続きが無事終了しまし た。」といった完了しなければ表示されない手続き完了メッセージのファイル名や URL 、当該メッセージに含まれる「終了」という文字列などである。その定義方法について は、手続き毎に定義する方法、手続き群毎に定義する方法、全手続き群に共通して 定義する方法などケースノ ィケースで使 、分けることが可能だが、本事例では手続 き毎に定義する方法を想定した。
[0076] このような完了情報が無ければ、当該応答に計測用 Cookieを付けて、あるいは
Cookieが無ければ、そのままでクライアント(102)側に応答を送信 (909 )することにな る。しかし、応答内容判定手段 (436 )が、当該応答に完了情報を認めた場合、手続 き種別判定手段 (437 )に対して、 referから手続き画面情報を読取り、手続き体系の 定義(図 6)に照らし、どの手続き種別かを判定する (903 )よう指示を行う。
[0077] 手続き種別判定手段 (437 )にお ヽて、完了した手続きの種別及び識別情報が判 定されたあとは、読取手段 (442)に対して、一時記憶手段 (444 )から当該案件の計 測用 Cookieを読取 (904 )り、さらに計測データ抽出手段 (439 )に対して、読み取つ た Cookieから完了手続きと同一手続き群に属する時刻情報を選択し、取り出す (905 )よう指示を行う。
[0078] 図 5の事例では、 Cookieに記録された二つの時刻情報「A10 : 25 : 00」「B10 : 30 : 00」 の中から、完了手続き「B103」と同じ手続き群識別情報を有する後者を選択すること になる。なお、詳しい選択方法については、事例のように識別情報に一定の規則性( 例では、前 1文字は手続き群コード、後ろ 3文字は個別コードと定義)をもたせ、特定 の文字列 (例では「B」 )を有する時刻情報を選択する方法、あるいは予め定義された 手続きコード体系(図 6)を読み出し、完了手続き「B103」がどの手続き群に属してい る力を特定したのち、同一の手続き群コードを有する時刻情報を選択する、という方 法などが考えられる。
[0079] 計測データ抽出手段 (438 )において、開始時刻が抽出されたのちは、所要時間算 手段 (439)に対して、完了時刻との差を計算し、所要時間を算出する (906 )よう指示 を行う。事例では、開始時刻 10 : 30 : 00と完了時刻 10:40:00の差、すなわち所要時間 は 10分である。なお、ここで言う完了時刻とは、応答の受信時刻、応答内容判定手段
(436)にて完了情報を検知した時刻、計測データ抽出手段 (438 )にて開始時刻を決 定した時刻、まさに差引き計算を行う時刻などが考えられる。なお、応答の受信時刻 を用いる場合は、手続きの完了、未完了に関わらず、全ての受信時刻を記録してお く必要があるのは言うまでもない。
[0080] 所要時間を算出したのちは、データベース書込手段 (461)に対して、当該所要時 間、手続き種別コードのほか、案件識別情報作成手段 (471 )が作成した個々の処理 案件を識別する情報 (以下、「案件識別情報」という。)を記憶手段 (463)に保存する( 907 )よう指示を行う。
[0081] 手続き完了と同時に、あるいその後に、案件識別情報作成手段 (471 )は、上記の 計測データに付与する案件識別情報を作成するとともに、操作性に関するユーザの 満足度を調査するアンケート情報に付与する。付与する方法は、 Cookieで行っても 良いし、通常の情報形式でも良ぐいづれにしても、回答結果に付随して当該案件 識別情報が返信されることができれば良 、。この案件識別情報が計測データとアン ケート結果で共有されることにより、本来は不連続な行為であるデータ計測行為とァ ンケート行為を連続的に実施し、かつその計測結果とアンケート結果を関係させるこ とができる。これによりのちに述べる評価基準値を作成することが可能となるほか、ュ 一ザのスコアに応じたアンケートの選択、計測データと操作性満足度の関係性分析 などが可能となる。
[0082] なお、案件識別情報は、評価サーバ(104 )側で独自に作成、発行する方法以外に
、手続きサーバ(103)カゝら別途識別情報を得る方法などが考えられる。
[0083] 記憶手段 (463 )への書込みが終了したのちは、削除手段 (443)に対して、当該
Cookieを削除する(908 )よう指示し、これを削除する。なお、 Cookieの削除は記憶手 段に書き込むと同時であってもよい。
[0084] 最後に完了メッセージ等の応答をクライアント側に送信 (909)する。なお、応答のク ライアント送信は、本事例では最後の段階であるが、完了情報が有ると判定したのち であっても良い。
[0085] また、上記のアンケート調査は、データ計測の直後に実施し、上記完了メッセージ にアンケート調査情報と案件識別情報を加えたものを送信することが望まし 、。その
ため、完了メッセージ 'アンケート合成手段 (472 )が、手続きサーバ(103 )から手続き 完了メッセージを受信したのち、当該完了メッセージにアンケート内容をメッセージ内 容のあとに合成する。
[0086] こうすることで、 1画面短縮することができるため、ユーザの時間コストを短縮し、結 果、アンケートへの回答率を高めることができる効果がある。なお、案件識別情報は、 先ほど述べたように当該アンケート情報の一部にカ卩えても良いし、 Cookieで送信して も良い。 Cookieで送信する場合は、計測用 Cookieを削除せず、これに案件識別情報 を加えて利用し、削除行為はアンケート送信後としても良い。無論、新たな Cookieを 作成してもよい。なお、所定の時期に一斉にアンケート調査を実施しても良い。
[0087] 以上は、電子申請手続きのように、ユーザがデータを送信する場合の手続き完了 判定方法である力 逆にユーザが電子申請書様式などのデータをダウンロードする 場合の完了判定方法はというと、予め当該データファイル名を完了情報として 1ない し複数定義しておき、これを応答内容判定手段 (436 )が検知する方法、あるいは別 途、手続きサーバからの独自の完了メッセージを受信する方法が考えられる。その他 の手順は同じである。
[0088] 以上の方法により、手続き開始時刻となる候補情報を Cookieで記録するわけだ力 この方法の最大のメリットは、手続きサーバ側への負荷がまったく無ぐシステムの改 良も必要ない、という点と Cookieに全ての情報を保有させるため、評価サーバ側で一 時記憶するデータは必要最小限となる点にある。
[0089] なお、以上は最も理想的なプロキシ型評価サーバ(104 )による処理方法である力 共同動作型サーバ (201)においては、全ての情報が手続きサーバ(103 )と送受信さ れるだけで、処理方法はプロキシ型と同じである。同様に、埋め込み型手続きサーバ (301 )においても同じである。但し、手続きサーバ(103)側に新たな改良、機能を追 加する場合で、例えば、手続き完了を示す情報や完了手続き種別を示す情報を評 価サーバ(104 M則に送信する独自の手段を加えた場合は、実質的には応答内容判 定手段や手続き種別判定手段が手続きサーバ側(103)にあることとなり、評価サーバ (104 )内に当該手段を持たさないようにするなど、両者の中間的方法もある。
[0090] (3)
別の実施形態として、 Cookieを用いて手続き開始時刻の候補となる時刻情報とエラ 一発生回数情報を記録する方法がある。この方法は、 Cookieを用いて開始時刻の候 補となる時刻情報とエラー発生回数を同時期に記録する点を特徴としている。したが つて、フローチャートは図 8と図 9に相当するため、(1)との相違点のみを記述する。
[0091] 第 1の違いは、 Cookie作成手段 (434 )にて、新たな Cookieに時刻情報と識別情報 を作成する際にあわせて、エラー回数を示す初期値 (例えば「0」や文字情報)を作成 する(806)ことである。しかし、当該エラー回数初期値を作成することなぐエラー回数 情報が Cookie内に無いことをもって、別途手段がエラー回数を 0回と判定する方法、 あるいは計測データの集計時にエラー回数情報が空欄等である場合、これを 0回と 見なす方法などがある。
[0092] 第 2の違いは、以下に述べるエラー回数をカウント、記録する方法が付加される点 である。(図 10)
受信手段 (411 )が手続きサーバ(103 )からの応答を受信(1001)したのち、応答内 容判定手段 (436)が、エラーが発生したかどうかを判断するため、応答中に予め定義 されたエラー発生を示す情報 (例えば URLやファイル名又は文字列)があるかどうか を判定する(1002)。ある場合、読取手段 (442)に対して一時記憶手段 (444 )に一時 記憶した当該案件の計測用 Cookieを読み出す(1003)よう指示を行う。
[0093] 次に、エラーカウント手段 (435 )が上記 Cookieのエラー回数情報を取りだし、「1」を 加算(1004)する。なお、エラー回数情報が数値でない初期値の場合はこれを「1」に する。続いて、 Cookie作成手段 (434)が新たなエラー回数情報を Cookieに作成する( 1005)。
[0094] なお、上記の作成された Cookieは、応答とともに、クライアント側に送信される。
[0095] (4)
次に手続きの完了にともない、所要時間とエラー回数を決定する方法がある。
[0096] この方法は、上記(3)の方法に引き続き、手続きの完了を合図に、所要時間とエラ 一回数を決定する方法であり、 Cookieを用いて、所要時間とエラー回数を同時期に 決定する点を特徴としている。したがって、フローチャートは図 8、図 9、図 10に該当す るため、(2)との相違点は、(3)の説明内容に加え、以下のとおりである。
[0097] 計測データ抽出手段 (438 )が Cookieから適切な時刻情報を選択、取出す際に、あ わせて同一 Cookieからエラー回数情報を取出す(905)こと、及びデータベース書込 手段 (461 )が記憶手段 (463 )に所要時間を書きこむ際、あわせて取出されたエラー 回数情報を記憶手段 (463 )に書き込む (907)ことである。
[0098] (5)
また、別の実施形態として、上記(1)から (4)の方法、あるいはその他の方法を用い て収集された計測データとシステム操作性に関するユーザの満足度アンケートの調 查結果を用いて評価基準値を作成する方法がある。この方法は、異なるタイミングで 作成される上記両データを合成するため、同一の案件識別情報を用いる点を特徴と している(図 11の 1101— 1105に対応)。あるいは、同一テーブルを合成せずに、別の テーブルとして作成 '管理し、上記の案件識別情報を用いて、回答結果が満足傾向 にある案件と同一の案件識別情報を有する計測データを抽出する点を特徴としてい る。
[0099] なお、ここで言う評価基準値とは、「操作性に肯定的なユーザの平均スコア」であり、 従来の専門家等を用いた基準値に比較し、ユーザやシステム発注者にとって最も合 理的水準であることは既述のとおりである。
[0100] 受信手段 (411 )が案件識別情報を有するユーザ力 のシステム操作性に関するァ ンケート調査に対する回答データを受信(1101)すると、計測データ'アンケート結果 合成手段 (451)に対し、受信した回答データと同一の案件識別情報を記憶手段 (463 )から検索し、検索結果の案件に当該回答データをつけ加える(1102)よう指示を行 う。なお、当該アンケート調査は、手続き完了メッセージとともに、あるいは手続き完了 メッセージを送信する前又は後、あるいは同時にユーザに送信されたものであり、案 件識別情報は評価サーバ側において、手続き完了時に付与されたものである。また 、合成されたテーブル事例は図 12のとおりである。
[0101] なお、この段階で同一の案件識別情報を検索せずに、異なるテーブルを別途作成 し、評価基準値作成データを抽出する際に案件識別情報を検索し、同一識別情報 を有する計測データを抽出する方法もある。
[0102] 次に、所定の時期(例えば、案件が発生する度でも良いし、月に 1度でも良いし、年
に 1度でも良い)に、データベース読取手段 (462 )が、記憶手段 (463 )からユーザの 評価結果を読取り(1103)、肯定的計測データ抽出手段 (452 )に対して、当該評価 結果が予め定められた定義に照らして肯定的力否力判定し、肯定的案件の計測デ ータを記憶手段 (463)から抽出する(1104)よう指示を行う。例えば、図 7のように「一 2 、 一 1、 0、 + 1、 + 2」のような 5段階評価で、肯定的であることの定義が CS (利用者満 足度) >0である場合、「 + 1、 + 2」が肯定的評価となり、当該評価の計測データを抽 出することとなる。
[0103] 次に評価基準値計算手段 (453 )に対して、当該計測データの平均値を算出(1105 )するよう指示を行う。なお、平均値の計算方法は、肯定的な案件の計測データ (時 間又は回数等)を合計し、当該件数で除するだけでなぐ上下一定率の値を排除す るなど、標準的な統計処理方法を加えることを含む。
[0104] あるいは、単純な平均値を求める方法以外に、アンケート結果に応じて計測データ の件数比率やデータそのものに一定の重み付けを行う方法もある。例えば、最高評 価である + 2が 100件あり、その平均値が 120秒で、次点評価である + 1が 200件あり 、その平均値が 140秒であった場合を想定すると、
単純な平均値は、 (120 X 100 + 140 X 200 ) ÷ (100 + 200 ) = 133秒である。
[0105] 次に、評価に重み付けを行うため、次点評価に件数比率 0.5を乗じて補正した場合
(120 X 100 + 140 X 200 X 0.5 ) ÷ (100 + 200 X 0.5 ) = 130秒となる。
[0106] また、同様に計測データの差に 0.5を乗じ、これを補正した場合、
[120 X 100 + { 140 -(140 -120 ) X 0.5 } X 200] ÷ (100 + 200 ) = 127秒となる。無 論、最高評価者のみの平均値 (120秒)を評価基準値とする方法もある。
[0107] このように、補正率、補正のための計算式は多様であり、手続きの特徴やサービス 水準協定締結にあたっての交渉経過により変化することとなる。
[0108] (6)
また、他の実施形態として、(5)の方法で算出された評価基準値を用い、評価値を 算出する方法がある。この方法は、平均実績値との対比値を求めることで、評価基準 値からの乖離度を数値ィ匕する点に特徴がある。したがって、フローチャートは図 11全
てに相当する。
[0109] 評価基準値を求めたあと、評価値算定手段 (454 )が全体の平均スコア (全ユーザ の合計値を当該件数で除した値)と評価基準値との対比値を求める (1106)。無論、全 体平均スコアを求めるのは評価基準値を求めた(1105)後である必要はなぐその前 でも構わない。なお、平均値の算定にあたっては、上下一定率の値を排除するなど、 標準的な統計処理方法を加えることを含む。
[0110] 最後に、データベース書込手段 (461 )が、上記計算結果を記憶手段 (463)に書込 み、保存(1107)する。なお、評価値の事例は図 13を参照。
産業上の利用可能性
[0111] 本発明は、国内外を問わず、顧客が存在するあらゆる情報システムサービスに適用 可能である。
[0112] その提供形態は、専用アプリケーションによる提供、専用アプリケーションを搭載し た専用サーバの提供、プロキシサーバによる ASPサービスによる展開等が想定され 、さらには集約したデータを活用したアウトソーシングコンサルティングへの展開も期 待できる。