WO2005042069A1

WO2005042069A1 - 接続具

Info

Publication number: WO2005042069A1
Application number: PCT/JP2004/016269
Authority: WO
Inventors: Takayuki Yokota; Yoshinori Hishikawa
Original assignee: Terumo Kabushiki Kaisha
Priority date: 2003-11-04
Filing date: 2004-11-02
Publication date: 2005-05-12
Also published as: EP1683533A1; US20070073272A1; AU2004285366A2; AU2004285366B2; EP1683533A4; CN1874807A; CN100475281C; US7484529B2; JP4728809B2; EP1683533B1; AU2004285366A1; JPWO2005042069A1

Abstract

　接続具は、オス側接続部と、オス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、第１のメス側接続口および第２のメス側接続口と、弾性材料で構成された第１の弁体および第２の弁体とを備える。第１の弁体の側部スリットと、第２の弁体の側部スリットとは、液体流通空間に面している。第１のメス側接続口に管体が接続されたとき、頂部スリットおよび側部スリットと、液体流通空間とを介して当該管体内とオス側接続部内とが連通する。第２のメス側接続口に管体が接続されたとき、頂部スリットおよび側部スリットと、液体流通空間とを介して当該管体内とオス側接続部内とが連通する。

Description

技術分野

[0001] 本発明は、管体の接続'脱離に伴って流路を開'閉する弁機構を備えた接続具に関する。

背景技術

[0002] 輸液、輸血、栄養投与等に用いる医療用回路においては、複数の薬液や血液、流明

動食等の流体を持続的または一時的に流すため、回路の接続、脱離を行うことがあ田

る。そして、そのために回路の途中に接続具を取り付けていることは、よく知られている（例えば、特開平 9 108361号公報および特公平 5— 32071号公報参照)。

[0003] この接続具の代表的なものとしては、三方活栓がある。この三方活栓は、一つのォス型ルアーコネクタと、二つのメス型ルアーコネクタによって構成されており、ルアーコネクタの嵌合によって回路の接続をおこなう。し力しながら、この場合、脱離した時に流体通路となる部位が外気に露出しているため、菌汚染に弱いという欠点があった。特にメス側の接続部は、接続、脱離を繰り返して使用される事が多いため、外気に触れる頻度が高、と、う問題があった。

[0004] この為、メス側接続口の流体通路となる部分の外気暴露を抑えるためにメス側接続口に弁体を設けた接続具がある。この接続具では、弁体に針を穿刺したり、スリットを設けた弁体にォス型コネクタを挿入して流体通路を開通させるため、針やォス型コネクタの脱離後は再び弁体が閉じ、流体通路の外気暴露を抑える事ができる。

[0005] しかし、これらの接続具は、弁体が一方のメス側接続口にしか取りつけられてヽない為、他方のメス側接続口カゝらォス型コネクタを外すと、メス側接続口が大気暴露してしまうという問題があった。

[0006] また、これらの接続具は、メス側接続口の中に滞留部が生じ、薬液が全量流れにくい、滞留部によって菌が繁殖し易い環境となりがちである、などの欠点がある。また、使用前に接続具内を薬液等の流体で満たして使用する力接続具内のエアーが抜きにくいという問題があった。 [0007] さらに、メス側接続口に針やォス型コネクタを脱着する時に、接続具内の内容量が変化しやすいという問題があった。例えばォス型コネクタを脱離した時に接続具内の内容量が増えると、接続具につながれた血管カテーテル力血液をカテーテル内に逆流させることとなり、血管カテーテルの閉鎖の原因となる。

発明の開示

[0008] 本発明の目的は、管体の接続'脱離に伴なつて流路が確実に開 ·閉して流路の汚染を防止することができるとともに、液体の滞留が生じにくい接続具を提供することにめる。

[0009] 上記目的を達成するために、本発明の接続具は、管状のォス側接続部と、

前記ォス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、管体を受け入れ可能な第 1のメス側接続口および第 2のメス側接続口と、弾性材料で構成され、頂部に形成された頂部スリットおよび側部に形成された側部スリットを有し、前記第 1のメス側接続口に管体が接続されたときに両スリットが開くように変形する第 1の弁体と、

弾性材料で構成され、頂部に形成された頂部スリットおよび側部に形成された側部スリットを有し、前記第 2のメス側接続口に管体が接続されたときに両スリットが開くように変形する第 2の弁体とを備え、

前記第 1の弁体の側部スリットと、前記第 2の弁体の側部スリットとは、前記液体流通空間に面しており、

前記第 1のメス側接続口に管体が接続されたとき、前記第 1の弁体の頂部スリットおよび側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通し、

前記第 2のメス側接続口に管体が接続されたとき、前記第 2の弁体の頂部スリットおよび側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする。

[0010] これにより、管体の接続'脱離に伴なつて流路が確実に開 ·閉するので、流路の汚染を防止することができる。また、接続具の内部で液体が滞留する個所が生じるのを防止することができる。 [0011] また、本発明の接続具では、前記第 1のメス側接続口または前記第 2のメス側接続口と、前記ォス側接続部とは、それらの中心線がほぼ平行になるように配置されているのが好ましい。

[0012] また、本発明の接続具では、前記液体流通部、前記第 1の弁体および前記第 2の弁体は、一体に形成されているのが好ましい。

[0013] また、本発明の接続具では、前記第 1のメス側接続口および前記第 2のメス側接続口の少なくとも一方は、対応する弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられているのが好ましい。

[0014] また、本発明の接続具では、前記第 1の弁体の中心線と、前記第 2の弁体の中心線とは、ねじれの位置にあるのが好ましい。

[0015] また、本発明の接続具では、前記第 1のメス側接続口は、前記第 1の弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられており、前記第 2のメス側接続口は、前記第 2 の弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられて、るのが好まし、。

[0016] また、上記目的を達成するために、本発明の接続具は、管状のォス側接続部と、前記ォス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、管体を受け入れ可能なメス側接続口を有するハウジングと、

弾性材料で構成され、前記ハウジング内に収納されるとともに前記ォス側接続部に対し固定的に設置され、頂部に形成された頂部スリットおよび側部に形成された側部スリットを有し、前記メス側接続口に管体が接続されたときに両スリットが開くように変形する弁体とを備え、

前記弁体の側部スリットは、前記液体流通空間に面しており、

前記ハウジングは、前記弁体に対し相対的に軸方向に移動可能になっており、前記メス側接続口に管体を接続するとき、前記ハウジングが前記弁体に対して移動することによって当該管体が前記メス側接続口内に挿入し、

前記メス側接続口に管体が接続されたとき、前記弁体の頂部スリットおよび側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする。

[0017] これにより、管体の接続'脱離に伴なつて流路が確実に開 ·閉するので、流路の汚染を防止することができる。また、接続具の内部で液体が滞留する個所が生じるのを防止することができる。

[0018] また、本発明の接続具では、前記管体が接続されたとき、前記頂部スリットに挿入して前記頂部スリットを押し広げる中実なピンを有するのが好ま U、。

[0019] また、上記目的を達成するために、本発明の接続具は、管状のォス側接続部と、前記ォス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、管体を受け入れ可能なメス側接続口と、

弾性材料で構成され、頂部に形成された頂部スリットと、側部に形成された側部スリットと、中空部とを有し、前記メス側接続口に管体が接続されたときに両スリットが開くように変形する弁体と、

前記弁体の中空部に位置する中実のピンとを備え、

前記メス側接続口に管体を接続したとき、当該管体が前記弁体の頂面を押圧して前記弁体が軸方向に圧縮されることにより、前記側部スリットが開くとともに前記ピンが前記頂部スリットに挿入して前記頂部スリットを押し広げ、これにより、前記頂部スリットおよび前記側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする。

[0020] これにより、管体の接続'脱離に伴なつて流路が確実に開 ·閉するので、流路の汚染を防止することができる。また、接続具の内部で液体が滞留する個所が生じるのを防止することができる。

[0021] また、本発明の接続具では、前記液体流通空間は、液体が流れるに際し、液体の滞留が生じな！/、ような形状になって、るのが好ま、。

[0022] また、本発明の接続具では、前記メス側接続口に管体を接続して!/ヽなヽとき、前記ピンは、前記弁体の中空部をほぼ隙間なく埋めて、るのが好ま U、。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]第 1図は、本発明の接続具の実施形態を示す部分断面斜視図である。

[図 2]第 2図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[図 3]第 3図は、図 1に示す接続具が備える弁部材を示す斜視図である。 [図 4]第 4図は、図 1に示す接続具が備える弁部材を示す断面斜視図である。

[図 5]第 5図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[図 6]第 6図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[図 7]第 7図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[図 8]第 8図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[図 9]第 9図は、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0024] 以下、本発明の接続具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。

[0025] 図 1は、本発明の接続具の実施形態を示す部分断面斜視図、図 2は、図 1に示す接続具の断面斜視図、図 3および図 4は、それぞれ、図 1に示す接続具が備える弁部材を示す斜視図および断面斜視図、図 5ないし図 9は、それぞれ、図 1に示す接続具の断面斜視図である。

[0026] これらの図に示す接続具 1は、例えば、輸液セット (輸血セット）、栄養セット、圧力モ二タリングライン、人工肺回路、人工透析回路等のような、液体の流路接続を必要とする医療用具に組み込んで使用されるものである。

[0027] 図 1に示すように、接続具 1は、管体を受け入れ可能な第 1のメス側接続口 30および第 2のメス側接続口 40と、 1つのォス側接続部 50と、第 1のメス側接続口 30に設けられた第 1の弁体 6と、第 2のメス側接続口 40に設けられた第 2の弁体 7とを有している。

[0028] 第 1のメス側接続口 30および第 2のメス側接続口 40には、それぞれ、流路を構成する管体 (例えばシリンジの先端突出部位や、それ自体独立したノ、ブ、シース等)を挿入して接続可能になって！/、る。

[0029] 第 1のメス側接続口 30の中心線と、第 2のメス側接続口 40の中心線とは、ねじれの位置にあるとともに、ほぼ 90° の角度をなしている。以下の説明では、第 1のメス側接続口 30の中心線に平行な方向を「 Y軸方向」と言、、第 2のメス側接続口 40の中心線に平行な方向、すなわち Y軸方向に垂直な方向を「X軸方向」と言う。

[0030] ォス側接続部 50は、内部に流路 51が形成された管状の部材であり、その中心線が X軸方向になるように配置されている。このォス側接続部 50は、先端に向力つて外径が漸減するルアーテーパを構成している。ォス側接続部 50は、他の器具のメス側接続口（例えばカテーテルノヽブの基端開口など）に挿入'接続することができる。

[0031] このような接続具 1は、複数個の接続具 1を集め、各接続具 1のォス側接続部 50を他の接続具 1の第 2のメス側接続口 40に挿入'接続することによって複数個の接続具 1を連結した状態として使用することもできる。その際、第 2のメス側接続口 40とォス側接続部 50とが平行かつ反対向きに設けられていることにより、複数個の接続具 1 を直線的に連結することができ、使用しやすい形に連結することができる。

[0032] 第 1のメス側接続口 30は、ハウジング 3の一部として形成されている。ノ、ウジング 3 は、側面の一部が切り欠かれたほぼ円筒状をなしており、その一端側に第 1のメス側接続口 30を有している。

[0033] 第 2のメス側接続口 40は、ハウジング 4の一部として形成されている。ハウジング 4 は、側面の一部が切り欠かれたほぼ円筒状をなしており、その一端側に第 2のメス側接続口 40を有している。

[0034] 図 2に示すように、ハウジング 4の内側には、管状部材 5が挿入されている。この管状部材 5の一端側 (第 2のメス側接続口 40と反対側）が前述したォス側接続部 50を構成している。

[0035] 管状部材 5の他端側には、支持体 2が設置されており、この支持体 2が弁部材 11を支持している。管状部材 5内の流路 51の他端は、弁部材 11の内部に形成された液体流通空間 121に連通して、る。

[0036] 図 3に示すように、弁部材 11は、第 1の弁体 6と、第 2の弁体 7と、液体流通部 12と、被固定部 13とが弾性材料により一体的に形成されてなるものである。

[0037] 弁部材 11 (第 1の弁体 6および第 2の弁体 7)の材質としては特に限定されないが、適度な弾性と復元性とを有するものが好ましぐ例えば、シリコーンゴムなどの各種ゴム材料や、ポリブタジエン、 EVA、スチレン系エラストマ一等の各種熱可塑性榭脂が好ましく用いられる。

[0038] 第 1の弁体 6は、その中心線の方向が Y軸方向に平行なほぼ円柱状の胴部 62と、胴部 62よりやや縮径した頂部 (頭部） 61とで構成されている。頂部 61には、頂面 61 1まで到達する（貫通する）頂部スリット 63が形成されて、る。

[0039] 第 2の弁体 7は、その中心線の方向が X軸方向に平行なほぼ円柱状の胴部 72と、胴部 72よりやや縮径した頂部 (頭部） 71とで構成されている。頂部 71には、頂面 71

1まで到達する（貫通する）頂部スリット 73が形成されて、る。

[0040] 第 1の弁体 6と第 2の弁体 7とは、それらの中心線同士がねじれの位置の関係にあり

、それらの側部同士が液体流通部 12を介して連結されている。また、被固定部 13は

、第 1の弁体 6より外径の大きいほぼ円筒状をなしており、その端部にフランジ 131を有している。

[0041] 図 4に示すように、液体流通部 12の内部には、液体流通空間（内腔） 121が形成されている。この液体流通空間 121は、液体が流れるに際し、液体の滞留が可能な限り生じないような形状になっている。換言すれば、液体流通空間 121は、液体がよどむ入り江のような個所を有さな、形状になって!/、る。

[0042] 接続具 1では、第 1の弁体 6および第 2の弁体 7の中心線同士がねじれの位置にあることにより、これらの中心線同士が同一平面上で交わる場合と比べ、液体流通空間

121の容積を極めて小さくすることができる利点がある。

[0043] 第 1の弁体 6の胴部 62の側部 (側壁）には、側部スリット 64が形成されており、この側部スリット 64の外側は、液体流通空間 121に面している。図示の構成では、頂部スリット 63と側部スリット 64とは、同一平面上に連続して形成されているが、三次元的に一部交差するように形成されて、てもよ、。

[0044] また、胴部 62の内部には、ほぼ円柱状のピン挿入空間（中空部） 65が同心的に形成されている。このピン挿入空間 65と、液体流通空間 121とは、側部スリット 64が形成された側壁によって隔てられている。

[0045] 第 2の弁体 7の胴部 72の側部 (側壁）には、側部スリット 74が形成されており、この側部スリット 74の外側は、液体流通空間 121に面している。図示の構成では、頂部スリット 73と側部スリット 74とは、同一平面上に連続して形成されているが、三次元的に一部交差するように形成されて、てもよ、。

[0046] また、胴部 72の内部には、ほぼ円柱状のピン挿入空間（中空部） 75が同心的に形成されている。このピン挿入空間 75と、液体流通空間 121とは、側部スリット 74が形成された側壁によって隔てられている。

[0047] 図 2に示すように、以上説明したような弁部材 11は、支持体 2に支持 ·固定されている。支持体 2は、弁部材 11の被固定部 13の内側に挿入する挿入部 21と、被固定部 13のフランジ 131と重なるフランジ 22とを有している。揷入部 21およびフランジ 22は、管状部材 5と一体的に形成されている。支持体 2は、フランジ 131とフランジ 22とを全周に渡り重ねて挟持する固定部材 23を有しており、これにより、弁部材 11が支持体 2に固定されるとともに、液密が維持される。固定部材 23は、管状部材 5とは別部材で構成されている。

[0048] 挿入部 21の内部には、ォス側接続部 50内の流路 51から連続して流路が形成され、弁部材 11内の液体流通空間 121に連通して、る。

[0049] 支持体 2は、第 2の弁体 7のピン挿入空間 75に位置する中実のピン 24をさらに有している。このピン 24は、挿入部 21と一体的に形成されている。第 2のメス側接続口 40 にォスルアー (管体) 200を接続していない状態 (以下、「非接続状態」と言う）で、ピン 24は、ピン挿入空間 75をほぼ隙間なく埋めるような形状をなしている。これにより、ピン挿入空間 75に液体が滞留するのが防止される。また、ピン 24は中空部を有さない中実な部材であるので、ピン 24内にも液体が滞留するのが防止される。

[0050] 図 5に示すように、支持体 2は、第 1の弁体 6を支持する台座 25と、第 1の弁体 6のピン揷入空間 65に位置する中実のピン 26とをさらに有している。台座 25とピン 26とは、固定部材 23と一体的に形成されている。第 1のメス側接続口 30にォスルアー（管体） 100を接続していない状態 (以下、「非接続状態」と言う）で、ピン 26は、ピン挿入空間 65をほぼ隙間なく埋めるような形状をなしている。これにより、ピン挿入空間 65 に液体が滞留するのが防止される。また、ピン 26は中空部を有さない中実な部材であるので、ピン 26内にも液体が滞留するのが防止される。

[0051] ハウジング 3は、支持体 2に対し摺動可能に設置されており、第 1の弁体 6の頂面 6 11に垂直な方向（Y軸方向）に移動可能である。図示の構成では、ハウジング 3の側壁の内面に Y軸方向に沿って設けられた凸条 32と支持体 2の台座 25に設けられた凹部（図示せず）とが嚙み合いつつ案内することにより、ハウジング 3の移動方向が Y 軸方向に規制される。 [0052] ハウジング 3の底面 33と台座 25との間には、ハウジング 3が Y軸方向に移動したとき図 5に示す非接続状態の位置に戻すように付勢するコイルパネ 15が設置されている。

[0053] 非接続状態で、第 1の弁体 6の頂部 61は、第 1のメス側接続口 30内に挿入している。第 1のメス側接続口 30の内径は、頂部 61の自然状態における外径よりもやや小さくなつている。これにより、非接続状態のとき、頂部 61が径方向から締め付けられ、頂部スリット 63がより確実に閉鎖する。

[0054] また、非接続状態で、第 1の弁体 6の胴部 62は、ハウジング 3の首部 34内に位置する。この首部 34の内径は、胴部 62の外径とほぼ同じになっている。非接続状態では、このような首部 34が胴部 62を保持することにより、ピン挿入空間 65とピン 26とがより確実に一致するとともに、側部スリット 64がより確実に閉鎖する。

[0055] 図 2に示すように、首部 34の内周面には、軸方向に沿った複数のリブ（凸条）341 が形成されている。これにより、胴部 62との接触面積力 S小さくなり、摺動抵抗を抑えることができる。

[0056] 図 1に示すように、ハウジング 4は、支持体 2に対し摺動可能に設置されており、第 2 の弁体 7の頂面 711に垂直な方向（X軸方向）に移動可能である。図示の構成では、ハウジング 4の側壁の内面に X軸方向に沿って設けられた凸条 42と支持体 2の固定部材 23に設けられた凹部 231とが嚙み合いつつ案内することにより、ハウジング 4の移動方向が X軸方向に規制される。

[0057] 図 2に示すように、ハウジング 4の底面 43と支持体 2との間には、ハウジング 4が X軸方向に移動したとき図 1および図 2に示す非接続状態の位置に戻すように付勢するコィルバネ 16が設置されている。このコイルパネ 16の内側には、前述した管状部材 5 が挿入している。

[0058] 非接続状態で、第 2の弁体 7の頂部 71は、第 2のメス側接続口 40内に挿入している。第 2のメス側接続口 40の内径は、頂部 71の自然状態における外径よりもやや小さくなつている。これにより、非接続状態のとき、頂部 71が径方向から締め付けられ、頂部スリット 73がより確実に閉鎖する。

[0059] また、非接続状態で、第 2の弁体 7の胴部 72は、ハウジング 4の首部 44内に位置する。この首部 44の内径は、胴部 72の外径とほぼ同じになっている。非接続状態では、このような首部 44が胴部 72を保持することにより、ピン挿入空間 75とピン 24とがより確実に一致するとともに、側部スリット 74がより確実に閉鎖する。首部 44の内周面には、前記リブ 341と同様のリブが設けられている。

[0060] 次に、第 1のメス側接続口 30に例えば輸液セットなどのォスルアー 100を接続したときの状態について、図 6、図 7および図 8に基づき、説明する。なお、図 7は、図 6と同様の状態にぉヽてォスルアー 100を図示しな!、で表した図である。

[0061] 図 6に示すように、第 1のメス側接続口 30にォスルアー 100を接続する際には、ノヽウジング 3を把持してォスルアー 100の先端部を第 1のメス側接続口 30内に挿入していく。この操作を行うと、ォスルアー 100の先端面が第 1の弁体 6の頂面 611を押圧することによってコイルパネ 15が縮んでいき、ハウジング 3と、第 1の弁体 6 (弁部材 1 1)および支持体 2とは、相対的に Y軸方向に移動する。このとき、第 1の弁体 6は、 Y 軸方向に僅かに圧縮されるので、図 7に示すように、ピン 26が頂部スリット 63に挿入してこれを押し広げて開く。これと同時に、図 7および図 8に示すように、胴部 62が Y 軸方向に圧縮されることにより側部スリット 64も開く。なお、ピン 26の先端は、丸みを帯びており、頂部スリット 63に挿入する際、円滑に挿入することができる。

[0062] これにより、図 6に示すように、ォスルアー 100内の流路 101は、頂部スリット 63、側部スリット 64および液体流通空間 121を介してォス側接続部 50内の流路 51と連通する。

[0063] なお、ォスルアー 100は、第 1のメス側接続口 30の内周部に嵌合して固定される。

また、第 1のメス側接続口 30の外周部には、雄ネジが形成されており、ォスルアー 10 0をネジ式ロック 110によってより確実に固定することができる。

[0064] 図 6ないし図 8に示す接続状態においてォスルアー 100の流路 101から薬液等の液体を流すと、この液体は、頂部スリット 63、側部スリット 64、液体流通空間 121、ォス側接続部 50内の流路 51を順次通過して、ォス側接続部 50の開口 52から流出する。このとき、図 8において最もよく分力るように、液体流通空間 121に面した側部スリット 74が閉鎖していることにより第 2の弁体 7側へ液体が流れるのが防止されるとともに、液体流通空間 121が滞留を生じさせない形状 (入り江を有さない形状）になっているので、ォスルアー 100の流路 101から流入した液体のほぼ全量が滞留することなくォス側接続部 50へ流れる。

[0065] また、液体流通空間 121のエアーを薬液等の液体で置換しょうとする場合でも、液体流通空間 121にエアーが残りにくぐエアーと液体との置換、すなわちプライミングをより確実に行うことができる。

[0066] 図 6ないし図 8に示す接続状態からォスルアー 100を取り外すと、コイルパネ 15の復元力によってハウジング 3は第 1のメス側接続口 30の内周部で第 1の弁体 6の頂部 61を締め込む位置まで回復し、これにより、頂部スリット 63および側部スリット 64は閉鎖して、図 2および図 5に示す非接続状態に戻る。

[0067] 次に、第 2のメス側接続口 40に例えば輸液セットなどのォスルアー 200を接続したときの状態について、図 9に基づいて説明する。

[0068] 図 9に示すように、第 2のメス側接続口 40にォスルアー 200を接続する際には、ノヽウジング 4を把持してォスルアー 200の先端部を第 2のメス側接続口 40内に挿入していく。この操作を行うと、ォスルアー 200の先端面が第 2の弁体 7の頂面 711を押圧することによってコイルパネ 16が縮んでいき、ハウジング 4と、第 2の弁体 7 (弁部材 1 1)および支持体 2とは、相対的に X軸方向に移動する。このとき、第 2の弁体 7は、 X 軸方向に僅かに圧縮されるので、ピン 24が頂部スリット 73に挿入してこれを押し広げて開くとともに、胴部 72が X軸方向に圧縮されることにより側部スリット 74も開く。これにより、ォスルアー 200内の流路 201は、頂部スリット 73、側部スリット 74および液体流通空間 121を介してォス側接続部 50内の流路 51と連通する。なお、ピン 24の先端は、丸みを帯びており、頂部スリット 73に挿入する際、円滑に挿入することができる

[0069] なお、ォスルアー 200は、第 2のメス側接続口 40の内周部に嵌合して固定される。

また、第 2のメス側接続口 40の外周部には、雄ネジが形成されており、ォスルアー 20 0をネジ式ロック 210によってより確実に固定することができる。

[0070] このような接続状態においてォスルアー 200の流路 201から薬液等の液体を流すと、この液体は、頂部スリット 73、側部スリット 74、液体流通空間 121、ォス側接続部 5 0内の流路 51を順次通過して、ォス側接続部 50の開口 52から流出する。このとき、液体流通空間 121に面した側部スリット 64が閉鎖していることにより第 1の弁体 6側へ液体が流れるのが防止されるとともに、液体流通空間 121が滞留を生じさせない形状 (入り江を有さない形状）になっているので、ォスルアー 200の流路 201から流入した液体のほぼ全量が滞留することなくォス側接続部 50へ流れる。

[0071] このような接続状態力らォスルアー 200を取り外すと、コイルパネ 16の復元力によつてハウジング 4は第 2のメス側接続口 40の内周部で第 2の弁体 7の頂部 71を締め込む位置まで回復し、これにより、頂部スリット 73および側部スリット 74は閉鎖して、図 2に示す非接続状態に戻る。

[0072] 以上の説明では、第 1のメス側接続口 30、第 2のメス側接続口 40の一方にォスルァー 100、 200を接続した場合について説明したが、接続具 1では、第 1のメス側接続口 30、第 2のメス側接続口 40の両方に同時にォスルアー 100、 200を接続して用 V、ることもできるのは言うまでもな、。

[0073] 以上説明したような接続具 1においては、支持体 2に固定された第 1の弁体 6および第 2の弁体 7に対してハウジング 3および 4がそれぞれ移動可能な構成としたことにより、ォスルアー 100、 200の脱着前後で液体流通空間 121の体積変化が極めて小さい。これにより、ォスルアー 100、 200を接続した際に流路 51内の液体が開口 52から押し出されたり（ポジフロー）、逆にォスルアー 100、 200を抜去した際に開口 52から流路 51内に液体を吸い込んだり（バックフロー）するのを防止することができ、これらによる弊害を防止することができる。

[0074] また、本発明では、液体流通部 12と、第 1の弁体 6および第 2の弁体 7とをそれぞれ別部材としても良いが、本実施形態のように一体で成形するのが好ましい。これにより、液体流通空間 121の内壁を滑らかにすることが容易にでき、液体の滞留をより確実に防止することができる。

[0075] また、第 1の弁体 6、第 2の弁体 7を付勢する付勢部材としては、コイルパネ 15、 16 に限らず、他の形態のパネでもよい。また、その材質もステンレス鋼等の金属製に限らず、シリコーンゴム等のゴム材料で構成してもよぐその場合、第 1の弁体 6、第 2の弁体 7と一体に成形してもよヽ。

[0076] 支持体 2、ハウジング 3および 4、管状部材 5 (ォス側接続部 50)の材質としては、特に限定されないが、適度な硬さを有するものが好ましぐ例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの各種高分子材料が好まし、。

[0077] 本実施形態では、二つのメス側接続口を有する構成につ!ヽて説明したが、本発明の接続具は、メス側接続口が一つのものや、三つ以上のメス側接続口を有するものであってもよい。

[0078] 以上、本発明の接続具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなぐ接続具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。産業上の利用可能性

[0079] 本発明の接続具によれば、管体の接続'脱離に伴なつて流路が確実に開 *閉するので、流路の汚染を防止することができる。また、接続具の内部で液体が滞留する個所が生じるのを防止することができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。

Claims

請求の範囲

[1] 管状のォス側接続部と、

前記第 2のメス側接続口に管体が接続されたとき、前記第 2の弁体の頂部スリットおよび側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする接続具。

[2] 前記第 1のメス側接続口または前記第 2のメス側接続口と、前記ォス側接続部とは、それらの中心線がほぼ平行になるように配置されている請求の範囲第 1項に記載の

[3] 前記液体流通部、前記第 1の弁体および前記第 2の弁体は、一体に形成されている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の接続具。

[4] 前記第 1のメス側接続口および前記第 2のメス側接続口の少なくとも一方は、対応する弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられている請求の範囲第 1項または第 2項に記載の接続具。

[5] 前記第 1の弁体の中心線と、前記第 2の弁体の中心線とは、ねじれの位置にある請求の範囲第 1項または第 2項に記載の接続具。

[6] 前記第 1のメス側接続口は、前記第 1の弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられており、前記第 2のメス側接続口は、前記第 2の弁体に対し相対的に軸方向に移動可能に設けられている請求の範囲第 5項に記載の接続具。

[7] 管状のォス側接続部と、

前記ォス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、管体を受け入れ可能なメス側接続口を有するハウジングと、

前記メス側接続口に管体が接続されたとき、前記弁体の頂部スリットおよび側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする接続具。

[8] 前記管体が接続されたとき、前記頂部スリットに挿入して前記頂部スリットを押し広げる中実なピンを有する請求の範囲第 1項、第 2項または第 7項に記載の接続具。

[9] 管状のォス側接続部と、

前記ォス側接続部内に連通する液体流通空間が設けられた液体流通部と、管体を受け入れ可能なメス側接続口と、

前記弁体の中空部に位置する中実のピンとを備え、

前記メス側接続口に管体を接続したとき、当該管体が前記弁体の頂面を押圧して前記弁体が軸方向に圧縮されることにより、前記側部スリットが開くとともに前記ピンが前記頂部スリットに挿入して前記頂部スリットを押し広げ、これにより、前記頂部スリットおよび前記側部スリットと、前記液体流通空間とを介して当該管体内と前記ォス側接続部内とが連通することを特徴とする接続具。

[10] 前記液体流通空間は、液体が流れるに際し、液体の滞留が生じないような形状になつている請求の範囲第 1項、第 2項、第 7項または第 9項に記載の接続具。