ュビキチン化タンパク質がらュビキチンを外しタンパク質を回収する方法 技術分野
本発明は、 真核細胞内におけるュピキチン依存性タンパク質分解経路によって 分解されるタンパク質群を同定する技術に関するものである。 さらに詳しくは、 ュビキチン鎖を認識する特異的抗体を固定したァフィ二ティー担体を用いてュビ 明
キチン化タンパク質を該担体に結合させ、 非吸着タンパク質を除去した後に、 脱 ュビキチン化酵素を添加することで、 ュビキチン化タンパク質のュビキチンを切 書
り離しュビキチン化されていたタンパク質を遊離させ回収する方法に関する。 背景技術
ュビキチンは、 76アミノ酸からなる酵母からヒトに至るまで高度に保存されて いるタンパク質である(配列番号 1)。 このタンパク質は、 元々ヌクレオソ一ムの 構成成分であるヒストン 2HAにイソペプチド結合しているタンパク質として同定 されていたが、 細胞内のタンパク質分解における分解シグナルとして機能するこ とが判明して以来、ュビキチン依存性タンパク質分解系の研究が大きく進展した。 ュビキチンは、 E1 (ュビキチン活性化酵素)、 E2 (ュビキチン結合酵素)、 E3 (ュビキ チンリガーゼ)の 3 種の酵素群の協調的反応により標的タンパク質のリジン残基 の ε -ァミノ基にュビキチンの C末端ダリシンがィソぺプチド結合させられ、標的 タンパク質上にュビキチン分子が 1 分子結合することから反応は開始する。その 後、タンパク質に結合したュビキチンのリジン残基の ε -ァミノ基に別のュビキチ ンの C末端グリシンがイソペプチド結合し、 この反応が繰り返されることで、 複 数のュビキチンが結合したュビキチン鎖を形成する。 このュビキチンが 4分子以 上連結することにより、 初めて分解シグナルとしてタンパク質分解酵素である
26Sプロテアソ一ムにより認識され分解される(Thrower, J. S: , et al. , EMBO J. ,
19, 94-102 (2000) ) o 分解シグナルであるュビキチン鎖は、 標的タンパク質分解時 に脱ュビキチン化酵素により遊離型ュビキチン分子へと分解され、 ュビキチンは
再利用されることが知られる(Hershko, A. , & Cieclmnover, A., Annu. Rev. Biochem. , 67, 425-479 (1992) ) 0
標的タンパク質へのュビキチン付加反応に対してュビキチンを外す機構は、 脱 ュビキチン化反応と言われ、 細胞内には複数の脱ュビキチン化酵素(DUB: de-ubiQuitinating enzyme)が存在していることが知られる。脱ュヒ'キチン化酵素 は、 一次構造の相同性からュビキチン C 末端加水分解酵素 OJCH: ubiQuitin C-terminal hydrolase)とュビキチン特異プロテアーゼ(UBP: ubiquitin specific protease)に大別される。 出芽酵母においては、 UCHに分類される酵素が 1種類、 UBPに分類される酵素が 16種類存在する。 ϋΒΡ酵素は、 システィンボックスとヒ スチジンボックスと言われる保存された領域をもち、 その他に保存されているァ スパラギン酸残基と共に活性中心を形成している(Hochstrasser, M., Annu. Rev. Genet., 30, 405-439 (1996) ) 0 それぞれの UBPタンパク質について、 遺伝学的手 法や生化学的手法で解析が行われているが、 全ての ϋΒΡについて調べられている わけではなく UBP8, 12, 13, 15, 16についての報告はまだ無い。 また脱ュビキチ ン化酵素については酵母以外のタンパク質について 4 件特許が出願されている (特開 2000- 125880号公報、 特開 2001- 128680号公報、 特開 2002- 300880号公報、 特開 2003- 070498号公報)。
細胞内の多数の機能タンパク質がュビキチン依存的に分解されることが知られ ており、 このことは、 細胞の機能はタンパク質の分解制御によって大きく左右さ れることを意味する。 事実、 ュビキチン依存性タンパク質分解系は、 細胞周期の 制御に大きく関与しているほか (Huibregtse, J. et al. , Science, 274,
1652-1659 (1996)) , シグナル伝達 (Joazeiro, C. A. P., Science, 286,
309-32 (1999); Jiang, J., & Struhl, G., Nature, 391, 493-496 (1998))、 転写
(Conaway, R. C. , et al., Science, 296, 1254-1258 (2002)) , アポトーシス
(Jesenberger, V. , & Jentsh, S. , Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 3, 112-112 (2002)), 小胞体内タンパク質の品質管理(Hiller, M. M. et al. , Science, 273,
1725-1728 (1996); Plemper, R. K. , & Wolf, D. H. , Trends Biochem. Sci. , 24,
266- 270(1999))、丽 C-classI抗原プロセシング(Kloetzel, P. -M. , Nat. Rev. Mol.
Cell Biol., 2, 179-187 (2001)) 、 発癌(Lisztwzn, J. et al., Genes Dev. , 13,
1822-1833 (1999); Higashi t suj i, H. et al. , Nature Med. , 6, 96—99 (2000) )、 ウィルス感染 (Ferrel, K. et al., Trends Biochem. Sci. , 25, 83-88 (2000) ) , 神経変性疾患(Ki shino, L , et al. , Nature Genet. , 15, 70-73 (1997); Shimura, H. , et al. , Nature Genet. , 25, 302- 305 (2000) )など多くの生体反応に関与して いる。
このことから、 ュビキチン化タンパク質を同定する技術は、 生体反応を理解す る上で欠かせない基盤技術になると考えられる。 しかし、 現在進められているプ 口テオ一ム解析を用いた手法では、 ュビキチン化タンパク質の同定は容易ではな い。 なぜなら、 タンパク質にュビキチンが結合する数は一定ではなく不特定数結 合することが大きな理由として挙げられる。 即ち、 ュビキチンが 1分子標的タン パク質に結合する毎に分子量と等電点が変化するため、 2 次元電気泳動後に特定 のスポットとして認識することは困難だからである。 従って、 他の手法を用いて ュビキチン化タンパク質を同定する技術の開発が必要であり、 これまで幾つかの 手法が開発されている。 最初に、 ュビキチン鎖に対する特異的モノクローナル抗 体 FK2 (特開平 7-238096号公報)を用いてュビキチン化タンパク質を精製後、該夕 ンパク質をリジルェンドぺプチダーゼで分解し、 その分解産物を解析する方法が 挙げられる(Takada, K. , et al. , Biochem. J. , 356, 199-206 (2001) ) 0 次に、 酵 母細胞内にァフィ二ティー精製可能な異なるタグを融合させたュビキチンを 2種 類同時に発現させ、 ュビキチン化タンパク質を 2段階のァフィ二ティー精製によ り回収し、 その後、 精製ュビキチン化タンパク質を質量分析へ供する方法が開発 されている(第 25 回分子生物学会大会要旨、 横浜(2002) )。 更に、 出芽酵母由来
Rad23 タンパク質の分子内に内包するュビキチン結合領域(UBA domain : ubi u i t in assoc iated domain)を介してュビキチン化タンパク質を回収すること が可能であることが発表され(Chen, L. , & Madura, K. , Mol. Cel l. Biol. , 22,
4902-4913 (2002) ) , この手法を用いたュビキチン化タンパク質濃縮キッ卜が販売 されている(CALBI0CHEM社)。同様に .UBAペプチドをァガロースに架橋したァフィ 二ティ一精製担体、 ポリュビキチンを認識する 26Sプロテアゾーム成分 S5aをァ ガロースピーズに共有結合させたァフイエティー精製担体などが市販されている
(Aif ini t i社)。 これらいずれの方法においても、 ュビキチン化タンパク質を濃縮
することは出来るが、そのままではュビキチン化されたタンパク質 1 分子に対し 複数分子のュビキチンが結合した状態で解析する必要がある。 ュビキチン化タン パク質の解析には、質量分析計等を用いた方法が最も適していると考えられるが、 タンパク質分解酵素で処理したュビキチン化タンパク質は、 ュビキチン化された タンパク質由来ペプチドに対して大きくモル比の異なるュビキチン由来ペプチド が混在するため、 その解析は容易ではなく、 HPLCなどでペプチドを分離する必要 がある。 このような状況下、 ュビキチン化タンパク質の同定技術の改良が望まれ ている。
特許文献 1 特開 2000-125880号公報
特許文献 2 特開 2001-128680号公報
特許文献 3 特開 2002-300880号公報
特許文献 4 特開 2003-070498号公報
特許文献 5 特開平 7-238096号公報
非特許文献 1 Hochstrasser, M., Annu. Rev. Genet. , 30, 405-439 (1996) 非特許文献 2 Takada, K. , et al., Bioc em. J. , 356, 199-206 (2001) 非特許文献 3 第 25回分子生物学会大会要旨、 横浜(2002)
非特許文献 4 Chen, L. , & Madura, K., Mol. Cel l. Biol. , 22, 4902-4913 (2002) 発明の開示
本発明では、 ュビキチン化タンパク質を濃縮 ·精製可能なモノクローナル抗体 を作製後、 該抗体をセファロースに共有結合させたァフィ二ティー精製用担体を 作製し、 ュビキチン化タンパク質を濃縮する方法を確立する。 一方、 ュビキチン 化タンパク質からタンパク質を外すため、組換え脱ュビキチン化酵素を調製する。 最終的に、 ュビキチン化タンパク質をァフィ二ティ一精製担体により濃縮後、 脱 ュビキチン化酵素添加によりタンパク質からュビキチンを外し、 該タンパク質を 回収する一連の反応系を構築することである。
本発明を解決するために、 大きく 3つの要素が挙げられる。 すなわち、 ュビキ チン鎖に対する特異的モノクローナル抗体の作製、 組換え脱ュビキチン化酵素の
生産およびュビキチン化タンパク質の精製並びにュビキチンを外したタンパク質 の回収である。
ュビキチン鎖に対するモノクローナル抗体の作製は、 抗原となるュビキチン化 リゾチ一ムを作製しマウスに免疫する。 免疫処理後、 常法に従いハイプリドーマ を作製しュビキチン化リゾチームを抗原とした ELISAを行い、 ュビキチン化リゾ チームに反応する抗体産生細胞を選別する。 その後、 ュビキチン単独、 あるいは リゾチ一ム単独に反応する抗体産生細胞を除いていくことで、 ュビキチン鎖特異 的な抗体産生細胞を選択する。 最終的に得られた抗体産生細胞を用いて抗体を調 製する。
次に、 組換え脱ュビキチン化酵素を作製する。 脱ュビキチン化酵素は、 同一種 において複数存在しており、 どの酵素を選択すれば良いのか判断が難しい。 従つ て、 ゲノム情報が明らかで脱ュビキチン化酵素の情報が得られる出芽酵母に焦点 を絞って組換え脱ュビキチン化酵素を大腸菌を宿主として発現させる。計 16種類 の組換え脱ュビキチン化酵素を生産し、 ュビキチン化リゾチームをモデル基質と して脱ュビキチン化反応を確認する。 同時に、 リゾチーム以外の基質として、 蛍 光タンパク質を改変し、 ュビキチン化させたュビキチン化蛍光タンパク質も同様 にモデル基質として用いる。 16 種類の UBPの中から、実験に最も適した UBPを選 択し系の構築に用いる。
最後に、 調製した上記抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体をセファロースピー ズに共有結合させ、 ァフィ二ティー精製用担体を作製する。 その後、 該担体をュ ビキチン化リゾチームを含む水溶液に加え、 攪拌し、 ュビキチン化リゾチームを 精製担体に吸着させる。 ュビキチン化リゾチーム吸着後の担体を回収した後、 組 換え脱ュビキチン化酵素を添加しュビキチン鎖の分解を進める。この反応により、 ュビキチン化リゾチームからュビキチンが取り除かれると同時にリゾチームが精 製担体より外れ、 ュビキチンの付加していないリゾチームが回収できるはずであ る。
以上手法を基本として、 培養細胞をはじめ生体試料からュビキチン化タンパク 質を精製 ·濃縮し、 脱ュビキチン化酵素を用いてタンパク質からュビキチンを切 り放して該タンパク質を回収する技術を開発することとした。
すなわち、 本発明は以下の通りである。
[1] 抗ュビキチン鎖抗体および脱ュビキチン化酵素を用いて試料中のュビキチ ン依存性タンパク質分解経路 よって分解され得るタンパク質を回収する方法、
[2] 固定化用支持体に固定化した抗ュビキチン鎖抗体と試料を接触させ、 ュビ キチン化タンパク質を固定化用支持体に固定化した抗ュビキチン鎖抗体と結合さ せる工程、 固定化した抗ュビキチン鎖抗体に結合していない試料中の成分を除去 する工程、 および抗体に結合したュビキチン化タンパク質に脱ュビキチン化酵素 を接触させ、 タンパク質をュビキチンから切り離す工程を含む、 [1]のュビキチ ン化を受けるタンパク質を回収する方法、
[3] 抗ュビキチン鎖抗体が、 ュビキチンの C末端領域のアミノ酸配列とタンパ ク質との結合領域を認識する、 [1]または [2]の方法、
[4] 抗ュビキチン鎖抗体が、ュビキチンの C末端アミノ酸配列 LHLVLRLRGGに含 まれるェピトープを認識する、 [3]の方法、
[5] 脱ュビキチン化酵素が出芽酵母由来の UBP1から UBP16の少なくとも 1つ である、 .[1]から [4]のいずれかの方法、
[6] 脱ュビキチン化酵素が、 それぞれ配列番号 2 0、 2 5、 3 0、 3 5、 3 8、 41、 46、 49、 52、 5 5、 58、 63、 6 6、 6 9、 74および 7 7で表 される塩基配列からなる DNAがコードするュビキチン化酵素または該 DNAに相補 的な塩基配列からなる DNAにストリンジェン卜な条件でハイブリダィズする MA がコードするュビキチン化酵素の少なくとも 1つである、 [1]から [4]のいずれ かの方法、
[7] 脱ュビキチン化酵素が出芽酵母由来の UB 2である、 [5]の方法、
[8] 脱ュビキチン化酵素が配列番号 6 3で表される塩基配列からなる DNAがコ ―ドするュビキチン化酵素または該 MAに相補的な塩基配列からなる DNAにスト リンジェン卜な条件でハイブリダィズする DNAがコードするュビキチン化酵素で ある、 [6]の方法、
[9] 脱ュビキチン化酵素がそれぞれ配列番号 8 0、 8 3、 8 6および 8 9で表 される塩基配列からなる DNAがコードする UBP 12の変異体、 およぴ該 DNAに相補 的な DNA にストリンジェン卜な条件でハイブリダィズする DNA がコードする
UBP12の変異体である、 [1]から [4]のいずれかの方法、
[10] [1]から〖9]のいずれかの方法により回収したタンパク質を質量分析に より同定する、 試料中のュビキチン依存性タンパク質分解経路によって分解され 得るタンパク質の同定方法、
[1 1] [1]から [9]のいずれかの方法により回収したタンパク質を一次元ある いは二次元電気泳動分析により同定する、 試料中のュビキチン依存性タンパク質 分解経路によって分解され得るタンパク質の同定方法、
[12] [1]から [9]のいずれかの方法により回収したタンパク質を一次元ある いは二次元電気泳動法により単離し、 アミノ酸配列を決定する [1 1]のタンパク 質の同定方法、
[13] ュビキチンの C末端領域のアミノ酸配列とタンパク質との結合領域を認 識する抗ュビキチン鎖抗体、
[14] ュビキチンの C末端アミノ酸配列 LHLVLRLRGGに含まれるェピト一プを認 識する、 [13]の抗ュビキチン鎖抗体、
[15] 抗ュビキチン鎖抗体および脱ュビキチン化酵素を含む生体内でュビキチ ン依存性タンパク質分解経路によつて分解され得るタンパク質を回収するための キッ卜、
[16] 抗ュビキチン鎖抗体が、 ュビキチンの C末端領域のアミノ酸配列とタン パク質との結合領域を認識する、 [1 5]のキット、
[17] 抗ュビキチン鎖抗体が、 ュビキチンの C 末端アミノ酸配列 LHLVLRLRGG に含まれるェピトープを認識する、 [16]のキット、
[18] 脱ュビキチン化酵素が出芽酵母由来の UBP1から UBP16の少なくとも 1 つである、 [15]から [1 7]のいずれかのキット、
[1 9] 脱ュビキチン化酵素が、 それぞれ配列番号 20、 25、 30、 35、 3 8、 41、 46、 49、 52、 55、 58、 63、 66、 69、 74および 77 で表される塩基配列からなる DNAがコードするュビキチン化酵素または該丽 Aに 相補的な塩基配列からなる DNAにストリンジェントな条件でハイブリダィズする 丽 Aがコードするュビキチン化酵素の少なくとも 1つである、 [1 5]から [1 7] のいずれかのキッ卜、
[20] 脱ュビキチン化酵素が出芽酵母由来の IIBP12である、 [18]のキット、 [21] 脱ュビキチン化酵素が配列番号 63で表される塩基配列からなる DNAが コードするュビキチン化酵素または該 DNAに相補的な塩基配列からなる DNAにス 卜リンジェン卜な条件でハイブリダイズする DNAがコードするュビキチン化酵素 である、 [1 9]のキット、
[22] 脱ュビキチン化酵素がそれぞれ配列番号 80、 83、 86および 89で 表される塩基配列からなる DMがコードする ΙΙΒΠ2の変異体、 および該 DNAに相 補的な DNA にストリンジェン卜な条件でハイ.ブリダィズする DNAがコードする UBP 12の変異体である、 [1 5]から [17]のいずれかのキット、 ならびに
[23] 配列番号 80、 83、 86および 89で表される塩基配列からなる DNA がコードする UBP12の変異体、 および該 DNAに相補的な DNAにストリンジェント な条件でハイブリダィズする DNAがコードする UBP12の変異体。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願 2003-153363、 2003- 273076号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。 図面の簡単な説明
図 1は、 ュビキチン化リゾチームの電気泳動の結果を示す写真である。 ュビキ チン化リゾチームの反応開始後、 30分おきに一部を回収し、それぞれ 15 lを SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。 タンパク質はクーマーシーブリリ アントブルーにより染色した。
図 2は、 調製したモノクローナル抗体群の認識特異性を示す写真である。 レー ン 1に 300ngのリゾチーム、 レーン 2に l gのュビキチン、 レーン 3に実施例 3 で調製したュビキチン化リゾチーム 4 1を SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 で分離後、 実施例 4 で調製した抗ュビキチン抗体、 抗リゾチーム抗体そして抗 ubiauitin-X 抗体を用いてウエスタンプロッティング法でタンパク質を検出した。 図 3 Aは、 Ub-ECFPに対する抗 ub uitin- X抗体の特異性を示す写真である。 精製 Ub- ECFPに調製した Fraction II添加の有無により、 Ub-ECFPから Ubが切断 され、 それに伴い抗 uMduitin-X抗体は IJb- ECFPを認識できなくなることがわか る。
図 3 Bは、 lib- ECFPを用いて調製したュビキチン化 ECFPに対する抗 ub ui t in - X 抗体の認識特異性を示す写真である。 抗 ub i QU i t in- X抗体はュビキチン化された ECFPのみを認識する。
図 4は、抗 ub iii Un-X抗体認識部位の模式図.を示す図である。抗 ubiQui t in-X 抗体はュビキチン C末端と結合するタンパク質のリジン残基を含む、 結合領域を 認識する。 このとき、 ュビキチン-ュビキチン間あるいはュビキチン -タンパク質 間のイソペプチド結合、 並びにュビキチンとタンパク質の融合領域も同様に認識 する。
図 5は、 酵母由来脱ュビキチン化酵素の活性測定の結果を示す写真である。 酵 母由来の 16種類の UBPを組換えタンパク質として大腸菌内で生産し、該大腸菌細 胞の粗抽出分画をュビキチン化リゾチームと反応させた後電気泳動に供した。 電 気泳動後に抗 ubiaui t in- X抗体で脱ュビキチン化反応を確認した。各レーンの内、 (-)で表示したものは、 UBPを発現していない大腸菌から調製した粗抽出分画を示 す。 ラダ一が消失しているレーンはュビキチン化リゾチームから脱ュビキチン化 が起こっていることを示す。
図 6 Aは、 ュビキチン化 ECFPを用いての UBP2, UBP3, UBP10, UBP12の比較を 示す写真である。 UBP2, UBP3, UBP 10, UBP12を大腸菌で発現後、 簡易精製しュビ キチン化 ECFPに対して脱ュビキチン化活性を調べた。反応後のタンパク質を電気 泳動で分離し、 抗 ubiQui t in- Xを用いたウェスタンプロッティング法にて脱ュビ キチンの程度を比較した。
図 6 Bは、 ュビキチン化リゾチームを用いての UBP2, UBP3, UBP 10, UBP12の比 較を示す写真である。 UBP2, UBP3, UBP 10, UBP12を大腸菌で発現後、 簡易精製し ュビキチン化リゾチームに対して脱ュビキチン化活性を調べた。 反応後のタンパ ク質を電気泳動で分離し、 抗 ub ui t in- Xを用いたウエスタンプロッティング法 にて脱ュビキチンの程度を比較した。
図 6 Cは、 Ub- ECFP融合タンパク質を用いての Ub- ECFP融合タンパク質 UBP2,
UBP3, UBP 10, UBP12の比較を示す写真である。 UBP2, UBP3, UBP 10, UBP12を大腸 菌で発現後、 簡易精製し lib- ECFP融合タンパク質に対して脱ュビキチン化活性を 調べた。 反応後のタンパク質を電気泳動で分離し、 抗 ubiQui t in- Xを用いたゥェ
スタンプロッティング法にて脱ュビキチンの程度を比較した。
図 7 Aは、 野生型 UBP 12遺伝子を発現させ精製した組換え UBP 12の電気泳動パ ターンを示す写真である。
図 7 Bは、 UBP 12遺伝子に変異導入後の UBP 12の電気泳動パターンを示す写真 である。
図 7 Cは、 FLAGの精製タンパク質の電気泳動パターンを示す写真である。 図 8は、 ュビキチン化リゾチームからリゾチームの回収の結果を示す写真であ る。 ュビキチン化タンパク質を抗 ubidu i t iii-X抗体セファロースと混合する前の 試料(30 1) (レーン 1)、セファロースと転倒混和後の非吸着分画(30 1) (レーン 2)、セファロース洗浄後に UBP添加(レーン 4)あるいは未添加(レーン 3)で脱ュビ キチン反応させた反応液(30 1)を SDSポリアクリルアミド電気泳動で分離後、実 施例 4で作製した抗リゾチーム抗体を用いてウエスタンブロッテイング法で解析 した。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を詳細に説明する。
1 . ュビキチン鎖に対するモノクローナル抗体の作製
本発明で用いる抗体は、 ュビキチンが連結してできたュビキチン鎖を認識する 抗体であり、 単体のュビキチンを認識しない抗体である。 ュビキチンは標的タン パク質に結合してはじめてュビキチン鎖として存在し得るので、 このような抗体 を得るには、抗体を産生させる動物において、ュビキチン鎖が認識されればよい。 ュビキチン鎖のみを免疫原として用いるのは困難であるので、 ュビキチン鎖が結 合した標的タンパク質 (ポリュビキチン化標的タンパク質) を抗原として用いれ ばよい。 標的タンパク質はュビキチン鎖が結合し得る限り限定されない。 このよ うな標的タンパク質は、 生体内でュビキチン依存的に分解されるタンパク質であ り、 分子中の適当な位置に 1個以上のリジン残基を有するタンパク質である。 本発明の抗ュビキチン鎖抗体の作製に用い得るタンパク質として、 例えば、 リ ゾチーム、 ヘモグロビン、 リポヌクレアーゼ A等が挙げられる。 これらの標的夕 ンパク質へのュビキチン鎖の結合は、 標的タンパク質のュビキチン化に必要な酵
素、 および ATP存在下で標的タンパク質と、 遊離型のュビキチンを混合反応させ ればよい。 ュビキチン化に必要な酵素としては E1 (ュビキチン活性化酵素)、 E2 (ュビキチン結合酵素) および E3 (ュビキチン識別タンパク質) からなる酵素群 が挙げられ、例えばゥサギの網状赤血球から公知の方法で取得することができる。 この際、 標的タンパク質をあらかじめ熱変性させておいてもよい。
本発明の抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体を産生する Λイブリドーマは、 以 下のように公知の手段で作製することができる。
すなわち、 上記ュビキチン鎖が結合したタンパク質を免疫原として用いて、 通 常の免疫方法にしたがって免疫し、 得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によつ て公知の親細胞と融合させ、 通常のスクリーニング法により、 モノクローナル抗 体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
まず、 上記免疫原で動物を免疫する。 免疫される哺乳動物としては、 特に限定 されるものではないが、 細胞融合に使用するミエ口一マ細胞との適合性を考慮し て選択すればよい。 一般的にはげつ歯類の動物、 例えば、 マウス、 ラット、 ハム スター、 ゥサギ等が使用される。 免疫したマウスの脾細胞またはリンパ節細胞と マウスのミエローマ細胞との細胞融合によりハイプリ ドーマを作製し、 該ハイブ リドーマの培養上清又は該ハイプリドーマを腹腔内に投与して産生されるマウス の腹水から調製することができる。 ミエローマ細胞は、 一般に被免疫動物と同種 の動物より られたものを用いるが、 異種間でも可能な場合がある。 また、 免疫 されていない動物の脾細胞またはリンパ節を in vi troで免疫して、感作細胞を得 ることもできる。 動物の免疫は、 公知の方法に従って行えばよい。 例えば、 免疫 原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射する。 具体的には、 免疫原を PBS (Phosphate-Buf fered Sal ine) や生理食塩水等で適当量に希釈、 懸濁したものに 必要に応じてアジュバント、 例えばフ'ロイント完全アジュバントを適量混合し、 乳化後、 哺乳動物に数日毎に数回投与する。
免疫した動物の血清の抗体価が十分に上昇した時点で、 動物から免疫細胞を採 取し、 ミエローマ細胞と融合させる。 免疫細胞としては、 脾細胞、 リンパ節細胞 等を用いることができる。 ミエローマ細胞は、 公知の種々の細胞株を使用するこ とができ、 例えば、 P3 (P3x63Ag8. 653) (J. Immnol. ( 1979) 123, 1548-1550)、
P3x63Ag8U. 1 (Current Top ics in Microbiology and Immunology (1978) 81, 1-7) , NS-1 (Kohl er. G. and Mi l s te in, C. Eur. J. Immunol. ( 1976) 6, 511-519) , MPC-11 (Margul ies. D. H. e t al. , Cel l (1976) 8, 405 - 415)、 SP2/0 (Shulman, M. et al. , ature ( 1978) 276, 269 - 270)、 FO (de St. Groth, S. F. e t al. , J. Immunol. Methods ( 1980) 35, 卜 21)、 S194 (Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. ( 1978) 148, 313-323) , R210 (Gal ire, G. et al. , Nature ( 1979) 277, 131-133) 等が挙げられる。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、 ケーラーとミルスティンらの 方法 (Kohler. G. and Mi l ste in, 、 Methods Enzymol. ( 1981) 73, 3-46) 等に 従い行うことができる。 細胞融合は、 例えばポリエチレングリコ一ル (PEG)、 セ ンダイウィルス (HVI) 等を融合促進剤として用いて行う。 また、 電気細胞融合の 技術を用いて行ってもよい。 融合時の免疫細胞とミエ口一マ細胞との混合比は、 ミエローマ細胞に対して免疫細胞を 1〜10倍とするのが好ましい。 免疫細胞とミ エローマ細胞を MEM培養液等の培養液中でよく混合し、予め 37^程度に加温した PEG溶液 (平均分子量 1000〜6000程度) を 30〜60 % (w/v) の濃度で添加し、 混 合することによってハイプリドーマが得られる。
このようにして得られたハイプリドーマは、 HAT 培養液 (ヒポキサンチン、 ァ ミノプテリンおよびチミジンを含む培養液) 等の選択培養液で培養することによ り選択する。 上記 HAT培養液での培養は、 目的とするハイプリドーマ以外の細胞 (非融合細胞) が死滅するのに十分な時間 (通常、 数日〜数週間) 継続する。 つ いで、 限界希釈法によりクローニングを行い、 目的とする抗体を産生するハイブ リドーマをスクリーニングする。
ハイプリドーマのスクリーニングは、 種々の免疫化学的方法で実施することが でき、 例えば ELISA法、 ウエスタンプロット法等が利用できる。 この際、 ュビキ チン鎖のみを認識するモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマを選択する ためには、 ュビキチン鎖を結合させた標的タンパク質を認識するが、 標的タンパ ク質単独および遊離型のモノュビキチンを認識しないモノクローナル抗体を産生 するハイプリドーマを選択すればよい。 ュビキチン鎖を認識する抗体を産生する ハイプリドーマは、 通常の培養液中で継代培養することが可能であり、 また、 液
体窒素中で長期保存することも可能である。
ハイプリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、 ハイブリ ドーマを通 常の方法で培養し、 その培養上清として得ることもできるし、 またハイプリ ドー マをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、 その腹水として得ること もできる。 前者の方法は、 高純度の抗体を得るのに適しており、 一方、 後者の方 法は、 抗体の大量生産に適している。
ハイプリドーマ上清またはマウス腹水からのモノクロ一チル抗体の調製は、 当 業者に知られた免疫グロブリン精製法を用いればよく、 例えば、 硫安分画法、 ィ オン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二ティクロマトグラフィー等により行うこ とができる。
このようにして得られた本発明のモノクローナル抗体は、 ュビキチンが連結し たュビキチン鎖を認識する。 本発明の抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体は、 標 的夕ンパク質にィソぺプチド結合しているュビキチンの C末端の結合領域を認識 するものであってもよいし、 モノュビキチンどうしがィソぺプチド結合している 結合領域を認識するものでもよいし、 ュビキチン鎖の連結により形成される立体 構造を認識するのもでもよい。 好適には、 ュビキチンの C末端領域を含むアミノ 酸配列と、そこへ結合しているタンパク質との結合領域を認識する抗体を用いる。 このような結合領域の配列として配列番号 1 5で表されるアミノ酸配列が例示で きる。 従って、 本発明のモノクローナル抗体は、 配列番号 1 5で表されるァミノ 酸配列を含むェピトープを認識するモノクローナル抗体を含む。
2 . 組換え脱ュビキチン化酵素の生産
脱ュビキチン化酵素 (DUB) は、 ュビキチン化タンパク質からュビキチンを切り 離す酵素である。 酵母やショウジヨウバエなどの種々の生物種由来の種々の脱ュ ピキチン化酵素がしられており、 本発明においてこれらの脱ュビキチン化酵素を 用いることができる。 脱ュピキチン化酵素には UCHおよび UBPの 2つのタイプが 存在するが、 本発明の方法においてはいずれのタイプの脱ュビキチン化酵素も使 用することができる。 例えば、 出芽酵母では 1 7種類の脱ュビキチン化酵素が知 られており、 そのうち YuM以外の 16種類が UBP群に属する (UBP 1〜ϋΒΡ 16)。 一 方、 出芽酵母 ^ ^? ^ cer e)に対し、 同じ酵母で解析が進んでいる
分裂酵母 Schizosacchartmyces pombe)由来 UBPの情報は少なく、サンガー研究所 の 分 裂 酵 母 の ゲ ノ ム デ ー タ ベ ー ス (ht tp ://www. genedb. org/genedb/pombe/index. j sp) によると ub としては 16種 類見つかつており、 現在までに得られる情報は ubp5 と ubp l 5 に対する報告 (Ri cher t, . e t al. , Mol. Gene t. Gomonics, 267, 88-95 (2002) )と u¼) 12に対 する報告(Ziiou, C. et al. , Mol. Cel l 11, 922了 - 938 (2003)の 2報が挙げられる。 分裂酵母 ubp 12は組換えタンパク質として生産されその生化学的情報も一部明ら かとなつている。 出芽酵母と分裂酵母の UBP間の相同性を遺伝情報処理ソフトゥ エア GENETYX (株式会社ゼネテイクス社製)を用いてグローバルホモロジ一解析を 行うと、 UBPホモローグ間の相同性は 48〜75%を示しそれほど高くない。またそれ ぞれのタンパク質の全長もほぼ同じサイズ(例、 ϋΒΡ6 (出芽酵母由来、 499 ァミノ 酸)に対して ubp6 (分裂酵母由来、 467アミノ酸))から数百アミノ酸長さが異なる もの(例、 1]ΒΠ2 (出芽酵母由来、 1254アミノ酸)に対して ubp l2 (分裂酵母、 979ァ ミノ酸)まで様々である。 従って、 UBPの選択には相同性だけで判断するのは注意 が必要である。 脱ュビキチン化酵素については、 例えば、 実験医学 増刊 タン パク質分解の最前線 2001 田中啓二他 編集 羊土社 2001年 1月 30日発行等 に記載されている。
好適には、 出芽酵母由来の脱ュビキチン化酵素 (ϋΒΡ 1〜ϋΒΡ 16) を用いる。 脱ュ ビキチン化酵素は、 天然のものを単離精製して用いることもできるが、 大量安定 生産の観点からは、 組換え酵素を用いるのが好ましい。 UBP 1〜UBP 16をコードす る遺伝子の塩基配列は公知であり、 該公知の配列情報に基づいて公知の手法を用 い酵母ゲノム DNAから UBP 1〜ϋΒΡ 16をコードする塩基配列を取得することができ る。 例えば、 配列情報に基づいて増幅用プライマーを設計 '製造し、 該プライマ —を用いて脱ュビキチン化酵素をコードする遺伝子を増幅すればよい。 得られた 塩基配列を発現ベクターに組込むことにより、 それぞれの脱ュビキチン化酵素発 現用べクタ一を得ることができ、 該発現べクタ一で適当な宿主を形質転換し、 培 養することにより、 UBP 1〜UBP 16を得ることができる。
ベクターとして、 プラスミド、 ファージ、 ウィルス等の宿主細胞において複製 可能である限りいかなるベクターも用いることができる。例えば、 BR322, PBR325,
PUC118, PUC119, pKC30, pCFM536等の大腸菌プラスミド、 ρϋΒΙ ΙΟ等の枯草菌ブラ スミド、 PG- 1、 YEP 13、 YCp50等の酵母プラスミド、 A gU 10、 λ ΖΑΡΠ等のファー ジの DNA等が挙げられ、 哺乳類細胞用のベクターとしては、 バキュロウィルス、 ワクシニアウィルス、 アデノウイルス等のウィルス DNA、 SV40とその誘導体等が 挙げられる。 ベクターは、 複製開始点、 選択マーカー、 プロモーターを含み、 必 要に応じてェンハンサー、転写終結配列(ターミネータ一)、リボソーム結合部位、 ポリアデニル化シグナル等を含んでいてもよい。
ベクターは、 商業的に入手可能なものを使用することができ、 例えば細菌性の ものでほ pET22b、 pET28a、 pET3a、 pET3b, pET3c、 pET-l la (Novagen) , pEFl、 pP OEX (Invi trogen) , pQE30, pQE3 K pQE32, pQE70、 pQE60, pQE-9 (Qiagen)、 pGEX-5X- L pGEX- 5X- 2、 pGEX- 5X- 3、 pBluescript l l KS、 ptrc99a、 PKK223-3 , pDR540 , PRIT2T (Pharmac ia)、 pUCl 18 (宝酒造)、真核性のものでは XTK SG5 (Stratagene)、 PSV 3, pBPV, pMSG、 pSVL、 SY40 (Pharmac ia) 等がある。
複製開始点として、 大腸菌べクタ一に対して、 例えば Col iEl、 R因子、 F因子 由来のものが、 酵每ベクターに対して、 例えば 2 fflDNA、 ARS1由来のものが、 哺 乳類細胞用ベクターに対して、 例えば SV40、 アデノウイルス、 ゥシパピ口一マウ ィルス由来のものを用いることができる。 また、 プロモータ一としてアデノウィ ルス又は SV40プロモーター、大腸菌 l acまたは t rpプロモーター、 ファ一ジラム ダ PLプロモータ一、 酵母用としての ADH、 PH05、 GPD、 PGK、 A0X1プロモーター、 蚕細胞用としての核多角体病ウィルス由来プロモーター等を用いることができる。 また、 組込んだ遺伝子を誘導的に発現させることもでき、 この場合は、 プロモー ターとしてプロモーター下流の遺伝子の発現を誘導し得るものを用いる。
選択マーカ一として、 大腸菌用べクタ一には、 クロラムフエ二コール耐性遺伝 子、 カナマイシン耐性遺伝子、 アンピシリン耐性遺伝子、 テトラサイクリン耐性 遺伝子等を、 酵母用ベクターには、 LEU2、 TRP1、 URA3遺伝子等を、 哺乳類細胞に は、 ネオマイシン耐性遺伝子、 ハイグロマイシン耐性遺伝子、 チミジンキナーゼ 遺伝子、 ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子等を用いることができる。
DNAのべクタ一への導入は、任意の方法で行うことができる。ベクターは、種々 の制限部位をその内部に持つポリリンカ一を含んでいるか、 または単一の制限部
位を含んでいることが望ましい。 ベクター中の特定の制限部位を特定の制限酵素 で切断し、 その切断部位に DNAを挿入すればよい。 本発明の融合遺伝子を含む発 現ベクターを用いて適切な宿主細胞を形質転換することにより、 宿主細胞に前記 融合遺伝子がコードするタンパク質を発現、 産生させることができる。
宿主細胞としては、 BL21 (DE3) ,BL21 (DE3) pLysS、HB101、DH5、TGl、 JM109、XU- blue、 等の大腸菌、 ストレプトミセス、 枯草菌等の細菌細胞、 ァスペルギルス属菌株等 の真菌細胞、 パン酵母、 メタノール資化性酵母等の酵母細胞、 ドロソフイラ S2、 スポドプテラ Si9等の昆虫細胞、 CH0、 COS, BHK、 3T3、 C127等の哺乳類細胞等が 挙げられる。
形質転換は、塩化カルシウム、 リン酸カルシウム、 DEAE-デキストラン介在トラ ンスフエクション、エレクトロポレ一ション等の公知の方法で行うことができる。 得られた組換えタンパク質は、 公知の分離精製方法により、 分離,精製するこ とができる。 例えば、 硫酸アンモニゥム沈殿、 ゲルろ過、 イオン交換クロマトグ ラフィ一、 ァフィ二ティークロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組合せて用 いることができる。 この際、 発現産物が GST等との融合タンパク質として発現さ れる場合は、 目的タンパク質と融合しているタンパク質またはペプチドの性質を 利用して精製することもできる。 例えば、 FLAGタグとの融合タンパク質として発 現させた場合、 Ant i- FLAG M2 agarose等の市販のァフィ二ティー担体を用いてァ フィニティー精製を行うことができる。 また、 ヒスチジンが 6個以上並んだアミ ノ酸配列、 いわゆるヒスチジンタグとの融合タンパク質として発現させた場合、 ヒスチジンタグを有するタンパク質はキレートカラムに結合するので、 キレート カラムを用いて精製することができる、 また GSTとの融合タンパク質として発現 させた場合、 GST はグル夕チオンに対して親和性を有するので、 ダル夕チオンを 担体に結合させたカラムを用いるァフィ二ティ一クロマトグラフィーにより効率 的に精製することができる。
配列番号 2 0、 2 5、 3 0、 3 5.、 3 8、 4 1、 4 6、 4 9、 5 2、 5 5、 5
8、 6 3、 6 6、 6 9、 7 4および 7 7には、 それぞれ UBP 1 ~UBP16をコードす る遺伝子が組込まれた発現べクタ一中のそれぞれの脱ュビキチン化酵素がコード する遺伝子の塩基配列を示す。 また、 配列番号 1 6〜1 9、 2 1〜2 4、 2 6〜
2 9、 3 1〜3 4、 3 6および 3 7、 3 9および 4 0、 4 2〜4 5、 4 7および
4 8、 5 0および 5 1、 5 3および 5 4、 5 6および 5 7、 5 9〜6 2、 6 4お ょぴ 6 5、 6 7および 6 8、 7 0から 7 3ならびに 7 5および 7 6には、 それぞ れ UBP 1〜UBP16 をコードする遺伝子を増幅するのに用いたプライマーの配列が 示される。 本発明に用いる脱ュビキチン化酵素は、 上記配列番号で示されるべク ター配列中の脱ュビキチン化酵素をコードする遺伝子の塩基配列に相補的な DNA とストリンジェントな条件下でハイブリダィズし、 かつ脱ュビキチン化活性を有 するタン ク質をコードする DNAからなる遺伝子であってもよい。 ストリンジェ ントな条件とは、 例えば、 ナトリウム濃度が 500〜1000mM、 好ましくは 700πιΜで あり、 温度が 50〜70°C、 好ましくは 65°Cでの条件をいう。 また上記配列からなる
DMと、 BLAST等 (例えば、 デフォルトすなわち初期設定のパラメ一夕を用いて) を用いて計算したときに、 少なくとも 85%以上、 好ましくは 90%以上、 さらに好 ましくは 95%以上、特に好ましくは 97%以上の相同性を有しており脱ュビキチン 化活性を有する酵素をコードする MAからなる遺伝子であってもよい。 さらに、 上記配列で表される塩基配列からなる DNAにおいて、 1または複数の塩基が欠失、 置換、 付加され、 かつ脱ュビキチン化活性を有するタンパク質をコードする DNA からなる遺伝子であってもよい。 ここで、 1または複数の塩基とは、 1〜200個、 好ましくは;!〜 100個、 さらに好ましくは 1 ~50個、 特に好ましくは 1〜20個も しくは 1〜10個の塩基をいう。 このようなタンパク質として、 UBP12の変異体が 挙げられ、 例えば配列番号 8 0、 8 3、 8 6および 8 9で表される塩基配列から なる DNAがコ一ドする UBP12の変異体、 および該 DNAに相補的な DNAにストリン ジェン卜な条件でハイプリダイズする DNAがコードする UBP12の変異体がある。 これらの配列に変異を有する脱ュビキチン化酵素をコードする遺伝子は、
Kunkel法若しくは Gapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる方法により行 うことができる。 例えば、 変異オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いた部 位特異的突然変異誘発法に基づいて変異を導入するが、 変異導入用キット (例え ば Mutan - K (TAKARA社製)、 Mutan- G (TAKARA社製)、 TAKARA社の LA PCR in vi tro
Mutagenes is シリーズキットなど) を用いて変異を導入することもできる。
さらに、酵母由来の脱ュビキチン化酵素を大腸菌で製造した場合、 UBP1〜UBP16
のうち、 UBP 2、 3、 10および 12の活性が高く、 これらが好適に用いられる。 さ らに、 この中でも UBP12の活性が高く、 本発明において特に好適に用いられる。 3 . ュビキチン化タンパク質の回収、 酵素処理
本発明は、 上記抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体を用いて生体試料からュビ キチン化された未知のタンパク質群を回収し、 上記脱ュビキチン化酵素でュビキ チンを切り離し、 残ったタンパク質群を同定することにより、 生体内でュビキチ ン化されているタンパク質群を同定する手法に関する。
ュビキチン化タンパク質の回収は、 上記の抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体 を用いたァフィ二ティークロマトグラフィーの手法を用いて行うことができる。 ァフィ二ティークロマトグラフィーは適当な固定化用支持体に抗ュビキチン鎖 モノクローナル抗体を結合させ、 該抗体を固定化した支持体と試料を、 両者が結 合する条件で接触させ、 固定化抗体と試料中のュビキチン化タンパク質を結合さ せ、 次いでァフィ二ティ一クロマトグラフィー固定化用支持体にュビキチン化夕 ンパク質が結合している状態で脱ュビキチン化酵素を作用させて、 タンパク質と ュビキチンを切り離して、 タンパク質を回収する。 本発明で用いる試料はュビキ チン化タンパク質が含まれている可能性がある試料ならば限定されず、 真核細胞 由来培養細胞抽出液、 組織抽出液、 等を広く用いることができる。 支持体は通常 ァフィ二ティークロマトグラフィーにおいて用いられる支持体ならばいずれも用 いることができ、 Sepharose等のァガロース、 Sephadex等のデキストラン、 セル 口一ス、 B ioge l等のポリアクリルアミド、 多孔性シリカビーズ等を用いることが できる。 抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体の支持体への結合も前記支持体の水 酸基ゃァミノ基等の官能基とモノクローナル抗体の官能基を活性化させて結合さ せればよい。 官能基が活性化されたァフィ二ティークロマトグラフィー用支持体 が種々市販されており、 これらを用いることにより容易に抗体固定化支持体を得 ることができる。 また、 支持体と抗体をスぺーサーを介して結合させてもよい。 この際、 シァノゲンプロマイドゃ N-ヒドロキシサクシ二イミド等を用いて結合さ せればよい。
また、 上記の抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体は IgM であることから、 K L 鎖と結合することが知られる Prot e in Lをァガロースに結合させた市販ビーズを
用いて、 抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体と prote in Lァガロースビーズを結 合させることでュビキチン化タンパク質の回収を行ってもよい。 この場合、 抗ュ ビキチン鎖モノクローナル抗体を試料と混合しュビキチン化夕ンパク質と該抗体 を結合させた後、ュビキチン化タンパク質-抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体複 合体を protein Lァガロースビーズに結合させて回収することが可能になる。 このようにして得られた抗ュビキチン鎖モノクローナル抗体固定化支持体に試 料を接触させて、 試料中のュビキチン化タンパク質と抗体とを結合させて、 結合 していない試料中の成分を洗浄除去する。 抗体とュピキチン化タンパク質の結合 は、通常抗体の保存等に用いられるリン酸バッファーや Tr is- HC1バッファ一等中 で両者を混合すればよい。 結合したュビキチン化タンパク質に上述の方法で得ら れた脱ュビキチン化酵素を作用させることにより、 タンパク質とュピキチン鎖を 切り離すことができる。 タンパク質とュビキチンとの切り離しは、 上記の脱ュビ キチン化酵素を、 2 0 °C〜3 7 °C、 ρΗ 7 · 5〜8 . 5、 0 . 5〜3時間作用させ ればよい。 タンパク質とュビキチンを切り離すとき、 連結していたュビキチンも 解離し、 回収したタンパク質調製物中に、 遊離型のュビキチンが含まれるが、 両 者の分子量との特性は大きく異なるので、 後述の 1次元あるいは 2次元電気泳動 を行うことにより完全に分離することができるし、 また後述の質量分析による解 析もュビキチンが混入した状態で行うことができる。
ュビキチン化タンパク質の結合およびュビキチンとタンパク質の切り離しは、. 適当な容器を用いたバッチ法で行ってもよいし、 抗体を固定化した支持体をカラ ムに詰め、 該カラムに試料、 緩衝液、 酵素溶液等を流して、 結合解離させるカラ ム法により行ってもよい。
このようにして回収 ·単離したュビキチンと結合し得るタンパク質試料中には、 生体内に存在するュビキチン化を受ける多くのタンパク質が存在しており、 次い で、 この試料について公知のタンパク質解析方法を用いてプロテオーム解析する ことができる。
例えば、 タンパク質をその電荷と分子量で分離し得る一次元電気泳動あるいは 二次元電気泳動法を用いて分析する。 二次元電気泳動法は、 一般的に一次元目に 等電点電気泳動を行い、二次元目に SDS- PAGEあるいは密度勾配ゲル電気泳動を行
うことによって、 タンパク質を電荷と分子量に従って、 二次元的に展開する手法 である。二次元電気泳動用ゲルとして、固定化 pH勾配(i腿 obi l i zed pH grad ient) ゲル等種々のゲルが市販されており、 これらを用いて容易に二次元電気泳動を行 うことができる。 試料中にュピキチンが含まれていても、 二次元電気泳動により 各タンパク質のスポッ卜とュピキチンのスポットが出現し、 二次元情報に基づい てそれぞれのタンパク質を同定することが可能であるし、 また各タンパク質をそ れぞれ抽出回収し各々のタンパク質を単離することができる。 回収単離したタン パク質は、 さらに、 質量分析により解析したり、 アミノ酸配列を決定し、 同定す る。 アミノ酸配列の決定は、 エドマン分解法等の公知の方法により行うことがで きる。
二次元電気泳動法については、下記のプロテオ一ム解析についての文献の他に、 新生化学実験講座 1 タンパク質 I 分離,精製 ·性質 日本生化学会編 東京 化学同人 1990 年 2月 2 6日発行、 実験医学 Vo l. 20, No. 1, p. 85-88, 2002 等に記載されており、 これらの記載に従って行うことができる。
質量分析は MALDI- T0F型の質量分析計や LC- MS/MS等のタンデム質量 (MS/MS) 分析法により行うことができる。 例えば、 LC- MS/MSによればアミノ酸配列を決定 することができるし (de novo seuQuenc ing 法)、 また MS/MSスペクトル中に含ま れる部分的な配列情報を用いて直接デ一夕ベースサーチを行いタンパク質を同定 することもできる。 この際、 分析を行う試料中にュビキチンが含まれていても夕 ンパク質自体の解析を行うことが可能である。
その他、 公知の種々の方法でポリュビキチン化を受け得るタンパク質を解析す ることができる。 プロテオーム解析は、 例えば、 実験医学別冊 ポストゲノム時 代の実験講座 2 プロテオ一ム解析法 礒辺俊明 他編 羊土社 2000 年 7月 10日発行、実験医学 増刊 プロテオミクス時代のタンパク質研究 宮崎香 他 編 羊土社 2002 年 9月 2 5日発行、 ポストシークエンスのゲノム化学(3) プ 口テオミクス タンパク質の系統的 . ·網羅的解析 松原謙一 他監修 中山書店 2000年 1 1月 30日発行、 等に記載の方法で行うことができる。
以下、 実施例により本発明をさらに具体的に説明する。 但し、 本発明はこれら 実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
実施例において行う実験の方法
まず、以下の実施例 1から実施例 14に書かれた実験に用いた手法を列挙する。 プラスミドは全て、 常法 (Sambrook, J. , & Russel l, D. . , Molecular Cloning: a laboratory manual, 3rd edition [2001] , Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y. ) に従って構築した。 ポリメラーゼチェーンリアクシ ヨン法 (以下、 PCRと略記; Saiki et al. , Science 239487-491 [1988]) には 全て Piu turbo (STMTAGENE社製) を用いた。 増幅した DNA断片は 1.0%ァガロ ースゲル電気泳動に供し、 目的の DM断片を切り出し、 QIAduick Gel Extraction Kit (Qiagen社製) を用いて、 使用説明書に準じて精製した。 遺伝子に点変異を 導入する際には、 インバース PCR法(Clacksonet al. (1992), In PCR-a pract ical approach (Mcpherson, M. J., eds. ) , Oxford university press, 187 - 215)を用 いた。 出芽酵母野生株 w303株のゲノム DNiUま QIAGEN社製 QIAGEN Genome- tipを 用い、 使用説明書に準じて精製した。 DNA断片の 5'末端をリン酸化する必要のあ る場合は東洋紡社製 T4 polynucleotide kinaseを用いた。 塩基配列決定には DNA シークェンサ一 ABI PRISM (R) 3100 Genetic Analyzer (ABI 社製) を用いた。 リ ガーゼ反応には New Engl nd Biolabs社製の T4 DNA ligaseを用いた。
プラスミド構築に用いた大腸菌の培養は Luria Broth (LB: 1¾ Bacto try ton, 0.5 % Bacto yeast extract, 1 % 塩化ナトリウム) で行った。 形質転換体を選択 する際には、 カナマイシン (10 g/ml)、 クロラムフエ二コール (34 g/ml)、 アンピシリン (100/zg / ml) を用いた。
組換えタンパク質は、 ヒスチジンタグとの融合タンパク質として発現するよう 発現ベクターを構築し、 大腸菌 BUI (DE3) RIL (STRATAGENE社製)に形質転換した。
IPTG (ィソプロピル チォ- β - D-ガラクトシド)によるタンパク質発現誘導後、 Ni - NTASuperflow(Qiagen社製)を用いたァフィ二ティ精製を行った。 尚、 組換え タンパク質の誘導方法及び精製方法は Qiagen社による説明書に準じた。
ウエスタンブロッテイング法によ.るタンパク質の検出は、 SDS ポリアクリルァ ミド電気泳動によりタンパク質を分離後、 トランスプロット SDセル(Bio-Rad社 製)を用いてニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell 社製)へ転写後、 常法に 従って目的とするタンパク質を検出した(Harlow, E. , & Lane, D. , 1992,
Antibodies - a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.) 。 検出は、 2 次抗体としてアルカリホスファターゼが結合 した抗ポリクローナル抗体 (Promega社製)又は抗モノクローナル抗体(Promega社 製 ) を 用 い 、 NBT(Nitro blue tetrazolium) と BCI (5-bromo-4-chloro-3-indoyl-phospliate)試薬 (Promega 社製)を用いて発色さ せた。
実施例 1
ュビキチン化に必要な、 El, E2, E3酵素群の調製
ュビキチン化タンパク質を調製するための酵素群(El, E2及び E3)の調製法は、 ゥサギより調製した網状赤血球を用いて田村らの方法をもとに調製した(Tamura, T et al. , FEBS Lett., 292, 154-158 (1991) ) 0 ゥサギ網状赤血球を溶血させた後 の粗抽出画分から Fractionllを調製した後、 ュビキチン-セファロ一ス(20 mgュ ビキチン/ ml 担体)に酵素群を結合させ、 洗浄後、 50mM Tris-HCl ( H 9.0)/1Μ KC1/20 mM DTT で酵素群を溶出させ、 1M Tris-HCl (pH 7.0)を溶出液に加えて直 ちに中和した。回収した溶出液は、容量が約 1/10になるまで限外ろ過により濃縮 した後、 50mM Tris-HCl (pH 7.5) /1 mM ATP/ 1 mM DTT/20 %グリセロールで透析 した。 透析後タンパク質量を測定後、 _80°Cに保存した。
実施例 2
ュビキチン化リゾチームの調製
実施例 1で精製した酵素群 270 1 (0.4 mg/ml)に、 60 1 の 1M Tris- HC1 (pH
9· 0)、 10.8 1の 300 mM MgC12、 8 1の 200 mM ATP, の 100 mM DTT、 6 lの無機ピロフォスファタ—ゼ (200 U/ 1、 酵母由来、 Roche社製)、 90 1の 熱変性したリゾチーム(2nig/ml、 二ヮ卜リ卵白由来, 生化学工業社製)、 66//1の ュビキチン(10 mg/mL ゥシ赤血球由来、 Sigma社製)を加え、 milliQ水で総容量 が になるように加えて、 37 °Cで 90分間反応を行った。 反応終了後、 未反 応のュビキチンとリゾチームを除くため、 田村らの方法 (Tamura, Tet al. , FEBS
Lett. , 292, 154-158 (1991) )によりュビキチン化リゾチームを回収した。 回収し たュビキチン化リゾチームは濃縮後- 20°Cに保存し、抗体作製用の抗原として、 ま た脱ュビキチン化酵素の活性測定の基質として用いた。 反応時に経時的に回収し
た 15 1のュビキチン化リゾチーム溶液を SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 で分離し、 クーマ一シ一染色で確認すると、 リゾチームに結合するュピキチン数 依存的にバンドが多数確認され、ュビキチン化リゾチームの合成が確認された(図 D o
実施例 3
モノクローナル抗体産生細胞の樹立
実施例 2で得られたュビキチン化リゾチーム溶液 100 ^ 1 に等量のアジュバン ト(一回目はフロイント完全アジュバン卜、二回目以降はフロイント不完全アジュ バント)を加え乳化し BALB/cマウス一匹の免疫感作に用いた。 免疫抗原は 1. 5週 間隔で計 4回マウス背部皮下に分散投与した。 感作開始後七週にマウス尾静脈よ り採血し、 抗体価の上昇を確認し、 常法 (安藤民衛 ·千葉丈著 「単クローン抗体 実験操作入門」講談社、 1991年)に従って上記マウスの脾細胞を採取し、マウス · ミエ口一マ細胞 (Sp2/o- Agl4)と融合させてハイプリドーマを調製した。得られた ハイプリドーマ集団の中から遊離ュビキチンとリゾチームには反応せずュビキチ ン化リゾチームに反応する抗体産生細胞を ELISA法にてスクリ一ニングした。 このようにして選択した抗体産生細胞株を選択後、 0. 5 ml/匹プリスタン(Sigma 社製)を投与後 2週間経過した BALB/cマウス腹腔内に、 1匹当たり細胞数 5 χ 10δ 個注入し、 10〜14 日飼育した後に腹水を回収した。 回収した腹水から、
Hig TrapIgM lamas ani biosc iences 社製)を用いて抗体を精製した。 精製方法は、
HighTrapIgMに添付の説明書に従い、精製後の抗体は PBS緩衝液で透析し Bradford 法(Bradford, Μ·, Anal. B iochem. , 72, 248 (1976) )をもとにした Prote in assay 溶液 (Bio- Rad 社製)でタンパク質濃度を測定した。 測定した抗体は使用するまで
-20°Cに保存した。
本実施例において、 ュビキチン鎖を認識する抗体スクリーニング時に、 平行し て遊離ュビキチンだけに反応する抗ュピキチン抗体と遊離リゾチームだけに反応 する抗リゾチーム抗体を生産するハイプリドーマ細胞をそれぞれスクリーニング し抗体産生細胞を樹立した。 得られたハイプリドーマを用いて、 抗ュビキチン鎖 抗体同様、マウスから腹水を回収し、 Prote in A-Sepharose (amersham biosc iences 社製)を用いて抗体を精製した。 精製方法は、 Prote in A-Sepharoseに添付の説明
書に従い、 精製後の抗体は PBS緩衝液で透析し分子吸光計数をもとにタンパク質 濃度を測定後、 - 20でに保存した。
スクリーニングで得られた 3 種の抗体について、 Mouse monoc lonal ant ibody isotyping ki t (HyCul t biotechnology社製)を用いて抗体のサブクラスを調べ た。 その結果、 抗ュビキチン鎖抗体は IgMであることが判明した。 また抗ュビキ チン抗体及び抗リゾチーム抗体は、 それぞれ IgGであることが判明した。
実施例 1で調製した、 4 /1 1のュビキチン化リゾチーム(図 2、 レーン 3)、 300 ng のリゾチーム(図 2、 レーン 1)と 1 z gのュビキチン(図 2、 レーン 2)を SDSポリア クリルアミドゲル電気泳動で分離し、 精製した上記 3種のモノクローナル抗体を 用いてウエスタンブロッテイング法で検出した。その結果、抗ュビキチン抗体は、 リゾチームには反応せず、 遊離のュビキチン並びにュビキチン化リゾチームに反 応することが判明した。 抗リゾチーム抗体は、 遊離のリゾチームとュビキチン化 リゾチームに対し反応を示し、 遊離のュビキチンには反応を示さなかった。 最後 に抗ュビキチン鎖抗体は、 遊離型ュビキチンとリゾチームには反応を示さず、 ュ ビキチン化リゾチームやュビキチン 2 量体に反応を示すことが明らかとなった (図 2 )。 以上の转果から、 抗ュビキチン鎖抗体はュビキチン鎖を特異的に認識し ていることが判明した。
実施例 4
ュビキチン OJb)とシアン色蛍光タンパク質(ECFP)の融合タンパク質(IJb- ECFP) の構築
ュビキチン化リゾチームに加え、 もう 1つのモデルュビキチン化タンパク質、 ュビキチン化 ECFPを調製するため、 ュビキチンと蛍光タンパク質 ECFPを融合し たタンパク質の発現べクタ一を構築した。 ECFPへのュビキチン化を促進するため に、ュビキチンと ECFPの間にュビキチン付加領域(Suzuki, T. , S Varshavsky, A. ,
EMBO J. , 18, 6017-6026 (1999) )を揷入した。 ュビキチン付加領域は、 N末端の アミノ酸から数えて 3番目及び 15番目の残基がリジンであること、 2番目の残基 がリジンでないことが重要な配列関係となる。 構築した Ub- ECFP夕ンパク質は、 脱ュビキチン化酵素により N末端のュビキチンが切断されると、 新たな N末端と してリジン残基を露出する。 この N末端から数えて、 3, 8及び 15番目に相当す
るアミノ酸がリジン、 その他のアミノ酸がァスパラギンであるようにデザインし た(KLKN丽 NKNNNNNNK) (配列番号 2 )。 また 2番目に相当するアミノ酸は、 立体的 な障害が少ないようにロイシンとした。 更に、 ECFPとュビキチン付加領域との間 に充分なスペースを確保する目的で、クローニングベクター pBluescr ipt I I (KS-) (St ra t agene 社製)のマルチクローニングサイ ト由来のアミノ酸 17 残基 (VDGIDKLDIEFLQPGGSMV) (配列番号 3 ) を挿入した。
実際には、合成ォリゴデォキシリポヌクレオチドプライマー(以下プライマーと 略記) lib- S (配列番号 4 )と Ub- AS (配列番号 5 )を用いて、 ヒト由来 Ub_UBCP80 (I. M. A. G. E c l one No. 1928724)をコードする cDNAを铸型として PCRを行い、 約 230塩基対の DNA断片を回収した後、 制限酵素 Kimlと ΑΠ Πで二重消化した。一 方、 ュビキチン付加領域をコードする合成プライマー Inser t- S (配列番号 6 )と Inser t-AS (配列番号 7 )の両プライマーの 5 '末端をリン酸化した後、 2本鎖 DNA を形成させた。 該 2本鎖 DNA と上記 DNA断片を Kpnl と Sai l で二重消化した pB luescr ip t l l (KS-)クローニングベクターに導入した。 ュビキチン-ュビキチン 付加領域を融合した DNA断片を持つプラスミドを単離、 精製し、 該プラスミドを Ndel と BamHIで二重消化し、 ュビキチン-ュビキチン付加領域融合 DNA断片をァ ガロースゲルより回収した。
ECFPをコードする cDNAをもつベクター PECFP- C I (C l ontech社製)を鍀型に、 プ ライマー Ub- EGFP- S (配列番号 8 )と Ub-ECFP- AS (配列番号 9 )で PCRを行い、 約
720bpの DNA断片を回収した。 この MA断片を BamHI と Xholで切断し、 pET22b 発現ベクター(Novagen社製)の BamHIと Xholサイ卜に挿入した。増幅した DNA断 片の Xholサイト側は 止コドンを除去し、 ECFPの 末端にベクター由来のヒス チジンタグを融合する蛋白質として発現するようデザインした。 ECFPが導入され た発現べクタ一を Nde lと BamHIで二重消化し、両酵素で消化した上記ュビキチン
-ュビキチン付加領域融合 DM断片を挿入し、発現べクタ一 PET22- Ub-ECFPを構築 し た 。 該 ベ ク タ ー は 、 融 合 タ ン ノ ク 質 、 ュ ビ キ チ ン
- KLK丽 NNK丽 丽 KVDGIDKLDIEFLQPGGS (配列番号 1 0 ) -蛍光タンパク質
(ECFP) - HHHHHH (ヒスチジンタグ)を生産する発現ベクターである(配列番号 1 1 )。 pET22-Ub-ECFPを大腸菌 BL21 (DE3) RIL細胞に形質転換し、 Qi agenの説明書に準じ
て Ni- NTA supernow (Qiagen社製)を用いて組換えタンパク質の生産及び精製を行 つた。精製後のタンパク質は 25mM Tris- HC1 (pH7. 5) /20%グリセロールで透析し、 透析後の夕ンパク質を- 20°Cで保存した。
実施例 5
抗 ECFPポリクローナル抗体の作製
pECFP-C l ベクター(Clontech社製)をテンプレートとして、 プライマー ECFP - S (配列番号 1 2 )と ECFP- AS (配列番号 1 3 )を用いて、 PCRによる DNAの増幅を行 つた。 プライマーは ECFPの N末端にヒスチジンタグが融合されるよう設計した。 増幅された約 750bpの ECFPをコ一ドする DNA断片を Ncolと EcoRIで二重消化し、 両酵素で消化した pTrc99a ベクター(Amer sham Biosc iences 社製)に導入し、 pTrc99a-ECFP を構築した (配列番号 1 4 )。 次に、 該ベクターを大腸菌 BL21 (DE3) RIL細胞に形質転換し IPTGによる発現誘導を行い Ni-NTA Superf low を 用いて精製した。 精製したタンパク質は 25 mM Tri s-HCl ( H 7. 5) /20%グリセ口 ールで透析し、 透析後のタンパク質を- 20°Cで保存し、 抗 ECFPポリクローナル抗 体作製のための抗原として用いた。
精製した ECFPは、常法(Ha ow, E. , & Lane, D. , 1992, Ant ibodies- a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y. )に 従い、 ゥサギに免疫し、 抗体力価が充分上昇するまで 200 gタンパク質を 2 週 間毎に免疫し、その後全採血を行い血清を回収し- 20°Cで保存した。 この血清を用 いたウェスタンプロッティング法による ECFPの検出は、 抗血清を 10, 000倍希釈 して使用することが可能な抗体であることが確認された。
実施例 6
抗ュビキチン鎖抗体の認識特異性
実施例 3で作製した、 ュビキチン鎖に特異的に反応する抗体について、 更にそ の認識特異性を検証した。 図 2に示すように、 該抗体は、 遊離型のュビキチンと リゾチームには反応しないことを確認している。 このことは、 リゾチームにイソ ペプチド結合しているュビキチンの C-末端を認識している可能性、あるいはュビ キチン同士がイソペプチド結合している結合領域を認識している可能性がある。 更には、 ュビキチン鎖における複数のュビキチン分子が構築する立体構造を認
識している可能性も否定できない。そこで実施例 5で作製した Ub-ECFPを用いて、 抗体の認識部位の検証を行った。
最初にュビキチン化 を作製した。 60 1 の 1M Tris-HCl ( H 9.0)、 10.8 1 の 300 mM MgC12、 10.8^1 の 200 mM ATP, 6 x 1の 100 BiM DTT、 6 1の無機 ピロホスファ一ゼ (200 U/ 1、 酵母由来、 Roche社製)、 270 i 1の実施例 2で精 製した酵素群(E1,E2及び E3)、 の Ub-ECFP (1.7 mg/ml)、 66 1のュビキ チン(10nig/ml、 ゥシ赤血球由来、 Sigma社製)を混ぜ合わせ、 総容量を 600 1 に なるよう milliQ水を加え、 37°Cで 90分反応を行った。 反応終了後、 実施例 2で 作製したュビキチン化リゾチームと同様にュビキチン化 ECFPを精製した後- 20°C に保存した。
1 レーン当たり 300ngの Ub- ECFP単独あるいは 300ngの Ub- ECFP に 40 Sの Fraction IIを混合した後、 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、 抗ュビ キチン鎖抗体あるいは抗 ECFP 抗体を用いてウエスタンブロッテイング法でタン パク質を検出した(図 3A)。 また、上記した方法で作製したュビキチン化 ECFPを 8 H i を SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し抗ュビキチン鎖抗体あるい は抗 ECFP抗体を用いてウエスタンプロッティング法でタンパク質を検出した(図 3B)。 図 3Aに示すように、 Ub- ECFPに Fraction IIを混ぜ合わせると、 Fraction IIに含まれる脱ュビキチン化酵素により Ub- ECFP融合タンパク質は Ubと ECFPに 分解される。 ■
そのため、 Fraction IIの有無により抗 ECFP抗体が認識するバンドはュビキチ ンの分子量の差だけ異なって検出される(図 3A右)。一方、抗ュビキチン鎖抗体は Ub - ECFP融合タンパク質は認識するが、 Fraction IIでュビキチンが切断されると 検出不能になることが判明した(図 左)。また、抗ュビキチン鎖抗体はュビキチ ン化 ECFPをュビキチン化リゾチームと同様認識し(図 2および 3B)、 ECFPにュビ キチンが 1 分子以上結合したュビキチン化 ECFP を認識することが判明した(図 3B) o
以上のことから、 抗ュビキチン鎖抗体はュビキチンの C末端領域を含むアミノ 酸配列と、 そこへ結合しているタンパク質との結合領域を認識していると考えら れる。 このことは、 Ub- ECFP からュビキチンが切断されることで、 遊離したュビ
キチンあるいは ECFPをそれぞれ認識できなくなることから判断される。一般的に、 抗体が認識するェピトープは通常 6〜 10アミノ酸であることから、 抗ュビキチン 鎖抗体は、 ュビキチンの C-末端から 10残基以内の配列(LHLVLRLRGG (配列番号 1 5 ) -C00H)を含む領域を認識すると考えられる。.また、 ュビキチン化反応は、 ュ ビキチンの C 末端グリシンが相手側のタンパク質のリジン残基の ε -ァミノ基に ペプチド結合するので、 該抗体は、 ュビキチン C末端領域に加え、 相手側のタン パク質のリジン残基を含むアミノ酸配列を認識していると考えられる。 この時、 ュビキチンと結合するタンパク質はュビキチンでもリゾチームでも ECFP でも特 定されないことから相手側のリジン残基周辺のアミノ酸配列は限定されないと考 えられる(図 4)。
以上のことから、 抗ュビキチン鎖抗体は、 ュビキチン C末端領域とタンパク質 (ュビキチンを含む不特定タンパク質)との結合領域を認識することから、 該抗体 を抗 ubidiii t in- X抗体と命名した。
実施例 7
脱ュビキチン化酵素の発現ベクターの構築
ュビキチン鎖に対する抗体作製に続き、 ュピキチン化タンパク質からュビキチ ンを切り放す酵素、 脱ュビキチン化酵素の発現ベクターを構築した。 脱ュビキチ ン化酵素(ϋΒΡ1〜16)をコードする遺伝子は、 出芽酵母ゲノム DNAを铸型としてそ れぞれの UBPに対応するプライマーを用いて PCRにより各標的遺伝子を増幅した。 また 2500塩基対を超える遺伝子については分割して増幅後、制限酵素部位を利用 して結合させた。 また、構築した 16種の発現ベクターは、 発現する組換えタンパ ク質の C末端にヒスチジンタグが融合するように設計を行った。
UBP1はプライマー UBP 1S (配列番号 1 6 )と UBP1AS (配列番号 1 7 )およびプライ マ一 UBP 1S2 (配列番号 1 8 )と UBP1AS2 (配列番号 1 9 )の組合せでそれぞれ DNAを 増幅した。 増幅された 1061塩基対の DNA断片 0JBP 1 Ν-末端側)を制限酵素 Ndel と Hindl l l で二重消化し、 1376 塩棊対の DNA 断片(UBP1 C-末端側)を制限酵素 Hindl l lと Xholで二重消化した後、制限酵素 Hindl l lの部位で両 DNA断片を連結 させ、 pET22bの制限酵素 Ndelと Xhol部位へ導入し pET22b- UBP 1 (配列番号 2 0 ) 発現ベクターを構築した。
UBP2はプライマー UBP2S (配列番号 2 1 )と UBP2AS (配列番号 2 2 )およびプライ マー UBP2S2 (配列番号 2 3 )と UBP2AS2 (配列番号 2 4 )の組合せでそれぞれ DNAを 増幅した。 増幅された 1415塩基対の DNA断片 (UBP2 N-末端側)を制限酵素 Ndel と BamHIで二重消化し、 2401塩基対の DNA断片(UBP2 C-末端側)を制限酵素 BamHI と Xliolで二重消化した後、制限酵素 BamHIの部位で両 DNA断片を連結させ、 pET22b の制限酵素 Ndel と Xtiol部位へ導入し pET22b- UBP2 (配列番号 2 5 )発現ベクター を構築した。
ϋΒΡ3はプライマ一 UBP3S (配列番号 2 6 )と UBP3AS (配列番号 2 7 )およびプライ マー UBP3S2 (配列番号 2 8 )と UBP3AS2 (配列番号 2 9 )の組合せでそれぞれ DNAを 増幅した。 増幅された 737塩基対の DNA断片(UBP3 Ν-末端側)を制限酵素 Ndelと Sadで二重消化し、 1999塩基対の DNA断片(UBP3 C-末端側)を制限酵素 Sac l と Xholで二重消化した後、 制限酵素 Sac l の部位で両 DNA断片を連結させ、 pET22b の制限酵素 Nde lと Xhol部位へ導入し pET22b_UBP3 (配列番号 3 0 )発現ベクター を構築した。
UBP4はプライマー UBP4S (配列番号 3 1 )と UBP4AS (配列番号 3 2 )およびプライ マ一 UBP4S2 (配列番号 3 3 )と UBP4AS2 (配列番号 3 4 )の組合せでそれぞれ DNAを 増幅した。 増幅された 2154塩基対の DNA断片(UBP4 N-末端側)を制限酵素 Ncol と Sa i lで二重消化し、 624塩基対の DNA断片 0JBP4 C-末端側)を制限酵素 Sai lと Xhol で二重消化した後、 制限酵素 Sai l の部位で両 DNA 断片を連結させ、 pET28a (Novagen社製)の制限酵素 Ncolと Xhol部位へ導入し pET28a- UBP4 (配列番 号 3 5 )発現べクタ一を構築した。
UBP5はプライマ一 UBP5S (配列番号 3 6 )と UBP5AS (配列番号 3 7 )の組合せでそ れぞれ DNAを増幅した。得られた 2415塩基対の DNA断片を制限酵素 Ncolと Not l で二重消化した後、 pET28aの制限酵素 Ncolと No t l部位へ導入し pET28a- UBP5 (配 列番号 3 8 )を構築した。
UBP6 はプライマー UBP6S (配列番号 3 9 )と UBP6AS (配列番号 4 0 )の組合せで DNAを増幅した。得られた 1497塩基対の DM断片を制限酵素 Ndelと Xho lで二重 消化した後、 pET22bの制限酵素 Ndelと Xhol部位へ導入し pET22b-UBP6 (配列番号 4 1 )を構築した。
UBP7はプライマー UBP7S (配列番号 42)と UBP7AS (配列番号 43)およびプライ マ一 UBP7S2(配列番号 44)と UBP7AS2 (配列番号 45)の組合せでそれぞれ DNAを 増幅した。 増幅された 1982塩基対の DNA断片 (UBP7 N-末端側)を制限酵素 Ndel と EcoRIで二重消化し、 1231塩基対の DNA断片 (UBP7 C-末端側)を制限酵素 EcoRI と No 11で二重消化した後、制限酵素 EcoRIの部位で両 DNA断片を連結させ、 pET22b の制限酵素 Ndelと Notl部位へ導入し ρΕΠ21ΗΙΒΡ7 (配列番号 46)発現ベクター を構築した。
UBP8 はプライマ一 UBP8S (配列番号 47 )と UBP8AS (配列番号 48 )の組合せで DNAを増幅した。得られた 1413塩基対の DNA断片を制限酵素 Ndelと Xholで二重 消化した後、 pET22bの制限酵素 Ndelと Xhol部位へ導入し pET22b_UBP8 (配列番号
4 9)を構築した。
UBP9 はプライマー UBP9S (配列番号 50)と UBP9AS (配列番号 5 1)の組合せで DNAを増幅した。得られた 2262塩基対の DNA断片を制限酵素 Ncolと Xholで二重 消化した後、 pET28aの制限酵素 Ncolと Xhol部位へ導入し pET28a- UBP9 (配列番号
52)を構築した。
UBP10 はプライマー UBP10S (配列番号 53)と UBP10AS (配列番号 54)の組合せ で DNAを増幅した。得られた 2376塩基対の DNA断片を制限酵素 Ndelと Xholで二 重消化した後、 pET22bの制限酵素 Ndelと ΕιοΙ部位へ導入し pET22b- UBP10 (配列 番号 55)を構築した。
UBP11 はプライマー UBP11S (配列番号 56)と UBP11AS (配列番号 57 )の組合せ で DNAを増幅した。得られた 2151塩基対の DNA断片を制限酵素 Ncolと Xholで二 重消化した後、 pET28aの制限酵素 Ncolと Xhol部位へ導入し pET28a- UBP11 (配列 番号 58)を構築した。
UBP12 はプライマー UBP12S (配列番号 59)と UBP12AS (配列番号 60)およびプ ライマー UBP12S2(配列番号 6 1)と UBP12AS2(配列番号 62)の組合せでそれぞれ 丽 Aを増幅した。 増幅された 892塩碁対の DNA断片(UBP12 N-末端側)を制限酵素
Ncolと Ndelで二重消化し、 2870塩基対の DNA断片(UBP12 C-末端側)を制限酵素
Ndel と Notlで二重消化した後、 制限酵素 Ndelの部位で両 MA断片を連結させ、 pET28aの制限酵素 Ncolと Notl部位へ導入し pET28a- UBP12 (配列番号 63 )発現べ
クタ一を構築した。
UBP13 はプライマー UBP13S (配列番号 64)と UBP13AS (配列番号 65)の組合せ で DNAを増幅した。得られた 2244塩基対の DNA断片を制限酵素 Ncolと Xtiolで二 重消化した後、 ET28aの制限酵素 Ncolと Xhol部位へ導入し ET28a-UBP13 (配列 番号 66)を構築した。
UBP14 はプライマー UBP14S (配列番号 67)と UBP14AS (配列番号 68)の組合せ で DNi を増幅した。 得られた 2409塩基対の DNA断片を制 |5良酵素 BspHIと Xholで 二重消化した後、 ET28aの制限酵素 Ncolと Xhol部位へ導入し pET28a-UBP14 (配 列番号 69)を構築した。
UBP15 はプライマー UBP15S (配列番号 70)と UBP15AS (配列番号 7 1)およびプ ライマー UBP15S2(配列番号 72)と UBP15AS2 (配列番号 73)の組合せでそれぞれ DNAを増幅した。 増幅された 2197塩基対の DNA断片 0JBP15 N-末端側)を制限酵素 Ndelと Hindlllで二重消化し、 1493塩基対の DNA断片(UBP15 C-末端側)を制限酵 素 Hindlllと Xliolで二重消化した後、制限酵素 Hindlllの部位で両 DNA断片を連 結させ、 pET22bの制限酵素 Ndelと Xhol部位へ導入し pET22b- UBP15 (配列番号 7 4)発現ベクターを構築した。
UBP16 は合成プライマ一 UBP16S (配列番号 75)と UBP16AS (配列番号 76 )の組 合せで DNAを増幅した。得られた 1497塩基対の DNA断片を制限酵素 Ndelと Xhol で二重消化した後、 pET22bの制限酵素 Ndelと Xhol部位へ導入し pET22b-UBP16 (配 列番号 77)を構築した。
実施例 8
UBPの発現と脱ュビキチン化活性の確認
各発現ベクターを大腸菌 BUI (DE3) RIL細胞に形質転換し LB寒天培地で選択培 養を行った後(pET22b を用いた発現べクタ一は、 アンピシリンとクロラムフエ二 コール存在下で選択培養、 pET28aを用いたベクターは、 カナマイシンとクロラム フエ二コール存在下で選択培養を行 た)、それぞれの UBP発現ベクターを保持す る大腸菌を抗生剤を含む LB培地で前培養(37°C、 12時間)を行った。発現誘導は、 前培養液 4 mlを 50mlの LB培地に接種し、 抗生剤に加え 2-メルカプトエタノー ル(終濃度 10 mM)と IPTG (終濃度 0.4 )を添加し 20°Cで 24時間培養を行った。
培養後、 菌体を回収し、 600 ^ 1のリン酸緩衝液 (pH 8. 0) /300 mM NaClで懸濁後、 リゾチーム及び超音波破砕処理により細胞を破砕し遠心分離により粗抽出液を回 収した。 回収した粗抽出液は、 - 2(T で保存すると共に、 脱ュピキチン化活性の確 認に用いた。
調製した各 UBPを含む大腸菌の粗抽出液 3. を、実施例 2で調製したュビキ チン化リゾチーム 6 ^ 1 と 0. 5 1の 20 mM DTTと混合し、 30 で 1時間反応させ た。
反応液全液を SDSポリアクリルアミド電気泳動により分離後、 抗 ub ui t in-X 抗体を用いたウェスタンブロッテイング法でュビキチン化リゾチームを検出した (図 5)。 その結果、 ュビキチン化リゾチームからュビキチンが外されて抗体が認 識するバンドの消失が確認されたのは、 UBP1, 2, 3, 6, 10, 12, 15 であった。 一方、 UBP4, 5, 7, 8, 9, 11, 13, 14, 16では脱ュビキチン化活性をほとんど示 さなかった。 これら、 脱ュビキチン化活性を示さなかった UBPの多くは、 組換え タンパク質として大腸菌内に生産されてはいたものの、 不溶化タンパク質として 回収され、 可溶化タンパク質として生産されていないことをが判明した。 このこ とが粗抽出液に活性型の可溶化タンパク質が回収されず脱ュビキチン化活性を確 認出来なかった理由と考えられる。
実施例 9
UBP2, 3, 10, 12各酵素の検討
脱ュビキチン化活性を示した UBPタンパク質の内、 活性が高かつたタンパク質 UBP2, 3, 10, 12 について各タンパク質を簡易精製し、 タンパク質生産量と脱ュ ビキチン化反応を確認した。
UBPを実施例 8に示す方法に従って発現誘導後、 大腸菌粗抽出液を調製した。 該粗抽出液 1 ml に対し Qiagen 社の説明書に準じて平衡化した Ni- NTA Superf lowを 加え、 4°Cで 1時間転倒混和し、 タンパク質を担体に結合さ せた。 精製担体を洗浄液で洗浄後、 Q. 1 M EDTA (pH 8. 0)を含む洗浄液で UBPタン パク質を溶出させ、 溶出液を使用時まで- 20°Cで保存した。
実施例 2で調製したュビキチン化リゾチーム 3 1、 実施例 4で調製した
Ub-ECFP 7 l (300ng) , または実施例 7で調製したュビキチン化 ECFP 7 1に対
して上記調製した UBP溶出液を 0. 加え、 DTTの終濃度が 1 mMになるよう添 加した総容量 10 / lの反応液を 35°Cで 2時間反応させた。 反応後、 全液を SDSポ リアクリルアミド電気泳動により分離後、 抗 ub u i t i n- X抗体を用いたウェス夕 ンブロッティング法で脱ュビキチン反応を確認した(図 6A〜図 60。その結果、図 6に示すように 4種全てのタンパク質について、 ュビキチン化リゾチームとュビ キチン化 ECFP からの脱ュビキチン化反応が確認された。 また全ての UBP が、 Ub-ECFP融合タンパク質から Ubを切断することが判明した。 これら UBPを SDSポ リアクリルアミド電気泳動により確認すると、. 大腸菌内における組換えタンパク 質としての生産量がそれぞれ異なっていることが判明した。 また、 それぞれタン パク質の保存性や活性の安定性等を比較した結果、 UBP 12 が最も優れていると判 断された。 以上のことから、 UBP 12 を本発明に用いる脱ュビキチン化酵素として 選択し以下の実験を行った。
実施例 1 0
UBP 12の生産性を高めるための遺伝子改変 . 実施例 8に示す発現誘導法を用いて UBP 12を 6Lの LB培地で発現誘導し Ni-NTA superf low を用いて精製を行った。 精製後のタンパク質を電気泳動で分離し染色 すると、図 7Aで示すように精製されてくるタンパク質の内、全長 UBP12のタンパ ク質量は非常に少なく他のバンドが多数確認された。 Ni-NTA superf lowで精製さ れてくるタンパク質を電気泳動で分離したことから、 バンドのいぐつかはヒスチ ジンタグを持つ UBP12由来のバンドであると考え、 電気泳動で確認された主要な バンドについて N末端のアミノ酸配列を決定した。
N末端アミノ酸配列の決定は、 精製 UBP 12溶液を SDSポリアクリルアミド電気 泳動で分離後、 PVDF (polyvinyl idene d i f louride)膜 (Invi trogen社製)に転写し、 タンパク質を染色し、 プロテインシークェンサ一 ABI 491 型を用いてエドマン分 解法によるシークェンスを行った。 その結果、 少なくとも 4本のバンドが UBP 12 由来のものであることが判明した。 バンド 1は 432番目のメチォニンから開始す る MQRNA配列が確認された。 バンド 2は 687番目のロイシンから開始する LNNPG 配列が確認された。 バンド 3は 871番目のメチォニンから開始する MELTD配列が 確認された。そしてバンド 4は 1163番目のメチォニンから開始する MIECN配列が
確認された。
このことからそれぞれのバンドは大腸菌内でタンパク質を合成する際に、 合成 された UBP12の mRNAに対して本来タンパク質の翻訳を開始すべき開始コドンから タンパク質を合成するのではなく、 途中に存在するメチォニンを開始コドンとし て認識し合成開始したか、 あるいは UBP12合成終了後に非特異的な分解を受けた 可能性が考えられる。 実際、 4本のバンドの内 3本はメチォニンから開始するァ ミノ酸配列が確認され、 またアミノ酸配列領域の塩基配列を確認すると、 メチォ ニンの上流にリポソーム結合配列(RBS)様の塩基配列が確認されるものもあった。 以上のことから、 確認された 4種のバンドについて、 それぞれの N末端アミノ酸 配列をコードしている遺伝子領域に変異を導入して非特異的に生産される UBP12 が軽減できるか検討を行った。
変異の導入は、 インバース PCR法を用い、 変異を導入したプライマーをそれぞ れ用意して配列番号 59に示す pET28a- UBP12発現ベクターを丸ごと増幅する手法 を取った。 バンド 1 に対する改変はプライマー inversel- S (配列番号 7 8 )と inverse卜 AS (配列番号 7 9 )を用いて pET28a- UBP12をテンプレートにインバース
PCRを行い、 432番目のメチォニンをァラニンに改変すると共に、該メチォニン上 流にある RBS様配列をリボソームが結合しないようにそしてアミノ酸置換が起こ らないよう改変し pET28a- UBP12- 1 (配列番号 8 0 )を作製した。バンド 2 に対する 改変はプライマー inverse2- S (配列番号 8 1 )と inverse2-AS (配列番号 8 2 )を用 いて pET28a- UBP12- 1をテンプレートにィンバース PCRを行い、 687番目の口イシ ンをァラニンに改変し pET28a- UBP12- 2 (配列番号 8 3 )を作製した。バンド 3に対 する改変はプライマー inverse3- S (配列番号 8 4 )と inverse3- AS (配列番号 8 5 ) を用いて pET28a- UBP12- 2をテンプレートにィンバース PCRを行い、 871番目のメ チォニンをァラニンに改変すると共に、 該メチォニン上流にある RBS様配列をリ ポソームが結合しないようにそしてアミノ酸置換が起こらないよう改変し pET28a- UBP12- 3 (配列番号 8 6 )を作製した。 バンド 4に対する改変はプライマー inverse4- S (配列番号 8 7 )とプライマ一 inverse4- AS (配列番号 8 8 )を用いて pET28a-UBP12-3をテンプレートにィンバース PCRを行い、 1163番目のメチォニン 上流にある RBS様配列をリポソ一ムが結合しないように、 そしてアミノ酸置換が
起こらないように改変し pET28a- UBP12 - 4 (配列番号 8 9 )を作製した。それぞれの 変異導入は、 DNA塩基配列をシークェンサ一で確認した。
4 回に渡り変異を導入した UBP 12 発現ベクター(pET28a- UBP 12- 4) を、 BL21 (DE3) RIL細胞に形質転換し、 発現の誘導を行い、 Ni- NTA superi lowを用いて 精製を行った。 精製タンパク質を SDSポリアクリルアミド電気泳動で分離、 染色 すると、図 7Bに示すように、明らかに UBP12の生産量が増え UBP12の中間産物が 減ったことが確認できた。 また、 遺伝子改変による UBP12の活性に変化は認めら れないことを確認し 。
実施例 1 1
UBP 12へヒスチジンタグ (N末端)と FLAGタグ(C末端)の導入
UBP 12 の遺伝子改変による生産性と精製度は高まったが、 まだ非特異的なバン ドが確認されることが判明した(図 7B)。 このことは、 まだ UBP中間産物が合成さ れていることを示唆する。 そこで、 精製される UBP12が限りなく全長鎖であるよ うにするために、 これまで生産していた UBP 12タンパク質に融合していたヒス夕 グを N末端に移し換え、 C末端には新たに FLAGタグ(Br izzard, B. L. et al. , BioTechniQues, 16, 730-735 (1994) )を融合させた UBP 12発現ベクターの構築を 行った。 この発現ベクターより生産される UBP 12 は、 Ni- NTA superf low と Ant i -FLAG M2 agarose (Sigma社製)を用いた 2段階のァフィ二ティ精製が可能に なり、 UBP12の精製度は格段と高まることが予想された。
そこでまず pET26 (Novagen社製)の Ndelと EcoRI部位の間にヒスチジンタグを コードするリンカ一を導入したベクタ一を構築した。プライマー l inker- S (配列番 号 9 0 )と l inker- AS (配列番号 9 1 )を等モル量混ぜ合わせ 70°C 10分間熱変性さ せた後、 変性プライマー混合液を 1時間かけて室温へ戻すことで両プライマーの ァニーリングを誘導し、リンカーを調製した。該リンカーを PET26の Ndelと EcoRI 部位に挿入することで、 Nde l部位に続いてヒスチジン 6残基をコードする塩基と Ncol部位が挿入された PET26M (配列番号 9 2 )を構築した。
次に、 プライマ一 FLAG- S (配列番号 9 3 )と FLAG- AS (配列番号 9 4 )を用いて pET28a-UBP12-4をテンプレートに PCRを行い 2. 9kbの UBP12断片を増幅し、得ら れた DNA断片を Ndelと Not lで二重消化した。引き続き、 pET28a- UBP12- 4を Ncol
と Ndelで消化し約 900bpの UBP 12の N末端領域をコードする DNA断片を精製した。 調製した 2本の DNA断片を Ndel部位同士で連結させ Ncolと Not lで二重消化した PET26Mへ挿入し PET26M- UBP12- FLAG (配列番号 9 5 )を構築した。 該発現ベクター から生産される は、 N末端にヒスチジンタグが、 そして C末に FLAGタグ
(DYKDDDDK) (配列番号 9 6 ) が融合したタンパク質として生産される。
実施例 1 2
UBP 12- FLAGの発現と精製
PET26M- UBP12- FLAG (配列番号 9 5 )を BL21 (DE3) RIL細胞に形質転換し、 実施例 8で記載した UBP夕ンパク質生産条件と同様に UBP12- FLAGを発現 ·生産した。 6L の LB培地を用いて UBP12- FLAGを発現誘導した大腸菌を回収し、 Qiagenの説明書 に従って Ni_NTA superilowに UBP12- FLAGを吸着、 洗浄を行った。洗浄後、 150 mM imidazole により UBP12 - FLAG を一括溶出した。 溶出した該タンパク質を、 50mM Tris-HC l (pH 7. 5) /150 mM NaClにて透析後、 Sigma社の説明書に従って Ant i- FLAG M2 agaroseを用いて UBP 12- FLAGを精製した。 Ant i- FLAG M2 agaroseへ結合した UBP12-FLAG夕ンパク質を FLAGぺプチド(DYKDDDDK)で溶出した後、 該夕ンパク質 を 25mM Tris-HCl (pH 7. 5) /0. 5 mM DTT/20 %グリセロールで透析し、 透析後の夕 ンパク質溶液を- 20°Cで保存した。精製タンパク質を SDSポリアクリルアミド電気 泳動で確認すると、 図 7C に示すように非特異的なバンドが少ない精製度の高い UBP 12- FLAGタンパク質が回収された。
実施例 1 3
抗 ubidui t in-X抗体セファロースの作製
ュビキチン化リゾチ一ムを濃縮 ·'回収した後に、 脱ュビキチン化酵素で、 リゾ チームを遊離させる実験を行うために、 ュビキチン化リゾチームを濃縮 ·回収す るための抗 ubiaui t in- X抗体をセファロースビ一ズに架橋したァフィ二ティ精製 担体を以下のように作製した。
Act ivated CH-Sep arose (Amersham Biosc iences社製)を説明書に従レ 1 mM塩 酸溶液にて膨潤、 活性化した後、 1のセファロースに対してカップリングバ ッファー(1M重炭酸ナトリウム溶液、 pH 8. 0)で透析した実施例 4 で作製した抗 ubiQui t in- X抗体を 588 / (3. 4 mg/ml)加え、 室温で 2時間転倒混和し抗体をセ
ファロ一スに結合させた。 セファロースからカツプリングバッファーで過剰の抗 体を洗い流し、 残りの活性基を の 1Mエタノールァミンで 1時間転倒混和 しブロッキングした。 その後、 100 mM酢酸緩衝液 (pH 4. 0) I 500 mM塩ィ匕ナトリ ゥムと 100 Tris-HCl (pH 8. 0) I 500 mM塩化ナトリウムで 4回交互に洗浄し た。 洗浄後のセファロースを 25 mM Tris- HC1 (pH 7. 5)に懸濁し 4度で保存した。 実施例 1 4
ュビキチン化リゾチームの濃縮 ·回収およびリゾチームの遊離実験
実施例 1 3で作製した抗 ub ui t in- X抗体セファロースを 20 1に実施例 2で 作製したュビキチン化リゾチームを 50 1加え、 室温で 2時間転倒混和しュビキ チン化リゾチームを抗体に吸着させた。 吸着後 PBS緩衝液でセファロースを洗浄 し非吸着ュピキチン化リゾチ一ムを取り除き、 セファロースを 2 等分し(10 x l ずつ)、 2 mM DTTを 2 1、 25 mM Tris-HCl (pH 8. 0)を 43 1ずつ添加した。 該セ ファロース溶液の一方には実施例 1 2で調製した UBP 12- FLAG 溶液を 5 1 (200ng)加え、 もう一方には 25 mM Tris- HC1 (pH 8. 0)を 5 1加え 35°Cで 2時間 反応させた。 反応後、 セファロースを遠心分離により沈殿させ上清を回収した。 ュビキチン化タンパク質を抗 ub ui t in- X抗体セファロースと混合する前の試 料(30 1) (図 8、 レーン 1)、 セファロースと転倒混和後の非吸着分画(30 1) (図 8、 レーン 2)、セファロース洗浄後に UBP添加(図 8、 レーン 4)あるいは未添加(図 8、 レーン 3)で脱ュビキチン化反応させた反応液(30 l)を SDSポリアクリルアミ ド電気泳動で分離後、 実施例 3で作製した抗リゾチーム抗体を用いてウエスタン ブロッテイング法で解析した。 その結果、 ュビキチン化リゾチームを抗 ub i QU i t in_X抗体セファロースに混ぜることでュビキチン化リゾチームがほぼ全 てセファロースに結合し、 遊離型リゾチームだけが結合せず残っていることが判 明した(図 8、 レーン 2)。ュビキチン化リゾチームが結合したセファロ一スは、 緩 衝液を加えただけではリゾチームが遊離せず(図 8、 レーン 3)、 UBP12-FLAGを添 加することで初めてリゾチームが遊離してくることが判明した(図 8、 レーン 4)。 このとき観察されるリゾチームは、 ュビキチンが 1分子以上結合したリゾチーム としてではなく、 ュビキチンが全て外れたリゾチームとして遊離されることが判 明した。 以上のことから、 抗 ubi ui t in- X抗体セファロースを用いることでュビ
キチン化リゾチームを濃縮 ·回収できることが確認された。 そしてュビキチン化 リゾチームが結合したセファロースに UBP12-FLAGタンパク質を加えることで、脱 ュビキチン化反応が起こり、 ュビキチンを結合していないリゾチームを遊離する ことが確認された。
本明細書で引用した全ての刊行物、 特許および特許出願をそのまま参考として 本明細書にとり入れるものとする。 産業上の利用の可能 '1生
本発明のモノクローナル抗体および脱ュビキチン化酵素を用いることにより、 簡単な操作で生体中のュビキチン化を受けるタンパク質を単離 ·回収することが でき、 生体内のュビキチン化タンパク質を網羅的に解析することが可能である。 本発明のモノクローナル抗体および脱ュビキチン化酵素を用いることにより、 簡単な操作で生体中のュビキチン化を受けるタンパク質を単離 ·回収することが でき、 生体内のュビキチン化タンパク質を網羅的に解析することが可能である。 この結果、 真核細胞内におけるュビキチン依存性タンパク質分解経路によって分 解されるタンパク質群を同定することができる。 配列表フリーテキスト
配列番号 2 , 3、 1 0、 :合成ペプチド
配列番号 4〜 9、 1 2〜1 3、 1 6〜 1 9、 2 2 6〜2 9、 3 1〜 3 4、 3 6、 3 7、 3 9、 4 0、 4 2 - 4 5 , 4 5 0、 5 1、 5 3、 5 4、 5 6、 5 7、 5 9〜6 2、 6 4、 6 5、 6 7 0〜7 3、 7 5、 7 6、 7 8、 7 9、 8 1、 8 2、 8 4、 8 5、 8 9 0、 9 1、 9 3、 9 4 :合成 DNA
配列番号 1 1 pET22b-Ub-ECFPの Ub- ECFP夕ンパク質コード領域
配列番号 1 4 pTrc99a-ECFPの ECFPコード領域
配列番号 2 0 pET22b-UBPlの UBP1コード領域
配列番号 2 5 pET22b-UBP2の UBP2コード領域
配列番号 3 0 pET22b-UBP3の UBP3コード領域
配列番号 35 : pET28a- UBP4の UBP4コード領域 配列番号 3 8 : pET28a- UBP5の UBP5コード領域
配列番号 4 1 : pET22b- UBP6の UBP6コード領域
配列番号 4 6 : pET22b- UBP7の UBP7コード領域
配列番号 4 9 : pET22b- UBP8の UBP8コード領域
配列番号 5 2 : pET28a- UBP9の UBP9コード領域
配列番号 5 5 : pET22b- UBP10の UBP10コード領域
配列番号 5 8 : ET28a-UBPllの匿 11コード領域
配列番号 6 3 : pET28a- UBP12の UBP12コード領域
配列番号 6 6 : pET28a- UBP13の UBP13コード領域
配列番号 6 9 : pET28a-UBP14の UBP14コード領域
配列番号 7 4 : pET22b_UBP15の UBP15コード領域
配列番号 7 7 : pET22b- UBP16の UBP16コード領域
配列番号 8 0 : pET28a- UBP12- 1の UBP12- -1コード領域 配列番号 8 3 : pET28a- UBP12- 2の UBP12- -2コード領域 配列番号 8 6 : pET28a_UBP12- 3の UBP12- -3コード領域 配列番号 8 9 : pET28a- UBP12- 4の UBP12- -4コード領域 配列番号 9 2 : PET26Mの全領域
配列番号 9 5 : ET26M-UBP12-FLAGの UBP 12- FLAGコード領域