明 細 書
光信号コントローラ 技術分野
本発明は、 波長分割多重方式を利用したシステムなどにおいて使用さ れる光信号コントローラ (Optical signal controller) に関する。 背景技術
次世代ィンターネットのバックボーン回線などへの応用が期待され る、 広帯域の光伝送技術である、 波長分割多重 (Wavelength Division Multiplex: WDM)技術に関する開発が活発に行われるようになってき ている。 この WDMでは、 1本の光ファイバに異なる波長の光を通して チャネルを多重化することで、 大容量のデータを双方向に伝送すること が可能になる。 この WDMでは、 1本の光ファイバ中を伝送している複 数の波長から 1つの波長を取り出し Z挿入することが可能になり、伝送 路の有効活用が図られる。
そして、これら WDMを使用するローカルエリアネットワーク (Local Area Network: L AN) などにおいては、 複数の波長の光信号を多重 化する合波器、及び夫々の波長の光信号を分離する分波器をコントロー ラに備える必要がある。 特定の波長の光信号を分波または合波するには、 波長選択フィルタを利用する技術が一般に知られており、 例えば、 特開 平 8— 2 4 8 2 6 0号公報に波長選択フィルタを光導波路基板に接着 固定する構造等が開示されている。
しかしながら、 光導波路基板に波長選択フィルタを接着固定する上述 した構造では、ネットワークにおいて使用される光信号の波長の変更ま たは追加がある度に、 合波器及び分波器を交換しなければならない。 ま
た、個々製品毎に使用される光信号の波長が異なると個別に波長選択フ ィルタを接着固定する工程が必要になり、 製造コストも高くなる。 本発明の主たる目的は、 分波または合波する波長の変更または追加を 簡単に行うことができる光モジュールを有する光信号コントローラを 提供することである。 発明の開示
本発明の光信号コントローラは、 一の波長を有する光波または互いに 異なる波長を有する光波群である第 1の光波から、一または互いに異な る波長を有する複数の第 2の光波を分波するための光モジュールを有 する光信号コントローラであって、 前記光モジュールは、 前記第 1の光 波を一または複数の特定領域に誘導するための第 1の光導波路及び前 記特定領域から前記第 2の光波を誘導するための一または複数の第 2 の光導波路を有する導波路ユニットと、 前記第 1の光波から一または互 いに異なる波長を有する複数の前記第 2の光波を分波するためのフィ ルタを有する一または複数のフィルタュ-ットとを備えており、前記導 波路ュ-ットと前記フィルタュニットとは着脱可能であって、 前記導波 路ュニットと前記フィルタュニットとの嵌合時に前記フィルタが前記 特定領域に位置する。
また、 別の観点から見て本発明の光信号コントローラは、 一または互 いに異なる波長を有する複数の第 2の光波を合波することで、 一の波長 を有する光波または互いに異なる波長を有する光波群である第 1の光 波を生成するための光モジュールを有する光信号コントローラであつ て、 前記光モジュールは、 前記第 1の光波を一または複数の特定領域に 誘導するための第 1の光導波路及び前記特定領域から前記第 2の光波 を誘導するための一または複数の第 2の光導波路を有する導波路ュニ
ットと、一または互いに異なる波長を有する複数の前記第 2の光波を合 波するためのフィルタを有する一または複数のフィルタュニットとを 備えており、 前記導波路ュ-ットと前記フィルタュ二ットとは着脱可能 であって、 前記導波路ュニットと前記フィルタュニットとの嵌合時に前 記フィルタが前記特定領域に位置する。
本発明によると、 分波 Z合波手段が着脱可能なため、 分波 Z合波手段 を変更また追加するという簡単な作業で分波 合波する波長の変更ま たは追加を行うことができる。 また、 分波 Z合波する波長の追加を行う ことができるため、 ユーザは状況に応じた設備投資を行うことができる。 さらに、 分波/合波手段の接着工程がなくなるため、 光モジュールの製 造コストを下げることができる。
さらに、 別の観点から見て本発明の光信号コントローラは、一または 互いに異なる波長を有する複数の光波を合波するため、 または、 一また は互いに異なる波長を有する複数の光波を分波するための光モジユー ルを有する光信号コントローラであって、板状のクラッド層の表面に形 成された一または複数の凹部と、 前記クラッド層の一端部から全ての前 記凹部の一内面壁を順に経由した後に前記クラッド層の一端部に至る まで形成される第 1の光導波路と、 前記クラッド層の一端部から前記凹 部の第 1の光導波路が経由した一内面壁と対向する他方の内面壁に至 るまで形成される一または複数の第 2の光導波路とを有する光導波路 基板、及び前記光導波路基板を保持する導波路ハウジングを有する導波 路ユニットと、一または複数の波長の光を透過させるフィルタ、 及ぴ前 記フィルタを保持するフィルタハウジングを有するフィルタュニット とを備えており、前記導波路ュ-ットと前記フィルタユニットとは着脱 可能であって、 前記導波路ュ-ットと前記フィルタュニットとの嵌合時 に前記フィルタが前記凹部に位置する。
本発明によると、 フィルタユニットが着脱可能なため、 フィルタュニ ットを変更また追加するという簡単な作業で分波 Z合波する波長の変 更または追加を行うことができる。 また、 分波/合波する波長の追加を 行うことができるため、 ユーザは状況に応じた設備投資を行うことがで きる。 また、 フィルタの接着工程がなくなるため、 光モジュールの製造 コストを下げることができる。
本発明においては、 前記フィルタが誘電体多層膜フィルタであること が好ましい。 これによると、 既知技術の誘電体多層膜フィルタを利用し て、 複数種類のフィルタュニットを容易に提供することができる。
また、 本発明においては、 前記クラッド層の表面に 7つの凹部が形成 されていてもよい。 この場合、 7つのフィルタを設置することができる ため、 最大 8つの波長の光波を合波 Z分波することができる。
さらに、 本発明においては、 前記クラッド層の表面に複数の前記凹部 が千鳥状に配置されるように形成されていることが好ましい。 これによ ると、 フィルタを千鳥状に効率よく配置することができるため、 光モジ ュールの小型化を図ることができる。
加えて、 本発明においては、 前記フィルタハウジングには一または複 数のガイドビンが形成されており、 前記導波路ハウジングには前記導波 路ュニットと前記フィルタュニットとの嵌合時に前記フィルタハウジ ングのガイ ドビンが揷入されるガイド溝が形成されていること、 または、 前記導波路ハゥジングには一または複数のガイ ドピンが形成されてお り、 前記フィルタハウジングには前記導波路ュ-ットと前記フィルタュ ニットとの嵌合時に前記導波路ハウジングのガイ ドビンが挿入される ガイ ド溝が形成されていることが好ましい。 これによると、 簡単な構造 でフィルタュ-ットと導波路ュニットとの着脱を正確に行うことがで さる。
また、 本発明においては、 前記導波路ユニットと前記フィルタュニッ トとの嵌合した状態を保持するための保持部材をさらに備えているこ とが好ましい。 これによると、 導波路ユニットとフィルタユニットとが 不用意に外れるのを防止することができる。
さらに、 本発明においては、 前記導波路ュュットが、 前記導波路ハウ ジングと嵌合し、 前記導波路ハゥジングとの嵌合時において前記凹部に 対向する一または複数の孔が形成されている導波路パッケージをさら に有し、 前記フィルタユニットは、 前記導波路ハウジングと前記導波路 パッケージとが嵌合した後に、 前記導波路パッケージに形成された孔と 嵌合することが好ましい。 これによると、 フィルタユニットの着脱の際 にも、 光導波路基板を保護することができる。
加えて、 本発明においては、 前記導波路パッケージには一または複数 のガイドビンが形成されており、 前記導波路ハウジングには前記導波路 パッケージと前記導波路ハウジングとの嵌合時に導波路パッケージの ガイドビンが揷入されるガイド溝が形成されていること、 または、 前記 導波路ハウジングには一または複数のガイ ドビンが形成されており、 前 記導波路パッケージには前記導波路ハウジングと前記導波路パッケー ジとの嵌合時に導波路ハウジングのガイ ドビンが挿入されるガイ ド溝 が形成されていることが好ましい。 これによると、 簡単な構造で導波路 ハウジングと導波路パッケージとの正確な着脱を可能にする。
また、 本宪明においては、 前記導波路ユニットと前記フィルタュニッ トとを覆うように前記導波ハウジングと嵌合する防塵ュニットをさら に備えていることが好ましい。 これによると、 導波路ユニットとフィル タュニットとを保護することができる。
さらに、 本発明においては、 前記フィルタの少なくとも 1つが、 使用 される全ての波長の光を全反射してもよい。 これによると、 一部の凹部
にフィルタが配置されていないために第 1の光導波路が途切れている 場合でも、使用される全ての波長の光を全反射させるフィルタを当該凹 部に配置することで第 1の光導波路を途切れないようにすることがで きる。 図面の簡単な説明
図 1は、本発明に係る第 1の実施の形態のコントローラを含むネット ワークのシステム構成の一例を示す図である。
図 2は、 図 1に示すコントローラが備える光モジュールの構成を示す 外観図である。
図 3は、 図 1に示すコントローラが備える導波路ュニットの平面図で ある。
図 4は、 図 2に示す導波路ュニットに形成される各光導波路の形状を 示す断面図である。
図 5は、 図 2に示す嵌合前の導波路ユニットとフィルタユニットとを 示す側面図である。
図 6は、 図 2に示す光モジュールの断面図である。
図 7 ( a ) は、 合波器の作用を説明するための図である。
図 7 ( b ) は、 分波器の作用を説明するための図である。
図 8は、 第 2の実施の形態に係る光モジュールの構成を示す外観図で ある。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明に係る好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明 する。
<第 1の実施の形態〉
まず、 第 1の実施の形態における光信号コントローラ (以下コント口 ーラと略す) の構成について図 1を参照しつつ説明する。 図 1は、 本実 施の形態におけるコントローラ 1 0を含むネットワーク 1のシステム 構成の一例を示す図である。 尚、 図中の矢印は光信号の伝送方向を示し ている。
図 1に示すネットワーク 1は、 外部のネットワーク及ぴノード 30 a 〜30 cに接続される各端末間のデータ通信を行うものであり、 外部の ネットワークに接続されたコントローラ 10と、 コントローラ 10とノ ード 30 a〜30 cをループ状に接続する光ファイバ 3とを備えてい る。
コントローラ 10は、 ネットワーク 1上の信号をコントロールするた めのものあり、 電気スィッチである Layer 3 Switch (以下、 L 3 SWと 称す。) 1 1と、 L 3 SW1 1のポート S P 0に接続された外部用変換 器 12と、 L 3 SW1 1のポート SP 1〜SP 8に接続されたマルチプ レックスモジュール (以下、 MPXモジュールと称す。) 13とを備え ている。
L3 SW1 1は、 LAN (Local Area Network) などで用いられる公 知のスィッチで、 OS I (Open Systems Interconnection) の 7層モデ ルの第 3層レベルのスイッチングを行う装置である。 この L 3 SW1 1 は、 L 3 SW1 1の各ポートに入力されるデータをそれに含まれる宛先 ァドレスに基いてその宛先ァドレスに対応するポートからデータを出 力し、 ネットワーク 1上の信号のスィツチングを行う。 尚、 宛先ァドレ スとして広く使用されている I Pアドレスなどが考えられる。 L 3 SW 1 1のスィツチ機能とは、 I Pァドレスに対しスィツチングするもので ある。 また、 L 3 SW1 1の代わりに公知のルータによりネットワーク 間をルーティングする手法もとることができる。
外部用変換器 12は、 ネットワーク 1の外部から入力される、 例えば 波長 1. 3 (μπι) の光信号を電気信号に変換して電気信号を L 3 SW 1 1のポート S Ρ 0へ出力し、 また、 L 3 SW1 1のボート S Ρ 0から の電気信号を、 例えば波長 1. 3 (μπι) の光信号に変換して光信号を 外部へ出力する。
MP Xモジュール 1 3は、 L 3 SW 1 1のボート S P 1〜S P 8の 夫々に接続された変換器 2 〜 28と、 合波器 14と、 分波器 15とを 備えている。 変換器 21〜 28は、 夫々と接続される L 3 SW1 1の ポート S P 1〜SP 8から入力される電気信号を夫々に対応する波長 λ 1〜λ 8の光信号に変換して光信号を合波器 14へ出力し、 また、 分波 器 15からの波長 λ1〜λ 8の光信号を電気信号に変換して電気信号を 夫々と接続される L 3 SW1 1のポート S Ρ 1〜S Ρ 8へ出力する。 こ こで、 波長 λ1〜λ8は、 互いに異なっており、 例えば、 1. 5 (μπι) 帯の波長である。
合波器 14は、変換器 21〜28からの波長 λ 1〜λ 8の光信号を合波 してネットワークの光ファイバ 3へ出力する光モジュールである。 分波 器 15は、光ファイバ 3からの光信号を波長 λ 1〜λ 8の光信号に分波し て、 夫々の波長に対応した変換器 2:!〜 28へ出力する光モジュールで ある。
以上の構成でコントローラ 10は、 ネットワーク 1の波長分割多重伝 送による信号をコントロールしている。
次に合波器 14または分波器 1 5として作用する光モジュール 1 0
0の構造について図 2〜図 6を参照しつつ説明する。 図 2は、 嵌合前の 光モジュール 100の外観図であり、 完成すると分波器 14あるいは合 波器 15になる。 図 3は導波路ユニット 2の平面図である。 図 4は各光 導波路 16、 1 7 a〜l 7 gの形状を示す断面図である。 図 5は導波路
ュニット 2とフィルタュニット 4 aとの嵌合状態を示す断面図である。 尚、 導波路ユニット 2は図 2における A— A断面図を、 フィルタュニッ ト 4 aは図 2のおける B— B断面図を示している。 図 6は光モジュール' 1 0 0の断面図である。 尚、 図 5と同様に導波路ユニット 2は図 2にお ける A— A断面図を、 フィルタュニット 4 aは図 2のおける B— B断面 図を示している。
図 2に示すように、 光モジュール 1 0 0は、 導波路ユニット 2と、 こ の導波路ュニット 2に着脱可能に嵌合するフィルタュニット 4 a〜4 gと、 さらに導波路ュニット 2に着脱可能に嵌合する蓋となる防塵パッ ケージ (防塵ユニットの一例) 5とを備えて構成されている。 光モジュ ール 1 0 0は 7つのフィルタユニット 4 a〜4 gを装備可能に構成さ れており、 これら各フィルタユニット 4 a〜4 gは、 夫々独立した状態 で導波路ユニット 2に対して着脱自在に嵌合される。 尚、 導波路ュニッ ト 2に対して装備されるフィルタュニットの数はネットワーク 1にお いて使用される波長の数によって決定される。
導波路ユエット 2は、 図 2〜図 6に示すように、 略直方体をした光導 波路基板 7と、 これを内嵌支持する光導波路基板側パッケージハウジン グ 8とから構成されている。 光導波路基板 7は、 高屈折率のコアを低屈 折率のクラッド層 1 9で包んだ 2重構造で形成されている。 半導体レー ザや L E Dをコアに照射すると屈折率の違いによりコアとクラッド層 1 9との間で全反射を起こし、 光が外へ漏れることがない。 これら屈折 率が異なるコアとクラッド層 1 9とは、 石英などの無機材料、 或いは、 プラスチックなどの有機材料で作成可能である。
クラッド層 1 9には平面視で千鳥状に配置されたフィルタ揷入用穴 (凹部) 9 a〜9 gと、 第 1光導波路 1 6と、 第 2光導波路 1 7 a〜l 7 gとが形成されている。 クラッド層 1 9に形成されたフィルタ挿入用
穴 9 a〜9 gは、 導波路ュニット 2とフィルタュニット 4とが嵌合する 時に、 フィルタュニット 3の後述するフィルタ 3 2 a〜3 2 gが夫々揷 入される部分である。従って、通常フィルタ揷入用穴 9 a〜9 gの幅は、 フィルタ 3 2 a〜3 2 gの厚さよりも広く形成され、 例えば、 厚さが 1 5 μιη程度のフィルタフィルタ 3 2 a〜 3 2 gに対してフィルタ揷入用 穴 9 a〜9 gの幅は 2 5 μηι程度となるように形成される。
第 1光導波路 1 6はクラッド層 1 9の角部近傍の側面部からフィル タ揷入用穴 9 a〜 9 gの一内面壁を順に経由して同じ側面部の反対側 の角部近傍に至るまで形成されたものである。 第 2光導波路 1 7 a〜l 7 gはクラッド層 1 9の側面部からフィルタ揷入用穴 9 a〜9 gの第 1光導波路が経由した一内面壁と対向する他方の内面壁を夫々経由し て再び同じ側面部に至るまで形成されたものである。 この各光導波路 1 6、 1 7 a〜1 7 gの形成は前述のようにクラッド層 1 9に屈折率を大 きくしたコアからなる光路を作成する公知の技術で可能である。 各光導 波路 1 6、 1 7 a〜l 7 gは、 夫々、 所定の角度をもってフィルタ挿入 用穴 9 a〜9 gに夫々交わっている。 ここで、 各光導波路 1 6、 1 7 a 〜1 7 gを伝播している光波がフィルタ 3 2 a〜3 2 gによって反射 されて各光導波路 1 6、 1 7 a〜l 7 gへ入射される際の損失を小さく するため、 最適な入射角度、 最適な反射角度、 フィルタ 3 2 a〜3 2 g の厚さ、 及ぴフィルタ揷入用穴 9 a〜9 gの幅、 並びに、 夫々の相互位 置関係からこれらの値は適切に定められる。
また、 各フィルタ揷入用穴 9 a〜9 gにおいて、 第 1光導波路 1 6の 一方の中心線と第 2光導波路 1 7 a〜l 7 gの各中心線とは略同一線 上にある。 また、 図 4に示すように、 各光導波路 1 6、 1 7 a〜1 7 g は互いに等しい矩形状の断面形状を有している。 そしてクラッド層 1 9 の側面上にある各光導波路 1 6、 1 7 a〜1 7 gの各端面で不図示の光
ファイバなどが接続される。 各光導波路 1 6、 1 7 a〜l 7 gに接続さ れた光ファイバなどは、 夫々、 光導波路基板側パッケージハウジング 8 の後述する光ファイバ路 20から外部へ出る。
光導波路基板側パッケージハゥジング 8は、 各光導波路 1 6、 1 7 a 〜1 7 gに続く 1 6箇所の三角孔状の光ファイバ路 20と、 1 4箇所の ユニット内嵌用溝 2 9と、 14箇所のピン揷入用穴 (ガイド溝の一例) 3 1と、 光導波路基板 7を嵌め込むための矩形大孔 3 2と、 仕切り壁 3 5とが形成された矩形枠形状のものに構成されている。 対向する一対の ュ-ット内嵌用溝 29、及び同じく対向する一対のピン揷入用穴 3 1の 四者は、 同一直線上に配置されており、 また、 それらのいずれも開口部 がテーパ状に力ットされており、後述する嵌合部 3 3とガイドビン 34 とが入り易くしてある。
フィルタュニット 4 a〜4 gは、図 2、図 5、及ぴ図 6に示すように、 その左右両端部に形成された嵌合部 3 3 a〜3 3 gと、 それらの内側の 位置に植設されたガイドビン 34 a〜34 gと、 フィルタ 3 8 a〜 3 8 gを支持する支持枠 3 6 a〜3 6 gとをフィルタハウジング 3 7 a〜 3 7 gに一体的に装備して構成されている。
支持枠 36 a〜3 6 gに支持されるフィルタ 38 a〜3 8 gは、 基板 に複数枚の誘電体膜が重なり合うようにして形成される誘電体多層膜 フィルタを使用することができる。 導波路ユニット 2とフィルタュニッ ト 4 a〜 4 gとの嵌合時に、 フィルタ 38 a〜3 8 gの一部が導波路ュ ニッ ト 2の光導波路基板 7のクラッド層 1 9に形成されたフィルタ揷 入用穴 9 a〜9 gに挿入される。 フィルタ 38 a〜 38 gがフィルタ揷 入用穴 9 a〜9 gに挿入されるため、 各光導波路 1 6、 1 7 a〜1 7 g を伝播している光波は、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gに夫々達してフィルタ 3 8 a〜3 8 gを透過し、 或いは、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gによって反
射される。 但し、 誘電体膜を適宜選択することによってフィルタ 3 8 a 〜3 8 gを透過する 1又は複数の光波の波長とフィルタ 3 8 a〜3 8 gを反射する 1又は複数の光波の波長とを調節することができる。 尚、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gとして、誘電体多層膜フィルタ以外のものを利 用するようにしてもよレ、。
嵌合部 3 3 a〜 3 3 gは、 フィルタハウジング 3 7 a〜3 7 gの左右 両端部における前後の肉を削つた状態の矩形状に形成されており、 ュニ ット内嵌用溝 2 9に嵌合自在である。 ガイドビン 3 4 a〜 3 4 gは正確 な位置決め用の部材であり、 ピン挿入用穴 3 1に嵌合自在な丸棒状に形 成されている。
つまり、 フイノレタュニット 4 a〜4 gは、 一対のガイドピン 3 4 a〜 3 4 gをピン挿入用穴 3 1に、及ぴ一対の嵌合部 3 3 a〜 3 3 gをュニ ット内嵌用溝 2 9に夫々揷入及び離脱が自在であり、 それによつて導波 路ュニット 2に対して着脱自在に装備することができる。 装着された状 態では、 図 6に示すように、 各フィルタ 3 8 a〜3 8 gは対応した各フ ィルタ挿入用穴 9に内嵌されるように設定されている。
従って、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gが故障したり損壌したりした場合に は、 その故障又は損壌したフィルタ 3 8 a〜3 8 gを有したフイノレタュ ニット 4 a〜4 gのみを付け替えれば良い。 また、 図 2のように 8波用 であっても、 実際には 5波しか使わない場合には、 4個のフィルタュニ ットを用意すれば良レ、。 このように、 必要となるフィルタユニットだけ 装備できるので、 無駄を省いて経済的に使用できる禾 lj点がある。
防塵パッケージ 5は、 導波路ユニット 2の蓋となるものであり、 ブイ ルタユニット 4 a〜4 gが装着された導波路ュニット 2に被せた状態 を図 6に示す。 防塵パッケージ 5の周囲の覆い壁部のうち左右のものに は、 光ファイバ路 2 0に光ファイバ 3を導きための切欠き 3 9が対応し
た数だけ形成されている。
上述した構造を有する光モジュール 1 0 0は導波路ュニット 2とフ ィルタユニット 4 a〜4 gとの嵌合時において合波器 1 4または分波 器 1 5として夫々機能する。 次に合波器 14及び分波器 1 5の作用につ いて図 7 (a) 及び図 7 (b) を参照しつつ説明する。 図 7 (a) は合 波器 1 4としての作用を説明するための図である。 図 7 (b) は分波器 1 5としての作用を説明するための図である。 ここでは、 8つの波長 λ 1〜λ 8の光波が用いられ、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gを形成する誘電体 膜が夫々波長 λ 1 ~λ 8の光波を透過させるとともに、夫々が透過させる 波長以外の波長の光波を反射させる場合を例に挙げて説明する。
図 7 (a) に示すように、 光モジュール 1 00が合波器 1 4として作 用する場合には、 光モジュール 1 00外から波長 λΐの光波が第 1光導 波路 1 6に入射されるとともに、波長 λ 2〜λ 8の光波が夫々第 2光導波 路 1 7 a〜l 7 gに入射される。
そして、 第 1光導波路 1 6を伝播してきた波長 λΐの光波がフィルタ 38 aに反射されるとともに第 2光導波路 1 7 aを伝播してきた波長 λ 2の光波がフィルタ 3 8 aを透過して、 第 1光導波路 1 6内で波長 λΐ の光波と波長 λ 2の光波とが合波される。 さらに第 1光導波路 1 6を伝 播してきた波長 λΐの光波と波長 λ 2の光波との合波光がフィルタ 3 8 bに反射されるとともに第 2光導波路 1 7 bを伝播してきた波長 λ3の 光波がフィルタ 38 bを透過して、 第 1光導波路 1 6内で波長 λΐの光 波と波長 λ 2の光波との合波光に対してさらに λ 3の波長の光波が合波 される。同様にフィルタ 3 8 c〜3 8 gを透過する波長 λ 4〜λ 8の光波 が第 1光導波路 1 6内で順に合波され、 光モジュール 1 00内から λΐ 〜λ 8の波長の光波が合波された光波が出力される。
図 7 (b) に示すように、 光モジュールが分波器 1 5として作用する
場合には、分波器 1 5外から λ 1〜λ 8の波長の光の合波光が第 1光導波 路 1 6に入射される。
そして、第 1光導波路 1 6を伝播してきた合波光のうち λ 1〜λ 7の波 長の光波がフィルタ 3 8 gに反射されるとともに、 第 1光導波路 1 6を 伝播してきた λ 8の波長の光波のみがフィルタ 3 8 gを透過して第 2光 導波路 1 7 gに分波される。 さらに第 1光導波路 1 6を伝播してきた合 波光のうち λ 1〜λ 6の波長の光波が合波された光波がフィルタ 3 8 f に反射されるとともに、 第 1光導波路 1 6を伝播してきた X 7の波長の 光波のみがフィルタ 3 8 f を透過して第 2光導波路 1 7 f に分波され る。同様にフィルタ 3 8 a〜3 8 eにおいて波長 λ 1〜λ 6の光波が夫々 順に分波され、分波器 1 5内力ゝら分波された λ 1〜λ 8の波長の光波がそ れぞれ出力される。
ここで、 フィルタ 3 8 a〜 3 8 gを形成する誘電体膜を適宜選択する ことによって、 それぞれ異なる波長の光波を透過させ、 それ以外の波長 の光波を反射させるようなフィルタ 3 8 a〜3 8 gを造って、 これをフ ィルタュエツト 4 a〜4 gに利用すれば、 異なる波長に対応する合波器 1 4及び分波器 1 5として作用させることができる。
また、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gに用いる誘電体膜を適宜選択すること によって、波長 λ 1〜λ 8の全ての光波を反射させるようなフィルタ 3 8 a〜3 8 gを造って、 これをフィルタユニット 4 a〜4 gに利用すれば、 フィルタ 3 8 a〜 3 8 gが第 1光導波路 1 7の一部となって第 1光導 波路 1 7内を伝播する波長 λ 1〜λ 8の光波を全反射させることができ る。 つまり、 使用されていない第 2光導波路 1 7 a〜l 7 gに隣接する フィルタ揷入用穴 9 a〜9 gに波長 λ 1〜λ 8の全ての光波を反射させ るようなフィルタ 3 8 a〜3 8 gが揷入されることで、 第 1光導波路 1 6は、波長 λ 1〜λ 8の全ての光波を当該フィルタ挿入用穴 9 a〜 9 gに
おいて途切れることなく伝播させる。
以上説明した第 1の実施の形態によると、 フィルタュニット 4 a 〜 4 gが着脱可能なため、 フィルタュニット 4 a 〜 4 gを変更また追加する という簡単な作業で合波または分波する波長の変更または追加を行う ことができる。 また、 合波または分波する波長の変更または追加を行う ことができるため、 ユーザは状況に応じた設備投資を行うことができる。 また、 フィルタ 3 8 a〜 3 8 gの接着工程がなくなるため、 光モジユー ル 1 0 0の製造コストを下げることができる。
く第 2の実施の形態 >
次に第 2の実施の形態におけるコントローラの構成について図面を 参照しつつ説明する。 第 2の実施の形態は、 光モジュール 1 0 1の構造 以外が、 第 1の実施の形態と実質的に同等であり、 第 1の実施の形態に 係る光モジュール 1 0 1の構造以外の説明が適用できるため詳細は省 略する。
合波器 1 4または分波器 1 5として作用する光モジュール 1 0 1の 構造について図 8を参照しつつ説明する。 図 8は、 嵌合前の光モジユー ノレ 1 0 1の外観図である。 光モジュール 1 0 1は、 導波路ュニット 4 1 と、 この導波路ュニット 4 1に着脱可能に嵌合するパッケージ 4 2と、 このパッケージ 4 2に対して着脱自在に装備される 7個のフィルタュ ニット 4 3 a〜 4 3 g ( 4 3 a以外は図示しない) とから構成される。 導波路ュニット 4 1は、 光導波路基板 4 4と、 これを内嵌する光導波 路基板側パッケージハウジング 4 5とで構成されている。 光導波路基板 4 4は、 前述した光導波路基板 7と実質的に同等であり光導波路基板 7 の説明が適用できるため詳細は省略する。 光導波路基板側パッケージハ ウジング 4 5には、 光導波路基板 4 4を内嵌するための大矩形孔 5 1 、 4箇所のピン挿入用穴 5 2、 光ファイバ通し用の多数の V溝 5 3等が形
成されている。
パッケージ 4 2は、 ピン揷入用穴 5 2に揷入自在なガイドビン 5 4を 基枠 5 6の四隅に支持してあるとともに、 千鳥状に配置された 7箇所の フィルタ挿入用孔 5 5と、左右一対の隠し壁 5 6とを有して構成されて いる。
フィルタユニット 4 3 a〜4 3 gは、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gと、 こ れを上側において支持するハウジング 5 7 a〜5 7 gとで構成されて おり、 いずれのフィルタ揷入用孔 5 5にも圧入的に装着及び離脱が可能 となるように、 ハウジング 5 7とパッケージ 4 2との寸法を設定してあ る。 つまり、 フィルタ 3 8 a〜3 8 gが損傷すれば、 その損傷したフィ ルタ 3 8 a〜 3 8 gを有したフィルタュニット 4 3 a〜4 3 gのみの 交換が行えるようになつている。
そして、 4箇所のガイドビン 5 4を対応するピン挿入用穴 5 2に入れ 込み、 かつ、 各フィルタ揷入用孔 5 5にフィルタュ-ット 4 3 a〜4 3 gを挿入することにより光モジュール 1 0 1を構成することができる。 以上説明した第 2の実施の形態によると、 第 1の実施の形態の効果に 加え、 フィルタユニット 4 3 a〜4 3 gの着脱の際にも、 光導波路基板 4 4を保護することができる。
以上、 本 明の実施の形態について説明したが、 本発明は上述の実施 の形態に限られるものではなく、 特許請求の範囲に記載した限りにおい て、 様々な設計変更が可能なものである。 例えば、 第 1及の実施の形態 では、 7個のフィルタユニット 4 a〜4 gを備えることが可能な構成で あるが、 このような構成に限定されるものではな'く、 8以上のまたは 6 以下の数のフィルタュニットを備えることが可能な構成でもよい。 また、 第 1の実施の形態では、 クラッド層 1 9上にフィルタ揷入用穴 9 a〜 9 gを千鳥状に形成される構成であるが、 このような構成に限定
されるものではなく、 Y分岐が連結されるようにフィルタ挿入用穴 9 a 〜9 gを形成する構成でもよい。
また、 第 1の実施の形態では、 導波路ュニット 2とフィルタユニット 4 a〜4 gとが嵌合することによって保持される構成であるが、 このよ うな構成に限定されるものではなく、 導波路ュ-ット 2とフィルタュニ ット 4 a〜4 gとの嵌合状態を保持する保持部材をさらに備える構成 でもよいし、 嵌合部に口ック機構を設けて嵌合を保持するような構成で もよい。