WO2004080317A1 - 髄内釘 - Google Patents

Description

明 細 書 髄内釘 技術分野

： 本発明は、 関節や骨折箇所の骨を固定する 目的、 特に、 足関節を 固定する 目的に使用されて好適な髄内釘に関する ものである。 背景技術

骨折の治療等に際しての骨の固定には髄内釘が有効とされ、 最近 ではこれによる固定がよ く 行われている。. 即ち、 骨折箇所を通して 髄内に髄内釘を挿入し、 髄内釘に形成された横孔に骨折箇所を挟ん で少な く と も二本以上の横止めネジを通して固定する方法である。 しかし、 この方法では、 場所によっては横止めネジが通せないこ と もある。

, 一方、 リ ウマチ等では足関節に障害がある場合も多 く、 この場合 は足関節を固定するのが有効とされている。 足関節の固定は非常に 難し く、 .従来は、 ネジ釘を脛骨から斜めに通して距骨や踵骨にネジ 込む方法、 プレー トを脛骨、 距骨及び踵骨に沿わせ、 横止めネジで 固定する方法、 脛骨と踵骨とにピンを立て、 これを創外固定器で固 定する方法等が行われていた。

しかし、 これらの方法に共通しているこ とは、 関節を固定する力 が弱いこ とである。 特に、 関節面内における回転や曲げに対しての 阻止力が弱い点が挙げられる。 その結果、： 術後長期に亘るキブス等 による外固定と患肢の免荷、 即ち、 患部に荷重 （体重） をかけられ ない状態を要した。 又、 創外固定器を使用した場合、 ピンの刺入部 が不潔にな り易 く、 再々の消毒を必要とする。 一方、 このような足関節の固定の場合、 従来の髄内釘を使用する こ と も考えられないではない。 しかし、 距骨や踵骨には横止めネジ がう ま く 通せず、 充分な固定力、 特に、 回転に対する充分な阻止力 が得られない点では従来法とあま り変わり はない。

本発明は、 このような課題を解決する ものであ り、 要するに、 強 力な固定力が得られ、 且つ、 装填が容易な髄内釘を提供せんとする ものである。 発明の開示

以上の課題の下、 本発明に係る髄内釘は、 外周に放射状に突出す る複数のフィ ンが形成されるこ とを特徴とする ものである。 そ して、 この構成において、 後端にネジ穴が穿たれ、 ネジ穴に径大の頭部を 有するネジが螺合される こ とを特徴とする ものである。

以上の手段をとる こ とによ り、 即ち、 髄内釘に設けられた複数の フ ィ ンが髄組織及び皮質骨に対して抵抗と して働き、 関節や骨相互 が動こ う とするのを抑制する。 特に、 回転力に対する抑止力が大き く、 この点で関節の固定に非常に有効である。 又、 このフ ィ ンは横 止めネジの代わり となる ものであるから、 従来、 この部分に必要と されていた横止めネジを廃する こ とができる。

一方、 髄内釘に形成したネジ穴に螺合されるネジを使用する と、 髄内釘とネジとで間に挟んだ関節や骨を締め付けるこ とができるか ら、 これによつても固定力を強めるこ とができる。 そして、 ネジの 締付力を調整する こ とによ り、 固定力を一層強化したり、 更に、 予 圧を与えて締め付けるようなこ とも可能になる。 図面の簡単な説明

第 1 図は、 本発明に係る髄内釘の実施例を示す側面図である。 第 2 図は、 本発明に係る髄内釘の実施例を示す側面図である。 第 3 図は、 本発明に係る髄内釘の実施例を示す拡大背面図であ る。

第 4図は、 本発明に係る髄内釘の実施例を示す拡大横断面図で ある。

第 5 図は、 本発明に係る髄内釘の使用状態を示す説明図である, 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明に係る髄内釘を用いて足関節を固定する場合につい て図面を参照して説明する。 第 5 図は足の骨格を示す模式図である が、 足の骨は下から踵骨 1 0、 距骨 1 2、. 脛骨 1 4 と連なっており- 踵骨 1 0 と距骨 1 2 との接合面及び距骨 1 2 と脛骨 1 4 との接合面 がそれぞれ関節 1 6、 1 8 を形成している。

第 1 図及び第 2 図は本発明に係る髄内釘の一部断面側面図である が、 こ の髄内釘 2 0 は、 従来と同様、 内部に中空部 2 4 を有する棒 状体をしている ものであるカ 、 外周に複数のフ ィ ン 2 6 が形成され る点が特徴である。 尚、 髄内釘 2 0 は、 髄組織に悪影響を及ぼさず- 锖等の発生しない金属、 例えば、 チタ ン合金等で製作される。

第 3 図は髄内釘 2 0の拡大背面図であるが、 本例では、 フィ ン 2 6 は髄内釘 2 0 の元部から中途にかけて不等間隔で四枚形成されて いる。 又、 フ ィ ン 2 6の外径は髄内釘 2 0 の外径に対して 1 . 5 〜 2倍程度出っ張つている。 更に、 フ ィ ン 2 6 が形成される長さは全 長の 2 0 〜 4 0 %程度である。 但し、 これらはあ く まで一例であつ て、 フ ィ ン 2 6 の間隔、 数 （複数であるこ とは必要） 、 突出長及び 形成長等はこれに限定されない。

第 4 図は髄内釘 2 0の拡大横断面図であるカ^ 髄内釘 2 0 には又、 径方向に横止めネジ （図示省略） を挿通する貫通孔 2 8 が適宜閭隔 で形成されている。 更に、 先端から元部寄り にかけて貫通孔 2 8 の 方向と 9 0 ° 位相を変えた位置にすり割溝 3 0が形成されている。 このすり割溝 3 0 は、 髄内釘 1 0 の内外の髄組織の流通を許容する ためのものであ り、 こ うするこ とによって治療効果が高まるこ とが 確認されている。 但し、 これは絶対的なものではな く、 小さい形の ものではこれが形成されないのもある。

髄内釘 2 0 の中空部 2 4 の元部 (後端） にはネジ穴 2 4 aが穿た れており、 こ こ にネジ 2 2が螺合される。 ネジ 2 2 は、 胴部のネジ 部 2 2 a に対して皿状をしている径大の頭部 2 2 b を有する もので ある。 尚、 このネジ 2 2 も、 チタ ン合金等の不锖材で製作される。 以上の髄内釘 2 0 を用いて足関節 1 6、 1 8 を固定する場合を第 5 図によって説明する と、 先ず、 踵骨 1 0 の底面から髄内釘 2 0 を 踵骨 1 0 から距骨 1 2及び脛骨 1 4 にかけてその内部中心に縦に挿 入する。 このとき、 フ ィ ン 2 6が踵骨 1 0、 距骨 1 2及び脛骨 1 4 に跨がって存在するよう に調整する。

次に、 横止めネジ （図示省略） を髄内釘 2 0 に形成された貫通孔 2 8 に少な く と も先端側の脛骨 1 4 には揷通して外側骨皮質にネジ 込んで固定する。 そ して、 ネジ 2 2 を髄内釘 2 0 に螺合し、 その頭 部 2 2 bで各関節 1 6、 1 8が圧接されて動かない程度にまで締め 込んで固定する。 これによ り、 フィ ン 2 6ゃネジ 2 2が横止めネジ の代わり をし、 足関節は強固に固定されて使用中も弛まない。 特に、 フ ィ ン 2 6 の存在によって各骨 1 0、 1 2、 1 4相互が回転しょう とする力を強力に阻止し、 よ り強固に固定する。 一方、 万一、 弱ま つたような場合は、 ネジ 2 2 を追い締めして固定力を回復させるよ う なこ と も可能である。

ところで、 以上は、 足関節を固定する場合の説明である力^ この 例えば、 人工膝関節が挿入されている場合の脛骨骨折では、 従来の 髄内釘は使用できなかったのであるが、 この髄内釘は踵骨から挿入 する ものであるため、 これが可能になった。 特に、 リ ウマチ等で足 関節にも障害がある場合、 この髄内釘は足関節と同時に脛骨骨折箇 所も固定でき、 非常に有用と思われる。

更に、 人工膝関節挿入後に生ずる大腿骨顆上骨折では、 従来効果 的な内固定法がなかったのが実情であるが、 この髄内釘を用いる こ とで、 これの固定も可能になる。 即ち、 膝関節を開け、 大腿骨下端 から髄内釘を挿入し、 横止めネジで止めるこ とで骨折箇所を固定で きる よう になるのである。 産業上の利用可能性

以上、 本発明による と、 髄内釘に設けられたフ ィ ンが髄組織及び 皮質骨に対して抵抗と して働き、 関節や骨相互が動こ う とするのを 抑制する。 特に、 関節面が回転しょう とする力や曲がろ う とする力 に対して強力な阻止力を発揮する。 又、 髄内釘とネジとで間の関節 や骨を締め付ける こ ともできるから、 これによつても関節や骨相互 の動きを一層抑制する。 この他、 この髄内釘は、 貫通孔に通す横止 めネジの数も少な く て済むから、 装填が容易、 迅速である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 外周に放射状に突出する複数のフ ィ ンが形成されたこ と を特徴とする髄内釘

2 . 後端にネジ穴が穿たれ、 ネジ穴に径大の頭部を有するネ ジが螺合されるこ とを特徴とする請求項 1 の髄内釘