技術分野
本発明は、 超音波診断装置に関し、 特に、 配列振動子を用いてリニア 走査を行う超音波診断装置に関する。 明
背景技術
超音波診断装置は、超音波振動子を配列した超音波プローブ(探触子) 書
から超音波を被検体内に送出して、 被検体内で反射して戻って来た超音 波を超音波プローブで受信し、 受信超音波を信号処理して映像化するこ とにより、 被検体内の状態を観察する装置である。 超音波診断装置にお ける超音波ビーム制御方法には、 セクタ走査方法とリニァ走査方法があ る。 セクタ走査方法は、 計測断面層を極座標表現して、 超音波の送波位 置を原点とし、 超音波の進行方向を径方向にとり、 送波方向を角度方向 にとる走查方法である。 リニア走査方法は、 計測断面層をデカルト座標 で表現して、 超音波の進行方向を一方の軸にとり、 超音波の送波位置 を他方の直交軸上で移動する走査方法である。
超音波プロ一ブの配列振動子を用いてリニア走查を行う超音波診断装 置では、 配列された複数の振動子を同時に用いて、 超音波ビームの収束 を行うフォーカシング技術が利用される。 超音波プローブの各振動子に 与えるパルスの発生開始タイミングをずらして、 体内のある被検部にお いて超音波ビームが収束するように制御する送信フォーカシング技術が ある。 さらに、 合成開口走査を行う超音波診断装置もある。
フォーカシング技術を簡単に説明する。 集束させたい部位に超音波ビ ームが同時に到達するようなタイミングで、 送信タイミング信号を、 送
信タイミング制御回路からドライバに出力する。 ドライバは、 送信タイ ミング信号に従って超音波送信パルスを発生して、 振動子に送る。 各ド ライバと各振動子は 1対 1に接続されている。 振動子で超音波に変換さ れた信号は、 被検体内で反射し、 振動子で電気信号に変換されて、 受信 ビームフォーマで遅延加算される。
合成開口走査では、 送信回路で駆動パルスを発生し、 選択された振動 子を駆動する。 振動子で超音波パルスを発生し、 被検体中で反射された 超音波パルスを、 エコー超音波として振動子で受信する。 受信信号は増 幅された後、 ディジタルデータに変換され、 メモリに書き込まれる。 メ モリへの書込みが終了すると、 異なる振動子を選択して、 上と同様にし て、 受信信号をメモリに書き込む。 メモリに記憶された各受信信号に、 所定の時間差を与えて加算する。 加算された受信信号は、 信号処理器で 信号処理され、 表示部に表示される。 受信期間中に被検体が静止してい れば、 被検体中の特定部位からの信号を強調でき、 鋭い受信指向性を与 えることができる。以下、従来の超音波診断装置の例をいくつかあげる。 特開平 7-67879号公報に開示された 「超音波診断装置」 は、 合成開口 を行う超音波診断装置において、 被検体が運動することにより生じる画 質の劣化を防ぐものである。 送信回路により配列振動子を駆動して、 被 検体内に超音波を送信する。 振動子で受信したエコーのうち、 スィッチ により所定の振動子の信号を選択する。 増幅器で適度に増幅し、 A/D変 換器でディジタル信号に変換した後、 ビーム合成部で遅延加算を行い、 メモリに記憶する。 同様に、 再度超音波を送信し、 スィッチにより他の 振動子の信号を選択する。 増幅器、 A/D変換器、 ビーム合成部で同様な 信号処理を行い、 メモリに記憶してある遅延加算信号と足し合わせる。 足し合わせた信号は、 信号処理部で信号処理を行った後、 表示部に表示 する。
特開 2000-152937号公報に開示された 「超音波診断装置」 は、 受信ビ ームの形状を損ねることなく、 送信ドライバの数を低減した超音波診断 装置である。 送信ドライバと振動子の間にスィッチ (ダイオード) を揷 入することで、 1つのドライバで複数の振動子を駆動できる。 受信時に は、 各振動子の信号を独立して処理できる。
図 13 を参照しながら、 従来のリニア走查を行う超音波診断装置の具 体例を説明する。 図 13 は、 超音波診断装置のフロントエンド部のブロ ック図である。 図 13において、 探触子 1は、 振動子 2 -:!〜 2 -32の配 列で構成されている超音波プローブである。 振動子 2 - 1〜 2 -32は、 超 音波を送受信するァクチユエータ Zセンサーである。高耐圧スィツチ 3 - :!〜 3 -32 は、 使用する開口に応じた振動子を選択して高電圧送信パル スを印加するスィッチである。 パルサ 4 - 1〜4 -16は、 送信パルスを発 生する送信駆動回路である。 トリガ発生器 5は、 送信トリガ信号を発生 する手段である。 リミッタ 6 - 1〜6 -16は、 高電圧送信パルスをクリツ プし、後段の回路を保護する手段である。クロスポイントスィッチ (CPS) 7は、 リミッタ出力の並替えおょぴ加算を行う手段である。 A/D変換器 8 - 1〜 8 - 8は、 アナログ受信信号をディジタル信号に変換する手段で ある。 ビームフォーマ 9は、 ディジタル変換したデータを遅延加算する 手段である。 制御器 10 は、 送信回路と受信回路のタイミング制御を行 う手段である。
上記のように構成された従来の超音波診断装置の動作を説明する。 ト リガ発生器 5で、 超音波パルスを出力するタイミング信号である送信ト リガ信号を発生する。送信トリガ信号に従ってノ ルサ 4 -:!〜 4 -16で、 送信パルスを発生する。 パルサ 4 - 1〜 4 -16で発生する高電圧送信パル スから後段のクロスポイントスィッチなどの回路を保護するために、 リ ミッタ 6 - 1〜6 -16で、 クロスポイントスィツチ 7に入る高電圧送信パ
ルスをクリップする。 高耐圧スィツチ 3 -:!〜 3 -32を選択的にオンオフ することにより、 駆動する振動子のみに高電圧送信パルスを印加する。 この選択操作により、 探触子 1の開口の位置と幅を決める。 探触子 1の 選択された 16個の振動子で、 超音波を被検体に送信する。
被検体からの反射超音波を、 振動子 2 -:!〜 2 32で受信する。 受信信 号は、選択された 16個の高耐圧スィッチを通り、 リミッタ 6 - 1〜6 -16 を経由して、 クロスポイントスィッチ 7に入る。 クロスポイントスイツ チ 7で、 受信信号の並替えおよび加算を行い、 8個の合成受信信号とす る。 A/D 変換器 8 - 1〜8 - 8で、 合成受信信号をディジタル信号に変換 する。 ビームフォーマ 9で、 ディジタル変換した受信信号を遅延加算し て、 指向性を調整する。 この結果の出力信号を、 図示していない回路で 映像信号に変換して表示する。 制御器 10 で、 これらの超音波の送信系 の回路と受信系の回路のタイミング制御を行う。
しかし、上記の従来の超音波診断装置では、多くの回路が必要なため、 コス トもかかるという問題がある。 特に、 送信パルスを発生する送信駆 動回路 (パルサ) のコス トが顕著に高いという問題がある。 発明の開示
本発明は、 上記従来の問題を解決して、'少ない送信駆動回路でリユア 走査を行うことが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。 上記の課題を解決するために、 本発明では、 超音波診断装置を、 配列 された複数の超音波振動子と、 超音波振動子を駆動する複数の送信駆動 回路と、 超音波振動子と送信駆動回路とを接続する複数の高耐圧スィッ チと、 送信駆動回路で発生した所定電圧以上の送信パルスをクリップす る複数のリミッタと、 送信駆動回路の数より多い入力端子数を有して超 音波振動子で受信した信号の並べ替えと加算を行うクロスポイントスィ
ツチと、 リミッタの出力信号をクロスボイントスィツチの入力端子に接 続する低耐圧スィツチと、 クロスポイントスィツチの出力信号をディジ タル信号に変換する A/D変換器と、 A/D変換器の出力信号を遅延加算す るビームフォーマとを具備する構成とした。 このように構成したことに より、 送信用の高耐圧スィッチの接続パターンと、 受信用の低耐圧スィ ツチの接続パターンを、 それぞれ変えることができ、 少ない数の送信駆 動回路でも、 十分な精度でリニア走查を行うことができる。
また、 高耐圧スィッチの接続パターンを変更する手段と、 送信駆動回 路の数で決まる最小限の開口より広い開口となる接続パターンで高耐圧 スィッチをオンオフする手段とを備えた構成とした。 このように構成し たことにより、 送信用の高耐圧スィッチの接続方法を変えて、 送信駆動 回路の数で決まる最低限の開口より広い開口径を持たせることができ、 特に、 深い部分にフォーカスを設定した場合に、 ビーム形状を向上させ ることができる。
また、 接続された探触子の種類を識別する手段と、 探触子の種類に応 じて開口の大きさを変化させる手段とを備えた構成とした。 このように 構成したことにより、 探触子の種類に応じて送信用の高耐圧スィツチの 接続方法を変えることで、 探触子に合わせた最適な開口径を持たせるこ とができ、 ビーム形状を向上させることができる。
また、 表示深さを入力する手段と、 入力された表示深さに応じて開口 の大きさを変化させる手段とを備えた構成とした。 このように構成した ことにより、 表示深さに応じて送信用の高耐圧スィツチの接続方法を変 えることで、 探触子に合わせた最適な開口径を持たせることができ、 ビ ーム形状を向上させることができる。
また、 表示モードを入力する手段と、 入力された表示モードに応じて 開口の大きさを変化させる手段とを備えた構成とした。 このように構成
したことにより、 表示モードに応じて送信用の高耐圧スィツチの接続方 法を変えることで、 探触子に合わせた最適な開口径を持たせることがで き、 ビーム形状を向上させることができる。
また、 送信フォーカスの深度を入力する手段と、 入力された送信フォ 一カスの深度に応じて開口の大きさを変化させる手段とを備えた構成と した。 このように構成したことにより、 送信フォーカス深さに応じて送 信用の高耐圧スィツチの接続方法を変えることで、 探触子に合わせた最 適な開口径を持たせることができ、 ビーム形状を向上させることができ る。
また、 送信パルスの中心周波数を入力する手段と、 入力された中心周 波数に応じて開口の大きさを変化させる手段とを備えた構成とした。 こ のように構成したことにより、 送信パルスの中心周波数に応じて送信用 の高耐圧スィッチの接繞方法を変えることで、 探触子に合わせた最適な 開口径を持たせることができ、 ビーム形状を向上させることができる。 また、 分解能の高さを優先するかダイナミックレンジの広さを優先す るかを選択する手段と、 優先すべき特性に応じて使用する振動子を選択 する手段とを備えた構成とした。 このように構成したことにより、 開口 径を送信駆動回路の数で決まる最低限の開口より広げたときに、 使用し ない振動子を中心付近に集めるか端部に集めるかにより、 分解能向上か サイ ドローブ低減かのどちらかを選択することができ、 診断しやすい画 像を表示させることができる。
また、 ビームフォーマの出力側に、 1音線分のデータを記憶するメモ リと、 メモリの出力とビームフォーマの出力とを加算する加算器とを設 けた。 このように構成したことにより、 振動子を 2組にわけて駆動して 開口合成を行うことで、 最適なビーム形状を実現することができる。 また、 隣り合う 2つの振動子を接続する高耐圧スィッチを設けた。 こ
のように構成したことにより、 最大で送信駆動回路数の 2倍の振動子を 同時に駆動することができ、 特に、 深い部位にフォーカスを設定したと きのビーム形状を向上させることができ、高い画質を得ることができる。 また、 高耐圧スィッチと振動子との間にダイオードを揷入した。 この ように構成したことにより、 受信チャンネルの分離を行うことができ、 最適なビーム形状を実現することができる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施の形態における超音波診断装置のフロン トエンド部のブロック図、
図 2は、 本発明の第 2の実施の形態における超音波診断装置の高耐圧 スィツチの接続を示す説明図、
図 3は、 本発明の第 3の実施の形態における超音波診断装置のフロン トエンド部のブロック図、
図 4は、 本発明の第 4の実施の形態における超音波診断装置のフロン トェンド部のプロック図、
図 5は、 本発明の第 5の実施の形態における超音波診断装置のフロン トェンド部のプロック図、
図 6は、 本発明の第 6の実施の形態における超音波診断装置のフ口ン トエンド部のブロック図、
図 7は、 本発明の第 7の実施の形態における超音波診断装置のフロン トェンド部のプロック図、
図 8は、 本発明の第 8の実施の形態における超音波診断装置の高耐圧 スィツチの接続を示す説明図、
図 9は、 本発明の第 9の実施の形態における超音波診断装置のフロン トェンド部のプロック図、
図 10は、 本発明の第 9の実施の形態における超音波診断装置の高耐 圧スィツチの接続を示す説明図、
図 1 1は、 本発明の第 10 の実施の形態における超音波診断装置のフ ロントェンド咅 [5のブロック図、
図 12は、 本発明の第 11 の実施の形態における超音波診断装置のフ ロントェンド咅 βのブロック図、
図 13は、 従来の超音波診断装置のフロントエンド部のプロック図で める。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態の超音波診断装置について、 図 1〜図 12 を参照しながら詳細に説明する。
(第 1の実施の形態)
本発明の第 1の実施の形態は、 超音波を送信する振動子を選択するス イッチと、 受信する振動子を選択するスィッチとを分離した超音波診断 装置である。
図 1は、 本発明の第 1の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のブロック図である。 図 1において、 探触子 1は、 振動子 2-1〜2 -32の配列で構成されている超音波プローブである。振動子 2 -:!〜 2-32 は、 超音波を送受信するァクチユエータ/センサーである。 高耐圧スィ ツチ (HV_SW)3-1〜3-32は、使用する開口に応じた振動子を選択して、 高電圧送信パルスを印加するスィッチである。 パルサ 4-1〜4-16 は、 高電圧送信パルスを発生する送信駆動回路である。 トリガ発生器 5は、 超音波パルスを出力するタイミング信号である送信トリガ信号を発生す る手段である。 リミッタ 6-1〜6-32 は、 パルサ 4-1〜4-8で発生す る高電圧送信パルスから後段のクロスポイントスィツチ 7などの回路を
保護するために、 クロスポイントスィツチ 7に入る高電圧送信パルスを クリップ (電圧値を制限) する手段である。 クロスポイントスィッチ 7 は、 リミッタ 6 - 1〜6 -32の出力信号を並ぴ替えて加算して、 合成受信 信号にする手段である。 A/D 変換器 8 - 1〜8 - 8は、 アナログの合成受 信信号をディジタル信号に変換する手段である。 ビームフォーマ 9は、 ディジタル変換した合成受信信号を遅延加算して、 指向性を調整する手 段である。 制御器 10 は、 超音波の送信系の回路と受信系の回路のタイ ミング制御を行う手段である。 低耐圧スィツチ (LV-SW)ll- 1〜11-16 は、 リミッタ 6 - 1〜6 -32の出力信号のうちから使用する受信信号を選 択するスィッチである。
上記のように構成された本発明の第 1の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。 超音波パルスの送信のために振動子を選択す る高耐圧スィッチ 3 ·:!〜 3 -32と、 超音波エコーを受信した振動子を選 択する低耐圧スィツチ 11- 1〜11-16を分離した点が、従来の装置と異な る。 超音波パルスの送信用の回路では、 高耐圧スィッチ 3 -:!〜 3 -32の 所定の 4つへの入力をパルサ 4 - 1〜4 - 8の所定の 1つにまとめてあり、 1 : 4の分配回路を構成している。 このため、 超音波パルスの送信の場 合は、 8つのパルサで 32個の振動子 2 -:!〜 2 -32を駆動できるためリ ニァ走査が行えるようになっている。超音波エコーの受信用の回路では、 低而ォ圧スィッチ 11- 1〜: 11-16 のうちの 2つずつの出力を 1つにまとめ てあり、 2 : 1のマルチプレクサとなっている。
超音波パルスの送信におけるフォーカス調整の方法として、 受信の場 合のようなダイナミックフォーカスを採用することは不可能である。 し たがって、 多くのチャンネルの振動子を用いて、 目的の深さの一点に超 音波を集中させるビーム制御を行うことはほとんどない。 このため、 超 音波パルスの送信系回路は、 受信系回路よりもチャンネル数が少なくて
もよいのである。
トリガ発生器 5で、 超音波パルスを出力するタイミング信号である送 信トリガ信号を発生する。 送信トリガ信号に従って、 パルサ 4-1〜4- 8で、 送信パルスを発生する。 高耐圧スィッチ 3-1〜3 -32のうちの 8 個を選択的にオンすることにより、探触子 1に配列された振動子 2-1〜 2-32 のうち、 駆動する振動子のみに高電圧送信パルスを印加する。 こ の選択操作により、 探触子 1の開口の位置と幅を決める。 探触子 1の選 択された 8個の振動子で、 超音波を被検体に送信する。 振動子に印加さ れる高電圧送信パルスから後段のクロスポイントスィツチなどの回路を 保護するために、 リミッタ 6-:!〜 6-32で、 クロスポイントスィッチ 7 に入る高電圧送信パルスをクリップする。
被検体からの反射超音波を、 振動子 2-1〜 2-32で受信する。 受信信 号は、 低耐圧スィツチ 11- 1 -11-32のうちの選択された 16個を通り、 クロスポィントスィツチ 7に入る。 クロスポイントスィッチ 7で、 受信 信号を並び替えて加算し、 8個の合成受信信号とする。 A/D 変換器 8- 1〜8-8で、合成受信信号をディジタル信号に変換する。 ビームフォー マ 9で、 ディジタル変換した受信信号を遅延加算して、 指向性を調整す る。 この結果の出力信号を、 図示していない回路で映像信号に変換して 表示する。 制御器 10 で、 これらの超音波の送信系の回路と受信系の回 路のタイミング制御を行う。
上記のように、 本発明の第 1の実施の形態では、 超音波診断装置を、 超音波を送信する振動子を選択するスィツチ 3-:!〜 3-32と、 受信する 振動子 2-1〜 2-32 を選択するスィッチ 11-1〜: 11-32 とを分離した構 成としたので、 送信駆動回路 (パルサ) の数を減らすことができ、 性能 を維持しながらコス トを削減できる。
(第 2の実施の形態)
04964
11 本発明の第 2の実施の形態の超音波診断装置を、 図 1およぴ図 2を用 いて説明する。 本発明の第 2の実施の形態の超音波診断装置は、 超音波 を送信する振動子を選択する高耐圧スィツチの接続パターンを制御器 10で変更して、送信駆動回路の数で決まる最小限の開口より広い開口と なる接続パターンに設定し、 さらに制御器 10で高耐圧スィッチをオン オフする超音波診断装置である。
図 2は、 本発明の第 2の実施の形態における超音波診断装置の送信回 路の高耐圧スィツチの接続方法の説明図である。振動子 2 - 1〜 2 -32は、 超音波を送受信するァクチユエータ Zセンサーである。 高耐圧スィツチ (HV-SW) 3 -:!〜 3 -32は、 使用する開口に応じた振動子を選択して、 高 電圧送信パルスを印加するスィツチである。 第 2の実施の形態における 超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施の形態にお ける超音波診断装置と同様である。
上記のように構成された本発明の第 2の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。 高耐圧スィッチのオンオフパターンを変える ことで、 送信駆動回路の数 (8 ) で決まる最小限の開口 (振動子の配列 ピッチを単位として 8 ) よりも広い開口を実現する。 パターン P 1は、 通常のスィッチ接続パターンである。 會印が、 オンとするスィッチの位 置である。 送信駆動回路の数 (8 ) で決まる
最小限の開口 (8 ) となる。 パターン P 1の PA1では、 開口の中心は、 開口位置 # 1となる。 パターン P 1の PA2では、 開口の中心は、 開口位 置 # 2となる。 パターン P 1の PA3では、 開口の中心は、 開口位置 # 3 となる。パターン P 1の PA4では、開口の中心は、開口位置 # 4となる。 パターン P 2では、開口の幅は 12となる。パターン P 2の PB1では、 開口の中心は、 開口位置 # 1となる。 パターン P 2の PB2では、 開口の 中心は、開口位置 # 2となる。パターン P 2の PB3では、開口の中心は、
開口位置 # 3となる。 ノ、。ターン P 2の PB4では、 開口の中心は、 開口位 置 # 4となる。 パターン P 3では、 開口の幅は 16 となる。 パターン P 3の : PC1 では、 開口の中心は、 開口位置 # 1となる。 パターン P 3の PC2 では、 開口の中心は、 開口位置 # 2となる。 パターン P 3の PC3 では、 開口の中心は、 開口位置 # 3となる。 パターン P 3の PC4では、 開口の中心は、 開口位置 # 4となる。
このように、 超音波を送信する振動子を選択する高耐圧スィツチのォ ン接続の位置を変えることで、 送信駆動回路の数 (8 ) で決まる最小限 の開口 (8 ) より広い開口を実現できる。 探触子 1の振動子のチャンネ ルビッチが狭いなどの理由で、 より広い開口を必要とする場合に、 簡単 に開口を広げることができる。
上記のように、 本発明の第 2の実施の形態では、 超音波診断装置を、 高耐圧スィツチの接続パターンを変更して、 送信駆動回路の数で決まる 最小限の開口より広い開口となる接続パターンで高耐圧スィツチをオン オフする構成としたので、 送信駆動回路 (パルサ) の数を減らすことが でき、 性能を維持しながら安価な超音波診断装置を実現できる。
(第 3の実施の形態)
本発明の第 3の実施の形態は、 探触子内に ID発生器を設け、 装置本 体に ID ^ンコーダを備えた超音波診断装置である。
図 3は、 本発明の第 3の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のプロック図である。 図 3において、 ID発生器 12は、 プローブの 種類を示す識別符号を発生する手段である。 IDエンコーダ 13は、 識別 符号を制御信号に変換する手段である。 第 3の実施の形態における超音 波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施の形態における 超音波診断装置と同様である。 探触子 1内に ID発生器 12を備え、 装置 本体内に IDエンコーダ 13を備えている点のみが異なる。
T JP03/04964
13 上記のように構成された本発明の第 3の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。探触子 1を装置本体に接続すると、 ID発生器 12は、 プローブの種類を示す識別符号を発生して、装置本体に備えられ た IDエンコーダ 13に伝える。 IDエンコーダ 13は、識別符号を制御信 号に変換して、 制御器 10 に出力する。 このようにして、 プローブの種 類を、 ID発生器 12と IDエンコーダ 13を用いて、 制御器 10で読み取 る。 制御器 10は、 プローブの種類に応じて、 高耐圧スィッチ 3 - 1〜3 -32 のオン接続のパターンを変えることで、 超音波ビームの開口径を制 御する。
上記のように、 本発明の第 3の実施の形態では、 超音波診断装置を、 探触子内に ID発生器を設け、装置本体に IDエンコーダを備えた構成と したので、 プローブごとに最適な開口径を実現でき、 送信回路量を少な くし、 性能を維持しながら安価な超音波診断装置を実現できる。
(第 4の実施の形態)
本発明の第 4の実施の形態は、 表示深さ入力装置を付加した超音波診 断装置である。
図 4は、 本発明の第 4の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のブロック図である。 図 4において、 表示深さ入力装置 14 は、 目 的の表示深さを示すデータを入力する手段である。 第 4の実施の形態に おける超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施の形 態における超音波診断装置と同様である。 表示深さ入力装置 14が付加 されている点のみが異なる。
上記のように構成された本発明の第 4の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。 表示深さ入力装置 14で、 表示深さ情報を制 御器 10に与える。 制御器 10は、 表示深さに応じて、 高耐圧スィッチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変えることで、 超音波ビームの開口
径を制御する。 深い部分を表示する場合は、 超音波ビームの開口径を広 げるように、 高耐圧スィツチ 3 -:!〜 3 -32のオン接続のパターンを変え る。浅い部分を表示する場合は、超音波ビームの開口径を狭めるように、 高耐圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変える。
上記のように、 本発明の第 4の実施の形態では、 超音波診断装置に、 表示深さ入力装置を付加した構成としたので、 表示深さごとに最適な開 口径を実現でき、 送信回路量を少なくし、 性能を維持しながら安価な超 音波診断装置を実現できる。
(第 5の実施の形態)
本発明の第 5の実施の形態は、 表示モード入力装置を付加した超音波 診断装置である。
図 5は、 本発明の第 5の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のブロック図である。 図 5において、 表示モード入力装置 15 は、 目的の表示モードを示すデータを入力する手段である。 第 5の実施の形 態における超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施 の形態における超音波診断装置と同様である。 表示モード入力装置 15 が付加されている点のみが異なる。
上記のように構成された本発明の第 5の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。 超音波診断装置では、 Bモード、 カラードプ ラモード、 パルスドプラモードなど、 さまざまな信号処理/表示モード があり、 適切な開口径は異なる。 表示モード入力装置 15 で、 表示モー ド情報を制御器 10に与える。 制御器 10は、 表示モードに応じて、 高耐 圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変えることで、 超音波 ビームの開口径を制御する。
Bモードは、 パルス送波位置または送波方向を直線的に移動し、 ェコ 一受信信号の包絡線波形を輝度変調した対象の断層画像を表示するモー
ドである。 Bモードで表示する場合は、 超音波ビームの開口径を広げる ように、 高耐圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変える。 カラードプラモードは、 2次元断層面における流速分布を可視化する カラードプラ法において、 超音波ビーム上で計測した各チャンネル内の 流速 (平均ドプラ偏位周波数) を 8 レベル程度に量子化し、 プローブに 近づく流れを赤色系、 遠ざかる流れを青色系のカラー輝度情報に変換し てディスプレイに表示しながら、 計測ビーム方向を順次走査するモード である。 カラードプラモードで表示する場合は、 超音波ビームの開口径 を狭めるように、 高耐圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを 変える。
パルスドプラモードは、 ドプラ法で、 送波超音波をパルス化すること によって、 反射部位を同定して表示するモードである。 パルスドプラモ ードで表示する場合は、 超音波ビームの開口径を狭めるように、 高耐圧 スィッチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変える。
上記のように、 本発明の第 5の実施の形態では、 超音波診断装置に、 表示モード入力装置を付加した構成としたので、 表示モードごとに最適 な開口径を実現でき、 送信回路量を少なくし、 性能を維持しながら安価 な超音波診断装置を実現できる。
(第 6の実施の形態)
本発明の第 6の実施の形態は、 送信フォーカス深度入力装置を付加し た超音波診断装置である。
図 6は、 本発明の第 6の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のブロック図である。 図 6において、 送信フォーカス深度入力装置 16は、 目的の送信フォーカス深度を示すデータを入力する手段である。 第 6の実施の形態における超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示 した第 1の実施の形態における超音波診断装置と同様である。 送信フォ
P03 04964
16 一カス深度入力装置 16が付加されている点のみが異なる。
上記のように構成された本発明の第 6の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。 超音波診断装置では、 同じ表示深さでも、 送 信のフォーカス位置を変えることができ、 フォーカスの深さにより、 適 切な開口径は異なる。 送信フォーカス深度入力装置 16 で、 目的の送信 フォーカス深度を示すデータを制御器 10に入力する。 制御器 10は、 送 信フォーカス深度に応じて、 高耐圧スィツチ 3 -:!〜 3 -32のオン接続の パターンを変えることで、 超音波ビームの開口径を制御する。
送信フォーカス深度を深くする場合は、 超音波ビームの開口径を広げ るように、高耐圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変える。 送信フォーカス深度を浅くする場合は、 超音波ビームの開口径を狭める ように、 高耐圧スィツチ 3 -:!〜 3 -32のオン接続のパターンを変える。 上記のように、 本発明の第 6の実施の形態では、 超音波診断装置に、 フォーカス深度入力装置を付加した構成としたので、 それぞれの送信フ オーカス深度に最適な開口径を実現でき、 送信回路量を少なくし、 性能 を維持しながら安価な超音波診断装置を実現できる。
(第 7の実施の形態)
本発明の第 7の実施の形態は、 中心周波数入力装置を付加した超音波 診断装置である。
図 7は、 本発明の第 7の実施の形態における送受信回路のブロック図 である。 図 7において、 中心周波数入力装置 17 は、 送信パルスの中心 周波数を示すデータを入力する手段である。 第 7の実施の形態における 超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施の形態にお ける超音波診断装置と同様である。 中心周波数入力装置 17が付加され ている点のみが異なる。
上記のように構成された本発明の第 7の実施の形態における超音波診
断装置の動作を説明する。 超音波診断装置では、 同一の探触子でも、 診 る部位により送信パルスの中心周波数設定を変える。中心周波数により、 適切な開口径は異なる。 中心周波数入力装置 17 で、 送信パルスの中心 周波数を示すデータを、 制御器 10に入力する。 制御器 10は、 送信パル スの中心周波数に応じて、 高耐圧スィッチ 3 -:!〜 3 -32のオン接続のパ ターンを変えることで、 超音波ビームの開口径を制御する。
送信パルスの中心周波数を低くする場合は、 超音波ビームの開口径を 広げるように、 高耐圧スィツチ 3 - 1〜 3 -32のオン接続のパターンを変 える。 送信パルスの中心周波数を高くする場合は、 超音波ビームの開口 径を狭めるように、 高耐圧スィッチ 3 -:!〜 3 -32のオン接続のパターン を変える。
上記のように、 本発明の第 7の実施の形態では、 超音波診断装置に、 中心周波数入力装置を付加した構成としたので、 中心周波数ごとに最適 な開口径を実現でき、 送信回路量を少なくし、 性能を維持しながら安価 な超音波診断装置を実現できる。
(第 8の実施の形態)
本発明の第 8の実施の形態は、 分解能の高さを優先するかダイナミッ クレンジの広さを優先するかを選択し、 優先すべき特性に応じて使用す る振動子を選択する超音波診断装置である。
図 8は、 本発明の第 8の実施の形態における超音波診断装置の送信回 路の高耐圧スィッチの接続方法の説明図である。 図 8において、 振動子 2 - 1 - 2 -32は、超音波を送受信するァクチユエータ /センサーである。 高耐圧スィツチ (HV_SW) 3 - l〜3 -32は、使用する開口に応じた振動子 を選択して、 高電圧送信パルスを印加するスィッチである。 第 8の実施 の形態における超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の 実施の形態における超音波診断装置と同様である。
04964
18 上記のように構成された本発明の第 8の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。同じ開口径でも、高耐圧スィツチ 3 - 1〜3 _32 のオン接続のパターンを変えることで、 ビーム形状を変える。 パターン P 2は、使用する振動子が比較的開口の中心にあり、パターン P 4では、 使用する振動子が比較的開口の端部に分布しているノ ターン P 2では、 サイドローブの少ないビーム形状が得られる。 パターン P 4では、 メイ ンローブの細いビーム形状が得られる。 図示されないスィツチを操作者 が切り替えて、 どちらかのパターンを選択する。
パターン P 2では、 開口の幅は、 使用する振動子の個数で表すと 12 個となり、 サイ ドロープの少ないビーム形状が得られ、 ダイナミックレ ンジが広くなる。 パターン P 2の PB1では、 開口の中心は、 開口位置 # 1となる。 パターン P 2の PB2では、 開口の中心は、 開口位置 # 2とな る。 パターン P 2の PB3では、 開口の中心は、 開口位置 # 3となる。 ノ、。 ターン P 2の PB4では、 開口の中心は、 開口位置 # 4となる。
パターン P 4では、 開口の幅は同じく 12 となるが、 メインロープの 細いビーム形状が得られ、分解能が高くなる。パターン P 4の PD1では、 開口の中心は、 開口位置 # 1となる。 パターン P 4の PD2では、 開口の 中心は、開口位置 # 2となる。パターン P 4の: PD3では、開口の中心は、 開口位置 # 3となる。 パターン P 4の PD4では、 開口の中心は、 開口位 置 # 4となる。
上記のように、 本発明の第 8の実施の形態では、 超音波診断装置を、 分解能の高さを優先するかダイナミックレンジの広さを優先するかを選 択し、 優先すべき特性に応じて使用する振動子を選択する構成としたの で、 送信駆動回路 (パルサ) の数を減らすことができ、 性能を維持しな がら安価な超音波診断装置を実現できる。
(第 9の実施の形態)
04964
19 本発明の第 9の実施の形態は、 メモリ 18と加算器 19を、 ビームフォ 一マの出力側に付加した超音波診断装置である。
図 9は、 本発明の第 9の実施の形態における超音波診断装置の送受信 回路のブロック図である。 図 9において、 メモリ 18 は、 1回目の受信 信号を記憶するメモリである。 加算器 19 は、 1回目と 2回目の受信信 号を加算する手段である。 第 9の実施の形態における超音波診断装置の 全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施の形態における超音波診断装 置と同様である。 メモリ 18と加算器 19がビームフォーマの出力側に付 加されている点のみが異なる。 図 10 は、 第 9の実施の形態における超 音波診断装置の動作説明図である。
上記のように構成された本発明の第 9の実施の形態における超音波診 断装置の動作を説明する。探触子 1の 32個の振動子のうちの 16個の振 動子を用いる開口を、 図 10 の開口 K 1〜K 4のように設定する。 この 開口を 2つに分けて、 2回の超音波の送受信を行う。 1回目は、 図 10 の開口 Κ 1の 1 Αに示すように、開口の中心部の 8個の振動子を用いて、 超音波の送信を行う。 2回目は、図 10の開口 K 1の 1 Bに示すように、 開口の両端部の 8個の振動子を用いて送信を行う。 1回目の受信信号は、 メモリ 18 に記憶される。 2回目の受信信号がビームフォーマより出力 されるタイミングに合わせて、 1回目の受信信号がメモリ 18 から出力 される。 2つの信号を、 加算器 19 で加算する。 開口の幅 (使用する振 動子の個数で表した場合) 16個の開口 K 1の中心は、 開口位置 K 1とな る。 開口 K 2は、 幅 16 で中心は開口位置 K 2となる。 開口 K 3は、 幅 16で中心は開口位置 K 3となる。 開口 K 4は、 開口の幅 (使用する振動 子の個数で表した場合) 16個で中心は開口位置 K 4となる。 このような 開口合成を行うことで、 1回の送受信で、 送信駆動回路のチャンネル数 の倍の開口で送受信を行ったのと同様な効果を得ることができる。
上記のように、 本発明の第 9の実施の形態では、 超音波診断装置を、 メモリと加算器をビームフォーマの出力側に付加した構成としたので、 送信回路量が少なく、 性能を維持しながら安価な超音波診断装置を実現 できる。
(第 10の実施の形態)
本発明の第 10 の実施の形態は、 隣り合う振動子を接続する高耐圧ス ィツチを付加した超音波診断装置である。
図 11は、本発明の第 10の実施の形態における超音波診断装置の送受 信回路のブロック図である。 図 11 において、 高耐圧スィッチ 20- 1〜 20-16は、 隣り合う振動子を接続するスィツチである。第 10の実施の形 態における超音波診断装置の全体的な構成は、 図 1に示した第 1の実施 の形態における超音波診断装置と同様である。 隣り合う振動子を接続す る高耐圧スィツチ 20-:!〜 20-16が付加されている点のみが異なる。 上記のように構成された本発明の第 10 の実施の形態における超音波 診断装置の動作を説明する。 第 2の実施の形態で説明した方法で、 超音 波ビームの開口径を広げると、 駆動される振動子の間に駆動されない振 動子が入るために、 その部分で音圧が下がる。 開口を広げたとき、 駆動 されない振動子ができないように、 高耐圧スィッチで、 隣り合う振動子 を接続する。 駆動されない振動子を、 隣の駆動される振動子と同じタイ ミングで駆動することで、 音圧の低下を防ぐ。
図 2に示した開口 K 2の PA1 の例で説明すると、 振動子 2 - 8が駆動 されないので、 高耐圧スィッチ 20- 4をオンにして、 振動子 2 - 7を駆動 する高電圧送信パルスで、 振動子 2 - 8も駆動する。 振動子 2 -10,2 -15, 2 -17も駆動されないので、 高而 ί圧スィツチ 20- 5,20- 8,20· 9をオンに して、 振動子 2 - 9 , 2 -16, 2 -18を駆動する高電圧送信パルスで、 振動子 2 -10, 2 -15, 2 -17も駆動する。
04964
21 上記のように、本発明の第 10の実施の形態では、超音波診断装置に、 隣り合う振動子を接続する高耐圧スィツチを付加した構成としたので、 開口を広げたときに音圧が下がることを防止し、 送信回路量が少なく、 性能を維持しながら安価な超音波診断装置を実現できる。
(第 11の実施の形態)
本発明の第 11 の実施の形態は、 振動子と高耐圧スィッチの間にダイ ォードを挿入した超音波診断装置である。
図 12は、本発明の第 11の実施の形態における超音波診断装置の送受 信回路のブロック図である。 図 12において、 ダイオード 21- 1〜21-32 は、 受信信号を振動子 2 - 1〜 2 -32毎に分離するダイオードである。 第 11の実施の形態における超音波診断装置の全体的な構成は、 図 11に示 した第 10 の実施の形態における超音波診断装置と同様である。 振動子 と高耐圧スィッチの間にダイオード 21- 1〜21-32 が直列に接続されて いる点のみが異なる。
上記のように構成された本発明の第 11 の実施の形態における超音波 診断装置の動作を説明する。 第 10 の実施の形態において、 隣り合う振 動子を接続すると、 受信信号も同一になってしまう。 これを避けるため に、ダイオード 21- 1〜21-32を介して、高電圧送信パルスを振動子に印 加する。 比較的振幅の小さい受信信号では、 ダイオード 21- 1〜21-32 はオフとなり、 受信チャンネルの独立が保たれる。 これにより、 受信ビ ームの劣化を防ぐことができる。
上記のように、本発明の第 11の実施の形態では、超音波診断装置を、 振動子と高耐圧スィツチの間にダイォードを挿入した構成としたので、 受信ビームの劣化を防止し、 送信回路量が少なく、 性能を維持しながら 安価な超音波診断装置を実現できる。
産業上の利用可能性
以上の説明から明らかなように、 本発明では、 超音波診断装置の超音 波振動子と送信駆動回路とを選択的に接続するための高耐圧スィッチと、 超音波ェコ一を受信する超音波振動子を選択的するための低耐圧スィッ チとを別々に設けたので、 送信用の高耐圧スィッチの接続パターンと受 信用の低耐圧スィツチの接続パターンをそれぞれ変えることで、 送信駆 動回路の数を減らしても、 精度を落とさずにリニア走査を行うことがで き、 回路規模の小さい低コストの超音波診断装置を実現できるという効 果が得られる。