曰月糸田 β
圧縮成形物及びその製造方法 技術分野
本発明は、 圧縮成形物に関し、 特に、 耐摩損性の外殻を備える圧縮成形物及び そのような圧縮成形物の製造方法に関する。
また、 本発明は、 圧縮成形物に関し、 特に、 圧縮成形物中に含有される生菌類 が損傷しておらず、 且つ、 圧縮成形物の表面が耐摩損性を有している圧縮成形物 及びそのような圧縮成形物の製造方法に関する。
また、 本発明は、 圧縮成形物に関し、 特に、 圧縮成形物中に含有されるマイク 口カプセルが損傷しておらず、 且つ、 圧縮成形物の表面が耐摩損性を有している 圧縮成形物及びそのような圧縮成形物の製造方法に関する。 背景技術
錠剤は、 携帯し易く、 また、 注射剤その他の製剤に比べ、 投与し易い剤形であ るため、 各種有効成分を含有する医薬品や、 乳酸菌等の生菌類、 クロレラ、 5力 ロチン、 各種ビ夕ミンその他の体に良いとされている成分や栄養補給成分を含有 する食品の剤形として、 幅広く使用されている。
このような錠剤は、 一般に、 打錠機を用い、 成形材料を圧縮成形することによ り製造されている。
ところで、 成形材料を圧縮成形する際には、 打錠機の臼、 下杵及び上杵の各々 の成形材料接触表面に、 成形材料が付着して、 製造される錠剤に、 ステイツキン グ、 ラミネーティング、 キヤッビング等の打錠障害が発生するのを防止したり、 成形材料を圧縮成形する際に、 打錠機の臼、 下杵及び上杵のギシツキを防止する ために、 成形材料中に、 滑沢剤が添加されている。
そのような滑沢剤としては、 例えば、 医薬品錠剤を製造する場合には、 ステア
リン酸や、 ステアリン酸マグネシウム、 ステアリン酸カルシウム等のステアリン 酸金属塩等が用いられ、 食品錠剤にあっては、 ショ糖脂肪酸エステル又はグリセ リン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂等が用いられている。
このような、 滑沢剤が予め添加された成形材料を圧縮成形して、 錠剤を製造す る、 錠剤の製造方法は、 一般に、 内部滑沢法といわれている。
また、 近時、 錠剤の服用の簡便性を考慮して、 水とともに服用してもよく、 錠 剤を口腔内で咀嚼して、 唾液中に溶かして、 水無しでも服用できるようにした、 チユアブル錠が、 医薬品のみならず、 食品の剤形として、 幅広く、 用いられるよ うになつている。
しかしながら、 内部滑沢法によって、 錠剤を製造する場合には、 成形材料を圧 縮成形する際に、 成形材料が、 打錠機の臼、 下杵及び上杵の各々の成形材料接触 表面に、 成形材料が付着するのを防止するためには、 成形材料中に、 相当量の滑 沢剤を添加しなければならない。
しかしながら、 成形材料中に、 相当量の滑沢剤を添加した場合には、 滑沢剤の 撥水性が原因して、 錠剤の溶解時間や崩壊時間が遅延し、 体内への吸収が悪くな つたり、 効果の発現が遅くなつたりする、 という問題がある。
また、 錠剤が、 素錠の場合にあっては、 保存や運搬時に、 錠剤に外部から加わ る振動などによって、 錠剤表面に欠けが生じやすい、 という問題がある。
特に、 保存や運搬時に生じる錠剤表面の欠けは、 瓶詰め包装のような場合に生 じゃすい。
錠剤の欠けを防止するためには、 コーティング装置等を用いて、 圧縮成形によ り製造された錠剤 (素錠) の錠剤表面に、 糖衣、 膠衣、 フィルムコーティング等 の外殻を形成することが、 一般的には、 考えられるが、 圧縮成形により製造され た錠剤 (素錠) の錠剤表面に、 糖衣、 膠衣、 フィルムコーティング等の外殻を設 けるには、 錠剤の製造工程に、 成形材料の圧縮成形工程の他に、 更に、 コーティ ング工程を設ける必要があるという問題や、 コーティング装置等を用いて、 圧縮
成形により製造された錠剤 (素錠) の錠剤表面に、 糖衣、 膠衣、 フィルムコーテ イング等の外殻を施した場合には、 錠剤表面にそのような外殻層が、 しっかりと 形成されてしまい、 もはや、 素錠とは言えないものとなる。
例えば、 チユアブル錠にあっては、 口腔内で嚙んだ時に、 外殻と内殻との味が 著しく相違したり、 また、 口腔内に、 外殻のかすが残ったり、 服用者に不快感を 与えることになるので、 素錠であることが、 望まれる。
更に、 滑沢剤は、 疎水性であるために、 苦みの原因となる。
このため、 従来の内部滑沢法で製造されたチユアブル剤は、 口腔内で、 錠剤を 嚙み砕いた際に、 錠剤内部に分散している滑沢剤が起因する、 服用者にとって、 不快な味がする、 という問題がある。
また、 近時、 乾燥凍結技術を利用して、 例えば、 ビフィズス菌、 乳酸菌、 酵母 菌等の生菌類を含有させた生菌類含有錠剤 (圧縮成形物) が、 開発されている。 図 4 3は、 そのような従来の生菌類含有錠剤の一例を、 一部を切り欠いて、 模 式的に示す斜視図である。
この生菌類含有錠剤 t c 1は、 錠剤 t c 1中に、 生菌類 v m c · · ·が、 分散 された構造になっている。
ところで、 このような生菌類含有錠剤 t c 1を製造した場合、 圧縮成形する成 形材料中に、 当然、 生菌類 v m c · · ·が含まれることになるが、 杵ゃ曰を用い て、 生菌類 v m c ·を含む成形材料を圧縮成形すると、 成形材料中に含まれる生 菌類 v m c · · ·に、 成形材料を圧縮成形する際の力が加わり、 錠剤 t c中に含 まれる生菌類 v m c · · 'の一部が損傷し、 損傷した生菌類 v m cが死滅すると いう問題がある。
かかる問題を解決するために、 従来は、 賦形剤として、 クロレラ粉末を用い、 生菌類を含有する成形材料を低圧で打錠 (圧縮成形) しても、 製造される錠剤に 実用的な硬度が得られるような工夫がなされている (特開平 8— 8 0 0 0 7号を 参照) 。
また、 賦形剤として、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、 クェン酸カルシ ゥム又は無水リン酸水素カルシウムを用いたものが既に提案されている (特開平
8 - 1 4 3 4 6 3号を参照) 。
また、 賦形剤として、 糖類 (マンニトール、 乳糖、 ショ糖、 ブドウ糖、 ガがラ クト一ス又はフルクトース) を用いたものも既に提案されている (特公平 6— 5 3 6 5 8号を参照) 。
しかしながら、 生菌類を含有する成形材料を低圧で打錠 (圧縮成形) した場合 であっても、 成形材料を圧縮成形する際の力によって、 成形材料中に含まれる生 菌類 v m cが死滅するということを避けることはできない。
また、 賦形剤を工夫したとしても、 低圧で打錠 (圧縮成形) した錠剤 (圧縮成 形物) は、 保存や運搬中に、 錠剤 (圧縮成形) に欠けや摩耗が生じやすくなると いう問題を有する。
また、 上述したような、 賦形剤を工夫して、 成形材料中に含まれる生菌類 v m cが死滅するということを避ける方法では、 賦形剤の材料が限定され、 生菌類含 有錠剤を製造する際の、 賦形剤の選択の幅が狭くなるという問題がある。
また、 近時、 D D S (ドラッグ 'デリバリ一 ' システム) を応用した種々の錠 剤 (圧縮成形物) が、 開発されている。 '
図 4 4は、 そのような従来のマイクロカプセル含有錠剤の一例を、 一部を切り 欠いて、 模式的に示す斜視図である。
この錠剤 t c 2は、 一般に、 スペイスタブと称されており、 マトリックス (つ なぎ部分) m中にマイクロカプセル m c · · ·が、 分散された構造になっている。 図 4 5は、 マイクロカプセル m cを模式的に示す断面図である。
マイクロカプセル m cは、 包括剤マトリックス中に、 液状の脂質の微小滴 d · • ·が封じ込められて、 粉末化された構造になっている。
マイクロカプセル m cを含有する錠剤 t c 2は、 マイクロカプセル m cを構成 する包括剤マトリックス m pの材料によって、 液状の脂質の微小滴 d · · '中に
溶解きれている、 疎水性の芳香成分や生理活性物質を目的とする速度で、 徐々に 放出 (コントロール - リリース) させたり、 マイクロカプセル m cを構成する包 括剤マトリックス m pが、 酸素の移動に対する障壁となるので、 微小滴 d · · - を構成する脂質の酸化が防げるため、 マイクロカプセル m c中に分散されている 微小滴 d · · ·の保存性を向上させたり、 液状の脂質の微小滴 d · · '中に溶解 する生理活性物質や、 微小滴 d · · ·を構成する脂質自体に、 苦みがある場合に あっては、 生理活性物質や、 微小滴 d · · ·の苦み成分を包括剤マトリックス m P中に封じ込めることで、 錠剤 t c 2を嚙んで摂取する際に、 その苦み成分が、 味蕾を直接刺激しないようにすることで、 苦みをマスクさせたり、 また、 マイク 口カプセル m c中に分散されている微小滴 d · · ·を構成する脂質中に、 生理活 性物質を溶かした場合には、 錠剤 t c 2を服用 (摂取) した際に、 脂質によって、 生理活性物が消化酵素によって分解されることを防げるため、 生理活性物質を目 的.とする腸管吸収部位まで、 搬送することができ、 また、 粘着な脂質をマイクロ カプセル化して粉末化することで、 錠剤を製造する際の成形材料の取り扱い性が 向上するといつたような、 種々の優れた効果があるので、 種々の有効成分を含有 する医薬品、 食料品 (例えば、 健康食品や特定健康食品等) の分野で、 幅広く用 いられている。
しかしながら、 錠剤 t c 2を製造した場合、 圧縮成形する成形材料中に、 当然、 マイクロカプセル m c · · ·が含まれることになるが、 杵ゃ曰を用いて、 マイク 口カプセル m c · · 'を含む成形材料を圧縮成形すると、 成形材料中に含まれる マイクロカプセル m c ■ · ·に、 成形材料を圧縮成形する際の力 加わり、 マイ クロカプセル m c · · 'が損傷し、 マイクロカプセル m c中に分散されている微 小滴 d · · ·をが、 例えば、 ?カロチン等の液状なものである場合にあっては、 マイクロカプセル m c · · 'から、 液状物が漏れだし、 酸素によって、 酸化され、 /5カロチン等の力価が低下したりする。
かかる問題を解決するために、 従来は、 賦形剤として、 クロレラ粉末を用いた
成形材料を低圧で打錠 (圧縮成形) しても、 製造される錠剤に実用的な硬度が得 られるような工夫がなされている (特開平 8— 8 0 0 0 7号を参照) 。
また、 賦形剤として、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、 クェン酸カルシ ゥム又は無水リン酸水素カルシウムを用いたものが既に提案されている (特開平
8 - 1 4 3 4 6 3号を参照) 。
また、 賦形剤として、 糖類 (マンニトール、 乳糖、 ショ糖、 ブドウ糖、 ガがラ クト一ス又はフルク卜一ス) を用いたものも既に提案されている (特公平 6— 5
3 6 5 8号を参照) 。
しかしながら、 賦形剤を工夫したとしても、 低圧で打錠 (圧縮成形) した錠剤 (圧縮成形物) は、 保存や運搬中に、 錠剤 (圧縮成形) に欠けや摩耗が生じるこ とを完全には、 避けることができない。 発明の開示
本発明の第 1の目的は、 以上のような問題を解決するためになされたものであ つて、 溶解時間や崩壊時間が遅延したりせず、 保存や運搬時に、 錠剤表面に欠け が生じ難く、 また、 口腔内で、 嚙んだ場合にも、 不快な味がすることのない圧縮 成形物、 及び、 そのような圧縮成形物を製造する、 圧縮成形物の製造方法を提供 することを目的としている。
また、 本発明の第 2の目的は、 賦形剤として、 特殊な賦形剤を用いず、 通常の 錠剤を製造する際の打錠圧を加えても、 圧縮成形される成形材料中に含まれる生 菌類 v m c · · 'に損傷が発生せず、 しかも、 保存や運搬中に、 錠剤 (圧縮成 形) に欠けや摩耗が生じることがない、 生菌類含有圧縮成形物及びその製造方法 を提供することを目的とする。
本発明者等は、 生菌類 v m c · · ·を含有する成形材料を、 低圧で、 打錠 (圧 縮成形) した場合にあっても、 やはり、 錠剤中に含まれる、 生菌類 v m c · - - に損傷が生じていることを、 知見するに至たり、 生菌類 v m c · · ·を含有する
成形材料を、 打錠 (圧縮成形) した場合に、 錠剤中に含まれる、 生菌類 v m c - に損傷が生じるには、 成形材料を打錠 (圧縮成形) する際の打錠圧以外に、 原因 があるのではないか、 ということを考えるに至った。
そこで、 本発明者等は、 上記した目的を解決するための手段について、 長年、 鋭意努力した結果、 打錠圧を低くした場合にあっても、 圧縮成形される成形材料 中に含まれる生菌類 v m c · · ·に損傷が発生する原因が、 成形材料中に含まれ る、 滑沢剤にあることを知見するに至った。
図 4 6は、 打錠圧を低くした場合にあっても、 圧縮成形される成形材料中に含 まれる生菌類 v m c · · ·に損傷が発生する作用を模式的に説明する説明図であ る。
一般に、 生菌類 vm c · · ·を含有する錠剤 (圧縮成形物) を製造する際には、 まず、 図 4 6 ( a ) に示すように、 生菌類 vm c · · · と、 賦形剤 Vと、 滑沢剤 Lと、 必要により、 その他の材料 (図示せず。 ) とを準備し、 次いで、 これらを 混合してた成形材料 Mを準備する (図 4 6 ( b ) を参照) 。
滑沢剤 Lは、 成形材料 Mを圧縮成形する際に、 臼の表面 (内周壁面) 、 下杵の 表面 (上面) 及び上杵の表面 (下面) に、 成形材料が付着して、 製造する錠剤
(圧縮成形物) に、 ステイツキング、 ラミネ一ティング、 キヤッビング等の打錠 障害が発生することや、 曰ゃ下杵ゃ上杵に、 ギシツキが生じるのを防ぐために、 成形材料中に添加するものであって、 成形材料 M中には、 滑沢剤 Lが相当量添加 されている。
滑沢剤 Lとしては、 医薬品の錠剤 (圧縮成形物) を製造する場合にあっては、 例えば、 ステアリン酸、 ステアリン酸金属塩 (A l、 M g、 K、 C a、 N a ) 等 の滑沢剤がよく用いられ、 食品錠剤を (圧縮成形物) を製造する場合にあっては、 例えば、 ショ糖脂肪酸ェステル等の滑沢剤がよく用いられる。
次に、 以上のようにして作製した成形材料 Mを、 打錠機の臼、 下杵及び上杵を 用いて、 順次、 打錠 (圧縮成形) し、 錠剤 (圧縮成形物) を製造する。
この圧縮成形工程においては、 打錠機の臼、 下杵、 上杵、 及び、 臼、 下杵及び 上杵により圧縮成形される成形材料は、 熱を帯びる。
そして、 成形材料 Mが圧縮成形時に熱を帯びると、 この熱により、 成形材料 M 中に含まれる滑沢剤 Lが溶融し、 溶融した滑沢剤 Lが、 溶融した滑沢剤 Lの周囲 に存在する、 生菌類 v m c · · ·や、 賦形剤 V · · ·にひっついたり、 溶融した 滑沢剤 L同士が互いに融着したりする。
このような状態で、 成形材料 Mの打錠 (圧縮成形) 工程が進行すると、 圧縮成 形される成形材料中に含有される生菌類 v m c · · ·に、 損傷が発生する。
このようにして、 生菌類 v m c · · ·に、 損傷が発生すると、 錠剤 t c中の生 菌類 v m c ' · ·の生存率が低下する。
本発明者は、 以上の問題を解決する手段について、 鋭意検討した結果、 成形材 料中に、 滑沢剤 Lを添加しないようにすれば、 成形材料を、 通常の打錠圧で打錠 (圧縮成形) しても生菌類 v m c · · 'が破損せず、 且つ、 圧縮成形時に、 成形 材料に生じる熱で融解する滑沢剤を、 打錠機の臼の表面 (内周壁面) 、 下杵の表 面 (上面) 及び上杵の表面 (下面) に塗布して、 表面 (内周壁面) に、 圧縮成形 時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が塗布された曰、 表面 (上面) に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が塗布された下杵、 及び、 表面 (下面) に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が塗布さ れた上杵を用いて、 滑沢剤を含有せず、 生菌類を含有する成形材料を、 打錠 (圧 縮成形) すれば、 圧縮成形時に、 曰の表面 (内周壁面) 、 下杵の表面 (上面) 及 び上杵の表面 (下面) に、 成形材料が付着したりすることがなく、 製造する錠剤 (圧縮成形物) に、 ステイツキング、 ラミネ一ティング、 キヤッビング等の打錠 障害が発生することがなく、 臼ゃ下杵ゃ上杵に、 ギシツキを生じず、 高い製造効 率で、 生菌類を含有する錠剤が製造できるとともに、 錠剤の表面に、 溶融した滑 沢剤が転写され、 錠剤表面に、 耐摩損性を有する外殻が形成できることを想到し、 本発明を完成するに至った。
また、 本発明の第 3の目的は、 賦形剤として、 通常の、 賦形剤を用い、 また、 通常の錠剤を製造する際の打錠圧を加えても、 圧縮成形される成形材料中に含ま れるマイクロカプセル m c · · ·に損傷が発生せず。 しかも、 保存や運搬中に、 錠剤 (圧縮成形) に欠けや摩耗が生じることがない、 マイクロカプセル含有圧縮 成形物及びその製造方法を提供することを目的とする。
' 本発明者等は、 マイクロカプセル m c · · 'を含有する成形材料を、 低圧で、 打錠 (圧縮成形) した場合にあっても、 やはり、 錠剤中に含まれる、 マイクロ力 プセル m c · · ·に損傷が生じていることを、 知見するに至たり、 マイクロカブ セル m c · · ·を含有する成形材料を、 打錠 (圧縮成形) した場合に、 錠剤中に 含まれる、 マイクロカプセル m c · · ·に損傷が生じるには、 成形材料を打錠 (圧縮成形) する際の打錠圧以外に、 原因があるのではないか、 ということを考 えるに至った。
そこで、 本発明者等は、 上記した目的を解決するための手段について、 長年、 鋭意努力した結果、 打錠圧を低くした場合にあっても、 圧縮成形される成形材料 中に含まれるマイクロカプセル m c · · 'に損傷が発生する原因が、 成形材料中 に含まれる、 滑沢剤にあることを知見するに至った。
図 4 7は、 打錠圧を低くした場合にあっても、 圧縮成形される成形材料中に含 まれるマイクロカプセル m c · · 'に損傷が発生する作用を模式的に説明する説 明図である。
一般に、 マイクロカプセル m c · · 'を含有する錠剤 (圧縮成形物) を製造す る際には、 まず、 図 4 7 ( a ) に示すように、 マイクロカプセル m c · · · と、 賦形剤 Vと、 滑沢剤 と、 必要により、 その他の材料 (図示せず。 ) とを準備し、 次いで、 これらを混合してた成形材料 Mを準備する (図 4 7 ( b ) を参照) 。 滑沢剤 Lは、 成形材料 Mを圧縮成形する際に、 曰の表面 (内周壁面) 、 下杵の 表面 (上面) 及び上杵の表面 (下面) に、 成形材料が付着して、 製造する錠剤 (圧縮成形物) に、 ステイツキング、 ラミネーティング、 キヤヅビング等の打錠
障害が発生することや、 臼ゃ下杵ゃ上杵に、 ギシツキが生じるのを防ぐために、 成形材料中に添加するものであって、 成形材料 M中には、 滑沢剤 Lが相当量添加 されている。
滑沢剤 Lとしては、 医薬品の錠剤 (圧縮成形物) を製造する場合にあっては、 例えば、 ステアリン酸、 ステアリン酸金属塩 (A l、 M g、 K、 C a、 N a ) 等 の滑沢剤がよく用いられ、 食品錠剤を (圧縮成形物) を製造する場合にあっては、 例えば、 ショ糖脂肪酸エステル等の滑沢剤がよく用いられる。
次に、 以上のようにして作製した成形材料 Mを、 打錠機の曰、 下杵及び上杵を 用いて、 順次、 打錠 (圧縮成形) し、 錠剤 (圧縮成形物) を製造する。
この圧縮成形工程においては、 打錠機の臼、 下杵、 上杵、 及び、 曰、 下杵及び 上杵により圧縮成形される成形材料は、 熱を帯びる。
そして、 成形材料が圧縮成形時に熱を帯びると、 この熱により、 成形材料中に 含まれる滑沢剤 Lが溶融し、 溶融した滑沢剤 が、 溶融した滑沢剤 Lの周囲に存 在する、 マイクロカプセル m c · · ·や、 賦形剤 V · · 'にひっついたり、 溶融 した滑沢剤 L同士が互いに融着する。
このような状態で、 成形材料の打錠 (圧縮成形) 工程が進行すると、 圧縮成形 される成形材料中に含有されるマイクロカプセル m c · · ·に、 損傷が発生する (図 4 7 ( c ) を参照) 。
本発明者は、 以上の問題を解決する手段について、 鋭意検討した結果、 成形材 料中に、 滑沢剤 Lを添加しないようにすれば、 成形材料を、 通常の打錠圧で打錠 (圧縮成形) してもマイクロカプセル m c · · 'が破損せず、 且つ、 圧縮成形時 に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤を、 打錠機の曰の表面 (内周壁面) 、 下杵の表面 (上面) 及び上杵の表面 (下面) に塗布して、 表面 (内周壁面) に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が塗布された臼、 表面 (上 面) に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が塗布された下杵、 及び、 表面 (下面) に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱で融解する滑沢剤が
塗布された上杵を用いて、 滑沢剤を含有せず、 マイクロカプセルを含有する成形 材料を、 打錠 (圧縮成形) すれば、 圧縮成形時に、 臼の表面 (内周壁面) 、 下杵 の表面 (上面) 及び上杵の表面 (下面) に、 成形材料が付着したりすることがな く、 製造する錠剤 (圧縮成形物) に、 ステイツキング、 ラミネ一ティング、 キヤ ッビング等の打錠障害が発生することがなく、 曰ゃ下杵ゃ上杵に、 ギシツキを生 じず、 高い製造効率で、 マイクロカプセルを含有する錠剤が製造できるとともに、 錠剤の表面に、 溶融した滑沢剤が転写され、 錠剤表面に、 耐摩損性を有する外殻 が形成できることを想到し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 請求項 1に記載の圧縮成形物は、 圧縮成形物本体と、 圧縮成形物本体の 表面に設けられた外殻とを備える圧縮成形物であって、 記外殻は、 少なくとも、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに熱融着した部分を含む。
ここで、 本明細書で用いる用語、 「圧縮成形物」 は、 いわゆる経口投与型の錠 剤の他、 経口投与型以外の錠剤も含む意味として用いており、 「圧縮成形物」 に は、 医薬品錠剤、 栄養補給剤等の食品の錠剤が含まれる。 また、 「圧縮成形物」 には、 人間用の錠剤の他、 動物薬や農薬等として用いる錠剤等も含まれる。
また、 「圧縮成形物」 には、 素錠、 チユアブル錠、 発泡鍵、 持続性錠等が含ま れる。
また、 本明細書で用いる用語、 「熱溶融」 は、 成形材料を、 曰、 下杵及び上杵 を用いて、 圧縮成形する際に発生する熱による熱溶融を意味する。
また、 本明細書で用いる用語、 「外殻は、 その一部に熱融着した部分を含 む。 」 は、 圧縮成形物本体の表面に形成されている外殻に、 外殻原料粉末が、 熱 溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分があれば本発明の 技術範囲に含まれることを意味し、 圧縮成形物本体の表面に形成されている外殻 に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着し た部分が、 存在する限り、 例えば、 熱溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していな
い外殻原料粉末とが熱融着しているような部分を更に含む外殻が、 圧縮成形物本 体の表面に形成されている圧縮成形物や、 また、 例えば、 圧縮成形物本体を構成 する粉体の粒子、 又は、 圧縮成形物本体を構成する粒体の粒子に、 熱溶融した外 殻原料粉末が熱融着しているような部分を更に含む外殻が、 圧縮成形物本体の表 面に形成されている圧縮成形物も、 当然に、 本発明の技術範囲に含まれる。
尚、 「圧縮成形物本体」 中には、 圧縮成形物が、 医薬品錠剤、 動物薬錠剤、 農 薬用錠剤である場合には、 有効成分や、 乳糖その他の賦形剤や補助剤や添加剤等 の種々の材料が含まれていてよいが、 滑沢剤を、 含有していないことが好ましい これは、 滑沢剤は、 成形材料を圧縮成形する際に、 曰の成形材料接触表面、 下 杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面への成形材料の付着を防 止するためには、 滑沢剤は、 曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々と、 曰、 下杵及び上杵によって、 圧縮成形 される成形材料の表面との間に介在していればよく、 成形材料の内部には含まれ ている必要がないこと、 及び、 成形材料中に、 滑沢剤粉末が添加されている場合 には、 滑沢剤の撥水性が原因して、 錠剤の溶解時間や崩壊時間が遅延し、 体内へ の吸収が悪くなつたり、 効果の発現が遅くなつたりするからである。
また、 圧縮成形物が、 チユアブル錠の場合には、 口腔内で咀嚼して、 唾液に溶 かした際に、 圧縮成形物本体中に、 滑沢剤粉末が含まれている場合には、 滑沢剤 の疎水性が原因して、 服用者に、 不快な味 (苦み) がするからである。
また、 「圧縮成形物本体」 中には、 圧縮成形物が、 食品用の錠剤である場合に は、 乳酸菌等の生菌類 (凍結乾燥粉砕物) 、 クロレラ (凍結乾燥粉砕物) 、 力 ロチン、 各種ビタミンその他の体に良いとされている成分、 及び/又は、 栄養補 給成分や、 マンニトールその他の糖類、 糖アルコール糖の賦形剤や補助剤や添加 剤等の種々の材料が含まれていてよいが、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリ ン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂は、 含有していないことが好ましい。
これは、 食品用の錠剤は、 水とともにそのまま嚥下して服用してもよく、 また、
口腔内で咀嚼して、 唾液に溶かして、 水無しでも服用できるようにするために、 チユアブル錠にされている場合が多いが、 圧縮成形物本体中に、 ショ糖脂肪酸ェ ステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 又は、 硬化油脂粉末が添加されて いる場合には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 又 は、 硬化油脂の撥水性が原因して、 圧縮成形物の溶解時間や崩壊時間が遅延し、 体内への体に良いとされている成分や栄養補給成分有効成分の吸収が悪くなつた り、 効果の発現が遅くなつたりするからである。
「外殻原料粉末」 としては、 種々のものを用いることができるが、 滑沢剤とし ての機能を有し、 且つ、 成形材料を、 曰、 下杵及び上杵を用いて、 圧縮成形する 際に発生する熱による熱溶融を生じ得る材料が好ましい。
また、 「外殻原料粉末」 の粒径は、 特に限定されることはないが、 通常、 滑沢 剤として、 成形材料中に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒 径を用いる方が好ましい。 即ち、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 例えば、 5〃m以上 5 0 m以下の範囲にあるものが好ましく、 1 0 //m以上 2 0〃m以 下の範囲にあるものが、 より好ましく、 更に好ましくは、 1 0 /m以上 1 5 πι 以下の範囲にあるものである。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合ヒは、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻を形成した後において、 外殻が緻密な構造になり過ぎて、 圧縮成形物本体と、 外殻との物性が著しく異なり、 素錠としての性格が損なわれ るからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物の表面 が粗くなり、 外殻の耐摩損性が損なわれるからである。
この圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が形成されている ので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻
原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した 部分を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コ一ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合に は、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠とし ても、 適している。
また、 この圧縮成形物は、 その表面に、 外殻が形成されているに過ぎず、 圧縮 成形物本体内部に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 この圧縮成形物は、 圧縮成形物の溶解時間や崩壊時間が速く、 目的とする部位で、 直ちに溶ける。 従って、 圧縮成形物本体内部に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 こ の圧縮成形物は、 体内へ速やかに吸収されので、 速効性がある。
また、 圧縮成形物本体内に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 チユア ブル錠として、 口腔内で咀嚼した場合に、 圧縮成形物本体内に、 滑沢剤を含んで いないため、 服用者に不快な味 (苦み) を与えることがない。
請求項 2に記載の圧縮成形物は、 請求項 1に記載の圧縮成形物の、 外殻が、 耐 摩損性を有する。
ここで、 本明細書で用いる用語、 「耐摩損性」 は、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに熱融着した部分を含む外殻が形成されている限り、 圧縮成形物本体 の硬度に比べ、 外殻の硬度が高い関係になっている圧縮成形物は、 いずれも、 本 発明の技術範囲に含まれることを意味する。
この圧縮成形物では、 その表面に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻 原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が耐摩損性を有しているので、 保 存ゃ運搬中に欠けが生じない。
請求項 3に記載の圧縮成形物は、 請求項 1又は請求項 2に記載の圧縮成形物の、
外殻原料粉末が、 滑沢剤としての機能を有し、 且つ、 室温では粉体であり、 圧縮 成形時に発生する熱により溶融する粉体である。
この圧縮成形物では、 外殻原料粉末が、 滑沢剤としての機能を有しているので、 圧縮成形物を製造する際に用いる曰の表面、 上杵の表面及び下杵の表面に、 外殻 原料粉末を塗布すれば、 圧縮成形物に打錠障害が生じない。
のみならず、 外殻原料粉末は、 室温では、 粉体であるので、 外殻となった後に おいて、 耐摩損性を発揮する。
請求項 4に記載の圧縮成形物は、 請求項 1〜 3のいずれかに記載の圧縮成形物 の、 外殻原料粉末の融点が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下である。
外殻の外殻原料粉末の融点は、 4 0 °C以上 7 8 °C以下であることが更に好まし い。
これは、 曰、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形する際に発生する熱 は、 成形材料を圧縮する際の打錠圧や、 臼、 下杵及び上杵により成形する成形材 料の量や、 成形材料の成分 ·組成等によって、 一概に規定はできないが、 概ね、 成形材料を圧縮成形する際に、 曰、 下杵及び上杵は、 概ね、 3 0 °〇以上8 0 °(以 下の温度範囲の熱を持つ。
したがって、 この温度範囲に融点 (m. p . ) がある、 外殻原料粉末を用いれ ば、 成形材料を圧縮する際の打錠圧によって、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 圧縮成形物本体の表面に、 少なくとも、 その一部が熱溶融した外殻原料粉末同士 が互いに融着した部分を含む、 外殻が形成される。
この圧縮成形物の圧縮成形物本体の表面に形成されている外殻は、 3 0 °C以上 にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C;〜 3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以 下) では、 固まった状態であるので、 室温や冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存 や運搬時に、 圧縮成形物の表面に欠けが生じない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物を入れると、 口腔内で、 外殻が速やかに溶けるため、
素錠と同様の性状を有するため、 チュアプル錠としても、 違和感がない。
請求項 5に記載の圧縮成形物は、 請求項 1〜 4のいずれかに記載の圧縮成形物 の、 外殻原料粉末が、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩及び脂肪酸エステルの群から選択さ れる粉末である。
脂肪酸エステルとしては、 例えば、 糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エス テル等を挙げることができる。
糖脂肪酸エステルの糖としては、 例えば、 グルコース、 ショ糖等の糖類や、 ソ ルビトール、 マンニトール等の糖アルコール等を挙げることができる。
また、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩又は糖脂肪酸エステルの脂肪酸部分としては、 炭 素数が 12以上 22以下の飽和脂肪酸、 例えば、 ドデカン酸、 トリデカン酸、 テ トラデカン酸、 ペン夕デカン酸、 へキサデカン酸、 ヘプ夕デカン酸、 ォクタデカ ン酸 (ステアリン酸) 、 ノナデシル酸、 ィコサン酸、 ヘンィコサン酸、 ドコサン 酸 (以上は、 融点 (m. p) は、 44. 2 以上79. 9°Cの範囲内にある。 ) を挙げることができる。
脂肪酸金属塩の金属塩部分は、 例えば、 アルミニウム (A1) 、 ナトリウム (Na) 、 カリウム (K) 、 カルシウム (Ca) 、 マグネシウム (Mg) 等を挙 げることができる。
具体的には、 脂肪酸金属塩としては、 例えば、 ステアリン酸金属塩 (Al、 N a、 K、 Ca、 Mg等) を挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、 融点 (m. p. ) が、 約 52°C以上約 62°C以下の 温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
グリセリン脂肪酸エステルは、 融点 (m. p. ) が、 約 62°C以上約 68°C以 下の温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合に は、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
硬化油脂は、 融点 (m. p. ) が、 約 40°C以上約 48 °C以下の温度範囲にあ
り、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能 を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
ステアリン酸は、 融点 (m. p . ) が、 5 6 °C以上約 7 2 °C以下の温度範囲に あり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機 能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
また、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 硬化油脂、 及び、 ステアリン酸は、 滑沢剤 (又は、 離型剤) としての機能を有しているので、 これ らを、 成形材料接触表面に塗布した臼、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した 下杵、 及び、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した上杵を用いて、 成形材料を 圧縮成形した場合、 これらが、 滑沢剤として機能するため、 臼の成形材料接触表 面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 成形材 料が付着することがない。 この結果、 この圧縮成形物は、 臼、 下杵、 及び、 上杵 により圧縮成形して製造する際に、 スティッキングゃラミネ一ティングゃキヤヅ ビング等の打錠障害が生じる頻度が低いため、 歩留まりが生じないため、 高い生 産効率で (工業的採算ベース) で、 製造できるという、 メリットもある。
この圧縮成形物では、 安全性に優れ、 入手も容易で、 外殻を形成した場合、 耐 摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機能する、 外殻原料粉末を 用いているので、 この圧縮成形物は、 安全性に優れ、 保存や運搬時に、 圧縮成形 物の表面に欠けを生じ難く、 また、 製造し易い、 といった優れた効果がある。 尚、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂は、 大 量摂取しても何ら問題がないため、 医薬品錠剤や、 食品の錠剤等に、 その 1日摂 取量を考慮せずに、 外殻原料として用いることができるが、 外殻原料として、 ス テアリン酸を用いる場合には、 1日用量が知れている医薬品錠剤の場合には、 特 に、 その 1日摂取量を考慮する必要が無いが、 食品の錠剤のように、 1日に、 例 えば、 5 0錠、 1 0 0錠を摂取するような錠剤にあっては、 ステアリン酸の 1日 摂取量を考慮し、 ステアリン酸の摂取量が、 1日摂取量を超えないように、 注意
する必要がある。
請求項 6に記載の圧縮成形物は、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の圧縮成形物 の、 圧縮成形物本体が、 生菌類と製剤原料粉粒体とを含有し、 且つ、 製剤原料粉 粒体が、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒体で概ね 構成されている。
ここで、 本明細書で用いる用語、 「生菌類」 は、 一般には、 乳酸菌、 ビフィズ ス菌等の有用な腸内細菌や、 納豆菌、 酵母等の有用な細菌を乾燥凍結したものを 粉砕し、 粉粒体化したものをいう。
「圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒体」 は、 その 融点が、 5 0 °C以上の粉粒体材料で構成されていることが好ましく、 7 0 °C以上 の粉粒体材料で構成されていることがより好ましくは、 8 0 °C以上の粉粒体材料 で構成されていることが更に好ましい。
また、 「圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒体で概 ね構成」 は、 製剤原料粉粒体中に、 上記した融点以下のものが微量に添加されて いてもよい、 という意味で用いている。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮成形 時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮成形 時に、 製剤原料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が全く無い か殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有錠剤) は、 錠剤中に含まれ る、 生菌類が殆ど損傷を受けていない。
この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有錠剤) は、 錠剤中に含まれる、 生菌類 の生存率が高いため、 有効率が高い。
且つ、 この圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶 融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が形成され ているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻原料
粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分 を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コー ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮 成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀 嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠として も、 適している。
請求項 7に記載の圧縮成形物は、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の圧縮成形物 の、 圧縮成形物本体が、 マイクロカプセルと製剤原料粉体とを含有し、 且つ、 製 剤原料粉粒体が、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒 体で概ね構成されている。
「圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒体」 は、 その 融点が、 5 0 °C以上の粉粒体材料で構成されていることが好ましく、 7 0 °C以上 の粉粒体材料で構成されていることがより好ましくは、 8 0 °C以上の粉粒体材料 で構成されていることが更に好ましい。
また、 「圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する製剤原料粉粒体で概 ね構成」 は、 製剤原料粉粒体中に、 上記した融点以下のものが微量に添加されて いてもよい、 という意味で用いている。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有錠剤) では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮 成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮 成形時に、 製剤原料粉粒体には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が全く無 いか殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有錠剤) は、 錠 剤中に含まれる、 マイクロカプセルが殆ど損傷を受けていない。
且つ、 この圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶 融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が形成され ているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻原料 粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分 を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コー ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮 成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀 嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠として も、 適している。
請求項 8に記載の圧縮成形物の製造方法は、 臼、 下杵及び上杵の成形材料接触 表面の各々に、 外殻原料粉末を塗布する工程と、 外殻原料粉末が成形材料接触表 面に塗布された曰、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 成形材料を圧縮成 形し、 圧縮成形物本体を製造する工程とを備え、 臼、 下杵及び上杵が、 成形材料 を圧縮して、 圧縮成形物本体を製造する際に発生する熱等により、 曰の成形材料 接触表面に塗布された外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接触表面 に塗布された外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成形材料接触 表面に塗布された外殻原料粉末の少なくとも一部が、 熱溶融された状態で、 臼の 成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触 表面から、 圧縮成形物本体の表面に転写され、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形 成するようにした。
ここで、 本明細書で用いる用語、 「成形材料接触表面」 は、 組となる、 曰の表 面、 下杵の表面、 及び、 上杵の表面中、 臼、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を 圧縮成形する際に、 組となる、 臼、 下杵及び上杵により圧縮成形される成形材料 が接触する表面を意味する。
より具体的に説明すると、 「曰の成形材料接触表面」 は、 外殻原料粉末が塗布 される、 外殻原料粉末塗布位置における、 曰の内周面のうち、 この曰内に所定の
位置まで挿入されている下杵の成形材料接触表面 (上面) より上方の位置にある 臼の内周面を意味する。
また、 「下杵の成形材料接触表面」 は、 下杵の表面のうち、 製造する圧縮成形 物の銪型面が形成されている表面 (上面) を意味する。
また、 「上杵の成形材料接触表面」 は、 上杵の表面のうち、 製造する圧縮成形 物の铸型面が形成されている表面 (下面) を意味する。
この圧縮成形物の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵の各々の成形材料接触表面 に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された臼、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原料粉末が成形 材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本 体を製造すると同時に、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱 を用い、 曰の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び /又は、 上杵の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一 部を熱溶融し、 曰の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 下杵 の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 及び/又は、 上杵の成 形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料を、 曰、 下杵及び上杵が、 成 形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体を形成する際に、 臼の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面から、 圧縮成形 物本体の表面に転写することで、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成している。 曰、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 臼の成形材 料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成 形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したりする。
そして、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱 溶融した、 熱融着した外殻原料粉末を含む外殻原料粉末が、 臼、 下杵及び上杵が 成形材料を圧縮成形することによって製造した圧縮成形物本体の表面に、 臼の成 形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表 面から転写され、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料 粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む 外殻が形成された圧縮成形物が製造される。
この圧縮成形物の製造方法では、 曰、 下杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形し て圧縮成形物本体を製造する際に、 同時に、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成 しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素錠を、 コーティング装置等 を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成するという、 コーテング工程を用いる必 要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、 コ一テング工程との 2本立てに することなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻を有する圧縮成形物を製造できる。 したがって、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物 を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極めて簡単になり、 これに より、 外殻を有する圧縮成形物を製造する際の製造コストを低く抑えることがで さる。
のみならず、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物の表面 に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉 末同士が互いに融着した部分を含む外殻であるために、 単に、 外殻原料粉末が圧 縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している外殻ではなく、 外殻原料 粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部分を 含む外殻によって覆われている。 したがって、 この圧縮成形物の外殻は、 外殻原 料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比べ、 機械的強 度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になっている外殻を有 する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物の表面に 形成されている外殻は、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士 が互いに融着した部分を含む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表 面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した 場合には、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いため、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体と、 外殻との物性が著しく異なること 起因する、 咀嚼時の違和 感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適して いる。
圧縮成形物の保存 ·運搬の際に、 圧縮成形物の表面に欠けが生じるのを防ぐた めには、 圧縮成形物の圧縮成形物本体の表面に形成する外殻は、 圧縮成形物本体 の表面に万遍なく均一に形成されていることが好ましい。
このように、 圧縮成形物本体の表面に形成する外殻を圧縮成形物本体の表面に 万遍なく均一に形成するためには、 曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触 表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末の所定量を、 均一 に塗布する必要がある。
請求項 9及び請求項 1 0に記載の圧縮成形物の製造方法の各々は、 臼の成形材 料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末の所定量を、 均一に塗布する技術を提案するものである。
即ち、 請求項 9に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8に記載の圧縮成形 物の製造方法の、 臼、 下杵及び上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末 を塗布する工程が、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散させた外殻原料粉末を、 臼の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面及び上杵の成形材料接触表面の 各々に吹き付ける工程である。
この圧縮成形物の製造方法では、 臼の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触 表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末を塗布する際に、
曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表 面の各々に、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散させた外殻原料粉末を、 吹き 付けるようにしている。
ここに、 本明細書で用いる用語、 「脈動空気振動波」 は、 空気の流れに、 圧力 の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速 い部分) とが一定の周期で交互に現れる空気の波を意味する。
また、 本明細書で用いる用語、 「正圧」 は、 この圧縮成形物の製造方法を実施 する装置内の空気の圧力が、 この圧縮成形物の製造方法を実施する装置外の空気 の圧力に比べて、 高い状態を意味する。
また、 本明細書で用いる用語、 「正圧の脈動空気振動波」 には、 脈動空気振動 波の振幅の谷が、 概ね、 大気圧に等しく、 振幅の山が、 正圧の脈動空気振動波と、 脈動空気振動波の振幅の山と谷とがともに、 正圧の脈動空気振動波との双方が含 まれる。
尚、 この圧縮成形物の製造方法で用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 用いる外 殻原料粉末を空気に混和し、 分散させるのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等 に Β¾Λ1 ^される。
この圧縮成形物の製造方法では、 用いる外殻原料粉末の物性 (成分、 組成、 平 均粒径、 粒度分布等) に応じて、 用いる外殻原料粉末を空気に混和し、 分散させ るのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等を有する、 正圧の脈動空気振動波を用 いている。
これにより、 外殻原料粉末は、 一旦、 正圧の脈動空気振動波すると、 定常圧流 の空気流に比べ、 空気中に混和し、 分散した外殻原料粉末が、 空気と分離して、 堆積したりするといつた現象を生じ難い。
従って、 正圧の脈動空気振動波中に、 概ね一定量の外殻原料粉末を、 定常圧流 の空気流に比べ、 長時間、 混和し、 分散させた状態に維持することができる。 且つ、 正圧の脈動空気振動波には、 圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部
分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが交互に現れるという性 格があるため、 例えば、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に、 たとえ、 余分な外殻原料粉末が付着 •堆積したとしても、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に、 余分に付着 - 堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の 流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) にとつて、 余分な 外殻原料粉末は、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) から吹き飛ばされる。 この結果、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材 料接触表面 (下杵の上面) に、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一に、 塗 布される。
また、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に吹き付けられ、 下杵の成形材 料接触表面 (下杵の上面) から吹き飛ばされた、 外殻原料粉末は、 曰の成形材料 接触表面 (曰の内周面) に付着する。 ここで、 曰の成形材料接触表面 (臼の内周 面) に余分な外殻原料粉末が付着,堆積したとしても、 臼の成形材料接触表面
(曰の内周面) に、 余分に付着,堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振 動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流 の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 臼の成形材料接触表面
(曰の内周面) にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 臼の成形材料接触表面 (臼の 内周面) から吹き飛ばされる。 この結果、 臼の成形材料接触表面 (曰の内周面) にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一に、 塗布される。
また、 重力との関係で、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) には、 外殻原 料粉末が付着 '堆積し難いが、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) には、 外 殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波とともに、 吹き付けられる結果、 上杵の成 形材料接触表面 (上杵の下面) にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一 に、 塗布される。
請求項 1 0に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 9に記載の圧縮成形物の 製造方法の、 曰、 下杵及び上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末を塗 布する工程が、 曰内に所定の位置まで挿入されている下杵の成形材料接触表面に、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散させた外殻原料粉末を吹き付け、 正圧の脈 動空気振動波により、 重力との関係で、 下杵の成形材料接触表面に余分に堆積し がちな外殻原料粉末を吹き飛ばすことで、 下杵の成形材料接触表面に外殻原料粉 末を塗布するとともに、 正圧の脈動空気振動波により、 下杵の成形材料接触表面 から吹き飛ばされた外殻原料粉末を臼の成形材料接触表面へ塗布する工程と、 正 圧の脈動空気振動波に混和し、 分散され、 下杵の成形材料接触表面及び臼の成形 材料接触表面で消費されなかった外殻原料粉末を、 時間をかけて、 上杵の成形材 料接触表面に吹き付けることで、 外殻原料粉末を、 上杵の成形材料接触表面に塗 布する工程とを備える。
上杵の成形材料接触表面への外殻原料粉末の塗布時間は、 下杵の成形材料接触 表面及び臼の成形材料接触表面への外殻原料粉末の塗布時間を、 1とした場合に は、 下杵の成形材料接触表面及び臼の成形材料接触表面への外殻原料粉末の塗布 時間の 2倍以上であることが好ましく、 より好ましくは 5倍以上、 より好ましく は 1 0倍である。
上杵の成形材料接触表面への外殻原料粉末の塗布時間の上限は、 特に限定され ないが、 製造効率を考慮した場合には、 上杵の成形材料接触表面への外殻原料粉 末の塗布時間は、 下杵の成形材料接触表面及び臼の成形材料接触表面への外殻原 料粉末の塗布時間を、 1とした場合には、 下杵の成形材料接触表面及び臼の成形 材料接触表面への外殻原料粉末の塗布時間の 5 0倍以下であることが好ましい。 この圧縮成形物の製造方法では、 特に、 重力との関係で、 余分な外殻原料粉末 が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) への外殻原料粉末の塗 布時間と、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布され難い、 上杵の成形材料接触 表面 (上杵の下面) への外殻原料粉末の塗布時間とを異ならせている点に特徴が
ある。
即ち、 この圧縮成形物の製造方法では、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布 され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) へは、 重力との関係で、 余分 な外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) への外 殻原料粉末の塗布時間に比べ、 長い時間を費やして、 外殻原料粉末を塗布するこ とで、 重力との関係で、 余分な外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接 触表面 (下杵の上面) への外殻原料粉末の塗布量と、 重力との関係で、 外殻原料 粉末が塗布され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) への外殻原料粉末 の塗布量とが、 同じ或いは概ね同じ量になるように調整している。 . 従って、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 重力との関係で、 外殻原料粉 末が塗布され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) へも外殻原料粉末の 必要最低限の量を均一に塗布できるので、 圧縮成形物の表面となる側の錠剤表面 に、 ステイツキングや、 ラミネーティングや、 キヤヅビング等の打錠障害を生じ ることなく、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末 が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む外殻 が形成された、 圧縮成形物を、 打錠障害の発生頻度を少なくして、 製造すること ができる。
請求項 1 1に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8〜 1 0のいずれかに記 載の圧縮成形物の製造方法の、 外殻原料粉末が、 滑沢剤としての機能を有し、 旦 つ、 室温では粉体であり、 圧縮成形時に発生する熱により溶融する粉体である。 この圧縮成形物の製造方法では、 外殻原料粉末が、 滑沢剤としての機能を有し ているので、 圧縮成形物を製造する際に用いる臼の表面、 上杵の表面及び下杵の 表面に、 外殻原料粉末を塗布すれば、 圧縮成形物に打錠障害が生じない。
のみならず、 外殻原料粉末は、 室温では、 粉体であるので、 この圧縮成形物の 製造方法により製造された圧縮成形物は、 その外殻が、 耐摩損性を発揮する。 請求項 1 2に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8〜1 1のいずれかに記
載の圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末の融点が、 3 0 °C以上 8 0 °C 以下である。
臼、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形する際に発生する熱は、 成形 材料を圧縮する際の打錠圧や、 臼、 下杵及び上杵により成形する成形材料の量や、 成形材料の成分 ·組成等によって、 一概に規定はできないが、 概ね、 成形材料を 圧縮成形する際に、 臼、 下杵及び上杵は、 概ね、 3 0 °C以上 8 0 °C以下の温度範 囲の熱を持つ。
したがって、 この温度範囲に融点 (m. p . ) がある、 外殻原料粉末を用いれ ば、 成形材料を圧縮する際の打錠圧によって、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 圧縮成形物本体の表面に、 一部が熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した 部分を含む、 外殻が形成される。
この圧縮成形物の製造方法では、 融点が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下の外殻原料粉 末を用いているので、 圧縮成形物本体の表面に、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融 し、 少なくとも、 その一部が互いに熱融着した部分を含む、 外殻が形成される。 そして、 この圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物の、 圧縮成形 物本体の表面に形成される外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがない ため、 室温 ( 1 °C~ 3 0 °C) や冷所 ( 1 5。C以下) では、 0まった状態であるの で、 室温や冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物の表面に 欠けが生じない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物を入れると、 口腔内で、 外殻が速やかに溶け、 素錠と 同様の性状を有するため、 チユアブル錠としても、 違和感がない。
請求項 1 3に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8〜 1 2のいずれかに記 載の圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末が、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩及 び脂肪酸エステルの群から選択される粉末である。
この圧縮成形物の製造方法では、 安全性に優れ、 入手も容易で、 外殻を形成し
た場合、 耐摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機能する、 外殻 原料粉末を用いているので、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 安全性に優 れ、 保存や運搬時に、 圧縮成形物の表面に欠けを生じ難い、 圧縮成形物を、 高い 製造効率で製造することができる。
請求項 1 4に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8〜 1 3のいずれかに記 載の圧縮成形物の製造方法で用いる、 成形材料が、 生菌類と、 製剤原料粉粒体と を含有し、 且つ、 製剤原料粉粒体が、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を 有する製剤原料粉粒体で概ね構成されている。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮成形時に、 製剤原料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が 全く無いか殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製 造方法により製造される圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) は、 圧縮 成形物 (錠剤) 中に含まれる、 生菌類が殆ど損傷を受けていない。
即ち、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造される 生菌類含有圧縮成形物は、 圧縮成形物内に含有されている生菌類の生存率が極め て高いため、 高い有効性を発揮する。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵 の各々の成形材料接触表面に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料 接触表面に塗布された臼、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 生菌類と、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成された製剤原料 粉粒体とを含有する成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本体を製造すると同時に、 曰、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱を用い、 曰の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接触表 面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成形材
料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部を熱溶融し、 曰の成 形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 下杵の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 その 一部が熱溶融した外殻原料を、 臼、 下杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体を形成する際に、 曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表 面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面から、 圧縮成形物本体の表面に転写す ることで、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成している。
臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 臼の成形材 料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び Z又は、 上杵の成 形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したりする そして、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱 溶融した、 熱融着した外殻原料粉末を含む外殻原料粉末が、 曰、 下杵及び上杵が 成形材料を圧縮成形することによって製造した圧縮成形物本体の表面に、 曰の成 形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及びノ又は、 上杵の成形材料接触表 面から転写され、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料 粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む 外殻が形成された、 生菌類含有圧縮成形物が製造される。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵 が、 成形材料を圧縮成形して圧縮成形物本体を製造する際に、 同時に、 圧縮成形 物本体の表面に外殻を形成しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素 錠を、 コーティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成するという、 コ一テング工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、 コー テング工程との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻を有する、
圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) を製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極 めて簡単になり、 これにより、 外殻を有する、 生菌類含有圧縮成形物を製造する 際の製造コストを低く抑えることができる。
のみならず、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造 される、 圧縮成形物の表面に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融 し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻であるために、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している 外殻ではなく、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士 が熱融着している部分を含む外殻によって覆われている。 したがって、 この圧縮 成形物の外殻は、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合してい る外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状 態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ 難い。
その一方、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造さ れる、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の表面に形成されている外殻は、 外 殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含 む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティング液をス プレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 コーティング装 置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いため、 口腔内で咀嚼し た場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体と、 外殻と の物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙 み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。
圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の保存 ·運搬の際に、 生菌類含有圧縮成 請求項 1 5に記載の圧縮成形物の製造方法は、 請求項 8〜1 3のいずれかに記
載の圧縮成形物の製造方法で用いる、 成形材料が、 マイクロカプセルと製剤原料 粉体とを含有し、 且つ、 製剤原料粉粒体が、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い 融点を有する製剤原料粉粒体で概ね構成されている。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 製剤原 料粉粒体を、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成し ているので、 圧縮成形時に、 製剤原料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で 溶ける成分が全く無いか殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (マイクロカプセ ル含有圧縮成形物) の製造方法により製造される圧縮成形物 (マイクロカプセル 含有圧縮成形物 (錠剤) ) は、 圧縮成形物 (錠剤) 中に含まれる、 マイクロカブ セルが殆ど損傷を受けていない。
また、 この圧縮成形物の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵の各々の成形材料接 触表面に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布され た臼、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原料粉末 が成形材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 マイクロカプセルと、 圧縮成形 時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成された製剤原料粉粒体と を含有する成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本体を製造すると同時に、 曰、 下 杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱を用い、 臼の成形材料接触表面 に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接触表面に塗. 布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び z又は、 上杵の成形材料接触 表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部を熱溶融し、 曰の成形材料 接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 下杵の成形材料接触表面に、 その 一部が熱溶融した外殻原料、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 その一部 が熱溶融した外殻原料を、 臼、 下杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮 成形物本体を形成する際に、 臼の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面から、 圧縮成形物本体の表面に転写するこ とで、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成している。
曰、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 臼の成形材 料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成 形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したりする そして、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱 溶融した、 熱融着した外殻原料粉末を含む外殻原料粉末が、 臼、 下杵及び上杵が 成形材料を圧縮成形することによって製造した圧縮成形物本体の表面に、 曰の成 形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表 面から転写され、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料 粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む 外殻が形成された、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) が製造され る。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼、 下 杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体を製造する際に、 同時 に、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成しているので、 一旦、 圧縮成形すること で得られた素錠を、 コーティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成 するという、 コ一テング工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形 工程と、 コーテング工程との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外 殻を有する、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) を製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製 造工程が、 極めて簡単になり、 これにより、 外殻を有する、 圧縮成形物 (マイク 口力プセル含有圧縮成形物) を製造する際の製造コストを低く抑えることができ る。
のみならず、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 により製造される圧縮成形物の表面に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部が 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻である ために、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合 している外殻ではなく、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料 粉末同士が熱融着している部分を含む外殻によって覆われている。 したがって、 この圧縮成形物の外殻は、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結 合している外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠け が生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法に より製造される、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の表面に形成 されている外殻は、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互 いに融着した部分を含む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合に は、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いた め、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成 形物本体と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無 く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明に係る圧縮成形物の一例を概略的に説明する説明図であり、 図
1 ( a ) は、 その斜視図を、 また、 図 1 ( b ) は、 その断面図である。
図 2は、 図 1に示す圧縮成形物の圧縮成形物本体に形成されている、 外殻の構 造を拡大して模式的に説明する説明図であり、 図 2 ( a ) は、 外殻の構造を拡大 して模式的に説明する平面図を、 また、 図 2 ( b ) は、 外殻の構造を拡大して模
式的に説明する断面図である。
図 3は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法の一例を概略的に説明する工程図 である。
図 4は、 本発明に係る圧縮成形物で用いている、 「正圧の脈動空気振動波」 を 模式的に示す説明図であり、 図 4 ( a ) は、 脈動空気振動波の振幅の山が、 大気 圧よりも高く、 その振幅の谷が、 大気圧に等しいか、 概ね等しい、 脈動空気振動 波を例示的に示しており、 また、 図 4 ( b ) は、 脈動空気振動波の振幅の山と谷 との双方が、 大気圧よりも高い脈動空気振動波を例示的に示している。
図 5は、 本発明に係る圧縮成形物の、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触 表面を有する臼、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面を有する下杵、 及 び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面を有する上杵を用い、 成形材料 を圧縮成形する際に、 曰の成形材料接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象、 下杵の成形材料接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及 び、 上杵の成形材料接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象を、 模式 的に説明する、 説明図である。
図 6は、 本発明に係る圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の一例を概略的に 説明する説明図であり、 図 6 ( a ) は、 その斜視図を、 また、 図 6 ( b ) は、 そ の断面図である。
図 7は、 図 6に示す圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の圧縮成形物本体 (生菌類含有圧縮成形物本体) に形成されている、 外殻の構造を拡大して模式的 に説明する説明図であり、 図 7 ( a ) は、 外殻の構造を拡大して模式的に説明す る平面図を、 また、 図 7 ( b ) は、 外殻の構造を拡大して模式的に説明する断面 図である。
図 8は、 本発明に係る圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法の一例 を概略的に説明する工程図である。
図 9は、 本発明に係る圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法におい
て、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面を有する曰、 外殻原料粉末が塗 布された成形材料接触表面を有する下杵、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形 材料接触表面を有する上杵を用い、 成形材料を圧縮成形する際に、 曰の成形材料 接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 下杵の成形材料接触表面に 塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及び、 上杵の成形材料接触表面に塗布 された、 外殻原料粉末に生じる現象を、 模式的に説明する、 説明図である。 図 1 0は、 本発明に係る圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の一 例を概略的に説明する説明図であり、 図 1 0 ( a ) は、 その斜視図を、 また、 図 1 0 ( b ) は、 その断面図である。
図 1 1は、 図 1 0に示す、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の マイクロカプセル含有圧縮成形物本体に形成されている、 外殻の構造を拡大して 模式的に説明する説明図であり、 図 1 1 ( a ) は、 外殻の構造を拡大して模式的 に説明する平面図を、 また、 図 1 1 ( b ) は、 外殻の構造を拡大して模式的に説 明する断面図である。
図 1 2は、 本発明に係る圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製 造方法の一例を概略的に説明する工程図である。
図 1 3は、 本発明に係る圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製 造方法において、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面を有する曰、 外殻 原料粉末が塗布された成形材料接触表面を有する下杵、 及び、 外殻原料粉末が塗 布された成形材料接触表面を有する上杵を用い、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼の成形材料接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 下杵の成形材 料接触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及び、 上杵の成形材料接 触表面に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象を、 模式的に説明する、 説明図 である。
図 1 4は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置の一例を概略的に示す斜視図である。
図 1 5は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置の一例のコンセプトを概略的に示す分解斜視図である。
図 1 6は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置が取り付けられる場所を概略的に説明する平面図である。
図 1 7は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置が、 ロー夕リ型打錠機の外殻原料噴霧位置に取り付けられた状態を拡大して概 略的に示す平面図である。
図 1 8は、 図 1 7中に示した、 XV I I I— XV I I I線に従う、 本発明に係 る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装置の概略的な断面図であ る。
図 1 9は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置で用いる、 上杵用外殻原料塗布ュニッ卜の一例を概略的に示す平面図である。 図 2 0は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置で用いる、 上杵用外殻原料塗布ュニッ卜の他の一例を概略的に示す平面図であ る。
図 2 1は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置で用いる、 上杵用外殻原料塗布ュニッ卜の他の一例を概略的に示す平面図であ る。
図 2 2は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置で用いる、 上杵用外殻原料塗布ュニッ卜の他の一例を概略的に示す平面図であ る
図 2 3は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置で用いる、 上杵用外殻原料塗布ュニッ卜の他の一例を概略的に示す平面図であ る。
図 2 4は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置の動作原理を概略的に説明する説明図である。
図 2 5は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置の、 曰の内周面、 下杵の上面、 及び、 上杵の上面の各々への外殻原料 (粉末) の塗布方法 (動作 ·原理) を模式的に説明するタイムチャートである。
図 2 6は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置を備える、 外部滑沢式打錠機の構成を概略的に示す全体構成図である。
図 2 7は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置と組み合わせて使用するのに好適な、 定量フィーダ装置を概略的に示す構成図 である。
図 2 8は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置と組み合わせて使用するのに好適な、 粉体材料貯蔵ホッパーを概略的に説明す る説明図であり、 図 2 8 ( a ) は、 粉体材料貯蔵ホッパーの一部を切り欠いて概 略的に示す一部切欠き斜視図を、 また、 図 2 8 ( b ) は、 粉体材料貯蔵ホッパー の概略的な平面図である。
図 2 9は、 図 2 7に示す、 定量フィーダ装置で用いられている、 弾性体膜の一 例を概略的に示す平面図である。
図 3 0は、 図 2 7に示す、 定量フィーダ装置で用いられている、 弾性体膜の他 の一例を概略的に示す平面図である。
図 3 1は、 図 2 7に示す、 定量フィーダ装置で用いられている、 弾性体膜取付 具を概略的に示す斜視図であり、 弾性体膜が既に取り付けられた状態を示してい る。
図 3 2は、 図 2 7に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図であ る。
図 3 3は、 図 2 7に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。 図 3 4は、 図 2 7に示す、 定量フィーダ装置の分散室を平面視した場合の、 分 散室に設ける脈動空気振動波供給口の取付位置の方向を模式的に示す平面図であ り、 図 3 4 ( a ) は、 分散室に対する、 脈動空気振動波供給口の好ましい取付位
置の方向を説明する説明図であり、 図 3 4 ( b ) は、 分散室に対する、 脈動空気 振動波供給口の実質的な取付可能位置の方向を説明する説明図である。
図 3 5は、 図 2 7に示す、 定量フィーダ装置の分散室を平面視した場合の、 分 散室に設ける脈動空気振動波供給口と排出口との位置を模式的に説明する図であ り、 図 3 5 ( a ) は、 分散室に対する、 脈動空気振動波供給口と排出口との好ま しい取付位置を説明する説明図であり、 図 3 5 ( b ) は、 分散室に対する、 脈動 空気振動波供給口と排出口との実質的な取付可能位置を説明する説明図である。 図 3 6は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置と組み合わせて使用するのに好適な、 脈動空気振波発生装置の構成を、 脈動空 気振動波変換装置を中心にして、 概略的に示す断面図である。
図 3 7は、 図 2 6に示す、 外殻原料濃度測定手段の部分を中心にして拡大して 概略的に示す構成図である。
図 3 8は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置を備える、 外部滑沢式打錠機の演算処理装置の記憶部に予め記憶されている、 外部滑沢式打錠機の動作プログラムを概略的に示すフローチャートである。 図 3 9は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置を備える、 外部滑沢式打錠機の定量フィーダ装置の粉体材料貯蔵ホッパーに設 けられているガス噴射ノズル手段の動作、 及び、 材料切出弁の動作を概略的に説 明する説明図である。
図 4 0は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置と組み合わせて使用するのに好適な、 定量フィーダ装置の弾性体膜の動作を模 式的に示す説明図である。
図 4 1は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装 置と組み合わせて使用するのに好適な、 脈動空気振動波発生装置の他の一例の構 成を、 一部を切り欠いて、 概略的説明する、 構成図である。
図 4 2は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装
置と組み合わせて使用するのに好適な、 脈動空気振動波発生装置の他の一例の構 成を、 概略的説明する、 分解斜視図である。
図 4 3は、 従来の生菌類含有錠剤の一例を、 一部を切り欠いて、 模式的に示す 斜視図である。
図 4 4は、 従来のマイクロカプセル含有錠剤の一例を、 一部を切り欠いて、 模 式的に示す斜視図である。
図 4 5は、 従来のマイクロカプセルを模式的に示す断面図である。
図 4 6は、 従来の生菌類含有錠剤の製造方法では、 打錠圧を低くした場合にあ つても、 圧縮成形される成形材料中に含まれる生菌類に損傷が発生する作用を模 式的に説明する説明図である。
図 4 7は、 従来のマイクロカプセル含有錠剤の製造方法において、 打錠圧を低 くした場合にあっても、 圧縮成形される成形材料中に含まれるマイクロカプセル に損傷が発生する作用を模式的に説明する説明図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照しながら、 本発明に係る圧縮成形物の一例について、 更に、 詳しく説明する。
(発明の実施の形態 1 )
図 1は、 本発明に係る圧縮成形物を概略的に説明する説明図であり、 図 1 ( a ) は、 その斜視図を、 また、 図 1 ( b ) は、 その断面図である。
この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 圧 縮成形物本体 t aの表面に形成された外殻 t bとを備える。
圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 医薬品錠剤、 動物薬錠剤、 農薬用錠剤である場 合には、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aは、 有効成分や、 乳糖その他の賦形 剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々の材料を混合した粉粒体が、 圧縮成 形されて構成されている。
尚、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a中には、 滑沢剤を、 含有していないこ
とが好ましい。
これは、 滑沢剤は、 成形材料を圧縮成形する際に、 曰の成形材料接触表面、 下 杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面への成形材料の付着を防 止するためには、 滑沢剤は、 曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々と、 臼、 下杵及び上杵によって、 圧縮成形 される成形材料の表面との間に介在していればよく、 成形材料の内部には含まれ ている必要がないこと、 及び、 成形材料中に、 滑沢剤粉末が添加されている場合 には、 滑沢剤の撥水性が原因して、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の溶解時間や崩壊 時間が遅延し、 体内への有効成分の吸収が悪くなつたり、 効果の発現が遅くなつ たりするからである。
また、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 チユアブル錠の場合には、 口腔内で咀嚼 して、 唾液に溶かした際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a中に、 滑沢剤粉 末が含まれている場合には、 滑沢剤の疎水性が原因して、 服用者に、 不快な味 (苦み) がするからである。
また、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 食品用の錠剤である場合には、 圧縮成形 物本体 (錠剤本体部) t aは、 乳酸菌等の生菌類 (凍結乾燥粉砕物) 、 クロレラ (凍結乾燥粉砕物) 、 ?カロチン、 各種ビタミンその他の体に良いとされている 成分や栄養補給成分や、 マンニトールその他の糖類、 糖アルコール糖の賦形剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々の材料を混合した粉粒体が、 圧縮成形され て構成されている。
尚、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a中には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 又は、 硬化油脂粉末は、 含有していないことが 好ましい。
これは、 食品用の圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 水とともにそのまま嚥下して 服用してもよく、 また、 口腔内で咀嚼して、 唾液に溶かして、 水無しでも服用で きるようにするために、 チユアブル錠にされている場合が多いが、 圧縮成形物本
体 (錠剤本体部) t a中に、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エス テル粉末、 硬化油脂粉末が添加されている場合には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 又は、 硬化油脂の撥水性が原因して、 圧縮成形 物 (錠剤) t i 1の溶解時間や崩壊時間が遅延し、 体内への、 体に良いとされて いる成分、 及び/又は、 栄養補給成分の吸収が悪くなつたり、 効果の発現が遅く なったりするからである。
外殻 t bは、 その硬度が、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの硬度に比べ、 高い材料で形成されている。 これにより、 この外殻 t bは、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の保存 ·運搬時の、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の表面に欠けが生じるのを 防止する、 耐摩損性を発揮している。
図 2は、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aに形 成されている、 外殻 t bの構造を拡大して模式的に説明する説明図であり、 図 2
( a ) は、 外殻 t bの構造を拡大して模式的に説明する平面図を、 また、 図 2
( b ) は、 外殻 t bの構造を拡大して模式的に説明する断面図である。
外殻 t bは、 図 2 ( a ) 及び図 2 ( b ) の各々に示すように、 その一部に、 少 なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱 融着した部分 p t c · · ·を含む。
外殻 t bは、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互い に熱融着した部分 p t c · · ·を含む限り、 例えば、 外殻 t b中に、 熱溶融した 外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着しているような部分 を含んでいてもよく、 また、 例えば、 外殻 t b中に、 圧縮成形物本体を構成する 粉体の粒子、 又は、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを構成する粒体の粒子に、 熱溶融した外殻原料粉末が熱融着しているような部分を含んでいてもよい。
外殻原料粉末の粒径は、 特に限定されることはないが、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径を用いる 方が好ましい。 即ち、 外殻原料粉末の粒径としては、 例えば、 5 //m以上 5 0
m以下が好ましく、 1 0 z m以上 2 0 z m以下であることが、 より好ましく、 更 に好ましくは、 1 0 z m以上 1 5 m以下である。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり 過ぎて、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異な り、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 tの表 面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損なわれるからである。
外殻 t bの外殻原料粉末の融点は、 3 0 °C以上 8 0 °C以下であることが好まし く、 4 0 °C以上 7 8 °C以下であることが、 更に好ましい。
これは、 臼、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形する際に発生する熱 は、 成形材料を圧縮する際の打錠圧や、 臼、 下杵及び上杵により成形する成形材 料の量や、 成形材料の成分 ·組成等によって、 一概に規定はできないが、 概ね、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼、 下杵及び上杵は、 概ね、 3 0 °0以上8 0 以 下の温度範囲の熱を持つ。
したがって、 この温度範囲に融点 (m. p . ) がある、 外殻原料粉末を用いれ ば、 成形材料を圧縮する際の打錠圧によって、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部が熱溶融し た外殻原料粉末同士が互いに融着した部分 p t c · · ·を含む、 外殻 t bが形成 される。
次に、 外殻 t bの外殻原料粉末の好ましい具体例について説明する。
外殻 t bの外殻原料粉末としては、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステル を用いるのが好ましい。
脂肪酸エステルとしては、 例えば、 糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エス テル等を挙げることができる。
糖脂肪酸エステルの糖としては、 例えば、 グルコース、 ショ糖等の糖類や、 ソ
ルビトール、 マンニトール等の糖アルコール等を挙げることができる。
また、 脂肪酸、 脂肪酸金属塩又は糖脂肪酸エステルの脂肪酸部分としては、 炭 素数が 12以上 22以下の飽和脂肪酸、 例えば、 ドデカン酸、 トリデカン酸、 テ トラデカン酸、 ペン夕デカン酸、 へキサデカン酸、 ヘプ夕デカン酸、 ォク夕デカ ン酸 (ステアリン酸) 、 ノナデシル酸、 ィコサン酸、 ヘンィコサン酸、 ドコサン 酸 (以上は、 融点 (m. p) は、 44. 2°〇以上79. 9°Cの範囲内にある。 ) を挙げることができる。
脂肪酸金属塩の金属塩部分は、 例えば、 アルミニウム (A1)、 ナトリウム (Na)、 カリウム (K)、 カルシウム (Ca)、 マグネシウム (Mg)等を挙 げることができる。
また、 脂肪酸金属塩としては、 例えば、 ステアリン酸金属塩 (Al、 Na、 K、 Ca、 Mg等) を挙げることができる。
外殻 t bの外殻原料粉末としては、 より具体的には、 例えば、 ショ糖脂肪酸ェ ステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂粉末、 又は、 ステアリン 酸粉末をその好ましい具体例として挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、 融点 (m. p. ) が、 約 52°C以上約 62°C以下の 温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
グリセリン脂肪酸エステルは、 融点 (m. p. ) が、 約 62°C以上約 68°C以 下の温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合に は、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
硬化油脂は、 融点 (m. p. ) が、 約 40°C以上約 48°C以下の温度範囲にあ り、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能 を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
ステアリン酸は、 融点 (m. p. ) が、 56 °C以上約 72 °C以下の温度範囲に あり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機
能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
また、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 硬化油脂、 及び、 ステアリン酸は、 滑沢剤 (又は、 離型剤) としての機能を有しているので、 これ らを、 成形材料接触表面に塗布した曰、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した 下杵、 及び、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した上杵を用いて、 成形材料を 圧縮成形した場合、 これらが、 滑沢剤として機能するため、 臼の成形材料接触表 面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 成形材 料が付着することがない。 この結果、 この圧縮成形物は、 曰、 下杵、 及び、 上杵 により圧縮成形して製造する際に、 スティッキングゃラミネ一ティングやキヤッ ビング等の打錠障害が生じる頻度が低いため、 歩留まりが生じないため、 高い生 産効率で (工業的採算ベース) で、 製造できるという、 メリットもある。
この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分 p t c · · ·を含 む外殻 t bが形成されているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
より具体的に説明すると、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 外殻原料粉末同 士が、 臼、 下杵及び上杵により、 単に圧縮され、 嵌合状態で結合している外殻で はなく、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉 末同士が熱融着している部分 p t c ' · 'を含む外殻 t bによって覆われている c したがって、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1の外殻 t bは、 外殻原料粉末同士が 圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になっている外殻を有する圧縮成形物 に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1の表面に形成されている外殻 t bは、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が 互いに熱融着した部分を含む外殻 t bで構成されており、 コーティング装置等を 用いて、 素錠表面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような
外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口 腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性 が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地 であるために、 チユアブル錠としても、 適している。
また、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 その表面に、 外殻 t bが形成されて いるに過ぎず、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの内部に、 滑沢剤を含ませな いようにした場合には、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の溶解時間や崩壊時間が速く、 目的とする部位で、 直ちに溶ける。
従って、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの内部に、 滑沢剤を含ませないよ うにした場合には、 この圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 体内へ速やかに吸収され ので、 速効性がある。
また、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含ませないようにし た場合には、 チユアブル錠として、 口腔内で咀嚼した場合に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含んでいないため、 服用者に不快な味 (苦 み) を与えることがない。 即ち、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢 剤を含ませないようにした場合には、 チユアブル錠としての味が優れている。 また、 この圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成されている外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) では、 固まった状態 (固体) であるので、 室温や冷所で、 保存 ' 運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の表面に欠けが生じ ない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1を入れると、 口腔内の熱により、 外殻 t bが速やかに溶けるため、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル錠とし ても、 違和感がない。
次に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の製造方法について説明する。
図 3は、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の製造方法の一例を概略的に説明する工程 図である。
圧縮成形物 (錠剤) t i 1を製造する際には、 まず、 打錠機を準備する。 図 3
(a) は、 打錠機の組となる、 曰 13、 下杵 14、 及び、 上杵 15を概略的に示 す断面図である。 尚、 図 3 (a) 中、 12で示す部材装置は、 打錠機の回転テ一 ブルの一部を示している。 曰 13は、 回転テーブル 12に形成されている。
次に、 臼 13内に、 所定の位置まで、 下杵 14を挿入する。
臼 13内に挿入する下杵 14の成形材料接触表面 (上面) S 14の位置により、 曰 13の成形材料接触表面 S 13が規定される。
即ち、 臼 13の成形材料接触表面 S 13は、 臼 13の内周面の中、 下杵 14の 成形材料接触表面 (上面) S 14より上方の部分となる。
次に、 臼 13の成形材料接触表面 S 13、 下杵 14の成形材料接触表面 (上 面) S 14、 及び、 上杵 15の成形材料接触表面 (下面) S 15の各々に、 外殻 tbを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する。
外殻原料粉末としては、 滑沢剤 (離型剤) としての機能を有し、 且つ、 その融 点 (m. p. ) が、 30°C以上 80°C以下のもの、 より好ましくは、 40°C以上 78°C以下のものを用いる。
具体的には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 硬 化油脂粉末、 又は、 ステアリン酸粉末を用いる。
また、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中 に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径のもの、 より特定的 に説明すると、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 例えば、 5 /m以上 50 z m以下の範囲にあるものが好ましく、 10 m以上 20 zm以下の範囲にあるも のが、 より好ましく、 更に好ましくは、 10〃m以上 15 zm以下の範囲にある ものである。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の
一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり 過ぎて、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異な り、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 (錠 剤) t i 1の表面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損なわれるからである。 尚、 曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 外殻 t b を形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する方法としては、 種々 の方法が考えられるが、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料 接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の 各々に、 外殻 t bを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する好 ましい方法としては、 曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接 触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各 々に、 正圧の脈動空気振動波に、 外殻原料粉末を混和し、 分散し、 ノズル手段 (図示せず。 ) から、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散した、 外殻原料粉末 を、 正圧の脈動空気振動波とともに吹き付ける方法がある。
ここに、 「脈動空気振動波」 は、 空気の流れに、 圧力の高い部分 (空気流の流 速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが一定の周期 で交互に現れる空気の波を意味する。
また、 「正圧」 は、 この圧縮成形物の製造方法を実施する装置内の空気の圧力 が、 この圧縮成形物の製造方法を実施する装置外の空気の圧力に比べて、 高い状 態を意味する。
図 4 ( a ) 及び図 4 ( b ) の各々は、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に外殻原料粉末を塗布する際に用いる、 正圧の脈動空気振 動波を例示的に示す説明図である。
臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に外殻原料粉末を 塗布する際に用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 図 4 ( a ) に示すような、 脈動 空気振動波の振幅の谷が、 概ね、 大気圧に等しく、 振幅の山が、 正圧の脈動空気 振動波であっても、 また、 図 4 ( b ) に示すような、 脈動空気振動波の振幅の山 と谷とがともに、 正圧の脈動空気振動波であってもよい。
尚、 この圧縮成形物の製造方法で用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 用いる外 殻原料粉末を空気に混和し、 分散させるのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等 に設定される。
この圧縮成形物の製造方法では、 用いる外殻原料粉末の物性 (成分、 組成、 平 均粒径、 粒度分布等) に応じて、 用いる外殻原料粉末を空気に混和し、 分散させ るのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等を有する、 正圧の脈動空気振動波を用 いている。
これにより、 外殻原料粉末は、 一旦、 正圧の脈動空気振動波すると、 定常圧流 の空気流に比べ、 空気中に混和し、 分散した外殻原料粉末が、 空気と分離して、 堆積したりするといつた現象を生じ難い。
従って、 正圧の脈動空気振動波中に、 概ね一定量の外殻原料粉末を、 定常圧流 の空気流に比べ、 長時間、 混和し、 分散させた状態に維持することができる。 且つ、 正圧の脈動空気振動波には、 圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部 分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが交互に現れるという性 格があるため、 例えば、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 たとえ、 余分な外殻原料粉末が 付着 '堆積したとしても、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 余分 に付着 ·堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) と が、 交互に、 吹き付けられる結果、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4
にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4 から吹き飛ばされる。 この結果、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積し がちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 外殻原料粉末が、 必要 最小限の量で、 均一に、 塗布される。
また、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に吹き付けられ、 下杵 1 4 の成形材料接触表面 (上面) S 1 4から吹き飛ばされた、 外殻原料粉末は、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に付着する。 ここで、 臼 1 3の成形材料 接触表面 (内周面) S 1 3に余分な外殻原料粉末が付着,堆積したとしても、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に、 余分に付着 ·堆積した外殻原料粉 末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3から吹き飛ばされる。 この結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の 量で、 均一に、 塗布される。
また、 重力との関係で、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5には、 外 殻原料粉末が付着 '堆積し難いが、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 には、 外殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波とともに、 吹き付けられる結果、 上杵 S 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5にも、 外殻原料粉末が、 必要最小 限の量で、 均一に、 塗布される。
次に、 図 3 ( c ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する臼 1 3内の、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3と、 臼 1 3内に、 所定の位置まで挿入され、 且つ、 成形材料接触表面 (上 面) S 1 4には、 外殻原料粉末が塗布された、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4とにより形成される空間内に、 成形材料を充填する。
圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 医薬品錠剤、 動物薬錠剤、 農薬用錠剤である場
合には、 成形材料として、 有効成分粉粒体や、 乳糖その他の賦形剤粉粒体や、 必 要により、 補助剤粉粒体や添加剤粉粒体等の種々の材料を混合した粉粒体を用い る。
尚、 成形材料中には、 滑沢剤を、 添加しないことが好ましい。
これは、 この例では、 上述したように、 外殻原料粉末としては、 滑沢剤 (離型 剤) としての機能を有するものを用い、 滑沢剤 (離型剤) としての機能を有する 外殻原料粉末を、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形 材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 塗布しているので、 成形材料中に、 滑沢剤粉末を添加しなくても、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 圧縮 成形時に、 成形材料が付着するという現象が殆ど生じないため、 製造される圧縮 成形物 (錠剤) t i 1に、 スティヅキング、 ラミネ一ティング、 キヤヅビング等 の打錠障害が生じ難く、 また、 圧縮成形時に、 臼 1 3、 下杵 1 4、 及び、 上杵 1 5に、 ギシツキが生じ難いからである。
また、 成形材料中に、 滑沢剤粉末が添加されている場合には、 滑沢剤の撥水性 が原因して、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の溶解時間や崩壊 間が遅延し、 体内へ の有効成分の吸収が悪くなつたり、 効果の発現が遅くなつたりするからである。 また、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 チユアブル錠の場合には、 口腔内で咀嚼 して、 唾液に溶かした際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a中に、 滑沢剤粉 末が含まれている場合には、 滑沢剤の疎水性が原因して、 服用者に、 不快な味 (苦み) がするからである。
また、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1が、 食品用の錠剤である場合には、 成形材料 としては、 乳酸菌等の生菌類 (凍結乾燥粉砕物) 、 クロレラ (凍結乾燥粉碎物) 、 ?カロチン、 各種ビタミンその他の体に良いとされている成分、 及び/又は、 栄 養補給成分や、 マンニトールその他の糖類、 糖アルコール糖の賦形剤や、 必要に
より、 補助剤や添加剤等の種々の材料を混合した粉粒体を用いる。
尚、 成形材料中には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル 粉末、 又は、 硬化油脂は、 含有していないことが好ましい。
滑沢剤を、 含有していないことが好ましい。
これは、 食品用の圧縮成形物 (錠剤) t 1 1は、 水とともにそのまま嚥下して 服用してもよく、 また、 口腔内で咀嚼して、 唾液に溶かして、 水無しでも服用で きるようにするために、 チユアブル錠にされている場合が多いが、 圧縮成形物本 体 (錠剤本体部) t a中に、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エス テル粉末、 又は、 硬化油脂が添加されている場合には、 ショ糖脂肪酸エステル粉 末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 又は、 硬化油脂の撥水性が原因して、 圧縮 成形物 (錠剤) t i 1の溶解時間や崩壊時間が遅延し、 体内への、 体に良いとさ れている成分や栄養補給成分の吸収が悪くなつたり、 効果の発現が遅くなつたり するからである。
次に、 図 3 ( d ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 , (内周面) S 1 3を有する臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接 触表面 (下面) S 1 5を有する上杵 1 5を用い、 臼 1 3と下杵 1 4とにより形成 された空間内に充填された成形材料を、 圧縮成形する。
図 5は、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有す る曰 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する 下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を 有する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼 1 3の成形材料接触表 面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 下杵 1 4の成形 材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象を、 模式的に説明する、 説明図である。
尚、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に 塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象は同様であるので、 図 5では、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象のみを図示し、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象については、 図示するのを省略する。
上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末は、 図 5 ( a ) に示すように、 外殻原料粉末が互いに吸着した状態で、 上杵 1 5の成 形材料接触表面 (下面) S 1 5に付着している。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を開始すると、 圧縮成形する成形材料 の表面に、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5が押し当てられ、 外殻原 料粉末を介在して、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5と、 成形材料の 表面とが接触する (図 5 ( b ) を参照) 。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 曰 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を行うと、 成形材料が、 曰 1 3、 下杵 1 4、 及び、 上杵 1 5により圧縮され、 熱を発生する。
また、 臼 1 3の成形材料接触表 ® (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末の各々も、
圧縮され、 熱を発生する。
そして、 成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末の一部が 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融着したりして、 圧縮成形物本体
(錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される。
同様に、 成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された外殻原料粉末の一部が 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融着したりして、 圧縮成形物本体
(錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される。
また、 同様に、 成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱 により、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末 の一部が熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外 殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外 殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融着したりして、 圧縮成形 物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される (以上については、 図 5 ( c ) を参照) 。
以上の工程により、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに 熱融着した部分を含む外殻 t bが形成された圧縮成形物 (錠剤) t i 1が製造さ れる。
そして、 このようにして製造された、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1は、 例えば、 臼 1 3内の上方に下杵 1 4を移動させることにより、 臼 1 3内から取り出される
(図 3 ( e ) を参照) 。
この圧縮成形物の製造方法では、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5の各々の成形 材料接触表面 S 1 3、 S 1 4、 S 1 5に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末 が成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された臼 1 3、 外殻原料粉末が成形 材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が成形 材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された上杵 1 5を用いて、 成形材料を圧縮成 形し、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t bを製造すると同時に、 臼 1 3、 下杵 1 3及び上杵 1 5が成形材料を圧縮する際に発生する熱を用い、 曰 1 3の成形材料 接触表面 (内周面) S 1 3に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下 杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布されている外殻原料粉末の少な くとも一部、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布さ れている外殻原料粉末の少なくとも一部を熱溶融し、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 下杵 1 4の成形材料接触 表面 (上面) S 1 4に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 及び Z又は、 上杵 1 5 の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に、 その一部が熱溶融した外殻原料を、 曰 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体 (錠剤 本体部) t aを形成する際に、 曰 1 3の成形材料接触表面'(内周面) S 1 3、 下 杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接 触表面 (下面) S 1 5から、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に転写す ることで、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bを形成している。 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布されている外殻原料粉末の少 なくとも一部、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布されている外 殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下 面) S 1 5に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外 殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、
熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱 溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子に熱融着したりする そして、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮する際に発生する熱 等により、 熱溶融した、 熱融着した外殻原料粉末を含む外殻原料粉末が、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮成形することによって製造した圧縮成形 物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び/又は、 上杵 1 5の成形 材料接触表面 (下面) S 1 5から転写され、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外 殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分 p t c · · ·を含む外殻 t bが形成され た圧縮成形物 tが製造される。
この圧縮成形物の製造方法では、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 成形材料 を圧縮成形して圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを製造する際に、 同時に、 圧 縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bを形成しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素錠を、 コーティング装置等を用い、 その素錠の表 面に、 外殻を形成するという、 コーティング工程を用いる必要が無いので、 製造 ラインを、 圧縮成形工程と、 コーティング工程との 2本立てにすることなく、 圧 縮成形工程のみで、 外殻 t bを有する圧縮成形物 tを製造できる。
したがって、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 外殻 t bを有する圧縮成 形物 tを圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極めて簡単になり、 これにより、 外殻 t bを有する圧縮成形物 tを製造する際の製造コストを低く抑 えることができる。
のみならず、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物 tの表 面に形成される外殻 t bは、 外殻原料粉末の、 少なくとも、 一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分 p t c · · ·を含む外殻 t b であるために、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物 tは、
単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している 外殻ではなく、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻 原料粉末同士が熱融着している部分お t C · · ·を含む外殻 t bによって覆われ ている。 したがって、 この圧縮成形物 tの外殻 t bは、 単に、 外殻原料粉末同士 が圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比べ、 機械的強度が高いた め、 単に、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になっている外殻を有する 圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物 tの表面に 形成されている外殻 t bは、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 溶融した外殻原 料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻 t bであり、 コーティング装置等を 用いて、 素錠表面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような 外殻に比較した場合には、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成され た外殻に比べ、 脆 ため、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易い。 このため、 口 腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく 異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような喃み心地であるた めに、 チュアプル錠としても、 適している。
また、 この圧縮成形物の製造方法では、 融点 (m. p . ) が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下の外殻原料粉末を用いているので、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの 表面に、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 少なくとも、 その一部が互いに熱融 着した部分 p t c · · ·を含む、 外殻 t bが形成される。
そして、 この圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物 (錠剤) t i 1の、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成される外殻 t bは、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) では、 固まった状態であるので、 室温や冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の表面に欠けが生じない。
また、 外殻原料粉末の融点 (m. p . ) が、 上記範囲内で比較的低温のものを
用いた場合には、 口腔内に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1を入れると、 口腔内の熱 により、 外殻 t bが速やかに溶け、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル 錠としても、 違和感がない。
且つ、 この圧縮成形物の製造方法では、 安全性に優れ、 入手も容易で、 外殻 t bを形成した場合、 耐摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機能 する、 外殻原料粉末を用いているので、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 安全性に優れ、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1の表面に欠けを生じ 難い、 圧縮成形物 (錠剤) t i 1を、 高い製造効率で製造することができる。 (発明の実施の形態 2 )
図 6は、 本発明に係る、 生菌類含有圧縮成形物を概略的に説明する説明図であ り、 図 6 ( a ) は、 その斜視図を、 また、 図 6 ( b ) は、 その断面図である。 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 生菌類 v m c - - ·を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 生菌類 v m c · · ·を含 有する圧縮成形物本体 t aの表面に形成された外殻 t bとを備える。
圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2が、 医薬品錠剤、 動物薬 錠剤、 農薬用錠剤である場合には、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの生菌類 v m c · · '以外の部分 (即ち、 マトリックス部分 (つなぎ部分) ) は、 乳糖そ の他の賦形剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々の微量添加材料を混合し た製剤原料粉粒体が、 圧縮成形されて構成されている。
この圧縮成形物 (生生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 圧縮成形物本 体 (錠剤本体部) t aの生菌類 v m c · · ·以外の部分を構成する製剤原料粉粒 体を、 生菌類 v m c · · ·を含有する成形材料を、 圧縮成形する際に、 発生する 熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成している。
より具体的に説明すると、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2が、 医薬品の錠剤である場合には、 製剤原料粉粒体中には、 通常、 成形材 料中に添加されている滑沢剤 (ステアリン酸、 ステアリン酸金属塩 (A l、 M g、
K、 Ca、 Na) 等) が添加されていない。
また、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2が、 食品の錠 剤である場合には、 製剤原料粉粒体中には、 通常、 成形材料中に添加されている 滑沢剤 (ショ糖脂肪酸エステル等) が添加されていない。
外殻 t bは、 その硬度が、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの硬度に比べ、 高い材料で形成されている。 これにより、 この外殻 t bは、 圧縮成形物 (錠剤) t i 2の保存 ·運搬時の、 圧縮成形物 (錠剤) t i 2の表面に欠けが生じるのを 防止する、 耐摩損性を発揮している。
図 7は、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の圧縮成形物本 体 (錠剤本体部) t aの表面に形成されている、 外殻 t bの構造を拡大して模式 的に説明する説明図であり、 図 7 (a) は、 外殻 t bの構造を拡大して模式的に 説明する平面図を、 また、 図 7 (b) は、 外殻 tbの構造を拡大して模式的に説 明する断面図である。
外殻 t bは、 図 7 (a) 及び図 7 (b) の各々に示すように、 その一部に、 少 なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱 融着した部分 pt · · ·を含む。
外殻 t bは、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互い に熱融着した部分 Pt · · ·を少なくとも含む限り、 例えば、 外殻 t b中に、 熱 溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着しているよ うな部分を含んでいてもよく、 また、 例えば、 外殻 t b中に、 圧縮成形物本体を 構成する粉体の粒子、 又は、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを構成する粒体 の粒子に、 熱溶融した外殻原料粉末が熱融着しているような部分を含んでいても よい。
外殻原料粉末の粒径は、 特に限定されることはないが、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径を用いる 方が好ましい。 即ち、 外殻原料粉末の粒径としては、 例えば、 5 m以上 50 /
m以下が好ましく、 10 m以上 2 O^m以下であることが、 より好ましく、 更 に好ましくは、 10//m以上 15 zm以下である。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり 過ぎて、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異な り、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 tの表 面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損なわれるからである。
外殻 t bの外殻原料粉末の融点は、 30°C以上 80°C以下であることが好まし く、 40°C以上 78°C以下であることが、 更に好ましい。
これは、 臼、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形する際に発生する熱 は、 生菌類 vmc · · ·を含有する成形材料を圧縮する際の打錠圧や、 臼、 下杵 及び上杵により成形する、 生菌類 vmc · · ·を含有する成形材料の量や、 生菌 類 vmc · · ·を含有する成形材料の成分 ·組成等によって、 一概に規定はでき ないが、 概ね、 生菌類 vmc · · ·を含有する成形材料を圧縮成形する際に、 曰、 下杵及び上杵は、 概ね、 30°C以上 80°C以下の温度範囲の熱を持つ。
したがって、 この温度範囲に融点 (m. p. ) がある、 外殻原料粉末を用いれ ば、 生菌類 vmc · · ·を含有する成形材料を圧縮する際の打錠圧によって、 外 殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 生菌類 vmc · · ,を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部が熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに融着した部分 p t · · 'を含む、 外殻 t bが形成される。
次に、 外殻 t bの外殻原料粉末の好ましい具体例について説明する。
外殻 t bの外殻原料粉末としては、 例えば、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリ セリン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂粉末、 又は、 ステアリン酸粉末をその好ま しい具体例として挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、 融点 (m. p. ) が、 約 52°C以上約 62°C以下の
温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
グリセリン脂肪酸エステルは、 融点 (m. p . ) が、 約 6 2 °C以上約 6 8 °C以 下の温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合に は、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
硬化油脂は、 融点 (m. p . ) が、 約 4 0 °C以上約 4 8 °C以下の温度範囲にあ り、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能 を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
ステアリン酸は、 融点 (m. p . ) が、 5 6 °C以上約 7 2 °C以下の温度範囲に あり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機 能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
また、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 硬化油脂、 及び、 ステアリン酸は、 滑沢剤 (又は、 離型剤) としての機能を有しているので、 これ らを、 成形材料接触表面に塗布した曰、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した 下杵、 及び、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した上杵を用いて、 成形材料を 圧縮成形した場合、 これらが、 滑沢剤として機能するため、 臼の成形材料接触表 面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 成形材 料が付着することがない。 この結果、 この圧縮成形物は、 臼、 下杵、 及び、 上杵 により圧縮成形して製造する際に、 スティッキングゃラミネ一ティングやキヤッ ビング等の打錠障害が生じる頻度が低いため、 歩留まりが生じないため、 高い生 産効率で (工業的採算べ一ス) で、 製造できるという、 メリットもある。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 圧縮成形物 (錠 剤) 内部に含有される生菌類 vm c · ■ ·が損傷を受けておらず、 圧縮成形物 (錠剤) t i 2中に含まれる生菌類の生存率が高いため、 圧縮成形物 (錠剤) t i 2の本来の目的とする機能が損なわれることなく、 発揮される。
また、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 その表面
に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互 いに融着した部分 P t · · 'を含む外殻 t bが形成されているので、 保存や運搬 中に欠けが生じ難 。
より具体的に説明すると、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 外殻原料粉末同士が、 曰、 下杵及び上杵により、 単に圧縮され、 嵌合 状態で結合している外殻ではなく、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融 し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部分 p t · · ·を含む外殻 t bによって覆われている。 したがって、 この圧縮成形物 (錠剤) 1 丄 2の外殻七 bは、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比 ベ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって いる外殻を有する生菌類含有圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ 難い。
その一方、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の表面に 形成されている外殻 t bは、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱 溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む外殻 t bで構成されて おり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コ一ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く 口腔内で咀嚼した場 合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠 剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異なることに起因する、
咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠とし ても、 適している。
また、 この例に示す圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 その表面に、 外殻 t bが形成されているに過ぎず、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの内部に、 滑沢剤を含ませないようにしているので、 この圧 縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 圧縮成形物 (生生菌類含 有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の溶解時間や崩壊時間が速く、 目的とする部位で、
直ちに錠剤が溶け、 錠剤内部に含有されている生菌類 v m c · · 'が放出される また、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含ませな いようにした場合には、 チユアブル錠として、 口腔内で咀嚼した場合に、 生菌類 含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含んでいないため、 服用 者に不快な味 (苦み) を与えることがない。 即ち、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 チユアブル 錠としての味が優れている。
また、 この生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成されて いる外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) では、 固まった状態 (固体) であるので、 室温や冷 所で、 保存,運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形 物 (錠剤) ) t i 2の表面に欠けが生じない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2を入れると、 口腔内の熱により、 外殻 t bが速やかに溶けるため、 素錠と同様の性状を有する ため、 チユアブル錠としても、 違和感がない。
次に、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の製造方法につい て説明する。
圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2は、 図 3に示した圧縮成 形物の製造方法と同様の製造方法によって製造できる。
また、 図 8は、 圧縮成形物 (生生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の製造 工程を模式的に説明する説明図である。
まず、 図 8 ( a ) に示すように、 生菌類 v m c · · · と、 賦形剤 Vとを準備す る。
尚、 この例では、 生菌類 v m c · · ·と、 賦形剤 Vとを準備した例を示してい るが、 これら以外に、 補助剤等の添加剤が含まれていても良い。
但し、 賦形剤 Vや、 賦形剤 Vの他に補助剤等の添加剤が含まれる場合にあって は、 製剤原料粉粒体は、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で 概ね構成されている。
次に、 生菌類 v m c · · · と、 賦形剤 V (賦形剤 Vの他に補助剤等の添加剤が 含まれる場合にあっては、 製剤原料粉粒体) とを混合し、 生菌類 v m c · · ·を 含有する成形材料 Mを準備する。
また、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2を製造する際には、 まず、 打錠機を準備する。
次に、 図 3 ( a ) に示すように、 曰 1 3内に、 所定の位置まで、 下杵 1 4を挿 入する。
曰 1 3内に挿入する下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4の位置により、 曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3が規定される。
即ち、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3は、 曰 1 3の内周面の中、 下杵 1 4の 成形材料接触表面 (上面) S 1 4より上方の部分となる。
次に、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 外殻 t bを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する。
外殻原料粉末としては、 滑沢剤 (離型剤) としての機能を有し、 且つ、 その融 点 (m. p . ;) が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下のもの、 より好ましくは、 4 0 °C以上 7 8 °C以下のものを用いる。
具体的には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 硬 化油脂粉末、 又は、 ステアリン酸粉末を用いる。
また、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中 に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径のもの、 より特定的 に説明すると、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 例えば、 5 m以上 5 0 / m以下の範囲にあるものが好ましく、 1 0 zm以上 2 0 m以下の範囲にあるも
のが、 より好ましく、 更に好ましくは、 1 0 // m以上 1 5 z m以下の範囲にある ものである。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり 過ぎて、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が 著しく異なり、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 (生菌 類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の表面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損 なわれるからである。
尚、 曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 外殻 t b を形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する方法としては、 種々 の方法が考えられるが、 曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料 接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の 各々に、 外殻 t bを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する好 ましい方法としては、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接 触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各 々に、 正圧の脈動空気振動波に、 外殻原料粉末を混和し、 分散し、 ノズル手段 (図示せず。 ) から、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散した、 外殻原料粉末 を、 正圧の脈動空気振動波とともに吹き付ける方法がある。
曰 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に外殻原料粉末を 塗布する際に用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 図 4 ( a ) に示すような、 脈動 空気振動波の振幅の谷が、 概ね、 大気圧に等しく、 振幅の山が、 正圧の脈動空気 振動波であっても、 また、 図 4 ( b ) に示すような、 脈動空気振動波の振幅の山 と谷とがともに、 正圧の脈動空気振動波であってもよい。
尚、 この生菌類含有圧縮成形物の製造方法で用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 用いる外殻原料粉末を空気に混和し、 分散させるのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等に設定される。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 用いる外殻原料粉 末の物性 (成分、 組成、 平均粒径、 粒度分布等) に応じて、 用いる外殻原料粉末 を空気に混和し、 分散させるのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等を有する、 正圧の脈動空気振動波を用いている。
これにより、 外殻原料粉末は、 一旦、 正圧の脈動空気振動波すると、 定常圧流 の空気流に比べ、 空気中に混和し、 分散した外殻原料粉末が、 空気と分離して、 堆積したりするといつた現象を生じ難い。
従って、 正圧の脈動空気振動波中に、 概ね一定量の外殻原料粉末を、 定常圧流 の空気流に比べ、 長時間、 混和し、 分散させた状態に維持することができる。 且つ、 正圧の脈動空気振動波には、 圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部 分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが交互に現れるという性 格があるため、 例えば、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 たとえ、 余分な外殻原料粉末が 付着 '堆積したとしても、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 余分 に付着 ·堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) と が、 交互に、 吹き付けられる結果、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4 にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4 から吹き飛ばされる。 この結果、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積し がちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 外殻原料粉末が、 必要 最小限の量で、 均一に、 塗布される。
また、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に吹き付けられ、 下杵 1 4 の成形材料接触表面 (上面) S 1 4から吹き飛ばされた、 外殻原料粉末は、 曰 1
3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に付着する。 ここで、 臼 1 3の成形材料 接触表面 (内周面) S 1 3に余分な外殻原料粉末が付着 '堆積したとしても、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に、 余分に付着 ·堆積した外殻原料粉 末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3から吹き飛ばされる。 この結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の 量で、 均一に、 塗布される。
また、 重力との関係で、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5には、 外 殻原料粉末が付着 '堆積し難いが、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 には、 外殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波とともに、 吹き付けられる結果、 上杵 S 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5にも、 外殻原料粉末が、 必要最小 限の量で、 均一に、 塗布される。
次に、 図 3 ( c ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する曰 1 3内の、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3と、 臼 1 3内に、 所定の位置まで挿入され、 且つ、 成形材料接触表面 (上 面) S 1 4には、 外殻原料粉末が塗布された、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4とにより形成される空間内に、 成形材料を充填する。
この成形材料は、 生菌類 v m c · · · と、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い 融点を有する材料で概ね構成された、 製剤原料粉粒体との混合物である。
生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) t i 2が、 医薬品錠剤、 動物薬錠剤、 農薬用錠 剤である場合には、 成形材料として、 有効成分含有生菌類や、 乳糖その他の賦形 剤粉粒体や、 必要により、 補助剤粉粒体や添加剤粉粒体等の種々の材料を混合し た粉粒体を用いる。 ' また、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2が、 食品用の錠剤
である場合には、 成形材料としては、 乳酸菌等の生菌類 (凍結乾燥粉砕物) 、 ク ロレラ (凍結乾燥粉砕物) 、 5カロチン、 各種ビタミンその他の体に良いとされ ている成分、 及び/又は、 栄養補給成分を含有させた生菌類や、 マンニトールそ の他の糖類、 糖アルコール糖の賦形剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々 の材料を混合した粉粒体を用いる。
次に、 図 3 ( d ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面
(内周面) S 1 3を有する曰 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接 触表面 (下面) S 1 5を有する上杵 1 5を用い、 臼 1 3と下杵 1 4とにより形成 された空間内に充填された、 生菌類を含有する成形材料を、 圧縮成形する。
図 9は、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有す る臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する 下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を 有する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼 1 3の成形材料接触表 面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 下杵 1 4の成形 材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象を、 模式的に説明する、 説明図である。
尚、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に 塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象は同様であるので、 図 9では、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象のみを図示し、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象については、 図示するのを省略する。
上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末は、 図 9 ( a ) に示すように、 外殻原料粉末が互いに吸着した状態で、 上杵 1 5の成 形材料接触表面 (下面) S 1 5に付着している。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 曰 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を開始すると、 圧縮成形する成形材料 の表面に、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5が押し当てられ、 外殻原 料粉末を介在して、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5と、 生菌類 vm c · · ·を含有する成形材料の表面とが接触する (図 9 ( b ) を参照) 。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 曰 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を行うと、 成形材料が、 曰 1 3、 下杵 1 4、 及び、 上杵 1 5により圧縮され、 熱を発生する。
また、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末の各々も、 圧縮され、 熱を発生する。
そして、 成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末の一部が 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融着したりして、 生菌類含有圧縮成 形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される。
同様に、 生菌類 vm c · · ·を含有する成形材料から発生した熱、 及び、 外殻
原料粉末から発生した熱により、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に 塗布された外殻原料粉末の一部が熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融 着したり、 熱溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融 着したり、 熱溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融 着したりして、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t b として形成される。
また、 同様に、 生菌類 v m c · · ·を含有する成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末の一部が熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が 熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが 熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と 熱融着したりして、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される。
以上の工程により、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに熱融着した部分を含む外殻 t bが形成された圧縮成形物 (生菌類含 有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2が製造される。
一方、 生菌類 v m c · · ·を含有する成形材料中、 製剤原料粉粒体は、 生菌類 v m c · · ·を含有する成形材料が、 圧縮成形される時に、 成形材料に発生する 熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成されているので、 生菌類 v m c · · · を含有する成形材料は、 圧縮成形時に、 溶融する成分を全く含んでいないか、 含 んでいたとしても微量であるため、 溶融した成分が、 溶融した成分の周囲に存在 する、 生菌類 v m c · · ·や、 賦形剤 V · · 'にひっついたり、 溶融した成分同 士が互いに融着するといつた現象を生じない。
このような状態で、 成形材料の打錠 (圧縮成形) 工程が進行する結果、 圧縮成 形される成形材料中に含有される生菌類 v m c · · ·には、 損傷が発生しない。
そして、 このようにして製造された、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠 剤) ) t i 2は、 例えば、 臼 13内の上方に下杵 14を移動させることにより、 臼 13内から取り出される (図 3 (e) を参照) 。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 生菌類 vmc - · •を含有する成形材料中に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じる熱により溶融する 成分粉粒体を含ませないようにしたので、 製造される、 生菌類含有圧縮成形物中 の、 生菌類が損傷しない (図 8 (c) 及び図 9 (c) を参照) 。
また、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼 13、 下 杵 14及び上杵 15の各々の成形材料接触表面 S 13、 S 14、 S 15に、 外殻 原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料接触表面 (内周面) S 13に塗布さ れた曰 13、 外殻原料粉末が成形材料接触表面 (上面) S 14に塗布された下杵 14、 及び、 外殻原料粉末が成形材料接.触表面 (下面) S 15に塗布された上杵 15を用いて、 成形材料を圧縮成形し、 生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) t bを製造すると同時に、 臼 13、 下杵 13及び上杵 15が成形材料を圧縮 する際に発生する熱を用い、 曰 13の成形材料接触表面 (内周面) S 13に塗布 されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵 14の成形材料接触表面 (上 面) S 14に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵 15の成形材料接触表面 (下面) S 15に塗布されている外殻原料粉末の少なく とも一部を熱溶融し、 曰 13の成形材料接触表面 (内周面) S 13に、 その一部 が熱溶融した外殻原料、 下杵 14の成形材料接触表面 (上面) S 14に、 その一 部が熱溶融した外殻原料、 及び Z又は、 上杵 15の成形材料接触表面 (下面) S 15に、 その一部が熱溶融した外殻原料を、 臼 13、 下杵 14及び上杵 15が、 生菌類 vmc · · 'を含有する成形材料を圧縮成形して、 生菌類 vmc · · ·を 含有する生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを形成する際に、 曰 13 の成形材料接触表面 (内周面) S 13、 下杵 14の成形材料接触表面 (上面) S 14、 及び/又は、 上杵 15の成形材料接触表面 (下面) S 15から、 生菌類含
有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に転写することで、 生菌類含有圧縮 成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bを形成している。
曰 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布されている外殻原料粉末の少 なくとも一部、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布されている外 殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下 面) S 1 5に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外 殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱 溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子に熱融着したりする そして、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 生菌類 v m c · · ·を含有する成 形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱溶融し、 熱融着した外殻原料粉末 を含む外殻原料粉末が、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮成形す ることによって製造した生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5から転写 され、 生菌類を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 その一部 に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互 いに熱融着した部分 p t · · ,を含む外殻 t bが形成された生菌類含有圧縮成形 物 tが製造される。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼 1 3、 下杵 1 4 及び上杵 1 5が、 成形材料を圧縮成形して生菌類含有圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) t aを製造する際に、 同時に、 生菌類を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) t aの表面に外殻 t bを形成しているので、 一旦、 圧縮成形することで得ら れた素錠を、 コーティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成すると いう、 コーテング工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、
コーテング工程との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻 t bを 有する圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2を製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法を用いれば、 外殻 t bを有する生菌類含有圧縮成形物 tを圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極めて簡単になり、 これにより、 外殻 t bを有する生菌類含有圧縮 成形物 tを製造する際の製造コストを低く抑えることができる。
のみならず、 この生菌類含有圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成 形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の表面に形成される外殻 t bは、 外殻原料粉末の、 少なくとも、 一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士 が互いに融着した部分 p t · ·を含む外殻 t bであるために、 この生菌類含有圧 縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠 剤) t i 2は、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態 で結合している外殻ではなく、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部分 P t · · ·を含む外殻 t に よって覆われている。 したがって、 この生菌類含有圧縮成形物 tの外殻 t bは、 単に、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比 ベ、 機械的強度が髙いため、 単に、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態に なっている外殻を有する生菌類含有圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠け が生じ難い。
その一方、 この生菌類含有圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) t i 2の表面に形成されている外殻 t bは、 外 殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部 分を含む外殻 t bであり、 コ一ティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティ ング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 コ一 ティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いため、 口腔 内で咀嚼した場合には、 壊れ易い。 このため、 口腔内で咀嚼した際に、 生菌類を
含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに 起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユア ブル錠としても、 適している。
また、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 融点 (m. p . ) が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下の外殻原料粉末を用いているので、 生菌類含有 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 少なくとも、 その一部が互いに熱融着した部分 p t · · ·を含む、 外殻 t bが形 成される。
そして、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造され る圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の、 生菌類を含有する圧 縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成される外殻 t bは、 3 0 °C以上に ならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以 下) では、 固まった状態であるので、 室温や冷所で、 保存,運搬する限り、 保存 や運搬時に、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 2の表面に欠け が生じない。
また、 外殻原料粉末の融点 (m. p . ) が、 上記範囲内で比較的低温のものを 用いた場合には、 口腔内に、 生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) t i 2を入れると、 口腔内の熱により、 外殻 t bが速やかに溶け、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル錠としても、 違和感がない。
且つ、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 安全性に優 れ、 入手も容易で、 外殻 t bを形成した場合、 耐摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢 剤 (離型剤) としても機能する、 外殻原料粉末を用いているので、 この生菌類含 有圧縮成形物の製造方法を用いれば、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠 剤) ) 内部に含まれる生菌類が損傷を受けておらず、 しかも、 安全性に優れ、 保 存ゃ運搬時に、 生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) t i 2の表面に欠けを生じ難い、 生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) t i 2を、 高い製造効率で製造することができる。
(発明の実施の形態 3)
図 10は、 本発明に係る、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) を 概略的に説明する説明図であり、 図 10 (a) は、 その斜視図を、 また、 図 10 (b) は、 その断面図である。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 マイ クロカプセル mc · · 'を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 マイ クロカプセル mc · · '圧縮成形物本体 t aの表面に形成された外殻 t bとを備 える。
なお、 図 10中、 miで示す部分は、 マトリックス (つなぎ部分) を示してい る。
圧縮成形物 (錠マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3が、 医薬品 錠剤、 動物薬錠剤、 農薬用錠剤である場合には、 マイクロカプセル mc · · ■以 外の圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a (即ち、 マトリックス (つなぎ部分) m i) は、 乳糖その他の賦形剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々の微量添 加材料を混合した製剤原料粉粒体が、 圧縮成形されて構成されている。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 マト リックス (つなぎ部分) miを構成する製剤原料粉粒体を、 マイクロカプセル m c · · ·を含有する成形材料を、 圧縮成形する際に、 発生する熱よりも高い融点 を有する材料で概ね構成している。
より具体的に説明すると、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3が、 医薬品の錠剤である場合には、 製剤原料粉粒体中には、 通 常、 成形材料中に添加されている滑沢剤 (ステアリン酸、 ステアリン酸金属塩 (Al、 Mg、 K、 Ca、 Na) 等) が添加されていない。
また、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3が、 食品の錠剤である場合には、 製剤原料粉粒体中には、 通常、 成形材料中に添加さ れている滑沢剤 (ショ糖脂肪酸エステル等) が添加されていない。
外殻 t bは、 その硬度が、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの硬度に比べ、 高い材料で形成されている。 これにより、 この外殻 t bは、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3の保存 '運搬時の、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3の表面に欠けが生じるのを 防止する、 耐摩損性を発揮している。
図 1 1は、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3の 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成されている、 外殻 t bの構造を 拡大して模式的に説明する説明図であり、 図 1 1 (a) は、 外殻 t bの構造を拡 大して模式的に説明する平面図を、 また、 図 1 1 (b) は、 外殻 t bの構造を拡 大して模式的に説明する断面図である。
外殻 t bは、 図 1 1 (a) 及び図 1 1 (b) の各々に示すように、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに 熱融着した部分 pt · · ·を含む。
外殻 t bは、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互い に熱融着した部分 pt · · ·を少なくとも含む限り、 例えば、 外殻 t b中に、 熱 溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着しているよ うな部分を含んでいてもよく、 また、 例えば、 外殻 t b中に、 圧縮成形物本体を 構成する粉体の粒子、 又は、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを構成する粒体 の粒子に、 熱溶融した外殻原料粉末が熱融着しているような部分を含んでいても よい。
外殻原料粉末の粒径は、 特に限定されることはないが、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径を用いる 方が好ましい。 即ち、 外殻原料粉末の粒径としては、 例えば、 5 /m以上 50 / m以下が好ましく、 10 zm以上 20〃m以下であることが、 より好ましく、 更 に好ましくは、 1 O^m以上 15/ m以下である。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり
過ぎて、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異な り、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 tの表 面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損なわれるからである。
外殻 t bの外殻原料粉末の融点は、 3 0 °C以上 8 0 °C以下であることが好まし く、 4 0 °C以上 7 8 °C以下であることが、 更に好ましい。
これは、 曰、 下杵及び上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形する際に発生する熱 は、 マイクロカプセル m c · · ,を含有する成形材料を圧縮する際の打錠圧や、 曰、 下杵及び上杵により成形する、 マイクロカプセル m c · · ·を含有する成形 材料の量や、 マイクロカプセル m c ■ · ·を含有する成形材料の成分 ·組成等に よって、 一概に規定はできないが、 概ね、 マイクロカプセル m c · · 'を含有す る成形材料を圧縮成形する際に、 曰、 下杵及び上杵は、 概ね、 3 0 °C以上 8 0 °C 以下の温度範囲の熱を持つ。
したがって、 この温度範囲に融点 (m. p . ) がある、 外殻原料粉末を用いれ ば、 マイクロカプセル m c · · ·を含有する成形材料を圧縮する際の打錠圧によ つて、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 マイクロカプセル m c · · ·を含有す る圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部が熱溶融 した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分 p t c · · ·を含む、 外殻 t bが形 成される。
次に、 外殻 t bの外殻原料粉末の好ましい具体例について説明する。
外殻 t bの外殻原料粉末としては、 例えば、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリ セリン脂肪酸エステル粉末、 硬化油脂粉末、 又は、 ステアリン酸粉末をその好ま しい具体例として挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、 融点 (m. p . ) が、 約 5 2 °C以上約 6 2。C以下の 温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
グリセリン脂肪酸エステルは、 融点 (m. p . ) が、 約 6 2 °C以上約 6 8 °C以 下の温度範囲にあり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合に は、 耐摩損性機能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
硬化油脂は、 融点 (m. p . ) が、 約 4 0 C以上約 4 8 °C以下の温度範囲にあ り、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機能 を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
ステアリン酸は、 融点 (m. p . ) が、 5 6 °C以上約 7 2 °C以下の温度範囲に あり、 安全性に優れ、 入手が容易で、 しかも、 外殻とした場合には、 耐摩損性機 能を十分に発揮するので、 外殻原料として適している。
また、 ショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 硬化油脂、 及び、 ステアリン酸は、 滑沢剤 (又は、 離型剤) としての機能を有しているので、 これ らを、 成形材料接触表面に塗布した曰、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した 下杵、 及び、 これらを、 成形材料接触表面に塗布した上杵を用いて、 成形材料を 圧縮成形した場合、 これらが、 滑沢剤として機能するため、 曰の成形材料接触表 面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 成形材 料が付着することがない。 この結果、 この圧縮成形物は、 臼、 下杵、 及び、 上杵 により圧縮成形して製造する際に、 スティッキングゃラミネ一ティングやキヤッ ビング等の打錠障害が生じる頻度が低いため、 歩留まりが生じない'ため、 高い生 産効率で (工業的採算べ一ス) で、 製造できるという、 メリットもある。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 圧縮 成形物 (錠剤) 内部に含有されるマイクロカプセル m c · · 'が損傷を受けてい ないので、 圧縮成形物 (錠剤) の本来の目的とする機能が損なわれることなく、 発揮される。
また、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに融着した部分 p t c · ♦ 'を含む外殻 t bが形成されているので、
保存や運搬中に欠けが生じ難い。
より具体的に説明すると、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物
(錠剤) ) t i 3は、 外殻原料粉末同士が、 臼、 下杵及び上杵により、 単に圧縮 され、 嵌合状態で結合している外殻ではなく、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部 が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部分 p t C · · · を含む外殻 t bによって覆われている。 したがって、 この圧縮成形物 (錠剤) t 1 3の外殻1: 13は、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合して いる外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合 状態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生 じ難い。
その一方、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3の表面に形成されている外殻 t bは、 少なくとも、 外殻原料粉末の一部が、 熱 溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む外殻 t で 構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティング液を スプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内 で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼 時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。
また、 この例に示す圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 その表面に、 外殻 t bが形成されているに過ぎず、 圧縮成形物本体
(錠剤本体部) t aの内部に、 滑沢剤を含ませないようにしているので、 この圧 縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 圧縮成形物
(錠剤) t i 3の溶解時間や崩壊時間が速く、 目的とする部位で、 直ちに錠剤が 溶け、 錠剤内部に含有されているマイクロカプセル m c · · ·が放出される。 従って、 この例に示すように、 マイクロカプセル含有圧縮成形物本体 (錠剤本
体部) t aの内部に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 目的とする部位で、 直 ちに、 マイクロカプセル m c · · ·が放出され、 しかも、 放出されるマイクロ力 プセノレ m c · · ' が
、 損傷を受けていないため、 マイクロカプセル m c · · '本来の目的とする機能 が損なわれることなく、 発揮される。
また、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含ませないようにし た場合には、 チユアブル錠として、 口腔内で咀嚼した場合に、 圧縮成形物本体
(錠剤本体部) t a内に、 滑沢剤を含んでいないため、 服用者に不快な味 (苦 み) を与えることがない。 即ち、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t a内に、 滑沢 剤を含ませないようにした場合には、 チュアプル錠としての味が優れている。 また、 この圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成されている外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所
( 1 5 °C以下) では、 固まった状態 (固体) であるので、 室温や冷所で、 保存 - 運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3の表面に欠けが生じ ない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3を入れると、 口腔内の熱により、 外殻 t bが速やかに溶けるため、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル錠とし ても、 違和感がない。
次に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3の製造方法について説明する。
この圧縮成形物 (錠剤) t i 3の製造方法は、 図 3に示す圧縮成形物 (錠剤) の製造方法と同様である。
また、 図 1 2は、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3の製造工程を模式的に説明する説明図である。
まず、 図 1 2 ( a ) に示すように、 マイクロカプセル m c · · · と、 賦形剤 V
とを準備する。
尚、 図 12 (a) に示す例では、 賦形剤 Vを用いた例を示しているが、 圧縮成 形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3を製造する際には、 賦 形剤 Vの他に、 補助剤等の微量添加剤が含まれていてよい。
この場合、 賦形剤 V、 補助剤等の製剤原料粉粒体は、 圧縮成形時に発生する熱 よりも高い融点を有する材料で概ね構成する。
次に、 マイクロカプセル mc · · · と、 賦形剤 Vとを混合し、 マイクロカプセ ル mc · · ·を含有する成形材料 Mを準備する。
賦形剤 Vの他に、 補助剤等の微量添加剤が含まれている場合には、 マイクロ力 プセル mc ■ · · と、 製剤原料粉粒体とを混合し、 マイクロカプセル mc · · · を含有する成形材料を準備する (図 12 (b) を参照) 。
また、 打錠機を準備する。
次に、 図 3 (a) に示すように、 臼 13内に、 所定の位置まで、 下杵 14を挿 入する。
曰 13内に挿入する下杵 14の成形材料接触表面 (上面) S 14の位置により、 臼 13の成形材料接触表面 S 13が規定される。
即ち、 臼 13の成形材料接触表面 S 13は、 曰 13の内周面の中、 下杵 14の 成形材料接触表面 (上面) S 14より上方の部分となる。
次に、 曰 13の成形材料接触表面 S 13、 下杵 14の成形材料接触表面 (上 面) S 14、 及び、 上杵 15の成形材料接触表面 (下面) S 15の各々に、 外殻 t bを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する。
外殻原料粉末としては、 滑沢剤 (離型剤) としての機能を有し、 且つ、 その融 点 (m. p. ) が、 30°C以上 80°C以下のもの、 より好ましくは、 40°C以上 78°C以下のものを用いる。
具体的には、 ショ糖脂肪酸エステル粉末、 グリセリン脂肪酸エステル粉末、 硬 化油脂粉末、 又は、 ステアリン酸粉末等を用いる。
また、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 通常、 滑沢剤として、 成形材料中 に添加される滑沢剤粉末の粒径に比べて、 やや大きめの粒径のもの、 より特定的 に説明すると、 外殻原料粉末としては、 その粒径が、 例えば、 5 Ζ Π1以上 5 0 m以下の範囲にあるものが好ましく、 1 0 m以上 2 0〃m以下の範囲にあるも のが、 より好ましく、 更に好ましくは、 1 0 m以上 1 5 / m以下の範囲にある ものである。
これは、 あまり粒径の小さい外殻原料粉末を用いた場合には、 外殻原料粉末の 一部が熱溶融し、 外殻 t bを形成した後において、 外殻 t bが緻密な構造になり 過ぎて、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aと、 外殻 t bとの物性が著しく異な り、 素錠としての性格が損なわれるからである。
また、 あまり大きな粒径の外殻原料粉末を用いた場合には、 圧縮成形物 (錠 剤) t i 3の表面が粗くなり、 外殻 t bの耐摩損性が損なわれるからである。 尚、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に、 外殻 t b を形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する方法としては、 種々 の方法が考えられるが、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料 接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触'表面 (下面) S 1 5の 各々に、 外殻 t bを形成する外殻原料粉末を、 所定の膜厚で、 均一に塗布する好 ましい方法としては、 臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接 触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各 々に、 正圧の脈動空気振動波に、 外殻原料粉末を混和し、 分散し、 ノズル手段 (図示せず。 ) から、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散した、 外殻原料粉末 を、 正圧の脈動空気振動波とともに吹き付ける方法がある。
臼 1 3の成形材料接触表面 S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5の各々に外殻原料粉末を 塗布する際に用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 図 4 ( a ) に示すような、 脈動
空気振動波の振幅の谷が、 概ね、 大気圧に等しく、 振幅の山が、 正圧の脈動空気 振動波であっても、 また、 図 4 ( b ) に示すような、 脈動空気振動波の振幅の山 と谷とがともに、 正圧の脈動空気振動波であってもよい。
尚、 この圧縮成形物の製造方法で用いる、 正圧の脈動空気振動波は、 用いる外 殻原料粉末を空気に混和し、 分散させるのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等 に ¾¾Λ£さ る。
この圧縮成形物の製造方法では、 用いる外殻原料粉末の物性 (成分、 組成、 平 均粒径、 粒度分布等) に応じて、 用いる外殻原料粉末を空気に混和し、 分散させ るのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等を有する、 正圧の脈動空気振動波を用 いている。
これにより、 外殻原料粉末は、 一旦、 正圧の脈動空気振動波すると、 定常圧流 の空気流に比べ、 空気中に混和し、 分散した外殻原料粉末が、 空気と分離して、 堆積したりするといつた現象を生じ難い。
従って、 正圧の脈動空気振動波中に、 概ね一定量の外殻原料粉末を、 定常圧流 の空気流に比べ、 長時間、 混和し、 分散させた状態に維持することができる。 且つ、 正圧の脈動空気振動波には、 圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部 分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが交互に現れるという性 格があるため、 例えば、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 たとえ、 余分な外殻原料粉末が 付着 '堆積したとしても、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 余分 に付着 ·堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) と が、 交互に、 吹き付けられる結果、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4 にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4 から吹き飛ばされる。 この結果、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積し がちな、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 外殻原料粉末が、 必要
最小限の量で、 均一に、 塗布される。
また、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に吹き付けられ、 下杵 1 4 の成形材料接触表面 (上面) S 1 4から吹き飛ばされた、 外殻原料粉末は、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に付着する。 ここで、 臼 1 3の成形材料 接触表面 (内周面) S 1 3に余分な外殻原料粉末が付着 '堆積したとしても、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に、 余分に付着 ·堆積した外殻原料粉 末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3から吹き飛ばされる。 この結果、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の 量で、 均一に、 塗布される。
また、 重力との関係で、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5には、 外 殻原料粉末が付着 '堆積し難いが、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 には、 外殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波とともに、 吹き付けられる結果、 上杵 S 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5にも、 外殻原料粉末が、 必要最小 限の量で、 均一に、 塗布される。
次に、 図 3 ( c ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する臼 1 3内の、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3と、 曰 1 3内に、 所定の位置まで挿入され、 且つ、 成形材料接触表面 (上 面) S 1 4には、 外殻原料粉末が塗布された、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4とにより形成される空間内に、 成形材料を充填する。
この成形材料は、 マイクロカプセル m c · · · と、 圧縮成形時に発生する熱よ りも高い融点を有する材料で概ね構成された、 製剤原料粉粒体との混合物である。 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3が、 医薬品錠 剤、 動物薬錠剤、 農薬用錠剤である場合には、 成形材料として、 有効成分含有マ
イク口カプセルや、 乳糖その他の賦形剤粉粒体や、 必要により、 補助剤粉粒体や 添加剤粉粒体等の種々の材料を混合した粉粒体を用いる。
また、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3が、 食品用の錠剤である場合には、 成形材料 としては、 乳酸菌等の生菌類 (凍結乾燥粉砕物) 、 クロレラ (凍結乾燥粉砕物) 、 ?カロチン、 各種ビタミンその他の体に良いとされている成分、 及び/又は、 栄 養補給成分を含有させたマイクロカプセルや、 マンニトールその他の糖類、 糖ァ ルコール糖の賦形剤や、 必要により、 補助剤や添加剤等の種々の材料を混合した 粉粒体を用いる。
次に、 図 3 ( d ) に示すように、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接 触表面 (下面) S 1 5を有する上杵 1 5を用い、 臼 1 3と下杵 1 4とにより形成 された空間内に充填された、 マイクロカプセルを含有する成形材料を、 圧縮成形 する。
図 1 3は、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有 する臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有す る下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接 表面 (下面) S 1 5 を有する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形する際に、 臼 1 3の成形材料接触 表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 下杵 1 4の成 形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末に生じる現象、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象を、 模式的に説明する、 説明図である。
尚、 成形材料を圧縮成形する際に、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に 塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5 に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象は同様であるので、 図 1 3では、
上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末に生じ る現象のみを図示し、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された、 外殻原料粉末、 及び、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された、 外殻原料粉末の各々に生じる現象については、 図示するのを省略する。
上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された、 外殻原料粉末は、 図 1 3 ( a ) に示すように、 外殻原料粉末が互いに吸着した状態で、 上杵 1 5の 成形材料接触表面 (下面) S 1 5に付着している。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を開始すると、 圧縮成形する成形材料 の表面に、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5が押し当てられ、 外殻原 料粉末を介在して、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5と、 マイクロ力 プセル m c · · 'を含有する成形材料の表面とが接触する (図 1 3 ( b ) を参 昭) 。
次に、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (内周面) S 1 3を有する 臼 1 3、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (上面) S 1 4を有する下 杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が塗布された成形材料接触表面 (下面) S 1 5を有 する上杵 1 5を用い、 成形材料を圧縮成形を行うと、 成形材料が、 臼 1 3、 下杵 1 4、 及び、 上杵 1 5により圧縮され、 熱を発生する。
また、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された外殻原料粉末、 及び、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末の各々も、 圧縮され、 熱を発生する。
そして、 成形材料から発生した熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された外殻原料粉末の一部が
熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末と、 熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉 末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子と熱融着したりして、 圧縮成形物本体
(錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bとして形成される。
同様に、 マイクロカプセル m c · · ·を含有する成形材料から発生した熱、 及 び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布された外殻原料粉末の一部が熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同 士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻原料粉末 とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒 子と熱融着したりして、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t と して形成される。
また、 同様に、 マイクロカプセル m c · · ■を含有する成形材料から発生した 熱、 及び、 外殻原料粉末から発生した熱により、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布された外殻原料粉末の一部が熱溶融し、 熱溶融した外殻原 料粉末同士が熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末と、 熱溶融していない外殻 原料粉末とが熱融着したり、 熱溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉 粒体の粒子と熱融着したりして、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外 殻 t bとして形成される (以上については、 図 1 3 ( c ) を参照) 。
以上の工程により、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 少なくとも、 その一部に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに 熱融着した部分を含む外殻 t bが形成された圧縮成形物 (錠剤) t i 3が製造さ れる。
一方、 マイクロカプセル m c · · 'を含有する成形材料中、 製剤原料粉粒体は、 マイクロカプセル m c · · 'を含有する成形材料が、 圧縮成形される時に、 成形 材料に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成されているので、 マイ クロカプセル m c · · ·を含有する成形材料は、 圧縮成形時に、 溶融する成分を
全く含んでいないか、 含んでいたとしても微量であるため、 溶融した成分が、 溶 融した成分の周囲に存在する、 マイクロカプセル m c · · ·や、 賦形剤 V · · · にひっついたり、 溶融した成分同士が互いに融着するといつた現象を生じない。 このような状態で、 成形材料の打錠 (圧縮成形) 工程が進行する結果、 圧縮成 形される成形材料中に含有されるマイクロカプセル m c · · ·には、 損傷が発生 しない。
そして、 このようにして製造された、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮 成形物 (錠剤) ) t i 3は、 例えば、 曰 1 3内の上方に下杵 1 4を移動させるこ とにより、 曰 1 3内から取り出される (図 3 ( e ) を参照) 。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 マイク 口カプセル m c · · ·を含有する成形材料中に、 圧縮成形時に、 成形材料に生じ る熱により溶融する成分粉粒体を含ませないようにしたので、 製造される、 圧縮 成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3中の、 マイクロカブ セルが損傷しない (図 1 2 ( c ) 及び図 1 3 ( c ) を参照) 。
また、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5の各々の成形材料接触表面 S 1 3、 S 1 4、 S I 5に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布された曰 1 3、 外殻原料粉末が成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布 された下杵 1 4、 及び、 外殻原料粉末が成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布 された上杵 1 5を用いて、 成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) t bを製造すると同時に、 臼 1 3、 下杵 1 3及び上杵 1 5が成形材料を圧縮 する際に発生する熱を用い、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布 されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に塗布されている外殻原料粉末の少なく とも一部を熱溶融し、 曰 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に、 その一部
が熱溶融した外殻原料、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に、 その一 部が熱溶融した外殻原料、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5に、 その一部が熱溶融した外殻原料を、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 マイクロカプセル m c · · 'を含有する成形材料を圧縮成形して、 マイクロカブ セル m c , · ·を含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aを形成する際に、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4、 及び Z又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5から、 圧 縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に転写することで、 圧縮成形物本体 (錠 剤本体部) t aの表面に外殻 t bを形成している。
臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3に塗布されている外殻原料粉末の少 なくとも一部、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上面) S 1 4に塗布されている外 殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下 面) S 1 5に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外 殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したり、 熱 溶融した外殻原料粉末が、 成形材料を構成する粉粒体の粒子に熱融着したりする。 そして、 曰 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 マイクロカプセル m c · · ·を含 有する成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱溶融し、 熱融着した外殻 原料粉末を含む外殻原料粉末が、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が成形材料を圧 縮成形することによって製造した圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 臼 1 3の成形材料接触表面 (内周面) S 1 3、 下杵 1 4の成形材料接触表面 (上 面) S 1 4、 及び/又は、 上杵 1 5の成形材料接触表面 (下面) S 1 5から転写 され、 マイクロカプセルを含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末 同士が互いに熱融着した部分 p t c · · ·を含む外殻 t bが形成された圧縮成形
物 tが製造される。
この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼 1 3、 下杵 1 4及び上杵 1 5が、 成形材料を圧縮成形して圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) t aを製造する際に、 同時に、 マイクロカプセルを含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に外殻 t bを形成しているので、 一旦、 圧縮成形する ことで得られた素錠を、 コ一ティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を 形成するという、 コーテング工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮 成形工程と、 コ一テング工程との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻 t bを有する圧縮成形物 tを製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 を用いれば、 外殻 t bを有する圧縮成形物 tを圧縮成形工程のみで製造できるた め、 製造工程が、 極めて簡単になり、 これにより、 外殻 t bを有する圧縮成形物 tを製造する際の製造コストを低く抑えることができる。
のみならず、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 により製造される、 圧縮成形物 tの表面に形成される外殻 t bは、 外殻原料粉末 の、 少なくとも、 一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着 した部分 p t c · · ·を含む外殻 t bであるために、 この圧縮成形物 (マイクロ カプセル含有圧縮成形物) の製造方法により製造される、 圧縮成形物 (マイクロ カプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3は、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している外殻ではなく、 少なくとも、 外殻 原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部 分 p t · · 'を含む外殻 t bによって覆われている。 したがって、 この圧縮成形 物 tの外殻 t bは、 単に、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結 合している外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 単に、 外殻原料粉末同士が圧縮 されて、 嵌合状態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬 中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物 tの表面に 形成されている外殻 t bは、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 溶融した外殻原 料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻 t bであり、 コ一ティング装置等を 用いて、 素錠表面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような 外殻に比較した場合には、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成され た外殻に比べ、 脆いため、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易い。 このため、 口 腔内で咀嚼した際に、 マイクロカプセルを含有する圧縮成形物本体 (錠剤本体 部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。
また、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 融点 (m. p . ) が、 3 0 °C以上 8 0 °C以下の外殻原料粉末を用いているので、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 少なくとも、 その一部が互いに熱融着した部分 p t c · · ·を含む、 外殻 t bが 形成される。
そして、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法によ り製造される圧縮成形物 (錠剤) t i 3の、 マイクロカプセルを含有する圧縮成 形物本体 (錠剤本体部) t aの表面に形成される外殻 t bは、 3 0 °C以上になら ないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) で は、 固まった状態であるので、 室温や冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存や運搬 時に、 マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) t i 3の表面に欠けが生じない c また、 外殻原料粉末の融点 (m. p . ) が、 上記範囲内で比較的低温のものを 用いた場合には、 口腔内に、 圧縮成形物 (錠剤) t i 3を入れると、 口腔内の熱 により、 外殻 t bが速やかに溶け、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル 錠としても、 違和感がない。
且つ、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法では、 安全性に優れ、 入手も容易で、 外殻 t bを形成した場合、 耐摩損機能を発揮し、
且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機能する、 外殻原料粉末を用いているので、 こ の圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法を用いれば、 マイ クロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) 内部に含まれるマイクロカプセルが損傷を 受けておらず、 しかも、 安全性に優れ、 保存や運搬時に、 圧縮成形物 (マイクロ カプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3の表面に欠けを生じ難い、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) ) t i 3を、 高い製造効率で製造す ることができる。
次に、 上述した発明の実施の形態 1 ~ 3に示す圧縮成形物を製造するのに、 更 に、 好適な、 圧縮成形物の製造方法について説明する。
図 1 4は、 本発明に係る、 圧縮成形物の製造方法の他の一例でを実施するのに 好適な外殻原料粉末塗布装置の一例を概略的に示す斜視図である。
また、 図 1 5は、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法の他の一例でを実施する のに好適な外殻原料粉末塗布装置の一例のコンセプトを概略的に示す分解斜視図 である。
この外殻原料粉末塗布装置 1は、 塗布装置本体 l aと、 上杵用外殻原料塗布ュ ニット 1 bとを備える。
この外殻原料粉末塗布装置 1では、 図 1 5より明らかなように、 塗布装置本体 l aと、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bとを一体成形品とするのではなく、 塗 布装置本体 l aに対して、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bを、 別体に設け、 塗 布装置本体 1 aに対して、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bを交換可能にしてい るという、 新規な構成を備えている。
この例では、 塗布装置本体 l aは、 所定の位置に、 溝や凹部が設けられた樹脂 ブロックになっており、 また、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bも、 所定の位置 に、 溝や凹部が設けられた樹脂ブロックになっている。
尚、 塗布装置本体 1 a及び上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bの詳しい形状 ·構 造については、 後程、 詳述する。
図 1 6は、 この外殻原料粉末塗布装置 1が取り付けられる場所を概略的に説明 する平面図である。
より具体的に説明すると、 図 1 6は、 ロー夕り型打錠機 1 1を、 口一タリ型打 錠機 1 1を構成する回転テーブル 1 2を中心にして、 概略的に示す平面図である c ロータリ型打錠機 1 1は、 回転軸に対して回転可能に設けられた、 回転テープ ル 1 2を備える。
この回転テーブル 1 2には、 その周方向には、 複数の臼 1 3 · · 'が設けられ ている。
複数の臼 1 3 · · 'の各々には、 複数の臼 1 3 · · 'の各々に対応するように、 複数の下杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の下杵 1 4 · · ·を参照) と、 複数の上杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の上杵 1 5 · ■ ·を参 照) とが設けられている。
複数の下杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の下杵 1 4 · · ·を参 照) の各々と、 複数の上杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の上杵 1 5 • · ·を参照) の各々とは、 回転テーブル 1 2、 より詳しくは、 回転テ一ブル 1 2の周方向に設けられている複数の臼 1 3 · · · と同期して回転するようにされ ている。
且つ、 複数の下杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の下杵 1 4 . - - を参照) と、 複数の上杵 (図 1 8、 図 2 4及び図 2 6等に示す複数の上杵 1 5 - - -を参照) とは、 カム機構 (図示せず。 ) によって、 回転テーブル 1 2の所定 の位置で、 回転軸方向に、 上下方向に移動するようになっている。
尚、 図 1 6中、 2 1で示す部材装置は、 成形材料を臼 1 3 · · ·の各々内に充 填するフィードシュ一を、 2 2で示す部材装置は、 フィードシユー 2 1から曰 1 3 · · ·の各々内に充填された成形材料を一定量にするためのスクレーバを、 又、 2 3で示す部材装置は、 製造された錠剤 tを排出シート 2 4へ排出するために設 けられている錠剤排出用スクレーバを、 各々、 示している。
また、 図 16中、 R 1で示す位置は、 外殻原料噴霧位置である。
また、 R 2で示す位置は、 成形材料充填位置であり、 このロータリ型打錠機 1 1では、 成形材料充填位置 R 1には、 フィードシュ一 21が取り付けられている c また、 R3で示す位置は、 予備打錠位置であり、 このロータリ型打錠機 11で は、 予備打錠位置 R 3において、 臼 13 · · ·の各々内に充填された成形材料が、 313 · · ·の各々と組にされた、 下杵 14 · ■ ·の各々及び上杵 15 · · ·の 各々により、 順次、 予備打錠されるようになっている。
また、 R 4で示す位置は、 本打錠位置であり、 このロータリ型打錠機 11では、 本打錠位置 R 4において、 予備打錠位置 R 3において予備打錠された、 臼 13 · • 'の各々内に充填されている成形材料が、 臼 13 · · ·の各々と組にされた、 下杵 14 · · 'の各々及び上杵 15 · · 'の各々により、 本格的に圧縮成形され、 順次、 錠剤 t · · ·にされるようになっている。
また、 R 5で示す位置は、 錠剤排出位置であり、 このロータリ型打錠機 11で は、 錠剤排出位置 R 5において、 下杵 14 · · ·の各々が、 013 · · ·の各々 内を上昇し、 臼 13 · · ·の各々内において製造されている錠剤 t · · ·が、 順 次、 錠剤排出用スクレーバ 23により、 排出シート 24へ排出されるようになつ ている。
次に、 本発明に係る外殻原料粉末塗布装置 1の構成及び口一タリ型打錠機 11 への取付方法について、 説明する。
本発明に係る外殻原料粉末塗布装置 1は、 錠剤排出位置 R 5と成形材料充填位 置 R 2との間の位置、 即ち、 外殻原料噴霧位置 R 1に設けられる。
図 17は、 口一タリ型打錠機 11の外殻原料噴霧位置 R 1に取り付けられた外 殻原料粉末塗布装置 1を拡大して概略的に示す平面図を示している。
また、 図 18は、 図 17中に示した、 XVI I I -XVI I I線に従う、 外殻 原料粉末塗布装置 1の概略的な断面図である。
外殻原料粉末塗布装置 1を構成する塗布装置本体 1 aは、 取付台 p 1 aを有し
ている。
塗布装置本体 1 aを、 回転テーブル 1 2上に取り付ける際には、 取付台 p 1 a を、'回転テーブル 1 2から外方に張り出すようにし、 回転テーブル 1 2の外方の 所定の位置に設けられているスタンド等の塗布装置本体取付具 (図示せず) に、 取付台 p 1 aを取り付ける。
また、 塗布装置本体 1 aを回転テーブル 1 2上に取り付ける際には、 図 1 7に 示すように、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2が、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2に接するようにして、 塗布装置本体 1 aを回転テーブル 1 2上に取り付ける。 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2は、 回転テーブル 1 2がその表面 S 1 2を塗 布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に接してスムーズに回転できるように、 十分に研 磨されている。
塗布装置本体 l aは、 その下面 S l a 2に、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1を備え る。
下杵用外殻原料噴霧口 h 1は、 回転テーブル 1 2の周方向に設けられた複数の 曰 1 3 · · ·の回転軌道上に位置するように設けられる。
また、 塗布装置本体 1 aを回転テーブル 1 2上に取り付ける際には、 図 1 8に 示すように、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2が、 回転テ一ブル 1 2の表面 S 1 2に概ね接するようにして、 塗布装置本体 1 aを回転テーブル 1 2上に取り付け る
塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2は、 回転テーブル 1 2がその表面 S 1 2を塗 布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に接してスムーズに回転できるように、 十分に研 磨されている。
塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2は、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2に接触し ているか、 近接していることが好ましい。
塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2は、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2に近接さ せる場合には、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2と、 回転テーブル 1 2の表面 S
1 2との間の隙間は、 狭ければ狭い程、 好ましい。
より具体的に説明すると、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2と、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2との間の隙間は、 好ましくは、 1 0 0 /m以下、 より好ましく は、 5 0〃m以下、 特に好ましくは、 3 0 zm以下である。
このように、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2と、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2との間の隙間を狭くすると、 この隙間を通って、 滑沢剤粉末が、 外部へ飛散 するという現象を防ぐことができる。
また、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2には、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2 上又は臼 1 3 · · ·内に付着している汚れ (残余の成形材料及び/又は残余の滑 沢剤粉末) を除去し、 回転テーブル 1 2の表面及び臼 1 3 . · ·内を清浄するた めの吸引凹所 h 7が設けられている。
尚、 この例では、 接続口 j 6は、 上杵用吸引口 h 6と、 吸引凹所 h 7との双方 に接続されており、 接続口 j 6に接続された余剰滑沢剤吸引手段 (図 2 6に示す 余剰滑沢剤吸引手段 1 0 1 ) を駆動すれば、 上杵用吸引口 h 6に、 上杵用吸引口 h 6内に向かう、 吸引雰囲気の空気流と、 吸引凹所 h 7に、 吸引凹所 h 7内に向 かう、 吸引雰囲気の空気流との双方が発生するようにしてあるが、 これは、 単な る例示であって、 接続口 j 6は、 必ずしも、 上杵用吸引口' h 6と、 吸引凹所 h 7 との双方に接続されている必要はなく、 接続口 j 6が上杵用吸引口 h 6にのみ接 続され、 吸引凹所 h 7には、 接続口 j 6とは別の接続口 (図示せず。 ) を接続す るようにし、 吸引凹所 h 7には、 別の接続口 (図示せず。 ) に接続した吸引手段 (図示せず。 ) を接続し、 接続口 j 6に接続された余剰滑沢剤吸引手段 (図 2 6 に示す余剰滑沢剤吸引手段 1 0 1 ) を駆動すれば、 上杵用吸引口 h 6に、 上杵用 吸引口 h 6内に向かう、 吸引雰囲気の空気流が発生し、 吸引凹所 h 7に接続され た別の接続口 (図示せず。 ) に接続した吸引手段を駆動すれば、 吸引凹所 h 7に、 吸引凹所 h 7内に向かう、 吸引雰囲気の空気流との双方が発生するようにしても よい。
この下杵用外殻原料噴霧口 h 1は、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に対し、 垂直方向又は概ね垂直方向を向いている。
また、 塗布装置本体 1 aは、 その下面 S 1 a 2に、 下杵用外殻原料噴霧口 h i から、 回転テーブル 1 2の回転によって、 外殻原料噴霧位置 R 1に送られてきた 臼 1 3の内周面 S 1 3及びその曰 1 3内に所定の位置まで挿入されている下杵 1 4の上面 S 1 4に、 順次、 噴霧された外殻原料粉末を、 上杵用外殻原料塗布ュニ ット l bに供給する、 外殻原料供給通路 h 2を備える。
この例では、 塗布装置本体 l aは、 その下面 S l a 2に、 下杵用外殻原料噴霧 口 h 1と上杵用外殻原料塗布ュニッ卜 1 bとの間を導通するように設けられた凹 状の溝を有しており、 外殻原料供給通路 h 2は、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられた凹状の溝と、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2とにより形成されて いる。
尚、 この例では、 塗布装置本体 l aの、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bが取 り付けられる部分には、 上部が開口した中空室 h 3が設けられており、 外殻原料 供給通路 h 2は、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1と中空室 h 3とを導通するように、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1と中空室 h 3との間に設けられている。
また、 この例では、 中空室 h 3は、 平面視した場合、 複数の臼 1 3 · · ·の回 転軌道と一致または概ね一致するような湾曲した形状を有している。
更に、 この例では、 塗布装置本体 l aは、 その下面 S l a 2の、 回転テーブル 1 2の回転方向と順 向となる側に、 下杵用吸引口 h 4を備える。
下杵用吸引口 h 4には、 ブロア等で構成された、 余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せず。 ) が接続されており、 余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せず。 ) を駆動すると、 下杵用吸引口 h 4内に向かう吸引雰囲気の空気流が発生するよう になっている。
この下杵用吸引口 h 4は、 回転テーブル 1 2の回転により、 塗布装置本体 l a の下方を移動する臼 1 3 · · ·の各々により、 下杵用吸引口 h 4と、 下杵用外殻
原料噴霧口 h 1とが導通されることがないような、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1か ら離設した位置に設けられている。
より具体的に説明すると、 この例では、 下杵用吸引口 h4は、 下杵用吸引口 h 4と下杵用外殻'原料噴霧口 h 1との間の距離 L 1が、 臼 13 · · ·の各々の直径 L 13より長くなる関係の位置に設けられている (L 1 >L 13)。
また、 下杵用吸引口 h4は、 回転テーブル 12の回転軸から外方向に向かう、 長いスリット孔にされている。
このスリット孔にされている下杵用吸引口 h4は、 回転テーブル 12の、 複数 の臼 13 · · ·の各々の周辺の表面に、 付着した余分な外殻原料粉末を効率良く 除去できるようにするために、 回転テーブル 12の回転によって、 下杵用吸引口 h4の下方位置を通過する、 複数の曰 13 · · ·の各々を跨ぐような長さにされ ている。
上杵用外殻原料塗布ュニッ ト 1 bは、 上述したように、 塗布装置本体 1 aに、 交換可能に取り付けられるようになつている。
図 14及び図 15では、 塗布装置本体 1 aに、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bを取り付けた例を示しているが、 より詳しくは、 製造する錠剤の錠剤表面の刻 印や割線の有無等により、 例えば、 塗布装置本体 l aには、 後程、 詳細に説明す る、 図 19、 図 20、 図 21、 図 22及び図 23の各々に示すような、 上杵用外 殻原料塗布ユニット 1 b— 0、 lb— 1、 lb— 2、 lb— 3、 1 b— 4が、 交 換可能に取り付けられる。
この例では、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bは、 ボルト v、 V等の固定手段 により、 塗布装置本体 1 aに取り付けられるようになつている。
図 15中、 hl l、 hi 1で示す孔は、 ボルト v、 V等の固定手段を揷通する ために、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bに設けられたボルト揷通孔を、 また、 h i 2、 h i 2で示す孔は、 ボルト v、 V等の固定手段を螺合するためのポルト 螺合孔を示している。
上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bは、 その上面側 S 1 b 1側に、 上杵用外殻原 料噴霧口 h 5を備える。
この上杵用外殻原料噴霧口 h 5は、 複数の上杵 1 5 · · ·の回転軌道に沿って 長く設けられたスリット孔 (貫通孔) になっている。
より特定的に説明すると、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5は、 複数の上杵 1 5 · · -の回転軌道に一致又は概ね一致するように且つ長区設けられたスリット孔 (貫 通孔) になっている。
そして、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 上杵用外殻原料塗布ユニッ ト 1 b を塗布装置本体 1 a.に取り付けた後の状態において、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 が、 塗布装置本体 1 aに設けられている、 上部が開口した中空室 h 3の上方に位 置するようになっており、 中空室 h 3と、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1わとの 間が導通するようになっている。
この構成により、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から噴霧され、 塗布装置本体 1 aの下杵用外殻原料噴霧口 h 1と導通するよう に設けられた外殻原料供給通路 h 2を介して、 中空室 h 3に送られてきた外殻原 料が、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5から噴霧されるようになっている。
更に、 この例では、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bは、 スリット形状の上杵 用外殻原料噴霧口 h 5に沿って、 複数の上杵 1 5 · · ·を、 順次、 収容する上杵 収容溝 Dを備える。
この例では、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bの上杵収容溝 Dの底面に、 上杵 用外殻原料噴霧口 h 5が設けられている。
この外殻原料粉末塗布装置 1では、 1台の塗布装置本体 1 aに対して、 上杵用 外殻原料噴霧口 h 5の形状が異なる複数の上杵用外殻原料塗布ュニットがそのよ うに、 予め、 用意されている。
図 1 9〜図 2 3の各々に示す図は、 そのような複数の上杵用外殻原料塗布ュニ ッ卜の各々を例示的に示す概略的な平面図である。
図 1 9に示す上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 0は、 錠剤表面に刻印が設け られていない錠剤を製造するのに適した、 標準タイプの錠剤製造用の上杵用外殻 原料塗布ュニットを提案している。
この上杵用外殻原料塗布ュニット l b— 0は、 複数の上杵 1 5 · · 'の回転軌 道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝 Dの底面の中央部に、 複数の上 杵 1 5 · · 'の回転軌道に沿って、 比較的、 幅の広い、 スリット形状の上杵用外 殻原料噴霧口 (このタイプの上杵用外殻原料噴霧口 5 hを、 図 1 9中では、 上杵 用外殻原料噴霧口 h 5— 0と表している。 ) を有している。
したがって、 この上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b— 0を用いれば、 複数の上 杵 1 5 · · 'の各々が、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 ( h 5 - 0 ) の始端 e sから 終端 e eまで移動する間に、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 ( h 5 - 0 ) から供給さ れる外殻原料粉末が、 常に、 上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5の概ね中心部分 に、 衝突し、 その後、 上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5に従って、 外殻原料粉 末が、 上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5の外周側に移行するので、 上杵 1 5 - • -の各々の下面 S 1 5全体に、 万遍なく、 外殻原料粉末が塗布される。
この結果、 この上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b— 0を用いれば、 錠剤表面に 刻印が設けられていない錠剤を、 錠剤表面に打錠障害を発生させることなく、 効 率よく、 製造することができる。
また、 図 2 0に示す上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 1は、 錠剤表面に、 会 社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印が設けられている錠剤や、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印や、 割線が設けられている錠剤を製造 するのに適した、 刻印入りタイプの錠剤製造用の上杵用外殻原料塗布ュニットを 提案している。
この上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 1は、 複数の上杵 1 5 · · ·の回転軌 道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝 Dの底面に、 複数の上杵 1 5 · • ·の回転軌道に沿って、 階段状のスリット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 5
(このタイプの上杵用外殻原料噴霧口 5 hを、 図 20中では、 上杵用外殻原料噴 霧口 h 5— 1と表している。 ) を有している。
したがって、 この上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b— 1を用いれば、 複数の上 杵 15 · · ·の各々が、 上杵用外殻原料噴霧口 h5 (h5- 1) の始端 e sから 終端 e eまで移動する間に、 まず、 複数の上杵 15 · · ·の回転軌道に沿って湾 曲するように設けられた上杵収容溝 Dの底面の、 医薬品コードの刻印を形成する 雄型が通過する、 上杵収容溝 Dの底面の中央部からずれた位置に設けられた、 第 1段部 d 1— 1から供給される外殻原料粉末により、 複数の上杵 15 · · ·の各 々の下面 S 15 · · ·に設けられている、 医薬品コードの刻印を形成する雄型 M 2が設けられている部分が十分に塗布され、 次いで、 上杵収容溝 Dの底面の中央 部に設けられている第 2段部 d 1—2から供給される外殻原料粉末により、 複数 の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · ·の中央部、 又は、 複数の上杵 15 · • 'の各々の下面 S 15 · · ·に、 割線 C 3形成する雄型 M3が設けられている 場合にあっては、 この雄型 M3が設けられている部分が十分に塗布され、 最後に、 上杵収容溝 Dの底面の、 上杵収容溝 Dの底面の中央部から、 第 1段部 d 1—1と は逆方向にずれた位置に設けられている、 第 3段部 d 1— 3から供給される外殻 原料粉末により、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 1'5 · · ·に設けられて いる、 会社コードの刻印を形成する雄型 M 1が設けられた部分が十分に塗布され る。
この結果、 この上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 1を用いれば、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印が設けられている錠剤や、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印や、 割線が設けられている錠剤を、 錠 剤表面に打錠障害を発生させることなく、 効率よく、 製造することができる。 また、 図 21に示す上杵用外殻原料塗布ュニッ卜 lb— 2は、 錠剤表面に、 割 線が設けられている分割錠剤を製造するのに適した、 刻印入りタイプの錠剤製造 用の上杵用外殻原料塗布ュニットを提案している。
この上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 2は、 複数の上杵 15 · · ·の回転軌 道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝 Dの底面の中央部に、 複数の上 杵 15 · · ·の回転軌道に沿って、 図 19に示す、 上杵用外殻原料塗布ュニット l b— 0に設けられている上杵用外殻原料噴霧口 h 5 (h5-0) に比べ、 幅の 狭いスリツト形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 5 (このタイプの上杵用外殻原料噴 霧口 5hを、 図 2 1中では、 上杵用外殻原料噴霧口 h5— 2と表している。 ) を 有している。
したがって、 この上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 2を用いれば、 複数の上 杵 15 · · 'の各々が、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 (h5-2) の始端 e sから 終端 e eまで移動する間に、 この幅の狭いスリット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h5 (h5-2) から供給される外殻原料粉末により、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 (h5-0) を用いた場合に比べ、 複数の上杵 15 · · 'の各々の下面 S 15 • · ·に設けられている割線を形成する雄型 M3が設けられている部分が十分に 塗布される。
この結果、 この上杵用外殻原料塗布ユニット l b— 2を用いれば、 錠剤表面に、 割線が設けられている錠剤を、 錠剤表面に打錠障害を発生させることなく、 効率 よく、 製造することができる。
また、 図 22に示す上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b_ 3は、 錠剤表面に、 割 線が設けられた錠剤や、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印 や、 割線が設けられている錠剤を製造するのに適した、 刻印入りタイプの錠剤製 造用の上杵用外殻原料塗布ュニットを提案している。
この上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 3は、 複数の上杵 15 · · ·の回転軌 道に沿って湾曲するように設けられた上杵収容溝 Dの底面の中央部に、 複数の上 杵 15 · · 'の回転軌道に沿うように設けられた、 スリット形状の上杵用外殻原 料主噴霧口 hmと、 この上杵用外殻原料主噴霧口 hmの途中から、 所定の間隔を 隔てるようにして、 上杵用外殻原料主噴霧口 hmに対し、 両側に、 概ね垂直方向
に分岐するように形成された、 複数の上杵用外殻原料分岐噴霧口 hb · · · とを 備える、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5 (このタイプの上杵用外殻原料噴霧口 5 hを、 図 22中では、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5— 3と表している。 ) を有している。 したがって、 この上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b— 3を用いれば、 複数の上 杵 15 · · ·の各々が、 上杵用外殻原料噴霧口] i5 (h5-3) の始端 e sから 終端 e eまで移動する間に、 複数の上杵 15 · · ·の回転軌道に沿って湾曲する ように設けられた上杵収容溝 Dの底面の中央部に設けられた、 上杵用外殻原料主 噴霧口 hmから供給される外殻原料粉末により、 複数の上杵 15 · · ·の各々の 下面 S 15 · · ·に設けられている割線を形成する雄型 M3が設けられている部 分が十分に塗布される。 また、 上杵用外殻原料主噴霧口 hmの所々に設けられて いる、 複数の上杵用外殻原料分岐噴霧口 hb · · ·から供給される外殻原料粉末 により、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · ·に設けられている、 会 社コードの刻印を形成する雄型が設けられている部分や、 医薬品コードの刻印を 形成する雄型が設けられている部分が十分に塗布される。
また、 図 23に示す上杵用滑沢剤塗布ュニット 1 b— 4は、 錠剤表面に、 割線 が設けられた錠剤や、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印や、 割線が設けられている錠剤を製造するのに適した、 刻印入り夕ィプの錠剤製造用 の上杵用滑沢剤塗布ュニットを提案している。
この上杵用滑沢剤塗布ユニット 1 b— 4は、 上杵用滑沢剤噴霧口 h5を、 スリ ット形状にするのではなく、 複数の噴霧孔 hs · ■ ·を、 上杵 15 · · 'の回転 軌道に沿って、 配列している。
このように、 上杵用滑沢剤噴霧口 h 5を、 複数の噴霧孔 hs · · ·で構成した 場合には、 複数の噴霧孔 hs · · ·の各々から、 空気とともに噴霧される滑沢剤 に、 ある種の整流作用のような作用が働き、 複数の噴霧孔 hs · · ·の上を、 上 杵 15が移動する間に、 上杵 15の下面 S 15に、 滑沢剤が均一に塗布される。 また、 複数の噴霧孔 hs · · ·は、 1列に設けても良いが、 複数列にして設け
るようにしてもよい。
また、 複数の噴霧孔 h s · · ·を、 複数列にして設ける場合にあっては、 列毎 に設けられる噴霧孔 h s · · 'の各々を、 隣接する列に設けられる噴霧孔 h s · • ·の各々の間に位置する関係に設けることが好ましい。
この例では、 複数の噴霧孔 h s · · ·を 3列にして設けている。
また、 中心の列に設けられる複数の貫通孔 h s · · ·の各々を、 この中心の列 を挟むようにして設けられている 2つの列の各々に設けられる複数の貫通孔 h s • · ·の各々の間に位置するように設けている。
このように、 複数の噴霧孔 h s · · ·を、 複数列にして設ける場合にあっては、 列毎に設けられる噴霧孔 h s · · ·の各々を、 隣接する列に設けられる噴霧孔 h s · · ·の各々の間に位置する関係 (互い違いの関係) に配置した場合には、 上 杵用滑沢剤噴霧口 h 5を、 ジグザグ形状に設けた場合と同様の効果が得られる。 したがって、 この上杵用滑沢剤塗布ユニット 1 b— 4は、 錠剤表面に、 割線が 設けられた錠剤や、 錠剤表面に、 会社コードの刻印や、 医薬品コードの刻印や、 割線が設けられている錠剤を製造するのに適している。
更に、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 の 上杵用外殻原料噴霧口 h 5の概ね上方位置に、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) が 接続された、 上杵用吸引口 h 6が設けられるようになつている。
この上杵用吸引口 h 6は、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5の全体を覆うような形状 になっている。
尚、 この例では、 上杵用吸引口 h 6は、 上杵収容溝 Dの側壁の一部をなすよう に設けられており、 その入り口は、 複数の上杵 1 5 · · ·の回転軌道に沿って、 湾曲した形状になっている。
この構成により、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を駆動することで、 上杵用外 殻原料塗布ュニット 1 bの上杵用外殻原料噴霧口 h 5の始端 e sから終端 e eの 上方に、 概ね一様な、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5から上杵用吸引口 h 6に向かう、
空気流を形成できるようになつている。
尚、 図 1 4、 図 1 5、 図 1 6、 図 1 7及び図 1 8中、 j 1で示す部材は、 塗布 装置本体 1 aの下杵用外殻原料噴霧口 h 1に、 正圧の脈動空気振動波に混和した 外殻原料を供給する導管が接続される接続口を、 j 4で示す部材は、 下杵用吸引 口] 4と余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せず。 ) との間を接続する導管が接 続される接続口を、 また、 j 6で示す部材は、 上杵用吸引口 h 6と上杵用吸引手 段 (図示せず。 ) との間を接続する導管が接続される接続口を示している。
この例では、 接続口 j 1、 j 4、 j 6の各々への導管の接続を簡単に行えるよ うに、 接続口 j l、 j 4、 j 6を、 いずれも、 塗布装置本体 1 aの取付台 p 1 a の上面側に設けている。
次に、 ロータリ型打錠機 1 1の錠剤を製造する際の動作について説明する。 まず、 このロータリ型打錠機 1 1を用いて、 錠剤を製造する際には、 塗布装置 本体 l aを、 外殻原料噴霧位置 R 1に取り付ける。
この時、 塗布装置本体 l aを、 回転テーブル 1 2上の、 外殻原料噴霧位置 R 1 に、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2が、 回転テ一ブル 1 2の表面 S 1 2に接す るように、 且つ、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1が、 回転テーブル 1 2の周方向に設 けられている、 複数の臼 1 3 · · ·の回転軌道上に位置するように、 固定的に取 り付ける。
次に、 製造する錠剤の形状、 より特定的には、 錠剤の錠剤表面に設けられる、 会社コードの刻印の有無、 医薬品コードの刻印の有無、 及び/又は、 割線の有無 等により、 最適の形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 5を有する、 上杵用外殻原料塗 布ユニット l b (この例では、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b— 0、 l b— l、 l b— 3、 l b— 3、 l b— 4のいずれか) を取り付ける。
また、 接続口 j 1に接続された導管を介して接続された、 外殻原料供給源 (図 示せず。 ) から、 正圧の脈動空気振動波の混和した外殻原料粉末を、 下杵用外殻 原料噴霧口 h 1に供給する。
より詳しく説明すると、 本発明で用いる正圧の脈動空気振動波は、 外殻原料粉 末の物性によっても異なるため、 一概には限定できないものの、 例えば、 1 0 H z以上 4 0 H z以下の周波数のものを用いるのが好ましい。
上記した周波数を有する、 正圧の脈動空気振動波を用いた場合には、 この脈動 空気振動波の振幅を調整することで、 従来の、 定常圧流を用いた粉体材料の空気 輸送等では調整 (ハンドリング) が困難であった、 外殻原料粉末の微量定量供給、 より特定的には、 外殻原料粉末の 2 0 O m g/分以上 2 0 0 O m g/分以下の微 量定量供給を行うことができる。
尚、 正圧の脈動空気振動波に、 外殻原料粉末を混和する外殻原料供給装置 (定 量フィーダ) の詳しい構成については、 後程、 詳しく説明する。
次に、 回転テーブル 1 2、 複数の下杵 1 4 · · ·、 及び、 複数の上杵 1 5 - · •を所定の回転速度で、 各々が、 互いに、 同期するようにして回転させる。
また、 フィ一ドシユー 2 1に、 錠剤化する、 マイクロカプセル m c · · 'を含 有する成形材料を供給する。
尚、 このフィードシュ一 2 1に供給されるマイクロカプセル m c · · '成形材 料中には、 この成形材料が圧縮される際に、 成形材料に発生する熱によって溶融 する製剤原料 (一般には、 滑沢剤) は、 添加しない。
また、 接続口 j 6に接続された導管を介して接続されている、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を所定の駆動量で駆動する。
また、 塗布装置本体 1 aに下杵用吸引口 h 4が設けられている場合にあっては、 下杵用吸引口 h 4に接続されている、 余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せ ず。 ) を所定の駆動量で駆動する。
更に、 上杵用吸引口 h 6が、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bの上杵用外殻原 料噴霧口 h 5の概ね上方位置に設けられている場合にあっては、 上杵用吸引口 h 6に接続されている、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を所定の駆動量で駆動する。 次に、 以上の工程により、 この外殻原料粉末塗布装置 1により行われる、 回転
テーブル 12に設けられている複数の曰 13 · · 'の各々の内周面 S 13、 複数 の下杵 14 · · ·の各々の下面 S 14 · · ·、 及び、 複数の上杵 15 · · ·の各 々の下面 S 15 · · ·へ外殻原料粉末を塗布する塗布方法 (動作原理) について、 以下に、 説明する。
図 24は、 この外殻原料粉末塗布装置 1の動作原理を概略的に説明する説明図 である。
また、 図 24は、 外殻原料粉末塗布装置 1の、 臼 13の内周面 S 13、 下杵 1 4の上面 S 14、 及び、 上杵 15の上面 S 15の各々への外殻原料 (粉末) の塗 布方法 (動作 '原理) を模式的に説明するタイムチャートである。
回転テーブル 12、 複数の下杵 14 · · ·、 及び、 複数の上杵 15 · · ·を回 転させると、 回転テーブル 12に設けられている複数の曰 13 · · ·、 複数の下 杵 14 · · ·、 及び、 複数の上杵 15 · · ·が、 順次、 外殻原料噴霧位置 R 1へ 送られてくる。
まず、 この外殻原料粉末塗布装置 1の塗布装置本体 1 aの、 複数の臼 13 · · -の各々の内周面 S 13 · · ·、 及び、 複数の下杵 14 · · ·の各々の上面 S 1 4 · · ·へ外殻原料粉末を塗布する動作 ·原理について説明する。
図 24 (a) は、 そのようにして、 外殻原料噴霧位置 ϋ'1に送られてきた、 複 数の曰 13、 13、 複数の下杵 14、 14、 及び、 複数の上杵 15、 15を例示 的に表している。
より詳しく説明すると、 図 24 (a) は、 図示されている、 2個の上杵 15、 15の中、 想像線で示した上杵 15と組になる臼 13が、 丁度、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられている下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下位置に送られ てきて、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下位置に送られてきた臼 13内に所定の位 置まで挿入されている下杵 14の表面 S 14に、 状態を示しており、 正圧の脈動 空気振動波に混和された外殻原料粉末が、 噴霧されている状態を示している。 図 24 (a) に示す状態では、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1が、 塗布装置本体 1
aの下面 S I a 2に対し、 垂直方向又は概ね垂直方向を向いているので、 下杵用 外殻原料噴霧口 h iから、 正圧の脈動空気振動波とともに、 噴霧される外殻原料 粉末は、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下位置に送られてきている、 曰 1 3内に所 定の位置まで挿入 れている下杵 1 4の表面 S 1 4に、 概ね垂直方向に吹き付け られる。
この外殻原料粉末塗布装置 1では、 回転テーブル 1 2の回転によって、 下杵用 外殻原料噴霧 O h 1の下方位置にきた臼 1 3内に所定の位置まで挿入されている 下杵 1 4の上面 S 1 4に、 正圧の脈動空気振動波に混和した外殻原料粉末を噴霧 するようにしている。 このため、 この正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によつ て、 重力との関係で、 下杵 1 4の上面 S 1 4に余分に付着しがちな外殻原料粉末 が吹き飛ばされる結果、 下杵 1 4の上面 S 1 4に外殻原料粉末が余分に付着する ことがない。
また、 正圧の脈動空気振動波の圧力の強弱によって、 下杵 1 4の上面 S 1 4か ら吹き飛ばされた外殻原料粉末は、 臼 1 3の内周面 (より特定的には、 臼の成形 材料接触面、 更に特定的には、 曰の内周面の、 下杵の上面よりも上方の表面) S 1 3に、 付着する。
且つ、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 外殻原料供給通路 h 2を、 下杵用外 殻原料噴霧口 h iと、 中空室 h 3とを導通するように設けているので、 下杵 1 4 の上面 S 1 4及び臼 1 3の内周面 S 1 3にとつて、 余剰の外殻原料粉末は、 正圧 の脈動空気振動波とともに、 外殻原料供給通路 h 2を通って、 中空室 h 3へと送 られる。
更に、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を所 定の駆動量で駆動することで、 外殻原料供給通路 h 2に、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から中空室 h 3へ向かう気流を発生させているので、 下杵 1 4の上面 S 1 4 及び臼 1 3の内周面にとって、 余剰の外殻原料粉末を、 上杵用外殻原料塗布ュニ ヅト 1 bに誘導される。
この結果、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 下杵 1 4の上面 S 1 4及 び臼 1 3の内周面にとって、 余剰の外殻原料粉末を、 上杵用外殻原料塗布ュニッ ト 1 bに誘導しているので、 下杵 1 4の上面 S 1 4及び臼 1 3の内周面 S 1 3に とって、 余剰の外殻原料粉末が、 下杵の上面及び臼の内周面に、 付着することが ない。
また、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 上杵用吸引口 h 6を、 上杵用外殻原 料塗布ュニット 1 bの上杵用外殻原料噴霧口 h 5の全体を覆うような形状にして いる。 この結果、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を所定の駆動量で駆動すると、 複数の上杵 1 5 · · ·の回転軌道に沿って、 湾曲するように、 スリット形状にさ れている上杵用外殻原料噴霧口 h 5の始端 e sから終端 e eまでの間に、 上杵用 外殻原料噴霧口 h 5から上杵用吸引口 h 6に向かう、 一様な気流が発生するので、 この一様な気流に乗って、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5の始端 e sから終端 e eま での間から、 外殻原料粉末が万遍なく噴霧される。
図 2 4 ( b ) は、 図 2 4 ( a ) の状態から、 所定の時間が経過した状態を示し ている。
より詳しく説明すると、 図 2 4 ( b ) は、 図 2 4 ( a ) に図示した、 2個の上 杵 1 5、 1 5の中、 想像線で示した上杵 1 5と組になる曰 1 3が、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられている下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下流側の、 下 杵用外殻原料噴霧口 h 1と下杵用吸引口 h 4との間に送られた状態を示している。 この状態では、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1は、 回転テーブル 1 2の表面 S 1 2 により閉じられた状態になっているので、 回転テーブル 1 2に設けられている曰 1 3 · · · , 及び、 これらの臼 1 3 · · 'の各々内に所定の位置まで挿入されて いる、 複数の下杵 1 4 · · ·への、 外殻原料粉末の噴霧は行われない。
したがって、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 回転テーブル 1 2の曰 1 3 · '以外の場所に、 外殻原料粉末が塗布されることがない。
これにより、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 回転テーブル 1 2の、 複数の
臼 1 3 · · 'の各々の周辺の表面に付着している外殻原料粉末が、 成形材 4充填 位置 R 2において、 臼 1 3 · ' '内に落下するという現象が生じないため、 成形 材料中に、 外殻原料粉末が含まれることがない。
従って、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 錠剤内部が、 外殻原料粉末 によって汚染されていない、 錠剤を製造することができる。
また、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 例えば、 この外殻原料粉末塗布装置 1に、 電磁弁 (図示せず。 ) 及び電磁弁 (図示せず。 ) の開閉を制御する、 電磁 弁開閉制御手段を設け、 回転テーブル 1 2の回転によって、 下杵用外殻原料噴霧 口 h iの下方位置に、 臼 1 3 · · ·の各々が来たときに、 断続的に外殻原料粉末 を噴霧 (クロックパルスプロウィング) するようにしなくても、 下杵用外殻原料 噴霧口 h iの下方位置に、 複数の曰 1 3 · · 'の各々が来たときにのみ、 回転テ —ブル 1 2に設けられている臼 1 3 · · ·、 及び、 これらの臼 1 3 · · ·の各々 内に所定の位置まで挿入されている、 複数の下杵 1 4 · · ·への、 外殻原料粉末 の噴霧が行われるため、 装置を複雑化することなく、 下杵用外殻原料噴霧口 h i の下方位置に、 臼 1 3 · · ·の各々が来たときに、 断続的に外殻原料粉末を噴霧 (クロックパルスブロウィング) するのと同様の効果を得ることができる。 これにより、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 ロータリ型打錠機 1 1 の臼 1 3 · · ·の各々の表面 (内周面) S 1 3 · · ·、 下杵 1 4 · · ·の各々の 表面 (上面) S 1 4 · · ·、 及び、 上杵 1 5 · · ·の各々の表面 (下面) S 1 5 • · ·以外の場所が、 外殻原料 (粉末) によって汚染されることが防がれる。 一方、 図 2 4 ( b ) から明らかなように、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 外殻原料供給通路 h 2を、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1と、 中空室 h 3とを導通す るように設けているので、 複数の曰 1 3 · · ·の各々が、 下杵用外殻原料噴霧口 h iの下方位置に来ておらず、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から複数の曰 1 3 - - •の各々内への外殻原料粉末の噴霧が行われていない時にも、 外殻原料粉末は、 正圧の脈動空気振動波とともに、 外殻原料供給通路 h 2を通って、 中空室 h 3へ
と送られる。
これにより、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から複数の曰 13 · · ·の各々内への 外殻原料粉末の噴霧が行われていない時にも、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b の上杵用外殻原料噴霧口 h 5から、 連続的に、 外殻原料粉末が噴霧される。
図 24 (c) は、 図 24 (b) の状態から、 更に、 所定の時間が経過した状態 を示している。
より詳しく説明すると、 図 24 (c) は、 図 24 (b) に図示した、 2個の上 杵 15、 15の中、 想像線で示した上杵 15と組になる臼 13が、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられている下杵用吸引口 h4の下方位置に送られた状 態を示している。
図 24 (c) に示す状態では、 下杵用吸引口 h 4に接続されている余剰外殻原 料除去用吸引手段 (図示せず。 ) を駆動することにより、 下杵用吸引口 h4内に 向かう吸引雰囲気の気流により、 下杵用吸引口 h 4の下方位置に送られてきた臼 13の内周面 S 13に余分に付着している外殻原料粉末、 及び/又は、 この臼 1 3内に所定の位置まで挿入されている下杵 14の上面 S 14に余分に付着してい る外殻原料粉末の除去が行われる。
のみならず、 この例では、 図 24 (b) と図 24 (c) との関係を見れば明ら かなように、 下杵用吸引口 h4は、 回転テーブル 12の回転により、 塗布装置本 体 1 aの下方を移動する臼 13 · · ·の各々により、 下杵用吸引口 h4と、 下杵 用外殻原料噴霧口 h 1とが導通されることがないような、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から離設した位置に設けられている。
この結果、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 図 16からも明らかなよ うに、 この下杵用吸引口 h 4と下杵用外殻原料噴霧口 h 1との位置関係により、 回転テーブル 12の回転により、 塗布装置本体 1 bの下方を移動する臼 13 · · •の各々内に所定の位置まで挿入されている下杵 14 · · ·の各々の上面 S 14 • · ·へ、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から噴霧される、 外殻原料粉末の噴霧量に、
—切、 影響を与えることなく、 余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せず。 ) の駆 動量を任意に調整できるので、 余剰外殻原料除去用吸引手段 (図示せず。 ) の駆 動量を、 重力との関係で、 複数の下杵 1 4 · · ·の各々の上面 S 1 4 · · 'に余 分に堆積した外殻原料粉末や、 回転テーブル 1 2の、 複数の曰 1 3 · · ·の各々 の内周面 S 1 3 · · 'や、 回転テーブル 1 2の、 複数の曰 1 3 · · ·の各々の周 辺に付着した外殻原料粉末を除去するのに最適な駆動量にすることができる。 これにより、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 重力との関係で、 余分 な外殻原料粉末が堆積しがちな複数の下杵の各々の上面に、 必要最小限の外殻原 料粉末を均一に塗布できるので、 錠剤の表面全体に、 最小限の外殻原料粉末が付 着した錠剤を効率良く製造することができる。
のみならず、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 回転テーブル 1 2の、 複数の臼 1 3 · · ·の各々の周辺に付着した外殻原料粉末を完全に除去すること ができるので、 複数の臼 1 3 ■ · ·の各々の周辺に付着した外殻原料粉末が、 成 形材料充填位置: 2において、 臼 1 3 · · '内に落下するという現象が生じない ため、 成形材料中に、 外殻原料粉末が含まれることがない。
この結果、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 錠剤内部が、 外殻原料粉 末によつて汚染されていない、 錠剤を製造することができる。
一方、 図 2 4 ( c ) から明らかなように、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 外殻原料供給通路 h 2を、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1と、 中空室 h 3とを導通す るように設けているので、 複数の臼 1 3 ■ · ·の各々が、 下杵用外殻原料噴霧口 h iの下方位置に来ておらず、 下杵用外殻原料噴霧口 h iから複数の臼 1 3 · · ,の各々内への外殻原料粉末の噴霧が行われていない時にも、 外殻原料粉末は、 正圧の脈動空気振動波とともに、 外殻原料供給通路 h 2を通って、 中空室 h 3へ と送られる。
これにより、 下杵用外殻原料噴霧口 h 1から複数の曰 1 3 · · ·の各々内への 外殻原料粉末の噴霧が行われていない時にも、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b
の上杵用外殻原料噴霧口 h 5から、 連続的に、 外殻原料粉末が噴霧される。
次に、 この外殻原料粉末塗布装置 1の上杵用外殻原料塗布ュニット 1 の、 複 数の上杵 15 · ■ ■の各々の下面 S 15 · · ·へ外殻原料粉末を塗布する動作 · 原理について説明する。
まず、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bとして、 製造する錠剤の錠剤表面に設 けられる、 会社コードの刻印の有無や、 医薬品コードの刻印の有無や、 割線の有 無によって、 最適な上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b (例えば、 図 19、 図 20、 図 2 1、 図 22及び図 23の各々に示す、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 b— 0、 l b— 1、 l b— 2、 l b_3、 1 b— 4を参照) を選択する。
次に、 外殻原料粉末塗布装置 1の塗布装置本体 1 aは、 外殻原料塗布位置 ΙΪ 1 に固定したままの状態で、 塗布装置本体 l aに、 選択した上杵用外殻原料塗布ュ ニット 1 b (例えば、 図 19、 図 20、 図 21、 図 22及び図 23の各々に示す、 上杵用外殻原料塗布ユニッ ト 1 b— 0、 l b— 1、 l b— 2、 l b— 3、 l b— 4のいずれか) を取り付ける。
この外殻原料粉末塗布装置 1では、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 • · ·への外殻原料粉末の塗布は、 以下のようにして行われる。
まず、 この例では、 図 24 (a) に示すように、 図示されている、 2個の上杵 15、 15の中、 想像線で示した上杵 15と組になる曰 13が、 丁度、 塗布装置 本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられている下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下方位置 に送られてきた状態においては、 塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられて いる下杵用外殻原料噴霧口 h 1の下方に位置する臼 13と組にされている上杵 (図 24 (a) 中、 想像線で示す上杵 13) の下面 S 13への外殻原料粉末の塗 布は、 既に、 終了している。
塗布装置本体 1 aの下面 S 1 a 2に設けられている下杵用外殻原料噴霧口 h 1 の下方に曰 13が位置している時に、 この例では、 次の上杵 (図 24 (a) 中、 実線で示す上杵) 15の下面 S 15への外殻原料粉末の塗布が開始される。
且つ、 上杵用吸引 a h 6は、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bの上杵用外殻原 料噴霧口 h 5上を通過する、 複数の上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5 · · ·の 上方となる位置に設けられているので、 上杵 (図 2 4 ( a ) 中、 実線で示す上 杵) 1 5は、 このスリット形状にされた上杵用外殻原料噴霧口 h 5上を、 その始 端 e sから終端 e eまで移動していく間に、 複数の上杵 1 5 · · 'の各々の下面 S 1 5 · · ■には、 外殻原料粉末が、 時間をかけて、 順次、 塗布されることにな る。
即ち、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 図 2 5からも明らかなように、 重力 との関係で、 外殻原料粉末が付着し難い、 複数の上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5 · · ·に対しては、 重力との関係で、 外殻原料粉末が付着しやすい、 複数の 下杵 1 4 · · ·の各々の上面 S 1 4 · · ·に比べ、 長い時間を費やして、 外殻原 料粉末の塗布を行うようにしている。
この結果、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 bを用いれば、 重力との関係で、 外 殻原料粉末が塗布され難い、 複数の上杵の各々の下面にも、 必要量の外殻原料粉 末を均一に塗布できる。
のみならず、 上述したように、 この例では、 上杵用外殻原料塗布ユニット 1 b の上方に、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5の全体を覆うよう、 上杵用吸引口 h 6を設 けているので、 上杵用吸引口 h 6に接続された上杵用吸引手段 (図示せず。 ) を 駆動すれば、 複数の上杵 1 5 · · ·の回転軌道に沿うように湾曲するように、 且 つ、 長く設けられたスリット状の上杵用吸引口 h 6の始端 e sから終端 e eに至 るまで、 万遍なく、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5から上杵用吸引口 h 6に向かう、 一様の空気流 (この空気流は、 上杵用外殻原料噴霧口 h 5から上杵用吸引口 h 6 に向かう、 概ね、 層流になっている。 ) が発生する。
これにより、 回転テーブル 1 2と同期して回転する複数の上杵 1 5 · · ·は、 順次、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bのスリット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 5上を、 その始端 e sから終端 e eまで移動する間に、 スリット形状の上杵用
外殻原料噴霧口 h 5から上杵用吸引口 h 6に向かう気流に乗って移動する外殻原 料粉末に晒されることになり、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · · へ、 外殻原料粉末が衝突することで、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布され 難い、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · ·に対しても、 順次、 外殻 原料粉末が均一に塗布される。
即ち、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 図 25からも明らかなように、 重力 との関係で、 外殻原料粉末が付着し難い、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · ·に対しては、 吸引雰囲気下で外殻原料粉末の塗布を行い、 重力との関 係で、 外殻原料粉末が付着しやすい、 複数の下杵 14 · · ·の各々の上面 S 14 • - ·に対しては、 加圧雰囲気下で外殻原料粉末の塗布を行うというように、 複 数の上杵 15 · · 'の各々の下面 S 15 · · ·への外殻原料粉末の塗布方法と、 複数の下杵 14■ · ·の各々の上面 S 14 · · ·への外殻原料粉末の塗布方法と を、 異ならせている。
この外殻原料粉末塗布装置 1では、 重力の関係を考慮して、 複数の上杵 15 · - 'の各々の下面 S 15 · · 'への外殻原料粉末の塗布を、 最適な塗布方法を用 いて、 塗布するようにしているので、 重力との関係で、 外殻原料粉末が付着し難 い、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · ·に対しても、 外殻原料粉末 が均一に塗布される。
また、 複数の上杵 15の各々の下面 S 15 · · ·にとつて余剰分となる外殻原 料粉末は、 上杵用吸引口 h 6内に、 吸引除去されるので、 複数の上杵 15 · · · の各々の下面 S 15 · · ·に、 必要最小限の外殻原料粉末を均一に塗布すること が可能になる。
のみならず、 複数の上杵 15 · · 'の各々の下面 S 15 ' · 'にとつて余剰分 となる外殻原料粉末は、 上杵用吸引口 h 6内に、 吸引除去されるので、 ロータリ 型打錠機の、 外殻原料粉末塗布装置 1以外の部分が、 外殻原料粉末により'汚染さ れることがない。
従って、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 錠剤内部が、 外殻原料粉末 によって汚染されていない、 錠剤を製造することができる。
また、 上杵用吸引手段 (図示せず。 ) の駆動量を調整することで、 複数の下杵
14 · · ·の各々の上面 S 14 · · ·、 及び、 複数の臼 13 ' · ·の各々の内周 面 S 13 · · ·の各々に塗布する外殻原料粉末の塗布量を調整することも可能で ある。
また、 この外殻原料粉末塗布装置 1では、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bの、 スリット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 6に沿って、 上杵収容溝 Dを設け、 スリ ット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 6から噴霧される外殻原料粉末が、 直ちに分 散することなく、 上杵収容溝 D内に止まるようにしているので、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布され難い、 複数の上杵 15 · · 'の各々の下面 S 15 · · · へ、 複数の上杵 15 · · ·の各々が、 上杵収容溝 D内の、 スリツト形状の上杵用 外殻原料噴霧口 h 6の上方に沿って移動する間に、 効率良く、 外殻原料粉末が塗 布される。
また、 スリット形状の上杵用外殻原料噴霧口 h 6から噴霧される外殻原料粉末 が、 直ちに分散することなく、 上杵収容溝 D内に止まるようにしているので、 口 —夕リ型打錠機の、 上杵用外殻原料塗布ュニット 1 bの上杵収容溝 D以外の部分 が、 外殻原料粉末により汚染されることがない。
従って、 この外殻原料粉末塗布装置 1を用いれば、 錠剤内部が、 外殻原料粉末 によって汚染されていない、 錠剤を製造することができる。
次に、 本発明に係る圧縮成形物の製造方法で用いている、 「正圧の脈動空気振 動波」 を発生する、 脈動空気振動波発生装置、 この脈動空気振動波発生装置を駆 動することにより発生させた、 正圧の脈動空気振動波中に、 定量的に、 外殻原料 (粉末) を混和する、 定量フィーダ装置、 及び、 外殻原料粉末塗布装置 1による、 複数の曰 13 · · ·の各々の内周面 S 13 · · ·、 複数の下杵 14 · · ·の各々 の上面 S 14 · · ·、 及び、 複数の上杵 15 · · ·の各々の下面 S 15 · · 'の
各々への外殻原料 (粉末) の塗布量を調整するための、 外殻原料 (粉末) の濃度 測定装置について、 概説する。
図 2 6は、 外殻原料粉末塗布装置 1を備える、 外部滑沢式打錠機の構成を概略 的に示す全体構成図である。
この外部滑沢式打錠機 Aは、 口一タリ型打錠機 1 1と、 ロータリ型打錠機 1 1 の外殻原料塗布位置に設けられた外殻原料粉末塗布装置 1と、 脈動空気振動波発 生装置 3 1と、 脈動空気振動波発生装置 3 1を駆動することにより発生させた、 正圧の脈動空気振動波に、 定量的に、 外殻原料 (粉末) を混和し、 分散する、 定 量フィーダ装置 6 1と、 定量フィーダ装置 6 1により、 正圧の脈動空気振動波中 に混和した外殻原料粉末の濃度を測定するための外殻原料濃度測定手段 9 1と、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1と、 この外部滑沢式打錠機 Aの全体を制御 ·統括す る演算処理装置 1 1 1とを備える。
脈動空気振動波発生装置 3 1は、 ブロア等の圧縮空気源 3 2と、 圧縮空気源 3 2により発生させた圧縮空気を、 正圧の脈動空気振動波に変換する脈動空気振動 波変換装置 3 3とを備える。
尚、 図 2 6中、 3 4で示す部材装置は、 必要により設けられ、 電磁弁等で構成 され、 圧縮空気源 3 2により発生させた圧縮空気の流量を調整する、 流量制御装 置を示している。
流量制御装置 3 4は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令によって、 導管 T 2内へ流す空気の流量を調整で きるようになっている。
この例では、 圧縮空気源 3 2と流量制御装置 3 4とは、 導管 T 1により接続さ れており、 また、 流量制御装置 3 4と脈動空気振動波変換装置 3 3とは、 導管 T 2により接続されており、 圧縮空気源 3 2より発生させた圧縮空気は、 導管 T 1 を介して、 流量制御装置 3 4に供給され、 流量制御装置 3 4により、 所定の流量 に調整された後、 導管 T 2を介して、 脈動空気振動波変換装置 3 3に供給される
ようになっている。
また、 図 2 6中、 3 5で示す部材装置は、 圧縮空気を脈動空気振動波に変換す る、 回転カム (図 3 6に示す回転カム 3 9を参照。 ) を回転駆動するための、 モ 一夕等の回転駆動手段を示している。
この回転駆動手段 3 5は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されて おり、 演算処理装置 1 1 1からの指令によって、 回転駆動手段 3 5の回転軸 (図 3 6に示す回転軸 a xを参照) の回転速度を制御できるようにされている。 脈動空気振動波発生装置 3 1と、 定量フィーダ装置 6 1とは、 導管 T 3により 接続されており、 脈動空気振動波発生装置 3 1により発生させた、 正圧の脈動空 気振動波が、 導管 T 3を介して、 定量フィーダ装置 6 1に供給されるようになつ ている。
より具体的に説明すると、 脈動空気振動波発生装置 3 1の脈動空気振動波変換 装置 3 3には、 導管 T 3の一端 T 3 aが接続されており、 導管 T 3の他端 T 3 b せ、 定量フィーダ装置 6 1の分散室 6 3の脈動空気振動波供給口 6 3 e 1に接続 されている。
定量フィーダ装置 6 1と、 外殻原料粉末塗布装置 1とは、 導管 T 4により接続 されており、 定量フィーダ装置 6 1から排出され、 導管 T 4内で、 正圧の脈動空 気振動波に混和し、 分散された外殻原料 (粉末) が、 導管 T 4を介して、 外殻原 料粉末塗布装置 1に供給されるようになっている。
より具体的に説明すると、 定量フィーダ装置 6 1を構成する分散室 6 3の排出 口 6 3 e 2には、 導管 T 4の一端が接続されており、 導管 T 4の他端 T 4 bが、 外殻原料粉末塗布装置 1の、 下杵用外殻原料噴霧口 (図 5に示す下杵用外殻原料 噴霧口 h 5 ) に接続されている接続口 (図 1 4、 図 1 5、 図 1 6、 図 1 7及び図 1 8に示す接続口 j 1 ) に接続されている。
余剰外殻原料吸引手段 9 1は、 導管 T 5を介して、 外殻原料粉末塗布装置 1の 上杵用吸引口 h 6の接続口 j 6に接続される。
導管 T 5は、 途中で、 2本の分岐管 T 5 a、 T 5 bに分岐した後、 再び、 1本 の導管 T 5 cにされ、 導管 T 5 cにされている。
そして、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1は、 導管 T 5 cに接続されている。
外殻原料濃度測定手段 9 1は、 導管 T 5の分岐管 T 5 aに設けられている。 演算処理装置 1 1 1は、 信号線を介して、 口一タリ型打錠機 1 1、 脈動空気振 動波発生装置 3 1、 定量フィーダ装置 6 1、 余剰外殻原料吸引手段 9 1、 及び、 外殻原料濃度測定手段 9 1の各々と接続されており、 ロータリ型打錠機 1 1、 脈 動空気振動波発生装置 3 1、 定量フィーダ装置 6 1、 及び、 余剰外殻原料吸引手 段 9 1、 外殻原料濃度測定手段 9 1の各々と信号のやりとりを行うことで、 ロー タリ型打錠機 1 1、 脈動空気振動波発生装置 3 1、 定量フィーダ装置 6 1、 余剰 外殻原料吸引手段 9 I s 及び、 外殻原料濃度測定手段 1 0 1の各々を集中制御で きるようになつている。
尚、 図 2 6では、 演算処理装置 1 1 1と口一タリ型打錠機 1 1との間を接続し ている信号線については、 図示するのを省略している。 また、 この例では、 演算 処理装置 1 1 1と、 口一タリ型打錠機 1 1、 脈動空気振動波発生装置 3 1、 定量 フィーダ装置 6 1、 外殻原料濃度測定手段 9 1、 及び、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1の各々とを信号線で接続したものを例示しているが、 ί寅算処理装置 1 1 1と、 ロータリ型打錠機 1 I s 脈動空気振動波発生装置 3 1、 定量フィーダ装置 6 1、 外殻原料濃度測定手段 9 1、 及び、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1の各々との間は、 信号のやりとりができればよく、 有線であっても、 また、 無線であってもよい。 次に、 定量フィーダ装置 6 1の構成について、 更に詳しく説明する。
図 2 7は、 本発明に係るマイクロカプセル含有圧縮成形物の製造方法で用いる、 外殻原料粉末塗布装置と組み合わせて使用するのに好適な定量フィーダを概略的 に示す構成図である。
この定量フィーダ装置 6 1は、 粉体材料を貯留する粉体材料貯蔵ホッパー 6 2 と、 分散室 6 3と、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2と分散室 6 3との間をつなぐ筒状
管 6 4と、 弾性体膜 6 5と、 弾性体膜取付具 7 1とを備える。
粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aには、 材料切出弁 6 6が設け られており、 材料切出弁 6 6により、 材料排出口 h 6 2 aの開閉ができるように なっている。
筒状管 6 4は、 上開口部 h 6 4 aと、 下開口部 h 6 4 bとを備える。
筒状管 6 4は、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aに上開口部 h
6 4 aを接続するようにして、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の下方に気密に取り付 けられている。
また、 筒状管 6 4の下開口部 h 6 4 bには、 弾性体膜 6 5が、 筒状管 6 4の下 開口部 h 6 4の底面をなすように、 弾性体膜取付具 7 1を用いて、 気密に、 取り 付けられている。
更に、 筒状管 6 4の下開口部 h 6 4 bには、 弾性体膜取付具 7 1により、 筒状 管 6 4の下開口部 h 6 4 bに取り付けられた弾性体膜 6 5を介在させて、 分散室 6 3が気密に接続されている。
筒状管 6 4内には、 筒状管 6 4内の圧力を検出するための圧力センサー s 1が 設けられている。
圧力センサ一 s 1は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 圧力センサー s 1が検出した筒状管 6 4内の圧力の値は、 演算処理装置 1 1 1に 送られるようになつている。
筒状管 6 4は、 上部筒状管部 6 4 aと、 下部筒状管部 6 4 bとを備える。
そして、 上述した材料切出弁 6 6は、 上部筒状管部 6 4 a内に収容されている c また、 下部筒状管部 6 4 bは、 透明な樹脂で製されている。
より詳しく説明すると、 下部筒状管部 6 4 bは、 例えば、 ガラス、 アクリル樹 脂、 ポリカーボネート樹脂等の光透過性を有する材料で製されている。
また、 下部筒状管部 6 4 bの内周面 S 6 4 bは、 内周面 S 6 4 bに、 外殻原料 (粉末) が付着するのを防止するために、 鏡面加工されている。
尚、 下部筒状管部 6 4 bの内周面 S 6 4 bへの外殻原料 (粉末) の付着を防ぐ という観点からは、 下部筒状管部 6 4 bは、 上記した材料中では、 ポリカーポネ —ト樹脂であることが好ましい。 尚、 このことは、 本発明者等の実験データに基 づいている。
下部筒状管部 6 4 bには、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に堆積貯留 する外殻原料 (粉末) の量を検出するレベルセンサ一 s 2が付設されている。 圧力センサー s 2は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 圧力センサー s 2の検出値は、 演算処理装置 1 1 1に送られるようになつている c このレベルセンサ一 s 2は、 赤外線や可視光線等の光を発光する発光素子 s 2 aと、 発光素子 s 2 aより照射された光を受光する受光素子 s 2 bとを備える。 発光素子 s 2 aと、 受光素子 s 2 bとは、 下部筒状管部 6 4 bを挟むようにし て、 対向配置されている。
そして、 レベルセンサー s 2を設ける位置 (弾性体膜 6 5からレベルセンサー s 2の設けられる位置の高さ) H t hで、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5 上に堆積貯留される外殻原料 (粉末) の量を検出できるようになつている。
即ち、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に堆積貯留される外殻原料 (粉 末) の量が、 レベルセンサ一 s 2を設ける位置 (弾性体膜 6 5からレベルセンサ 一 s 1の設けられている位置の高さ) H t hを超えると、 発光素子 s 2 aから照 射された光が、 外殻原料 (粉末) により遮られ、 受光素子 s 2 bで受光できなく なる (オフになる。 ) ので、 この時、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に 堆積貯留される外殻原料 (粉末) の弾性体膜 6 5上からの高さ Hが、 高さ H t h を超えていることが検出できる (H > H t h ) 。
また、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に堆積貯留される外殻原料 (粉 末) の量が、 レベルセンサー s 2を設ける位置 (弾性体膜 6 5からレベルセンサ 一 s 2の設けられている位置の高さ) H t h未満になると、 発光素子 s 2 aから 照射された光が、 受光素子 s 2 bで受光できる (オンになる。 ) ので、 この時、
下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に堆積貯留される外殻原料 (粉末) の弾 性体膜 6 5上からの高さ Hが、 高さ H t h未満になっていることが検出できる ( H < H t h ) 。
したがって、 レベルセンサー s 2の検出値に基づいて、 発光素子 s 2 aから照 射された光を、 受光素子 s 2 bが受光している (オンになっている) 間は、 材料 切出弁 6 6を下方に移動して、 粉体貯留ホッパー 6 2の排出口 h 6 2 aを開いた 状態にし、 発光素子 s 2 aから照射された光が、 受光素子 s 2 bで受光できなく なったとき (オフになったとき) 、 材料切出弁 6 6を上方に移動して、 粉体貯留 ホッパー 6 2の排出口 6 2 aを閉じた状態にすれば、 定量フィーダ装置 6 1を駆 動している間、 下部筒状管部 6 4 b内の弾性体膜 6 5上に、 常に、 概ね一定量の 外殻原料 (粉末) が貯留堆積するように制御することができる。
次に、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の構成について説明する。
図 2 8は、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2を概略的に説明する説明図であり、 図 2 8 ( a ) は、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の一部を切り欠いて概略的に示す一部切 欠き斜視図を、 また、 図 2 8 ( b ) は、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の概略的な平 面図である。
図 2 7及び図 2 8を参照しながら説明すると、 粉体材料貯蔵ホヅパ一6 2の材 料投入口 h 6 2 bには、 蓋体 6 2 aが、 着脱自在に、 且つ、 気密に取り付けられ るようになっている。
また、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2のコーン部 6 2 cには、 ガス噴射ノズル手段 n、 nが設けられている。
ガス噴射ノズル手段 η、 ηの各々は、 そのガス噴射口 h n、 h nが、 粉体材料 貯蔵ホッパー 6 2の内周面に対し、 概ね接線方向を向くように、 設けられている。 より特定的に説明すると、 この例では、 ガス噴射口 h n、 h nの各々は、 粉体 材料貯蔵ホッパー 6 2の内周面に対し、 概ね接線方向を向くように、 且つ、 一方 向を向くように設けられており、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々から、 ガスを
噴射すると、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々 ガス噴射口 h n、 h n方向に旋回する、 空気流が発生するようになっている。 また、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2には、 導管 T 6が接続されている。
導管 T 6は、 大気に導通するようになっており、 その途中には、 圧力調整弁 V
P 1と、 開閉バルブ (ガス抜き弁) V 1とが設けられている。
圧力調整弁 v p 1及び開閉バルブ V 1の各々は、 ソレノィ ド式の電磁弁で構成 されている。
また、 圧力調整弁 v p 1及び開閉バルブ V 1の各々は、 演算処理装置 1 1 1に 信号線を介して接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令信号に基づいて、 開閉するようになっている。
また、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2には、 導管 T 7が接続されている。
導管 T 7は、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2と導管 1とを接続するように設けられ ており、 その途中には、 圧力調整弁 v p 2と、 開閉バルブ V 2とが設けられてい る。 - 圧力調整弁 v p 2及び開閉バルブ V 2の各々は、 ソレノィ ド式の電磁弁で構成 されている。
また、 圧力調整弁 v p 2及び開閉バルブ V 2の各々は、 演算処理装置 1 1 1に 信号線を介して接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令信号に基づいて、 開閉するようになっている。
また、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々には、 導管 T 8が接続されている。 尚、 図 2 7及び図 2 8では、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの一方に接続されてい る導管 T 8のみを図示しているが、 実際には、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの他方 にも、 導管 T 8が接続されている。
ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々に接続される導管 T 8は、 導管 1に接続され ている。 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々に接続される導管 T 8の各々の途中に は、 圧力調整弁 v p 3が設けられている。
圧力調整弁 v p 3は、 ソレノィ ド式の電磁弁で構成されている。
また、 圧力調整弁 v p 3は、 演算処理装置 1 1 1に信号線を介して接続されて おり、 演算処理装置 1 1 1からの指令信号に基づいて、 開閉するようになってお り、 且つ、 導管 1内に、 圧縮空気源 3 2から供給されている圧縮空気を所定の流 量の空気流にして、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に設けられている、 ガス噴射ノ ズル手段 n、 nの各々から、 ガスを噴射したり、 ガスの噴射を停止したりするこ とができるようになつている。
尚、 この例では、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に、 2つのガス噴射ノズル手段 n、 nを設けた例を示しているが、 ガス噴射ノズル手段 nは、 1個であってもよ く、 3個以上設けられていてもよい。
また、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2には、 圧力センサー s 2が設けられており、 圧力センサー s 3により、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内の圧力が測定できるよう になっている。
圧力センサ一 s 3は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 圧力センサー s 3の測定値が、 演算処理装置 1 1 1に送られるようになつている c また、 この例では、 材料切出弁 6 6として、 材料切出弁本体 6 6 bと、 可動部 6 6 aとを備えるものを用いている。
この可動部 6 6 aは、 空気圧によって上下に動くようにされている。
より詳しく説明すると、 材料切出弁本体 6 6 bは、 導管 T 9を介して、 導管 T 1に接続されている。
この例では、 導管 T 9は、 3方向弁 v 3によって、 2本の分岐管 T 9 a、 T 9 bにされ、 材料切出弁本体 6 6 bに接続されている。
3方向弁 V 3は、 ソレノィ ド式の電磁弁で構成されている。
この 3方向弁 v 3は、 演算処理装置 1 1 1に信号線を介して接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令信号に基づいて、 分岐管 T 9 aを開閉したり、 分 岐管 T 9 bを開閉したりすることができるようになつている。
より具体的に説明すると、 この定量フィーダ装置 6 1では、 レベルセンサー S
2を動作状態にした際に、 発光素子 s 2 aから照射された光を、 受光素子 s 2 b が受光している (オンになっている) 間は、 演算処理装置 1 1 1からの指令によ り、 3方向弁 v 3が、 分岐管 T 9 aを開いた状態にし、 分岐管 T 9 bを閉じた状 態にし、 材料切出弁 6 6の可動部 6 6 aが下方向に移動させて、 粉体材料貯蔵ホ ツバ一 6 2の材料排出口 h 6 2 aが開いた状態になるようにされている。
また、 この定量フィーダ装置 6 1では、 発光素子 s 2 aから照射された光を、 受光素子 s 2 bが受光しなくなる (オフになる) と、 演算処理装置 1 1 1からの 指令により、 3方向弁 V 3が、 分岐管 T 9 bを開いた状態にし、 分岐管 T 9 aを 閉じた状態にし、 材料切出弁 6 6の可動部 6 6 aが上方向に移動させて、 可動部 6 6 aにより、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aが閉じた状態に なるようにされている。
また、 レベルセンサ一 s 2を停止状態にすると、 3方向弁 v 3により、 分岐管 T 9 bを開いた状態にし、 分岐管 T 9 aを閉じた状態にし、 材料切出弁 6 6の可 動部 6 6 aが上方向に移動させて、 可動部 6 6 aにより、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aが閉じた状態になるようにされている。
次に、 この定量フィーダ装置 6 1で用いる弾性体膜 6 5の構成について説明す o
図 2 9は、 弾性体膜 6 5を概略的に示す平面図である。
弾性体膜 6 5には、 貫通孔 h 6 5が設けられている。
この例では、 貫通孔 h 6 5は、 弾性体膜 6 5の中央部に、 スリット形状に設け られている。
尚、 図 2 9では、 弾性体膜 6 5の中央部に、 スリット形状の貫通孔 h 6 5を有 するものを示したが、 これは、 単なる例示であって、 定量フィーダ装置 6 1で用 いる弾性体膜は、 貫通孔が設けられておればよく、 弾性体膜 6 5に限定されるこ とはなく、 例えば、 図 3 0に示すような、 複数の貫通孔 h 6 5 · · ·を有する弾
性体膜 6 5 Aのようなものであってもよい。
尚、 弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、 図 2 3に示すように、 複数の 貫通孔の各々は、 互いに、 ランダムに設けられていてもよい。 また、 複数の貫通 孔の各々の形状 ·大きさは、 同じであってもよく、 また、 異なっていてもよい。 また、 弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、 複数の貫通孔を、 弾性体膜 の同一円周上に、 設けても良い。 この場合、 複数の貫通孔の各々をスリット形状 にし、 スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、 各々の長さ方向を、 円周の 接線方向に設けることが好ましい。
更に、 弾性体膜に複数の貫通孔を設ける場合には、 複数の貫通孔の各々をスリ ット形状にし、 スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、 弾性体膜に設けた、 複数の同心円の各々に、 スリット形状にされた複数の貫通孔の各々を、 各々の長 さ方向を、 複数の同心円の各々の円周の接線方向に設けてもよい。
次に、 弾性体膜取付具 7 1の構成について、 説明する。
図 3 1は、 弾性体膜取付具 7 1を概略的に示す斜視図であり、 弾性体膜 6 5が 既に取り付けられた状態を示している。
また、 図 3 2は、 図 3 1に示す弾性体膜取付具 7 1の構成を概略的に示す分解 斜視図であり、 また、 図 3 3は、 図 3 1に示す弾性体膜取付具 7 1の構成を概略 的に示す断面図である。
この弾性体膜取付具 7 1は、 図 3 2及び図 3 3に図示されるように、 台座 7 2 と、 突き上げ部材 7 3と、 押さえ部材 7 4とを備える。
台座 7 2には、 中空 h 7 1が設けられており、 中空 h 7 1の外周には、 突き上 げ部材 7 3を載置するための、 リング状の載置.面 S 7 1が設けられている。 更に、 台座 7 2には、 中空 h 7 1をリング状に取り囲むように V溝 D vが設けられてい る。
突き上げ部材 7 3は、 中空 h 7 2を有する。 この例では、 突き上げ部材 7 3は、 図 3 3に示すように、 その下面に、 段差部 P 1が設けられており、 台座 7 2上に、
突き上げ部材 7 3を載置すると、 段差部 P 1が、 台座 7 2の載置面 S 7 1上に位 置するようにされている。
また、 この例では、 突き上げ部材 7 3を台座 7 2上に載置した際に、 突き上げ 部材 7 3の段差部 P 1より下方に延設するように設けられている下方延設部 P 2 が、 台座 7 2の中空 h 7 1内に収まるようにされている。 即ち、 突き上げ部材 7 3の下方延設部 P 2は、 その外径 d 2が、 台座 7 2の中空 h 7 1の内径 d 1に等 しいか、 やや小さい寸法に精密加工されている (d 2≤d l ) 。
更に、 この例では、 突き上げ部材 7 3は、 その上方部 P 3の外周に、 断面視し た場合、 上側から下側が広がる傾斜面が設けられている。
押さえ部材 7 4は、 中空] 1 7 3を有する。 また、 押さえ部材 7 4の、 台座 7 2 に向き合う表面 S 7 4には、 台座 7 2の表面に設けられた V溝 D vに嵌まり合う ように、 リング形状の、 V字形状の突起 C vが設けられている。
尚、 図 3 1及び図 3 2中、 7 5で示す部材は、 ボルト等の締付手段を示してい る。
また、 図 3 3中、 h 7 4で示す孔は、 台座 7 2に形成された、 締付手段 7 5の 固定孔を、 また、 h 7 5で示す孔は、 押さえ部材 7 4に形成された、 締付手段 7 5の固定孔を、 各々、 示している。 また、 図 3 2中、 h 7 6で示す孔は、 台座 7 2に形成され、 目的とする装置 (この例では、 図 2 7に示す、 分散室 6 3の上部
3 3 a ) へ、 弾性体膜取付具 7 1を、 ボルト等の固定手段 (図示せず。 ) により 取り付けるための固定孔を、 また、 h 7 7で示す孔は、 押さえ部材 7 4に形成さ れ、 目的とする装置 (この例では、 図 2 7に示す、 筒状管 6 4の下部筒状管部 6
4 b ) へ、 弾性体膜取付具 7 1を、 ボルト等の固定手段 (図示せず。 ) により取 り付けるための固定孔を、 各々、 示している。
この例では、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3の内径 d 4は、 突き上げ部材 7 3の 外径 d 3に等しいか、 やや大きい寸法に精密加工されている (d 4 d 3 ) 。 次に、 この弾性体膜取付具 7 1に弾性体膜 6 5を取り付ける手順について説明
する。
弾性体膜取付具 7 1に弾性体膜 6 5を取り付ける際には、 まず、 台座 7 2の表 面に、 突き上げ部材 7 3を載置する。
次いで、 突き上げ部材 7 3上に、 弾性体膜 6 5を載置する。
次に、 突き上げ部材 7 3及び弾性体膜 6 5をともに覆うように、 突き上げ部材 7 3上に押さえ部材 7 4を載置する。 この時、 台座 7 2に形成された固定孔 h 7 4 · · ·の各々と、 押さえ部材 7 4に形成された固定孔 h 7 5 · · ·の各々とを 整列させるようにする。
次に、 ポルト等の締付手段 7 5 , · ·の各々を、 固定孔 h 7 5 · · ·の各々に 挿通し、 固定孔 h 7 5 · · 'の各々に揷通した締付手段 7 5 · · ·の各々を、 固 定孔 h 7 4 ' · ·の各々に螺合等することで、 台座 7 2に対して、 押さえ部材 4 を締め付けていく。
この弾性体膜取付具 7 1では、 台座 7 2上に載置した突き上げ部材 7 3上に、 弾性体膜 6 5を載置しているので、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対して締め付け ていくと、 弾性体膜 6 5は、 突き上げ部材 7 3により、 押さえ部材 7 4方向に突 き上げられる。
この結果、 弾性体膜 6 5は、 押さえ部材 7 4方向により突き上げられることで、 弾性体膜 6 5の内側から外周側に引き伸ばされる。
最初のうちは、 突き上げ部材 7 3により、 引き伸ばされた弾性体膜 6 5は、 突 き上げ部材 7 3の外周面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3を形成する面 (内 周面) との間の隙間を介して、 台座 7 2の表面に設けられている V溝 D vと、 押 さえ部材 7 4の、 台座 7 2に向き合う表面に設けられている V字形状の突起 C v との間に嵌挿されていく。
更に、 ボルト等の締付手段 7 5 · · 'の各々により、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対して締め付けていくと、 弾性体膜 6 5は、 突き上げ部材 7 3により、 押さ ぇ部材 7 4方向に突き上げられた状態のまま、 突き上げ部材 7 3の外周面 P 3と、
押さえ部材 7 4の中空 h 7 3の内周面との間に、 挟持される。 且つ、 突き上げ部 材 7 3により、 押さえ部材 7 4方向により突き上げられることで、 弾性体膜 6 5 の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、 台座 7 2の表面に設けられている V 溝 D vと、 押さえ部材 7 4の、 台座 7 2に向き合う表面に設けられている V字形 状の突起 C vとの間に、 挟持される。
即ち、 この弾性体膜取付具 7 1では、 まず、 台座 7 2上に載置した突き上げ部 材 7 3上に、 弾性体膜 6 5を載置し、 次いで、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対し て締め付けていくようにしているので、 弾性体膜 6 5が、 突き上げ部材 7 3によ り、 押さえ部材 7 4方向に突き上げられ、 これにより、 弾性体膜 6 5が、 その内 方側から外周側に引き伸ばされた状態にされ、 更に、 このようにして、 突き上げ 部材 7 3により引き伸ばされた弾性体膜 6 5の外周部分が、 台座 7 2の表面に設 けられた V溝 D vと、 押さえ部材 7 4の、 台座 2に向き合う表面に設けられた V 字形状の突起 C vに挟持される。 この結果、 この弾性体膜取付具 7 1では、 台座 7 2上に載置した突き上げ部材 7 3上に、 弾性体膜 6 5を載置し、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対して締め付けていくという簡単な操作で、 弾性体膜 6 5を、 ピ ンと張った状態にすることができる。
更に、 この弾性体膜取付具 7 1では、 突き上げ部材 7 3の外周に、 断面視した 場合、 上側から下側が広がる傾斜面 P 3を設けている。
この傾斜面 P 3は、 この弾性体膜取付具 7 1では、 重要な要素になっているの で、 この作用について、 以下に詳しく説明する。
即ち、 この弾性体膜取付具 7 1では、 突き上げ部材 7 3の外周に、 断面視した 場合、 上側から下側が広がる傾斜面 P 3を設けているので、 弾性体膜 6 5は、 押 さえ部材 7 4方向により突き上げられることで、 弾性体膜 6 5の内側から外周側 に引き伸ばされた部分が、 台座 7 2の表面に、 リング状に設けられている V溝 D Vと、 押さえ部材 7 4の、 台座 7 2に向き合う表面に、 リング状に設けられてい る V字形状の突起 C vとの間に、 移行し易い。
より具体的に説明すると、 突き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3の外径が、 押さえ部 材 7 4の中空 h 7 3の内径 d 4より十分に小さい関係にある時は、 弾性体膜 6 5 は、 突き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3を形成して いる表面との間の隙間 (間隔) が十分にあるため、 突き上げ部材 7 3により、 弾 性体膜 6 5の内側から外側に引き伸ばされた部分は、 この隙間 (間隔) を通って、 台座 7 2の表面に、 リング状に設けられている V溝 D v方向へ、 たやすく、 誘導 される。
また、 突き上げ部材 7 3の外周に設けられている傾斜面 P 3は、 断面視した場 合、 上側から下側が広がるようにされているので、 突き上げ部材 7 3により、 弹 性体膜 6 5の内側から外側に引き伸ばされた部分は、 この傾斜面 P 3の表面に沿 つて、 台座 7 2の表面に、 リング状に設けられている V溝 D v方向へ誘導される c そして、 ボルト等の締付手段 7 5 · · ·の各々を、 固定孔 h 7 5 ■ · ·の各々 に挿通し、 、 固定孔 h 7 5 · · 'の各々に揷通した締付手段 7 5 · · 'の各々を、 固定孔 h 7 4 · · ·の各々に螺合等して、 台座 7 2に対して、 押さえ部材 7 4を 締め付けていくことで、 突き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3の外径が、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3の内径 d 4に次第に接近し、 突き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3の傾 斜面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3を形成している表面との間の隙間 (間 隔) が、 概ね、 弾性体膜 6 5の厚み (肉厚) 程度になると、 弾性体膜 6 5は、 突 き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3を形成している表 面との間に挾持されることになる。
以上の作用によっても、 この弾性体莫取付具 7 1では、 台座 7 2上に載置した 突き上げ部材 7 3上に、 弾性体膜 6 5を載置し、 その後、 ボルト等の締付手段 7 5 - · 'の各々を用いて、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対して締め付けていくと いう簡単な操作で、 弾性体膜 6 5を、 ピンと張った状態にすることができる。 また、 ボルト等の締付手段 7 5 · · 'の各々を用いて、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に対して締め付けていくと、 突き上げ部材 7 3の外周の傾斜面 P 3と、 押さ
ぇ部材 7 4の中空の内周面との間隔が次第に狭くなり、 突き上げ部材 7 3の外周 面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3の内周面との間に、 しっかりと挟持され るため、 押さえ部材 7 4を台座 7 2に締め付けた後において、 弾性体膜 6 5が弛 むことがない。
また、 この弾性体膜取付具 7 1では、 弾性体膜 6 5を取り付ければ、 弾性体膜 6 5が、 突き上げ部材 7 3の傾斜面 P 3と、 押さえ部材 7 4の中空 h 7 3を形成 している表面との間と、 押さえ部材 7 4の、 台座 7 2に向き合う表面に、 リング 状に設けられている V字形状の突起 C vと、 台座 7 2に、 リング状に設けられて いる V字形状の溝 D vとの間とに、 2重にロックされた状態になるため、 押さえ 部材 7 4を台座 7 2に締め付けた後において、 弾性体膜 6 5が弛むことがない。 従って、 弾性体膜 6 5を張る際に、 この弾性体膜取付具 7 1により、 弾性体膜 6 5を張るようにすれば、 粉体材料噴霧装置 1の使用中に、 弾性体膜 6 5が弛む ことがないため、 長期に亘つて、 これらの装置の正確な動作を維持できる。 以上により、 弾性体膜取付具 7 1への弾性体膜 6 5の取付作業が終了すれば、 図 2 0に示すように、 弾性体膜 6 5が取り付けられた弾性体膜取付具 7 1の押さ ぇ部材 7 4を、 筒状管 6 4の下部筒状管部 6 4 に、 気密に取り付け、 台座 7 2 を、 分散室 3 3の上部 3 3 aに、 気密に取り付ける。
次に、 分散室 6 3の構成について説明する。
分散室 6 3には、 図 2 7に示すように、 分散室 6 3内に、 正圧の脈動空気振動 波を供給する、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1と、 排出口 6 3 e 2とが設けられ ている。
脈動空気振動波供給口 6 3 e 1には、 図 2 6に示す、 導管 T 3が接続されるよ うになつており、 導管 T 3を介して、 分散室 6 3内に、 正圧の脈動空気振動波が 供給されるようになっている。
また、 排出口 6 3 e 2には、 図 2 6に示す、 導管 T 4の一端 T 4 aが接続され るようになっており、 導管 T 4の他端 T 4 bから、 外殻原料 (粉末) が、 正圧の
脈動空気振動波に混和し分散した状態で、 正圧の脈動空気振動波とともに、 噴霧 されるようになっている。
尚、 この例では、 導管 T 4の他端 T 4 bは、 図 2 6に示すように、 外殻原料粉 末塗布装置 1の塗布装置本体 1 bの下杵用外殻原料噴霧口 h 1に接続されている 接続口 j 1に接続されている。
また、 分散室 6 3は、 その内部において、 正圧の脈動空気振動波が旋回流にな り易いように、 その内部の形状が、 概ね円筒形状にされている。 尚、 ここでは、 分散室 6 3の内部の形状が、 概ね円筒形状にされている例を示しているが、 分散 室 6 3の内部の形状は、 その内部において、 正圧の脈動空気振動波が旋回流にな り易い形状にされておればよく、 その内部の形状は、 必ずしも、 概ね円筒形状に されている場合に限定されることはない。
また、 この例では、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1は、 分散室 6 3には、 その 下方の位置に、 分散室 6 3の内周面の概ね接線方向に設けられている。
また、 排出口 6 3 e 2は、 分散室 6 3の上方の位置に、 分散室 6 3の内周面の 概ね接線方向に設けられている。
ここで、 分散室 6 3に設ける脈動空気振動波供給口 6 3 e 1の取付位置の方向 について、 図 3 4を用いて、 更に、 詳しく説明する。
図 3 4は、 分散室 6 3を平面視した場合の、 分散室 6 3に設ける脈動空気振動 波供給口 6 3 e 1の取付位置の方向を模式的に示す平面図であり、 図 3 4 ( a ) は、 分散室 6 3に対する、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1の好ましい取付位置の 方向を説明する説明図であり、 図 3 4 ( b ) は、 分散室 6 3に対する、 脈動空気 振動波供給口 6 3 e 1の実質的な取付可能位置の方向を説明する説明図である。 尚、 図 3 4 ( a ) 及び図 3 4 ( b ) の各々に、 曲線で示す矢印は、 分散室 6 3 内に発生する、 正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。 分散室 6 3内に、 正圧の脈動空気振動波の旋回流を発生させるためには、 分散 室 6 3に対して、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1は、 分散室 6 3の内周面に対し
て、 概ね、 接線方向 (図 34 (a) 中、 破線 Ltで示される方向) に設けられて いることが好ましい。
しかしながら、 脈動空気振動波供給口 63 e 1は、 図 34 (a) に示すように、 分散室 63の内周面に対して、 概ね、 接線方向に設けられている必要はなく、 脈 動空気振動波供給口 63 e 1は、 分散室 63内に、 支配的な 1個の旋回流を形成 できる限り、 図 34 (b) に示すように、 分散室 63の内周面に対して、 概ね、 接線方向 (例えば、 図 34 (b) 中、 破線 Ltで示される方向) と等価な方向 (即ち、 分散室 63の内周面の接線方向 (例えば、 図 34 (b) 中、 破線 Lt) に平行な方向) に設けられていてもよい。
尚、 脈動空気振動波供給口 63 e 1を、 図 34 (b) 中に、 想像線 Lcで示す ように、 分散室 63の中心線方向に設けた場合には、 分散室 63内の形状が、 概 ね円筒形状の場合には、 いずれが支配的とも言えない 2個の旋回流が発生するの で、 このような方向に設けるのは、 分散室 63内に、 正圧の脈動空気振動波の旋 回流を発生させることを考慮した場合には、 あまり好ましいとは言えない。
以上のことを勘案すると、 例えば、 分散室 63の接線 (図 34 (b) に示す、 破線で示す、 ある接線 Lt) と中心線 (図 34 (b) に想像線で示す中心線 L c) との間の距離を L t- cとすると、 脈動空気振動波供給口 63 e 1は、 接線 L tに一致しているか、 接線 L tから脈動空気振動波供給口 63 e 1までの距離 L t - 63 e 1が、 距離 L t-cの、 2/3以下の位置にあることが好ましい (0≤ 距離 L t-63 e 1≤ 2/3 x距離 L t-c) 。
より特定的には、 脈動空気振動波供給口 63 e 1は、 接線 L tに一致している か、 接線 L tから脈動空気振動波供給口 63 e 1までの距離 L t-63 e 1が、 距 離 L t-cの、 1/2以下の位置にあることが更に好ましい (0≤距離 1 -63 e 1≤ 1/2 X距離 L t-c) 。 更に言えば、 脈動空気振動波供給口 63 e 1は、 接線 L tに一致しているか、 接線 Ltから脈動空気振動波供給口 63 e 1までの 距離 Lt-4 aが、 距離を Lt- cの、 1/3以下の位置にあることが尚一層好ま
しい (0≤距離 L t-63 e 1≤ 1/3 x距離 L t一 c) 。
次いで、 分散室 63に設ける脈動空気振動波供給口 63 e 1と排出口 63 e 2 との位置関係について、 図 35を用いて、 詳しく説明する。
図 35は、 分散室 63を平面視した場合の、 分散室 63に設ける脈動空気振動 波供給口 63 e 1と排出口 63 e 2との位置を模式的に説明する図であり、 図 3 5 (a) は、 分散室 63に対する、 脈動空気振動波供給口 63 e 1と排出口 63 e 2との好ましい取付位置を説明する説明図であり、 図 35 (b) は、 分散室 6 3に対する、 脈動空気振動波供給口 63 e 1と排出口 63 e 2との実質的な取付 可能位置を説明する説明図である。
尚、 図 35 (a) 及び図 35 (b) の各々に、' 曲線で示す矢印は、 分散室 63 内に発生する、 正圧の脈動空気振動波の旋回流の向きを模式的に示している。 分散室 63に、 排出口 63 e 2を、 図 35 (a) に示すような位置に設けた場 合には、 分散室 63内に発生する、 脈動空気振動波の旋回流の向き (空気の進行 方向) と逆方向に排出口 63 e 2が設けられる関係になり、 この場合には、 排出 口 63 e 2における、 空気に分散させて流動化させた外殻原料 (粉末) の排出効 率を低く設定できる。
これとは逆に、 排出口 63 e 2における、 空気に分散させて流動化させた外殻 原料 (粉末) の排出効率を高くしたい場合には、 図 35 (b) に例示的に示す、 排出口 63 e 2 a又は排出口 63 e 2 bのように、 分散室 63内に発生する、 正 圧の脈動空気振動波の旋回流の向きと順方向に排出口 63 e 2を設けるのが好ま しい。
また、 例えば、 分散室 63の接線 (図 35 (a) に示す、 破線で示す、 ある接 線 Lt) と中心線 (図 35 (a) に想像線で示す中心線 L c) との間の距離を L t- cとすると、 排出口 63 e 2は、 接線 L tに一致しているか、 接線 L tから排 出口 63 e 2までの距離 L t -63 e 2が、 距離 Lt- cの、 2/3以下の位置に あることが好ましい (0≤距離1^ -63 e 2≤ 2/3 x距離 L t- c) 。
より特定的には、 排出口 63 e 2は、 接線 Ltに一致しているか、 接線 Ltか ら排出口 63 e 2までの距離 Lt- 63 e 2が、 距離 Lt- cの、 1/2以下の位 置にあることが更に好ましい (0≤距離 L t- 63 e 2≤ 1/2 x距離 L t- c) c 更に言えば、 排出口 63 e 2は、 接線 Ltに一致しているか、 接線 Ltから排出 口 4 bまでの距離 Lt- 63 e 2が、 距離を L t-cの、 1/3以下の位置にある こ が尚一層好ましい (0 ^距離 L t - 63 e 2≤ 1/3 X距離 L t - c) 。
更に、 この定量フィーダ装置 61には、 筒状管 64と、 分散室 63との間に、 バイパス管 Tvが設けられている。
このバイパス管 Τνは、 分散室 63内に、 正圧の脈動空気振動波を供給した際 に、 筒状管 64内の圧力と、 分散室 63内の圧力どが、 速やかに平衡に達するよ うにすることで、 分散室 63内に供給される、 正圧の脈動空気振動波によって、 上下に振動する弾性体膜 65の振動が、 正圧の脈動空気振動波に追従するように するために設けられている。
尚、 このバイパス管 Tvは、 定量フィーダ装置 61にとつて、 必須の構成部材 ではないことを付記しておく。
次に、 脈動空気振動波発生装置の構成について、 以下に説明する。
図 36は、 脈動空気振動波発生装置 31の構成を、 脈動^気振動波変換装置 3 3を中心にして、 概略的に示す断面図である。
脈動空気振動波変換装置 33は、 空気供給ポート 36 aと、 空気排出ポート 3 6 bとを備える中空室 36と、 中空室 36内に設けられた弁座 37と、 弁座 37 を開閉するための弁体 38と、 弁座 37に対して弁体 38を開閉させるための回 転カム 39とを備える。
空気供給ポート 36 aには、 導管 T4が接続されており、 また、 空気排出ポー ト 36 bには、 導管 T 2が接続されている。
また、 図 36中、 36 cで示す部分は、 中空室 36に、 必要により設けられる、 圧力調整ポートを示しており、 圧力調整ポート 36 cには、 圧力調整弁 40が、
大気との導通 ·遮断をするように設けられている。
弁体 3 8は、 軸体 3 8 aを備え、 軸体 3 8 aの下端には、 回転ローラ 3 8 が 回転可能に設けられている。
また、 脈動空気振動波変換装置 3 3の装置本体 3 3 aには、 弁体 3 8の軸体 3 8 aを、 気密に且つ上下方向に移動可能に収容するための、 軸体収容孔 h 3 3が 形成されている。
回転カム 3 9は、 内側回転カム 3 9 aと、 外側回転カム 3 9 bとを備える。 内側回転カム 3 9 a及び外側回転カム 3 9 bの各々には、 回転ローラ 3 8 bの 概ね直径分の距離を隔てるようにして、 所定の凹凸パターンが形成されている。 回転カム 3 9は、 外殻原料 (粉末) の物性に応じて、 外殻原料 (粉末) が混和 し、 分散し易い凹凸パターンを有するものが用いられる。
回転カム 3 9の内側回転カム 3 9 aとの外側回転カム 3 9 bとの間には、 回転 ローラ 3 8 bが、 回転可能に、 嵌挿されている。
尚、 図 3 6中、 a xで示す部材は、 モ一夕等の回転駆動手段 (図 2 6に示す回 転駆動手段 3 5 ) の回転軸を示しており、 回転軸 a xには、 回転カム 3 9が、 交 換可能に取り付けられるようになつている。
次に、 脈動空気振動波発生装置 3 1により、 導管 T 3内へ、 正圧の脈動空気振 動波を供給する方法について説明する。
導管 T 3内へ、 正圧の脈動空気振動波を供給する際には、 まず、 回転駆動手段 3 5の回転軸 a xに、 外殻原料 (粉末) の物性に応じて、 外殻原料 (粉末) が混 和し、 分散し易い凹凸パターンを有する回転カム 3 9を取り付ける。
次に、 圧縮空気源 3 2を駆動することにより、 導管 T 3内へ、 圧縮空気を供給 する。
導管 T 3内へ供給された圧縮空気は、 流量制御装置 3 4が設けられている場合 にあっては、 流量制御装置 3 4により、 所定の流量に調整された後、 導管 T 4に 送られ、 導管 T 4に送られた、 所定の流量の圧縮空気は、 空気供給ポート 3 6 a
から中空室 3 6内へと供給される。
また、 圧縮空気源 3 2を駆動するとともに、 回転駆動手段 3 5を駆動すること で、 回転駆動手段 3 5の回転軸 a xに取り付けた回転カム 3 9を所定の回転速度 で回転させる。
これにより、 回転ローラ 3 8 bが、 所定の回転速度で回転駆動している回転力 ム 3 9の内側回転カム 3 9 aとの外側回転カム 3 9 bとの間で、 回転し、 回転力 ム 3 9に設けられている凹凸パターンに従って、 再現性良く、 上下運動する結果、 弁体 3 8が、 回転カム 3 9に設けられている凹凸パターンに従って、 弁座 3 8を 開閉する。
また、 中空室 3 6に、 圧力調整ポート 3 6 cや圧力調整弁 3 0が設けられてい る場合にあっては、 圧力調整ポート 3 6 cに設けられている圧力調整弁 4 0を適 宜調整することにより、 導管 T 3に供給する、 正圧の脈動空気振動波の圧力を調 節する。
以上の操作により、 導管 T 3に、 正圧の脈動空気振動波が供給される。
尚、 導管 T 3内に供給される正圧の脈動空気振動波の波長は、 回転カム 3 9に 設けられている凹凸パターン及び/又は回転カム 3 9の回転速度により、 適宜調 節される。 また、 正圧の脈動空気振動波の波形は、 回転カム 3 9に設けられてい る凹凸パターンにより、 調節することができ、 正圧の脈動空気振動波の振幅は、 圧縮空気源 3 2の駆動量を調節したり、 流量制御装置 3 4が設けられている場合 にあっては、 流量制御装置 3 4の調節をしたり、 圧力調整ポート 3 6 cや圧力調 整弁 3 0が設けられている場合にあっては、 圧力調整ポート 3 6 cに設けられて いる圧力調整弁 4 0を適宜調整したり、 又は、 これらを組み合わせて調節するこ と等により、 任意に、 調節できる。
次に、 外殻原料濃度測定手段 9 1の構成について詳しく説明する。
図 3 7は、 図 2 6に示す、 外殻原料濃度測定手段 9 1の部分を中心にして拡大 して概略的に示す構成図である。
導管 T 5は、 その一端 (図 1 9中に示す、 導管 T 5の一端 e T 5 ) は、 外殻原 料粉末塗布装置 1の塗布装置本体 (図 1 4、 図 1 5、 図 1 6及び図 1 7の各々中 に示す、 塗布装置本体 l b ) の下杵用外殻原料噴霧口 (図 1 8に示す、 下杵用外 殻原料噴霧口 h 6 ) に接続されている接続口 (図 1 4、 図 1 5、 図 1 6、 図 1 7 及び図 1 8に示す、 接続口 j 1 ) に接続されており、 且つ、 途中で、 2つの分岐 管 T 5 a、 T 5 bにされ、 更に、 途中で、 1本の導管 T 5 cにまとめられてから、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1に接続されている。
余剰外殻原料吸引手段 1 0 1は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続 されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令によって、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1の駆動量を制御できるようにされている。
分岐管 T 5 aには、 外殻原料粉末塗布装置 1に近い方から余剰外殻原料吸引手 段 1 0 1方向に、 電磁バルブ等の導管開閉手段 V 4と、 外殻原料濃度測定手段 9 1とが設けられている。
導管開閉手段 v 4は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令に基づいて、 分岐管 T 5 aを開閉できるようにな つている。
また、 この例では、 外殻原料濃度測定手段 9 1として、 光透過式粉体濃度測定 手段を用いている。
外殻原料濃度測定手段 (光透過式粉体濃度測定手段) 9 1は、 測定セル 9 2と、 光透過式測定装置 s 4とを備える。
測定セル 9 2は、 石英等で製されており、 分岐管 T 5 aの途中に接続されてい る。
光透過式測定装置 s 4は、 レーザー光線を照射するレーザ光線照射系装置 s 4 aと、 レーザ光線照射系装置 s 4 aから照射され、 被検出体により散乱した光を 受光する散乱光受光系装置 s 4 bとを備え、 M i e理論に基づいて、 被検出体の 流量、 粒径、 粒度分布及び濃度等を測定できるようになつている。 この例では、
レーザ光線照射系装置 s 4 aと、 散乱光受光系装置 s 4 bとは、 測定セル 9 2を 挟むようにして、 概ね対向配置されており、 測定セル 9 2の部分で、 分岐管 T 5 a内を流れる粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) の流量、 粒径、 粒度分布及 び濃度等を測定できるようにされている。
光透過式測定装置 s 4は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されて おり、 光透過式測定装置 s 4と演算処理装置 1 1 1との間で、 信号のやりとりが できるようになつている。
また、 分岐管 T 5 bには、 電磁バルブ等の導管開閉手段 V 5が設けられている ( 導管開閉手段 V 5は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令に基づいて、 分岐管 T 5 bを開閉できるようにな つている。
また、 導管 T 5 cには、 電磁バルブ等の導管開閉手段 V 6が設けられている。 導管開閉手段 V 6は、 信号線を介して、 演算処理装置 1 1 1に接続されており、 演算処理装置 1 1 1からの指令に基づいて、 分岐管 T 5 cを開閉できるようにな つている。
次に、 外殻原料濃度測定手段 (光透過式粉体濃度測定手段) 9 1の動作につい て、 説明する。
外部滑沢式打錠機 Aを用いて、 錠剤を製造する際には、 外殻原料濃度測定手段 (光透過式粉体濃度測定手段) 9 1の光透過式測定装置 s 4は、 動作状態にされ る。
また、 導管開閉手段 V 1と導管開閉手段 V 3とを開いた状態にし、 導管開閉手 段 V 2を閉じた状態にし、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1を駆動する。
また、 脈動空気振動波発生装置 3 1及び定量フィーダ装置 6 1を各々駆動する ことで、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散させた外殻原料粉末を、 外殻原料 粉末塗布装置 1内に供給する。
外殻原料粉末塗布装置 1内に供給された外殻原料 (粉末) の一部は、 外殻原料
粉末塗布装置 1内に送り込まれてきている、 上杵 4 2 · · 'の 々の表面 (下 面) S 4 2、 下杵 4 3 · · 'の各々の表面 (上面) S 4 3、 及び、 臼 4 5 · · · の各々の内周面 S 4 5への塗布に用いられるが、 余分な外殻原料 (粉末) は、 上 杵用吸引口 (図 1 8に示す、 上杵用吸引口 h 6 ) から、 導管 T 5、 分岐管 Τ 5 a 及び導管 T 5 cを通って、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1へと吸引される。
このとき、 外殻原料濃度測定手段 (光透過式粉体濃度測定手段) 9 1を構成す る光透過式測定装置 s 4によって、 測定セル 9 2内、 即ち、 分岐管 T 5 a内を流 れる外殻原料 (粉末) の流量、 粒径、 粒度分布及び濃度等が測定され、 この測定 値が演算処理装置 1 1 1に送られる。
そして、 光透過式測定装置 s 4の測定値に基づいて、 流量制御装置 (図 2 6、 図 2 7及び図 3 6に示す、 流量制御装置 3 4 ) を調整したり、 脈動空気振動波発 生装置 3 1を構成する圧縮空気源 3 2の駆動量を、 適宜、 調節したりすることで、 外殻原料粉末塗布装置 1内の外殻原料 (粉末) の濃度等を調節する。
尚、 以上のような操作を行っていると、 測定セル 9 2の内周面に、 外殻原料 (粉末) が付着し、 光透過式測定装置 s 4が、 測定セル 9 2の内周面に付着した 外殻原料 (粉末) の影響を受けて、 分岐管 T 5 a内を流れる、 外殻原料 (粉末) の流量等を正確に測定できなくなるという問題が生じる。 かかる場合には、 光透 過式測定装置 s 4の測定値から、 測定セル 9 2の内周面に付着した外殻原料 (粉 末) の影響分 (ノイズ) を除去する補正が必要になるが、 この外部滑沢式打錠機 装置 Aでは、 測定セル 9 2の内周面に付着した外殻原料 (粉末) の影響分 (ノィ ズ) を測定する際には、 余剰外殻原料吸引手段 1 1 1は駆動した状態に維持して、 導管開閉手段 V 4を閉じ、 導管開閉手段 V 5を開いた状態にする。 すると、 上杵 用吸引口 (図 1 8に示す、 上杵用吸引口 h 6 ) から、 上杵用吸引口 (図 1 8に示 す、 上杵用吸引口 h 6 ) 内に吸引された、 外殻原料 (粉末) は、 導管 T 5、 分岐 管 T 5 b及び導管 Τ 5 cを通って、 余剰外殻原料吸引手段 1 1 1へと吸引される。 この結果、 分岐管 T 5 a内へは、 外殻原料 (粉末) が通らなくなる。
この時、 光透過式測定装置 s 4を駆動させれば、 測定セル 9 2へ付着している 外殻原料 (粉末) の影響分 (ノイズ) を測定できる。
この測定セル 9 2へ付着している外殻原料 (粉末) の影響分 (ノイズ) の測定 値は、 例えば、 演算処理装置 1 1 1の記憶手段に一時記憶させる。
その後、 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1を駆動した状態に維持して、 導管開閉手 段 v 4を開き、 導管開閉手段 V 5を閉じた状態にし、 分岐管 T 5 a内へ、 外殻原 料 (粉末) を、 再び、 通すようにし、 光透過式測定装置 s 4を駆動し、 測定セル 9 2内を通る、 外殻原料 (粉末) の流量等を測定し、 予め、 演算処理装置 1 1 1 の記憶手段に記憶させている、 補正プログラムと、 測定セル 9 2へ付着している 外殻原料 (粉末) の影響分 (ノイズ) の測定値とに基づいて、 光透過式測定装置 s 4の測定値から、 測定セル 9 2へ付着している外殻原料 (粉末) の影響分 (ノ ィズ) を除去した補正値を算出する。 この補正値に基づいて、 流量制御装置 3 4 を調整したり、 脈動空気振動波発生装置 3 1を構成する圧縮空気源 3 1の駆動量 を、 適宜、 調節したりすれば、 外殻原料粉末塗布装置 1内の外殻原料 (粉末) の 濃度等を、 測定セル 9 2へ付着している外殻原料 (粉末) の影響 (ノイズ) を受 けることなく、 所望の濃度に調節できる。
また、 この外部滑沢式打錠機装置 Aでは、 測定セル 9 2へ付着している外殻原 料 (粉末) の影響分 (ノイズ) の測定する際にも、 上杵用吸引口 (図 1 8に示す、 上杵用吸引口 h 6 ) からの吸引を停止する必要がないので、 測定セル 9 2へ付着 している外殻原料 (粉末) の影響分 (ノイズ) の測定している間も、 錠剤の製造 を続けることができる、 という効果がある。
次に、 外部滑沢式打錠機 Aの動作について、 例示的に、 以下に、 説明する。 図 3 8は、 この外部滑沢式打錠機 Aの演算処理装置 1 1 1の記憶部 (図示せ ず。 ) に予め記憶されている、 外部滑沢式打錠機 Aの動作プログラムを概略的に 示すフローチャートである。
また、 図 3 9は、 外部滑沢式打錠機 Aの定量フィーダ装置 6 1の粉体材料貯蔵
ホッパー 6 2に設けられているガス噴射ノズル手段 n、 nの動作、 及び、 材料切 出弁 6 4の動作を概略的に説明する説明図である。
尚、 この外部滑沢式打錠機 Aの外殻原料粉末塗布装置 1による、 回転テーブル 1 2に設けられている複数の曰 1 3 · · ·の各々の内周面 S 1 3 · · ·、 複数の 下杵 1 4の各々の上面 S 1 4 · · ·、 及び、 複数の上杵 1 5 · · ·の各々の下面 S 1 5 · · ·へ外殻原料粉末を塗布する塗布方法 (動作 ·原理) 、 及び、 回転テ 一ブル 1 2に設けられている複数の臼 1 3 · · ·、 複数の下杵 1 4 · · ·、 及び、 複数の上杵 1 5 · · 'により、 成形材料を錠剤化する錠剤の製造方法については、 既に、 説明したので、 ここでは、 脈動空気振動波発生装置 3 1により発生させる、 正圧の脈動空気振動波の発生工程、 定量フィーダ装置 6 1により、 脈動空気振動 波発生装置 3 1により発生させた、 正圧の脈動空気振動波に、 外殻原料 (粉末) を混和し、 分散させる工程、 及び、 定量フィーダ装置 6 1により、 正圧の脈動空 気振動波中に混和し、 分散された外殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波ととも に、 外殻原料粉末塗布装置 1を構成する塗布装置本体 1 aの下杵用外殻原料噴霧 口 h 1に接続されている接続口 j 1まで、 導管 T 4を介して、 気力輸送されるェ 程を中心にして説明する。
この外部滑沢式打錠機 Aでは、 定量フィーダ装置 6 1の粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aは、 材料切出弁 6 6により、 閉じられた状態になって いる (図 3 9 ( a ) を参照) 。
まず、 この外部滑沢式打錠機 Aを用いて錠剤を製造する際には、 既に、 説明し たように、 口一タリ型打錠機 1 1のフィードシユー 2 1に、 錠剤化する、 成形材 料を供給する。
また、 定量フィーダ装置 6 1を構成する粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に、 粉体 材料貯蔵ホッパー 6 2の材料投入口 h 6 2 bから外殻原料 (粉末) を収容する。 次に、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料投入口 h 6 2わに、 蓋体 6 2 aを気密 に取り付ける。
また、 脈動空気振動波変換装置 3 3の回転駆動手段 3 5の回転軸 a xに、 粉体 材料貯蔵ホッパー 6 2内に貯留する外殻原料 (粉末) の物性に応じて、 この外殻 原料 (粉末) が空気に混和し、 分散し易い、 波形の正圧の脈動空気振動波を発生 させることのできる、 凹凸パターンを有する回転カム 3 9を取り付ける。
また、 圧力調整弁 v p 1、 v p 2を調整する。
また、 流量制御装置 3 4を調整する。
また、 圧縮空気源 3 2を動作状態にする。
この状態では、 脈動空気振動波変換装置 3 3の圧力調整弁 4 0は、 開いた状態 にされており、 圧縮空気源 3 2を駆動することにより発生させた圧縮空気は、 導 管 T l、 流量制御装置 3 2、 導管 Τ 2を介して、 脈動空気振動波変換装置 3 3へ 至り、 圧力調整ポート 3 6 cから大気中へと放出され、 導管 Τ 3内へとは送り込 まれないようになつている。
また、 レベルセンサ一 s 2を動作状態にする (図 2 9に示す、 ステップ 1を参 照) 。
また、 筒状管 6 4内に設けられている、 圧力センサ一 s 1を動作状態にする (図 3 8に示す、 ステップ 2を参照) 。
また、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2に設けられている、 圧力センサー s 3を動作 状態にする (図 3 8に示す、 ステップ 3を参照) 。
この外部滑沢式打錠機 Αでは、 レベルセンサー s 2、 圧力センサー s i及び圧 力センサー s 3がいずれも動作状態にされたことが確認されると、 以下の動作が 開始される。
定量フィーダ装置 6 1の筒状管 6 4内の弾性体膜 6 5の上には、 最初は、 外殻 原料 (粉末) が堆積 '貯留されていないので、 レベルセンサー s 2を動作状態に されると、 発光素子 s 2 aから照射された光が、 受光素子 s 2 bによって受光さ れ o
この時、 演算処理装置 1 1 1は、 弾性体膜 6 5上の外殻原料 (粉末) の量 (高
さ) Hが、 しきい値 (Hth)以下である (H<Hth) と判断する (ステップ 4を参照) 。
この場合、 演算処理装置 111は、 圧力調整弁 vp 3を所定の調整量で、 一定 時間、 開いた状態にし、 その後、 再び、 閉じた状態にする。
圧力調整弁 vp 3が、 開いた状態にされると、 圧縮空気源 32から供給されて くるガス噴射ノズル手段 n、 nへ送られ、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々のガ ス噴射口 hn、 hnから、 噴射される。 ガス噴射口 hn、 hnの各々は、 粉体材 料貯蔵ホッパー 62の内周面に対し、 概ね接線方向を向くように、 且つ、 一方向 を向くように設けられているので、 ガス噴射ノズル手段 n、 nの各々のガス噴射 口 hn、 hnから噴射された、 圧縮空気は、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内で、 一 方向に旋回する、 空気流となる (図 39 (b) を参照) 。
このガス噴射ノズル手段 n、 nの各々のガス噴射口 hn、 hnから噴射され、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内で、 一方向に旋回する、 空気流により、 たとえ、 粉 体材料貯蔵ホッパー 62のコーン部 62 cの付近で、 外殻原料 (粉末) が固結し て固結部が生じていたとしても、 外殻原料 (粉末) のそのような固結部が、 砕か れ、 且つ、 コーン部 62 cの付近の外殻原料 (粉末) 中に、 空気が含まれた状態 となるので、 材料切出弁 66が材料排出口 h62 aを開いた状態にされた場合に、 材料排出口 h 62 aから粉体材料貯蔵ホッパー 62内に貯留された外殻原料 (粉 末) が、 ファンネルフロウを生じることなく、 材料排出口 h 62 aからスムーズ に定量的に排出されることになる。
演算処理装置 111は、 ガス噴射ノズル手段 n、 nからの圧縮空気の噴射が終 了したことを確認すると、 筒状管 64内に設けられている圧力センサー s 1の検 出値 (筒状管 64内の圧力 Pr 64) と、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内に設けら れている圧力センサー s 3の検出値 (粉体材料貯蔵ホッパー 62内の圧力 P r 6 2) とを比較する (ステップ 7を参照) 。
ステップ 7において、 演算処理装置 111が、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の
圧力 Pr 62が、 筒状管 64内の圧力 Pr 64に比べて高い (圧力 Pr 62 >圧 力 P r 64) と判断した場合には、 演算処理装置 111は、 開閉バルブ (ガス抜 き弁) v lが、 開いた状態にする。 これにより、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の 圧力が下がる。 尚、 開閉バルブ (ガス抜き弁) vlは、 演算処理装置 111から の指令によって、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の圧力 Pr 62と、 筒状管 64内 の圧力 P r 64との圧力が等しくなるまで開いた状態にされ、 粉体材料貯蔵ホッ パ一62内の圧力 Pr 62と、 筒状管 64内の圧力 Pr 64との圧力が等しくな ると、 閉じた状態にされる (ステップ 8を参照) 。
ステップ 7において、 演算処理装置 111が、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の 圧力 Pr 62が、 筒状管 64内の圧力 Pr 64に比べて低い (圧力 Pr 62く圧 力 Pr64) と判断した場合には、 演算処理装置 111は、 開閉バルブ V 2を、 開いた状態にする。 これにより、 圧縮空気源 32から供給される圧縮空気が、 筒 状管 64内に供給され、 筒状管 64内の圧力 P r 64が高くなる。 尚、 開閉バル ブ v2は、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の圧力 Pr 62と、 筒状管 64内の圧力 Pr 64との圧力が等しくなるまで開いた状態にされ、 粉体材料貯蔵ホヅパ一6 2内の圧力 Pr 62と、 筒状管 64内の圧力 Pr 64との圧力が等しくなると、 閉じた状態にされる (ステップ 9を参照) 。
ステップ 7において、 演算処理装置 111が、 粉体材料貯蔵ホッパー 62内の 圧力 Pr62と、 筒状管 64内の圧力 P r 64とが等しい (圧力 Pr 62=圧力 Pr 64) と判断した場合には、 演算処理装置 111は、 3方向弁 V 3を分岐管 T 9 aを開いた状態にし、 分岐管 T 9 bを閉じた状態にする。 これにより、 材料 切出弁 66の可動部 66 aが下方向に移動し、 粉体材料貯蔵ホッパー 62の材料 排出口 h 62 aが開いた状態にされる (図 39 (c) を参照) 。
上述したように、 粉体材料貯蔵ホッパー 62のコーン部 62 cの付近の外殻原 料 (粉末) に固結部が生じていたとしても、 そのような固結部は、 ガス噴射ノズ ル手段 n、 nの各々のガス噴射口 hn、 hnから噴射された空気によって、 崩さ
れ、 空気を含んだ状態にされているため、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出 口 h 6 2 aが開いた状態にされると、 ファンネルフロウを生じることなく、 定量 的に、 外殻原料 (粉末) が、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aか ら筒状管 6 4内へと排出される。
粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aから筒状管 6 4内へと排出さ れた、 外殻原料 (粉末) は、 弾性体膜 6 5上に堆積して行く。
そして、 弾性体膜 6 5上に堆積した外殻原料 (粉末) の量 (高さ H ) が、 レべ ルセンサー s 2が設けられている位置の高さ H t hを超えると、 発光素子 s 2 a から照射された光が、 外殻原料 (粉末) により遮られ、 受光素子 s 2 bで受光で きなくなる (オフになる。 ) 。
この時、 演算処理装置 1 1 1は、 3方向弁 V 3を分岐管 T 9 aを閉じた状態に し、 分岐管 T 9 bを開いた状態にする。 これにより、 材料切出弁 6 6の可動部 6 6 aが上方向に移動し、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aが閉じ た状態にされる。
これにより、 材料切出弁 6 6の可動部 6 6 aが、 上方向に移動して、 粉体材料 貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aが閉じた状態になるので、 粉体材料貯蔵 ホッパー 6 2内から筒状管 6 4内への外殻原料 (粉末) の排出が、 停止する。 以上により、 筒状管 6 4内の弾性体膜 6 5の上には、 外殻原料 (粉末) が、 弾 性体膜 6 5の上から高さ H t hの位置まで堆積した状態になる。
以上の状態になった後、 脈動空気振動波発生装置 3 1を駆動状態にする。 即ち、 脈動空気振動波発生装置 3 1の脈動空気振動波変換装置 3 3の回転駆動 手段 3 5を所定の回転速度で回転駆動し、 この回転駆動手段 3 5の回転軸 a xに 取り付けられている回転カム (図 3 6に示す回転カム 3 9を参照。 ) を所定の回 転速度で回転させる。
回転カム (図 3 6に示す回転カム 3 9を参照。 ) を所定の回転速度で回転させ ると、 弁体 3 8が、 回転カム 3 9に設けられている凹凸パターンに従って、 上下
運動をし、 弁座 3 7を開閉する。
また、 圧力調整弁 4 0が、 所定の調整量で、 閉じられた状態にされる。
これにより、 脈動空気振動波変換装置 3 3の空気排出ポート 3 6 から、 導管
T 3内に、 所定の周期、 振幅、 波形及び振動数の、 正圧の脈動空気振動波が送出 される。
尚、 正圧の脈動空気振動波の、 周期、 振幅、 波形及び振動数は、 圧縮空気源 3 2の駆動量を適宜調節したり、 流量制御装覃 3 4を適宜調節したり、 脈動空気振 動波変換装置 3 3の回転駆動手段 3 5を所定の回転速度を適宜調整したり、 余剰 外殻原料吸引手段 1 0 1の駆動量を適宜調整したり、 あるいは、 これらの少なく とも 2つを組み合わせて調整したりすることによって、 調整できる。
脈動空気振動波変換装置 3 3の空気排出ポート 3 6 bから、 導管 T 3内に送出 された、 正圧の脈動空気振動波は、 導管 T 3を介して、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1から、 定量フィーダ装置 6 1の分散室 6 3内へと供給される。
次に、 定量フィーダ装置 6 1の動作について説明する。
図 4 0は、 定量フィーダ装置 6 1の弾性体膜 6 5の動作を模式的に示す説明図 である。
導管 T 3内へ供給された、 正圧の脈動空気振動波は、 脈動空気振動波供給口 6 3 e 1から分散室 6 3内に供給され、 分散室 6 3内で、 下方から上方に向かって、 竜巻のような渦卷き流のように旋回する、 正圧の脈動空気振動波となり、 排出口 6 3 e 2から排出される。
この分散室 6 3内において発生した、 旋回する、 正圧の脈動空気振動波は、 脈 動空気振動波としての性質は失われていないため、 弾性体膜 6 5は、 正圧の脈動 空気振動波の周波数、 振幅、 波形に従って振動する。
例えば、 分散室 6 3内に送り込まれる、 正圧の脈動空気振動波が山の状態にな り、 分散室 6 3内の圧力 P r 6 3が、 筒状管 6 4内の圧力 P r 6 4に比べて高く なった場合 (圧力 P r 6 3 >圧力 P r 6 4 ) には、 弾性体膜 6 5は、 図 4 0
( a ) に示すように、 その中央部が上方に湾曲した形状に弾性変形する。
この時、 貫通孔 h 6 5は、 断面視した場合、 貫通孔 h 6 5の上側が開いた、 概 ね V字形状になり、 この V字形状になった貫通孔 h 6 5内に、 筒状管 6 4内の弾 性体膜 6 5上に貯留した外殻原料 (粉末) の一部が落下する。
また、 この定量フィーダ装置 6 1では、 分散室 6 3と筒状管 6 4との間に、 新 たに、 バイパス管 T vを設けているので、 弾性体膜 6 5は、 その初期の張り状態 を中立状態にして、 上下のほぼ均等の振幅で、 上下振動するので、 振動が精度よ く行える。
即ち、 この定量フィーダ装置 6 1では、 筒状管 6 4と分散室 6 3との間の空気 流通路を、 弾性体膜 6 5に設けられた貫通孔 h 6 5と、 バイパス管 T vの 2系統 にしているので、 空気は、 流通し易い方を通じて、 筒状管 6 4と分散室 6 3との 間を流れる。
即ち、 図 4 0 ( a ) に示したように、 弾性体膜 6 5の貫通孔 h 6 5を通じて、 分散室 6 3から筒状管 6 4へ空気が流入する際には、 バイパス管 T v内に、 筒状 管 6 4から分散室 6 3へと流れる気流が発生するため、 バイパス管 T vが無いも のに比べ、 弾性体膜 6 5の貫通孔 h 6 5を通じて、 分散室 6 3から筒状管 6 4へ 空気が流入が、 スムーズに行われる。
次いで、 分散室 6 3内に送り込まれる、 正圧の脈動空気振動波が、 その振幅の 谷に向かうにつれ、 分散室 6 3内の圧力 P r 6 3と、 筒状管 6 4内の圧力 P r 6 4とが等しくなつてくると (圧力 P r 6 3 =圧力 P r 6 4 ) には、 弾性体膜 6 5 は、 その復元力により、 その中央が上方向に湾曲した形状から、 元の状態に戻つ てくる。 この時、 貫通孔 h 6 5の形状も、 上側が開いた、 概ね V字形状から元の 形状に戻るが、 貫通孔 h 6 5が、 上側が開いた、 概ね V字形状になった際に、 貫 通孔 h 6 5内に落下した、 粉体材料が、 貫通孔 h 6 5に挟み込まれた状態になる (図 4 0 ( b ) を参照) 。
この定量フィーダ装置 1では、 筒状管 6 4と分散室 6 3との間の空気流通路を、
弾性体膜 6 5に設けられた貫通孔 h 6 5と、 バイパス管 T vの 2系統にしている ので、 空気は、 流通し易い方を通じて、 筒状管 6 4と分散室 6 3との間を流れる c 即ち、 分散室 6 3と筒状管 6 4との間における空気の流通が、 バイパス管 T v と、 弾性体膜 6 5に設けられた貫通孔 h 6 5との双方の協働によって行われるた め、 分散室 6 3内の圧力 P r 6 3と、 筒状管 6 4の圧力 P r 6 5とが、 バイパス 管 T vが無いものに比べ、 速く平衡状態になる。
このことを、 別の表現で説明すると、 図 4 0 ( b ) に示したように、 弾性体膜 6 5の貫通孔 h 6 5を通じて、 筒状管 6 4から分散室 6 3へ空気が流入する際に は、 貫通孔 h 6 5が閉塞しても、 バイパス管 T vを通じて、 筒状管 6 4から分散 室 6 3へと空気が流れるため、 バイパス管 T vが無いものに比べ、 分散室 6 3の 圧力と筒状管 6 4の圧力とが、 速やかに平衡状態になる。
次いで、 分散室 6 3内に供給されている、 正圧の脈動空気振動波が、 その振幅 の谷になり、 分散室 6 3の圧力が、 低くなると、 弾性体膜 6 5は、 その中央が下 方向に湾曲した形状に、 弾性変形する。 この時、 貫通孔 h 6 5は、'断面視した場 合、 下側が開いた、 概ね逆 V字形状になる。 そして、 貫通孔 h 6 5が、 概ね逆 V 字形状になった際に、 貫通孔 h 6 5内に挟み込まれていた、 粉体材料が、 分散室 6 3内に落下する (図 4 0 ( c ) を参照) 。
分散室 6 3内へ、 貫通孔 h 6 5内に挟み込まれていた、 粉体材料が、 排出され る際に、 この装置 1では、 筒状管 6 4と分散室 6 3との間の空気流通路を、 弾性 体 Ji莫 6 5に設けられた貫通孔 h 6 5と、 バイパス管 T vの 2系統にしているので、 空気は、 流通し易い方を通じて、 筒状管 6 4と分散室 6 3との間を流れる。
即ち、 図 4 0 ( c ) に示したように、 弾性体膜 6 5が、 その中央が下方に湾曲 した形状となり、 筒状管 6 4の体積が大きくなつた際には、 バイパス管 T vを通 じて、 分散室 6 3から筒状管 6 4へ、 空気が流れ込むため、 貫通孔 h 6 5を通じ ての、 分散室 6 3から筒状管 6 4への空気の流れ込みは、 生じない。 これにより、 貫通孔 h 6 5を通じての粉体材料の排出が、 バイパス管 T vが無いものに比べ、
スムーズに行われる。
このように、 この定量フィーダ装置 6 1では、 分散室 6 3内に、 正圧の脈動空 気振動波を供給した際に、 筒状管 6 4内の圧力と分散室 6 3内の圧力との平衡に なるのに要する時間が速くなり、 正圧の脈動空気振動波の振動に対して、 弾性体 膜がの上下の振動の応答性が優れている。 この結果、 貫通孔 h 6 5を通じて行わ れる粉体の排出が、 正圧の脈動空気振動波に応答して、 定量的に、 行われる。 更に、 この定量フィーダ装置 6 1では、 分散室 6 3内へ落下した外殻原料 (粉 末) は、 分散室 6 3内を旋回している、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散し、 流動化して、 排出口 6 3 e 2より、 正圧の脈動空気振動波とともに、 導管 T 4内 へ送り出される。
導管 T 4内へ、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散した状態で送り出された、 外殻原料 (粉末) は、 正圧の脈動空気振動波により気力輸送され、 導管 T 4の他 端 (図 2 6に示す導管 T 4の他端 T 4 b ) から、 外殻原料粉末塗布装置 1内へと 供給される。
次に、 ロータリ型打錠機 1 1を駆動する。
外殻原料粉末塗布装置 1による、 口一タリ型打錠機 1 1の回転テーブル 1 2に 設けられている曰 1 3 · · ·の各々の表面 (内周面) S 1 3 · · への外殻原料 (粉末) の塗布状態、 下杵 1 4 · ■ ·の各々の表面 (上面) S 1 4 · ■ ■への外 殻原料 (粉末) の塗布状態、 及び、 上杵 1 5 · · ·の各々の表面 (上面) S 1 5
• · 'への外殻原料 (粉末) の塗布状態が、 最適になれば、 フィードシユー 2 1 から、 臼 1 3 · · ·の各々内へ、 成形材料を供給し、 臼 1 3 · · ·の各々と、 曰
1 3 · · 'の各々と組になる下杵 1 4 · · '及び上杵 1 5 · · ·を用いて、 成形 材料を圧縮成形して、 錠剤 t · · ·を連続的に製造する。
外殻原料粉末塗布装置 1による、 ロータリ型打錠機 1 1の回転テーブル 1 2に 設けられている臼 1 3 · · ·の各々の表面 (内周面) S 1 3 ' · ·、 下杵 1 4 ·
• ·の各々の表面 (上面) S 1 4 · · ·、 及び、 上杵 1 5 · · ·の各々の表面
(上面) S 1 5 · · 'への外殻原料 (粉末) の塗布を行っている間、 圧力センサ 一 s l、 レベルセンサー s 2及び圧力センサー s 3は動作状態にされ、 レベルセ ンサー s 2の発光素子 s 2 aより照射された光を受光素子 s 2 bが受光すると、 図 3 8及び図 3 9に示した手順により、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aに設けられている材料切出弁 6 6が開き、 材料排出口 h 6 2 aから、 粉 体材料貯蔵ホッパー 6 2内に貯留した外殻原料 (粉末) の筒状管 6 4への排出が 行われ、 レベルセンサー s 2の発光素子 s 2 aより照射された光を受光素子 s 2 bが受光しなくなると、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2の材料排出口 h 6 2 aに設け られている材料切出弁 6 6が閉じた状態となり、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に 貯留した外殻原料 (粉末) の筒状管 6 4への排出が停止するという動作が繰り返 し行われ、 これにより、 外殻原料粉末塗布装置 1による、 口一タリ型打錠機 1 1 の回転テーブル 1 2に設けられている臼 1 3 · · 'の各々の表面 (内周面) S 1
3 · · ·、 下杵 1 4 · · ·の各々の表面 (上面) S 1 4 · · ·、 及び、 上杵 1 5 • · ·の各々の表面 (上面) S 1 5 · · 'への外殻原料 (粉末) の塗布を行って いる間、 筒状管 6 4内の弾性体膜 6 5上の外殻原料 (粉末) の量 (高さ H ) が、 常に、 一定量 (一定の高さ H t h ) に維持されるようになっている。
尚、 外殻原料粉末塗布装置 1による、 口一タリ型打錠機 1 1の回転テーブル 1 2に設けられている臼 1 3 · · ·の各々の表面 (内周面) S 1 3 · · ·、 下杵 1
4 · · ·の各々の表面 (上面) S 1 4 · · .、 及び、 上杵 1 5 · · ·の各々の表 面 (上面) S 1 5 · · 'への外殻原料 (粉末) の塗布方法、 及び、 ロータリ打錠 機 1 1の動作については、 既に、 詳しく説明したので、 ここでの説明は、 省略す る。
この定量フィーダ装置 6 1では、 弾性体膜 6 5の、 その中央部を振動の腹とし て、 外周部を振動の節とする、 上下方向の振動は、 分散室 6 3内へ供給される、 正圧の脈動空気振動波の周波数、 振幅、 波形に従って、 一義的に振動する。 従つ て、 分散室 6 3内へ供給される、 正圧の脈動空気振動波を一定にしている限り、
常に、 一定量の外殻原料 (粉末) が、 弾性体膜 6 5の貫通孔 h 6 5を通じて、 分 散室 6 3内へ精度良く排出されるので、 この定量フィーダ装置 6 1は、 例えば、 一定量の粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) を、 目的とする場所 (この例で は、 外殻原料粉末塗布装置 1 ) に供給する装置として優れている。
また、 この定量フィーダ装置 6 1には、 分散室 6 3内へ供給する正圧の脈動空 気振動波の周波数、 振幅、 波形を制御すれば、 目的とする場所 (この例では、 外 殻原料粉末塗布装置 1 ) に供給する粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) の量 を容易に変更することができるという利点をも合わせ持っている。
更に、 この定量フィーダ霧装置 6 1では、 分散室 6 3内において、 正圧の脈動 空気振動波を、 下方から上方に向かう旋回流にしているので、 分散室 6 3内に排 出された粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) 中に、 たとえ、 凝集した粒径の 大きい粒子が含まれていたとしても、 その多くは、 分散室 6 3内を旋回している、 正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、 小さな粒径になるまで分散さ れる。
のみならず、 この定量フィーダ装置 6 1では、 分散室 6 3内において、 正圧の 脈動空気振動波を、 下方から上方に向かう旋回流にしているため、 分散室 6 3は、 サイクロンと同様の、 分粒機能を有している。 これにより、 概ね所定の粒径の粉 体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) が、 排出口 6 3 e 2から導管 T 2内へと排 出される。 一方、 凝集した粒径の大きい粒子は、 分散室 6 3内の下方の位置を旋 回し続け、 分散室 6 3内を旋回している、 正圧の脈動空気振動波に巻き込まれる ことにより、 所定の粒径まで分散されてから、 排出口 6 3 e 2から、 導管 T 2内 へと排出される。
従って、 この定量フィーダ装置 6 1を用いれば、 目的とする場所 (この例では、 外殻原料粉末塗布装置 1 ) に、 粒径の揃った粉体 (この例では、 外殻原料 (粉 末) ) の一定量を供給できるという利点もある。
また、 導管 T 4内へ供給された粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) は、 導
管 T 4の他端 T 4 bまで、 正圧の脈動空気振動波により気力輸送されることにな 。
これにより、 この定量フィーダ装置 6 1では、 導管 T 4内へ供給された粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) を、 導管 T 4の他端 T 4 bまで、 一定流量の 定常圧空気により気力輸送するような装置に見られるような、 導管 T 4内におけ る、 粉体の堆積現象や、 導管 T 4内における、 粉体の吹き抜け現象が発生し難い c したがって、 この定量フィーダ装置 6 1では、 分散室 6 3の排出口 6 3 e 2か ら導管 T 4内へ排出された当初の粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) の濃度 が維持された状態で、 粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) が、 導管 T 4の他 端 T 4 bから排出されるので、 導管 T 4の他端 T 4 bから噴霧される粉体 (この 例では、 外殻原料 (粉末) ) の定量性を精密にコントロールすることができる。 更に、 この定量フィーダ装置 6 1では、 粉体材料噴霧装置 1を動かしている間、 弾性体膜 6 5上に、 常に、 概ね、 一定量 (レベルセンサ一 s 2を設ける位置 (弹 性体膜 6 5からレベルセンサー s 2の設けられる位置の高さ H t h) の粉体 (こ の例では、 外殻原料 (粉末) ) が存在するようにしているので、 弾性体膜 6 5の 貫通孔 h 6 5から排出される粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) の排出量が、 弾性体膜 6 5上に存在する、 粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) の量が変動 することで、 変動するという現象が生じない。 これによつても、 この定量フィ一 ダ装置 6 1は、 例えば、 一定量の粉体 (ςの例では、 外殻原料 (粉末) ) を、 目 的とする場所 (この例では、 外殻原料粉末塗布装置 1 ) に供給する装置として優 れている。
また、 この定量フィーダ装置 6 1を用いれば、 分散室 6 3内に、 たとえ、 大粒 の粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) が排出されたとしても、 その大部分が、 分散室 6 3内を旋回している、 正圧の脈動空気振動波に巻き込まれることにより、 所定の粒径まで砕かれて、 排出口 6 3 e 2から、 導管 T 4内へと排出されるため、 分散室 6 3内に、 大粒の粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) が堆積し難い。
これにより、 この定量フィーダ装置 6 1では、 この定量フィーダ装置 6 1を、 長時間、 駆動しても、 分散室 6 3内に、 粉体 (この例では、 外殻原料 (粉末) ) が堆積することが無いため、 分散室 6 3内を清掃する作業回数を減らすことがで きる。
したがって、 この定量フィーダ装置 6 1を備える外部滑沢式打錠機 Aには、 外 部滑沢式打錠機 Aを用いて、 連続打錠を行っている最中に、 分散室 6 3内を清掃 する作業が、 殆ど不要となる。 このため、 外部滑沢式打錠機 Aを用いれば、 外部 滑沢錠剤 (錠剤の内部に、 外殻原料粉末を含まない錠剤) を、 効率良く、 製造す ることができるという効果もある。
のみならず、 この粉体材料噴霧装置 1では、 弾性体膜 6 5を、 図 3 1、 図 3 2 及び図 3 3に示した弾性体膜取付具 7 1を用いることにより、 張った状態にして いるので、 弾性体膜 6 5の弛みが原因となって、 この定量フィーダ装置 6 1の定 量性が損なわれることもない。
これにより、 この外部滑沢式打錠機 Aの演算処理措置 1 1 1の記憶部に、 錠剤 の製造条件を記憶させれば、 演算処理措置 1 1の記憶部に記憶させた錠剤の製造 条件に従って、 所望の外部滑沢錠を長時間に亘つて、 安定して生産することがで さる。
尚、 この外部滑沢式打錠機 Aでは、 錠剤 tを製造している間、 適宜、 光透過式 濃度測定装置 9 1により、 測定セル 9 2内を通過する外殻原料 (粉末) をモニタ 一することで、 外殻原料粉末塗布装置 1内の外殻原料 (粉末) の濃度等が調節で きるようにされているが、 この外部滑沢式打錠機 Aでは、 上述したように、 測定 セル 9 2へ付着している外殻原料 (粉末) の影響分 (ノイズ) を測定する際に、 脈動空気振動波発生装置 3 1定量フィーダ装置 6 1、 ロータリ型打錠機 1 1及び 余剰外殻原料吸引手段 1 0 1を停止する必要が無いため、 錠剤を、 生産効率良く、 製造することができるという効果もある。
尚、 脈動空気振動波発生装置 3 1を構成する脈動空気振動波変換装置 3 3とし
て、 回転カム 3 9を回転させることにより、 弁体 3 8を、 回転カム 3 9に設けら れた凹凸パターンに従って、 上下に移動させ、 弁体 3 8により、 弁座 3 7を開閉 することで、 所望の正圧の脈動空気振動波を導管 T 3内に供給するようにしたも のについて説明したが、 これは、 所望の正圧の脈動空気振動波を、 正確に、 導管 T 3内に供給できるようにした、 好ましい例を示したに過ぎず、 脈動空気振動波 変換装置としては、 例えば、 図 4 1に例示するような口一タリ型の脈動空気振動 波変換装置 3 1 Aや、 図 4 2に例示するような口一タリ型の脈動空気振動波変換 装置 3 1 Bを用いてもよい。
図 4 1に示す脈動空気振動波発生装置 3 1 Aは、 図 3 6に示す脈動空気振動波 発生装置 3 1とは、 脈動空気振動波変換装置の構成が異なっている以外は、 同様 の構成であるので、 相当する部材装置については、 相当する参照符号を付して、 その説明を省略する。
脈動空気振動波発生装置 3 1 Aの脈動空気振動波変換装置 3 3 Aは、 円筒形の 筒状体 1 2 2と、 筒状体 1 2 2内の中空室 1 2 3を概ね 2分割するように、 筒状 体 1 2 2の中心軸を回転軸 1 2 2 aとして、 回転軸 1 2 2 aに取り付けられた口 —夕リ弁 1 2 4とを備える。 回転軸 1 2 2 aは、 電動モー夕等の回転駆動手段 (図示せず。 ) により、 所定の回転速度で回転するようになっている。
筒状体 1 2 2の外周壁には、 導管 T 2と、 導管 T 3とが、 所定の隔たりを設け て、 接続されている。
脈動空気振動波発生装置 3 1 Aを用いて、 導管 T 3内に、 所望の正圧の脈動空 気振動波を供給する際には、 圧縮空気源 3 2を駆動して、 導管 T 1内に、 所定の 圧縮空気を供給する。 流量制御装置 3 4が設けられている場合にあっては、 流量 制御装置 3 4を適宜調節することで、 導管 T 2内へ供給する圧縮空気の流量を調 節する。
また、 電動モー夕等の回転駆動手段 (図示せず。 ) により、 回転軸 1 2 2 aを 所定の回転速度で回転させることで、 回転軸 1 2 2 aに取り付けられたロータリ
弁 1 2 4を所定の回転速度で回転させる。
すると、 例えば、 口一タリ弁 1 2 4が実線で示すような位置にあるときは、 導 管 T 2と、 導管 T 3との間が導通状態になっているので、 圧縮空気源 3 2より発 生させた圧縮空気は、 導管 T 2から導管 T 3へと供給される。
また、 例えば、 口一タリ弁 1 2 4が想像線で示すような位置にあるときは、 導 管 T 2と、 導管 T 3との間が、 ロータリ弁 1 2 4により、 遮断された状態になる c この時、 筒状体 1 2 2内の、 口一タリ弁 1 2 4により仕切られた一方の空間 S p iには、 導管 T 2から圧縮空気が供給され、 この空間 S p 1では空気の圧縮が 行われる。
一方、 筒状体 1 2 2内の、 ロータリ弁 1 2 4により仕切られた一方の空間 S p 2では、 空間 S p 2内に蓄えられていた圧縮空気が、 導管 T 3内へと供給される c このような動作が、 口一タリ弁 9 3の回転により繰り返し行われることにより、 導管 T 3内へ、 正圧の脈動空気振動波が送られる。
次に、 図 4 2に示す脈動空気振動波発生装置 3 1 Bについて、 概略的に説明す る。
図 4 2は、 脈動空気振動波発生装置 3 1 Bを、 概略的に示す分解斜視図である c 尚、 図 4 2に示す脈動空気捩動波発生装置 3 1 Bは、 図 3 6に示す脈動空気振 動波発生装置 3 1とは、 脈動空気振動波変換装置 3 3 Bの構成が異なっている以 外は、 同様の構成であるので、 相当する部材装置については、 相当する参照符号 を付して、 その説明を省略する。
脈動空気振動波発生装置 3 1 Bの脈動空気振動波変換装置 3 3 Bは、 円筒形の 筒状体 1 3 2と、 筒状体 1 3 2内に、 回転可能に設けられた回転弁体 1 3 3とを 備える。
筒状体 1 3 2は、 一方端 1 3 2 e 1が開口し、 他方端 1 3 2 e 2が、 蓋体 1 3 2 cにより閉じられた構造になっており、 その側周面には、 吸気口 1 3 2 aと、 送波口 1 3 2 bとを備える。
吸気口 1 3 2 aには、 圧縮空気源 (図 2 6に示す圧縮空気源 3 2を参照) に接 続される導管 T 2が接続され、 送波口 1 3 2 bには、 定量フィーダ装置 6 1に接 続される導管 T 3が接続される。
尚、 図 4 2中、 1 3 2 dで示す部分は、 回転弁体 1 3 3を枢着する回転軸受け 孔を示している。
回転弁体 1 3 3は、 中空 h 1 3 3 aを有する円筒形状をしており、 その側周面 S 1 3 3には、 開口部 h 1 3 3 b , h 1 3 3 bが設けられている。 また、 回転弁 体 1 3 3は、 一方端 1 3 3 e 1が、 開口しており、 他方端 1 3 3 e 2が、 蓋体 1 3 3 cにより閉じられた構造になっている。
また、 回転弁体 1 3 3は、 その回転中心軸に、 回転軸 1 3 4が延設されている c 回転軸 1 3 4には、 電動モー夕等の回転駆動手段 (図示せず。 ) が接続されてお り、 回転駆動手段 (図示せず。 ) を駆動すると、 回転弁体 1 3 3が、 回転軸 1 3 4を中心にして回転するようになっている。
回転弁体 1 3 3の側周面 S 1 3 3の外径は、 筒状体 1 3 2の内径に概ね一致し ており、 回転弁体 1 3 3を、 筒状体 1 3 2内に収容し、 回転弁体 1 3 3を回転さ せると、 回転弁体 1 3 3の側周面 S 1 3 3が、 筒状体 1 3 2の内周面に沿って摺 動するようになっている。
尚、 図 4 2中、 1 3 3 dで示す部分は、 筒状体 1 3 2の蓋体 1 3 2 cに設けら れている回転軸受け孔 1 3 2 dに回転可能に収容される回転軸を示している。 回転弁体 1 3 3は、 筒状体 1 3 2内に、 回転軸 1 3 3 dを回転軸受け孔 1 3 2 dに取り付けた状態で、 回転可能に設けられている。
脈動空気振動波発生装置 3 1 Bを用いて、 導管 T 3内に、 所望の正圧の脈動空 気振動波を供給する際には、 圧縮空気源 3 2を駆動して、 導管 T 1及び導管 T 2 内へ圧縮空気を供給する。
また、 電動モー夕等の回転駆動手段 (図示せず。 ) により、 回転軸 1 3 4を所 定の回転速度で回転させることで、 回転弁体 1 3 3を所定の回転速度で回転させ
る。
すると、 例えば、 回転弁体 1 3 3の開口部 h 1 3 3 aが、 送波口 1 3 2 bの位 置にある時には、 導管 T 2と導管 T 3との間が導通状態になり、 この時、 導管 T 3に圧縮空気が送り出される。
また、 例えば、 回転弁体 1 3 3の側周面 S 1 3 3が、 送波口 1 3 2 bの位置に ある時は、 導管 T 2と導管 T 3との間が、 側周面 S 1 3 3により遮断されるので、 この時、 導管 T 3内に圧縮空気が送り出されない。
このような動作が、 回転弁体 1 3 3の回転により繰り返し行われることにより、 導管 T 3内へ、 正圧の脈動空気振動波が送られる。
尚、 正圧の脈動空気振動波の減衰する性質を考慮した場合には、 脈動空気振動 波発生装置から、 オンオフがはっきりした切れの良い、 正圧の脈動空気振動波を 発生する方が好ましい。 このようなオンオフがはっきりした切れの良い、 正圧の 脈動空気振動波を発生するには、 どちらかというと、 図 4 1に例示するような口 一夕リ型の脈動空気振動波変換装置 3 3 Aや、 図 4 2に例示するようなロータリ 型の脈動空気振動波変換装置 3 3 Bよりも、 図 3 6に示すような回転カム型の脈 動空気振動波変換装置 3 1を用いる方が好ましい。
また、 上述した発明の実施の形態では、 粉体材料貯蔵ホッパー 6 2内に、 外殻 原料 (粉末) を貯留した場合を例にして説明したが、 定量フィーダ装置 6 1は、 外殻原料噴霧用の外殻原料粉末塗布装置に限られることはなく、 種々の粉体の定 量フィーダ装置として用いることができる。
例えば、 定量フィーダ装置 6 1を、 射出成形機の金型近傍位置に付設し、 粉体 材料貯蔵ホッパー 6 2内に、 離形剤 (粉末) を貯留し、 射出成形機の、 ノズル夕 ツチ工程、 型締めされた金型内へ溶融樹脂を射出する射出工程、 金型内へ射出さ れた溶融樹脂を冷却する冷却工程、 及び、 金型を開いて、 金型内で成形された樹 脂成型品を取り出す、 取り出し工程の射出成形サイクルにおいて、 金型の錡型面 へ樹脂成型品が付着するのを防止するために、 取り出し工程において、 金型が開
かれ、 金型内で、 成形された樹脂成型品を取り出しが行われた直後に、 可動型及 び固定型の間の型締めエリア内に、 ロボット手段等により定量フィーダ装置 61 の噴霧口 T 4 bを接近させて、 可動型の鎵型面及び固定型の錶型面の各々に、 離 形剤 (粉末) を噴霧し、 その後、 可動型と固定型との間の型締めエリア内から、 噴霧口 T 4 bを型締めェリァ外へ退避させるようにした、 射出成形金型用の離形 剤噴霧用定量フィーダ装置として、 好適に用いることができる。
また、 定量フィーダ装置 31の粉体材料貯蔵ホッパー 62内に、 食品、 樹脂、 化学物質等の各種粉体を収容すれば、 定量フィーダ装置 31を、 そのような粉体 の定量フィーダ装置として使用することができる。
次に、 具体的な実験データに基づいて、 本発明を説明する。
(実験例 1 )
実験例 1として、 図 26に示す外部滑沢式打錠機 Aを用い、 圧縮成形物 (錠 剤) の表面に、 ショ糖脂肪酸エステルからなる外殻 t bを形成した圧縮成形物 (錠剤) を作製した。
尚、 外部滑沢式打錠機 Aを構成するロータリ型打錠機 81としては、 HT— X — 20SS— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) を使用した。
また、 杵型としては、 直径が、 11mmで、 2段 R面を有するものを使用した。 また、 この圧縮成形物 (錠剤) を製造する際には、 定量フィーダ装置 51の粉 体材料貯蔵ホッパー 52内に、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名: 「DKエス テル F20W」 、 第一工業製薬株式会社製) を貯留し、 ロータリ型打錠機 81の 回転速度を、 15 rpmとし、 正圧の脈動空気振動波を用い、 外殻原料粉末噴霧 装置 1へ、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名: 「DKエステル F20W」 、 第 一工業製薬株式会社製) の平均噴霧量が、 T Z S SmgZ分 (min. ) となる ようにして、 生菌製剤 (乾燥凍結粉砕物, 商品名: FDビフィズス ATK, 協和 発酵工業株式会社製) 10重量部に、 ショ糖脂肪酸エステルが、 0. 4重量部、 賦形剤として、 マルト一ス顆粒 (商品名: 「サンマルトシ口」 、 株式会社林原商
事社製) と、 乳糖 (商品名 : 「夕ブレト一ス」 、 メグレ ·ジャパン株式会社製) とを、 重量比で、 4 : 6に混合したものを用い、 全体を 10◦重量部となるよう にして、 ショ糖脂肪酸エステルの外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) を打錠し た。
尚、 一錠の重量は、 4'50mgであった。
打錠条件としては、 予圧杵先間隔を 5. 92 mmに固定し、 本圧杵先間隔を 2. 00mmとした。
次に、 以上により製造した、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) の摩損度試 験を行った。
より詳しくは、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を試料とし、 摩 損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATEST社製) を使用した。
試験は、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を摩損度試験機 PTF — 10 E型 (PHARNMATE S T社製) のドラム内に収容した後、 このドラ ムを摩損度試験機 PTF— 10 E型 (PHARNMATE S T社製) の本体に装 着し、 ドラムを毎分 25回転で、 4分間回転した後の、 圧縮成形物 (錠剤) の摩 損状態を目視試験によって調べた。
結果を表 1に示す。
(比較例)
比較例として、 ロータリ型打錠機として、 外部滑沢式打錠機 Aを構成する口一 タリ型打錠機 (HT— X— 2 OSS— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) ) を 使用し、 ロータリ型打錠機 11の回転速度を、 15 rpmとし、 生菌製剤 (乾燥 凍結粉砕物, 商品名: FDビフィズス ATK, 協和発酵工業株式会社製) 10重 量部に、 ショ糖脂肪酸エステルを 5重量部、 賦形剤として、 マルトース顆粒 (商 品名: 「サンマルトシ口」 、 株式会社林原商事社製) と、 乳糖 (商品名: 「タブ レトース」 、 メグレ ·ジャパン株式会社製) とを、 重量比で、 4 : 6に混合した ものを用い、 全体を 100重量部となるようにし、 ショ糖脂肪酸エステルを予め
配合した成形材料を、 通常の内部滑沢法で打錠し、 外観形状が、 視認によっては、 実験例の錠剤と差異が無い、 圧縮成形物 (錠剤) を製造した。
尚、 一錠の重量は、 450mgであった。
打錠条件としては、 予圧杵先間隔を 5. 92 mmに固定し、 本圧杵先間隔を 2. 00mmとした。
次に、 以上により製造した、 圧縮成形物 (錠剤) の摩損度試験を行った。
より詳しくは、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を試料どし、 摩 損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATE ST社製) を使用した。
試験は、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を摩損度試験機 PTF — 10 E型 (PHARNMATE S T社製) のドラム内に収容した後、 このドラ ムを摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATEST社製) の本体に装 着し、 ドラムを毎分 25回転で、 4分間回転した後の、 圧縮成形物 (錠剤) の摩 損状態を目視試験によって調べた。
結果を、 表 1に示す。
【表 1】
表 1の結果から、 本発明に係る、 外殻 t bを有する圧縮成形物 (錠剤) では、 摩損試験後、 錠剤の表面に欠けが認められなかったのに対し、 比較例では、 14 錠中、 11例に、 錠剤の表面に欠けが認められた。
また、 実験例の圧縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とを、 無作為抽出した、 ボランティアに、 ダブルブラインド試験 (DBT) で、 実際に口腔内で咀嚼して 服用してもらった所、 実験例の圧縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とは、 味 が、 実験例の圧縮成形物 (錠剤) の方が、 比較例 (錠剤) に比べ、 苦みが著しく
少ないことが明らかになった。
(実験例 2)
実験例として、 図 26に示す外部滑沢式打錠機 Aを用い、 生菌類含有圧縮成形 物 (錠剤) の表面に、 ショ糖脂肪酸エステルからなる外殻 t bを形成した生菌類 含有圧縮成形物 (錠剤) を作製した。
より詳しく説明すると、 生菌類として、 FDビフィズス ATK (協和醌酵工業 株式会社製のビフィズス菌を含有する生菌製剤) を使用した。
まず、 FDビフィズス ATK (協和醱酵工業株式会社製) 10重量部と、 賦形 剤として、 マルトース (商品名: 「サンマルトシ口」 (株式会社林原商事製) と 乳糖 (商品名: 「タブレツ ト一ス」 、 メグレ ·ジャパン株式会社製) とを重量比 で、 4: 6に混合したものを用い、 成形材料を準備した。
次に、 外部滑沢式打錠機 Aを用い、 錠剤表面に、 外殻を有する、 生菌類含有圧 縮成形物 (錠剤) を製造した。
外殻を形成する材料としては、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名: 「DKヱ ステル F20W」 、 第一工業製薬株式会社製) を用いた。
以上により製造した、 外殻 t bを有する生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) は、 F Dビフィズス AT K (協和醌酵工業株式会社製) が 10重量部で、 外殻が 0. 4 重量部で、 残部が、 賦形剤 (マルトース (商品名: 「サンマルトシ口」 (株式会 社林原商事製) と乳糖 (商品名: 「タブレツトース」 、 メグレ 'ジャパン株式会 社製) とを重量比で、 4 : 6に混合したもの) で構成され、 全体が、 100重量 部となるように調整した。 尚、 1錠当たりの重量は、 450mgであった。
また、 外部滑沢式打錠機 Aを構成する口一タリ型打錠機 11としては、 HT— X— 20SS— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) を使用した。
また、 杵型としては、 直径が、 11mmで、 2段 R面を有するものを使用した c また、 この生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) を製造する際には、 定量フィーダ装 置 61の粉体材料貯蔵ホッパー 62内に、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名:
「DKエステル F 20W」 、 第一工業製薬株式会社製) を貯留し、 ロータリ型打 錠機 11の回転速度を、 15 rpmとし、 正圧の脈動空気振動波を用い、 外殻原 料粉末噴霧装置 1へ、 ショ糖脂肪酸エステル粉末の平均噴霧量が、 7236mg /分 (min. ) となるようにした。
打錠条件としては、 予圧杵先間隔を 5. 92mmに固定し、 本圧杵先間隔を 2. 00mmとした。
(比較例)
比較例として、 FDビフィズス ATK (協和醜酵工業株式会社製) 10重量部 と、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名: 「DKエステル F20W」 、 第一工業 製薬株式会社製) 5重量部と、 賦形剤として、 マルト一ス (商品名: 「サンマル トシ口」 (株式会社林原商事製) と乳糖 (商品名: 「夕ブレット一ス」 、 メグレ •ジャパン株式会社製) とを重量比で、 4 : 6に混合した成形材料を準備した。 次に、 上記において準備した、 FDビフィズス ATK (協和醌酵工業株式会社 製) と、 ショ糖脂肪酸エステル粉末と、 マルトース (商品名 : 「サンマルトシ 口」 (株式会社林原商事製) と、 乳糖 (商品名: 「タブレツトース」 、 メグレ - ジャパン株式会社製) とを混合した成形材料を圧縮成形して生菌類含有圧縮成形 物 (錠剤) を製造した。 '
口一夕リ型打錠機 11としては、 HT— X— 20 SS— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) を使用した。
また、 杵型としては、 直径が、 11mmで、 2段 R面を有するものを使用した c 尚、 1錠当たりの重量は、 450mgであった。
(生菌類の生存菌数試験)
次に、 以上により製造した、 実験例の錠剤 (外殻 t bを有する生菌類含有圧縮 成形物 (錠剤) ) と、 比較例の錠剤とについて、 日健協のビフィズス菌測定法に 準じて、 各々の錠剤中に含まれる、 生菌数を測定した。
結果を表 2に示す。
【表 2】
(仕込み菌数 1. 6 X 109/g) 表 2の結果から明らかなように、 実験例の錠剤の方が、 比較例の錠剤に比べ、 生菌類の生存率が、 有意に高いことが明らかになった。
(摩損試験)
次に、 以上により製造した、 実験例の錠剤 (外殻 t bを有する生菌類含有圧縮 成形物 (錠剤) ) と、 比較例の錠剤の摩損度試験を行った。
より詳しくは、 外殻 tbを有する生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を試 料とした。
また、 比較例の錠剤の 14錠を試料とした。
摩損試験では、 摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATEST社 製) を使用した。
試験は、 外殻 t bを有する生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を摩損度試 験機 PTF— 10E型 (PHARNMATE S T社製) のドラム内に収容した後、 このドラムを摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATEST社製) の 本体に装着し、 ドラムを毎分 25回転で、 4分間回転した後の、 生菌類含有圧縮 成形物 (錠剤) の摩損状態を目視試験によって調べた。
同様に、 比較例の錠剤の 14錠を摩損度試験機 PTF—10E型 (PHARN MAT EST社製) のドラム内に収容した後、 このドラムを摩損度試験機 PTF — 10E型 (PHARNMATEST社製) の本体に装着し、 ドラムを毎分 25 回転で、 4分間回転した後の、 生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) の摩損状態を目視
試験によって調べた。
結果を表 3に示す。
【表 3】
表 3の結果から、 本発明に係る、 外殻 t bを有する生菌類含有圧縮成形物 (錠 剤) では、 摩損試験後、 錠剤の表面に欠けが認められなかったのに対し、 比較例 では、 1 4錠中、 1 1例に、 錠剤の表面に欠けが認められた。
また、 実験例の生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とを、 無作 為抽出した、 ボランティアに、 ダブルブラインド試験 (D B T ) で、 実際に口腔 内で咀嚼して服用してもらった所、 実験例の生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とは、 味が、 実験例の生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) の方が、 比 較例 (錠剤) に比べ、 苦みが著しく少ないことが明らかになった。
(実験例 3 )
実験例 3として、 図 2 6に示す外部滑沢式打錠機 Aを用い、 マイクロカプセル 含有圧縮成形物 (錠剤) の表面に、 ショ糖脂肪酸エステルからなる外殻 t bを形 成したマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) を作製した。
より詳しく説明すると、 マイクロカプセルとして、 バイオカロチン 0 8ビーズ (協和醜酵工業株式会社製の/?—カロチン含有マイクロカプセル) ) を使用した。 まず、 バイオカロチン 0 8ビーズ (協和醜酵工業株式会社製) 5重量部と、 賦 形剤として、 マルトース (商品名: 「サンマルトシ口」 (株式会社林原商事製) とを混合した成形材料を準備した。
次に、 外部滑沢式打錠機 Aを用い、 錠剤表面に、 外殻を有する、 マイクロカブ
セル含有圧縮成形物 (錠剤) を製造した。
外殻を形成する材料としては、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名 : 「DKェ ステル F 20W」 、 第一工業製薬株式会社製) を用いた。
以上により製造した、 外殻 t bを有するマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠 剤) は、 バイオカロチン 08ビーズ (協和醜酵工業株式会社製) が 5重量部で、 外殻が 0. 4重量部で、 残部が、 賦形剤で構成され、 全体が、 100重量部とな るように調整した。 尚、 1錠当たりの重量は、 450mgであった。
また、 外部滑沢式打錠機 Aを構成するロータリ型打錠機 11としては、 HT— X— 2 OS S— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) を使用した。
また、 杵型としては、 直径が、 11mmで、 2段 R面を有するものを使用した c また、 このマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) を製造する際には、 定量 フィーダ装置 61の粉体材料貯蔵ホッパー 62内に、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名 : 「DKエステル F20W」 、 第一工業製薬株式会社製) を貯留し、 口 一夕リ型打錠機 11の回転速度を、 15rpmとし、 圧の脈動空気振動波を用い、 外殻原料粉末噴霧装置 1へ、 ショ糖脂肪酸エステル粉末の平均噴霧量が、 723 6mg/分 (min. ) となるようにした。
打錠条件としては、 予圧杵先間隔を 5. 92mmに固定し、 本圧杵先間隔を 2. 00mmとした。
(比較例)
比較例として、 バイオカロチン 08ビーズ (協和醱酵工業株式会社製) 5重量 部と、 ショ糖脂肪酸エステル粉末 (商品名: 「DKエステル F20W」、 第一ェ 業製薬株式会社製) 5重量部と、 賦形剤として、 マルトース (商品名: 「サンマ ルトシ口」 (株式会社林原商事製) とを混合した成形材料を準備した。
次に、 上記において準備した、 バイオカロチン 08ビーズと、 ショ糖脂肪酸ェ ステル粉末と、 マルト一ス (商品名: 「サンマルトシ口」 (株式会社林原商事 製) とを混合した成形材料を圧縮成形して圧縮成形物 (錠剤) を製造した。
ロータリ型打錠機 11としては、 HT— X— 20 S S— UW型, 杵 20本立て (畑製作所製) を使用した。 また、 杵型としては、 直径が、 11mmで、 2段 R 面を有するものを使用した。 尚、 1錠当たりの重量は、 450mgであった。 (マイクロカプセルの損傷度試験)
次に、 以上により製造した、 実験例の錠剤 (外殻 t bを有するマイクロカプセ ル含有圧縮成形物 (錠剤) ) の所定数量を乳鉢ですりつぶし、 すりつぶした粉を、 4. 5g採り、 シクロへキサンに溶解し、 全体容量を、 5 Omlにした。
次に、 以上のようにして調整した溶液を、 室温、 暗所で、 30分間放置した後、 濾過し、 濾液中の、 OD 445 nmを測定した。
また、 比較例の錠剤 (バイオカロチン 08ビーズと、 ショ糖脂肪酸エステル粉 末と、 マルト一ス (商品名: 「サンマルトシ口」 (株式会社林原商事製) とを混 合した成形材料を圧縮成形して圧縮成形物 (錠剤) ) の所定数量を乳鉢ですりつ ぶし、 すりつぶした粉を、 4..5g採り、 シクロへキサンに溶解し、 全体容量を、 50 mlにした。
次に、 以上のようにして調整した溶液を、 室温、 暗所で、 30分間放置した後、 濾過し、 濾液中の、 OD 445 nmを測定した。
尚、 OD 445 nm値の上昇は、 壊れたマイクロカプセルから溶出した/?一力 ロチンの量と、 正の相関関係を有する。 結果を表 4に示す。
【表 4】 本圧杵先(mm 錠剤硬度(k e 打錠圧 (k g) OD Ί 45
2. 65. 7. 0 240〜2β0 0. 015
1. 96
実験例 1 . 3 柳〜 520 0. 067
1. 61 20. 0 730〜770 0. 076
1. 37 26. B Β90~1060 0. 064
2. 65 6. 4 21(!〜 230 0. 025
1. 96 13. 2
比較例 470~510 0. 066
1. 61 19. S 720〜770 0. 100
1. 37 25. 4 1040~1100 0. 140
表 4の結果から明らかなように、 マイクロカプセルからの/?—カロチンの溶出 量 (OD値) は、 実験例の錠剤の方が、 比較例の錠剤に比べて、 有意に少なかつ た。
また、 実験例の錠剤の方が、 打錠圧が高い場合であっても、 マイクロカプセル からの/?—カロチンの溶出量 (OD値) の上昇が抑えられた。
今回、 使用した、 バイオカロチン 08ビーズは、 このマイクロカプセル自体が、 打錠耐性を有しているので、 実験例と比較例との差は、 表 1のようになつたが、 打錠耐性を有していないマイクロカプセルを用いれば、 実験例と比較例との差は、 尚、 一層、 顕著になるものと思われる。
(摩損試験)
次に、 以上により製造した、 実験例の錠剤 (外殻 t bを有するマイクロカプセ ル含有圧縮成形物 (錠剤) ) と、 比較例の錠剤の摩損度試験を行った。
より詳しくは、 外殻 t bを有するマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) の 14錠を試料とした。
また、 比較例の錠剤の 14錠を試料とした。
摩損試験では、 摩損度試験機 PTF— 10 E型 (PHARNMATE S T社 製) を使用した。
試験は、 外殻 t bを有するマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) の 14錠 を摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATEST社製) のドラム内に 収容した後、 このドラムを摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARNMATE ST社製) の本体に装着し、 ドラムを毎分 25回転で、 4分間回転した後の、 マ イク口カプセル含有圧縮成形物 (錠剤) の摩損状態を目視試験によって調べた。 同様に、 比較例の錠剤の 14錠を摩損度試験機 PTF— 10E型 (PHARN MATEST社製) のドラム内に収容した後、 このドラムを摩損度試験機 PTF — 10E型 (PHARNMATEST社製) の本体に装着し、 ドラムを毎分 25 回転で、 4分間回転した後の、 マイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) の摩損
状態を目視試験によって調べた,
結果を表 5に示す。
【表 5】
表 5の結果から、 本発明に係る、 外殻 t bを有するマイクロカプセル含有圧縮 成形物 (錠剤) では、 摩損試験後、 錠剤の表面に欠けが認められなかったのに対 し、 比較例では、 1 4錠中、 1 1例に、 錠剤の表面に欠けが認められた。
また、 実験例のマイクロカプセル含有圧縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とを、 無作為抽出した、 ボランティアに、 ダブルブラインド試験 (D B T ) で、 実際に口腔内で咀嚼して服用してもらった所、 実験例のマイクロカプセル含有圧 縮成形物 (錠剤) と、 比較例 (錠剤) とは、 味が、 実験例のマイクロカプセル含 有圧縮成形物 (錠剤) の方が、 比較例 (錠剤) に比べ、 苦みが著しく少ないこと が明らかになった。 産業上の利用可能性
以上、 詳細に説明したように、 請求項 1に記載の圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに 融着した部分を含む外殻が形成されているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い その一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻 原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した 部分を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コ一ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合に
は、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠とし ても、 適している。
また、 この圧縮成形物は、 その表面に、 外殻が形成されているに過きず、 圧縮 成形物本体内部に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 この圧縮成形物は、 圧縮成形物の溶解時間や崩壊時間が速く、 目的とする部位で、 直ちに溶ける。 従って、 圧縮成形物本体内部に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 こ の圧縮成形物は、 体内へ速やかに吸収されので、 速効性がある。
また、 圧縮成形物本体内に、 滑沢剤を含ませないようにした場合には、 チユア ブル錠として、 口腔内で咀嚼した場合に、 圧縮成形物本体内に、 滑沢剤を含んで いないため、 服用者に不快な味 (苦み) を与えることがない。
請求項 2に記載の圧縮成形物では、 その表面に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が耐摩損性を有して いるので、 保存や運搬中に欠けが生じない。
請求項 3に記載の圧縮成形物では、 その表面に、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が耐摩損性を有して いるので、 保存や運搬中に欠けが生じない。
請求項 4に記載の圧縮成形物では、 この圧縮成形物の圧縮成形物本体の表面に 形成されている外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがないため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) では、 固まった状態であるので、 室温や 冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物の表面に欠けが生じ ない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物を入れると、 口腔内で、 外殻が速やかに溶けるため、 素錠と同様の性状を有するため、 チユアブル錠としても、 違和感がない。
請求項 5に記載の圧縮成形物では、 安全性に優れ、 入手も容葛で、 外殻を形成 した場合、 耐摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機能する、 外 殻原料粉末を用いているので、 この圧縮成形物は、 安全性に優れ、 保存や運搬時 に、 圧縮成形物の表面に欠けを生じ難く、 また、 製造し易い、 といった優れた効 果がある。
請求項 6に記載の圧縮成形物では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮成形時に発生する 熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮成形時に、 製剤原 料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が全く無いか殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有錠剤) は、 錠剤中に含まれる、 生菌類が 殆ど損傷を受けていない。
この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有錠剤) は、 錠剤中に含まれる、 生菌類 の生存率が髙いため、 有効率が高い。
且つ、 この圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶 融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が形成され ているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻原料 粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分 を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コー ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮 成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀 嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠として も、 適している。
請求項 7に記載の圧縮成形物では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮成形時に発生する 熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮成形時に、 製剤原 料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が全く無いか殆どない。
この結果、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有錠剤) は、 錠剤中に含まれる、 マイクロカプセルが殆ど損傷を受けていない。
且つ、 この圧縮成形物では、 その表面に、 少なくとも、 外殻原料粉末が、 熱溶 融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻が形成され ているので、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
一方、 この圧縮成形物の表面に形成されている外殻は、 少なくとも、 外殻原料 粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分 を含む外殻で構成されており、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コー ティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 脆く、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮 成形物本体 (錠剤本体部) と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀 嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠として も、 適している。
請求項 8に記載の圧縮成形物の製造方法では、 曰、 下杵及び上杵の各々の成形 材料接触表面に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗 布された臼、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原 料粉末が成形材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本体を製造すると同時に、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際 に発生する熱を用い、 臼の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少 なくとも一部、 下杵の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なく とも一部、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末 の少なくとも一部を熱溶融し、 臼の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した 外殻原料、 下杵の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 及び/ 又は、 上杵の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料を、 臼、 下杵 及び上杵が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体を形成する際に、 臼の成 形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表
面から、 圧縮成形物本体の表面に転写することで、 圧縮成形物本体の表面に外殻 を形成している。
この圧縮成形物の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形し て圧縮成形物本体を製造する際に、 同時に、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成 しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素錠を、 コーティング装置等 を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成するという、 コーティング工程を用いる 必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、 コーティング工程との 2本立 てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻を有する圧縮成形物を製造できる したがって、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物 を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極めて簡単になり、 これに より、 外殻を有する圧縮成形物を製造する際の製造コストを低く抑えることがで きる。
のみならず、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物の表面 に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉 末同士が互いに融着した部分を含む外殻であるために、 単に、 外殻原料粉末が圧 縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している外殻ではなく、 外殻原料 粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着している部分を 含む外殻によって覆われている。 したがって、 この圧縮成形物の外殻は、 外殻原 料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合している外殻に比べ、 機械的強 度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になっている外殻を有 する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物の製造方法により製造される、 圧縮成形物の表面に 形成されている外殻は、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士 が互いに融着した部分を含む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表 面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した 場合には、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、
脆いため、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和 感が無く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適して いる。
請求項 9に記載の圧縮成形物の製造方法では、 臼の成形材料接触表面、 下杵の 成形材料接触表面、 及び、 上杵の成形材料接触表面の各々に、 外殻原料粉末を塗 布する際に、 臼の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び、 上杵の成 形材料接触表面の各々に、 正圧の脈動空気振動波に混和し、 分散させた外殻原料 粉末を、 吹き付けるようにしている。
この圧縮成形物の製造方法では、 用いる外殻原料粉未の物性 (成分、 組成、 平 均粒径、 粒度分布等) に応じて、 用いる外殻原料粉末を空気に混和し、 分散させ るのに適した、 周期、 波長、 波形、 振幅等を有する、 正圧の脈動空気振動波を用 いている。
これにより、 外殻原料粉末は、 一旦、 正圧の脈動空気振動波すると、 定常圧流 の空気流に比べ、 空気中に混和し、 分散した外殻原料粉末が、 空気と分離して、 堆積したりするといつた現象を生じ難い。
従って、 正圧の脈動空気振動波中に、 概ね一定量の外殻原料粉末を、 定常圧流 の空気流に比べ、 長時間、 混和し、 分散させた状態に維持することができる。 且つ、 正圧の脈動空気振動波には、 圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部 分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが交互に現れるという性 格があるため、 例えば、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に、 たとえ、 余分な外殻原料粉末が付着 •堆積したとしても、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に、 余分に付着 . 堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振動波の圧力の高い部分 (空気流の 流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) にとつて、 余分な
外殻原料粉末は、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) から吹き飛ばされる。 この結果、 重力との関係で、 余分に外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材 料接触表面 (下杵の上面) に、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一に、 塗 布される。
また、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) に吹き付けられ、 下杵の成形材 料接触表面 (下杵の上面) から吹き飛ばされた、 外殻原料粉末は、 曰の成形材料 接触表面 (臼の内周面) に付着する。 ここで、 曰の成形材料接触表面 (臼の内周 面) に余分な外殻原料粉末が付着 *堆積したとしても、 臼の成形材料接触表面
(曰の内周面) に、 余分に付着 *堆積した外殻原料粉末には、 正圧の脈動空気振 動波の圧力の高い部分 (空気流の流速が遅い部分) と、 圧力の低い部分 (空気流 の流速が速い部分) とが、 交互に、 吹き付けられる結果、 曰の成形材料接触表面
(臼の内周面) にとつて、 余分な外殻原料粉末は、 臼の成形材料接触表面 (臼の 内周面) から吹き飛ばされる。 この結果、 臼の成形材料接触表面 (曰の内周面) にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一に、 塗布される。
また、 重力との関係で、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) には、 外殻原 料粉末が付着 '堆積し難いが、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) には、 外 殻原料粉末が、 正圧の脈動空気振動波とともに、 吹き付けられる結果、 上杵の成 形材料接触表面 (上杵の下面) にも、 外殻原料粉末が、 必要最小限の量で、 均一 に、 塗布される。
請求項 1 0に記載の圧縮成形物の製造方法では、 特に、 重力との関係で、 余分 な外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) への外 殻原料粉末の塗布時間と、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布され難い、 上杵 の成形材料接触表面 (上杵の下面) への外殻原料粉末の塗布時間とを異ならせて いる点に特徴がある。
即ち、 この圧縮成形物の製造方法では、 重力との関係で、 外殻原料粉末が塗布 され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) へは、 重力との関係で、 余分
な外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接触表面 (下杵の上面) への外 殻原料粉末の塗布時間に比べ、 長い時間を費やして、 外殻原料粉末を塗布するこ とで、 重力との関係で、 余分な外殻原料粉末が堆積しがちな、 下杵の成形材料接 触表面 (下杵の上面) への外殻原料粉末の塗布量と、 重力との関係で、 外殻原料 粉末が塗布され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) への外殻原料粉末 の塗布量とが、 同じ或いは概ね同じ量になるように調整している。
従って、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 重力との関係で、 外殻原料粉 末が塗布され難い、 上杵の成形材料接触表面 (上杵の下面) へも外殻原料粉末の 必要最低限の量を均一に塗布できるので、 圧縮成形物の表面となる側の錠剤表面 に、 ステイツキングや、 ラミネ一ティングや、 キヤヅビング等の打錠障害を生じ ることなく、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料粉末 が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む外殻 が形成された、 圧縮成形物を、 打錠障害の発生頻度を少なくして、 製造すること ができる。
請求項 1 1に記載の圧縮成形物の製造方法では、 外殻原料粉末が、 滑沢剤とし ての機能を有しているので、 圧縮成形物を製造する際に用いる臼の表面、 上杵の 表面及び下杵の表面に、 外殻原料粉末を塗布すれば、 圧縮成形物に打錠障害が生 じない。
のみならず、 外殻原料粉末は、 室温では、 粉体であるので、 この圧縮成形物の 製造方法により製造された圧縮成形物は、 その外殻が、 耐摩損性を発揮する。 請求項 1 2に記載の圧縮成形物の製造方法では、 融点が、 3 0 °C以上 8 0 °C以 下の外殻原料粉末を用いているので、 圧縮成形物本体の表面に、 外殻原料粉末の 一部が、 熱溶融し、 少なくとも、 その一部が互いに熱融着した部分を含む、 外殻 が形成される。
そして、 この圧縮成形物の製造方法により製造される圧縮成形物の、 圧縮成形 物本体の表面に形成される外殻は、 3 0 °C以上にならないと、 溶けることがない
ため、 室温 ( 1 °C〜3 0 °C) や冷所 ( 1 5 °C以下) では、 固まった状態であるの で、 室温や冷所で、 保存 ·運搬する限り、 保存や運搬時に、 圧縮成形物の表面に 欠けが生じない。
また、 外殻原料粉末の融点が、 上記範囲内で比較的低温のものを用いた場合に は、 口腔内に、 圧縮成形物を入れると、 口腔内で、 外殻が速やかに溶け、 素錠と 同様の性状を有するため、 チユアブル錠としても、 違和感がない。
請求項 1 3に記載の圧縮成形物の製造方法では、 安全性に優れ、 入手も容易で、 外殻を形成した場合、 耐摩損機能を発揮し、 且つ、 滑沢剤 (離型剤) としても機 能する、 外殻原料粉末を用いているので、 この圧縮成形物の製造方法を用いれば、 安全性に優れ、 保存や運搬時に、 圧縮成形物の表面に欠けを生じ難い、 圧縮成形 物を、 高い製造効率で製造することができる。
請求項 1 4に記載の圧縮成形物の製造方法では、 製剤原料粉粒体を、 圧縮成形 時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成しているので、 圧縮成形 時に、 製剤原料粉粒体中には、 圧縮成形時に発生する熱で溶ける成分が全く無い か殆どない。 この結果、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法に より製造される圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物 (錠剤) ) は、 圧縮成形物 (錠剤) 中に含まれる、 生菌類が殆ど損傷を受けていない。
即ち、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造される 生菌類含有圧縮成形物は、 圧縮成形物内に含有されている生菌類の生存率が極め て高いため、 高い有効性を発揮する。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵 の各々の成形材料接触表面に、 外殻原料粉末を塗布し、 外殻原料粉末が成形材料 接触表面に塗布された臼、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された下杵、 及び、 外殻原料粉末が成形材料接触表面に塗布された上杵を用いて、 生菌類と、 圧縮成形時に発生する熱よりも高い融点を有する材料で概ね構成された製剤原料 粉粒体とを含有する成形材料を圧縮成形し、 圧縮成形物本体を製造すると同時に、
曰、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱を用い、 曰の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接触表 面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成形材 料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部を熱溶融し、 臼の成 形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 下杵の成形材料接触表面に、 その一部が熱溶融した外殻原料、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面に、 その 一部が熱溶融した外殻原料を、 曰、 下杵及び上杵が、 成形材料を圧縮成形して、 圧縮成形物本体を形成する際に、 曰の成形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表 面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表面から、 圧縮成形物本体の表面に転写す ることで、 圧縮成形物本体の表面に外殻を形成している。
曰、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 曰の成形材 料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 下杵の成形材料接 触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部、 及び/又は、 上杵の成 形材料接触表面に塗布されている外殻原料粉末の少なくとも一部が熱溶融すると、 外殻原料粉末中には、 熱溶融した外殻原料粉末同士が熱融着したり、 及び/又は、 熱溶融した外殻原料粉末と熱溶融していない外殻原料粉末とが熱融着したりする そして、 臼、 下杵及び上杵が成形材料を圧縮する際に発生する熱等により、 熱 溶融した、 熱融着した外殻原料粉末を含む外殻原料粉末が、 曰、 下杵及び上杵が 成形材料を圧縮成形することによって製造した圧縮成形物本体の表面に、 臼の成 形材料接触表面、 下杵の成形材料接触表面、 及び/又は、 上杵の成形材料接触表 面から転写され、 圧縮成形物本体の表面に、 その一部に、 少なくとも、 外殻原料 粉末が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに熱融着した部分を含む 外殻が形成された、 生菌類含有圧縮成形物が製造される。
この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法では、 臼、 下杵及び上杵 が、 成形材料を圧縮成形して圧縮成形物本体を製造する際に、 同時に、 圧縮成形 物本体の表面に外殻を形成しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素
錠を、 コーティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成するという、 コ一テング工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、 コ一 テング工程との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻を有する、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) を製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製造工程が、 極 めて簡単になり、 これにより、 外殻を有する、 生菌類含有圧縮成形物を製造する 際の製造コストを低く抑えることができる。
のみならず、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造 される、 圧縮成形物の表面に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融 し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻であるために、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で結合している 外殻ではなく、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士 が熱融着している部分を含む外殻によって覆われている。 したがって、 この圧縮 成形物の外殻は、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になって結合してい る外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状 態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中に欠けが生じ 難い。
その一方、 この圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の製造方法により製造さ れる、 圧縮成形物 (生菌類含有圧縮成形物) の表面に形成されている外殻は、 外 殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含 む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティング液をス プレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合には、 コーティング装 置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いため、 口腔内で咀嚼し た場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成形物本体と、 外殻と の物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無く、 素錠のような嚙
み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。
請求項 1 5に記載の圧縮成形物の製造方法では、 曰、 下杵及び上杵が、 成形材 料を圧縮成形して圧縮成形物本体を製造する際に、 同時に、 圧縮成形物本体の表 面に外殻を形成しているので、 一旦、 圧縮成形することで得られた素錠を、 コ一 ティング装置等を用い、 その素錠の表面に、 外殻を形成するという、 コ一テング 工程を用いる必要が無いので、 製造ラインを、 圧縮成形工程と、 コ一テング工程 との 2本立てにすることなく、 圧縮成形工程のみで、 外殻を有する、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) を製造できる。
したがって、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 を用いれば、 外殻を有する圧縮成形物を圧縮成形工程のみで製造できるため、 製 造工程が、 極めて簡単になり、 これにより、 外殻を有する、 圧縮成形物 (マイク 口カプセル含有圧縮成形物) を製造する際の製造コストを低く抑えることができ る。
のみならず、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の製造方法 により製造される、 圧縮成形物の表面に形成される外殻は、 外殻原料粉末の一部 が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻原料粉末同士が互いに融着した部分を含む外殻で あるために、 単に、 外殻原料粉末が圧縮され、 外殻原料粉末同士が、 嵌合状態で 結合している外殻ではなく、 外殻原料粉末の一部が、 熱溶融し、 熱溶融した外殻 原料粉末同士が熱融着している部分を含む外殻によって覆われている。 したがつ て、 この圧縮成形物の外殻は、 外殻原料粉末同士が圧縮されて、 嵌合状態になつ て結合している外殻に比べ、 機械的強度が高いため、 外殻原料粉末同士が圧縮さ れて、 嵌合状態になっている外殻を有する圧縮成形物に比べても、 保存や運搬中 に欠けが生じ難い。
その一方、 この圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) め製造方法に より製造される、 圧縮成形物 (マイクロカプセル含有圧縮成形物) の表面に形成 されている外殻は、 外殻原料粉末が、 熱溶融し、 溶融した外殻原料粉末同士が互
いに融着した部分を含む外殻であり、 コーティング装置等を用いて、 素錠表面に、 コーティング液をスプレーし、 乾燥させて形成したような外殻に比較した場合に は、 コーティング装置等を用いて、 素錠の表面に形成された外殻に比べ、 脆いた め、 口腔内で咀嚼した場合には、 壊れ易いため、 口腔内で咀嚼した際に、 圧縮成 形物本体と、 外殻との物性が著しく異なることに起因する、 咀嚼時の違和感が無 く、 素錠のような嚙み心地であるために、 チユアブル錠としても、 適している。