WO2001000936A1 - Excavatrice - Google Patents

Description

明細書

ショベル 技術分野

本発明は電動機を駆動源とする掘削機械としてのショベルに関するものである。 背景技術 ―

従来、 油圧ショベルと称される一般的なショベルは、 下部走行体 （通常はクロ —ラ） に上部旋回体を搭載し、 この上部旋回体に、 ブームとアームとパケットを 備えた掘削アタッチメントを取付けて構成し、 上部旋回体に設置されたエンジン を動力源として油圧ポンプを回転させ、 その吐出油を油圧ァクチユエ一夕 （油圧 モー夕または油圧シリンダ） に供給して、 走行、 旋回、 ブーム起伏、 アーム作動、 バケツ卜作動を行わせるように構成している。

しかし、 この従来の油圧式ショベルは、 エンジンにかかる負担が大きくて燃費 が悪く、 排ガス、 騒音の問題を抱えている。

そこで、 最近、 実開平 5— 4 8 5 0 1号公報に示されているように、 エンジン のパワーラインに電動機を連結し、 ポンプ負荷が軽い時には電動機をエンジンの 余剰トルクにより発電機として作用 （回生作用） させて、 作られた電力をバッテ リに蓄え、 重負荷時にバッテリの蓄電力により電動機を駆動てエンジンをアシス 卜するように構成し、 これによりエンジン負荷を平滑化し、 排ガスの削減、 燃費 低減を図っている。

ところが、 この公知の電動機駆動方式によると、 エンジン—電動機一油圧ボン プの経路で回転力を伝える構成をとつているため、 この三者を機械的に結合し、 —つのパワーュニットとして一個所に集中して設置する必要がある。

このため、 次のような欠点があった。

① パワーユニットが大きくなり、 その設置部分 （上部旋回体） にまとまった 大きなスペースを要するため、 この点が機器配置の障害となり、 とくに近年主流 となりつつある小旋回型のショベルに不適となる。

② ショベルの負荷変動は、 作業によっては自動車等に比べると時間的にもレ ベル的にも格段に激しく、 上記パワーュニッ卜の機械的結合部分の切換が頻繁に 行われるため、 このパワーュニッ卜の応答性や耐久性の点で大きな問題となる。 一方、 ショベルには、 掘削、 水平引き、 土羽打ち （パケットで地面を均し固め る作業） 、 吊り等、 様々な作業があり、 それぞれの作業によって負荷特性が異な つている。

たとえば土羽打ちは負荷の時間変動が激しくて作業サイクルが短い。 これに対 し、 吊り作業は負荷の時間変動が緩やかで作業サイクルが比較的長い。

このため、 電動機駆動方式において使用されるバッテリの選択が難しい。

そこで本発明は、 電動機駆動方式において、 パワーユニットを分割して設置で き、 しかも、 パワーユニットの機械的結合部分の頻繁な切換を要しないとともに, エネルギー効率を向上させることができるショベルを提供するものである。

また本発明は、 電動機駆動方式において、 負荷特性に適合するバッテリを選択 し使用することができるショベルを提供するものである。 発明の開示

上記問題を解決するため、 本発明は次のような構成を採用した。

すなわち、 下部走行体上に上部旋回体が搭載され、 この上部旋回体に掘削ァタ ツチメントが設けられてなるショベルにおいて、 動力源としてのエンジンと、 こ のエンジンによって駆動される発電機と、 この発電機から供給される電力によつ て回転する単数の電動機とを具備し、 この電動機によって油圧ポンプを駆動し、 この油圧ポンプからの油によつて上記下部走行体、 上部旋回体及び掘削アタッチ メントの各作動部の油圧ァクチユエ一夕を作動させるように構成したものである - また、 本発明は、 上記構成において、 発電機からの余剰電力を蓄えるとともに 必要に応じて電動機を駆動する複数のバッテリと、 バッテリをこの複数のうちで 切換えるバッテリ切換手段とを備え、 かつ、 上記バッテリとして、 相対的に容量 が大きくて応答性が低い第 1のバッテリと、 容量が小さくて応答性が高い第 2の バッテリとを具備するものである。 図面の簡単な説明 第 1図は本発明の第 1実施形態にかかるショベルの全体概略側面図である。 第 2図は同ショベルの駆動 ·制御系のブロック構成図である。

第 3図は本発明の第 2実施形態にかかるショベルの第 2図相当図である。

第 4図は同実施形態における第 1及び第 2両バッテリの特性図である。 発明を実施するための最良の形態

第 1実施形態 （第 1、 第 2図参照）

第 1図にこの実施形態にかかるショベル全体を示している。

同図において、 1は下部走行体、 2は上部旋回体、 3は上部旋回体 2の前部に 装着された掘削アタッチメントである。

下部走行体 1は、 左右のクロ一ラフレーム 4及びクローラ （いずれも片側のみ 図示） 5から成り、 両側クローラ 5力 左右の走行用油圧モータ （第 3図参照） 6， 7により個別に回転駆動されて走行する。

上部旋回体 2は、 旋回フレーム 8、 キャビン 9等から成り、 旋回フレーム 8に、 動力源としてのエンジン 1 0と、 このエンジン 1 0によって駆動される発電機 1 1と、 ノ ッテリ 1 2と、 電動機 1 3と、 この電動機 1 3によって駆動される油圧 ポンプ 1 4と、 旋回用油圧モー夕 1 5が設置されている。

掘削アタッチメント 3は、 ブーム 1 6と、 このブーム 1 6を起伏させるブーム シリンダ 1 7と、 アーム 1 8と、 このアーム 1 8を回動させるアームシリンダ 1 9と、 バゲット 2 0と、 このバケツト 2 0を作動させるバケツトシリンダ 2 1と を具備している。

第 2図はこのショベルの駆動系及び制御系のブロック構成を示している。

同図において、 実線矢印は電気駆動系、 点線矢印は油圧駆動系をそれぞれ示す 発電機 1 1と、 電動機 1 3及びバッテリ 1 2との間にインバー夕 2 2が設けら れ、 このィンバ一夕 2 2により、

① 発電機 1 1で作られた交流電力が直流に変換されてバッテリ 1 2に蓄えら れ （充電作用） 、

② バッテリ 1 2の蓄電力が交流に変換されて電動機 1 3に供給される （放電 作用） 。

なお、 インバー夕 2 2には、 図示しないが切換手段が設けられ、 オペレータの 操作により、 あるいは負荷状況に応じて自動で、 上記充放電作用の切換が行われ る。

電動機 1 3によって駆動される油圧ポンプ 1 4の圧油は、 各油圧ァクチユエ一 夕ごとに設けられたコントロールバルブ 2 3 (ここでは一括して図示している） を介して各油圧ァクチユエ一夕 （旋回及び走行用油圧モー夕 1 5， 6， 7、 ブー ム、 アーム、 バケツト各シリンダ 1 7 , 1 9， 2 1 ) に供給され、 コントロール バルブ 2 3によって各油圧ァクチユエ一夕の作動速度、 トルク、 作動方向が制御 される。

上記①②の充放電作用を含めたこのショベルの駆動 ·制御作用を次に説明する エンジン 1 0が運転されると発電機 1 1が駆動されて発電作用を行い、 発生し た交流電力により電動機 1 3が駆動されてポンプ 1 4が回転し、 上記のように各 油圧ァクチユエ一夕が作動することにより、 各ショベル動作 （掘削、 走行、 旋 回） が行われる。

ここで、 基本的には、 電動機 1 3は、 発電機 1 1からインバー夕 2 2経由で供 給される電力によって駆動されるが、 重負荷時には、 前記した切換手段の作用に より、 バッテリ 1 2の蓄電力によって電力不足を補い、 逆に軽負荷時には発電機 1 1の余剰電力がバッテリ 1 2に蓄えられる。

一方、 軽負荷時でかつバッテリ容量が十分な場合は、 エンジン 1 0の出力を低 下させ、 あるいはエンジン停止させてバッテリ電力のみによって電動機 1 3を駆 動することもできる。

このような作用により、 エンジン負荷を平滑化し、 騒音及び排ガスを削減し、 燃費を低減することができる。

このショベルによると、 上記のようにエンジン 1 0—発電機 1 1—電動機 1 3 一油圧ポンプ 1 4の経路で回転力が伝達され、 パワーュニットをエンジン 1 0 + 発電機 1 1の組と、 電動機 1 3 +油圧ポンプ 1 4の組に分けて設置することが可 能となる。 従って、 一個所にまとまった大きな設置スペースを必要としないため、 とくに小旋回型のショベルに適したものとなる。

また、 発電機 1 1と電動機 1 3は電気配線によって接続できるため、 エネルギ 一の伝達ロスを大幅に削減することができる。

第 2実施形態 （第 3、 第 4図参照） 第 1実施形態との相違点のみを説明する。

第 2実施形態においては、 特性の異なる二つのバッテリを負荷特性に応じて使 い分ける構成をとつている。

すなわち、 第 1及び第 2両バッテリ 1 2 a， 1 2 b力 バッテリ切換装置 2 4 を介してィンバ一夕 2 2に接続されている。

第 1のバッテリ 1 2 aは、 第 4図の実線で示すように、 第 2バッテリ 1 2 と の比較上、 応答性は高い （時間に対する出力の立ち上がりが早い） が容量は小さ い特性を有し、 たとえばコンデンサ形式のものが使用される。

これに対し、 第 2のバッテリ 1 2 bは、 第 4図の破線で示すように、 応答性は 低いが容量は大きい特性を有し、 この両バッテリ 1 2 a， 1 2 bが、 ォペレ一夕 による切換スィツチ形式のバッテリ切換装置 2 4の操作によって選択される。 従って、 たとえば土羽打ち作業のように負荷の時間変動が激しくて作業サイク ルが短い作業の場合には、 出力は小さくても立ち上がりの早い電力供給が求めら れるため応答性の良い第 1バッテリ 1 2 aを選択し、 逆に吊り作業のように負荷 の時間変動が緩やかで作業サイクルが比較的長い場合には応答性は低くても大出 力が確保される第 2バッテリ 1 2 bを選択することにより、 負荷特性に合った効 率の良い作業を行うことができる。

また、 このバッテリ 1 2 a , 1 2 bの使い分けにより、 エンジン負荷がより平 滑化されるため、 エンジンの小形化、 効率使用が可能となり、 エンジン騒音及び 排ガスを削減し、 燃費を低減することができる。

ところで、 上記実施形態では、 二種類のバッテリ 1 2 a， 1 2 bを使い分ける ようにしたが、 より細かく三種類以上のバッテリを使い分けるようにしてもよい。 また、 本発明は、 掘削アタッチメント 3においてバケツ卜 2 0に代えて他の作 業工具 （たとえば排土板や破砕機） を取付けたショベル、 掘削アタッチメント 3 として第 1図に示すような手前側に掘削するバックホー型のものに代えて、 手前 側から向こう側に掘削するローディング型のものを備えたショベル、 下部走行体 としてクローラに代えてホイールを用いたショベルにも適用することができる。 上記のように、 エンジン一発電機一電動機一油圧ポンプの経路で駆動力が伝達 される。 すなわち、 パワーユニットをエンジン +発電機の組と、 電動機 +油圧ポ ンプの組に分割し、 これらを別々に設置することが可能となる。

このため、 一個所にまとまった大きな設置スペースを必要とせず、 とくに小旋 回型のショベルに適したものとなる。

また、 発電機と電動機とは電気配線によって接続できるため、 機械的結合部分 の頻繁な切換を要しないとともに、 エネルギーの伝達ロスを大幅に削減すること ができる。

一方、 軽負荷時に、 発電機で発生した電力をバッテリに蓄え、 重負荷重にバッ テリの蓄電力で発電機の電力不足を補い、 あるいは発電機に代わって負担する構 成とすることにより、 負荷変動の激しいショベルのエンジン負荷を平滑化し、 排 ガスの削減及び燃費の低減を実現することができる。

また、 作業によって負荷特性が異なるショベルにおいて、 特性の異なる複数の バッテリを備え、 切換手段によりバッテリをこの複数のうちで切換える構成とす ることにより、 負荷特性にマッチングしたバッテリを選択して使用することがで さる。

たとえば、 吊り作業のように負荷の時間変動が緩やかで作業サイクルが比較的 長い作業の場合は応答性は低いが容量の大きなバッテリ、 土羽打ち作業のように 負荷の時間変動が激しくて作業サイクルが短い作業の場合は容量は小さいが応答 性は高いバッテリをそれぞれ選択すればよい。

これにより、 バッテリの蓄電力をより効率良く使用できるとともに、 バッテリ がーつの場合よりもエンジン負荷をより平滑化し、 エンジン騒音及び排ガスを削 減し燃費を低減することができる。 産業上の利用可能性

以上のように本発明によれば、 パワーユニットの設置スペースを縮小でき、 と くに小旋回型のショベルにおいて有利となるという有用な効果を奏するものであ る。

Claims

請求の範囲

1 . 下部走行体上に上部旋回体が搭載され、 この上部旋回体に掘削ァタツ チメン卜が設けられてなるショベルにおいて、 動力源としてのエンジンと、 この エンジンによって駆動される発電機と、 この発電機から供給される電力によって 回転する単数の電動機とを具備し、 この電動機によって油圧ポンプを駆動し、 こ の油圧ポンプからの油によって上記下部走行体、 上部旋回体及び掘削アタッチメ ントの各作動部の油圧ァクチユエ一夕を作動させるように構成したことを特徴と するショベル。

2 . 請求の範囲第 1項記載のショベルにおいて、 発電機からの余剰電力をバ ッテリに蓄え、 かつ、 必要に応じてこのバッテリの蓄電力によって電動機を駆動 するように構成したことを特徴とするショベル。

3 . 請求の範囲第 2項記載のショベルにおいて、 特性の異なる複数のバッテ リを備え、 かつ、 バッテリをこの複数のうちで切換えるバッテリ切換手段を具備 することを特徴とするショベル。

4 . 請求の範囲第 3項記載のショベルにおいて、 相対的に容量が大きくて応 答性が低い第 1のバッテリと、 容量が小さくて応答性が高い第 2のバッテリとを 具備することを特徴とするショベル。