明細書 ア ル コ ール類の製造法 技術分野
こ の 出願の発明 は、 ア ル コ ール類の製造法 に 関す る も の で あ る。
さ ら に詳 し く は、 こ の 出 願の発明 は、 カ ルボニル化合物 類 を 原料 と し て用 い、 医薬や農薬の合成中間体 あ る いは 多 く の 汎用 化学品の 合成中 間体 と し て有用 な ア ル コ ール類の 有利 な製造法に関す る も の で あ る。 技術背景
均一 系触媒 を使用 し て カ ルボニ ル化合物類の水素化に よ リ 対応す る アルコ ール類 を製造す る方法 と し て 、 例 え ば Comprehens i ve Organometa l I i c chem i stry, Vo l . 4, 9J1貞 (1982) , Eds. G. W i l k i nson, F . G . A. Stone and E. W.
Abe I に記載 さ れたルテ ニ ウ ム錯体 を 用 い る 方法等が知 ら れて い る。
し か し なが ら 上記の方法 は水素化活性が低 く 比較的高温 あ る いは高 い水素圧 を 必要 と す る た め実用 的 に は必ず し も 充分な も の で はな か っ た。 発明 の課題
そ こ で、 こ の 出願の発明 は、 以上 の よ う な従来技術の問 題 点 を解決 し て 、 従来の よ う な高温あ る い は高 い水素圧の
条件 を必要 と す る こ と な し に、 よ り 温和 な条件に お いて効 率的 に カ ルボニル化合物類の水素化 に よ リ ア ル コ ール類 を 製造す る こ と ので き る 、 実用 的 に有利 な新 し いア ル コ ール 類の製造法 を提供す る こ と を課題 と し て い る
こ の 出願の発明 は、 上記の課題 を解決す る も の と し て、 ま ず第 1 に は、 ビ ビ リ ジル誘導体、 第 V I I I族遷移金属錯体 お よ び塩基の存在下 に、 カ ルボニル化合物類 と 水素 と を反 応 さ せ る こ と を特徴 と す る 対応す る ア ル コ 一ル類の製造法 を提供す る。
ま た、 こ の 出願の発明 は、 第 2 に は、 ビ ピ リ ジル誘導 体、 第 V I I I族遷移金属錯体、 塩基お よ びア ル コ ール系溶媒 の存在下 に 、 カ ルボニル化合物類 を還元 さ せ る こ と を特徴 と す る 対応す る ア ル コ ール類の製造法 を提供す る。 そ し て、 こ の出 願の発明 は、 前記製造法に つ いて 、 第 3 に は、 塩基がアル 力 リ 金属 も し く はア ル力 リ 土類金属の水酸化物 ま た塩 あ る いは 4 級ア ン モ ニ ゥ ム塩で あ る 製造法 を 、 第 4 に は、 力 ルボニル化合物類が次の一般式 ( a )
0
Rし C一 2
R (a)
(式 中 、 R 1 お よ び R 2 は、 各 々 、 同 一 ま た は別異に、 水 素原子、 ハ ロ ゲ ン原子、 置換基 を 有 し て いて も よ いア ルキ ル基、 置換基 を有 し て い て も よ いァ ラ ルキル基、 置換基 を 有 し て いて も よ いァ リ ール基、 置換基 を有 し て いて も よ い
ア ルケニル基、 置換基 を 有 し て し、て も よ いア ルコ キ シル基 ま た はア ルキルォ キ シ カ ルボ二 ル基 を 示 し 、 あ る し、は R 1 と R 2 は結合 し て環状化合物 を 形成 し て しゝ る こ と を 示 し 、 かつ 、 R , と R 2 は、 と も に水素原子 を示す こ と はな い。 )
で表わ さ れ る 製造法 を 、 第 5 に は、 第 V 族遷移金属錯体 が、 次の一般式 ( b )
M 1 X m L „ ( b )
(式 中、 M 1 は、 ロ ジ ウ ム、 ルテニ ウ ム、 イ リ ジ ウ ム ま た は 白 金 を 示 し、 X は、 水素原子、 ハ ロ ゲ ン原子、 カ ルボキ シル基、 ア ル コ キ シ基ま た は ヒ ド ロ キ シ基 を 示 し 、 L は、 有機配位子 を示 し 、 m お よ び n は、 各 々 、 0 〜 6 の整数で あ っ て 、 0 < m + n ≤ 6 で あ る こ と を 示す。 )
で示 さ れる 1 な い し 4 の いずれかの製造法 を、 第 6 に は、 ビ ピ リ ジル誘導体が、 次の一般式 ( c )
(式 中 、 R 3 、 R 4 、 R 5 、 R 6 、 R 7 、 R 8 、 R 9 、 R 1 °は、 同一 ま た は別異に、 水素原子、 ハ ロ ゲ ン原子、 置換 基 を 有 し て いて も よ いア ルキル基、 置換基 を 有 し て いて も
よ しヽァ ラ ルキル基、 置換基 を 有 し て しゝ て も よ ぃァ リ ール 基、 置換基 を有 し て いて も よ い ア ル ケ ニル基 を示す。 ) で表わ さ れ る 製造法 を も 提供す る 。 発明 を実施す る た め の最 良の形態
こ の 出願の発明 は 以上の と お り の特徴 を有す る も の で あ る が、 以下 に その実施の形態 につ い て 説明す る。
まず、 こ の 出願の発明 レ お いて は、 原料物質 と し て カ ル ボニ ル化合物類が用 い ら れ る が、 こ の 力 ルボニル化合物類 し て は各種の も の で あ つ て よ く 、 例 え ば前記の一般式 a ) で表わ さ れ る も の が挙 げ ら れ る 。
一般式 ( a ) で示 さ れ る 力 ルポ二ル化合物類の置換基 R お よ び R 2 に つ いて は、 ハ ロ ゲ ン原子 と し て は フ ッ 素原 子、 塩素原子、 臭素原子、 3 ゥ 素原子 な どが、 ア ルキル基 し て は、 た と え ばメ チル基、 ェ チル基 、 n — プ ロ ピゾレ 、 イ ソ プ 口 ピル n - ブチ ル基、 ィ ソ ブチル基、 t 一 フ チル基、 n — ァ ミ ル基、 ネォ ペ ン チル 、 n 一 へキ シル 基、 シ ク ロ へキシル基、 n ― 才 ク チル基 n ― ノ ニル基、 メ ンチル基、 , 3 , 4 一 卜 リ メ チル 一 3 — ぺ ン チル基、 2 , 4 ー ジ メ チル — 3 — ぺ ン チル基な どが、 ァ ラ ルキル基 し て はべ ン ジル基、 2 - フ ェ ニルェ チル基、 2 — ナ フ チ ルェ チル基、 ジ フ ェ ニル メ チル基な どが、 ァ リ ール基 と し て は フ エ 二ル基、 ナ フ チ ル基、 ビ フ ェ ―ル基、 フ リ ル基、 チオ フ ェ ニル基な どが、 ァ ルケ ニル基 と し て は 2 — メ チル
1 — プ ロ ぺニル基、 2 一 ブテ ニル基、 卜 ラ ンス 一 8 — ス チ リ ル基、 3 — フ ェ ニル 一 1 一 プ ロ ぺ 二ル基、 1 ー シ ク ロ
一 へキセ ニル基な どが、 ア ル コ キ シル基 と し て は メ ト キ シ 基、 エ ト キ シ基、 n — プ ロ ポキ シ基、 t — ブ ト キ シ基な ど が、 ァ リ ールォ キ シ基 と し て は フ エ ノ キ シ基な どが、 ア ル キルォキ シ カ ルボニル基 と し て は メ 卜 キ シ カ ルボニル基、 ェ ト キ シ カ ルボニル基、 t 一 ブチルォ キ シ カ ルボニル基、 ベ ン ジルォ キ シ カ ルボニル基、 フ エ ニルォキ シ カ ルボニル 基な どがそれぞれ例示 さ れる。 こ れ ら の基が さ ら に置換基 で置換 さ れて い る 場合の置換基 と し て は、 前記 し た と 同様 の ノヽ ロ ゲ ン原子、 前記 し た と 同 様の ア ル コ キ シル基、 前記 し た と 同様のァ リ ールォ キ シ基、 メ チル基、 ェ チル基、 ィ ソ プ ロ ピル基、 n — ブチ ル基、 t 一 ブチル基、 n — ァ ミ ル 基、 n — へ キ シル基な どの低級ア ルキル基、 n — プ ロ ピル チォ基、 t 一 プチルチオ基な どの低級アルキルチオ基、 フ ェ ニ ルチオ基な どの ァ リ 一ルチオ基、 ニ ト ロ 基、 水酸基な どが例示 さ れる。
カ ルボニル化合物類 と し て具体的 に例示す る と 、 ァ セ ト ン、 ァ セ ト フ エ ノ ン、 ベ ン ズア ルデ ヒ ド、 ベ ンザルァ セ ト ン、 シ ク ロ へキサ ノ ン、 ベ ン ゾ フ エ ノ ン、 あ る しゝはそれ ら の置換体な どが代表例 と し て挙 げ ら れ る。
ま た、 第 V I I I族遷移金属錯体 と し て は、 例 え ば前記の と お り の一般式 ( b ) で表わ さ れ る も の が挙 げ ら れ る。
有機配位子 : L と し て は、 C O 、 N O 、 N H 、 N H 3 な ど も 含め 、 ォ レ フ ィ ン 類配位子、 ア セ チ レ ン類配位子、 芳香族化合物配位子、 有機含酸素化合物配位子、 有機含硫 黄化合物配位子、 有機含窒素化合物配位子な どが挙 げ ら れ る。
ォ レ フ ィ ン類配位子 と し て は、 例 え ば、 エ チ レ ン、 プ ロ ピ レ ン、 ブ タ ジ エ ン、 シ ク ロ へ キセ ン 、 1 , 3 — シ ク ロ へ キサ ジ ェ ン、 1 , 5 — シ ク ロ ォ ク タ ジ ェ ン、 シ ク ロ ォ ク タ ト リ ェ ン、 ノ ルボルナ ジ ェ ン、 ア ク リ ル酸エ ス テル、 メ タ ク リ ル酸エ ス テル、 シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル、 ペ ン タ メ チル シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル、 な どが例示 さ れ る。 ま た一般に配 位子 と し て よ く 用 い ら れ る 5 員環化合物 と し て 、 次の一般 式で 示 さ れ る 5 員環化合物が挙 げ ら れ る。
(式 中 、 R a 〜 R 。 は同 一 も し く は異な る置換基で あ つ て、 水素原子、 ハ ロ ゲ ン原子、 置換基 を有 し て いて も よ い ア ルキル基、 置換 を有 し て いて も よ いァ ラ ルキル基、 置換 基 を 有 し て いて も よ いァ リ ール基、 置換基を 有 し て いて も よ いアルケ ニル基、 置換基 を有 し て い て も よ いア ル コ キ シ ル基ま た はアルキルォキ シ カ ルボ二ル基 を それぞれ示す。 具体的 に は、 ハ ロ ゲ ン原子 と し て はハ ロ ゲ ン原子 と し て は フ ッ 素原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨ ウ 素原子 な どが、 ァ ルキル基 と し て は、 た と え ば メ チル基、 ェ チル基、 n — プ 口 ピル基、 イ ソ プ ロ ピル基、 n — ブチ ル基、 イ ソ ブチル
基、 t — ブチル基、 n — ア ミ ル基、 ネ オ ペ ン チル基、 n — へキ シル基、 シ ク ロ へキ シル基、 n — ォ ク チル基、 n — ノ ニル基、 メ ン チル基、 2 , 3 , 4 — ト リ メ チル ー 3 — ペ ン チル基、 2 , 4 — ジ メ チルー 3 — ペ ン チル基な どが、 ァ ラ ルキル基 と し て は べ ン ジル基、 2 — フ エ ニルェ チル基、 2 — ナ フ チルェ チル基、 ジ フ エ ニル メ チ ル基な どが、 ァ リ ー ル基 と し て は フ エ ニル基、 ナ フ チル基、 ビ フ エ 二ル基、 フ リ ル基、 チォ フ エ ニル基、 な どが、 ア ルケニル基 と し て は 2 — メ チル 一 1 — プ ロ ぺニル基、 2 — ブテニル基、 ト ラ ン ス 一 一 ス チ リ ル基、 3 — フ エ ニル一 1 — プ ロ ぺニル基、 1 — シ ク ロ へキセ ニル基な どが、 ア ル コ キ シル基 と し て は メ ト キ シ基、 エ ト キ シ基、 n — プ ロ ポキ シ基、 t ー ブ ト キ シ基な どが、 ァ リ ールォ キ シ基 と し て は フ エ ノ キ シ基な ど が、 ア ルキルォキ シカ ルボニル基 と し て は メ ト キ シ カ ルボ ニル基、 エ ト キ シ カ ルボニル基、 t — ブチルォキ シ カ ルボ ニル基、 ベ ン ジルォキ シ カ ルボニル基、 フ エ ニルォキ シ カ ルポ ニル基な どがそれぞれ例示 さ れ る 。 こ れ ら の基が さ ら に置換基で置換 さ れて い る 場合の置換基 と し て は、 前記 し た と 同様のハ ロ ゲ ン原子、 前記 し た と 同様の ア ル コ キ シル 基、 前記 し た と 同様の ァ リ ールォ キ シ基、 メ チル基、 ェ チ ル基、 イ ソ プ ロ ピル基、 n — ブチル基、 t 一 ブチル基、 n — ァ ミ ル基、 n — へキ シル基な どの低級ア ルキル基、 n — プ ロ ピルチオ基、 t 一 プチルチオ基な どの低級ア ルキルチ ォ基、 フ エ 二ルチ オ基な どの ァ リ ール チオ基、 ニ ト ロ 基、 水酸基な どが例示 さ れ る 。
有機配位子 : し と し て の ア セ チ レ ン類配位子 と し て は、
W ア セ チ レ ン、 1 , 2 — ジ メ チルア セ チ レ ン、 1 , 4 一 ペ ン タ ジ イ ン、 1 , 2 — ジ フ エ ニルア セ チ レ ン な どが例示 さ れ る。
芳香族化合物配位子 と し て は、 ベ ン ゼ ン、 p — シ メ ン、 メ シ チ レ ン、 へキサ メ チルベ ンゼ ン、 ナ フ タ レ ン、 ア ン 卜 ラ セ ン な どが例示 さ れ る が、 一般 に配位子 と し て よ く 用 い ら れ る 芳香族化合物 と し て は、 次の一般式で示 さ れ る環式 芳香族化合物が挙 げ ら れ る。
(式 中 、 R ' 〜 R ' は、 同 一 ま た は相異な り 、 水素原子、 飽和 ま た は不飽和炭化水素基、 ァ リ ール基、 異原子 を含む 官能基 を 示 し 、 例 え ば、 メ チル、 ェ チ ル、 プ ロ ピル、 イ ソ プ ロ ピル、 ブチル、 t — ブチル、 ペ ン チル、 へキ シル、 へ プチル等の ア ルキル基、 シ ク ロ プ ロ ピル、 シ ク ロ ブチル、 シ ク 口 ペ ン チル、 シ ク 口 へキ シ ル等の シ ク 口 ア ルキル基、 ベ ン ジル、 ビニソレ、 ァ リ ノレ、 フ エ ニル、 ナ フ チルな どの不 飽和炭化水素等の基、 ヒ ド ロ キ シル基、 アル コ キ シ基、 ァ ル コ キ シ カ ルボニ ル基等の異原子 を 含む官能基 を 示す こ と がで き る。
さ ら に 、 前記の有機配位子 : し と し て の有機含酸素化合 物配位子 と し て は、 例 え ば、 ア セ テー ト 、 ベ ン ゾエー 卜 、 ァ セ チルァ セ ト ナー 卜 な どが例示 さ れ る 。 有機含硫黄化合 物配位子 と し て は、 例 え ば、 ジ メ チルス ルホ キ シ ド、 ジ メ チルス ル フ ィ ド、 チォ フ ェ ン、 二硫化炭素、 硫化炭素、 チ オ フ エ ノ ールな どが例示 さ れ る 。 有機含窒素化合物配位子 と し て は、 例 え ば、 ァ セ ト ニ ト リ ル、 ベ ン ゾニ ト リ ル、 t — ブチルイ ソ シア ニ ド、 ビ リ ジ ン、 1 , 1 0 — フ エ ナ ン ト 口 リ ン、 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジルな どが例示 さ れ る。
こ の発明 に お け る 第 V I I I族遷移金属 の錯体 と し て の具体 例 を 示す と 、 ク ロ ロ ト リ ス ( ト リ フ エ ニルホス フ ィ ン ) 口 ジ ゥ ム ( I ) 、 シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル ビス ( ト リ フ エ ニル ホ ス フ ィ ン ) ロ ジ ウ ム ( I ) 、 ビス ( シ ク ロ ォ ク タ ジェ ン) ジ ョ ー ドニ ロ ジ ウ ム ( I ) 、 ク ロ 口 ( シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニソレ) ビス ( ト リ フ エ ニルホス フ ィ ン ) ルテニ ウ ム ( I I ) 、 ク ロ 口 ( ペ ン タ メ チ レ シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル)
( 1 , 3 _ ビス ( ジ フ エ ニルホ ス フ イ ノ ) プ ロ パ ン ) ルテ ニ ゥ 厶 ( I I ) 、 ク ロ 口 (ペ ン タ メ チ ル シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ 二 ル) ( 1 , 5 — シ ク ロ ォ ク タ ジ ェ ン ) ルテ ニ ウ ム ( 1 1 ) 、 ジ ク ロ ロ ト リ ス ( 卜 リ フ エ ニルホス フ ィ ン) ゾレテ ニ ゥ ム
( I I ) 、 ク ロ ロ ト リ ス ( ト リ フ エ ニ ルホス フ ィ ン ) イ リ ジ ゥ ム ( I ) 、 ペ ン タ メ チ ル シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル ビス ( ェ チ レ ン ) イ リ ジ ウ ム ( I ) 、 ( エ チ レ ン ) ビ ス ( ト リ フ エ ニル ホス フ ィ ン ) 白 金 ( 0 ) 、 ト ラ ン ス 一 [ ク ロ 口 ( ェ チ ル) ビス ( ト リ ェ チルホ ス フ ィ ン ) 白 金 ( I I ) ] 、 シス 一
[ ジ ェ チル ビス ( ト リ ェ チ ルホ ス フ ィ ン ) 白 金 ( I I ) ] 、
ジ ク ロ ロ ( ノ ルボルナ ジ ェ ン ) 白 金 ( I I ) 、 亍 ト ラ キス ( ト リ フ エ ニルホス フ ィ ン ) 白 金 ( 0 ) な どが例示 さ れ、 なか で も ルテ ニ ウ ム錯体が特に高 い活性 を有す る 。 も ち ろ ん本発明 に用 い ら れ る 錯体は こ れ ら に何 ら 限定 さ れ る も の で は な い。
上記の第 V I I I族遷移金属錯体の使用量 は反応容器や経済 性に よ っ て異な る が反応基質で あ る カ ルボニル化合物 に対 す る モ ル比で、 1 ノ 1 0 0 〜 1 1 0 0 , 0 0 0 用 し、 る こ と 力《で き 、 好ま し く は 1 2 0 0 〜 1 ノ 1 0 , 0 0 0 の範 囲 で あ る。
そ し て、 こ の発明 に用 い ら れ る 塩基は、 例 え ば一般式
M 2 Y
で示 さ れ、 M 2 はア ルカ リ 金属 ま た はア ルカ リ 土類金属 で あ り 、 Y は ヒ ド ロ キ シル基、 ア ル コ キ シ基、 メ ルカ プ ト 基 ま た はナ フ チルォ キ シ基 を示 し 、 具体的 に は K O H 、 K O C H 3 、 K O C H ( C H a ) 2 、 K C , o H a 、 L i O H 、 L i O C H a 、 L i O C H ( C H 3 ) 2 等が例示 さ れ る。 さ ら に 4 級ア ンモ ニ ゥ ム塩 も 塩基 と し て 同様に用 い る こ と がで き る。
上記塩基の使用量 は第 VI I I族遷移金属錯体に対 し て 0 · 5 ~ 1 0 0 当 量で あ り 、 好ま し く は 2 〜 4 0 当 量が望 ま し い o
こ の発明 に用 い る ビ ビ リ ジル誘導体 と し て は前記の一般 式 ( c ) で表わ さ れ る ビ ビ リ ジル誘導体等が挙 げ ら れ る 。
具体的に は、 置換基 R 3 、 R 4 、 R 5 、 R 6 、 R 7 、 R 8 、 R 9 、 R '。に お いて 、 ハ ロ ゲ ン原子 と し て は フ ッ 素
一 原子、 塩素原子、 臭素原子、 ヨ ウ 素原子な どが、 ア ルキル 基 と し て は、 た と え ば メ チル基、 ェ チ ル基、 n — プ ロ ピル 基、 イ ソ プ ロ ピル基、 n — ブチル基、 イ ソ ブチル基、 t — ブチル基、 n — ア ミ ル基、 ネオ ペ ン チル基、 n — へキ シル 基、 シ ク ロ へキ シル基、 n — ォ ク チル基、 n — ノ ニル基、 メ ン チル基、 2 , 3 , 4 — ト リ メ チル 一 3 — ペ ン チル基、 2 , 4 — ジ メ チル 一 3 — ペ ン チル基な どが、 ァ ラ ルキル基 と し て はべ ン ジル基、 2 — フ エ ニルェ チル基、 2 — ナ フ チ ルェ チル基、 ジ フ エ ニル メ チル基な どが、 ァ リ ール基 と し て は フ エ ニル基、 ナ フ チル基、 ビ フ エ 二ル基、 フ リ ル基、 チオ フ ェ ニル基、 な どが、 ア ルケ ニル基 と し て は 2 — メ チ ル一 1 — プ ロ ぺニル基、 2 — ブテ ニル基、 ト ラ ンス 一 S — ス チ リ ル基、 3 — フ エ ニル 一 1 一 プ ロ ぺニル基、 1 — シ ク 口 へキセ ニル基な どが例示 さ れ る。 そ の具体的化合物の例 と し て 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジル、 4 , 4 ' — ジ フ エ 二ルー 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジル、 4 , 4 ' — ジ メ チル 一 2 , 2 ' - ビ ビ リ ジル、 3 , 3 ' — ジ フ エ ニル 一 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジ ル、 3 , 3 ' — ジ ェ チル 一 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジルな どが例 示 さ れる。
こ れ ら ビ ピ リ ジル誘導体の使用量は遷移金属錯体に対 し 0 . 5 〜 2 0 当 量で 、 好ま し く は 1 〜 6 当量の範囲 で あ る。
こ の発明の ア ル コ ール類の製造法に お いて は、 こ れ ら ビ ピ リ ジル誘導体の 添加 は必須で あ り 、 比較例 に記載 し た よ う に 添加 し な い場合 に は、 還元生成物 の収率 は極端に低下 す る 。
ま た こ の発明 で は通常、 溶媒が用 い ら れ る。 溶媒 と し て は、 反応原料、 触媒系 を 可溶化す る も のが好ま し く 用 い ら れ る 。 具体例 と し て は例 え ば ト ルエ ン、 キ シ レ ン な どの芳 香族溶媒、 ペ ン タ ン、 へキサ ン な どの脂肪族溶媒、 塩化 メ チ レ ン な どのハ ロ ゲ ン含有炭化水素溶媒、 エーテル、 テ 卜 ラ ヒ ド ロ フ ラ ン な どの エーテル系溶媒、 メ タ ノ ール、 エ タ ノ ール、 2 — プ ロ ノく ノ ール、 ブ タ ノ ール、 ベ ン ジルアル コ —ルな どの アル コ ール系溶媒、 ァ セ ト ニ ト リ ル、 D M F 、 N — メ チル ピ ロ リ ド ン、 ピ リ ジ ン、 D M S O な どへテ ロ 原 子 を 含む有機溶媒 を用 い る こ と がで き る。 生成物がア ル コ —ル類で あ る こ と か ら ア ル コ ール系溶媒が好適で あ る。 こ れ ら 溶媒は単独で用 い る こ と も 、 混合溶媒 と し て用 い る こ と も で き る 。
溶媒の使用量は反応基質の溶解度 お よ び経済性に よ リ 適 宜決め る こ と がで き る。 例 え ば、 2 — プ ロ パ ノ ールの場合 基質濃度 は 1 %以下の低濃度か ら 基質だ けの 無溶媒に近い 状態 で行 う こ と がで き る が、 好 ま し く は 2 0 ~ 5 0 重量% で用 しゝ る こ と がで き る。
こ の発明 に お け る 水素の圧 力 は、 通常、 1 〜 2 0 0 気圧 の範囲で、 好ま し く は 3 〜 1 0 0 気圧の範囲が望ま し い。 た だ、 2 — プ ロ パ ノ ールな どの ア ル コ ール溶媒 を 用 い る と 水素 ガス を 添加 し な く と も 水素移動型反応が進行す る。
反応温度は、 通常、 一 4 0 ~ 1 2 0 °C程度の範囲 と す る こ と がで き る が、 経済性 を 考慮 し て 、 1 5 °C力、 ら " I 0 0 °C で実施 さ れ る のが好ま し く 、 2 5 〜 4 0 °Cの室温付近で反 応 を 実施す る こ と がで き る こ と に な る 。 な お、 こ の発明 に
一 W お いて は 一 3 0 〜 0 °Cの低温で も 反応 が進行す る こ と を特 徴 と し て も い る。
反応時間 は反応基質濃度、 温度、 圧力 等の反応条件 に よ つ て異な る が通常、 数分か ら 3 0 時間 で反応 は完結す る。
反応 は反応形式がバ ッ チ式 に お いて も 連続式 に お い て も 実施す る こ と がで き る 。 実施例
以下実施例 を挙 げて 、 さ ら に詳 し く 説明す る 。 な お 、 こ の発明 は こ れ ら 実施例 に限定 さ れ る も の で は な い。
実施例 1
R u C I C p * ( c o d ) , す なわ ち 、 ク ロ 口 ( ペ ン タ メ チ ル シ ク ロ ペ ン タ ジ ェ ニル) ( 1 , 5 — シ ク ロ ォ ク タ ジ ェ ン ) ルテ ニ ウ ム ( I I ) ( 3 . 8 m g 、 0 . 0 1 m m o
I ) と K O H ( 0 . 0 4 m m o I ) と 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジ ル ( 3 . 1 m g 、 0 . 0 2 m m o l ) と ァ セ ト フ エ ノ ン
( 6 0 0 . 7 5 m g 、 5 . O m m o l ) を " 1 0 m l の 2 — プ ロ パノ ールに溶解 さ せ脱気 し ア ル ゴ ン置換 し た後 1 0 0 m I の金属製オー ト ク レー プに 全量 を移 し た後水素 を 所定 圧 ( 5 0 気圧) ま で仕込み反応 を室温 ( 2 8 °C ) で 開始 し た。 反応液 を 3 時間攪拌の後、 反応圧 力 を常圧に も ど し 反 応液の T L C モ ニ タ ー ( シ リ カ ゲル : n —へキサ ン 酢酸 ェ チル = 4 Z 1 ) 、 高速液体 ク ロ マ ト グラ フ ィ ーお よ び N M R に よ り 生成物 で あ る 1 — フ エ ニルエ タ ノ ールの 同 定 と 定量 を行 っ た。 反応基質 はすべ て 消 費 さ れ、 生成物の収率 は 9 9 %以上で あ っ た。
実施例 2
R u C I C p * ( c o d ) ( 3 8 m g 、 0 . 0 1 m m o ) と K O H ( 0 . 0 4 m m o ) 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジ レ ( 3 . 1 m g 、 0 . 0 2 m m o I ) と ベ ンザルァ セ 卜 ン ( 7 3 0 . 9 5 m g 、 5 . 0 m m o I ) を 1 0 m I の 2 一 プ ロ パノ ールに溶解 さ せ脱気 し ア ル ゴ ン置換 し た後 1 0 0 m I の金属製オー ト ク レー プに全量 を移 し た後水素 を 所 定圧 ( 5 0 気圧) ま で仕込み反応 を室温 ( 2 8 °C ) で開始 し た。 反応液 を 3 時間攪拌の後、 反応圧力 を常圧に も ど し 反応液の T L C モ ニ タ 一 ( シ リ カ ゲル : n 一 へキサ ン Z酢 酸ェ チル = 4 ノ 1 ) 、 ガス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ 一に よ り 生成 物で あ る 4 — フ エ ニル 一 2 — ブ タ ノ ン (収率 1 9 . 8 % ) お よ び 4 — フ エ 二ル ー 2 — ブタ ノ 一ル (収率 8 0 . 2 % ) の 同 定 と 定量 を行 っ た。 実施例 3
R u C I C p * ( c o d ) ( 3 . 8 m g 、 0 . 0 1 m m o I ) と K O H ( 0 . 0 4 m m o I ) と 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジル ( 3 . 1 m g 、 0 . 0 2 m m o I ) と べ ンザルァ セ ト ン ( 7 3 0 . 9 5 m g 、 5 . O m m o l ) を " 1 0 m l の 2 — プ ロ パ ノ ールに 溶解 さ せ脱気 し ア ル ゴ ン置換 し た後 1 0 0 m I の金属製オー ト ク レー プに 全量 を移 し た後水素 を所 定圧 ( 4 気圧) ま で仕込み反応 を室温 ( 2 8 °C ) で 開始 し た。 反応液 を 1 8 時間攪拌の後、 反応圧 力 を常圧に も ど し 反応液の T L C モ ニ タ 一 ( シ リ カ ゲル : n — へキサ ン 酢
4
酸ェ チル = 4 1 ) 、 ガス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ り 生成 物 で あ る 4 一 フ エ 二ルー 2 — ブタ ノ ン (収率 8 7 . 7 % ) の 同 定 と 定量 を行 っ た。 こ の と き 、 原料の ベ ンザルァ セ 卜 ン は 1 2 . 3 %回収 し た。
実施例 4
R u C I C P * ( c o d ) ( 3 8 m g 、 0 . 0 Ί m m o I ) と K 0 H ( 0 . 0 4 m m o I ) と 2 , 2 ' 一 ビ ピ リ ジル ( 3 . 1 m g 、 0 . 0 2 m m o I ) と 4 ブチル シ ク ロ へキサ ノ ン ( 3 8 5 . 6 3 m g 、 2 . o m m o I ) を 1 0 m I の 2 — プ □ パ ノ ―ルに溶解 さ せ脱気 し ァ ルゴ ン 置換 し た後 1 O O m I の金属製ォ - ト ク レー ブに全量 を移 し た 後水素 を所定圧 ( 4 気圧) ま で仕込み反応 を室温 ( 2
8 °C ) で開始 し た。 反応液 を 1 8 時間攪拌の後、 反応圧力 を常圧に も ど し 反応液の T L C モ 二 タ 一 ( シ リ 力 ゲル : n 一 へ キサ ンノ酢酸ェ チル = 4 / 1 ) 、 ガス ク 口 マ ト グラ フ ィ 一 に よ し」 生成物 で あ る シ ス 一 4 — ブチル シ ク 口 へキ サ ノ ール (収率 2 3 . 2 % ) お よ び 卜 ラ ンス - 4 - t 一 ブ チゾレ シ ク ロ へキサ ノ ―ル (収率 3 8 . 2 % ) の 同定 と 定量
¾: 仃 っ た。 実施例 5
R u C I C p * ( c o d ) ( 3 . 8 m g 、 0 . 0 1 m m o l ) と K O H ( 0 . 0 4 m m o l ) と 2 , 2 ' — ビ ビ リ ジル ( 3 . 1 m g 、 0 . 0 2 m m o l ) と 4 — t — ブチル シ ク ロ へキサ ノ ン ( 3 8 5 . 6 3 m g 、 2 . 5 m m o I )
5
を 1 O m I の 2 — プ ロ パ ノ ール に 溶解 さ せ脱気 し ア ル ゴ ン 置換 し た後 1 O O m I の金属製オー ト ク レー ブに全量 を移 し た 後ア ル ゴ ン置換 し た ま ま で 反応 を室温 ( 2 8 °C ) で 開 始 し た。 反応液 を 1 8 時間攪拌の後、 反応液の T L C モ ニ タ ー ( シ リ カ ゲル : n — へキサ ン 酢酸ェ チル = 4 Z 1 ) 、 ガス ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ り 生成物で あ る シス 一 4 — t — ブチル シ ク ロ へキサ ノ ール (収率 8 . 6 % ) お よ び ト ラ ンス 一 4 — t — ブチル シ ク ロ へ キサ ノ ール (収率 2 1 . 1 % ) の 同 定 と 定量 を行 っ た。 こ の と き 、 原料の 4 — t ー ブチル シ ク ロ へキサ ノ ン は 3 5 . 0 %回収 した。 比較例 1
R u C I C p * ( c o d ) ( 3 . 8 m g 、 0 . 0 1 m m o I ) と K O H ( 0 . 0 4 m m o I ) と ァセ ト フ エ ノ ン ( 6 0 0 . 7 5 m g 、 5 . 0 |11 171 0 1 ) を 1 0 |11 1 の 2 — プ ロ パノ ールに溶解 さ せ脱気 し ア ル ゴ ン置換 し た後 1 0 0 m I の金属製ォー ト ク レー ブに 全量 を 移 し た 後水素 を所定 圧 ( 5 0 気圧) ま で仕込み反応 を室温 ( 2 8 °C ) で 開始 し た。 反応液 を 3 時間攪拌の後、 反応圧 力 を常圧に も ど し 反 応液の T L C モ ニ タ ー ( シ リ カ ゲル : ri — へキサ ン Z酢酸 ェ チル = 4 1 ) 、 高速液体ク ロ マ ト グラ フ ィ ーお よ び N M R に よ り 生成物で あ る 1 — フ エ ニル エ タ ノ ールの 同定 と 定量 を行 っ た。 反応基質 9 7 %残存 し 、 生成物の収率は 3 % 以下 で あ っ た。 産業上の利 用可能性
以上詳 し く 説明 し た と お り 、 こ の 出願の発明 に よ っ て 、 従来 に比べ て は る かに温和条件下 に 、 カ ルボニル化合物類 の水素化 に よ る ア ル コ ール類の 製造が可能 と さ れ る 。 実用 的 に有利 な アル コ ール類の製造方法が提供 さ れ る こ と に な る。