ペルォキシソ一ム増殖薬活性化受容体ァ型制御剤
技術分野
本発明は一般式 (I A) で示される化合物、 それらの非毒性塩およびそれら の水和物を有効成分として含有するペルォキシソーム増殖薬活性化受容体 7型 制御剤、 および一般式 (I B ) で示される化合物、 それらの非毒性塩およびそ 明
れらの水和物に関する。
さらに詳しくは、 一般式 (I A)
書
(式中、 すべての記号は後記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物、 それ らの非毒性塩およびそれらの水和物を有効成分として含有するペルォキシソー ム増殖薬活性化受容体ァ型制御剤、 および一般式 (I B )
(式中、 すべての記号は後記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物、 それ らの非毒性塩、 またはそれらの水和物に関する。
背景技術
最近、 脂肪細胞分化マーカー遺伝子の発現誘導にかかわる転写因子の研究に おいて、 核内受容体であるペルォキシソーム増殖薬活性化受容体 ( Peroxisome Proliferator Activated Receptor;以下、 P P A R受容体と略記する。 ) が注目され ている。 P P A R受容体は、 さまざまな動物種から c D N Aがクロ一ニングさ れ、 複数のァイソフォーム遺伝子が見出され、 哺乳類では "、 S、 ァの 3種類 が知られている (J. Steroid Biochem. Molec. Biol., 51, 157 (1994); Gene Expression, 4, 281 (1995) ; Biochem Biophys. Res. Commun., 224, 431 (1996) ; Mol.
Endocrinology, 6, 1634 (1992) 参照) 。 さらに、 ァ型は主に脂肪組織、 免疫細胞、 副腎、 脾臓、 小腸で、 α型は主に脂肪組織、 肝臓、 網膜で発現し、 S型は主に 組織特異性が見られず普逼的に発現していることが知られている(Endocrinology, 137. 354-366 (1996) 参照) 。
ところで、 以下に示したチアゾリジン誘導体は、 インスリン非依存型糖尿病 (N I D DM) に対する治療薬として知られており、 糖尿病患者の高血糖を是 正するために用いられる血糖降下剤である。 また、 高インスリ ン血症の是正ま たは改善、 耐糖能の改善、 また血清脂質の低下に効果を示し、 インスリン抵抗 性改善薬としてきわめて有望であると考えられている化合物である。
トログリタゾン
また、 これらのチアゾリジン誘導体の細胞内標的蛋白質の一つが P P A R 7 受容体であり、 p p A R 7 の転写活性を増大させることが判明している (Endocrinology, 137, 4189-4195 (1996); Cell, 83, 803-812 (1995); Cell, 83, 813-819 (1995); J. Biol. Chem, 270, 12953-12956 (1995) 参照) 。 従って、 P P A Rァの転写活性を増大させる P P A Rァ活性化剤 (ァゴニス ト) は、 血糖降下剤および/または脂質低下剤として有望であると考えられる。 核内受容体 P P A R Ίは脂肪細胞分化に関わっており (J. Biol. Chem, 211, 5637-5670 (1997)ぉょぴ ^1,^, 803-812 (1995) 参照) 、 これを活性化できるチ ァゾリジン誘導体は脂肪細胞分化を促進することが知られている。 最近、 ヒ ト において、 チアゾリジン誘導体が体脂肪を増生させ、 体重増加、 肥満を惹起す るとの報告がなされた (Lancet 349, 952 (1997) 参照) 。 従って、 P P A Rァ を 活性化するのみならず P P A Rァ蛋白自身の発現を増加させる薬剤、 逆に、 P P A Rァ活性を抑制したり、 P P A R 7蛋白自身の発現を減少したりできる 薬剤も臨床的に有用であると考えられる。
これらのことから P P A Rァ受容体の活性化剤 (ァゴ二スト) 、 その転写活 性を抑制するアンタゴニスト、 また蛋白自身の発現を増加あるいは抑制できる P P A Rァ蛋白発現制御剤は、 糖尿病、 肥満、 シンドローム X、 抗コレステロ —ル血症、 高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、 高脂血症、 動脈硬化症、 高血圧、 循環器系疾患、 過食症等の予防および/または治療剤として有用であることが 期待される。
一般式 (I A) で示される本発明化合物の一部は、 特開昭 61-126061号、特開 平 1-156950号、 特開平 1-139558号および特開昭 64-85954号明細書で開示され ており、 特開昭 61-126061号明細書では、 ホスホリパ一ゼ阻害活性、 ロイコトリ ェン拮抗活性 (アレルギー性各種疾患、 血栓症、 炎症等の治療) 、 5 "—リダ クタ一ゼ阻害活性 (前立腺肥大症、 脱毛症、 ァクネの予防およびノまたは治療 剤) 、 アルド—ス還元酵素阻害活性 (糖尿病合併症の予防および/または治療 剤) を有していることが記載されており、 特開平 1-156950号、 特開平 1-139558 号および特開昭 64-85954号明細書では 5 "—リダクタ一ゼ阻害活性を有してい ることが記載されている。 発明の開示 本発明者らは、 P P A Rァ型受容体の制御作用を有する化合物を見出すベく 鋭意研究を行なった結果、 一般式 (I A) で示される本発明化合物が目的を達 成することを見出し、 本発明を完成した。
また、 一般式 (I A) で示される化合物が、 P P A R 7型受容体の制御作用、 血糖降下作用および脂質低下作用を有しているとの知見は、 これまで全く報告 されておらず、 今回初めて見出されたものである。 また、 一般式 (I A) で示 される化合物の一部はホスホリパーゼ阻害活性、 ロイコトリエン拮抗活性、 5 α —リダクタ一ゼ阻害活性、 アルドース還元酵素阻害活性を有していること
は公知であるが、 これらのことから P P A Rァ型受容体の制御作用が予想され るものではない。
本発明は、
1) 一般式 (I A)
(式中、 R 1A、 R 2 Aおよび R 3 Aはそれぞれ独立して、 水素原子、 C l〜 8 アルキル基、 C 1〜8アルコキシ基、 ハロゲン原子、 トリフルォロメチル基、 ニトロ基または一般式
(式中、 R9Aおよび Rl OAはそれぞれ独立して、 水素原子、 C l〜8アルキ ル基、 C l〜8アルコキシ基、 ハロゲン原子、 トリフルォロメチル基、 C3〜 8シクロアルキル基、 一C 1〜4アルキレン一 C3〜8シクロアルキル基、 ま たはニトロ基を表わし、 E3Aは c 1〜4アルキレン基を表わす。 ) を表わし、 R 4 Aおよび R 5 Aはそれぞれ独立して、 水素原子または C 1〜 4アルキル基を 表わし、
R 6 Aおよび R 7 Aはそれぞれ独立して、 水素原子、 C l〜8アルキル基、 C 1
〜8アルコキシ基、 ハロゲン原子、 トリフルォロメチル基、 C 3〜8シクロア ルキル基、 一 C 1〜4アルキレン一 C3〜8シクロアルキル基、 またはニトロ 基を表わし、
8八は〇001?1 1八基 (基中、 R 1 1 Aは水素原子または C 1〜4アルキル基 を表わす。 ) または 1 H—テトラゾール一 5—ィル基を表わし、
E 1 Aは酸素原子または硫黄原子を表わし、
£2八はじ 1〜8アルキレン基を表わし、
R 12 Aは水素原子または C 1〜4アルキル基を表わし、
n Aは 0または 1を表わす。 ) で示される化合物、 それらの非毒性塩、 または それらの水和物を有効成分として含有するペルォキシソ一ム増殖薬活性化受容 体ァ型制御剤、
2) —般式 (IB)
R 10B
(式中、 R IBおよび R2Bはそれぞれ独立して、 水素原子、 C l〜8アルキル 基、 C 1〜8アルコキシ基、 ハロゲン原子、 トリフルォロメチル基またはニト 口基を表わし、
R6B、 R7B、 R 9 Bおよび RI O Bはそれぞれ独立して、 水素原子、 C 1〜 8 アルキル基、 C 1〜8アルコキシ基、 ハロゲン原子、 トリフルォロメチル基、 シクロブチルメチル基、 またはニトロ基を表わし、
R8Bは COOR11 B基 (基中、 R1 1 Bは水素原子または C 1〜4アルキル基 を表わす。 ) または 1 H—テトラゾール一 5—ィル基を表わし、
E 1 Bは酸素原子または硫黄原子を表わし、
E3Bは c 1〜4アルキレン基を表わし、
G Bは窒素原子または炭素原子を表わし、
R 12 Bは水素原子または C 1〜4アルキル基を表わす。
ただし、
1) 1^88がじ001^ 1 IBを表わし、 かつ GBが炭素原子を表わし、 かつ R6B および R 7 Bが同時に水素原子を表わし、 かつ R 1 2 Bが水素原子を表わし、 か つ R IBおよび R 2 Bが同時にメチル基または塩素原子を表わすとき、 R9Bお よび R 10Bは c 5〜8アルキル基、 C l〜8アルコキシ基、 またはニトロ基を 表わす。
2) GBが炭素原子を表わし、 かつ R6 Bおよび R? Bのどちらか一方が水素原 子を表わし、 もう一方が水素原子、 C l〜6アルキル基、 C l〜6アルコキシ 基、 ハロゲン原子またはニトロ基を表わすとき、 R 1Bおよび R2Bは水素原子 を表わさない。 )
で示される化合物、 それらの非毒性塩、 またはそれらの水和物、 および
3) 一般式 (I B) で示される化合物、 およびそれらの非毒性塩の製造方法に 関する。
発明の詳細な説明
本発明においては、 特に指示しない限り異性体はこれをすベて包含する。 例 えば、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキレン基おょぴァルケ二レン基には直 鎖のものおよび分岐鎖のものが含まれ、 またアルケニレン基中の二重結合は、 E、 Zおよび E Z混合物であるものが含まれる。 分岐鎖のアルキル基、 アルコ キシ基、 アルキレン基およぴァルケ二レン基が存在する場合等の不斉炭素原子 の存在により生ずる異性体 (光学異性体) も含まれる。
一般式 (I A) 中、 R 4 A、 R 5 A、 R 1 1 A、 R 1 2 Aによって表わされる C 1〜4アルキル基とは、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル基およびそれらの 異性体基を表わす。
一般式 (I A) 中、 R 1 A、 R 2 A、 R 3 A、 R 6 A、 R 7 A、 R 9 A、 R 1 O A によって表わされる C 1〜8アルキル基とは、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブ チル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル基およびそれらの異性体基を 表わす。
一般式 (I A) 中、 R 1 A、 R 2 A、 R 3 A、 R 6 A、 R 7 A、 R 9 A、 Rl OA によって表わされる C 1〜8アルコキシ基とは、 メ トキシ、 エトキシ、 プロボ キシ、 ブトキシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシ、 ヘプチルォキシ、 ォクチ ルォキシ基おょぴそれらの異性体を表わす。
一般式 (I A) 中、 E 3 Aによって表わされる c 1〜4アルキレン基とは、 メ チレン、 エチレン、 トリメチレン、 テトラメチレン基およびそれらの異性体基 を表わす。
—般式 (I A) 中、 E 2 Aによって表わされる c 1〜8アルキレン基とは、 メ チレン、 エチレン、 トリメチレン、 テトラメチレン、 ペンタメチレン、 へキサ メチレン、 ヘプタメチレン、 ォクタメチレン基およびそれらの異性体基を表わ す。
一般式 (I A) 中、 R1 A、 R2 A、 R 3 A、 R 6 A、 R 7 A、 R 9 A、 Rl OA
によって表わされるハロゲン原子とは、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およ びヨウ素原子である。
一般式 (I A) 中、 R 6A、 R 7A、 R 9A、 R 1 OAによって表わされる C 3 〜 8シクロアルキル基、 および一 C 1〜 4アルキレン一 C 3〜 8シクロアルキ ル基中の C 3〜 8シクロアルキル基とは、 シクロプロピル、 シクロブチル、 シ クロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル、 シクロォクチル基である。 一般式 (I A) 中、 R 6A、 R 7A、 R 9A、 R 1 OAによって表わされる— C 1〜4アルキレン一 C 3〜8シクロアルキル基中の C 1〜4アルキレン基とは、 メチレン、 エチレン、 トリメチレン、 テトラメチレン基およびそれらの異性体 基を表わす。
一般式 (I B ) 中、 R 1 1 B、 R 1 2 Bによって表わされる c 1〜4アルキル 基とは、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル基およびそれらの異性体基を表わ す。
一般式 (I B) 中、 R1B、 R2B、 R6B、 R7B、 R9B、 Rl OBによって 表わされる C 1〜8アルキル基とは、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 ぺ ンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル基およびそれらの異性体基を表わす。 一般式 (I B) 中、 R1B、 R2B、 R6B、 R7B、 R9B、 Rl OBによって 表わされる C 1〜8アルコキシ基とは、 メ トキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 ブ トキシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシ、 ヘプチルォキシ、 ォクチルォキシ 基およびそれらの異性体を表わす。
一般式 (I B) 中、 R1B、 R2B、 R6B、 R7B、 R9B、 Rl OBによって 表わされるハロゲン原子とは、 フッ素原子、 塩素原子、 臭素原子およびヨウ素 原子である。
一般式 (I B) 中、 E3Bによって表わされる C 1〜4アルキレン基とは、 メ チレン、 エチレン、 トリメチレン、 テトラメチレン基およびそれらの異性体基 を表わす。
本発明に含まれる一般式 (I A) で示される化合物の例としては、 実施例に 記載された化合物および特開昭 61-126061 号、 特開平 1-156950号、 特開平 1- 139558号およぴ特開昭 64-85954号明細書に記載された化合物が含まれる。
より好ましい化合物として、
化合物 1 : 4— (2— (3, 4, 5—トリペンチルォキシ一 "一メチルシンナ モイルァミ ノ) フヱノキシ) ブタ ン酸 (特開昭 64-85954号明細書、 実施例 1 - 1 6記載化合物)
化合物 2 : 4— (2— (3, 5—ジメ トキシー 4一ペンチルォキシ一 /?ーメチ ルシンナモイルァミノ) フヱノキシ) ブタン酸 (特開昭 64-8595
4号明細書、 実 施例 1一 1記載化合物)
化合物 3 : 4— (2— (4 - (4—イソブチルベンジルォキシ) ベンゾィルァ ミノ) フエノキシ) ブタン酸 (特開平 1-139558号明細書、実施例 1記載化合物)
化合物 4 : 4— (2— (3, 4, 5 _トリブトキシ一 ?—メチルシンナモイル ァミノ) フヱノキシ) ブタン酸 (特開昭
64-8
59
54号明細書、 実施例 1一 8記載 化合物)
化合物 5 : 4 - (2— (4一 (4一メチルベンジルォキシ) 一2, 3—ジメチ ルペンゾィルァミノ) フヱノキシ) ブタン酸 (特開平 1-156950号明細書、 実施 例 2 (d) 記載化合物)
化合物 6 : 4一 (2 - (4— (2, 6—ジメチルペンジルォキシ) 一2, 3— ジメチルペンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸(特開平 1-156950号明細書、 実施例 2 (e) 記載化合物)
ィ匕合物 7 : 4— (2— (4— (1— (4—イソプチルフヱニル) エトキシ) 一 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸 (特開平 1-156950 号明細書、 実施例 2 (0) 記載化合物)
、 およびそれらの非毒性塩およぴ水和物が挙げられる。 [本発明化合物の製造方法]
一般式 (I A) で示される本発明化合物は、 特開昭 61-126061号、 特開平 1- 156950号、特開平 1-139558号および特開昭 64-85954号明細書に記載された方法、
またはそれに準じて製造することができる。
一般式 (I A) で示される化合物の一部である一般式 (I B) で示される化 合物は例えば、 以下の方法によつて製造することができる。
(1) 一般式 (I B) で示される化合物のうち、 R8Bが COOR 1 IB- 1で示 される化合物、 すなわち、 一般式 (I B— 1)
R 10B
(式中、 Rl 1B-1は c 1〜4アルキル基を表わし、その他の記号は前記と同じ 意味を表わす。 ) で示される化合物は、 一般式 (II)
R 10B
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物と 般式 (m)
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物をアミ ド化反応に付すことにより製造することができる。
前記アミ ド化反応は公知であり、 例えば
( 1 ) 酸ハライ ドを用いる方法、
( 2 ) 混合酸無水物を用いる方法、
( 3 ) 縮合剤を用いる方法等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
( 1 ) 酸ハライ ドを用いる方法は、 例えば、 カルボン酸を有機溶媒 (クロロホ ルム、 塩化メチレン、 ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン、 酢酸ェチル等) 中または無溶媒で、 酸ハライ ド (ォキザリルクロリ ド、 チォニルクロリ ド等) と一 2 0 °C〜還流温度で反応させ、 得られた酸ハライ ドを三級アミン (ピリジ ン、 トリェチルァミン、 ジメチルァニリン、 ジメチルァミノピリジン、 N—メ チルモルホリン等) の存在下、 ァミンと有機溶媒 (クロ口ホルム、 塩化メチレ ン、 ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン等) 中、 0〜4 0 °Cで反応させる ことにより行なわれる。
( 2 ) 混合酸無水物を用いる方法は、 例えば、 カルボン酸を有機溶媒 (クロ口 ホルム、 塩化メチレン、 ジェチルエーテル、 テ トラヒドロフラン等) 中または 無溶媒で、 三級アミン (ピリジン、 トリェチルァミン、 ジメチルァニリン、 ジ メチルアミノビリジン、 N—メチルモルホリン等) の存在下、 酸ハライ ド (ピ ノ 口イルク口リ ド、 トシルク口リ ド、 メシルク口リ ド、 クロ口ギ酸ェチル、 ク ロロギ酸イソブチル等) と、 — 2 0〜4 0 °Cで反応させ、 得られた混合酸無水 物を有機溶媒 (クロ口ホルム、 塩化メチレン、 ジェチルエーテル、 テトラヒ ド
口フラン等) 中、 相当するアミンと 0〜40°Cで反応させることにより行なわ れる。
(3) 縮合剤 ( 1, 3—ジシクロへキシルカルボジイミ ド (DCC) 、 1ーェ チル一 3— [3 - (ジメチルァミノ) プロピル] カルポジイミ ド (EDC) 、 2—クロロー 1 _メチルピリジニゥムヨウ素、 1' —カルボニルジイミダ ゾール (CD I ) 等) を混合して用いる方法は、 例えば、 カルボン酸とアミ ン を、 有機溶媒 (クロ口ホルム、 塩化メチレン、 ジメチルホルムアミ ド、 ジェチ ルエーテル、 テトラヒドロフラン等) 中、 または無溶媒で三級アミン (ピリジ ン、 トリェチルァミン、 ジメチルァニリン、 ジメチルァミノピリジン等) を用 いるか、 または用いないで、 縮合剤を用い、 1—ヒドロキシベンゾトリァゾー ル (HOB t) を用いるか用いないで、 0〜4 0°Cで反応させることにより行 なわれる。
これら (1) 、 (2) および (3) の反応は、 いずれも不活性ガス (ァルゴ ン、 窒素等) 雰囲気下、 無水条件で行なうことが望ましい。
(2) 一般式 (I B) で示される化合物のうち、 RSBが COOHで示される化 合物、 すなわち、 一般式 (I B— 2)
R 10B
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物は、 般式 ( I B— 1 )
1B-1 (IB-1)
R 10B
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物をケン 化反応に付すことにより製造することができる。
前記ケン化反応は公知であり、 例えば、
1) 水と混和しうる有機溶媒 (テトラヒドロフラン (THF) 、 ジォキサン、 エタノール、 メ タノール等) またはそれらの混合溶媒中、 アルカリ (水酸化力 リウム、 水酸化ナトリウム、 水酸ィヒリチウム、 炭酸カリウム、 炭酸ナトリウム 等) の水溶液を用いるか、
2) アル力ノール (メタノール、 エタノール等) 中、 上記のアルカリを用いて 無水条件で行なわれる。 これらの反応は通常— 1 0〜1 00°Cの温度で行なわ れる。
(3) 一般式 (I B) で示される化合物のうち、 1?88が11 —テトラゾ一ルー 5—ィル基で示される化合物、 すなわち、 一般式 (I B— 3)
R 10B
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物は、 般式 (IV)
R 10B
(式中、 すべての記号は前記と同じ意味を表わす。 ) で示される化合物と、 ァ ジドを反応させることにより製造することができる。
上記反応は公知であり、 例えば、 無水条件下、 不活性有機溶媒 (ジメチルホル ムアミ ド、 N—メチルピロリ ドン等) 中、 弱酸 (ピリジゥムクロリ ド、 塩化ァ ンモニゥム、 ジメチルァニリンの塩酸塩等) の存在下、 アジド (アジ化ナトリ ゥム、 アジィ匕リチウム、 アジ化カリウム等) を用いて加熱することにより、 行 なわれる。
一般式 (II) 、 一般式 (III) および一般式 (IV) で示される化合物は、 特開昭 61-126061号、 特開平 1-156950号、 特開平 1-139558号およぴ特開昭 64-85954号 明細書に記載された方法、 またはそれに準じて製造することができる。
本明細書に記載した化合物は、 公知の方法で塩に変換される。 塩は非毒性で かつ水溶性であるものが好ましい。 適当な塩としては、 アルカリ金属 (力リウ ム、 ナトリウム等) の塩、 アルカリ土類金属 (カルシウム、 マグネシウム等) の塩、 アンモニゥム塩、 薬学的に許容される有機アミン (テトラメチルアンモ 二ゥム、 トリェチルァミン、 メチルァミン、 ジメチルァミン、 シクロペンチル ァミン、 ベンジルァミン、 フエネチルァミン、 ピぺリジン、 モノエタノールァ
ミン、 ジエタノールァミン、 トリス (ヒ ドロキシメチル) ァミノメタン、 リジ ン、 アルギニン、 N—メチル一D—グルカミン等) の塩が挙げられる。
本明細書に記載した本発明化合物またはその非毒性の塩は、 公知の方法によ り、 水和物に変換することもできる。 産業上の利用可能性
[毒性]
本発明化合物の毒性は十分に低いものであり、 医薬品として使用するために 十分安全であると考えられる。
[効果]
一般式 (IA) で示される本発明化合物、 それらの非毒性塩およびそれらの 水和物は、 PPAR7型受容体を制御する作用を有しており、 血糖降下剤、 脂 質低下剤、 糖尿病、 肥満、 シン ドローム X、 抗コレステロール血症、 高リポ蛋 白血症等の代謝異常疾患、 高脂血症、 動脈硬化症、 高血圧、 循環器系疾患、 過 食症等の予防およひ 7または治療剤として有用であることが期待される。
[医薬品への適用]
一般式 (IA) および一般式 (IB) で示される本発明化合物、 その非毒性 の塩、 またはその水和物を上記の目的で用いるには、 通常、 全身的または局所 的に、 経口または非経口の形で投与される。
投与量は、 年齢、 体重、 症状、 治療効果、 投与方法、 処理時間等により異な る力 通常、 成人一人あたり、 1回につき、 lmgから 1000 mgの範囲で、 1 日 1回から数回経口投与される力、、 または成人一人あたり、 1回につき、 0.1 m gから 10 Omgの範囲で、 1日 1回から数回非経口投与 (好ましくは、 静脈内 投与) されるか、 または 1日 1時間から 24時間の範囲で静脈内に持続投与さ
れる。
もちろん前記したように、 投与量は、 種々の条件によって変動するので、 上 記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、 また範囲を越えて必要な場合も ある。
本発明化合物を投与する際には、 経口投与のための内服用固形剤、 内服用液 剤および、 非経口投与のための注射剤、 外用剤、 坐剤等として用いられる。 経口投与のための内服用固形剤には、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 散剤、 顆粒 剤等力含まれる。 力プセル剤には、 ハードカプセルおよぴソフ トカプセルが含 まれる。
このような内)]艮用固形剤においては、 ひとつまたはそれ以上の活 ¾fe物質はそ のままか、 または賦形剤 (ラク トース、 マンニ トール、 グルコース、 微結晶セ ルロース、 デンプン等) 、 結合剤 (ヒドロキシプロピルセルロース、 ポリビニ ルピロリ ドン、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等) 、 崩壊剤 (繊維素グリ コール酸カルシウム等) 、 滑沢剤 (ステアリン酸マグネシウム等) 、 安定剤、 溶解補助剤 (グルタミン酸、 ァスパラギン酸等) 等と混合され、 常法に従って 製剤化して用いられる。 また、 必要によりコーティング剤 (白糖、 ゼラチン、 ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロースフタ レ ート等) で被覆していてもよいし、 また 2以上の層で被覆していてもよい。 さ らにゼラチンのような吸収されうる物質の力プセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤は、 薬剤的に許容される水剤、 懸濁剤 ·乳剤、 シロップ剤、 エリキシル剤等を含む。 このよう な液剤においては、 ひとつまた はそれ以上の活性物質が、 一般的に用いられる希釈剤 (精製水、 エタノールま たはそれらの混液等) に溶解、 懸濁または乳化される。 さらにこの液剤は、 湿 潤剤、 懸濁化剤、 乳化剤、 甘味剤、 風味剤、 芳香剤、 保存剤、 緩衝剤等を含有 していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、 溶液、 懸濁液、 乳濁液および用時溶剤 に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。 注射剤は、 ひとつまた
はそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、 懸濁または乳化させて用いられる。 溶剤 として、 例えば注射用蒸留水、 生理食塩水、 植物油、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 エタノールのようなアルコール類等おょぴそれらの 組み合わせが用いられる。 さらにこの注射剤は、 安定剤、 溶解補助剤 (グル夕 ミン酸、 ァスパラギン酸、 ポリソルべ—ト 80 (登録商標) 等) 、 懸濁化剤、 乳 ィ匕剤、 無痛化剤、 緩衝剤、 保存剤等を含んでいてもよい。 これらは最終工程に おいて滅菌するか無菌操作法によって製造、 調製される。 また無菌の固形剤、 例えば凍結乾燥品を製造し、 その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水ま たは他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためのその他の製剤としては、 ひとつまたはそれ以上の活性物 質を含み、 常法により処方される外用液剤、 軟膏剤、 塗布剤、 吸入剤、 スプレ —剤、 坐剤および膣内投与のためのぺッサリ—等が含まれる。
スプレー剤は、 一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのよ うな安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、 例えば塩化ナトリウム、 クェン酸 ナトリウムあるいはクェン酸のような等張剤を含有していてもよい。 スプレー 剤の製造方法は、 例えば米国特許第 2,868,691号および同第 3,095,355号に詳し く記載されている。 発明を実施するための最良の形態
以下、 参考例および実施例によって本発明を詳述するが、 本発明はこれらに 限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所および T L Cに示されているカツコ内 の溶媒は、 使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、 割合は 比を表わす。
NM Rの箇所に示されている力ッコ内の溶媒は、 測定に使用した溶媒を示し ている。 参者例 1
4 - ( ( I S) — 1— (4—ィソブチルフヱニル) エトキシ) 2, 3—ジメ チル安息香酸
4— ( ( I R S) — 1— (4一イソブチルフヱニル) エトキシ) — 2 , 3 - ジメチル安息香酸(11.4 g、特開平 1-156950号明細書記載の方法で製造した。) および (+ ) — 2—ァミノ一 1, 2—ジフエ二ルエタノール (7.46 g、 ( + ) ADP Eと略す) をァセトニトリル (400 m 1 ) に溶解し、 ー晚放置した。 生成 した結晶をろ別し、 ァセトニトリルで洗浄した。 得られた結晶をァセトニトリ ルを用いて、 更に 3回、 再結晶を行ない、 カルボン酸と (+ ) ADP Eの錯体 (8.23 g) を得た。得られた錯体を 0.5 N塩酸 (150m 1 ) で処理後、 酢酸ェチ ル (130m l ) で抽出し、 水、 飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウム で乾燥後、 濃縮し、 下記物性値を有する標題化合物 (4.77 g) を得た。
[ ]D=-15.0° (c=1.04, CHC13)。 m
4— (2 - (4一 ( ( I S) - 1 - (4—イソプチルフヱニル) エトキシ) ― 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸
参考例 1で製造した化合物 (1.14 g) 、 4— (2—アミノフヱノキシ) ブ夕 ン酸 .ェチルエステル (1.63 g) およびジァミノピリジン (85.4 mg) の塩化 メチレン (5 m l ) 溶液にジシクロへキシルカルボジイミ ド (865 mg) を加え、 一晩還流した。 反応混合溶液を氷冷し、 1 N塩酸で酸性にし、酢酸ェチルで抽出 した。 抽出液を水、 飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 残留物をシリ力ゲルカラムクロマトグラフィ一 (へキサン:酢酸ェ チル =3 : 1) で精製し、 標題化合物のェチルエステル体 (1.25 g) を得た。 ェ チルエステル体をジメ トキシェタン (16 m l ) に溶解し、 1 N水酸ィ匕リチウム 水溶液 (7 m l ) を力 Πえ、 60°Cで 1時間撹拌した。 反応混合溶液を氷冷し、 1 N 塩酸で酸性にし、 酢酸ェチルで抽出した。 抽出液を水、 飽和食塩水で順次洗浄 し、 無水硫酸マグネシゥムで乾燥後、 濃縮した。 残留物をシリ カゲルカラムク 口マトグラフィ一 (へキサン :酢酸ェチル =3: 1→1: 1) で精製し、 へキサン とェ一テルの混合溶媒で結晶化を行ない、 本発明化合物 (980 mg) を得た。
[ ]D =-38.3° (c=1.045, CHC13)。
実施例 1 (1) 〜実施例 1 (3)
実施例 1と同様の目的の操作を行ない、 以下の本発明化合物を得た (
実淪例 1 (1)
4- (2- (4- ( (1 S) -1 (4—イソブチルフヱニル) エトキシ)
2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) ピリジン一 3—ィルォキシ) ブタン酸
TLC : Rf 0.37 (クロ口ホルム : メタノール =9 : 1) ;
NMR (CDC13) : 8 8.00 (IH, d, J=5.5Hz), 7.30-6.95 (8H, m), 6.60 (1H, d,
J=8.5Hz), 5.30 (IH, q, J=7.5Hz), 4.10 (2H, t, J=5.7Hz), 2.55-2.40 (7H, m), 2.30 (3H, s), 2.10 (2H, m), 1.85 (1H, m), 1.65 (3H, d, J=7.5Hz), 0.90 (6H, d, J=6.5Hz)。 実施例 1 ( 2 )
4一 (2— ( 4— ( ( I S ) - 1 - ( 4—イソブチルフヱニル) エトキシ) 一 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) 一 5—メチルフエノキシ) ブタン酸
TLC : Rf 0.43 (クロ口ホルム : メタノール = 10: 1);
NMR (CDC13): δ 8.31 (IH, d), 7.87 (IH, br.s), 7.25 (2H, d), 7.17 (IH, d), 7.10 (2H, d), 6.79 (IH, d), 6.68 (1H, s), 6.61 (1H, d), 5.32 (IH, q), 4.05 (2H, t), 2.4 (7H,
m), 2.31 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.09 (2H, m), 1.83 (IH, m), 1.63 (3H, d), 0.88 (6H, d)c 荬旆例 1 (3)
4 - (2— (4— ( (I S) — 1— (4一イソプチルフヱニル) エトキシ) 一 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) 一 6—フルオロフエノキシ) ブタン酸
TLC:Rf 0.50 (メタノール: クロ口ホルム =1: 10);
NMR (CDC13): δ 8.25 (IH, br), 8.03 (IH, brs), 7.25 (2H, d), 7.15 (1H, d), 7.10
(2H, d), 7.01 (1H, dt, J=5.8, 8.2Hz), 6.81 (1H, ddd, J=1.8, 8.4, 11.4Hz), 6.61 (1H, d), 5.33 (1H, q), 4.17 (2H, t), 2.50 (2H, t), 2.44 (2H, d), 2.40 (3H, s), 2.28 (3H, s), 2.04 (2H, qu), 1.84 (1H, m), 1.63 (3H, d), 0.88 (6H,め。 実施例 2
4 - (2— (4— ( (I S) — 1— (4—イソプチルフ rニル) エトキシ) 一 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸 ' ナトリウム塩
実施例 1で製造した化合物 (980 mg) をエタノール (4.3m 1 ) に加熱溶解し、 2 N水酸化ナトリウム水溶液 (0.95当量) をカロえて、 濃縮した。残留物にエタノ —ルを加えて共沸を行ない、ー晚減圧乾燥を行なった。残留物をエタノール(4.3 m l ) に加熱溶解し、 へキサン (11 m l) をカロえて、 室温で 16時間放置後、 ろ 過を行ない、 へキサンで洗浄後、 減圧乾燥し、 下記物性値を有する本発明化合 物 (834 mg) を得た。
TLC:Rf 0.39 (へキサン:酢酸ェチル:酢酸 =30: 20: 1);
NMR (CD3OD): δ 7.95 (1H, d), 7.32-6.80 (8H, m), 6.71 (1H,d), 5.42 (1H, q),
4.05 (2H, t), 2.50-2.25 (10H, m), 2.15-1.95 (2H, m), 1.85 (1H, m), 1.62 (3H, d), 0.88 (6H, d)。 参者例 2
N— (2—ヒ ドロキシフヱニル) 一2, 3—ジメチルー 4一 ( ( 1 S)
(4一イソブチルフエニル) エトキシ) ベンズアミ ド
参考例 1で製造した化合物 (5 g) およびジメチルホルムアミ ド (1.5 m 1 ) をテトラヒドロフラン (12m l) に溶解し、 窒素気流下、 0°Cでチォニルクロリ ド (1.3m l ) を滴下し、 0°Cで 50分間撹拌した。 2—ヒドロキシァ二リン (2.0 g) およびトリェチルァミン (9.2m l) のテトラヒドロフラン (50m l) に、 0°Cで、 上記酸塩化物の溶液を加え、 室温で 1時間撹拌した。 反応混合溶液に氷 水を力 Dえ、 酢酸ェチルで抽出した。抽出液を水、 1 N塩酸、 水および飽和食塩水 で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 残留物をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィ一 (塩化メチレン :酢酸ェチル =50: 1) で精製し、 標題化合物 (3.95 g) を得た。 参考例 3
N- (2 (3—シァノプロボキシ) フエニル) 一2, 3—ジメチル一 4一 ( (1 S) — 1 (4—イソブチルフヱニル) エトキシ) ベンズアミ ド
参考例 2で製造した化合物 (659 mg) 、 4—プロモブチロニトリル (0.24 m l) および炭酸力リウム (655 mg) の 2—ブタノン (6 m l) 溶液を 100°C で 4時間撹拌した。 反応混合溶液を室温まで冷却後、 氷水を加え、 酢酸ェチル で抽出した。 抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸マグネシゥ ムで乾燥後、 濃縮した。 残留物を混合溶媒 (へキサン:酢酸ェチル =3 : 1) で 再結晶し、 下記物性値を有する標題化合物 (448 mg) を得た。
TLC:Rf 0.40 (へキサン :酢酸ェチル =2: 1);
NMR (CDC13): δ 8.45 (1H, m), 7.90 (1H, br.s), 7.30-7.00 (7H, m), 6.90 (1H, m),
6.60 (1H, d, J = 9Hz), 5.35 (1H, q, J = 6.5Hz), 4.20 (2H, t, J = 6.5Hz), 2.55-2.40 (7H, m), 2.30 (3H, s), 2.15 (2H, m), 1.85 (1H, m), 1.65 (3H, d, J = 6.5Hz), 090 (6H, d, J = 6Hz)。
実施例 3
N- (2— (3— (テトラゾールー 5—ィル) プロボキシ) フエニル) —2, 3—ジメチルー 4_ ( (1 S) — 1— (4ーィソブチルフヱニル) エトキシ) ベンズアミ ド
参考例 3で製造した化合物 (280 mg) 、 アジ化ナトリウム (760 mg) およ ぴ塩化アンモニゥム (760 m g)のジメチルホルムアミ ド(10m 1 )溶液を 100°C で 2 時間撹拌した。 反応混合溶液を室温まで冷却後、 氷水を加え、 酢酸ェチル で抽出した。 抽出液を 1 N塩酸、 水および飽和食塩水で順次洗浄し、 無水硫酸 マグネシウムで乾燥後、 濃縮した。 残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ ィー (クロ口ホルム : メタノール =50: 1) で精製し、 下記物性値を有する本発 明化合物 (150 mg) を得た。
TLC:Rf 0.26 (クロ口ホルム : メタノール =9: 1);
NMR (CDC13): .60 (2H, br), 7.30-7.05 (6H, m), 6.95 (1H, dd, J = 8, 8Hz),
6.80 (1H, d, J = 8Hz), 6.55 (1H, d, J = 8Hz), 5.30 (1H, q, J = 6.5Hz), 3.80 (2H, t, J = 6.5Hz), 3.00 (2H, t, J = 6.5Hz), 2.45 (5H, m), 2.30-2.15 (5H, m), 1.85 (1H, m), 1.65 (3H, d, J = 6.5Hz), 0.95 (6H, d, J = 6.5Hz)。 実施例 4
P P A Rァァゴ二スト活性の測定
1 ) ヒト P P A Rァ受容体を用いたルシフヱラーゼアツセィの材料の調製 全体の操作は、 基本的な遺伝子工学的手法に基づき、 また酵母 One-ハイプリ ッ ド、 または Two-ハイプリッ ドシステムで常法となっている手法を活用した。 チミジンキナーゼ (TK) プロモーター支配下のルシフェラ一ゼ遺伝子癸現べ クタ一として、 PicaGene Basic Vector 2 (商品名、 東洋ィンキ社、 カタログ No. 309-04821)からルシフェラ一ゼ構造遺伝子を切り出し、 TKプロモーターをもつ ρΤΚ β (クロンテック社、 カタログ No. 6179-1) から必要最小のプロモータ一 活性として TKプロモータ一 (一 105 + 51) 支配下のルシフェラ一ゼ遺伝子発 現べクタ一 pTK-Luc.を作成した。 TKプロモーター上流に酵母の基本転写因子で ある G a 1 4蛋白の応答配列、 U A Sを 4回繰り返したェンハンサー配列を揷 入し、 4X U A S— T K一 L u を構築し、 レポーター遺伝子とした。以下に用 いたェンハンサー配列 (配列番号 1 ) を示す。 配列番号 1 : G a 1 4蛋白応答配列を繰り返したェンハンサ一配列
5'T(CGACGGAGTACTGTCCTCCG)x4 AGCT-3' 酵母 G a 1 4蛋白の D N A結合領域のカルボキシル末端に核内受容体ヒ ト
P P A R 7受容体のリガン ド結合領域を融合させたキメラ受容体蛋白を発現す るべクタ一を以下のように作成した。 すなわち、 PicaGene Basic Vector 2 (商品名、 東洋インキ社、 カタログ No. 309-04821) を基本発現ベクターとしてプロモータ
一領域はそのままに、 構造遺伝子をキメラ受容体蛋白のそれに 交換した。
G a 1 4蛋白の DNA結合領域、 1番目から 147番目までのアミノ酸配列 をコードする D N A下流にヒト P P A R 7受容体のリガンド結合領域をコード する DN Aがフレームが合うように融合して、 PicaGene Basic Vector 2 (商品名) のプロモータ— .ェンハンサー領域下流に挿入した。 この際、 発現したキメラ 蛋白が核内に局在すベく、 ヒト P P A Rァ受容体のリガンド結合領域のァミノ 末端には SV40 T-antigen由来の核移行シグナル、 A l a P r o L y s L y s L y s A r g L y s V a 1 G 1 y (配列番号 2) を配し、 一方、 カルボキ シ末端には発現蛋白質の検出用にェピトープタグシークェンスとして、 インフ ルェンザのへマグルチニンェピトープ、 T y r P r o T y r As p V a 1 P r o As p Ty r A l a (配列番号 3) と翻訳停止コドンを順に配するよ うな DN A配列とした。 ヒト P P A Rァ受容体のリガンド結合領域として用いた構造遺伝子部分は、 R. Mukherjeeら(J. Steroid Biochem. Molec. Biol, 51, 157 (1994)参照)、 M. E. Green ら (Gene Expression, 4, 281 (1995)参照) 、ん Elbrechtら (Biochem Biophys. Res. Commun., 224, 431 (1996)参照または A. Schmidtら (Mol. Endocrinology, 6, 1634 (1992)参照) に記載されたヒト P PAR受容体の構造比較から、 ヒ ト PPARァ リガンド結合領域: S e r 6— τ y r 478 (ヒ ト PPARァ 1 受容体、 ヒト PPARァ 2受容体では S e r 204_Ty r 506に相当し、 全く同 じ塩基配列である。 ) をコードする DNAを使用した。 また、 基本転写に対す る影響をモニタ一すべく、 P PARリガンド結合領域を欠失した G a 1 4蛋白 の DN A結合領域、 1番目から 147番目までのアミノ酸配列のみをコードす る DN Aを有する発現ベクターも併せて調整した。 2 ) ヒト P PAR 7受容体を用いたルシフェラーゼアツセィ
宿主細胞として用いた CV-1細胞は常法に従って培養した。 すなわち、 ダルべ ッコ改変イーグル培地(DMEM)に牛胎児血清(GIBCOBRL社、カタログ No. 26140-061) を終濃度 1 0 %になるように添加し、 さらに終濃度 5 0 U/m 1のぺ ニシリン Gと 50 g/m 1の硫酸ストレブトマイシンを加えた培地にて、 5%炭 酸ガス中、 3 7°Cで培養した。
レポーター遺伝子、 G a 1 4—P PAR発現べクタ一の両 D N Aを宿主細胞 内へ導入するトランスフエクションに際し、 細胞を予め 1 0 c m dishに 2 X 1 0 6cells播種しておき、血清を含まない培地で一回洗浄操作を施した後、同培地 10 m 1を加えた。 レポーター遺伝子 1 0 g、 G a l 4— P PAR発現べクタ 一 0.5 μ gヒ LipofectAMINE (商品名、 GIBCOBRL社、カタログ No. 18324-012) 5 0 / 1をよく混和し、 上記培養 dish に添加した。 3 7 °Cで培養を 5〜 6時間 続け、 1 0m lの透析牛胎児血清 (GIBCOBRL社、 カタログ No. 26300-061) 2 0%を含む培地を加えた。 3 7 °Cでー晚培養した後、細胞をトリプシン処理に よって分散させ、 8000cells/l 0 0m l DMEM 1 0 %透析血清/ wellの細胞密 度で 9 6穴プレートに再播種し、 数時間培養し細胞が付着したとき、 検定濃度 の 2倍濃度を含む本発明化合物の DMEM 1 0%透析血清溶液 1 0 0 1を添 加した。 3 7°Cで 4 2時間培養し、 細胞を溶解させ、 常法に従ってルシフェラ —ゼ活性を測定した。 なお、 本実験で、 P PA R 7に対して、 既に血糖降下剤として上市されてい る、陽性対照化合物トログリタゾン (Cell,≤2, 863 (1995)、 Endocrinology, 122, 4189 (1996)および J. Med. Chem., 22, 665 (1996)参照) 10 μ Μ添加時のルシフェラーゼ 活性を 1.0としたときの本発明化合物の相対活性を表 1に示した。 さらに、有望 化合物に対しては、 3回実施して再現性を検討し、 また、 用量依存性の有無を 確認した。
ム¾¾;县 陽性対照化合物 (トログリタゾン)
111口 /せ
の活性を 1とした場合の相対活性 化合物 1 0. 33 化合物 2 0. 09 化合物 3 0. 22 化合物 4 0. 74 化合物 5 0. 1 5 化合物 6 0. 1 2 実施例 1 (1) で
丄 . 丄 U
製造された化合物 実施例 2で
1. 00
製造された化合物 実施例 3で
1. 55
製造された化合物
删 5
血糖および血中脂質の低下作用
C57BL/KsJ-db/dbマウス (10匹) を 8週齢で入荷後、 2週間の予備飼育を行な つた後、 実験を開始した。 実験開始当日 (0日) 、 尾静脈から採血し、 血糖値、 体重に基づく群分けを行ない、 翌日より 14日間連続で本発明化合物を 1日 1 回、 経口投与 (I00mg/k g/day) を行ない、 経日的 (4日目、 7日目、 1 1日 目、 1 4日目) に採血し、 血糖値を測定した。 結果を表 2に示す。 実験最終日 (1 5日目) には、 エーテル麻酔下で腹部大静脈より全採血して血中脂質 (遊 離脂肪酸 (FFA) 、 トリグリセライ ド (TG) ) を測定した。結果を表 3に示す。
血糖値(mg/dl)
0曰 4曰 7曰 0曰 14曰 コン卜ロール 628±70 595 + 86 572 ±64 617 + 46 633 ±76 実施例 2で
製造された 628 + 55 438 + 93* 389±123** 384 ±137** 387 ± 147* 化合物
(100mg/kg/day)
p<0.05 vsコントロール(1群 10匹) : p<0.01 vsコントロール(1群 10匹)
FFA TG
(mg/dl) (mg/dl) コントロ一ル 646 ±124 79±25 実施例 2で
製造された化合物 375 ±166' 53±23 (I00mg/ka/day) p<0.01 vsコントロール(1群 10匹)
[製剤例]
製吝 II例 1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、 一錠中に 1 0 Omgの活性成 分を含有する錠剤 100錠を得た。
• 4— (2 - (4— ( ( 1 S) — 1一 (4—イソプチルフヱニル) エトキシ) 一 2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸 'ナトリウム塩
…… 1 0。 0 g
'線維素グリコール酸カルシウム (崩壊剤) …… 0. 2 g ' ステアリン酸マグネシウム (潤滑剤) …… 0. 1 g
'微結晶セルロース …… 9. 7 g 製剂例 2
以下の各成分を常法により混合した後、 溶液を常法により滅菌し、 5m lずつ、 アンプルに充填し、 常法により凍結乾燥し、 1アンプル中、 2 0mgの活性成 分を含有するアンプル 100本を得た。
· 4— (2 - ( 4 - ( (1 S) — 1— (4—ィ ソプチルフエ二ル) エトキシ) —2, 3—ジメチルベンゾィルァミノ) フエノキシ) ブタン酸 ' ナトリウム塩
…… 2 g
'マンニッ ト 5 g
'蒸留水 …… 1000 m l