WO1998037366A1

WO1998037366A1 - Appareil de combustion pour combustible liquide et meche de combustion

Info

Publication number: WO1998037366A1
Application number: PCT/JP1998/000632
Authority: WO
Inventors: Hideo Mifune; Yasuaki Nakamura; Takashi Tsukamoto
Original assignee: Tokai Corporation
Priority date: 1997-02-20
Filing date: 1998-02-17
Publication date: 1998-08-27
Also published as: EP0908680A1; EP0908680A4; CN1121577C; US6102688A; CN1224492A; ID20260A; KR20000064962A

Description

曰月糸 ffl « 液体燃料用燃焼器具およびその燃焼芯技術分野

本発明は、アルコール燃料等を使用するライター等の液体燃料用燃焼器具における液体燃料を吸い上げて燃焼させる燃焼芯およびこの燃焼芯を備えた液体燃料用燃焼器具に関するものである。

特に、本発明は、喫煙具用ライ夕一、トーチ、ランタン等の点火器、照明具などの燃焼器具において、アルコール類、ベンジン系炭化水素、石油系炭化水素等の液体燃料を使用するもので、所望の燃焼状態を得るための燃焼芯および燃焼芯周辺の構成に関するものである。

背景技術

一般に、喫煙具用ライター、点火器、トーチ、照明具等の燃焼器具における燃料としては、エチルアルコール等のアルコール燃料、石油ベンジン系のベンジン燃料、ブタンガス、プロパンガス等の液化ガス燃料が利用されている。

そして、使用燃料の種類に応じてそれそれの燃焼器具の性能、使い勝手、設計構造が異なり、それそれの特徴を有する。例えば、液化ガス燃料の場合には、燃焼器具の使用温度範囲でガス圧が高く、燃料を貯蔵する容器は耐圧構造が必要とされる。また、上記ガス圧の変動に応じて炎長が変化し、特にそのガス圧は温度に対し対数的に大きく変動する特性があり、温度に対する炎長の変化が大きい問題を有する。この炎長変化を少なくするためには燃焼器具の燃料供給機構に温度補正を行う特別の設計対策を要し、構造が複雑になると共にコスト面で不利となこれに対し、アルコール燃料等の液体燃料は常温で液体であり、蒸気圧も比較的低く、燃料貯蔵部の耐圧容器が不要で、燃焼器具の構造の簡素化、コスト面で有利となる。また、この液体燃料用燃焼器具では、液体燃料を燃料貯蔵部から燃焼部への燃料供給を行う手段として、一般には、液体燃料の表面張力を利用して、連続細孔または細い繊維を束ねた細隙を毛管現象により吸い上げ、先端部で燃焼させる燃焼芯を使用している。

具体的には、上記燃焼芯は、燃料の吸い上げには繊維を撚つた紐状のもの、ガラス繊維を束ねたもの、或いはこの両者を使用しガラス繊維を綿糸で包み込み、これが解けないよう金属細線を織り込んだものなどを利用し、下端部分が燃料吸い上げに機能し、上端先端部で燃焼を行うようにしている。

また、上記燃焼芯の燃焼部分は、不使用時には液体燃料の揮発を防止するために、開閉作動する閉塞キャップによって密閉する必要がある。さらに、燃焼芯に対する着火を行うために、燃焼芯に隣接して火花を飛ばすヤスリ車等の着火部材の設置も必要となる。

しかして、上記のようなライ夕一等の燃焼器具のコンパクト化を図ろうとする際に、前述の閉塞キヤップは一端部を支点として開閉作動するように設けられるのが一般的であり、燃焼芯の燃焼部分を密閉する密閉部分は円弧状の軌跡を通ることになり、その軌跡が燃焼芯先端部、芯ホルダ一およびヤスリ車等と干渉しないようにすることがコンパクト化の障害となっている。

特に、燃焼芯の芯ホルダー部分を密閉するについては、その外周部に閉塞キヤップの密閉端部が被さるように、ヤスリ車等の着火部材との間に介在することになり、着火部材との干渉を避けるようにこの着火部材を燃焼芯から離して配置すると、例えば火花の到達距離が長くなつて着火性の低下を招く問題を有する。このことから、着火部材は燃焼芯に対して接近して配設し、着火性を確保することが望まれる。

一方、燃焼芯に対して着火部材を接近させると、燃焼炎周辺の空気の流れが変化して、この着火部材が燃焼炎に接近するほど燃焼炎に対する 2次空気の流入が妨げられ、炎が着火部材側に膨らんで炎の縁部が接近または接触する傾向にあり、このヤスリ車等の着火部材の温度上昇を招く恐れがある。例えばヤスリ車が加熱されると、そのプラスチックで形成されている支持部に伝熱して、この支持部が溶融し、ヤスリ車に対して押し付けられている発火石の押し付け力によりヤスリ車が脱落して使用不能となる恐れがある。

さらに、燃焼芯としてガラス繊維等の繊維材を束ねただけのものを用いた場合には、前記閉塞キャップの端部が芯先端に接触して、または煙草等の被点火物が芯先端に触れて、燃焼芯の先端部のガラス繊維束が乱れて拡がると、後述の図 8 に示すように燃焼炎が太くなり、前述のヤスリ車等の着火部材に接近する可能性があると同時に、散開した芯先端の一部が閉塞キヤップの密閉部分に挟まって揮発防止機能が低下する恐れもある。

本発明は上記事情に鑑み、燃焼部分の形状変更によって閉塞キヤップとの干渉を避けつつ着火部材を燃焼芯に対して接近可能とした液体燃料用燃焼器具における燃焼芯を提供せんとするものである。

さらに、本発明は、芯ホルダーの形状変更によって閉塞キャップとの干渉を避けつつ着火部材を燃焼芯に対して近接した位置に配置して着火性を確保すると共に、燃焼炎が着火部材側へ膨らむのを防止して昇温状態となるのを回避するようにした液体燃料用燃焼器具を提供せんとするものである。

発明の開示

上記課題を解決した本発明の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯は、液体燃料を吸上部分によって毛管現象により吸い上げ燃焼部分で燃焼するについて、上記燃焼部分を先端部が細くなる形状に設けたことを特徴とするものである。

また、前記閉塞キヤップを一端部の支点によつて開閉作動するように設けたものに対して、この閉塞キヤップの支点と反対側の燃焼部分の先端部を除去して先端部が細くなるように設けるものである。

さらに、前記燃焼部分をガラス繊維で構成したものでは、その先端部を筆の穂先状に尖った形状に熔融結束したものが好適である。この燃焼芯は、ガラス繊維を束ね、その一部を高温バーナーで加熱熔融すると共に熔融部分を引き延ばして分離することで形成可能である。

一方、前記燃焼芯は、連続気泡を有する多孔質ガラス材または焼結多孔質セラミックス材よりなる燃焼部分を先細形状に構成したものでもよい。

また、前記燃焼芯としては、燃焼部分と吸上部分とで異なる素材で形成したものの他、燃焼部分と吸上部分とを同一の素材で一体に形成したものでもよい。液体燃料としては、アルコール系燃料、例えば、メチルアルコール、ェチルァルコールまたはプ口ビルアルコ一ルによる低級 1価アルコールを主成分とし、これに炎に着色するためのへキサンまたはヘプタン等の飽和炭化水素を混合したもの、その他、ベンジン系炭化水素、石油系炭化水素等が使用される。

上記のような燃焼芯によれば、燃焼部分を先端部が細くなる形状に設けたことにより、閉塞キャップとの干渉を避けることで、閉塞キャップと燃焼芯との設置距離の短縮化を図れると共に、燃焼芯と着火部材との設置距離の短縮化も図ることができて、しかも、閉塞キャップを小さく形成することが可能となって、さらに設計自由度が増し、燃焼器具のコンパクト化、低コスト化等が実現できるものである。

また、ガラス繊維よりなる燃焼部分の先端部を熔融結束したもの、或いは多孔質ガラス材または多孔質セラミックス材よりなる燃焼部分を先細形状としたものでは、燃焼芯に対して揮発防止用の閉塞キャップを被せ、蓋部が燃焼芯先端部に接触しても、または、煙草等の被点火物が接触しても、燃焼芯の先端部が散開するなどの変形を生じることがない。従って、長時間の繰り返し使用によっても、燃焼芯の形態が変化せず、燃焼炎についても安定した形状が維持でき、燃焼炎が近接部品に接近若しくは触れることがなくその昇温を未然に防止することができ、さらに、閉塞キヤップの開閉に対してその隙間に挟まれることなく良好な密閉状態が確保できる。特に、束ねたガラス繊維を加熱熔融し、熔融部分を引き延ばして燃焼芯の燃焼部を形成したものでは、その熔融結束が簡便であると共に良好な形状に設けることができる。

さらに、本発明の液体燃料用燃焼器具は、液体燃料を吸上部分によって毛管現象により吸い上げ燃焼部分で燃焼する燃焼芯と、該燃焼芯の燃焼部分に着火する着火部材と、前記燃焼芯の燃焼部分を開閉可能に密閉する揮発防止用の閉塞キヤップとを備え、前記燃焼芯の先端燃焼部分め外周に該燃焼芯を保持する芯ホルダ一を設け、該芯ホルダーの先端部を周方向で異なる高さに形成し、その高さが高い先端部分が前記燃焼芯の燃焼部分と前記着火部材との間に介在するように配置したことを特徴とするものである。

また、前記閉塞キャップを一端部の支点によって開閉作動するように設け、前記燃焼芯の燃焼部分を密閉する密閉部の縁部が芯ホルダーの先端部形状に対応して、周方向で異なる高さに形成したものが好適である。

また、上記のような芯ホルダーに保持する燃焼芯としては、燃焼部分と吸上部分とで異なる素材で形成したものの他、燃焼部分と吸上部分とを同一の素材で一体に形成したものも使用可能である。

さらに、前記芯ホルダーの先端部を周方向で異なる高さに形成する構造は、後述の実施の形態のように芯ホルダ一の先端を傾斜面に形成するものの他、芯ホルダ一の先端部を段状に形成するように設けても良い。

上記のような燃焼器具によれば、燃焼芯を保持する芯ホルダーの先端部を周方向で異なる高さに形成し、高さの高い部分を燃焼芯と着火部材との間に介在するように配置したことにより、この芯ホルダ一に保持された燃焼芯による燃焼では、燃焼炎の中心位置が燃焼炎の中心から着火部材と反対側に離れる方向へ偏位し、ヤスリ車等の着火部材を燃焼芯に接近して配設することが可能となる。しかも、上記のような芯ホルダ一の形態は閉塞キャップを小さく形成することが可能となつて、この閉塞キヤップと干渉することなくかつ昇温を防止しつつ着火部材を接近して配置して良好な着火性が確保でき、さらに設計自由度が増し、コンパクト化、低コスト化等が実現できるものである。

また、前記閉塞キヤップの密閉部の先端部形状を芯ホルダーの先端部形状に対応して周方向で異なる高さに形成したものでは、燃焼芯の揮発防止用の密閉構造における内径、高さ等の寸法を小さくすることができ、その開閉作動に対する軌跡が小さくなり、着火部材の近接配置が可能となり、コンパクト化に寄与できる一方、上記のような芯ホルダ一に保持する燃焼芯についても、閉塞キャップの開閉作動における支点と反対側の燃焼部の先端部を除去した形状に、例えば、ガラス繊維による燃焼芯の先端部を筆の穂先状に尖った形状に熔融結束するか、焼結成形したものでは、閉塞キヤップの開閉作動に対する干渉をさらに回避して、閉塞キヤップの小型化が図れる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施の形態に係る燃焼芯を組み込んだ液体燃料用燃焼器具の一例としてのライ夕一の概略断面図、

図 2は、本発明の第 2の実施の形態に係る燃焼芯を組み込んだ液体燃料用燃焼器具の一例としてのライ夕一の概略断面図、

図 3は、本発明の第 3の実施の形態に係る燃焼芯を組み込んだライ夕一の概略断面図、

図 4は、本発明の第 4の実施の形態に係る燃焼芯を組み込んだライ夕一の概略断面図、

図 5は、本発明の第 5の実施の形態に係る閉塞キヤップによる燃焼芯のシール構造例を示す要部断面図、

図 6は、本発明の第 6の実施の形態に係る燃焼芯の保持構造および上蓋への取付構造例を示す要部断面図、

図 7は、第 1の実施の形態におけるガラス繊維による燃焼芯の先端部の熔融結束処理行程を示す説明図、

図 8は、実験例 1における比較例としてのライターにおける燃焼炎の形態変化状態を示す概略断面図、

図 9は、本発明の第 7の実施の形態に係る液体燃料用燃焼器具の一例としてのライターの概略断面図、

図 1 0は、本発明の第 8の実施の形態に係るライターの概略断面図、図 1 1は、本発明の第 9の実施の形態に係るライ夕一の概略断面図、図 1 2は、本発明の第 1 0の実施の形態に係るライ夕一の概略断面図、図 1 3は、本発明の第 1 1の実施の形態に係るライ夕一の概略断面図、図 1 4は、本発明の第 1 2の実施の形態に係る閉塞キャップによる燃焼芯のシール構造例を示す要部断面図、

図 1 5は、本発明の第 1 3の実施の形態に係る燃焼芯の保持構造および上蓋への取付構造例を示す要部断面図、

図 1 6は、第 7の実施の形態の燃焼芯の他め例を示す概略断面図、

図 1 7は、本発明ライ夕一における燃焼芯に対して金属板を接近させて配置した際の炎の形状変化を測定した実験例 2の結果を示すグラフ、

図 1 8は、比較例ライ夕一における燃焼芯に対して金属板を接近させて配置した際の炎の形状変化を測定した実験例 2の他の結果を示すグラフである。

発明を実方包するための最良の形態以下、本発明の液体燃料用燃焼器具およびその燃焼芯の実施の形態を図面に沿つて説明する。 <第 1の実施の形態〉

図 1に本例の燃焼芯を組み込んだ液体燃料用燃焼器具の一例としてのライ夕一の概略断面構造を示す。

燃焼芯 6は、上部の燃焼部 6 1と下方の吸上部 6 2とで異なる素材で分離形成され、燃焼^ 6 1の下端部と吸上部 6 2の上端部とが接触された状態で両者が芯ホルダー 7によって結合されている。

前記燃焼部 6 1はガラス繊維で構成され、例えばガラス繊維糸を束ね、その先端部 6 1 aが熔融結束されて筆の穂先状に尖って形成されている。

その形成は、図 7に例示するように、（A ) のようにガラス繊維糸 Fを円柱状に必要径になるように束ね紐状とし、この繊維束の中間部を高温バーナー炎 Gで加熱する。そして、（B ) のように、加熱部分のガラス繊維糸 Fを熔融すると共に、ガラス繊維束の両側を外側に引っ張る。これにより熔融部分のガラス繊維は相互に熔融接合して結束されると共に、引き延ばされて先端部が筆の穂先状に尖る。さらに、（C ) に示すように、根元部 6 1 bを所定寸法に例えば斜めに切断して、先端部 6 1 aが結束された燃焼芯 6の燃焼部 6 1を作製してなる。

上記のような燃焼部 6 1の根元部分を金属による円筒状の芯ホルダー 7に挿入し、固定している。また、前記吸上部 6 2は、ポリエチレン粉体を成型焼結して、径の大きい頭部 6 2 aを有する棒状に形成してなり、脚部から燃料タンク 2の上蓋 4の装着孔に挿入して、吸上部 6 2の頭部 6 2 a下端を上蓋 4の孔下端の係止部で保持し、上方から芯ホルダ一 7の外周部の接合ネジ 7 aを 0リング 1 8を介してネジ孔 4 aに締め付けることで燃焼部 6 1を吸上部 6 2に接合しつつ上蓋 4 に取り付けている。

上記燃焼芯 6は、燃焼部 6 1のガラス繊維の太さ、本数、長さにより、着火した場合の燃料消費量、炎の形状、炎の長さが設定される。これに対し、前記吸上部 6 2は、その太さ、焼結ポリエチレン粉体の粒径、焼結密度等により、内部の空隙の形成態様が異なり、燃料の吸い上げ、供給特性が設定される。また、吸上部 6 2の頭部 6 2 aは径が大きく形成されて容積が大きく、液体燃料を保持する燃料溜を構成するもので、この燃料溜により燃焼の安定化が得られる。

例えば、喫煙具用ライ夕一に組み込む燃焼芯 6の場合には、前記燃焼部 6 1のガラス繊維は、太さが 6〃m、繊維密度（目付量）が 1 5 0 mg/cin³ 、外径が 3 mm、長さが 1 O mmとなったものを芯ホルダ一 7に挿入して、芯ホルダ一 7の先端部から 3匪の長さ突出するように設けている。一方、吸上部 6 2は、平均粒子サィズが 1 4 0メッシュで、 7 0 ~ 2 0 0メッシュの粒子の混合物であるポリェチレンの粉体を成形型に入れ、 1 7 0 °Cで 1 0分間焼結してなり、頭部 6 2 aの外径が 4 . 2腿で長さが 3廳、下方の脚部は外径 4 mm、長さが 3 7匪に形成している。

上記のような燃焼芯 6は、燃焼器具としてのライター 1に組み込んで、吸上部 6 2を燃料貯蔵部 5に挿入して液体燃料を吸い上げて燃焼部 6 1に供給して、この燃焼部 6 1の先端部 6 1 aに着火部材 1 0によって着火されて燃焼が行われるもので、連続燃焼を継続して行う場合には、燃焼部 6 1の燃料消費量に対し、吸上部 6 2による燃料供給量がそれ以上となる特性に設定することで、燃焼部 6 1 での燃焼は炎の形状、長さを変えずに継続される。

次に、前記ライ夕一 1の構造を説明する。ライター 1は、有底筒状のタンク 2 を有し、このタンク 2の内部には繊維材 3 (中綿）が挿入され、タンク 2の上部には上蓋 4が固着されて、液体燃料を貯蔵する燃料貯蔵部 5が構成されている。例えば、上記タンク 2は、ポリプロピレンによる成形品で、内容積が 5 cm³ に設けられている。繊維材 3は、太さが 1〜2デニールのポリプロピレン繊維を、タンク 2内に密度 0 . 1 g /cm³ で押し込んでなり、この繊維材 3にェチルアルコール 9 5 w t %、 n—へキサン 5 w t %を混合した液体燃料が 4 g注入含浸されて貯蔵される。

さらに、前記上蓋 4の中央をタンク 2内に垂直に貫通して前記燃焼芯 6が嵌揷され、芯ホルダ一 7の部分が上蓋 4に固定されている。この燃焼芯 6の吸上部 6 2の下端部は前記夕ンク 2内の繊維材 3に接触し、該繊維材 3に含浸された液体燃料を毛管現象を用いて吸い上げる。そして、この燃焼芯 6の燃焼部 6 1には着火され炎を生じて燃焼するものであり、前述のように、炎長が 3 0誦となるように芯ホルダー 7からの燃焼部 6 1の突出量を約 3 mmに調整している。

前記上蓋 4には燃焼芯 6の燃焼部 6 1の先端と対向して着火部材 1 0が配設され、この着火部材 1 0は上蓋 4に固定されるブラケット 1 1内に上下方向に移動可能に発火石 1 2が挿入され、ブラケット 1 1の上端には燃焼炎 Hに最も近接した近接部材としての回転ヤスリ 1 3が設けられ、該回転ヤスリ 1 3の周面に発火石 1 2の先端が石押しスプリング 1 4の付勢力によって押圧される構造に設けられ、回転ヤスリ 1 3の回転操作によって燃焼芯 6に向けて火花が飛ぶように設けられている。 '

前記燃焼芯 6の燃焼部 6 1を芯ホルダー 7の突出部と共に、開閉可能に覆う揮発防止用の閉塞キャップ 1 6が設けられ、この閉塞キャップ 1 6は前記燃料タンク 2における上蓋 4の上面の一端部にビン 1 7によって回動可能に枢支されている。また、前記芯ホルダ一 7の外周根元部分に 0リング 1 9が取り付けられ、閉塞キャップ 1 6の密閉部の内周面が圧接して密閉性を高めている。

上記ライター 1は、組付け状態において燃焼芯 6の燃焼部 6 1の上端は、回転ヤスリ 1 3と発火石 1 2の接点の高さより 2 . 5扁高く、また、燃焼芯 6の中心と回転ヤスリ 1 3の中心との間隔が 1 O mmとなる位置関係に設定されている。燃焼状態における炎 Hの形状は、炎長が 3 O mmとなるように設定した状態において、炎幅が 9 mm、最も炎幅が太い位置が炎下端より 3誦となる形状であり、この燃焼炎 Hは着火部材 1 0である回転ヤスリ 1 3に触れることなく燃焼している c そして、上記実施の形態のライタ一 1では、燃焼芯 6の燃焼部 6 1の先端部 6 1 aを細く形成したことで、閉塞キャップ 1 6の支点 1 Ί (ピン）に対する上記燃焼芯 6の先端と芯ホルダー 7とに接触しない円弧の回転半径が小さくなり、これに伴い閉塞キャップ 1 6の支点と燃焼芯 6との距離が短縮でき、しかも閉塞キヤップ 1 6の密閉部の内径を芯ホルダー 7の外径に対して大きく拡げる必要はなく、閉塞キヤップ 1 6およびライター 1を小型に構成することが可能になった。つまり、前記閉塞キャップ 1 6の支点位置は、その開閉動作の際、閉塞キヤップ 1 6内面が燃焼芯 6先端および芯ホルダー Ίの先端に掛からないように設定する必要があり、燃焼芯先端部 6 l aを細くせず、例えば無結束状態のガラス繊維による燃焼芯を使用したライ夕一においては、閉塞キャップ 1 6の支点と燃焼芯 6の中心との距離を比較的長くして回動円弧を大きく設定することになつて、閉塞キャップ 1 6およびライ夕一の全体構造が大きくなる（図 8参照）。また、単に上記支点と燃焼芯 6との距離を短くしたい場合は、閉塞キャップ 1 6の密閉部の内径を大きくすれば可能であるが、芯ホルダー 7の外径から離れた位置に閉塞キヤヅプ 1 6が回動することになり、ヤスリ車 1 3との干渉を避けるためには燃焼芯 6とヤスリ車 1 3との距離が長くなつてしまうが、この点本発明では上記のようにコンパクト化が可能である。

<第 2の実施の形態 >

この例のライター 1は、図 2に示すように、燃焼芯 6が第 1の実施の形態とは異なる材料によって形成されている。

この例の燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、多孔質セラミック焼結体によって丸棒状に成形されて、内部には連続気泡（毛管通路）を含み、先端部は細く形成されている。この燃焼部 6 3の上端部が芯ホルダー 7の先端より所定量（3 mm) 突出して装着され、この突出量、径等の設定により燃焼炎 Hの大きさが決定される。例えば、外径 3 . O mm、長さ 1 O mmに設けられる。

一方、前記燃焼部 6 3の下端部に先端部が接触する吸上部 6 2は、前記と同様にポリエチレン粉体の焼結体による多孔質材で丸棒状に形成されている。そして、前記燃焼部 6 3の上部外周には係合溝 6 3 cが設けられ、この係合溝 6 3 cに芯ホルダー Ίの上端部の中心方向に向かう突起 7 bが係合されて保持され、この燃焼部 6 3と共に芯ホルダ一 7を上蓋 4に螺合することによって、燃焼部 6 3の下端部が吸上部 6 2の上端部と接合一体化される。

また、上記燃焼芯 6および芯ホルダ一 Ίの突出部を密閉する閉塞キヤップ 1 6 は、その密閉部の先端部にシール部材 2 0が取り付けられ、閉塞キャップ 1 6の閉塞作動時にこのシール部材 2 0が芯ホルダー 7外周の上蓋 4に圧接してシールするように設けられている。その他は第 1の実施の形態と同様に形成され、同一構成部品には同一符号を付してその説明を省略する。

<第 3の実施の形態 >

この例のライタ一 1は、図 3に示すように、燃焼芯 6の先端部形状のみが第 2 の実施の形態と異なり、その他は同一に設けられている。

燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、多孔質セラミック焼結体によって丸棒状に成形され、先端部は閉塞キャップ 1 6の支点ピン 1 7と反対側部分が傾斜状態（曲面でもよい）に除去されている。これにより、閉塞キャップ 1 6の開閉回動に対する燃焼部 6 3の干渉を避けて両者の近接配置が行えるようにしている。

<第 4の実施の形態 >

この例のライ夕一 1は、図 4に示すように、燃焼芯 6が同一の素材で一体形成された例である。その他は第 2の実施の形態（図 2 ) と同様に設けられている。燃焼芯 6ほ、燃焼部 6 3と吸上部 6 4とが多孔質セラミック焼結体によって一体に形成され、芯ホルダー 7に保持されたものであり、その形状は図 2のものと同一である。

<第 5の実施の形態 >

図 5 ( A ) から（E ) に閉塞キャップ 1 6による燃焼芯 6の燃焼部分のシール構造を各種例示している。

( A ) は、上蓋 4の上面に、芯ホルダ一 7の外周にシ一ル部材 2 5を配置し、このシール部材 2 5に閉塞キャップ 1 6の先端部 1 6 bが圧接することで密閉する構造である。

( B ) は、上蓋 4の上面における芯ホルダー 7の外周に環状突起 4 bを設け、一方、閉塞キヤップ 1 6の密閉端部 1 6わにリング状のシール部材 2 6を取り付け、上記環状突起 4 bに圧接してシール性を得る構造である。

( C ) は、前記図 1と同様のシール構造であり、芯ホルダ一 7の外周に水平に 0リング 2 7を装着し、これに閉塞キャップ 1 6の内周面が当接してシール性を得る構造である。

( D ) は、芯ホルダー 7の先端外周に、環状にシール部材 2 8を設け、閉塞キヤップ 1 6の密閉端部 1 6 bを押圧してシール性を得る構造である。

( E ) は、芯ホルダ一 7の先端面に環状突起 7 cを設け、閉塞キヤヅプ 1 6の密閉端部 1 6 bにシール部材 2 9を取り付け、これを上記環状突起 7 cに押圧してシ一ル性を得る構造である。

<第 5の実施の形態 >

図 6 ( A：) 〜（F ) に燃焼芯 6の燃焼部と吸上部との接合または係止構造および燃焼芯 6を芯ホルダー 7と共に燃料タンクの上蓋 4に取り付ける構造を各種例示している。

( A ) は、芯ホルダー 7内に燃焼芯 6の燃焼部 6 3と吸上部 6 2の頭部を挿入してから、芯ホルダ一 7の下端部（または上端部）を力シメて結合し、この芯ホルダ— 7の外周部の接合ネジ _{7 a}を、上蓋 4に設けたネジ孔 4 aに底部に 0リング 1 8を介して螺合して取り付けた構造である。

( B ) は、第 2の実施の形態（図 2 ) に示したものと同等であり、芯ホルダ一 7の下端部はカシメなくて、吸上部 6 2の頭部下端は上蓋 4のネジ孔 4 aの底部で係止保持し、上方から芯ホルダー 7を 0リング 1 8を介して締め付けることで燃焼部 6 3を吸上部 6 2に接合しつつ上蓋 4に取り付ける構造である。

( C ) は、芯ホルダ一 7に接合ネジを形成せず、締結リング 3 3を介して取り付けるもので、この締結リング 3 3の上係止部 3 3 aを芯ホルダ一 7の段部 7 d に係止して締結リング 3 3外周の接合ネジ 3 3 bを上蓋 4のネジ孔 4 aに螺合して取り付ける構造であり、芯ホルダ一 7に対する燃焼芯 6の固定は（A ) と同様である。

( D ) は、芯ホルダ一 7の上蓋 4への取付けは（C ) と同様の構造であり、燃焼芯 6の固定構造は（B ) と同様の構造であり、これらを組み合わせている。

( E ) は、芯ホルダ一 7の外周部に凹溝 7 eを形成する一方、上蓋 4には弾性が付与された係止突起 4 eを設け、芯ホルダー 7の底部を上蓋 4に圧入して係止突起 4 eの先端を凹溝 7 eに係止して取り付ける構造であり、燃焼芯 6の保持は前記（A ) と同様である。

( F ) は、芯ホルダ一 7の上蓋 4に対する取付けは（E ) と同様の構造で、燃焼芯 6の固定は（B ) と同様の構造で両者を組み合わせている。

なお、前述のライ夕一 1その他の燃焼器具における前記燃料貯蔵部 5に注入する液体燃料としては、アルコール燃料の場合は、メチルアルコール、ェチルアルコ一ルまたはプロピルアルコールによる低級 1価アルコールのアルコ一ル類を主成分とし、この主成分とほぼ同じ沸点を有するへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロへキサジェン、シクロヘプテン等の飽和炭化水素による炭化水素化合物を 1種類以上添加したものが好ましい。これは、アルコール燃料のみでは燃焼炎が無色となるが、上記飽和炭化水素の添加により遊離炭素の赤熱で燃焼炎の先端部が黄橙色に着色するようになる。また、ヘプタン、オクタン、ノナンの少なくとも 1種を組成とした液体燃料を使用してもよい。さらに、ベンジン系炭化水素による液体燃料でもよい。

一方、液体燃料用燃焼器具としては喫煙具用ライ夕一のほか、トーチ、ラン夕ン等の点火器、照明器具などがある。

<実験例 1 >

上記のような燃焼芯 6を組み込んだライター 1を使用して、その繰り返し着火使用における燃焼炎の形態変化を測定した実験例を示す。

この実験は、第 1の実施の形態（図 1 ) の燃焼部 6 1の先端部 6 1 aを熔融結束した燃焼芯 6を、先端部が平坦な芯ホルダ一 7に保持させたライ夕一 1を使用する。また、比較例として図 8に示すような燃焼部 6 0の先端を熔融結束していない燃焼芯 6を、先端部が平坦な芯ホルダ一 7に保持させたライ夕一を使用している。

そして、両ライタ一の閉塞キヤヅブ 1 6を開いて回転ヤスリ 1 3を操作して燃焼芯 6への着火を行い所定時間燃焼させた後、閉塞キャップ 1 6を閉じて燃焼芯 6を密閉して消火する動作を繰り返し、燃焼炎 Hの形態変化を観察したものであ比較例のライタ一 1においては、使用を重ねると、図 8に示すように燃焼芯 6 の燃焼部 6 0の先端が散開し、燃焼部 6 0先端のガラス繊維が直径 6腿（初期直径 3 mm) にまで広がり、これに応じて、燃焼炎 Hの形状は炎長が 3 0皿であるのに対して、炎幅が 1 2腿（炎下端より 3誦の位置）に広がり、炎 Hの一部が回転ヤスリ 1 3に触れ、この回転ヤスリ 1 3の部分が加熱され昇温した。

一方、本発明によるライ夕一においては、使用を重ねても図 1に示すように、燃焼芯 6の燃焼部 6 1の先端形状、および燃焼炎 Hの形状に変化は認められず、回転ヤスリ 1 3に炎が触れることもなかった。

次に燃焼芯を保持する芯ホルダーの形状を変更した実施の形態を示す。

<第 7の実施の形態 >

図 9に液体燃料用燃焼器具の一例としてのライ夕一の概略断面構造を示す。ライター 1の基本構造は前述の通りであり、上蓋 4を燃料夕ンク 2内に垂直に貫通して芯ホルダー 7 7で固定された燃焼芯 6が配設されている。燃焼芯 6は、上部の燃焼部 6 1と下方の吸上部 6 2とで異なる素材で分離形成され、燃焼部 6 1の下端部と吸上部 6 2の上端部とが接触された状態で、両者が金属製の円筒状でかつ先端部が傾斜形成された芯ホルダ一 7 7によって結合されている。

前記燃焼芯 6の吸上部 6 2の下端部は前記燃料夕ンク 2内の繊維材 3に接触し、該繊維材 3に含浸された液体燃料を毛管現象を用いて吸い上げる。そして、この燃焼芯 6の燃焼部 6 1には着火され炎 Hを生じて燃焼するものである。

前記燃焼部 6 1はガラス繊維で構成され、例えば図 1と同様にガラス繊維糸を束ね、その先端部 6 1 aが熔融結束されて筆の穂先状に尖って形成されている。また、前記吸上部 6 2は、ポリエチレン粉体を成型焼結して、径の大きい頭部 6 2 aを有する棒状に形成してなり、この頭部 6 2 aを前記芯ホルダ一 7 7の下部に挿入して、前記燃焼部 6 1の根元部 6 l bに接触させ、この状態で芯ホルダー 7 7の下端部をかしめて、燃焼部 6 1と吸上部 6 2とを結合して一体化することによって燃焼芯 6を構成したものである。

前記燃焼芯 6の燃焼部 6 1を芯ホルダ一 7 7の突出部と共に、開閉可能に覆う揮発防止用の閉塞キャップ 1 1 6が設けられ、この閉塞キャップ 1 1 6は前記燃料タンク 2における上蓋 4の上面の一端部にビン 1 7によって回動可能に枢支されている。閉塞キャップ 1 1 6の内面には、前記燃焼芯 6の芯ホルダ一 7 7の外周部を囲繞し、燃焼芯 6を覆って密閉する内蓋 1 1 6 aが設けられている。また、上記芯ホルダー 7 7の外周根元部分の水平に 0リング 1 9が取り付けられ、内蓋 1 1 6 aの内周面に圧接して密閉性を高めている。なお、上蓋 4の上面には表板 4 8が設けられている。

そして、上記のようなライター 1の構造において、前記芯ホルダ一 7 7は、燃焼芯 6の燃焼部 6 1の外周を囲んで保持している先端部 7 7 aが傾斜して形成され周方向で高さが異なっている。そして、上記芯ホルダ一 7 7を、その傾斜先端部 7 7 aの高さが最も高くなる部分が、着火部材 1 0としての回転ヤスリ 1 3に接近して、燃焼炎 Hと回転ヤスリ 1 3との間に介在するように配置してなる。上記芯ホルダ一 7 7の寸法例としては、外径が 4腿、内径が 3腿、先端部 7 7 aの傾斜角度が 4 5 ° であり、この芯ホルダ一 7 7から突出する燃焼芯 6の燃焼部 6 1の高さは、最も露出している部分で 3漏である。また、燃焼芯 6の中心と回転ヤスリ 1 3の中心との間隔は 8匪に設定されている。本例においては、炎長 3 0匪に調整した状態において、燃焼炎 Hの中心は燃焼芯 6の中心に対して、回転ヤスリ 1 3と反対側に d = 2讓ずれ、炎幅は 8 mmで、最も炎の太い位置が炎下端より 3 mmの位置である。このような炎形状においては、前述のように燃焼芯 6の中心と回転ヤスリ 1 3の中心との間隔を 8腦と狭く設定しても、炎 Hが回転ヤスリ 1 3に触れることがなく、良好な燃焼および使用状態が得られた。

なお、この第 7の実施の形態においては、燃焼芯 6のガラス繊維による燃焼部 6 1の先端部 6 1 aは熔融結束しているが、これは図 1 6に示すように未結束状態のままの燃焼部 6 0としてもよい。その場合、燃焼部 6 0の先端縁部が閉塞キヤップ 1 1 6の開閉軌跡に接触干渉しないように設けるのが好ましい。

<第 8の実施の形態 >

この例のライター 1は、図 1 0に示すように、芯ホルダ一 7 7は前例と同様の形態であり、閉塞キヤヅプ 1 2 0の形態が異なっている。

この例の閉塞キャップ 1 2 0は、平板状に形成された本体の一端部がビン 2 1 によって燃焼タンク 2の上蓋 4に回動自在に枢支され、枢支部と反対側の先端部は前記着火部材 1 0のヤスリ車 1 3に沿ってこれに係止するように設けられ、端部に開操作用の突起 1 2 O bが設けられ、傾斜状態で閉塞状態となる。

上記閉塞キャップ 1 2 0の本体内面には、芯ホルダ一 7 7の傾斜先端部 7 7 a の傾斜形状に対向してカップ状の閉塞部 1 2 0 aが固着され、この閉塞部 1 2 0 aは閉塞時の傾斜角度が芯ホルダー Ί 7の傾斜角度と同じに設けられている。上記閉塞部 1 2 0 aの先端縁部にはシール部材 2 2が取り付けられ、このシール部材 2 2が芯ホルダー 7 7の傾斜先端面 7 7 aに圧接するように設けられている。また、この例の燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、ガラス繊維でなく多孔質ガラス焼結体または多孔セラミック焼結体によって丸棒状に成形されて、内部には連続気泡 (毛管通路）を含み、先端部は細く形成され、この上端部が芯ホルダー 7 7の先端面 7 7 aより所定量（最も露出している部分で 3腦）突出して装着され、この突出量、径等の設定により燃焼炎の大きさが決定される。例えば、外径 3 . 0 mm、長さ 1 0腿に設けられる。

一方、前記燃焼部 6 3の下端部に先端部が接触する吸上部 6 2は、前記と同様にポリエチレン粉体の焼結体による多孔質材で丸棒状に形成されている。その他は第 7の実施の形態と同様に形成されている。

この例の閉塞キャップ 1 2 0は構造の簡素化が図れると共に、開閉作動に対して閉塞部 1 2 0 aが芯ホルダ一 7 7の外周に嵌合することなく、シール部材 2 2 を介して傾斜 ¾端面 7 7 aに圧接して密閉するので、閉塞キヤヅプ 1 2 0のピン 2 1による支点位置と燃焼芯 6の中心との距離が短くできると共に、芯ホルダ一 7 7すなわち燃焼芯 6と着火部材 1 0のヤスリ車 1 3との間隔をさらに短縮化することができ、ライター 1のコンパクト化が図れる。

く第 9の実施の形態 >

この例のライ夕一 1は、図 1 1に示すように、燃焼芯 6の先端部形状が異なつている。

燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、多孔質セラミック焼結体によって丸棒状に成形され、先端部は閉塞キャップ 1 6の支点ピン 1 7と反対側部分が傾斜状態に除去されて、閉塞キヤップ 1 6の開閉回動に対する干渉を避けるように設けられている。

また、上記閉塞キャップ 1 6は、燃焼芯 6の燃焼部 6 3を芯ホルダ一 7 7の突出部と共に開閉可能に覆うもので、着火部材 1 0の上方は覆わない構造となっている。そして、上記閉塞キャップ 1 6の密閉部の先端部にシ一ル部材 2 2が取り付けられ、閉塞キャップ 1 6の閉塞作動時にこのシール部材 2 2が芯ホルダー 7 7外周の上蓋 4に圧接してシールするように設けられている。

<第 1 0の実施の形態 >

この例のライ夕一 1は、図 1 2に示すように、燃焼芯 6の先端部形状および芯ホルダー 7 7の形態が異なっている。

燃焼芯 6の燃焼部 6 3は、多孔質セラミック焼結体によって丸棒状に成形され、先端部は閉塞キャップ 1 6の支点ビン 1 7と反対側部分の角部が傾斜状態に除去され、さらに、芯ホルダ一 7 7の先端部 7 7 aについても高くなつた部分の一部が除去されて、閉塞キャップ 1 6の開閉回動に対する干渉を避けるように、設けられている。その他は第 9の実施の形態と同様である。

<第 1 1の実施の形態 >

この例のライ夕一 1は、図 1 3に示すように、燃焼芯 6が同一の素材で一体形成された例であり、その他は第 1 0の実施の形態と同様に設けられている。

つまり、燃焼芯 6は、燃焼部 6 3と吸上部 6 4とが多孔質セラミック焼結体によって一体に形成され、芯ホルダー 7 7に保持されたものであり、その形状は図

1 2のものと同一である。

く第 1 2の実施の形態〉

図 1 4 ( A ) から（F ) に先端が傾斜した芯ホルダー 7 7を備えたライターにおける閉塞キヤップ 1 6による燃焼芯 6の燃焼部分のシール構造を各種例示している。

( A ) は、上蓋 4の上面に、芯ホルダ一 7 7の外周にシール部材 2 5を配置し、このシール部材 2 5に閉塞キャップ 1 6の先端部 1 6 bが圧接することで密閉する構造である。

( B ) は、上蓋 4の上面における芯ホルダ一 7 7の外周に環状突起 4 bを設け、一方、閉塞キヤップ 1 6の密閉端部 1 6 bにリング状のシール部材 2 6を取り付け、上記環状突起 4 bに圧接してシール性を得る構造である。

( C ) は、芯ホルダ一 7 7の外周に水平に 0リング 2 7を装着し、これに閉塞キャップ 1 6の内周面が当接してシール性を得る構造である。

( D ) は、芯ホルダー 7 7の傾斜先端面 7 7 aに、斜めにシール部材 2 8を設け、閉塞キャップ 1 6の傾斜した下端部 1 6 cを押圧してシール性を得る構造である。

( E ) は、芯ホルダ一 7 7の傾斜先端面 7 7 aに環状突起 7 7 bを設け、閉塞キャップ 1 6の傾斜下端部 1 6 cにシール部材 2 9を取り付け、これを上記環状突起 7 7 bに押圧してシール性を得る構造である。

( F ) は、芯ホルダ一 7 7の外周に傾斜先端面 7 7 aと平行に斜めに〇リング 3 0を装着し、閉塞キャップ 1 6の傾斜下端部 1 6 cの内周面を圧接してシール性を得る構造である。

<第 1 3の実施の形態 >

図 1 5 ( A ) 〜（F ) に燃焼芯の燃焼部と吸上部との接合または係止構造および燃焼芯を芯ホルダ一と共に燃料タンクの上蓋に取り付ける構造を各種例示している。 ( A ) は、芯ホルダー 7 7内に燃焼芯 6の燃焼部 6 3と吸上部 6 2の頭部を挿入してから、芯ホルダ一 7 7の下端部（または上端部）を力シメて結合し、この芯ホルダー 7 7の外周部に接合ネジ 7 7 cを設け、上蓋 4に設けたネジ孔 4 aに底部に 0リング 1 8を介して螺合して取り付けた構造である。

( B ) は、 Sホルダ一 7 7の下端部はカシメなくて、吸上部 6 2の頭部下端は上蓋 4の係止部 4 cで保持し、上方から芯ホルダー 7 7を 0リング 1 8を介してネジ孔 4 aに締め付けることで燃焼部 6 3を吸上部 6 2に接合しつつ上蓋 4に取り付ける構造である。

( C ) は、芯ホルダ一 7 7に接合ネジを形成せず、締結リング 3 3を介して取り付けるもので、この締結リング 3 3の上係止部 3 3 aを芯ホルダ一 7 7の段部 7 7 dに係止して締結リング 3 3外周の接合ネジ 3 3 bを上蓋 4のネジ孔 4 aに螺合して取り付ける構造であり、芯ホルダー 7 7に対する燃焼芯 6の固定は（A ) と同様である。

( D ) は、芯ホルダ一 7 7の上蓋 4への取付けは（C ) と同様の構造であり、燃焼芯 6の固定構造は（B ) と同様の構造であり、これらを組み合わせている。

( E ) は、芯ホルダー 7 7の外周部に凹溝 7 7 eを形成する一方、上蓋 4には弾性が付与された係止突起 4 eを設け、芯ホルダ一 7 7の底部を上蓋 4に圧入して係止突起 4 eの先端を凹溝 7 7 eに係止して取り付ける構造であり、燃焼芯 6 の保持は前記（A ) と同様である。

( F ) は、芯ホルダー 7 7の上蓋 4に対する取付けは（E ) と同様の構造で、燃焼芯 6の固定は（B ) と同様の構造で両者を組み合わせている。

<実験例 2 >

次に、前記第 7の実施の形態と同様のライター（図 9 ) を使用し、ただし燃焼芯の燃焼部については図 1 6に示す先端部を熔融結束していないものを組み込んでなり、この燃焼芯に着火して燃焼させ、この炎に着火部材に相当する金属板を接近させた場合の炎の形状変化を、炎と金属板との距離を測定することによって求めた結果を示す。金属板の形状は、炎の下端からの高さが 8顧、幅が 6匪、 8 纖または 1 0腿である。この金属板は着火部材（ヤスリ車）に相当するもので、金属板によって燃焼炎に対する空気の流れが変化して炎形状が変化することになる。

また、比較例として芯ホルダーの先端部を周方向で高さが一定で水平に平坦な形状としたもので、他は同一としたライ夕一によって同様の金属板を燃焼炎に接近させた状態の測定を行った。図 1 7に本発明品の測定結果を、図 1 8に比較例の測定結果を'示している。

比較例の芯ホルダ一の先端を平坦とした図 1 8の場合には、金属板を燃焼芯の中心との距離 Aを 7匪としたとき、板幅 6顯および 8藤のものでは、炎と金属板との距離 Bは 2 mmで、また、板幅 1 0 mmの金属板では炎と接触している。また、金属板と炎の中心との距離 Aを 6 . 5匪とした場合には、全ての板幅の金属板が炎と接触した。

一方、芯ホルダ一 7 7の先端部を傾斜させた本発明による図 1 7の場合には、燃焼芯の中心と金属板との距離 Aを 7腿とした場合には、炎側面と金属板との距離 Bは、板幅 8 ιηιη、 1 0翻の金属板で 4匪、板幅 6誦の金属板で 5腿となり、比較例より広くなつている。

上記のような結果から、ライターを構成する際、燃焼芯 6と着火部材 1 0との距離を一定とした場合、芯ホルダー 7 7の先端を傾斜させることにより、炎と着火部材の距離を確保でき、着火部材の昇温を防止できると共に、着火部材を燃焼芯により接近させることが可能となり、ライターの小型化、また着火特性の信頼性の向上が可能となる。

Claims

請求の節

( 1 ) 液体燃料を吸上部分によって毛管現象により吸い上げ燃焼部分で燃焼する燃焼芯と、該燃焼芯の燃焼部分に着火する着火部材と、前記燃焼芯の燃焼部分を開閉可能に ¾閉する揮発防止用の閉塞キャップとを備えた液体燃料用燃焼器具において、

前記燃焼芯の燃焼部分を先端部が細くなる形状に設けたことを特徴とする液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 2 ) 前記閉塞キャップを一端部の支点によって開閉作動するように設け、この閉塞キヤップの支点と反対側の燃焼部分の先端部が除去されていることを特徴とする請求項 1に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 3 ) 前記燃焼芯は、ガラス繊維よりなる燃焼部分の先端部が筆の穂先状に尖つた形状に熔融結束されていることを特徴とする液体燃料用燃焼器具における燃焼 0 ο

( 4 ) 前記燃焼芯は、ガラス繊維を束ね、その一部を高温バーナーで加熱熔融すると共に熔融部分を引き延ばして分離形成してなることを特徴とする請求項 3 に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 5 ) 前記燃焼芯は、連続気泡を有する多孔質ガラス材または焼結多孔質セラミックス材よりなる燃焼部分を先細形状に構成してなることを特徴とする請求項 1に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 6 ) 前記燃焼芯が、吸上部分と燃焼部分とで異なる素材で形成されたことを特徴とする請求項 1に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 7 ) 前記燃焼芯が、吸上部分と燃焼部分とが同一素材で一体に形成されたことを特徴とする請求項 1に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

( 8 ) 液体燃料を吸上部分によつて毛管現象により吸い上げ燃焼部分で燃焼する燃焼芯と、該燃焼芯の燃焼部分に着火する着火部材と、前記燃焼芯の燃焼部分を開閉可能に密閉する揮発防止用の閉塞キャップとを備えた液体燃料用燃焼器具において、

前記燃焼芯の先端燃焼部分の外周に該燃焼芯を保持する芯ホルダーを設け、該芯ホルダーの先端部を周方向で異なる高さに形成し、その高さが高い先端部分が前記燃焼芯の燃焼部分と前記着火部材との間に介在するように配置したことを特徴とする液体燃料用燃焼器具。

(9) 前記閉塞キャップを一端部の支点によって開閉作動するように設け、前記燃焼芯の燃焼部分を密閉する密閉部の縁部が芯ホルダ一の先端部形状に対応して、周方向で異なる高さに形成したことを特徴とする請求 8記載の液体燃料用燃焼器具。

(10) 前記燃焼芯は、前記閉塞キヤップの支点と反対側の燃焼部分の先端部が除去されていることを特徴とする請求項 8に記載の液体燃料用燃焼器具。

(1 1) 前記燃焼芯は、ガラス繊維よりなる燃焼部分の先端部が筆の穂先状に尖った形状に熔融結束されていることを特徴とする請求項 8に記載の液体燃料用燃焼器具。

(12) 前記燃焼芯は、連続気泡を有する多孔質ガラス材または焼結多孔質セラミツクス材で構成したことを特徴とする請求項 8に記載の液体燃料用燃焼器具 _c

(13) 前記燃焼芯が、吸上部分と燃焼部分とで異なる素材で形成されたことを特徴とする請求項 8に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。

(14) 前記燃焼芯が、吸上部分と燃焼部分とが同一素材で一体に形成されたことを特徴とする請求項 8に記載の液体燃料用燃焼器具における燃焼芯。