WO1993024855A1 - Spectacles for reducing parallax - Google Patents

Description

明糸田 »

視差を軽減する眼鏡 技術分野

本発明は写真、 ビデオなど、 各種の映像の鑑賞時における臨場感の向上、 近距離の実景の観察力向上その他の目的で、 近距離の対象を肉眼の場合よ りも小さい視差で見るための眼鏡に関するものである。 背 技術

視力の矯正ではなく、 正常な眼の機能を高めるための眼鏡、 光学器具と しては、 現在次のようなものがあげられる。

1 ) ルーペ

2 ) サングラスなどの光学フィルタ一類

3 ) 望遠鏡

4 ) 顕微鏡

これらのうち、 3 ) の望遠鏡と 4 ) の顕微鏡は、 大きな実像を作るための 比較的大掛かりな装置であり、 いわば新たな映像を作るものであるから、 直接に眼の機能を高めるものではない。 したがって、 直接に眼の観察機能 を高めるための、 日常的に用いられる器具としては 1 ) のルーペと 2 ) の 光学フィルターの 2種類であるといってよいだろう。 2 ) の光学フィル夕 一は、 有害光線や不要光線を除去するものであり、 すなわちノイズを除去 して眼の機能を高めるものである。 1 ) のルーペは眼の水晶体の機能を拡 張することによって眼の機能を高めるものである。

これらに対して、 やはり眼の機能を高める方法として、 近距離の対象、 とくに映像類を、 光学系を利用して視差の小さな状態で見ることによるメ リ ッ トは、 現在も一般には広く認識されておらず、 そのための実用的なシ ステムは事実上、 市場には存在していない。 。 本発明者は先に P CT出願、 P CT/J P 9 1/0062において、 その種のシステムを使用すること のメ リ ッ ト、 とく に映像の鑑賞時におけるメ リ ッ トを明らかにした。 眼の 観察能力を高めることに関して、 両眼の視差を軽減することにより得られ るメ リ ッ トは、 次のようなものである。

1) 平面の映像を鑑賞する際、 裸眼の場合に比べて広い視野の遠近情報を、 より正確に知覚できるようになる。

2) 至近距離で立体物を観察する際、 大きすぎる視差は、 一時に観察でき る視野を狭く し、 また眼精疲労の原因にもなる。 視差を軽減することによ り、 至近距離での観察力を高めることができる。

3) 比較的高倍率のルーペを両眼視 （立体視） で使用することができる。 本発明は実用的な眼鏡の形式で、 上記の視差軽減のメ リ ッ トを十分に利 用できるような構造の光学器具を提供するものである。 発明の開示

視差を軽減することによって上記のような効果を得るためのシステムに は各種の方式が考えられるが、 効果が大きく、 かつ実際的な方法は P C T /J P 91/0062で報告しているように、 左右各 1対の反射鏡または 直角プリズムを用いるタイプである。 このようなシステムを眼鏡の形で実 現するには以下のような問題を解決する必要がある。

1 ) 図 1 0に示すように視差軽減の効果を持つ視野の範囲は左右で 3 0。 程度である。 その範囲の外側は鑑賞または観察の対象外である。 とくに、 図 1 0における遮光板 （6 ) で遮光されている部分は、 観察の対象と同じ 光景が別の位置にゴ一ス卜のように見える部分であり、 この部分は完全に 遮光する必要がある。 これは反射鏡のみを用いた場合であるが、 直角プリ ズム （3 ) を用いた場合も、 プリズムの内面反射によるゴーストが見える ので条件は同じである。 それ以外の部分も、 少なく とも観察の対象範囲よ りは明るく見えないほうが望ましい。 その部分は使用者の必要性、 好み、 また使用状況によって、 見えないほうが望ましかったり、 見える必要があ つたりする。 また、 完全に遮光してしまうと行動上の不便、 危険が生じる 事もあり得る。

2 ) このようなシステムでテレビジョンのブラウン管などを見る場合、 近 付いて見ることにより大きな効果が得られるのであるが、 その場合、 眩し さなどのための眼の疲労、 健康上の問題が生じてくる。

3 ) 安全対策上、 反射鏡やプリズムのような光学部品をむき出しで使用で きない。 この点に関する常識的な解決法は、 双眼鏡のようなケースで全体 を覆う事であるが、 そのようなものをゴーグルとして装着する事は現実に も気分的にも重苦しく、 視野が狭くなるために行動上の不便が生じ、 周囲 の人に違和感を与え、 ファッション性にも問題がある。

本発明は上記 3つの問題を同時に解決するものである。 先ず、 透明で必 要に応じて着色など、 光学フィル夕一または遮光板の機能を持たせる事の できるプラスチック素材を用いて、 反射鏡と直角プリズムをマウントでき る構造を持ち、 かつ、 ほぼ視野全体を覆う事のできる、 一体成型物 （1 ) を眼鏡のフレームとし、 これにとりつけた反射鏡と直角プリズムの部分を、 ブラウン管や液晶画面の不要光線や有害光線を除去する性質を持つ光学フ ィルター素材で作られた開閉可能なカバー （4 ) で覆い、 閉じた状態だけ ではなく、 開いた状態でも安全性を確保できる構造とした。 このカバ一は 図 6のように光学フィルターの代わりにルーペにすることもできる。 ルー ぺまたは視力矯正レンズは図 9、 1 0のようにプリズム （3 ) に接着する こともできる。 このシステムにルーペを組み込むことにより、 ルーペを手 で持つことなく、 通常は両眼視で使用不可能な高倍率のルーペを通しても、 両眼で一つの対象を観察することができ、 両眼視による正確な立体的観察 が可能になる。

以上のような構造により、 視差軽減眼鏡を実用に供する事ができ、 その メ リ ッ トを発揮させる事ができる。 図面の簡単な説明

〔図 1〕 は正面図で、 透明な開閉式調光力バーが閉じている状態を示す。 〔図 2〕 は図 1の断面図である。

〔図 3〕 は開閉式調光力バーが開いた状態の断面図である。

〔図 4〕 は視差軽減眼鏡全体の立体図である。

〔図 5〕 は開閉式調光力バーをルーペつき開閉式カバーで置き換えたもの で、 実施例 3を示す。

〔図 6〕 は実施例 2の光路を示す図である

〔図 7〕 は実施例 3の光路を示す図である

〔図 8〕 は実施例 4の光路を示す図である

〔図 9〕 は実施例 5の光路を示す図である

〔図 10〕 は本システムの視野を示す。

(1) は眼鏡フレーム

(2) は反射鏡

(3) は直角プリズム

(4) は開閉式調光カバ一

(5) はルーペ用凸レンズ

(6) は遮光板 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施例を図面に則して説明する。 図 1から図 4までが実施例 1 の構造を示す図である。 図 1及び図 2は開閉式調光カバ一 （4) が、 フレ ーム （1) に取り付けられた反射鏡と直角プリズムとを完全に覆っている 状態を示している。 矢印は光路を示す。 この状態でカバーは調光機能をも 果たして入る。 フレーム （1) の上端と下端が直線で平行になっているた め、 カバ一 （4) はスライ ド式で開閉可能にすることができる。 図 3は力 バ一 （4) を開いた状態を示す。

実施例 2と 3は、 開閉式カバーに光学フィルターの替わりにルーペを取 り付けた場合である。 実施例 2は図 6に示したように、 比較的低倍率のル 一べをシステムの前面に取り付ける場合で、 実施例 3と同様、 簡単に着脱 可能な構造にできる。 実施例 3は図 5と図 7に示したように、 左右一対の ルーペをシステムの前面に取り付けたものである。

実施例 4は図 8に示したように、 示唆軽減システムの左右それぞれの 2 枚の反射面の間にルーペを取り付ける場合で、 図のように反射面の一つに 直角プリズムを用いる場合は、 片面が平面のレンズをプリズムに接着する などして簡単に取り付けることができる。 水などの液体を用いれば、 着脱 も可能である。

実施例 5は図 9に示したように、 両眼の直前にルーペを取り付けるもの で、 この場合も直角プリズムを反射面に用いている場合は、 プリズムに接 着することができる。

比較的低倍率のルーペの場合は、 以上いずれの実施例でも実用可能であ るが、 ある程度高倍率になると、 2通りの方法の併用とか、 反射鏡の角度 など、 視差軽減システム自体の設計の変更が必要になってく る。 また、 ル —ぺは精度の高いものでなければならない。 産業上の利用可能性

産業上の利用可能性は、 P C T / J P 9 1 Z 0 0 6 2で述べられている とおりである。 各種の映像に含まれる情報を短時間に、 より正確に、 より 多く読み取る事を可能にする本システムは、 映像のノィズリダクシヨンシ ステムとも言い得るものである。 映像の趣味的鑑賞のみならず、 芸術、 学 術、 ビジネスなど、 映像を利用するあらゆる分野で有効に使用される事が 期待できる。 一方、 至近距離での実物の観察力を高める効果は、 各種の、 特に机上で両手を使用する精密な作業の能率化と精度向上を図る事ができ る。 例えば宝飾品や工芸品のデザインや制作、 精密機械器具の制作修理、 各種の鑑定、 検査、 選別作業、 各種の自然観察などに貢献する事が期待で きる。

Claims

請求の範囲

1. 左右それぞれ一対ずつの反射鏡または反射鏡 （2) と直角プリズム (3) を、 視差軽減の効果を持つように設計された位置でマウントする構 造を持ち、 反射鏡と直角プリズムのマウントのための開口部を含めて、 通 常のサングラスと同程度の視野を覆うだけの面積を持つ、 透明で着色可能 なプラスチックの一体成型による眼鏡フレーム。

2. 請求項 1のフレーム （1) に取り付けられた 2つの反射鏡または反射 鏡 （2) と直角プリズム （3) の部分を覆い、 反射鏡 （1) への入射光の 範囲のみ開口するように、 スライ ド式等の方法で開閉可能な、 テレビのブ ラウン管、 液晶画面等の不要光線、 有害光線、 或いは表面反射光等を除去 または部分的に軽減する、 調光機能を持つ素材で作られた左右一対の力バ 一 （4) とを組み合わせた、 請求項 1の構造のフレームを持つ示唆軽減眼

3. 左右両眼それぞれに各一対の反射鏡または反射鏡 （2) と直角プリズ ム （3) で、 対象からの光を二度反射させることによって視差を軽減する 光学系の光路の途中に、 固定するかまたは着脱可能な方法でルーペ （5) を取り付け、 顔面に装着可能とした視差軽減眼鏡。