WO1990001109A1 - Silencer for combustion exhaust gas - Google Patents

Description

明 細 書

燃焼排気ガス騒音用消音器

(技術分野）

本発明は燃焼排気ガス騒音を消音させる消音器に関し 、 特に自 動車、 バイ クなどの内燃機関、 ジェ トエン ジン 、 ガスター ビン などに装着して、 該機鬨から発生する排気ガスを通過させながら 排気音を減衰させる排気消音器およびボイ ラーや暖房用も し く は 調理用等の燃焼器の排気消音器に関する ものである .

(背景技術）

燃焼機閲内で、 高圧の空気と燃料との燃焼によ り生成し た燃焼 排気ガスが大気中に放出される と 、 急激に膨張して大きな騒音を 発生し 、 これが騒音公害と して問題になっている ：. そこで排気ガ ス通路内に消音器を設けて、 排気騒音を減少させるこ とが行われ ている

徒来から、 燃焼排気ガス用消音器と しては網、 ステン レ ス等の 金属材料からなる筒状本体 内部の空間にグラ スウール 、 岩綿

( ロ ッ クウール） などの吸音材を充塡するこ とが試みられて いる が、 密度を高めないと満足な吸音効果が得られないために、 背圧 の増加による燃焼効率の低下、 消音器重量の大幅な増加が生じ 、 さ らに高温ガスによ り充塡物が劣化して部分剝離放出が新たな 2 次公害源になる と いう問題を有していた：. この問題を解決するた めに、 たと えば特開昭 6 2— 1 8 4 2 0号公報には、 繊維状物を 加熱融着させて、 所望の気孔率と した多孔質吸音材を用いる こ と が開示されてお り 、 繊維状物と してスチン レ ス繊維が例示されて

新た な 用紙 いる しかし、 ステン レス繊維も 、 排気ガスによ り腐食し寿命の 点満足できる ものではない

また、 消音器外筒を金属材料に代えて騒音減衰効果のある合成 樹脂を用いることが特開昭 5 5 - 7 5 5 2 1号公報に開示されて おり 、 カーボン截維、 ガラス繊維等で強化された、 繊維強 ίヒ樹脂 が例示されている しかし、 合成樹脂は排気ガスの高温に耐え得 ないこ と 、 鏡板との接続が困難であることなどの問題がある - 以上、 いずれの手段によって も 、 最近特に厳し くなつてきた環 境公害と しての騒音を低減する という点で満足でき る ものではな い -

(発明の開示）

本発明の目的は、 このよ うな従来の吸音材における問題点、 す なわち劣化による吸音材の剝離放出による 2次公害、 吸音材腐食 による劣 ίヒ、 高充塡による背圧上昇、 重置増加を解決する こ と 、 および騒音減衰効果が期待される合成樹脂外筒の耐熱性を向上さ せる構造を吸音材との組合せによつて達成するこ とにある - 本発明は、 筒状本体、 入口管、 出口管を備え、 該筒状本体内部 に嵩高の炭素繊維集積体を充塡も し くは装着したことを特徴と す る燃焼排気ガス騒音用消音器に関する

本発明の消音器を構成する筒状本体、 入口管および出口管の形 状構造は徒来の公知のものを適宜使用することができ 、 所望によ り 、 仕切板、 導管などを設けた り 、 入口管、 出口管、 導管等に共 鳴孔を付けた り したものも用いう る -.

本発明の消音器に充塡も しくは装着する窩高の炭素繊維集積体

新た な用紙 の形状と しては、 マ ッ ト状物、 フ ヱル ト状物、 織物および 3次元 織物などが含まれる .

本発明に用いる嵩高の炭素繊維集積体は、 かさ比重 0 . 0 0 1 〜 0 . 2 0 g criであるこ とが好ま しい.： ここで、 かさ比重と は 装着ないし充墳した時の該炭素繊維集積体のかさ比重をい う - か さ比重が Q . 0 0 1 g , cni以下の場合は消音効果が充分でなく 、 0 . 2 0 g cri以上の場合は消音効果が充分であるが圧力損失に よ り ， 燃料消費量が悪く なる ： 特に好ま し く は、 ◦ . ◦ 2 〜 0 . 2 0 g cniの範囲である - 本発明に用いられる粜高の炭素繊維集積体の原料となる 炭素繊 維はレーヨ ン系、 ボリァク リ ロニ ト リ ル系、 石油ビ '·，チ系および 石炭ピ ·'/チ系のいずれでもよいがピ ，'/チ系の炭素繊維が特に効果 が大き い： また、 該炭素繊維の長さは、 短繊維、 中繊維、 長繊維 いずれでも よ い . これら炭素繊維の特徴と しては酎熱性、 耐酸 性に優れ、 熱伝導率が低いこ とが挙げられる . こ こで炭素繊維と は、 炭素繊維、 黒鉛繊維の総、称である ：

本発明に用いられる ¾高の炭素繊維集積体を製造する方法は、 特に制限はなく通常用いる方法で製造するこ とができ る .、 たと え ば、 炭素繊維の原糸を集積してニー ドルパンチする方法ある いは 溶融ピ .·/手から渦流法で繊維化された堆積されたピ ッチ繊維集積 昧を不融化、 炭化する方法、 炭素繊維を抄紙する方法、 これらを さ らにニー ドルパンチする方法等によ り該炭素繊維集積体を製造 するこ とができ る ： さ らに、 該炭素繊維集積体に加熱炭化形の合 成樹脂を含浸させたのち熟処理して合成樹脂を炭化したものも用

新た な用紙 いることができ る 、 これによ り 、 強度向上、 形状保持性が良く な り 、 劣化放散防止、 耐熱性が向上する ：.

また本発明に用いる嵩高の炭素繊維集積体は炭素鐵維と有機鎪 維 し く は無機繊維と混合したものであって も よ い これによ り 、 強度向上、 形状保持性などを良くすること もでぎる 併用 し うる無機繊維と しては、 特に制限はなく 、 たと えばボロン織維、 炭化珪素鍵維、 アル ミナ繊維、 シ リ コーン チタ ンカーボン酸化鎪 維、 アモル フ ァス繊維などがあげられる .. 有機繊維を混合する場 合は、 混合後加熱して荧化する こ とが酎熱性向上上好ま し い

筒状本体の内部に前記嵩高の炭素繊維集積体を装着も し く は充 塡する方法には特に制限はない： たとえば、 充塡は該消音器の空 間內に適宜充塡すればよ く 、 また、 装着方法に関しても適宜の個 所、 好ま し くは、 筒状本 ίφ:の内壁、 導管内外面上、 仕切板の表面 などの少なく と もに 1 ケ所に装着すればよい .

筒状本体は、 従来から用いられている金属材料を用いる こ と も でき るが、 軽量であるこ と 、 および消音性能の点から耐熱性樹脂 を甩いることがよ り好ま しい 耐熱性樹脂と して、 特に制限はな く 、 熱可塑性樹脂、 熱硬化性樹脂のいずれでも よ い： 好ま し く は、 エポキシ樹脂、 フ エ ノー/レ樹脂、 シリーコン樹脂、 不飽和ボ リエステル樹脂、 ジァリ ル フ タレート樹脂、 メ ラ ミ ン樹脂、 熱硬 化型ポリカルボジィ ミ ド樹脂、 液晶ボリエステル 、 の中から選択 された少なく と も 1種が用いられる ：

耐熱性樹脂は、 そのガラス転移点以上の粘弾性領域で、 吸音効 果が特に発揮される ものである ， また、 液晶ポリマーは熱変形温

新たな用紙 度が 3 0 O 'C以上と極めて高く耐熱性に特にすぐれている .

また、 該耐熱性樹脂には種 々の添加剤を添加して も よい .. 添加 剤と しては特に制限はないが、 例えば、 マイ 力 、 酸化珪素、 タ / ク 、 アル ミ粉末、 炭素繊維、 グラスウールおよび炭素粉末などの 中から少なく と も 1種を添加するこ とができ る，

以下、 図面によ り 、 本発明をさ らに具体的に説明する

第 1 図は本発明による消音器の一例を示す断面図である . 排気 ガスは矢印に従って入口管 2 、 室ら を通って出口管 3 を経て排出 される。 筒状本体 1 は円筒状、 楕円または角筒状を有してお り 、 筒状本 1 の両端部に、 排気ガスの入口管 2および出口管 3 が連 結された鏡板 4が連結されている . 筒状本体 1 および鏡板 4 は酎 熟樹脂を用いて加工成形されている _Λ 第 1 図では筒状本体 1 と鏡 板 4の内面に内張 5 と して該嵩高の炭素繊維集積体が装着されて いて 、 かつ筒状本体 1 および入口管 2 、 出口管 3の間の室 6 に該 嵩高の炭素繊維集積体が充塡されている ： 内張 5は、 他の耐熱性 材料を用いてもよ い .

第 2図は、 鏡板 4 に連結した出口管 3の一方の端に仕切板 7 を と りつけて室 6 を仕切り 、 この隔壁 8に該嵩高の炭素繊維集積体 を充填し 、 隔壁 1 0は排気ガスの自由膨張室と したものである - また、 隔壁 8および隔壁 1 0 を通じる導管 9 を仕切板 7 に設けて いる - 第 3図は、 前記第 2図において 、 前記仕切板丁 の両面に該粜高 の炭素繊維集積体を装着物 1 1 と し取付け、 隔壁 8および隔壁 1 〇に該嵩高の炭素繊維集積体を充塡し 、 さ らに筒状本体 1 と鏡

新た な用紙 扳 4の内面に内張 5 と して該嵩高の炭素繊維集積体が装着した のである

本発明による消音器は以下のような作用効果がある .：

( 1 ) 粜高の炭素繊維集積体を装着または充塡による作用効果 ( a ) 口 ·'/クウールなどの従来の吸音材に比べて吸音効果が高 い

嵩高の炭素織維集積体が他の吸音材に比し顕著に優れた吸音 効果を示す理由は明らかではないが、 個々の炭素繊維の結晶お よび非結晶の組合せが燃焼排気ガス条件と適合しているためと 推測される 即ち炭素繊維を構成する結晶組織が弾性を持つば ねに非結晶組織が粘弾性を持つダッシュボ トに相当し、 全体 と してばねとダッシュボッ トを持つ粘性減衰振動系と して機能 し、 この系がエンジンの排気ガス等の燃焼排気ガスの振動数と 共振してエネルギーをよ り効果的に吸収する ものと推測され る - 特に燃焼排気ガスの温度条 ί牛下で大きな効果を示す点に本 発明の特徴がある .

( b ) フェルト、 マ '' / ト状等の嵩高い集積体であるので消音器を 軽量化することができる。

( 0 エン ジンまたは燃焼器出口の背圧を上昇させず、 燃料消費 を悪化させることがない。

) 該窩高の炭素繊維集積体が排気ガスによ り部分劣化して外 部に放散することはなく 、 2次公害をおこすことがない

( I ) 筒状本体を耐熱性樹脂にすることによる作用効果

( e ) 耐酸性、 耐熱性に れているので、 筒状本体が金属製の消

新たな用 音器よ り寿命が長い .

け〉 金属製の消音器に比べて 、 耐熱性樹脂を用いた場合は軽量 化するこ とができ る

( g ) 金属製の消音器に比べ騒音減衰効果が高い .

( h ) ガラス転移点以上の粘弾性領域では、 吸音効果が特に発揮 される .：

( I ) 筒状本体を耐熱性樹脂と し 、 内 を該嵩高の炭素繊維集積 体を装着したと きの相乗的作用効果

( i » 非常に軽量な消音器を提供する こ とができ る .

( j ) 寿命が長い消音器を提供する こ とができ る .

( k .i 消音効果の高い消音器を提供するこ とができ る

< '欠に実施例について説明する ，

試験例 1

第 1 図のよ うな断面を もつ構造を した、 耐熱性樹脂 （ フ ニ ノ ー /レ樹脂） からなる筒状本体 1 の内面にセラ ミ '/ クべ一パーを内張 5 と して、 かつ室 6 に石油ピ チ系の炭素繊維フヱ /レ トを 、 かさ 比重を変えて充填した消音器 3種を実施例と し 、 未充塡の消音 器、 およびロ ッ クウールを充塡した消音器を比較例と して製作し て、 これらについてそれぞれ消音効果を試験した、 これらの消音 器を 1 . 5 L— 4気筒水冷 4サイ クルガソ リ ンエンジン に取付け て 、 消音器の出口管の排気騒音を、 騒音測定用のマイ クロフ ォ ン によ り 、 苷通騒音計 （ J I S _ C 1 0 5 2 ) によ り測定した な おマイ ク ロ フ ォ ンは、 出口管と同じ高さで、 出口管から外側に向 かって 4 5度の方向 5 0 cmの所に設置させた . ェン ジンの出力を

新たな用 ¾ s

1 5 一定にしたと きのェンジ'ンの回転数（rpm) と全騒音レ ベル (db(A)) との閬 ί系を第 4図に示す

第 4図中は、 ①は空間のままの未充填の場合、 ②、 ⑤、 Φはそ れぞれかさ比重が 0 . 0 3 ョ 、 0 . 0 5 3 、 0 . 0 7 0 (g/a) で 鬵高の炭素繊維集積体を充填した場合、 ⑤は口 ' クウール-を 0 . 1 5 g/criを充塡した場合の結果を示す；

試験例 2

試験例 1で使用した消音器および充塡物を変えた消音器につい て F F T (fast f our i er transformation) 分析計を用いて消音効 果を調べた : 試験方法は試験例 1 と同様に行った .

① 試験例 1の④と同じ鬵高の炭素繊維集積体をかさ比重 0 . 0 7 g/cmを充塡したものと 、

② ロ クウー/ を 0 . 1 5 g cniを充塡したもの、 および 何も充塡せずに空間のままのもの

それぞれの消音器について周波数と騒音レベルの閲係を周波数解 折した結果を第ョ図に示した

従来例である②、 ③に比べて本発明の実施例である の場合の 騒音レベ/レが低く消音効果が優れていることが明らかである ： 試験例 3

第 6図の様な断面を持つ構造をした、 液晶ボリエステル 「ザィ ダー j (商品名、 米国ァモコパーフ ォーマンス社製） のガラスフ アイバー入りからなる筒状本体 1の内面にカーボン フエ /レ ト 1 1 (厚さ 1 0 cm ) のものを 3卷し、 厚さ 3 0 ππ (総重量 2 6 5 g ) に装着した消音器を製作した -

新たな用紙 この消音器を 1 . 5 L— 4気筒 4サイ クルガソ リ ンエン ジン に 取り付けて、 試験例 1 と同様にして、 エン ジン の回転数（r pni ) と 全騒音レベル（d b ( A ) ) との関係を見た . なお、 このと きのェン ジ ンの出力は 2 2 —定にした：.

この結果を第 7図に示す。

試験例 4

試験例 3 において液晶ポリエステル —ザイ ダー— （商品名、 米 国ァモコパーフ ォーマン ス社製） のガラスフ アイ Λ'—入りのもの にさ らにカーボン アイバ一を 3 ◦重量？₀混入させた のからなる 筒状本体 1 に代えた以外は試験例 3 と 同様に し て消音器を製作 し 、 試験を行った。

この結果を第 7図に示す。

また、 この消音器について試験例 2 と同様に F F Τ分析計を用い て消音効果を見た。

この結果を第 7図に示す。

試験例 5

比較例と して、 試験 4において液晶ボリエステル製の代わ り に鐧扳製の筒状外筒を有する消音器を製作した この消音器に何 も充塡あるいは装着せずに試験例 4 と同じ試験を行った：

この結果を、 第 7図および第 8図に示す - (図面の簡単な説明）

第 1 図〜第 3図及び第 6図はそれぞれ本発明によ る消音器の一 冽を示す断面図である .

第 4図及び第 7図.は、 苷通騒音計 に J I S — C — 1 0 5 2 ) で

新たな用紙 測定した結果を示すグラフである。

第 5図及び第 8図は、 各種消音器の F F丁分析結果を示すダラ フである

新たな用紙

Claims

請 求 の 範 囲

(1) 茼状本体、 入口管、 出口管を備え 、 該筒状本体内部に 高の 炭素繊維集積体を充塡も し くは装着したこ と を特徴とする燃焼 排気ガス騒音用消音器，

(2! 前記嵩高の炭素繊維集積体が、 炭素繊維から成形されたマ ツ ト状物、 フ ェ ル ト状物、 織物および 3次元織物の中から選択さ れた少なく と も 1種であるこ と を特徴とする請求項 1記載の消 曰 ¾F ：

(31 前記嵩高の炭素鐵維集積体が、 炭素繊維と有機繊維も し ノ ヽ 無機繊維との混合体であるこ と を特徴とする請求項 2記載の消 曰 ¾ ·

(4) 前記窩高の炭素繊維集積体が、 かさ比重が 0 . 0 2 〜

〇 . 2 0 g crf をもつこ と を特徴とする請求項 1 〜 3のいづれ か 1項記載の消音器。

(5) 前記筒状本体が耐熱性樹脂から成り 、 該筒状本体の内面に前 記嵩高の炭素繊維集積体を装着したこ と を特徴とする請求項 1 〜 4のいづれか 1項記載の消音器，

(6) 該耐熱性樹脂がエポキシ樹脂、 フヱノール樹脂、 シ リ コーン 樹脂、 不飽和ポリエステル樹脂、 ジァリ /レフタレー ト樹脂、 メ ラ ミ ン樹脂および熱硬化型ボリ力ルポジィ ミ ド樹脂および液晶 ポリエステルの中から選択された少なく と も 1 種の耐熱性樹脂 であること を特徴とする請求項 5記載の消音器 <

(71 該耐熱性樹脂がマイ力 、 酸化珪素、 タルク 、 酸化アル ミ （ ァ ル ミナ） 、 アル ミナ粉末、 炭素繊維、 ガラス繊維、 グラスウー

新たな用紙 /レおよび炭素粉末の中から選択された少なく と も 1種の無機物 を添加 したものである こ と を特徴とする請求項 6記載の消音 器。

新たな用紙