JPWO2022202272A5 - - Google Patents

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本開示は、電動機及び電動送風機に関する。
電動機は、自動車等の車両に搭載される電装分野等に広く用いられている。例えば、二輪又は四輪の車両には、ラジエータやバッテリーを冷却する冷却ファンを駆動するために電動機が用いられている。
電動機としては、ブラシを用いるブラシ付き電動機、及び、ブラシを用いないブラシレス電動機が知られている。このうち、ブラシ付き電動機は、固定子と、固定子の磁力によって回転する回転子と、回転子の回転軸に取り付けられた整流子と、整流子に摺接するブラシと、ブラシを整流子に押し当てるためのバネと、を備える(例えば、特許文献1など参照)。
実開昭60-117675号公報
特許文献1に記載された電動機においては、バネが組み立て時に外れやすい。また、バネを外れにくくするために、例えば、バネをリベットなどで固定する技術も知られているが、組み立て作業が複雑となり、電動機の部品点数、及びコストが増加する。
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、組み立てが容易で、かつ、ブラシを整流子に押し当てるためのバネが外れにくい電動機及びそれを備えた電動送風機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る電動機の一態様は、回転軸を有する回転子と、前記回転子に取り付けられた整流子と、ブラシと、帯状の板材により構成されかつ前記ブラシを前記整流子に押し当てる定荷重バネと、前記ブラシと前記定荷重バネとを保持するブラシホルダと、を備える。前記ブラシは前記整流子に接する第1端部及び前記整流子より離れた位置にある第2端部を有する。前記定荷重バネは、一方の端部に前記帯状の板材が巻回された渦巻部と、他方の端部に前記帯状の板材が延在する固定部と、前記固定部に設けられた掛部と、を有する。前記渦巻部は前記ブラシの前記第2端部と接する。前記ブラシホルダは、前記ブラシが配置されるホルダ本体と、前記ホルダ本体から前記回転軸に沿って突出する鉤状部と、を有する。前記鉤状部は、前記回転軸に沿って延在する立設部と、前記立設部から前記回転軸に向かって張り出す張出部と、を有する。前記立設部は、前記回転軸と対向する対向部を有する。前記定荷重バネの前記掛部が前記対向部に当接する。
上記目的を達成するために、本開示に係る電動機の他の一態様は、回転軸を有する回転子と、前記回転子に取り付けられた整流子と、ブラシと、所定の幅を有する状の材より構成されかつ前記ブラシを前記整流子に押し当てる定荷重バネと、前記ブラシと前記定荷重バネとを保持するブラシホルダと、を備える。前記ブラシは前記整流子に接する第1端部及び前記整流子より離れた位置にある第2端部を有する。前記定荷重バネは、所定の幅を有する帯状の板材により構成され、前記帯状の板材が巻回された渦巻部と、前記渦巻部より離れる方向に延在する前記帯状の板材の先端に位置する固定部と、を有する。前記固定部は、前記回転軸から遠ざかるにつれて前記板材の一部分が前記板材の他の部分より離れるように曲げられた曲部を有する。前記渦巻部は前記ブラシの前記第2端部と接する。前記曲部の幅は前記板材の前記所定の幅より小さい。前記ブラシホルダは、前記ブラシが配置されるホルダ本体と、前記ホルダ本体と空隙を介して対向して配置される天井部と、を有する。前記天井部は、前記回転軸と対向する対向部を有する。前記定荷重バネの前記固定部は、前記空隙に配置される。前記定荷重バネの前記曲部は、前記ブラシホルダの前記対向部に当接する。
上記目的を達成するために、本開示に係る電動送風機の一態様は、前記電動機と、前記回転軸に取り付けられるファンと、を備える。
本開示によれば、組み立てが容易で、かつ、ブラシを整流子に押し当てるためのバネが外れにくい電動機及びそれを備えた電動送風機を実現できる。
図1は、実施の形態1に係る電動機を下方側から見たときの外観斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る電動機を上方側から見たときの外観斜視図である。 図3は、実施の形態1に係る電動機の断面図である。 図4は、実施の形態1に係る電動機におけるブラシホルダの内部構造を示す斜視図である。 図5は、実施の形態1に係る電動機の一部の拡大断面図である。 図6は、実施の形態1に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す斜視図である。 図7は、実施の形態1に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す分解斜視図である。 図8は、実施の形態2に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す分解斜視図である。 図9Aは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第1工程を示す図である。 図9Bは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第2工程を示す図である。 図9Cは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第3工程を示す図である。 図9Dは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第4工程を示す図である。 図9Eは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第5工程を示す図である。 図9Fは、実施の形態2に係る定荷重バネを鉤状部に固定する方法の第6工程を示す図である。 図10は、実施の形態3に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す分解斜視図である。 図11は、実施の形態3に係る鉤状部の構成を示す斜視図である。 図12は、実施の形態3に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す斜視図である。 図13は、実施の形態4に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す分解斜視図である。 図14は、実施の形態4に係るブラシホルダの一部及び定荷重バネを示す斜視図である。 図15Aは、実施の形態4に係る定荷重バネを天井部に固定する方法の第1工程を示す図である。 図15Bは、実施の形態4に係る定荷重バネを天井部に固定する方法の第2工程を示す図である。 図15Cは、実施の形態4に係る定荷重バネを天井部に固定する方法の第3工程を示す図である。 図16は、実施の形態1~実施の形態4に係る各電動機に取り付けられるファンを示す斜視図である。 図17は、電動機に取り付けられたファンを含む電動送風機の模式図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
[1-1.全体構成]
まず、本実施の形態に係る電動機1の全体の構成について、図1~図4を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る電動機1を下方側から見たときの外観斜視図である。図2は、同電動機1を上方側から見たときの外観斜視図である。図3は、同電動機1の断面図である。具体的には、図3は、図2に示す電動機1を、回転軸21の中心を通りかつ線分III-IIIを通り回転軸21に平行な平面で切ったときのIII-III断面図である。図4は、同電動機1におけるブラシホルダ50の内部構造を示す斜視図である。なお、図3では、電動機1の断面に現れる部分のみが図示されている。また、図4には、カバープレート131を外した状態のブラシホルダ50を下方側からみたときの斜視図が示されている。
図3に示すように、電動機1は、固定子10(ステータ)と、固定子10の磁力により回転する回転子20(ロータ)と、を備える。本実施の形態に係る電動機1は、ブラシ付き電動機であり、さらに、図3に示すように、回転子20に設けられた回転軸21に取り付けられた整流子30を備えているとともに、整流子30に接する二つのブラシ40を備えている。
図1~図4に示すように、電動機1は、さらに、ブラシ40を保持するブラシホルダ50を備える。電動機1は、その他に、軸受け91と、第1ブラケット101と、第2ブラケット102と、を備える。
本実施の形態に係る電動機1は、直流により駆動する直流電動機(DCモータ)の一種であり、固定子10として磁石11が用いられているとともに、回転子20として電機子巻線22を有する電機子が用いられている。また、本実施の形態において、電動機1は、二輪又は四輪等の車両に搭載される扁平型(フラット型)のブラシ付きコアレスモータ(フラットモータ)である。したがって、固定子10及び回転子20は、コア(鉄心)を有しておらず、電動機1は、全体として厚みが薄くて軽い構成になっている。具体的には、本実施の形態に係る電動機1は、車両におけるラジエータの冷却ファンに用いられる小型モータであり、電動機1の外径(直径)φは、120mm以下である。一例として、電動機1の外径φは、62mmである。なお、電動機1は、DC12Vの入力電圧により駆動する。
以下、電動機1の各構成部材について詳細に説明する。
図3に示すように、固定子10は、回転子20との間に微小なエアギャップ12を介して配置されている。固定子10は、回転子20に作用する磁力を発生させる。固定子10は、回転子20とのエアギャップ面12aに磁束を生成する構成になっており、電機子である回転子20とともに磁気回路を構成している。具体的には、固定子10は、全体として略ドーナツ状であり、回転軸21の周方向に沿って回転子20とのエアギャップ面12aにN極とS極とが交互に均等に存在するように構成されている。固定子10は、トルクを発生するための磁束を作る界磁磁石であり、本実施の形態では、複数の磁石11(マグネット)によって構成されている。磁石11は、例えばS極及びN極を有する永久磁石である。
固定子10を構成する複数の磁石11は、周方向に亘ってN極とS極とが交互に均等に存在するように配置されている。本実施の形態において、固定子10(磁石11)が発生する主磁束の向きは、回転軸21が延伸する方向に沿った方向である。主磁束の向きは、磁石11の磁極に応じた方向に発生する。固定子10は、第1ブラケット101に固定されている。
図3に示すように、回転子20は、回転軸21を有しており、回転軸21の軸心Cを中心として回転する。回転子20は、固定子10に作用する磁力を発生させる。本実施の形態において、回転子20が発生する主磁束の向きは、回転軸21が延伸する方向に沿った方向である。主磁束の向きは、電機子巻線22に流れる電流の向きに応じた方向に発生する。
回転子20は、固定子10と対向して配置されている。本実施の形態において、回転子20は、回転軸21の軸心Cの方向において固定子10と対向している。
回転軸21は、軸心Cを有するシャフトであり、金属棒等の長尺状の棒状部材である。回転軸21の軸心Cは、回転子20が回転する際の中心となる。回転軸21の長手方向、すなわち、回転軸21が延伸する方向(延伸方向)は、軸心Cの方向(軸心方向)ともいう。
回転軸21は、軸受け91に支持されている。一例として、軸受け91は、ボールベアリング等のベアリングである。
本実施の形態において、回転軸21の第1端部21aは、出力側の端部(出力軸)であり、第1ブラケット101及び軸受け91から突出している。第1端部21aには、例えばファン等の負荷が取り付けられる。なお、回転軸21の第2端部21bは、反出力側の端部(反出力軸)であり、第2ブラケット102から突出している。
軸受け91は、第1ブラケット101に保持されている。具体的には、軸受け91は、第1ブラケット101に設けられた凹部に固定されている。
第1ブラケット101及び第2ブラケット102を構成する材料は特に限定されないが、例えば、アルミニウム等である。なお、第1ブラケット101と第2ブラケット102とで筐体が構成されており、この筐体の中に固定子10と回転子20とが配置されている。
本実施の形態において、第1ブラケット101は、電動機1の外郭部材であり、底部及び円筒状の側壁部を有する有底筒形状に形成されている。固定子10を構成する磁石11は、第1ブラケット101の底部に固定されている。また、回転子20の電機子巻線22は、第1ブラケット101の側壁部に囲まれている。なお、第1ブラケット101及び第2ブラケット102の材質は、金属材料に限るものではなく、樹脂材料であってもよいが、電動機1から発生するノイズを抑制するとの観点では、第1ブラケット101及び第2ブラケット102は、金属材料によって構成されているとよい。
図3に示すように、回転子20は、回転軸21とともに、複数の電機子巻線22と、複数の電機子巻線22を覆うモールド樹脂23と、を有する。
複数の電機子巻線22の各々は、電線によって構成されており、電流が流れることで固定子10に作用する磁力を発生するように巻回されている。本実施の形態において、各電機子巻線22が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cの方向である。つまり、固定子10の磁石11と回転子20の電機子巻線22とは、回転軸21の軸心Cの方向に並んでいる。
各電機子巻線22は、銅又はアルミニウム等の金属からなる芯線と芯線を被膜する絶縁膜と、を有する絶縁被覆線によって構成されている。本実施の形態において、複数の電機子巻線22の各々は、導電線が平面状に巻回されたコイル層を有する薄形の巻線コイルである。具体的には、複数の電機子巻線22の各々は、例えば、絶縁被覆線が平面視で略扇状に巻回された1層又は複数のコイル層によって構成されている。このように構成された複数の電機子巻線22は、回転軸21の軸心Cの方向から見たときに、回転軸21を囲むように配置されている。
複数の電機子巻線22の各々は、整流子30と電気的に接続されている。具体的には、複数の電機子巻線22の各々は、整流子30の複数の整流子片31のいずれかと電気的に接続されている。
複数の電機子巻線22は、モールド樹脂23で覆われることでモールド樹脂23とともに一体に成形されている。モールド樹脂23は、例えばフェノール樹脂又は不飽和ポリエステル(BMC)等の絶縁性樹脂材料によって構成されている。
図3に示すように、整流子30は、回転軸21に取り付けられている。したがって、整流子30は、回転子20が回転することで回転軸21とともに回転する。回転軸21に取り付けられた整流子30は、回転子20の一部であってもよい。
整流子30は、回転軸21の回転方向に沿って設けられた複数の整流子片31(整流子セグメント)を有する。具体的には、複数の整流子片31は、回転軸21を囲むように回転軸21の回転方向に沿って円環状に配列されている。なお、各整流子片31は、回転軸21の長手方向に延在する長尺状部材である。
複数の整流子片31の各々は、銅等の金属材料によって構成された導電端子であり、回転子20が有する電機子巻線22と電気的に接続されている。複数の整流子片31は、互いに絶縁分離されて配置されているが、回転子20の電機子巻線22によって電気的に接続されている。例えば、隣り合う2つの整流子片31は、電機子巻線22によって電気的に接続されている。
一例として、整流子30は、モールド整流子であり、複数の整流子片31がモールド樹脂32によってモールドされた構成になっている。この場合、複数の整流子片31は、表面が露出するようにモールド樹脂32に埋め込まれている。モールド樹脂32は、整流子本体であり、回転軸21が挿入される貫通孔を有する略筒状部材である。モールド樹脂32は、例えば、熱硬化性樹脂等の絶縁性樹脂材料によって構成された樹脂成形体である。
図3に示すように、整流子30には、二つのブラシ40が接している。具体的には、二つのブラシ40の各々は、整流子30の整流子片31に接している。ブラシ40は、回転軸21の回転により整流子30が回転するため、全ての整流子片31と順次接触し続ける。なお、ブラシ40の個数は、二つに限定されず、例えば、四つであってもよい。
図4に示すように、二つのブラシ40は、ブラシホルダ50に配置されている。具体的には、二つのブラシ40の各々は、その長手方向が回転軸21の軸心Cと直交する方向(つまり回転軸21の回転の径方向)となるようにブラシホルダ50に配置されている。
本実施の形態において、二つのブラシ40の長手方向のなす角は、180°である。なお、二つのブラシ40の長手方向のなす角は180°未満であってもよい。
ブラシ40の各々は、整流子片31に接することで電機子巻線22に電力を供給する給電ブラシ(通電ブラシ)である。ブラシ40は、整流子30に接する第1端部41及び第1端部41とは反対側に位置する第2端部42を含む。ブラシ40は、導電性を有する導電体である。一例として、ブラシ40は、カーボンによって構成された長尺状の略直方体のカーボンブラシである。本実施の形態において、ブラシ40は、銅等の金属を含むカーボンブラシであるとよい。これにより、ブラシ40と整流子片31との接触抵抗を小さくすることができる。このようなブラシ40は、例えば、黒鉛粉と銅紛とバインダー樹脂と硬化剤と、を混錬した混錬物を粉砕して直方体に圧縮成形して焼成することで作製することができる。
図3及び図4に示すように、ブラシホルダ50には、ブラシ40の個数と同数の定荷重バネ110が配置されている。本実施の形態では、二つの定荷重バネ110が配置されている。ブラシ40は、定荷重バネ110からの押圧力を受けて、整流子30の整流子片31と常に接するように取り付けられている。つまり、ブラシ40は、定荷重バネ110によって整流子30に押し付けられている。
定荷重バネ110は、図3に示すように、バネ弾性力(バネ復元力)によってブラシ40に押圧(バネ圧)を付与し、ブラシ40を整流子30に向けて付勢している。本実施の形態において、定荷重バネ110は、帯状の線材により構成され、ブラシ40を整流子30に押し当てるバネである。言い換えると、定荷重バネ110は、長尺状の薄い板材により構成される。定荷重バネ110は、一方の端部に位置する帯状の線材が巻回された渦巻部111と、他方の端部に位置する固定部112と、を有する。渦巻部111は、ブラシ40の第2端部42と接する。固定部112は、ブラシホルダ50の鉤状部60に固定される。鉤状部60は、ブラシ40の第1端部41付近に配置される。これにより、定荷重バネ110の渦巻部111は、ブラシ40の第1端部41に近づく向きにブラシ40の第2端部42を押す。これにより、定荷重バネ110による押圧力によって、ブラシ40の第1端部41が整流子片31に常に接することになる。このように、ブラシ40は、整流子片31との摩擦によって摩耗していくことで、定荷重バネ110からの押圧力により回転軸21の軸心Cに向かう方向(径方向)に移動していく。
ブラシ40には、電動機1の外部に配置された外部電源から電力が供給される。外部電源は、電動機1の外部に存在する電源であり、電動機1に所定の入力電圧を供給する。本実施の形態において、外部電源は、電動機1にDC12Vの入力電圧を供給する直流電源である。なお、直流電源は、直流電力を出力する電源であれば特に限定されず、例えば、発電機、コンバータ、バッテリーなどである。
以上のように構成される電動機1では、二つのブラシ40の各々に供給される電流が電機子電流(駆動電流)として整流子30の整流子片31を介して電機子巻線22に流れる。これにより、回転子20(電機子巻線22)に磁束が発生する。そして、この回転子20に生じた磁束と固定子10から生じる磁束との相互作用によって生じた磁気力とが回転子20を回転させるトルクとなる。このとき、整流子30の整流子片31と二つのブラシ40の各々とが接する際の位置関係によって電流が流れる方向が切り替えられる。このように、電流が流れる方向が切り替えられることで、固定子10と回転子20との間に発生する磁力の反発力と吸引力とで一定方向の回転力が生成され、回転子20が回転軸21を中心として回転する。
ブラシホルダ50は、二つのブラシ40を保持する保持部材である。ブラシホルダ50は、例えば、絶縁性の樹脂材料によって構成されている。本実施の形態において、ブラシホルダ50は、樹脂材料を用いた一体成形により形成された樹脂成形品である。図3に示すように、本実施の形態において、ブラシホルダ50は、電動機1の外郭を構成する外郭部材であり、第2ブラケット102を外側から覆っている。
ブラシホルダ50は、ホルダ本体50aと、鉤状部60と、を有する。ホルダ本体50aは、ブラシホルダ50のブラシが配置される部分である。言い換えると、ホルダ本体50aは、ブラシホルダ50の鉤状部60以外の部分である。図4に示すように、ブラシホルダ50のホルダ本体50aは、二つのブラシ収納部51を有する。二つのブラシ収納部51の各々には、ブラシ40が収納される。ブラシ収納部51は、ブラシホルダ50の内面側に凹状に形成されている。なお、本実施の形態では、ブラシ収納部51は、凹状の形状を有するが、ブラシ収納部51とカバープレート131とが一体化されたようなボックス状の形状を有してもよい。鉤状部60は、ホルダ本体50aから回転軸21に沿って突出する部分であり、定荷重バネ110を固定するために用いられる。鉤状部60の詳細構成については、後述する。
本実施の形態において、ブラシ収納部51は、回転軸21の軸心Cと直交する方向(つまり回転軸21の回転の径方向)に長尺で、かつ、断面形状が凹状に形成されている。
図4に示すように、各々にブラシ40が収納された二つのブラシ収納部51の各々は、カバープレート131によって覆われている。二つのカバープレート131は、例えば、真鍮板によって構成されており、各々がブラシ収納部51に蓋をするように配置される。
なお、図4に示すように、ブラシ収納部51には、ブラシ40とともに定荷重バネ110が収納されている。
[1-2.ブラシホルダ及び定荷重バネの詳細構成]
次に、本実施の形態に係るブラシホルダ50及び定荷重バネ110の詳細構成について図5~図7を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係る電動機1の一部の拡大断面図である。図5においては、電動機1の断面のうち、定荷重バネ110及びその周辺を拡大して示している。図6は、本実施の形態に係るブラシホルダ50の一部及び定荷重バネ110を示す斜視図である。図7は、本実施の形態に係るブラシホルダ50の一部及び定荷重バネ110を示す分解斜視図である。
図5に示すように、ブラシホルダ50は、ホルダ本体50aと鉤状部60と有する。鉤状部60は、ホルダ本体50aから回転軸21に沿って突出する部分である。本実施の形態では、鉤状部60は、ブラシ40から遠ざかる向きに突出する。鉤状部60は、回転軸21に沿って延在する立設部61と、立設部61から回転軸に向かって張り出す張出部66と、を有する。なお、立設部61は、回転軸21の軸心Cと完全に平行に延在しなくてもよく、概ね平行に延在すればよい。立設部61は、回転軸21と対向する対向部64を有する。ここで、対向部64が回転軸21と対向するとの表現が意味する構成には、対向部64と回転軸21との間に他の部材が介在しない構成だけでなく、対向部64と回転軸21との間に他の部材が介在する構成も含まれる。本明細書の他の「対向する」との表現についても同様に定義される。本実施の形態では、対向部64は、回転軸21と対向し、回転軸21に沿って延在する立設部61の表面部分である。
定荷重バネ110は、図5~図7に示すように、帯状の線材により構成され、一方の端部に位置する帯状の線材が巻回された渦巻部111と、他方の端部に位置する固定部112と、を有する。図5に示すように、渦巻部111は、ブラシ40の第2端部42と接する。固定部112は、鉤状部60に固定される。これにより、定荷重バネ110の渦巻部111が鉤状部60に近づく向きにブラシ40の第2端部42を押す。
図7に示すように、固定部112は、開口117を有する。定荷重バネ110を鉤状部60に固定する際には、図5及び図6に示すように、固定部112の開口117に鉤状部60が挿入されている。開口117は、鉤状部60を挿入することができる形状及び寸法の穴であれば特に限定されない。本実施の形態では、開口117は、長円状の形状を有する。また、定荷重バネ110の固定部112が鉤状部60に固定され、渦巻部111がブラシ40の第2端部42に接する状態において、固定部112には、渦巻部111に向かう力が加わる。このため、開口117の回転軸21に近い部分である掛部118は、鉤状部60の回転軸と対向する対向部64に当接し、対向部64を渦巻部111に向かって押す。鉤状部60は、ホルダ本体50aと一体化されているため、定荷重バネ110の掛部118によって押されても移動しない。したがって、定荷重バネ110を鉤状部60に固定できる。言い換えると、固定部112が、鉤状部60の対向部64に当接する掛部118を有することで、定荷重バネ110を鉤状部60に固定することが可能となる。以上のように、本実施の形態に係る定荷重バネ110は、開口117に鉤状部60を挿入するだけで、容易に固定できる。
また、鉤状部60は、立設部61から回転軸に向かって張り出す張出部66を有するため、立設部61の対向部64に当接した定荷重バネ110の掛部118が、図5及び図6の上方に移動することを抑制できる。したがって、定荷重バネ110が鉤状部60から外れることを抑制できる。
以上のように、本実施の形態によれば、組み立てが容易で、かつ、定荷重バネ110が外れにくい電動機1を実現できる。
特に、本実施の形態に係る電動機1のように、整流子30と接続される複数の電機子巻線22と、複数の電機子巻線22を覆うモールド樹脂23と、を備えるフラットモータにおいては、回転軸21の軸心C方向の寸法が小さく、ブラシホルダ50内部の空間も狭い。このため、定荷重バネ110の組み立てが容易になることの効果が大きく、組み立て作業に要する時間を大幅に削減できる。また、鉤状部60に固定された定荷重バネ110が外れにくいため、組み立て作業中に定荷重バネ110が意図せずに外れることが抑制される。したがって、定荷重バネ110が意図せず外れることで、再組み立てが必要となることを削減できる。
上述したとおり、本実施の形態では、固定部112は、開口117を有し、開口117の一部が掛部118である。このように、掛部118を開口117で実現することで、鉤状部60から外れにくい固定部112を実現できる。なお、掛部118は、必ずしも開口117の一部でなくてもよい。例えば、掛部118は、帯状の線材の幅方向端部の一部を切り欠いた切欠部で実現することも可能である。
また、本実施の形態では、鉤状部60の対向部64が、回転軸21に沿って延在する面状部分である。このため、掛部118が、回転軸21から遠ざかる向きに移動することをより確実に抑制できる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る電動機について説明する。本実施の形態に係る電動機は、主に、ブラシホルダの鉤状部が傾斜面を有する点において、実施の形態1に係る電動機1と相違する。以下、本実施の形態に係る電動機について、実施の形態1に係る電動機1との相違点を中心に図8~図9Fを用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係るブラシホルダ250の一部及び定荷重バネ210を示す分解斜視図である。図9A~図9Fは、本実施の形態に係る定荷重バネ210を鉤状部260に固定する方法の各工程を示す図である。
図8に示すように、ブラシホルダ250は、ホルダ本体50aと鉤状部260と有する。本実施の形態に係る鉤状部260は、実施の形態1に係る鉤状部60と同様に、回転軸21に沿って延在する立設部261と、立設部261から回転軸21に向かって張り出す張出部266と、を有する。立設部261は、回転軸21と対向する対向部264を有する。対向部264は、回転軸21と対向し、回転軸21に沿って延在する面状部分である。なお、図8~図9Fには示されないが、実施の形態1と同様に、図8の鉤状部260の左上側、及び、図9A~図9Fの鉤状部260の左側に回転軸21が配置される。
本実施の形態では、立設部261は、回転軸21から遠ざかるにしたがってホルダ本体50aに近づく(言い換えると、ブラシ40に近づく)立設傾斜面262を有する。立設傾斜面262は、対向部264と背向する面である。また、張出部266は、回転軸21に近づくにしたがってホルダ本体50aに近づく(言い換えると、ブラシ40に近づく)張出傾斜面267を有する。張出傾斜面267は、回転軸21と対向する面である。本実施の形態に係る立設傾斜面262及び張出傾斜面267は、平面状の形状を有するが、各傾斜面の形状はこれに限らない。例えば、各傾斜面は、曲面状の形状を有してもよい。
定荷重バネ210は、一方の端部に位置する渦巻部111と、他方の端部に位置する固定部212と、を有する。固定部212は、鉤状部260に固定される。
固定部212は、開口217を有する。定荷重バネ210を鉤状部260に固定する際には、開口217に鉤状部260が挿入されている。本実施の形態では、開口217は、鉤状部260の形状に合わせて、略矩形の形状を有する。また、固定部212は、対向部264に当接する掛部218を有する。
ブラシホルダ250及び定荷重バネ210が以上のような構成を有することで、実施の形態1と同様に、開口217に鉤状部260を挿入するだけで、定荷重バネ210を鉤状部260に容易に固定できる。
また、鉤状部260は、立設部261から回転軸に向かって張り出す張出部266を有するため、定荷重バネ210が鉤状部260から外れることを抑制できる。
また、本実施の形態に係る鉤状部260は、立設傾斜面262及び張出傾斜面267を有することで、定荷重バネ210を鉤状部260に容易に固定できる。以下、定荷重バネ210の固定方法、及び、各傾斜面の効果について、図9A~図9Fを用いて説明する。
まず、図9Aに示すように、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させて、鉤状部260に近づける。具体的には、定荷重バネ210を、鉤状部260より回転軸21から離れた位置から、回転軸21に向けて移動させることで、定荷重バネ210の固定部212を、鉤状部260に近づける。この際、図9Aに示すように、定荷重バネ210の固定部212が、渦巻部111より鉤状部260に近い位置に配置する。
続いて、図9Bに示すように、さらに、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させて、定荷重バネ210の固定部212の先端を鉤状部260の立設傾斜面262に当接させる。
さらに、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させると、図9Cに示すように、定荷重バネ210の固定部212の先端が、鉤状部260の立設傾斜面262に沿って鉤状部260の上端まで移動する。
さらに、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させる。この際、図9Dに示すように、定荷重バネ210の固定部212を鉤状部260の上端に接触させながら、定荷重バネ210を移動させる。
このように、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させ続けると、鉤状部260の上端の位置に開口217が到達する。これにより、図9Eに示すように、定荷重バネ210の開口217に鉤状部260の上端が自ずと挿入される。この際、開口217の掛部218(図8参照)が張出部266の張出傾斜面267上を滑り降りるため、鉤状部260を定荷重バネ210の開口217に滑らかに挿入できる。
さらに、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させ続けると、鉤状部260の張出部266全体が開口217を通過する。このように、定荷重バネ210を鉤状部260に対して固定できる。
なお、図示しないが、以上のように定荷重バネ210を固定した後、定荷重バネ210の渦巻部111にブラシ40の第2端部42を押し当てることで、定荷重バネ210に対して回転軸21から遠ざかる向きに力を加える。これにより、定荷重バネ210の掛部218(図8参照)が、鉤状部260の対向部264に当接する。これにより、張出部266によって、定荷重バネ210の固定部が、鉤状部260から外れることを抑制できる。
以上のように、本実施の形態に係るブラシホルダ250、及び定荷重バネ210によれば、定荷重バネ210を回転軸21に近づく向きに移動させるだけで、定荷重バネ210を鉤状部260に容易に固定することができる。特に、電動機がフラットモータである場合には、鉤状部260の上方のスペースが狭くなるため、本実施の形態のように、定荷重バネ210を一方向に移動させるだけで、鉤状部260に固定できることで、定荷重バネ210の固定作業に要する時間及び手間を大幅に削減できる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る電動機について説明する。本実施の形態に係る電動機は、ブラシホルダの鉤状部、及び定荷重バネの形状において、実施の形態2に係る電動機と相違する。以下、本実施の形態に係る電動機について、実施の形態2に係る電動機との相違点を中心に図10~図12を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係るブラシホルダ350の一部及び定荷重バネ310を示す分解斜視図である。図11は、本実施の形態に係る鉤状部360の構成を示す斜視図である。図12は、本実施の形態に係るブラシホルダ350の一部及び定荷重バネ310を示す斜視図である。図12には、定荷重バネ310をブラシホルダ350の鉤状部360に固定した状態のブラシホルダ350の一部及び定荷重バネ310が示されている。
図10及び図12に示すように、ブラシホルダ350は、ホルダ本体50aと鉤状部360と有する。図11に示すように、本実施の形態に係る鉤状部360は、実施の形態2に係る鉤状部260と同様に、回転軸21に沿って延在する立設部361と、立設部361から回転軸21に向かって張り出す張出部366と、を有する。立設部361は、回転軸21と対向する対向部364を有する。対向部364は、回転軸21と対向し、回転軸21に沿って延在する面状部分である。なお、図10~図12には示されないが、実施の形態1と同様に、図10~図12の鉤状部360の左上側に回転軸21が配置される。
本実施の形態では、図11に示すように、立設部361は、回転軸21の回転の周方向に互いに離隔して配置される第1立設部361a及び第2立設部361bを含む。対向部364は、第1立設部361aが有する第1対向部364aと、第2立設部361bが有する第2対向部364bと、を含む。張出部366は、第1立設部361aから回転軸21に向かって張り出す第1張出部366aと、第2立設部361bから回転軸21に向かって張り出す第2張出部366bと、を含む。このように、本実施の形態では、鉤状部360は、回転軸21の回転の周方向に互いに離隔して配置される二つの部分からなる。当該二つの部分は、互いに同等の形状及び寸法を有する。
また、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、立設部361は、回転軸21から遠ざかるにしたがってホルダ本体50aに近づく(言い換えると、ブラシ40に近づく)立設傾斜面362を有する。立設傾斜面362は、対向部364と背向する面である。本実施の形態では、立設傾斜面362は、第1立設部361aが有する第1立設傾斜面362aと、第2立設部361bが有する第2立設傾斜面362bと、を含む。
また、張出部366は、回転軸21に近づくにしたがってホルダ本体50aに近づく(言い換えると、ブラシ40に近づく)張出傾斜面367を有する。張出傾斜面367は、回転軸21と対向する面である。本実施の形態では、張出傾斜面367は、第1張出部366aが有する第1張出傾斜面367aと、第2張出部366bが有する第2張出傾斜面367bと、を含む。
本実施の形態に係る立設傾斜面362及び張出傾斜面367は、平面状の形状を有するが、各傾斜面の形状はこれに限らない。例えば、各傾斜面は、曲面状の形状を有してもよい。
定荷重バネ310は、図10に示すように、一方の端部に位置する渦巻部111と、他方の端部に位置する固定部312と、を有する。固定部312は、鉤状部360に固定される。
固定部312は、鉤状部360の対向部364に当接する掛部318を有する。掛部318は、第1対向部364aに当接する第1掛部318aと、第2対向部364bに当接する第2掛部318bと、を含む。また、固定部312は、第1掛部318aと第2掛部318bと、を接続し、鉤状部360の第1立設部361aと第2立設部361bとの間に配置される接続部319を有する。固定部312の幅方向(つまり、回転軸21の回転の周方向)の両端部の各々には、切欠部が形成されている。切欠部の回転軸21に近い方の端部が、第1掛部318a又は第2掛部318bである。切欠部の形状は特に限定されないが、本実施の形態では矩形である。つまり、固定部312は、I字状の形状を有する。
図10に示す接続部319が、図11に示す第1立設部361aと第2立設部361bとの間に配置される。また、図10に示す第1掛部318a及び第2掛部318bが、それぞれ、図11に示す第1対向部364a及び第2対向部364bに当接する。これにより、図12に示すように、定荷重バネ310を鉤状部360に固定できる。
本実施の形態に係る鉤状部360及び定荷重バネ310においても、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、組み立てが容易で、かつ、定荷重バネ310が外れにくい電動機を実現できる。
また、本実施の形態においても、鉤状部360が立設傾斜面362及び張出傾斜面367を有するため、実施の形態2に係る定荷重バネ210と同様に、定荷重バネ310を回転軸21に近づく向きに移動させるだけで、定荷重バネ310を鉤状部360に固定することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る電動機について説明する。本実施の形態に係る電動機は、ブラシホルダ及び定荷重バネの形状において、実施の形態2に係る電動機と相違する。以下、本実施の形態に係る電動機について、実施の形態2に係る電動機との相違点を中心に図13~図15Cを用いて説明する。
図13は、本実施の形態に係るブラシホルダ450の一部及び定荷重バネ410を示す分解斜視図である。図14は、本実施の形態に係るブラシホルダ450の一部及び定荷重バネ410を示す斜視図である。図15A~図15Cは、本実施の形態に係る定荷重バネ410を天井部466に固定する方法の各工程を示す図である。
図13及び図14に示すように、ブラシホルダ450は、ホルダ本体50aと天井部466と有する。天井部466は、ホルダ本体50aと空隙を介して対向して配置される部分である。天井部466は、回転軸21と対向する対向部464を有する。対向部464は、回転軸21と対向し、回転軸21に沿って延在する面状部分である。本実施の形態に係るホルダ本体50aは、ブラシホルダ450の天井部466以外の部分である。なお、図14~図15Cには示されないが、実施の形態1と同様に、図14の対向部464の左下側、及び、図15A~図15Cの対向部464の左側に回転軸21が配置される。
定荷重バネ410は、図13及び図14に示すように、一方の端部に位置する渦巻部111と、他方の端部に位置する固定部412と、を有する。固定部412は、天井部466に固定される。
固定部412は、帯状の線材の一部であって、回転軸21から遠ざかるにしたがって、帯状の線材の他の部分から遠ざかる向きに曲げられた曲部418を有する。曲部418の幅は、帯状の線材の幅より小さい。本実施の形態では、帯状の線材に略U字状の切り目を入れ、当該切り目で囲まれた部分を他の部分に対して湾曲させることによって、曲部418が形成されている。なお、曲部418の構成は、これに限定されない。例えば、帯状の線材の幅方向の端部に鉤型の切り目を入れ、切り目と帯状の線材の幅方向の端部とで囲まれた部分を他の部分に対して湾曲させることによって曲部が形成されてもよい。
固定部412は、ホルダ本体50aと、天井部466との間の空隙に配置される。固定部412の曲部418が、天井部466の対向部464に当接することで、固定部412が、渦巻部111側に移動することを抑止している。これにより、定荷重バネ410が固定されている。
ホルダ本体50aと、天井部466との間隔は、定荷重バネ410を構成する帯状の線材の厚さより大きい。また、当該間隔は、定荷重バネ410に力が加わらない状態での曲部418の端部における定荷重バネ410の回転軸の軸心方向の長さより小さい。つまり、当該間隔は、曲部418に力が加わらない状態における曲部418の部分の線材の厚さ方向の最大寸法より小さい。これにより、曲部418が、空隙から渦巻部111側に移動することをより確実に抑止できる。
本実施の形態に係るブラシホルダ450及び定荷重バネ410は、以上のような構成を有することで、定荷重バネ410を天井部466に容易に固定できる。以下、定荷重バネ410の固定方法について、図15A~図15Cを用いて説明する。
まず、図15Aに示すように、定荷重バネ410の固定部412の先端をホルダ本体50aと、天井部466との間の空隙に挿入する。
続いて、図15Bに示すように、定荷重バネ410を回転軸21に近づく向きに移動させ、曲部418を空隙に挿入する。ここで、上述のとおり、ホルダ本体50aと、天井部466との間隔は、曲部418に力が加わらない状態における曲部418の部分の線材の厚さ方向の最大寸法より小さい。ここで、曲部418は、回転軸21から遠ざかるにしたがって、帯状の線材の他の部分から遠ざかる向きに曲げられているため、曲部418の部分の線材の厚さ方向の寸法は、固定部412の先端に近い端部から、渦巻部111に近い端部に近づくにしたがって、徐々に大きくなる。また、定荷重バネ410を構成する線材は、弾性部材であるため、曲部418に力を加えることで、固定部412における曲部418の線材の厚さ方向の寸法が小さくなるように曲部418を弾性変形させることができる。このため、図15Bに示すように、固定部412を空隙に挿入することで、曲部418が変形されるため、固定部412を滑らかに移動させることができる。
さらに、定荷重バネ410を回転軸21に近づく向きに移動させて、曲部418が天井部466の対向部464を通過すると、曲部418に力が加わらない状態となる。このため、図15Cに示すように、曲部418が元の形状に戻る。したがって、曲部418の部分の線材の厚さ方向の最大寸法が、ホルダ本体50aと、天井部466との間隔より大きくなる。これにより、上述したとおり、固定部412の曲部418が、天井部466の対向部464に当接することで、固定部412が、渦巻部111側に移動することを抑止できる。
以上のように、本実施の形態に係るブラシホルダ450及び定荷重バネ410によれば、定荷重バネ410を回転軸21に近づく向きに移動させるだけで、定荷重バネ410を天井部466に容易に固定することができる。さらに、曲部418が天井部466の対向部464に当接することで、定荷重バネ410の固定部が、天井部466から外れることを抑制できる。
(変形例)
以上、本開示に係る電動機について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、電動機1は、固定子10及び回転子20がコアを有していないコアレスモータであったが、これに限らない。例えば、電動機1は、固定子10及び回転子20がコアを有する電動機であってもよい。
また、上記実施の形態において、固定子10は、永久磁石のみによって構成されていたが、これに限らない。例えば、固定子10は、永久磁石と鉄心とによって構成された固定子であってもよいし、永久磁石を用いずに固定子巻線と鉄心とからなる固定子であってもよい。
また、上記実施の形態において、電動機1は、厚みが外径より小さい外形サイズの扁平型のフラットモータであったが、これに限らない。本開示の技術は、例えば、厚みが外径よりも大きい外形サイズの円筒状の筐体を有する寸胴型の電動機等にも適用することができる。
また、上記実施の形態において、固定子10及び回転子20が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cの方向であったが、これに限らない。具体的には、固定子10及び回転子20が発生する主磁束の向きは、回転軸21の軸心Cの方向と直交する方向(回転軸21の回転の径方向)であってもよい。例えば、本開示の技術は、回転子20が固定子10の内側に配置されたインナーロータ型のモータに適用することもできる。
また、上記実施の形態において、電動機1は、車両に用いられる車両用モータであったが、これに限らない。本開示の技術は、例えば、電気掃除機等に搭載される電動送風機等に用いられる電動機など、その他の種々の電気機器に用いられる電動機にも適用することができる。
ここで、上記実施の形態に係る各電動機を電動送風機に適用する例について図16を用いて説明する。図16は、上記実施の形態に係る各電動機に取り付けられるファン190を示す斜視図である。図17は、電動機1に取り付けられたファン190を含む電動送風機600の模式図である。図16に示されるようなファン190を上記実施の形態に係る電動機1の回転軸21に取り付けることで、電動送風機600を実現できる。つまり、本開示に係る電動送風機600は、上記実施の形態のいずれかに係る電動機1と、当該電動機1の回転軸21に取り付けられるファン190と、を備える。なお、図16に示すファン190は、一例であり、他の形状及び構造を有するファンなどが上記実施の形態に係る各電動機1に取り付けられてもよい。このような電動送風機600は、上記実施の形態に係る電動機1を備えるため、上記実施の形態に係る電動機1と同様の効果を奏する。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示の技術は、自動車等の電装分野及び家庭用電気機器分野の製品をはじめとして、電動機が搭載される種々の製品に広く利用することができる。
1 電動機
10 固定子
11 磁石
12 エアギャップ
12a エアギャップ面
20 回転子
21 回転軸
21a 第1端部
21b 第2端部
22 電機子巻線
23、32 モールド樹脂
30 整流子
31 整流子片
40 ブラシ
41 第1端部
42 第2端部
50、250、350、450 ブラシホルダ
50a ホルダ本体
51 ブラシ収納部
60、260、360 鉤状部
61、261、361 立設部
64、264、364、464 対向部
66、266、366 張出部
91 軸受け
101 第1ブラケット
102 第2ブラケット
110、210、310、410 定荷重バネ
111 渦巻部
112、212、312、412 固定部
117、217 開口
118、218、318 掛部
131 カバープレート
190 ファン
262、362 立設傾斜面
267、367 張出傾斜面
318a 第1掛部
318b 第2掛部
319 接続部
361a 第1立設部
361b 第2立設部
362a 第1立設傾斜面
362b 第2立設傾斜面
364a 第1対向部
364b 第2対向部
366a 第1張出部
366b 第2張出部
367a 第1張出傾斜面
367b 第2張出傾斜面
418 曲部
466 天井部
600 電動送風機

Claims (10)

  1. 回転軸を有する回転子と、
    前記回転子に取り付けられた整流子と、
    ブラシと、
    帯状の板材により構成され、かつ前記ブラシを前記整流子に押し当てる定荷重バネと、
    前記ブラシと前記定荷重バネとを保持するブラシホルダと、を備え、
    前記ブラシは前記整流子に接する第1端部及び前記整流子より離れた位置にある第2端部を有し、
    前記定荷重バネは、一方の端部に前記帯状の板材が巻回された渦巻部と、他方の端部に前記帯状の板材が延在する固定部と、前記固定部に設けられた掛部と、を有し、前記渦巻部は前記ブラシの前記第2端部と接し、
    前記ブラシホルダは、前記ブラシが配置されるホルダ本体と、前記ホルダ本体から前記回転軸に沿って突出する鉤状部と、を有し、前記鉤状部は、前記回転軸に沿って延在する立設部と、前記立設部から前記回転軸に向かって張り出す張出部と、を有し、前記立設部は、前記回転軸と対向する対向部を有し、前記定荷重バネの前記掛部が前記対向部に当接する、
    電動機。
  2. 前記立設部は、前記回転軸から遠ざかるにしたがって前記ホルダ本体に近づく立設傾斜面を有する
    請求項1に記載の電動機。
  3. 前記張出部は、前記回転軸に近づくにしたがって前記ホルダ本体に近づく張出傾斜面を有する
    請求項1又は2に記載の電動機。
  4. 前記ブラシホルダの前記鉤状部は、前記ブラシから遠ざかる向きに突出する
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電動機。
  5. 前記荷重バネの前記掛部は、前記荷重バネの前記固定部に設けられた開口であり、
    前記開口に、前記ブラシホルダの前記鉤状部が挿入されている
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電動機。
  6. 前記ブラシホルダの前記立設部は、前記回転軸の回転の周方向に互いに離隔して配置される第1立設部及び第2立設部を含み、
    前記ブラシホルダの前記対向部は、前記第1立設部が有する第1対向部と、前記第2立設部が有する第2対向部と、を含み、
    前記ブラシホルダの前記張出部は、前記第1立設部から前記回転軸に向かって張り出す第1張出部と、前記第2立設部から前記回転軸に向かって張り出す第2張出部と、を含み、
    前記荷重バネの前記掛部は、前記第1対向部に当接する第1掛部と、前記第2対向部に当接する第2掛部と、を含み、
    前記荷重バネの前記固定部は、前記第1掛部と前記第2掛部と、を接続し、前記第1立設部と前記第2立設部との間に配置される接続部を有する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電動機。
  7. 回転軸を有する回転子と、
    前記回転軸に沿って前記回転子に取り付けられた整流子と、
    ブラシと、
    所定の幅を有する帯状の板材により構成され、かつ前記ブラシを前記整流子に押し当てる定荷重バネと、
    前記ブラシと前記定荷重バネとを保持するブラシホルダと、を備え、
    前記ブラシは前記整流子に接する第1端部及び前記整流子より離れた位置にある第2端部を有し、
    前記定荷重バネは、一方の端部に前記帯状の板材が巻回された渦巻部と、他方の端部に前記帯状の板材が延在する固定部と、を有し、前記固定部は、前記回転軸から遠ざかるにつれて前記板材の一部分が前記板材の他の部分より離れるように曲げられた曲部を有し、前記渦巻部は前記ブラシの前記第2端部と接し、前記曲部の幅は前記板材の前記所定の幅より小さく、
    前記ブラシホルダは、
    前記ブラシが配置されるホルダ本体と、
    前記ホルダ本体と空隙を介して対向して配置される天井部と、を有し、
    前記天井部は、前記回転軸と対向する対向部を有し、
    前記定荷重バネの前記固定部は、前記空隙に配置され、
    前記定荷重バネの前記曲部は、前記ブラシホルダの前記対向部に当接する、
    電動機。
  8. 前記ホルダ本体と、前記天井部との間隔は、前記帯状の板材の厚さより大きく、前記定荷重バネに力が加わらない状態での前記曲部の端部における前記定荷重バネの前記回転軸の軸心方向の長さより小さい、
    請求項7に記載の電動機。
  9. 前記整流子と接続される複数の電機子巻線と、
    前記複数の電機子巻線を覆うモールド樹脂と、を備える、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の電動機。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の電動機と、
    前記回転軸に取り付けられるファンと、を備える、
    電動送風機。
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