JPWO2022141752A5 - - Google Patents

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この発明は、酸化ガリウム単結晶の製造分野に属し、特に、ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法、製造方法及びそのシステムに関するものである。
β-Ga(酸化ガリウム)はギャップ幅禁制帯を直接に持っている半導体材料であり、禁制帯の幅は4.8~4.9eVである。酸化ガリウムは、禁制帯の幅が広く、飽和電子のドリフト速度が速く、破壊電界強度(breakdown field strength)が強く、化学性能の安定性がよいという利点等を有しているので、高温、高周波、ハイパワーのパワー電子部品の分野に幅広く用いることができる。酸化ガリウムをLEDチップ、ソーラーブラインド紫外線検出(Solar blind ultraviolet detection)、いろいろなセンサー素子及び撮影素子等にも用いることができる。
チョクラルスキー法は導電型酸化ガリウムを製造する1つの方法である。従来の技術において、チョクラルスキー法で導電型酸化ガリウムを製造するとき、導電型酸化ガリウムの製造パラメーター(preparation parameter)を容易に制御することができず、導電型酸化ガリウムの性能に影響を与える要因が多いことにより、事前設定キャリア濃度(carrier concentration)を有している導電型酸化ガリウムを獲得することができない。
したがって、従来の技術の欠点を解決するとともに改良する必要がある。
従来の技術の技術的問題と技術的欠点を解決するため、本発明はつぎのようなディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法、製造方法及びそのシステムを提供する。その目的は、チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造する従来の技術において、作業者の経験によりパラメーターを調整することによりパラメーターの一致性を確保することができず、かつ事前設定キャリア濃度を有している導電型酸化ガリウム単結晶を安定に獲得することができない問題を解決することにある。
前記技術的問題を解決するため、本発明はつぎのような技術的事項を採用する。
本発明のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法は、
チョクラルスキー法で導電型酸化ガリウム単結晶を製造するプレパレーションデータを獲得するステップであって、前記プレパレーションデータは、種晶データ、環境データ及び制御データを含み、前記環境データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含むステップと、
前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップと、
前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記導電型酸化ガリウム単結晶に対応する予測品質データを獲得するステップであって、前記予測品質データは予測キャリア濃度を含むステップとを含む。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップは、前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップを含み、前記事前処理プレパレーションデータは、前記種晶データ、環境データ及び制御データで形成されるマトリックスである。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、
前記種晶データは、種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径を含み、
前記環境データは、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さを含み、
前記制御データは、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比を含む。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップは、
前記種晶データ、環境データ及び制御データによりプレパレーションベクトルを確定するステップと、
前記プレパレーションベクトルにより前記事前処理プレパレーションデータを確定するステップとを含み、
前記プレパレーションベクトル中の第一元素は、前記種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径のうちいずれか1個であり、前記プレパレーションベクトル中の第二元素は、前記不純物元素濃度、不純物元素種類、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さのうちいずれか1個であり、前記プレパレーションベクトル中の第三元素は、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比のうちいずれか1個である。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、前記予測品質データは、予測亀裂データ、予測異物結晶データ、予測回折ピーク値の半値幅、回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測誤差、回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測誤差、予測キャリア濃度の直径方向誤差、予測キャリア濃度の軸方向誤差を更に含む。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルはつぎのトレーニング方法、すなわち
チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するトレーニングデータとそれに対応する実際の品質データを獲得するステップであって、前記トレーニングデータは、種晶トレーニングデータ、環境トレーニングデータ及び制御トレーニングデータを含むステップと、
前記トレーニングデータに対して事前処理をすることにより事前処理トレーニングデータを獲得するステップと、
前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得するステップと、
前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節するステップとにより獲得するものである。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法において、
前記事前設定ニューラルネットワークモデルは特徴抽出モジュールと完全接続モジュールを含み、
前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する前記ステップは、
前記事前処理トレーニングデータを前記特徴抽出モジュールに入力した後、その特徴抽出モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する特徴ベクトルを獲得するステップと、
前記特徴ベクトルを前記完全接続モジュールに入力し、前記完全接続モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する前記トレーニング形成品質の予測データを獲得するステップとを含む。
本発明のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法は、目標導電型酸化ガリウム単結晶の目標品質データを獲得するステップであって、前記目標品質データは目標キャリア濃度を含むステップと、
前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定するステップであって、前記目標プレパレーションデータは、目標種晶データ、目標環境データ及び目標制御データを含み、前記目標制御データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含むステップと、
前記チョクラルスキー法と前記目標プレパレーションデータにより目標導電型酸化ガリウム単結晶を製造するステップとを含む。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法において、前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定するステップは、
事前設定プレパレーションデータを獲得した後、前記事前設定プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理事前設定プレパレーションデータを獲得するステップと、
前記事前処理事前設定プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記事前処理事前設定プレパレーションデータに対応する予測品質データを獲得するステップと、
前記予測品質データと前記目標品質データにより前記事前設定プレパレーションデータを修正することにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを獲得するステップとを含む。
本発明のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システムは記憶装置と処理装置を含み、前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されている。前記処理装置が前記コンピュータプログラムを実行することにより本発明のいずれか1つの予測方法のステップまたは本発明のいずれか1つの製造方法のステップを実施する。
本発明のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法及び製造方法において、まず、チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するプレパレーションデータに対して事前処理をすることにより、事前処理プレパレーションデータを獲得する。つぎに、前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記導電型酸化ガリウム単結晶に対応する予測品質データを獲得する。本発明はトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより導電型酸化ガリウム単結晶の品質を予測するので、プレパレーションデータを調節することにより事前設定キャリア濃度を有している導電型酸化ガリウム単結晶を獲得することができる。
この発明の実施例または従来の技術に係る技術的事項をより詳細に説明するため、以下、この発明の実施例または従来の技術において用いる図面を簡単に説明する。注意されたいことは、下記図面はこの発明の一部分の実施例にしか過ぎないものであるため、この技術分野の技術者は創造的な研究をしなくても下記図面により他の図面を想像することができ、そのような図面があってもこの発明に含まれれることを勿論である。
この発明に実施例に係るチョクラルスキー法により酸化ガリウム単結晶を製造する結晶育成炉の構造を示す図である。 この発明の好適な実施例に係るディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法を示す流れ図である。 この発明の好適な実施例に係るディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法を示す流れ図である。 この発明の好適な実施例に係るディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システムの内部構造を示す図である。
この発明においてディープラーニング(Deep Learning)及びチョクラルスキー法(Czochralski method)による導電型酸化ガリウム(Gallium oxide)の製造方法及びそのシステムを提供する。この発明の目的、技術的特徴及び発明の効果を詳細に明確に理解してもらうため、以下、図面によりこの発明の実施例をより詳細に説明する。下記具体的な実施例はこの発明を説明するものであるが、この発明を限定するものでない。
この発明の明細書において、特別な説明がない限り、この明細書中の「1つ」、「1個」、「前記」及び「該」等の用語は、1つの事項を含むだけでなく、複数の事項を含むこともできる。この発明の明細書中の「含む」という用語は、特徴、整数、ステップ、操作、部品と/或いはモジュールを含むことを意味するが、1個または複数個の特徴、整数、ステップ、操作、部品と/或いはモジュールの組合せが存在するか或いはそれらの組合せを更に含むことを意味することもできる。注意されたいことは、部品が他の部品に「連結」または「接続」されるとき、その部品は他の部品に直接に連結または接続されるか或いは中間部品により他の部品に間接的に連結または接続されることができる。この明細書中の「連結」または「接続」は無線連結または無線接続であることができる。この明細書中の「と/或いは」という用語は、係っている1個または複数個の事項のうちいずれかの1つまたは複数、いずれかの組合せまたは全部を含むことを意味することができる。
この発明の明細書において、特別な説明がない限り、この明細書中の用語(技術的用語と科学的用語を含む)はこの技術分野の技術者が常用している用語の意味を指す。注意されたいことは、この発明と従来の技術中の用語は、辞書に記載されている用語の意味を参照することができるが、特別な定義がある場合、特別に定義される意味を指すことができる。
以下、図面と具体的な実施例によりこの発明の技術的事項をより詳細に説明する。
チョクラルスキー法は従来の結晶育成方法である。チョクラルスキー法で結晶を育成するとき、加熱方法によりルツボ(Crucible)内の原料を溶解し、溶体の温度を精確に調節する。つぎに、種晶(seed crystal)を溶体に浸入させ、かつ適当な速度で引き上げと回転をすることにより、ルツボ内の溶体が結晶になるように誘導する。しかし、チョクラルスキー法で結晶を育成するとき、温度場(temperature field)の設計、加熱パワーの安定性及び作業者の経験に対する要求が高い。
この発明において、チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を育成する結晶育成炉(growth furnace)を提供する。図1に示すとおり、その結晶育成炉は下部保温カバー10を含み、前記下部保温カバー10内にはルツボ11が取り付けられ、前記ルツボ11の外部には加熱部12が取り付けられている。前記下部保温カバー10の上方には上部保温カバー13が取り付けられ、前記上部保温カバー13の内部には結晶育成通路14が形成され、前記上部保温カバー13の側面には結晶育成観察孔15が形成され、前記下部保温カバー10の周囲には誘導コイル16が取り付けられている。
前記結晶育成炉で導電型酸化ガリウム単結晶を製造するとき、まず、導電型酸化ガリウム単結晶を育成する結晶育成炉を取り付ける。そのステップは、上部保温カバーの材料を選択することと、上部保温カバーの軸方向孔のサイズ、開口の形状及びサイズを設定することと、下部保温カバーの材料を選択することと、ルツボと誘導コイルの相対的な位置、加熱部と誘導コイルの相対的な位置等を設計することとを含む。それらは結晶育成炉の内部の熱場(熱フィールドともいう)の分布に影響を与えることにより、導電型酸化ガリウム単結晶の導電性にも影響を与える。不純物元素種類及び不純物濃度も導電型酸化ガリウム単結晶の導電性に影響を与える重要な要因である。
所定の配向のβ-Ga種晶を種晶治具に送入した後それを固定させる。種晶の配向は「010」、「001」等の方向であることができる。まず、機械式ポンプ、拡散ポンプを順に起動させることにより装置の内部を真空状態にする。装置の内部が事前設定真空度になると、真空ポンプをオフさせ、混合気体の体積比により所定の気体を結晶育成炉の内部にゆっくり注入する。つぎに、加熱パワーを調節し、前記加熱部でルツボを加熱することにより、ルツボ内の酸化ガリウム原料と不純物元素を完全に溶解する。つぎに、シードクリスタルロッド(seed crystal rod)をゆっくり引き下げることにより種晶を溶体に浸入させ、かつ適当な速度で引き上げと回転をすることにより、ルツボ内の溶体が結晶になるように誘導し、それにより導電型酸化ガリウム単結晶を獲得する。その過程において、前記下部保温カバーと上部保温カバーは結晶の育成に向く熱場の安定性を維持する。導電型酸化ガリウム単結晶を製造する過程において、前記加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体雰囲気冷却用液体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度等はいずれも、酸化ガリウム単結晶の性能に影響を与える。
本発明の実施例において、ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法を提供する。図2に示すとおり、その方法はつぎのステップを含む。
ステップS100において、チョクラルスキー法で導電型酸化ガリウム単結晶を製造するプレパレーションデータ(Preparation data)を獲得する。前記プレパレーションデータは、種晶データ、環境データ及び制御データを含み、前記環境データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含む。
具体的に、前記プレパレーションデータはチョクラルスキー法で導電型酸化ガリウム単結晶を製造するデータを指す。前記プレパレーションデータは需要により適当に設定することができるデータである。例えば、所定のプレパレーションデータにより製造された導電型酸化ガリウム単結晶の性能を予測するとき、前記プレパレーションデータのみを確定した後、そのプレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得することができる。つぎに、前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデル(neural network model)に入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより予測品質データを獲得する。その場合、テストをする必要がなく、プレパレーションデータのみを確定すると、トレーニング済みニューラルネットワークモデルにより導電型酸化ガリウム単結晶の品質データを予測することができる。
本実施例において、前記プレパレーションデータは、種晶データ、環境データ及び制御データを含む。前記種晶データはチョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するときに用いる種晶のデータを指す。前記環境データはチョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するとき結晶が置かれている環境のデータを指す。前記制御データはチョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するとき結晶の成長を制御するデータを指す。前記不純物元素濃度は導電型酸化ガリウムに含まれている不純物元素の濃度を指す。前記不純物元素種類は、Si、Ge、Sn、Zr、Hf、In、Ta、Nb、V、W、Mo等を含む。
ステップS200において、前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得する。
具体的に、プレパレーションデータを獲得した後、まず前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得する。つぎに、前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルで事前処理プレパレーションデータを処理する。
本発明の実施例において、前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップS200はつぎのステップを含む。
ステップS210において、前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得する。前記事前処理プレパレーションデータは、前記種晶データ、環境データ及び制御データで形成されるマトリックスである。
具体的に、プレパレーションデータを獲得した後、前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得する。プレパレーションデータ中の各サブデータ(例えば、種晶データ、環境データ及び制御データ)は他のサブデータに影響を与えるが、現時点では各サブデータが他のサブデータに与える影響の程度を把握することができない。したがって、プレパレーションデータに対して事前処理をし、プレパレーションデータ中の各サブデータを再び組み合わせることにより、事前処理プレパレーションデータを形成する必要がある。
本発明の他の実施例において、前記種晶データは、種晶回折ピークの半値幅(Full width at half maximum)、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径を含む。前記環境データは、不純物元素種類、不純物元素濃度、上部保温カバーの熱抵抗(Thermal Resistance)、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子(form factor)、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さを含む。前記制御データは、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率(crystallization ratio)及び結晶とルツボの直径比(diameter ratio)を含む。
具体的に、前記種晶回折ピークの半値幅はX線回折計(X-ray diffractoneter)で種晶を測定することにより獲得したものであり、前記種晶回折ピークの半値幅の誤差は種晶回折ピークの半値幅の直径方向誤差と種晶回折ピークの半値幅の軸方向誤差を含むことができる。前記直径方向は水平面に平行である方向であり、軸方向は水平面に垂直である方向、すなわち垂直方向の軸線である。前記種晶回折ピークの半値幅の直径方向誤差を測定するとき、種晶の直径方向に沿って種晶回折ピークの半値幅をそれぞれ測定した後、種晶の直径方向において種晶回折ピークの半値幅の間の差を算出することにより、種晶回折ピークの半値幅の直径方向誤差とすることができる。前記種晶回折ピークの半値幅の軸方向誤差を測定するとき、種晶の軸方向に沿って種晶回折ピークの半値幅をそれぞれ測定した後、種晶の軸方向において種晶回折ピークの半値幅の間の差を算出することにより、種晶回折ピークの半値幅の軸方向誤差とすることができる。前記種晶の直径は測定により直接に獲得することができる。
以上のとおり、図1の結晶育成炉で導電型酸化ガリウム単結晶を育成するとき、前記上部保温カバーと下部保温カバーは導電型酸化ガリウム単結晶の育成に向いて安定な熱場を提供をすることができる。前記上部保温カバーの熱抵抗は所定量の熱量が単位時間内に上部保温カバーを通過するとき保温カバーの内部と外部との間の温度差を指す。上部保温カバーの熱抵抗が大きければ大きいほど、上部保温カバーが熱量の伝導を防止する能力がより大きく、上部保温カバーの保温の効果がより良いことを意味する。
前記上部保温カバーの熱抵抗の誤差は上部保温カバーの熱抵抗の直径方向誤差と上部保温カバーの熱抵抗の軸方向誤差を含む。上部保温カバーの熱抵抗の直径方向誤差を測定するとき、上部保温カバーの直径方向の両側において上部保温カバーの熱抵抗をそれぞれ測定した後、上部保温カバーの直径方向の両側の2つの上部保温カバーの熱抵抗の差を算出することにより、上部保温カバーの熱抵抗の直径方向誤差を獲得することができる。上部保温カバーの熱抵抗の軸方向誤差を測定するとき、上部保温カバーの軸方向の両側において上部保温カバーの熱抵抗をそれぞれ測定した後、上部保温カバーの軸方向の両側の2つの上部保温カバーの熱抵抗の差を算出することにより、上部保温カバーの熱抵抗の軸方向誤差を獲得することができる。
同じ方法により下部保温カバーの熱抵抗と下部保温カバーの熱抵抗の誤差を測定することができる。前記下部保温カバーの熱抵抗の誤差は下部保温カバーの熱抵抗の直径方向誤差と下部保温カバーの熱抵抗の軸方向誤差を含む。
前記結晶育成通路の形状因子は結晶育成通路の形状のサイズを指す。例えば、前記結晶育成通路が円柱形であるとき、前記結晶育成通路の形状因子は直径と高さを含み、前記結晶育成通路が立方体であるとき、前記結晶育成通路の形状因子は、結晶育成通路の長さ、高さ及び幅を含む。前記結晶育成通路の形状因子は、結晶育成環境の熱場の分布に影響を与え、かつ結晶の育成にも影響を与える。
同様に、前記結晶育成観察孔の形状因子は結晶育成観察孔のサイズを指し、前記結晶育成観察孔の形状は、結晶育成環境の熱場の分布に影響を与え、かつ結晶の育成にも影響を与える。
前記ルツボは誘導コイルと加熱部により加熱されるので、前記ルツボと誘導コイルの相対的な高さ及び加熱部と誘導コイルの相対的な高さは結晶育成環境の熱場の分布に影響を与える。
導電型酸化ガリウム単結晶を育成するとき結晶育成炉を長く使用すると、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、下部保温カバーの熱抵抗または下部保温カバーの熱抵抗の誤差が変化するおそれがある。しかし、結晶育成炉を短く使用すると、その環境データが変化するおそれが少ないので、一定の結晶の育成をした後、その環境データを再び測定することができる。
前記加熱パワーは加熱部でルツボを加熱する加熱パワーを指し、前記冷却パワーは液体で結晶育成炉内の環境を冷却させるパワーを指し、前記雰囲気気体の種類は前記結晶育成炉内に注入される気体の種類を指す。その気体はO、Ar、N、CO等を含む。前記キャビティ内の圧力は前記結晶育成炉内の圧力を指し、前記気体流量は前記結晶育成炉内に注入される気体の流量を指し、前記シードクリスタルロッドの引き上げ速度は結晶を育成するときシードクリスタルロッドを引き上げる速度を指し、前記結晶の回転速度は結晶を育成するときシードクリスタルロッドの駆動により前記結晶が回転する速度を指す。前記クリスタリゼーション比率は酸化ガリウムを溶解するときそれが結晶になる比率を指し、前記結晶とルツボの直径比は製造される結晶の直径とルツボの直径の比率を指す。そのようなパラメーターはいずれも、チョクラルスキー法による結晶製造方法に影響を与える制御パラメーターである。
本発明の実施例において、前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップS210はつぎのステップを含む。
ステップS211において、前記種晶データ、環境データ及び制御データによりプレパレーションベクトルを確定する。前記プレパレーションベクトル中の第一元素は、前記種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径のうちいずれか1個である。前記プレパレーションベクトル中の第二元素は、前記不純物元素濃度、不純物元素種類、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さのうちいずれか1個である。前記プレパレーションベクトル中の第三元素は、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比のうちいずれか1個である。
ステップS212において、前記プレパレーションベクトルにより前記事前処理プレパレーションデータを確定する。
具体的に、種晶データA、環境データB及び制御データCによりプレパレーションベクトル(A、B、C)を確定する。種晶データAは、種晶回折ピークの半値幅A1、種晶回折ピークの半値幅の誤差A2及び種晶の直径A3において選択するものである。前記環境データBは、上部保温カバーの熱抵抗B1、上部保温カバーの熱抵抗の誤差B2、結晶育成通路の形状因子B3、結晶育成観察孔の形状因子B4、下部保温カバーの熱抵抗B5、下部保温カバーの熱抵抗の誤差B6、ルツボと誘導コイルの相対的な高さB7、加熱部と誘導コイルの相対的な高さB8、不純物元素種類B9及び不純物元素濃度B10において選択するものである。前記制御データCは、加熱パワーC1、冷却パワーC2、雰囲気気体の種類C3、キャビティ内の圧力C4、気体流量C5、シードクリスタルロッドの引き上げ速度C6、結晶の回転速度C7、クリスタリゼーション比率C8及び結晶とルツボの直径比C9において選択するものである。以上のとおり、プレパレーションベクトル(A、B、C)において、Aは、A1、A2、A3のうちいずれかの1個であり、Bは、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10のうちいずれかの1個であり、Cは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9のうちいずれかの1個である。それらにより270個のプレパレーションベクトルを形成することができる。
すべてのプレパレーションベクトルを順に配列することによりマトリックスを形成し、それにより事前処理プレパレーションデータを獲得することができる。
具体的に、事前処理プレパレーションデータはつぎのとおりである。
Figure 2022141752000001
プレパレーションベクトルを他の順に配列することにより事前処理プレパレーションデータを獲得することもできる。
ステップS300において、前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記導電型酸化ガリウム単結晶に対応する予測品質データを獲得する。前記予測品質データは予測キャリア濃度を含む。
具体的に、前記予測品質データは、予測亀裂データ、予測異物結晶(foreign crystals)データ、予測回折ピーク値の半値幅、回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測誤差、回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測誤差、予測キャリア濃度の直径方向誤差、予測キャリア濃度の軸方向誤差を更に含む。亀裂データは亀裂の等級を指すデータであり、予測亀裂データは予測した亀裂の等級を指すデータである。例えば、亀裂は複数の等級例えば3等級を含み、亀裂データは1、2及び3であることができる。
異物結晶データは異物結晶の等級を指すデータであり、予測異物結晶データは予測した異物結晶の等級を指すデータである。例えば、異物結晶は複数の等級例えば3等級を含み、異物結晶データは1、2及び3であることができる。
予測回折ピーク値の半値幅は予測した回折ピーク値の半値幅を指し、回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測誤差は回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測差異を指し、回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測誤差は回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測差異を指す。
予測キャリア濃度は1立方センチメートルに含まれている電子またはホールの数量を予測することを指す。キャリア濃度は半導体の導電率を決める重要な要因であり、その単位は原子/cm3である。前記予測キャリア濃度の直径方向誤差は直径方向のキャリア濃度の予測差異を指し、前記予測キャリア濃度の軸方向誤差は軸方向のキャリア濃度の予測差異を指す。
本発明の実施例において、前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルはつぎのトレーニング方法により獲得することができる。
ステップS01において、チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するトレーニングデータとそれに対応する実際の品質データを獲得する。前記トレーニングデータは、種晶トレーニングデータ、環境トレーニングデータ及び制御トレーニングデータを含む。
具体的に、トレーニングデータはチョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するときトレーニングに用いられるデータを指す。実際の品質データはチョクラルスキー法により製造される導電型酸化ガリウム単結晶の実際の品質データを指す。トレーニングデータと実際の品質データによりトレーニングセット(Training set)を形成した後、そのトレーニングセットで事前設定ニューラルネットワークモデルをトレーニングすることによりトレーニング済みニューラルネットワークモデルを獲得することができる。
データを採集することによりトレーニングセットを獲得するとき、チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造し、かつ導電型酸化ガリウム単結晶を製造するときのデータをトレーニングデータにする。導電型酸化ガリウム単結晶を獲得した後、導電型酸化ガリウム単結晶の品質を分析することにより実施の品質データを獲得する。ニューラルネットワークモデルのレーニングを容易にするため、より多いデータを採集することによりトレーニングセットを形成することができる。
ステップS02において、前記トレーニングデータに対して事前処理をすることにより事前処理トレーニングデータを獲得する。
具体的に、トレーニングデータを獲得した後、そのトレーニングデータに対して事前処理をすることにより事前処理トレーニングデータを獲得する。事前処理の過程はステップS200を参照することができる。
ステップS03において、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する。
具体的に、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルによりトレーニング形成品質の予測データを獲得する。前記トレーニング形成品質の予測データは、トレーニング形成亀裂の予測データ、トレーニング形成異物結晶の予測データ、トレーニング形成回折ピーク値の半値幅の予測データ、トレーニング形成回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測誤差データ、トレーニング形成回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測誤差データを含む。
ステップS04において、前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節することによりトレーニング済みニューラルネットワークモデルを獲得する。
具体的に、前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節し、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、前記事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得し(すなわちステップS03)、かつ事前設定トレーニング条件を満たすときまで前記ステップを繰り返すことによりトレーニング済みニューラルネットワークモデルを獲得する。
具体的に、前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節し、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、前記事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する。つぎに、事前設定トレーニング条件を満たすときまで前記ステップを繰り返すことによりトレーニング済みニューラルネットワークモデルを獲得することができる。以上のとおり、前記事前設定ニューラルネットワークモデルが事前設定トレーニング条件を満たすと、トレーニング済みニューラルネットワークモデルを直接に獲得することができる。前記事前設定ニューラルネットワークモデルが事前設定トレーニング条件を満たさないと、ステップS03に戻った後、前記事前設定ニューラルネットワークモデルが事前設定トレーニング条件を満たすときまで前記ステップを繰り返すことによりトレーニング済みニューラルネットワークモデルを獲得することができる。
本発明の実施例において、前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより前記事前設定ニューラルネットワークモデルの損失函数(loss function)を確定し、前記損失函数により前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節する。具体的に、グラジェント方法により前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節し、前記事前設定ニューラルネットワークモデルの損失函数を確定した後、前記損失函数により前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターのグラジェント、前記事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーター及び事前設定学習頻度を調節し、かつ前記事前設定ニューラルネットワークモデルの修正後のパラメーターを確定する。
前記事前設定トレーニング条件は損失函数が事前設定要求を満たすことと/或いは前記事前設定ニューラルネットワークモデルのトレーニング回数が事前設定回数に達することを含む。
前記事前設定要求は前記事前設定ニューラルネットワークモデルの精度と確率により確定される。例えば、前記事前設定要求は前記事前設定ニューラルネットワークモデルの損失函数が最小値になるか或いは変化しないことであることができる。前記事前設定回数は前記事前設定ニューラルネットワークモデルの最大トレーニング回数であり、その最大トレーニング回数は例えば4000回等であることができる。
事前設定ニューラルネットワークモデルの損失函数は、平均二乗誤差(mean-square error)、自乗平均誤差(Root Mean Squared Error)、平均絶対偏差(Mean Absolute Deviation)等を含む。
本発明の実施例において、前記事前設定ニューラルネットワークモデルは特徴抽出モジュールと完全接続モジュール(Fully connected module)を含む。
例えば、事前設定ニューラルネットワークモデルは、第一畳み込み(Convolutional)ユニット、第二畳み込みユニット、第三畳み込みユニット、第四畳み込みユニット及び完全接続ユニットを含むことができる。具体的に、第一畳み込みユニットは2個の畳み込み層(Convolutional layer)と1個のプーリング層(pooling layer)を含み、第二畳み込みユニット、第三畳み込みユニット及び第四畳み込みユニットはいずれも、3個の畳み込み層と1個のプーリング層を含み、完全接続ユニットは3個の完全接続層を含む。
畳み込み層と完全接続層は入力されるデータのマッピング(mapping)と変換を担当する。その過程において、畳み込み層と完全接続層は、ウエートバリュー(weight value)とオフセット(offsets)等のパラメーターを用い、かつアクティベーションファンクション(Activation Function)も用いる。プーリング層は変化しない関数操作である。具体的に、畳み込み層は特徴を抽出する役割をする。プーリング層は入力される特徴に対してプーリング操作をすることによりそのスペースのサイズを変化させる。完全接続層は前の層中のすべてのデータを接続させる役割をする。
本発明の実施例において、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する前記ステップS03はつぎのステップを含む。
ステップS031において、前記事前処理トレーニングデータを前記特徴抽出モジュールに入力した後、その特徴抽出モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する特徴ベクトルを獲得する。
ステップS032において、前記特徴ベクトルを前記完全接続モジュールに入力し、前記完全接続モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する前記トレーニング形成品質の予測データを獲得する。
具体的に、前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデル中の前記特徴抽出モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する特徴ベクトルを出力し、かつ前記特徴ベクトルを前記完全接続モジュールに入力することにより、前記完全接続モジュールが出力した前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する。
前記ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法により、本発明はディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法を更に提供する。図3に示すとおり、前記製造方法はつぎのステップを含む。
ステップS10において、目標導電型酸化ガリウム単結晶の目標品質データを獲得する。前記目標品質データは目標キャリア濃度を含む。
具体的に、目標導電型酸化ガリウム単結晶を獲得するとき、まず目標導電型酸化ガリウム単結晶の目標品質データを確定することができる。すなわち獲得しようとする導電型酸化ガリウム単結晶の品質データを確定することができる。前記目標品質データは、目標キャリア濃度、目標キャリア濃度の直径方向誤差、目標キャリア濃度の軸方向誤差、目標亀裂データ、目標異物結晶データ、目標回折ピーク値の半値幅、目標回折ピーク値の半値幅の直径方向誤差と目標回折ピーク値の半値幅の軸方向誤差を更に含む。
ステップS20において、前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定する。前記目標プレパレーションデータは、目標種晶データ、目標環境データ及び目標制御データを含み、前記目標環境データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含む。
具体的に、前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定する。注意されたいことは、異なっているプレパレーションデータにより同様の品質データを獲得することができる。したがって、前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定するとき、確定される目標プレパレーションデータは唯一のものでなく、複数個の目標プレパレーションデータ中の各データを制御する難易性により1つの目標プレパレーションデータを確定することができ、それにより標導電型酸化ガリウム単結晶を容易に獲得することができる。
本発明の実施例において、前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定する前記ステップS20はつぎのステップを含む。
ステップS21において、事前設定プレパレーションデータを獲得した後、前記事前設定プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理事前設定プレパレーションデータを獲得する。
ステップS22において、前記事前処理事前設定プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記事前処理事前設定プレパレーションデータに対応する予測品質データを獲得する。
ステップS23において、前記予測品質データと前記目標品質データにより前記事前設定プレパレーションデータを修正することにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを獲得する。
具体的に、まず、プレパレーションデータを事前設定した後、前記事前設定プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理事前設定プレパレーションデータを獲得する。具体的な処理の過程はステップS200を参照することができる。事前処理事前設定プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力することにより、事前処理事前設定プレパレーションデータが修正される予測品質データを獲得することができる。つぎに、前記予測品質データと前記目標品質データにより前記事前設定プレパレーションデータを修正し、前記予測品質データと前記目標品質データの差が事前設定閾値より小さいと、前記修正後の事前設定プレパレーションデータを目標プレパレーションデータにすることができる。
ステップS30において、前記チョクラルスキー法と前記目標プレパレーションデータにより目標導電型酸化ガリウム単結晶を製造する。
具体的に、目標プレパレーションデータを獲得した後、チョクラルスキー法と前記目標プレパレーションデータにより目標導電型酸化ガリウム単結晶を製造する。
前記予測方法または前記製造方法に基づいて、本発明はディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システムを提供する。そのシステムはコンピュータ装置であることができ、そのコンピュータ装置の内部構造は図4に示すとおりである。前記システムは、システムバスによって接続される処理装置、記憶装置、ケーブルインタフェース(cable interface)、表示パネル及び入力装置を含む。前記システムの処理装置は計算と制御を担当する。前記システムの記憶装置は不揮発性記憶装置(nonvolatile memory unit)と内部メモリ(internal memory)を含む。前記不揮発性記憶装置にはオペレーティングシステム(operating system)とコンピュータプログラムが記憶されている。前記内部メモリは不揮発性記憶装置中のオペレーティングシステムとコンピュータプログラムが実行されることをサポートする。ネットワークにより外部の端末を前記システムのケーブルインタフェースに通信可能に接続させることができる。前記コンピュータプログラムが処理装置によって実行されることにより、ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの予測方法またはディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法を実施することができる。前記システムの表示パネルは液晶表示パネルまたは電子インクスクリーン(e-ink screen)であることができる。前記システムの入力装置は表示パネル上に取り付けられているタッチ層であるか或いはシステムのケース上に設けられるキーボード、トラックボール(track ball)またはタッチパッド(touch pad)であるか或いはシステムの外部に接続されるキーボード、タッチパッドまたはマウスであることができる。
この技術分野の技術者が知っているとおり、図4には本発明の実施例に係るシステムの一部分の構造のみが示されている。図4の構造は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は図4のシステムにのみ限定されるものでない。本発明の具体的なシステムは、図面に示されている部品より多い部品または少ない部品を含むか或いはある部品の組合せを含むことができ、かつ図面中の部品を他の方式に配列することができる。
本発明の実施例において、ディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システムは記憶装置と処理装置を含み、前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記処理装置が前記コンピュータプログラムを実行することにより前記予測方法のステップまたは製造方法のステップを実施することができる。
注意されたいことは、前記実施例は、この発明の技術的事項を説明するものであるが、この発明を限定するものでない。以上、この発明の実施例によりこの発明の技術的特徴を詳述してきたが、前記実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであり、この発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。本技術分野の技術者は、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において設計の変更、代替等をすることができ、それらがあってもこの発明に含まれることは勿論である。
10 下部保温カバー
11 ルツボ
12 加熱部
13 上部保温カバー
14 結晶育成通路
15 結晶育成観察孔
16 誘導コイル

Claims (9)

  1. チョクラルスキー法で導電型酸化ガリウム単結晶を製造するプレパレーションデータを獲得するステップであって、前記プレパレーションデータは、種晶データ、環境データ及び制御データを含み、前記環境データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含むステップと、
    前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップと、
    前記事前処理プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、そのトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記導電型酸化ガリウム単結晶に対応する予測品質データを獲得するステップであって、前記予測品質データは予測キャリア濃度を含むステップとを含み、
    前記種晶データは、種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径を含み、
    前記環境データは、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さを含み、
    前記制御データは、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比を含むことを特徴とするディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  2. 前記プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップは、前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップを含み、前記事前処理プレパレーションデータは、前記種晶データ、環境データ及び制御データで形成されるマトリックスであることを特徴とする請求項1に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  3. 前記種晶データ、環境データ及び制御データにより事前処理プレパレーションデータを獲得するステップは、
    前記種晶データ、環境データ及び制御データによりプレパレーションベクトルを確定するステップと、
    前記プレパレーションベクトルにより前記事前処理プレパレーションデータを確定するステップとを含み、
    前記プレパレーションベクトル中の第一元素は、前記種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径のうちいずれか1個であり、前記プレパレーションベクトル中の第二元素は、前記不純物元素濃度、不純物元素種類、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さのうちいずれか1個であり、前記プレパレーションベクトル中の第三元素は、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比のうちいずれか1個であることを特徴とする請求項に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  4. 前記予測品質データは、予測亀裂データ、予測異物結晶データ、予測回折ピーク値の半値幅、回折ピーク値の半値幅の直径方向の予測誤差、回折ピーク値の半値幅の軸方向の予測誤差、予測キャリア濃度の直径方向誤差、予測キャリア濃度の軸方向誤差を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  5. 前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルはつぎのトレーニング方法、すなわち
    チョクラルスキー法により導電型酸化ガリウム単結晶を製造するトレーニングデータとそれに対応する実際の品質データを獲得するステップであって、前記トレーニングデータは、種晶トレーニングデータ、環境トレーニングデータ及び制御トレーニングデータを含むステップと、
    前記トレーニングデータに対して事前処理をすることにより事前処理トレーニングデータを獲得するステップと、
    前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得するステップと、
    前記トレーニング形成品質の予測データと前記実際の品質データにより事前設定ニューラルネットワークモデルのパラメーターを調節するステップとにより獲得するものであることを特徴とする請求項1に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  6. 前記事前設定ニューラルネットワークモデルは特徴抽出モジュールと完全接続モジュールを含み、
    前記事前処理トレーニングデータを事前設定ニューラルネットワークモデルに入力した後、その事前設定ニューラルネットワークモデルにより前記事前処理トレーニングデータに対応するトレーニング形成品質の予測データを獲得する前記ステップは、
    前記事前処理トレーニングデータを前記特徴抽出モジュールに入力した後、その特徴抽出モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する特徴ベクトルを獲得するステップと、
    前記特徴ベクトルを前記完全接続モジュールに入力し、前記完全接続モジュールにより前記事前処理トレーニングデータに対応する前記トレーニング形成品質の予測データを獲得するステップとを含むことを特徴とする請求項に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの品質予測方法。
  7. 目標導電型酸化ガリウム単結晶の目標品質データを獲得するステップであって、前記目標品質データは目標キャリア濃度を含むステップと、
    前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定するステップであって、前記目標プレパレーションデータは、目標種晶データ、目標環境データ及び目標制御データを含み、前記目標制御データは不純物元素種類及び不純物元素濃度を含むステップと、
    チョクラルスキー法と前記目標プレパレーションデータにより目標導電型酸化ガリウム単結晶を製造するステップとを含み、
    前記目標種晶データは、種晶回折ピークの半値幅、種晶回折ピークの半値幅の誤差及び種晶の直径を含み、
    前記目標環境データは、上部保温カバーの熱抵抗、上部保温カバーの熱抵抗の誤差、結晶育成通路の形状因子、結晶育成観察孔の形状因子、下部保温カバーの熱抵抗、下部保温カバーの熱抵抗の誤差、ルツボと誘導コイルの相対的な高さ、加熱部と誘導コイルの相対的な高さを含み、
    前記目標制御データは、加熱パワー、冷却パワー、雰囲気気体の種類、キャビティ内の圧力、気体流量、シードクリスタルロッドの引き上げ速度、結晶の回転速度、クリスタリゼーション比率及び結晶とルツボの直径比を含むことを特徴とするディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法。
  8. 前記目標品質データとトレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを確定するステップは、
    事前設定プレパレーションデータを獲得した後、前記事前設定プレパレーションデータに対して事前処理をすることにより事前処理事前設定プレパレーションデータを獲得するステップと、
    前記事前処理事前設定プレパレーションデータをトレーニング済みニューラルネットワークモデルに入力した後、前記トレーニング済みニューラルネットワークモデルにより前記事前処理事前設定プレパレーションデータに対応する予測品質データを獲得するステップと、
    前記予測品質データと前記目標品質データにより前記事前設定プレパレーションデータを修正することにより前記目標導電型酸化ガリウム単結晶に対応する目標プレパレーションデータを獲得するステップとを含むことを特徴とする請求項に記載のディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造方法。
  9. 記憶装置と処理装置を含み、前記記憶装置にはコンピュータプログラムが記憶されているディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システムであって、前記処理装置が前記コンピュータプログラムを実行することにより請求項1~のうちいずれか一項に記載の前記予測方法のステップまたは請求項のうちいずれか一項に記載の製造方法のステップを実施することを特徴とするディープラーニング及びチョクラルスキー法による導電型酸化ガリウムの製造システム。
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