JPWO2021048935A1 - パワースイッチング回路 - Google Patents
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Abstract
Description
パワースイッチング回路のトポロジー
図1は、オンボード統合充電器を兼ねるパワースイッチング回路を示す回路図である。3相モータドライブと呼ばれるこのパワースイッチング回路は、シングルリアクトル型の昇圧スイッチドバッテリ100、コモンDCバスベースのデュアルインバータ200、及び絶縁型双方向DCDCコンバータ300をもち、コントローラ9、平滑キャパシタ13、及び3相プラグ400をさらに含む。
直流電源回路である昇圧スイッチドバッテリ100は、ローサイドのバッテリ1、ハイサイドのバッテリ2、及び前端昇圧コンバータ10からなる。接続切替回路と呼ばれる前端昇圧コンバータ10は、バッテリ1及び2の接続切替機能と双方向DCDCコンバータ機能との両方をもつ。コンバータ10は、直列スイッチ3、ローサイドの並列スイッチ4、ハイサイドの並列スイッチ5、出力スイッチ6、リアクトル7、サージ吸収ダイオード8、及び3つの安全ヒューズ(501-503)をもつ。ハイレベルDCバス81は、出力スイッチ6、バッテリ2、リアクトル7、直列スイッチ3、及びバッテリ1を通じてローレベルDCバス82に接続される。バッテリ2の負極とリアクトル7との接続点は並列スイッチ4を通じてバッテリ1の負極に接続されている。
並列モード及び直列モードは、バッテリ1及び2の放電動作及び充電動作の両方において採用されることができる。並列モードにおいて、直列スイッチ3はオフされ、並列スイッチ4及び5はオンされる。これにより、バッテリ1及び2は並列接続される。DCリンク電圧VCは1つのバッテリの電圧に等しくなる。直列モードにおいて、直列スイッチ3はオンされ、並列スイッチ4及び5がオフされ、バッテリ1及び2は直列接続される。したがって、DCリンク電圧VCは、2つのバッテリの電圧和となる。
並列モードと直列モードとの間の短い過渡期間に実行される過渡モードは、過渡放電モード及び過渡充電モードからなる。過渡放電モードにおいて、並列スイッチ4及び5はオフされ、直列スイッチ3がPWM制御される。並列モードから直列モードへの切替が行われるパラレルツーシリーズ過渡放電モードにおいて、直列スイッチ3のPWMデユーティ比は0から1へゆっくり変更される。直列モードから並列モードへの切替が行われるシリーズツーパラレル過渡放電モードにおいて、直列スイッチ3のPWMデユーティ比は1から0へゆっくり変更される。
電圧バランスモードは、バッテリ1及び2が異なる電圧をもつ場合において実行される。バッテリ1及び2の間の電圧差が並列モードにおいて所定値を超える時、短絡電流が2つの並列スイッチ4及び5を通じてバッテリ1及び2を循環する。その結果、高電圧のバッテリは低電圧のバッテリを充電する。この短絡電流が所定値を超える時、バッテリ1及び2の電力損失は増加する。この電圧バランスモードによれば、2つのバッテリ1及び2の電圧差が並列モードが開始される前に検出される。この電圧差が所定値を超える時、並列モードの少なくとも初期期間において、少なくとも一方の並列スイッチのトランジスタのオンが禁止される。たとえば、バッテリ1がバッテリ2よりも並列モードの開始前において所定電圧値以上高い場合が以下に説明される。
昇圧スイッチドバッテリ100がデュアルインバータ200に昇圧電圧を印加する昇圧放電モードにおいて、直列スイッチ4はオンされ、並列スイッチ4及び5は同期的にPWM制御される。並列スイッチ4及び5がオンされる時、バッテリ1及び2はそれぞれ、リアクトル7へ循環電流を供給する。これにより、リアクトル7の磁気エネルギーは増加する。並列スイッチ4及び5がオフされる時、DCリンク電圧VCは、バッテリ1及び2の電圧和とリアクトル7の電圧との合計となる。バッテリ1が電圧V1をもち、バッテリ2が電圧V2をもつ時、昇圧比(VC/(V1+V2))は並列スイッチ4及び5のPWMデユーティ比の調整により制御される。
バッテリ1及び2の電圧がほぼ等しくなった後、並列スイッチ4及び5は同期的にPWM制御される。
バッテリ1及び2を充電するための降圧充電モードにおいて、直列スイッチ4はオンされ、並列スイッチ4及び5がオフされ、出力スイッチ6がPWM制御される。出力スイッチ6がオンされる時、充電電流が、バッテリ2、リアクトル7、直列スイッチ3、及びバッテリ1を通じて流れ、バッテリ1及び2は直列に充電される。リアクトル7は磁気エネルギーを蓄積する。出力スイッチ6がオフされる時、リアクトル7の磁気エネルギ-は、リアクトル7、直列スイッチ3、並列スイッチ5、及びバッテリ2を通じて充電電流を循環させる。さらに、この磁気エネルギーは、リアクトル7、直列スイッチ3、バッテリ1、及び並列スイッチ4を通じて充電電流を循環させる。結局、リアクトル7の磁気エネルギーは、バッテリ1及び2を並列に充電する。降圧比((V1+V2)/VC)は、出力スイッチ6のPWMデユーティ比により調整される。
バッテリ電気自動車(BEV)への応用において、並列モードは低速領域において採用され、直列モードは中速領域において採用され、昇圧放電モード及び降圧充電モードは高速領域において採用される。昇圧放電モードは、3相コイル50の巻数増加及びインバータ電流の低減を実現する。その結果、インバータ損失は非昇圧型のスイッチドバッテリと比べて大幅に低減される。たとえば最大昇圧比が2である時、インバータ電流は非昇圧型のスイッチドバッテリと比べて半分となり、インバータ損失は1/4となる。
3相同期モータからなるトラクションモータは、ステータコイルとしてのオープンエンド3相コイル50をもつ。3相コイル50は、U相コイル5U、V相コイル5V、及びW相コイル5Wからなる。共通DCバスベースのデュアルインバータ200は、グリッド側3相インバータ30及びバッテリ側3相インバータ40からなる。インバータ30は、U相レグ3U、V相レグ3V、及びW相レグ3Wからなる。インバータ40は、U相レグ4U、V相レグ4V、及びW相レグ4Wからなる。通常動作において、各レグの上アームスイッチ及び下アームスイッチは相補的にスイッチングされる。インバータ30の3つの交流端子は、グリッド接続のためのプラグ400の3つの端子(X、Y、Z)に別々に接続されている。
昇圧スイッチドバッテリ100、デュアルインバータ200、及び3相コイル50は車載統合充電器を形成する。この車載統合充電器の動作モードが以下に説明される。この動作モードは、電流制御DC充電モード、電流非制御DC充電モード、グリッド充電モード、及び逆送電モードを含む。
従来の電流制御DC急速充電スポットは、BEVの要求に応じてDC充電電流を制御可能なDCDCコンバータを内蔵する。充電プラグ400の2つの端子(X、Y)が電流制御DC急速充電スポットに接続される時、この電流制御DC充電モードが実行される。昇圧スイッチドバッテリ100の直列スイッチ3及び出力スイッチ6はオンされ、バッテリ1及び2は直列に充電される。デュアルインバータ200の2つの3相インバータ30及び40のスイッチング動作は本質的に停止される。ただし、同期整流動作は可能である。
既述された種々の発電プラントは、DC電圧を充電プラグ400の2つの端子(X、Y)の間に印加することができる。DC電圧がバッテリ1及び2の電圧和より高い時、DC電圧は、上アームスイッチ31及び下アームスイッチ34を通じて昇圧スイッチドバッテリ100に印加される。昇圧スイッチドバッテリ100は降圧充電モードを実行し、バッテリ1及び2の充電電流は出力スイッチ6のPWM制御により制御される。この電流非制御DC充電モードの利点は、DC充電電流が3相コイル50を流れないことである。その結果、DC充電効率の改善及び3相コイル50の温度上昇の抑制を実現することができる。
この低電圧式電流非制御DC充電モードは、電流非制御型の発電プラントのDC電圧がバッテリ1及び2の電圧和より低い時に運転される。このDC電圧は、U相コイル5U及びレグ4Uからなる昇圧チョッパにより昇圧された後、昇圧スイッチドバッテリ100に印加される。下アームスイッチ42がオンされる時、U相コイル5U、下アームスイッチ42、下アームスイッチ34、及び発電プラントを循環するU相電流IUが増加し、U相コイル5Uの磁気エネルギーが増加する。下アームスイッチ42がオフされる時、U相電流IUは、上アームスイッチ41、昇圧スイッチドバッテリ100、下アームスイッチ34を通じて発電プラントに戻る。これによいり、バッテリ1及び2が充電される。充電電流は下アームスイッチ42のPWMデユーティ比の制御により調節される。
3相グリッド電圧がプラグ400に印加される時、3相グリッド充電モードが実行される。プラグ400に印加される3相正弦波グリッド電圧は、U相電圧VU1、V相電圧VV1、及びW相電圧VW1からなる。バッテリ1及び2は直列接続される。3つの相間電圧(VU1ーVV1、VV1ーVW1、及びVW1ーVU1)はDCリンク電圧VCよりも低い。デュアルインバータ200及びオープンエンド3相コイル50は、3相力率補正回路(PFC回路)を形成する。
デュアルインバータ200により形成される3相PFC回路の力率補正動作である3相PFCモードが
図2-図12を参照して説明される。図2は、3相グリッド電圧の1サイクル期間においてプラグ400から3相コイル50へ流れるU相電流IU、V相電流IV、及びW相電流IWの波形を示す。U相電流IU、V相電流IV、及びW相電流IWは充電相電流と呼ばれる。
次に、単相グリッド充電モードが説明される。プラグ400の2つの端子(X及びY)の間に単相グリッド電圧が印加される。この単相グリッド電圧はDCリンク電圧VCよりも低い。デュアルインバータ200及び3相コイル50は単相PFC回路を形成する。降圧充電モードを実行する前端昇圧コンバータ10は充電電流を制御する。前端昇圧コンバータ10の降圧動作は3相グリッド充電モード及び単相グリッド充電モードにおいて同じである。
単相PFC回路により運転される単相PFCモードが説明される。端子(X、Y)の間に印加される単相グリッド電圧の正の半サイクル期間において、相電圧VU1は相電圧VV1よりも高い。逆に、単相グリッド電圧の負の半サイクル期間において、相電圧VU1は相電圧VV1よりも低い。正の半サイクル期間において、U相コイル5U及びU相レグ4UからなるU相昇圧チョッパが運転され、下アームスイッチ42がPWM制御される。スイッチ42がオンされる時、電流IUが、U相コイル5U、スイッチ42、スイッチ34を通じて流れ、U相コイル5Uは磁気エネルギーを蓄積する。スイッチ42がオフされる時、電流IUが、U相コイル5U、スイッチ41、平滑キャパシタ13、スイッチ34を通じて流れ、平滑キャパシタ13が充電される。スイッチ42のPWM制御により、充電電流の波形は単相グリッド電圧の正半サイクル正弦波波形と一致する正弦波波形となる。
昇圧スイッチドバッテリ100から3相グリッドへ逆送電する3相逆送電モードが説明される。DCリンク電圧VCは3相グリッドの相間電圧のピーク値より高い。前端昇圧コンバータ10は、バッテリ1及び2の電圧和がこのピーク値よりも低い場合に昇圧放電モードを実行し、バッテリ1及び2の電圧和がこのピーク値よりも高い場合に直列モードを実行する。3相コイル50及び3相インバータ40からなる3相降圧チョッパは、3相交流電流をプラグ400を通じて3相グリッドに供給する。3相インバータ30は停止される。この3相降圧チョッパはPFC回路を兼ねる。
昇圧スイッチドバッテリ100から単相グリッドへ逆送電する単相逆送電モードが説明される。DCリンク電圧VCは単相グリッド電圧に応じて好適な放電モードを選択する。プラグ400の端子(X、Y)は単相グリッドに接続される。U相コイル5U及びU相レグ4UはU相降圧チョッパを形成する。V相コイル5V及びV相レグ4VはV相降圧チョッパを形成する。3相インバータ30及びW相レグ4Wは停止される。U相降圧チョッパ及びV相降圧チョッパは単相PFC回路を兼ねる。
図1に示される車載統合充電器の変形態様が図13を参照して説明される。図13に示される車載統合充電器は、図1に示される車載統合充電器の昇圧スイッチドバッテリ100の代わりに1つのバッテリ1を用いる。図13の車載統合充電器は、図1の車載統合充電器と本質的に同じ動作を実行する。3相グリッド充電モードを実現するために、3相グリッドの相間電圧(VU1-VV1、VV1-VW1、及びVW1-VU1)はバッテリ1の電圧Vbよりも低い。3相グリッド充電モード及び電流非制御DC充電モードにおいて、バッテリ1に流れ込む充電電流を調節するために、バッテリ側3相インバータ40のPWMデユーティ比が制御される。同様に、プラグ400に印加されるDC電圧は電流非制御DC充電モードにおいて、バッテリ1の電圧Vbよりも低い。
この車載統合充電器は、3相及び単相グリッド充電モードにおいて、デュアルインバータ200をPFC回路として動作させることができる。さらに、この車載統合充電器は、電流制御DC急速充電スポット及び電流非制御DC急速充電スポットの両方に接続されることができる。さらに、この車載統合充電器は、DC急速充電スポットに接続される時、3相コイル50の抵抗損失をゼロとすることができる。たとえば、電流非制御DC充電方式が採用される時、ソーラーパネルからバッテリへの高効率の充電が可能となる。さらに、この車載統合充電器によれば、短絡事故がDC急速充電スポットにおいて生じた時、グリッド側3相インバータはオフされる。これにより、直流電源のバッテリや半導体スイッチが短絡電流により破壊されることが防止される。
図14はグリッド充電モードにおいて使用される電磁ブレーキ装置90を示すブロック図である。コントローラ9は、車輪91を拘束する電動ブレーキ装置90を制御する。コントローラ9により実行されるブレーキ制御ルーチンが図15を参照して説明される。最初にバッテリ充電モードが指令されたか否かか判定され(S100)、指令されたと判定された時、電動ブレーキ装置90により車輪91を拘束する(S102)。バッテリ充電モードが指令されていない時、プラグ400からデュアルインバータ200へ3相グリッド電圧が印加されたか否かが判定され(S104)、3相グリッド電圧が印加されたと判定された時、電動ブレーキ装置90により車輪91を拘束する(S102)。3相グリッド電圧が印加されていないと判定された時、電動ブレーキ装置90による車輪91の拘束が解除される(S106)。
絶縁型双方向DCDCコンバータ300は、一次Hブリッジ301、変圧器302、及び二次Hブリッジ303からなる。コンバータ300の詳細が図1及び図16を参照して説明される。Hブリッジ301は、第1レグ及び第2レグからなる。第1レグは上アームスイッチ311及び下アームスイッチ312からなる。第2レグは上アームスイッチ313及び下アームスイッチ314からなる。Hブリッジ303は第3レグ及び第4レグからなる。第3レグは上アームスイッチ315及び下アームスイッチ316からなる。第4レグは上アームスイッチ317及び下アームスイッチ318からなる。
低電圧バッテリ304を充電するための降圧充電モードにおいて、Hブリッジ301がPWM制御され、交流電圧が一次コイルC1に印加される。この交流電圧の正の半サイクル期間が説明される。下アームスイッチ314はオンされる。スイッチ311及び312は相補的にPWMスイッチングされる。スイッチ311がオンされる期間において、漏れインダクタンスL1を通じて一次コイルC1へ流れ込む一次電流が増加する。スイッチ311がオフされる期間において、漏れインダクタンスL1の磁気エネルギーは、スイッチ312、漏れインダクタンスL1、一次コイルC1、及び下アームスイッチ314を通じて循環するフリーホィーリング電流を流す。このフリーホィーリング電流は急速に減衰する。この一次電流の変化により二次コイルC2に誘導される二次電圧は、Hブリッジ303により整流されてバッテリ304を充電する。充電電流はスイッチ311のPWMデユーティ比を制御することによ制御される。
メインリレー61及び62がオンされる時、平滑キャパシタ13に高い突入電流が流れ込むことが知られている。このプリチャージモードはこの突入電流を低減する。
このコンバータ300は、低電圧バッテリ304の充電において、並列モード、直列モード、及び昇圧放電モードの間のDCリンク電圧VCの変化を吸収することができる。さらに、このコンバータ300は、平滑キャパシタ13に流れ込む突入電流を防止することができる。
次に、低温のバッテリ1及び2を急速に加熱するための単相バッテリ加熱法が説明される。この問題を解決するための従来の外部電気ヒータは高い電力損失をもつ。この問題を解決するための単相バッテリ加熱法が説明される。
低温バッテリの急速充電はバッテリを劣化を促進する。したがって、従来の急速充電器はバッテリ1が低温である時に急速充電を実行できない。この実施例によれば、低温バッテリの電解液は急速充電の開始前に急速に温められることができる。その結果、トータルの充電時間は短縮されることができる。さらに、従来の外部電気ヒータは、複数の熱伝導部材を通じて間接的にバッテリの電解液を加熱する。このため、電解液の温度上昇は遅れる。この単相バッテリ加熱法によれば、電解液は、熱損失無しに直接に加熱されるので、電解液は素早く加熱されることができる。
次に、モータトルクを発生するためのデュアルインバータ200のトルク制御法が説明される。既述されたデュアルインバータ200を3相PFC回路として用いるグリッド接続オンボード統合充電器の欠点は、デュアルインバータ200が通常のシングル3相インバータと比べて複雑な回路トポロジーを必要とすることである。このため、この欠点を超える新たなメリットたとえばインバータ損失低減を実現することがデュアルインバータ200に要求される。
第1のトルク制御法としての上アーム導通シングルPWM法が図1を参照して説明される。レグ3UはU相電圧VU1を相コイル5Uに印加し、レグ4UはU相電圧VU2を相コイル5Uに印加する。U相電圧VU(=VU1-VU2)が相コイル5Uに印加される。レグ3VはV相電圧VV1を相コイル5Vに印加し、レグ4VはU相電圧VV2を相コイル5Vに印加する。V相電圧VV(=VV1-VV2)が相コイル5Vに印加される。レグ3WはW相電圧VW1を相コイル5Wに印加し、レグ4WはW相電圧VW2を相コイル5Wに印加する。W相電圧VW(=VW1-VW2)が相コイル5Wに印加される。3つの相電圧(VU、VV、及びVW)の間の位相差は電気角120度である。レグ3U及び4Uは、相電圧VUを相コイル5Uに印加するU相のHブリッジを形成する。レグ3V及び4Vは、相電圧VVを相コイル5Vに印加するV相のHブリッジを形成する。レグ3W及び4Wは、相電圧VWを相コイル5Wに印加するW相のHブリッジを形成する。
まず、固定電位レグはスイッチング損失を発生しない。このため、上アーム導通シングルPWM法は、Hブリッジの2つのレグがPWMレグとなる従来のダブルPWM法と比べて半分のスイッチング損失をもつ。次に、固定電位レグの上アームスイッチが常にオンされる。このため、インバータの上アームトランジスタのオフに起因するリンギングサージ電圧を低減することができる。その結果、スイッチング過渡期間の短縮により、スイッチング損失を低減することができる。
第2のトルク制御法としてのダブルHブリッジモードが図30及び図31を参照して説明される。このダブルHブリッジモードによれば、デュアルインバータ200の3つのHブリッジの1つが電気角60度毎に順番に休止される。休止されるHブリッジは休止Hブリッジと呼ばれる。休止Hブリッジの2つのレグの各上アームスイッチおよび下アームスイッチはオフされる。3つのHブリッジの1つを休止するこのダブルHブリッジモードは、デュアルインバータ200の損失を低減する。
第3のトルク制御法としての昇圧ダブルHブリッジモードが図32及び図33を参照して説明される。この昇圧ダブルHブリッジモードにおいて、電位固定HブリッジのPWMスイッチングが停止される。電位固定Hブリッジは最大振幅の相電圧を出力する。3つのHブリッジの1つを休止するこのダブルHブリッジモードは、デュアルインバータ200の損失を低減する。
第4のトルク制御法としてのシングルHブリッジモードが図34を参照して説明される。このシングルHブリッジモードにおいて、ダブルHブリッジモード及び昇圧ダブルHブリッジモードが一緒に実行される。図34は、シングルHブリッジモードで駆動されるデュアルインバータ200の各レグの状態を示すタイミングチャートである。図33において、ハイレベル期間’H’は各レグがハイレベル電位を出力する位相期間であり、ローレベル期間’L’は各レグがローレベル電位を出力する位相期間である。休止期間’A’において、各レグの上アームスイッチおよび下アームスイッチの両方がオフされる。位相期間’PWM’は、各レグがPWM制御される期間である。各Hブリッジは、各位相期間’PWM’において上アーム導通シングルPWM法で制御される。
第5のトルク制御法としての電流分散法が図35及び図36を参照して説明される。この電流分散法によれば、デュアルインバータ200は空間ベクトルPWM法(SVPWM法)により制御される。この電流分散法は、バッテリ損失を低減する。デュアルインバータ200の3つのHブリッジは、所定周波数値をもつPWMキャリヤ信号に基づいてPWM制御される。たとえば、PWMキャリヤ信号の周波数が20kHzである時、共通のPWMサイクル期間TCは50μ秒の長さをもつ。
上記説明された各トルク制御法は好適にはモータ回転数に応じて切り替えられる。トルク指令値や効率のようなその他のパラメータに応じて最適なトルク制御法を選択することも可能である。たとえば、電流分散法は、3相コイル50の逆起電力(back EMF)が低い低速領域において、非常に有効である。各相のPWMデユーティ比はこの低い逆起電力により減少する。このため、各相の電流供給期間は互いにオーバーラップすることなく、各PWMサイクル期間内に配置されることができる。
本発明のパワースイッチング回路の主要要素である昇圧スイッチドバッテリ100、デュアルインバータ200、及び絶縁型双方向DCDCコンバータ300のそれぞれが別々に使用される時、各要素特有のメリットを実現することができる。
Claims (20)
- 3相同期モータの3相コイルに接続される3相インバータ、DCバスを通じて前記3相インバータに接続されるバッテリを含む直流電源、前記3相コイルの3つの相コイルの各一端を外部電源に接続する共通プラグ、及び前記3相インバータを制御するコントローラを備えるパワースイッチング回路において、
前記3相インバータは、グリッド側3相インバータ(30)と、オープンエンド3相コイル(50)を通じて前記グリッド側3相インバータ(30)に接続されるバッテリ側3相インバータ(40)とからなるコモンDCバスベースのデュアルインバータ(200)からなり、
前記コントローラ(9)は、3相昇圧整流器として前記3相コイル(50)及び前記バッテリ側3相インバータ(40)を駆動する3相グリッド充電モードと、3相整流器として前記グリッド側3相インバータ(30)を駆動するDC充電モードとを有し、
前記3相昇圧整流器は、前記プラグ(400)から印加される3相グリッド電圧を前記DCバスに印加される昇圧整流電圧に変換し、
前記3相整流器は、前記プラグ(400)から印加されるDC電圧を前記DCバスに印加される整流電圧に変換することを特徴とするパワースイッチング回路。 - 前記コントローラ(9)は、前記3相グリッド充電モードにおいて前記バッテリ側3相インバータ(40)を3相位相補正(PFC)回路として駆動する3相PFCモードをもつ請求項1記載のパワースイッチング回路。
- 前記コントローラ(9)は、前記3相PFCモードにおいて、バッテリ側3相インバータ(40)を昇圧チョッパとして駆動する昇圧位相期間と、バッテリ側3相インバータ(40)を降圧チョッパとして駆動する降圧位相期間とをもつ請求項2記載のパワースイッチング回路。
- 前記直流電源は、前記3相グリッド充電モードにおいて前記DCバス(81、82)間に印加されるDCリンク電圧(VC)を降圧する前端昇圧コンバータ(10)をもつ請求項1記載のパワースイッチング回路。
- 前端昇圧コンバータ(10)は、前記外部電源が電流非制御型DC電源である時、前記DC充電モードにおいてDCリンク電圧(VC)を充電電流制御のために降圧する請求項4記載のパワースイッチング回路。
- 前記前端昇圧コンバータ(10)は、前記3相グリッド充電モードにおいて前記3相グリッド電圧が前記DCリンク電圧(VC)よりも低い時、前記DCリンク電圧の降圧を停止する請求項4記載のパワースイッチング回路。
- 前記前端昇圧コンバータ(10)は、直列トランジスタ(3)、2つの並列トランジスタ(4、5)、出力トランジスタ(6)、リアクトル(7)、及びサージ吸収ダイオード(8)を有し、
直列接続された前記直列トランジスタ(3)及び前記リアクトル(7)は、ローサイドのバッテリ(1)の正極をハイサイドのバッテリ(2)の負極に接続し、
前記2つの並列トランジスタ(4、5)は、前記2つのバッテリ(1、2)を並列接続し、
前記出力トランジスタ(6)は、前記2つのバッテリ(1、2)を前記インバータ(200)に接続し、
前記サージ吸収ダイオード(8)は、前記ローサイドのバッテリ(1)の負極及び前記ハイサイドの前記バッテリ(2)の正極の少なくとも一方に前記リアクトル(7)を接続する請求項4記載のパワースイッチング回路。 - 前記コントローラ(9)は、前記2つのバッテリ(1、2)の間の電圧差が所定値を超える場合に、前記2つのバッテリ(1、2)を並列接続する前に前記2つのバッテリ(1、2)の電圧差を低減する電圧バランスモードを有する請求項7記載のパワースイッチング回路。
- 前記DCバス(81、82)は、絶縁型双方向DCDCコンバータ(300)を通じて低電圧バッテリ(304)に接続され、
前記コンバータ(300)は、一次コイル(C1)及び二次コイル(C2)をもつ変圧器(302)と、前記一次コイル(C1)を前記DCバス(81、82)に接続する一次側のHブリッジ(301)と、前記二次コイル(C2)を前記低電圧バッテリ(304)に接続する二次側のHブリッジ(303)とを有し、
前記コントローラ(9)は、前記低電圧バッテリ(304)を充電する降圧充電モードと、前記DCバス(81、82)に接続された平滑キャパシタ(13)を充電するプリチャージモードとをもつ請求項1記載のパワースイッチング回路。 - 前記一次側のHブリッジ(301)及び前記一次コイル(C1)の漏れインダクタンス(L1)は、前記降圧充電モードにおいて降圧チョッパとして駆動される請求項9記載のパワースイッチング回路。
- 前記一次側のHブリッジ(301)及び前記一次コイル(C1)の漏れインダクタンス(L1)は、前記プリチャージモードにおいて昇圧チョッパとして駆動される請求項9記載のパワースイッチング回路。
- 前記コントローラ(9)は、前記バッテリの温度が所定値より低い時、前記バッテリから前記3相コイル(50)へ単相交流電流を供給する単相バッテリ加熱モードをもつ請求項1記載のパワースイッチング回路。
- 前記デュアルインバータ(200)の3つのHブリッジはそれぞれ、PWM制御されるPWMレグと、ハイレベルDC電圧及びローレベルDC電圧のどちらかを出力する固定電位レグとからなり、
前記コントローラ(9)は、上アーム導通シングルPWMモードによりモータトルクを制御し、
前記Hブリッジの前記固定電位レグ及び前記PWMレグは、前記上アーム導通シングルPWMモードにおいて電気角180度毎に交代され、
前記固定電位レグの上アームトランジスタは、前記上アーム導通シングルPWMモードにおいて常にオンされる請求項1記載のパワースイッチング回路。 - 前記コントローラ(9)は、前記デュアルインバータ(200)の3つのHブリッジの1つを電気角60度ごとに順番に休止するダブルHブリッジモードにより、モータトルクを制御する請求項1記載のパワースイッチング回路。
- 前記デュアルインバータ(200)の3つのHブリッジの1つは、前記DCリンク電圧(VC)を定常的に出力する固定電位Hブリッジからなり、
前記コントローラ(9)は、前記前端昇圧コンバータ(10)の昇圧動作により形成された昇圧電圧からなる前記DCリンク電圧(VC)を前記固定電位Hブリッジに印加する昇圧ダブルHブリッジモードにより、モータトルクを制御し、
前記固定電位Hブリッジは、前記昇圧ダブルHブリッジモードにおいて前記昇圧電圧をPWM制御することなく前記3相コイル(50)の1つの相コイル(5U又は5V又は5W)に印加する請求項4記載のパワースイッチング回路。 - 前記デュアルインバータ(200)の3つのHブリッジは、共通のPWMサイクル期間(TC)内に形成される各相の電流供給期間(TXU、TXV、及びTXW)において前記3相コイル(50)の3つの相コイル(5U、5V、及び5W)に各相電源電流(IUP、IVP、IWP))を別々に供給し、
前記コントローラ(9)は、前記各相電流供給期間(TXU、TXV、TXW)の和が所定時間より短い時、少なくとも2つの前記相電流供給期間を時間的に重複させない電流分散法により、モータトルクを制御する請求項1記載のパワースイッチング回路。 - 直流電源からDCバスを通じて供給されるDC電力を3相AC電力に変換して3相モータの3相コイル(50)に印加するインバータを制御するコントローラを備えるパワースイッチング回路において、
前記DCバス(81、82)は、絶縁型双方向DCDCコンバータ(300)を通じて低電圧バッテリ(304)に接続され、
前記コンバータ(300)は、一次コイル(C1)及び二次コイル(C2)をもつ変圧器(302)と、前記一次コイル(C1)を前記DCバス(81、82)に接続する一次側のHブリッジ(301)と、前記二次コイル(C2)を前記低電圧バッテリ(304)に接続する二次側のHブリッジ(303)とを有し、
前記コントローラ(9)は、前記低電圧バッテリ(304)を充電する降圧充電モードと、前記DCバス(81、82)に接続された平滑キャパシタ(13)を充電するプリチャージモードとをもつことを特徴とするパワースイッチング回路。 - 前記一次側のHブリッジ(301)及び前記一次コイル(C1)の漏れインダクタンス(L1)は、前記降圧充電モードにおいて降圧チョッパとして駆動される請求項17記載のパワースイッチング回路。
- 前記一次側のHブリッジ(301)及び前記一次コイル(C1)の漏れインダクタンス(L1)は、前記プリチャージモードにおいて昇圧チョッパとして駆動される請求項17記載のパワースイッチング回路。
- 直流電源からDCバスを通じて供給されるDC電力を3相AC電力に変換して3相モータの3相コイル(50)に印加するインバータを制御するコントローラを備えるパワースイッチング回路において、
前記コントローラ(9)は、前記直流電源のバッテリ(1、2)の温度が所定値より低い時、前記バッテリ(1、2)から前記3相コイル(50)へ単相交流電流を供給する単相バッテリ加熱モードをもつことを特徴とするパワースイッチング回路。
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