JPWO2020241858A5 - - Google Patents

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本発明の実施形態は、画像復号装置及び画像符号化装置に関する。
画像を効率的に伝送又は記録するために、画像を符号化することによって符号化データを生成する画像符号化装置、及び、当該符号化データを復号することによって復号画像を生成する画像復号装置が用いられている。
具体的な画像符号化方式としては、例えば、H.264/AVCやHEVC(High-Efficiency VideoCoding)等が挙げられる。
このような画像符号化方式においては、画像を構成する画像(ピクチャ)は、画像を分割することにより得られるスライス、スライスを分割することにより得られる符号化ツリーユニット(CTU:Coding Tree Unit)、符号化ツリーユニットを分割することで得られる符号化単位(符号化ユニット(Coding Unit:CU)と呼ばれることもある)、及び、符号化単位を分割することより得られる変換ユニット(TU:Transform Unit)からなる階層構造により管理され、CU毎に符号化/復号される。
また、このような画像符号化方式においては、通常、入力画像を符号化/復号することによって得られる局所復号画像に基づいて予測画像が生成され、当該予測画像を入力画像(原画像)から減算して得られる予測誤差(「差分画像」又は「残差画像」と呼ぶこともある)が符号化される。予測画像の生成方法としては、画面間予測(インター予測)、及び、画面内予測(イントラ予測)が挙げられる。
また、近年の画像符号化及び復号技術として非特許文献1、非特許文献2が挙げられる。非特許文献1には、変換行列を符号化データ中の明示的シンタックスもしくは暗黙的なブロックサイズに応じて切り替えるマルチ変換選択(Multiple Transform Selection、MTS)と呼ばれる技術が開示されている。非特許文献2には、変換ユニット毎に予測誤差の変換後の各係数をRST(Reduced Secondary Transform)変換、すなわち、セカンダリ変換によって変換して変換係数を導出する画像符号化装置が開示されている。また、非特許文献2には、変換ユニット毎に変換係数をセカンダリ変換によって逆変換する画像復号装置が開示されている。
"Versatile Video Coding (Draft 5)", JVET-N1001-v6, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2019-05-23 "CE12: Mapping functions (test CE12-1 and CE12-2)", JVET-M0427-v2, Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 13th Meeting: Marrakech, MA, 9-18 Jan. 2019
非特許文献1のようなセカンダリ変換及びセカンダリ変換に関する技術において、セカンダリ変換とMTSによる変換を組み合わせた場合の性能が十分ではないという課題がある。特に、暗黙的MTSの性能がセカンダリ変換と組み合わせた場合にロスとなるというという課題がある。
本発明は、より好適にMTSによる変換およびセカンダリ変換を適用することができる画像復号装置及びその関連技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は、変換ユニット毎に変換係数を変換する画像復号装置であって、セカンダリ変換が有効である場合に、上記変換係数に変換行列を用いた変換を適用して修正変換係数を復元する第2の変換部と、上記変換係数または上記修正変換係数に対して、垂直変換と水平変換から構成される分離型変換を適用する第1の変換部と、上記セカンダリ変換が有効であり、イントラサブ分割モードが利用されず、かつ、サブブロック変換が利用されない場合、暗黙的変換をオフとし、上記暗黙的変換がオンの場合には、変換ユニットの幅に応じて水平変換タイプを導出し、上記変換ユニットの高さに応じて垂直変換タイプを導出する暗黙的変換設定部と、を含み、上記第1の変換部は、上記垂直変換タイプに応じた変換と、上記水平変換タイプに応じた変換を行うことを特徴とする。
本実施形態に係る画像伝送システムの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した送信装置、及び、動画像復号装置を搭載した受信装置の構成について示した図である。PROD_Aは動画像符号化装置を搭載した送信装置を示しており、PROD_Bは動画像復号装置を搭載した受信装置を示している。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した記録装置、及び、動画像復号装置を搭載した再生装置の構成について示した図である。PROD_Cは動画像符号化装置を搭載した記録装置を示しており、PROD_Dは動画像復号装置を搭載した再生装置を示している。 符号化ストリームのデータの階層構造を示す図である。 CTUの分割例を示す図である。 イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。 動画像復号装置の構成を示す概略図である。 動画像復号装置の概略的動作を説明するフローチャートである。 イントラ予測パラメータ復号部の構成を示す概略図である。 イントラ予測に使用される参照領域を示す図である。 イントラ予測画像生成部の構成を示す図である。 逆量子化・逆変換部の構成例について示す機能ブロック図である。 セカンダリ変換の変換範囲を説明する図である。 イントラサブ分割モード(イントラサブ分割予測)を用いる場合の暗黙的MTSの動作を説明する図である。 サブブロック変換を用いる場合の暗黙的MTSの動作を説明する図である。 動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 イントラ予測パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 コア変換部1521を説明するブロック図である。 セカンダリ変換とコア変換を説明するブロック図である。 実施形態のMTS設定部15211の動作を説明するフローチャートである。 実施形態のMTS設定部15211の動作を説明するフローチャートである。 実施形態のMTS設定部15211の動作を説明するフローチャートである。 TU復号部と逆変換部との関係を示すブロック図である。 セカンダリ変換の処理を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像伝送システム1の構成を示す概略図である。
画像伝送システム1は、符号化対象画像を符号化した符号化ストリームを伝送し、伝送された符号化ストリームを復号し画像を表示するシステムである。画像伝送システム1は、動画像符号化装置(画像符号化装置)11、ネットワーク21、動画像復号装置(画像復号装置)31、及び画像表示装置(画像表示装置)41を含んで構成される。
動画像符号化装置11には画像Tが入力される。
ネットワーク21は、動画像符号化装置11が生成した符号化ストリームTeを動画像復号装置31に伝送する。ネットワーク21は、インターネット(Internet)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、小規模ネットワーク(LAN:Local Area Network)又はこれらの組み合わせである。ネットワーク21は、必ずしも双方向の通信網に限らず、地上デジタル放送、衛星放送等の放送波を伝送する一方向の通信網であってもよい。また、ネットワーク21は、DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)、BD(Blue-ray Disc:登録商標)等の符号化ストリームTeを記録した記憶媒体で代替されてもよい。
動画像復号装置31は、ネットワーク21が伝送した符号化ストリームTeのそれぞれを復号し、復号した1又は複数の復号画像Tdを生成する。
画像表示装置41は、動画像復号装置31が生成した1又は複数の復号画像Tdの全部又は一部を表示する。画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備える。ディスプレイの形態としては、据え置き、モバイル、HMD等が挙げられる。また、動画像復号装置31が高い処理能力を有する場合には、画質の高い画像を表示し、より低い処理能力しか有しない場合には、高い処理能力、表示能力を必要としない画像を表示する。
<演算子>
本明細書で用いる演算子を以下に記載する。
>>は右ビットシフト、<<は左ビットシフト、&はビットワイズAND、|はビットワイズOR、|=はOR代入演算子であり、||は論理和を示す。
x?y:zは、xが真(0以外)の場合にy、xが偽(0)の場合にzをとる3項演算子である。
Clip3(a,b,c) は、cをa以上b以下の値にクリップする関数であり、c<aの場合にはaを返し、c>bの場合にはbを返し、その他の場合にはcを返す関数である(ただし、a<=b)。
abs(a)はaの絶対値を返す関数である。
Int(a)はaの整数値を返す関数である。
floor(a)はa以下の最大の整数を返す関数である。
ceil(a)はa以上の最小の整数を返す関数である。
a/dはdによるaの除算(小数点以下切り捨て)を表す。
<符号化ストリームTeの構造>
本実施形態に係る動画像符号化装置11及び動画像復号装置31の詳細な説明に先立って、動画像符号化装置11によって生成され、動画像復号装置31によって復号される符号化ストリームTeのデータ構造について説明する。
図4は、符号化ストリームTeにおけるデータの階層構造を示す図である。符号化ストリームTeは、例示的に、シーケンス、及びシーケンスを構成する複数のピクチャを含む。図4には、それぞれ、シーケンスSEQを既定する符号化ビデオシーケンス、ピクチャPICTを規定する符号化ピクチャ、スライスSを規定する符号化スライス、スライスデータを規定する符号化スライスデータ、符号化スライスデータに含まれる符号化ツリーユニット、符号化ツリーユニットに含まれる符号化ユニットを示す図が示されている。
(符号化ビデオシーケンス)
符号化ビデオシーケンスでは、処理対象のシーケンスSEQを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。シーケンスSEQは、図4の符号化ビデオシーケンスに示すように、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set)、シーケンスパラメータセットSPS(Sequence Parameter Set)、ピクチャパラメータセットPPS(Picture Parameter Set)、ピクチャPICT、及び、付加拡張情報SEI(Supplemental Enhancement Information)を含んでいる。
ビデオパラメータセットVPSは、複数のレイヤから構成されている画像において、複数の画像に共通する符号化パラメータの集合及び画像に含まれる複数のレイヤ及び個々のレイヤに関連する符号化パラメータの集合が規定されている。
シーケンスパラメータセットSPSでは、対象シーケンスを復号するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの幅や高さが規定される。なお、SPSは複数存在してもよい。その場合、PPSから複数のSPSの何れかを選択する。
ピクチャパラメータセットPPSでは、対象シーケンス内の各ピクチャを復号するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの復号に用いられる量子化幅の基準値(pic_init_qp_minus26)や重み付き予測の適用を示すフラグ(weighted_pred_flag)及びスケーリングリスト(量子化マトリックス)が含まれる。なお、PPSは複数存在してもよい。その場合、対象シーケンス内の各ピクチャから複数のPPSの何れかを選択する。
(符号化ピクチャ)
符号化ピクチャでは、処理対象のピクチャPICTを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。ピクチャPICTは、図4の符号化ピクチャに示すように、スライス0~スライスNS-1を含む(NSはピクチャPICTに含まれるスライスの総数)。
なお、以下、スライス0~スライスNS-1のそれぞれを区別する必要が無い場合、符号の添え字を省略して記述することがある。また、以下に説明する符号化ストリームTeに含まれるデータであって、添え字を付している他のデータについても同様である。
(符号化スライス)
符号化スライスでは、処理対象のスライスSを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスは、図4の符号化スライスに示すように、スライスヘッダ、及び、スライスデータを含んでいる。
スライスヘッダには、対象スライスの復号方法を決定するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータ群が含まれる。スライスタイプを指定するスライスタイプ指定情報(slice_type)は、スライスヘッダに含まれる符号化パラメータの一例である。
スライスタイプ指定情報により指定可能なスライスタイプとしては、(1)符号化の際にイントラ予測のみを用いるIスライス、(2)符号化の際に単方向予測、又は、イントラ予測を用いるPスライス、(3)符号化の際に単方向予測、双方向予測、又は、イントラ予測を用いるBスライス等が挙げられる。なお、インター予測は、単予測、双予測に限定されず、より多くの参照ピクチャを用いて予測画像を生成してもよい。以下、P、Bスライスと呼ぶ場合には、インター予測を用いることができるブロックを含むスライスを指す。
なお、スライスヘッダは、ピクチャパラメータセットPPSへの参照(pic_parameter_set_id)を含んでいてもよい。
(符号化スライスデータ)
符号化スライスデータでは、処理対象のスライスデータを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスデータは、図4の符号化スライスヘッダに示すように、CTUを含んでいる。CTUは、スライスを構成する固定サイズ(例えば64x64)のブロックであり、最大符号化単位(LCU:Largest Coding Unit)と呼ぶこともある。
(符号化ツリーユニット)
図4の符号化ツリーユニットには、処理対象のCTUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。CTUは、再帰的な4分木分割(QT(Quad Tree)分割)、2分木分割(BT(Binary Tree)分割)あるいは3分木分割(TT(Ternary Tree)分割)により符号化処理の基本的な単位である符号化ユニットCUに分割される。BT分割とTT分割を合わせてマルチツリー分割(MT(Multi Tree)分割)と呼ぶ。再帰的な4分木分割により得られる木構造のノードのことを符号化ノード(Coding Node)と称する。4分木、2分木、及び3分木の中間ノードは、符号化ノードであり、CTU自身も最上位の符号化ノードとして規定される。
CTは、CT情報として、QT分割を行うか否かを示すQT分割フラグ(cu_split_flag)、MT分割の有無を示すMT分割フラグ(split_mt_flag)、MT分割の分割方向を示すMT分割方向(split_mt_dir)、MT分割の分割タイプを示すMT分割タイプ(split_mt_type)を含む。cu_split_flag、split_mt_flag、split_mt_dir、split_mt_type は符号化ノード毎に伝送される。
cu_split_flagが1の場合、符号化ノードは4つの符号化ノードに分割される(図5のQT)。
cu_split_flagが0の時、split_mt_flagが0の場合に符号化ノードは分割されず1つのCUをノードとして持つ(図5の分割なし)。CUは符号化ノードの末端ノードであり、これ以上分割されない。CUは、符号化処理の基本的な単位となる。
split_mt_flagが1の場合に符号化ノードは以下のようにMT分割される。split_mt_typeが0の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに水平分割され(図5のBT(水平分割))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに垂直分割される(図5のBT(垂直分割))。また、split_mt_typeが1の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに水平分割され(図5のTT(水平分割))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに垂直分割される(図5のTT(垂直分割))。これらを図5のCT情報に示す。
また、CTUのサイズが64x64画素の場合には、CUのサイズは、64x64画素、64x32画素、32x64画素、32x32画素、64x16画素、16x64画素、32x16画素、16x32画素、16x16画素、64x8画素、8x64画素、32x8画素、8x32画素、16x8画素、8x16画素、8x8画素、64x4画素、4x64画素、32x4画素、4x32画素、16x4画素、4x16画素、8x4画素、4x8画素、及び、4x4画素の何れかをとり得る。
(符号化ユニット)
図4の符号化ユニットに示すように、処理対象の符号化ユニットを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。具体的には、CUは、CUヘッダCUH、予測パラメータ、変換パラメータ、量子化変換係数等から構成される。CUヘッダでは予測モード等が規定される。
予測処理は、CU単位で行われる場合と、CUをさらに分割したサブCU単位で行われる場合がある。CUとサブCUのサイズが等しい場合には、CU中のサブCUは1つである。CUがサブCUのサイズよりも大きい場合、CUは、サブCUに分割される。例えばCUが8x8、サブCUが4x4の場合、CUは水平2分割、垂直2分割からなる、4つのサブCUに分割される。
予測の種類(予測モード)は、イントラ予測と、インター予測の2つがある。イントラ予測は、同一ピクチャ内の予測であり、インター予測は、互いに異なるピクチャ間(例えば、表示時刻間、レイヤ画像間)で行われる予測処理を指す。
変換・量子化処理はCU単位で行われるが、量子化変換係数は4x4等のサブブロック単位でエントロピー符号化してもよい。
(予測パラメータ)
予測画像は、ブロックに付随する予測パラメータによって導出される。予測パラメータには、イントラ予測とインター予測の予測パラメータがある。
以下、イントラ予測の予測パラメータについて説明する。イントラ予測パラメータは、輝度予測モードIntraPredModeY、色差予測モードIntraPredModeCから構成される。図6は、イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。図6に示すように、イントラ予測モードは、例えば67種類(0~66)存在する。例えば、プレーナ予測(0)、DC予測(1)、Angular予測(2~66)である。さらに、色差ではLMモード(67~72)を追加してもよい。
イントラ予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、intra_luma_mpm_flag、intra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder等がある。
(MPM)
intra_luma_mpm_flagは、対象ブロックのIntraPredModeYとMPM(Most Probable Mode)とが一致するか否かを示すフラグである。MPMは、MPM候補リストmpmCandList[]に含まれる予測モードである。MPM候補リストは、隣接ブロックのイントラ予測モード及び所定のイントラ予測モードから、対象ブロックに適用される確率が高いと推定される候補を格納したリストである。intra_luma_mpm_flagが1の場合、MPM候補リストとインデックスintra_luma_mpm_idxを用いて、対象ブロックのIntraPredModeYを導出する。
IntraPredModeY = mpmCandList[intra_luma_mpm_idx]
(REM)
intra_luma_mpm_flagが0の場合、イントラ予測モード全体からMPM候補リストに含まれるイントラ予測モードを除いた残りのモードRemIntraPredModeからイントラ予測モードを選択する。RemIntraPredModeとして選択可能なイントラ予測モードは、「非MPM」又は「REM」と呼ばれる。RemIntraPredModeはintra_luma_mpm_remainderを用いて導出される。
(動画像復号装置の構成)
本実施形態に係る動画像復号装置31(図7)の構成について説明する。
動画像復号装置31は、エントロピー復号部301、パラメータ復号部(予測画像復号装置)302、ループフィルタ305、参照ピクチャメモリ306、予測パラメータメモリ307、予測画像生成部(予測画像生成装置)308、逆量子化・逆変換部311、及び加算部312を含んで構成される。なお、後述の動画像符号化装置11に合わせ、動画像復号装置31にループフィルタ305が含まれない構成もある。
パラメータ復号部302は、さらに、ヘッダ復号部3020、CT情報復号部3021、及びCU復号部3022(予測モード復号部)を備えており、CU復号部3022はTU復号部3024を備えている。これらを総称して復号モジュールと呼んでもよい。ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPS等のパラメータセット情報、スライスヘッダ(スライス情報)を復号する。CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。CU復号部3022は符号化データからCUを復号する。TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。
図23は、TU復号部3024と逆変換部3112との関係を示すブロック図である。TU復号部3024のstIdx復号部131は、符号化データからセカンダリ変換の利用の有無及び変換基底を示す値stIdxを復号し、セカンダリ変換部31121に出力する。TU復号部3024のmts_idx復号部132は、符号化データからMTSの変換行列を示す値mts_idxを復号し、コア変換部31123に出力する。具体的には、TU復号部3024は、CUの幅と高さが4以上であり、且つ、予測モードがイントラモードであり、且つ、CU内の変換係数の数numSigCoeffが所定の数THSt(例えば、SINGLE_TREEでは2、それ以外は1)より大きい場合にstIdxを復号する。なお、stIdxが0の場合には、セカンダリ変換を適用せず、stIdxが1の場合には、セカンダリ変換行列のセット(ペア)のうち一方の変換を示し、stIdxが2の場合には、上記ペアのうち他方の変換を示す。また、セカンダリ変換行列secTransMatrixは、stIdxの値だけではなく、イントラ予測モードと変換のサイズに応じて選択してもよい。
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、インター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
また、以降では処理の単位としてCTU、CUを使用した例を記載するが、この例に限らず、サブCU単位で処理をしてもよい。あるいはCTU、CUをブロック、サブCUをサブブロックと読み替え、ブロックあるいはサブブロック単位の処理としてもよい。
エントロピー復号部301は、外部から入力された符号化ストリームTeに対してエントロピー復号を行って、個々の符号(シンタックス要素)を分離し復号する。エントロピー符号化には、シンタックス要素の種類や周囲の状況に応じて適応的に選択したコンテキスト(確率モデル)を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式と、予め定められた表、あるいは計算式を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式がある。前者のCABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)は、符号化あるいは復号したピクチャ(スライス)毎に更新した確率モデルをメモリに格納する。そして、Pピクチャ、あるいはBピクチャのコンテキストの初期状態として、メモリに格納された確率モデルの中から、同じスライスタイプ、同じスライスレベルの量子化パラメータを使用したピクチャの確率モデルを設定する。この初期状態を符号化、復号処理に使用する。分離された符号には、予測画像を生成するための予測情報及び、差分画像を生成するための予測誤差等がある。
エントロピー復号部301は、分離した符号をパラメータ復号部302に出力する。分離した符号とは、例えば、予測モードpredModeである。どの符号を復号するかの制御は、パラメータ復号部302の指示に基づいて行われる。
(基本フロー)
図8、動画像復号装置31の概略的動作を説明するフローチャートである。
(S1100:パラメータセット情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPS等のパラメータセット情報を復号する。
(S1200:スライス情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからスライスヘッダ(スライス情報)を復号する。
以下、動画像復号装置31は、対象ピクチャに含まれる各CTUについて、S1300からS5000の処理を繰り返すことにより各CTUの復号画像を導出する。
(S1300:CTU情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTUを復号する。
(S1400:CT情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。
(S1500:CU復号)CU復号部3022はS1510、S1520を実施して、符号化データからCUを復号する。
(S1510:CU情報復号)CU復号部3022は、符号化データからCU情報、予測情報、TU分割フラグsplit_transform_flag、CU残差フラグcbf_cb、cbf_cr、cbf_luma等を復号する。
(S1520:TU情報復号)TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。なお、QP更新情報は、量子化パラメータQPの予測値である量子化パラメータ予測値qPpredからの差分値である。
(S2000:予測画像生成)予測画像生成部308は、対象CUに含まれる各ブロックについて、予測情報に基づいて予測画像を生成する。
(S3000:逆量子化・逆変換)逆量子化・逆変換部311は、対象CUに含まれる各TUについて、逆量子化・逆変換処理を実行する。
(S4000:復号画像生成)加算部312は、予測画像生成部308より供給される予測画像と、逆量子化・逆変換部311より供給される予測誤差とを加算することによって、対象CUの復号画像を生成する。
(S5000:ループフィルタ)ループフィルタ305は、復号画像にデブロッキングフィルタ、SAO、ALF等のループフィルタをかけ、復号画像を生成する。
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、図示しないインター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
(イントラ予測パラメータ復号部304の構成)
イントラ予測パラメータ復号部304は、エントロピー復号部301から入力された符号に基づいて、予測パラメータメモリ307に記憶された予測パラメータを参照してイントラ予測パラメータ、例えば、イントラ予測モードIntraPredModeを復号する。イントラ予測パラメータ復号部304は、復号したイントラ予測パラメータを予測画像生成部308に出力し、また予測パラメータメモリ307に記憶する。イントラ予測パラメータ復号部304は、輝度と色差で異なるイントラ予測モードを導出してもよい。
図9は、パラメータ復号部302のイントラ予測パラメータ復号部304の構成を示す概略図である。図9に示すように、イントラ予測パラメータ復号部304は、パラメータ復号制御部3041と、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042と、色差イントラ予測パラメータ復号部3043とを含んで構成される。
パラメータ復号制御部3041は、エントロピー復号部301にシンタックス要素の復号を指示し、エントロピー復号部301からシンタックス要素を受け取る。その中のintra_luma_mpm_flagが1の場合、パラメータ復号制御部3041は、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042内のMPMパラメータ復号部30422にintra_luma_mpm_idxを出力する。また、intra_luma_mpm_flagが0の場合、パラメータ復号制御部3041は、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042の非MPMパラメータ復号部30423にintra_luma_mpm_remainderを出力する。また、パラメータ復号制御部3041は、色差イントラ予測パラメータ復号部3043に色差のイントラ予測パラメータのシンタックス要素を出力する。
輝度イントラ予測パラメータ復号部3042は、MPM候補リスト導出部30421と、MPMパラメータ復号部30422と、非MPMパラメータ復号部30423(復号部、導出部)とを含んで構成される。
MPMパラメータ復号部30422は、MPM候補リスト導出部30421によって導出されたmpmCandList[]とintra_luma_mpm_idxを参照して、IntraPredModeYを導出し、イントラ予測画像生成部310に出力する。
非MPMパラメータ復号部30423は、mpmCandList[]とintra_luma_mpm_remainderからRemIntraPredModeを導出し、IntraPredModeYをイントラ予測画像生成部310に出力する。
色差イントラ予測パラメータ復号部3043は、色差のイントラ予測パラメータのシンタックス要素からIntraPredModeCを導出し、イントラ予測画像生成部310に出力する。
輝度イントラ予測パラメータ復号部3042は、CUをさらに小さなサブブロックに分割してイントラ予測を行うイントラサブ分割を行うか否かを示すフラグintra_subpartitions_mode_flagをさらに復号してもよい。intra_subpartitions_mode_flagが0以外の場合には、さらに、intra_subpartitions_split_flagを復号する。以下の式により、イントラサブ分割モードを導出する。
IntraSubPartSplitType = (intra_subpartitions_mode_flag == 0) ? 0 : 1 + intra_subpartitions_split_flag IntraSubPartSplitTypeが0(ISP_NO_SPLIT)の場合、CUをこれ以上分割せずにイントラ予測を行う。IntraSubPartSplitTypeが1(ISP_HOR_SPLIT:水平分割)の場合、CUを垂直方向に2から4つのサブブロックに分割して、サブブロック単位でイントラ予測と変換係数復号、逆量子化・逆変換を行う。IntraSubPartSplitTypeが2(ISP_VER_SPLIT:垂直分割)の場合、CUを水平方向に2から4つのサブブロックに分割して、サブブロック単位でイントラ予測と変換係数復号、逆量子化・逆変換を行う。サブブロックの分割数NumIntraSubPartは以下の式で導出する。
NumIntraSubPart = (cbWidth == 4 && cbHeight == 8) || (cbWidth == 8 && cbHeight== 4) ? 2 : 4
サブブロックの幅nWと高さnHと、水平方向、垂直方向の分割数numPartsX, numPartYは以下で導出する。
nW = (IntraSubPartSplitType == ISP_VER_SPLIT?) nTbW / NumIntraSubPart : nTbW
nH = (IntraSubPartSplitType == ISP_HOR_SPLIT?) nTbH / NumIntraSubPart : nTbH
numPartsX = (IntraSubPartSplitType == ISP_VER_SPLIT?) NumIntraSubPart : 1
numPartsY = (IntraSubPartSplitType == ISP_HOR_SPLIT?) NumIntraSubPart : 1
ここでnTbW, nTbHはCU(あるいはTU)の幅と高さである。
ループフィルタ305は、符号化ループ内に設けたフィルタで、ブロック歪やリンギング歪を除去し、画質を改善するフィルタである。ループフィルタ305は、加算部312が生成したCUの復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、サンプル適応オフセット(SAO)、適応ループフィルタ(ALF)等のフィルタを施す。
参照ピクチャメモリ306は、加算部312が生成したCUの復号画像を、対象ピクチャ及び対象CU毎に予め定めた位置に記憶する。
予測パラメータメモリ307は、復号対象のCTUあるいはCU毎に予め定めた位置に予測パラメータを記憶する。具体的には、予測パラメータメモリ307は、パラメータ復号部302が復号したパラメータ及びエントロピー復号部301が分離したpredMode等を記憶する。
予測画像生成部308には、predMode、予測パラメータ等が入力される。また、予測画像生成部308は、参照ピクチャメモリ306から参照ピクチャを読み出す。予測画像生成部308は、predModeが示す予測モードで、予測パラメータと読み出した参照ピクチャ(参照ピクチャブロック)を用いてブロック若しくはサブブロックの予測画像を生成する。ここで、参照ピクチャブロックとは、参照ピクチャ上の画素の集合(通常矩形であるのでブロックと呼ぶ)であり、予測画像を生成するために参照する領域である。
(イントラ予測画像生成部310)
predModeがイントラ予測モードを示す場合、イントラ予測画像生成部310は、イントラ予測パラメータ復号部304から入力されたイントラ予測パラメータと参照ピクチャメモリ306から読み出した参照画素を用いてイントラ予測を行う。
具体的には、イントラ予測画像生成部310は、対象ピクチャ上の、対象ブロックから予め定めた範囲にある隣接ブロックを参照ピクチャメモリ306から読み出す。予め定めた範囲とは、対象ブロックの左、左上、上、右上の隣接ブロックであり、イントラ予測モードによって参照する領域は異なる。
イントラ予測画像生成部310は、読み出した復号画素値とIntraPredModeが示す予測モードを参照して、対象ブロックの予測画像を生成する。イントラ予測画像生成部310は生成したブロックの予測画像を加算部312に出力する。
イントラ予測モードに基づく予測画像の生成について以下で説明する。Planar予測、DC予測、Angular予測では、予測対象ブロックに隣接(近接)する復号済みの周辺領域を参照領域Rとして設定する。そして、参照領域R上の画素を特定の方向に外挿することで予測画像を生成する。例えば、参照領域Rは、予測対象ブロックの左と上(あるいは、さらに、左上、右上、左下)を含むL字型の領域(例えば図10の参照領域の例1の斜線の丸印の画素で示される領域)として設定してもよい。
(予測画像生成部の詳細)
次に、図11を用いてイントラ予測画像生成部310の構成の詳細を説明する。イントラ予測画像生成部310は、予測対象ブロック設定部3101、未フィルタ参照画像設定部3102(第1の参照画像設定部)、フィルタ済参照画像設定部3103(第2の参照画像設定部)、イントラ予測部3104、及び、予測画像補正部3105(予測画像補正部、フィルタ切替部、重み係数変更部)を備える。
参照領域R上の各参照画素(未フィルタ参照画像)、参照画素フィルタ(第1のフィルタ)を適用して生成したフィルタ済参照画像、イントラ予測モードに基づいて、イントラ予測部3104は予測対象ブロックの仮予測画像(補正前予測画像)を生成し、予測画像補正部3105に出力する。予測画像補正部3105は、イントラ予測モードに応じて仮予測画像を修正し、予測画像(補正済予測画像)を生成し、出力する。
以下、イントラ予測画像生成部310が備える各部について説明する。
(予測対象ブロック設定部3101)
予測対象ブロック設定部3101は、対象CUを予測対象ブロックに設定し、予測対象ブロックに関する情報(予測対象ブロック情報)を出力する。予測対象ブロック情報には、予測対象ブロックのサイズ、位置、輝度か色差かを示すインデックスが少なくとも含まれる。
(未フィルタ参照画像設定部3102)
未フィルタ参照画像設定部3102は、予測対象ブロックのサイズと位置に基づいて、予測対象ブロックの隣接周辺領域を参照領域Rとして設定する。続いて、参照領域R内の各画素値(未フィルタ参照画像、境界画素)に、参照ピクチャメモリ306上で対応する位置の各復号画素値をセットする。図10の参照領域の例1に示す予測対象ブロック上辺に隣接する復号画素のラインr[x][-1]、及び、予測対象ブロック左辺に隣接する復号画素の列r[-1][y]が未フィルタ参照画像である。
(フィルタ済参照画像設定部3103)
フィルタ済参照画像設定部3103は、イントラ予測モードに応じて、未フィルタ参照画像に参照画素フィルタ(第1のフィルタ)を適用して、参照領域R上の各位置(x,y)のフィルタ済参照画像s[x][y]を導出する。具体的には、位置(x,y)とその周辺の未フィルタ参照画像にローパスフィルタを適用し、フィルタ済参照画像(図10の参照領域の例2)を導出する。なお、必ずしも全イントラ予測モードにローパスフィルタを適用する必要はなく、一部のイントラ予測モードに対してローパスフィルタを適用してもよい。なお、フィルタ済参照画像設定部3103において参照領域R上の未フィルタ参照画像に適用するフィルタを「参照画素フィルタ(第1のフィルタ)」と呼称するのに対し、後述の予測画像補正部3105において仮予測画像を補正するフィルタを「バウンダリフィルタ(第2のフィルタ)」と呼称する。
(イントラ予測部3104の構成)
イントラ予測部3104は、イントラ予測モードと、未フィルタ参照画像、フィルタ済参照画素値に基づいて予測対象ブロックの仮予測画像(仮予測画素値、補正前予測画像)を生成し、予測画像補正部3105に出力する。イントラ予測部3104は、内部にPlanar予測部31041、DC予測部31042、Angular予測部31043、及びLM予測部31044を備えている。イントラ予測部3104は、イントラ予測モードに応じて特定の予測部を選択して、未フィルタ参照画像、フィルタ済参照画像を入力する。イントラ予測モードと対応する予測部との関係は次の通りである。
・Planar予測 ・・・Planar予測部31041
・DC予測 ・・・DC予測部31042
・Angular予測 ・・・Angular予測部31043
・LM予測 ・・・LM予測部31044
(Planar予測)
Planar予測部31041は、予測対象画素位置と参照画素位置との距離に応じて、複数のフィルタ済参照画像を線形加算して仮予測画像を生成し、予測画像補正部3105に出力する。
(DC予測)
DC予測部31042は、フィルタ済参照画像s[x][y]の平均値に相当するDC予測値を導出し、DC予測値を画素値とする仮予測画像q[x][y]を出力する。
(Angular予測)
Angular予測部31043は、イントラ予測モードの示す予測方向(参照方向)のフィルタ済参照画像s[x][y]を用いて仮予測画像q[x][y]を生成し、予測画像補正部3105に出力する。
(LM予測)
LM予測部31044は、輝度の画素値に基づいて色差の画素値を予測する。具体的には、復号した輝度画像をもとに、線形モデルを用いて、色差画像(Cb、Cr)の予測画像を生成する方式である。LM予測の1つであるCCLM(Cross-Component Linear Model prediction)予測は、1つのブロックに対し、輝度から色差を予測するための線形モデルを使用する予測方式である。
(予測画像補正部3105の構成)
予測画像補正部3105は、イントラ予測モードに応じて、イントラ予測部3104から出力された仮予測画像を修正する。具体的には、予測画像補正部3105は、仮予測画像の各画素に対し、参照領域Rと対象予測画素との距離に応じて、未フィルタ参照画像と仮予測画像を重み付け加算(加重平均)することで、仮予測画像を修正した予測画像(補正済予測画像)Predを導出する。なお、一部のイントラ予測モードでは、予測画像補正部3105で仮予測画像を補正せず、イントラ予測部3104の出力をそのまま予測画像としてもよい。
(逆量子化・逆変換部311)
逆量子化・逆変換部311は、エントロピー復号部301から入力された量子化変換係数qd[ ][ ]を逆量子化して変換係数d[ ][ ]を求める。この量子化変換係数qd[ ][ ]は、符号化処理において、予測誤差に対してDCT(Discrete Cosine Transform、離散コサイン変換)、DST(Discrete Sine Transform、離散サイン変換)等の周波数変換を行い量子化して得られる係数である。逆量子化・逆変換部311は、求めた変換係数について逆DCT、逆DST等の逆周波数変換を行い、予測誤差を算出する。逆量子化・逆変換部311は予測誤差を加算部312に出力する。
以下、逆量子化・逆変換部311の構成例について、図12を参照して説明する。図12は、逆量子化・逆変換部311の構成例について示す機能ブロック図である。図12に示すように、量子化・逆変換部311は、逆量子化部3111と、変換部3112とを備えている。逆量子化部3111は、TU復号部3024において復号した量子化変換係数qd[ ][ ]を逆量子化し、変換係数d[ ][ ]を導出する。逆量子化部3111は、導出した変換係数d[ ][ ]を変換部3112に出力する。
変換部3112は、変換ユニットTU毎に、受信した変換係数d[ ][ ]を逆変換して、予測誤差r[ ][ ]を復元する。変換部3112は復元された予測誤差r[ ][ ]を加算部312に出力する。
なお、本明細書では、画像符号化装置における差分画像を変換係数に変換する処理を、順変換と呼び、画像復号装置における変換係数から差分画像に変換する処理を変換と呼ぶが、各々、変換、逆変換と呼んでも良い。なお、順変換(変換)と変換(逆変換)とは、変換基底となる変換行列の値以外の処理に違いはない。そのため、以降の説明では変換部3112の中の変換処理に関しては、「変換」ではなく「逆変換」という用語を用いてもよい。
変換部3112は、セカンダリ変換部(第2の変換部)31121と、コア変換部(第1の変換部)31123とを備えている。
TU復号部3024は、CUをさらに複数のサブブロックに分割して、複数のサブブロックうちの1つのサブブロックのみ変換係数の復号と、逆量子化、逆変換を行うサブブロック変換フラグcu_sbt_flagを復号してもよい。cu_sbt_flagが1の場合には、さらに、4つのサブブロックに分割するかを示すフラグcu_sbt_quad_flagを復号してもよい。cu_sbt_quad_flagが0の場合にはサブブロックの数は2である。cu_sbt_quad_flagが1の場合にはサブブロックの数は4である。また、水平に分割するか垂直に分割するかを示すcu_sbt_horizontal_flagを復号する。また、どのサブブロックに変換係数が含まれるかを示すcu_sbt_pos_flagを復号する。
(スケーリング部31112)
スケーリング部31112は、TU復号部が復号した変換係数に対して係数単位の重みを用いてスケーリングする。
スケーリング部31112は、変換スキップが有効の場合(transform_skip==1)には以下の式でスケーリングを行う。
r[x][y] = d[x][y] << tsShift
ここでtsShift = 5 + ( (log2(nTbW) + log2(nTbH))/2 )である。
上記以外の場合、量子化マトリックスm[x][y]と、スケーリングファクタls[x][y]を以下の式で導出する。
ls[x][y] = (m[x][y] * levelScale[(qP+1)%6]) << (qP/6)
もしくは以下の式で導出してもよい。
ls[x][y] = (m[x][y] * levelScale[qP%6]) << (qP/6)
ここでlevelScale[] = { 40, 45, 51, 57, 64, 72 }である。
なお、量子化マトリックスm[x][y]の値は、符号化データから復号してもよいし、一様量子化としてm[x][y] = 16を用いてもよい。
スケーリング部31112は、スケーリングファクタls[][]と復号された変換係数TransCoeffLevelの積からdnc[][]を導出し、逆量子化を行う。
dnc[x][y] = ( TransCoeffLevel[xTbY][yTbY][cIdx][x][y] * ls[x][y] * rectNorm +bdOffset ) >> bdShift
最後に、スケーリング部31112は、逆量子化された変換係数をクリップしd[x][y]を導出する。
d[x][y] = Clip3( CoeffMin, CoeffMax, dnc[x][y] )
d[x][y]は、コア変換部31123もしくはセカンダリ変換部31121に伝送される。セカンダリ変換部(第2の変換部)31121は、逆量子化の後、コア変換の前に、変換係数d[ ][ ]に対してセカンダリ変換を適用する。
(セカンダリ変換とコア変換)
セカンダリ変換部31121は、逆量子化部3111から受信した変換係数d[ ][ ]の一部もしくは全てに対して、変換行列を用いた変換を適用することにより、修正変換係数(第2の変換部による変換後の変換係数)d[ ][ ]を復元する。セカンダリ変換部31121は、変換ユニットTU毎に所定の単位の変換係数d[ ][ ]に対して セカンダリ変換を適用する。セカンダリ変換は、イントラCUにおいてのみ適用され、変換基底はイントラ予測モードIntraPredModeを参照して決定される。変換基底の選択については後述する。セカンダリ変換部31121は、復元された修正変換係数d[ ][ ]をコア変換部31123に出力する。
コア変換部31123は、変換係数d[ ][ ]、又はセカンダリ変換部31121によって復元された修正変換係数d[ ][ ]を取得して、変換を行い予測誤差r[][]を導出する。コア変換部31123は、予測誤差r[][]を加算部312に出力する。
(セカンダリ変換)
動画像符号化装置11では、差分画像のコア変換(DCT2及びDST7等)後の変換係数に対してさらに変換(順セカンダリ変換)を適用し、変換係数に残る相関を除去しエネルギーを一部の変換係数に集中させる。動画像符号化装置11の変換・量子化部103に含まれる順変換部1032と、逆変換・逆量子化部105に含まれる逆変換部152を図19に示す。動画像復号装置3では、逆に、復号したTUの一部又は全領域の変換係数に対してセカンダリ変換を適用し、セカンダリ変換後の変換係数に対して、コア変換(DCT2及びDST7等)を適用する。
セカンダリ変換では、TUのサイズ及びイントラ予測モードに応じて以下の処理を行う。以下、セカンダリ変換の処理を順に説明する。図13は、セカンダリ変換を説明する図である。図では8x8のTUについて、S2の処理で、4x4の領域の変換係数d[][]をnonZeroSizeの1次元配列u[]に格納し、S3の処理で1次元配列u[]から1次元配列v[]に変換し、最後にS4の処理でd[][]に再度格納する処理を示す。
図24は、セカンダリ変換の処理を示すフローチャートである。
(S1:変換サイズ及び入出力サイズの設定)
セカンダリ変換部31121は、TUのサイズ(幅nTbW, 高さnTbH)に応じて、セカンダリ変換のサイズ(4x4又は8x8)、出力の変換係数の数(nStOutSize)、適用する変換係数(入力の変換係数)の数nonZeroSize及びセカンダリ変換を適用するサブブロックの数(numStX,numStY)を導出する。4x4、8x8のセカンダリ変換のサイズをnStSize=4、8で示す。また、4x4、8x8のセカンダリ変換のサイズは、各々RST4x4、RST8x8と呼んでもよい。
セカンダリ変換部31121は、TUが所定のサイズ以上の場合、RST8x8のセカンダリ変換により、48の変換係数を出力する。それ以外の場合、RST4x4のセカンダリ変換により、16の変換係数を出力する。TUが4x4の場合、8の変換係数からRST4x4を用いて16の変換係数を導出し、TUが8x8の場合には、8の変換係数からRST8x8を用いて48の変換係数を導出する。それ以外の場合には、TUのサイズに応じて16の変換係数から16もしくは48の変換係数を出力する。
nTbW及びnTbHが両方とも8以上の場合、log2StSize = 3、nStOutSize=48
上記以外の場合、log2StSize = 2、nStOutSize=16
nStSize = 1<<log2StSize
nTbW及びnTbHが両方とも4の場合、又は8x8の場合、nonZeroSize = 8
上記以外の場合、nonZeroSize = 16
numStX = (nTbH == 4 && nTbW > 8) ? 2 : 1
numStY = (nTbW == 4 && nTbH > 8) ? 2 : 1
(S2:1次元信号に並び替え)
セカンダリ変換部31121は、TUの一部の変換係数d[][]を一度、1次元配列u[]に並び替えて処理する。具体的には、セカンダリ変換では、対象TUの2次元の変換係数d[][]から、x = 0..nonZeroSize-1の変換係数を参照して、u[]を導出する。xC, yCはTU上の位置であり、スキャン順を示す配列DiagScanOrderとサブブロック中の変換係数の位置xから導出される。
for (x=0; x<nonZeroSize; x++) {
xC = (xSbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][0]
yC = (ySbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][1]
u[x] = d[ xC ][ yC ]
}
(S3:変換処理の適用)
セカンダリ変換部31121は、長さがnonZeroSizeのu[](ベクトルF')に対して、第1種の変換基底(行列)Tを用いた変換を行い、出力として長さがnStOutSizeの一次元配列v'[](ベクトルV')を導出する。
この変換は、行列演算では以下の式によって表すことができる。
V'=T×F'
ここで、変換サイズが4x4の場合(RST4x4)の変換基底を第1種の変換基底T1と呼ぶ。変換サイズが8x8の場合(RST8x8)の変換基底を第2種の変換基底T2と呼ぶ。T1は16×16(16行16列)行列であって、変換は16x16行列Tと、16x1(16行1列)ベクトルF'との積として16×1(16行1列)ベクトルV'、すなわち、長さ16の一次元配列v'[]を導出する。T2は、48×16(48行16列)行列であって、変換は48x16行列Tと、16x1ベクトルF'との積として48×1(48行1列、長さ48)ベクトルV'、すなわち、長さ48の一次元配列v'[]を導出する。
具体的には、セカンダリ変換部31121は、イントラ予測モードIntraPredModeから導出されるセカンダリ変換のセット番号(stTrSetId)と、符号化データから復号されるセカンダリ変換の変換基底を示すstIdxと、セカンダリ変換サイズnStSize(nTrS)から、対応する変換行列secTranMatrix[][](変換基底T1またはT2)とを導出する。さらに、セカンダリ変換部31121は、以下の式に示すように、変換行列と一次元配列u[]との積和演算を行う。
v'[i] = Clip3( CoeffMin, CoeffMax,ΣsecTransMatrix[j][i]*u[j])
ここで、Σはj=0..nonZeroSize-1までの和である。また、iは0..nStSize-1に対して処理を行う。CoeffMin、CoeffMaxは変換係数の値の範囲を示す。
(S4:変換処理後の1次元信号の2次元配置)
セカンダリ変換部31121は、変換された一次元配列の係数v'[]を再度TU内の所定の位置に配置する。
処理S4において、セカンダリ変換部31121は、変換係数の配列d[][]の左上側の領域に、上述の処理S3によって得られた長さがnStOutSizeの係数v'[]を配置する。
セカンダリ変換部31121は、x = 0..nStSize - 1, y = 0..nStSize - 1に対して以下の処理を行う。具体的には、セカンダリ変換部31121は、IntraPredMode <= 34 or INTRA_LT_CCLM, INTRA_T_CCLM, or INTRA_L_CCLMの場合、以下の式を適用する。
d[(xSbIdx<<log2StSize)+x][(ySbIdx<<log2StSize)+y] =
(y < 4) ? v[x+(y<<log2StSize)] : ((x < 4) ? v[32 + x + ((y - 4) << 2)] :
d[(xSbIdx<<log2StSize)+x][(ySbIdx<<log2StSize)+y])
それ以外の場合、セカンダリ変換部31121は、以下の式を適用する。
d[(xSbIdx<<log2StSize)+x][(ySbIdx<<log2StSize)+y] =
(y < 4) ? v[y+(x<<log2StSize)] : ((x < 4) ? v[32 + (y - 4) + (x << 2)] : d[(xSbIdx<<log2StSize)+x][(ySbIdx<<log2StSize)+y])
(コア変換部31123)
<コア変換>
適応的に変換の方法を切り替えることができ、明示的なフラグやインデックスおよび予測モード等により切り替えられる変換を変換(第1の変換、コア変換)と呼ぶ。コア変換で用いられる変換(コア換)は垂直変換と水平変換から構成される分離型変換である。また、2次元信号を水平方向と垂直方向に分離する変換を第1の変換と定義してもよい。また、画像復号装置において、第2の変換(セカンダリ変換)の後に適用される変換を第1の変換と定義してもよい。コア変換の変換基底(変換行列)はDCT2、DST7、DCT8である。コア変換では、垂直変換および水平変換それぞれ独立に変換基底を切り替える。なお、選択可能な変換は、上記に限定されず、別の変換(変換基底)を用いることも可能である。なお、DCT2、DST7、DCT8、DST1、およびDCT5を、それぞれDCT-II、DST-VII、DCT-VIII、DST-I、およびDCT-Vとして表すことがある。またコア変換を明示的にスキップするモードとして変換スキップがあってもよい。
コア変換には、明示的MTSと暗黙的MTSがある。明示的MTSの場合、符号化データからmts_idxを復号し、変換行列を切り替える。暗黙的MTSの場合は、イントラ予測モードやブロックサイズに応じてmts_idxを導出する。
なお、本実施例ではCU単位またはTU単位でmts_idxを復号する例を記載するが、復号(切替)の単位はこれに限らない。
mts_idxは、コア変換の変換基底を選択するための切替インデックスである。mts_idxは0, 1, 2, 3, 4のいずれかの値をもち、水平方向の変換タイプtrTypeHorと垂直方向の変換タイプtrTypeVerを導出する。
上記で説明したコア変換を、図18を用いて具体的に説明する。図18のコア変換部1521は図12のコア変換部31123、図19のコア変換部1521の一例である。図18のコア変換部1521は複数の変換基底から使用する変換の種別を設定するMTS設定部15211と、導出された変換を用いて(修正)変換係数d[ ][ ]から予測残差r[ ][ ]を算出する係数変換処理部15212と、実際の変換を行う行列変換処理部15213から構成される。セカンダリ変換が実施されない場合、修正変換係数は変換係数と等しい。セカンダリ変換が実施された場合、修正変換係数は変換係数と異なる値を取る。MTS設定部15211は使用する変換のインデックスmts_idsの導出方法を決定するMTS設定部152111と、暗黙的にmts_idxを導出する暗黙的MTS設定部152112から構成される。
MTS設定部152111は、明示的MTSを行うか、暗黙的MTSを行うか、MTSを行わないかを選択する。
MTS設定部152111は、明示的MTSが有効である場合(sps_explicit_mts_flagが1の場合)、明示的MTSを用い、符号化データから復号したmts_idxを以降の処理で用いる。明示的MTSが有効であるかのフラグexplicitMtsEnabledは、イントラモードとインターモードとで個別に設定してもよい。この場合、予測モードPredModeがインターモード(MODE_INTRA以外)かつsps_explicit_mts_inter_enabled_flagが1の場合、もしくは、PredModeがイントラモード(MODE_INTRA)かつsps_explicit_mts_intra_enabled_flagが1の場合、明示的MTSが有効であると判定し、符号化データからmts_idxを復号してもよい。さらにTUの幅と高さの両方が32以下(nTbW<=32 && nTbH<=32)の場合に限定してmts_idxを復号してもよい。
(implicitMTSフラグ設定)
MTS設定部152111は、MTSフラグが有効(sps_mts_enabled_flag==1)、かつ、明示的MTSフラグが有効を示さない場合(explicitMtsEnabled==0)に、暗黙的MTSフラグ(implicitMtsEnabled)を1に設定する。より具体的には、MTS設定部152111は、以下の条件のいずれかを満足する場合に、implicitMtsEnabled=1とし、それ以外の場合にはimplicitMtsEnabled=0とする。
・イントラサブ分割がオンの場合(IntraSubPartSplitType != ISP_NO_SPLIT)
・CUサブ変換がオン、かつ、TUが所定のサイズ未満の場合(cu_sbt_flag == 1かつMax(nTbW, nTbH ) < 32)
・明示的MTSがオフの場合(sps_explicit_mts_intra_enabled_flag とsps_explicit_mts_inter_enabled_flag が両方とも0)かつPredModeがMODE_INTRAの場合
MTS設定部152111は、上記以外の場合、mts_idx = 0に設定する。
(明示的MTS)
TU復号部3024は、明示的MTSが有効を示す場合(sps_explicit_mts_flagが1の場合)には、mts_idxを符号化データから復号する。
(明示的MTS制限)
TU復号部3024は、セカンダリ変換が有効か否かに応じて、変換部で選択される変換行列の範囲(種別)を制限してもよい。例えば、TU復号部3024は、明示的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換が有効の場合(stIdx!=0)の場合には、最大値cMaxSt1のmts_idxを復号する。それ以外でセカンダリ変換が有効ではない場合(stIdx==0)の場合には、最大値cMaxSt0のmts_idxを復号する。ここでcMaxSt0 > cMaxSt1であるとする。
(制限例1)
TU復号部3024は、明示的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換が有効(stIdx!=0)の場合、mts_idx=0 (trTypeHor=trTypeVer=0=DCT2)を設定する。このときmts_idxの最大値cMax = 0。それ以外の場合には、mts_idx=0, 1, 2, 3, 4の何れかを復号する。このときmts_idxの最大値cMax = 4。なお、後述のように、mts_idx = 1, 2, 3, 4は、各々trTypeHor、trTypeVerとして、DST7とDCT8の組み合わせ、DCT8とDST7の組み合わせ、もしくは、DCT8とDCT8の組み合わせであってもよい。なお、DST7の代わりに、DST1やDCT4、また前後処理とDCT2を組み合わせた変換を行ってもよい。
(制限例2)
TU復号部3024は、明示的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換が有効(stIdx!=0)の場合、mts_idxを復号する。mtx_idxは0(trTypeHor=trTypeVer=0=DCT2)、または、1(trTypeHor=trTypeVer=1=DST7)である。このときmts_idxの最大値cMax = 1。それ以外の場合には、mts_idxとして0, 1, 2, 3, 4の何れかを復号する。このときmts_idxの最大値cMax = 4。なお、後述のように、mts_idx = 2, 3, 4は、各々trTypeHor、trTypeVerとして、DST7とDCT8の組み合わせ、もしくは、DCT8とDST7の組み合わせ、DCT8とDCT8の組み合わせであってもよい。
(制限例3)
TU復号部3024は、明示的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換がオンの場合(stIdx!=0)の場合には、mts_idxとして0, 1, 2のいずれかを復号する。このときmts_idxの最大値cMax = 2。それ以外の場合には、mts_idxとして0, 1, 2, 3, 4の何れかを復号する。このときmts_idxの最大値cMax = 4。
上記構成によれば、セカンダリ変換の場合に、MTSの有効範囲を限定できるため符号化が簡略化される効果を奏する。例えば制限例2では、セカンダリ変換と効果が重なるDCT8の場合にセカンダリ変換を行わないので、mts_idxによるオーバーヘッドが減り符号化効率が向上する効果を奏する。
<明示的MTSのまとめ>
TU毎に変換係数を変換する変換部を備える画像復号装置であって、変換部は、セカンダリ変換が有効である場合に、入力された変換係数に変換行列を用いた変換を適用する第2の変換部と、変換係数に対して、2つ以上の変換行列からmtx_idxで示される1つの変換行列を選択して変換を適用する第1の変換部を含み、mts_idxを復号するTU復号部は、セカンダリ変換が有効の場合(stIdx!=0)には、mts_idxとして第1の範囲の値を復号し、セカンダリ変換が有効ではない場合(stIdx==0)には、第2の範囲の値を復号し、第2の範囲は第1の範囲を含む。また、TU復号部はmts_idxを復号する。ここでmts_idxは、セカンダリ変換が有効な(stIdx!=0)場合、最大値はcMaxSt1であり、セカンダリ変換が有効でない(stIdx==0)場合、最大値はcMaxSt0であり、cMaxSt1 < cMaxSt0である構成を有する。
(暗黙的MTS)
暗黙的MTS設定部152112は、暗黙的MTSの場合に、以下の処理を行う。
(SM001)暗黙的MTS設定部152112は、イントラサブ分割モードを利用する場合(IntraSubPartSplitType!= ISP_NO_SPLIT)には、図14に示すように、イントラ予測モードIntraPredModeとTUサイズに応じて変換タイプtyTypeHor, tyTypeVerとして0(DCT2)か1(DST7)の何れかを設定する。
(SM002)暗黙的MTS設定部152112は、上記以外、かつ、サブブロック変換がオン(cu_sbt_flag==1)の場合、図15に示すように、cu_sbt_horizontal_flagとcu_sbt_pos_flagに応じてtyTypeHor, tyTypeVerとして1(DST7)か2(DCT8)の何れかを設定する。
(SM003)暗黙的MTS設定部152112は、上記以外の場合(デフォルト暗黙的MTS)、TUサイズ(幅nTbW, 高さnTbH)に応じてtyTypeHor, tyTypeVerとして0(DCT2)か1(DST7)の何れかを設定する。具体的には、図21に示すように、水平変換タイプtrTypeHorとして幅nTbWが所定の範囲の場合(S1301)には1(DCT1)に設定し(S1302)、それ以外の場合には0(DCT2)に設定する(S1303)。同様に、垂直変換タイプtrTypeVerとして高さnTbHが所定の範囲の場合(S1304)には1(DCT1)を設定し(S1305)、それ以外の場合には0(DCT2)を設定する(S1306)。
trTypeHor = ( nTbW >= 4 && nTbW <= 16 && nTbW <= nTbH ) ? 1 : 0
trTypeVer = ( nTbH >= 4 && nTbH <= 16 && nTbH <= nTbW ) ? 1 : 0
なお、所定の範囲は上記に限定されない。例えば以下でもよい。
trTypeHor = ( nTbW >= 4 && nTbW <= 8 && nTbW <= nTbH ) ? 1 : 0
trTypeVer = ( nTbH >= 4 && nTbH <= 8 && nTbH <= nTbW ) ? 1 : 0
上記のデフォルト暗黙的MTSが、最も一般的な暗黙的MTSのモードである。
(暗黙的MTSの実施の形態1)
MTS設定部15211は、セカンダリ変換がオン(stIdx!=0)の場合、暗黙的MTSを行わず、implicitMtsEnabledを0とする。具体的には、図20に示すように、上述の(implicitMTSフラグ設定)において、MTS設定部152111は、以下の条件のいずれかを満足し、かつ、セカンダリ変換がオンではない(stIdx != 0以外)の場合(S1500)に、implicitMtsEnabled=1とし(S1504)、それ以外の場合にはimplicitMtsEnabled=0とする(S1505)。
・(S1501)イントラサブ分割がオンの場合(IntraSubPartSplitType != ISP_NO_SPLIT)
・(S1502)CUサブ変換がオン、かつ、TUが所定のサイズ未満の場合(cu_sbt_flag == 1 かつ Max( nTbW, nTbH ) < 32)
・(S1503)明示的MTSがオフ(sps_explicit_mts_intra_enabled_flag とsps_explicit_mts_inter_enabled_flag が両方とも0)、かつ、PredModeがMODE_INTRA
なお、図の点線で示すボックスで示すS1501~S1503の判定は、異なるものであってもよい。例えば、イントラサブ分割の判定を行わない場合や、サブブロック変換を行わない場合、また、別の予測や変換の判定を追加してもよい。
上記構成によれば、MTSが有効な場合であっても、セカンダリ変換を利用する場合(stIdx!=0)、暗黙的MTSを利用しない。これによりセカンダリ変換を用いる場合、MTSとしてDCT2を用いることによって、符号化効率を向上させる効果を奏する。
(暗黙的MTSの実施の形態2)
MTS設定部152112は、MTSフラグが有効(sps_mts_enabled_flag==1)、かつ、明示的MTSフラグが有効を示さない場合(explicitMtsEnabled==0)には、trTypHor = trTypeVer = 0を導出してもよい。例えば、上記のSM001の前にSM000を行ってもよい。
図21は、暗黙的MTS設定部152112の動作を説明する図である。
(SM000)暗黙的MTS設定部152112は、stIdx!=0の場合、trTypeHor = trTypeVer = 0を導出する。
なお、図21のSM003に示すように、暗黙的MTS設定部152112は、stIdx == 0の場合に既に説明したデフォルト暗黙的MTSの導出(SM003)によって、変換タイプを導出してもよい。また、SM001、SM002によって変換タイプを導出してもよい。
上記構成によれば、暗黙的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換が有効な場合に、MTSとしてDCT2を用いることによって、符号化効率を向上させる効果を奏する。
(暗黙的MTSの実施の形態3)
暗黙的MTS設定部152112は、セカンダリ変換がオン(stIdx!=0)、かつ、イントラサブ分割モードによるMTS(SM001、IntraSubPartSplitType != ISP_NO_SPLIT)もサブブロック変換によるMTS(SM002、cu_sbt_flag == 1)も利用しない場合、暗黙的MTSを利用しなくてもよい(例えばimplicitMtsEnabledを0とする)。
また、セカンダリ変換がオン(stIdx!=0)、かつ、イントラサブ分割モードによるMTS(SM001、IntraSubPartSplitType != ISP_NO_SPLIT)もサブブロック変換によるMTS(SM002、cu_sbt_flag == 1)も利用しない場合、trTypeHor = trTypeVer = 0を導出する。例えば、図22に示すように、上記のSM003の代わりにSM003´を行ってもよい。
(SM003´)暗黙的MTS設定部152112は、上記以外の場合(デフォルト暗黙的MTS)、セカンダリ変換とTUサイズ(幅nTbW, 高さnTbH)に応じてtyTypeHor, tyTypeVerとして0(DCT2)か1(DST7)の何れかを設定する。例えば、暗黙的MTS設定部152112は、水平変換タイプtrTypeHorとして、stIdx==0かつ幅nTbWが所定の範囲の場合(S1301´)には1(DCT1)を選択し(S1302)、それ以外の場合には0(DCT2)を設定する(S1303)。同様に、垂直変換タイプtrTypeVerとして、stIdx==0かつ高さnTbHが所定の範囲の場合(S1304´)には1(DCT1)を設定し(S1305)、それ以外の場合には0(DCT2)を設定する(S1306)。
trTypeHor = (stIdx == 0 && nTbW >= 4 && nTbW <= 16 && nTbW <= nTbH) ? 1 : 0
trTypeVer = (stIdx == 0 && nTbH >= 4 && nTbH <= 16 && nTbH <= nTbW) ? 1 : 0
上記構成によれば、暗黙的MTSが有効、かつ、セカンダリ変換が有効な場合に、デフォルトMTSとしてDCT2を用いることによって、符号化効率を向上させる効果を奏する。
MTS設定部15211は、使用する変換セットのインデックスtrTypeを下記の式によって導出し、係数変換処理部15212に出力する。係数変換処理部15212は入力されたtrTypeを変換行列導出部152131に出力する。MTS設定部152111は、使用するMTSを示す値を下記の式によって導出する。
mts_idx == 0の場合、 trTypeHor = 0 trTypeVer = 0
mts_idx == 1の場合、 trTypeHor = 1 trTypeVer = 1
mts_idx == 2の場合、 trTypeHor = 2 trTypeVer = 1
mts_idx == 3の場合、 trTypeHor = 1 trTypeVer = 2
mts_idx == 4の場合、 trTypeHor = 2 trTypeVer = 2
なお、tyType (trTypeHor or trTypeVer)が0, 1, 2の場合に対応する変換基底がDCT2、DST7、DCT8であってもよい。
係数変換処理部15212は、修正変換係数d[ ][ ]に垂直変換を施す垂直変換部152121と、水平変換を施す水平変換部152123から構成される。
垂直変換部152121(係数変換処理部15212)は以下の処理を行う。
e[ x ][ y ] = Σ (transMatrix[ y ][ j ]×d[ x ][ j ]) (j = 0..nTbS - 1)
ここで、transMatrix[ ][ ](=transMatrixV[ ][ ])は、trTypeVerを用いて導出したnTbS × nTbSの行列で表される変換基底である。nTbSはTUの高さnTbHである。trType==0のDCT2の4×4変換(nTbS=4)の場合、例えばtransMatrix={{29, 55, 74, 84}{74, 74, 0,-74}{84, -29, -74, 55}{55, -84, 74, -29}}を用いる。Σの記号は、j = 0..nTbS-1までの添え字jについて、行列transMatrix[ y ][ j ]と変換係数d[ x ][ j ]の積を加算する処理を意味する。つまり、e[ x ][ y ]は、d[ x ][ y ]の各列(column)であるd[ x ][ j ](j = 0..nTbS-1)からなるベクトルx[ j ] (j = 0..nTbS-1)と行列の要素transMatrix[ y ][ j ]の積から得られた列を並べたものである。
中間クリップ部152122は、中間値e[ ][ ]をクリップすることにより中間値g[ ][ ]を導出して、水平変換部152123に送る。
g[ x ][ y ] = Clip3( coeffMin, coeffMax, ( e[ x ][ y ] + 64 ) >> 7 )
上式の64、7は変換基底のビット深度から決まる数値で、上式では変換基底を7bitと仮定している。またcoeffMin、coeffMaxはクリッピングの最小値と最大値である。
水平変換部152123(係数変換処理部15212)は以下の処理を行う。transMatrix[ ][ ] (=transMatrixH[ ][ ])は、trTypeHorを用いて導出したnTbS × nTbSの行列で表される変換基底である。nTbSはTUの幅nTbWである。水平変換部152123は、水平方向1次元変換により、中間値g[ x ][ y ]を予測残差r[ x ][ y ]に変換する。
r[ x ][ y ] =Σ transMatrix[ x ][ j ]×g[ j ][ y ] (j = 0..nTbS-1)
上記記号Σは、j = 0..nTbS-1までの添え字jについて、行列transMatrix[ x ][j]とg[j][ y ]の積を加算する処理を意味する。つまり、r[ x ][ y ]は、g[ x ][ y ]の各行(row)であるg[ j ][ y ](j = 0..nTbS-1)と行列transMatrixの積から得られた行を並べたものである。
予測残差r[ ][ ]は、水平変換部152123から加算器312に送られる。
垂直変換部152121および水平変換部152123は、行列変換処理部15213によって、変換を行う。行列変換処理部15213は、変換行列導出部152131と変換処理部152132から構成される。
変換行列導出部152131は、TUの長さ(nTbW、nTbH)とコア変換のインデックスtyType(trTypeHor、trTypeVer)に応じて変換行列transMatrix[ ][ ]を導出する。
行列変換処理部15213は、導出された変換行列transMatrix[ ][ ]を用いて入力された1次元配列xx[ j ]を1次元配列yy[ i ]に変換し、垂直変換と水平変換を行う。垂直変換ではx列の変換係数d[ x ][j]を一次元変換係数xx[j]として入力して変換する。水平変換では、y行の中間係数g[ j ][ y ]をxx[ j ]として入力して変換する。
yy[i] =Σ (transMatrix[ i ][ j ]×xx[ j ]) (j = 0..nTbS-1)
<セカンダリ変換>
TU復号部3024は、セカンダリ変換stIdxを復号する場合に、mts_idxの値が有効か否かに応じて、復号するstIdxの値の範囲を制限してもよい。
(制限例1)
TU復号部3024は、mts_idxが0の場合には、復号するstIdxの最大値cMax = 1に設定しstIdx=0~2を復号する。それ以外の場合、つまり、mts_idx=1, 2, 3, 4の場合には、stIdxを符号化データから復号せずにstIdx=0を導出する。
(制限例2)
TU復号部3024は、mts_idxが0..1の場合には、復号するstIdxの最大値cMax = 1に設定し、stIdx=0~2を復号する。それ以外の場合、つまり、mts_idx=2, 3, 4の場合には、stIdxを符号化データから復号せずにstIdx=0を導出する。
(制限例3)
TU復号部3024は、mts_idxが0,1,2の場合には、復号するstIdxの最大値cMax = 1に設定し、stIdx=0~2を復号する。それ以外の場合、つまり、mts_idx=3, 4の場合には、stIdxを符号化データから復号せずにstIdx=0を導出する。
上記構成によれば、MTSで所定の範囲の変換を行う場合にのみセカンダリ変換の種別を示す変数stIdxを復号するので、セカンダリ変換の有効範囲が限定されるため符号化が簡略化される効果を奏する。また、例えば制限例2では、セカンダリ変換と効果が重なるDCT8の場合にセカンダリ変換を行わないので、stIdxによるオーバーヘッドが減り符号化効率が向上する効果を奏する。
加算部312は、予測画像生成部308から入力されたブロックの予測画像と逆量子化・逆変換部311から入力された予測誤差を画素毎に加算して、ブロックの復号画像を生成する。加算部312はブロックの復号画像を参照ピクチャメモリ306に記憶し、また、ループフィルタ305に出力する。
(動画像符号化装置の構成)
次に、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成について説明する。図16は、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成を示すブロック図である。動画像符号化装置11は、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、逆量子化・逆変換部105、加算部106、ループフィルタ107、予測パラメータメモリ(予測パラメータ記憶部、フレームメモリ)108、参照ピクチャメモリ(参照画像記憶部、フレームメモリ)109、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、エントロピー符号化部104を含んで構成される。
予測画像生成部101は画像Tの各ピクチャを分割した領域であるCU毎に予測画像を生成する。予測画像生成部101は既に説明した予測画像生成部308と同じ動作であり、説明を省略する。
減算部102は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値を、画像Tの画素値から減算して予測誤差を生成する。減算部102は予測誤差を変換・量子化部103に出力する。
変換・量子化部103は、減算部102から入力された予測誤差に対し、周波数変換によって変換係数を算出し、量子化によって量子化変換係数を導出する。変換・量子化部103は、量子化変換係数をエントロピー符号化部104及び逆量子化・逆変換部105に出力する。
変換・量子化部103は、図19に示すように順コア変換10321(第1の変換部)と、順セカンダリ変換部10322(第2の変換部)と、を備えている。
動画像符号化装置11において適用する順セカンダリ変換では、動画像復号装置31に適用するセカンダリ変換の処理S1-S4を処理S1、S4、S3、S2の順で逆に適用する以外はほぼ等しい処理を行う。
処理S1において、順セカンダリ変換部10322は、セカンダリ変換の入力及び出力が各々、長さnStOutSize及びnonZeroSizeとなる以外は、セカンダリ変換部31121と同様の処理を行う。
処理S4において、順セカンダリ変換部10322は、TU内の所定の位置の変換係数d[][]から、nStOutSize(もしくはnStSize*nStSize)の一次元配列v[]を導出する。
処理S3において、順セカンダリ変換部10322は、nStOutSizeの一次元配列v[](ベクトルV)及び変換行列T[][]から、以下の変換により、nonZeroSizeの一次元配列u[](ベクトルF)を得る。
F=trans(T)×V
ここで、trans(T)はTの転置行列である。セカンダリ変換部は、以下の式によって、一次元配列u[](ベクトルF)を導出してもよい。
F=Tinv×V
ここで、TinvはTの逆行列である。Tは第1種の変換基底T1及び第2種の変換基底T2から構成される。なお、セカンダリ変換部は、Tに対し、直交行列を用いることにより、Tのtrans(T)をTinvとしてもよい。
なお、実際の処理では、Tは整数値の行列であるため、T×Tinv=I(単位行列)ではなく、単位行列の定数倍になる(T×Tinv=K2×I、K2は定数)。この場合、セカンダリ変換部は、Tinvとして逆行列の定数倍の行列を用いるが、転置行列に関しては逆行列をそのまま用いてもよい。
処理S2において、順セカンダリ変換部10322はnonZeroSizeの一次元配列u[]を2次元配列に並べ変えて、変換係数d[][]を導出する。
for (x=0; x<nonZeroSize; x++) {
xC = (xSbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][0]
yC = (ySbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][1]
d[xC][yC] = u[x]
}
逆量子化・逆変換部105は、動画像復号装置31における逆量子化・逆変換部311(図15)と同じであり、説明を省略する。算出した予測誤差は加算部106に出力される。
エントロピー符号化部104には、変換・量子化部103から量子化変換係数が入力され、パラメータ符号化部111から符号化パラメータが入力される。符号化パラメータは、例えば、predModeである。
エントロピー符号化部104は、分割情報、予測パラメータ、量子化変換係数等をエントロピー符号化して符号化ストリームTeを生成し、出力する。
パラメータ符号化部111は、図示しないヘッダ符号化部1110、CT情報符号化部1111、CU符号化部1112(予測モード符号化部)、及びインター予測パラメータ符号化部112とイントラ予測パラメータ符号化部113を備えている。CU符号化部1112はさらにTU符号化部1114を備えている。
以下、各モジュールの概略動作を説明する。パラメータ符号化部111はヘッダ情報、分割情報、予測情報、量子化変換係数等のパラメータの符号化処理を行う。
CT情報符号化部1111は、符号化データからQT、MT(BT、TT)分割情報等を符号化する。
CU符号化部1112はCU情報、予測情報、TU分割フラグ、CU残差フラグ等を符号化する。
TU符号化部1114は、TUに予測誤差が含まれている場合に、QP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を符号化する。
CT情報符号化部1111、CU符号化部1112は、インター予測パラメータ、イントラ予測パラメータ(intra_luma_mpm_flag、intra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder)、量子化変換係数等のシンタックス要素をエントロピー符号化部104に供給する。
(イントラ予測パラメータ符号化部113の構成)
イントラ予測パラメータ符号化部113は、符号化パラメータ決定部110から入力されたIntraPredModeから、符号化するための形式(例えばintra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder等)を導出する。イントラ予測パラメータ符号化部113は、イントラ予測パラメータ復号部304がイントラ予測パラメータを導出する構成と、一部同一の構成を含む。
図17は、パラメータ符号化部111のイントラ予測パラメータ符号化部113の構成を示す概略図である。イントラ予測パラメータ符号化部113は、パラメータ符号化制御部1131、輝度イントラ予測パラメータ導出部1132、色差イントラ予測パラメータ導出部1133とを含んで構成される。
パラメータ符号化制御部1131には、符号化パラメータ決定部110からIntraPredModeY及びIntraPredModeCが入力される。パラメータ符号化制御部1131はMPM候補リスト導出部30421のmpmCandList[]を参照して、intra_luma_mpm_flagを決定する。そして、intra_luma_mpm_flagとIntraPredModeYを、輝度イントラ予測パラメータ導出部1132に出力する。また、IntraPredModeCを色差イントラ予測パラメータ導出部1133に出力する。
輝度イントラ予測パラメータ導出部1132は、MPM候補リスト導出部30421(候補リスト導出部)と、MPMパラメータ導出部11322と、非MPMパラメータ導出部11323(符号化部、導出部)とを含んで構成される。
MPM候補リスト導出部30421は、予測パラメータメモリ108に格納された隣接ブロックのイントラ予測モードを参照して、mpmCandList[]を導出する。MPMパラメータ導出部11322は、intra_luma_mpm_flagが1の場合に、IntraPredModeYとmpmCandList[]からintra_luma_mpm_idxを導出し、エントロピー符号化部104に出力する。非MPMパラメータ導出部11323は、intra_luma_mpm_flagが0の場合に、IntraPredModeYとmpmCandList[]からRemIntraPredModeを導出し、intra_luma_mpm_remainderをエントロピー符号化部104に出力する。
色差イントラ予測パラメータ導出部1133は、IntraPredModeYとIntraPredModeCからintra_chroma_pred_modeを導出し、出力する。
加算部106は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値と逆量子化・逆変換部105から入力された予測誤差を画素毎に加算して復号画像を生成する。加算部106は生成した復号画像を参照ピクチャメモリ109に記憶する。
ループフィルタ107は加算部106が生成した復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFを施す。なお、ループフィルタ107は、必ずしも上記3種類のフィルタを含まなくてもよく、例えばデブロッキングフィルタのみの構成であってもよい。
予測パラメータメモリ108は、符号化パラメータ決定部110が生成した予測パラメータを、対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
参照ピクチャメモリ109は、ループフィルタ107が生成した復号画像を対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
符号化パラメータ決定部110は、符号化パラメータの複数のセットのうち、1つのセットを選択する。符号化パラメータとは、上述したQT、BTあるいはTT分割情報、予測パラメータ、あるいはこれらに関連して生成される符号化の対象となるパラメータである。予測画像生成部101は、これらの符号化パラメータを用いて予測画像を生成する。
符号化パラメータ決定部110は、複数のセットの各々について情報量の大きさと符号化誤差を示すRDコスト値を算出する。符号化パラメータ決定部110は、算出したコスト値が最小となる符号化パラメータのセットを選択する。これにより、エントロピー符号化部104は、選択した符号化パラメータのセットを符号化ストリームTeとして出力する。符号化パラメータ決定部110は決定した符号化パラメータを予測パラメータメモリ108に記憶する。
なお、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、例えば、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、予測画像生成部308、逆量子化・逆変換部311、加算部312、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化・逆変換部105、ループフィルタ107、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、動画像符号化装置11、動画像復号装置31の何れかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。動画像符号化装置11、動画像復号装置31の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
〔応用例〕
上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31は、動画像の送信、受信、記録、再生を行う各種装置に搭載して利用することができる。なお、動画像は、カメラ等により撮像された自然動画像であってもよいし、コンピュータ等により生成された人工動画像(CG及びGUIを含む)であってもよい。
まず、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の送信及び受信に利用できることを、図2を参照して説明する。
図2には、動画像符号化装置11を搭載した送信装置PROD_Aの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、送信装置PROD_Aは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_A1と、符号化部PROD_A1が得た符号化データで搬送波を変調することによって変調信号を得る変調部PROD_A2と、変調部PROD_A2が得た変調信号を送信する送信部PROD_A3と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_A1として利用される。
送信装置PROD_Aは、符号化部PROD_A1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像するカメラPROD_A4、動画像を記録した記録媒体PROD_A5、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_A6、及び、画像を生成又は加工する画像処理部A7を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを送信装置PROD_Aが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_A5は、符号化されていない動画像を記録したものであってもよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化された動画像を記録したものであってもよい。後者の場合、記録媒体PROD_A5と符号化部PROD_A1との間に、記録媒体PROD_A5から読み出した符号化データを記録用の符号化方式に従って復号する復号部(不図示)を介在させるとよい。
また、図2には、動画像復号装置31を搭載した受信装置PROD_Bの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、受信装置PROD_Bは、変調信号を受信する受信部PROD_B1と、受信部PROD_B1が受信した変調信号を復調することによって符号化データを得る復調部PROD_B2と、復調部PROD_B2が得た符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_B3と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_B3として利用される。
受信装置PROD_Bは、復号部PROD_B3が出力する動画像の供給先として、動画像を表示するディスプレイPROD_B4、動画像を記録するための記録媒体PROD_B5、及び、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_B6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを受信装置PROD_Bが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_B5は、符号化されていない動画像を記録するためのものであってもよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化されたものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_B3と記録媒体PROD_B5との間に、復号部PROD_B3から取得した動画像を記録用の符号化方式に従って符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
なお、変調信号を伝送する伝送媒体は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、変調信号を伝送する伝送態様は、放送(ここでは、送信先が予め特定されていない送信態様を指す)であってもよいし、通信(ここでは、送信先が予め特定されている送信態様を指す)であってもよい。すなわち、変調信号の伝送は、無線放送、有線放送、無線通信、及び有線通信の何れによって実現してもよい。
例えば、地上デジタル放送の放送局(放送設備等)/受信局(テレビジョン受像機等)は、変調信号を無線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。また、ケーブルテレビ放送の放送局(放送設備等)/受信局(テレビジョン受像機等)は、変調信号を有線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。
また、インターネットを用いたVOD(Video On Demand)サービスや動画共有サービス等のサーバ(ワークステーション等)/クライアント(テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)は、変調信号を通信で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である(通常、LANにおいては伝送媒体として無線又は有線の何れかが用いられ、WANにおいては伝送媒体として有線が用いられる)。ここで、パーソナルコンピュータには、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、及びタブレット型PCが含まれる。また、スマートフォンには、多機能携帯電話端末も含まれる。
なお、動画共有サービスのクライアントは、サーバからダウンロードした符号化データを復号してディスプレイに表示する機能に加え、カメラで撮像した動画像を符号化してサーバにアップロードする機能を有している。すなわち、動画共有サービスのクライアントは、送信装置PROD_A及び受信装置PROD_Bの双方として機能する。
次に、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の記録及び再生に利用できることを、図3を参照して説明する。
図3には、上述した動画像符号化装置11を搭載した記録装置PROD_Cの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、記録装置PROD_Cは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_C1と、符号化部PROD_C1が得た符号化データを記録媒体PROD_Mに書き込む書込部PROD_C2と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_C1として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のように、記録装置PROD_Cに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ等のように、記録装置PROD_Cに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)やBD(Blu-ray Disc:登録商標)等のように、記録装置PROD_Cに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、記録装置PROD_Cは、符号化部PROD_C1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像するカメラPROD_C3、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_C4、動画像を受信するための受信部PROD_C5、及び、画像を生成又は加工する画像処理部PROD_C6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを記録装置PROD_Cが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、受信部PROD_C5は、符号化されていない動画像を受信するものであってもよいし、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを受信するものであってもよい。後者の場合、受信部PROD_C5と符号化部PROD_C1との間に、伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを復号する伝送用復号部(不図示)を介在させるとよい。
このような記録装置PROD_Cとしては、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ等が挙げられる(この場合、入力端子PROD_C4又は受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)。また、カムコーダ(この場合、カメラPROD_C3が動画像の主な供給源となる)、パーソナルコンピュータ(この場合、受信部PROD_C5又は画像処理部C6が動画像の主な供給源となる)、スマートフォン(この場合、カメラPROD_C3又は受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)等も、このような記録装置PROD_Cの一例である。
また、図3には、上述した動画像復号装置31を搭載した再生装置PROD_Dの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、再生装置PROD_Dは、記録媒体PROD_Mに書き込まれた符号化データを読み出す読出部PROD_D1と、読出部PROD_D1が読み出した符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_D2と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_D2として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDDやSSD等のように、再生装置PROD_Dに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSBフラッシュメモリ等のように、再生装置PROD_Dに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVDやBD等のように、再生装置PROD_Dに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、再生装置PROD_Dは、復号部PROD_D2が出力する動画像の供給先として、動画像を表示するディスプレイPROD_D3、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_D4、及び、動画像を送信する送信部PROD_D5を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを再生装置PROD_Dが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、送信部PROD_D5は、符号化されていない動画像を送信するものであってもよいし、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを送信するものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_D2と送信部PROD_D5との間に、動画像を伝送用の符号化方式で符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
このような再生装置PROD_Dとしては、例えば、DVDプレイヤ、BDプレイヤ、HDDプレイヤ等が挙げられる(この場合、テレビジョン受像機等が接続される出力端子PROD_D4が動画像の主な供給先となる)。また、テレビジョン受像機(この場合、ディスプレイPROD_D3が動画像の主な供給先となる)、デジタルサイネージ(電子看板や電子掲示板等とも称され、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、デスクトップ型PC(この場合、出力端子PROD_D4又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、ラップトップ型又はタブレット型PC(この場合、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、スマートフォン(この場合、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)等も、このような再生装置PROD_Dの一例である。
(ハードウェア的実現及びソフトウェア的実現)
また、上述した動画像復号装置31及び動画像符号化装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(RandomAccess Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)等を備えている。そして、本発明の実施形態の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記各装置に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)/MOディスク(Magneto-Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)/CD-R(CD Recordable)/ブルーレイディスク(Blu-rayDisc:登録商標)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory:登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類等を用いることができる。
また、上記各装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value-Added Network)、CATV(Community Antenna television/Cable Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成又は種類のものに限定されない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、BlueTooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上デジタル放送網等の無線でも利用可能である。なお、本発明の実施形態は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態は、画像データが符号化された符号化データを復号する動画像復号装置、及び、画像データが符号化された符号化データを生成する動画像符号化装置に好適に適用することができる。また、動画像符号化装置によって生成され、動画像復号装置によって参照される符号化データのデータ構造に好適に適用することができる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月30日に出願された日本国特許出願:特願2019-101179に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てが本書に含まれる。
31 動画像復号装置
301 エントロピー復号部
302 パラメータ復号部
3020 ヘッダ復号部
303 インター予測パラメータ復号部
304 イントラ予測パラメータ復号部
308 予測画像生成部
309 インター予測画像生成部
310 イントラ予測画像生成部
311 逆量子化・逆変換部
312 加算部
11 動画像符号化装置
101 予測画像生成部
102 減算部
103 変換・量子化部
104 エントロピー符号化部
105 逆量子化・逆変換部
107 ループフィルタ
110 符号化パラメータ決定部
111 パラメータ符号化部
112 インター予測パラメータ符号化部
113 イントラ予測パラメータ符号化部
1110 ヘッダ符号化部
1111 CT情報符号化部
1112 CU符号化部(予測モード符号化部)
1114 TU符号化部
3111 逆量子化部
3112 逆変換部
31121 セカンダリ変換部
31112 スケーリング部
31123 コア変換部
10322 順セカンダリ変換部
10323 順コア変換部

Claims (6)

  1. 変換ユニット毎に変換係数を変換する画像復号装置であって、
    セカンダリ変換が有効である場合に、上記変換係数に変換行列を用いた変換を適用して修正変換係数を復元する第2の変換部と、
    上記変換係数または上記修正変換係数に対して、垂直変換と水平変換から構成される分離型変換を適用する第1の変換部と、
    上記セカンダリ変換が有効であり、イントラサブ分割モードが利用されず、かつ、サブブロック変換が利用されない場合、暗黙的変換をオフとし、上記暗黙的変換がオンの場合には、変換ユニットの幅に応じて水平変換タイプを導出し、上記変換ユニットの高さに応じて垂直変換タイプを導出する暗黙的変換設定部と、を含み、
    上記第1の変換部は、上記垂直変換タイプに応じた変換と、上記水平変換タイプに応じた変換を行うことを特徴とする画像復号装置。
  2. 上記暗黙的変換設定部は、上記変換ユニットの幅が所定の値の範囲であり、かつ、上記セカンダリ変換が有効ではない場合には、上記水平変換タイプを示す変数trTypeHorを1に設定し、それ以外の場合には、上記変数trTypeHorに0を設定し、上記変換ユニットの高さが所定の値の範囲であり、かつ、上記セカンダリ変換が有効ではない場合には、上記垂直変換タイプを示す変数trTypeVerを1に設定し、それ以外の場合には、上記変数trTypeVerに0を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  3. 上記暗黙的変換設定部は、上記セカンダリ変換が有効ではなく、明示的変換がオフであり、かつ、予測モードがイントラモードの場合、暗黙的変換をオンとすることを特徴とする請求項に記載の画像復号装置。
  4. 変換ユニット毎に変換係数を変換する画像符号化装置であって、
    セカンダリ変換が有効である場合に、上記変換係数に変換行列を用いた変換を適用して、修正変換係数を復元する第2の変換部と、
    上記変換係数または上記修正変換係数に対して、垂直変換と水平変換とから構成される分離型変換を適用する第1の変換部と、
    上記セカンダリ変換が有効であり、イントラサブ分割モードが利用されず、かつ、サブブロック変換が利用されない場合、暗黙的変換をオフとし、
    上記暗黙的変換がオンの場合には、変換ユニットの幅に応じて水平変換タイプを導出し、上記変換ユニットの高さに応じて垂直変換タイプを導出する暗黙的変換設定部と、を含み、
    上記第1の変換部は、上記垂直変換タイプに応じた変換と、上記水平変換タイプに応じた変換とを行うことを特徴とする画像符号化装置。
  5. 変換ユニット毎に変換係数を変換する画像復号方法であって、
    セカンダリ変換が有効である場合に、上記変換係数に変換行列を用いた変換を適用して、修正変換係数を復元し、
    上記セカンダリ変換が有効であり、イントラサブ分割モードが利用されず、かつ、サブブロック変換が利用されない場合、暗黙的変換をオフとし、
    上記暗黙的変換がオンの場合には、変換ユニットの幅に応じて水平変換タイプを導出し、上記変換ユニットの高さに応じて垂直変換タイプを導出し、
    上記変換係数または上記修正変換係数に対して、上記垂直変換タイプに応じた変換と上記水平変換タイプに応じた変換とから構成される分離型変換を適用することを特徴とする画像復号方法。
  6. 変換ユニット毎に変換係数を変換する画像符号化方法であって、
    セカンダリ変換が有効である場合に、上記変換係数に変換行列を用いた変換を適用して、修正変換係数を復元し、
    上記セカンダリ変換が有効であり、イントラサブ分割モードが利用されず、かつ、サブブロック変換が利用されない場合、暗黙的変換をオフとし、
    上記暗黙的変換がオンの場合には、変換ユニットの幅に応じて水平変換タイプを導出し、上記変換ユニットの高さに応じて垂直変換タイプを導出し、
    上記変換係数または上記修正変換係数に対して、上記垂直変換タイプに応じた変換と上記水平変換タイプに応じた変換とから構成される分離型変換を適用することを特徴とする画像符号化方法。
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