JP2021034887A - 画像復号装置及び画像符号化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非分離変換の有無に関わらず適切なスケーリングを実行する。【解決手段】動画像復号装置(31)は、復号した変換係数をスケーリングするスケーリング部(31111)と、スケーリングされた変換係数に対して逆非分離変換を適用する逆非分離変換部(31121)と、非分離変換部(311121)によって変換された変換係数、もしくは、スケーリング部(31111)によってスケーリングされた変換係数に対して逆分離変換を適用する逆分離変換部(31123)とを備え、スケーリング部(31111)は、逆非分離変換部(31121)によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行う。【選択図】図10

Description

本発明の実施形態は、画像復号装置及び画像符号化装置に関する。
画像を効率的に伝送又は記録するために、画像を符号化することによって符号化データを生成する画像符号化装置、及び、当該符号化データを復号することによって復号画像を生成する画像復号装置が用いられている。
具体的な画像符号化方式としては、例えば、H.264/AVCやHEVC(High-Efficiency Video Coding)方式等が挙げられる。
このような画像符号化方式においては、画像を構成する画像(ピクチャ)は、画像を分割することにより得られるスライス、スライスを分割することにより得られる符号化ツリーユニット(CTU:Coding Tree Unit)、符号化ツリーユニットを分割することで得られる符号化単位(符号化ユニット(Coding Unit:CU)と呼ばれることもある)、及び、符号化単位を分割することより得られる変換ユニット(TU:Transform Unit)からなる階層構造により管理され、CU毎に符号化/復号される。
また、このような画像符号化方式においては、通常、入力画像を符号化/復号することによって得られる局所復号画像に基づいて予測画像が生成され、当該予測画像を入力画像(原画像)から減算して得られる予測誤差(「差分画像」又は「残差画像」と呼ぶこともある)が符号化される。予測画像の生成方法としては、画面間予測(インター予測)、及び、画面内予測(イントラ予測)が挙げられる。
また、近年の画像符号化及び復号技術として非特許文献1が挙げられる。非特許文献1には、変換ユニット毎に予測誤差の変換後の各係数をRST(Reduced Secondary Transform)変換、すなわち、非分離変換によって変換して変換係数を導出する画像符号化装置が開示されている。また、非特許文献1には、変換ユニット毎に変換係数を逆非分離変換によって逆変換する画像復号装置が開示されている。非特許文献2には、量子化マトリックス(スケーリングリスト)を用いて変換係数の位置ごとに異なるスケーリングを行う技術が開示されている。
"CE6: Reduced Secondary Transform (RST) (CE6-3.1)", JVET-N0193-v5, Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2019-03-27 "CE7-related: Support of signalling default and user-defined scaling matrices", JVET-N0090-v3, Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2019-03-23
非特許文献1に記載されている非分離変換が適用された変換係数は、空間周波数に対応するものではないため、適切なスケーリングができないという問題がある。スケーリングは、空間周波数ごとに重み付けを行うものであるためである。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、非分離変換の有無に関わらず適切なスケーリングを実行できる画像復号装置等を実現することにある。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像復号装置は、変換ユニット毎に変換係数を逆変換する画像復号装置であって、復号した変換係数をスケーリングするスケーリング部と、前記スケーリング部によってスケーリングされた変換係数に対して逆非分離変換を適用する逆非分離変換部と、前記逆非分離変換部によって変換された変換係数、もしくは、前記スケーリング部によってスケーリングされた変換係数に対して逆分離変換を適用する逆分離変換部と、を備え、前記スケーリング部は、前記逆非分離変換部によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うことを特徴としている。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像符号化装置は、変換ユニット毎に変換係数を変換する画像符号化装置であって、予測誤差に分離変換を適用する分離変換部と、前記分離変換部によって変換された変換係数に対して非分離変換を適用する非分離変換部と、前記分離変換部によって変換された変換係数、もしくは前記非分離変換部によって変換された変換係数をスケーリングするスケーリング部と、を備え、前記スケーリング部は、前記非分離変換部によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うことを特徴としている。
本発明の一態様によれば、非分離変換の有無に関わらず適切なスケーリングを実行できるという効果を奏する。
本実施形態に係る画像伝送システムの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した送信装置、及び、動画像復号装置を搭載した受信装置の構成について示した図である。PROD_Aは動画像符号化装置を搭載した送信装置を示しており、PROD_Bは動画像復号装置を搭載した受信装置を示している。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した記録装置、及び、動画像復号装置を搭載した再生装置の構成について示した図である。PROD_Cは動画像符号化装置を搭載した記録装置を示しており、PROD_Dは動画像復号装置を搭載した再生装置を示している。 符号化ストリームのデータの階層構造を示す図である。 CTUの分割例を示す図である。 イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。 動画像復号装置の構成を示す概略図である。 動画像復号装置の概略的動作を説明するフローチャートである。 イントラ予測パラメータ復号部の構成を示す概略図である。 逆量子化・逆変換部の構成例について示す機能ブロック図である。 CuPredMode,cIdxからスケーリングリスト番号matrixIdを導出する方法を示す図である。 動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 イントラ予測パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 スケーリングリストの一例を説明する図である。 スケーリングリストのシンタックス構成を説明するための図である。 逆量子化・逆変換部における処理の流れを示すフローチャートである。 逆量子化・逆変換部におけるスケーリング処理に用いるスケーリングリストを導出する流れを示すフローチャートである。 非分離変換を説明する図である。 他の実施形態における、逆量子化・逆変換部におけるスケーリング処理に用いるスケーリングリストを導出する流れを示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像伝送システム1の構成を示す概略図である。
画像伝送システム1は、符号化対象画像を符号化した符号化ストリームを伝送し、伝送された符号化ストリームを復号し画像を表示するシステムである。画像伝送システム1は、動画像符号化装置(画像符号化装置)11、ネットワーク21、動画像復号装置(画像復号装置)31、及び画像表示装置(画像表示装置)41を含んで構成される。
動画像符号化装置11には画像Tが入力される。
ネットワーク21は、動画像符号化装置11が生成した符号化ストリームTeを動画像復号装置31に伝送する。ネットワーク21は、インターネット(Internet)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、小規模ネットワーク(LAN:Local Area Network)又はこれらの組み合わせである。ネットワーク21は、必ずしも双方向の通信網に限らず、地上デジタル放送、衛星放送等の放送波を伝送する一方向の通信網であってもよい。また、ネットワーク21は、DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)、BD(Blue-ray Disc:登録商標)等の符号化ストリームTeを記録した記憶媒体で代替されてもよい。
動画像復号装置31は、ネットワーク21が伝送した符号化ストリームTeのそれぞれを復号し、復号した1又は複数の復号画像Tdを生成する。
画像表示装置41は、動画像復号装置31が生成した1又は複数の復号画像Tdの全部又は一部を表示する。画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備える。ディスプレイの形態としては、据え置き、モバイル、HMD等が挙げられる。また、動画像復号装置31が高い処理能力を有する場合には、画質の高い画像を表示し、より低い処理能力しか有しない場合には、高い処理能力、表示能力を必要としない画像を表示する。
<演算子>
本明細書で用いる演算子を以下に記載する。
>>は右ビットシフト、<<は左ビットシフト、&はビットワイズAND、|はビットワイズOR、|=はOR代入演算子であり、||は論理和を示す。
x?y:zは、xが真(0以外)の場合にy、xが偽(0)の場合にzをとる3項演算子である。
Clip3(a,b,c) は、cをa以上b以下の値にクリップする関数であり、c<aの場合にはaを返し、c>bの場合にはbを返し、その他の場合にはcを返す関数である(ただし、a<=b)。
abs(a)はaの絶対値を返す関数である。
Int(a)はaの整数値を返す関数である。
floor(a)はa以下の最小の整数を返す関数である。
ceil(a)はa以上の最大の整数を返す関数である。
a/dはdによるaの除算(小数点以下切り捨て)を表す。
tr(a)は、aの転置行列を返す関数である。
inv(a)は、aの逆行列を返す関数である。
diag(a)は、ベクトルaを対角成分とする対角行列を返す関数である。
<符号化ストリームTeの構造>
本実施形態に係る動画像符号化装置11及び動画像復号装置31の詳細な説明に先立って、動画像符号化装置11によって生成され、動画像復号装置31によって復号される符号化ストリームTeのデータ構造について説明する。
図4は、符号化ストリームTeにおけるデータの階層構造を示す図である。符号化ストリームTeは、例示的に、シーケンス、及びシーケンスを構成する複数のピクチャを含む。図4には、それぞれ、シーケンスSEQを既定する符号化ビデオシーケンス、ピクチャPICTを規定する符号化ピクチャ、スライスSを規定する符号化スライス、スライスデータを規定する符号化スライスデータ、符号化スライスデータに含まれる符号化ツリーユニット、符号化ツリーユニットに含まれる符号化ユニットを示す図が示されている。
(符号化ビデオシーケンス)
符号化ビデオシーケンスでは、処理対象のシーケンスSEQを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。シーケンスSEQは、図4の符号化ビデオシーケンスに示すように、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set)、シーケンスパラメータセットSPS(Sequence Parameter Set)、ピクチャパラメータセットPPS(Picture Parameter Set)、ピクチャPICT、及び、付加拡張情報SEI(Supplemental Enhancement Information)を含んでいる。
ビデオパラメータセットVPSは、複数のレイヤから構成されている画像において、複数の画像に共通する符号化パラメータの集合及び画像に含まれる複数のレイヤ及び個々のレイヤに関連する符号化パラメータの集合が規定されている。
シーケンスパラメータセットSPSでは、対象シーケンスを復号するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの幅や高さが規定される。なお、SPSは複数存在してもよい。その場合、PPSから複数のSPSの何れかを選択する。
ピクチャパラメータセットPPSでは、対象シーケンス内の各ピクチャを復号するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの復号に用いられる量子化幅の基準値(pic_init_qp_minus26)や重み付き予測の適用を示すフラグ(weighted_pred_flag)及びスケーリングリスト(量子化マトリックス)が含まれる。なお、PPSは複数存在してもよい。その場合、対象シーケンス内の各ピクチャから複数のPPSの何れかを選択する。
(符号化ピクチャ)
符号化ピクチャでは、処理対象のピクチャPICTを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。ピクチャPICTは、図4の符号化ピクチャに示すように、スライス0〜スライスNS-1を含む(NSはピクチャPICTに含まれるスライスの総数)。
なお、以下、スライス0〜スライスNS-1のそれぞれを区別する必要が無い場合、符号の添え字を省略して記述することがある。また、以下に説明する符号化ストリームTeに含まれるデータであって、添え字を付している他のデータについても同様である。
(符号化スライス)
符号化スライスでは、処理対象のスライスSを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスは、図4の符号化スライスに示すように、スライスヘッダ、及び、スライスデータを含んでいる。
スライスヘッダには、対象スライスの復号方法を決定するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータ群が含まれる。スライスタイプを指定するスライスタイプ指定情報(slice_type)は、スライスヘッダに含まれる符号化パラメータの一例である。
スライスタイプ指定情報により指定可能なスライスタイプとしては、(1)符号化の際にイントラ予測のみを用いるIスライス、(2)符号化の際に単方向予測、又は、イントラ予測を用いるPスライス、(3)符号化の際に単方向予測、双方向予測、又は、イントラ予測を用いるBスライス等が挙げられる。なお、インター予測は、単予測、双予測に限定されず、より多くの参照ピクチャを用いて予測画像を生成してもよい。以下、P、Bスライスと呼ぶ場合には、インター予測を用いることができるブロックを含むスライスを指す。
なお、スライスヘッダは、ピクチャパラメータセットPPSへの参照(pic_parameter_set_id)を含んでいてもよい。
(符号化スライスデータ)
符号化スライスデータでは、処理対象のスライスデータを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスデータは、図4の符号化スライスヘッダに示すように、CTUを含んでいる。CTUは、スライスを構成する固定サイズ(例えば64x64)のブロックであり、最大符号化単位(LCU:Largest Coding Unit)と呼ぶこともある。
(符号化ツリーユニット)
図4の符号化ツリーユニットには、処理対象のCTUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。CTUは、再帰的な4分木分割(QT(Quad Tree)分割)、2分木分割(BT(Binary Tree)分割)あるいは3分木分割(TT(Ternary Tree)分割)により符号化処理の基本的な単位である符号化ユニットCUに分割される。BT分割とTT分割を合わせてマルチツリー分割(MT(Multi Tree)分割)と呼ぶ。再帰的な4分木分割により得られる木構造のノードのことを符号化ノード(Coding Node)と称する。4分木、2分木、及び3分木の中間ノードは、符号化ノードであり、CTU自身も最上位の符号化ノードとして規定される。
CTは、CT情報として、QT分割を行うか否かを示すQT分割フラグ(cu_split_flag)、MT分割の有無を示すMT分割フラグ(split_mt_flag)、MT分割の分割方向を示すMT分割方向(split_mt_dir)、MT分割の分割タイプを示すMT分割タイプ(split_mt_type)を含む。cu_split_flag、split_mt_flag、split_mt_dir、split_mt_type は符号化ノード毎に伝送される。
cu_split_flagが1の場合、符号化ノードは4つの符号化ノードに分割される(図5のQT)。
cu_split_flagが0の時、split_mt_flagが0の場合に符号化ノードは分割されず1つのCUをノードとして持つ(図5の分割なし)。CUは符号化ノードの末端ノードであり、これ以上分割されない。CUは、符号化処理の基本的な単位となる。
split_mt_flagが1の場合に符号化ノードは以下のようにMT分割される。split_mt_typeが0の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに水平分割され(図5のBT(水平分割))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに垂直分割される(図5のBT(垂直分割))。また、split_mt_typeが1の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに水平分割され(図5のTT(水平分割))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに垂直分割される(図5のTT(垂直分割))。これらを図5のCT情報に示す。
また、CTUのサイズが64x64画素の場合には、CUのサイズは、64x64画素、64x32画素、32x64画素、32x32画素、64x16画素、16x64画素、32x16画素、16x32画素、16x16画素、64x8画素、8x64画素、32x8画素、8x32画素、16x8画素、8x16画素、8x8画素、64x4画素、4x64画素、32x4画素、4x32画素、16x4画素、4x16画素、8x4画素、4x8画素、及び、4x4画素の何れかをとり得る。
(符号化ユニット)
図4の符号化ユニットに示すように、処理対象の符号化ユニットを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。具体的には、CUは、CUヘッダCUH、予測パラメータ、変換パラメータ、量子化変換係数等から構成される。CUヘッダでは予測モード等が規定される。
予測処理は、CU単位で行われる場合と、CUをさらに分割したサブCU単位で行われる場合がある。CUとサブCUのサイズが等しい場合には、CU中のサブCUは1つである。CUがサブCUのサイズよりも大きい場合、CUは、サブCUに分割される。例えばCUが8x8、サブCUが4x4の場合、CUは水平2分割、垂直2分割からなる、4つのサブCUに分割される。
予測の種類(予測モードCuPredMode)は、イントラ予測(MODE_INTRA)と、インター予測(MODE_INTER)の2つを少なくとも備える。さらにイントラブロツクコピー予測(MODE_IBC)を備えても良い。イントラ予測、イントラブロツクコピー予測は、同一ピクチャ内の予測であり、インター予測は、互いに異なるピクチャ間(例えば、表示時刻間、レイヤ画像間)で行われる予測処理を指す。
変換・量子化処理はCU単位で行われるが、量子化変換係数は4x4等のサブブロック単位でエントロピー符号化してもよい。
(予測パラメータ)
予測画像は、ブロックに付随する予測パラメータによって導出される。予測パラメータには、イントラ予測とインター予測の予測パラメータがある。
以下、イントラ予測の予測パラメータについて説明する。イントラ予測パラメータは、輝度予測モードIntraPredModeY、色差予測モードIntraPredModeCから構成される。図6は、イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。図6に示すように、イントラ予測モードは、例えば67種類(0〜66)存在する。例えば、プレーナ予測(0)、DC予測(1)、Angular予測(2〜66)である。さらに、色差ではLMモード(67〜72)を追加してもよい。
イントラ予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、intra_luma_mpm_flag、intra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder等がある。
(MPM)
intra_luma_mpm_flagは、対象ブロックのIntraPredModeYとMPM(Most Probable Mode)とが一致するか否かを示すフラグである。MPMは、MPM候補リストmpmCandList[]に含まれる予測モードである。MPM候補リストは、隣接ブロックのイントラ予測モード及び所定のイントラ予測モードから、対象ブロックに適用される確率が高いと推定される候補を格納したリストである。intra_luma_mpm_flagが1の場合、MPM候補リストとインデックスintra_luma_mpm_idxを用いて、対象ブロックのIntraPredModeYを導出する。
IntraPredModeY = mpmCandList[intra_luma_mpm_idx]
(REM)
intra_luma_mpm_flagが0の場合、イントラ予測モード全体からMPM候補リストに含まれるイントラ予測モードを除いた残りのモードRemIntraPredModeからイントラ予測モードを選択する。RemIntraPredModeとして選択可能なイントラ予測モードは、「非MPM」又は「REM」と呼ばれる。RemIntraPredModeはintra_luma_mpm_remainderを用いて導出される。
(動画像復号装置の構成)
本実施形態に係る動画像復号装置31(図7)の構成について説明する。
動画像復号装置31は、エントロピー復号部301、パラメータ復号部(予測画像復号装置)302、ループフィルタ305、参照ピクチャメモリ306、予測パラメータメモリ307、予測画像生成部(予測画像生成装置)308、逆量子化・逆変換部311、及び加算部312を含んで構成される。なお、後述の動画像符号化装置11に合わせ、動画像復号装置31にループフィルタ305が含まれない構成もある。
パラメータ復号部302は、さらに、ヘッダ復号部3020、CT情報復号部3021、及びCU復号部3022(予測モード復号部)を備えており、CU復号部3022はTU復号部3024を備えている。これらを総称して復号モジュールと呼んでもよい。ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPS等のパラメータセット情報、スライスヘッダ(スライス情報)を復号する。CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。CU復号部3022は符号化データからCUを復号する。TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。
TU復号部3024は、符号化データから非分離変換の利用及び変換基底を示す値stIdxを復号する。具体的には、TU復号部3024は、CUの幅と高さが4以上であり、且つ、予測モードがイントラモードであり、且つ、CU内の変換係数の数numSigCoeffが所定の数THSt(例えば、SINGLE_TREEでは2、それ以外は1)より大きい場合にstIdxを復号する。なお、stIdxは0の場合、非分離変換の非適用を示し、1の場合、非分離変換基底のセット(ペア)のうち一方の変換を示し、2の場合、上記ペアのうち他方の変換を示す。また、変換係数のラスト位置lastScanPosから導出される変数lfnstLastScanPosが0の場合に、stIdxを復号してもよい。
lfnstLastScanPos = 1
if( log2TbWidth >= 2 && log2TbHeight >= 2 && !transform_skip_flag) {
lfnstLastScanPos = lfnstLastScanPos && ( lastScanPos < 1 )

また、mtsIdxが0の場合にのみstIdxを復号してもよい。またstIdxは0もしくは1であってもよい。また、stIdxをイントラ予測モードから導出してもよい。
stIdx = stIdx != 0 ? (IntraPredModeY % 2) + 1: 0
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、インター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
また、以降では処理の単位としてCTU、CUを使用した例を記載するが、この例に限らず、サブCU単位で処理をしてもよい。あるいはCTU、CUをブロック、サブCUをサブブロックと読み替え、ブロックあるいはサブブロック単位の処理としてもよい。
エントロピー復号部301は、外部から入力された符号化ストリームTeに対してエントロピー復号を行って、個々の符号(シンタックス要素)を分離し復号する。エントロピー符号化には、シンタックス要素の種類や周囲の状況に応じて適応的に選択したコンテキスト(確率モデル)を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式と、予め定められた表、あるいは計算式を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式がある。前者のCABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)は、符号化あるいは復号したピクチャ(スライス)毎に更新した確率モデルをメモリに格納する。そして、Pピクチャ、あるいはBピクチャのコンテキストの初期状態として、メモリに格納された確率モデルの中から、同じスライスタイプ、同じスライスレベルの量子化パラメータを使用したピクチャの確率モデルを設定する。この初期状態を符号化、復号処理に使用する。分離された符号には、予測画像を生成するための予測情報及び、差分画像を生成するための予測誤差等がある。
エントロピー復号部301は、分離した符号をパラメータ復号部302に出力する。分離した符号とは、例えば、予測モードCuPredModeである。どの符号を復号するかの制御は、パラメータ復号部302の指示に基づいて行われる。
(基本フロー)
図8、動画像復号装置31の概略的動作を説明するフローチャートである。
(S1100:パラメータセット情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPS等のパラメータセット情報を復号する。
(S1200:スライス情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからスライスヘッダ(スライス情報)を復号する。
以下、動画像復号装置31は、対象ピクチャに含まれる各CTUについて、S1300からS5000の処理を繰り返すことにより各CTUの復号画像を導出する。
(S1300:CTU情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTUを復号する。
(S1400:CT情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。
(S1500:CU復号)CU復号部3022はS1510、S1520を実施して、符号化データからCUを復号する。
(S1510:CU情報復号)CU復号部3022は、符号化データからCU情報、予測情報、TU分割フラグsplit_transform_flag、CU残差フラグcbf_cb、cbf_cr、cbf_luma等を復号する。
(S1520:TU情報復号)TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。なお、QP更新情報は、量子化パラメータQPの予測値である量子化パラメータ予測値qPpredからの差分値である。
(S2000:予測画像生成)予測画像生成部308は、対象CUに含まれる各ブロックについて、予測情報に基づいて予測画像を生成する。
(S3000:逆量子化・逆変換)逆量子化・逆変換部311は、対象CUに含まれる各TUについて、逆量子化・逆変換処理を実行する。
(S4000:復号画像生成)加算部312は、予測画像生成部308より供給される予測画像と、逆量子化・逆変換部311より供給される予測誤差とを加算することによって、対象CUの復号画像を生成する。
(S5000:ループフィルタ)ループフィルタ305は、復号画像にデブロッキングフィルタ、SAO、ALF等のループフィルタをかけ、復号画像を生成する。
(スケーリングリスト)
スケーリングリストは、変換係数の位置ごとに異なる量子化・逆量子化を行う方法、及び、量子化に用いるマトリックスを意味する。量子化・逆量子化はスケーリングとも呼ばれ、スケーリングリストは、スケーリングリスト、スケーリングファクタとも呼ばれる。スケーリングリストを用いることで、高周波数成分をより小さく(0になりやすく)して、主観画質の低下を抑えながら符号化レートを削減することができる。また、高周波数成分と低周波数成分の比率や、水平成分、垂直成分、斜め成分の比率を調整して画質を調整することができる。
パラメータ復号部302はスケーリングリスト復号部3026を含んで構成される。
図14は、符号化データから復号されるスケーリングリスト(スケーリングファクタ)の例を示す。ここでは8x8の変換係数配列qd[x][y]用のScalingFactor[8][8][0][x][y]、x=0..7、y=0..7の例を示す。
図15は、スケーリングリストのシンタックス構成を示す。
スケーリングリスト復号部3026は、符号化データから、スケーリングリストを用いるか否かを示すscaling_list_enabled_flagを復号する。scaling_list_enabled_flagが1の場合、スケーリングリストを用いて後述するスケーリング処理を行う。
スケーリングリスト復号部3026は、符号化データから、scaling_list_data()と呼ぶスケーリングリスト情報を復号し、スケーリングリストを導出する。また、スケーリングリスト復号部3026は、符号化データから復号せず、予め定められたマトリックス(デフォルトマトリックス)を用いてもよい。
スケーリングリスト復号部3026は、サイズ識別子sizeId、マトリックス識別子matrixIdで表されるスケーリングリストScalingList[sizeId][matrixId][i]を復号する。sizeId=1,2,3,4,5,6は各々、2x2, 4x4, 8x8, 16x16, 32x32, 64x64に対応する。
図11に示すように、matrixId=0,1,2,3,4,5は各々、イントラ予測の輝度(cIdx==0)、イントラ予測のCb(cIdx==1)、イントラ予測のCr(cIdx==2)、インター予測の輝度(cIdx==0)、インター予測のCb(cIdx==1)、インター予測のCr(cIdx==2)に対応してもよい。
ここで、図15のSYN2001の( ((sizeId==1) && (matrixId%3==0) ) || ((sizeId==6) && (matrixId%3!=0) )は、具体的には以下の処理を表す。
matrixId%3==0(輝度)、かつ、sizeId==1(2x2)の場合、scaling_list_pred_mode_flagを復号しない。
matrixId%3!=0(色差)、かつ、sizeId==6(64x64)の場合、scaling_list_pred_mode_flagを復号しない。
scaling_list_pred_mode_flagは、対象ブロックで使用するスケーリングリストが参照スケーリングリスト中にあるかを示すフラグである。scaling_list_pred_mode_flag=0の場合、同じスケーリングリストがあることを示し、スケーリングリスト復号部3026は参照スケーリングリストのインデックスを復号する。scaling_list_pred_mode_flag!=0の場合、同じスケーリングリストがないことを示し、スケーリングリスト復号部3026は新たなスケーリングリストの情報を復号する。scaling_list_pred_mode_flagが通知されない場合、0に設定する。
スケーリングリスト復号部3026は、復号したシンタックス値scaling_list_delta_coefからnextCoefを導出し、sizeId、matrixId、及び変換係数の配列d[][]中の位置iごとのScalingList[sizeId][matrixId][i]を導出する。
nextCoef = scaling_list_dc_coef_minus8[sizeId-4][matrixId] + 8
nextCoef = (nextCoef + scaling_list_delta_coef + 256) % 256 (i=0..coefNum-1)
ScalingList[sizeId][matrixId][i] = nextCoef
coefNumはスケーリングリストの要素数である。
また、スケーリングリスト復号部3026は、scaling_list_pred_mode_flagが1の場合、以下のようにrefMatrixIdで参照される既存のスケーリングリストを参照して、予測してもよい。
refMatrixId=matrixId - scaling_list_pred_matrix_id_delta[sizeId][matrixId]* (sizeId == 6 ? 3 : 1)
ScalingList[sizeId][matrixId][i] = ScalingList[sizeId][refMatrixId][i]
ここで、i = 0..Min(63, (1 << (sizeId << 1)) - 1)
スケーリングリスト復号部3026はScalingList[sizeId][matrixId][i]を用いて、さらに、sizeId、matrixId、及び変換係数の配列d[x][y]中の位置(x,y)ごとの、ScalingFactor[sizeId][matrixId][x][y]を導出してもよい。例えば4x4(sizeId==2)の場合、以下で導出する。
ScalingFactor[2][matrixId][x][y] = ScalingList[2][matrixId][i]
x = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][i][0]
y = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][i][1]
ここで、i = 0..15, matrixId = 0..numMatrix-1である。numMatrixはスケーリングリストの個数である。
例えば、8x8(sizeId==3)の場合、以下で導出する。
ScalingFactor[3][matrixId][x][y] = ScalingList[3][matrixId][i]
x = DiagScanOrder[3][3][i][0]
y = DiagScanOrder[3][3][i][1]
ここで、i = 0..63, matrixId = 0..numMatrix-1である。
DiagScanOrder[sizeId][sizeId][i][j]は、幅が1<<sizeId、高さが1<<sizeIdのブロック(配列)におけるスキャン順を示す配列である。
さらに、スケーリングリスト復号部3026は、正方形以外の変換係数ブロック(TU)のスケーリングリストScalingFactor[wId][hId][matrixId][x][y]を以下の式で導出する。wId、hIdは、TUの幅(1<<wId)、高さ(1<<hId)を示す。
k = min( maxSizeId, 3 )
x = DiagScanOrder[k][k][i][0]
y = DiagScanOrder[k][k][i][1]
ratioW = (1 << wId) / (1 << k)
ratioH = (1 << hId) / (1 << k)
diffWH = 1 << abs(wId - hId)
if(wId > hId)
ScalingFactor[wId][hId][matrixId][x][y] =
ScalingList[maxSizeId][matrixId][RasterScanOrder[k][k][(1 << k) * (y * diffWH) / ratioW) + x / ratioW]]
else(wId < hId)
ScalingFactor[wId][hId][matrixId][x][y] =
ScalingList[maxSizeId][matrixId][RasterScanOrder[k][k][(1 << k) * (y / ratioH) + (x * diffWH) / ratioH]]
RasterScanOrder[k][k][]はk*kサイズのブロックのラスタスキャン順を表す配列である。
ここで、wId = 0..6, hId = 0..6, matrixId = 0..numMatrix-1, x = 0..(1<<wId)-1, y = 0..(1<<hId)-1である。なお、(wId, hId) = (0, 0)は使用しない。
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、図示しないインター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
(スケーリング部31111)
スケーリング部31111は、エントロピー復号部301から入力された量子化変換係数qd[ ][ ]に対して係数単位の重みを用いてスケーリングする。
さらに、スケーリング部31111は、非分離変換を行わないstIdx==0の場合、変換係数は空間周波数に対応するのに対し、非分離変換を行うstIdx!=0の場合、変換係数は空間周波数には対応しないので、非分離変換の有無で異なるスケーリングファクタを用いる。具体的には、分離変換に対しては、スケーリングリスト復号部3026で復号したスケーリングファクタ(matrixId==0,1,2,3,4,5)を適用し、非分離変換に対しては、後述する非分離変換用スケーリングリスト導出部31125により導出したスケーリングファクタを用いる。以下、スケーリングリスト復号部3026で復号した分離変換のスケーリングファクタ(matrixId==0,1,2,3,4,5)と、非分離変換のスケーリングファクタを用いて、非分離変換の有無に応じたスケーリングを行う例を説明する。
(スケーリングリスト復号部3026、スケーリング部31111によるスケーリングの説明)
本実施形態におけるスケーリング部31111は、逆非分離変換が適用される場合に用いるスケーリングファクタと、逆非分離変換が適用されない場合に用いるスケーリングファクタを切り替え、量子化変換係数をスケーリングする。具体的には、スケーリング部31111は、逆非分離変換が適用されない場合、スケーリングリスト復号部3026から入力されたスケーリングファクタを用いてスケーリングを行う。また、スケーリング部31111は、逆非分離変換が適用される場合には、非分離変換用スケーリングリスト導出部31125により導出されたスケーリングファクタを用いてスケーリングを行う。これにより、非分離変換の有無により生じる性質の異なる変換係数に対して適切にスケーリングすることができる。
<逆量子化・逆変換部311の構成例>
図10は、本実施形態の逆量子化・逆変換部311の構成を示すブロック図である。逆量子化・逆変換部311は、スケーリング部31111、逆非分離変換部31121、逆分離変換部31123、非分離変換用スケーリングリスト導出部31125から構成される。
逆量子化・逆変換部311は、エントロピー復号部301から入力された量子化変換係数qd[ ][ ]をスケーリング部31111によりスケーリング(逆量子化)して変換係数d[ ][ ]を求める。この量子化変換係数qd[ ][ ]は、符号化処理において、予測誤差に対してDCT(Discrete Cosine Transform、離散コサイン変換)、DST(Discrete Sine Transform、離散サイン変換)等の変換を行い量子化して得られる係数、もしくは、変換係数をさらに非分離変換によって変換した係数である。逆量子化・逆変換部311は、stIdx!=0の場合、逆非分離変換部31121により変換を行う。さらに変換係数について逆DCT、逆DST等の逆周波数変換を行い、予測誤差を算出する。また、stIdx==0の場合、逆非分離変換部31121を行わず、スケーリング部31111によりスケーリングされた変換係数について逆DCT、逆DST等の逆周波数変換を行い、予測誤差を算出する。逆量子化・逆変換部311は予測誤差を加算部312に出力する。
なお、逆変換及び変換は、対になる処理であるため、変換と逆変換とを互いに置き換えて解釈してもよい。あるいは、逆変換を変換と呼ぶ場合には、変換を順変換と呼んでもよい。例えば、逆非分離変換を非分離変換と呼ぶ場合、非分離変換は順非分離変換と呼んでもよい。また、分離変換を単に変換と呼ぶ。
(スケーリング部31111の詳細)
本実施形態におけるスケーリング部31111のスケーリングファクタについて詳細に説明する。
スケーリング部31111は、スケーリングリスト復号部3026から入力されるスケーリングファクタを利用し、非分離変換用スケーリングリスト導出部31125において逆非分離変換用スケーリングリストを導出し、これを利用してスケーリングを行ってもよい。
(スケーリング部31111の構成1)
以下、構成1として量子化パラメータと対象ブロックサイズとスケーリングマトリックスm[][](ScalingFactor[][][][])を用いて導出されるローカルのスケーリングファクタls[][]を、非分離変換の変換行列で変換して用いる例を説明する。
スケーリング部31111は、パラメータ復号部302において導出された量子化パラメータおよびスケーリングファクタを用いて、TU復号部が復号した変換係数に対して係数単位の重みを用いてスケーリングする。
ここで量子化パラメータqPは、対象変換係数の色コンポーネントcIdxと、ジョイント色差残差符号化フラグtu_joint_cbcr_flagを用いて以下で導出する。
qP = qPY (cIdx == 0)
qP = qPCb (cIdx == 1 && tu_joint_cbcr_flag == 0)
qP = qPCr (cIdx == 2 && tu_joint_cbcr_flag == 0)
qP = qPCbCr (tu_joint_cbcr_flag != 0)
スケーリング部31111は、対象TUのサイズ(nTbW,nTbH)から形状に関わる値rectNonTsFlagを導出する。
rectNonTsFlag = (((Log2(nTbW) + Log2(nTbH)) & 1) == 1 && transform_skip_flag[xTbY][yTbY] == 0)
なお、xTbY、yTbYは対象TUの左上座標を示す。
rectNonTsFlagは幅と高さの積が2の偶数乗(積が4, 16, 64, 256, 1024以外、例えば正方形の場合)以外、かつ、変換スキップ以外の場合に1となる。
スケーリング部31111は、スケーリングリスト復号部3026において導出されたScalingFactor[][]を用いて次の処理を行う。
スケーリング部31111は、scaling_list_enabled_flagが0の場合、もしくは、変換スキップが有効の場合(transform_skip_flag==1)の場合に、m[x][y]=16を設定する。つまり、一様量子化を行う。
上記以外の場合(scaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合)、スケーリング部31111は、対象ブロックのサイズと予測モード、色コンポーネントに対応するスケーリングリストScalingFactorを用い、m[][]を下記のようにセットする。
m[x][y] = ScalingFactor[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][matrixId][x][y]
ここで、matrixIdは、対象TUの予測モード(CuPredMode)、色コンポーネントインデックス(cIdx)により設定される。
スケーリング部31111は、スケーリングマトリックスm[][]と量子化パラメータqPと対象ブロックのサイズ等から導出されるrectNonTsFlagを用いて、ローカルスケーリングファクタls[x][y]を以下の式で導出する。
ls[x][y] = (m[x][y] * levelScale[rectNonTsFlag][(qP+1)%6]) << ((qP+1)/6)
もしくは以下の式で導出してもよい。
ls[x][y] = (m[x][y] * levelScale[rectNonTsFlag][qP%6]) << (qP/6)
ここでlevelScale[] = {{ 40, 45, 51, 57, 64, 72 }, { 57, 64, 72, 80, 90, 102 }}である。
stIdx==0もしくはscaling_list_enabled_flag==0もしくはtransform_skip_flag==1の場合、スケーリング部31111は、ローカルスケーリングファクタls[][]と復号された変換係数TransCoeffLevelの積からdnc[][]を導出し、逆量子化を行う。
dnc[x][y] = ( TransCoeffLevel[xTbY][yTbY][cIdx][x][y] * ls[x][y] +bdOffset ) >> bdShift
最後に、スケーリング部31111は、逆量子化された変換係数をクリップしd[x][y]を導出する。
d[x][y] = Clip3( CoeffMin, CoeffMax, dnc[x][y] )
上記以外の場合(stIdx!=0かつscaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合)、以下のステップで、非分離変換の変換行列secTransMatrixとスケーリングファクタを利用した逆量子化を行う。
(ステップ0:変換行列の設定)
スケーリング部31111は、イントラ予測モードPredModeIntraとブロックサイズから変換行列secTransMatrix[][]を導出する。PredModeIntraからsecTrSetIdを導出し、stTrSetIdに応じて、secTransMatrix[][]を導出してもよい。
stTrSetId = 0 (0 <= PredModeIntra <= 1)
stTrSetId = 1 (PredModeIntra < 0, 2 <= PredModeIntra <= 12, , 56 <= PredModeIntra <= 80 )
stTrSetId = 2 (13 <= PredModeIntra <= 23, 45 <= PredModeIntra <= 55)
stTrSetId = 3 (24 <= PredModeIntra <= 34)
(ステップ1:1次元スキャン)
スケーリング部31111は、2次元のローカルスケーリングファクタls[][]、2次元の変換係数から、1次元のls1d[]、dz1d[]を導出する。
xC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 0 ]
yC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 1 ]
ls1d[ x ] = ls[ xC ][ yC ]
dz1d[ x ] = TransCoeffLevel[xTbY][yTbY][cIdx][ xC ][ yC ]
(ステップ2:変換基底を用いた非分離変換用スケーリング行列の導出)
スケーリング部31111は、ls[]と、対象ブロックのサイズとstIdxに対応する変換基底secTransMatrix[][]を用いて、非分離変換用スケーリング行列lsMatrix[][]を導出する。
lsTmp[i][j] = (secTransMatrix[j][i] * ls1d[j] + 64) >> 7
lsMatrix[i][j] =(Σ(lsTmp[i][k]*secTransMatrix[k][j] ) + 64 ) >> 7
ここでΣはkに関する積和である。
なお、ls1d[]を対角行列とするマトリックスlsMat[][](=diag(ls1d))を用いると、上記式は以下の行列演算でも実現できる。
lsMatrix[i][j] = tr(secTransMatrix) * lsMat * secTransMatrix
(ステップ3:非分離変換用スケーリング行列の導出を用いた逆量子化)
スケーリング部31111はlsMatrix[][]を用いて逆量子化を行う。
dnc1d[i] = Clip3( CoeffMin, CoeffMax, ( ( ΣlsMatrix[i][j]*dz1d[j]) +bdOffset )>> bdShift
ここで、Σはjに関する積和である。
(ステップ4:2次元スキャン)
なお、さらにスケーリング部31111は、2次元配列dnc[][]を導出しても良い。
xC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 0 ]
yC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 1 ]
dnc[ xC ][ yC ] = dnc1d[ x ]
なお、非分離変換では、変換時に再度1次元スキャンを行うため、dnc[][]を1次元信号に並べ替える。この再度の1次元スキャンを避けるため、2次元スキャンを省略し、1次元信号dnc1d[]のまま非分離変換を行ってもよい。
(スケーリング部31111の構成2)
以下、構成2として符号化データから復号したm[][](ScalingFactor[][])を、secTransMatrixで変換した後、量子化パラメータqPと対象ブロックサイズを用いてローカルスケーリング行列ls[][]を導出して用いる例を説明する。
スケーリング部31111は、パラメータ復号部302において導出された量子化パラメータおよびスケーリングファクタを用いて、TU復号部が復号した変換係数に対して係数単位の重みを用いてスケーリングする。
構成1で説明したように、スケーリング部31111は、qPとrectNonTsFlagを導出する。
スケーリング部31111は、scaling_list_enabled_flagが0の場合、もしくは、変換スキップが有効の場合(transform_skip_flag==1)の場合に、m[x][y]=16を設定する。つまり、一様量子化を行う。
上記以外の場合(scaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合)、スケーリング部31111は、対象ブロックのサイズと予測モード、色コンポーネントに対応するスケーリングリストScalingFactorを用い、m[][]を下記のようにセットする。
m[x][y] = ScalingFactor[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][matrixId][x][y]
ここで、matrixIdは、対象TUの予測モード(CuPredMode)、色コンポーネントインデックス(cIdx)により設定される。
stIdx==0もしくはscaling_list_enabled_flag==0もしくはtransform_skip_flag==1の場合、構成1で説明したように、スケーリング部31111は、m[x][y]、levelScale、rectNonTsFlag、qPからls[x][y]を導出し、ls[][]とTransCoeffLevelの積からdnc[][]を導出し、逆量子化を行う。クリップしてd[][]を導出する。
ここまで構成1と同様である。以下構成2に特徴的な処理を説明する。
上記以外の場合(stIdx!=0かつscaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合)、以下のステップで、非分離変換とスケーリングファクタを利用した逆量子化を行う。
(ステップ0:変換行列の設定)
構成1と等しいので説明を省略する。
(ステップ1:1次元スキャン)
スケーリング部31111は、2次元のスケーリングマトリックスm[][]、2次元の変換係数から、1次元のls1d[]、dz1d[]を導出する。
xC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 0 ]
yC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 1 ]
m1d[ x ] = m[ xC ][ yC ]
dz1d[ x ] = TransCoeffLevel[xTbY][yTbY][cIdx][ xC ][ yC ]
(ステップ2:変換基底を用いた非分離変換用スケーリング行列の導出)
スケーリング部31111は、ScalingFactor[][]をスキャンして導出されたm1d[]と、対象ブロックのサイズとsecTransMatrix[][]を用いて、非分離変換用スケーリング行列mMatrix[][]を導出する。
mTmp[i][j] = (secTransMatrix[j][i] * m1d[j] + 64) >> 7
mMatrix[i][j] =(Σ(mTmp[i][k]*secTransMatrix[k][j] ) + 64 ) >> 7
ここでΣはkに関する積和である。
なお、m1d[]を対角行列とするマトリックスmMat[][]を用いると、上記式は以下の行列演算でも実現できる。
mMatrix[i][j] = tr(secTransMatrix) * mMat * secTransMatrix
次に、mMatrix[][]とqPとrectNonTsFlagを用いて非分離変換用ローカルスケーリング行列lsMatrix[][]を導出する。
スケーリング部31111はls[x][y]を以下の式で導出する。
lsMatrix[x][y] = (mMatrix[x][y] * levelScale[rectNonTsFlag][(qP+1)%6]) << ((qP+1)/6)
もしくは以下の式で導出してもよい。
lsMatrix[x][y] = (mMatrix[x][y] * levelScale[rectNonTsFlag][qP%6]) << (qP/6)
(ステップ3:非分離変換用スケーリング行列の導出を用いた逆量子化)
lsMatrix[x][y]を得た後の処理(ステップ3)は、構成1と等しいので説明を省略する。
(ステップ4:2次元スキャン)
ステップ4も、構成1と等しいので説明を省略する。
上記の構成によれば、ScalingFactorはPPSにより伝送されピクチャ単位(やスライス単位)で決まり、変換基底secTransMatrixも予め決まっているので、ピクチャ単位やスライス単位で予めScalingFactorを、変換基底secTransMatrixで変換しておくことで、(ステップ1)(ステップ2)からmMatrix[][]を導出しておくことができる。この場合、対象TU単位ではステップ3で、mMatrix[][]からlsMatrix[][]を得るだけで良いことから、構成1の効果に加えて、構成2では、非線形変換用ローカルスケーリング行列を導出するための処理の複雑度を低減させることができる。
(スケーリング部31111の構成3)
以下、構成3として符号化データから復号したm[][](ScalingFactor[][])を、secTransMatrixによって行列に変換することにより、非分離変換用のm[][](ScalingFactor[][])を導出し直す方法を説明する。非分離変換用のm[][](ScalingFactor[][])を導出後は通常通りの逆量子化方法が利用できる。
スケーリング部31111は、stIdx!=0かつscaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合、以下のステップで、非分離変換とスケーリングファクタm[][](ScalingFactor[][])を利用して非分離変換用のm[][](ScalingFactor[][])を導出する。
(ステップ0:変換行列の設定)
構成1と等しいので説明を省略する。
(ステップ1:1次元スキャン)
スケーリング部31111は、2次元のスケーリングマトリックスm[][]からm1d[]を導出する。
xC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 0 ]
yC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 1 ]
m1d[ x ] = m[ xC ][ yC ]
(ステップ2:変換基底を用いた非分離変換用スケーリング行列の導出)
スケーリング部31111は、ls[]と、対象ブロックのサイズとsecTransMatrix[][]を用いて、非分離変換用スケーリング行列mMatrix[][]を導出する。
mTmp[i][j] = (secTransMatrix[j][i] * m1d[j] + 64) >> 7
mMatrix[i][j] =(Σ(mTmp[i][k]*secTransMatrix[k][j] ) + 64 ) >> 7
ここでΣはkに関する積和である。
(ステップ3:非分離変換用スケーリング行列からスケーリングファクタm導出)
mMatrix[i][j]の対角成分から変換後のm1dSt[x]を導出する。
m1dSt[x]= mMatrix[x][x]
ngFactor[][])を利用して非分離変換用のm[][](ScalingFactor[][])を導出する。
(ステップ4:1次元スキャン)
スケーリング部31111は、非分離変換用のm1dSt[]をスキャンし、非分離変換用のm[][](ここではmSt[][])を導出する。
xC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 0 ]
yC = DiagScanOrder[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][ x ][ 1 ]
mSt[ xC ][ yC ] = mSt[ x ]
以下導出したmSt[]を用いた逆量子化を説明する。
構成1で説明したように、スケーリング部31111は、qPとrectNonTsFlagを導出する。
スケーリング部31111は、scaling_list_enabled_flagが0の場合、もしくは、変換スキップが有効の場合(transform_skip_flag==1)の場合に、m[x][y]=16を設定する。つまり、一様量子化を行う。
上記以外の場合で、stIdx==0かつscaling_list_enabled_flag==1かつtransform_skip_flag==0の場合)、スケーリング部31111は、対象ブロックのサイズと予測モード、色コンポーネントに対応するスケーリングリストScalingFactorを用い、m[][]を下記のようにセットする。
m[x][y] = ScalingFactor[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][matrixId][x][y]
ここで、matrixIdは、対象TUの予測モード(CuPredMode)、色コンポーネントインデックス(cIdx)により設定される。
上記以外の場合(stIdx==0もしくはscaling_list_enabled_flag==0もしくはtransform_skip_flag==1の場合)、上記で説明した非線形変換の変換基底を用いて、m[x][y]( = ScalingFactor[Log2(nTbW)][Log2(nTbH)][matrixId][x][y])から導出されたmSt[x][y]をm[x][y]に設定する。
m[x][y] = mSt[x][y]
以下、構成1で説明したように、スケーリング部31111は、上記m[x][y]、levelScale、rectNonTsFlag、qPからls[x][y]を導出し、ls[][]とTransCoeffLevelの積からdnc[][]を導出し、逆量子化を行う。クリップしてd[][]を導出する。
上記の構成3では、ローカルスケーリング行列lsMatrix[][]の代わりにローカルスケーリングファクタls[][]を利用するため処理を簡略化できる。また、ローカルスケーリングファクタls[][]を利用してスケーリングをする処理を、非線形変換を利用しない場合と共通にすることができる。また、上記の構成3でも構成2と同様、ピクチャ単位でmMatrix[][]を導出しておくことで、対象TUではスケーリング行列mMatrixからローカルスケーリングファクタls[][]を求めるだけで済むため、ローカルスケーリングファクタls[][]を導出するための処理の複雑度を低減させることができる。
d[x][y]は、逆分離変換部31123もしくは逆非分離変換部31121に伝送される。逆非分離変換部(第2の変換部)31121は、逆量子化の後、分離変換の前に、変換係数d[ ][ ]に対して非分離変換を適用する。
逆非分離変換部31121は、スケーリング部31111から受信した変換係数d[ ][ ]の一部もしくは全てに対して、変換行列を用いた変換を適用することにより、修正変換係数(非分離変換部による変換係数)d[ ][ ]を復元する。逆非分離変換部31121は、変換ユニットTU毎に所定の単位の変換係数d[ ][ ]に対して逆非分離変換を適用する。非分離変換は、イントラCUにおいてのみ適用され、変換基底はイントラ予測モードIntraPredModeを参照して決定される。変換基底の選択については後述する。逆非分離変換部31121は、復元された修正変換係数d[ ][ ]を逆分離変換部31123に出力する。
分離変換部31123は、変換係数d[ ][ ]、又は逆非分離変換部31121によって復元された修正変換係数d[ ][ ]を取得して、変換を行い予測誤差r[][]を導出する。そして、r[][]に対し、ビットデプス(bitDepth)に応じたスケーリングを行い、予測画像生成部308で導出される予測画像と同じ精度の誤差resSamples[][]を導出する。例えば、スケーリングは以下で表現される。
resSamples[x][y] = (r[x][y] + (1 << (bdShift - 1))) >> bdShift (式BD-1)
bdShift = Max(20 - bitDepth, 0)
この演算では、20bitの精度のr[][]から、シフト演算により、bitDepth精度のresSamples[][]を得る。なお、精度を示す値は20に限定されず、8から24の間の他の値を用いてもよい(以下同様)。bitDepthに応じたスケーリングは、ビットデプススケール部(図示せず)を設けて実施してもよい。導出された誤差は加算部312に出力される。
以上のように本実施形態に係る動画像復号装置31は、変換ユニット毎に変換係数を逆変換するものであって、復号した変換係数をスケーリングするスケーリング部31111と、スケーリング部31111によってスケーリングされた変換係数に対して逆非分離変換を適用する逆非分離変換部31121と、逆非分離変換部31121によって変換された変換係数、もしくは、スケーリング部31111によってスケーリングされた変換係数に対して逆分離変換を適用する逆分離変換部31123と、を備え、スケーリング部31111は、逆非分離変換部31121によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うものである。
これにより、非分離変換を行う場合でも、行わない場合でも適切なスケーリングリストを用いてスケーリング処理を行うことができる。よって、非分離変換の有無に関わらず、スケーリング処理による利点、すなわち、高周波数成分をより小さくして、主観画質の低下を抑えながら符号化レートを削減する、高周波数成分と低周波数成分との比率、水平成分、垂直成分、斜め成分の比率を調整して画質を調整するということを行うことができる。
また、非分離変換の有無に応じて、スケーリング処理を複数に分ける必要がないので、スケーリング処理を複数に分ける場合と比較して、処理を容易にすることができるとともに、遅延を発生させることもない。さらに、複数回のスケーリング処理を行う場合と比較して精度も高くすることができる。
また、本実施形態に係る動画像復号装置31は、逆非分離変換部31121による非分離変換が適用される場合、スケーリング部31111で用いるスケーリングリスト(スケーリングファクタ)を導出する非分離変換用スケーリングリスト導出部31125を備え、スケーリング部31111は、非分離変換用スケーリングリスト導出部31125が導出したスケーリングリスト(スケーリングファクタ)を用いてスケーリングを行う。
次に図16を参照して、逆量子化・逆変換部311における処理の流れを説明する。図16は、逆量子化・逆変換部311における処理の流れを示すフローチャートである。
図16に示すように、逆量子化・逆変換部311における処理では、まず、S1001においてスケーリング部31111が、ScalingFactor[][]、又は、スケーリングリストを用いて量子化変換係数qd[][]に対しスケーリング処理を行い、変換係数d[][]を出力する。ScalingFactor[][]はスケーリングリスト復号部3026によって導出されたマトリックス、スケーリングリストは非分離変換用スケーリングリスト導出部31125によって導出されたマトリックスである。S1001の詳細については後述する。
次に、S1002において、逆量子化・逆変換部311は、逆分離変換を行うか否か(stIdx !=0か否か)を判断し、逆分離変換を行うのであれば(S1002でYES)、変換係数d[][]に対し、逆非分離変換部31121は逆非分離変換を行い、修正変換係数d[][]を出力する。
次に、S1003において、逆非分離変換部31121による修正変換係数d[][]、又は逆分離変換を行わない場合(S1002でNO)、スケーリング部31111による変換係数d[][]に対し、逆分離変換部31123は逆分離変換を行い、予測誤差r[][]を導出する。
次に図17を参照して、S1001のスケーリング処理の詳細について説明する。図17はスケーリング処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図17に示すように、スケーリング処理では、まず、S101において、逆量子化・逆変換部311は「非分離変換を行うか否か」(stIdx !=0か否か)、かつ「スケーリングリストが有効か否か」(scaling_list_enabled_flag=1か否か)を判断する。
「非分離変換を行い」、かつ「スケーリングリストが有効」の場合(S101でYES)、S102において、非分離変換用スケーリングリスト導出部31125は、逆非分離変換が適用される場合のスケーリングリストを導出する。そして、スケーリング部31111は当該スケーリングリストを用いてスケーリングを行う(S106)。
一方、「非分離変換を行い」、かつ「スケーリングリストが有効」ではない場合(S101でNO)、逆量子化・逆変換部311は「スケーリングリストが有効か否か」を判断する(S103)。そして、「スケーリングリストが有効」の場合(S103でYES)、逆量子化・逆変換部311は、分離変換用のスケーリングリストを導出する(S104)。具体的には、スケーリングリスト復号部3026により導出されたスケーリングリストを分離変換のみが適用される場合のスケーリングリストとして用いる。そして、スケーリング部31111は当該スケーリングリストを用いてスケーリングを行う(S106)。
また、「スケーリングリストが有効」でない場合(S103でNO)、逆量子化・逆変換部311は、デフォルトのスケーリングリストを導出する(S105)。具体的には、予め定められたスケーリングリスト(全ての要素が同じ数値(例えば16)のスケーリングリスト)を用いる。そして、スケーリング部31111は当該スケーリングリストを用いてスケーリングを行う(S106)。
なお、本願は図17のフローチャートに限定されない。例えば、逆量子化・逆変換部311は最初にスケーリングリストが有効か否かを判定する。スケーリングリストが有効な場合、逆量子化・逆変換部311は非分離変換を行うか否かを判定してもよい。
(非分離変換用スケーリングリスト導出部31125の詳細)
非分離変換用スケーリングリスト導出部31125は、以下の処理により非分離変換用スケーリングリストを導出する。
従来、スケーリングリストを用いてスケーリング処理を行う利点は、高周波数成分をより小さくして、主観画質の低下を抑えながら符号化レートを削減できる、高周波数成分と低周波数成分との比率、水平成分、垂直成分、斜め成分の比率を調整して画質を調整することができる、という点にある。これは、空間周波数の性質を持つ分離変換係数に対して、スケーリングリストを用いたスケーリング処理を適用すること得られる効果である。
したがって、非分離変換を行う場合、非分離変換された変換係数(非分離変換係数)に対して従来のスケーリングリストを適用してスケーリング処理を行ったとしても、上述の効果を得ることはできない。非分離変換された変換係数(非分離変換係数)は空間周波数としての性質を有していないためである。
ただし、非分離変換を考慮してスケーリングリストを設計した場合、非分離変換係数に対し、1回のスケーリング処理で適用するスケーリングリストを導出することは可能と考えられる。
より詳細には、従来の逆非分離変換、スケーリング、逆分離変換の結果と、本発明のスケーリング、逆非分離変換、分離変換の結果とが同じであればよい。つまり、(1)従来の逆非分離変換、スケーリングの結果と、(2)本発明のスケーリング、逆非分離変換の結果とが同じになるようなスケーリングリストを導出すればよい。このようにすることで、上述した効果を奏しつつ、非分離変換係数に対しスケーリング処理を行うことが可能となる。
具体的には以下の通りである。
スケーリング処理における計算は量子化変換係数の係数毎にスケーリングリストの対応する値で計算する、具体的には、各係数にスケーリングリストの対応する値を乗算する。量子化変換係数のベクトルをdz1d、スケーリングリストlsを対角成分とする行列をlsMatとすると、スケーリング処理はlsMat*dz1dの行列積である。また、非分離変換の行列をsecTransMatrixとすると、非分離変換の処理はsecTransMatrix*dz1dである。
よって、(1)の非分離変換後にスケーリングする合成処理は下式で表せる。
lsMat*secTransMatrix*dz1d
(2)のスケーリング後に非分離変換後を行う合成処理は下式で表せる。
secTransMatri*lsMatrix*dz1d
ここで、lsMatrixは、非分離変換係数に対してスケーリングを行うための新スケーリングリスト(非分離変換用スケーリング行列)である。
上述したように、(1)と(2)とが等しければ、従来のスケーリング処理による効果を奏しつつ、非分離変換係数に対しスケーリング処理を行うことが可能である。(1)と(2)が等しい場合、下式で表せる。
lsMat*secTransMatrix*dz1d=secTransMatrix*lsMatrix*dz1d
上記式が全てのdz1dで成り立つには以下が成り立つ必要がある。
lsMat*secTransMatrix = secTransMatrix*lsMatrix
これを、lsMatrixに対して解くと、
lsMatrix = inv(secTransMatrix) * lsMat * secTransMatrix
ここでinv(secTransMatrix)は、逆行列である。secTransMatrixは直交行列の場合、その逆行列は転置行列と等しいため、以下でもよい。
lsMatrix = tr(secTransMatrix) * lsMat * secTransMatrix
上式を満たすスケーリングリストlsMatrixを用いて、非分離変換係数に対しスケーリング処理を行えば、上述した効果を奏することができる。
そして、非分離変換を行う場合、スケーリング部31111は、スケーリングリストlsMatrixを用いてスケーリング処理を行う(lsMatrix*dz1d)ことにより、適切にスケーリング処理を行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る非分離変換用スケーリングリスト導出部31125は、非分離変換が適用されない場合のスケーリングリストをmatS(例えばdiag(ls1d)、diag(m1d)、逆非分離変換部31121による非分離変換の処理に用いる変換基底をA、Aの転置行列をtr(A)としたとき、
tr(A)*matS*A
によりスケーリングリストを導出するものである。
(非分離変換及び逆非分離変換の説明)
非分離変換(第2の変換)は、動画像符号化装置11において、TUの分離変換(DCT2及びDST7等)後の一部又は全領域の変換係数に対して適用される。非分離変換では、変換係数に残る相関を除去しエネルギーを一部の変換係数に集中させる。逆非分離変換は、動画像復号装置31において、TUの一部又は全領域の変換係数に対して適用される。逆非分離変換が適用された後、逆非分離変換係数に対して、逆分離変換(DCT2及びDST7等)が適用される。また、TUを4x4のサブブロックに分割した場合において、左上の所定のサブブロックのみに非分離変換及び逆非分離変換が適用される。TUの幅W、高さHのうち、一方が4であるTUのサイズは、例えば、4×4、8×4、4×8、L×4及び4×L(Lは16以上の自然数)が挙げられる。
非分離変換及び逆非分離変換では、TUのサイズ及びイントラ予測モード(IntraPredMode)に応じて以下の処理を行う。以下、逆非分離変換の処理を順に説明する。
図18は、非分離変換を説明する図である。図では8x8のTUについて、S2の処理で、4x4の領域の変換係数d[][]をnonZeroSizeの1次元配列u[]に格納し、S3の処理で1次元配列u[]から1次元配列v[]に変換し、最後にS4の処理でd[][]に再度格納する処理を示す。
(S1:変換サイズ及び入出力サイズの設定)
逆非分離変換では、TUのサイズ(幅W, 高さH)に応じて、逆非分離変換のサイズ(4x4又は8x8)、出力の変換係数の数(nStOutSize)、適用する変換係数(入力の変換係数)の数nonZeroSize及び逆非分離変換を適用するサブブロックの数(numStX, numStY)を導出する。4x4、8x8の逆非分離変換のサイズをnStSize=4、8で示す。また、4x4、8x8の逆非分離変換のサイズは、各々RST4x4、RST8x8と呼んでもよい。
逆非分離変換では、TUが所定のサイズ以上の場合、RST8x8の逆非分離変換により、48の変換係数を出力する。それ以外の場合、RST4x4の逆非分離変換により、16の変換係数を出力する。TUが4x4の場合、8の変換係数からRST4x4を用いて16の変換係数を導出し、TUが8x8の場合には、8の変換係数からRST8x8を用いて48の変換係数を導出する。それ以外の場合には、TUのサイズに応じて16の変換係数から16もしくは48の変換係数を出力する。
W及びHが両方とも8以上の場合、log2StSize = 3、nStOutSize=48
上記以外の場合、log2StSize = 2、nStOutSize=16
nStSize = 1<<log2StSize
W及びHが両方とも4の場合、又は8x8の場合、nonZeroSize = 8
上記以外の場合、nonZeroSize = 16
numStX = (nTbH == 4 && nTbW > 8) ? 2 : 1
numStY = (nTbW == 4 && nTbH > 8) ? 2 : 1
(S2:1次元信号に並び替え)
逆非分離変換では、TUの一部の変換係数d[][]を一度、1次元配列u[]に並び替えて処理する。具体的には、逆非分離変換では、図12の点線の矩形ブロックである領域RUによって示される対象TUの2次元の変換係数d[][]から、x = 0.. nonZeroSize-1の変換係数を参照して、u[]を導出する。xC, yCはTU上の位置であり、スキャン順を示す配列DiagScanOrderとサブブロック中の変換係数の位置xから導出する。
xC = (xSbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][0]
yC = (ySbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][1]
u[x] = d[ xC ][ yC ]
なお、1次元配列にコピーされる範囲を領域RUと呼ぶ。
(S3:変換処理の適用)
逆非分離変換では、長さがnonZeroSizeのu[]に対して、第1種の変換基底(行列)T1を用いた変換を行い、出力として長さがnStOutSizeの一次元配列の係数v'[]を導出する。
ここで、変換サイズが4x4の場合(RST4x4)の変換基底を第1種の変換基底T1と呼ぶ。変換サイズが8x8の場合(RST8x8)の変換基底を第2種の変換基底T2と呼ぶ。
具体的には、逆非分離変換では、イントラ予測モードIntraPredModeから導出される非分離変換のセット番号(stTrSetId)と、符号化データから復号される非分離変換の変換基底を示すstIdxと、非分離変換サイズnStSize(nTrS)から、対応する変換マトリックスsecTranMatrix[][](変換基底T1 or T2)とを導出する。さらに、逆非分離変換では、以下の式に示すように、変換マトリックスと一次元変数u[]との積和演算を行う。
v[i] = Clip3( CoeffMin, CoeffMax,ΣsecTransMatrix[i][j]*u[j])
ここで、Σはj=0..nonZeroSize-1までの和である。また、iは0..nStSize-1に対して処理を行う。CoeffMin、CoeffMaxは変換係数の値の範囲を示す。
(S4:変換処理後の1次元信号の2次元配置)
逆非分離変換では、変換された一次元配列の係数v'[]を再度TU内の所定の位置に配置する。
RST4x4の場合には、長さ16の係数v'[]を4×4サブブロックとしてTU内に配置する。得られたTUは逆分離変換される。配置方法は、イントラ予測モード(イントラ予測方向)に応じて、変更してもよい。
具体的には、PredModeIntra <= 34の場合、逆非分離変換では以下の処理を適用してもよい。
d[x][y] =
(y<4) ? v[x+(y<<log2StSize)] : ((x<4) ? v[32+x+((y-4)<<2)] : d[x][y])
それ以外の場合、逆非分離変換では以下の式を適用する。
d[x][y] =
(x<4) ? v[y+(x<<log2StSize)] : ((y<4) ? v[32+y+((x-4) << 2)] : d[x][y])
(逆分離変換部31123)
逆分離変換部31123は、逆非分離変換部31121による変換後の係数(変換係数)に対して逆分離変換を適用する。逆分離変換部31123は、逆非分離変換部31121によって変換された変換係数が、スケーリング部31111によるスケーリング後の係数(変換係数)に対して、逆分離変換を適用してもよい。逆分離変換部31123は、垂直方向、水平方向の2回の1次元変換を行う手段であり、通例は変換部と呼ばれる。なお、逆分離変換部31123は、垂直方向、水平方向の一方又は両方をスキップし、変換係数の大きさ変換(スケーリング)のみをする場合を備えていてもよい。
逆分離変換部31123は、垂直方向1次元変換により、修正変換係数d[ ][ ](例えば逆非分離変換係数)を中間値e[ ][ ]に変換し、中間値e[ ][ ]をクリップする。逆分離変換部31123は、中間値g[ ][ ]を予測残差r[ ][ ]に変換し、予測残差r[ ][ ]は加算部312に送られる。
より具体的には、逆分離変換部31123は、以下の式で第1の中間値e[ x ][ y ]を導出する。
e[ x ][ y ] = Σ (transMatrix[ y ][ j ]×d[ x ][ j ]) (j = 0..nTbS - 1)
ここで、transMatrix[ ][ ](=transMatrixV [ ][ ])は、trTypeVerを用いて導出したnTbS × nTbSの行列で表された変換基底である。nTbSはTUの高さnTbHである。trType==0のDCT2の4x4変換(nTbS=4)の場合には、例えばtransMatrix ={{29, 55, 74, 84}{74, 74, 0, -74}{84, -29, -74, 55}{55, -84, 74, -29}}を用いる。Σの記号は、 j = 0.. nTbS - 1までの添え字jについて、行列transMatrix[ y ][ j ]と変換係数d[ x ][ j ]の積を加算する処理を意味する。つまり、e[ x ][ y ]は、d[ x ][ y ]の各列(column)であるd[ x ][ j ](j = 0.. nTbS - 1)からなるベクトルx[ j ] (j = 0.. nTbS - 1)と行列の要素transMatrix[ y ][ j ] の積から得られる列を並べて得られる。
逆分離変換部31123は、以下の式で、第1の中間値e[ x ][ y ]をクリップし、第2の中間値g[ x ][ y ]を導出する。
g[ x ][ y ] = Clip3( coeffMin, coeffMax, ( e[ x ][ y ] + 64 ) >> 7 )
上式の64、7は変換基底のビット深度から決まる数値で、上式では変換基底を7bitと仮定している。またcoeffMin、coeffMaxはクリッピングの最小値と最大値である。
逆分離変換部31123は、trTypeHorを用いて導出したnTbS × nTbSの行列で表された変換基底transMatrix[ ][ ] (=transMatrixH [ ][ ])である。nTbSはTUの高さnTbHである。水平変換部152123は、水平方向1次元変換により、中間値g[ x ][ y ]を予測残差r[ x ][ y ]に変換する。
r[ x ][ y ] =Σ transMatrix[ x ][ j ]×g[ j ][y ] (j = 0..nTbS - 1)
上記記号Σは、 j = 0.. nTbS - 1までの添え字jについて、行列transMatrix[ x ][j]とg[j][ y ]の積を加算する処理を意味する。つまり、r[ x ][ y ]は、g[ x ][ y ]の各行(row)であるg[ j ][ y ](j = 0.. nTbS - 1)と行列transMatrixの積から得られる行を並べて得られる。
加算部312は、予測画像生成部308から入力されたブロックの予測画像と逆量子化・逆変換部311から入力された予測誤差を画素毎に加算して、ブロックの復号画像を生成する。加算部312はブロックの復号画像を参照ピクチャメモリ306に記憶し、また、ループフィルタ305に出力する。
〔変形例〕
上述した実施形態では、非分離変換処理を行うか否かにより、スケーリング部31111がスケーリング処理に用いるスケーリングリストを切り替える構成を説明した。
本変形例では、上述の実施形態に加え、変換ユニットのサイズに応じて、非分離変換用の有無を切り替える。従って、変換ユニットのサイズに応じて、非分離変換用のスケーリングリストの導出は行わない場合がある。非分離変換用スケーリングリストは、16×16の行列となるため、変換ユニットのサイズが小さいと、スケーリングにおいて1画素当たりの乗算回数が増えてしまう。そのため、変換ユニットのサイズが小さい場合に、非分離変換を行わないことにより、計算量を削減することができる。
(変形例1)
変形例1として、変換ユニットのサイズが4×4の場合、非分離変換用のスケーリングリストは導出しない、すなわち、非分離変換用スケーリングリストを用いたスケーリング処理は行わない。
(変形例2)
変換ユニットのサイズが所定値よりも大きい、すなわち、幅×高さ>所定値th(例えば64)の場合に、非分離変換用のスケーリングリストを導出する、すなわち、非分離変換用スケーリングリストを用いたスケーリング処理を行う。図19に、この場合の処理の流れを示す。
図19に示すように、本変形例では図17に示すS101でYESの場合にS110に進む。S110では、逆量子化・逆変換部311は、変換ユニットサイズが幅(width)×高さ(height)>thを満たすか否かを判断し、満たす場合は(S110でYES)S101に進み、満たさない場合は(S110でNO)S105に進む。
以上のように、本変形例に係る動画像復号装置の非分離変換用スケーリングリスト導出部31125は、変換ユニットのサイズが所定サイズより大きい場合、例えば、高さ×幅が64よりも大きい場合、スケーリングリストを導出するものである。
(動画像符号化装置の構成)
次に、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成について説明する。図12は、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成を示すブロック図である。動画像符号化装置11は、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、逆量子化・逆変換部105、加算部106、ループフィルタ107、予測パラメータメモリ(予測パラメータ記憶部、フレームメモリ)108、参照ピクチャメモリ(参照画像記憶部、フレームメモリ)109、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、エントロピー符号化部104を含んで構成される。
予測画像生成部101は画像Tの各ピクチャを分割した領域であるCU毎に予測画像を生成する。予測画像生成部101は既に説明した予測画像生成部308と同じ動作であり、説明を省略する。
減算部102は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値を、画像Tの画素値から減算して予測誤差を生成する。減算部102は予測誤差を変換・量子化部103に出力する。
変換・量子化部103は、減算部102から入力された予測誤差に対し、周波数変換によって変換係数を算出し、量子化によって量子化変換係数を導出する。変換・量子化部103は、量子化変換係数をエントロピー符号化部104及び逆量子化・逆変換部105に出力する。
変換・量子化部103は、分離変換部(第1の変換部、不図示)と、スケーリング部(不図示)と、非分離変換部(第2の変換部、不図示)と、を備えている。
分離変換部は、予測誤差に対して分離変換を適用する。非分離変換部は、分離変換係数に対して、非分離変換を適用する。スケーリング部は、非分離変換部による変換係数(非分離変換係数)に対して、スケーリングリストによるスケーリングを行う。これにより、スケーリングリストの各重みが分離変換係数値に対応するため、適切にスケーリングすることができる。結果として、非分離変換を好適に適用することができる。
動画像符号化装置11において適用する(順)非分離変換では、動画像復号装置31に適用する逆非分離変換の処理S1-S4を処理S1、S4、S3、S2の順で逆に適用する以外はほぼ等しい処理を行う。
処理S1において、非分離変換部は、非分離変換の入力及び出力が各々、長さnStOutSize及びnonZeroSizeとなる以外は、逆非分離変換部31121と同様の処理を行う。
処理S4において、非分離変換部は、TU内の所定の位置の変換係数d[][]から、nStOutSize(もしくはnStSize*nStSize)の一次元配列の係数v[]を導出する。
処理S3において、非分離変換部は、nStOutSizeの一次元配列の係数v[](ベクトルV)及び変換基底T[][]から、以下の変換により、nonZeroSizeの一次元係数u[](ベクトルF)を得る。
F=tr(T)×V
ここで、tr(T)はTの転置行列である。非分離変換部は、以下の式によって、一次元係数u[](ベクトルF)を導出してもよい。
F=Tinv×V
ここで、Tinvは、第1種の変換基底T1及び第2種の変換基底T2から構成される変換基底Tの逆行列である。なお、非分離変換部は、変換基底Tに対し、直交行列を用いることにより、変換基底Tのtr(T)をTinvとしてもよい。
なお、実際の処理では、Tは整数値の行列であるため、T×Tinv=I(単位行列)ではなく、単位行列の定数倍になる(T×Tinv=K2×I、K2は定数)。この場合、非分離変換部は、Tinvとして逆行列の定数倍の行列を用いるが、転置行列に関してはそのまま用いてもよい。
処理S2において、非分離変換部は、nonZeroSizeの一次元係数u[]を2次元配列に並べ変えて、変換係数d[][]を導出する。
xC = (xSbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][0]
yC = (ySbIdx<<log2StSize) + DiagScanOrder[log2StSize][log2StSize][x][1]
d[ xC ][yC ] = u[x]
逆量子化・逆変換部105は、動画像復号装置31における逆量子化・逆変換部311(図10)と同じであり、説明を省略する。算出した予測誤差は加算部106に出力される。
エントロピー符号化部104には、変換・量子化部103から量子化変換係数が入力され、パラメータ符号化部111から符号化パラメータが入力される。符号化パラメータは、例えば、predModeである。
エントロピー符号化部104は、分割情報、予測パラメータ、量子化変換係数等をエントロピー符号化して符号化ストリームTeを生成し、出力する。
パラメータ符号化部111は、図示しないヘッダ符号化部1110、CT情報符号化部1111、CU符号化部1112(予測モード符号化部)、及びインター予測パラメータ符号化部112とイントラ予測パラメータ符号化部113を備えている。CU符号化部1112はさらにTU符号化部1114を備えている。
以下、各モジュールの概略動作を説明する。パラメータ符号化部111はヘッダ情報、分割情報、予測情報、量子化変換係数等のパラメータの符号化処理を行う。
CT情報符号化部1111は、符号化データからQT、MT(BT、TT)分割情報等を符号化する。
CU符号化部1112はCU情報、予測情報、TU分割フラグ、CU残差フラグ等を符号化する。
TU符号化部1114は、TUに予測誤差が含まれている場合に、QP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を符号化する。
CT情報符号化部1111、CU符号化部1112は、インター予測パラメータ、イントラ予測パラメータ(intra_luma_mpm_flag、intra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder)、量子化変換係数等のシンタックス要素をエントロピー符号化部104に供給する。
(イントラ予測パラメータ符号化部113の構成)
イントラ予測パラメータ符号化部113は、符号化パラメータ決定部110から入力されたIntraPredModeから、符号化するための形式(例えばintra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_remainder等)を導出する。イントラ予測パラメータ符号化部113は、イントラ予測パラメータ復号部304がイントラ予測パラメータを導出する構成と、一部同一の構成を含む。
図13は、パラメータ符号化部111のイントラ予測パラメータ符号化部113の構成を示す概略図である。イントラ予測パラメータ符号化部113は、パラメータ符号化制御部1131、輝度イントラ予測パラメータ導出部1132、色差イントラ予測パラメータ導出部1133とを含んで構成される。
パラメータ符号化制御部1131には、符号化パラメータ決定部110からIntraPredModeY及びIntraPredModeCが入力される。パラメータ符号化制御部1131はMPM候補リスト導出部30421のmpmCandList[]を参照して、intra_luma_mpm_flagを決定する。そして、intra_luma_mpm_flagとIntraPredModeYを、輝度イントラ予測パラメータ導出部1132に出力する。また、IntraPredModeCを色差イントラ予測パラメータ導出部1133に出力する。
輝度イントラ予測パラメータ導出部1132は、MPM候補リスト導出部30421(候補リスト導出部)と、MPMパラメータ導出部11322と、非MPMパラメータ導出部11323(符号化部、導出部)とを含んで構成される。
MPM候補リスト導出部30421は、予測パラメータメモリ108に格納された隣接ブロックのイントラ予測モードを参照して、mpmCandList[]を導出する。MPMパラメータ導出部11322は、intra_luma_mpm_flagが1の場合に、IntraPredModeYとmpmCandList[]からintra_luma_mpm_idxを導出し、エントロピー符号化部104に出力する。非MPMパラメータ導出部11323は、intra_luma_mpm_flagが0の場合に、IntraPredModeYとmpmCandList[]からRemIntraPredModeを導出し、intra_luma_mpm_remainderをエントロピー符号化部104に出力する。
色差イントラ予測パラメータ導出部1133は、IntraPredModeYとIntraPredModeCからintra_chroma_pred_modeを導出し、出力する。
加算部106は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値と逆量子化・逆変換部105から入力された予測誤差を画素毎に加算して復号画像を生成する。加算部106は生成した復号画像を参照ピクチャメモリ109に記憶する。
ループフィルタ107は加算部106が生成した復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFを施す。なお、ループフィルタ107は、必ずしも上記3種類のフィルタを含まなくてもよく、例えばデブロッキングフィルタのみの構成であってもよい。
予測パラメータメモリ108は、符号化パラメータ決定部110が生成した予測パラメータを、対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
参照ピクチャメモリ109は、ループフィルタ107が生成した復号画像を対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
符号化パラメータ決定部110は、符号化パラメータの複数のセットのうち、1つのセットを選択する。符号化パラメータとは、上述したQT、BTあるいはTT分割情報、予測パラメータ、あるいはこれらに関連して生成される符号化の対象となるパラメータである。予測画像生成部101は、これらの符号化パラメータを用いて予測画像を生成する。
符号化パラメータ決定部110は、複数のセットの各々について情報量の大きさと符号化誤差を示すRDコスト値を算出する。符号化パラメータ決定部110は、算出したコスト値が最小となる符号化パラメータのセットを選択する。これにより、エントロピー符号化部104は、選択した符号化パラメータのセットを符号化ストリームTeとして出力する。符号化パラメータ決定部110は決定した符号化パラメータを予測パラメータメモリ108に記憶する。
以上のように、本実施形態に係る動画像符号化装置11は、変換ユニット毎に変換係数を変換するものであって、予測誤差に分離変換を適用する分離変換部と、分離変換部によって変換された変換係数に対して非分離変換を適用する非分離変換部と、分離変換部によって変換された変換係数、もしくは非分離変換部によって変換された変換係数をスケーリングするスケーリング部と、を備え、スケーリング部は、非分離変換部によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うものである。
なお、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、例えば、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、予測画像生成部308、逆量子化・逆変換部311、加算部312、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化・逆変換部105、ループフィルタ107、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、動画像符号化装置11、動画像復号装置31の何れかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。動画像符号化装置11、動画像復号装置31の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
〔応用例〕
上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31は、動画像の送信、受信、記録、再生を行う各種装置に搭載して利用することができる。なお、動画像は、カメラ等により撮像された自然動画像であってもよいし、コンピュータ等により生成された人工動画像(CG及びGUIを含む)であってもよい。
まず、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の送信及び受信に利用できることを、図2を参照して説明する。
図2には、動画像符号化装置11を搭載した送信装置PROD_Aの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、送信装置PROD_Aは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_A1と、符号化部PROD_A1が得た符号化データで搬送波を変調することによって変調信号を得る変調部PROD_A2と、変調部PROD_A2が得た変調信号を送信する送信部PROD_A3と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_A1として利用される。
送信装置PROD_Aは、符号化部PROD_A1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像するカメラPROD_A4、動画像を記録した記録媒体PROD_A5、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_A6、及び、画像を生成又は加工する画像処理部A7を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを送信装置PROD_Aが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_A5は、符号化されていない動画像を記録したものであってもよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化された動画像を記録したものであってもよい。後者の場合、記録媒体PROD_A5と符号化部PROD_A1との間に、記録媒体PROD_A5から読み出した符号化データを記録用の符号化方式に従って復号する復号部(不図示)を介在させるとよい。
また、図2には、動画像復号装置31を搭載した受信装置PROD_Bの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、受信装置PROD_Bは、変調信号を受信する受信部PROD_B1と、受信部PROD_B1が受信した変調信号を復調することによって符号化データを得る復調部PROD_B2と、復調部PROD_B2が得た符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_B3と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_B3として利用される。
受信装置PROD_Bは、復号部PROD_B3が出力する動画像の供給先として、動画像を表示するディスプレイPROD_B4、動画像を記録するための記録媒体PROD_B5、及び、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_B6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを受信装置PROD_Bが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_B5は、符号化されていない動画像を記録するためのものであってもよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化されたものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_B3と記録媒体PROD_B5との間に、復号部PROD_B3から取得した動画像を記録用の符号化方式に従って符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
なお、変調信号を伝送する伝送媒体は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、変調信号を伝送する伝送態様は、放送(ここでは、送信先が予め特定されていない送信態様を指す)であってもよいし、通信(ここでは、送信先が予め特定されている送信態様を指す)であってもよい。すなわち、変調信号の伝送は、無線放送、有線放送、無線通信、及び有線通信の何れによって実現してもよい。
例えば、地上デジタル放送の放送局(放送設備等)/受信局(テレビジョン受像機等)は、変調信号を無線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。また、ケーブルテレビ放送の放送局(放送設備等)/受信局(テレビジョン受像機等)は、変調信号を有線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。
また、インターネットを用いたVOD(Video On Demand)サービスや動画共有サービス等のサーバ(ワークステーション等)/クライアント(テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)は、変調信号を通信で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である(通常、LANにおいては伝送媒体として無線又は有線の何れかが用いられ、WANにおいては伝送媒体として有線が用いられる)。ここで、パーソナルコンピュータには、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、及びタブレット型PCが含まれる。また、スマートフォンには、多機能携帯電話端末も含まれる。
なお、動画共有サービスのクライアントは、サーバからダウンロードした符号化データを復号してディスプレイに表示する機能に加え、カメラで撮像した動画像を符号化してサーバにアップロードする機能を有している。すなわち、動画共有サービスのクライアントは、送信装置PROD_A及び受信装置PROD_Bの双方として機能する。
次に、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の記録及び再生に利用できることを、図3を参照して説明する。
図3には、上述した動画像符号化装置11を搭載した記録装置PROD_Cの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、記録装置PROD_Cは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_C1と、符号化部PROD_C1が得た符号化データを記録媒体PROD_Mに書き込む書込部PROD_C2と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_C1として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のように、記録装置PROD_Cに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ等のように、記録装置PROD_Cに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)やBD(Blu-ray Disc:登録商標)等のように、記録装置PROD_Cに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、記録装置PROD_Cは、符号化部PROD_C1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像するカメラPROD_C3、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_C4、動画像を受信するための受信部PROD_C5、及び、画像を生成又は加工する画像処理部PROD_C6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを記録装置PROD_Cが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、受信部PROD_C5は、符号化されていない動画像を受信するものであってもよいし、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを受信するものであってもよい。後者の場合、受信部PROD_C5と符号化部PROD_C1との間に、伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを復号する伝送用復号部(不図示)を介在させるとよい。
このような記録装置PROD_Cとしては、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ等が挙げられる(この場合、入力端子PROD_C4又は受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)。また、カムコーダ(この場合、カメラPROD_C3が動画像の主な供給源となる)、パーソナルコンピュータ(この場合、受信部PROD_C5又は画像処理部C6が動画像の主な供給源となる)、スマートフォン(この場合、カメラPROD_C3又は受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)等も、このような記録装置PROD_Cの一例である。
また、図3には、上述した動画像復号装置31を搭載した再生装置PROD_Dの構成を示したブロック図が示されている。図に示すように、再生装置PROD_Dは、記録媒体PROD_Mに書き込まれた符号化データを読み出す読出部PROD_D1と、読出部PROD_D1が読み出した符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_D2と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_D2として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDDやSSD等のように、再生装置PROD_Dに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSBフラッシュメモリ等のように、再生装置PROD_Dに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVDやBD等のように、再生装置PROD_Dに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、再生装置PROD_Dは、復号部PROD_D2が出力する動画像の供給先として、動画像を表示するディスプレイPROD_D3、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_D4、及び、動画像を送信する送信部PROD_D5を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを再生装置PROD_Dが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、送信部PROD_D5は、符号化されていない動画像を送信するものであってもよいし、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを送信するものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_D2と送信部PROD_D5との間に、動画像を伝送用の符号化方式で符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
このような再生装置PROD_Dとしては、例えば、DVDプレイヤ、BDプレイヤ、HDDプレイヤ等が挙げられる(この場合、テレビジョン受像機等が接続される出力端子PROD_D4が動画像の主な供給先となる)。また、テレビジョン受像機(この場合、ディスプレイPROD_D3が動画像の主な供給先となる)、デジタルサイネージ(電子看板や電子掲示板等とも称され、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、デスクトップ型PC(この場合、出力端子PROD_D4又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、ラップトップ型又はタブレット型PC(この場合、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、スマートフォン(この場合、ディスプレイPROD_D3又は送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)等も、このような再生装置PROD_Dの一例である。
(ハードウェア的実現及びソフトウェア的実現)
また、上述した動画像復号装置31及び動画像符号化装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)等を備えている。そして、本発明の実施形態の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記各装置に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)/MOディスク(Magneto-Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)/CD-R(CD Recordable)/ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory:登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類等を用いることができる。
また、上記各装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value-Added Network)、CATV(Community Antenna television/Cable Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成又は種類のものに限定されない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、BlueTooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上デジタル放送網等の無線でも利用可能である。なお、本発明の実施形態は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態は、画像データが符号化された符号化データを復号する動画像復号装置、及び、画像データが符号化された符号化データを生成する動画像符号化装置に好適に適用することができる。また、動画像符号化装置によって生成され、動画像復号装置によって参照される符号化データのデータ構造に好適に適用することができる。
31 動画像復号装置(画像復号装置)
301 エントロピー復号部
302 パラメータ復号部
3020 ヘッダ復号部
3026 スケ―リングリスト復号部
308 予測画像生成部
311 逆量子化・逆変換部
312 加算部
11 動画像符号化装置(画像符号化装置)
101 予測画像生成部
102 減算部
103 変換・量子化部
104 エントロピー符号化部
105 逆量子化・逆変換部
107 ループフィルタ
110 符号化パラメータ決定部
111 パラメータ符号化部
1110 ヘッダ符号化部
1111 CT情報符号化部
1112 CU符号化部
1114 TU符号化部
31111 スケーリング部
31121 逆非分離変換部
31123 逆分離変換部
31125 非分離変換用スケーリングリスト導出部

Claims (6)

  1. 変換ユニット毎に変換係数を逆変換する画像復号装置であって、
    復号した変換係数をスケーリングするスケーリング部と、
    前記スケーリング部によってスケーリングされた変換係数に対して逆非分離変換を適用する逆非分離変換部と、
    前記逆非分離変換部によって変換された変換係数、もしくは、前記スケーリング部によってスケーリングされた変換係数に対して逆分離変換を適用する逆分離変換部と、を備え、
    前記スケーリング部は、前記逆非分離変換部によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うことを特徴とする画像復号装置。
  2. 前記逆非分離変換部による非分離変換が適用される場合、前記スケーリング部で用いるスケーリングリストを導出する非分離変換用スケーリングリスト導出部を備え、
    前記スケーリング部は、前記非分離変換用スケーリングリスト導出部が導出したスケーリングリストを用いてスケーリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  3. 前記非分離変換用スケーリングリスト導出部は、非分離変換が適用されない場合のスケーリングリストの要素を対角成分とする行列をmatS、前記逆非分離変換部による非分離変換の処理に用いる変換基底をA、Aの転置行列をAtとしたとき、
    At*matS*A
    によりスケーリングリストを導出することを特徴とする請求項2に記載の画像復号装置。
  4. 前記非分離変換用スケーリングリスト導出部は、前記変換ユニットのサイズが所定サイズより大きい場合、前記スケーリングリストを導出することを特徴とする請求項2または3に記載の画像復号装置。
  5. 前記所定サイズは、高さ×幅が64であることを特徴とする請求項4に記載の画像復号装置。
  6. 変換ユニット毎に変換係数を変換する画像符号化装置であって、
    予測誤差に分離変換を適用する分離変換部と、
    前記分離変換部によって変換された変換係数に対して非分離変換を適用する非分離変換部と、
    前記分離変換部によって変換された変換係数、もしくは前記非分離変換部によって変換された変換係数をスケーリングするスケーリング部と、を備え、
    前記スケーリング部は、前記非分離変換部によって非分離変換が適用されるか否かにより異なるスケーリングリストを用いてスケーリングを行うことを特徴とする画像符号化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023112648A1 (ja) * 2021-12-14 2023-06-22 シャープ株式会社 動画像復号装置および動画像符号化装置

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