従来の自動倉庫においては、保管密度を大きくするために、大型で質量の大きなラックが使用されている。そこで、保管密度の低下を抑制しつつ、ラックを小型化又は軽量化することが望まれている。
本発明の第1の態様においては、架台が提供される。上記の架台は、例えば、上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部を側方又は下方から支持可能に構成される。上記の架台は、例えば、1以上のコンテナを側方又は下方から支持する可動式の支持部を有する。上記の架台は、例えば、支持部を動かすことで、(i)支持部が1以上のコンテナを支持し、1以上のコンテナの上下方向の移動が支持部により制限される状態と、(ii)支持部が1以上のコンテナを支持せず、1以上のコンテナの上下方向の移動が支持部により制限されない状態とを切り替える切替部を有する。上記の架台において、支持部は、予め定められた位置に配されたコンテナに力を作用させる作用部材を有してよい。上記の架台において、切替部は、1以上のコンテナの上下方向の移動を制限する制限位置、及び、制限を解除する解除位置の間で、作用部材を移動させる作用部材駆動部を有してよい。上記の架台は、複数の支柱を備えてよい。上記の架台において、支持部は、1以上のコンテナのうち、予め定められた位置に配されたコンテナに力を作用させて、1以上のコンテナを支持することで、1以上のコンテナが少なくとも下方向に移動することを制限し、1以上のコンテナの荷重を複数の支柱に伝達してよい。
本発明の第2の態様においては、架台が提供される。上記の架台は、例えば、物品を収容するコンテナを支持する。上記の架台は、例えば、複数の支柱を備える。上記の架台は、例えば、コンテナに力を作用させてコンテナを支持することで、コンテナが少なくとも下方向に移動することを制限し、コンテナの荷重を複数の支柱に伝達する制限部を備える。上記の架台において、上記の制限部は、例えば、予め定められた位置に配されたコンテナに力を作用させる作用部材を有する。上記の架台において、上記の制限部は、例えば、移動を制限する制限位置、及び、制限を解除する解除位置の間で、作用部材を移動させる作用部材駆動部を有する。上記の架台において、複数の支柱は、対向して配される第1支柱及び第2支柱を有してよい。上記の架台において、制限部は、コンテナの荷重を第1支柱に伝達する第1制限部を有してよい。上記の架台において、制限部は、コンテナの荷重を第2支柱に伝達する第2制限部を有してよい。上記の架台において、第1制限部及び第2制限部は、第1制限部の作用部材及び第2制限部の作用部材の間に配されたコンテナに力を作用させてコンテナを支持してよい。
上記の架台において、第1制限部の作用部材駆動部は、第1弾性体を含んでよい。第1弾性体の一方の端部は、第1支柱に結合されてよい。第1弾性体の他方の端部は、第1制限部の作用部材に結合されてよい。上記の架台において、第2制限部の駆動部は、第2弾性体を含んでよい。第2弾性体の一方の端部は、第2支柱に結合されてよい。第2弾性体の他方の端部は、第2制限部の作用部材に結合されてよい。上記の架台において、第1弾性体は、第1制限部の作用部材に、予め定められた第1閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、第1制限部の作用部材を、制限位置に配置してよい。上記の架台において、第1弾性体は、第1制限部の作用部材に、第1閾値よりも大きな外力が印加されている場合、第1制限部の作用部材を、解除位置に配置してよい。上記の架台において、第2弾性体は、第2制限部の作用部材に、予め定められた第2閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、第2制限部の作用部材を、制限位置に配置してよい。上記の架台において、第2弾性体は、第2制限部の作用部材に、第2閾値よりも大きな外力が印加されている場合、第2制限部の作用部材を、解除位置に配置してよい。
上記の架台において、第1制限部の作用部材駆動部は、第1弾性体を含んでよい。第1弾性体の一方の端部は、第1支柱に結合されてよい。第1弾性体の他方の端部は、第1制限部の作用部材に結合されてよい。上記の架台において、第2制限部の駆動部は、第2弾性体を含んでよい。第2弾性体の一方の端部は、第2支柱に結合されてよい。第2弾性体の他方の端部は、第2制限部の作用部材に結合されてよい。上記の架台において、第1弾性体は、第1制限部の作用部材に、予め定められた第1閾値よりも大きな外力が印加されている場合、第1制限部の作用部材を、制限位置に配置してよい。上記の架台において、第1弾性体は、第1制限部の作用部材に、第1閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、第1制限部の作用部材を、解除位置に配置してよい。上記の架台において、第2弾性体は、第2制限部の作用部材に、予め定められた第2閾値よりも大きな外力が印加されている場合、第2制限部の作用部材を、制限位置に配置してよい。上記の架台において、第2弾性体は、第2制限部の作用部材に、第2閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、第2制限部の作用部材を、解除位置に配置してよい。
本発明の第3の態様においては、搬送ロボットが提供される。上記の搬送ロボットは、例えば、物品を収容するコンテナを、第1位置及び第2位置の間で搬送する。第1位置及び第2位置の少なくとも一方には、例えば、1以上のコンテナを支持可能な架台が配される。上記の架台は、例えば、(i)単一のコンテナ、又は、(ii)上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部のコンテナに力を作用させて、当該コンテナが少なくとも下方向に移動することを制限する制限部を備える。上記の搬送ロボットは、例えば、少なくとも1つのコンテナを搭載可能な搭載部を備える。上記の搬送ロボットは、例えば、搭載部を上下方向に移動させる昇降部を備える。上記の搬送ロボットは、例えば、架台の制限部を動作させて制限を解除する解除部を備える。
上記の搬送ロボットにおいて、上記の制限部は、予め定められた位置に配されたコンテナに力を作用させる作用部材を有してよい。上記の制限部は、移動を制限する制限位置、及び、制限を解除する解除位置の間で、作用部材を移動させる作用部材駆動部を有してよい。上記の解除部は、(i)制限位置に配された作用部材に力を付与して、作用部材を解除位置に移動させてよい。上記の解除部は、(ii)作用部材駆動部に電力又は動力を付与して、作用部材駆動部を作動させ、制限位置に配された作用部材を解除位置に移動させてよい。上記の解除部は、(iii)作用部材駆動部に制御信号を送信して、作用部材駆動部を作動させ、制限位置に配された作用部材を解除位置に移動させてよい。
上記の搬送ロボットは、搬送ロボットの位置を推定する位置推定部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、搭載部に印加される荷重、又は、搭載部の移動量を検出する検出部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、昇降部の動作を制御する昇降制御部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、解除部の動作を制御する解除制御部を備えてよい。上記の搬送ロボットにおいて、昇降制御部は、位置推定部が推定した搬送ロボットの位置が、予め定められた第1条件を満足する場合、昇降部を制御して、搭載部を上方に移動させてよい。昇降制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、予め定められた第2条件を満足する場合、昇降部を制御して、搭載部の上方への移動を継続してよい。昇降制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、予め定められた第3条件を満足する場合、昇降部を制御して、搭載部の上方への移動を停止してよい。上記の搬送ロボットにおいて、解除制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、第2条件を満足する場合、解除部を制御して、制限を解除させてよい。解除制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、第3条件を満足する場合、解除部を制御して、制限を復帰させてよい。
上記の搬送ロボットは、搬送ロボットの位置を推定する位置推定部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、搭載部に印加される荷重、又は、搭載部の移動量を検出する検出部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、昇降部の動作を制御する昇降制御部を備えてよい。上記の搬送ロボットは、解除部の動作を制御する解除制御部を備えてよい。上記の搬送ロボットにおいて、昇降制御部は、位置推定部が推定した搬送ロボットの位置が、予め定められた第4条件を満足する場合、昇降部を制御して、搭載部を上方に移動させてよい。上記の搬送ロボットにおいて、昇降制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、予め定められた第5条件を満足する場合、昇降部を制御して、搭載部を下方に移動させてよい。上記の搬送ロボットにおいて、解除制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、第5条件を満足する場合、解除部を制御して、制限を解除させてよい。上記の搬送ロボットにおいて、解除制御部は、検出部が検出した荷重又は移動量が、予め定められた第6条件を満足する場合、解除部を制御して、制限を復帰させてよい。
本発明の第4の態様においては、コンテナが提供される。上記のコンテナは、例えば、物品を収容する。上記のコンテナは、例えば、物品が載置される底板を備える。上記のコンテナは、例えば、一方の端部が底板の外縁に接し、底板の一方の面の側に延伸する側壁を備える。上記のコンテナにおいて、例えば、側壁の他方の端部は、底板の法線方向に対して傾斜する傾斜部を有する。上記のコンテナにおいて、例えば、底板は、底板の他方の面の側に突出する凸部を有する。上記のコンテナにおいて、例えば、凸部の外縁部は、底板の一方の面の法線方向に対して傾斜する。上記のコンテナにおいて、例えば、側壁の傾斜部が底板の法線方向に対してなす角度と、凸部の外縁部が底板の法線方向に対してなす角度との差の絶対値は、予め定められた値よりも小さい。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1及び図2を用いて、自動倉庫100のシステム構成の概要が説明される。図1は、自動倉庫100の内部の一例を概略的に示す。図2は、自動倉庫100のシステム構成の一例を概略的に示す。
[自動倉庫100の概要]
図1に示されるとおり、本実施形態において、自動倉庫100は、1以上のコンテナ120と、1以上のラック130と、1以上の搬送車140とを備える。自動倉庫100は、1以上のピッキング装置150を備えてもよい。自動倉庫100は、管理サーバ160を備えてもよい。
また、図2に示されるとおり、搬送車140は、ラック130及びピッキング装置150の間でコンテナ120を搬送する搬送車242と、ピッキング装置150から、自動倉庫100の内部又は外部の他の場所に、コンテナ120を搬送する搬送車244とを含んでよい。搬送車242及び搬送車244は、同一の構成を有してもよく、異なる構成を有してもよい。
自動倉庫100は保管システムの一例であってよい。コンテナ120は、第1コンテナ、第2コンテナ又は第3コンテナの一例であってよい。ラック130は、架台の一例であってよい。搬送車140は、搬送ロボットの一例であってよい。管理サーバ160は、運転管理部の一例であってよい。搬送車242は、搬送ロボットの一例であってよい。搬送車244は、搬送ロボットの一例であってよい。コンテナ120は、上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一例であってよい。
本願明細書において、「1以上」という用語は、「1又は複数」を意味する。「上方」とは、当該方向が、鉛直方向上向きの場合だけでなく、当該方向と、鉛直方向とのなす角度が、90度未満である場合をも含む。当該方向と、鉛直方向とのなす角度は、60度以下であってもよく、45度以下であってもよく、30度以下であってもよい。「下方」とは、当該方向が、鉛直方向下向きの場合だけでなく、当該方向と、鉛直方向とのなす角度が、90度未満である場合をも含む。当該方向と、鉛直方向とのなす角度は、60度以下であってもよく、45度以下であってもよく、30度以下であってもよい。
本実施形態において、自動倉庫100は、1以上の物品を保管する。1以上の物品のそれぞれは、例えば、コンテナ120に収容された状態で保管される。
本実施形態において、自動倉庫100は、上下方向に積み上げられて、特定のラック130に保管される複数のコンテナ120を、当該特定のラック130に先に保管されたコンテナ120ほど上方に配され、下方に配されたコンテナ120ほど当該特定のラック130から先に取り出されるように保管する。なお、自動倉庫100においては、複数のラック130の間でコンテナ120を移動させることがある。そのため、上下方向に一列に積み上げられて、特定のラック130に保管される複数のコンテナ120において、時間的に先に自動倉庫100に入庫されたコンテナ120が、必ずしも、時間的に後に自動倉庫100に入庫されたコンテナ120よりも上方に配されないことに留意されたい。
本実施形態において、自動倉庫100の床10の上に、複数のラック130が、マトリクス状に設置される。複数のラック130のそれぞれは、一列に積み上げられた複数のコンテナ120を支持する。
複数のラック130のそれぞれは、例えば、上下方向に積み上げられた複数のコンテナ120の一部を側方又は下方から支持可能に構成される。一実施形態において、ラック130は、上下方向に積み上げられた複数のコンテナ120に含まれる単一のコンテナ120を、側方又は下方から支持可能に構成される。他の実施形態において、ラック130は、上下方向に積み上げられた複数のコンテナ120に含まれる少なくとも2つのコンテナ120を、側方又は下方から支持可能に構成される。
ラック130は、上記の一部のコンテナ120の側面に力を作用させることで、上記の複数のコンテナ120を支持してよい。ラック130は、上記の一部のコンテナ120の下面に力を作用させることで、上記の複数のコンテナ120を支持してよい。ラック130は、上記の一部のコンテナ120の側面及び下面に力を作用させることで、上記の複数のコンテナ120を支持してよい。
例えば、複数のラック130のそれぞれは、一列に積み上げられた複数のコンテナ120のうち、最下部に配されたコンテナ120を支持する。本実施形態によれば、一方のコンテナ120の開口部に、他方のコンテナ120の底部の一部がはめ込まれることで、一方のコンテナ120の上に、他方のコンテナ120が積み上げられる。
図2に示されるとおり、本実施形態において、複数のラック130のそれぞれの下方には空間が形成されている。例えば、床10と、ラック130に支持された1以上のコンテナ120のうち、最下部に配されたコンテナ120の下面との距離H22は、床10と、搬送車140に搭載された少なくとも1つのコンテナ120のうち、最上部に配されたコンテナ120の上面との距離H24よりも大きい。
これにより、搬送車140は、マトリクス状に配された複数のラック130の下を自在に走行して、一の位置と、他の位置との間で、コンテナ120を搬送することができる。例えば、搬送車242は、ラック130と、ピッキング装置150との間で、少なくとも1つのコンテナ120を搬送する。搬送車242は、一のラック130と、他のラック130との間で、少なくとも1つのコンテナ120を搬送してもよい。
一の位置は、第1位置及び第2位置の一方の一例であってよい。他の位置は、第1位置及び第2位置の他方の一例であってよい。
なお、本実施形態においては、マトリックス状に配された複数のラック130の下に、グリッド状の走行経路が形成される。しかしながら、走行経路の形状は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、列状に配された複数のラック130の下に、ライン状の走行経路が形成されてもよく、マトリックス状に配された複数のラック130の下に、ライン状の走行経路が複数個形成されてもよい。
図2に示されるとおり、本実施形態において、搬送車242は、コンテナ120を上下方向に移動させることができる。例えば、搬送車242は、ラック130の下を走行するときには、コンテナ120を比較的低い位置(走行位置と称される場合がある。)に維持する。一方、搬送車242は、コンテナ120をラック130に積み込んだり、ラック130からコンテナ120を取り出したりするときには、コンテナ120を上下に移動させる。
例えば、搬送車242は、下記の手順に従って、コンテナ120をラック130に積み込む。単一のラック130に一度に積み込まれるコンテナ120の数は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、ラック130が、1以上のコンテナ120を支持しており、搬送車140に搭載されている少なくとも1つのコンテナ120のうち、単一のコンテナ120が、ラック130に新たに積み込まれる場合を例として、コンテナ120がラック130に積み込まれる手順の一例が説明される。
まず、搬送車242は、コンテナ120を搭載した状態で、目的となるラック130の下方に進入する。次に、搬送車242は、搬送車242の位置を調整する。例えば、搬送車242は、ラック130に支持されている1以上のコンテナ120のうち、最下部に位置するコンテナ120(コンテナAと称される場合がある。)と、搬送車242に搭載されている少なくとも1つのコンテナ120のうち、最上部のコンテナ120(コンテナBと称される場合がある。)との水平方向の位置が合致するように、搬送車242の位置を微調整する。
次に、搬送車242は、搬送車242に搭載されたコンテナ120を上方に移動させて、コンテナA及びコンテナBを接触させる。その後、搬送車242は、搬送車242に搭載されたコンテナ120をさらに上方に移動させる。これにより、コンテナAの底部がコンテナBの開口部にはめ込まれる。また、ラック130に支持されている1以上のコンテナ120と、搬送車242に搭載された少なくとも1つのコンテナ120とが同時に上方に移動するようになる。コンテナBが所定の位置まで移動すると、搬送車242は、コンテナ120の移動を停止させる。また、ラック130が、コンテナBに力を作用させてコンテナBを支持する。その後、搬送車242は、残りのコンテナ120を走行位置まで下降させる。これにより、コンテナBがラック130に積み込まれ、ラック130の支持するコンテナ120の個数が増加する。
なお、本実施形態においては、搬送車242に搭載されている少なくとも1つのコンテナ120のうち、最上部のコンテナ120が、ラック130に新たに積み込まれる場合を例として、コンテナ120がラック130に積み込まれる手順の詳細が説明された。しかしながら、コンテナ120がラック130に積み込まれる手順は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、搬送車242に搭載されている少なくとも1つのコンテナ120のうち、上部に位置する複数のコンテナ120が、ラック130に新たに積み込まれてよい。この場合、搬送車242は、新たに積み込まれる複数のコンテナ120のうち、最下部に位置するコンテナ120(コンテナBXと称される場合がある。)が所定の位置に配されるまで、搬送車242に搭載されたコンテナ120を上昇させる。また、ラック130は、新たに積み込まれる複数のコンテナ120のうち、最下部に位置するコンテナ120に力を作用させて、当該コンテナを支持する。
コンテナAは、第1コンテナの一例であってよい。コンテナBは、第2コンテナの一例であってよい。コンテナBXは、第2コンテナの一例であってよい。
例えば、搬送車242は、下記の手順に従って、コンテナ120をラック130から取り出す。単一のラック130から一度に取り出されるコンテナ120の数は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、搬送車140がラック130からコンテナ120を取り出すとき、搬送車140は既に他のコンテナ120を搭載していてもよく、他のコンテナ120を搭載していなくてもよい。本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、コンテナ120を搭載していない搬送車140を用いて、ラック130に支持されている1以上のコンテナ120のうち、単一のコンテナ120が取り出される場合を例として、コンテナ120がラック130から取り出される手順の一例が説明される。
まず、搬送車242は、目的となるラック130の下方に進入する。次に、搬送車242は、搬送車242の位置を調整する。例えば、搬送車242は、ラック130に支持されている1以上のコンテナ120のうち、最下部に位置するコンテナ120(コンテナAと称される場合がある。)と、搬送車242の載置面との水平方向の位置が合致するように、搬送車242の位置を微調整する。
次に、搬送車242は、搬送車242の載置面がコンテナAを支持するまで、当該搭載面を上昇させる。この時点においては、ラック130も、コンテナAに力を作用させて、コンテナAを支持している。そのため、この状態において、搭載面が下降しても、コンテナAは下方に移動しない。そこで、搬送車242の搭載面がコンテナAを支持した後、ラック130は、コンテナAに作用させる力を減少させる。これにより、ラック130に支持されている1以上のコンテナ120が下方向に移動することができるようになる。
次に、搬送車242は、搭載面を下降させる。この時、搭載面が下降するに従って、ラック130に支持されていた1以上のコンテナ120も下方向に移動する。これにより、コンテナAがラック130から取り出され、ラック130の支持するコンテナ120の個数が減少する。
ここで、ラック130に支持されていた1以上のコンテナ120が、コンテナAと、コンテナAの上方に積み上げられた1以上のコンテナ120とを含む場合において、コンテナAの上方に積み上げられた1以上のコンテナ120の最下部に位置するコンテナ120(コンテナCと称される場合がある。)が所定の位置まで移動すると、搬送車242は、搭載面の下降を停止させる。また、ラック130が、コンテナCに力を作用させてコンテナCを支持する。ラック130がコンテナCを支持した後、搬送車242は、搭載面を走行位置まで下降させる。これにより、コンテナAがラック130から取り出され、ラック130の支持するコンテナ120の個数が減少する。
なお、本実施形態においては、ラック130に支持されていた1以上のコンテナ120が、コンテナAと、コンテナAの上方に積み上げられた1以上のコンテナ120とを含む場合において、ラック130からコンテナAが取り出された後、ラック130が、コンテナAの上方に積み上げられていた1以上のコンテナ120の最下部に位置するコンテナ120を支持する場合を例として、コンテナ120がラック130から取り出される手順の詳細が説明された。しかしながら、コンテナ120がラック130から取り出される手順は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、ラック130からコンテナAが取り出された後、ラック130は、コンテナAの上方に積み上げられていた1以上のコンテナ120のうち、任意のコンテナ120(コンテナCXと称される場合がある。)を支持してよい。これにより、一度に複数のコンテナ120がラック130から取り出される。
搬送車242の載置面は、搭載部の一例であってよい。コンテナCは、第3コンテナの一例であってよい。コンテナCXは、第3コンテナの一例であってよい。
本実施形態によれば、自動倉庫100は、ラック130の高さを超えた位置まで、コンテナ120を積み上げることができる。これにより、ラック130の内部にコンテナ120を収容する場合と比較して、ラック130の大きさ及び質量が大幅に低減される。例えば、ラック130の高さが、コンテナ120の数個分の高さに抑制され得る。また、本実施形態によれば、搬送車140が、コンテナ120を搭載した状態で、コンテナ120を支持しているラック130の下方を走行することができる。これにより、隣接する2つのラック130の間に、搬送車140の走行経路を設ける必要がなくなる。その結果、コンテナ120の保管密度が向上する。
[自動倉庫100の各部の概要]
本実施形態において、コンテナ120は、1以上の物品を収容する。コンテナ120の材質、形状及び大きさは、例えば、物品の保管効率及びハンドリングの容易性を考慮して決定される。コンテナ120の形状及び大きさは、特に制限されるものではないが、例えば、幅が20cm〜1mであり、高さが20cm〜1mであり、奥行が20cm〜1mである。
本実施形態において、ラック130は、1以上のコンテナ120を支持する。例えば、ラック130は、一列に積み上げられた複数のコンテナ120を支持してよい。ラック130は、例えば、1以上のコンテナ120の最下部に位置するコンテナ120に力を作用させて、当該最下部に位置するコンテナ120を支持する。ラック130は、ラック130がコンテナ120を支持している場合であっても、少なくとも1つのコンテナ120を搭載した搬送車140が、ラック130に支持されているコンテナ120の下方を走行することができるように、1以上のコンテナ120を支持してよい。例えば、ラック130がコンテナ120に力を作用させる位置は、図2に関連して説明された距離H22が距離H24よりも大きくなるように、設定される。
本実施形態において、搬送車140は、一の位置と、他の位置との間で、少なくとも1つのコンテナ120を搬送する。一実施形態において、搬送車140は、ラック130にコンテナ120を積み込む。他の実施形態において、搬送車140は、ラック130からコンテナ120を取り出す。
本実施形態において、ピッキング装置150は、一のコンテナ120と、他のコンテナ120との間で、物品を移載する。一実施形態において、ピッキング装置150は、搬送車242に搭載されたコンテナ120に収容されている物品を取り出し、当該物品を、搬送車244に搭載されたコンテナ120に収容する。他の実施形態において、ピッキング装置150は、搬送車244に搭載されたコンテナ120に収容されている物品を取り出し、当該物品を、搬送車242に搭載されたコンテナ120に収容する。
本実施形態において、管理サーバ160は、物品の保管状況を管理する。管理サーバ160は、自動倉庫100の各部を管理してもよい。例えば、管理サーバ160は、自動倉庫100の各部の状態を管理する。管理サーバ160は、管理サーバ160は、1以上の搬送車140のそれぞれの運転を管理してもよい。管理サーバ160は、1以上のラック130のそれぞれの運転を管理してもよい。
[自動倉庫100の各部の具体的な構成]
自動倉庫100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。自動倉庫100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。自動倉庫100の各部は、その少なくとも一部が、仮想サーバ上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。自動倉庫100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。自動倉庫100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
自動倉庫100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のプログラムを記憶してよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。
上記のプログラムは、コンピュータを、自動倉庫100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のプログラムは、自動倉庫100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータを自動倉庫100の各部として機能させたり、コンピュータに自動倉庫100の各部における情報処理方法を実行させたりする。上記のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、自動倉庫100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。上記のプログラムが実行されることにより、コンピュータが、自動倉庫100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。上記のプログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読み込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、自動倉庫100又はその一部の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じた自動倉庫100が構築される。
上記のプログラムは、コンピュータに、自動倉庫100又はその一部における情報処理方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記の情報処理方法は、ラック130及び搬送車140の少なくとも一方が、コンテナ120をラック130に積み込む方法であってよい。上記の情報処理方法は、ラック130及び搬送車140の少なくとも一方が、コンテナ120をラック130からコンテナ120を取り出す方法であってもよい。上記の情報処理方法は、管理サーバ160が、ラック130及び搬送車140の少なくとも一方を制御する方法であってもよい。
図3は、ラック130の一例を概略的に示す。本実施形態において、ラック130は、ラック本体320と、コンテナサポート340とを備える。本実施形態において、ラック本体320は、床10の上に設置され、コンテナ120の荷重を支える。コンテナ120の内部には、可動式のコンテナサポート340が配される。
ラック本体320は、複数の支柱の一例であってよい。コンテナサポート340は、制限部の一例であってよい。コンテナサポート340は、可動式の支持部の一例であってよい。
本実施形態において、コンテナサポート340は、コンテナ120を支持し、コンテナ120の荷重をラック本体320に伝達する。コンテナサポート340は、例えば、1以上のコンテナ120を側方又は下方から支持し、当該1以上のコンテナ120の荷重を、ラック本体320及び床10の少なくとも一方に伝達するよう構成される。
本実施形態によれば、コンテナサポート340の下端は、ラック本体320に回転可能に取り付けられる。コンテナサポート340が回転し、コンテナサポート340の上端が移動することで、コンテナサポート340は、コンテナ120を支持したり、コンテナ120を解放したりする。
本実施形態によれば、コンテナサポート340の上端が、コンテナ120の側面に形成された凹部302を支持する。しかしながら、コンテナサポート340がコンテナ120を支持する位置及び態様は、特に限定されない。一実施形態において、コンテナサポート340は、コンテナ120の底面、及び、コンテナ120の側面に形成された凸凹の少なくとも一方を吊り上げたり、押し上げたりすることで、コンテナ120に上向きの力を作用させて、コンテナ120を支持する。他の実施形態において、コンテナサポート340は、コンテナ120の側面を把持したり、挟み込んだりすることで、コンテナ120の側面に上向き又は横向きの力を作用させて、コンテナ120を支持する。ラック130の詳細は、後述される。
図4は、搬送車140の一例を概略的に示す。本実施形態において、搬送車140は、昇降テーブル420と、昇降装置440と、サポート操作部460とを備える。
昇降テーブル420は、搭載部の一例であってよい。昇降装置440は、昇降部の一例であってよい。サポート操作部460は、解除部の一例であってよい。
本実施形態において、昇降テーブル420は、少なくとも1つのコンテナ120を搭載可能に構成される。本実施形態によれば、一方のコンテナ120の開口部に、他方のコンテナ120の底部の一部がはめ込まれることで、一方のコンテナ120の上に、他方のコンテナ120が積み上げられる。そこで、昇降テーブル420の載置面に、コンテナ120の底部の一部がはめ込まれる凹部が形成されていてもよい。
本実施形態において、昇降装置440は、昇降テーブル420を上下方向に移動させる。これにより、搬送車140は、昇降テーブル420に搭載されたコンテナ120を上方向又は下方向に移動させることができる。
本実施形態において、サポート操作部460は、ラック130のコンテナサポート340を操作する。上述のとおり、コンテナサポート340は、コンテナ120を支持したり、コンテナ120を解放したりする。これにより、搬送車140は、任意のタイミングにおいて、目的とするコンテナ120を目的とするラック130に積み込んだり、目的とするラック130から目的とするコンテナ120を取り出したりすることができる。
図5は、コンテナ120の構造の一例を概略的に示す。図5は、コンテナ120を、コンテナ120の延伸方向に垂直な面で切断した場合の断面図の一例であってよい。本実施形態において、コンテナ120は、底板510と、側壁520とを備える。
本実施形態において、底板510は、コンテナ120の下部に位置する。底板510の一方の面の上には物品が載置される。本実施形態において、底板510は、底板510の他方の面の側に突出する凸部514を有する。凸部514の外縁部516は、底板510の一方の面の法線方向に対して傾斜していてよい。
本実施形態において、側壁520は、一方の端部が底板510の外縁512に接し、底板510の一方の面の側に延伸する。側壁520の他方の端部により、開口部560が形成される。これにより、コンテナ120の内部に物品を収容するための空間が形成される。
側壁520の他方の端部は、底板510の法線方向に対して傾斜する傾斜部546を有してよい。側壁520の厚さW54に対する、傾斜部546の厚さW52の比(W52/W54)は、例えば、搬送車140の位置及び姿勢の少なくとも一方の制御の精度、ラック130の製作精度、ラック130の据え付けの精度、並びに、コンテナ120の製作精度の少なくとも1つに基づいて決定される。傾斜部546が底板510の法線方向に対してなす角度は、例えば、コンテナ120の有効質量、コンテナ120同士の摩擦係数、コンテナ120と搬送車140との摩擦係数、及び、コンテナ120の昇降速度、コンテナ120の昇降速度の設定値の少なくとも1つに基づいて決定される。コンテナ120の昇降速度は、例えば、力覚センサなどの任意のセンサの出力に基づいて決定されてもよい。
側壁520の傾斜部546が底板510の法線方向に対してなす角度と、凸部514の外縁部516が底板510の法線方向に対してなす角度との差の絶対値は、予め定められた値よりも小さくてよい。これにより、複数のコンテナ120を積み上げた場合であっても、コンテナ120の崩壊が抑制される。また、側壁520が傾斜部546を有し、凸部514の外縁部516が傾斜しているので、一方のコンテナ120と、他方のコンテナ120との水平方向の位置が多少ずれている場合であっても、複数のコンテナ120を積み上げたときに、一方のコンテナ120の開口部560に、他方のコンテナ120の凸部514がはめ込まれる。その結果、搬送車140の位置決め精度に対する要求が低下し、コンテナ120の積み込み及び取り出しの効率が向上する。
本実施形態において、側壁520の外側の面には、凸部522及び凸部532が形成される。これにより、凹部302が形成される。コンテナサポート340は、凸部522の下面524及び凸部532の下面534の少なくとも一方に力を作用させることで、コンテナ120を支持することができる。
図6及び図7を用いて、ラック130の詳細が説明される。図6は、コンテナサポート340がコンテナ120を支持している状態における、ラック130の構造の一例を概略的に示す。図7は、コンテナサポート340がコンテナ120を解放し、搬送車140の昇降テーブル420がコンテナ120を支持している状態における、ラック130の構造の一例を概略的に示す。図6は、コンテナサポート340がコンテナ120を支持し、コンテナ120の上下方向の移動がコンテナサポート340により制限される状態の一例を概略的に示す。図7は、コンテナサポート340がコンテナ120を支持せず、コンテナ120の上下方向の移動がコンテナサポート340により制限されない状態の一例を概略的に示す。
本実施形態において、ラック130は、ラック本体320と、一対のコンテナサポート340とを備える。本実施形態において、ラック本体320は、基礎部622と、支柱624と、梁626とを有する。ラック本体320は、少なくとも、一対の基礎部622と、一対の支柱624と、梁626とを有してよい。図3に示されるように、ラック本体320は、4個の基礎部622と、4本の支柱624と、4本の梁626とを有してもよい。本実施形態において、一対のコンテナサポート340のそれぞれは、支持部材642と、取付部材644と、バネ646とを有してよい。
支持部材642は、作用部材及び制限部の一例であってよい。バネ646は、駆動部の一例であってよい。一対の支柱624の一方は、第1支柱及び第2支柱の一方の一例であってよい。一対の支柱624の他方は、第1支柱及び第2支柱の他方の一例であってよい。一対のコンテナサポート340の一方は、第1制限部及び第2制限部の一方の一例であってよい。一対のコンテナサポート340の他方は、第1制限部及び第2制限部の他方の一例であってよい。一対のバネ646の一方は、第1弾性体及び第2弾性体の一方の一例であってよい。一対のバネ646の他方は、第1弾性体及び第2弾性体の他方の一例であってよい。コンテナサポート340は、可動式の支持部の一例であってよい。バネ646は、切替部の一例であってよい。
本実施形態において、基礎部622は、ラック130が設置される床10と、複数の支柱624の少なくとも1つとの間に配され、当該少なくとも1つの支柱624を支持する。基礎部622は、支柱624を昇降させる支柱駆動部(図示されていない。)を有してもよい。支柱駆動部は、搬送車140又は管理サーバ160からの信号を受信して、支柱624を昇降させてよい。これにより、ラック130がコンテナ120を支持する位置を調整することができる。
本実施形態において、支柱624及び梁626は、コンテナ120の荷重を支える。梁626は、例えば、対向する一対の支柱624の間に配され、当該一対の支柱624を連結してよい。支柱624及び梁626は、コンテナ120が、ラック本体320の中央付近を上下方向に移動することができるように配置されてよい。
本実施形態において、梁626は、一対の支柱624の両方に固定される。しかしながら、梁626は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、梁626は、一方の支柱624に回転可能に取り付けられ、他方の支柱624に着脱自在に取り付けられていてもよい。また、一方の支柱624には、梁626を駆動する梁駆動部(図示されていない。)が配されていてもよい。梁駆動部は、搬送車140又は管理サーバ160からの信号を受信して、梁626を駆動してよい。これにより、多数のコンテナ120を搭載した搬送車140の走行の自由度が向上する。その結果、例えば、物品の搬入又は搬出の効率が向上する。
本実施形態において、支持部材642の一方の端部が、取付部材644を介して、支柱624に回転可能に取り付けられる。支持部材642は、取付部材644を介して、コンテナ120の荷重を支柱624に伝達してよい。支持部材642が、一方の端部を中心として回転することにより、支持部材642の上面652の位置が変動する。これにより、支持部材642は、コンテナ120を支持したり、コンテナ120を解放したりすることができる。その結果、コンテナ120の上下方向の移動が制限されたり、当該制限が解除されたりする。
一実施形態において、支持部材642は、予め定められた位置に配されたコンテナ120に力を作用させて、コンテナ120を支持する。これにより、支持部材642は、コンテナ120が少なくとも下方向に移動することを制限する。一方、支持部材642が移動すると、コンテナ120に作用する力が減少し、コンテナ120が解放され、コンテナ120が下方向に移動することが許容される。
他の実施形態において、支持部材642は、搬送車140の昇降テーブル420に搭載されたコンテナ120の移動経路の少なくとも一部を塞ぐ。これにより、コンテナ120が上方向に移動することを制限する。一方、支持部材642が移動すると、コンテナ120の移動経路が確保され、コンテナ120が上方向に移動することが許容される。
本実施形態において、取付部材644は、支持部材642の一方の端部を、支柱624に回転可能に取り付ける。これにより、支持部材642の上面652の位置が変動し得る。また、コンテナ120の荷重が支柱624に伝達し得る。
本実施形態において、バネ646は、支持部材642を駆動する。バネ646は、支持部材642がコンテナ120の移動を制限する制限位置と、支持部材642が当該制限を解除する解除位置との間で、支持部材642を駆動する。
本実施形態において、バネ646は、一方の端部が支柱624の内側に結合される。バネ646の他方の端部は、支持部材642に結合される。これにより、バネ646は、支持部材642を付勢することができる。本実施形態によれば、バネ646は、ラック130の外側から内側に向かって、支持部材642を付勢する。
本実施形態によれば、図6に示されるように、支持部材642に予め定められた閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、バネ646は、支持部材642を、上記の制限位置に配置する。この時、コンテナ120は、支持部材642に支持されている。
一方、図7において、搬送車140が昇降テーブル420を上昇させて、昇降テーブル420がコンテナ120を支持する。その後、搬送車140は、サポート操作部460を用いて、支持部材642を、ラック130の内側から外側に向かって押す。その結果、支持部材642は、取付部材644との接続点を中心に回転する。このように、支持部材642に予め定められた閾値よりも大きな外力が印加されている場合、バネ646は、支持部材642を、上記の解除位置に配置する。この時、コンテナ120は解放されており、上方向又は下方向に移動することが許容される。
なお、支持部材642の駆動方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、バネ646設置位置を調整することで、バネ646は、ラック130の内側から外側に向かって、支持部材642を付勢する。この場合、支持部材642に予め定められた閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、バネ646は、支持部材642を、上記の解除位置に配置してもよい。一方、支持部材642に予め定められた閾値よりも大きな外力が印加されている場合、バネ646は、支持部材642を、上記の制限位置に配置してもよい。
以上のとおり、バネ646は、コンテナサポート340を動かすことで、ラック130の状態を切り替えることができる。例えば、バネ646は、コンテナサポート340を動かすことで、ラック130がコンテナ120を支持する状態と、ラック130がコンテナ120を支持しない状態とを切り替える。また、バネ646は、コンテナサポート340を動かすことで、コンテナ120の状態を切り替えることができる。例えば、バネ646は、コンテナサポート340を動かすことで、コンテナ120の移動がコンテナサポート340により制限される状態と、コンテナ120の移動がコンテナサポート340により制限されない状態とを切り替える。
また、支持部材642を付勢する手段は、バネ646に限定されない。他の実施形態において、バネ646の代わりに、ゴムなどの弾性体が利用されてよい。さらに他の実施形態において、バランス調整用の重り、アクチュエータ、カム構造などが利用されてよい。
上述のとおり、本実施形態において、ラック130は、一対のコンテナサポート340を備える。一方のコンテナサポート340のバネ646のバネ定数と、他方のコンテナサポート340のバネ646のバネ定数とは、同一であってもよく、異なってもよい。
一方のコンテナサポート340に関する上記の閾値は、第1閾値及び第2閾値の一方の一例であってよい。他方のコンテナサポート340に関する上記の閾値は、第1閾値及び第2閾値の他方の一例であってよい。
なお、図6及び図7に関連して説明された実施形態においては、搬送車140が、ラック130の支持部材642に外力を印加したことに応じて、コンテナサポート340の位置が変動するように、バネ646が設置されている。しかしながら、コンテナサポート340の位置を変動させる方法は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ラック130が搬送車140からの力、動力、電力及び信号の少なくとも1つを受領したことに応じて、コンテナサポート340の位置が変動してよい。また、コンテナサポート340の位置が変動した結果、コンテナ120の移動がコンテナサポート340により制限される状態と、コンテナ120の移動がコンテナサポート340により制限されない状態とが、切り替えられてよい。上記の信号は、電気信号であってもよく、無線信号であってもよい。
図8は、支持部材842の断面形状の一例を概略的に示す。支持部材842は、コンテナ120の凸部522の一部だけでなく、コンテナ120の凸部532の一部及び凸部514の一部を支持する点で、支持部材642と相違する。支持部材842のその他の構成については、支持部材642の対応する構成と同様の特徴を有してよい。
本実施形態において、支持部材842は、支持部852と、支持部854と、連結部856とを備える。支持部852は、コンテナ120の凸部522の一部を支持する。支持部854は、コンテナ120の凸部532の一部及び凸部514の一部を支持する。支持部854の表面形状は、凸部532の一部及び凸部514の一部の表面形状に合致するように構成されていてよい。
連結部856は、支持部852及び支持部854を連結する。連結部856は、一方の端部において、取付部材644を介して、支柱624に回転可能に取り付けられる。連結部856は、他方の端部において、支持部852と結合する。連結部856は、一方の端部及び他方の端部の間の位置において、支持部854と結合する。
支持部材842は、作用部材及び制限部の一例であってよい。支持部材842は、可動式の支持部の一例であってよい。支持部852は、可動式の支持部の一例であってよい。支持部854は、可動式の支持部の一例であってよい。
図9は、搬送車140の構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、搬送車140は、昇降テーブル420と、昇降装置440と、サポート操作部460と、制御部930と、センス部932と、通信部934と、電源936と、前輪980と、駆動輪982と、モータ984とを備える。本実施形態において、昇降テーブル420の載置面には、凹部920が形成される。本実施形態において、昇降装置440は、パンタグラフ942と、アクチュエータ944とを有する。本実施形態において、サポート操作部460は、操作部材962と、モータ964とを有する。センス部932は、検出部の一例であってよい。
本実施形態において、制御部930は、搬送車140の動作を制御する。制御部930の詳細は後述される。
本実施形態において、センス部932は、各種のセンサを備える。センス部932は、搬送車140の位置を示す情報を取得するための位置センサを備えてよい。センス部932は、昇降テーブル420に印加される荷重を検出する荷重センサを備えてよい。センス部932は、昇降テーブル420の移動量を検出する昇降量センサを備えてもよい。
位置センサとしては、(i)自動倉庫100の壁20との距離を測定する測距センサ、(ii)床10の特定の位置に付与された情報であって、当該位置を示す情報を取得するセンサなどが例示される。上記のセンサは、カメラであってもよく、磁気センサであってよく、ビーコン受信機であってもよい。
本実施形態において、通信部934は、ラック130、他の搬送車140、ピッキング装置150、及び管理サーバ160の少なくとも1つとの間で情報を送受する。コンテナ120が通信機器を備えている場合、通信部934は、コンテナ120との間で情報を送受してもよい。通信部934と他の機器との間の通信方式は特に限定されない。
本実施形態において、電源936は、搬送車140の各部に電力を供給する。電源936は、発電装置及び蓄電装置の少なくとも一方を備えてよい。
本実施形態において、前輪980及び駆動輪982は、搬送車140を支持する。モータ984は、駆動輪982を駆動して、搬送車140を移動させる。
本実施形態において、凹部920には、昇降テーブル420がコンテナ120を支持したときに、コンテナ120の凸部514がはめ込まれる。凹部920の表面形状は、凸部514の表面形状に合致するように構成されていてよい。
本実施形態において、パンタグラフ942は、昇降テーブル420を支持する。アクチュエータ944は、パンタグラフ942を駆動して、昇降テーブル420を上昇させたり、下降させたりする。
本実施形態において、操作部材962は、モータ964により駆動され、コンテナ120の移動を制限したり、当該制限を解除したりする。モータ964は、操作部材962を駆動する。本実施形態において、操作部材962の一方の端部がモータ964の回転軸に結合される。
操作部材962が初期位置に配されているとき、操作部材962の他方の端部は、コンテナサポート340の支持部材642と接触していない。このとき、支持部材642がコンテナ120を支持しており、コンテナ120の上下方向の移動が制限される。一方、モータ964が操作部材962を回転させると、操作部材962の他方の端部が、コンテナサポート340の支持部材642を、ラック130の内側から外側に向かって押す。これにより、コンテナ120の移動の制限が解除される。また、モータ964が操作部材962を回転させて、操作部材962が初期位置に戻ると、コンテナ120の上下方向の移動が制限される。
なお、本実施形態においては、サポート操作部460が、制限位置に配された支持部材642に力を付与して、支持部材642を解除位置に移動させる場合を例として、コンテナ120の移動制限を解除する手法の一例が説明された。しかしながら、コンテナ120の移動制限を解除する手法は、本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、サポート操作部460は、コンテナサポート340に電力又は動力を付与して、支持部材642を駆動する駆動部を作動させる。これにより、サポート操作部460は、制限位置に配された支持部材642を解除位置に移動させることができる。サポート操作部460がコンテナサポート340に動力を付与する機構としては、ボールねじ、回転シャフト、プーリー、ベルト、チェイン、ギヤ、歯車、ラック・ピニオン、ゼネバ機構、リンク機構、クランク機構、及び、これらの組み合わせが例示される。
さらに他の実施形態において、サポート操作部460は、コンテナサポート340に制御信号を送信して、支持部材642を駆動する駆動部を作動させる。これにより、サポート操作部460は、制限位置に配された支持部材642を解除位置に移動させることができる。
図10は、制御部930の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、制御部930は、通信制御部1020と、走行制御部1030と、昇降装置制御部1040と、操作部材制御部1050とを備える。
走行制御部1030は、位置推定部の一例であってよい。昇降装置制御部1040は、昇降制御部及び位置推定部の一例であってよい。操作部材制御部1050は、解除制御部の一例であってよい。
本実施形態において、通信制御部1020は、搬送車140と、外部の機器との通信を制御する。通信制御部1020は、通信部934の動作を制御してもよい。
本実施形態において、走行制御部1030は、搬送車140の移動を制御する。例えば、走行制御部1030は、センス部932に含まれる位置センサが出力した情報を取得する。走行制御部1030は、位置センサが出力した情報に基づいて、搬送車140の位置を推定する。走行制御部1030は、搬送車140の推定位置に基づいて、モータ984を制御して、搬送車140を目的地まで移動させる。
[コンテナ120が積み込まれる場合の制御例]
本実施形態において、昇降装置制御部1040は、昇降装置440の動作を制御する。例えば、昇降装置制御部1040は、センス部932に含まれる位置センサが出力した情報を取得する。昇降装置制御部1040は、位置センサが出力した情報に基づいて、搬送車140の位置を推定する。搬送車140の推定位置が予め定められた第1条件を満足する場合、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を上方に移動させる。第1条件は、搬送車140の推定位置と、搬送車140の目的地との誤差が予め定められた値よりも小さいという条件であってよい。
昇降装置制御部1040は、センス部932に含まれる荷重センサ又は昇降量センサが出力した情報を取得する。荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、予め定められた第2条件を満足する場合、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420の上方へ移動を継続させる。
第2条件としては、荷重が予め定められた値よりも大きいという条件、移動量が予め定められた数値範囲内であるという条件などが例示される。これにより、昇降装置制御部1040は、ラック130に支持されたコンテナ120と、昇降テーブル420又は昇降テーブル420に搭載されたコンテナ120との接触を検出することができる。また、昇降装置制御部1040は、ラック130によるコンテナ120の移動制限を解除するタイミングを検出することができる。
荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、予め定められた第3条件を満足する場合、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420の上方へ移動を停止させる。第3条件としては、荷重が予め定められた値よりも小さいという条件、移動量が予め定められた数値範囲内であるという条件などが例示される。これにより、昇降装置制御部1040は、目的とするコンテナ120の積み込み又は取り出しの完了を検出することができる。また、昇降装置制御部1040は、ラック130によるコンテナ120の移動制限を復帰するタイミングを検出することができる。
[コンテナ120が取り出される場合の制御例]
搬送車140の推定位置が予め定められた第4条件を満足する場合、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を上方に移動させる。第4条件は、搬送車140の推定位置と、搬送車140の目的地との誤差が予め定められた値よりも小さいという条件であってよい。
荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、予め定められた第5条件を満足する場合、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を下方に移動させる。昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を下方に移動させる前に、一定期間、昇降テーブル420の昇降を停止させてもよい。第5条件としては、荷重が予め定められた値よりも大きいという条件、移動量が予め定められた数値範囲内であるという条件などが例示される。これにより、昇降装置制御部1040は、ラック130に支持されたコンテナ120と、昇降テーブル420又は昇降テーブル420に搭載されたコンテナ120との接触を検出することができる。また、昇降装置制御部1040は、ラック130によるコンテナ120の移動制限を解除するタイミングを検出することができる。
本実施形態において、操作部材制御部1050は、サポート操作部460の動作を制御する。例えば、操作部材制御部1050は、センス部932に含まれる荷重センサ又は昇降量センサが出力した情報を取得する。
[コンテナ120が積み込まれる場合の制御例]
荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、上記の第2条件を満足する場合、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を解除させてよい。荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、上記の第3条件を満足する場合、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を復帰させてよい。
[コンテナ120が取り出される場合の制御例]
荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、上記の第5条件を満足する場合、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を解除させてよい。荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量が、予め定められた第6条件を満足する場合、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を復帰させてよい。第6条件としては、荷重が昇降テーブル420の可搬重量制限の範囲内であるという条件、移動量が予め定められた数値範囲内であるという条件などが例示される。
図11は、制御部930における情報処理の一例を概略的に示す。図11は、搬送車140が、コンテナ120をラック130に積み込む動作を制御する方法の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、S1120において、走行制御部1030がモータ984を制御して、搬送車140を目的地となるラック130の下に進入させる。なお、搬送車140は、ラック130に積み込まれるべきコンテナ120を搭載している。S1122において、昇降装置制御部1040は、搬送車140が適切な位置に移動したことを確認した後、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420の上昇を開始させる。
S1124において、昇降装置制御部1040は、荷重センサが検出した昇降テーブル420に印加される荷重、又は、昇降量センサが検出した昇降テーブル420の移動量を監視する。昇降装置制御部1040は、上記の荷重又は移動量が予め定められた条件を満足するか否かを判定する。上記の条件は、ラック130に支持されたコンテナ120と、昇降テーブル420又は昇降テーブル420に搭載されたコンテナ120との接触を検出するための条件であってよい。上記の条件は、上述された第2条件であってよい。
上記の荷重又は移動量が予め定められた条件を満足しない場合(S1124のNO)、S1122及びS1124の動作が繰り返される。一方、上記の荷重又は移動量が予め定められた条件を満足する場合(S1124のYES)、S1130において、昇降装置制御部1040は、上記の荷重又は移動量が上記の条件を満足していることを示す情報を、操作部材制御部1050に送信する。このとき、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420の上昇を中断させてもよい。操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を解除させる。これにより、コンテナ120がさらに上方に移動することが許容される。
S1132において、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を更に上昇させる。ラック130に新たに積み込まれるべきコンテナ120が、コンテナサポート340がコンテナを支持する位置まで上昇すると、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を停止させる。
S1134において、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を復帰させる。これにより、ラック130が支持するコンテナ120の数が増加する。S1140において、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を走行位置まで下降させる。これにより、コンテナ120の積み込み作業が終了する。
図12は、制御部930における情報処理の一例を概略的に示す。図12は、搬送車140が、コンテナ120をラック130から取り出す動作を制御する方法の一例を概略的に示す。図12において、図11と同様の工程については、図11と同一の符号が付され、説明が省略される。
本実施形態によれば、S1232において、昇降装置制御部1040が、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を下降させる。ラック130から取り出されるべきコンテナ120の上に位置するコンテナ120が、コンテナサポート340がコンテナを支持する位置まで下降すると、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を停止させる。
S1234において、操作部材制御部1050は、サポート操作部460を操作して、コンテナ120の移動制限を復帰させる。これにより、ラック130から目的とする個数のコンテナ120が取り出され、ラック130が支持するコンテナ120の数が減少する。S1240において、昇降装置制御部1040は、昇降装置440を制御して、昇降テーブル420を走行位置まで下降させる。これにより、コンテナ120の取り出し作業が終了する。
図13は、制御部930における情報処理の一例を概略的に示す。図13は、搬送車140が、コンテナ120をラック130から取り出す動作を制御する方法の一例を概略的に示す。図13においては、取り出し作業の対象となるコンテナ120が、ラック130に支持される複数のコンテナ120の最下部に位置するコンテナ120ではない場合を例として、取り出し作業の詳細が説明される。
説明を簡単にすることを目的として、例えば、ラックAAが、下から順に、コンテナX、コンテナY、コンテナZを支持しており、搬送車140が、ラックAAからコンテナYを取り出す場合を考える。S1320において、制御部930は、搬送車140を制御して、搬送車140を目的地となるラックAAの下に進入させる。
S1322において、制御部930は、図12に関連して説明された手順と同様の手順により搬送車140を制御して、ラックLAからコンテナXを取り出す。また、制御部930は、搬送車140を制御して、搬送車140を、ラックLAとは異なるラックLBの下に進入させる。制御部930は、図11に関連して説明された手順と同様の手順により搬送車140を制御して、コンテナXをラックLBに積み込む。
S1324において、制御部930は、搬送車140を制御して、搬送車140を、再度、ラックLAの下に進入させる。制御部930は、図12に関連して説明された手順と同様の手順により搬送車140を制御して、ラックLAからコンテナYを取り出す。これにより、コンテナ120の取り出し作業が終了する。
なお、本実施形態において、1台の搬送車140が全ての作業を実施する場合を例として、コンテナ120の取り出し作業の詳細が説明された。しかしながら、コンテナ120の取り出し作業は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、複数の搬送車140が協働して、コンテナ120の取り出し作業を実施してもよい。例えば、S1322において、搬送車VAが、ラックLAからコンテナXを取り出し、当該コンテナXをラックLBに積み込む。また、搬送車VBが、ラックLAからコンテナXを取り出す。
図14は、管理サーバ160の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、管理サーバ160は、通信制御部1422と、在庫管理部1424と、機器管理部1426と、要求受付部1428と、格納部1440とを備える。本実施形態において、格納部1440は、物品情報格納部1442と、コンテナ情報格納部1444と、ラック情報格納部1446と、搬送車情報格納部1448とを有する。
本実施形態において、通信制御部1422は、管理サーバ160と、コンテナ120、ラック130、搬送車140及びピッキング装置150の少なくとも1つとの間の通信を制御する。通信制御部1422は、管理サーバ160と、ユーザの通信端末(図示されていない。)との間の通信を制御してもよい。通信方式は特に限定されない。
本実施形態において、在庫管理部1424は、自動倉庫100の在庫状況を管理する。これにより、管理サーバ160は、物品を適切に保管することができる。具体的には、在庫管理部1424は、複数の物品のそれぞれを識別する情報と、当該物品が収容されたコンテナを識別する情報とを対応付けて管理する。在庫管理部1424は、複数のコンテナ120のそれぞれを識別する情報と、当該コンテナが積み込まれたラック130を識別する情報と、当該コンテナが当該ラックの何段目に配されているかを示す情報とを対応付けて管理する。
本実施形態において、機器管理部1426は、コンテナ120、ラック130、搬送車140及びピッキング装置150の少なくとも1つを管理する。機器管理部1426は、コンテナ120、ラック130、搬送車140及びピッキング装置150の少なくとも1つの状態を管理してよい。機器管理部1426は、コンテナ120、ラック130、搬送車140及びピッキング装置150の少なくとも1つの動作を制御してよい。
例えば、機器管理部1426は、1以上の搬送車140のそれぞれに搬送作業を割り振る。より具体的には、機器管理部1426は、搬送車140に、搬送作業の対象となるコンテナ120の位置と、搬送先の位置とを示す情報を送信する。機器管理部1426は、搬送車140に、搬送車140の走行経路を示す情報を送信してもよい。
本実施形態において、要求受付部1428は、コンテナ120、ラック130、搬送車140、ピッキング装置150及びユーザの通信端末の少なくとも1つから、各種の要求を受信する。要求受付部1428は、上記の要求を処理してよい。例えば、要求受付部1428は、各機器から、自己又は他の機器の異常を示す情報と、当該異常に対処することを要求する情報とを受信する。
本実施形態において、格納部1440は、管理サーバ160における情報処理に利用される各種の情報を格納する。物品情報格納部1442は、複数の物品のそれぞれを識別する情報と、当該物品が収容されたコンテナを識別する情報とを対応付けて格納する。物品情報格納部1442は、複数の物品のそれぞれを識別する情報と、当該物品の仕様を示す情報とを対応付けて格納してもよい。物品の仕様を示す情報としては、大きさ、形状、質量、原材料、賞味期限、消費期限、有効期限、価格などが例示される。物品情報格納部1442は、複数の物品のそれぞれを識別する情報と、当該物品の物流に関する情報とを対応付けて格納してもよい。物品の物流に関する情報としては、当該物品が自動倉庫100に入庫してからの経過時間、同種の物品の平均滞留時間などが例示される。
本実施形態において、コンテナ情報格納部1444は、複数のコンテナ120のそれぞれを識別する情報と、当該コンテナが積み込まれているラックを識別する情報とを対応づけて格納する。コンテナ情報格納部1444は、複数のコンテナ120のそれぞれを識別する情報と、当該コンテナが積み込まれたラック130を識別する情報と、当該コンテナが当該ラックの何段目に配されているかを示す情報とを対応付けて格納してもよい。
本実施形態において、ラック情報格納部1446は、複数のラック130のそれぞれを識別する情報と、当該ラックの位置を示す情報と、当該ラックの現在の状況を示す情報とを対応付けて格納する。ラック130の現在の状況としては、当該ラックに積み込まれたコンテナ120の個数、当該ラックにさらに積み込むことのできるコンテナ120の個数、異常の発生の有無、各駆動部の駆動状況などが例示される。
本実施形態において、搬送車情報格納部1448は、複数の140のそれぞれを識別する情報と、当該搬送車の現在の状況を示す情報とを対応付けて格納する。搬送車140の現在の状況としては、当該搬送車に割付された搬送作業の有無、当該搬送作業の内容、当該搬送車の現在位置、当該搬送車に搭載されたコンテナ120の個数、当該搬送車にさらに搭載することのできるコンテナ120の個数、異常の発生の有無、各駆動部の駆動状況などが例示される。
図15は、自動倉庫1500のシステム構成の他の例を概略的に示す。本実施形態において、自動倉庫1500は、コンテナ120を支持する位置の異なる複数のラック130を備える点で、図1〜図14に関連して説明された自動倉庫100と異なる。上記の相違点以外の構成について、図15の自動倉庫1500は、図1〜図14の自動倉庫100と同様の特徴を有してよい。
本実施形態において、自動倉庫1500の内部が、エリア1510、エリア1522、エリア1524及びエリア1526に区分されている。エリア1510には、ピッキング装置150が配される。エリア1522は、エリア1510に最も近いエリアであり、エリア1526は、エリア1510から最も遠いエリアである。
本実施形態において、エリア1522に配された1以上のラック130のそれぞれがコンテナ120を支持する位置は、エリア1524に配された1以上のラック130のそれぞれがコンテナ120を支持する位置よりも高い位置に設定される。これにより、エリア1522に配されたラック130が利用されることで、エリア1524に配されたラック130が利用される場合と比較して、一度により多くのコンテナ120が搬入されたり搬出されたりすることができる。
本実施形態において、エリア1524に配された1以上のラック130のそれぞれがコンテナ120を支持する位置は、エリア1526に配された1以上のラック130のそれぞれがコンテナ120を支持する位置よりも高い位置に設定される。これにより、エリア1524に配されたラック130が利用されることで、エリア1526に配されたラック130が利用される場合と比較して、一度により多くのコンテナ120が搬入されたり搬出されたりすることができる。
図16は、ラック1630の構造の一例を概略的に示す。図3、図6及び図7に関連して説明されたラック130においては、(i)バネ646が、ラック130の外側から内側に向かって支持部材642を付勢することで、支持部材642が制限位置に配置され、(ii)搬送車140のサポート操作部460が、ラック130の内側から外側に向かって、支持部材642を押すことで、支持部材642が解除位置に配置される場合を例として、ラック130の詳細が説明された。
本実施形態において、ラック1630は、コンテナ120を支持する支持部材を駆動させる駆動機構を有し、搬送車140から、当該駆動機構を作動させるための動力が供給される点で、ラック130と相違する。上記の相違点以外の攻勢に関し、ラック1630は、ラック130と同様の特徴を有してもよい。
本実施形態において、ラック1630は、ラック本体320と、コンテナサポート1640とを備える。本実施形態において、コンテナサポート1640は、支持部材1642と、アクチュエータ1644と、動力受領部1646と、動力伝達部1650とを有する。本実施形態において、動力伝達部1650は、プーリー1652と、ベルト1654と、プーリー1656とを含む。
また、本実施形態において、搬送車140は、サポート操作部1660を備える。サポート操作部1660は、動力受領部1646に圧力を印加したり、回転力を付与したりすることで、動力受領部1646に動力を供給する。サポート操作部1660は、例えば、動力の供給態様を調整することで、支持部材1642を制限位置から解除位置に移動させたり、支持部材1642を解除位置から制御位置に移動させたりすることができる。
本実施形態において、サポート操作部1660は、搬送車140の走行時には、搬送車140の内部又は外部の適切な位置に収納されていてもよい。サポート操作部1660は、目的となるラック130の下に進入した後、動力受領部1646に動力を供給することができる位置まで移動してよい。
支持部材1642は、作用部材及び制限部の一例であってよい。アクチュエータ1644は、駆動部の一例であってよい。コンテナサポート1640は、第1制限部又は第2制限部の一例であってよい。サポート操作部1660は、解除部の一例であってよい。
本実施形態において、支持部材1642は、予め定められた位置に配されたコンテナ120に力を作用させて、コンテナ120を支持する。例えば、支持部材1642の一端は、アクチュエータ1644と連結される。支持部材1642の他端は、コンテナ12の支持に利用される。
本実施形態において、アクチュエータ1644は、支持部材1642を駆動する。アクチュエータ1644は、支持部材1642がコンテナ120の移動を制限する制限位置と、支持部材1642が当該制限を解除する解除位置との間で、支持部材1642を駆動する。
本実施形態において、動力受領部1646は、搬送車140のサポート操作部1660から、動力を受け取る。動力伝達部1650は、動力受領部1646がサポート操作部1660から受けとった動力を、アクチュエータ1644に伝達する。これより、アクチュエータ1644は、支持部材1642を制限位置から解除位置に移動させたり、支持部材1642を解除位置から制御位置に移動させたりすることができる。なお、動力伝達部1650を構成する機械要素は、本実施形態に限定されない。
図17は、ラック1730の構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、ラック1730は、コンテナ120を支持する支持部材を駆動させる駆動機構を有し、搬送車140から、支持部材を制限位置及び駆動位置の間で駆動させるための制御信号が供給される点で、ラック130又はラック1630と相違する。上記の相違点以外の構成に関し、ラック1730は、ラック130又はラック1630と同様の特徴を有してもよい。
本実施形態において、ラック1730は、ラック本体320と、コンテナサポート1740とを備える。本実施形態において、コンテナサポート1740は、支持部材1642と、アクチュエータ1644と、受信部1742と、通信ケーブル1744と、モータ1752と、動力伝達部1754と、電源1756と、電力ケーブル1758とを有する。
また、本実施形態において、搬送車140は、サポート操作部1760を備える。サポート操作部1760は、支持部材を制限位置及び駆動位置の間で駆動させるための制御信号を送信する。
コンテナサポート1740は、第1制限部又は第2制限部の一例であってよい。サポート操作部1760は、解除部の一例であってよい。
本実施形態において、受信部1742は、サポート操作部1760が送信した制御信号を受信する。受信部1742と、サポート操作部1760との間の通信は、有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。受信部1742は、制御信号を受信すると、通信ケーブル1744を介して、当該制御信号をモータ1752に送信する。
本実施形態において、モータ1752は、動力伝達部1754を介して、アクチュエータ1644に動力を供給する。モータ1752は、受信部1742が受信した制御信号に従ってアクチュエータ1644を作動させる。これより、アクチュエータ1644は、支持部材1642を制限位置から解除位置に移動させたり、支持部材1642を解除位置から制御位置に移動させたりすることができる。
本実施形態において、電源1756は、電力ケーブル1758を介して、モータ1752に電力を供給する。なお、本実施形態においては、コンテナサポート1740が、電源1756を有する場合を例として、コンテナサポート1740の詳細が説明された。しかしながら、コンテナサポート1740は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、コンテナサポート1740は、電源1756を有しなくてもよい。この場合、サポート操作部1760が、電力ケーブル1758を介して、モータ1752に電力を供給してもよい。
図18は、コンテナ1820の構造の一例を概略的に示す。図1から図17に関連して説明された実施形態においては、各ラックがコンテナ120を支持するための支持部材と、当該支持部材を駆動する駆動部とを備える場合を例として、ラックの詳細が説明された。本実施形態において、コンテナ1820は、ラックがコンテナ120を支持するための支持部材と、当該支持部材を駆動する駆動部とが、コンテナ120に配される点で、図1〜図17に関連して説明されたコンテナ120と相違する。上記の相違点以外の構成に関し、コンテナ1820は、コンテナ120と同様の特徴を有してよい。
本実施形態において、コンテナ1820は、支持部材1842と、アクチュエータ1844と、動力受領部1846とを備える。本実施形態において、支持部材1842、アクチュエータ1844、及び、動力受領部1846は、底板510に配される。
なお、支持部材1842、アクチュエータ1844、及び、動力受領部1846が設置される位置は、底板510に限定されない。他の実施形態において、例えば、支持部材1842は、側壁520の一部に配されてよい。
本実施形態において、支持部材1842の一端は、アクチュエータ1844に連結される。これにより、支持部材1842は、支持部材1842の他端が側壁520よりも外側に突出する制限位置と、支持部材1842の他端が側壁520よりも内側に位置する解除位置との間を移動する。支持部材1842が制限位置に位置する場合、支持部材1842は、例えば、ラック130の梁626により支持される。
本実施形態において、アクチュエータ1844は、支持部材1842を駆動する。例えば、アクチュエータ1844は、制限位置と、解除位置との間で、支持部材1842を駆動する。本実施形態において、動力受領部1846は、例えば、図16に関連して説明された搬送車140から、サポート操作部1660を介して、動力を受領する。動力受領部1846は、サポート操作部1660から受けとった動力を、アクチュエータ1844に伝達する。
なお、本実施形態においては、アクチュエータ1844が、搬送車140から供給された動力を利用して、支持部材1842を駆動する場合を例として、コンテナ1820の詳細が説明された。しかしながら、支持部材1842の駆動方法は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、搬送車140が、支持部材1842に機械的な力を直接付与することにより、支持部材1842を駆動してもよい。さらに他の実施形態において、搬送車140が、アクチュエータ1844を駆動する電力を供給し、アクチュエータ1844が、搬送車140から供給された電力を利用して、支持部材1842を駆動してもよい。さらに他の実施形態において、コンテナ1820が電源を有し、アクチュエータ1844が、搬送車140から供給された支持部材1842を駆動するための制御信号に基づいて、支持部材1842を駆動してもよい。
図19は、コンテナ1920の構造の一例を概略的に示す。図1から図15に関連して説明された実施形態においては、搬送車140がコンテナ120をラック130に積み込む場合、サポート操作部460がコンテナサポート340を解除位置に移動させた後、コンテナ120を上昇させ、コンテナ120が適切な位置まで上昇した後、コンテナサポート340を制限位置に移動させていた。本実施形態に係るコンテナ1920がラック130に積み込まれる場合、搬送車140は、コンテナサポート340を解除位置に移動させることなく、コンテナ1920をラック130に積み込むことができる。
本実施形態において、コンテナ1920は、側壁520の外側の面に、凸部1922が形成される点で、コンテナ120と相違する。上記の相違点以外の構成に関し、コンテナ1920は、コンテナ120と同様の特徴を有してよい。本実施形態において、凸部1922は、下面1924と、傾斜部1926とを有する。傾斜部1926は、凸部1922の上端の外側の領域に形成される。傾斜部1926は、側壁520の上端部に近い位置ほど、側壁520の外側への突出量が少なくなるように傾斜がつけられている。
本実施形態によれば、側壁520の上端に傾斜部1926が形成されているので、搬送車140が、昇降テーブル420を上昇させると、昇降テーブル420に搭載されたコンテナ1920が、コンテナサポート340を押し広げながら上昇する。昇降テーブル420が上昇を続けて、コンテナサポート340が凸部1922を超えたときに、搬送車140は、昇降テーブル420の上昇を停止してよい。搬送車140が昇降テーブル420を下降させると、凸部1922の下面1924がコンテナサポート340により支持される。これにより、搬送車140は、コンテナサポート340を解除位置に移動させることなく、コンテナ1920をラック130に積み込むことができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。上記の変更又は改良の一例によれば、搬送車の位置及び姿勢の少なくとも一方が制御されることで、(i)ラックがコンテナを支持し、当該ラックにより当該コンテナの上下方向の移動が当該ラックにより制限される状態と、(ii)ラックがコンテナを支持せず、当該コンテナの上下方向の移動が当該ラックにより制限されない状態とが切り替えられる。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。また、各構成要素は、名称が同一で、参照符号が異なる他の構成要素と同様の特徴を有してもよい。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本願明細書には、例えば、下記の事項が記載されている。
[項目A]
上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部を側方又は下方から支持可能に構成された架台を備え、
上記架台に支持される上記複数のコンテナを、先に保管されたコンテナほど上方に配され、下方に配されたコンテナほど先に取り出されるように保管する、
保管システム。
[項目A−1]
上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部を側方又は下方から支持可能に構成された架台を備え、
上記架台に支持される上記複数のコンテナを、先に保管されたコンテナほど上方に配され、下方に配されたコンテナほど先に取り出されるように保管する保管システムであって、
上記架台は、
1以上のコンテナを側方又は下方から支持する可動式の支持部と、
上記支持部を動かすことで、(i)上記支持部が上記1以上のコンテナを支持し、上記1以上のコンテナの上下方向の移動が上記支持部により制限される状態と、(ii)上記支持部が上記1以上のコンテナを支持せず、上記1以上のコンテナの上下方向の移動が上記支持部により制限されない状態とを切り替える切替部と、
を有する、
保管システム。
[項目A−2]
少なくとも1つのコンテナを搬送する搬送ロボットをさらに備え、
上記切替部は、上記架台が上記搬送ロボットからの力、動力、電力及び信号の少なくとも1つを受領したことに応じて、上記支持部を動かすことで、上記1以上のコンテナの上下方向の上記移動が上記支持部により制限される状態と、(ii)上記1以上のコンテナの上下方向の上記移動が上記支持部により制限されない状態とを切り替える、
項目A1に記載の保管システム。
[項目A−3]
上記複数のコンテナのそれぞれは、物品を収容可能に構成されており、
上記架台は、上記1以上のコンテナの最下部に位置する第1コンテナに力を作用させて上記第1コンテナを支持することで、上記架台がコンテナを支持している場合であっても、上記少なくとも1つのコンテナを搭載した上記搬送ロボットが当該コンテナの下方を走行することができるように、上記1以上のコンテナを支持し、
上記搬送ロボットは、上記第1コンテナの下方の位置において、(i)上記少なくとも1つのコンテナを上方に移動させて、上記少なくとも1つのコンテナの最上部のコンテナを上記第1コンテナに接触させた後、(ii)上記少なくとも1つのコンテナをさらに上方に移動させて、上記1以上のコンテナ及び上記少なくとも1つのコンテナを上方に移動させ、
上記架台は、上記少なくとも1つのコンテナに含まれる第2コンテナに力を作用させて上記第2コンテナを支持することで、上記架台が支持するコンテナの個数を増加させる、
項目A2に記載の保管システム。
[項目B]
上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部を側方又は下方から支持可能に構成された架台であって、
1以上のコンテナを側方又は下方から支持する可動式の支持部と、
上記支持部を動かすことで、(i)上記支持部が上記1以上のコンテナを支持し、上記1以上のコンテナの上下方向の移動が上記支持部により制限される状態と、(ii)上記支持部が上記1以上のコンテナを支持せず、上記1以上のコンテナの上下方向の移動が上記支持部により制限されない状態とを切り替える切替部と、
を有する、
架台。
[項目1−1]
物品を収容する1以上のコンテナを支持する架台と、
少なくとも1つのコンテナを搬送する搬送ロボットと、
を備え、
上記架台は、上記1以上のコンテナの最下部に位置する第1コンテナに力を作用させて上記第1コンテナを支持することで、上記架台がコンテナを支持している場合であっても、上記少なくとも1つのコンテナを搭載した上記搬送ロボットが当該コンテナの下方を走行することができるように、上記1以上のコンテナを支持し、
上記搬送ロボットは、上記第1コンテナの下方の位置において、(i)上記少なくとも1つのコンテナを上方に移動させて、上記少なくとも1つのコンテナの最上部のコンテナを上記第1コンテナに接触させた後、(ii)上記少なくとも1つのコンテナをさらに上方に移動させて、上記1以上のコンテナ及び上記少なくとも1つのコンテナを上方に移動させ、
上記架台は、上記少なくとも1つのコンテナに含まれる第2コンテナに力を作用させて上記第2コンテナを支持することで、上記架台が支持するコンテナの個数を増加させる、
保管システム。
[項目1−2]
上記搬送ロボットは、
上記少なくとも1つのコンテナを搭載可能な搭載部と、
上記搭載部を上下方向に移動させる昇降部と、
を有し、
上記昇降部は、上記第1コンテナの下方の位置において、上記搭載部又は上記搭載部に搭載されたコンテナが上記第1コンテナを支持するまで、上記搭載部を上昇させ、
上記架台は、上記搭載部又は上記搭載部に搭載されたコンテナが上記第1コンテナを支持した後、上記第1コンテナに作用させる力を減少させて、上記1以上のコンテナの下方向の移動を許容し、
上記昇降部は、上記架台が上記第1コンテナに作用させる力を減少させた後、上記搭載部を下降させることで、上記架台が支持するコンテナの個数を減少させる、
項目1−1に記載の保管システム。
[項目1−3]
物品を収容する1以上のコンテナを支持する架台と、
少なくとも1つのコンテナを搬送する搬送ロボットと、
を備え、
上記搬送ロボットは、
上記少なくとも1つのコンテナを搭載可能な搭載部と、
上記搭載部を上下方向に移動させる昇降部と、
を有し、
上記架台は、上記1以上のコンテナの最下部に位置する第1コンテナに力を作用させて上記第1コンテナを支持することで、上記架台がコンテナを支持している場合であっても、上記少なくとも1つのコンテナを搭載した上記搬送ロボットが当該コンテナの下方を走行することができるように、上記1以上のコンテナを支持し、
上記昇降部は、上記第1コンテナの下方の位置において、上記搭載部又は上記搭載部に搭載されたコンテナが上記第1コンテナを支持するまで、上記搭載部を上昇させ、
上記架台は、上記搭載部又は上記搭載部に搭載されたコンテナが上記第1コンテナを支持した後、上記第1コンテナに作用させる力を減少させて、上記1以上のコンテナの下方向の移動を許容し、
上記昇降部は、上記架台が上記第1コンテナに作用させる力を減少させた後、上記搭載部を下降させることで、上記架台が支持するコンテナの個数を減少させる、
保管システム。
[項目1−4]
上記1以上のコンテナは、上記第1コンテナと、上記第1コンテナの上方に積み上げられた第3コンテナとを含み、
上記架台は、上記昇降部が上記搭載部を下降させた後、上記第3コンテナに力を作用させて上記第3コンテナを支持することで、上記架台が支持するコンテナの個数を減少させる、
項目1−2又は項目1−3に記載の保管システム。
[項目1−5]
上記架台は、(i)単一のコンテナ、又は、(ii)上下方向に積み上げられた複数のコンテナの最下部に位置するコンテナに力を作用させて、当該コンテナが少なくとも下方向に移動することを制限する制限部を有する、
項目1−2から項目1−4までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目1−6]
上記制限部は、上記搭載部に搭載されたコンテナの移動経路の少なくとも一部を塞ぎ、当該コンテナが上方向に移動することを制限する、
項目1−5に記載の保管システム。
[項目1−7]
上記制限部は、
予め定められた位置に配されたコンテナに力を作用させる作用部材と、
上記移動を制限する制限位置、及び、上記制限を解除する解除位置の間で、上記作用部材を駆動する駆動部と、
を有する、
項目1−5又は項目1−6に記載の保管システム。
[項目1−8]
上記運搬ロボットは、上記制限部を動作させて上記制限を解除する解除部を有する、
項目1−5から項目1−7までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目1−9]
一列に配された複数の上記架台を備える、
項目1−1から項目1−8までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目1−10]
マトリクス状に配された複数の上記架台を備える、
項目1−1から項目1−9までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目1−11]
複数の上記搬送ロボットを備える、
項目1−1から項目1−9までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目1−12]
上記搬送ロボットの運転を管理する運転管理部をさらに備える、
項目1−1から項目1−11までの何れか一項に記載の保管システム。
[項目2−1]
物品を収容するコンテナを支持する架台であって、
複数の支柱と、
上記コンテナに力を作用させて上記コンテナを支持することで、上記コンテナが少なくとも下方向に移動することを制限し、上記コンテナの荷重を上記複数の支柱に伝達する制限部と、
を備え、
上記制限部は、
予め定められた位置に配された上記コンテナに力を作用させる作用部材と、
上記移動を制限する制限位置、及び、上記制限を解除する解除位置の間で、上記作用部材を移動させる作用部材駆動部と、
を有する、架台。
[項目2−2]
上記複数の支柱は、対向して配される第1支柱及び第2支柱を有し、
上記制限部は、
上記コンテナの荷重を上記第1支柱に伝達する第1制限部と、
上記コンテナの荷重を上記第2支柱に伝達する第2制限部と、
を有し、
上記第1制限部及び上記第2制限部は、上記第1制限部の上記作用部材及び上記第2制限部の上記作用部材の間に配された上記コンテナに力を作用させて上記コンテナを支持する、
項目2−1に記載の架台。
[項目2−3]
上記第1制限部の上記作用部材駆動部は、第1弾性体を含み、
上記第1弾性体の一方の端部は、上記第1支柱に結合され、
上記第1弾性体の他方の端部は、上記第1制限部の上記作用部材に結合され、
上記第2制限部の上記作用部材駆動部は、第2弾性体を含み、
上記第2弾性体の一方の端部は、上記第2支柱に結合され、
上記第2弾性体の他方の端部は、上記第2制限部の上記作用部材に結合され、
上記第1弾性体は、
上記第1制限部の上記作用部材に、予め定められた第1閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、上記第1制限部の上記作用部材を、上記制限位置に配置し、
上記第1制限部の上記作用部材に、上記第1閾値よりも大きな外力が印加されている場合、上記第1制限部の上記作用部材を、上記解除位置に配置し、
上記第2弾性体は、
上記第2制限部の上記作用部材に、予め定められた第2閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、上記第2制限部の上記作用部材を、上記制限位置に配置し、
上記第2制限部の上記作用部材に、上記第2閾値よりも大きな外力が印加されている場合、上記第2制限部の上記作用部材を、上記解除位置に配置する、
項目2−2に記載の架台。
[項目2−4]
上記第1制限部の上記作用部材駆動部は、第1弾性体を含み、
上記第1弾性体の一方の端部は、上記第1支柱に結合され、
上記第1弾性体の他方の端部は、上記第1制限部の上記作用部材に結合され、
上記第2制限部の上記作用部材駆動部は、第2弾性体を含み、
上記第2弾性体の一方の端部は、上記第2支柱に結合され、
上記第2弾性体の他方の端部は、上記第2制限部の上記作用部材に結合され、
上記第1弾性体は、
上記第1制限部の上記作用部材に、予め定められた第1閾値よりも大きな外力が印加されている場合、上記第1制限部の上記作用部材を、上記制限位置に配置し、
上記第1制限部の上記作用部材に、上記第1閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、上記第1制限部の上記作用部材を、上記解除位置に配置し、
上記第2弾性体は、
上記第2制限部の上記作用部材に、予め定められた第2閾値よりも大きな外力が印加されている場合、上記第2制限部の上記作用部材を、上記制限位置に配置し、
上記第2制限部の上記作用部材に、上記第2閾値よりも大きな外力が印加されていない場合、上記第2制限部の上記作用部材を、上記解除位置に配置する、
項目2−2に記載の架台。
[項目2−5]
物品を収容するコンテナを、第1位置及び第2位置の間で搬送する搬送ロボットであって、
上記第1位置及び上記第2位置の少なくとも一方には、1以上のコンテナを支持可能な架台が配されており、
上記架台は、(i)単一のコンテナ、又は、(ii)上下方向に積み上げられた複数のコンテナの一部のコンテナに力を作用させて、当該コンテナが少なくとも下方向に移動することを制限する制限部を備え、
上記搬送ロボットは、
少なくとも1つのコンテナを搭載可能な搭載部と、
上記搭載部を上下方向に移動させる昇降部と、
上記架台の上記制限部を動作させて上記制限を解除する解除部と、
備える、搬送ロボット。
[項目2−6]
上記制限部は、
予め定められた位置に配された上記コンテナに力を作用させる作用部材と、
上記移動を制限する制限位置、及び、上記制限を解除する解除位置の間で、上記作用部材を移動させる作用部材駆動部と、
を有し、
上記解除部は、
(i)上記制限位置に配された上記作用部材に力を付与して、上記作用部材を上記解除位置に移動させる、
(ii)上記作用部材駆動部に電力又は動力を付与して、上記作用部材駆動部を作動させ、上記制限位置に配された上記作用部材を上記解除位置に移動させる、又は、
(iii)上記作用部材駆動部に制御信号を送信して、上記作用部材駆動部を作動させ、上記制限位置に配された上記作用部材を上記解除位置に移動させる、
項目2−5に記載の搬送ロボット。
[項目2−7]
上記搬送ロボットの位置を推定する位置推定部と、
上記搭載部に印加される荷重、又は、上記搭載部の移動量を検出する検出部と、
上記昇降部の動作を制御する昇降制御部と、
上記解除部の動作を制御する解除制御部と、
をさらに備え、
上記昇降制御部は、
上記位置推定部が推定した上記搬送ロボットの位置が、予め定められた第1条件を満足する場合、上記昇降部を制御して、上記搭載部を上方に移動させ、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、予め定められた第2条件を満足する場合、上記昇降部を制御して、上記搭載部の上方への移動を継続し、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、予め定められた第3条件を満足する場合、上記昇降部を制御して、上記搭載部の上方への移動を停止し、
上記解除制御部は、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、上記第2条件を満足する場合、上記解除部を制御して、上記制限を解除させ、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、上記第3条件を満足する場合、上記解除部を制御して、上記制限を復帰させる、
項目2−5又は項目2−6に記載の搬送ロボット。
[項目2−8]
上記搬送ロボットの位置を推定する位置推定部と、
上記搭載部に印加される荷重、又は、上記搭載部の移動量を検出する検出部と、
上記昇降部の動作を制御する昇降制御部と、
上記解除部の動作を制御する解除制御部と、
をさらに備え、
上記昇降制御部は、
上記位置推定部が推定した上記搬送ロボットの位置が、予め定められた第4条件を満足する場合、上記昇降部を制御して、上記搭載部を上方に移動させ、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、予め定められた第5条件を満足する場合、上記昇降部を制御して、上記搭載部を下方に移動させ、
上記解除制御部は、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、上記第5条件を満足する場合、上記解除部を制御して、上記制限を解除させ、
上記検出部が検出した上記荷重又は上記移動量が、予め定められた第6条件を満足する場合、上記解除部を制御して、上記制限を復帰させる、
項目2−5又は項目2−6に記載の搬送ロボット。
[項目2−9]
物品を収容するコンテナであって、
上記物品が載置される底板と、
一方の端部が底板の外縁に接し、上記底板の一方の面の側に延伸する側壁と、
を備え、
上記側壁の他方の端部は、上記底板の法線方向に対して傾斜する傾斜部を有し、
上記底板は、上記底板の他方の面の側に突出する凸部を有し、
上記凸部の外縁部は、上記底板の上記一方の面の法線方向に対して傾斜し、
上記側壁の傾斜部が上記底板の上記法線方向に対してなす角度と、上記凸部の外縁部が上記底板の上記法線方向に対してなす角度との差の絶対値は、予め定められた値よりも小さい、
コンテナ。