JPWO2020166009A1 - 高周波電源装置 - Google Patents
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Abstract
高周波電源装置は、お互いに周波数の異なる高周波を発生し、プラズマ反応炉内に設置される第一アンテナおよび第二アンテナに高周波電力をそれぞれ供給する第一高周波電源および第二高周波電源を備える。前記第一高周波電源は、前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去して第一進行波レベルおよび第一反射波レベルを検出する第一演算回路と、前記第一高周波電源の発振周波数と前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだ第二進行波レベルおよび第二反射波レベルを検出する第二演算回路と、前記第二進行波レベルおよび前記第二反射波レベルと、前記第一進行波レベルおよび前記第一反射波レベルと、に基づいて前記第一高周波電源が検出する干渉波レベルを算出する干渉波演算回路と、を備える。
Description
本開示は高周波電源装置に関し、例えばプラズマ処理装置に用いられる高周波電源装置に適用可能である。
プラズマ処理装置やレーザ処理装置は、高周波電源から高周波(RF:Radio Frequency)の電力供給を受けてプラズマやレーザを発生し、発生したプラズマやレーザ等を利用して表面処理や加工を行う産業用機器として利用されている。例えば、プラズマ処理装置は、プラズマ反応炉に対して高周波エネルギーを供給するアンテナ(1つまたは複数)と、高周波エネルギーを供給する高周波電源装置(1つまたは複数)と、各アンテナと高周波電源装置間の伝送路の整合(マッチング)を行う整合器(1つまたは複数)を備える。高周波電源装置は進行波と反射波を検出し、検出した進行波および反射波のレベルおよび位相などから反射係数を算出し、反射波のレベルを小さくするよう制御する自動制御機構を備えている。
一方の高周波電源ソースには、他方の高周波電源ソースを源として他方のアンテナから出力された高周波電力が、プラズマ反応炉および一方のアンテナを介して到達するため、一方の高周波電源ソースが観測している進行波および反射波には、他方の高周波電源装置からの干渉波や、自装置の進行波と他方からの干渉波から生成する相互変調波が含まれることになる。
一方の高周波電源ソースには、他方の高周波電源ソースを源として他方のアンテナから出力された高周波電力が、プラズマ反応炉および一方のアンテナを介して到達するため、一方の高周波電源ソースが観測している進行波および反射波には、他方の高周波電源装置からの干渉波や、自装置の進行波と他方からの干渉波から生成する相互変調波が含まれることになる。
上述したように、複数の高周波電源ソースを備えている場合、別の高周波電源ソースからの高周波電力に起因する干渉波や相互変調波によって、進行波や反射波のレベルを正確に検出できず、安定した整合動作ができずに、電力効率が低下してしまう恐れがある。
本開示の課題は、干渉波等の影響を低減することが可能な高周波電源装置を提供することにある。
本開示の課題は、干渉波等の影響を低減することが可能な高周波電源装置を提供することにある。
本開示のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、高周波電源装置は、お互いに周波数の異なる高周波を発生し、プラズマ反応炉内に設置される第一アンテナおよび第二アンテナに高周波電力をそれぞれ供給する第一高周波電源および第二高周波電源を備える。前記第一高周波電源は、前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去して第一進行波レベルおよび第一反射波レベルを検出する第一演算回路と、前記第一高周波電源の発振周波数と前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだ第二進行波レベルおよび第二反射波レベルを検出する第二演算回路と、前記第二進行波レベルおよび前記第二反射波レベルと、前記第一進行波レベルおよび前記第一反射波レベルと、に基づいて前記第一高周波電源が検出する干渉波レベルを算出する干渉波演算回路と、を備える。
すなわち、高周波電源装置は、お互いに周波数の異なる高周波を発生し、プラズマ反応炉内に設置される第一アンテナおよび第二アンテナに高周波電力をそれぞれ供給する第一高周波電源および第二高周波電源を備える。前記第一高周波電源は、前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去して第一進行波レベルおよび第一反射波レベルを検出する第一演算回路と、前記第一高周波電源の発振周波数と前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだ第二進行波レベルおよび第二反射波レベルを検出する第二演算回路と、前記第二進行波レベルおよび前記第二反射波レベルと、前記第一進行波レベルおよび前記第一反射波レベルと、に基づいて前記第一高周波電源が検出する干渉波レベルを算出する干渉波演算回路と、を備える。
上記高周波電源装置によれば、干渉波等の影響を低減することが可能である。
以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。
まず、上述した干渉波・相互変調波の影響について説明する。
進行波の検出回路に干渉波や相互変調波が観測される場合、その干渉波や相互変調波のレベルが小さく進行波の検出レベルに影響がなければ問題ないが、干渉波や相互変調波のレベルが無視できない場合は、進行波の検出レベルが実際よりも高めに検出される。そのため、高周波電源ソースは、進行波の検出レベルを設定値に収束させようとして高周波電源ソースの出力を低下させる制御を行う。
これにより、プラズマ反応炉に印加される電力が低下し、プラズマの着火の安定度が低下したり、着火したとしてもプラズマ反応炉内のプラズマ密度が低下したり、また、これらの影響によりプラズマ処理のレートが低下する等の影響を及ぼす恐れがある。
進行波の検出回路に干渉波や相互変調波が観測される場合、その干渉波や相互変調波のレベルが小さく進行波の検出レベルに影響がなければ問題ないが、干渉波や相互変調波のレベルが無視できない場合は、進行波の検出レベルが実際よりも高めに検出される。そのため、高周波電源ソースは、進行波の検出レベルを設定値に収束させようとして高周波電源ソースの出力を低下させる制御を行う。
これにより、プラズマ反応炉に印加される電力が低下し、プラズマの着火の安定度が低下したり、着火したとしてもプラズマ反応炉内のプラズマ密度が低下したり、また、これらの影響によりプラズマ処理のレートが低下する等の影響を及ぼす恐れがある。
また、反射波の検出回路において干渉波や相互変調波が観測される場合、干渉波や相互変調波のレベルが無視できない場合には、反射波の検出レベルが実際よりも高めに検出される。そのため、高周波電源リソースは、反射波の検出レベルをゼロに収束させようとして、容量値を変更するなどの自動整合の制御を行う。しかしながら、高周波電源リソースに由来する干渉波が反射波として検出され続けるため、自動整合が完了せず、整合動作のリトライを継続しつづける動作となりうる。
これにより、プラズマ反応炉内のプラズマ密度が変動したり、プラズマ処理のレートが変動し不安定な動作となったり、といった影響を及ぼす恐れがある。
これにより、プラズマ反応炉内のプラズマ密度が変動したり、プラズマ処理のレートが変動し不安定な動作となったり、といった影響を及ぼす恐れがある。
<第一実施形態>
そこで、第一実施形態の高周波電源装置およびプラズマ処理装置では、干渉波や相互変調波を除去して、さらに安定した整合動作を行って、電力効率を一層向上させる。
そこで、第一実施形態の高周波電源装置およびプラズマ処理装置では、干渉波や相互変調波を除去して、さらに安定した整合動作を行って、電力効率を一層向上させる。
(プラズマ処理装置)
第一実施形態のプラズマ処理装置の構成について図1を用いて説明する。図1は第一実施形態のプラズマ処理装置の概略構成図である。
図1に示すように、第一実施形態のプラズマ処理装置601は、プラズマ反応炉60と、ヒーター67と、アンテナ63、66と、高周波電源10,20と、整合器62,65と、プラズマ処理装置に関わる制御を行う上位装置68と、を備えている。
高周波電源10,20と、整合器62,65は、制御線68a,68b,68c,68dを介して上位装置68に接続されている。また、図示は省略するが、ヒーター67も上位装置68に制御線を介して接続されている。
整合器62,65は、上位装置68と接続せず、高周波電源10,20と制御線10b,20bを介して接続され、高周波電源10,20から制御を受ける場合もある。
第一実施形態のプラズマ処理装置の構成について図1を用いて説明する。図1は第一実施形態のプラズマ処理装置の概略構成図である。
図1に示すように、第一実施形態のプラズマ処理装置601は、プラズマ反応炉60と、ヒーター67と、アンテナ63、66と、高周波電源10,20と、整合器62,65と、プラズマ処理装置に関わる制御を行う上位装置68と、を備えている。
高周波電源10,20と、整合器62,65は、制御線68a,68b,68c,68dを介して上位装置68に接続されている。また、図示は省略するが、ヒーター67も上位装置68に制御線を介して接続されている。
整合器62,65は、上位装置68と接続せず、高周波電源10,20と制御線10b,20bを介して接続され、高周波電源10,20から制御を受ける場合もある。
プラズマ反応炉60は、供給されるガスに高周波電圧を印加して、発生したプラズマによりウェハやガラス基板等の基板の処理を行う。高周波電源10,20は、発振回路で発生した高周波を増幅して高周波電力を出力する高周波電源ソースである。アンテナ63,66は、負荷装置であるプラズマ反応炉60に高周波電力を供給する。
整合器62は、高周波電源10の出力インピーダンスと、負荷側(アンテナ63およびプラズマ反応炉60)の入力インピーダンスと、を合わせるインピーダンス整合回路である。同様に、整合器65は、高周波電源20の出力インピーダンスと、負荷側(アンテナ66およびプラズマ反応炉60)の入力インピーダンスと、を合わせるインピーダンス整合回路である。インピーダンス整合回路を備えない場合、プラズマ反応炉60等の負荷装置からの反射波が発生し、出力した電力の一部しか負荷装置に供給することができず、電力効率が低下する。反射波を抑えるためには、高周波電源ソースと負荷装置との間にインピーダンス整合回路が必要となる。整合器62,65は、後述する可変容量コンデンサとコイルで構成される整合回路を備え、可変容量コンデンサの容量を調整することでインピーダンス整合を行う。
プラズマ反応炉60への電力供給について説明する。ここでは、第1の系統611である高周波電源10からの電力供給について説明するが、第2の系統612についても同様である。
高周波電源10から出力される高周波電力は、高周波同軸ケーブル10aを介して整合器62に入力され、整合器62内の整合回路によってインピーダンス調整されて、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
高周波電源10から出力される高周波電力は、高周波同軸ケーブル10aを介して整合器62に入力され、整合器62内の整合回路によってインピーダンス調整されて、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
プラズマ反応炉60は、上位装置68からヒーター67を制御することにより温度管理され、また、ガス流量や圧力が制御されている。プラズマ反応炉60内で生成するプラズマの分布は、アンテナの数や形状、配置によって制御することができ、基板へのダメージを抑えてプラズマ分布の均一性を確保するために、複数のアンテナを配置することが有効な手段となっている。なお、ここでは、1つの整合器に対して1つのアンテナのみが設けられているが、1つの整合器から複数のアンテナに高周波電力を分配して、プラズマ反応炉に出力する構成であってもよい。
高周波電源10,20は、上位装置68からの制御で動作する。上位装置68は、高周波電源10,20に対して、出力のオン/オフの指示や、高周波出力電力の設定、出力周波数設定等のプリセット(初期値設定)を行い、整合器62,65の後述する可変容量コンデンサの容量値設定等のプリセット(初期値設定)等を行う。
高周波電源装置610では、電力効率の低下を防ぐため、上位装置68からの制御により、反射波を抑える自動整合機能を備えている。自動整合機能について簡単に説明する。
第1の系統611において、高周波電源10は、上位装置68から出力ONの指示が入力されると、高周波電力の出力を開始すると共に、高周波出力電力の進行波と反射波とを検出する。高周波電源10は、検出された進行波と反射波のレベルと位相などから反射係数を算出し、反射波のレベルが小さくなるように、整合器62の可変容量コンデンサの容量値および高周波電源10の出力周波数を制御する。
第2の系統612においても、高周波電源20は、検出された進行波と反射波のレベルと位相などから反射係数を算出し、反射波のレベルが小さくなるように、整合器65の可変容量コンデンサの容量値および高周波電源20の出力周波数を制御する。
このようにして、高周波電源装置における自動整合機能が実現されるものである。
このようにして、高周波電源装置における自動整合機能が実現されるものである。
高周波電源装置610では、干渉波および相互変調波による影響を避けるため、発振回路における発振周波数を、2台の高周波電源10,20が連動して決定するようにしている。そのため、図1では、2つ高周波電源10,20が互いに制御線10cで接続されている。
(高周波電源装置の構成)
高周波電源装置の構成について図2、3を用いて説明する。図2は高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。図3は図2の高周波電源装置の整合器の構成を示すブロック図である。
ここでは、第1の系統611の高周波電源10と整合器62について説明するが、第2の系統612の高周波電源20と整合器65も同じ構成および動作である。図2に示すように、高周波電源10と高周波電源20とは、基本的な構成は同等であるが、便宜的に、高周波電源10を親機、高周波電源20を子機とし、互いの高周波電力の出力周波数を連動して制御する周波数連動処理を、親機である高周波電源10で行うものとする。
高周波電源装置の構成について図2、3を用いて説明する。図2は高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。図3は図2の高周波電源装置の整合器の構成を示すブロック図である。
ここでは、第1の系統611の高周波電源10と整合器62について説明するが、第2の系統612の高周波電源20と整合器65も同じ構成および動作である。図2に示すように、高周波電源10と高周波電源20とは、基本的な構成は同等であるが、便宜的に、高周波電源10を親機、高周波電源20を子機とし、互いの高周波電力の出力周波数を連動して制御する周波数連動処理を、親機である高周波電源10で行うものとする。
(高周波電源)
図2に示すように、高周波電源10は発振回路11と励振増幅回路12と主増幅回路13と検出回路14とA/D変換回路15と演算回路16と整合演算部17と周波数設定回路18とを備えている。また、図3に示すように、整合器62は整合回路81と容量設定回路82とを備えている。高周波電源10の各部について以下説明する。
図2に示すように、高周波電源10は発振回路11と励振増幅回路12と主増幅回路13と検出回路14とA/D変換回路15と演算回路16と整合演算部17と周波数設定回路18とを備えている。また、図3に示すように、整合器62は整合回路81と容量設定回路82とを備えている。高周波電源10の各部について以下説明する。
発振回路11は、DDS(Direct Digital Synthesizer)等で構成され、設定された周波数の高周波信号を生成する。
励振増幅回路12および主増幅回路13は、発振回路11からの高周波信号を所定の出力レベルに増幅する。図2の例では、励振増幅回路12および主増幅回路13はそれぞれ1つずつ設けられているが、複数備えてもよく、途中で分配器や合成器を用いることも可能である。
励振増幅回路12および主増幅回路13は、発振回路11からの高周波信号を所定の出力レベルに増幅する。図2の例では、励振増幅回路12および主増幅回路13はそれぞれ1つずつ設けられているが、複数備えてもよく、途中で分配器や合成器を用いることも可能である。
検出回路14は、方向性結合器等で構成され、進行波と反射波を検出して、それぞれのモニタ信号を出力する。
A/D変換回路15は、アナログ信号であるモニタ信号をデジタル信号に変換する。
演算回路16は、入力された信号から進行波のレベルと反射波のレベルを算出する演算を行い、進行波のレベルと反射波のレベルと位相から反射係数を求める。
A/D変換回路15は、アナログ信号であるモニタ信号をデジタル信号に変換する。
演算回路16は、入力された信号から進行波のレベルと反射波のレベルを算出する演算を行い、進行波のレベルと反射波のレベルと位相から反射係数を求める。
整合演算部17は、反射係数に基づいて、反射波のレベルが小さくなるよう、整合回路81の可変容量コンデンサ83の容量値を決定すると共に、反射波のレベルが小さくなるよう、発振回路11の周波数値を決定する。
周波数設定回路18は、整合演算部17から入力された周波数値を発振周波数として発振回路11に設定する。
周波数設定回路18は、整合演算部17から入力された周波数値を発振周波数として発振回路11に設定する。
図3に示すように、整合器62の整合回路81は可変容量コンデンサ83とコイル84とを備えており、入力された高周波信号のインピーダンス調整を行ってアンテナ63に出力する。容量設定回路82は高周波電源10の整合演算部17から決定した容量値が入力されると、整合回路81の可変容量コンデンサ83に容量値を設定する。
なお、図2の構成では、検出回路14から整合演算部17までのフィードバック系が高周波電源10のみに設けられて、整合演算部17において発振周波数と可変容量コンデンサ83の容量値の両方を算出する構成としているが、同様の回路構成が整合器62のみに設けられてもよいし、高周波電源10と整合器62の両方に設けられ、高周波電源10では周波数の算出を行い、整合器62では容量値の算出のみを行う構成としても構わない。
(演算回路)
演算回路16は、検出回路14で検出され、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された進行波と反射波の検出信号(モニタ信号)を入力して、それぞれの信号レベルを検出するものである。
演算回路16は、検出回路14で検出され、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された進行波と反射波の検出信号(モニタ信号)を入力して、それぞれの信号レベルを検出するものである。
演算回路16の構成について図4を用いて説明する。図4は、演算回路16の概略構成図である。
図4に示すように、演算回路16は、進行波について処理を行うNCO(Numerical Controlled Oscillator;数値制御型発振器)部50とデジタルフィルタ51とレベル演算回路52と、反射波について処理を行うNCO部53とデジタルフィルタ54とレベル演算回路55と、を備えている。
図4に示すように、演算回路16は、進行波について処理を行うNCO(Numerical Controlled Oscillator;数値制御型発振器)部50とデジタルフィルタ51とレベル演算回路52と、反射波について処理を行うNCO部53とデジタルフィルタ54とレベル演算回路55と、を備えている。
NCO部50は、sin波とcos波を生成するNCO及び乗算器を備え、入力された進行波信号にsin波とcos波をそれぞれ乗算して、進行波の同相(I)成分と直交(Q)成分とを出力する。高周波の周波数に連動してNCO周波数を設定するので、希望波(入力された進行波信号)は、NCO出力との演算によりベースバンド信号となる。NCO部50には、後述する周波数管理部19から、高周波電源10の出力周波数(発振回路11の発振周波数)に合わせたNCO周波数が設定される。すなわち、高周波電源装置610では、発振回路11に設定する周波数に連動して、NCO周波数が変更されるものである。
デジタルフィルタ51は、高周波電力の出力周波数を中心として、特定の帯域幅を通過させる帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ)であり、動作サンプリング周波数で入力される進行波の同相成分および直交成分から干渉波や相互変調波(以下、干渉波成分とする。)を除去するものである。
具体的には、デジタルフィルタ51は中心周波数から特定の周波数幅(例えば±10kHzとする)の帯域を通過させ、それ以外の帯域は減衰させることで、高周波電源20に起因する干渉波成分を除去する。つまり、デジタルフィルタ51の通過帯域は、特定の帯域幅(ここでは10kHz)の2倍となっている。
ここで、デジタルフィルタ51は、NCO部50のNCOに設定される周波数が発振回路11の周波数に相当する設定値に設定されることにより、当該周波数が通過帯域の中心周波数となる。これにより、発振回路11の周波数が変動した場合でも、デジタルフィルタ51は、高周波電力の周波数を中心として±10kHzの帯域のみを通過させ、それ以上離れた干渉波成分を確実に除去することができるものである。
レベル演算回路52は、干渉波成分が除去された進行波の同相成分および直交成分を入力して、進行波の電力レベル(進行波レベル、またはPFという。)を算出する。これにより、干渉波の影響を含まない正確な進行波レベルが算出され、整合演算部17に出力される。
NCO部53、デジタルフィルタ54、レベル演算回路55は、それぞれ、NCO部50、デジタルフィルタ51、レベル演算回路52と同様の処理を反射波について行うものである。具体的には、NCO部53はNCOと乗算器とを備え、入力された反射波にsin波とcos波を乗算して、反射波の同相成分と直交成分を出力する。デジタルフィルタ54は、入力された反射波の同相成分と直交成分を帯域制限して、高周波電力の周波数を中心周波数として特定の帯域(ここでは±10kHz)のみを通過させ、干渉波成分を除去する。レベル演算回路55は、干渉波の影響を含まない正確な反射波の電力レベル(反射波レベル、またはPRという。)を算出して、整合演算部17に出力する。
なお、ここでは図示は省略するが、演算回路16では、上述したように反射係数を算出して、整合演算部17に出力している。
ここで、反射波の検出回路において干渉波が観測された例を図5に示す。図5は、反射波の検出回路において干渉波が観測された場合の例を示す説明図である。
図5に示すように、画面中央の反射波に対して、無視できないレベルの干渉波が観測されている。デジタルフィルタ54は通過帯域Aの反射波を通過させ、通過帯域A以外の干渉波を除去する。
図5に示すように、画面中央の反射波に対して、無視できないレベルの干渉波が観測されている。デジタルフィルタ54は通過帯域Aの反射波を通過させ、通過帯域A以外の干渉波を除去する。
(整合演算部)
図2に戻って、整合演算部17は、入力された進行波レベル、反射波レベル、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定したい発振周波数および整合器62の可変容量コンデンサ83の容量値を算出し、整合器62に算出した容量値を出力する整合演算処理を行う。なお、整合演算部17から制御線10bを介して整合器62の容量設定回路82に容量値を設定する。
図2に戻って、整合演算部17は、入力された進行波レベル、反射波レベル、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定したい発振周波数および整合器62の可変容量コンデンサ83の容量値を算出し、整合器62に算出した容量値を出力する整合演算処理を行う。なお、整合演算部17から制御線10bを介して整合器62の容量設定回路82に容量値を設定する。
そして、高周波電源10の整合演算部17は、整合演算処理で算出された発振周波数の値を直ちに周波数設定回路18に出力するのではなく、算出された発振周波数(候補周波数)の値と、もう一つの電源ソースである高周波電源20の発振周波数とを比較して、干渉波成分を除去可能であるかどうかをチェックし、適切な周波数値を周波数設定回路18に出力する周波数連動処理を行う。具体的には、高周波電源10では、高周波電源20からの高周波電力に基づく干渉波成分がデジタルフィルタ51,54で確実に除去できるよう、発振回路11の周波数を高周波電源20の発振周波数から特定周波数(ここでは10kHz)以上離して設定する。周波数連動処理については後述するが、これにより、高周波電源10と高周波電源20では、互いに演算回路16,26のデジタルフィルタにおいて、他方の電源ソースに起因する干渉波成分は中心周波数から10kHz以上離れるために十分に減衰され、確実に除去することができるものである。
(周波数管理部)
周波数管理部19は、図2に示すように、整合演算部17から入力された発振回路11に設定する発振周波数(第1の発振周波数)の値を保持すると共に、それに合わせて演算回路16にNCOの周波数を設定する。また、周波数管理部19は、高周波電源20の周波数管理部29から出力される発振周波数(第2の発振周波数)の値を受信して、内部に保持しておき、整合演算部17からの要求に応じて、第2の発振周波数の値を整合演算部17に出力するようになっている。
周波数管理部19は、図2に示すように、整合演算部17から入力された発振回路11に設定する発振周波数(第1の発振周波数)の値を保持すると共に、それに合わせて演算回路16にNCOの周波数を設定する。また、周波数管理部19は、高周波電源20の周波数管理部29から出力される発振周波数(第2の発振周波数)の値を受信して、内部に保持しておき、整合演算部17からの要求に応じて、第2の発振周波数の値を整合演算部17に出力するようになっている。
(高周波電源)
図2に示すように、高周波電源20は、高周波電源10と同様の構成であるが、ここでは子機として動作するため、周波数連動処理を行わず、算出した候補周波数をそのまま発振周波数として設定するものである。高周波電源20において、発振回路21、励振増幅回路22、主増幅回路23、検出回路24、A/D変換回路25、演算回路26、周波数設定回路28は、それぞれ上述した高周波電源10の構成要素の符号の1桁目が同一である回路と同一の構成および動作となっている(xx回路2n=xx回路1n)。また、高周波電源10と同様に、高周波電源20の整合演算部27と整合器65とは制御線20bにより接続されている。
図2に示すように、高周波電源20は、高周波電源10と同様の構成であるが、ここでは子機として動作するため、周波数連動処理を行わず、算出した候補周波数をそのまま発振周波数として設定するものである。高周波電源20において、発振回路21、励振増幅回路22、主増幅回路23、検出回路24、A/D変換回路25、演算回路26、周波数設定回路28は、それぞれ上述した高周波電源10の構成要素の符号の1桁目が同一である回路と同一の構成および動作となっている(xx回路2n=xx回路1n)。また、高周波電源10と同様に、高周波電源20の整合演算部27と整合器65とは制御線20bにより接続されている。
子機として動作する高周波電源20の整合演算部27は、演算回路26から入力された進行波レベルと反射波レベルと反射係数とを用いて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路21の周波数(第2の発振周波数)を決定すると共に、整合器65の可変容量コンデンサの容量値を決定する整合演算処理を行う。そして、決定した周波数を、周波数設定回路28と周波数管理部29に出力し、制御線20bを介して容量値を整合器65に出力する。
周波数管理部29は、第2の発振周波数の値を内部に保持すると共に、高周波電源10の周波数管理部19に出力するものである。また、周波数管理部29は、第2の発振周波数の値に合わせて、演算回路26に、NCOの周波数を設定する。
(高周波電源装置の動作)
高周波電源装置610の動作について図2、3を用いて説明する。基本的には第1の系統611を中心として説明し、第2の系統622については、第1の系統611と異なる部分のみ説明する。
図2に示すように、高周波電源10において、発振回路11は設定された第1の発振周波数を発振して高周波電力が出力され、高周波電力は、励振増幅回路12および主増幅回路13で所定のレベルまで増幅され、検出回路14および高周波同軸ケーブル10aを介して整合器62に出力される。整合器62において、高周波電力はインピーダンス整合がなされ、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
高周波電源装置610の動作について図2、3を用いて説明する。基本的には第1の系統611を中心として説明し、第2の系統622については、第1の系統611と異なる部分のみ説明する。
図2に示すように、高周波電源10において、発振回路11は設定された第1の発振周波数を発振して高周波電力が出力され、高周波電力は、励振増幅回路12および主増幅回路13で所定のレベルまで増幅され、検出回路14および高周波同軸ケーブル10aを介して整合器62に出力される。整合器62において、高周波電力はインピーダンス整合がなされ、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
検出回路14では、進行波と反射波が検出されてモニタ信号としてA/D変換回路15に入力され、デジタル信号に変換される。そして、演算回路16では、進行波と反射波のそれぞれが直交検波されて同相成分と直交成分が取り出され、それぞれデジタルフィルタ51,54で帯域制限されて干渉波成分が除去され、レベル演算回路52,55で進行波レベルと反射波レベルと反射係数が算出される。
そして、整合演算部17では、入力された反射波レベル等を用いて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定したい候補周波数値が算出されると共に、整合器62の可変容量コンデンサ83に設定する容量値が算出され、容量値を整合器62の容量設定回路82に出力される。
また、整合演算部17では、周波数連動処理として、周波数管理部19から高周波電源20の発振周波数(第2の発振周波数)を取得し、算出した候補周波数と第2の発振周波数とを比較して、候補周波数と第2の発振周波数とが特定の周波数差以上となるよう周波数連動処理が行われ、特定の周波数差以上となった場合に当該候補周波数を発振回路11の発振周波数(第1の発振周波数)として決定する。第1の発振周波数は、周波数設定回路18を介して発振回路11に設定される。
また、高周波電源20では、整合演算部27で容量値と第2の発振周波数が算出され、容量値は整合器65に設定され、第2の発振周波数は周波数設定回路28を介して発振回路21に設定される。また、第2の発振周波数は、周波数管理部29に出力され、周波数管理部29に保持されると共に、高周波電源10の周波数管理部19に出力され、整合演算部17での周波数連動処理に用いられる。
このようにして高周波電源装置610の動作が行われるものである。
このようにして高周波電源装置610の動作が行われるものである。
(整合演算部の処理)
次に、整合演算部17における処理について図6を用いて説明する。図6は高周波電源10の整合演算部17における処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、整合演算部17は、反射波レベルおよび反射係数が入力される(処理S1)と、それらに基づいて整合演算を行って、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定する候補周波数(Freq_1)を算出する(処理S2)。なお、処理S2では、整合器62の可変容量コンデンサ83の容量値も算出して、整合器62に出力するが、ここでは図示は省略している。
次に、整合演算部17における処理について図6を用いて説明する。図6は高周波電源10の整合演算部17における処理を示すフローチャートである。
図5に示すように、整合演算部17は、反射波レベルおよび反射係数が入力される(処理S1)と、それらに基づいて整合演算を行って、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定する候補周波数(Freq_1)を算出する(処理S2)。なお、処理S2では、整合器62の可変容量コンデンサ83の容量値も算出して、整合器62に出力するが、ここでは図示は省略している。
また、周波数管理部19では、周波数管理機能により、他装置である高周波電源20の周波数管理部29から高周波電源20の発振周波数(第2の発振周波数、Freq_2)を取得して、保持している(処理S11)。そして、整合演算部17は、周波数管理部19から第2の発振周波数(Freq_2)を取得し、処理S2で算出した候補周波数(Freq_1)と、取得した第2の発振周波数(Freq_2)との差(|Freq_1-Freq_2|)を求める(処理S3)。
そして、整合演算部17は、処理S3で算出した差|Freq_1-Freq_2|が10kHz以上であるかどうかを判断する(処理S4)。ここでは、演算回路16、26のデジタルフィルタを中心周波数(発振周波数)±10kHzの範囲を通過させる特性としているため、候補周波数と第2の発振周波数との差が10kHz以上となっているかどうかを確認する。
処理S4において、周波数の差が10kHz以上であれば(Yesの場合)、整合演算部17は処理S4で算出した候補周波数を第1の発振周波数として決定して、周波数設定回路18に出力して発振回路11に設定すると共に、当該第1の発振周波数を周波数管理部19に出力する(処理S5)。そして、処理S1に戻って処理を繰り返す。
また、処理S4において、周波数の差が10kHz未満であった場合(Noの場合)、整合演算部17は、周波数差を計算した回数(繰り返し回数)をカウント(インクリメント)し(処理S6)、回数が予め設定された閾値以上となったかどうかを判断する(処理S7)。
そして、処理S7で、繰り返し回数が閾値に達していない場合(Noの場合)には、整合演算部17は、処理S2に戻って、演算回路16から反射波レベルおよび反射係数を入力して再び整合演算を行って候補周波数を算出する。
周波数差が10kHz未満の場合、このまま候補周波数(Freq_1)を発振回路11に設定すると、干渉波成分がデジタルフィルタの通過帯域内に発生してしまうため、干渉波を除去できず、現在の候補周波数(Freq_1)は適切な値ではない。そのため、整合演算部17は新たに反射波レベル等を取得して、演算をやり直すようにしている。
また、処理S7で、回数が閾値に達した場合(Yesの場合)には、整合演算部17は、候補周波数(Freq_1)として、第2の発振周波数に10kHzを加算した周波数(Freq_1=Freq_2+10kHz)または第2の発振周波数から10kHzを減算した周波数(Freq_1=Freq_2−10kHz)を第1の周波数として決定し(処理S8)、処理S5に移行して周波数設定回路18を介して発振回路11に設定する(処理S5)。
つまり、所定の回数だけ整合演算を繰り返しても、候補周波数が第2の発振周波数と10kHz以上離れない場合には、整合演算部17は、第1の発振周波数を強制的に第2の発振周波数から10kHz以上離れた周波数に決定して、処理を収束させるものである。
処理S8において、第1の発振周波数として、第2の発振周波数(Freq_2)に対して高周波側の周波数を選択するか、低周波側を選択するかは、予め決めておいてもよいし、第2の発振周波数の値に応じて適宜決定してもよい。
処理S3〜S8が周波数連動処理となっている。このようにして、整合演算部17の処理が行われるものである。
処理S3〜S8が周波数連動処理となっている。このようにして、整合演算部17の処理が行われるものである。
これにより、本実施形態の高周波電源装置では、複数の高周波電源のそれぞれが、別の電源ソースからの高周波の影響による干渉波成分を、演算回路のデジタルフィルタで確実に減衰することができ、干渉波成分を含まない進行波および反射波を検出して、進行波レベルおよび反射波レベルを精度よく算出でき、さらに安定した整合動作を行って電力効率を向上させることができるものとなる。
なお、ここでは、周波数連動処理を親機である高周波電源10において行うようにして、子機の高周波電源20では自己が設定した発振周波数を親機に通知するのみとしたが、逆にしてもよい。すなわち、親機が子機に自己が設定した発振周波数を通知し、子機がその情報に基づいて周波数連動処理を行って発振周波数の差が10kHz以上となるように自己の発振周波数を設定するように構成してもよい。
さらにまた、上位装置68において、2つの高周波電源10,20の周波数管理部19,29から候補となる周波数を取得して、両者の差が10kHz以上となるように制御を行うようにしてもよい。この場合、一方の高周波電源の発振周波数のみを調整してもよいし、両方の高周波電源の発振周波数を調整してもよい。この場合、周波数管理部19,29は、上位装置68に候補となる周波数を送出し、上位装置68から指定された発振周波数を整合演算部17,27および周波数設定回路18,28を介して発振回路11,21に設定する。
親機で制御する動作とするか、子機で制御する動作とするか、又は、上位装置68で制御する動作とするかは、予め動作モードとして設定され、各装置は、設定された動作モードに応じた処理を行うようになっている。
(デジタルフィルタの別の構成)
上述した例では、演算回路16のデジタルフィルタ51,54をバンドパスフィルタとして説明したが、ベースバンド信号に対して特定の周波数以下の帯域を通過させるローパスフィルタとして構成してもよい。この場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高周波電源10の出力周波数から、特定の帯域幅(例えば10kHz)だけ高い周波数に設定しておく。これにより、高周波電源10の出力周波数+10kHzより低い周波数は通過し、高周波電力の出力周波数+10kHz以上の干渉波成分は除去されることになる。
上述した例では、演算回路16のデジタルフィルタ51,54をバンドパスフィルタとして説明したが、ベースバンド信号に対して特定の周波数以下の帯域を通過させるローパスフィルタとして構成してもよい。この場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高周波電源10の出力周波数から、特定の帯域幅(例えば10kHz)だけ高い周波数に設定しておく。これにより、高周波電源10の出力周波数+10kHzより低い周波数は通過し、高周波電力の出力周波数+10kHz以上の干渉波成分は除去されることになる。
ローパスフィルタを用いた場合の整合演算部17の動作について簡単に説明する。
整合演算部17においては、バンドパスフィルタを用いた場合と同様に、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出する。そして、当該候補周波数に基づいて、自己の発振周波数が、他方の高周波電源20の発振周波数より特定周波数(例えば10kHz)以上低くなるように、発振周波数を決定する。
整合演算部17においては、バンドパスフィルタを用いた場合と同様に、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出する。そして、当該候補周波数に基づいて、自己の発振周波数が、他方の高周波電源20の発振周波数より特定周波数(例えば10kHz)以上低くなるように、発振周波数を決定する。
バンドパスフィルタの場合には、自己の発振周波数は、他方の高周波電源20の発振周波数と比較して、特定の周波数以上離れていれば高くても低くてもよかったが、ローパスフィルタの場合には、他方の高周波電源20の発振周波数より低い側に決定する。つまり、ローパスフィルタのカットオフ周波数は自己の発振周波数+10kHzとなる。これにより、高周波電源20に起因する干渉波成分は、ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高くなるため、デジタルフィルタ51,54で減衰され、進行波レベル、反射波レベルを正確に算出することができるものである。
バンドパスフィルタの場合と同様に、整合演算部17が発振周波数に応じたNCO周波数を設定することにより、発振周波数が変動しても、カットオフ周波数を常に発振周波数+特定周波数とすることができ、確実に干渉波成分を除去できる。
また、バンドパスフィルタの場合と同様に、整合演算を所定の回数行っても他の高周波電源装置の発振周波数から特定周波数以上離れた周波数を候補周波数として求められなかった場合には、強制的に特定周波数以上(ここでは10kHz以上)離れた周波数を発振回路に設定する。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の高周波電源装置は、複数の高周波電源10,20と整合器62,65を備え、一方の高周波電源10が、演算回路16に、進行波および反射波の周波数を中心周波数とし、中心周波数から特定周波数幅の通過帯域を備えたデジタルフィルタ51を備える。周波数管理部19が、他方の高周波電源20の発振周波数を記憶しておき、整合演算部17が、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出し、当該候補周波数に基づいて、他方の高周波電源20の発振周波数と自己の発振周波数との周波数差が特定周波数以上となるように、発振周波数を決定するよう構成されている。これにより、複数の高周波電源10,20における周波数が常に特定の周波数差以上は離れるよう制御することができ、互いに反射波の検出信号に含まれる干渉波成分をデジタルフィルタ51,54で確実に除去して正確な反射波レベルを算出でき、精度の高い整合を実現して、電力効率を向上させることができる。
第一実施形態の高周波電源装置は、複数の高周波電源10,20と整合器62,65を備え、一方の高周波電源10が、演算回路16に、進行波および反射波の周波数を中心周波数とし、中心周波数から特定周波数幅の通過帯域を備えたデジタルフィルタ51を備える。周波数管理部19が、他方の高周波電源20の発振周波数を記憶しておき、整合演算部17が、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出し、当該候補周波数に基づいて、他方の高周波電源20の発振周波数と自己の発振周波数との周波数差が特定周波数以上となるように、発振周波数を決定するよう構成されている。これにより、複数の高周波電源10,20における周波数が常に特定の周波数差以上は離れるよう制御することができ、互いに反射波の検出信号に含まれる干渉波成分をデジタルフィルタ51,54で確実に除去して正確な反射波レベルを算出でき、精度の高い整合を実現して、電力効率を向上させることができる。
また、第一実施形態の高周波電源装置は、整合演算部17が発振周波数に応じたNCOの周波数の情報を演算回路16に設定するよう構成されている。これにより、デジタルフィルタ51の中心周波数を発振周波数に一致させることができ、発振周波数が変動しても、デジタルフィルタ51において確実に干渉波成分を除去することができる。
また、第一実施形態の高周波電源装置は、複数の高周波電源における周波数を連動して制御する周波数連動処理を、親機、子機、上位装置のいずれで行うか任意に選択するよう構成されている。これにより、システム設計上の自由度を大きくすることができる。
また、第一実施形態のプラズマ処理装置は、上述した本高周波電源装置から電力の供給を受けるよう構成されている。これにより、高周波電力のインピーダンス整合を精度よく行うことができ、安定してプラズマを発生させ、分布の特性を良好にして、良好なプラズマ処理を行うことができる。
上述したように、第一実施形態の高周波電源装置は、自装置の発振周波数以外の成分を除去することで、安定な整合動作および出力制御動作を行うものであるが、プラズマ反応炉内の状態の変化(干渉波のレベルの急激な変化や経年変化など)を検出して監視するものではない。
<第二実施形態>
そこで、第二実施形態では、プラズマ反応炉内の状態の変化(干渉波のレベルの急激な変化や経年変化など)を検出して監視し、プラズマ処置装置の歩留まりの改善(品質の向上)や、装置メンテナンスの適時対応による機会損失を低減する。
そこで、第二実施形態では、プラズマ反応炉内の状態の変化(干渉波のレベルの急激な変化や経年変化など)を検出して監視し、プラズマ処置装置の歩留まりの改善(品質の向上)や、装置メンテナンスの適時対応による機会損失を低減する。
(プラズマ処理装置の構成)
第二実施形態のプラズマ処理装置の構成について図7を用いて説明する。図7は第二実施形態のプラズマ処理装置の概略構成図である。なお、上述した第一実施形態のプラズマ処理装置と同様の部分については同一の符号を付している。
図7に示すように、第二実施形態のプラズマ処理装置602は、プラズマ反応炉60と、ヒーター67と、アンテナ63、66と、高周波電源30,40と、整合器62,65と、プラズマ処理装置に関わる制御を行う上位装置68と、を有している。第二実施形態のプラズマ処理装置602は第一実施形態のプラズマ処理装置601と高周波電源を除いて同じ構成、接続であり、高周波電源以外の説明は省略する。
第二実施形態のプラズマ処理装置の構成について図7を用いて説明する。図7は第二実施形態のプラズマ処理装置の概略構成図である。なお、上述した第一実施形態のプラズマ処理装置と同様の部分については同一の符号を付している。
図7に示すように、第二実施形態のプラズマ処理装置602は、プラズマ反応炉60と、ヒーター67と、アンテナ63、66と、高周波電源30,40と、整合器62,65と、プラズマ処理装置に関わる制御を行う上位装置68と、を有している。第二実施形態のプラズマ処理装置602は第一実施形態のプラズマ処理装置601と高周波電源を除いて同じ構成、接続であり、高周波電源以外の説明は省略する。
(高周波電源装置の構成)
第二実施形態の高周波電源装置の構成について図8を用いて説明する。図8は、第二実施形態の高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。ここでは、第1の系統621の高周波電源30と整合器62について説明するが、第2の系統622の高周波電源40と整合器65も同じ構成および動作である。
図8に示すように、高周波電源30と高周波電源40は、第一実施形態の高周波電源の構成における高周波電源10と高周波電源20と基本的な構成は同じであるが、演算回路(第一演算回路)16の他に、AD変換回路15の出力が分岐されて、進行波と反射波が入力される第二演算回路31および第三演算回路32と、干渉波演算回路33と、を備える。なお、高周波電源30,40は第三演算回路32を備えなくてもよいし、備えていても、その機能を使用しなくてもよい。また、高周波電源40は第二演算回路31と第三演算回路32と干渉波演算回路33を備えなくてもよいし、備えていても、その機能を使用しなくてもよい。
第二実施形態の高周波電源装置の構成について図8を用いて説明する。図8は、第二実施形態の高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。ここでは、第1の系統621の高周波電源30と整合器62について説明するが、第2の系統622の高周波電源40と整合器65も同じ構成および動作である。
図8に示すように、高周波電源30と高周波電源40は、第一実施形態の高周波電源の構成における高周波電源10と高周波電源20と基本的な構成は同じであるが、演算回路(第一演算回路)16の他に、AD変換回路15の出力が分岐されて、進行波と反射波が入力される第二演算回路31および第三演算回路32と、干渉波演算回路33と、を備える。なお、高周波電源30,40は第三演算回路32を備えなくてもよいし、備えていても、その機能を使用しなくてもよい。また、高周波電源40は第二演算回路31と第三演算回路32と干渉波演算回路33を備えなくてもよいし、備えていても、その機能を使用しなくてもよい。
演算回路16は、第一実施形態と同様に、自装置である高周波電源30の発振周波数を通過帯域とし、他装置である高周波電源40の発振周波数およびプラズマ反応炉60で生成した干渉波を阻止するデジタルフィルタを備え、高周波電源30の進行波レベル(PF)および反射波レベル(PR)を検出する。
第二演算回路31は、高周波電源30と高周波電源40の発振周波数およびプラズマ反応炉60で生成した干渉波の全てを含んだ進行波レベル(PF2)および反射波レベル(PR2)を検出する。第二演算回路31は、通過帯域が十分広いデジタルフィルタを備えている。なお、デジタルフィルタを備えず、進行波、反射波および干渉波等をスルーしてもよい。
第三演算回路32は、高周波電源40の発振周波数を通過帯域とし、高周波電源30の発振周波数とプラズマ反応炉60で生成された干渉波を阻止するデジタルフィルタを備え、高周波電源40からプラズマ反応炉60を介して入ってくる進行波レベル(PF3)および反射波レベル(PR3)を検出する。
干渉波演算回路33では、干渉波のレベルを演算する。第二演算回路31で演算したPF2とPR2には、高周波電源30の発振周波数と高周波電源40の発振周波数の成分およびプラズマ反応炉60で生成した干渉波成分が含まれている。よって、第二演算回路31の演算結果から、演算回路16の高周波電源30の発振周波数のレベルを差し引くと、高周波電源30の発振周波数以外の周波数成分のレベルとなる。
また、第二演算回路31の演算結果から、演算回路16の高周波電源30の発振周波数のレベルと、第三演算回路32の高周波電源40の発振周波数のレベルとを差し引くと、プラズマ反応炉60内で生成した干渉波成分のレベルとなる。
干渉波演算回路33で算出した、干渉波レベルを使用者に通知することで、使用者は新たなプラズマ反応炉60の状態監視項目を得ることができ、プラズマ反応炉60の状態変化(急激な干渉波レベルの変動、および干渉波レベルの経年的変化)を監視して、適時メンテナンスを実施することができる。また、干渉波レベルとプラズマ反応炉60の品質に関連があれば、歩留まりおよび品質の向上に寄与することができる。
(演算回路の構成)
演算回路16、第二演算回路31、第三演算回路32の構成について図9を用いて説明する。図9は図8の演算回路、第二演算回路、第三演算回路の概略構成図である。
図9に示すように、演算回路16は、第一実施形態と同様に、進行波について処理を行うNCO(Numerical Controlled Oscillator;数値制御型発振器)部50、デジタルフィルタ51、レベル演算回路52と、反射波について処理を行うNCO部53、デジタルフィルタ54、レベル演算回路55とを備えている。
演算回路16、第二演算回路31、第三演算回路32の構成について図9を用いて説明する。図9は図8の演算回路、第二演算回路、第三演算回路の概略構成図である。
図9に示すように、演算回路16は、第一実施形態と同様に、進行波について処理を行うNCO(Numerical Controlled Oscillator;数値制御型発振器)部50、デジタルフィルタ51、レベル演算回路52と、反射波について処理を行うNCO部53、デジタルフィルタ54、レベル演算回路55とを備えている。
第二演算回路31は演算回路16と同様の回路構成であるが、デジタルフィルタの部分が異なる。第二演算回路31は、デジタルフィルタ101,104をスルーするか、デジタルフィルタ101,104を十分広い通過帯域とすることで、高周波電源30の発振周波数および高周波電源40の発振周波数およびプラズマ反応炉60で生成された干渉波成分を含むレベルを演算することができる。
第三演算回路32は演算回路16と同様な構成であるが、NCO部に供給されるNCO周波数が異なる。第三演算回路32は、高周波電源40の発振周波数でNCO部を動作させ、その信号に対してデジタルフィルタ111,114を使用して、高周波電源40の発振周波数成分のレベルを演算する。
ここで、干渉波演算回路33で扱う信号について図10を用いて説明する。図10は図8の演算回路、第二演算回路、第三演算回路が検出する波形の例を示す説明図であり、反射波の検出回路において干渉波が観測された場合の例を示す図である。
干渉波演算回路33で扱う信号は、図10に示すように、例えば、演算回路16のデジタルフィルタ54の通過帯域Aを通過した高周波電源30の発振周波数レベルと、第三演算回路32のデジタルフィルタ114の通過帯域Bを通過した高周波電源40の発振周波数レベルと、第二演算回路31のデジタルフィルタ104の通過帯域Cを通過した全体のレベルと、である。
干渉波演算回路33で扱う信号は、図10に示すように、例えば、演算回路16のデジタルフィルタ54の通過帯域Aを通過した高周波電源30の発振周波数レベルと、第三演算回路32のデジタルフィルタ114の通過帯域Bを通過した高周波電源40の発振周波数レベルと、第二演算回路31のデジタルフィルタ104の通過帯域Cを通過した全体のレベルと、である。
干渉波演算回路33は、第二演算回路31のデジタルフィルタ104の通過帯域Cを通過した全体レベルから高周波電源30のレベルを差し引くことにより、自装置である高周波電源30以外の干渉波レベル、すなわち、自装置に入り込む干渉波レベル(プラズマ反応炉60で生成する干渉波レベルと、プラズマ反応炉60を介して到達した他の高周波電源40の発振レベルを含む)を算出することが可能である。また、干渉波演算回路33は、第二演算回路31のデジタルフィルタ104の通過帯域Cを通過した全体レベルから高周波電源30のレベルと高周波電源40のレベルを差し引くことにより、自装置および他装置である高周波電源40以外の干渉波レベル、すなわち、自装置に入り込む干渉波レベル(プラズマ反応炉60で生成する干渉波レベル)を検出することが可能である。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態の高周波電源装置は、自装置の発振周波数の進行波および反射波を検出し、他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去する演算回路16と、自装置の発振周波数と他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだレベルを検出する第二演算回路31と、それらのレベルの差分を算出する干渉波演算回路33と、を備える。これにより、自装置に入り込む干渉波レベル(プラズマ処理装置で生成する干渉波レベルと、プラズマ処理装置を介して到達した他の高周波電源の発振レベルを含む)を検出することが可能である。
第二実施形態の高周波電源装置は、自装置の発振周波数の進行波および反射波を検出し、他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去する演算回路16と、自装置の発振周波数と他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだレベルを検出する第二演算回路31と、それらのレベルの差分を算出する干渉波演算回路33と、を備える。これにより、自装置に入り込む干渉波レベル(プラズマ処理装置で生成する干渉波レベルと、プラズマ処理装置を介して到達した他の高周波電源の発振レベルを含む)を検出することが可能である。
また、第二実施形態の高周波電源装置は、自装置の発振周波数の進行波および反射波を検出し、他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去する演算回路16と、プラズマ処理装置を介して到達した他の高周波電源の発振周波数の進行波および反射波レベルを検出し、自装置の発振周波数成分および干渉波成分を除去する第三演算回路32と、自装置の発振周波数と他の高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだレベルを検出する第二演算回路31と、それらのレベルの差分を算出する干渉波演算回路33と、を備える。これにより、自装置に入り込む干渉波レベル(プラズマ処理装置で生成する干渉波レベル)を検出することが可能である。
また、第二実施形態の高周波電源装置は、整合器に複数のアンテナが接続されているので、プラズマ分布の特性を調整することが可能である。干渉波レベルの監視により、各高周波電源の干渉波レベルを監視することで、干渉の発生しにくい配置となるようアンテナ設置箇所を決定する際にも有効である。
また、第二実施形態のプラズマ処理装置は、上記の高周波電源装置を用いているので、プラズマ反応炉内で発生する干渉波のレベルの大きさや、経年的な変化を使用者に通知すると共に、プラズマ処理の歩留まり改善や品質向上、および適時メンテナンスによる機会損失の低減に寄与させることが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
30・・・高周波電源(第一高周波電源)
16・・・演算回路(第一演算回路)
31・・・第二演算回路
33・・・干渉波演算回路
40・・・高周波電源(第二高周波電源)
16・・・演算回路(第一演算回路)
31・・・第二演算回路
33・・・干渉波演算回路
40・・・高周波電源(第二高周波電源)
Claims (11)
- お互いに周波数の異なる高周波を発生し、プラズマ反応炉内に設置される第一アンテナおよび第二アンテナに高周波電力をそれぞれ供給する第一高周波電源および第二高周波電源を備え、
前記第一高周波電源は、
前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去して第一進行波レベルおよび第一反射波レベルを検出する第一演算回路と、
前記第一高周波電源の発振周波数と前記第二高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を含んだ第二進行波レベルおよび第二反射波レベルを検出する第二演算回路と、
前記第二進行波レベルおよび前記第二反射波レベルと、前記第一進行波レベルおよび前記第一反射波レベルと、に基づいて前記第一高周波電源が検出する干渉波レベルを算出する干渉波演算回路と、
を備える高周波電源装置。 - 請求項1の高周波電源装置において、
前記干渉波演算回路が算出する前記干渉波レベルは前記プラズマ反応炉で生成する干渉波レベルと前記プラズマ反応炉を介して到達した前記第二高周波電源の発振レベルとである高周波電源装置。 - 請求項1の高周波電源装置において、
さらに、前記プラズマ反応炉を介して到達した前記第二高周波電源の発振周波数の第三進行波レベルおよび第三反射波レベルを検出し、前記第一高周波電源の発振周波数成分および干渉波成分を除去するデジタルフィルタを備える第三演算回路を備え、
前記干渉波演算回路は、前記第二演算回路が検出した前記第二進行波レベルおよび前記第二反射波レベルと前記第一演算回路が検出した前記第一進行波レベルおよび前記第一反射波レベルと前記第三演算回路が検出した前記第三進行波レベルおよび前記第三反射波レベルとに基づいて前記第一高周波電源が検出する干渉波レベルを算出するよう構成される高周波電源装置。 - 請求項3の高周波電源装置において、
前記干渉波演算回路が算出する前記干渉波レベルは前記プラズマ反応炉で生成する干渉波レベルある高周波電源装置。 - 請求項1の高周波電源装置において、さらに、
前記第一アンテナに接続され、前記第一高周波電源の出力を整合する第一整合器と、
前記第二アンテナに接続され、前記第二高周波電源の出力を整合する第二整合器と、
を備え、
前記第一高周波電源は、さらに、
設定された発振周波数の高周波を発振する第一発振回路と、
第一整合演算部と、
を備え、
前記第一演算回路は、検出した前記第一進行波レベルと前記第一反射波レベルとから反射係数を算出し、
前記第一整合演算部は、前記反射係数に基づいて、前記第一反射波レベルが小さくなるよう前記第一整合器での制御値を算出する演算を行うと共に、前記第一発振回路の発振周波数の候補値を算出する演算を行うよう構成される高周波電源装置。 - 請求項5の高周波電源装置において、
前記第一高周波電源は、さらに、前記第一整合演算部が前記第一発振回路に設定する発振周波数を保持すると共に前記第二高周波電源からの発振周波数を受信して保持する第一周波数管理部を備える高周波電源装置。 - 請求項5の高周波電源装置において、
前記第一整合演算部は、前記発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を前記第二高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して前記第一発振回路に設定するよう構成される高周波電源装置。 - 請求項7の高周波電源装置において、
前記第一整合演算部は、前記第二高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、発振周波数の演算を繰り返し、当該演算を特定回数行ったら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して前記第一発振回路に設定するよう構成される高周波電源装置。 - 請求項7の高周波電源装置において、
さらに、前記第一高周波電源および前記第二高周波電源に接続する上位装置を備え、
前記上位装置は、前記発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、前記第二高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して前記第一発振回路に設定するよう構成される高周波電源装置。 - 請求項9の高周波電源装置において、
前記上位装置は、前記第二高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、前記第一整合演算部での発振周波数の演算を繰り返し行わせ、当該演算が特定回数行われたら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して前記第一発振回路に設定するよう構成される高周波電源装置。 - 請求項5の高周波電源装置において、
前記第一整合器および前記第二整合器に複数のアンテナが接続されている高周波電源装置。
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