以下、実施形態の終端抵抗設定装置及び終端抵抗設定システムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る空調システム100(終端抵抗設定システム)の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る空調システム100の全体構成図である。図1に示す空調システム100は、例えばオフィスビルに設置された空調システムである。
図1に示すように、空調システム100は、空気調和機の室外機である室外機1と、この室外機1と通信線30や冷媒配管によって接続される空気調和機の室内機である、室内機2−1と、室内機2−2と、室内機2−3と、を含んで構成される。なお、以下の説明において、室内機2−1と、室内機2−2と、室内機2−3と、を区別して説明する必要がない場合には、単に「室内機2」という。室外機1と各室内機2とで、冷凍サイクルが構成される。
このように、空調システム100は、1台の室外機1と、複数の室内機2と、を含んでいる。室外機1は、複数の室内機2の動作を一括して制御する。ここでは、説明を簡単にするために、1台の室外機1によって制御される室内機2の台数を3台としたが、大能力の室外機1を用いた場合では、10台以上の室内機2を接続することも可能であり、実際には3台よりもかなり多くの室内機2が接続される。さらには、異なる室外機1及びその室外機1に接続された複数の室内機2を通信可能に接続してもよい。
室外機1は、通信上の親機となる通信装置10(終端抵抗設定装置)を備えている。また、室内機2−1〜2−3は、それぞれ、通信上の子機となる通信装置20−1〜20−3を備えている。なお、以下の説明において、通信装置20−1〜20−3と、を区別して説明する必要がない場合には、単に「通信装置20」という。
本実施形態においては、通信装置10は、室外機1に備えられているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、空調システム全体を集中管理する集中管理装置(図示せず)等に備えられていてもよい。この場合、室外機1は、子機である通信装置20となる。
図1に示すように、通信装置10と、通信装置20−1〜20−3とは、通信線30によって、バス接続方式で接続されている。各室内機2は室内に設置され、室外機1のみが室外に配置されることから、室外機1の通信装置10は、通常、通信線30の一方の末端位置に設置される。また、集中管理装置を通信装置10とした場合も、集中管理装置は、建物の端に設けられることが多く、通信線30の一方の末端位置に設置される可能性が高い。
通信装置10と複数の通信装置20とは相互に通信を行う通信機能を有する。通信装置10は、通信装置20から出力された信号を取得することによって、例えば、室内機2の稼働状況を示す情報を取得したり、室内機2が設置された部屋の温度や湿度情報を取得したりする。また、通信装置10は、通信装置20に対して信号を出力することで、室内機2の稼働状態(例えば、運転状態及び設定温度等)を制御することができる。
通信装置10は、後述する終端抵抗11を備え、常時有効化されている。したがって、通信装置10は、常に終端装置としての機能を有している。また、後述するように、通信装置10は、通信線30における適切な位置にある1台の通信装置20に、もう一方の終端抵抗を設定させるための機能も備えている。
通信装置20は、終端抵抗を含む後述する終端抵抗設定部21を備える。終端抵抗設定部21は、通信装置10から出力された命令に基づいて、終端抵抗の設定又は解除、すなわち入り/切りの切り替えを行う。したがって、通信装置20は、終端装置としての機能を有する場合と、そうでない場合とがある。
通信装置10及び通信装置20は、いずれも、高速で通信を行う通信モードである高速通信モードでの通信と、これに対し相対的に低速で通信を行う通信モードである低速通信モードでの通信と、を自動的に切り替えて通信(送受信)することができる。
空調システム100が稼働する前の初期状態では、全ての通信装置20の終端抵抗設定部21において、終端抵抗が解除された状態である。したがって、初期状態では、全ての通信装置20が終端装置としての機能を有していない状態であることから、通信線30の末端部において通信線30によって伝達される信号の反射が発生しやすく、信号波形が乱れやすい。とくに高速に通信が行われる場合、個々のパルス信号が短くなるため、相対的に信号の反射の影響が大きくなる。これに対処するため、初期状態においては、通信装置10及び通信装置20は、いずれも、低速通信モードで動作する。
通信装置10は、通信線30によって伝達される信号の反射を抑えて、高速通信モードで通信装置20との通信を行うことができるようにするための制御を行う。具体的には、通信装置10は、終端抵抗設定装置として動作し、通信線30において終端抵抗を設けるのに適切な位置(主に通信線30の末端)にある通信装置20を選定する。そして、通信装置10は、選定された通信装置20の終端抵抗設定部21に対して、終端抵抗が設定された状態に切り替えさせるための命令(以下、「終端抵抗設定命令」という。)を出力する。なお、後述するように、終端抵抗設定命令は、終端抵抗を設けるのに適切な位置にある通信装置20を探索するためにも利用される。
上記選定された通信装置20の終端抵抗設定部21は、取得した終端抵抗設定命令に従って、終端抵抗が設定された状態への切り替えを行う。これにより、当該通信装置20が終端装置として機能する。そして、予め終端装置としての機能を有する通信装置10に加えて、上記特定された通信装置20において終端抵抗が設定されることによって、信号の反射が抑えられ、信号波形が乱れることなく高速の通信を行うことが可能になる。高速の通信を行うことで、通信装置10、20間で運転中に必要な情報を迅速に転送できるようになる。
以下、通信装置10の終端抵抗設定装置としての機能による、終端抵抗の適切な設定位置の特定方法について説明する。
まず、通信装置10は、任意の1つの通信装置20に対して、終端抵抗を設定しなくても通信が可能な低速通信モードで終端抵抗設定命令を出力する。これにより、終端抵抗設定命令を取得した通信装置20において終端抵抗が設定される。ここでは、例えば、通信装置10は、まず通信装置20−1に終端抵抗を設定させる。
次に、通信装置10は、全ての通信装置20に対して、終端抵抗の設定が不要な低速通信モードで、低速通信モードから高速通信モードへ通信モードを切り替えさせるための命令(以下、「通信速度切替命令」という。)を出力する。これにより、全ての通信装置20において、通信モードが高速通信モードに切り替わる。
続いて、通信装置10は、自己の通信装置10の通信モードを、低速通信モードから高速通信モードへ切り替える。そして、通信装置10は、高速通信モードで各通信装置20との通信の確立を順にそれぞれ試みる。全ての通信装置20との通信がそれぞれ確立された場合、通信装置10は、終端抵抗が設定された上記通信装置20−1が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置であると判定する。但し、図1に示すように、通信装置20−1は通信線30の末端に位置する通信装置ではないことから、一般的には、通信が確立しない可能性が高い。
通信が確立しなかった場合(例えば、いずれかの通信装置20との間で通信エラーが発生した場合)、通信装置10は、終端抵抗が設定された上記通信装置20−1が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置20ではないと判定する。そして、通信装置10は、低速通信モードで終端抵抗が設定された上記通信装置20−1に対して、終端抵抗の設定を解除させるための命令(以下、「終端抵抗設定解除命令」という。)を出力する。これにより、通信装置20−1において終端抵抗の設定が解除される。
続いて、通信装置10は、他の(既に終端抵抗の設定を試行済みである、通信装置20−1以外の)任意の1つの通信装置20に対して、終端抵抗設定命令を出力する。例えば、通信装置10は、通信装置20−2に終端抵抗設定命令を出力し、終端抵抗を設定させる。そして、上記と同様に、通信装置10は、各通信装置20との通信の確立を試みる。ここでも、図1に示すように、通信装置20−2も通信線30の末端に位置する通信装置ではないことから、一般的には、通信が確立しない可能性が高い。
通信が確立しなかった場合、通信装置10は、終端抵抗が設定された上記通信装置20−2が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置ではないと判定する。そして、通信装置10は、低速通信モードにて終端抵抗が設定された上記通信装置20−2に対して、終端抵抗設定解除命令を出力する。
次に、通信装置10は、他の(既に終端抵抗の設定を試行済みである、通信装置20−1、20−2以外の)任意の1つの通信装置20に対して、終端抵抗設定命令を出力する。この実施形態では、残りの通信装置20は、通信装置20−3しか残っていないため、通信装置10は、通信装置20−3に終端抵抗設定命令を出力し、終端抵抗を設定させる。そして、上記と同様に、通信装置10は、各通信装置20との通信の確立を試みる。図1に示すように、通信装置20−3は通信線30の末端に位置する通信装置であることから、すべての通信装置20との通信が確立する。
通信が確立した場合、通信装置10は、終端抵抗が設定された上記通信装置20−3が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置であると判定する。すなわち、通信装置10は、当該通信が確立した際に終端抵抗を設定させた通信装置20−3を、終端抵抗の設定対象として決定する。このように、通信装置10は、各通信装置20に対して順に終端抵抗を設定させながら繰り返し通信の確立を試み、通信が確立したことに基づいて、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置を特定する。以後は、高速通信モードにて通信装置10と各通信装置20は通信を行う。なお、システム管理者は、必要に応じて低速通信モードを用いる等して、事前に通信装置10と通信装置20の各々のアドレス設定を行っておく。
以下、通信装置10の機能構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る通信装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、親機となる通信装置10は、終端抵抗11と、信号送受信回路12と、を含んで構成される。
通信装置10では、内部の終端抵抗11は、図2に示すように、2線式の通信線である通信線30に常時接続された状態である。したがって、通信装置10は常時、終端装置として機能する。
信号送受信回路12は、各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を行う回路である。また、信号送受信回路12は、終端抵抗設定装置としても動作する。信号送受信回路12は、終端抵抗を設定する上で適切な位置(主に、通信線30のもう一方の末端)に位置する通信装置20を特定する。信号送受信回路12は、各通信装置20に対して命令を出力することにより、各通信装置20における終端抵抗の設定状態を制御する。
図2に示すように、信号送受信回路12は、制御部120と、命令部121と、通信部122と、計時部123と、記憶部125と、決定部126と、通信速度切替部127と、を含んで構成される。
制御部120は、信号送受信回路12が有する各機能ブロックによる処理を制御する。例えば、制御部120は、各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を制御する。また、例えば制御部120は、命令部121による、各通信装置20に対する各種命令の出力を制御する。
制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)等のプロセッサである。なお、制御部120は、例えば、LSI(Large-scale Integrated Circuit;大規模集積回路)やASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、信号送受信回路12が有する各機能ブロックは、例えばCPU等のプロセッサである制御部120によって、記憶部125に記憶されたプログラムが実行されることによって実現される構成であってもよい。
命令部121は、各通信装置20に対して出力される各種命令の出力を制御する。命令部121は、通信部122を介して各通信装置20へ各種命令を出力する。図2に示すように、命令部121は、終端抵抗設定命令部121aと、通信速度切替命令部121bと、を含む。
終端抵抗設定命令部121aは、終端抵抗を設定させるための命令を示す終端抵抗設定命令を、任意の1つの通信装置20に対して出力する。また、通信部122による各通信装置20との通信が確立しなかった場合、終端抵抗設定命令部121aは、上記終端抵抗設定命令を出力した通信装置20に対して、終端抵抗の設定を解除させるための命令を示す終端抵抗設定解除命令を出力する。そして、終端抵抗設定命令部121aは、終端抵抗設定命令を、他の任意の1つの通信装置20に対して出力する。また、通信部122による各通信装置20との通信が確立した場合、終端抵抗設定命令部121aは終端抵抗設定解除命令を出力しない。すなわち、終端抵抗設定命令部121aは、当該通信が確立した際に終端抵抗を設定させた通信装置20を、終端抵抗の設定対象として決定する。
なお、終端抵抗設定命令部121aは、適切な位置に位置する通信装置20に終端抵抗の設定が既になされていた場合において、少なくとも1つの通信装置20が増設又は撤去された場合に、終端抵抗設定解除命令を出力するようにしてもよい。なぜならば、通信装置20が増設又は撤去によって、終端抵抗を設定する上で適切な位置が変わる場合があるからである。この場合、信号送受信回路12が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置20をあらためて特定し、特定された通信装置20に対して終端抵抗を設定させるような構成とする。具体的には、室内機2が増設又は撤去される場合には、すべての室外機1と室内機2の電源が一旦遮断される。この電源再投入を契機に、室外機1の通信装置10が、終端抵抗の再設定動作を行うことで、上記の処理を実施できる。
通信速度切替命令部121bは、終端抵抗設定命令部121aによって終端抵抗設定命令が出力された場合、自己の通信装置10との通信における通信モードを高速通信モードに切り替えさせるための命令を示す通信速度切替命令を、各通信装置20に対してそれぞれ出力する。
通信部122は、各通信装置20と通信接続するための通信インターフェースである。なお、通信部122は、別々のハードウェアによってそれぞれ構成される送信部及び受信部からなる機能部であってもよい。
通信部122は、制御部120による制御のもとで、各種の信号(例えば、パルス信号)を、通信線30を介して各通信装置20へ出力する。なお、各種の信号には、命令部121から出力される、上記の、終端抵抗設定命令、及び通信速度切替命令を示す信号も含まれる。また、通信部122は、各通信装置20から出力された各種の信号(例えば、パルス信号)を、通信線30を介して取得する。通信部122は、通信装置20との通信が確立したこと、及び通信エラーが生じたこと等を検知する。なお、通常運転中において、各通信装置20との間の通信内容が運転データである場合には、そのデータを制御部120に送り、制御部120は必要な処理を行う。
計時部123は、通信部122が、通信装置20との通信の確立を試みてからの経過時間を計時するタイマーである。通信部122が通信装置20との通信の確立を試みてから所定の時間が経過した場合、計時部123は、各機能部に対し、所定の時間が経過したこと示す通知を行う。
記憶部125は、信号送受信回路12において用いられる、各種のプログラム及びデータテーブルを記憶する。記憶部125は、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である。また、記憶部125は、例えば、RAM(Random Access Memory)やレジスタなどの揮発性の記録媒体をさらに有してもよい。
また、記憶部125は、通信装置情報テーブルt1を記憶する。
通信装置情報テーブルt1は、「識別番号」と「アドレス」との2つの項目の列からなる2次元の表形式のデータである。識別番号の項目に格納される値は、各通信装置20を識別するための識別番号である。例えば、通信装置20−1、通信装置20−2、及び通信装置20−3に対応付けられた識別番号が、通信装置情報テーブルt1では「c1」、「c2」、及び「c3」と記憶される。
通信装置情報テーブルt1は、各通信装置20に付与された識別番号と、通信装置10が各通信装置20と通信を行うために必要となる、各通信装置20のアドレスと、を対応付けるテーブルである。例えば、識別番号「c1」が付与された通信装置20−1のアドレスは、「aaa.bbb」である。
通信装置10は、特定の通信装置20に対して信号を出力する場合、通信装置情報テーブルt1を参照し、出力先の通信装置20に対応するアドレスを認識する。そして、通信装置10は、認識したアドレスを出力先アドレスとして指定して信号を出力する。例えば、通信装置10は、「aaa.bbb」というアドレスを指定して信号を出力することによって、識別番号「c1」が付与された通信装置20−1に対して信号を出力することができる。
決定部126は、通信部122と全ての通信装置20との通信がそれぞれ確立した場合、その時点で終端抵抗が設定されている通信装置20が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置であると判定する。
また、決定部126は、計時部123から所定の時間が経過したことを示す通知を取得した時点で、通信部122と各通信装置20との通信が確立していない場合において、例えば通信の途中で通信エラーが発生した場合、その時点で終端抵抗が設定されている通信装置20は、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置ではないと判定する。
通信速度切替部127は、終端抵抗設定命令部121aから終端抵抗設定命令が出力された場合、各通信装置20との通信における通信速度を高速で行う高速通信モードへ通信モードを切り替える。また、通信速度切替部127は、計時部123から所定の時間が経過したことを示す通知を取得した場合、各通信装置20との通信における通信速度を低速で行う低速通信モードへ通信モードを切り替える。
以下、図3に基づき通信装置20の機能構成について説明する。なお、各通信装置20の機能構成は同一であり、図3には、通信装置20−2及び20−3のみを一例として示している。同図中、通信装置20−3の信号送受信回路22は、通信装置20−2の信号送受信回路22と同一であるため、通信装置20−3が備える各機能部の記載を省略している。以下、図3に示す通信装置20−2を参照しながら、通信装置20の機能構成について説明する。
通信装置20は、終端抵抗設定部21と、信号送受信回路22と、を含んで構成される。信号送受信回路22は、通信装置10との間の通信における、信号の送受信を行う回路である。図3に示すように、信号送受信回路22は、制御部220と、通信部221と、通信速度切替部222と、計時部223と、記憶部224と、を含んで構成される。
終端抵抗設定部21は、終端抵抗を含んで構成される。終端抵抗設定部21は、通信装置10から出力された終端抵抗設定命令を通信部221が取得した場合、制御部220による制御により、終端抵抗が設定された状態(オン(ON)の状態)に切り替える。また、終端抵抗設定部21は、計時部223から所定の時間が経過したことを示す通知が出力された場合、制御部220による制御により、終端抵抗が設定されていない状態(オフ(OFF)の状態)に切り替える。
制御部220は、信号送受信回路22が有する各機能ブロックによる各種処理、及び終端抵抗設定部21の動作を制御する。例えば、制御部220は、通信部221と各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を制御する。
制御部220は、例えばCPU等のプロセッサである。また、信号送受信回路22が有する各機能ブロックは、制御部220によって、記憶部224に記憶されたプログラムが実行されることによって実現される構成であってもよい。
通信部221は、通信装置10及び他の各通信装置20と通信接続するための通信インターフェースである。なお、通信部221は、別々のハードウェアによってそれぞれ構成される送信部及び受信部からなる機能部であってもよい。
通信部221は、通信装置10又は各通信装置20(自己の通信装置20を含む)から出力された、各種の信号(例えば、パルス信号)を取得する。なお、各種の信号には、上述した通信装置10から出力される、終端抵抗設定命令、及び通信速度切替命令を示す信号も含まれる。
通信速度切替部222は、通信装置10から出力された通信速度切替命令を通信部221が取得した場合、通信装置10及び各通信装置20との通信を高速通信モードへ切り替える。また、通信速度切替部222は、計時部223から所定の時間が経過したことを示す通知を取得した場合、通信装置10及び各通信装置20との通信を低速通信モードへ切り替える。
計時部223は、通信装置10から出力された終端抵抗設定命令を示す信号を通信部221が取得してからの経過時間を計時するタイマーである。計時部223は、当該所定の時間を経過した場合、各機能部に対して当該所定の時間を経過したことを示す通知を行う。
記憶部224は、信号送受信回路22において用いられる、各種のプログラム等を記憶する。記憶部224は、例えばフラッシュメモリ、HDDなどの不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である。また、記憶部224は、例えば、RAMやレジスタなどの揮発性の記録媒体をさらに有してもよい。
以下、図4のフローチャートに基づき通信装置10の動作について説明する。なお、以下の説明において、通信装置20の台数はn[台]であるものとし、各通信装置20をそれぞれ「第i通信装置」(i=0〜n)という。例えば、図1に示した空調システム100の場合、通信装置20の台数は3台(すなわち、n=3)であり、通信装置20−1〜20−3は、第1通信装置〜第3通信装置にそれぞれ相当する。
まず、制御部120は、通信装置20の番号を示す上記「i」の値に1を代入する(ステップS001)。以下、各ステップS***を「S***」で表す。そして、S002〜S010の処理が実行される度に、制御部120は、「i」の値に対して1を加算し、繰り返し当該処理が実行される。
終端抵抗設定命令部121aは、第i通信装置20−iに対して、終端抵抗設定命令を出力する(S002)。また、通信速度切替命令部121bは、全ての通信装置20(すなわち、第1通信装置〜第n通信装置)に対して、通信速度切替命令を出力する(S003)。また、通信速度切替部127は、各通信装置20との通信における通信速度を高速で行う高速通信モードへ、自己の通信装置10の通信モードを切り替える。なお、S002,3における終端抵抗設定命令と通信速度切替命令は、確実に各通信装置20に転送するために低速通信モードでの通信が行われる。
通信部122は、各通信装置20との間においてそれぞれ通信(試験通信)を行う(S005)。全ての通信装置20との通信がそれぞれ確立した場合(S006Yes)、決定部126は、第i通信装置が終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置であると判定し、当該第i通信装置を終端抵抗の設定対象装置として決定する(S007)。この場合、図4のフローチャートが示す処理が終了する。
一方、少なくとも1つの通信装置20との通信が確立しておらず(S006No)、かつ、所定の時間が経過していない場合(すなわち、計時部123から所定の時間の経過を示す通知が出力されていない場合)(S008No)、決定部126は、通信部122と各通信装置20との間の通信の確立を待つ。
そして、少なくとも1つの通信装置20との通信が確立しないまま(S006No)、所定の時間が経過した場合(すなわち、計時部123から所定の時間の経過を示す通知が出力された場合)(S008Yes)、決定部126は、第i通信装置が終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置ではないと判定する。そして、通信速度切替部127は、各通信装置20との通信における通信速度を低速で行う低速通信モードへ、自己の通信装置10の通信モードを切り替える(S009)。
そして、終端抵抗設定命令部121aは、第i通信装置に対して、終端抵抗設定解除命令を出力する(S010)。そして、制御部120は、上記「i」値がi<nを満たす場合、「i」の値に1を加算して、上記S002以降の処理を繰り返させる。一方、上記「i」値がi=nを満たす場合、図4のフローチャートが示す処理が終了する。なお、これによって処理が終了する場合とは、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置が特定されなかった場合であり、このような場合には通信線の誤配線の可能性が高く、配線接続の確認作業を行うことになる。このため、「i」値がi=nを満たす場合には、何らかの表示を行うことが望ましい。
以下、図5のフローチャートを用いて第1の実施形態に係る通信装置20の終端抵抗設定動作を説明する。
通信装置10から通信装置20に終端抵抗設定命令が入力されると、通信装置20は、この終端抵抗設定命令を、通信部221を介して取得する(S101YES)。そして、終端抵抗設定部21は、終端抵抗が設定された状態(オン(ON)の状態)に切り替える(S102)。
続いて、通信装置20は、通信装置10から通信速度切替命令が出力されたか否かを判定する(S105)通信速度切替部222は、通信装置10から出力された通信速度切替命令を、通信部221を介して取得する(S105YES)と、通信速度切替部222は、通信装置10及び各通信装置20との通信における通信速度を高速で行う高速通信モードへ通信モードを切り替える。(S106)。
その後、通信速度切替部222は、通信モードを高速通信モードに切り替えてから所定の時間が経過していない場合(すなわち、計時部223から所定の時間の経過を示す通知が出力されていない場合)(S107No)、通信速度切替を行わない。そして、通信モードを高速通信モードに切り替えてから所定の時間が経過した場合(すなわち、計時部223から所定の時間の経過を示す通知が出力された場合)(S107Yes)、通信速度切替部222は、通信装置10及び各通信装置20との通信における通信速度を低速で行う低速通信モードへ通信モードを切り替える。(S108)。図示を省略しているが、S106からS107のYESまでの間に、通信装置10と各通信装置20との間で通信が行われ、最終的に通信が確立できたかどうかが通信装置10において判定される。
S101でNOとなった場合、つづくS103において通信装置10から通信装置20へ終端抵抗設定解除命令が入力されたか否かが判定される。終端抵抗設定部21は、通信装置10から出力された終端抵抗設定解除命令を、通信部221を介して取得する(S103YES)と、終端抵抗が設定されていない状態(オフ(OFF)の状態)に切り替える(S104)。続いて、S105で通信速度切替命令を取得したか否かが判定される。終端抵抗設定解除命令の後に通信速度切替命令が出てくることはないので、次のS105ではNOとなり、処理を終了し、最初に戻る。以上の処理を、通信装置10と通信装置20との間で繰り返すことで、最終的に高速通信モードにおいて通信装置10と通信装置20とが円滑に通信できるようになる。
以上説明した第1の実施形態によれば、通信装置10(終端抵抗設定装置)は、通信接続された複数の通信装置20との通信(試験通信)を行う通信部122と、複数の通信装置20の中の任意の通信装置20に対して終端抵抗を設定させ、通信(試験通信)が確立されなかった場合、通信装置20に対して終端抵抗の設定を解除させ、通信装置とは異なる任意の通信装置に対して終端抵抗を設定させる終端抵抗設定命令部121aと、を備える。これによって、第1の実施形態に係る通信装置10(終端抵抗設定装置)は、通信線30における終端抵抗を適切な位置に、容易に設定することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、通信装置10及び各通信装置20において互いに試験信号であるパルス信号の送受信を行い、通信装置10及び各通信装置20においてそれぞれ取得されたパルス信号のパルス幅に基づいて、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置20が特定される。
まず、図6、7を参照して、通信装置10及び各通信装置20において取得されるパルス信号の特徴について説明する。図6,7は、取得されるパルス信号の特徴を説明するための模式図である。ここでは、LO(グランド)側を優先としたパルス信号として説明する。
図6に示すように、例えば、通信装置20−1から所定のパルス幅wのパルス信号が出力された場合、通信装置10へ直接届くパルス信号Aがある。また、図6に示すように、信号の反射によって、通信線30の末端に位置する通信装置20−3を反射して届くパルス信号Bがある。
この場合、パルス信号Bが通信装置20−1から通信装置10へ伝送されるまでの移動距離は、パルス信号Aが通信装置20−1から通信装置10へ伝送されるまでの移動距離よりも長くなる。そのため、パルス信号Bは、パルス信号Aよりもわずかに遅れて通信装置10に届く。これにより、通信装置10は、時間的にずれがある状態で重畳した2つのパルス信号(パルス信号Aとパルス信号B)を1つのパルス信号として認識する。すなわち、図6に示すように、通信装置10は、パルス信号Aとパルス信号Bとが重畳した、1つのパルス幅x(x>w)のパルス信号を取得したものとして認識する。
続いて図7Aは、通信装置20−2からパルス幅wのパルス信号が出力された場合に通信装置10によって認識されるパルス信号を示している。通信装置20−2からパルス信号が出力された場合、通信装置20−1からパルス信号が出力された上記の場合と比べて、パルス信号Bが通信装置20−1から通信装置10へ伝送されるまでの移動距離と、パルス信号Aが通信装置20−1から通信装置10へ伝送されるまでの移動距離との差は、より少ない。そのため、重畳した2つのパルス信号(パルス信号Aとパルス信号B)の時間的なずれは、図6に示したパルス信号の場合と比べて、より少ない。そのため、通信装置10は、図7Aに示すように、パルス信号Aとパルス信号Bとが重畳した、1つのパルス幅y(x>y>w)のパルス信号を取得したものとして認識する。
図7Bは、通信装置20−3からパルス幅wのパルス信号が出力された場合に通信装置10によって認識されるパルス信号を示している。通信装置20−3からパルス信号が出力された場合、通信装置20−3は通信線30の末端の最も近くに位置することから、信号の反射は生じない。すなわち、パルス信号Aのみが通信装置10へ届く。そのため、通信装置10は、図7Bに示すように、パルス幅z(x>y>w≒z)のパルス信号を取得したものとして認識する。なお、図7Bに示すパルス幅が、通信装置20−3から出力された時点におけるパルス信号のパルス幅と同一のパルス幅wではない理由は、例えば反射以外の原因(例えば、信号減衰)等によって、パルス幅が若干変化する場合があるためである。
図6、7に示すように、通信装置10により近い通信装置20から出力されたパルス信号のパルス幅ほど、より長いパルス幅として通信装置10によって認識される。一方、通信装置10から最も遠い(すなわち、通信線30において、通信装置10とは逆側の末端の最も近くに位置する)通信装置20−3から出力されたパルス信号のパルス幅が、最も短いパルス幅として通信装置10によって認識される場合が多い。
第2の実施形態では、まず、通信装置10は、任意の1つの通信装置20に対して、終端抵抗の設定が不要な低速通信モードで終端抵抗設定命令を出力する。ここでは、例えば、通信装置10は、まず通信装置20−1に終端抵抗を設定させる。
次に、通信装置10は、全ての通信装置20及び自己の通信装置10に対して、それぞれパルス信号(試験信号)を出力する。そして、各通信装置20及び通信装置10は、通信装置10から出力されたパルス信号を取得する。そして、各通信装置20及び通信装置10は、取得したパルス信号のパルス幅をそれぞれ測定し、記録する。
次に、通信装置10は、通信装置20−1に対してパルス信号出力命令を出力する。これにより、通信装置20−1は、全ての通信装置20及び自己の通信装置10に対して、それぞれパルス信号を出力する。そして、各通信装置20及び通信装置10は、通信装置20−1から出力されたパルス信号を取得する。そして、各通信装置20及び通信装置10は、取得したパルス信号のパルス幅を測定し、記録する。
次に、通信装置10は、上記と同様に、通信装置20−2、及び通信装置20−3に対してパルス信号出力命令を順に出力する。これにより、上記と同様に、各通信装置20及び通信装置10において、通信装置20−2及び通信装置20−3から出力されたパルス信号のパルス幅がそれぞれ測定され、記録される。
通信装置10及び全ての通信装置20による、パルス信号の送受信及びパルス幅の測定が完了すると、通信装置10は、各通信装置20に対して測定結果出力命令をそれぞれ出力する。これにより、各通信装置20によって記録された、上記パルス幅の測定結果を示す測定結果情報が、各通信装置20から通信装置10へそれぞれ出力される。これにより、通信装置10は、各通信装置20からそれぞれ出力された測定結果情報を取得する。
通信装置10によって収集された測定結果情報は、例えば図8Aに示すような測定結果情報テーブルtb1として記憶部125に記憶される。図8Aは、第2の実施形態に係る通信装置10によって収集された測定結果情報の一例を示す図である。図8Aにおいて、「通信装置(室外機)」は通信装置10に、「第1通信装置」は通信装置20−1に、「第2通信装置」は通信装置20−2に、及び「第3通信装置」は通信装置20−3にそれぞれ相当する。なお、ここでは、通信装置10及び各通信装置20によって出力されたパルス信号のパルス幅は「50[us(マイクロ秒)]」であるものとする。
例えば、図8Aに示す測定結果情報テーブルtb1では、通信装置10から出力されたパルス信号を自己の通信装置10が取得した場合において測定されたパルス幅は、「100[us]」であることが示されている。なお、出力されたパルス信号のパルス幅は50[μs]であることから、取得時には、実際に出力されたパルス信号の2倍の長さのパルス幅をもつパルス信号として認識されたことになる。また、例えば、図8Aに示す測定結果情報テーブルtb1では、通信装置20−1から出力されたパルス信号を通信装置20−2が取得した場合において測定されたパルス幅は、「90[us]」であることが示されている。
次に、通信装置10は、終端抵抗を設定させた通信装置20−1に対して終端抵抗設定解除命令を出力する。これにより、通信装置20−1において終端抵抗の設定が解除される。そして、通信装置10は、通信装置20−2に終端抵抗を設定させる。そして上記と同様の処理によって、通信装置10は、各通信装置20からそれぞれ測定結果情報を取得する。通信装置10によって収集された測定結果情報は、例えば図8Bに示すような測定結果情報テーブルtb2として記憶部125に記憶される。
次に、通信装置10は、通信装置20−2に設定された終端抵抗の設定を解除させる。続いて、通信装置10は、通信装置20−3に終端抵抗を設定させる。そして上記と同様の処理によって、通信装置10は、各通信装置20からそれぞれ測定結果情報を取得する。通信装置10によって収集された測定結果情報は、例えば図8Cに示すような測定結果情報テーブルtb3として記憶部125に記憶される。
このように、図8Aに示す測定結果情報テーブルtb1は、通信装置20−1に終端抵抗が設定された場合における、パルス幅の測定結果が集約されたテーブルである。同様に、図8Bに示す測定結果情報テーブルtb2及び図8Cに示す測定結果情報テーブルtb3は、それぞれ、通信装置20−2に終端抵抗が設定された場合及び通信装置20−3に終端抵抗が設定された場合における、パルス幅の測定結果が集約されたテーブルである。
通信装置10は、各通信装置20に終端抵抗を設定させた場合における、それぞれのパルス幅の最大値を特定する。すなわち、通信装置10は、測定結果情報テーブルtb1に含まれるパルス幅の値の最大値、測定結果情報テーブルtb2に含まれるパルス幅の最大値、及び、測定結果情報テーブルtb3に含まれるパルス幅の値の最大値を特定する。
例えば、通信装置20−1に終端抵抗を設定させた場合、図8Aに示すように、第3通信装置(通信装置20−3)がパルス信号を出力し、自己の第3通信装置が取得した場合におけるパルス幅が最大値であり、その値は「110[μs]」である。同様に、通信装置20−2に終端抵抗を設定させた場合、図8Bに示すように、パルス幅の最大値は「90[μs]」である。同様に、通信装置20−3に終端抵抗を設定させた場合、図8Cに示すように、パルス幅の最大値は「55[μs]」である。
そして、通信装置10は、これらのパルス幅の最大値が最小となる場合において終端抵抗が設定された通信装置20を、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置として特定する。すなわち、図8A〜Cに示す例では、各パルス幅の最大値の中で最小の値は「55[μs]」であるため、通信装置10は、図8Cで示す通信装置20−3を、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置として特定する。
なお、本実施形態では、測定したパルス幅そのものを測定結果とするものとしたが、これに限られるものではない。例えば、パルス信号の立ち上がりの遅れの度合い(すなわち、測定されたパルス幅から、出力されたパルス信号のパルス幅である50μsを差し引いた値)を測定結果とするようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、上述したように、全ての通信装置20に対して順に終端抵抗を設定させて全ての測定結果情報を収集し、当該測定結果情報に基づいて、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置20を特定するものとした。しかしながら、このように全ての通信装置20に対して順に(総当たりで)終端抵抗を設定させる場合、通信装置20の個数が多くなるほど、指数的に、測定時間が長くなり、システム負荷が高くなることが想定される。したがって、例えば、上記パルス幅の最大値に対して予め閾値を設けておき、パルス幅の最大値が所定値未満となった時点で処理を終了させるような構成にしてもよい。この場合、通信装置10は、処理を終了させた時点において終端抵抗が設定されている通信装置20を、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置として特定すればよい。
以下、図9に示すブロック図に基づき、第2の実施形態に係る通信装置10の機能構成を説明する。図9に示すように、通信装置10は、終端抵抗11と、信号送受信回路12sと、を含んで構成される。
終端抵抗11は、図9に示すように、2線式の通信線である通信線30に常時接続された状態である。これにより、通信装置10は、終端装置として機能する。
信号送受信回路12sは、各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を行う回路である。また、信号送受信回路12sは、終端抵抗設定装置としても動作する。信号送受信回路12sは、上述したように通信線30の一方の末端の最も近くに位置すると考えられる通信装置10に備えられた信号送受信回路である。また、信号送受信回路12sは、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置する通信装置20を特定する。信号送受信回路12sは、各通信装置20に対して命令を出力することにより、各通信装置20における終端抵抗の設定状態を制御する。
図9に示すように、信号送受信回路12sは、制御部120と、命令部121sと、通信部122と、測定結果情報収集部124と、記憶部125と、決定部126と、を含んで構成される。
制御部120は、信号送受信回路12sが有する各機能ブロックによる処理を制御する。例えば、制御部120は、各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を制御する。また、例えば制御部120は、命令部121sによる、各通信装置20に対する各種の命令の出力を制御する。
命令部121sは、各通信装置20に対して出力される各種の命令の出力を制御する。命令部121sは、通信部122を介して各通信装置20へ各種の命令を出力する。命令部121sは、終端抵抗設定命令部121aと、測定モード設定命令部121cと、パルス信号出力命令部121dと、測定結果出力命令部121eと、を含む。
終端抵抗設定命令部121aは、各通信装置20に対して、終端抵抗を設定させるための命令を示す終端抵抗設定命令を出力する。また、終端抵抗設定命令部121aは、上記の終端抵抗設定命令を出力する対象となった通信装置20に対して、終端抵抗の設定を解除させるための命令を示す終端抵抗設定解除命令を出力する。
測定モード設定命令部121cは、各通信装置20に対して、試験的に出力される試験信号であるパルス信号のパルス幅の測定を行う動作モードである、測定モードに切り替えさせるための命令を示す測定モード設定命令を出力する。
パルス信号出力命令部121dは、各通信装置20に対して、自己の通信装置10及び各通信装置20に向けてパルス信号を出力させるための命令を示すパルス信号出力命令を出力する。なお、パルス信号出力命令に応じて各通信装置20から出力される信号は、試験的に出力される試験信号(パルス信号)である。なお、パルス信号出力命令は、ブロードキャスト送信又はマルチキャスト送信される構成であっても構わない。
測定結果出力命令部121eは、各通信装置20に対して、測定結果情報を出力させるための命令を示す測定結果出力命令を出力する。
通信部122は、各通信装置20と通信接続するための通信インターフェースである。なお、通信部122は、別々のハードウェアによってそれぞれ構成される送信部及び受信部からなる機能部であってもよい。
通信部122は、制御部120による制御のもとで、各種の信号(例えば、パルス信号)を、通信線30を介して各通信装置20へ出力する。なお、各種の信号には、命令部121から出力される、上記の、終端抵抗設定命令、測定モード設定命令、パルス信号出力命令、及び測定結果出力命令を示す信号も含まれる。また、通信部122は、各通信装置20に対してパルス信号(試験信号)を出力する場合において、正確に所定のパルス幅の(例えば、50μsの)パルス信号が出力されるように予め設定されている。また、通信部122は、各通信装置20から出力された各種の信号(例えば、パルス信号)を取得する。
測定結果情報収集部124は、各通信装置20からそれぞれ出力されたパルス信号を通信部122を介して取得する。測定結果情報収集部124は、取得された当該パルス信号のパルス幅を測定する。測定結果情報収集部124は、各通信装置20からそれぞれ出力されたパルス信号のパルス幅の測定値を、記憶部125に記憶させる。例えば、測定結果情報収集部124は、当該測定値を、記憶部125に予め記憶された、上記の測定結果情報テーブルtb1〜測定結果情報テーブルtb3に書き込むことによって、記憶部125に記憶させる。例えば、上記の測定値とは、図8Aに示す測定結果情報テーブルtb1においては、「受信」の列の「通信装置10(室外機)」の列に含まれる各測定値(すなわち、「100[μs]」、「85[μs]」、「75[μs]」、及び「55[μs]」)に相当する。
また、測定結果情報収集部124は、各通信装置20からそれぞれ出力された測定結果情報を通信部122を介して取得する。測定結果情報収集部124は、各通信装置20からそれぞれ出力された測定結果情報を、記憶部125に記憶させる。例えば、測定結果情報収集部124は、当該測定結果情報を、記憶部125に予め記憶された、上記の測定結果情報テーブルtb1〜測定結果情報テーブルtb3に書き込むことによって、記憶部125に記憶させる。例えば、上記の測定結果情報とは、図8Aに示す測定結果情報テーブルtb1においては、「受信」の列に含まれる各列の測定値群(すなわち、「第1通信装置20−1」の列の測定値群、「第2通信装置20−2」の列の測定値群、及び「第3通信装置20−3」の列の測定値群)のそれぞれに相当する。
記憶部125は、信号送受信回路12sにおいて用いられる、各種のプログラム及びデータテーブルを記憶する。
決定部126は、測定結果情報収集部124によって収集された測定結果情報に基づいて、いずれの通信装置20が、終端抵抗を設定する上で適切な位置に位置するかを判定する。具体的には、決定部126は、収集された測定結果情報のうち、パルス幅の最大値が最小となる場合において終端抵抗が設定された通信装置20を、終端抵抗を設定する上で適切な位置にある通信装置として特定する。
以下、通信装置20の機能構成について説明する。図10は、第2の実施形態に係る通信装置20の機能構成を示すブロック図である。なお、各通信装置20の機能構成は同一であり、図10には、通信装置20−2及び通信装置20−3のみを一例として示している。
通信装置20は、終端抵抗設定部21と、信号送受信回路22sと、を含んで構成される。信号送受信回路22sは、通信装置10との間の通信における、信号の送受信を行う回路である。信号送受信回路22sは、制御部220と、通信部221と、記憶部224と、動作モード切替部225と、測定部226と、測定結果出力部227と、を含んで構成される。
終端抵抗設定部21は、終端抵抗を含んで構成される。終端抵抗設定部21は、通信部221が通信装置10から出力された終端抵抗設定命令を取得すると、制御部220による制御により、終端抵抗が設定された状態(オン(ON)の状態)に切り替える。また、終端抵抗設定部21は、計時部223から所定の時間が経過したことを示す通知が出力された場合、制御部220による制御により、終端抵抗が設定されていない状態(オフ(OFF)の状態)に切り替える。
制御部220は、信号送受信回路22が有する各機能ブロックによる処理及び終端抵抗設定部21の動作を制御する。これにより、例えば制御部220は、通信装置10及び他の各通信装置20との間の通信における、信号の送受信を制御する。
通信部221は、通信装置10及び各通信装置20と通信接続するための通信インターフェースである。なお、通信部221は、別々のハードウェアによってそれぞれ構成される送信部及び受信部からなる機能部であってもよい。
通信部221は、通信装置10又は各通信装置20から出力された、各種の信号(例えば、パルス信号)を取得する。なお、各種の信号には、上述した通信装置10から出力される、終端抵抗設定命令、測定モード設定命令、パルス信号出力命令、及び測定結果出力命令を示す信号も含まれる。また、通信部221は、通信装置10又は各通信装置20に対して、各種の信号(例えば、パルス信号)を出力する。また、通信部221は、通信装置10に対して、測定結果情報を出力する。
記憶部224は、信号送受信回路22sにおいて用いられる、各種のプログラム等を記憶する。
また、記憶部224は、通信部221によって測定されたパルス信号のパルス幅の測定結果を示す測定結果情報を記憶する。
動作モード切替部225は、通信装置10から出力された測定モード設定命令を通信部221を介して取得した場合、動作モードを測定モードに切り替える。測定モードとは、通信装置10及び各通信装置20との、試験信号であるパルス信号の送受信を行い、取得したパルス信号のパルス幅の測定を行う動作モードである。
測定部226は、通信装置10及び各通信装置20からそれぞれ出力されたパルス信号を通信部221を介して取得する。測定部226は、取得された当該パルス信号のパルス幅を測定する。測定部226は、通信装置10及び各通信装置20からそれぞれ出力されたパルス信号のパルス幅の測定値を測定結果情報として、記憶部224に記憶させる。
測定結果出力部227は、通信装置10から出力された測定結果出力命令を取得した場合、記憶部224に記憶された測定結果情報を、通信部221を介して通信装置10へ出力する。
以下、通信装置10の動作について説明する。図11は、第2の実施形態に係る通信装置10の動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、通信装置20の台数はn[台]であるものとし、各通信装置20をそれぞれ「第i通信装置」(i=1〜n)及び「第j通信装置」(j=0〜n)という。例えば、図1に示した空調システム100では、通信装置20の台数は3台(すなわち、n=3)であり、通信装置20−1は第1通信装置に、通信装置20−2は第2通信装置に、通信装置20−3は第3通信装置に、及び第0通信装置(j=0)は通信装置10にそれぞれ相当する。
制御部120は、通信装置20の番号を示す上記「i」の値に1を代入する(S201)。なお、「i」の値は、例えば記憶部125において記憶され、更新される。そして、下記のS202〜S212の処理が実行される度に、制御部120は、「i」の値に1を加算し、繰り返し処理が実行される。
終端抵抗設定命令部121aは、第i通信装置に対して、終端抵抗設定命令を出力する(S202)。
制御部120は、通信装置10及び通信装置20の番号を示す上記「j」の値に0を代入する(S203)。なお、「j」の値は、例えば記憶部125において記憶され、更新される。そして、下記のS204〜S210の処理が実行される度に、制御部120は、「j」の値に1を加算し、繰り返し処理が実行される。
測定モード設定命令部121cは、各通信装置20に対して、測定モード設定命令をそれぞれ通信部122を介して出力する(S204)。そして、上記「j」の値が0である場合(S205Yes)、通信部122は、各通信装置20に対して、パルス信号(試験信号)をそれぞれ出力する(S206)。一方、上記「j」の値が0ではない場合(S205No)、パルス信号出力命令部121dは、各通信装置20に対して、パルス信号出力命令をそれぞれ通信部122を介して出力する(S207)。
測定結果情報収集部124は、通信部122を介して取得した各パルス信号のパルス幅をそれぞれ測定し、記憶部125に記憶された測定結果情報テーブルに測定値を記録する(S208)。測定結果出力命令部121eは、通信部122を介して各通信装置20に対して、測定結果出力命令を出力する(S209)。測定結果情報収集部124は、各通信装置20からそれぞれ出力された測定結果情報を通信部122を介して取得する(S210)。
制御部120は、j>nである場合、「j」の値に1を加算して、上記S204以降の処理を繰り返させる。一方、i=nである場合(すなわち、全ての通信装置20及び通信装置10からそれぞれ出力されたパルス信号の取得が完了した場合)、決定部126は、取得した測定結果情報に含まれるパルス幅の測定値のうち、最大値を記憶部125に記録する(S211)。そして、終端抵抗設定命令部121aは、各通信装置20に対して、終端抵抗設定解除命令を通信部122を介して出力する(S212)。
制御部120は、i>nである場合、「i」の値に1を加算して、上記S202以降の処理を繰り返させる。一方、i=nである場合(すなわち、全ての通信装置20に対し終端抵抗の設定が行われた場合)、決定部126は、記憶部125に記録された複数の最大値うち、最小の値を特定する。そして、決定部126は、当該最小の値となる場合において終端抵抗が設定されていた通信装置20(以下、「第i_best通信装置」という。)を特定する(S213)。終端抵抗設定命令部121aは、特定された第i_best通信装置へ、終端抵抗設定命令を通信部122を介して出力する(S214)。以上で、図11のフローチャートが示す処理が終了する。
以下、図12〜14に示す第2の実施形態に係る通信装置20の動作を示すフローチャートを用いて通信装置20の動作について説明する。なお、通信装置10から通信装置20へ終端抵抗設定命令が出力された場合における通信装置20の動作、及び通信装置10から通信装置20へ終端抵抗設定解除命令が出力された場合における通信装置20の動作は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図12は、通信装置10から通信装置20へ測定モード設定命令が出力された場合における、通信装置20の動作を示す。動作モード切替部225は、通信装置10から出力された測定モード設定命令を、通信部221を介して取得する(S301)。動作モード切替部225は、動作モードを測定モードに切り替える(S302)。これにより、通信装置20においてパルス幅の測定のための準備がなされる。
そして、通信部221が、通信装置10及び各通信装置20からそれぞれ出力されたパルス信号のうち少なくとも1つのパルス信号を取得していない場合(S303No)、通信部221は、未取得であるパルス信号を待ち受ける。一方、通信部221が、通信装置10及び各通信装置20かそれぞれ出力された全てのパルス信号を取得した場合(S303Yes)、測定部226は、取得した各パルス信号のパルス幅をそれぞれ測定し、測定された値を測定結果情報として記憶部224に記録する(S304)。そして、動作モード切替部225は、動作モードを、測定モードから通常のモードである通常モードに切り替える(S305)。以上で、図12に示す処理が終了する。
図13は、通信装置10から通信装置20へパルス信号出力命令が出力された場合における、通信装置20の動作を示す。通信部221は、通信装置10から出力されたパルス信号出力命令を取得する(S401)。通信部221は、通信装置10及び各通信装置20に対して、所定のパルス幅の(例えば、50[μs]の)パルス信号を出力する(S402)。以上で、図13のフローチャートが示す処理が終了する。
図14は、通信装置10から通信装置20へ測定結果出力命令が出力された場合における、通信装置20の動作を示す。測定結果出力部227は、通信装置10から出力された測定結果出力命令を、通信部221を介して取得する(S501)。測定結果出力部227は、記憶部224に記録された測定結果情報を、通信装置10へ通信部221を介して出力する。(S502)。以上で、図14のフローチャートが示す処理が終了する。
以上説明した第2の実施形態によれば、空調システム100(終端抵抗設定システム)は、通信接続された複数の通信装置20と、終端抵抗を設定させる通信装置を決定する通信装置10(設定装置)と、を有する。通信装置20は、全ての複数の通信装置(通信装置10及び通信装置20)とそれぞれ通信(試験通信)を行う通信部221と、通信(試験通信)において全ての複数の通信装置(通信装置10及び通信装置20)から出力され、それぞれ取得されたパルス信号(試験信号)のパルス幅を測定する測定部226と、測定部226によって測定されたパルス幅を示す測定結果情報を通信装置10(設定装置)へ出力する測定結果出力部227と、を備える。また、通信装置10(設定装置)は、全ての複数の通信装置20に対して順に終端抵抗を仮設定させる命令部121と、それぞれの通信装置20に対して終端抵抗が仮設定されるごとに、全ての複数の通信装置20からそれぞれ測定結果情報を収集する測定結果情報収集部124と、測定結果情報収集部124によって収集された複数の測定結果情報に基づいて、終端抵抗を設定させる通信装置20を決定する決定部126と、を備える。これによって、第2の実施形態係る空調システム100(終端抵抗設定システム)は、通信線30における終端抵抗を適切な位置に容易に設定することができる。
なお、上述した各実施形態では、通信装置10(親機)は通信線30の末端の位置に設置され、かつ、通信装置10(親機)は終端抵抗としての機能を予め常時有しているものとしたが、この構成に限られるものではない。例えば、通信線30の両端の位置に設置される通信装置がいずれも通信装置20(子機)であり、そのうち一方の通信装置20(子機)が、終端抵抗としての機能を予め常時有している構成であっても、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態による、終端抵抗の適切な設定位置の特定方法の適用が可能である。
また、終端抵抗としての機能を常時有している通信装置(通信装置10及び各通信装置20)が存在しない場合であっても、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態による、終端抵抗の適切な設定位置の特定方法の適用が可能である。この場合、通信装置10は、通信装置10及び各通信装置20のうち任意の2つの通信装置に対して順に終端抵抗をそれぞれ仮設定させながら測定結果情報の収集を行い、終端抵抗を設定する上で適切な2つの位置を特定するようにすればよい。
(変形例)
以下、実施形態の変形例に係る空調システム200の構成について説明する。図15は、実施形態の変形例に係る空調システム200の全体構成図である。
図1に示した第1の実施形態に係る空調システム100の構成に対して、図15に示す実施形態の変形例に係る空調システム200の構成が異なる点は、通信線30が途中で(図15においては通信装置10の位置で)分岐している点と、通信装置20−4及び通信装置20−5をさらに備えている点である。しかしながら、このように通信線30が分岐している場合であっても、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態による、終端抵抗の適切な設定位置の特定方法の適用が可能である。
以上、各実施形態について説明してきたが、上述した各実施形態においては、説明を簡単にするため、パルス信号の信号波形を変化させる要因としては信号反射のみを対象とした。しかしながら、実際には、通信線30の長さ及び介在する通信装置20の台数等に応じて信号波形が変化する。例えば、通信線30の長さの長さが長くなるほど、抵抗成分によってパルス信号の振幅が減衰したり、容量成分等によって勾配が変化したりすることがある。
しかしながら、いずれにしても、通信線30の長さの長さが長くなるほど(すなわち、通信装置20の位置が通信装置10からより遠方であるほど)、パルス幅が狭くなるようにパルス信号の波形が変化する。これにより、上述した第2の実施形態における終端抵抗の適切な設定位置の特定精度はより高くなる。
なお、上述した各実施形態においては、用いられる信号が、0と1の値からなるパルス信号であるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、HBS規格(ホームバスシステム:EIAJ(日本電子機械工業界)規格、ET−2101)に準拠した通信等における信号の場合であっても、上述したような0と1の値からなるパルス信号に変換した上で、上述した各実施形態における処理を実行すればよい。
なお、上述した実施形態においては、通信装置10とは、通信装置20に対して終端抵抗を設定する機能と、通信装置20と同様の機能と、を兼用させる構成とした。これにより、通信用の回路部品や通信の制御処理を簡略化される。但し、このような構成に限られるものではなく、例えば、これら2つの機能をそれぞれ別々の装置とすることで、通信装置20に対して終端抵抗を設定する機能のみを備えた装置が別途設けられる構成にしてもよい。
上述した実施形態における通信装置10及び通信装置20の一部又は全部を、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。