JPWO2020152860A1 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

情報処理装置は、入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示させる表示制御部と、前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出する解析部と、前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する注目領域設定部と、を備える。これにより、画像内において利用者が検索したい領域をハンズフリーで精度よく判別することができる情報処理装置を提供する。

Description

本発明は、撮像データを処理する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
従来、1又は複数の画像、又は動画内において利用者が所望する領域を検索する情報処理装置において、利用者の視線を検知し、利用者が注目した注目領域を画像検索に用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、利用者は、視線により注目領域を情報処理装置に入力することができるため、ハンズフリーの状態で注目領域の入力を行うことができる。
米国特許第7593602号明細書
しかしながら、利用者が画像を観察しながら検索対象とする領域を探している場合、必ずしも利用者が注目した領域と利用者が検索したい領域とが一致しない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像内において利用者が検索したい領域をハンズフリーで精度よく判別することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示させる表示制御部と、前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出する解析部と、前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する注目領域設定部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記注視度は、前記表示部における前記視野の表示倍率が増加するにしたがい増加する。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記注視度は、前記表示部における前記視野の停留時間が増加するにしたがい増加する。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記注視度は、前記表示部における前記視野の移動速度が低下するにしたがい増加する。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記撮像データに含まれる画像において、前記注目領域に類似した領域を抽出する類似領域抽出部をさらに備える。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記撮像データは、前記観察対象を撮像することにより生成した1枚の画像である。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記撮像データは、前記観察対象を撮像することにより生成した動画である。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記注目領域設定部は、データベースに格納された前記撮像データに含まれる画像に前記注目領域を設定する。
また、本発明の一態様に係る情報処理装置は、前記撮像データに含まれる画像において、前記注目領域に類似した領域を抽出する類似領域抽出部をさらに備える。
また、本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示し、前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出し、前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する。
また、本発明の一態様に係るプログラムは、情報処理装置が、入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示し、前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出し、前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する。
本発明によれば、画像内において利用者が検索したい領域をハンズフリーで精度よく判別することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを実現することができる。
図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図3は、観察対象の全体を撮像した画像の一例を示す図である。 図4は、視野を生成する様子を表す図である。 図5は、視野に応じた画像を表示部に表示させる様子を示す図である。 図6は、視野に関する情報の一例を示す図である。 図7は、特徴量により領域を分割した様子を示す図である。 図8は、類似領域を含む視野を強調表示した様子を示す図である。 図9は、実施の形態2に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2に係る情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態3に係る顕微鏡システムの構成を示す概略図である。 図12は、実施の形態3に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3に係る情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図14は、視野に関する情報の一例を示す図である。 図15は、座標位置が変化する様子を表す図である。 図16は、視野が移動する様子を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施の形態を説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。本発明は、撮像データを用いて画像検索を行う情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム一般に適用することができる。
また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(実施の形態1)
〔情報処理システムの構成〕
図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1は、外部から入力される撮像データに対して各種の処理を行う情報処理装置10と、情報処理装置10に関する各種情報の操作入力を受け付ける入力部20と、情報処理装置10から出力された各種データを表示する表示部30と、を備える。なお、情報処理装置10と入力部20及び表示部30とは、無線又は有線によって接続されている。
〔情報処理装置の構成〕
まず、情報処理装置10の構成について説明する。
図1に示す情報処理装置10は、例えばサーバやパーソナルコンピュータ等にインストールされたプログラムを用いて実現され、ネットワークを経由して各種データが入力される、又は外部の装置で取得された各種データが入力される。図1に示すように、情報処理装置10は、表示制御部11と、記録部12と、解析部13と、を備える。
表示制御部11は、入力部20に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を、表示部30に出力することによって表示させる。視野は、絶対座標及び倍率により決定され、利用者の入力部20に対する操作に応じて、経時的に変化(時間変化)する。そして、時間変化する視野に関する情報は、順次記録部12に記録される。
利用形態がWSI(Whole Slide Imaging)の場合、撮像データは、観察対象である顕微鏡のスライドサンプルの全体を撮像することにより生成した1枚の画像である。そして、全体を撮像した画像の一部を視野として利用者が観察しており、時間とともに視野が変化する。この場合、絶対座標とは、画像の所定の1点を基準に表記している座標を指しており、倍率とは、全体を撮像した画像を拡大する割合をさしている。
一方で、利用形態が光学顕微鏡の場合、撮像データは、利用者が観察対象であるスライドサンプルの一部を観察する際の視野を順次録画することにより生成した動画である。この場合、絶対座標とは、スライドサンプルの所定の1点を基準に表記している座標を指しており、倍率とは、スライドサンプルを拡大する割合をさしている。
表示制御部11は、視野生成部11aと、注目領域設定部11bと、類似領域抽出部11cと、を有する。表示制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を用いて構成される。
視野生成部11aは、入力部20に対する操作入力に基づいて、絶対座標及び倍率を取得する。そして、視野生成部11aは、取得した絶対座標及び倍率を用いて、撮像データに含まれる画像から視野を生成する。表示制御部11は、生成した視野に応じた画像を表示部30に表示させるとともに、視野に関する情報を記録部12に記録する。
注目領域設定部11bは、解析部13が算出した注視度に応じて、撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する。具体的には、注目領域設定部11bは、注視度が閾値以上である領域を注目領域に設定する。
類似領域抽出部11cは、解析部13が算出した注目領域の特徴量に基づいて、注目領域に類似した類似領域を抽出する。具体的には、類似領域抽出部11cは、撮像データに含まれる画像全体から注目領域の特徴量との差が所定の閾値以内である領域を類似領域として抽出する。また、類似領域抽出部11cは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)等を用いた機械学習によって、撮像データに含まれる画像全体から注目領域に類似している領域を類似領域として抽出してもよい。
記録部12は、視野記録部12aを有する。また、記録部12は、情報処理装置10が実行する各種プログラム及び処理中のデータを記録する。記録部12は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及び記録媒体等を用いて構成される。
視野記録部12aは、表示制御部11から入力された視野に関する情報と、解析部13が算出した注視度と、を対応付けて記録する。
解析部13は、視野解析部13aと、特徴量解析部13bと、を有する。解析部13は、CPU、FPGA及びGPU等を用いて構成される。なお、上述した表示制御部11及び解析部13をCPU、FPGA及びGPUのいずれか1つを用いて各機能が発揮できるように構成してもよいし、もちろん、CPU、FPGA及びGPUを組み合わせて各機能が発揮できるように構成してもよい。
視野解析部13aは、視野の時間変化を解析して、注視度を算出する。視野解析部13aは、利用者が時間をかけて観察した視野を注視度が高いと判定する。具体的には、注視度は、表示部30における視野の表示倍率が増加するにしたがい増加する。また、注視度は、表示部30における視野の停留時間が増加するにしたがい増加する。さらに、注視度は、表示部30における視野の移動速度が低下するにしたがい増加する。
特徴量解析部13bは、注目領域の色味や形状等の組織性状に基づいた特徴量を算出する。
〔入力部の構成〕
次に、入力部20の構成について説明する。
入力部20は、マウス、キーボード、タッチパネル及び各種のスイッチを用いて構成される。また、利用形態が顕微鏡の場合、入力部20は、顕微鏡の観察位置を操作するステージや、観察光路上に配置される対物レンズを切り換えて倍率を変更するレボルバ等を含む。この入力部20は、利用者による各種の操作入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた操作信号を情報処理装置10へ出力する。
〔表示部の構成〕
次に、表示部30の構成について説明する。
表示部30は、表示制御部11から入力された視野に応じた画像や各種情報を表示する。表示部30は、例えば有機EL(Electro Luminescence)や液晶等の表示モニタを用いて構成される。
〔情報処理装置の処理〕
次に、情報処理装置10の処理について説明する。図2は、情報処理装置10が実行する処理について説明する。以下においては、利用形態がWSIである場合について説明する。図3は、観察対象の全体を撮像した画像の一例を示す図である。利用者は、入力部20に対して操作を行うことにより、図3に示す画像P1の一部を観察する。
図2に示すように、まず、情報処理装置10は、外部から撮像データである画像P1のデータを取得する(ステップS1)。
続いて、視野生成部11aは、入力部20に対する操作入力に基づいて、視野を生成する(ステップS2)。図4は、視野を生成する様子を表す図である。図4に示すように、視野生成部11aは、入力部20に対する操作入力に基づいて、画像P1内に時間経過とともに視野A1〜A6を生成する。
すると、表示制御部11は、視野に応じた画像を表示部30に表示させるとともに、視野に関する情報を記録部12に記録する(ステップS3)。図5は、視野に応じた画像を表示部に表示させる様子を示す図である。図5に示すように、表示制御部11は、例えば視野生成部11aが生成した視野A4に応じた画像を表示部30に表示させる。
その後、視野解析部13aは、記録部12の視野記録部12aに記録された視野の時間変化を解析し、注視度を算出する(ステップS4)。図6は、視野に関する情報の一例を示す図である。図6の横軸は時間であり、図6は、視野に関する情報の時間変化を表している。線L1(実線)の縦軸は、視野の停留時間であり、視野が1箇所に停留する時間が長いほど値が大きくなる。一方、利用者が入力部20を操作して視野が変更される(観察している位置が移動する)と、値がリセットされ、ゼロになる。線L2(破線)の縦軸は、視野の倍率であり、利用者の入力部20に対する操作に応じて2倍〜20倍の間で変更される。そして、視野解析部13aは、視野の停留時間に応じて定まる値と、視野の倍率に応じて定まる値との和又は積によって注視度を算出する。
続いて、注目領域設定部11bは、視野解析部13aが算出した注視度に応じて、撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する(ステップS5)。注目領域設定部11bは、例えば、視野の停留時間が10秒以上であり、かつ視野の倍率が10倍以上である時点(図6の時間t=t1及びt2)で利用者が観察している視野を注目領域として設定する。ここでは、例えば図5に図示する視野A4が注目領域に設定されたとする。
その後、特徴量解析部13bは、注目領域設定部11bが設定した注目領域である視野A4の特徴量を算出する(ステップS6)。具体的には、特徴量解析部13bは、予め画像P1の単位領域(例えば画素)毎の特徴量を算出し、画像P1を特徴量が類似する領域に分割する。図7は、特徴量により領域を分割した様子を示す図である。図7に示す画像P2のように、特徴量解析部13bは、特徴量に応じて画像P1を分割する。そして、特徴量解析部13bは、注目領域である視野A4の特徴量を算出する。特徴量解析部13bは、図5に示す視野A4全体の特徴量を算出してもよいし、視野A4に含まれている特徴部分A41の特徴量を算出してもよい。なお、特徴部分A41は、特徴量解析部13bが分割した領域の1つに対応する領域であり、特徴量が類似する領域である。
続いて、類似領域抽出部11cは、特徴量解析部13bが算出した注目領域である視野A4の特徴量に基づいて、注目領域に類似する類似領域を抽出する(ステップS7)。具体的には、類似領域抽出部11cは、特徴量解析部13bが分割した領域から視野A4又は特徴部分A41と類似した特徴量を有する領域A42〜A46を抽出する。さらに、類似領域抽出部11cは、この領域A42〜A46を含む領域を類似領域として設定する。
そして、表示制御部11は、利用者の入力部20に対する操作入力に応じて、類似領域抽出部11cが抽出した類似領域を表示部30に表示させる(ステップS8)。図8は、類似領域を含む視野を強調表示した様子を示す図である。まず、表示制御部11は、図8に示すように、領域A42〜A46をそれぞれ含む類似領域である視野A11〜A15を強調表示させる。そして、表示制御部11は、利用者が入力部20に対して操作を行い、視野A11〜A15のいずれかを選択すると、選択された視野を表示部30に拡大表示させる。
その後、入力部20から観察の終了を指示する指示信号が入力された場合(ステップS9:Yes)、情報処理装置10は、本処理を終了する。これに対して、入力部20から観察の終了を指示する指示信号が入力されていない場合(ステップS9:No)、情報処理装置10は、上述したステップS9へ戻り、利用者の操作に応じた類似領域を表示部30に表示させる。
以上説明した実施の形態1によれば、注目領域設定部11bが、視野の停留時間及び倍率に基づいて定まる注視度に基づいて、利用者が注目している領域である注目領域を設定する。その結果、撮像データ内において利用者が検索したい領域をハンズフリーで精度よく判別することができる。さらに、実施の形態1によれば、類似領域抽出部11cが注目領域に類似した類似領域を抽出することにより、利用者が検索したい病変等に似た領域を抽出することができる。その結果、効率よく診断を行うことができるとともに、病変の見落しを防止することができる。
なお、上述した実施の形態1では、注目領域に類似した類似領域を抽出する例を示したがこれに限られない。表示制御部11は、例えば注目領域に関連する関連領域を抽出して表示部30に表示させてもよい。関連領域は、例えば注目領域に対応する病変が発見された場合に、その患者が併発している可能性が高い他の病変に対応する領域である。これらの病変の対応関係は、過去の症例から関連づけることができ、各病変部の特徴量とともに記録部12に記録しておくことにより、利用者は、関連領域を効率よく診断するとともに、関連領域の見落としを防止することができる。
また、実施の形態1では、記録部12が撮像データに視野と注視度と関連づけて記録するので、ディープラーニング等の機械学習で用いる際の学習データを容易に取得することができる。
(実施の形態2)
次に、本開示の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、外部から入力された撮像データに対して注目領域及び類似領域を抽出したが、実施の形態2では、データベースに格納された撮像データにおいて注目領域及び類似領域を抽出する。以下においては、実施の形態2に係る情報処理システムの構成を説明後、実施の形態2に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る情報処理システムと同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は、省略する。
〔情報処理システムの構成〕
図9は、実施の形態2に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。図9に示す情報処理システム1aは、記録装置40に接続されている。
記録装置40は、例えばインターネット回線を介在して接続されたサーバである。記録装置40には、撮像データが格納されたデータベースが構築されている。
注目領域設定部11bは、記録装置40のデータベースに格納された撮像データに注目領域を設定する。同様に、類似領域抽出部11cは、記録装置40のデータベースに格納された撮像データに注目領域に類似した領域を抽出する。
〔情報処理装置の処理〕
次に、情報処理システム1aの情報処理装置10が実行する処理について説明する。図10は、実施の形態2に係る情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、情報処理装置10は、記録装置40から撮像データである画像P1のデータを取得する(ステップS11)。
その後、ステップS12〜ステップS19は、上述した図2のステップS2〜ステップS9それぞれに対応する。ただし、ステップS15において、注目領域設定部11bは、記録装置40のデータベースに格納された撮像データに注目領域を設定する。また、ステップS17も同様に、類似領域抽出部11cは、記録装置40のデータベースに格納された撮像データに注目領域に類似した領域を抽出する。
以上説明した実施の形態2によれば、予め撮像されてデータベースに格納された撮像データにおいて、利用者が検索したい領域をハンズフリーで精度よく判別することができる。さらに、実施の形態2によれば、予め撮像されてデータベースに格納された撮像データから病変等を探す場合に、注視した病変部と類似する領域を含む画像が自動的に抽出されるため、効率よく診断を行うことができるとともに、病変の見落としを防止することができる。
(実施の形態3)
次に、本開示の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、情報処理装置10のみで構成されていたが、実施の形態3では、顕微鏡システムの一部に情報処理装置を組み込むことによって構成する。以下においては、実施の形態3に係る顕微鏡システムの構成を説明後、実施の形態3に係る顕微鏡システムが実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る情報処理装置10と同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
〔顕微鏡システムの構成〕
図11は、実施の形態3に係る顕微鏡システムの構成を示す概略図である。図12は、実施の形態3に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図11及び図12に示すように、顕微鏡システム100は、情報処理装置1bと、入力部20と、表示部30と、顕微鏡200と、を備える。
〔顕微鏡の構成〕
まず、顕微鏡200の構成について説明する。
顕微鏡200は、本体部201と、回転部202と、昇降部203と、ステージ204と、レボルバ205と、対物レンズ206と、倍率検出部207と、鏡筒部208と、接続部209と、接眼部210と、撮像部211と、を備える。
本体部201は、標本SPが載置される。本体部201は、略U字状をなし、回転部202を用いて昇降部203が接続される。
回転部202は、利用者Uの操作に応じて回転することによって、昇降部203を垂直方向へ移動させる。
昇降部203は、本体部201に対して垂直方向へ移動可能に設けられている。昇降部203は、一端側の面にレボルバが接続され、他端側の面に鏡筒部208が接続される。
ステージ204は、利用者Uの操作に応じて、標本SPと対物レンズ206との相対的な位置を移動させることにより、視野を変化させる操作を受け付ける。
レボルバ205は、互いに倍率が異なる複数の対物レンズ206が接続され、光軸L1に対して回転可能に昇降部203に接続される。レボルバ205は、利用者Uの操作に応じて、所望の対物レンズ206を光軸L1上に配置する。なお、複数の対物レンズ206には、倍率を示す情報、例えばICチップやラベルが添付されている。なお、ICチップやラベル以外にも、倍率を示す形状を対物レンズ206に設けてもよい。
倍率検出部207は、光軸L1上に配置された対物レンズ206の倍率を検出し、この検出した検出結果を情報処理装置1bへ出力する。倍率検出部207は、例えば対物切り替えのレボルバ205の位置を検出する手段を用いて構成される。
鏡筒部208は、対物レンズ206によって結像された標本SPの被写体像の一部を接続部209に透過するとともに、接眼部210へ反射する。鏡筒部208は、内部にプリズム、ハーフミラー及びコリメートレンズ等を有する。
接続部209は、一端が鏡筒部208と接続され、他端が撮像部211と接続される。接続部209は、鏡筒部208を透過した標本SPの被写体像を撮像部211へ導光する。接続部209は、複数のコリメートレンズ及び結像レンズ等を用いて構成される。
接眼部210は、鏡筒部208によって反射された被写体像を導光して結像する。接眼部210は、複数のコリメートレンズ及び結像レンズ等を用いて構成される。
撮像部211は、接続部209が結像した標本SPの被写体像を受光することによって画像データを生成し、この画像データを情報処理装置1bへ出力する。撮像部211は、CMOS又はCCD等のイメージセンサ及び画像データに対して各種の画像処理を施す画像処理エンジン等を用いて構成される。
〔情報処理装置の構成〕
次に、情報処理装置1bの構成について説明する。
情報処理装置1bは、上述した実施の形態1に係る情報処理装置10の表示制御部11、記録部12及び入力部20に換えて、制御部41b、記録部42b及び入力部20bを備える。また、情報処理装置1bは、時間計測部43bを備える。
制御部41bは、CPU、FPGA及びGPU等を用いて構成され、表示部30、及び撮像部211を制御する。制御部41bは、表示制御部411、及び撮影制御部412をさらに備える。
表示制御部411は、表示部30の表示態様を制御する。表示制御部411は、視野生成部411aと、注目領域設定部411bと、類似領域抽出部411cと、を有する。
視野生成部411aは、入力部20bに対する操作入力に基づいて、撮像部211が撮像した画像から視野を生成する。
注目領域設定部411bは、解析部13が算出した注視度に応じて、撮像部211が撮像した画像に注目領域を設定する。
類似領域抽出部411cは、撮像部211が撮像した画像に注目領域に類似した類似領域を抽出する。
撮影制御部412は、撮像部211の動作を制御する。撮影制御部412は、撮像部211を所定のフレームレートに従って順次撮像させることによって画像データを生成させる。撮影制御部412は、撮像部211から入力された画像データに対して処理の画像処理(例えば現像処理等)を施して記録部42bへ出力する。
記録部42bは、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及び記録媒体等を用いて構成される。記録部42bは、画像データ記録部421、視野記録部422、及びプログラム記録部423をさらに備える。
画像データ記録部421は、撮影制御部412から入力された画像データを記録し、この画像データを表示制御部411へ出力する。
視野記録部422は、表示制御部411から入力された視野に関する情報と、解析部13が算出した注視度と、を対応付けて記録する。
プログラム記録部423は、情報処理装置1bが実行する各種プログラム、各種プログラムの実行中に使用するデータ、及び各種プログラムの実行中の処理データを記録する。
時間計測部43bは、タイマーやクロックジェネレータ等を用いて構成され、撮像部211が撮像した画像、及び視野生成部411aが生成した視野に関する情報等に対して時刻情報を付与する。
入力部20bは、マウス、キーボード、タッチパネル及び各種のスイッチを用いて構成される。また、入力部20bは、顕微鏡200の視野を移動する操作を受け付けるステージ204や、顕微鏡200の倍率を変更するレボルバ205等を含む。この入力部20bは、利用者Uが顕微鏡200の視野を変更する操作を含む利用者Uによる各種の操作入力を受け付け、受け付けた各種操作に応じた操作信号を情報処理装置1bへ出力する。
〔顕微鏡システムの処理〕
次に、顕微鏡システム100が実行する処理について説明する。図13は、実施の形態3に係る情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図13に示すように、まず、表示制御部411は、視野生成部411aが生成した視野に応じた画像を表示部30に表示させる(ステップS21)。なお、顕微鏡システム100は、視野に対応する動画を撮像し、これを撮像データとして記録部42bに順次記録する。
さらに、表示制御部411は、視野生成部411aが生成した視野に時間計測部43bによって計測された時間を対応付けて視野記録部422に記録する(ステップS22)。
続いて、入力部20bから表示部30が表示する画像の観察を終了する指示信号が入力された場合(ステップS23:Yes)、顕微鏡システム100は、後述するステップS24へ移行する。これに対して、入力部20bから表示部30が表示する画像の観察を終了する指示信号が入力されていない場合(ステップS23:No)、顕微鏡システム100は、ステップS21へ戻る。
その後、視野解析部13aは、記録部42bの視野記録部422に記録された視野の時間変化を解析し、注視度を算出する(ステップS24)。図14は、視野に関する情報の一例を示す図である。図14の横軸は時間であり、図14は、視野に関する情報の時間変化を表している。線(実線)L11の縦軸は、視野の停留時間であり、視野が1箇所に停留する時間が長いほど値が大きくなる。一方、利用者が入力部20bを操作して視野が変更される(観察している位置が移動する)と、値がリセットされ、ゼロになる。線(太い破線)L12の縦軸は、視野の倍率であり、利用者の入力部20bに対する操作に応じて2倍〜20倍の間で変更される。そして、視野解析部13aは、視野の停留時間に応じて定まる値と、視野の倍率に応じて定まる値との和又は積によって注視度を算出する。
図15は、座標位置が変化する様子を表す図である。図16は、視野が移動する様子を示す図である。図15の線(長破線)L13の縦軸は、x方向(横方向)の位置を表し、図16の右側に行くほど値が大きくなる。同様に、線(短破線)L14の縦軸は、y方向(縦方向)の座標を表し、図16の上側に行くほど値が大きくなる。図15の時間B1〜B5において、図16に示す矢印C1〜C5のように、観察対象Oに対する視野が変化する。なお、x方向の位置及びy方向の位置は、利用者の入力部20bに対する操作に応じて、制御部41bがステージ204の位置を制御することにより変化する。
続いて、注目領域設定部411bは、視野解析部13aが算出した注視度に応じて、撮像データである動画に含まれる画像に注目領域を設定する(ステップS25)。注目領域設定部411bは、例えば、視野の停留時間が10秒以上であり、かつ視野の倍率が10倍以上である時点(図14の時間t=t11及びt12)で利用者が観察している視野を注目領域として設定する。
ステップS26において、表示制御部411は、注目領域設定部411bが設定した注目領域を強調表示した画像を表示部30に表示させる(ステップS26)。
その後、特徴量解析部13bは、注目領域設定部411bが設定した注目領域の特徴量を算出する(ステップS27)。特徴量解析部13bは、ステップS6と同様に、撮像データである動画を合成した合成画像の単位領域(例えば画素)毎の特徴量を算出し、この合成画像を特徴量が類似する領域に分割してもよい。
続いて、類似領域抽出部411cは、特徴量解析部13bが算出した注目領域の特徴量に基づいて、注目領域に類似する類似領域を抽出する(ステップS28)。具体的には、類似領域抽出部411cは、合成画像から注目領域に特徴量が類似した領域を類似領域として抽出する。
続いて、表示制御部411は、類似領域抽出部411cが抽出した類似領域を例えば強調線により強調表示した画像を表示部30に表示させる(ステップS29)。
続いて、入力部20bによって類似領域に対応する強調線のいずれか一つが操作された場合(ステップS30:Yes)、制御部41bは、操作に応じた動作処理を実行する(ステップS31)。具体的には、表示制御部411は、入力部20bによって選択された強調線に対応する類似領域を表示部30に拡大表示させる。ステップS31の後、顕微鏡システム100は、後述するステップS32へ移行する。
ステップS30において、入力部20bによって類似領域に対応する強調線のいずれか一つが操作されていない場合(ステップS30:No)、顕微鏡システム100情は、後述するステップS32へ移行する。
ステップS32において、入力部20bから観察の終了を指示する指示信号が入力された場合(ステップS32:Yes)、顕微鏡システム100は、本処理を終了する。これに対して、入力部20bから観察の終了を指示する指示信号が入力されていない場合(ステップS32:No)、顕微鏡システム100は、上述したステップS26へ戻る。
以上説明した実施の形態3によれば、顕微鏡システム100が撮像した動画において、注視度に基づいて注目領域を設定し、この注目領域に類似した類似領域を効率的に観察することができるとともに、病変等の見逃しを防止することができる。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態1〜3に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した実施の形態1〜3に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、上述した実施の形態1〜3で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、実施の形態1〜3において、上述してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
また、実施の形態1〜3に係る情報処理装置に実行させるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルデータでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施の形態1〜3に係る情報処理装置に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。さらに、実施の形態1〜3に係る情報処理装置に実行させるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜3では、伝送ケーブルを経由して各種機器から信号を送信していたが、例えば有線である必要はなく、無線であってもよい。この場合、所定の無線通信規格(例えばWi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標))に従って、各機器から信号を送信するようにすればよい。もちろん、他の無線通信規格に従って無線通信を行ってもよい。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表し、かつ記述した特定の詳細及び代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1、1a、1b 情報処理システム
10 情報処理装置
11、411 表示制御部
11a、411a 視野生成部
11b、411b 注目領域設定部
11c、411c 類似領域抽出部
12、42b 記録部
12a、422 視野記録部
13 解析部
13a 視野解析部
13b 特徴量解析部 20、20b 入力部
30 表示部
40 記録装置
41b 制御部
43b 時間計測部
100 顕微鏡システム
200 顕微鏡
201 本体部
202 回転部
203 昇降部
204 ステージ
205 レボルバ
206 対物レンズ
207 倍率検出部
208 鏡筒部
209 接続部
210 接眼部
211 撮像部
412 撮影制御部
421 画像データ記録部
423 プログラム記録部

Claims (10)

  1. 入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示させる表示制御部と、
    前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出する解析部と、
    前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する注目領域設定部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記注視度は、前記表示部における前記視野の表示倍率が増加するにしたがい増加する請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記注視度は、前記表示部における前記視野の停留時間が増加するにしたがい増加する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記注視度は、前記表示部における前記視野の移動速度が低下するにしたがい増加する請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  5. 前記撮像データに含まれる画像において、前記注目領域に類似した領域を抽出する類似領域抽出部をさらに備える請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  6. 前記撮像データは、前記観察対象を撮像することにより生成した1枚の画像である請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  7. 前記撮像データは、前記観察対象を撮像することにより生成した動画である請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  8. 前記注目領域設定部は、データベースに格納された前記撮像データに含まれる画像に前記注目領域を設定する請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  9. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示し、
    前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出し、
    前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定する情報処理方法。
  10. 情報処理装置が、
    入力部に対する操作入力に応じて、観察対象を撮像することにより生成した撮像データに含まれる画像の少なくとも一部に対応する視野に応じた画像を表示部に表示し、
    前記視野の時間変化を解析して、注視度を算出し、
    前記注視度に応じて、前記撮像データに含まれる画像に注目領域を設定するプログラム。
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