JPWO2020075475A1 - 生体信号計測装置及び生体信号計測システム - Google Patents

生体信号計測装置及び生体信号計測システム Download PDF

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Abstract

生体信号計測装置(10)は、ユーザの耳朶又は乳突部である計測部位でユーザの血流量を計測するための光源及び光検出器を有する血流量計測部(130)と、ユーザの脳波を計測するための基準電位を耳朶で取得するための第一電極(150)と、血流量計測部(130)及び第一電極(150)を一体的に保持する基台部(110)とを備える。

Description

本発明は、ユーザが装用する生体信号の計測装置に関する。
日常生活を送る人に計測器具を装用させて計測した生体信号に基づいて、その人の活動中又は睡眠中の身体の状態を取得する技術が従来提案されている。(例えば、特許文献1、2及び3を参照)。
また、単独の生体信号に基づくよりも詳細な心身の状態の把握に利用するために、複数種類の生体信号を並行して計測する技術が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開昭62−057542号公報 特開平11−112270号公報 特開2011−005176号公報 特許第4844523号公報
しかしながら、複数種類の生体信号を計測するのに必要な計測装置は、単独の生体信号を計測するための計測装置よりも複雑で大型かつ重くなりがちであるため、ユーザにとっては装用中の負荷が活動又は睡眠の妨げになりやすい。
本発明は、装用中のユーザへの負荷を抑えた、複数種類の生体信号の計測が可能な生体信号計測装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る生体信号計測装置は、ユーザの耳朶又は乳突部である計測部位で前記ユーザの血流量を計測するための光源及び光検出器を有する血流量計測部と、前記ユーザの脳波を計測するための基準電位を前記耳朶で取得するための第一電極と、前記血流量計測部及び前記第一電極を一体的に保持する基台部とを備える。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る生体信号計測システムは、上記の生体信号計測装置と、前記脳波信号及び前記血流量計測部が出力する前記血流量を示す血流信号の少なくとも一方の分析を行って前記ユーザの身体及び心理の少なくとも一方の状態に関する心身情報を取得する生体信号分析部と、前記心身情報を提示する情報提示部とを備える。
本発明に係る生体信号計測装置等は、複数種類の生体信号の計測が可能であって、かつ、装用中のユーザへの負荷が抑えられている。
図1は、実施の形態1に係る生体信号計測装置をユーザが装着している状態の例を示す模式図である。 図2Aは、実施の形態1に係る生体信号計測装置における、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極の配置例を示す模式図である。 図2Bは、実施の形態1に係る生体信号計測装置における、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極の配置例を示す模式図である。 図2Cは、実施の形態1に係る生体信号計測装置における、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極の配置例を示す模式図である。 図2Dは、実施の形態1に係る生体信号計測装置における、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極の配置例を示す模式図である。 図2Eは、実施の形態1に係る生体信号計測装置における、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極の配置例を示す模式図である。 図3は、実施の形態1に係る生体信号計測装置が備える脳波計測部の概要を説明するための外観図である。 図4は、本開示において用いられる頭部の各部位の概要を示すための模式図である。 図5は、実施の形態1に係る生体信号計測装置の機能構成例、及びこの生体信号計測装置を含む生体信号計測システムの機能構成例を説明するためのブロック図である。 図6は、実施の形態2に係る生体信号計測装置の機能構成例、及びこの生体信号計測装置を含む生体信号計測システムの機能構成例を説明するためのブロック図である。 図7は、実施の形態2に係る生体信号計測装置において、信号処理部の動作例の処理手順を示すフロー図である。 図8Aは、実施の形態の変形例のひとつに係る生体信号計測装置をユーザが装着している状態の例を示す模式図である。 図8Bは、実施の形態の変形例の他のひとつに係る生体信号計測装置をユーザが装着している状態の例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は説明のための一例であって、本発明を限定する趣旨ではない。そして以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。実質的に同一の構成は、複数の図において共通の符号で示し、説明を適宜省略又は簡略化する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る生体信号計測装置をユーザが装着している状態の例を示す模式図である。本実施の形態に係る生体信号計測装置10は、図1に示されるように、ユーザの耳介に固定して用いられる。
生体信号計測装置10は、基台部110と、血流量計測部130と、基準電位電極150とを備える。なお、血流量計測部130及び基準電位電極150は、生体信号計測装置10がユーザに装着されている状態では目視できないが、図1では基台部110の外側から透視した位置を破線で示している。
図1に示す例では、基台部110は、耳朶の前側に当てられる前側部110a及び耳朶の後側に当てられる後側部110bを有し、前側部110aと後側部110bとで耳朶を前後から挟むようにして耳介に固定することでユーザに装着される。前側部110aと後側部110bとは、例えば弾性のある樹脂、金属、木、又は竹等の材料から作られる基台部110全体の一部であってもよい。別の例として、前側部110aと後側部110bとは別個の部材であって、ねじりばね、薄板ばね、又はリングばね等の弾性体を介して接続されて基台部110をなしてもよい。これらの場合、前側部110aと後側部110bとが、クリップのように弾性によって押すように耳朶を前後から挟むことで基台部110が装着される。また別の例として、基台部110は、耳朶の前後に当てられた前側部110aと後側部110bとをクランプで前後方向から挟むことで装着されてもよい。また別の例として、前側部110a及び後側部110bの一方にポストがあり、かつ、他方にキャッチがあり、イヤリングの一種のように耳朶に開けられた穿孔を利用して装着されてもよい。なお、前側部110aと後側部110bとは区別可能で相互に入替ができなくてもよいし、耳への取付方で決まる相互に入替可能なものであってもよい。
血流量計測部130は、ユーザの血流量を計測するための光源及び光検出器(図1には図示なし)を有する。光源は、生体内での反射又は吸収の程度が血流量の変化の計測に適する波長の光として用いられる、赤外光、赤色光又は緑色光を出射する、例えばLED(Light−emitting Diode)を用いて実現される。光検出器は、光源が出射する種類の光を受光し、受光した光の強さに応じた電気信号を出力するフォトダイオード又はフォトトランジスタを用いて実現される。
基準電位電極150は、ユーザの脳波を計測するための基準電位の取得に用いられる電極であり、ユーザの皮膚に接触させる導電体である。この導電体の材料の例としては銀及び塩化銀が挙げられるが、これらに限定されない。一般に人の皮膚に刺激がないとされる材料であればよく、例えばその他の金属又は金属化合物、導電性ゴム、導電性の溶媒を含ませたスポンジ等でもよい。使用時には、基準電位電極150の皮膚への接触性を向上するためのゲル又はペーストが併用されてもよい。
血流量計測部130及び基準電位電極150は、基台部110に一体的に保持される。本開示における「一体的に保持」とは、常に不可分である状態に限定されず、耳介に装着されている間はひとまとまりであることを意味する。例えば上述の基台部110の例にあるように、耳介への固定のために弾性体又はクランプ等の他の部材で連結される前側部110aと後側部110bとからなる基台部110もまた、血流量計測部130及び基準電位電極150を一体的に保持する。血流量計測部130と基準電位電極150とを基台部110に一体的に保持させることで、ユーザの複数種類の生体信号を計測するための構成要素がコンパクトに納められる。これにより、生体信号計測装置10を装用しているユーザにとっての負荷、例えば、動きの規制、又は取り回しのために払う注意による疲労等が抑えられる。つまり、複数種類の生体信号に基づく、心身のより詳細な状態を把握するための情報を、より少ない負荷で得ることができる。
図1に示す例では、基台部110に保持されている血流量計測部130の光源及び光検出器は、前側部110aの耳朶に当てられる面に露出する。光源は、耳朶の皮膚に向けて光を出射する。光検出器は、光源が出射して耳朶の中で反射された光を受光し、受光した光の強さに応じた電気信号を出力する。耳朶の中で反射される光の強さは、ユーザの心臓の脈動に応じて経時的に変化する血管内の血流量によって変化するため、この光の強さの変化が、生体信号計測装置10では例えばユーザの心拍の計測に用いられる。つまり、この例における血流量計測部130は、いわゆる反射型の脈波計として機能する。
また、基台部110に保持されている基準電位電極150は、後側部110bの耳朶に当てられる面に露出し、その露出している部分は、生体信号計測装置10を装着しているユーザの耳朶の皮膚に接触する。
なお、基台部110における血流量計測部130の光源及び光検出器、並びに基準電位電極150の配置は上記の例に限定されない。例えば前側部110aに基準電位電極150が保持され、後側部110bに血流量計測部130の光源及び光検出器が保持されてもよい。また、血流量計測部130が透過型であってもよく、この場合には光源及び光検出器のうち、一方は前側部110aに、他方は後側部110bに保持される。この場合も、基準電位電極150は前側部110a又は後側部110bのいずれかに保持される。図2A及び図2Bは、血流量計測部130の光源及び光検出器、並びに基準電位電極150の、基台部110の耳朶に当てられる面での配置例を示す模式図である。各図では、前側部110a及び後側部110bそれぞれの耳朶に当てられる面を左右に並べている。図2Aの模式図は、血流量計測部130が反射型である場合の配置例を示す。この配置例では、血流量計測部130の光源及び光検出器は、基台部110の、耳朶の同一の面に当てられる面にまとめて配置されている。図2Bの模式図は、血流量計測部130が透過型である場合の配置例を示す。この配置例では、血流量計測部130の光源と光検出器とが、基台部110の、耳朶の異なる面に当てられる面に分けて配置されている。
また、光源、光検出器及び基準電位電極150が、いずれも前側部110a及び後側部110bの一方に保持されてもよい。図2Cの模式図は、血流量計測部130の光源及び光検出器、並びに基準電位電極150が、前側部110a又は後側部110bのいずれか一方に保持される場合の配置例を示す。
つまり、基台部110に保持される光源、光検出器及び基準電位電極150は、前側部110a及び後側部110bの少なくとも一方の耳朶に当てられる面に露出する。
なお、血流量計測部130が反射型の場合、基台部110の耳朶の同一の面に当てられる面に露出する光源と光検出器との間には、光源からの光がユーザの皮膚下を経ずに光検出器に入るのを防ぐために、ある程度の間隔を設ける必要がある。この面にさらに基準電位電極150が配置される場合には、基準電位電極150の少なくとも一部がこの間隔にあるようにすることで、基台部110の皮膚との接触面が、ユーザの生体信号の取得のために効率よく利用される。つまり、血流量計測部130及び基準電位電極150がコンパクトにまとめられつつ、基準電位電極150の皮膚との接触面積が確保される。血流量計測部130の光源及び光検出器、並びに基準電位電極150のこのような配置の他の例を、さらに図2D及び図2Eの模式図を用いて示す。
図2Cに示される配置例では、血流量計測部130の光源と光検出器との間には基準電位電極150の一部があり、基準電位電極150はさらに光源及び光検出器の周囲を囲んでいる。図2Dに示される配置例では、基準電位電極150の全体が血流量計測部130の光源と光検出器との間にある。図2Eに示される配置例では、基準電位電極150の全体が血流量計測部130の光源と光検出器との間にある。ただし、図2Dの配置例と異なり、基準電位電極150は光源を取り囲み、かつ光検出器によって取り囲まれる。いずれの配置例においても、光源と光検出器との間の間隔が、基準電位電極150によって満たされるように配置され、その結果、基台部110の耳朶に接する面の効率よい利用が実現されている。なお、ここでの基準電位電極150が光源と光検出器との間の間隔を満たす状態とは、基準電位電極150の全周が光源及び光検出器に接するまで延材している状態に限定されない。基準電位電極150の当該間隔への配置は、基準電位電極150の皮膚との接触面積の確保と、生体信号計測装置の大型化の抑制又は小型化の両立とに貢献するものであればよい。したがって、基準電位電極150と光源又は光検出器との間に、例えば構造、機能又は製造上の理由に因る間隔がある状態も、本開示においては、光源と光検出器との間の間隔を満たすとの表現で示す状態に含める。
このように、血流量(又はその変化に基づく脈拍)の計測及び脳波計測のための基準電位の取得のために基台部110が固定される耳朶は、本開示における計測部位の一例である。また、基準電位電極150は、本開示における第一電極の例である。
本実施の形態における生体信号計測装置10は、脳波計測部200をさらに備える。図3は、脳波計測部200の概要を説明するための外観図である。
脳波計測部200は、支持体210と頭部電位電極250とを備える。
支持体210は図1及び図3に示されるように円柱状であり、図1に示されるように、ユーザの耳介と側頭部とで側面を挟み込まれることで耳介の上側に固定されて装着される。なお、図示のような支持体210の円柱状の形状は、この位置に固定される脳波計測部200全体の形状をなす部材の形状の一例であり、円柱の他、角柱、錐体、紡錘形状若しくはこれらの組み合わせの中間的な形状、又はその他の長尺の立体的形状であってもよい。また、図1の例に示される支持体210の太さ又は厚さは、鉛筆等の棒状の筆記具のように、多くの人が耳介と側頭部とで挟んで固定できる程度であり、長さは頭部周辺で装着されてユーザの動きを妨げたりしない程度の大きさに収められる。ただし、後述する他の構成要素の支持又は内蔵が可能であり、かつ、耳介の上で安定する程度に耳介及び側頭部との接触面積を確保できる程度の長さは有する。
また、支持体210の材料としては、全体又は少なくとも表面が長時間触れていても人の皮膚にほとんど刺激のないものであればよく、例としては、眼鏡のフレーム又は鼻当てに用いられる各種の樹脂類が挙げられる。表面には、耳介の上から滑り落ちにくくするような凹凸の加工が施されていてもよい。
頭部電位電極250は、ユーザの脳波を計測するための電位を当該ユーザの頭部で取得するための電極であり、図3に示されるように、耳介と側頭部とに挟まれた支持体210上の当該側頭部に接触する位置で、支持体210の表面に沿って広がる状態で支持体210に支持される。なお、本開示における「頭部」とは、前頭部、頭頂部、側頭部、後頭部及び乳突部を指し、人の頸部より上であっても、眉より下の顔部及び耳介部を含まない。図4は、人の頭部のこれらの部位の概要を示す模式図である。
頭部電位電極250は、ユーザの頭部の皮膚上の電位を頭部電位として取得するための導電体からなる。ここでの導電体の例としては銀、塩化銀が挙げられるがこれらに限定されない。一般に人の皮膚に刺激がないとされる材料であればよく、例えばその他の金属又は金属化合物、導電性ゴム、導電性の溶媒を含ませたスポンジ等でもよい。使用時には、頭部電位電極250の皮膚への接触性を向上するためのゲル又はペーストが併用されてもよい。
頭部電位の基準となる電位は、基準電位電極150で取得された電位が、脳波計測部200と基台部110とを接続するケーブル300(図1及び図3参照)を介して頭部電位電極250を含む脳波計測部200内の回路に伝えられる。脳波計測部200からは、頭部電位電極250で取得された電位と、基準電位電極150で取得された電位との差分が、ユーザの計測された脳波を示す脳波信号として出力される。
なお、脳波計測部200の上述の構成は、生体信号計測装置10において脳波の計測のために用いられる構成の一例であり、この例に限定されない。基台部110が備える基準電位電極150で取得される電位を基準に用いて脳波を計測する構成であれば、上記とことなる構成の脳波計測部が用いられてもよい。例えば、ヘアバンド又はキャップ等のように、人の頭部のより広い範囲を覆うように装着される支持体と、一つ又は複数の頭部電位電極とを備える脳波計測部であってもよい。支持体の材料は上記の樹脂類に限定されず、使用の態様に応じて適宜選択される。また、頭部における頭部電位電極の個数及び位置は側頭部に限らず、取得する脳波の用途等に応じて決定されてよい。
このような、ユーザの脳波を計測するための頭部電位を取得するための頭部電位電極250は、本開示における第二電極の例である。
なお、脳波計測に用いられる機器には上述のように用途に応じたバリエーションがあるため、生体信号計測装置10の他の構成要素と組み合わせて用いられる外部の機器として把握されてもよい。
図5は、本実施の形態に係る生体信号計測装置10の機能構成例、及び生体信号計測装置10を含む生体信号計測システム1の機能構成例を説明するためのブロック図である。以下、図5に示す例を用いて、生体信号計測装置10及び生体信号計測システム1の生体信号の計測に関する機能構成を説明する。なお、図1又は図3に記載の構成要素の一部は、見やすさのために図5での図示を省略している。また、既出の構成要素については、詳細を繰り返さず簡単な説明に留める場合がある。
生体信号計測装置10は、血流量(又は脈拍)及び脳波を計測する機能を有する装置である。
血流量の計測のための構成要素として、生体信号計測装置10は血流量計測部130を備える。血流量計測部130は、ユーザの皮膚に向けて所定の波長の光を出射する光源と、この波長の光を検知することができる光検知部とを有する。光検知部は、受光した光を光電変換し、その光の強さに応じた電気信号を出力する。この電気信号は、ユーザの血流量の変動又は心拍を示し、以下では血流信号ともいう。出力された血流信号は、増幅器120によって増幅されてアナログ−デジタル変換器(以下及び図中ではAD変換器と表記)140に入力される。AD変換器140は、増幅器120から出力された電気信号をデジタルの電気信号に変換して出力する電子回路である。AD変換器140から出力された電気信号は、後述の通信部270に入力される。
血流量計測部130は、光源及び光検知部が露出するように基台部110に保持され、生体信号計測装置10を装着するユーザの耳朶の皮膚に対向する。なお、増幅器120及びAD変換器140は基台部110に内蔵されているため、図1に示す例では生体信号計測装置10の外観に現れていない。
血流量計測部130の光源及び光検知部に加えて、露出するように基台部110に保持されているのが、ユーザの脳波の計測のための構成要素として生体信号計測装置10が備える基準電位電極150である。生体信号計測装置10では、ユーザの耳朶の皮膚に接触する基準電位電極150で取得された電位を基準電位として用いて脳波が計測される。
脳波の計測のためにユーザの頭部に接触させて用いられるのが、支持体210に指示される頭部電位電極250である。頭部電位電極250で取得される、基準電位電極150で取得された電位を基準電位とする電位は、ユーザの脳波を示す電気信号(以下、脳波信号ともいう)として増幅器220に入力され、増幅器220によって増幅されてAD変換器240に入力される。AD変換器240は、増幅器220から出力されたアナログの信号をデジタルの信号に変換して出力する電子回路である。AD変換器240から出力された電気信号は、通信部270に入力される。
通信部270は、入力を受けた血流信号及び脳波信号(以下、区別せずにいずれか一方、又は両方を指して生体信号ともいう)を情報処理装置500に送信する通信モジュールであり、図5で例示される無線通信モジュールに限定されず、有線の通信モジュールであってもよい。
その他、生体信号測定装置10は、上記の各構成要素の動作に必要な電力を供給する電源部160を備える。電源部160は一次電池又は二次電池であり、又はさらに変圧のための機構を含んでもよい。電源部160は、基台部110が備えてもよいし、支持体210が備えてもよいし、これらの両方が備えてもよい。
情報処理装置500は、プログラムを実行して情報を処理することで後述の所定の機能を提供するプロセッサを備える装置であればよく、例として各種のパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、スマートスピーカ、スマートウォッチ及びスマートグラス等のウエアラブル端末、又は車載コンピュータが挙げられる。情報処理装置500は、通信部510、演算処理部520、情報提示部530及び記憶部540を備える。
通信部510は、生体信号計測装置10の通信部270から送信された生体信号を受信する通信モジュールである。
演算処理部520は情報処理装置500のプロセッサであり、生体信号の分析のためのプログラムを実行して、生体信号分析部525として機能する。この分析は、血流信号が示すユーザの心拍及び脳波信号が示すユーザの脳波の状態に基づいて、当該ユーザの身体若しくは心理又はその両方の状態に関する情報(以下、心身情報という)を取得するためのものである。生体信号を用いて取得される心身情報の具体例として、単なる心拍でもよいし、その変化、又はある基準に照らしたこれらの適否(正常、又は過多若しくは過少である異常、てんかん又は不整脈などの発作の兆候を示す異常)である。別の例としては、ユーザの緊張−リラックスの程度、覚醒−眠気の程度等があり、これらの組み合わせであってもよい。このような情報は、脳波及び脈拍の両方を用いることで、より多面的な評価に基づく詳細なものとなり得る。また、緊張などの脳波及び脈拍の両方から判定可能な心身の状態については、その精度も向上する可能性がある。心身情報のさらに別の例として、これらの情報に基づくユーザの行動の適否が含まれてもよい。より具体的な例として、運動の負荷の大きさの適否、覚醒−眠気の自動車の運転等の作業に対する適否が挙げられる。生体信号分析部525からは、この分析の結果と取得された心身情報を示すデータが出力される。
情報提示部530は、生体信号分析部525が出力した上記のデータが示す心身情報をユーザに提示する。情報提示部530は、例えばディスプレイ、プロジェクタ等の映像表示器、スピーカ又はプリンタである。データは文字、画像若しくは音声又はこれらの組み合わせとして情報提示部530によって再生される。他の例として、情報提示部530には、心身情報の内容に応じて異なる態様で動作するブザー、ランプ又はバイブレータが含まれてもよい。例えば、心身情報がユーザの強い眠気を示す場合に、ブザー等を制御するための各種のプログラムを実行する演算処理部520によって、ブザーを鳴動させたり、バイブレータを振動させたりする制御が行われてもよい。
記憶部540は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶装置であり、情報処理装置500の上記の動作に関連するデータが保管される。保管されるデータの例としては、生体信号計測装置10から出力された生体信号に基づくデータ、プロセッサが実行するプログラム、及び生体信号分析部525が出力したデータが挙げられる。
なお、情報処理装置500は複数の機器の組み合わせで構成されてもよい。例えば、演算処理部520であるプロセッサと情報提示部530であるディスプレイとは別体の機器であってもよい。また例えば、複数台のコンピュータ各々のプロセッサが演算処理部520として分散的に処理を行ってもよく、生体信号分析部525による上記の分析が、例えばクラウドサーバを用いたサービスとして提供されてもよい。また例えば、生体信号に基づくデータが保管される記憶部540として、プロセッサを内蔵する機器から脱着可能な外付の記憶装置、又は遠隔にあって通信可能な記憶装置が用いられてもよい。
このように、本実施の形態に係る生体信号計測装置10は、ユーザの耳朶で血流量を計測するための光源及び光検出器を有する血流量計測部130と、脳波を計測するための基準電位を耳朶で取得するための基準電位電極(第一電極)150と、血流量計測部130及び基準電位電極(第一電極)150を一体的に保持する基台部110とを備える。
この構成では、血流量計測部130と基準電位電極150とを基台部110に一体的に保持させることで、ユーザの複数種類の生体信号を計測するための構成要素がコンパクトに納められる。これにより、生体信号計測装置10を装用しているユーザにとっての負荷、例えば、動きの規制、又は取り回しのために払う注意による疲労等が抑えられる。つまり、複数種類の生体信号に基づく、心身のより詳細な状態を把握するための情報を、より少ない負荷で得ることができる。
例えば、基台部110は、耳朶の前側に当てられる前側部110a及び耳朶の後ろ側に当てられる後側部110bを有し、耳朶を前側部110aと後側部110bとで前後から挟むようにして耳朶に固定され、光源、光検出器及び基準電位電極150は、前側部110a及び後側部110bの少なくとも一方の耳朶に当てられる面に露出する。この構成では、基台部110には、耳朶の前後両面を利用して2種類の生体信号を計測するように光源、光検出器及び基準電位電極150を保持させるため、コンパクトなサイズに収める設計をより容易に行うことができる。
なお、生体信号計測装置10は、脳波を計測するための頭部電位をユーザの頭部で取得するための頭部電位電極(第二電極)250を有し、基準電位電極150で取得され基準電位と、頭部電位電極250から出力される頭部電位との差分を、ユーザの計測された脳波を示す脳波信号として出力する脳波計測部200をさらに備えてもよい。
また、本実施の形態に係る生体信号計測システム1は、上記のいずれかのように構成された生体信号計測装置10と、脳波信号及び血流量計測部130が出力する血流量を示す血流信号の少なくとも一方の分析を行ってユーザの身体及び心理の少なくとも一方の状態に関する心身情報を取得する生体信号分析部525と、心身情報を提示する情報提示部530とを備える。このように構成された生体信号測定システム1のユーザは、装用中の負荷の軽い生体信号計測装置10を用いて長時間に渡る自己の生体信号の記録を取ることができ、また、スマートフォン等の情報端末上でその生体信号に基づく心身状態の情報を利用することができる。これにより、自己の効率的な活動若しくは休息、又は健康の管理に役立てることができる。
(実施の形態2)
以下では、実施の形態1との差異点を中心に、本実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る生体信号計測装置は、分析の対象とする生体信号の使用の態様を、ユーザの動きに応じて変化させる点が実施の形態1に係る生体信号計測装置10と異なる。
図6は、本実施の形態に係る生体信号計測装置10Aの機能構成例、及び生体信号計測装置10Aを含む生体信号計測システム1の機能構成例を説明するためのブロック図である。生体信号計測装置10と共通の構成要素は、図5と共通の参照符号で示し、説明を省略する。なお、生体信号計測装置10Aの外観は、生体信号計測装置10と共通でよいため、図示及び説明を省略する。
図6に示すように、生体信号計測装置10Aは、動き検出器230及び信号処理部260をさらに備える点が生体信号計測装置10と比べて異なる。
動き検出器230は、いわゆる加速度センサであり、動きを検出してその加速度を示す動き信号を出力する。動き検出器230は、例えば脳波計測部200の支持体210に内蔵される。したがって、動き検出器230が出力する動き信号は、脳波計測部200を装着するユーザの頭部の動きの加速度を示す。動き信号は、信号処理部260へと入力される。
信号処理部260は、生体信号、ここでは脳波信号及び血流信号と、上記の動き信号との入力を受ける。信号処理部260は、例えば論理回路、又はプログラムを実行するプロセッサを用いて実現される構成要素であり、動き信号が示す加速度に基づいて、脳波信号及び血流信号の生体信号分析部525による分析における重み付けを変化させる。例えば、動き信号が示す加速度がゼロ以上であって所定の第一の大きさ未満のとき、信号処理部260は、入力を受けたとおりの脳波信号及び血流信号を通信部270へ送出する。また、動き信号が示す加速度が、ゼロより大きい所定の第一の大きさ以上のとき、信号処理部260は、脳波信号を送り出さずに血流信号のみを送出する。図7は、この例にある動作を行う信号処理部260の処理手順を示すフロー図である。信号処理部260は、脳波信号及び血流信号の入力を受ける(ステップS51)。また、信号処理部260は、動き信号の入力を受け(ステップS52)、この動き信号が示す加速度が第一の大きさ以上か否か判定する(ステップS53)。加速度が第一の大きさ以上でない(未満である)場合(ステップS53でNO)、信号処理部260は、ステップS51で入力を受けた脳波信号及び血流信号を通信部270へ送出する(ステップS54)。加速度が第一の大きさ以上である場合(ステップS53でYES)、信号処理部260は、ステップS51で入力を受けた脳波信号及び血流信号のうち、血流信号は通信部270へ送出し、脳波信号は送出しない(ステップS55)。
これにより、実施の形態1の場合と比較して、生体信号分析部525による分析における脳波信号が示す脳波及び血流信号が示す血流量の重み付けが変化する。
このように重み付けを変化させるのは、以下の理由による。すなわち、計測手法の性質上、ユーザが動いている時の脳波の計測は安静時の計測よりも精度が低い。つまり、ユーザの頭部の動きが大きいときに計測された脳波を用いて分析を行うと、その結果は不正確なものになりやすい。一方、血流量の計測の精度は、計測場所の動きの影響が小さい。したがって、検出した頭部の動きの加速度をもって頭部の動きの大きさを示すものとして扱い、その大きさがある程度以上大きいときに計測された、不正確である可能性が高い脳波を生体信号の分析に用いないことで分析の精度の低下を回避することができる。本開示に係る生体信号計測装置は、活動中のユーザに使用され得るものであり、その活動中にユーザが身体を大きく動かすことも想定に入れた上で、より安定して高い精度を確保することで、より信頼性の高い情報をユーザに提供することができる。例えば生体信号計測装置10Aは、スポーツ競技の練習中のユーザに使用されることが想定される。そして、ゴルフ、アーチェリー等、種目によっては、ユーザが自身の心身を、例えば緊張、興奮及び集中力等に関して特定の状態に置く練習をすることがある。しかしながら、この練習中のユーザは頭を動かしたり動かさなかったりするため、その頭の動き状態に応じた分析をすることで、一定以上の精度の心理状態に関する分析結果をユーザに提供することができる。また、不正確である可能性が高い生体信号は情報処理装置500に送信しないことで、通信部270及び通信部510の処理負荷を減らすことができる。特に、通信部270の処理負荷が減れば、生体信号計測装置10Aの消費電力が抑えられ、連続稼働時間を延ばすことができる。
なお、分析における脳波信号が示す脳波及び血流信号が示す血流量の重み付けを変化させる上記の動作による方法は一例であり、各種の変形を加えた方法の利用が可能である。例えば、信号処理部260は脳波信号及び血流信号の両方とあわせて、ステップS53での加速度が所定の大きさ以上であるか否かの判定の結果を示すフラグを通信部270へ送出してもよい。通信部270から情報処理装置500へは、脳波信号、血流信号及びこのフラグが送信される。情報処理装置500では、通信部510を介してこれらの脳波信号、血流信号及びフラグを受信した生体信号分析部525が、フラグの値に応じて、脳波信号を分析の対象に含めるか除外するか切り替えてもよい。また別の例として、信号処理部260は通信部510を介して、先の例のフラグに代えて、動き信号が示す加速度(動き)の値又はこの値に応じた加速度(動き)の大きさの等級を示す値を情報処理装置500へ送信してもよい。情報処理装置500では生体信号分析部525が、この加速度(動き)又はその大きさの等級を示す値に応じて、分析処理の計算において脳波信号が示す脳波及び血流信号が示す血流量のそれぞれに適用するパラメータの値を変更してもよい。つまり、生体信号分析部525は、動き信号が示す加速度(動き)が大きいほど、脳波に適用するパラメータをゼロに近づけるよう小さくするか、若しくは血流量に適用するパラメータを大きくする、又はこれらの両方を行って、分析において血流量の重み付けが重くなるようにしてもよい。
また、図7に手順を示す動作による方法及び上記の各変形例による方法は、情報処理装置500の生体信号分析部525で実行されてもよい。この場合、通信部270からは、脳波信号、血流信号及び動き信号が情報処理装置500に送信される。また、生体信号計測システム1Aにおける信号処理部260による上記の処理は必要ではない。
このように、生体信号計測システム1Aでは、ユーザの頭部の動きを検出し、検出した動きの加速度を示す動き信号を出力する動き検出器をさらに備え、生体信号分析部525では、動き信号が示す動きの大きさに基づいて、脳波信号が示す脳波及び血流信号が示す血流量の、分析における重み付けが変化する。
これにより、ユーザの頭部の動きが大きいときには精度が落ちやすい脳波の計測結果の分析における重み付けを、その動きの大きさに応じて動的に下げることができる。結果的に、この分析の結果ユーザに提供される情報の精度を向上させることができる。
また、生体信号分析部525では、動き信号が示す動きの大きさが所定の大きさを超える場合に、脳波信号が示す脳波の分析における重み付けがゼロであってもよい。つまり、ユーザの頭部の動きが、使用している脳波計測器による必要な精度での計測が可能な程度を超える場合には、脳波を生体信号分析部525による分析の対象から外してもよい。これにより、ユーザに提供される情報の一定以上の精度を確保することができる。
(その他の変形例)
本開示に係る生体信号計測装置及びこれを含む生体信号計測システムについて、実施の形態に基づいて上記のとおり説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。次に、その変形例を挙げる。
図8A及び図8Bは、それぞれ実施の形態に係る上記の生体信号計測装置の変形例のひとつを示し、当該生体信号計測装置をユーザが装着している状態の例を示す模式図である。図8A及び図8Bに示す変形例には、基台部の形状又は取付に関して上記の各実施の形態と差異がある。
図8Aに示す生体信号計測装置1010では、基台部1110が、鉤状のフック部1110aと計測部1110bとを有する。フック部1110aが、その形状を利用してユーザの耳の耳甲介の下部にある対珠と呼ばれる部分に引っ掛けられることで、基台部1110はユーザの耳に固定される。計測部1110bは、フック部1110aが対珠に引っ掛けられているときに耳朶に重なる形状、位置及び大きさであり、血流量測定部及び基準電位電極を有して、その耳朶に当てられる面には光源、光検出器及び基準電位電極(図示なし)が露出する。このような形状の基台部1110であっても、実施の形態1及び2における基台部110に代えて利用することができる。また、例えば耳朶の厚さ又は大きさの問題でクリップのように耳朶を挟む基台部110が適さないユーザでも、このような形状の基台部1110であれば利用することができる。つまり、ユーザの耳朶の形状に応じて基台部110又は基台部1110が選択されてもよい。
なお、図8Aに示す例では、計測部1110bでは耳朶の前側に位置するが、後側に位置するものであってもよい。つまり基台部1110は、フック部1110aは対珠から耳介の縁を回り込むように伸び、その先に計測部1110bが付くような形状であってもよい。この場合は、計測部1110bの位置及び形状が、耳朶を後ろ側から軽く押すようなものであると、血流量測定部及び基準電位電極と耳朶との間の好適な距離又は接触の度合いが得やすい。また、計測部1110bは、耳朶を前後から挟むような形状であってもよい。この場合の計測部1110bは、実施の形態1及び2における基台部110のように耳朶の前後のいずれに血流量測定部及び基準電位電極があってもよいが、基台部110のように固定に必要な程度に耳朶を前後から押すような力を加えるように構成されなくてもよい。例えば計測部1110bは断面がU字状の、耳朶を差し込み入れるための間隙を有する形状であってもよい。
図8Bに示す生体信号計測装置2010では、基台部2110は、乳突部と呼ばれる、ユーザの耳の後ろに位置する乳様突起と呼ばれる頭蓋骨にある突起を覆う部分を含む領域に、例えばゲル又はペーストを貼り付けてユーザに固定されている。乳突部は、この変形例における計測部位の一例である。光源、光検出器及び基準電位電極(図示なし)は、基台部2110の貼付面、つまり乳突部に当てられる面に露出する。基準電極は乳様突起上の皮膚に当てられて脳波の計測のための基準電位を取得する。血流量計測部は反射型を用い、乳突部を走る血管の上、可能であれば動脈の上に位置させる。乳突部は、耳朶に比べてユーザの動きに起因する動き又は振動が少ない。したがって、上記の生体信号計測装置10又は1010と比較して、本変形例における生体信号計測装置2010では、電位及び血流量のより正確な測定結果を得やすく、また長時間の装着によるユーザへの負荷が小さい。
なお、図8A又は図8Bを用いて説明した各変形例においても、血流量計測部の光源及び光検出器、並びに基準電位電極は、実施の形態1について図2Aから図2Eを用いて説明した例に準じて配置することができる。
その他、上述の実施の形態1、2及び変形例において、生体信号計測装置から情報処理装置への生体信号の送信は、逐次実行されてもよいし、又は生体信号に基づくデータを保管するための記憶部を生体信号計測装置が備え、この記憶部に保管されたデータの大きさ、経過時間、又はユーザの操作に応じて情報処理装置に送信されてもよい。
また、通信部による生体信号計測装置と情報処理装置との通信は無線、有線いずれでもあってもよいし、無線と有線の通信が混在してもよい。例えば、生体信号計測装置が上記の記憶部を備える場合には、使用後の生体信号計測装置を情報処理装置に接続し、記憶部に保管された生体信号に基づくデータが情報処理装置に転送されてもよい。また、インターネットなどの通信網を介して行われてもよい。
また、脳波計測部は、スマートグラス等の頭部に装着される情報処理装置と一体であってもよい。この場合、通信部を介さずに生体信号がこの情報処理装置の生体信号分析部に入力されてもよい。
また、実施の形態1及び2並びにその変形例を示す図において、基台部と支持体とはケーブルのみで接続されているが、基台部と支持体とは一体的にひとつの筐体に収められてもよい。
また、生体信号分析部は生体信号測定装置に備えられてもよい。この場合、実施の形態1又は2における生体信号の分析処理は生体信号測定装置内で実行される。また、実施の形態2における信号処理部の動作は、生体信号測定装置内の生体信号分析部で実行される。情報処理装置は分析の結果取得された心身情報のデータを受け取り、このデータを用いてユーザに心身情報を提示したり、このデータを保管したりする。また、生体信号測定装置が備える生体信号分析部と情報処理装置が備える生体信号分析部とで処理が分担されてもよい。例えば、生体信号分析部が備える生体信号分析部では、より簡単な分析又は逐次入力される生体信号(又はさらに動き信号)のみに基づく分析が実行され、情報処理装置が備える生体信号分析部では、より複雑な分析又は過去のデータも用いる、より詳細な分析が実行されてもよい。
また、動き検知器は、生体信号計測装置の使用目的に応じたユーザの身体の箇所の動きを検知するのに適した個所にあればよく、その位置は脳波計測部の支持体の中に限定されない。例えば、支持体とも基台部とも別個の筐体に収められたものを、ユーザが自身の身体又は使用する道具の所望の位置に装着して用いられてもよい。また、ユーザが携帯している情報処理端末、ユーザが運転している自動車等が備える加速度センサが生体信号計測装置の動き検知部の上述の役割を果たしてもよい。
また、基台部に赤外光の光源及び赤色光の光源、並びに各光を感知するための光検知器を搭載して、動脈血酸素飽和度が計測されてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1A 生体信号計測システム
10、10A、1010、2010 生体信号計測装置
110、1110、2110 基台部
130 血流量計測部
150 基準電位電極(第一電極)
200 脳波計測部
230 動き検出器
250 頭部電位電極(第二電極)
260 信号処理部
525 生体信号分析部
530 情報提示部

Claims (11)

  1. ユーザの耳朶又は乳突部である計測部位で前記ユーザの血流量を計測するための光源及び光検出器を有する血流量計測部と、
    前記ユーザの脳波を計測するための基準電位を前記耳朶で取得するための第一電極と、
    前記血流量計測部及び前記第一電極を一体的に保持する基台部とを備える
    生体信号計測装置。
  2. 前記計測部位は前記耳朶であり、
    前記基台部は、前記耳朶の前側に当てられる前側部及び前記耳朶の後ろ側に当てられる後側部を有し、前記耳朶を前記前側部と前記後側部とで前後から挟むようにして前記耳朶に固定され、
    前記光源、前記光検出器及び前記第一電極は、前記前側部及び前記後側部の少なくとも一方の前記耳朶に当てられる面に露出する
    請求項1に記載の生体信号計測装置。
  3. 前記計測部位は前記耳朶であり、
    前記基台部は鉤状のフック部と、前記光源、前記光検出器及び前記第一電極が露出する計測面を有する計測部とを有し、前記フック部を前記ユーザの対珠に引っ掛け、前記計測面が前記耳朶の前側及び後ろ側の少なくとも一方に当てられるようにして前記耳朶を含み耳に固定される
    請求項1に記載の生体信号計測装置。
  4. 前記光源、前記光検出器及び前記第一電極は、前記基台部の前記耳朶の前側又は後ろ側のいずれか一方に当てられる面に露出する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の生体信号計測装置。
  5. 前記計測部位は前記乳突部であり、
    前記基台部は、前記乳突部に貼り付けて固定され、
    前記光源、前記光検出器及び前記第一電極は、前記基台部の前記乳突部に当てられる面に露出する
    請求項1に記載の生体信号計測装置。
  6. 前記光源と前記光検出器とは間隔をおいて配置され、前記間隔は、前記第一電極によって満たされる
    請求項4又は5に記載の生体信号計測装置。
  7. 前記脳波を計測するための頭部電位を前記ユーザの頭部で取得するための第二電極を有し、前記第一電極で取得された前記基準電位と、第二電極から出力される前記頭部電位との差分を、計測された前記脳波を示す脳波信号として出力する脳波計測部とをさらに備える
    請求項1から6のいずれか一項に記載の生体信号計測装置。
  8. 請求項7に記載の生体信号計測装置と、
    前記脳波信号及び前記血流量計測部が出力する前記血流量を示す血流信号の少なくとも一方の分析を行って前記ユーザの身体及び心理の少なくとも一方の状態に関する心身情報を取得する生体信号分析部と、
    前記心身情報を提示する情報提示部とを備える
    生体信号計測システム。
  9. 前記ユーザの頭部の動きを検出し、検出した前記動きの加速度を示す動き信号を出力する動き検出器をさらに備え、
    前記生体信号分析部では、前記動き信号が示す動きの大きさに基づいて、前記脳波信号が示す前記脳波及び前記血流信号が示す前記血流量の前記分析における重み付けが変化する
    請求項8に記載の生体信号計測システム。
  10. 前記生体信号分析部では、前記動き信号が示す動きの大きさが所定の大きさを超える場合に、前記脳波信号が示す脳波の前記分析における重み付けがゼロである
    請求項9に記載の生体信号計測システム。
  11. 請求項9に記載の生体信号計測システムに含まれるプロセッサによって実行されるプログラムであって、
    前記プロセッサに、前記動き信号が示す動きに基づいて前記脳波信号及び前記血流信号の前記分析における重みづけを変化させる前記生体信号分析部として機能させる
    プログラム。
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