以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[トラフィックタイプ及びMCS index table]
New RATでは、eMBB又はURLLC等の複数のトラフィックタイプに基づくデータを送受信することが想定されている。例えば、URLLCでは、送受信データに対してeMBBよりも高い信頼性をサポートするために、eMBBにおいて使用が想定されているMCS(Modulation and Coding Scheme, 変調方式及び符号化率の組み合わせ)よりも、周波数効率(SE:Spectral Efficiency)又は符号化率(target code rate)のより低いMCSをサポートする。換言すると、URLLCでは、eMBBのMCSよりも信頼性の高いconservativeなMCSをサポートする。
そこで、New RATでは、MCSの一覧である「MCS index table」(換言すると、MCSの複数の候補を含むテーブル)について、指定できる周波数効率の範囲が異なるテーブルが複数用意される。基地局(gNBと呼ばれることもある)及び移動局(端末又はUE(User Equipment)と呼ばれることもある)は、送受信するデータのトラフィックタイプに適したMCS index tableを用いてデータを変復調することが想定される。
図1、図2及び図3は、MCS index tableの一例として、非特許文献3に規定されている3種類のMCS index table(MCS index table 1, MCS index table 2, MCS index table 3)をそれぞれ示す。図1に示すMCS index table 1及び図2に示すMCS index table 2は、指定できる周波数効率が比較的高く、図3に示すMCS index table 3は、指定できる周波数効率又は符号化率が比較的低い。例えば、MCS index table 1及びMCS index table 2は、主に、eMBBにおいて利用され、MCS index table 3は、主に、URLLCにおいて利用されることが想定される。ただし、MCS index table 3は、URLLCに限らず、eMBBにおいて利用されることもある。
移動局に対して、参照すべきMCS index tableの種類(MCS index table 1〜3の何れか1つのMCS index table)を示す情報が、例えば、上位レイヤ信号(higher layer signaling又はhigher Layler parameterと呼ばれる)によって基地局から設定(configure)される。また、移動局に対して、MCS index tableに記載されたMCSのうち、データの変復調に使用するMCSを示す情報(例えば、MCS index)が、例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)によって動的に通知(indicate)される。例えば、移動局は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index tableを参照して、DCIによって通知されるMCS indexからデータの変復調に利用するMCSを判断する。
ただし、トラフィックタイプがURLLCであるデータの変復調時には、移動局が、上位レイヤ信号による設定に関係なく、固定のMCS index table(例えば、MCS index table 3)を参照(使用)することが想定されている。よって、上位レイヤ信号によって移動局に設定されるMCS index tableと、移動局がデータの変復調用に実際に参照するMCS index tableとが、異なることがあり得る。
なお、以下の説明では、MCS index table 1及びMCS index table 3のMCS index 29-31、及び、MCS index table 2のMCS index 28-31のように、符号化率及び周波数効率(spectral efficiency)の数値が規定されていないMCS indexを、「reserved MCS index」と呼ぶ。reserved MCS indexは、例えば、HARQ(hybrid automatic repeat request)プロセスにおける再送(retransmission)の通知に利用されることがある。
[PT-RS]
New RATでは、例えば、6GHz以上の周波数の信号が搬送波として利用される。特に、高い周波数帯かつ高次の変調多値数(Modulation order)を使用する場合、局部発振器(Local Oscillator)の位相雑音(Phase Noise)によって発生するCPE(Common Phase Error、共通位相誤差)又はICI(Inter-carrier Interference、キャリア間干渉)によって誤り率特性が劣化する(例えば、非特許文献2を参照)。
そこで、New RATでは、受信機が、チャネル等化(Channel Equalization)に加えて、位相トラッキング用参照信号(PT-RS:Phase Tracking Reference Signal)を用いたCPE補正(CPE Correction)又はICI補正(ICI Correction)(以下、「CPE/ICI補正」と呼ぶこともある)を行うことが検討されている。
PT-RSは、時間的にランダムに変動するCPE/ICIを追従(track)するために、チャネル推定用(復調用)の参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)と比較して時間軸上に高密度に配置(mapping)される。例えば、PT-RSは、シンボル毎、隣接する2シンボルのうち1シンボル、又は、隣接する4シンボルのうち1シンボル等の密度で配置されることが想定される。これをPT-RSの時間的配置密度(time domain density)と呼ぶ。
また、CPE/ICIのサブキャリア間での変動は少ないという特性から、PT-RSは、周波数領域では比較的低密度に配置される。例えば、PT-RSは、RB(Resource Block)毎に1つ(例えば、1サブキャリア)、隣接する2RB毎に1つ、又は、隣接する4RB毎に1つ等の密度で配置されることが想定される。これをPT-RSの周波数的配置密度(frequency domain density)と呼ぶ。
3GPP RAN1#88におけるPT-RSに関する合意事項によると、PT-RSは、基地局と、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)によって基地局から通知された移動局との間で使用される。また、PT-RSの時間的配置密度又は周波数的配置密度は、当該基地局と移動局との間で使用されるMCS又は帯域幅等によって柔軟に変化することが想定されている。
一方、チャネル推定に用いられるDMRSは、チャネル特性の周波数領域の変化が大きく、また、時間領域の変化が位相雑音ほど大きくないことから、PT-RSと比較して周波数領域には高密度に、時間領域には低密度に配置される。さらに、New RATでは、データ復調のタイミングを早めるため、スロットの前方に配置されるfront-loaded DMRSの導入が想定されている。
また、PT-RSは、あるDMRSと同一アンテナポート(このポートをPT-RSポートと呼んでもよい)に配置されること、また、PT-RSに対してDMRSポートと同じプリコーディングが適用されることが検討されている。このため、受信機では、PT-RSをDMRSと同様に、チャネル推定に利用する可能性もある。
また、PT-RSはDMRSの一部として定義されることも考えられる。この場合、CPE/ICI推定に使用されるDMRSは、他のDMRSよりも時間領域では高密度に配置され、周波数領域では低密度に配置される。また、位相雑音により発生するCPE/ICIの補正に使用する参照信号は、「PT-RS」とは異なる名称で呼ばれる可能性もある。
[PT-RSの配置密度の判断方法]
移動局がPT-RSの配置密度を判断する方法について検討されている。一つの方法としては、PT-RSの配置密度が、基地局からPT-RS専用の制御信号(例えば、DCI又は上位レイヤ信号等)によって通知される方法である(明示的通知/explicit indication)。他の方法としては、PT-RSの配置密度と他のパラメータ(例えば、MCS又は帯域幅等)との対応関係を予め決めておき、移動局が、通信時にDCIで通知される当該他のパラメータとその対応関係とを照合してPT-RSの配置密度を判断する方法である(暗黙的通知/implicit indication)。
なお、これらの方法以外の方法が使用される可能性もあるが、現状では、暗黙的通知の使用が想定されている。
前述のように、PT-RSは、シンボル毎、隣接する2シンボルのうち1シンボル、又は、隣接する4シンボルのうち1シンボル等の時間的配置密度によって配置されることが想定される。例えば、PT-RSの時間的配置密度を指示する情報は、DCIに含まれるMCS indexによって、基地局から移動局に暗黙的に通知される。例えば、基地局及び移動局は、通知されるMCS indexの値が高いほど、PT-RSの時間的配置密度が高いと決定/判断することが想定されている。これは、高度のMCSが使用される場合ほど、一般に、位相雑音の影響が大きく、より高密度に配置されたPT-RSによるCPE/ICI推定が必要であることが分かっているためである。
図4は、MCS index(例えば、「IMCS」と表す)と、PT-RSの時間的配置密度(例えば、「LPT-RS」と表す)との関係の一例を示す。図4において、「ptrs-MCSi」(i=1, 2, 3及び4の何れかの値)は、MCSしきい値(threshold)と呼ばれる値であり、PT-RSの時間的配置密度LPT-RSが切り替わる境界のMCS indexを示す。
図4では、「PT-RS is not present」の場合(IMCSがptrs-MCS1未満の場合)を除いて、PT-RSは、LPT-RS個の隣接シンボルに1つのシンボルという時間的配置密度で配置されることが想定される。図5は、CP-OFDM(Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)波形におけるLPT-RSの値とPT-RSの配置との関係の一例を示す。なお、LPT-RSの値は、1,2及び4に限らず、他の値でもよい。
例えば、図4において、ptrs-MCS4を除いた他のMCSしきい値(ptrs-MCS1、ptrs-MCS2及びptrs-MCS3)は、移動局の性能(capability)に従って、上位レイヤ信号によって基地局から移動局毎に設定される値である。これらのMCSしきい値を移動局毎に柔軟に設定することで、移動局の位相発振器等のハードウェア又は実装の特性に依存して変化する位相雑音の大きさ又は特性に対応することが想定されている。
MCSしきい値は、上位レイヤ信号によって移動局に設定されるMCS index table(例えば、MCS index table 1, 2 or 3)を基準に設定されることが想定される。例えば、移動局に設定されるMCS index tableに含まれるMCS(例えば、変調多値数又は周波数効率)に対して、どのくらいの配置密度のPT-RSが必要かを基地局が判断した結果が、当該移動局に対して設定されるMCSしきい値に反映される。
しかし、上述したように、URLLCデータの変復調の際には、上位レイヤの指示に関係なく、移動局は、MCS index table 3を参照することが想定されている。よって、例えば、移動局に対して、上位レイヤ信号によってMCS index table 1又はMCS index table 2が設定されている場合、URLLCデータの変復調の際、基地局及び移動局は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table 1 or 2を想定して最適化されたMCSしきい値を、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3に適用して、PT-RSの時間的配置密度を判断する。
従って、URLLCのデータの変復調に使用されるMCS(例えば、変調多値数又は周波数効率)に対して、実際に送信されるPT-RSの配置が適切ではないという課題が発生し得る。
上記課題の一例を図6に示す。図6では、移動局に対して上位レイヤ信号によってMCS index table 2及びMCSしきい値ptrs-MCS1=11が設定されている。なお、図6では、一例として、ptrs-MCS1について説明するが、他のMCSしきい値ptrs-MCS2及びptrs-MCS3についても同様である。
例えば、図6において、図4に示す関係を参照した場合に、MCS index table 2においてMCS index < ptrs-MCS1=11に相当する「Qm < 6」又は「SE < 2.7305」に対応するMCSではPT-RSが配置(又は、送信)されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1=11)ではPT-RSが配置(又は、送信)される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことが、MCSしきい値ptrs-MCS1=11を設定する上位レイヤの意図であると思われる。
しかし、図6に示すように、MCS index table 2に基づいて設定されたMCSしきい値ptrs-MCS1=11をMCS index table 3に適用すると、MCS index < ptrs-MCS1=11は、「Qm ≦ 2の一部」又は「SE < 0.7402」に相当する。よって、MCS index table 2に基づいて設定されたMCSしきい値ptrs-MCS1=11をMCS index table 3に適用すると、上位レイヤによる意図に反して、「Qm < 6」又は「SE < 2.7305」に対応するMCSの一部においてもPT-RSが送信されるという解釈になってしまう。この結果、上位レイヤによってPT-RSの送信無しと判断されたMCSの範囲でも、PT-RSが送信されることになり、リソースの無駄となる。
このように、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調時に参照されるMCS index tableとが異なる場合、実際に送信されるPT-RSの配置が、変復調時に使用されるMCSに対して適切ではないことがあり得る。
これに対して、例えば、非特許文献4には、基地局が、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index tableに適したMCSしきい値(例えば、図6ではMCS index table 2に適したMCSしきい値)に加え、データの変復調時に参照されるMCS index tableに適した追加のMCSしきい値(例えば、図6ではMCS index table 3に適したMCSしきい値)を決定し、上位レイヤ信号によって双方のMCSしきい値を移動局に設定する方法が提案されている。しかし、非特許文献4に記載された方法では、上位レイヤ信号のオーバヘッドが増加するという課題が生じる。
そこで、本開示の一実施例では、シグナリングオーバヘッドを増加させることなく、PT-RSを適切に配置する方法について説明する。
[信号波形]
New RATでは、下りリンク(基地局から移動局への方向、DL:downlink)においてCP-OFDM方式の使用が想定されている。一方、上りリンク(移動局から基地局への方向、UL:uplink)においてCP-OFDM方式及びDFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform - Spread OFDM)方式の両方が検討されており、通信環境に合わせて通信方式を切り替えるなどして使用されることが想定されている。
(実施の形態1)
本実施の形態では、下りリンクにおいて、送信機(基地局)が受信機(移動局)に対してPT-RSを送信する場合について説明する。
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、基地局(送信機)100、及び、移動局(受信機)200を備える。
図7は、本実施の形態に係る基地局100の一部の構成例を示すブロック図である。図7に示す基地局100において、制御部101は、参照信号(例えば、PT-RS)の配置の決定(例えば、配置密度の決定)に用いる第1のしきい値(例えば、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値)に基づいて、第2のしきい値(例えば、データの変復調に用いるMCSしきい値)を決定する。送信部105は、第2のしきい値に基づいて配置される参照信号を送信する。
図8は、本実施の形態に係る移動局200の一部の構成例を示すブロック図である。図8に示す移動局200において、制御部208は、参照信号(例えば、PT-RS)の配置の決定(例えば、配置密度の決定)に用いる第1のしきい値(例えば、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値)に基づいて、第2のしきい値(例えば、データの変復調に用いるMCSしきい値)を決定する。受信部202は、第2のしきい値に基づいて配置される参照信号を受信する。
[基地局の構成]
図9は、本実施の形態に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。図9において、基地局100は、制御部101と、誤り訂正符号化部102と、変調部103と、信号割当部104と、送信部105と、アンテナ106と、を有する。
制御部101には、移動局の性能を示す情報(例えば、UE capability)が入力される。制御部101は、例えば、移動局の性能を示す情報に基づいて、移動局200が使用するMCS index table又はMCSしきい値を決定する。制御部101は、決定したMCS index table又はMCSしきい値を示す情報を含む上位レイヤ信号を誤り訂正符号化部102に出力する。
また、制御部101は、下りリンクデータ(例えば、eMBBデータ又はURLLCデータ)の送信時に使用するMCS(例えば、MCS index)又は各信号を割り当てるリソースを決定する。制御部101は、決定したMCSを示すMCS情報を変調部103に出力し、決定したリソースを示すリソース情報を信号割当部104に出力する。また、制御部101は、決定したMCS又はリソースを含むDCIを信号割当部104に出力する。
また、制御部101は、上位レイヤ信号によって移動局200に設定したMCS index tableがURLLCデータの送信時に使用するMCS index table(例えば、MCS index table 3)と異なる場合、URLLCデータの送信時において、上位レイヤ信号によって移動局200に設定したMCSしきい値を、URLLCデータの送信時に使用するMCS index tableに対応する値(例えば、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値と呼ぶ)に読み替える(換言すると、変換又は翻訳する)。そして、制御部101は、読み替えたMCSしきい値に基づいて導出されるPT-RSの配置密度を用いて、PT-RSを割り当てるリソースを決定し、決定した割当リソースを示すリソース情報を信号割当部104に出力する。なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法の詳細については後述する。
なお、制御部101は、URLLCデータ以外のデータ(例えば、eMBBデータ)の送信時には、上位レイヤ信号によって移動局200に設定したMCSしきい値に基づいて導出されるPT-RSの配置密度を用いて、PT-RSを割り当てるリソースを決定し、決定した割当リソースを示すリソース情報を信号割当部104に出力する。
誤り訂正符号化部102は、入力される送信データ信号(換言すると、下りリンクデータ)、又は、制御部101から入力される上位レイヤ信号を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化後の信号を変調部103に出力する。
変調部103は、制御部101から入力されるMCS情報に基づいて、誤り訂正符号化部102から入力される信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部104に出力する。
信号割当部104は、例えば、変調部103から入力される信号(送信データ信号又は上位レイヤ信号)、制御部101から入力されるDCI、又は、参照信号(例えば、DMRS又はPT-RS)を、時間・周波数領域に配置し、配置後の信号を送信部105に出力する。このとき、信号割当部104は、制御部101から入力されるリソース情報に基づいて、各信号をリソースに配置(割り当て)する。
送信部105は、信号割当部104から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換などの無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ106に出力する。
アンテナ106は、送信部105から入力される信号を移動局200に向けて放射する。
[移動局の構成]
図10は、本実施の形態に係る移動局200の構成例を示すブロック図である。図10において、移動局200は、アンテナ201と、受信部202と、信号分離部203と、チャネル推定部204と、CPE/ICI推定部205と、復調部206と、誤り訂正復号部207と、制御部208と、を有する。
アンテナ201は、基地局100(図9を参照)から送信される信号を受信し、受信信号を受信部202に出力する。
受信部202は、アンテナ201から入力される受信信号に対して、周波数変換などの無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を信号分離部203に出力する。
信号分離部203は、受信部202から入力される信号の中のデータ信号、DMRS、又は、PT-RSがマッピングされた時間・周波数領域の位置を特定し、分離する。このとき、信号分離部203は、後述する制御部208から入力されるPT-RS配置密度情報に基づいて、PT-RSを分離する。信号分離部203は、分離した信号のうち、データ信号を復調部206に出力し、DMRSをチャネル推定部204及びCPE/ICI推定部205に出力し、PT-RSをチャネル推定部204及びCPE/ICI推定部205に出力する。
チャネル推定部204は、信号分離部203から入力されるDMRSを用いてチャネルを推定し、チャネル推定値(チャネル情報)を復調部206に出力する。なお、チャネル推定部204は、信号分離部203から入力されるPT-RSを用いてチャネルを推定してもよい。
CPE/ICI推定部205は、信号分離部203から入力されるPT-RS及びDMRSを用いてCPE/ICIを推定し、CPE/ICI推定値を復調部206に出力する。
復調部206は、制御部208から入力されるMCS情報、チャネル推定部204から入力されるチャネル推定値、及び、CPE/ICI推定部205から入力されるCPE/ICI推定値を用いて、信号分離部203から入力されるデータ信号を復調する。復調部206は、復調信号を誤り訂正復号部207に出力する。
誤り訂正復号部207は、復調部206から入力される復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力し、得られた上位レイヤ信号を制御部208に出力する。
制御部208は、誤り訂正復号部207から入力される上位レイヤ信号に含まれる情報に基づいて、移動局200に設定されるMCS index tableの種類、及び、MCSしきい値を判断する。
また、制御部208は、信号分離部203から入力されるDCI又は当該DCIに含まれる情報に基づいて、データのトラフィックタイプ(例えば、eMBB又はURLLC等)、及び、スケジューリングされたMCS(例えば、MCS index)を判断する。制御部208は、判断したトラフィックタイプ及びMCS indexによって特定されるMCSを示すMCS情報を復調部206に出力する。
また、制御部208は、例えば、トラフィックタイプがURLLCであり、かつ、上位レイヤによって設定されたMCS index tableがURLLCデータの受信時に使用するMCS index table(例えば、MCS index table 3)と異なる場合、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値を、URLLCデータの受信時に使用するMCS index tableに対応する値(例えば、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値)に読み替える。そして、制御部208は、読み替えたMCSしきい値と、DCIによって通知されたMCS indexとに基づいて、PT-RSの配置密度を導出し、導出した配置密度を示すPT-RS配置密度情報を信号分離部203に出力する。なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法の詳細については後述する。
なお、制御部208は、トラフィックタイプがURLLC以外のタイプ(例えば、eMBB)である場合、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値と、DCIによって通知されたMCS indexとに基づいて、PT-RSの配置密度を導出し、導出した配置密度を示すPT-RS配置密度情報を信号分離部203に出力する。
[基地局100及び移動局200の動作]
次に、基地局100(図9を参照)及び移動局200(図10を参照)の動作について詳細に説明する。
図11は基地局100及び移動局200の処理の一例を示すシーケンス図である。
例えば、基地局100は、移動局200に対するMCS index table及びMCSしきい値ptrs-MCSi(i=1〜3)を決定する(ST101)。例えば、基地局100は、移動局200に対して、移動局200の性能等の情報に基づいて、MCS index table(例えば、MCS index table 1 or 2等)、及び、MCSしきい値ptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値を設定する。
決定されたMCS index table及びMCSしきい値ptrs-MCSiは、例えば、上位レイヤ信号によって移動局200に送信(設定)される(ST102)。移動局200は、基地局100からの上位レイヤ信号に基づいて、設定されたMCS index table及びMCSしきい値(例えば、ptrs-MCSi(i=1〜3))を特定する(ST103)。
基地局100は、移動局200に対して、例えば、URLLCデータをスケジュールする(ST104)。例えば、基地局100は、MCS-C-RNTI等の特定のRNTI(Radio Network Temporary Indicator又はRadio Network Temporary Identifier)によってスクランブリング(scrambling)されたDCIと、当該DCIが示すURLLCデータと、URLLCデータのCPE/ICI推定に利用するPT-RS(例えば、URLLCデータ用PT-RS)を準備する。
基地局100は、URLLCデータのスケジューリング情報を含むDCIを移動局200に通知する(ST105)。移動局200は、例えば、基地局100から通知されるDCIを受信し、当該DCIがMCS-C-RNTI等の特定のRNTIによってスクランブリングされている等の条件を満たす場合、当該DCIに対応するデータのトラフィックタイプがURLLCであると判断する。この場合、移動局200は、URLLC用データの復調の際、URLLCデータ用のMCS index table(例えば、MCS index table 3)を使用する。
基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって移動局200に対して設定されたMCSしきい値(ptrs-MCSi(i=1〜3))に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値(例えば、「ptrs-MCSi_U」(i=1〜3)と表す)を設定する(ST106及びST107)。例えば、基地局100及び移動局200は、移動局200に対して設定したptrs-MCSi(i=1, 2, 3)の各値を、URLLC用(例えば、MCS index table 3用)の値に読み替える。なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法の詳細については後述する。
基地局100は、下りリンクデータ(例えば、URLLCデータ及びPT-RSを含む)を移動局200へ送信する(ST108)。なお、基地局100は、MCS index table 3に記載のMCSを用いて、URLLCデータを変調する。また、基地局100は、ST106において設定したURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに基づいて、PT-RSの配置密度を決定する。
移動局200は、基地局100から送信された下りリンクデータに対して、PT-RSを用いたCPE/ICI補正を行い、下りリンクデータの復調を行う(ST109)。なお、移動局200は、ST107において設定したURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに基づいて、下りリンクデータにおけるPT-RSの配置密度を特定する。
次に、基地局100及び移動局200におけるURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法(例えば、図11のST106及びST107の処理)の詳細について説明する。
以下では、一例として、上位レイヤ信号によって移動局200に対してMCS index table 2が設定されている。また、上位レイヤ信号によって移動局200に対して、MCS index table 2に適したMCSしきい値(ptrs-MCSi(例えば、i=1〜3))が設定されている。また、基地局100及び移動局200は、例えば、URLLCデータの送受信の際、上位レイヤ信号による設定に依らず、MCS index table 3を使用する。
また、以下では、基地局100が、上位レイヤ信号によってMCS index table 2の使用が設定されている移動局200に対して、例えば、高い周波数帯及び高度な変調多値数を用い、かつ、トラフィックタイプがURLLCであるデータ及びPT-RSを送信する場合について説明する。
この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応するMCSの値(例えば、変調多値数又は周波数効率)に基づいて、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値(ptrs-MCSi_U)に決定する。
例えば、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応するMCSの値(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同様の値を有するMCSに対応するMCS indexを、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3から選択し、選択されたMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
そして、基地局100及び移動局200は、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を、URLLCデータ用PT-RSの配置密度の導出に用いる。
以下、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する設定例1及び設定例2について説明する。
<設定例1>
設定例1では、基地局100及び移動局200は、CP-OFDM信号波形における下りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「周波数効率(SE)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
例えば、基地局100は、MCS index table 2において移動局200に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する周波数効率(SE)と同様(例えば、同一又は近い値)の周波数効率(SE)に対応するMCS index table 3のMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
図12は、設定例1におけるURLLC用のMCSしきい値の設定例を示す。
図12では、図6と同様、上位レイヤ信号によって移動局200に対してMCS index table 2及びMCSしきい値ptrs-MCS1=11が設定されている。
図12の場合、基地局100は、上位レイヤによって設定されたMCS index table 2(例えば、図2)を参照し、MCSしきい値ptrs-MCS1に相当するMCS index (IMCS) = 11に対応する周波数効率(SE)の値=2.7305を確認する。
次に、基地局100は、URLLCデータの変調に使用するMCS index table 3(例えば、図3)を参照し、MCS table 2のMCS index (IMCS) = 11に対応する周波数効率(SE)と同一の周波数効率(SE)=2.7305に対応するMCS index = 22を、URLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uに設定する。基地局100は、ptrs-MCS1_U = 22を記憶する。
基地局100は、ptrs-MCS2、ptrs-MCS3についても同様に、URLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uに読み替え、ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uを記憶する。
なお、ptrs-MCS4は、例えば、各MCS index tableのreserved MCS indexのうち最小のMCS indexに予め設定される。例えば、MCS index table 1(図1)及びMCS index table 3(図3)ではptrs-MCS4=29であり、MCS index table 2(図2)ではptrs-MCS4=28である。
図13は、URLLCデータの送受信時におけるMCS index(IMCS)と、PT-RSの時間的配置密度(LPT-RS)との関係の一例を示す。基地局100は、例えば、図13に基づいて、URLLC用PT-RSの時間的配置密度を導出する。
基地局100は、以上の手順に基づいて準備したPT-RSをリソースに配置し、移動局200に送信する。
一方、移動局200は、基地局100から通知されるDCIに対応するデータのトラフィックタイプがURLLCであると判断すると、基地局100と同様にして、基地局100から上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値(例えば、ptrs-MCSi(i=1, 2及び3))の各値を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値(例えば、ptrs-MCSi_U(i=1, 2及び3))の各値に読み替える。
例えば、移動局200は、MCS index table 3において、移動局200に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する周波数効率(SE)と同様(例えば、同一又は近い値)の周波数効率(SE)に対応するMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する(例えば、図12を参照)。
これにより、移動局200は、URLLCデータの送受信時におけるMCS index(IMCS)と、PT-RSの時間的配置密度(LPT-RS)との関係(例えば、図13を参照)を特定する。移動局200は、基地局100から通知されるDCIに示されるMCS index(IMCS)と、PT-RSの時間的配置密度(LPT-RS)との関係(例えば、図13)に基づいて、URLLC用PT-RSの時間的配置密度を導出する。
そして、移動局200は、導出した時間的配置密度によってリソースに配置されたPT-RSを受信し、受信したPT-RSを用いて、URLLCデータを復調(例えば、CPE/ICI補正)する。
ここで、例えば、図12において、図4に示す関係を参照した場合に、MCS index table 2においてMCS index < ptrs-MCS1=11に相当する「SE < 2.7305」に対応するMCSではPT-RSが配置されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1=11)ではPT-RSが配置される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことが、MCSしきい値ptrs-MCS1=11を設定する上位レイヤの意図である。
また、例えば、図12において、図13に示す関係を参照した場合、MCS table 3においてMCSしきい値ptrs-MCS1_U=22が設定されるので、MCS index table 2と同様、「SE < 2.7305」に対応するMCSではPT-RSが配置されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1_U=22)ではPT-RSが配置される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことになる。
よって、図12に示すように、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値ptrs-MCSiが、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに読み替えられることにより、URLLCデータの送受信時においても、MCSしきい値ptrs-MCS1=11を設定する上位レイヤの意図を反映したPT-RSの送受信が可能となる。
このように、設定例1によれば、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データの変復調に使用されるMCSに適したPT-RSの配置が設定される。
また、移動局200は、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を、上位レイヤ信号によって設定されているMCSしきい値、及び、移動局200が保持している複数のMCS index tableにおける周波数効率に基づいて設定する。よって、設定例1では、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定のための新たな上位レイヤ信号は不要である。
よって、設定例1によれば、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、下りリンクのURLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、設定例1では、例えば、eMBBとURLLCとの間において、同様の周波数効率に対して、同様のURLLCのPT-RS配置密度、及び、同様のCPE/ICI推定精度を実現できる。
<設定例2>
設定例2では、基地局100及び移動局200は、CP-OFDM信号波形における下りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「変調多値数(Qm)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例2において、後述するURLLC用のMCSしきい値の設定方法が設定例1と異なる。一方、設定例2において、基地局100及び移動局200のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については設定例1と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、基地局100及び移動局200は、MCS index table 2において移動局200に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する変調多値数(Qm)と同様の変調多値数に対応するMCS index table 3のMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
ここで、一例として、上位レイヤ信号によってMCS index table 2及びMCSしきい値ptrs-MCS1=11が設定される場合について説明する。
この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table 2(例えば、図2)を参照し、MCSしきい値ptrs-MCS1に相当するMCS index (IMCS) = 11に対応する変調多値数(Qm)の値=6を確認する。
次に、基地局100及び移動局200は、URLLCデータの変調に使用するMCS index table 3(例えば、図3)を参照し、MCS table 2のMCS index (IMCS) = 11に対応する変調多値数(Qm)と同一の変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS1_Uに設定する。基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS1_Uを記憶する。
例えば、図3に示すMCS index table 3において、MCS table 2のMCS index (IMCS) = 11に対応する変調多値数(Qm)と同一の変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexは、IMCS=21〜28の8通りある。基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexのうちの何れかを、URLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uに設定すればよい。
例えば、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexのうち、最小のMCS index=21をURLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS1_Uに設定してもよい。これにより、PT-RSが配置されやすくなり、PT-RSの配置密度が不要に低くならないので、移動局200におけるCPE/ICI推定精度を向上させることができる。
または、基地局100及び移動局200は、例えば、MCS index table 3において変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexのうち、最大のMCS index=28をURLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS1_Uに設定してもよい。これにより、PT-RSが配置されにくくなり、PT-RSの配置密度が不要に高くならないので、PT-RSによるオーバヘッドを低減できる。
または、基地局100及び移動局200は、例えば、MCS index table 3において変調多値数(Qm)=6に対応するMCS indexのうち、他の値(周波数効率又は符号化率)がMCS index table 2のMCS index=11の値と同様のMCS index(例えば、MCS index=22)をURLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uに設定してもよい。なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値には、例えば、符号化率及び周波数効率が規定されていないreserved MCS indexは設定されない。
基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS2、ptrs-MCS3についても同様に、URLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uに読み替え、ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uを記憶する。
ここで、例えば、MCS index table 2においてMCS index < ptrs-MCS1=11に相当する「Qm < 6」に対応するMCSではPT-RSが配置されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1=11)ではPT-RSが配置される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことが、MCSしきい値ptrs-MCS1=11を設定する上位レイヤの意図である。
また、設定例2では、MCS table 3においてQm = 6に対応するMCSしきい値ptrs-MCS1_Uが設定されるので、MCS index table 2と同様、「Qm < 6」に対応するMCSではPT-RSが配置されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1_U)ではPT-RSが配置される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことになる。
よって、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値ptrs-MCSiが、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに読み替えられることにより、URLLCデータの送受信時においても、MCSしきい値ptrs-MCS1=11を設定する上位レイヤの意図を反映したPT-RSの送受信が可能となる。
このように、設定例2によれば、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データの変復調に使用されるMCSに適したPT-RSの配置が設定される。
また、移動局200は、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を、上位レイヤ信号によって設定されているMCSしきい値、及び、移動局200が保持している複数のMCS index tableにおける変調多値数に基づいて設定する。よって、設定例2では、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定のための新たな上位レイヤ信号は不要である。
よって、設定例2によれば、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、URLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、設定例2では、例えば、eMBBとURLLCとの間において、同様の変調多値数に対して、同様のURLLCのPT-RS配置密度、及び、同様のCPE/ICI推定精度を実現できる。
以上、設定例1及び設定例2について説明した。
このように、本実施の形態では、基地局100は、上位レイヤ信号によって移動局200に設定されるMCSしきい値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を決定し、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に基づいて配置されるPT-RSを送信する。また、移動局200は、上位レイヤ信号によって移動局200に設定されるMCSしきい値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を決定し、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に基づいて配置されるPT-RSを受信する。
これにより、本実施の形態によれば、下りリンクにおいて、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、URLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、本実施の形態によれば、URLLCデータの送受信において、上位レイヤ信号によって設定されたMCS(例えば、eMBB用のMCS)と同様のMCSに対して同様のPT-RS配置密度及びCPE/ICI推定精度を実現できる。
なお、設定例1又は設定例2において、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同一の内容のMCSが、URLLCデータの変復調に使用するMCS index tableに存在しない場合がある。この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容に近似する高い値(又は低い値)に対応するMCS indexを、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定してもよい。
例えば、設定例1において、MCS index table 2のptrs-MCSiに対応する周波数効率(SE)と同一の周波数効率がMCS index table 3に存在しない場合、MCS index table 3に含まれるMCS indexに対応する周波数効率(SE)のうち、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するSE以下で最大のSE」に対応するMCS indexのうち最大値(または最小値)、又は、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するSE以上で最小のSE」に対応するMCS indexのうち最小値(または最大値)を、URLLC用のMCSしきい値に設定してもよい。
同様に、設定例2において、MCS index table 2のptrs-MCSiに対応する変調多値数Qmと同一の変調多値数QmがMCS index table 3に存在しない場合、例えば、MCS index table 3に記載されたMCS indexに対応する変調多値数Qmのうち、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するQm以下で最大のQm」に対応するMCS indexのうち最大値(または最小値)、又は、「MCS index table 2においてptrs-MCSiに対応するQm以上で最小のQm」に対応するMCS indexのうち最小値(または最大値)を、URLLC用のMCSしきい値に設定してもよい。
上記の何れにおいても、小さめのMCS indexが選択される場合にはPT-RSの配置密度が不要に低くならず、CPE/ICI推定精度が劣化するのを防ぐことができる。一方、大きめのMCS indexが選択される場合にはPT-RSの配置密度が不要に高くならず、PT-RSのオーバヘッドが不要に増加することを防ぐことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上りリンクにおいて、送信機(移動局)が受信機(基地局)に対してPT-RSを送信する場合について説明する。
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、移動局300(送信機)及び基地局400(受信機)を備える。
図14は、本実施の形態に係る移動局300の一部の構成例を示すブロック図である。図14に示す移動局300において、制御部306は、参照信号(例えば、PT-RS)の配置の決定(例えば、配置密度の決定)に用いる第1のしきい値(例えば、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値)に基づいて、第2のしきい値(例えば、データの変復調に用いるMCSしきい値)を決定する。送信部310は、第2のしきい値に基づいて配置される参照信号を送信する。
図15は、本実施の形態に係る基地局400の一部の構成例を示すブロック図である。図15に示す基地局400において、制御部401は、参照信号(例えば、PT-RS)の配置の決定(例えば、配置密度の決定)に用いる第1のしきい値(例えば、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値)に基づいて、第2のしきい値(例えば、データの変復調に用いるMCSしきい値)を決定する。受信部407は、第2のしきい値に基づいて配置される参照信号を受信する。
[移動局の構成]
図16は、本実施の形態に係る移動局300(送信機)の構成例を示すブロック図である。なお、図16において、移動局300は、アンテナ301と、受信部302と、信号分離部303と、復調部304と、誤り訂正復号部305と、制御部306と、誤り訂正符号化部307と、変調部308と、信号割当部309と、送信部310と、を有する。
アンテナ301は、送信部310から入力される信号を基地局400に向けて放射する。また、アンテナ301は、基地局400から送信される信号を受信し、受信信号を受信部302に出力する。
受信部302は、アンテナ301から入力される受信信号に対して、周波数変換などの無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を信号分離部303に出力する。
信号分離部303は、受信部302から入力される信号の中から、DCIとデータ信号(例えば、上位レイヤ信号を含む)とを分離し、DCIを制御部306に出力し、データ信号を復調部304に出力する。
復調部304は、信号分離部303から入力されるデータ信号を復調し、復調信号を誤り訂正復号部305に出力する。
誤り訂正復号部305は、復調部304から入力される復調信号を復号し、得られた受信データ信号から上位レイヤ信号を抽出して、制御部306に出力する。
制御部306は、誤り訂正復号部305から入力される上位レイヤ信号に含まれる情報に基づいて、移動局300に設定されるMCS index tableの種類、及び、MCSしきい値を判断する。
また、制御部306は、信号分離部303から入力されるDCI又は当該DCIに含まれる情報に基づいて、データのトラフィックタイプ(例えば、eMBB又はURLLC等)、スケジューリングされたMCS(例えば、MCS index)、及び、各信号のリソース割り当てを判断する。制御部306は、判断したMCS indexによって特定されるMCSを示すMCS情報を変調部308に出力し、リソース割り当てを示すリソース情報を信号割当部309に出力する。
また、制御部306は、例えば、トラフィックタイプがURLLCであり、上位レイヤ信号によって移動局300に設定されたMCS index tableがURLLCデータの送信時に使用するMCS index table(例えば、MCS index table 3)と異なる場合、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値を、URLLCデータの送信時に使用するMCS index tableに対応する値(例えば、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値)に読み替える。そして、制御部306は、読み替えたMCSしきい値と、DCIによって通知されたMCS indexとに基づいてPT-RSの配置密度を導出し、導出した配置密度を用いて、PT-RSを割り当てるリソースを決定し、決定した割当リソースを信号割当部309に出力する。なお、なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法の詳細については後述する。
誤り訂正符号化部307は、入力される送信データ信号(換言すると、上りリンクデータ)を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化後の信号を変調部308に出力する。
変調部308は、制御部306から入力されるMCS情報に基づいて、誤り訂正符号化部307から入力される信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部309に出力する。
信号割当部309は、例えば、変調部308から入力される信号(送信データ信号)、又は、参照信号(例えば、DMRS又はPT-RS)を、時間・周波数領域に配置し、配置後の信号を送信部310に出力する。このとき、信号割当部309は、制御部306から入力されるリソース情報に基づいて、各信号をリソースに配置(割り当て)する。
送信部310は、信号割当部309から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換などの無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ301に出力する。
[基地局の構成]
図17は、本実施の形態に係る基地局400(受信機)の構成例を示すブロック図である。図17において、基地局400は、制御部401と、誤り訂正符号化部402と、変調部403と、信号割当部404と、送信部405と、アンテナ406と、受信部407と、信号分離部408と、チャネル推定部409と、CPE/ICI推定部410と、復調部411と、誤り訂正復号部412と、を有する。
制御部401には、移動局の性能を示す情報(例えば、UE capability)が入力される。制御部401は、例えば、移動局の性能を示す情報に基づいて、移動局300が使用するMCS index table又はMCSしきい値を決定する。制御部401は、決定したMCS index table又はMCSしきい値を示す情報を含む上位レイヤ信号を誤り訂正符号化部402に出力する。
また、制御部401は、上りリンクデータ(例えば、eMBBデータ又はURLLCデータ)の受信時に使用するMCS(例えば、MCS index)又は各信号を割り当てるリソースを決定する。制御部401は、決定したMCSを示すMCS情報を復調部411に出力し、決定したMCS及びリソースを含むDCIを信号割当部404に出力する。
また、制御部401は、上位レイヤ信号によって移動局300に設定したMCS index tableがURLLCデータの受信時に使用するMCS index table(例えば、MCS index table 3)と異なる場合、URLLCデータの受信時において、上位レイヤ信号によって移動局300に設定したMCSしきい値を、URLLCデータの受信時に使用するMCS index tableに対応する値(例えば、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値)に読み替える。そして、制御部401は、読み替えたMCSしきい値と、DCIによって移動局300へ通知されるMCS indexの値とに基づいて、PT-RSの配置密度を導出し、導出した配置密度を示すPT-RS配置密度情報を信号分離部408に出力する。なお、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法の詳細については後述する。
誤り訂正符号化部402は、制御部401から入力される上位レイヤ信号を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化後の信号を変調部403に出力する。
変調部403は、誤り訂正符号化部402から入力される信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部404に出力する。
信号割当部404は、変調部403から入力される信号、及び、制御部401から入力されるDCIを、時間・周波数領域にマッピングし、マッピング後の信号を送信部405に出力する。
送信部405は、信号割当部404から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換などの無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ406に出力する。
アンテナ406は、移動局300(図16を参照)から送信される信号を受信し、受信信号を受信部407に出力する。また、アンテナ406は、送信部405から入力される信号を移動局300に向けて放射(送信)する。
受信部407は、アンテナ406から入力される受信信号に対して、周波数変換などの無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を信号分離部408に出力する。
信号分離部408は、受信部407から入力される信号の中のデータ信号、DMRS、又は、PT-RSがマッピングされた時間・周波数領域の位置を特定し、分離する。このとき、信号分離部408は、制御部401から入力されるPT-RS配置密度情報に基づいて、PT-RSを分離する。信号分離部408は、分離した信号のうち、データ信号を復調部411に出力し、DMRSをチャネル推定部409及びCPE/ICI推定部410に出力し、PT-RSをチャネル推定部409及びCPE/ICI推定部410に出力する。
チャネル推定部409は、信号分離部408から入力されるDMRSを用いてチャネルを推定し、チャネル推定値を復調部411に出力する。このとき、チャネル推定部409は、PT-RSを用いてチャネルを推定してもよい。
CPE/ICI推定部410は、信号分離部408から入力されるPT-RS及びDMRSを用いてCPE/ICIを推定し、CPE/ICI推定値を復調部411に出力する。
復調部411は、制御部401から入力されるMCS情報、チャネル推定部409から入力されるチャネル推定値、及び、CPE/ICI推定部410から入力されるCPE/ICI推定値を用いて、信号分離部408から入力されるデータ信号を復調する。復調部411は、復調信号を誤り訂正復号部412に出力する。
誤り訂正復号部412は、復調部411から入力される復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力する。
[移動局300及び基地局400の動作]
次に、移動局300(図16を参照)及び基地局400(図17を参照)の動作について詳細に説明する。
図18は移動局300及び基地局400の処理の一例を示すシーケンス図である。なお、図18において、実施の形態1(図11)と同様の処理には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図18において、移動局300は、上りリンクデータ(例えば、URLLCデータ及びPT-RSを含む)を基地局400へ送信する(ST201)。なお、移動局300は、MCS index table 3に記載のMCSを用いて、URLLCデータを変調する。また、移動局300は、ST107において設定したURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに基づいて、PT-RSの配置密度を決定する。
基地局400は、移動局300から送信された上りリンクデータに対して、PT-RSを用いたCPE/ICI補正を行い、上りリンクデータの復調を行う(ST202)。なお、基地局400は、ST106において設定したURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに基づいて、上りリンクデータにおけるPT-RSの配置密度を特定する。
次に、移動局300及び基地局400におけるURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値の設定方法(例えば、図18のST106及びST107の処理)の詳細について説明する。
以下では、一例として、上位レイヤ信号によって移動局300に対してMCS index table 2が設定されている。また、上位レイヤ信号によって移動局300に対して、MCS index table 2に適したMCSしきい値(ptrs-MCSi(例えば、i=1〜3))が設定されている。また、移動局300及び基地局400は、例えば、URLLCデータの送受信の際、上位レイヤ信号による設定に依らず、MCS index table 3を使用する。
また、以下では、上位レイヤ信号によってMCS index table 2の使用が設定されている移動局300が、基地局400に対して、例えば、高い周波数帯及び高度な変調多値数を用い、かつ、トラフィックタイプがURLLCであるデータ及びPT-RSを送信する場合について説明する。
この場合、移動局300及び基地局400は、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応するMCS(例えば、変調多値数又は周波数効率)に基づいて、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値(ptrs-MCSi_U)に設定する。
例えば、基地局400及び移動局300は、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応するMCSの値(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同様の値を有するMCSに対応するMCS indexを、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3から選択し、選択されたMCS indexを、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
そして、移動局300及び基地局400は、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を、URLLCデータ用PT-RSの配置密度の導出に用いる。
以下、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する設定例3及び設定例4について説明する。
<設定例3>
設定例3では、移動局300及び基地局400は、CP-OFDM信号波形における上りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「周波数効率(SE)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例3において、上位レイヤ信号によって設定されたptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する動作は、設定例1と同様である。
例えば、移動局300は、MCS index table 2において移動局300に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する周波数効率(SE)と同様(例えば、同一又は近い値)の周波数効率(SE)に対応するMCS index table 3のMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
これにより、移動局300は、URLLCデータの送受信時におけるMCS index(IMCS)と、PT-RSの時間的配置密度(LPT-RS)との関係(例えば、図13を参照)を特定する。移動局300は、特定したURLLCデータの送受信時におけるMCS index(IMCS)と、PT-RSの時間的配置密度(LPT-RS)との関係に基づいて、URLLC用PT-RSの時間的配置密度を導出する。
移動局300は、以上の手順に基づいて準備したPT-RSをリソースに配置し、基地局400に対して送信する。
一方、基地局400は、移動局300から送信されるURLLC用データを復調する際、MCS index table 3を使用すると判断する。そして、基地局400は、URLLCデータ用PT-RSの配置密度を決定する際、移動局300と同様にして、移動局300に対して上位レイヤ信号によって設定されたptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値(例えば、ptrs-MCSi_U(i=1, 2及び3))の各値に読み替える。
そして、基地局400は、導出した時間的配置密度によってリソースに配置されたPT-RSを受信し、受信したPT-RSを用いて、URLLCデータを復調(例えば、CPE/ICI補正)する。
このように、設定例3によれば、設定例1(下りリンクの場合)と同様、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、上りリンクのURLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、設定例3では、例えば、eMBBとURLLCとの間において、同様の周波数効率に対して、同様のURLLCのPT-RS配置密度、及び、同様のCPE/ICI推定精度を実現できる。
<設定例4>
設定例4では、移動局300及び基地局400は、CP-OFDM信号波形における上りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「変調多値数」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexをURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例4において、後述するURLLC用のMCSしきい値の設定方法が設定例3と異なる。一方、設定例4において、移動局300及び基地局400のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については設定例3と同様であるのでその説明を省略する。
また、設定例4において、上位レイヤ信号によって設定されたptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する動作は、設定例2と同様である。
例えば、移動局300及び基地局400は、MCS index table 2において移動局300に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する変調多値数(Qm)と同様の変調多値数に対応するMCS index table 3のMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
このように、設定例4によれば、設定例2と同様、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、URLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、設定例4では、例えば、eMBBとURLLCとの間において、同様の変調多値数に対して、同様のURLLCのPT-RS配置密度、及び、同様のCPE/ICI推定精度を実現できる。
以上、設定例3及び設定例4について説明した。
このように、本実施の形態では、移動局300は、上位レイヤ信号によって移動局300に設定されるMCSしきい値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を決定し、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に基づいて配置されるPT-RSを送信する。また、基地局400は、上位レイヤ信号によって移動局300に設定されるMCSしきい値に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を決定し、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に基づいて配置されるPT-RSを受信する。
これにより、本実施の形態によれば、上りリンクにおいて、上位レイヤ信号のオーバヘッドを増加させることなく、URLLC用PT-RSを適切に配置できる。また、本実施の形態によれば、URLLCデータの送受信において、上位レイヤ信号によって設定されたMCS(例えば、eMBB用のMCS)と同様のMCSに対して同様のPT-RS配置密度及びCPE/ICI推定精度を実現できる。
なお、設定例3又は設定例4において、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同一の内容のMCSが、URLLCデータの変復調に使用するMCS index tableに存在しない場合がある。この場合、移動局300及び基地局400は、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容に近似する高い値(又は低い値)に対応するMCS indexを、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定してもよい。
例えば、設定例3において、MCS index table 2のptrs-MCSiに対応する周波数効率(SE)と同一の周波数効率がMCS index table 3に存在しない場合、MCS index table 3に含まれるMCS indexに対応する周波数効率(SE)のうち、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するSE以下で最大のSE」に対応するMCS indexのうち最大値(または最小値)、又は、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するSE以上で最小のSE」に対応するMCS indexのうち最小値(または最大値)を、URLLC用のMCSしきい値に設定してもよい。
同様に、設定例4において、MCS index table 2のptrs-MCSiに対応する変調多値数Qmと同一の変調多値数QmがMCS index table 3に存在しない場合、例えば、MCS index table 3に記載されたMCS indexに対応する変調多値数Qmのうち、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するQm以下で最大のQm」に対応するMCS indexのうち最大値(または最小値)、又は、「MCS index table 2のptrs-MCSiに対応するQm以上で最小のQm」に対応するMCS indexのうち最小値(または最大値)を、URLLC用のMCSしきい値に設定してもよい。
上記の何れにおいても、小さめのMCS indexが選択される場合にはPT-RSの配置密度が不要に低くならず、CPE/ICI推定精度が劣化するのを防ぐことができる。一方、大きめのMCS indexが選択される場合にはPT-RSの配置密度が不要に高くならず、PT-RSのオーバヘッドが不要に増加することを防ぐことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexのMCS(例えば、変調多値数又は周波数効率)と、同様のMCSを有するMCS(又はMCS index)を、URLLCデータの変復調に使用するMCS index table 3から選択し、更に、選択されたMCS indexに対してオフセットを与えたMCS indexを、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_Uに設定する。
まず、下りリンクにおけるURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する設定例5及び設定例6について説明する。
なお、設定例5及び設定例6に係る基地局及び移動局は、実施の形態1に係る基地局100及び移動局200と基本構成が共通するので、図9及び図10を援用して説明する。
また、以下では、一例として、上位レイヤ信号によって移動局200に対してMCS index table 2が設定されている。また、上位レイヤ信号によって移動局200に対してMCS index table 2に適したMCSしきい値(ptrs-MCSi(例えば、i=1〜3))が設定されている。また、基地局100及び移動局200は、例えば、URLLCデータの送受信の際、上位レイヤ信号による設定に依らず、MCS index table 3を使用する。
また、以下では、基地局100が、上位レイヤ信号によってMCS index table 2の使用が設定されている移動局200に対して、例えば、高い周波数帯及び高度な変調多値数を用い、かつ、トラフィックタイプがURLLCであるデータ及びPT-RSを送信する場合について説明する。
<設定例5>
設定例5では、基地局100及び移動局200は、CP-OFDM信号波形における下りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「周波数効率(SE)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexを選択し、更に、選択したMCS indexに対してオフセットを与えた値(例えば、選択したMCS indexより小さい値)を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例5において、URLLC用のMCSしきい値の設定方法が実施の形態1の設定例1と異なる。一方、基地局100及び移動局200のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については実施の形態1の設定例1と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、基地局100及び移動局200は、MCS index table 2において移動局200に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する周波数効率(SE)と同様の周波数効率に対応するMCS index table 3のMCS indexを選択する。そして、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において、選択したMCS indexよりも所定値小さいMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
ここで、一例として、上位レイヤ信号によってMCS index table 2及びMCSしきい値ptrs-MCS1=11が設定される場合について説明する。
この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table 2(例えば、図2)を参照し、MCSしきい値ptrs-MCS1に相当するMCS index (IMCS) = 11に対応する周波数効率(SE)の値=2.7305を確認する。
次に、基地局100及び移動局200は、URLLCデータの変調に使用するMCS index table 3(例えば、図3)を参照し、MCS table 2のMCS index (IMCS) = 11に対応する周波数効率と同一の周波数効率(SE)=2.7305に対応するMCS index (IMCS) = 22を確認する。
そして、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において、MCS index (IMCS) = 22よりも所定値(例えば、7)だけ小さい値であるMCS index (IMCS) = 15を、URLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uに設定する。基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS1_Uを記憶する。なお、所定値(換言するとオフセット値)は7に限らず、他の値でもよい。
基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS2、ptrs-MCS3についても同様に、URLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uに読み替え、ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uを記憶する。
ここで、例えば、図3に示すMCS index table 3において、MCS index (IMCS) = 15に対応する周波数利用効率(SE)は「1.3281」である。よって、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値ptrs-MCS1_U=15の場合、図13に示す関係を参照した場合、「SE < 1.3281」に対応するMCSではPT-RSが配置されず(「PT-RS is not present」に対応)、他のMCS(例えば、MCS index ≧ ptrs-MCS1_U=15)ではPT-RSが配置される(例えば、LPT-RS = 1、2又は4の何れかに対応)ことになる。
よって、URLLCデータの送受信時には、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値を用いる場合(例えば、eMBBデータの送受信時)と比較して、同様のMCSが設定される場合のPT-RSの配置密度が高くなる。
よって、URLLCデータの送受信時には、eMBBデータの送受信時よりも信頼性の高い送受信が可能となる。
このように、設定例5によれば、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データの変復調に使用されるMCSに適したPT-RSの配置が設定される。
また、設定例5によれば、同様のMCSが通知される場合でも、eMBBよりもURLLCの方がPT-RS配置密度を高く設定されるので、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
<設定例6>
設定例6では、基地局100及び移動局200は、CP-OFDM信号波形における下りリンクにおいて、MCS index table 2における、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCSに対応する「変調多値数」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexを選択し、更に、選択したMCS indexに対してオフセットを与えた値(例えば、選択したMCS indexより小さい値)を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例6において、URLLC用のMCSしきい値の設定方法が実施の形態1の設定例2と異なる。一方、基地局100及び移動局200のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については実施の形態1の設定例2と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、基地局100及び移動局200は、MCS index table 2において移動局200に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する変調多値数(Qm)と同様の変調多値数に対応するMCS index table 3のMCS indexを選択する。そして、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において、選択したMCS indexよりも所定値小さいMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
ここで、一例として、上位レイヤ信号によってMCS index table 2及びMCSしきい値ptrs-MCS1=11が設定される場合について説明する。
この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table 2(例えば、図2)を参照し、MCSしきい値ptrs-MCS1に相当するMCS index (IMCS) = 11に対応する変調多値数(Qm)の値=6を確認する。
次に、基地局100及び移動局200は、URLLCデータの変調に使用するMCS index table 3(例えば、図3)を参照し、MCS table 2のMCS index (IMCS) = 11に対応する変調多値数と同一の変調多値数(Qm)=6に対応するMCS index(IMCS)を確認する。ここで、MCS index table 3において、同一の変調多値数(例えば、Qm=6)に対応する複数のMCS index(IMCS)のうち何れか1つが選択されればよい。例えば、同一の変調多値数(例えば、Qm=6)に対応するMCS index(IMCS)のうち、最小のMCS index=21が選択されてもよく、最大のMCS index=28が選択されてもよく、上記以外のMCS indexが選択されてもよい。
そして、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において、選択されたMCS index (例えば、IMCS=21)よりも所定値(例えば、6)だけ小さい値であるMCS index (IMCS) = 15を、URLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uに設定する。基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS1_Uを記憶する。なお、所定値(換言するとオフセット値)は6に限らず、他の値でもよい。
基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS2、ptrs-MCS3についても同様に、URLLC用のMCSしきい値ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uに読み替え、ptrs-MCS2_U及びptrs-MCS3_Uを記憶する。
このように、設定例6によれば、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データの変復調に使用されるMCSに対したPT-RSの配置が設定される。
また、設定例6によれば、同様のMCSが通知される場合でも、eMBBよりもURLLCの方がPT-RS配置密度を高く設定されるので、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
以上、設定例5及び設定例6について説明した。
次に、上りリンクにおけるURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定する設定例7及び設定例8について説明する。
なお、設定例7及び設定例8に係る移動局及び基地局は、実施の形態1に係る移動局300及び基地局400と基本構成が共通するので、図16及び図17を援用して説明する。
<設定例7>
設定例7では、移動局300及び基地局400は、CP-OFDM信号波形における上りリンクにおいて、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「周波数効率(SE)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexを選択し、更に、選択したMCS indexに対してオフセットを与えた値(例えば、選択したMCS indexより小さい値)を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例7において、URLLC用のMCSしきい値の設定方法が実施の形態2の設定例3と異なる。一方、移動局300及び基地局400のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については実施の形態2の設定例3と同様であるのでその説明を省略する。
また、設定例7において、上位レイヤ信号によって設定されたptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値に基づいて、URLLC用(例えば、MCS index table 3用)のMCS index tableにおけるMCS indexを選択する動作は、設定例5と同様である。
例えば、移動局300及び基地局400は、MCS index table 2において移動局300に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する周波数効率(SE)と同様の周波数効率に対応するMCS index table 3のMCS indexを選択する。そして、移動局300及び基地局400は、MCS index table 3において、選択したMCS indexよりも所定値小さいMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
このように、設定例7によれば、設定例5(下りリンクの場合)と同様、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データの変復調に使用されるMCSに適したPT-RSの配置が設定される。
また、設定例7によれば、同様のMCSが通知される場合でも、eMBBよりもURLLCの方がPT-RS配置密度を高く設定されるので、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
<設定例8>
設定例8では、移動局300及び基地局400は、CP-OFDM信号波形における上りリンクにおいて、上位レイヤ信号によって設定されたMCSしきい値に相当するMCS indexに対応する「変調多値数(Qm)」に基づいて、MCS index table 3におけるMCS indexを選択し、更に、選択したMCS indexに対してオフセットを与えた値(例えば、選択したMCS indexより小さい値)を、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値に設定する。
なお、設定例8において、URLLC用のMCSしきい値の設定方法が実施の形態2の設定例4と異なる。一方、移動局300及び基地局400のURLLC用のMCSしきい値の設定方法以外の他の動作については実施の形態2の設定例4と同様であるのでその説明を省略する。
また、設定例8において、上位レイヤ信号によって設定されたptrs-MCSi(i=1, 2及び3)の各値に基づいて、URLLC用(例えば、MCS index table 3用)の値を選択する動作は、設定例6と同様である。
例えば、移動局300及び基地局400は、MCS index table 2において移動局300に対して設定されたptrs-MCSiに相当するMCS indexに対応する変調多値数(Qm)と同様の変調多値数に対応するMCS index table 3のMCS indexを選択する。そして、移動局300及び基地局400は、MCS index table 3において、選択したMCS indexよりも所定値小さいMCS indexを、URLLC用のMCSしきい値に設定する。
このように、設定例8によれば、設定例5(下りリンクの場合)と同様、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableと、データの変復調用に参照されるMCS index tableとが異なる場合でも、データ変復調に使用されるMCSに適したPT-RSの配置が設定される。
また、設定例8によれば、同様のMCSが通知される場合でも、eMBBよりもURLLCの方がPT-RS配置密度を高く設定されるので、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
以上、設定例7及び設定例8について説明した。
以上、設定例について説明した。
このように、本実施の形態では、URLLC用のMCSしきい値(MCS index)は、データの変復調に使用されるMCS index tableにおいて、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値に相当するMCS indexに対応するMCSの内容と同様の内容に対応するMCS indexに対してオフセットを与えたMCS indexである。
これにより、本実施の形態によれば、例えば、URLLCデータの送受信において、上位レイヤ信号によって設定されたMCS(例えば、eMBB用のMCS)と同様のMCSに対してより信頼性を向上させたPT-RS配置密度を設定でき、CPE/ICI推定精度を向上させることができる。
なお、設定例5〜設定例8において、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同一の内容のMCSが、URLLCデータの変復調に使用するMCS index tableに存在しない場合がある。この場合、基地局(基地局100又は基地局400)及び移動局(移動局200又は移動局300)は、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableにおけるMCSしきい値に対応するMCSの内容に近似する高い値(又は低い値)に対応するMCS indexを選択してもよい。
また、本実施の形態では、データ変復調に使用されるMCS index tableにおいて、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index tableのMCSしきい値に対応するMCS(例えば、周波数効率又は変調多値数)と同様のMCS indexに対して更に所定値だけ小さい値をURLLC用のMCSしきい値に設定する場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、データ変復調に使用されるMCS index tableにおいて、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index tableのMCSしきい値に対応するMCSと同様のMCS indexに対して更に所定値だけ大きい値を、URLLC用のMCSしきい値に設定してもよい。これにより、例えば、URLLCデータの送信において、PT-RSの配置密度が不要に高くはならず、PT-RSのオーバヘッドが不要に増加することを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、「所定値」(換言すると、読み替えられたMCS indexと新たに記憶されたMCS indexとの差分(オフセット))は、固定(preconfigured)の値でもよく、上位レイヤ信号又はDCIによって設定または通知される値でもよい。また、所定値(差分)の大きさは、MCS index tableの種類によって異なってもよく、又は、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableの種類とデータの変復調に使用するMCS index tableの種類との組み合わせによって異なってもよい。
一例として、設定例5において、上位レイヤ信号によってMCS index table 1が設定されている場合、URLLC用のMCSしきい値は、以下のように設定されてもよい。
以下の例では、上位レイヤ信号によって移動局200に対してMCS index table 1及びMCSしきい値ptrs-MCS1=17が設定される場合について説明する。また、上記設定例では、MCS index table 2とMCS index table 3との間において上記所定値を7としたのに対して、以下の説明では、MCS index table 1とMCS index table 3との間における上記所定値を6とする。なお、所定値は6に限らず、他の値でもよい。また、ここでは、ptrs-MCS1について説明するが、他のMCSしきい値ptrs-MCS2及びptrs-MCS3についても同様である。
この場合、基地局100及び移動局200は、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table 1(例えば、図1)を参照し、MCSしきい値ptrs-MCS1に相当するMCS index (IMCS) = 17における周波数効率(SE)の値=2.5664を確認する。
次に、基地局100及び移動局200は、URLLCデータの変調に利用するMCS index table 3(例えば、図3)を参照し、MCS table 1のMCS index (IMCS) = 17における周波数効率と同一の周波数効率(SE)=2.5664であるMCS index (IMCS) = 21を確認する。
そして、基地局100及び移動局200は、MCS index table 3において、MCS index (IMCS) = 21よりも所定値(例えば、6)だけ小さい値であるMCS index (IMCS) = 15を、URLLC用のMCS しきい値ptrs-MCS1_Uとする。基地局100及び移動局200は、ptrs-MCS1_Uを記憶する。
これにより、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index table及びデータの変復調に使用されるMCS index tableの種類に応じて、より適切なMCSしきい値を使用できる。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
(他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、データの変復調に使用されるMCS index tableにおいて、上位レイヤ信号によって設定されたMCS index tableにおけるptrs-MCSiに対応するMCSの内容(例えば、変調多値数又は周波数効率)と同様のMCSに基づいて、ptrs-MCSi_Uを設定する場合について説明した。しかし、本開示では、これに限定されず、例えば、MCSの内容に依らずに、データの変復調に使用されるMCS index tableにおいて、ptrs-MCSiに対してオフセットを与えたMCS indexを、URLLCデータ用のptrs-MCSi_Uに決定してもよい。つまり、MCSしきい値ptrs-MCSi_Uは、MCSしきい値ptrs-MCSiにオフセットを適用して決定されてもよい。オフセットの値は、予め設定されてもよく、上位レイヤ信号又はDCIによって通知されてもよい。また、オフセットの値は、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableの種類とデータの変復調に使用するMCS index tableの種類との組み合わせによって異なってもよい。
(2)上記実施の形態では、一例として、データのトラフィックタイプがURLLCである場合に、MCSしきい値を読み替える場合について説明した。これに対して、例えば、データのトラフィックタイプがURLLCではなく、eMBB又はmMTCの場合、MCSしきい値を読み替えずに、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値を用いて、PT-RS配置密度を導出してもよい。
または、上位レイヤ信号によって設定されるMCS index tableに対応するトラフィックタイプはeMBBに限らず、また、固定のMCS index tableを参照(使用)することが想定されるトラフィックタイプはURLLCに限らない。例えば、データのトラフィックタイプがeMBB又はmMTC、あるいは他のトラフィックタイプである場合に、または、他の何らかの条件において、MCSしきい値を読み替えてもよい。
例えば、eMBBとURLLCとの間において、上記実施の形態のように、MCS index table 1 or 2(例えば、eMBB)からMCS index table 3(例えば、URLLC)へMCSしきい値を読み替えてもよく、MCS index table 3からMCS index table 1 or 2へMCSしきい値を読み替えてもよい。または、eMBBとeMBBとの間において、MCS index table 1からMCS index table 2へMCSしきい値を読み替えてもよく、MCS index table 2からMCS index table 1へMCSしきい値を読み替えてもよい。または、eMBBとmMTCとの間において、MCSしきい値を読み替えてもよい。また、eMBB、URLLC又はmMTCなどのトラフィックタイプ以外の他のタイプに対してMCSしきい値が読み替えられてもよい。
(3)上記実施の形態では、上位レイヤによって設定されるMCS index tableがMCS index table 2であり、送信側が実際に参照するMCS index table(URLLCデータ用のMCS index table)がMCS index table 3である場合について説明した。しかし、上位レイヤによって設定されるMCS index tableと、送信側が実際に参照するMCS index tableとの組み合わせは、MCS index table 2とMCS index table 3との組み合わせに限定されず、他の組み合わせでもよい。
また、MCS index tableは、図1、図2及び図3に示すMCS index tableに限定されない。
(4)上記実施の形態では、データのトラフィックタイプがURLLCであることを判断する基準として、「DCIがMCS-C-RNTIでスクランブリングされている」ことを条件としたが、別の基準が適用されてもよい。また、「MCS-C-RNTI」という名称ではなく、例えば、「new-RNTI」等と呼ばれてもよい。
(5)上記実施の形態において、データのトラフィックタイプが特定のタイプである場合、新たに選択したMCSしきい値ptrs-MCSi_U (i=1, 2, 3)に基づいて導出されるPT-RS配置密度と異なる密度(例えば、更に高い密度又は低い密度)でPT-RSが配置されてもよい。換言すると、基地局及び移動局は、データのトラフィックタイプが所定のタイプである場合、ptrs-MCSi_Uに基づいて決定されるPT-RSの配置よりも高い配置密度の参照信号の配置を設定してもよい。
例えば、ptrs-MCSi_U (i=1, 2, 3)の値、DCIによって通知されたMCS index及び図13から導出されるPT-RSの時間的密度(LPT-RS)が2であるとする。例えば、送受信するデータのトラフィックタイプがURLLCの場合、LPT-RS=2よりも高いPT-RS配置密度であることを示すLPT-RS=1に従ってPT-RSが配置されてもよい。これにより、同様のMCSでも、eMBBよりもURLLCの方が高いPT-RS配置密度が設定され、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
また同様の動作として、例えば、送受信するデータのトラフィックタイプがURLLCの場合、図19に示すように、図13とは異なるptrs-MCSi_UとLPT-RSとの関係(例えば、異なるLPT-RS又は異なる個数のMCSしきい値)に基づいて、LPT-RSが導出されてもよい。図19では、例えば、図13と比較して、LPT-RSは、比較的高いPT-RS配置密度を表す値に(すなわち、比較的低い値に)設定されている。これにより、同様のMCSであっても、eMBBよりもURLLCの方が高いPT-RS配置密度が設定され、URLLCにおけるデータ伝送の信頼性を比較的高くすることができる。
また、同様の動作として、例えば、送受信するデータのトラフィックタイプがそれほどデータ伝送の信頼性を重視しないタイプである場合、上記とは反対に、LPT-RSが、比較的低いPT-RS配置密度を表す値に(すなわち、例えば、比較的高い値、又は「PT-RS is not present」に)設定されてもよい。これにより、PT-RSの配置密度が不要に高くはならず、PT-RSのオーバヘッドが不要に増加することを防ぐことができる。
(6)上記実施の形態では、DCIによって「reserved MCS index」以外のMCS indexが通知されることを前提としている。しかしながら、「reserved MCS index」が通知される場合にも、基地局及び移動局は、当該MCS indexを、reserved MCS index以外のMCS indexに置き換えた上で、上述した各設定例と同様の方法によって、MCS indexを読み替えてもよい。
「reserved MCS index」は、例えば、データ再送において通知されることが想定されている。この場合、基地局及び移動局は、「reserved MCS index」に対応する再送データに対応するデータの初送(initial transmission)に使用されたMCS index(reserved MCS index以外のMCS index)を参照して、参照したMCS indexを用いて、上述した各設定例と同様にしてURLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を読み替えてもよい。
(7)特定のトラフィックタイプのデータのCPE/ICI推定に使用されるPT-RSのMCSしきい値ptrs-MCSi_U (i=1, 2, 3)は、上位レイヤ信号によって設定されず、また、上記実施の形態のような方法でも導出又は決定されずに、例えば、仕様において予め決められた値(pre-configured)でもよい。
(8)上記実施の形態では、異なるMCS index tableにおけるMCSしきい値の読み替え(変換)について説明した。しかし、本開示では、同一MCS index tableにおいて、MCSしきい値の読み替えを行ってもよい。例えば、同一のMCS index tableにおいて、異なるトラフィックタイプ毎に異なるMCSしきい値を適用してもよい。例えば、基地局及び移動局は、同一のMCS index table において、上位レイヤ信号によって設定されるMCSしきい値(例えば、eMBB用)に基づいて、URLLCデータ用PT-RSのMCSしきい値を設定してもよい。
(9)上記実施の形態の各設定例における方法は、PT-RSの時間的配置密度の導出又は決定に限らず、PT-RSの周波数的配置密度の導出又は決定に適用されてもよい。
(10)上記実施の形態の各設定例において、移動局の性能等の情報は、例えば、移動局から基地局に対して、上位レイヤ信号又は上り制御信号(UCI:Uplink Control Information)等によって予め報告されてもよい。
(11)上記実施の形態において用いた「CPE/ICI補正」とは、「CPEを補正」すること、「ICIを補正」すること、又は、「CPE及びICIの双方を補正」することを意味する。
また、上記実施の形態において用いた「トラフィックタイプ」という用語は、例えば、「サービスタイプ(service type)」、「対象シナリオ(scenario)」又は「対象ユースケース(use-case)」等の用語に置き換えられてもよい。
また、上記実施の形態において用いた「上位レイヤ信号」という用語は、例えば、「RRC(Radio Resource Control)信号」又は「RRC signaling」等の用語に置き換えられてもよい。
また、上記実施の形態において用いた「MCS index table」という用語は、例えば、「MCS table」、「MCSインデックステーブル」又は「MCSテーブル」等の用語に置き換えられてもよい。
(12)上記実施の形態では、CP-OFDMの信号波形を用いる場合について説明したが、例えば、DFT-S-OFDM等の他の信号波形が用いられてもよい。また、PT-RSの時間的配置密度はシンボルの数ではなく、例えば、DFT-S-OFDM信号波形の各シンボル内におけるPT-RSグループの数、PT-RSのグループに含まれるPT-RSサンプルの数、又は、上記グループ数及びサンプル数の組み合わせ等を表す値でもよい。
(13)制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel))とデータのチャネル(PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel))とが周波数多重される場合には、そのシンボルにPT-RSがマッピングされてもよい。
(14)本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
本開示の一実施例における送信機は、参照信号の配置の決定に用いる第1のしきい値に基づいて、第2のしきい値を決定する制御回路と、前記第2のしきい値に基づいて配置される前記参照信号を送信する送信回路と、を具備する。
本開示の一実施例における送信機において、前記第1のしきい値及び前記第2のしきい値は、変調方式及び符号化率の組み合わせの複数の候補を含むテーブルに付されたインデックスであり、前記候補には、少なくとも、周波数効率が含まれ、前記制御回路は、第1のテーブルにおける前記第1のしきい値に対応する第1の周波数効率に基づいて、第2のテーブルにおけるインデックスを前記第2のしきい値に決定する。
本開示の一実施例における送信機において、前記第2のしきい値は、前記第2のテーブルにおいて、前記第1の周波数効率以下の最大の周波数効率に対応するインデックスである。
本開示の一実施例における送信機において、前記第2のしきい値は、前記第2のテーブルにおいて、前記第1の周波数効率以上の最小の周波数効率に対応するインデックスである。
本開示の一実施例における送信機において、前記第1のしきい値及び前記第2のしきい値は、変調方式及び符号化率の組み合わせの複数の候補を含むテーブルに付されたインデックスであり、前記候補には、少なくとも、変調多値数が含まれ、前記制御回路は、第1のテーブルにおける前記第1のしきい値に対応する第1の変調多値数に基づいて、第2のテーブルにおけるインデックスを前記第2のしきい値に決定する。
本開示の一実施例における送信機において、前記第2のしきい値は、前記第2のテーブルにおいて、前記第1の変調多値数以下の最大の変調多値数に対応するインデックスである。
本開示の一実施例における送信機において、前記第2のしきい値は、前記第2のテーブルにおいて、前記第1の変調多値数以上の最小の変調多値数に対応するインデックスである。
本開示の一実施例における送信機において、前記第2のしきい値は、前記第1のしきい値にオフセットを適用して決定される。
本開示の一実施例における送信機において、前記第1のしきい値及び前記第2のしきい値は、変調方式及び符号化率の組み合わせの複数の候補を含むテーブルに付されたインデックスであり、前記オフセットの値は、固定値、上位レイヤ信号又は制御信号によって通知される値、前記テーブルの種類に応じて設定される値、及び、前記第1のテーブル及び前記第2のテーブルの組み合わせに応じて設定される値の何れかである。
本開示の一実施例における送信機において、前記制御回路は、データのタイプが所定のタイプである場合、前記第2のしきい値に基づいて決定される前記参照信号の配置と異なる密度の参照信号の配置を設定する。
本開示の一実施例における受信機は、参照信号の配置の決定に用いる第1のしきい値に基づいて、第2のしきい値を決定する制御回路と、前記第2のしきい値に基づいて配置される前記参照信号を受信する受信回路と、を具備する。
本開示の一実施例における送信方法は、参照信号の配置の決定に用いる第1のしきい値に基づいて、第2のしきい値を決定し、前記第2のしきい値に基づいて配置される前記参照信号を送信する。
本開示の一実施例における受信方法は、参照信号の配置の決定に用いる第1のしきい値に基づいて、第2のしきい値を決定し、前記第2のしきい値に基づいて配置される前記参照信号を受信する。
2018年9月21日出願の特願2018−177051の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。